手摺装置

【課題】手摺全体を見て帯状に発光させることにより視認性を向上させることのできる手摺装置を提供する。
【解決手段】長尺状の芯材１の少なくとも上面に長さ方向全長に亘って光反射層２を設け、この芯材１の全長に亘って芯材１周りを覆うように透明な樹脂被覆体３が設けられ、樹脂被覆体３の長さ方向の両端には発光ダイオードが配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、夜間において発光する機能を備えた手摺装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のこの種手摺としては、例えば特許文献１に開示されているような、芯材とこの芯材に被せられる合成樹脂被覆材とこの合成樹脂被覆材と芯材の間に配設された紫外線発光ダイオードとからなり、前記合成樹脂被覆材は内層と外層からなり、外層には蓄光剤が配設され、内装は透光性の合成樹脂からなり、前記紫外線発光ダイオードは、間欠点灯するようになされた発光手摺が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００６−１６１３８３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記特許文献１に開示されている発光手摺は、合成樹脂被覆材と芯材の間に紫外線発光ダイオードが適当間隔おきに配設されるものと考えられ、夜間において紫外線発光ダイオード付近で発光し、手摺全体を見ると点状に発光されるようになる。そのため、視認性に問題があった。
【０００５】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、手摺全体を見て帯状に発光させることにより視認性を向上させることのできる手摺装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の請求項１に記載の手摺装置は、長尺状の芯材の少なくとも上面に長さ方向全長に亘って光反射層を設け、この芯材の全長に亘って芯材周りを覆うように透明な樹脂被覆体が設けられ、樹脂被覆体の長さ方向の両端には発光ダイオードが配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
以上のように、本発明の手摺装置は、長尺状の芯材の上面に長さ方向全長に亘って光反射層を設け、この芯材の全長に亘って芯材周りを覆うように透明な樹脂被覆体が設けられ、樹脂被覆体の長さ方向の両端には発光ダイオードが配設されている構成となっているので、発光ダイオードで発する光が樹脂被覆層の中を光反射層を反射しながら通り、光反射層を小さい角度で反射した光が樹脂被覆層より外部に出るようになり、手摺全体を見た場合、手摺の長さ方向の全長に亘って光が帯状に発せられ、視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の一実施の形態における手摺の断面図である。
【図２】同手摺の樹脂被覆体の中での光の反射状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明の一実施の形態を、図１〜図２を用いて具体的に説明する。
図において、１はアルミニウムを材料に用いて作られた芯材で、この芯材１の少なくとも上面、詳しくは下端を除く全面を光反射層２で覆っている。３は前記芯材１の周りを光反射層２を介して覆うように設けられた樹脂被覆体で、この樹脂被覆層３の外周面は表面層４で覆われている。
【００１０】
前記樹脂被覆体３はアクリルなどの透明な合成樹脂を用いて構成され、また前記表面層４はアクリルなどの透明な合成樹脂の中に着色材を１質量％程度含有させてなる材料を用いて構成されている。前記表面層４の厚さは０．５ｍｍで、その中に含まれる着色材の平均粒径は２５μｍ程度である。
【００１１】
そして、上記のように作られた棒状の手摺の樹脂被覆体３の長さ方向の両端には発光ダイオード５が配設され、夜間において人が近づいたことをセンサーで検知して発光ダイオード５を点灯させることによりその光は樹脂被覆体３の中を前記光反射層２を反射しながら通り、光反射層２を小さい角度で反射した光が樹脂被覆体３より表面層４を通って外部に出るようになり、手摺全体を見た場合、光が帯状に発せられ、視認性を向上させることができる。さらに、本実施の形態のように樹脂被覆体３を覆う表面層４が存在することにより、光を拡散させて光を和らげることができる。
【産業上の利用可能性】
【００１２】
本発明の手摺装置は、手摺全体を見て帯状に発光させることにより視認性を向上させることのできる手摺装置である。
【符号の説明】
【００１３】
１芯材
２光反射層
３樹脂被覆体
４表面層
５発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項１】
長尺状の芯材の少なくとも上面に長さ方向全長に亘って光反射層を設け、この芯材の全長に亘って芯材周りを覆うように透明な樹脂被覆体が設けられ、樹脂被覆体の長さ方向の両端には発光ダイオードが配設されていることを特徴とする手摺装置。

【図１】