説明

手荷物用タグ

【課題】手荷物への取付操作を容易に行うことができる手荷物用タグを提供する。
【解決手段】手荷物用タグ1は、粘着層10が設けられる帯状の表面シート20と、粘着層10に剥離自在に粘着される帯状の剥離シート30とを有している。表面シート20の一端部には顧客用控部が分離自在に設けられ、剥離シート30には顧客用控部とともに分離自在の控被覆部が設けられており、この控被覆部の分離用スリット31は顧客用控部よりも他端部側の表面本体部にオーバーラップしている。剥離本体部30aの一端部には、手荷物用タグ1を手荷物の取手に巻き付ける際に剥離されて表面シート20の粘着層10を露出させる巻付け用剥離部34が設けられている。この巻付け用剥離部34の剥離位置は剥離端35により規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空手荷物の行き先や便名などの荷物情報が記載され、手荷物に取り付けられて手荷物の輸送や受け渡し時の標識として使用される手荷物用タグに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機搭乗者が航空会社に手荷物を預ける場合には、手荷物の行き先や航空機の便名等の荷物情報が記載された帯状の手荷物用タグが使用されている。この手荷物用タグは飛行場の手荷物受け渡しカウンタにおいて手荷物に取り付けられ、手荷物用タグに記載されている情報に従って手荷物の輸送や受け渡し業務が行われている。この手荷物用タグとしては、手荷物の取手にループ状に取り付けるようにしたタイプのものが提案されている。
【0003】
手荷物用タグを取手にループ状に取り付けるようにするために、特許文献1には、帯状のタグ本体とこの背面に設けられる熱融着性基材とを有する手荷物用タグが記載されている。この手荷物用タグはタグ本体を手荷物の取手にループ状に巻き付け、ループの背面の熱融着性基材同士を重ね合わせた状態のもとで、超音波加熱や高周波加熱等の加熱手段により熱融着性基材を加熱するようにしている。
【0004】
特許文献2には、ICチップと通信用アンテナとを有する非接触型ICモジュールが貼り付けられた基材シートと、この基材シートの粘着層により粘着される剥離シートとを有する手荷物用タグが記載されている。剥離シートの両端はスリットの部分で剥離自在となっており、手荷物の取手にループ状に巻き付けて剥離シートの両端部を取り除くことにより、露出された粘着層同士を接着することで手荷物用タグが取手に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−56513号公報
【特許文献2】特開2008−299603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、超音波加熱等の加熱装置を用いて熱融着性基材同士を接着するようにすると、手荷物用タグを手荷物に取り付けるために加熱装置が必要となるので、タグの取付作業性が悪くなるだけでなく、手荷物に取り付ける操作は専門のオペレータによってのみ行うオペレータ取付方式となる。一方、特許文献2に記載されるように、剥離シートを取り除くようにすると、オペレータのみならず、手荷物の所有者自身も手荷物に取り付けることができるセルフ取付方式となる。しかし、セルフ取付方式においては、手荷物の所有者自身が剥離シートを取り除くことになるので、取り除かれた剥離シートの部分がゴミとなるという問題点がある。取り除かれて不要となった部分が不用意に廃棄されると、手荷物カウンタの周囲を汚すことになる。
【0007】
そこで、加熱装置を用いることなく帯状の手荷物用タグを手荷物の取手に取り付けるようにすることができるとともに、剥離シートを手荷物用タグから取り除くことなく、タグに残した状態で取手に取り付けるようにすることができる手荷物用タグの研究開発が行われた。手荷物用タグを外面に荷物情報が記載される表面シートと、この表面シートの内面に設けられた粘着層に粘着される剥離シートとにより形成し、剥離シートの一部分のみを剥離停止位置まで剥離させて粘着層を露出させるようにした手荷物用タグの開発が望まれている。このタイプの手荷物用タグは、剥離部分を表面シートに残すことができるので、セルフ取付方式となっても、剥離部分をゴミとすることなく、露出された粘着層を剥離シートに貼り付けて取手にループ状に取り付けることができる。
【0008】
ループ状に取り付けられた手荷物用タグが手荷物の積み込み作業や輸送中に手荷物から外れないようにするには、剥離シートを部分的に剥がして露出された粘着層をタグ背面の所定の位置に貼り付ける必要がある。しかしながら、手荷物の所有者である顧客自身が取手に取り付ける場合のように、セルフ取付方式が採用される場合には、タグの操作に不慣れな使用者がタグの取付操作を行うと、粘着層が所定の位置から外れて貼り付けられてしまうことがある。粘着層が所定の位置に貼り付けられない状態で手荷物の積み込み作業等が行われると、タグが外れるおそれがある。また、不慣れな使用者がタグの取付操作を行うと、剥離部分を剥離する際に、剥離停止位置を過ぎて大きく剥離シートを剥がしてしまうことがあった。剥離シートを大きく剥がしてしまうと、粘着層の部分が取手に直接粘着してしまうようなことがあり、タグの使用後における取手からのタグの取り除き操作を容易に行うことができなくなる。また、不注意により剥離シートが表面シートから取り除かれてしまうと、それが廃棄されてゴミとなって飛散されることがある。
【0009】
本発明の目的は、手荷物への取付操作を容易に行うことができる手荷物用タグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の手荷物用タグは、外面に荷物情報が印刷され内面に粘着層が設けられる帯状の表面シートと、前記粘着層に剥離自在に粘着される帯状の剥離シートとを有し、手荷物に取り付けられる手荷物用タグであって、前記表面シートの表面本体部の一端に分離自在の顧客用控部を設けるとともに、前記表面本体部の他端に前記剥離シートから剥離されるとともに前記表面シートからそれぞれ分離自在の複数の航空会社用控部を設け、前記表面本体部にオーバーラップさせた分離用スリットの部分から前記顧客用控部とともに分離自在の控被覆部を前記剥離シートの剥離本体部の一端に設け、手荷物用タグを手荷物の取手にループ状に巻き付ける際に剥離されて前記表面シートの内面側の前記粘着層を露出させる巻付け用剥離部を前記剥離シートに設け、前記巻付け用剥離部を剥離して露出された前記粘着層が粘着される貼付領域表示部を前記剥離シートの外面に設け、前記巻付け用剥離部を剥離する際に剥離位置を規制する第1の剥離端を前記剥離シートに設け、前記控被覆部を部分的に剥離する際に剥離位置を規制する第2の剥離端を前記控被覆部に設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、手荷物用タグを手荷物の取手に取り付ける際には、剥離シートに設けられた巻付け用剥離部を剥離させて剥離シートに重ねるように折り曲げると、巻付け用剥離部を除去することなく、表面シートの内面に設けられた粘着層が露出され、露出された粘着層を剥離シートに標記された貼付領域表示部に粘着させることになる。このときには、巻付け用剥離部を剥離する際には、第1の剥離端により剥離位置が規制されるので、過度に剥離シートが剥離されたり、不用意に剥離シートが全て剥離されたりすることが防止される。
【0012】
控被覆部を部分的に顧客用控部から剥離する際には、控被覆部は第2の剥離端により剥離位置が規制されるので、セルフ取付方式により不慣れな使用者が手荷物への取付操作を行っても、過度に控被覆部が剥離されたり、不用意に控被覆部が全て剥離されたりすることが防止される。これにより、控被覆部が不用意に廃棄されてゴミとなって飛散することが防止される。
【0013】
この手荷物用タグの使用形態としては、手荷物の取手に巻き付けて使用される形態と、手荷物の側面等に貼り付けて使用される形態とのいずれでも可能であり、それぞれの使用形態においては顧客用控部を表面本体部から分離されて使用される形態と、顧客用控部が表面本体部に取り付けられた状態とのいずれで使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)は本発明の一実施の形態である手荷物用タグの表面シートの外面を示す平面図であり、(B)は手荷物用タグの剥離シートの外面を示す平面図であり、(C)は(A)における1C−1C線断面図である。
【図2】図1に示された手荷物用タグの剥離シートの外面を示す斜視図である。
【図3】(A)は図2に示された控被覆部を部分的に顧客用控部から剥離した状態を示す斜視図であり、(B)は本発明の他の実施の形態である手荷物用タグの(A)と同様の部分を示す斜視図である。
【図4】巻付け用剥離部を剥離端の位置まで剥離した状態における手荷物用タグを示す斜視図である。
【図5】巻付け用剥離部を剥離端の位置で折り曲げた状態における手荷物用タグを示す斜視図である。
【図6】手荷物の取手に巻き付けた状態の手荷物用タグを示す斜視図である。
【図7】(A)は図2における7A−7A線の拡大断面図であり、(B)は本発明の手荷物用タグの他の使用形態における(A)と同様の部分を示す断面図である。
【図8】図4における8−8線の拡大断面図である。
【図9】(A)は剥離シートに設けられた舌片の拡大平面図であり、(B)は舌片の変形例を示す拡大平面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態である手荷物用タグの剥離シートの外面の一部を示す平面図である。
【図11】(A)〜(E)は手荷物用タグを手荷物の取手に巻き付ける手順を示す工程図である。
【図12】(A)〜(E)は図11とは相違する他の使用形態により手荷物用タグを手荷物の取手に巻き付ける手順を示す工程図である。
【図13】(A)〜(E)は手荷物用タグを手荷物の側面に貼り付ける手順を示す工程図である。
【図14】(A)は取手に手荷物用タグが巻き付けられた手荷物を示す斜視図であり、(B)は側面に手荷物用タグが貼り付けられた手荷物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。手荷物用タグ1は、図1に示されるように、外面に荷物情報が記載され内面に粘着層10が接着された帯状の表面シート20と、この表面シート20の粘着層10に剥離自在に粘着される帯状の剥離シート30とを有している。このように、手荷物用タグ1は、上紙となる表面シート20と、表面シート20の内面に設けられた粘着層10と、表面シート20の内面つまり裏面に下紙となって粘着される剥離シート30との三層構造となっている。内面側に粘着層10が塗布されて接着された表面シート20は、これに粘着される剥離シート30よりも腰が強い硬めの素材により形成されている。剥離シート30の長さは約60cmであり、幅は約5.5cmであり、表面シート20の長さと幅は、剥離シート30よりもそれぞれ2mm程度小さい寸法となっている。なお、図1(C)においては、表面シート20と剥離シート30は便宜的に1本の線で示されている。
【0016】
表面シート20の一端部には、図1(A)に示されるように、ミシン目からなる分離用切込み線21を介して顧客用控部22が形成されている。この顧客用控部22はクレームタグとも言われており、分離用切込み線21により表面シート20の表面本体部20aから分離自在となっている。このクレームタグつまり顧客用控部22の表面には、航空会社名、便名および荷物番号等の荷物情報が記載される。
【0017】
一方、表面シート20の他端部には、図1(A)に示されるように、3本の分離用スリット23a〜23cにより3つの航空会社用控部24a〜24cが区画されている。それぞれの航空会社用控部24a〜24cには、バーコードで荷物情報が記載される。3つの航空会社用控部のうち、1つは手荷物が預けられる窓口カウンタの控えとして使用され、他の1つは荷物輸送時の控えとして使用され、残りの1つは予備として使用される。航空会社用控部としては、最小限2つ設けられていれば良く、3つに限られることはない。
【0018】
表面シート20の一端部側の分離用切込み線21と、他端部側の3本の分離用スリット23a〜23cのうち最も内側の分離用スリット23cとの間は、一続きとなった表面本体部20aとなっている。表面本体部20aの外面には、荷物情報がバーコードと文字により記載される。バーコード表示部25は、表面本体部20aの両端部に印字方向を相互に直角方向にずらして2個所ずつ設けられており、表面本体部20aの中央部には文字により荷物情報を表示する文字表示部26が設けられている。
【0019】
図1(B)に示されるように、剥離シート30の一端部には分離用スリット31が形成されている。この分離用スリット31は表面シート20の分離用切込み線21よりも他端部側にずれて、表面本体部20aにオーバーラップしており、分離用スリット31と剥離シート30の一端との間は控被覆部32となっている。このように、剥離シート30は剥離本体部30aと控被覆部32とを有し、控被覆部32は剥離本体部30aの一端に分離用スリット31を介して連なっており、控被覆部32は表面シート20の顧客用控部22が粘着された状態で剥離シート30の剥離本体部30aから分離自在となっている。分離用スリット31は、図1(B)に示されるように、長手方向に蛇行させて剥離シート30を幅方向に横断して形成されており、顧客用控部22とともに控被覆部32を剥離シート30から分離させるときには、剥離シート30が外側となるように顧客用控部22を表面本体部20aに対して折り曲げると、分離用スリット31のエッジが跳ね上げられるように粘着層10から控被覆部32は容易に剥離されることになる。このように、分離用スリット31を蛇行させることにより、控被覆部32の他端部を容易に剥離することができるようになっている。控被覆部32が表面本体部20aから分離されたときには、分離用スリット31が顧客用控部22よりも迫り出しているので、図7(A)に示されるように、顧客用控部22の粘着層10は控被覆部32により覆われた状態となる。
【0020】
控被覆部32には、これを部分的に顧客用控部22から剥離する際に剥離位置を規制するための剥離端33が第2の剥離端として設けられている。図1(B)に示されるように、この剥離端33は幅方向に延びるミシン目により形成されており、ミシン目により控被覆部32は2つの被覆部位32a,32bに区画されている。控被覆部32をその他端部側から部分的に被覆部位32aを剥離する際には、剥離端33の位置まで控被覆部32が剥離されると、図3(A)に示されるように、控被覆部32は剥離端33の位置で折り曲げられて剥離抵抗力が加えられるようになっている。この剥離端33を中心として剥離された部分を、図3(A)に示す位置よりも更に折り曲げて控被覆部32を折り重ねると、顧客用控部22の内面の粘着層10が外部に露出されて、その粘着層10の部分で顧客用控部22を書類や種々の物品に粘着させることができる。
【0021】
このように、手荷物所有者が航空機に搭乗する際には、顧客用控部22を剥離シート30が外側となるように表面本体部20aに対して折り曲げると、分離用スリット31のエッジが跳ね上げられるように粘着層10から控被覆部32が剥離され、図1に示されるように、ミシン目からなる分離用切込み線21の部分から顧客用控部22を分離することができる。これにより、背面に控被覆部32が粘着された状態となった顧客用控部22が顧客の手元に残ることになるので、使用者の手に顧客用控部22の粘着層10が付着することが防止される。
【0022】
控被覆部32は、剥離端33を境界として2つの被覆部位32a,32bを有しており、一方の被覆部位32aを、図3(A)に示されるように、顧客用控部22の背面から剥離端33の位置まで剥離させると、粘着層10が露出されるので、控被覆部32を顧客用控部22から完全に取り除くことなく、その粘着層10の部分で顧客が保持している物品に顧客用控部22を粘着させることができる。このように、顧客用控部22の粘着層10を露出させるために、控被覆部32の被覆部位32aを剥離させるときには、剥離端33の位置で剥離操作に抵抗力が加えられるので、控被覆部32が顧客用控部22から完全に分離されることが防止される。控被覆部32を不慣れな使用者が顧客用控部22から分離してしまうと、これを手荷物受け渡しカウンタで不用意に廃棄される恐れがあるが、控被覆部32は顧客用控部22とともに使用されるので、控被覆部32が廃棄されることが防止される。
【0023】
ただし、手荷物用タグ1の使用形態としては、顧客用控部22を分離した状態で手荷物に取り付けて使用する形態と、顧客用控部22を分離することなく手荷物に取り付けて使用する形態とがあり、後者の使用形態のときには、手荷物用タグ1は図1に示された状態のままで手荷物に取り付けられることになる。図7(B)は顧客用控部22を分離しない状態における図7(A)と同様の部分を示す断面図である。
【0024】
図2には、2つの航空会社用控部24a,24bが表面本体部20aから分離された状態で示されており、それぞれの航空会社用控部24a,24bの背面には粘着層10が露出した状態となる。これにより、航空会社は預かった手荷物を表示する部材にそれぞれの航空会社用控部24a,24bを貼り付けることができる。
【0025】
図1(B)に示されるように、剥離本体部30aには、巻付け用剥離部34が一端部側に設けられている。この巻付け用剥離部34は、剥離本体部30aの一端面と剥離シート30の幅方向に延びる剥離端35との間に区画形成されており、この剥離端35は第1の剥離端を構成している。この巻付け用剥離部34は、手荷物用タグ1を手荷物の取手に巻き付ける際に表面シート20から剥離される。巻付け用剥離部34を剥離させると、表面シート20に設けられた粘着層10が露出され、この露出された領域が図4に示されるように貼付部28となる。
【0026】
巻付け用剥離部34を剥離させるには、まず、剥離本体部30aの一端から巻付け用剥離部34を剥離させて、図4に示されるように、剥離端35の位置まで巻付け用剥離部34を剥離する。次いで、巻付け用剥離部34を図5に示されるように、剥離本体部30aの他端部側に重なるように折り曲げて表面シート20の内面に設けられた粘着層10つまり貼付部28を露出させる。この状態のもとで、手荷物の取手51に手荷物用タグ1を巻入れて通した後に、粘着層10からなる貼付部28を図6に示されるように、剥離シート30の外面に粘着させる。剥離シート30には露出された貼付部28が粘着される貼付領域表示部36が標記されている。貼付領域表示部36は、図1(B)および図2に示されるように、輪郭線とその内部に付されたハッチングを標記することにより形成されている。
【0027】
図1(A)に示されるように、表面本体部20aの一端部の一方側、つまり貼付部28の幅方向一方側には円弧状の切欠き面27が形成されており、この切欠き面27と幅方向に延びる分離用切込み線21とにより区画される部分が切り欠かれている。この切欠き面27に対して他方側にも円弧状の切欠き面が形成され、顧客用控部22の両側にも円弧状の切欠き面が形成されているが、切欠き面27が他の切欠き面よりも大きい円弧となっている。切欠き面27に対応させて、貼付領域表示部36には円弧状の位置表示部37が記載されており、円弧状の位置表示部37は貼付領域表示部36の輪郭線の一部となっている。したがって、図6に示されるように、顧客用控部22を取り除いた状態のもとで粘着層10を剥離シート30の貼付領域表示部36に貼り付ける際には、手荷物用タグ1の使用者は、円弧状の切欠き面27の位置を円弧状の位置表示部37の位置に合わせるようにすることを容易に連想して、所定の位置に粘着層10を貼り付けることができる。これにより、セルフ取付方式のもとで、初めて手荷物用タグ1を使用する者でも、誤操作することなく所定の位置に粘着層10を貼り付けて手荷物用タグ1をループ状に取手に巻き付けることができる。
【0028】
しかも、円弧状の切欠き面27は、図2に示されるように、顧客用控部22が取り除かれた状態のもとでは、分離用スリット31と表面本体部20aの一端とがずれた状態となって切欠き面27が外方に突出することになるので、使用者は分離用スリット31の部分を手に持って容易に巻付け用剥離部34を剥離させることができる。このように、円弧状の切欠き面27を表面本体部20aに形成することによって、巻付け用剥離部34の剥離操作と、巻付け用剥離部34が剥離された後における貼付部28の貼付領域表示部36に対する貼付位置決め操作とを容易に行うことができる。
【0029】
剥離シート30の外面には分離用スリット31の位置を表示するために、矢印38aと「Pull off here」の文字が標記されており、これらは剥離位置表示マークとなっている。剥離シート30の外面には、使用者に対して剥離方向を表示するための矢印38bが標記されており、それぞれの矢印38a,38bは剥離方向表示マークとなっている。さらに、使用者に剥離端35の位置を表示するために、剥離端位置表示部としての表示線39と「STOP」の文字が剥離シート30に標記されている。
【0030】
使用者が巻付け用剥離部34を剥離する際に、剥離端35の位置で剥離操作を停止させるようにするために、巻付け用剥離部34を剥離端35の位置まで剥離したときに、使用者に剥離抵抗力を加えるようにしている。そのために、剥離シート30には5つの舌片41が切込み42により形成されており、それぞれの舌片41は剥離シート30の幅方向にほぼ一定の間隔を隔てて分散して設けられている。それぞれの舌片41は剥離端35を基端として剥離本体部30aの一端部に向けて突出するように延びており、先端部は円弧状部43となっている。
【0031】
図2に示されるように巻付け用剥離部34が表面シート20に貼り付けられた状態のもとで、剥離シート30の一端部を使用者が手に持って巻付け用剥離部34を剥離操作することなる。図4に示されるように剥離端35の位置まで巻付け用剥離部34を剥離する際には、舌片41の先端側の円弧状部43がまず巻付け用剥離部34から離れるので、先端部を矩形とする場合に比して巻付け用剥離部34が舌片41からこれを表面シート20側に残留させて確実に離れることになる。このように、それぞれの舌片41は表面シート20の粘着層10に確実に残留粘着された状態を保持することになるので、巻付け用剥離部34が剥離端35の位置まで剥離されると、表面シート20に残留して粘着される5つの舌片41により剥離抵抗が使用者に加えられる。これにより、使用者は巻付け用剥離部34を所定の位置まで剥離したことを知ることができ、そこで剥離操作を停止することになる。
【0032】
図9(A)は舌片41を拡大して示す平面図である。それぞれの舌片41の基端部つまり剥離端35における幅寸法をWとし、相互に隣り合う舌片41の間隔寸法をUとすると、寸法Wと寸法Uはそれぞれ約5mmである。したがって、5つの舌片41の基端部の合計長さは約25mm、舌片41の相互間の合計長さは約30mmとなっており、舌片41の基端部の合計長さは、剥離シート30の幅寸法の半分に近い長さとなっている。また、舌片41の長さLは4.5〜5.5mmに設定されている。基端部の合計長さをこのように剥離シート30の幅寸法の半分に近い長さとし、舌片41の長さ寸法Lを上述した範囲に設定すると、巻付け用剥離部34を剥離端35まで剥離したときの剥離抵抗を充分に使用者に加えることができる。
【0033】
図9(A)に示す舌片41は先端部が円弧状部43となっており、この先端部よりも剥離端35側の基端部は両側が幅方向に広がるように円弧状となった末広がり部となっている。このように、舌片全体を円弧状の切込み42により形成することにより、巻付け用剥離部34を剥離する際に切込み42の部分で巻付け用剥離部34が舌片41から円滑に分離されることになる。
【0034】
図9(B)は舌片41の変形例を示す拡大平面図である。この舌片41はその全体が図9(A)に示される舌片41と同様に円弧状の切込み42により形成されているとともに、基端部の剥離端35における幅寸法Wは舌片41の最大寸法Waよりも小さく設定されており、基端部は括れ部40を有している。この舌片41の剥離端35における寸法Wは4.8mmに設定され、舌片41の最大寸法Waは5.0mmに設定されている。このように、括れ部40を有する形態の舌片41は、図9(A)に示す舌片41よりも粘着層10に粘着される面積を大きくすることができるので、より多くの剥離抵抗力を使用者に加えることが可能となる。
【0035】
舌片41の幅寸法Wを上述した値の約2倍である10mmとして半円形状とした巻付け用剥離部34を有する手荷物用タグを試作して、その剥離操作性を上述した手荷物用タグ1と比較したところ、図示する巻付け用剥離部34の剥離抵抗力は試作品よりも高めることが可能であることが判明した。
【0036】
図9に示されるように、隣り合う舌片41の相互間には剥離端35の位置に幅方向に延びるミシン目44が一直線状に間隔を置いて形成されている。それぞれのミシン目44は舌片41の幅方向中央部にその長さ寸法を約1mmとした切込みにより形成されており、図示するように、4つのミシン目44が剥離シート30に形成されている。このように、剥離端35にミシン目44を形成すると、図4に示されるように巻付け用剥離部34を剥離端35の位置まで剥離した後に、図5に示されるように巻付け用剥離部34を折り曲げる際にその折り曲げ操作を容易に行うことができるとともに折り返し端の半径を小さくすることができる。
【0037】
図1(B)に示されるように、剥離シート30には貼付領域表示部36を横断するように分割用スリット45が形成されている。分割用スリット45を境界として剥離本体部30aは、分割用スリット45と分離用スリット31までの一端部側の除去部46aと、残りの残留部46bとに分割されている。これにより、剥離シート30の除去部46aは巻付け用剥離部34を含めて表面シート20から取り除くことができる。除去部46aを取り除いた状態とすると、除去部46aに対応する表面シート20の粘着層10が広く露出されることになり、手荷物の前後左右のいずれかの側面に粘着層10を粘着させて手荷物用タグ1を貼り付けることができる。手荷物に貼り付けられた状態のもとでは、剥離シート30の残留部46bが表面シート20の他端部側に粘着された状態となるので、その部分は手荷物に粘着されることがなくなる。これにより、手荷物の側面から手荷物用タグ1を取り除く際に残留部46bを手に持って容易に取り除き操作を行うことができる。
【0038】
このように、手荷物用タグ1は手荷物の取手にループ状に巻き付ける形態と、手荷物の側面に貼り付ける形態のいずれの形態でも使用することができる。分割用スリット45は剥離シート30の他端部側に迫り出すように湾曲した湾曲部45aを有しているので、手荷物用タグ1を手荷物の側面に貼り付けて使用する場合には、分割用スリット45を中心として剥離シート30が外側つまり山側となるように剥離シート30を表面シート20とともに折り曲げると、除去部46a側の湾曲部45aが跳ね上がるようにして表面シート20の粘着層10から剥離されることになる。跳ね上がった湾曲部45aを手に持って、除去部46aの取り除き操作を容易に行うことができる。図示する湾曲部45aは分割用スリット45に1つ設けられているが、複数の湾曲部45aを設けるようにしても良く、分割用スリット45を全体的に波形に形成して複数の湾曲部45aを有する分割用スリットとしても良い。
【0039】
除去部46aを表面シート20から剥離する際には、分割用スリット45の部分から図1(B)において左側から右側に剥離操作が行われ、巻付け用剥離部34が最後に剥離される。このときには、剥離操作はそれぞれの舌片41の部分においては基端部側から先端部側に行われることになるので、分割用スリット45側から剥離する際の剥離抵抗力は変化することなく、ほぼ一定となる。これにより、使用者が除去部46aを剥離する際には、抵抗力の変化がなく、一気に剥離することができる。
【0040】
図10は本発明の他の実施の形態である手荷物用タグの剥離シートの外面の一部を示す平面図である。この手荷物用タグの剥離シート30に形成された分離用スリット31は、剥離シート30の幅方向中央部に剥離シート30の一端部側に向けてΩ形に湾曲した湾曲部31aを有しており、湾曲部31aの両端と剥離シート30の両側面との間の部分は真っ直ぐに延びている。図10に示された分離用スリット31は1つの湾曲部31aを有しているが、複数の湾曲部31aを分離用スリット31に設けるようにしても良い。このように、分離用スリット31に、波形、Ω形等のように剥離シート30の幅方向に沿って蛇行した部分を形成すると、剥離シート30の剥離操作を容易に行うことができる。
【0041】
上述のように、手荷物用タグ1は手荷物の取手にループ状に巻き付ける形態と、手荷物の側面に貼り付ける形態のいずれの形態でも使用することができる。図14(A)は手荷物50の取手51にループ状に巻き付けて手荷物用タグ1を使用した状態を示し、図14(B)は手荷物50の側面52に貼り付けて手荷物用タグ1を使用した状態を示す。
【0042】
図11および図12は、図14(A)に示すように、取手51に巻き付けて使用する際の巻付け手順を示す工程図である。図11は顧客用控部22を分離して使用する形態を示し、図12は顧客用控部22を分離することなく使用する形態を示す。一方、図13は、図14(B)に示すように、手荷物50の側面52に貼り付けて使用する際の貼付手順を示す工程図である。
【0043】
図11を参照して、図14(A)に示すように、手荷物50の取手51に手荷物用タグ1を取り付ける手順について説明する。
【0044】
出発地において手荷物を航空会社に預ける際には、航空会社の手荷物カウンタでは航空会社用控部24aを剥離して手荷物用タグ1を顧客に手渡すことになる。手荷物用タグ1を受け取った使用者は、まず、図11(A)に示す状態から図11(B)に示すように、顧客用控部22を表面本体部20aから控被覆部32とともに分離する。分離された顧客用控部22の外面には荷物番号が記載されているので、到着地では表面シート20に記載されている荷物番号と顧客用控部22の荷物番号とを照合することができる。一方、手荷物カウンタにおいては、航空会社用控部24aを台紙等に貼り付けることにより、航空会社用控部24aに基づいて預かった手荷物の数を行き先と便名とを含めてまとめることができる。
【0045】
使用者は、次いで、剥離シート30を上面とした状態のもとで剥離シート30のうち巻付け用剥離部34を表面シート20から剥離させることになる。このときには、分離用スリット31の位置が表面本体部20aの端面よりもずれているので、使用者は容易に剥離操作を行うことができる。
【0046】
図11(C)に示すように、剥離端35の位置近くまで巻付け用剥離部34を剥離させると、図4に示すように5つの舌片41が表面シート20の粘着層10に粘着された状態となって残留するので、それぞれの舌片41は巻付け用剥離部34の剥離操作力に対して抵抗力を加えることになる。これにより、使用者は、剥離端表示部として表示線39を確認するだけでなく、抵抗力によって所定の位置まで剥離したことを知ることができる。この状態のもとで、図11(D)に示されるように、巻付け用剥離部34は剥離端35を中心に折り曲げる操作が行われる。これにより、表面シート20の粘着層10からなる貼付部28が表面に露出された状態となる。このときには、各舌片41の基端部には剥離端35の位置にミシン目44が形成されているので、容易に折り曲げ操作を行うことができるとともに、折り曲げ部の折り曲げ角度を小さく設定することができる。
【0047】
手荷物用タグ1を手荷物の取手51に巻き付ける際には、手荷物用タグ1を取手51に巻入れて通した状態のもとで、図11(E)に示されるように、貼付部28を貼付領域表示部36に貼り付ける。これにより、手荷物用タグ1は取手51に取り付けられることになる。貼付部28を貼付領域表示部36に貼り付ける際には、図6に示されるように、貼付部28の一方側には円弧状の切欠き面27が形成され、貼付領域表示部36には切欠き面27に対応した形状の位置表示部37が設けられているので、使用者は手荷物用タグ1の取付操作に不慣れであっても、貼付部28の貼付位置を容易に想定ないし理解して貼付領域表示部36の所定の位置に正確に貼り付けることができる。
【0048】
次に、図12を参照して顧客用控部22を分離することなく手荷物の取手51に巻き付けて使用する形態を示す。この場合には、図12(B)に示すように、剥離シート30が外側となるように分離用切込み線21を中心に手荷物用タグ1の一端部を折り曲げると、控被覆部32の被覆部位32aのうち分離用切込み線21よりも迫り出した部分が跳ね上がるように剥離することになる。この状態のもとで、上述した図11(C),(D)に示す場合と同様に、剥離端35の近くまで巻付け用剥離部34を剥離させて折り曲げることになる。
【0049】
そして、図12(E)に示すように、顧客用控部22の露出された粘着層10と露出された貼付部28の粘着層10を貼付領域表示部36に貼り付けることになる。このときには、控被覆部32の分離用スリット31の蛇行した波形形状に対応した表示線47が図1(B)に示すように描かれているので、使用者は貼付位置を容易に想定ないし理解して貼付領域表示部36の所定の位置に正確に貼り付けることができる。このように、顧客用控部22を分離しない使用形態においては、位置決め用の表示線47を波形の分離用スリット31に対応した波形に標記することにより、顧客用控部22の端部の形状を利用して貼付部28の貼付領域表示部36に対する貼り付け位置を明瞭に使用者は認識することができる。
【0050】
次に、図13を参照して、図14(B)に示すように、手荷物50の側面52に手荷物用タグ1を取り付ける手順について説明する。
【0051】
図13(A),(B)に示すように、図11に示した使用形態と同様に、使用者は顧客用控部22を表面本体部20aから控被覆部32とともに分離する。次いで、図13(C)に示すように、分割用スリット45を中心として剥離シート30が外側となるように剥離シート30を折り曲げる。分割用スリット45は図1(B)に示されるように湾曲部45aを有しているので、図13(C)に示すように折り曲げると、湾曲部45aが粘着層10から跳ね上がるようにして剥離されることになる。これにより、使用者は跳ね上がって剥離された部分を手に持って、図13(D)に示されるように剥離本体部30aのうち除去部46aを剥離することができる。除去部46aは巻付け用剥離部34を含んでおり、この剥離操作においては、舌片41は基端部側から剥離されるので、舌片41が剥離抵抗力を高めることはない。
【0052】
剥離除去操作を行うと、表面シート20の内面側に設けられた粘着層10が、図13(E)に示されるように、残留部46bにより覆われる部分を残して露出されることになる。露出された粘着層10を図14(B)に示すように手荷物50の側面52に貼り付けることにより、手荷物用タグ1は手荷物に取り付けられることになる。この状態のもとでは、表面シート20の端部には残留部46bが残っているので、表面シート20の全体が手荷物に貼り付けられることなく、使用後の手荷物用タグ1を手荷物から取り外す際には、残留部46bの部分から容易に手荷物用タグ1を剥離することができる。
【0053】
このように、手荷物用タグ1を手荷物50の側面52に貼り付けて使用する場合においても、上述したように、顧客用控部22を手荷物用タグ1から分離しないようにして使用することができる。
【0054】
剥離シート30の外面には、図1(B)に示されるように、表示線39,47および矢印38a,38bその他の文字等がプリンタにより印刷される。同様に、表面シート20の外面には、図1(A)に示されるように、バーコード表示部25等の荷物情報がプリンタにより印刷される。それぞれの印刷は、ミシン目からなる分離用切込み線21、分離用スリット23a〜23c等が表面シート20に形成され、分離用スリット31、切込み42、分割用スリット45等が剥離シート30に形成された後に行われる。それぞれの印刷工程においては、複数枚の手荷物用タグが一体となった状態で図1の左端部つまり他端部を先頭としてプリンタに供給されることになる。このときには、分離用スリット31の左右両側部は一端部側を向いているので、プリンタの給紙動作の際に手荷物タグが紙詰まりを起こすことが防止される。
【0055】
図3(B)は他の実施の形態の手荷物用タグ1における図3(A)と同様の部分を示す斜視図である。この手荷物用タグ1においては、控被覆部32には切込み42aにより剥離本体部30aと同様に5つの舌片41aが形成されている。それぞれの舌片41aは舌片41と同様に剥離シート30の幅方向にほぼ一定の間隔を隔てて分散して設けられている。それぞれの舌片41aは剥離端33を基端として控被覆部32の他端部に向けて突出するように延びており、先端部は円弧状部43aとなっている。それぞれの舌片41aは舌片41に対して逆方向を向いている。
【0056】
したがって、図2に示されるように顧客用控部22の全体に控被覆部32が貼り付けられた状態のもとで、控被覆部32の被覆部位32aを使用者が手に持って被覆部位32aを顧客用控部22から剥離する操作を行うと、図3(B)に示されるように剥離端33の位置まで被覆部位32aを剥離する際には、舌片41aの先端側の円弧状部43aがまず被覆部位32aから離れるので、被覆部位32aは舌片41aからこれを顧客用控部22側に残留させて確実に離れることになる。このように、それぞれの舌片41aは顧客用控部22の粘着層10に確実に残留粘着された状態を保持することになるので、被覆部位32aが剥離端33の位置まで剥離されると、顧客用控部22に残留して粘着される5つの舌片41aにより剥離抵抗が使用者に加えられる。これにより、使用者は被覆部位32aを所定の位置まで剥離したことを知ることができ、そこで剥離操作を停止することになる。剥離操作が停止されれば、控被覆部32が取り除かれて不用意に廃棄されることが防止される。舌片41aの形状は、図9(A)に示した舌片41と同一となっているが、図9(B)に示した舌片41のように括れ部40を有する形状としても良い。
【0057】
図11に示した使用形態で手荷物用タグ1が使用されるときには、この剥離操作は顧客用控部22を分離した後に顧客用控部22を物品に粘着する際に行われる。一方、図12に示した使用形態で手荷物用タグ1が使用されるときには、この剥離操作は図12(C)に示すように、巻付け用剥離部34を剥離する前に行われる。いずれの使用形態においても、控被覆部32が完全に剥離されることが防止されるので、控被覆部32がゴミとなって不用意に搭乗口のカウンタ近傍に飛散されることがなくなる。
【0058】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、表面シート20の内面に非接触型ICモジュールを貼り付けるようにすると、手荷物用RFIDタグとして本発明のタグを使用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…手荷物用タグ、10…粘着層、20…表面シート、20a…表面本体部、21…分離用切込み線、22…顧客用控部、23a〜23c…分離用スリット、24a〜24c…航空会社用控部、25…バーコード表示部、26…文字表示部、27…切欠き面、28…貼付部、30…剥離シート、30a…剥離本体部、31…分離用スリット、32…控被覆部、33…剥離端(第2の剥離端)、34…巻付け用剥離部、35…剥離端(第1の剥離端)、36…貼付領域表示部、37…位置表示部、41…舌片、43…円弧状部、44…ミシン目、45…分割用スリット、45a…湾曲部、46a…除去部、46b…残留部、50…手荷物、51…取手、52…側面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面に荷物情報が印刷され内面に粘着層が設けられる帯状の表面シートと、前記粘着層に剥離自在に粘着される帯状の剥離シートとを有し、手荷物に取り付けられる手荷物用タグであって、
前記表面シートの表面本体部の一端に分離自在の顧客用控部を設けるとともに、前記表面本体部の他端に前記剥離シートから剥離されるとともに前記表面シートからそれぞれ分離自在の複数の航空会社用控部を設け、
前記表面本体部にオーバーラップさせた分離用スリットの部分から前記顧客用控部とともに分離自在の控被覆部を前記剥離シートの剥離本体部の一端に設け、
手荷物の取手にループ状に巻き付けられるときに剥離されて前記表面シートの内面側の前記粘着層を露出させる巻付け用剥離部を前記剥離シートに設け、
前記巻付け用剥離部を剥離して露出された前記粘着層が粘着される貼付領域表示部を前記剥離シートの外面に設け、
前記巻付け用剥離部を剥離する際に剥離位置を規制する第1の剥離端を前記剥離シートに設け、
前記控被覆部を部分的に剥離する際に剥離位置を規制する第2の剥離端を前記控被覆部に設けることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項2】
請求項1記載の手荷物用タグにおいて、前記分離用スリットを長手方向に蛇行させて波形に形成し、前記剥離シートが外側となるように前記顧客用控部を前記表面本体部に対して折り曲げると、前記分離用スリットの部分が前記表面シートの前記粘着層から剥離されることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項3】
請求項1または2記載の手荷物用タグにおいて、前記表面本体部に円弧状の切欠き面を形成し、前記貼付領域表示部に前記切欠き面に対応させて円弧状の位置表示部を設けることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、前記剥離本体部に切込みを設けることにより前記第1の剥離端をそれぞれ基端として前記剥離シートの一端部側に円弧状部を有する舌片を前記剥離本体部に複数形成し、前記巻付け用剥離部を前記表面シートから剥離する際に、それぞれの前記舌片が前記粘着層に残留粘着して前記巻付け用剥離部に対し剥離抵抗力を加えることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項5】
請求項4記載の手荷物用タグにおいて、前記舌片を前記剥離シートに幅方向に分散させて5つ形成し、前記巻付け用剥離部を前記表面シートから剥離する際に、分散された5つの前記舌片が前記粘着層に残留粘着して前記巻付け用剥離部に対して剥離抵抗力を加えることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項6】
請求項4または5記載の手荷物用タグにおいて、相互に隣り合う前記舌片の間の前記第1の剥離端に幅方向に延びるミシン目を一直線状に形成し、前記巻付け用剥離部を前記第1の剥離端の位置まで剥離したときに前記ミシン目により前記第1の剥離端を折り曲げ易くすることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、全ての前記舌片の基端部の幅方向寸法の合計長さを前記剥離シートの幅寸法の合計長さの半分に近い長さとすることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、それぞれの前記舌片は円弧状の先端部と当該先端部から幅方向に広がるように円弧状となって基端まで延びる末広がり部とを有することを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項9】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、それぞれの前記舌片は円弧状の先端部と当該先端部から前記基端に向けて幅方向に狭まった括れ部とを有することを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、前記剥離本体部を前記表面シートに粘着された状態に残留させる残留部と、前記表面シートから除去される除去部とに分割する分割用スリットを前記剥離本体部に形成し、前記表面シートを手荷物に貼り付ける際には前記除去部を前記表面シートから除去することを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項11】
請求項10記載の手荷物用タグにおいて、前記分割用スリットに前記剥離シートの端部側に迫り出した湾曲部を設け、前記剥離シートが外側となるように前記表面シートを折り曲げると、前記湾曲部が前記表面シートの前記粘着層から剥離されることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、前記顧客用控部を前記表面シートに取り付けた状態のもとで前記巻付け用剥離部を前記表面シートから剥離して露出された前記粘着層を前記貼付領域表示部に貼り付ける際の貼付位置の目安として、前記分離用スリットのエッジに対応した形状の表示線を前記剥離本体部に標記することを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、前記控被覆部に切込みを設けることにより前記第2の剥離端をそれぞれ基端として前記剥離シートの他端部側に円弧状部を有する前記舌片を前記控被覆部に複数形成し、前記控被覆部を前記表面シートから部分的に剥離する際に、それぞれの前記舌片が前記粘着層に残留粘着して前記控被覆部に対し剥離抵抗力を加えることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項14】
請求項13記載の手荷物用タグにおいて、前記舌片を前記剥離シートに幅方向に分散させて5つ形成し、前記控被覆部を前記表面シートから剥離する際に、分散された5つの前記舌片が前記粘着層に残留粘着して前記控被覆部に対して剥離抵抗力を加えることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項15】
請求項13または14記載の手荷物用タグにおいて、相互に隣り合う前記舌片の間の前記第2の剥離端に幅方向に延びるミシン目を一直線状に形成し、前記控被覆部を前記第2の剥離端の位置まで剥離したときに前記ミシン目により前記第2の剥離端を折り曲げ易くすることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、全ての前記舌片の基端部の幅方向寸法の合計長さを前記剥離シートの幅寸法の合計長さの半分に近い長さとすることを特徴とする手荷物用タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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