説明

手術用フットスイッチ

【課題】潜在的な危険または、絡まったケーブルによって作られる規制環境を回避すると同時に、手術用システムに伝達するように機能する、信頼できるフットスイッチを提供する。
【解決手段】本発明は、ベース、ペダル、エンコーダアセンブリ、ワイヤレスインターフェース、および内部発電機を含む、かつ第一スイッチと第二スイッチを含む手術用フットスイッチを提供する。ワイヤレスインターフェースは制御信号を、エンコーダから手術用制御装置に送り、その後、制御信号に基づき手術用機器に命令する。このワイヤレスインターフェースは、手術現場で危険となる可能性のある、ワイヤーまたはロープの絡まりを排除する。内部発電機は、手術時にフットスイッチの潜在的な故障を排除して、フットスイッチのバッテリ交換の必要性を克服するために、フットスイッチの動作を蓄積エネルギーに変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に手術用フットスイッチに関し、更に詳細には、複雑な手術用システムをワイヤレスで制御可能な安全で信頼できるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な患者治療装置または手術用システムの使用の際に、例えば、眼科手術を実行するときに手術用機器が使用され、空圧駆動および電気駆動のサブシステムのような、さまざまな異なったサブシステムの制御が必要とされることもある。一般的に、サブシステムの操作は、マイクロプロセッサー駆動の制御装置によって制御される。手術用制御装置のマイクロプロセッサー制御機器は、手術用システムのオペレータまたはアシスタントのどちらかからの機械的な入力を受け取る。フットスイッチのような制御入力装置が、機械的な入力を受け取るために、しばしば使用される。これらの機械的な入力は、患者治療装置のサブシステムの動作を管理するための、オペレータの足の動作から生じる。オペレータの足の動作による機械的な入力は、マイクロプロセッサー制御機器に送られる電気信号に、変換される。電気信号は、その後、複雑な患者治療装置のサブシステムの操作特性を制御するために使用される。
【0003】
複雑な患者治療装置の、オペレータの足の動作による機械的な入力を受け取るために設計されたフットスイッチの例は、特許文献1(シェラーら)、特許文献2(マシー)、特許文献3(レーマー)、特許文献4(ガー)、特許文献5(ゼンガー)、特許文献6(セピリー)、特許文献7(リーミルス)、特許文献8(ティリモンデら)、特許文献9(トーラクソン)、特許文献10(ホルトーフ)、そして特許文献11(ビスクら)を含むさまざまな米国特許、および国際特許出願公報の特許文献12(ビスクら)、特許文献13(チェン)、そして特許文献14(チェン)の中で見出されることができる。これらの特許または特許出願は、主に、自動車のスピードを管理するために使用されるアクセルペダルに類似した、フットペダルまたは操作に適したペダルを含むフットスイッチに主に焦点を当てている。フットペダルまたは操作に適したペダルの動作は、一般的に線形的な制御入力を提供する。そのような線形的な制御入力は、例えば、真空度、回転速度、電力、または往復運動の調整のために、使用されてもよい。
【0004】
更に複雑なフットスイッチアセンブリでは、フットスイッチに付加的な機能を提供するために、フットペダルのどちらか一方側のハウジングに、サイドスイッチまたはウイングスイッチが加えられてもよい。これらのサイドスイッチまたはウイングスイッチの状態は、オペレータの足のつま先部分またはオペレータのかかと部分からの圧力を利用することにより、変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,837,857号
【特許文献2】米国特許第4,965,417号
【特許文献3】米国特許第4,983,901号
【特許文献4】米国特許第5,091,656号
【特許文献5】米国特許第5,268,624号
【特許文献6】米国特許第5,554,894号
【特許文献7】米国特許第5,580,3475号
【特許文献8】米国特許第5,635,777号
【特許文献9】米国特許第5,787,760号
【特許文献10】米国特許第5,983,749号
【特許文献11】米国特許第6,179,829B1号
【特許文献12】国際特許出願第WO98/08442号
【特許文献13】国際特許出願第WO00/12037号
【特許文献14】国際特許出願第WO02/01310号
【0006】
これらのフットスイッチがより複雑なるにつれて、フットスイッチと手術用制御装置との間の安全で信頼できる通信を確立する必要性があるので、フットスイッチと手術用制御装置とを接続する、多くの有線経路をもたらす結果となる。フットスイッチが手術室で移動されるので、これらのロープ、ワイヤーおよびケーブルが他の装置に絡まる可能性がある。これらのケーブルの意図しない切断が、患者を傷つける可能性のある、不適切な制御入力をもたらすことがある。それゆえ、潜在的な危険または、絡まったケーブルによる制限を回避すると同時に、手術用システムと通信するよう機能する、信頼できるフットスイッチの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、上で特定した必要性の他に、他の必要性にも実質的に対処する手術用機器を制御するために使用される、手術用フットスイッチを提供する。
【0008】
一つの実施形態は、ベース、ペダル、エンコーダアセンブリおよびワイヤレスインターフェースを有する手術用フットスイッチを提供する。ペダルはベースに取り付けられ、枢軸回転する。ペダルが枢軸回転すると、エンコーダアセンブリは、ペダルの機械的な信号を、ペダル位置および/またはペダル方向に基づいて、制御信号に変換する。ワイヤレスインターフェースは、制御信号を受信するためにエンコーダアセンブリに連結する。ワイヤレスインターフェースは、また、手術用機器を制御して命令するよう機能する、手術用制御装置に、手術用フットスイッチを連結する。ワイヤレスインターフェースは、エンコーダからの制御信号を手術用制御装置に送り、手術用制御装置は、その後、制御信号に基づき手術用機器に命令する。このワイヤレスインターフェースは、手術現場で危険を引き起こす原因となり得る、ワイヤーまたはロープの絡まりを排除する。
【0009】
もう一つの実施形態は、フットスイッチの動作を蓄積エネルギーに変換するよう機能する内部発電機を更に含む。このことは、手術中のフットスイッチの潜在的な障害を排除し、手術用フットスイッチがそれ自体の電力を生成できるので、フットスイッチのバッテリを交換する必要性を克服できる。これらは、ピエゾ電気的効果、誘導発電、圧縮空気及び空気の貯蔵、機械的なフライホイールまたは当業者に既知の他の手段を含むが、これらの手段に制限されるべきではない。
【0010】
もう一つの実施形態は、ベース、ペダル、エンコーダ、動作探知機およびワイヤレスインターフェースを有する手術用フットスイッチを提供する。この実施形態は、現存する手術用フットスイッチの機能を拡張し、動作探知機アセンブリは、使用者によって身に付けられてもよく、手術用フットスイッチに動作情報を伝達してもよい。エンコーダアセンブリは、受信した動作情報を基に、付加的な制御信号を生成してもよい。動作探知機は、相対位置情報に基づく動作情報を生成してもよく、積分、無線通信の三角測量または当業者に既知の他の方法を介して、動作探知機アセンブリの位置を決定するために使用される加速度センサーを設けてもよい。
【0011】
更にもう一つの実施形態は、手術用レーザを徐々に増加して(ramped)、照射するように機能する二重スイッチの手術用フットスイッチを提供する。この二重スイッチのフットスイッチは、ベース、ペダル、第一スイッチ、第二スイッチ、エンコーダアセンブリおよびインターフェースを含む。ペダルは、ベースに取付けられて、ベースに関連付けられる面の回りを枢軸回転するように機能する。第一スイッチはペダルに連結し、ペダルが最初に押し下げられて、第一規定位置を過ぎた方向を向いたときに作動する。第一スイッチが作動すると、第一制御信号が、手術用システムのレーザを初期化する。第二スイッチも作用上ペダルに連結し、ペダルが動作範囲の一番下に到達するように、第二規定位置を過ぎた方向を向いたときに作動する。第二制御信号は、起動したレーザの照射を指示する。第一スイッチと第二スイッチとの作動の間のトリガータイムは、レーザに、電力を徐々に増加することを可能にすることによって、レーザの応力(stress)を軽減させることを可能にする。
【0012】
ペダルに連結したエンコーダアセンブリは、ペダルの位置と方向に基づく第三の制御信号を生み出すように機能してもよい。インターフェースはエンコーダに連結し、手術用フットスイッチと手術用の制御装置との間の通信経路を確立する。この手術用の制御装置は、制御信号に基づき手術用機器を制御し、または命令するよう機能する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態に関するフットスイッチアセンブリの実施形態を表す。
【図2】図2は、本発明の実施形態に関するフットスイッチアセンブリの実施形態の断面図を提供する。
【図3】図3は、本発明の実施形態に関する手術用システムに、フットスイッチが、どのようにワイヤレスに連結するかを図示する、機能図を提供する。
【図4】図4は、本発明の実施形態に関するフットスイッチアセンブリの実施形態を表す。
【図5】図5は、本発明の実施形態に関するフットスイッチの機能を拡張する、フットスイッチのもう一つの実施形態を表す。
【図6】図6は、本発明の実施形態に関する手術用フットスイッチのもう一つの実施形態の機能図を提供する。
【図7】図7は、本発明の実施形態に関する手術用機器を制御する方法を図示する論理流れ図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態が図面で説明されていて、同じ番号が、各種図面の同種のおよび類似の部分を参照するのに使用される。
【0015】
図1は、フットスイッチアセンブリ10の実施形態を表す。手術用フットスイッチアセンブリ10は、下部ハウジング12と上部ハウジング14を更に含む本体またはハウジングと、フットペダルまたはペダル16を含む。これら全ては、ステンレススチール、チタンまたはプラスチックのような、任意の適切な材料で作られることが可能である。他の更なる実施形態は、付加的な、別個のヒールカップアセンブリ18と前方に位置づけられたハンドル4とを含んでもよい。サイドスイッチ10またはウイングスイッチ20が、フットペダル16の両側に上部ハウジング14上に取り付けられもよい。
【0016】
図2に断面図で図示されるようなエンコーダアセンブリ22が、フットペダルまたは操作に適したペダル16に取り付けられている。エンコーダアセンブリ22は、水平面または、中立またはホーム面に対する、操作に適したフットペダルまたはペダル16の角度または傾斜位置を、オペレータの足の動作に基づく機械的な入力から電気信号に変換する。このようにして、フットペダルまたは操作に適したペダル16の動作による傾斜15は、一般的に下向き方向に制御入力を提供する。制御入力は、好ましくは線形的な制御入力である。しかしながら、可変の高入力と一定の低入力で十分なときは、中立またはホーム面が一定の低入力を提供してもよく、フットペダルの押し下げは、可変の高入力のために使用されてもよい。
【0017】
図3は、どのようにフットスイッチ10が手術用システム26にワイヤレスに結合されているかを図示する機能図を提供する。フットスイッチ10は、ワイヤレスインターフェース24に提供される制御信号を産出するために、エンコーダアセンブリ22に連結するペダル16のような機械的入力装置を含む。ワイヤレスインターフェース24は、フットスイッチ10と手術用システム26との間の、ワイヤレス通信経路を確立するように機能する。具体的に言うと、ワイヤレスインターフェース24は、手術用制御装置28のワイヤレスインターフェース30に通信により連結する。このようにして、エンコーダアセンブリ22によって産出された制御信号は、ワイヤレス経路を介して、手術用制御装置28に通信されることが可能である。手術用制御装置28は、フットスイッチから手術用制御装置にワイヤレスに中継される、制御信号に基づいて手術用機器32に命令するように機能する。
【0018】
図4は、フットスイッチ10の更なる実施形態を図示する。前述したように、フットスイッチ10は、ワイヤレスインターフェース24によって確立されたワイヤレス通信経路を介して制御信号を手術用制御装置に提供するために、エンコーダアセンブリ22に連結するペダル16のような機械的入力装置を含む。この実施形態は、フットスイッチ10の動作を、エンコーダアセンブリ22、ワイヤレスインターフェース24および、フットスイッチ10の他の構成要素に電力を供給し作動させるために使用される蓄積エネルギーに、変換するように機能する、内部発電機34を含む。
【0019】
内部発電機34は、フットスイッチ10を操作するためのエネルギーの生成と蓄積との両方を行ってもよい。このことは、手術中のフットスイッチの潜在的な故障を取り除くことができ、フットスイッチのバッテリを交換する必要性を克服できる。手術用フットスイッチの動作から電力を得る、多くの異なった方法がある。これらは、ピエゾ電気的効果、誘導発電、空気のような圧縮流体の圧縮貯蔵、機械的なフライホイールまたは当業者に既知の他の手段を含むが、これらの手段に制限されるべきではない。例えば、電気エネルギーを生成して貯蔵するために、ピエゾ電気的効果が使用されるときには、ペダルを押し下げることにより、オペレータによって提供された力学的エネルギーは、ピエゾ電気材料に働かせる力学的エネルギーに基づき電圧を生成するピエゾ電気材料を、圧縮してもよい。この電気エネルギーは、フットスイッチに保存する電力を提供するために、蓄電池または充電式バッテリに、その時点で保存されることが可能である。もう一つの実施形態において、内部発電機は、誘導発電を使用してもよく、フットスイッチの動作は、蓄電池または充電式バッテリを充電するために、内部磁石と直列コイルとの間の相対動作をもたらす。エネルギーは、また力学的エネルギーの形で保存してもよく、ペダルは、実質的に機械的なバッテリであるフライホイールを、回転するために使用される。フライホイールは、運動エネルギーの形でエネルギーを力学的に保存する。あるいは、空気または他の流体が、圧縮されて貯蔵されることができ、その後、この圧縮空気は、フットスイッチ10に電力を供給するためにエネルギーを生成するように使用されてもよい。これらは、内部発電機34が、フットスイッチ内でどのようにエネルギーを生成し、貯蔵することができるかの単なる例である。
【0020】
フットスイッチ内のマイクロプロセッサーまたは制御回路は、内部発電機34の蓄積エネルギーが、規定レベル以下に下がったならば、オペレータにフットスイッチを充電するように促してもよい。あるいは、手術用制御装置は、蓄積エネルギーが規定のレベル以下に下がったならば、オペレータにフットスイッチを充電するように命令してもよい。フットスイッチの緑のLEDのような指示器が、フットスイッチに電力が供給され、使用する準備ができていることを示すことができる。
【0021】
マイクロプロセッサーまたは制御回路は、単一の処理装置または複数の処理装置でもよい。そのような処理装置は、マイクロプロセッサー、マイクロ・コントローラー、デジタル信号処理装置、マイクロコンピュータ、中央演算処理装置、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラム可能論理回路、ステートマシーン(state machine)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、および/または、操作指示に基づき、信号(アナログ、および/またはデジタル)を操作する、いかなる装置でもよい。マイクロプロセッサーまたは制御回路に連結されるメモリは、単一の記憶装置または複数の記憶装置でもよい。そのような記憶装置は、ロム、ラム、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/または、デジタル情報を保存するいかなる装置でもよい。留意すべきは、マイクロプロセッサーまたは制御回路が、ステートマシーン、アナログ回路、デジタル回路および/または論理回路を介して、一以上のその機能を実行するときは、対応する操作指示を保存するメモリは、ステートマシーン、アナログ回路、デジタル回路および/または論理回路を具備する回路の中、または外に、組み込まれてもよいことである。メモリは、図7に関連付けられて図示され、および説明された、少なくともいくつかの段階および/または機能に対応する操作指示を保存し、マイクロプロセッサーまたは制御回路はこれらを実行する。
【0022】
オペレータによって、提供されるフットスイッチの動作または機械的な動作に基づく、フットスイッチに電力を供給する機能は、バッテリの必要性を排除するが、より重要なのは、オペレータに、電力が所定のレベル以下に下がる前に、フットスイッチの再充電を促すことである。このことは、患者を傷つける可能性のある不適切な制御信号をもたらす可能性のある、フットスイッチの電力障害によって、遮断されるフットスイッチと手術用制御装置との間の通信状態を確実にするのに役立つ。更に、フットスイッチ10と手術用制御装置との間のワイヤレス通信が機能しなくなる場合には、手術用機器は、患者を害する可能性を抑制するために規定の位置または動作モードに戻るように、マイクロプロセッサーまたは制御回路によってガイドラインまたはプロセスが確立されて、実行されてもよい。
【0023】
図1に戻って、フットスイッチアセンブリ10は、正確な動作を可能にするヒールカップアセンブリ18を利用する、付加的な比例制御入力を提供してもよい。図の中で示されるように、ヒールカップアセンブリ18は、オペレータのかかとに係合するようにフットスイッチ10の後方部分に位置づけられる。ヒールカップアセンブリ18は、オペレータに、オペレータのかかとを、フットスイッチアセンブリ10に対して、事実上、同じ場所にとどめながら、正確な経路を経てヒールカップアセンブリ18を回転することを、可能にする。ポテンショメータへの角度位置の機械的な入力は、エンコーダアセンブリ22によって受信される電気信号を産出する。この電気信号は、フットスイッチから手術用システムへの付加的な制御信号であってもよい。この制御信号は、線形、非線形のいずれかでもよい。
【0024】
オペレータの制御を更に強化するために、当業者によく知られた単純なON/OFFスイッチが、ポテンショメータ38から出力する信号を有効にするためにヒールカップアセンブリ18に含まれてもよい。あるいは、そのようなON/OFFスイッチは、サイドスイッチ20の不注意な起動を避けるためにも使用されることができる。そのようなON/OFFスイッチは、図1で図示されるA'の印を付けられた矢印によって、指定されるように、ヒールカップアセンブリ18の直線経路に沿って、動くスライドスイッチでもよい。
【0025】
図5は、フットスイッチ10の機能を拡張する、本発明のフットスイッチのもう一つの実施形態を図示する。具体的には、ケーブルまたは内部バッテリまたはフットスイッチ10の内部発電機34に関して上で説明したような自家動力によって電力が供給されてもよい動作探知機アセンブリ36は、オペレータにより身に付けられてもよい。動作探知機アセンブリ36は、動作情報を手術用フットスイッチに送信する。動作情報を受信する手術用フットスイッチは、受信した情報に基づいて、付加的な制御信号を産出する。動作探知機アセンブリはフットスイッチ10に、ロープで繋がれ、物理的に接続されてもよく、または、フットスイッチ10にワイヤレスに連結されてもよい。
【0026】
オペレータは、動作探知機アセンブリ36を、ひざ、足、腕、腰、頭、指、肩のような、任意の望ましい身体の部分で身に着けてもよい。或る実施形態では、ひざで動作探知機アセンブリを身につけることが選択される。動作探知機アセンブリ36は、フットスイッチ10に関する相対位置情報という形をとってもよい位置情報を、手術用フットスイッチに伝達する。この情報は、その後、システムコンサル(system counsel)に送られて、1次元、2次元、3次元の線形スイッチとして使用されてもよい。フットスイッチ10に組み合わせられるこの動作探知機アセンブリは、4つの独立した次元まで、制御機能を強化する。
【0027】
動作探知機アセンブリのローカリゼーション(localization)は、多くの異なった方法を介して、行われる。例えば、加速度センサーが動作探知機アセンブリに内蔵されていて、動作探知機の加速度は、動作情報を提供するために時間に対して積分されてもよい。もう一つの例は、手術現場で除去される複数の受信信号を介して、無線三角測量を使用してもよい。これは、動作探知機アセンブリに関連付けられる動作情報を決定する消極的な方法である。あるいは、動作探知機アセンブリの無線周波エミッターが、手術用フットスイッチまたは手術用制御装置のいずれかに連結されるさまざまな受信機によって受信される信号を産出してもよく、フットスイッチまたは制御装置は、動作探知機アセンブリに関連付けられた動作情報と、動作情報の処理の結果生じる制御信号との両方を産出するように、この情報を処理するように機能する。
【0028】
図6は、手術用フットスイッチのもう一つの実施形態の機能図を提供する。ここで、手術用フットスイッチ10は、ペダル16、エンコーダアセンブリ22およびワイヤレスインターフェース24のような機械的入力装置を含む。この実施形態は、機械的入力装置に機械的に連結する2つのスイッチである、第一スイッチ38および第二スイッチ40を追加する。第一スイッチは、ペダル16が、第一所定位置を過ぎた方向を向くときに、第一制御信号を有効にする。スイッチ38が作動されると、手術用システムの手術用レーザ42を初期化するように機能する、制御信号が産出される。この第一スイッチは、ペダル16が、最初に押し下げられたときに、作動されてもよい。第二スイッチは、スイッチ38の作動によって産出される第一制御信号から、適切な時間オフセットして、第二制御信号を産出する。例えば、第二スイッチ40は、ペダル16がその角度動作の終端に接近したときに、すなわち、ペダルが完全に押し下げられたときに作動されてもよい。この第二制御信号は、手術用レーザ42の照射を命令してもよい。
【0029】
スイッチ38とスイッチ40を作動する間のトリガータイムは、レーザ42に、電力を徐々に増加できるので、レーザの応力を軽減させることを可能にする。第一スイッチと第二スイッチを作動する間のトリガータイムは、レーザが照射前に”ゆっくりと”作動することを可能にする。一の実施形態では、2つのスイッチが作動する間のトリガータイムは、約100ミリ秒と300ミリ秒の間である。実際の時間は、オペレータの足の速さによってもよい。このことは、約100ミリ秒から約300ミリ秒にわたって電力が供給されるため、レーザがゆっくりと起動することを可能にする。このことは、当業者に既知のある種のレーザが50ミリ秒未満では作動できないときに、特に有効である。レーザを照射することに関連付けられた開放された圧力は、レーザ性能及び信頼性を改善する結果をもたらす。このような状況下では、フットスイッチと手術用レーザ42間のワイヤレス通信経路を確立するように、フットスイッチ10は、図示されるが、フットスイッチ10は、レーザ42の初期化と照射に関連付けられる制御回路に物理的に連結してもよい。
【0030】
図7は、本発明の実施形態に従って、手術用機器を制御する方法を図示する、論理流れ図を提供する。この方法は、ステップ700で、フットスイッチ内の機械装置の再配置を含む。このフットスイッチは、フットスイッチの動作を蓄積エネルギーに変換するよう機能する内部発電機によって、電力が供給されてもよい。このことは、フットスイッチを自家動力にして、フットスイッチと手術用制御装置または電源装置とを物理的に連結する必要性を排除する。その上、このことは、医療処置の間の、フットスイッチの電力障害に関連付けられる潜在的な危険を排除できる。手術用フットスイッチのペダルの再配置は、二つの目的を果たしてもよい。第一に、それは、フットスイッチを作動するためのエネルギーとして、伝達されて蓄積されることができる力学的エネルギーを提供してもよい。加えて、制御信号は、ペダルの動作および位置に基づいて生成されてもよい。フットスイッチの付加的なスイッチまたは機械的なアセンブリは、制御信号に変換できる機械的な入力を受けてもよい。
【0031】
ステップ702で、ペダルまたは機械装置がエンコーダに連結する。このことは、ステップ704で、エンコーダに、機械装置またはペダルの再配置に基づく制御信号を生成することを可能にする。ステップ706で、フットスイッチは、手術用制御装置にワイヤレスに連結する。このワイヤレスの連結は、フットスイッチと手術用制御装置との間のデータおよび他の情報の転送を容易にする。ステップ708では、フットスイッチからの制御信号は、手術用制御装置にワイヤレスに送られる。ステップ710では、手術用制御装置は、受信した制御信号に基づき、制御装置に連結した手術用機器に命令するように機能する。
【0032】
実施形態では、フットスイッチは内部発電機を有しており、内部発電機は、誘導発電機、ピエゾ電気発電機、または当業者に知られている処理のような、処理を使用して、フットスイッチの動作を蓄積エネルギーに変換する。これは、患者を危険にさらしうる手術時に潜在的に危険な状況を引き起こす、予期しない制御信号をもたらす可能性のある、フットスイッチの電力障害に関連付けられる潜在的な危険を排除する。フットスイッチと手術用制御装置との間のワイヤレスの連結は、監視されてもよく、通信障害が、手術用制御装置のプロセッサーまたは制御回路に、患者への潜在的な危害を回避するために、手術用機器に命令して、安全な状態をもたらしてもよい。
【0033】
手短に言えば、本発明は、ベース、ペダル、エンコーダアセンブリ、ワイヤレスインターフェースおよび、内部発電機を含む手術用フットスイッチを提供する。ペダルはベースに取付けられて枢軸回転する。エンコーダアセンブリは、ペダルに連結する。ペダルが枢軸回転すると、エンコーダアセンブリは、ペダルの機械的信号を、ペダル位置および/または方位に基づく制御信号に変換する。ワイヤレスインターフェースは、制御信号を受信するために、エンコーダアセンブリに連結する。ワイヤレスインターフェースは、また、手術用機器を制御および命令するように機能する手術用制御装置に手術用フットスイッチを連結する。ワイヤレスインターフェースは、制御信号をエンコーダから手術用制御装置に送り、その後、手術用制御装置は、制御信号に基づいて手術用機器に命令する。このワイヤレスインターフェースは、手術現場で危険となる可能性のある、ワイヤーまたはロープの絡みを排除する。内部発電機は、処置の間のフットスイッチの潜在的な故障を排除するために、フットスイッチ動作を蓄積エネルギーに変換し、フットスイッチのバッテリ交換の必要性を克服する。
【0034】
他の実施形態は、使用者によって身に付けられてもよい動作探知機アセンブリにより、手術用フットスイッチの機能を拡張してもよい。これらの動作探知機は、動作情報を手術用フットスイッチに伝達する。エンコーダアセンブリは、受信した動作情報を基に、次に、付加的な制御信号を生成してもよい。
【0035】
最後に、他の実施形態は、手術用レーザを起動して照射するように機能する二重スイッチの手術用フットスイッチを提供する。第一スイッチは、ペダルに連結していて、ペダルが最初に押し下げられるときに、ペダルが、第一規定位置を過ぎた方向を向いたときに、作動させられる。第一スイッチが作動されると、第一制御信号が、手術用システムのレーザを初期化する。第二スイッチはまた、作用上ペダルに連結しており、ペダルが、第二規定位置を過ぎた方向を向いたときに、作動させられる。この第二制御信号は、起動したレーザの照射を命令する。第一スイッチと第二スイッチとの作動の間のトリガー時間は、レーザに、電力を徐々に増加することを可能にすることにより、レーザの応力が軽減されることを可能にする。
【0036】
平均的な当業者が理解するように、ここで、使用されることができる、用語の”実質的に”または”おおよそ”は、その対応する用語に、産業的に受け入れられた許容範囲を提供する。そのような産業的に受け入れられた許容範囲は、1%未満から20%までで、成分値、統合回路プロセス変動、温度変化、上昇及び下降時間、および/または熱雑音に対応するが、これに制限されない。平均的な当業者が、更に理解するように、ここで使用されることができる、用語”作用上連結される”は、直接連結および、間接連結のための、信号情報を修正しないが、その電流レベル、電圧レベル、および/または電力レベルを調整できる、介在構成要素、要素、回路、またはモジュールである、別の構成要素、要素、回路、又はモジュールを介しての関節連結を含む。平均的な当業者は、また理解するように、推定結合(すなわち、一つの要素が、他の要素に推定により連結される)は、”作用上連結される”と同じように、二つの要素間の直接連結および間接連結を含む。平均的な当業者は、更に理解するように、ここで使用されることができる、用語”〜より勝る”は、望ましい関係を提供する、2以上の要素、アイテム、信号などの間の比較を示す。例えば、望ましい関係が、信号1は信号2よりも、より大きな大きさを有するということであるときには、信号1の大きさが、信号2の大きさよりも大きいときまたは、信号2の大きさが信号1の大きさよりも小さいときに、達成されることができる。
【0037】
本発明は、詳細に説明されたが、添付の請求項により説明されるように、さまざまな変更、置換、変更が、発明の精神および範囲から逸脱されることなしに、この明細書の内容から行われることが可能であることを、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0038】
10 フットスイッチ
16 ペダル
22 エンコーダアセンブリ
24 ワイヤレスインターフェース
30 手術用機器
34 発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに取付けられたペダルであって、前記ベースに関連付けられた平面に対して、枢軸回転するように機能する前記ペダルと、
前記ペダルに作用上連結された第一スイッチであって、前記ペダルが第一規定位置を過ぎた方向を向いたときに、第一制御信号を作動する前記第一スイッチと、を具備する二重スイッチの手術用フットスイッチであって、
前記第一制御信号は、手術用システムのレーザを初期化するように機能し、
前記手術用フットスイッチは、
前記ペダルに作用上連結された第二スイッチであって、前記ペダルが第二規定位置を過ぎた方向を向いたときに、第二制御信号を作動する前記第二スイッチを具備し、
前記第二制御信号は、前記レーザを照射するように機能し、
前記手術用フットスイッチは、
前記ペダルに連結されたエンコーダアセンブリであって、前記ペダル位置および/またはペダル方向に基づいて第三の制御信号を産出するように機能する、前記エンコーダアセンブリと、
前記エンコーダアセンブリに通信により連結したインターフェースであって、前記手術用フットスイッチと手術用制御装置を通信により連結するように機能する前記インターフェースとを具備し、
前記手術用制御装置は、前記制御信号に基づいて、手術用機器を制御するように機能する、二重スイッチの手術用フットスイッチ。
【請求項2】
前記インターフェースは、ワイヤレスインターフェースを具備する、請求項1に記載の手術用フットスイッチ。
【請求項3】
前記第一スイッチと前記第二スイッチとの作動の間のトリガータイムは、100ミリ秒と300ミリ秒との間である、請求項1に記載の手術用フットスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−183345(P2012−183345A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−121275(P2012−121275)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2006−98265(P2006−98265)の分割
【原出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(501449322)アルコン,インコーポレイティド (140)
【Fターム(参考)】