説明

手指衛生の実施の分析と改善のための方法及び装置

【課題】施設内の手指衛生ディスペンサーの性質、場所、位置及び向きを分析し、ディスペンサーの物理的特性、場所及び位置と使用を相関させるために、情報をそれぞれ特定のディスペンサーが経験する使用と相関させるための方法及び装置を提供する。
【解決手段】様々な種類のディスペンサーは、データチップを備え、分与サイクルの日時を使用と相関させるデータを取得する。また、各ディスペンサーに関連付けられた物理パラメータが知られ、記録される。これらのデータは全て、周期的にデータベースにダウンロードされ、データベースは、手指衛生ディスペンサーの使用を、ディスペンサーの性質、場所、位置及び向き、時間、作業シフトなどのパラメータを相関させるために、これらのデータをアセスメントする。このデータから、施設内における手指衛生ディスペンサーの使用及び設置を最適化するパラメータを定義することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手指衛生の実施の分野に関する。より詳細には、本発明は、手指衛生の実施を改善する方法に関する。具体的には、本発明は、良好な手指衛生の実施に対する物理的な障害物及び障壁を取り除く及び/又は最小限にすることによって、手指衛生の実施を改善する方法に関する。本発明は、特に、良好な手指衛生の実施に対する物理的な阻害要因をアセスメント及び定量化すること、並びに対象となる場所にあるこのような阻害要因を取り除くことによって、手指衛生の実施を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
良好な手指衛生の実施とは、典型的には、洗浄、消毒、殺菌、あるいは特定の行為の前、その行為の最中、又はその行為の後に人の手指を清潔にするその他の手段を含むものである。疾病は、汚染された人又は物体に接触した手指によって広範囲に伝染することが、一般的には知られている。人の手指を適時に洗浄又は消毒するなどの良好な手指衛生の実施は、健康と生命を維持するために日々の生活で重要であると同時に、医療産業、外食産業、サービス業などの多くの産業においても極めて重要である。近年、これらの産業では良好な手指衛生の実施の必要性に関する意識が高まってきており、多くの場合、その業界で働く人々の行動修正に影響を及ぼす試みを用いてこの問題に取り組んできた。定期的なトレーニングや昇進を伴う教育プログラム及び施設プログラムは、これらの業界の従業者に対して、良好な手指衛生の実施に貢献し、かつその条件を満たすようにふるまうように、奨励するための典型的な手段とされてきた。このような努力は、典型的には、少なくとも一時的には成功する。しかしながら、良好な手指衛生の実施に関する継続的な教育強化及び定期的な昇進がないと、行動修正は一時的なものとなり、結果が持続しないのが一般的である。
【0003】
良好な手指衛生の実施に貢献する物理的環境において、手指衛生の実施が最も良く実現されることがわかっている。換言すると、手指の洗浄・消毒に効果がある状況が目に留まりやすく、簡単に手が伸ばせる場合には、それらの状況の場所、スペース、時間不十分である場合に比べて、非常によく使用される。換言すると、他の条件が全て同じであれば、良好な手指衛生の実施に物理的に貢献し補助する環境では、標準的な実施ではなく何らかの考えがある場合に、この問題にほとんど影響がない環境に比べて、良好な手指衛生の実施が行われる可能性がはるかに高い。
【0004】
実際には、上述の様々な産業の施設に手指の消毒・洗浄装置の配置は、分析及びアセスメントを行うよりも、一般的な実施をより一層継続する結果となることが、既にわかっている。
【0005】
当業界では、手指衛生の実施に与える環境の影響を考慮に入れる手指衛生の実施の分析及び改善のための方法が必要である。実際には、当業界において、手指衛生デバイスの使用を最適化するような方法で、手指衛生デバイスの配置に戦略的に影響を及ぼす方法が必要とされる。具体的には、当業界において、手指衛生デバイスの配置が、従来存在していた実施に対する障壁を取り除くことができる方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に照らすと、本発明の第1の態様は、手指衛生ディスペンサーの場所及び配置が使用と相関される手指衛生の実施の分析と改善のための方法及び装置を提供することである。
【0007】
本発明の別の態様は、手指衛生の実施の分析と改善のための方法及び装置であって、手指衛生の使用に対応するデータを手指衛生ディスペンサーの位置及び場所と相関させる方法及び装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、手指衛生の実施の分析と改善のための方法及び装置であって、かかるディスペンサーの最適化された使用に貢献し適応する方法であって、環境内に手指衛生ディスペンサーを配置及び設置する方法及び装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の態様は、手指衛生の実施の分析と改善のための方法及び装置であって、データを無害に得る方法及び装置を提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、手指衛生の実施の分析と改善のための方法及び装置であって、手指衛生ディスペンサーの物理的設置位置が、手指衛生ディスペンサーの使用をディスペンサーの位置及び場所と相関させるデータによって決定される方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
詳細な説明から明らかとなる本発明の上述の及びその他の態様は、手指衛生の実施を改善するためのシステムによって実現される。このシステムは、施設内に様々な場所、位置及び向きで置かれる複数の手指衛生材料のディスペンサーであって、各ディスペンサーが手指衛生イベントに対応するデータを受信及び格納する特有に関連付けられたメモリを有するディスペンサーと、前記メモリを読み取り、前記複数のディスペンサーのそれぞれからの前記格納データを取り出すために、前記ディスペンサーのそれぞれと選択的に通信する少なくとも1つのトランスポンダと、前記複数のディスペンサーのそれぞれからの前記データを前記トランスポンダから受信し、手指衛生イベントと、前記場所、位置及び向きのうち少なくともいくつかと、前記ディスペンサーの物理的特性との関係性を定量化するために、前記トランスポンダに選択的に通信するデータプロセッサと、を備える。
【0012】
本明細書で明らかになる本発明のその他の態様は、手指衛生の実施を改善するための方法によって実現される。この方法は、施設内の場所によって、手指衛生材料のディスペンサーを識別するステップと、前記ディスペンサーから使用データを取得するステップと、前記使用データを施設内の場所と相関させるステップと、使用と場所との関係性を定量化するステップと、ディスペンサーの使用を最適化するために、施設内のディスペンサーを前記定量化に従って設置及び再設置するステップと、を含む。
【0013】
本明細書で明らかになる本発明のさらなる態様は、手指衛生の実施を改善するための方法によって実現される。この方法は、複数の手指衛生材料のディスペンサーの性質及び場所からなる第1のデータのセットを確立するステップと、かかる材料の分与に関して、前記複数の手指衛生材料のディスペンサーから第2のデータのセットを得るステップと、前記第1のデータのセットと前記第2のデータのセットを相関させて、それにより前記ディスペンサーの性質及び場所と、ディスペンサーの使用に関する傾向との関係性を確立するステップと、前記ディスペンサーを配置又は再配置する後続の動作において、前記関係性を使用するステップと、を含む。
【0014】
本発明の様々な態様及び技法を完全に理解するために、以下の詳細な説明及び添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に関して使用されるディスペンサーの例示的な側面図である。
【図2】施設内の様々な場所におけるディスペンサーの配置を示す部分平面図である。
【図3】流し台などのワークステーションに関連して、様々なディスペンサー位置を例示的に示す図である。
【図4】手指衛生の実施を改善するための本発明の方法を使用するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
手指衛生ディスペンサーの使用をアセスメントし改善するためには、様々な物理的場所で、かかるディスペンサーの使用のアセスメントを行わなければならないことがわかっている。従来は、観察調査を使用して、医療従事者、外食産業の従業者などの手指衛生遵守が測定されてきた。しかしながら、観察調査は時間がかかり、誤差が生じる。このように誤差が生じるのは、観察者が存在すると、作業者の使用が増大するという固有の影響があるためである。代替的には、消毒剤、殺菌剤、石鹸などの分与される製品の実際の消費量を使用して、そのような作業者らの間の使用頻度又は手指衛生事例がアセスメントされる。これらのデータ取得法は両方とも、目立たない方法で客観的データを求め、かつ、手指衛生事例を特定の時間及び/又はイベントに結びつけることができるアセスメントについては不十分である。
【0017】
本発明が想定するディスペンサーの実装形態は、例えばアルコールベースの手指消毒剤を使用するとともに、ディスペンサーと特有に関連付けられ、シリアル番号及び/又は場所に関してそのディスペンサーを識別し、かつ、分与サイクルに応じてそのディスペンサーからデータを受信する電子機器を含むものである。具体的には、このデータは、各分与サイクル又は手指衛生イベントが起こる特定の日時又は作業シフトを含むがこれらに限定されない分与イベントの詳細を含むことができる。次いで、施設内の全てのディスペンサーに関して、このようなデータを集め、アセスメント及び相関のためにラップトップコンピュータなどの処理装置に転送することができる。次いで、物理パラメータに対してディスペンサーの使用を最大にするために、このアセスメントされた相関データを使用して新たな施設にディスペンサーを設置する、あるいは、古いつまり既存の施設にディスペンサーを再設置することができる。
【0018】
次に、図面、より具体的には図1を参照すると、本発明の概念とともに使用される基本的なハードウェアを認識することができる。図示のように、本発明に従って使用される手指衛生ディスペンサーシステムを、全体として参照番号10で示す。システム10は、複数のディスペンサー12を含み、各ディスペンサー12はハウジング14を含み、ハウジング14は典型的には、実質的に中空の内部領域にアクセスできるようにするための蝶番式のフロントカバー16を有する。ディスペンサー12に関連して、アクチュエータ18が設けられるが、このアクチュエータ18は、様々な性質及び構成のうちいずれかを有するものである。アクチュエータ18は、プッシュレバー又はプルレバー、プッシュボタン、タッチフリーセンサなどを含み得ることが、当業者には理解されるであろう。本明細書では全般的に、壁掛けディスペンサーを使用するシステムに関して本発明を説明するが、卓上、ベッドレール、又は機器の一部の上に取り付けられたディスペンサーを含む多種多様なディスペンサー、並びに、例として自立型ディスペンサーにまで本発明が及ぶことが、当業者には理解されるであろう。本発明は、永久的又は半永久的であるかにかかわらず、任意の特定のタイプのディスペンサーに限定されるものではない。
【0019】
ハウジング14によって画成される内部キャビティは、典型的にはその中に適当な液状石鹸、ゲル消毒剤などを保持するカートリッジ20を受け入れ、それを保持するように特有に構成される。カートリッジ20は、使い捨て可能であることが一般的であり、ノズル24を有する一体式ポンプ22を含むことが多い。ノズル24は、一体式ポンプ22から延び、アクチュエータ18及びアクチュエータ18とポンプ22との間の制御リンク手段などが作動すると、ノズル24から石鹸又は消毒剤を分与することができる。ポンプ22は、使い捨て可能なカートリッジ20に一体的に形成された一部分としても、ハウジング14の一部及び一区画としてもよいことが、当業者には理解されるであろう。さらに、本発明は、補充可能で、かつ使い捨て可能である交換可能なカートリッジとすることができる大型リザーバを使用するディスペンサーに及ぶことが、容易に理解できよう。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、ワイヤ又はプリント回路素子などの電気伝導体28は、アクチュエータ18とハウジング14の一部として保持されたデータチップ30との間を動作可能に相互接続する。アクチュエータ18とデータチップ30との間の「有線でつないだ」相互接続について本発明を説明するが、無線周波数伝送又はその他の通信手段を使用し得ることが理解できよう。いずれにせよ、データチップ30は、関連付けられたディスペンサー12に関するシリアル番号、場所などの識別データも含み、それによってデータチップ30が受信し保持する任意のデータを、既知の性質、場所、位置及び向きを有する特定のディスペンサー12と相関させる。本発明の好ましい実施形態によると、データチップ30は、データの送信、リセット又はクリアなどのために、時計、メモリ並びに赤外線又は超音波送信器・受信器を含む。
【0021】
また、手指衛生ディスペンサーシステム10の一部として、少なくとも1つの読取り装置又はトランスポンダ32も含まれるが、このトランスポンダは、ハンドヘルド型で、複数のディスペンサーとは別個のものであり、施設全体に配置された様々なディスペンサー12のデータチップ30と通信するようになされることが好ましい。読取り装置32は、赤外線信号、超音波信号、非接触電磁信号又は無線周波数信号の伝送によって様々なチップ30と通信する無線デバイスとすることができるが、プラグインタイプの係合も使用できることが同様に想定される。さらに、無線システムが好ましいが、トランスポンダ32は有線でもよいことが想定される。いずれにしても、手指衛生管理者又は修理技術者は、読取り装置又はトランスポンダ32を使用して、様々なディスペンサー12のデータチップ30を周期的にアセスメントし、そこから格納されたデータを取り出し、それぞれの特定のディスペンサーと相関させることができる。その点に関して、トランスポンダ32は、データチップからの情報を格納するための適当なメモリチップも含むことができる。チップ30からのデータをトランスポンダ32が取り出した後、チップ30をクリア又はリセットして、後で読取り装置32が取り出す追加データを取得することができる。
【0022】
また、手指衛生ディスペンサーシステム10の一部としてデータ処理システム34が含まれるが、このデータ処理システムは、単なる基本的なラップトップ又はデスクトップコンピュータシステムとすることができる。また、このデータ処理ユニットは、トランスポンダからの情報を処理するためにカスタマイズされた独自のデバイスにできることが想定される。図示のように、データ処理システム34は、典型的には、中央処理装置36、陰極線管又は映像スクリーン38及びキーボード40を含み、これらは全て標準的な様式で相互に関連している。特に中央処理装置36は、所与の施設内の手指衛生ディスペンサー12の性質及び配置と相関して手指衛生の実施のパターンを認識するために、読取り装置又はトランスポンダ32と通信して、施設全体に配置された様々なディスペンサー12のそれぞれからデータを受信し、それらのデータをアセスメント、評価及び定量化するようになされる。
【0023】
本発明の基本的な概念は、手指衛生イベントに対応するデータの取得である。本発明の目的として、手指衛生イベントは、ディスペンサー12のアクチュエータ18が作動することによって判定される。ユーザの手指の洗浄又は消毒に応答してアクチュエータ18が作動するが、多くの場合、非常に正確な測定値となる。データの完全性を確保するために、保護手段が取られる。例えば、アクチュエータ18が設定された期間に複数回作動すると、そのイベントは、単一の手指衛生イベント(ユーザが単に2倍の石鹸又は消毒ゲルを取ってイベントを完了する)に相関することができる。また、データチップは、各手指衛生イベントにおける分与の回数を有益なデータとして記録することができると想定される。
【0024】
次に図2を参照すると、全体として参照番号50で示された施設の部分平面図が示されている。本発明の概念によると、施設は、病院、ホテル、レストラン、又は複数の手指衛生ディスペンサーが必要な任意の施設及び領域とすることができる。いずれにせよ、その施設は、手指衛生が非常に重要であるとみなされる場所であることが想定される。図示のように、施設は任意の画定された領域であるが、典型的には、壁54によって画定される複数の廊下52を含み、壁54は廊下52から延びる。また、壁54は、病院の病室又はホテルの客室などの居室56及びキッチン、実験室、手術室などの居室58を画定するのに役立つ。例示的なものに過ぎないが、居室56内には、ベッド60又はその他の物体が、様々な配置及び向きで置かれている。同様に、居室58には、カウンター62などのその他の物理的構造物が適宜置かれている。もちろん、様々な居室56,58のそれぞれは、1つ又は複数の扉64を備え、出入りできるようになっている。
【0025】
図2に示すように、壁掛けディスペンサー12又は卓上ディスペンサー12aを含む様々な手指衛生ディスペンサーが、施設50全体に設置されている。ディスペンサー12は、自立型で、廊下の壁54及び居室56,58の壁54に取り付けることができ、ディスペンサー12aは、カウンター62上に設置することができる。任意の及び全ての手指衛生イベントにおいて、ディスペンサーの特定の場所がトランスポンダ32によって取り出されたデータの一部であり、中央処理装置36に提供されるように、ディスペンサー12,12aのそれぞれは、シリアル番号などによって特有に識別され、データチップ30内に保持される。図2を例にとると、ディスペンサー12は、扉の内側又は外側、ベッドの右側又は左側、角、居室の隅、廊下が交差する角の近く、カウンター62に近接して又は離れて、様々な高さ、感染管理行為に関連する様々な移動経路などの場所に置くことができる。同様にして、卓上ディスペンサー12aは、カウンター62の前端部、角、後端部などの様々な位置に置くことができる。中央処理装置30に提供されるデータの一部は、廊下52のディスペンサー12の配置と相関するシステム50のトラフィックパターンとすることができる。
【0026】
図3を参照すると、ディスペンサー12,12aの配置をさらに例示的に示すことができる。ここでは、流し台の構成を参照番号70で示し、適当な壁72に取り付けられた流し台74が示される。手指衛生イベントは、必ずしもそうである必要はないが、流し台と関連付けられて予想されるのが最も一般的である。ディスペンサー12は、壁掛けユニット又は流し台74の上にあるカウンター取付ユニット12aとして図3に例示的に示される様々な場所のいずれかに配置することができる。
【0027】
図2及び図3は、ディスペンサー12,12aを施設内の様々な場所のいずれかに置くことができることを論証するために、単に例示的目的で示されたものに過ぎず、本発明で想定される可能なディスペンサーの場所を限定することを意図するものではない。
【0028】
典型的には、ディスペンサーは、任意の分析的手法ではなく経験則によって配置されてきた。流し台74に関連して石鹸ディスペンサー12又は12aを配置することが常識的かもしれないが、流し台のある程度上に壁に、流し台の左側又は右側に、又は流し台自体の上にディスペンサーを配置する場合、使用される傾向が高くなるかどうかは知られていない。同様に、医療施設の病室内に又は病室に関連して手指消毒剤ディスペンサーを配置することが知られているが、ディスペンサーを、ベッドの右側又は左側に、壁のある高さに、戸口の内側又は外側などに配置すると、使用される傾向が高くなるかどうかは一般的には知られていない。同様に、施設内のトラフィックパターン内のディスペンサー12については、使用とトラフィックパターンを、つまりディスペンサーの配置と関連する使用とトラフィックパターンを存在させる又は相関させるための決定的なデータは全く知られていない。本明細書に記載される発明によって、手指衛生遵守を促進するために、分析的調査及び分析により、最適なディスペンサーの配置を決定できるようになる。
【0029】
本発明は、ディスペンサーの配置に応じるディスペンサーの使用のアセスメントだけでなく、ディスペンサー自体の構造、走査特性及びグラフィックに応じるディスペンサーの使用のアセスメントを想定するものである。ディスペンサーの場所、位置及び向きとともにデータがそこから得られる各ディスペンサーの特定の性質がわかると、それらのパラメータをディスペンサーの使用と容易に相関させることができる。具体的には、一例として、本発明は、手動作動式のディスペンサーが、自動タッチフリーディスペンサーよりも使用に貢献するのはいつどんな場合か、ゲルと泡のどちらが好ましいか、大きなディスペンサーと小さなディスペンサーのどちらが好ましいか、ディスペンサーにグラフィクスがある場合、ディスペンサーの使用にどんな効果があるかについて取り組む。さらに、ベッドレール又は機器の一部などの上で一時的に配置及び使用するようになされた半永久的ディスペンサーの性質及び限界についてアセスメントされることが想定される。このような半永久的ディスペンサーを使用する結果、手指衛生の実施が改善されたことについて、アセスメントを行うことができる。
【0030】
記載された本発明の概念は、ここまで、施設内の様々な特性を有するディスペンサーの配置に関連するが、ポケット、ベルトホルスター、クリップや飾り紐などでユーザが持ち運びする個人用ディスペンサーについて有用とするために、同様のデータを得て、見出すことができる。また、ユーザにおけるディスペンサーの性質及び配置とディスペンサーの使用を相関させるデータは、良好な手指衛生の実施を確保するために役立てることができ、本明細書に記載される発明の一部分であると想定される。
【0031】
次に図4を参照すると、本発明のプロセスがフローチャートの形式で、全体として参照番号80で示されていることが分かる。プロセスは、スタート・リセット機能82で始まり、アクティビティブロック84に移ると、そこで様々なディスペンサー12,12a及びそれらに関連付けられた物理パラメータが識別される。換言すると、各ディスペンサーはシリアル番号又はその他の識別性によって識別され、施設又はユーザにおけるその性質、場所、向き、及び位置についてさらに識別される。様々なディスペンサー12,12aのそれぞれがそれに関連付けられた手指衛生イベント記録メカニズムを有する場合、かかるディスペンサー12,12aのそれぞれは、関連付けられたデータチップ30内に複数のデータを有し、これらのデータは各手指衛生イベントの使用回数とディスペンサーの使用を相関させる。86において、トランスポンダ32がこれらのデータを取得し、それにより、所与のテスト期間にわたって、施設内のあるいは使用中の各ディスペンサー12,12aはデータを有し、このデータは、データ処理システム34に提供され、88において、アセスメントされる。このデータアセスメントは、時間、日付、作業シフトなどとディスペンサーの使用を相関させる。次に、90において、ディスペンサー12,12aと関連付けられた物理パラメータと、この使用データを相関させる。換言すると、ディスペンサーの場所、その場所のおける高さについての位置、卓上配置か、壁掛け配置、居室の内部、居室のすぐ外側、ベッド、流し台、調理台の左側又は右側などと、使用データを相関させる。任意のディスペンサー12と関連付けられた物理パラメータの数は、実質的に制限はなく、従って手指衛生イベントをたくさんの物理パラメータ並びにそれらの様々な順列及び組合せと相関させることができる。
【0032】
92において、ディスペンサーの使用と物理パラメータの関係性が定量化される。換言すると、卓上ユニット又は壁掛けユニットは、流し台で使用されるのがより一般的であるかどうかについて、アセスメントが行われる。これらのユニットは、流し台の右側と左側のどちらに配置される場合により多く使用されるか、壁掛けユニットの場合、流し台のどのくらい上にディスペンサー12が取り付けられるかについて、さらなるアセスメントが行われる。居室内、カウンター上、廊下の配置について、さらにトラフィックパターン、作業シフトなどについて、同様の定量化が行われる。
【0033】
次いで94において、得られた定量化は、ディスペンサーの使用を最適化するためにディスペンサーを設置又は再設置するために使用され、このように設置又は再設置されると、さらなる監視を行うことができ、また、ディスペンサーの使用を容易にすることを目的としてディスペンサーの配置を持続的に改善するために、連続するデータを取得し、アセスメントし、定量化することができる。
【0034】
本発明の概念は、特定の性質を有するディスペンサーを、かかるディスペンサーが最も使用され易くなるような施設内の場所(又は人)に置くことであることを理解されたい。換言すると、このようにディスペンサーを配置すると、ディスペンサーは「ユーザフレンドリ」になり、存在していたかもしれない物理的障害物が取り除かれてディスペンサーが使用される。本発明の概念は、医療従事者などの挙動を必ずしも修正することではなく、良好な手指衛生の実施が容易に行われる環境を提供することである。その結果、典型的には、手指衛生の実施が改善されるであろう。
【0035】
ここで、本発明の概念は、ディスペンサーの使用に関する大量のデータを目立たないように取得すること、並びに、それに続いて、関連付けられた施設の地図上にそのデータを重ね合わせること、施設内のディスペンサーの性質、場所、向き及び位置とディスペンサーの使用を相関させることを含むことを理解されたい。この相関から、ディスペンサーの性質、場所、向き及び位置とディスペンサーの使用の関係性に関する情報を得ることができ、またその情報を、同様のパラメータを有する既知の施設にディスペンサーを再設置するために、又は同様の特性を有する新たな施設にオリジナルのディスペンサーを容易に配置できるようにするために使用することができる。本発明の概念の使用及び実装のいくつかの実施例が、以下に提示される。
【0036】
実施例1
第1の状況では、2つの救急病院の4つの病棟にある全部で126個の壁掛け石鹸ディスペンサー及び壁掛け手指消毒剤ディスペンサーに、上述の一般的なタイプの手指衛生イベントレコーダを嵌めこんだ。レコーダは、ディスペンサーのユーザには見えず、ディスペンサー毎に手指衛生イベントの合計回数の累計を、電子的に判定し、記録し、表示した。各ディスペンサーの合計回数を手動で読み取り、その病棟における大多数の医療従事者の作業シフトに対応する所定の時間インターバル(典型的には12時間)でデータシートに転記した。記録されたイベントの現在の合計回数から以前の合計回数を引くことによって、所与の時間インターバル中の手指衛生イベントの回数を計算した。この手指衛生データを13週間にわたって記録した。
【0037】
同時に、研究病棟内の医療従事者の手指衛生を観察者訓練法によって測定した。4人の観察者を、手指衛生機会及び実際のイベントを監視し記録するために均一に訓練し、その2人の割合を手指衛生「完了」値とした。評価者間信頼性は、95%を超えると判定された。使用される標準的な観察方法は、どちらのディスペンサーが任意の個別の医療従事者に使用されたかについては識別しなかった。
【0038】
本発明のよる電子監視デバイスからの手指衛生測定データを、4つの病棟の設計図に手動で転記した。データを物理的なディスペンサーパラメータにこうして重ね合わせることによって、いくつかの手指衛生パターンの識別及び半定量的なアセスメントが可能になった。また、根底にあるパターン及び関係性をさらに識別するために、これらのデータを統計的に分析した。例えば、手指消毒剤イベントに対する石鹸の割合、場所の影響、患者とスタッフの負荷、作業シフトなどがアセスメントされた。次いで、これらの分析を使用して、手指衛生率を改善する機会を識別した。これらの分析の結果として、2つの病棟において手指衛生のレベルを高めるために、物理的場所並びにディスペンサーの個数にいくつかの変更を加えた。
【0039】
同様の方法で、観察法によって並行して得られた手指衛生測定データを分析しようと試みた。しかしながら、このデータは、物理的変更によって手指衛生を改善する機会を識別できるほど詳細ではなかった。具体的には、ディスペンサー毎に特有の識別子の欠如が克服できない障害であることが明らかになった。
【0040】
実施例2
居室の外側に加えて病室の内側にも壁掛け手指消毒剤ディスペンサーを配置することの手指衛生率に対する影響を判定するために、研究が行われた。救急病院内の2つの病棟(一方は集中治療室、もう一方は一般病棟)に、上述の電子手指衛生記録デバイスを装備した。23個の病室の内側(ベッド脇)とすぐ外側(廊下)の両方に手指消毒剤のディスペンサーを置いて、記録をとった。60日間にわたって手指衛生イベントを記録し、その間に1846個の特有のイベントが登録された。ディスペンサーを病室の内側と外側に置いた場合の使用パターンを判定するために、手指衛生イベントのデータを統計的に分析した。このため、対象とされる2つの病棟の物理的地図にこれらのデータを重ね合わせて、使用データを場所データと相関させた。手指衛生イベントのうち48%が室内ディスペンサーで生じ、これらのイベントうちかなり多くの回数が、1つの領域から別の領域への単なる実施の移動ではなく、追加の手指衛生であることが分かった。これらの結果に基づいて、追加のディスペンサーは、病院内の全ての病室の内側に置かれた。
【0041】
実施例3
23床の救急病棟では、接触隔離(接触感染症)予防のために必要な装備がされた6つの病室に、上述の手指衛生イベント監視システムを備え付けた。次いで、石鹸ディスペンサーと手指消毒剤ディスペンサーの両方を、7ヶ月間にわたって監視した。電子監視デバイスからの手指衛生測定データを、上述したように病棟のオーバーレイに転記した。このデータの分析により、石鹸及び水を用いる手指衛生は、ハンドソープの場所と隔離予防を実施する必要がある作業全体の流れとに起因して、これらの病室において手指消毒剤を使用するよりも非常に好ましいことがわかった。さらに、手指消毒剤ディスペンサーの物理的配置は、使用率に対して比較的小さな影響しかなく、従って消毒剤ディスペンサーの個数また物理的場所を変更しなくてもよいことがわかった。むしろ、リソースを使用して、接触予防室における手指洗浄の実施が強調された。ここでは、手指消毒剤でなく手指洗浄用の石鹸の使用が規範なので、手指消毒剤ディスペンサーの配置にかかわらず、その規範が厳守されたことがデータによってわかった。従って、これにより、いくつかの状況において、ディスペンサーの配置がディスペンサーの使用に対してほとんど影響を与えないことが示された。このような状況では、ディスペンサーの再設置に対する費用もイライラも必要ない。むしろ、良好な手指衛生の実施を改善又は維持するためのその他の手段に注意を向けることができる。
【0042】
実施例4
外食(チキン)レストランで、物理的場所が、石鹸及び手指消毒剤の使用率に与える影響を判定するために、2段階の研究が行われた。このレストランを(1)調理、(2)カウンターサービス及び(3)ドライブスルーサービスの3つの区域に分ける。石鹸ディスペンサーを調理領域の従業者の流し台に配置し、手指消毒剤ディスペンサーをドライブスルーサービス(1)領域及びフロントカウンターサービス(2)領域に配置する。先に述べた手指衛生監視システムを全てのディスペンサーに取り付ける。
【0043】
第1の研究段階では、手指消毒剤ディスペンサーが1つもない、すなわち石鹸と水を使用する手指洗浄のみが実施されるときに手指衛生イベントを測定することによって、手指衛生の実施のベースラインが確立される。これは、米国の外食施設における典型的な現在の実施を表す。調理区域以外の区域には流し台もディスペンサーもないので、調理区域の外側では、手指洗浄は全く記録されない。60日間分のベースラインデータが記録される。
【0044】
第2の研究段階では、手指消毒剤ディスペンサーは、レストランの調理区域以外の区域に付加される。次いで、さらに60日間分のデータが、3つの区域全て関して集められる。
【0045】
レストランのトライブスルー領域及びフロントカウンター領域に手指消毒剤ディスペンサーを置くと、3つの期間(一日のうちで最も忙しい(客が最も多い)1時間)中に、手指衛生イベントが極めて多くなることが、手指衛生データの分析によりわかるであろうことが予想される。さらに、3つの期間中、手指衛生イベントの回数の統計的に大幅な変化は、調理流し台領域のディスペンサーでは生じないことが予想される。このことが明らかになる場合、従業者の手指衛生のレベルを高めるために、複数の場所に手指消毒剤ディスペンサーを設置するように、レストランのポリシーが変わることが予想される。
【0046】
本発明の実装形態のその他の実施例は、上述の内容から容易に明らかになろう。現在、本発明の方法は、通路、甲板、食堂の様々な地点などにディスペンサーを備えるクルーズ船で使用することができることが想定される。実際には、本発明の概念は、良好な手指衛生の実施が重要である様々な環境に適合する。
【0047】
本発明は、ディスペンサーの使用と相関し得るデータを取得するために、同時に設置され監視される複数のディスペンサーについて説明した。また、本発明は、既知の特性、場所、位置及び向きの単一のディスペンサーをデータ取得のために監視できることが想定される。次いで、そのディスペンサーを対象となるパラメータのいずれかに関して繰返し変更し、次いで、さらなるデータ取得のために監視することができる。それにより、大量のデータを取得し、特性、特徴、場所、位置及び向きを使用の可能性と相関させることができる。次いで、このような情報を使用して、ディスペンサーを設置及び/又は再設置することができる。
【0048】
従って、本発明の様々な態様が、上述の構造及び方法によって達成される。特許法に従って、本発明の最もよく知られ、好ましい実施形態を詳細に記載したが、本発明はこれに限定されるものではない。従って、本発明の正確な範囲を理解するためには、添付の特許請求の範囲を参照されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に様々な場所、位置及び向きで置かれる複数の手指衛生材料のディスペンサーであって、各ディスペンサーが手指衛生イベントに対応するデータを受信及び格納する特有に関連付けられたメモリを有するディスペンサーと、
前記メモリを読み取り、前記複数のディスペンサーのそれぞれからの前記格納データを取り出すために、前記ディスペンサーのそれぞれと選択的に通信する少なくとも1つのトランスポンダと、
前記複数のディスペンサーのそれぞれからの前記データを前記トランスポンダから受信し、手指衛生イベントと、前記場所、位置及び向きのうちの少なくともいくつかと、前記ディスペンサーの物理的特性との関係性を定量化するために、前記トランスポンダと選択的に通信するデータプロセッサと、
を備える手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項2】
前記ディスペンサーのそれぞれが、永久ディスペンサー及び半永久ディスペンサーの群から選択され、前記メモリと動作可能に通信するアクチュエータを有する、請求項1に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項3】
前記トランスポンダが、持ち運び可能なハンドヘルドユニットである、請求項2に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項4】
前記トランスポンダが、赤外線信号で前記ディスペンサーと通信する、請求項3に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項5】
前記トランスポンダが、非接触電磁信号で前記ディスペンサーと通信する、請求項3に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項6】
前記トランスポンダが、無線周波数信号で前記ディスペンサーと通信する、請求項3に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項7】
前記トランスポンダが、超音波信号で前記ディスペンサーと通信する、請求項3に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項8】
前記ディスペンサーのそれぞれが、前記施設内の場所、位置及び向きのうち少なくともいくつか、並びに前記物理的特性について、特有に識別される、請求項2に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項9】
前記施設が、医療施設、ホテル、レストラン及びクルーズ船からなる群から選択される、請求項8に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項10】
前記ディスペンサーが、壁掛けディスペンサー、卓上ディスペンサー及び個人用ディスペンサーからなる群から選択される、請求項9に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項11】
前記データプロセッサが、前記手指衛生イベントと前記場所、位置、向き及び物理的特性との関係性の前記定量化に基づいて、前記施設内の前記ディスペンサーの場所、位置、向き及び物理的特性から前記ディスペンサーの最適パラメータを識別する、請求項1に記載の手指衛生の実施を改善するためのシステム。
【請求項12】
施設内の場所によって、手指衛生材料のディスペンサーを識別するステップと、
前記ディスペンサーから使用データを取得するステップと、
前記使用データを前記施設内の場所と相関させるステップと、
使用と場所との関係性を定量化するステップと、
前記ディスペンサーの使用を最適化するために、前記施設内の前記ディスペンサーを前記定量化に従って設置及び再設置するステップと、
を含む手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項13】
前記ディスペンサーが、ディスペンサーの種類によってさらに識別される、請求項12に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項14】
前記使用データが使用の日時を含む、請求項12に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項15】
前記場所が、位置的高さ、他の物体との位置的関係、並びに移動経路、扉及び壁に関する事項との位置的関係からなる群から少なくとも選択されるパラメータを含む、請求項14に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項16】
前記移動経路が、感染管理行為に関連する経路である、請求項15に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項17】
前記ディスペンサーと読取り装置との間の信号伝送によって、前記ディスペンサーから前記使用データを取得する、請求項15に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項18】
設置及び再設置する前記ステップが、前記施設内の場所であって高い使用率を示す場所と同様の特性を有する場所を識別するステップと、このように識別された場所にディスペンサーを置くステップとを含む、請求項17に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項19】
複数の手指衛生材料のディスペンサーの性質及び場所からなる第1のデータのセットを確立するステップと、
かかる材料の分与に関して、前記複数の手指衛生材料のディスペンサーから第2のデータのセットを得るステップと、
前記第1のデータのセットと前記第2のデータのセットを相関させて、それにより前記ディスペンサーの性質及び場所と、前記ディスペンサーの使用に関する傾向との関係性を確立するステップと、
前記ディスペンサーを配置又は再配置する後続の動作において、前記関係性を使用するステップと、
を含む手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項20】
前記第2のデータのセットが、前記ディスペンサーのそれぞれから得られ、前記ディスペンサーのそれぞれと特有に関連付けられる、請求項19に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項21】
相関させる前記ステップが、前記第2のデータのセットを前記第1のデータのセット及び重ね合わせるステップであって、データの類似性に関するパターンが1つもないステップを含む、請求項20に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項22】
前記データの類似性に関するパターンを使用して、前記ディスペンサーの配置及び再配置のための規範を確立する、請求項21に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。
【請求項23】
前記第1のデータのセットが、前記ディスペンサーを保持する施設における人員配置及び占有率に関するデータをさらに含む、請求項22に記載の手指衛生の実施を改善するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−227540(P2010−227540A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−205(P2010−205)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【出願人】(506190555)ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】