説明

手順説明装置、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】各種業務についての手順や知識を分かり易く表示することができる手順説明装置、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】手順説明装置は、入力手段1と、記憶手段2と、表示手段3と、説明文出力手段4と、を備える。入力手段1は、ユーザからの入力操作を受け付ける。記憶手段2は、任意の手順と、その手順を達成する方式に基づいてその手順を細分化した部分手順の列とがそれぞれノードに関連付けられて、木構造で表現される手順分解木を記憶する。表示手段3は、手順分解木の少なくとも一部を表示すると共に、各ノードの表示領域に各ノード表す語句を表示する。説明文出力手段4は、入力手段1により受け付けた入力操作に応じて、部分手順を表すノードに関連付けられた語句を並べて生成した文を、任意の手順の説明文として、表示手段3に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手順説明装置、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体に関する。特に、任意の手順をその手順を達成する方式に基づいて部分手順の列に分解して得られた手順分解木を用いて、その手順の説明文を生成し表示する手順説明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造分野や医療分野等の各種分野において、業務支援や知識継承等を目的としてガイドライン(手順書)といった文書化したものが利用されている。また近年、システムやプロセスの高度化・複雑化に伴い、コンピュータ(情報処理装置)を利用して、業務の遂行や学習を支援したり、知識の共有や継承を図ることが提案されている。
【0003】
コンピュータを利用した業務支援や知識継承等に、オントロジー工学的手法を採用することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献2には、機能分解木を用いることで、設計現場及び生産現場等において各個人が抱えていた知識及び暗黙的な知識等が体系的に整理され、知識の共有化を図り業務の改善及び設計支援等を実現できることが記載されている。機能分解木とは、機能をその機能を達成する部分機能に分解し、これを繰り返して、階層的な木構造で表現したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−293525号公報
【特許文献2】特開2004−213360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近では、コンピュータ技術の発展に伴い、タブレットPC(Personal computer)やPDA(Personal Digital Assistant)等の端末が普及している。このようなコンピュータ端末を業務従事者の個々に携帯させ活用すれば、業務支援や情報共有を促進することが可能となると期待される。その際、業務従事者(ユーザ)に対し、業務についての手順や知識を分かり易く表示することが望まれる。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、各種業務についての手順や知識を分かり易く表示することができる手順説明装置、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の手順説明装置は、入力手段と、記憶手段と、表示手段と、説明文出力手段と、を備えることを特徴とする。入力手段は、ユーザからの入力操作を受け付ける。記憶手段は、任意の手順と、その手順を達成する方式に基づいてその手順を細分化した部分手順の列とがそれぞれノードに関連付けられ、前記手順が関連付けられたノードを親ノード、前記部分手順が関連付けられたノードを子ノードとして木構造で表現され、前記手順を前記方式に基づいた前記部分手順の列で表す部分木を有する手順分解木を記憶する。表示手段は、前記手順分解木を木又はノードの系列として少なくとも一部を表示すると共に、各ノードの表示領域に各ノードに関連付けられた前記手順又は前記部分手順を表す語句を表示する。説明文出力手段は、前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記親ノードを根とする前記部分木に含まれる子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を並べて生成した文を、その部分木が表す前記方式に基づいた前記手順の説明文として、前記表示手段に出力する。
【0008】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した本発明の手順説明装置として機能させるためのプログラムであり、具体的には、コンピュータを、以下の手段として機能させるためのプログラムである。
ユーザからの入力操作を受け付ける入力手段。
任意の手順と、その手順を達成する方式に基づいてその手順を細分化した部分手順の列とがそれぞれノードに関連付けられ、前記手順が関連付けられたノードを親ノード、前記部分手順が関連付けられたノードを子ノードとして木構造で表現され、前記手順を前記方式に基づいた前記部分手順の列で表す部分木を有する手順分解木を記憶する記憶手段。
前記手順分解木を木又はノードの系列として少なくとも一部を表示すると共に、各ノードの表示領域に各ノードに関連付けられた前記手順又は前記部分手順を表す語句を表示する表示手段。
前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記親ノードを根とする前記部分木に含まれる子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を並べて生成した文を、その部分木が表す前記方式に基づいた前記手順の説明文として、前記表示手段に出力する説明文出力手段。
【0009】
また、本発明の記録媒体は、上記した本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0010】
上記した手順分解木は、任意の手順をその手順を達成する方式に基づいて部分手順の列に分解(以下、これを「手順分解」と称する場合がある)することを繰り返して得られ、手順が関連付けられたノードを親ノード、部分手順が関連付けられたノードを子ノードとして木構造で表現したものである。部分手順を更に手順分解することが可能な場合は、部分手順を細分化した部分手順の列をそれぞれノードに関連付け、それらを子ノードの子ノードとして接続することで、複数の階層を持つ木構造となる。手順分解木では、下位の階層により詳細な部分手順が現れる(これは、手順分解木に含まれる部分木についても同じ)。そして、手順分解木を用いることで、任意の手順を、どのような方式に基づいて、どのような部分手順によって達成できるか、を体系的に把握することができる。
【0011】
本発明の手順説明装置によれば、手順分解木を表示すると共に、手順分解木を用いて、任意の手順の説明文を生成し表示することができる。そして、任意の手順を達成する部分手順を用いた説明文により、その手順を達成するための詳細な手順を一見して把握することができる。よって、説明文により、ユーザ(業務従事者)に業務手順を分かり易く伝えることができ、現場(具体的には、業務を遂行する場所(職場))での業務の遂行を効率的に支援したり、現場以外でも業務手順の学習に効果的に利用することができる。その他、知識の共有や継承にも効果的に利用することができる。
【0012】
本発明のプログラムによれば、コンピュータを、上記した本発明の手順説明装置として機能させることができる。また、本発明の記録媒体によれば、上記した本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて、コンピュータを、上記した本発明の手順説明装置として機能させることができる。
【0013】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記説明文出力手段において、上記部分木の葉に対応する子ノードに関連付けられた上記部分手順を表す語句を用いて、文を生成する形態が挙げられる。
【0014】
部分木において、葉に対応する子ノード、即ち最も下位の階層にある子ノードには、より詳細な部分手順の列が現れる。この構成によれば、任意の手順のより詳細な説明文を生成・表示することで、その手順を達成するためのより詳細な手順を一見して把握することができる。
【0015】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記子ノードの少なくとも1つには、更に、上記部分手順を表す画像が付与されている。そして、上記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記画像を上記表示手段に出力する画像出力手段を備える形態が挙げられる。
【0016】
この構成によれば、ユーザからの入力操作に応じて、部分手順の画像を表示することで、その画像を用いて説明することができ、語句(文章)からでは分からない手順の知識を確認・習得することができる。画像には、静止画の他、動画も含まれる。
【0017】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記説明文出力手段において、上記部分木から設定された数の子ノードを抽出し、その抽出した子ノードに関連付けられた上記部分手順を表す語句を用いて、文を生成する形態が挙げられる。
【0018】
部分木に含まれる子ノードの数が多い、即ち任意の手順を構成する部分手順が多いと、その分任意の手順の説明文が長くなり、説明文の全文が表示領域に収まらない虞がある。その場合、ユーザが表示領域を例えばスクロール操作することにより、前記説明文の表示領域を変えて全文表示することもできるが、ユーザの操作が増える問題がある。この構成によれば、部分木から設定された数の子ノードを抽出することで、任意の手順の説明文に用いる部分手順の語句を省略して説明文を短くすることができるので、上記問題を解決することができる。設定数の子ノードを抽出する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、部分手順の列の中で奇数又は偶数番目の部分手順に対応する子ノードから順に抽出したり、部分手順の子ノードに優先度を予め付与しておき、優先度の高い子ノードから順に抽出することが考えられる。
【0019】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記説明文出力手段において、上記部分木の根から設定された深さの範囲内で最も深い子ノードを抽出し、その抽出した子ノードに関連付けられた上記部分手順を表す語句を用いて、文を生成する形態が挙げられる。
【0020】
部分木において、根からの深さ(距離)が深く(遠く)なるにつれて、そのノードに関連付けられた部分手順を用いて任意の手順の説明文を生成した場合、説明文の抽象度が低くなる性質がある。この構成によれば、部分木の根から設定された深さの範囲内で最も深い子ノードを抽出することで、任意の手順の説明文の抽象度を選択することができる。
【0021】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記手順分解木において、上記手順を達成する方式が複数あり、各方式に応じて、上記手順をその方式に基づいた部分手順の列で表す部分木を複数有し、部分木のそれぞれには、優先度が付与されている。そして、上記説明文出力手段において、上記部分木に付与された優先度を比較して、優先度の高い上記部分木に含まれる子ノードに関連付けられた上記部分手順を表す語句を用いて、文を生成する形態が挙げられる。
【0022】
任意の手順を達成する方式(代替手順)が複数ある場合、その数に応じた部分木が存在することになる。その場合、各方式に基づいた任意の手順の説明文を生成してもよいが、例えば説明文の表示領域等の制約が生じることがある。また、現場では、優先度の高い方式に基づいて手順を実施することが望まれることが多い。この構成によれば、優先度の高い方式に基づいた任意の手順の説明文のみ生成・表示することができる。
【0023】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記手順分解木において、上記手順を実施するときに発生し得る妨害事象が関連づけられた妨害事象ノードが上記親ノードにリンクされている。また、上記表示手段において、前記妨害事象ノードの表示領域にそのノードに関連付けられた前記妨害事象を表す語句を表示する。そして、上記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記妨害事象ノードに関連付けられた妨害事象を表す語句を用いて生成した文を、前記妨害事象の説明文として、上記表示手段に出力する妨害事象出力手段を備える形態が挙げられる。
【0024】
この構成によれば、任意の手順を実施するときに発生し得る妨害事象の説明文を生成・表示することで、その手順を実施する際に発生する可能性のある妨害事象(リスク)を一見して把握することができる。また、ユーザが手順を学習する上でも、その手順を実施する際に注意すべきリスクを容易に理解することができる。
【0025】
上記した妨害事象出力手段を備える手順説明装置の一形態としては、上記手順分解木において、更に、上記妨害事象を解決する方式を表す解決方式ノードが上記妨害事象ノードに接続されている。また、上記表示手段において、前記解決方式ノードの表示領域にそのノードに関連付けられた前記解決方式を表す語句を表示する。そして、上記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記解決方式ノードに関連付けられた前記解決方式を表す語句を用いて生成した文を、前記解決方式の説明文として、上記表示手段に出力する解決方式出力手段を備える形態が挙げられる。
【0026】
この構成によれば、妨害事象を解決する方式の説明文を生成・表示することで、妨害事象を回避するための解決方式を一見して把握することができる。また、上記した妨害事象とその解決方式とを組み合わせた説明文を生成・表示することで、その妨害事象が発生する状況とそれを解決する方式とを併せて理解することができる。
【0027】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、上記表示手段において、上記手順分解木の一部のノードについてそのノードに関連付けられた語句を表示しない形態が挙げられる。
【0028】
この構成によれば、手順分解木の一部のノードについてそのノードに関連付けられた語句を非表示にすることができる。手順分解木の一部を隠して表示することで、ユーザが手順を学習する上で、正確に理解・記憶できているかを確認しながら学習することができる。
【0029】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記入力手段の入力方式を指定する入力方式選択手段を備える形態が挙げられる。
【0030】
この構成によれば、ユーザが上記入力手段の入力方式(ジェスチャー)を指定することができる。装置(例、タブレットPCやPDA等の端末)やユーザごとに、コマンドを入力するためのジェスチャーの得手不得手があるので、特定の操作を実現するための得意なジェスチャーを選択可能とすることで、操作性を向上することができる。
【0031】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記入力手段が、マルチタッチ機能を有するタッチパネルであり、ピンチイン又はピンチアウトの操作を受け付けたとき、前記タッチパネルの縁部領域でのタッチ操作を無視する入力領域指定手段を備える形態が挙げられる。
【0032】
例えば、タッチパネルを備えるタブレットPC等の端末では、ユーザが持ちながら操作することが考えられる。その場合、持ち手の指がタッチパネルの縁部領域に触れてしまうことがある。そのため、タッチパネル全体のタッチ操作が有効であると、ピンチイン又はピンチアウト等のマルチタッチ操作を正しく認識することができず、誤動作が生じる虞がある。この構成によれば、タッチパネルの縁部領域でのタッチ操作を無視することで、マルチタッチ操作を正しく認識することができ、誤動作を防止することができる。
【0033】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記表示手段が、姿勢に応じて表示方向が切り替わるオートローテーション機能を有している。そして、前記オートローテーション機能を禁止して、表示方向を1方向に固定するローテーション無効手段を備える形態が挙げられる。
【0034】
例えば、タブレットPC等の端末において、ジャイロセンサー等で姿勢を感知し、その姿勢に応じて自動的に表示方向を切り替えるオートローテーション機能を搭載したものがある。しかし、敏感に反応して表示方向が頻繁に切り替わると、却って見づらくなく虞がある。また、複数人で囲んで1つの端末を見る場合、表示方向を1方向に固定する方がよい場合がある。この構成によれば、オートローテーション機能を禁止して、表示方向を1方向に固定することができる。ローテーションを無効にする方法としては、例えば、ジャイロセンサーからの信号を無視する処理を行うことで実現可能である。
【0035】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記記憶手段には、地図情報が記憶されている。また、位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報を前記地図情報に対応させ、特定の場所に位置するか否かを判定する位置判定手段と、を備える。そして、手順説明装置が特定の場所に位置するときは、上記表示手段において、上記手順を達成するのに必要な部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示する形態が挙げられる。
【0036】
現場では、実施する手順の部分手順の列さえ分かればよい場合が多い。この構成によれば、特定の場所では、実施すべき手順の部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示することで、実施すべき部分手順を見つけ出し易いという効果がある。一方、現場以外の業務の手順や知識を学習する場所では、手順分解木の少なくとも一部を木として表示することで、業務についての手順や知識を体系的に学ぶことができる。
【0037】
本発明の手順説明装置の一形態としては、上記記憶手段には、秘匿情報と地図情報が記憶されている。そして、前記秘匿情報を上記表示手段に出力する秘匿情報出力手段と、位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報を前記地図情報に対応させ、手順説明装置が特定の場所に位置するか否かを判定する位置判定手段と、を備えている。そして、特定の場所以外に位置するときは、前記秘匿情報出力手段を無効にする形態が挙げられる。
【0038】
例えば医療業務では、個人(患者)情報等の秘匿情報を取り扱うことが多く、現場(病院等)以外の場所で秘匿情報を表示した場合、秘匿情報の漏えいにつながる虞がある。この構成によれば、特定の場所以外(例えば外出先等)では、秘匿情報を表示させないことで、秘匿情報を確実に保護することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の手順説明装置は、任意の手順を達成する部分手順を用いた説明文を生成し表示することができるので、その手順を達成するための詳細な手順を一見して把握することができる。
【0040】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した本発明の手順説明装置として機能させることができる。また、本発明の記録媒体は、上記した本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて、コンピュータを、上記した本発明の手順説明装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る手順説明装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】救命する手順の手順分解木を表示した例を示す図である。
【図3】救命する手順の手順分解木の内部データの表現例を示す図である。
【図4】実施例1に係る動作例を説明する図である。
【図5】実施例2に係る動作例を説明する図である。
【図6】ノードに画像を付与する内部データの表現例を示す図である。
【図7】画像を表示する入力操作の一例を示す図である。
【図8】マウスイベント処理のフローチャートである。
【図9】実施例3に係る動作例を説明する図である。
【図10】実施例3に係る別の動作例を説明する図である。
【図11】実施例4に係る動作例を説明する図である。
【図12】手順の説明文の抽象度を選択するメニューの表示例を示す図である。
【図13】実施例5に係る動作例を説明する図である。
【図14】気道確保する手順の手順分解木を表示した例を示す図である。
【図15】気道確保する手順とそれを達成する3つの方式の内部データの表現例を示す図である。
【図16】実施例6に係る動作例を説明する図である。
【図17】妨害事象を含む換気する手順の手順分解木を表示した例を示す図である。
【図18】妨害事象を含む換気する手順の手順分解木の内部データの表現例を示す図である。
【図19】実施例7‐1に係る動作例を説明する図である。
【図20】妨害事象とその解決方式を含む換気する手順の手順分解木を表示した例を示す図である。
【図21】妨害事象とその解決方式を含む換気する手順の手順分解木の内部データの表現例を示す図である。
【図22】実施例7‐2に係る動作例を説明する図である。
【図23】手順分解木の一部ノードについて、そのノードに表示する語句を非表示とした例を示す図である。
【図24】手順分解木の一部ノードについて、そのノードに表示する語句を非表示とする内部データの表現例を示す図である。
【図25】入力手段の入力方式を選択するメニューの表示例を示す図である。
【図26】実施例10に係る動作例を説明する図である。
【図27】オートローテーション機能を禁止するメニューの表示例を示す図である。
【図28】図1に示す手順分解木において、部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施例を図を参照して説明する。なお、以下の実施例では、医療分野における看護業務に本発明を適用する場合を例に挙げて説明する。
【0043】
本発明に係る手順説明装置の構成を図1に示す。本発明に係る手順説明装置は、入力手段1と、記憶手段2と、表示手段3と、説明文出力手段4と、を備える。入力手段1は、ユーザからの入力操作を受け付ける。記憶手段2は、任意の手順と、その手順を達成する方式に基づいてその手順を細分化した部分手順の列とがそれぞれノードに関連付けられ、前記手順が関連付けられたノードを親ノード、前記部分手順が関連付けられたノードを子ノードとして木構造で表現され、前記手順を前記方式に基づいた前記部分手順の列で表す部分木を有する手順分解木を記憶する。表示手段3は、前記手順分解木を木又はノードの系列として少なくとも一部を表示すると共に、各ノードの表示領域に各ノードに関連付けられた前記手順又は前記部分手順を表す語句を表示する。説明文出力手段4は、前記入力手段1により受け付けた入力操作に応じて、前記親ノードを根とする前記部分木に含まれる子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を並べて生成した文を、その部分木が表す前記方式に基づいた前記手順の説明文として、前記表示手段3に出力する。
【0044】
上記した手順説明装置は、CPU、メモリ、入力デバイス(例えば、マウスやタッチパネル)、ディスプレイ等を備えるタブレットPC等のコンピュータ端末により構成することができ、コンピュータを上記した各手段として機能させるためプログラムをコンピュータ端末にインストールすることにより実現できる。
【0045】
図2は、「救命する」手順の手順分解木を表示した例である。この手順分解木は、「救命する」という手順を、その手順を達成する方式に基づいて部分手順の列に分解することを繰り返して得られたものである。具体的には、「救命する」という手順は、「心肺蘇生方式」により達成され、この方式に基づいて「準備する」、「脳に酸素を与える」、「傷病者の体位を変える」という3つの部分手順に分解することができ、これら部分手順の列によって実現される。そして、「救命する」を親ノードに関連付け、「準備する」、「脳に酸素を与える」、「傷病者の体位を変える」を子ノードに関連付けて、木構造で表現している。
【0046】
さらに、上記した3つの部分手順のうち「準備する」という手順は、「心肺蘇生準備方式」により達成され、この方式に基づいて「安全を確認する」、「感染防護する」、「意識を確認する」、「集める」、「呼吸と脈を確認する」という5つの部分手順に分解することができ、これら部分手順の列によって実現される。そして、「安全を確認する」、「感染防護する」、「意識を確認する」、「集める」、「呼吸と脈を確認する」をそれぞれノードに関連付け、各ノードを上記した「準備する」を表すノードの子ノードとして接続している。また、「脳に酸素を与える」という手順は、「脳に酸素を与える方式」により達成され、この方式に基づいて「換気する」、「肋骨上を押す」、「除細動する」という3つの部分手順に分解することができ、これら部分手順の列によって実現される。そして、「換気する」、「肋骨上を押す」、「除細動する」をそれぞれノードに関連付け、各ノードを上記した「脳に酸素を与える」を表すノードの子ノードとして接続している。
【0047】
図2に示す手順分解木において、「救命する」が関連付けられたノードを根ノードとする部分木は、「救命する」手順を達成する方式と、その方式に基づいた部分手順とを表現しており、下位の階層により詳細な部分手順が関連付けられたノードが位置する。図2に示す手順分解木では、同じ階層の子ノードを部分手順の順に左から順に配置している。また、手順(部分手順を含む)を表すノードを楕円、方式を表すノードを四角で示すと共に、手順ノード間のリンク上に方式ノードを配置している。
【0048】
手順分解木は、記憶手段(メモリ)の内部では、木構造とノードに関連付けられたデータを含むノードデータの集合として保存されている。木構造を表現するデータ構造には様々なものがあり、例えば図3に示すように、XML(eXtensible Markup Language)の文法を用いて、各ノードの親子関係を表現可能である。本発明では、特定の方式に内部データの保持方式を限定されるものではないため、木構造を形式的に表現できるデータ構造であれば、どのような方式によっても内部データを表現することができる。
【0049】
図2に示す手順分解木を表現する内部データを参照して、上記構成の本発明に係る手順説明装置は次のように動作する。
【0050】
[実施例1]
手順説明装置は、図2に示す木構造で表現される手順分解木を記憶手段に記憶しており、手順分解木を表示すると共に、任意の手順を、部分木が表す方式に基づいた部分手順を用いて、説明する説明文を生成・表示する。
【0051】
例えば、図4に示すように、手順分解木のノードの1つである「救命する」を表すノードを選択(例えば、マウスの左クリック)すると、そのノードの右側にメニューが表示され、そのメニュー内に実行可能なメニュー項目が表示される。次に、メニュー項目から「説明文生成」を選択すると(図4中、下線は選択された状態を示す)、「救命する」手順の説明文を説明文表示領域に表示する。
【0052】
具体的には、説明文出力手段により、選択された「救命する」を表すノードを根とする部分木に含まれる子ノードを全て探索する。この例では、図3の内部データから、「救命する」を表すノードに隣接する子ノードを全て抽出し、それら子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句(図3中、<Label>タグで囲まれた部分)を用いる。そして、左側の子ノードから順に、子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を接続して、図4に示すような文を生成し、この文を「救命する」手順の説明文として表示手段(ディスプレイ)に出力する。本例では、説明文が表示される説明文表示領域をノード群の下部に設けているが、同領域は表示手段の上部、左右の各側部など、適宜な空き領域(画面の空白領域)に設けることができる。また、説明文中の『「…」手順は,(1)「…」(2)「…」(3)「…」,・・・の順で行います.』は予め登録した定型文である。なお、以下の実施例においても同様に、生成する文に対応する定型文が用意されている。
【0053】
このように、任意の手順を、それを達成する方式に基づいた部分手順を用いて、説明する説明文を生成し、それを表示することで、その手順を達成するための詳細な手順を一見して把握することができる。
【0054】
[実施例2]
この例では、説明文出力手段において、部分木の葉に対応する子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて、文を生成する場合について説明する。
【0055】
例えば、図5に示すように、実施例1と同様に、「救命する」を表すノードを選択すると、そのノードの右側にメニューが表示され、そのメニュー内に実行可能なメニュー項目が表示される。次に、メニュー項目から「説明文生成(詳細)」を選択すると(図5中、下線は選択された状態を示す)、「救命する」手順のより詳細な説明文を説明文表示領域に表示する。
【0056】
具体的には、実施例1と同様に、説明文出力手段により、選択された「救命する」を表すノードを根とする部分木に含まれる子ノードを全て探索する。この例では、部分木の葉に対応する子ノード(最も下位の階層にある子ノード)を全て抽出し、それら葉のノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて、文を生成する。そして、実施例1と同様に、葉のノードに関連付けられた部分手順を表す語句を順に接続して、図5に示すような文を生成し、この文を「救命する」手順のより詳細な説明文として表示手段(ディスプレイ)に出力する。
【0057】
このように、任意の手順のより詳細な説明文を生成・表示することで、その手順を達成するためのより詳細な手順を一見して把握することができる。
【0058】
[実施例3]
この例では、ユーザからの入力操作に応じて、部分手順の画像を表示することが可能な本発明に係る手順説明装置の構成について説明する。この例の装置は、部分手順を表す子ノードの少なくとも1つに、更に、その部分手順を表す画像が付与されている。そして、入力手段により受け付けた入力操作に応じて、画像を表示手段に出力する画像出力手段を備える。
【0059】
図6は、ノードに画像を付与する内部データの表現例である。例えば、「安全を確認する」を表すノードに対して、その手順を表す画像が付与されている。
【0060】
このような装置の動作例を説明する。例えば、図7に示すように、「安全を確認する」を表すノードを選択し、ドラッグすることにより、図8に示すフローチャートに従ってマウスイベントを処理し、「安全を確認する」手順の画像を表示する(図9参照)。
【0061】
具体的には、画像出力手段により、選択された「安全を確認する」を表すノードに付与された画像を表示する。この例では、図6の内部データから、「安全を確認する」を表すノードの定義を得て、得られたノード定義から、そのノードに付与されている画像へのリンク(図6中、<SysLink>タグで囲まれた部分)を抽出する。<SysLink>タグで囲まれた@@以降の“./data/fig/安全確認.png”が画像へのリンクである。そして、抽出したリンクにある画像を、図9に示すように、ドラッグイベントが終了した地点が基点になるように、表示手段に出力する。
【0062】
これにより、「安全確認」という語句だけでは分からない手順の知識を得ることができる。この例でいえば、画像を用いることで、安全確認の手順は、指差し確認が必要であることが理解でき、このことは、「安全を確認する」という語句だけからでは分からない。
【0063】
さらに、手順の説明文と画像とを組み合わせて表示することで、手順全体の理解を促進することができる。例えば、実施例2で説明した図5の表示状態において、「安全を確認する」を表すノードをドラッグ操作することで、図10に示すように、手順の説明文と画像とを組み合わせて表示する。本例では、画像を表示させるためのジェスチャーとしてドラッグを選択したが、ダブルクリック(ダブルタップ)など他のジェスチャーに変更しても良い。また、ノードに画像が付与されていることを示すため、図7のように、「安全を確認する」を表すノードに「▼安全確認」などの画像の有無標識を表示している。
【0064】
[実施例4]
この例では、説明文出力手段において、部分木から設定された数の子ノードを抽出し、その抽出した子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて、文を生成する場合について説明する。
【0065】
説明文を表示する説明文表示領域が小さく、長い説明文を表示するとユーザの操作が増えるような場合、手順の説明文を短くすることで、その問題を解決できる。例えば、実施例2、3で説明した図5及び図10に示す「救命する」手順の説明文では、9つの部分手順の語句を用いて説明しており、説明文の全文を表示するために5行分の表示領域が必要である。
【0066】
これに対し、この例の装置では、子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて文を生成する際、部分木から設定された数の子ノードのみ抽出することで、手順の説明文に用いる部分手順の語句を省略して説明文を短くすることができる。例えば図11は、抽出する子ノードの数を5として、図10に示す「救命する」手順の説明文を短くしたものであり、説明文の全文が3行分の表示領域に収まる。なお図11は、部分手順の列の中から1つおきの部分手順に対応する子ノードを抽出した結果である。
【0067】
[実施例5]
この例では、説明文出力手段において、部分木の根から設定された深さの範囲内で最も深い子ノードを抽出し、その抽出した子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて、文を生成する場合について説明する。
【0068】
手順分解木を構成する手順を表すノードは、根からの深さ(距離)が深く(遠く)なるにつれて、そのノードに対応付けられた手順の抽象度が低くなる性質を備えている。つまり、部分木において、根からの深さが深くなるにつれて、そのノードに関連付けられた部分手順を用いて任意の手順の説明文を生成した場合、説明文の抽象度が低くなる、換言すれば詳細度が高まる性質がある。
【0069】
例えば、図12に示すように、実施例1と同様に、「救命する」を表すノードを選択すると、そのノードの右側にメニューが表示され、そのメニュー内に実行可能なメニュー項目が表示される。次に、メニュー項目から「説明文生成」を選択すると、サブメニューが出現し、そのサブメニュー項目から「抽象度(高)」を選択すると(図12中、下線は選択された状態を示す)、「救命する」手順の抽象度の高い説明文を説明文表示領域に表示する。
【0070】
この例の装置では、子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて文を生成する際、部分木の根から設定された深さの範囲内で最も深い子ノードを抽出することで、任意の手順の説明文の抽象度を選択することができる。例えば図13は、「抽象度(高)」を選択したときに抽出する子ノードの深さを1として、「救命する」手順の説明文を表示した例である。具体的には、選択された「救命する」を表すノードを根とする部分木において、「救命する」を表すノードからの深さが1の子ノード(図13中、点線で囲まれる子ノード)を抽出し、それら子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて、図13に示すような文を生成する。
【0071】
次に、図12の表示状態において、サブメニュー項目から「抽象度(低)」を選択した場合の一例を説明する。例えば、「抽象度(低)」を選択したときに抽出する子ノードの深さを2とした場合、「救命する」を表すノードからの深さが2以内の子ノードを探索し、その範囲内で最も深い子ノードを抽出する。具体的には、「救命する」を表すノードから深さが1のノードを探索し、それらノードに子ノードがある場合は、それら子ノードを深さ2の子ノードとして抽出する。一方、深さが1のノードに子ノードがない場合は、そのノードを深さ2以内で最も深い子ノードとして抽出する。つまり、この場合は、結果的に図5に示すような文を生成する。
【0072】
[実施例6]
この例では、任意の手順を達成する方式(代替手順)が複数ある場合に、優先度の高い方式に基づいた任意の手順の説明文のみ生成・表示する場合について説明する。この例の装置は、手順分解木において、任意の手順を達成する方式が複数あり、各方式に応じて、任意の手順をその方式に基づいた部分手順の列で表す部分木を複数有し、部分木のそれぞれには、優先度が付与されている。そして、説明文出力手段において、部分木に付与された優先度を比較して、優先度の高い部分木に含まれる子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて、文を生成する。
【0073】
図14は、「気道確保する」手順の手順分解木を表示した例である。「気道を確保する」という手順は、「自然気道利用方式」、「人工気道挿入方式」、「自然気道切開人工気道設置方式」という3つの方式により達成可能であり、各方式について、その方式に基づいた部分手順の列が存在する。そして、図14に示すように、手順分解木において、各方式に応じて、「気道確保する」手順をその方式に基づいた部分手順の列で表す部分木が存在する。「気道確保する」という手順が上記3つの方式によって達成可能であるという関係は、内部データとして図15に示すような形で記述されている。「気道確保する」手順を達成する3つの方式定義には、各方式の優先順位(図15中、<Way_Rank>タグで囲まれた部分)が付与されている。これが、部分木の優先度を表す。
【0074】
このような図14に示す木構造で表現される手順分解木を前提に、この例の装置の動作について説明する。
【0075】
例えば、図16に示すように、「気道確保する」を表すノードを選択すると、そのノードの右側にメニューが表示され、次に、メニュー項目から「説明文生成」を選択すると、サブメニューが出現する。そのサブメニュー項目から「優先度(高)のみ」を選択すると(図16中、下線は選択された状態を示す)、優先度の高い方式に基づいた「気道確保する」手順の説明文のみ説明文表示領域に表示する。
【0076】
具体的には、図15の内部データを参照して、「気道確保する」手順を達成する上記3つの方式を導出し、それら方式の優先順位を比較して、優先度が最も高い方式が「人工気道挿入方式」であることを判別する。そして、実施例1と同様に、「気道確保する」手順を「人工気道挿入方式」に基づいた部分手順の列で表す部分木から子ノードを抽出し、子ノードに関連付けられた部分手順を表す語句を用いて、図16に示すような文を生成する。
【0077】
[実施例7‐1]
この例では、任意の手順を実施するときに発生し得る妨害事象の説明文を生成・表示する場合について説明する。この例の装置は、手順分解木において、任意の手順を実施するときに発生し得る妨害事象が関連づけられた妨害事象ノードが任意の手順を表すノードにリンクされている。また、表示手段において、妨害事象ノードの表示領域にそのノードに関連付けられた妨害事象を表す語句を表示する。そして、入力手段により受け付けた入力操作に応じて、妨害事象ノードに関連付けられた妨害事象を表す語句を用いて生成した文を、妨害事象の説明文として、表示手段に出力する妨害事象出力手段を備える。
【0078】
図17は、図2に示す「脳に酸素を与える方式」に基づいた部分手順の一部である「換気する」手順の手順分解木を表示した例である。「換気する」という手順は、「換気する方式」により達成され、この方式に基づいた部分手順の列によって実現される。また、「換気する」手順には、その手順を実施する際に発生する可能性のある妨害事象(阻害要因)がある。そして、その妨害事象が関連付けられた妨害事象ノードが「換気する」を表すノードにリンクされている。なお、妨害事象ノードを見分け易くするため、手順(部分手順を含む)を表すノードと異なる色や形で表示することが好ましく、本例では、手順を表すノードをアクア色、妨害事象ノードをピンク色で表示している。図17に示す手順分解木は、図18に示すような内部データで表現される。
【0079】
このような図17に示す木構造で表現される手順分解木を前提に、この例の装置の動作について説明する。
【0080】
例えば、図19に示すように、「換気する」を表すノードを選択すると、そのノードの右側にメニューが表示され、次に、メニュー項目から「説明文生成」を選択すると、サブメニューが出現する。そのサブメニュー項目から「阻害要因含む」を選択すると(図19中、下線は選択された状態を示す)、「換気する」手順だけでなく、その際に起こり得る妨害事象を含む説明文を説明文表示領域に表示する。
【0081】
具体的には、図18の内部データを参照して、実施例1と同様に、選択された「換気する」を表すノードを根とする部分木から、その手順の部分手順を表す子ノードを抽出する。また、「換気する」を表すノードにリンクされている妨害事象ノードを抽出する。そして、各ノードに関連付けられた部分手順及び妨害事象を表す語句を用いて、図19に示すような文を生成する。
【0082】
これにより、ある手順を実施する際に発生する可能性のある妨害事象(リスク)を一見して把握することができる。また、ユーザが手順を学習する上でも、その手順を実施する際に注意すべきリスクを容易に理解することができる。
【0083】
[実施例7‐2]
この例では、妨害事象を解決する方式の説明文を生成・表示する場合について説明する。この例の装置は、実施例7‐1の構成に追加して、手順分解木において、更に、妨害事象を解決する方式を表す解決方式ノードが妨害事象ノードに接続されている。また、表示手段において、解決方式ノードの表示領域にそのノードに関連付けられた解決方式を表す語句を表示する。そして、入力手段により受け付けた入力操作に応じて、解決方式ノードに関連付けられた解決方式を表す語句を用いて生成した文を、解決方式の説明文として、表示手段に出力する解決方式出力手段を備える。
【0084】
図20は、図17に示す「換気する」手順の手順分解木において、妨害事象とその解決方式を含めて表示した例である。「換気する」手順には、その手順を実施する際に発生し得る妨害事象として「酸素濃度が低い」があり、その妨害事象を解決する方式として「リザーバーありバッグバルブマスク方式」がある。そして、妨害事象「酸素濃度が低い」を表す妨害事象ノードに、その妨害事象を解決する方式「リザーバーありバッグバルブマスク方式」が関連付けられた解決方式ノードが接続されている。図20に示す手順分解木は、図21に示すような内部データで表現される。
【0085】
このような図20に示す木構造で表現される手順分解木を前提に、この例の装置の動作について説明する。
【0086】
例えば、図22に示すように、妨害事象「酸素濃度が低い」を表す妨害事象ノードを選択すると、そのノードの右側にメニューが表示され、次に、メニュー項目から「発生状況の説明文生成」を選択すると、サブメニューが出現する。そのサブメニュー項目から「阻害要因とその解決法」を選択すると(図22中、下線は選択された状態を示す)、妨害事象とその解決方式の説明文を説明文表示領域に表示する。
【0087】
具体的には、図21の内部データを参照して、選択された妨害事象「酸素濃度が低い」を表す妨害事象ノードと、その妨害事象を解決する方式を表す解決方式ノードを抽出する。そして、各ノードに関連付けられた部分手順及び妨害事象を表す語句を用いて、図22に示すような文を生成する。
【0088】
これにより、ある手順を実施する際に発生する可能性のある妨害事象(リスク)を回避するための解決方式を一見して把握することができる。また、また、妨害事象とその解決方式とを組み合わせた説明文を生成・表示することで、その妨害事象が発生する状況とそれを解決する方式とを併せて理解することができる。
【0089】
また、この例では、図22に示すように、その妨害事象が発生する状況(手順)についても説明文に付加している。これは、手順分解木を探索し、その妨害事象が発生する手順に対応するノードを抽出することで、実現可能である。手順分解木を木として表示した場合、階層が多くなり過ぎると、図20や図22に示すように、表示領域をはみ出してしまう。そのため、表示される手順分解木の一部からでは、妨害事象が、どのような状況を前提として発生し、それを解決する方式が何であるのかを知ることが難しい。よって、妨害事象ノードを選択することによって、それが発生する状況についても説明文に付加することが好ましい。
【0090】
[実施例8]
この例では、入力手段により受け付けた入力操作に応じて、表示手段において、手順分解木の一部のノードについてそのノードに関連付けられた語句を表示しない場合について説明する。
【0091】
図23は、図20に示す手順分解木において、一部のノードについてそのノードに表示する手順や方式、妨害事象などの語句を非表示とした例である。どのノードについて非表示とするかは、予め内部データとして記述されており、例えば図24に示すように<MustLearn>というタグが付与されている。この<MustLearn>の値が“True”であるノードは、ユーザが手順を学習する上で必ず記憶しなければならない手順や妨害事象である。<MustLearn>タグで囲まれた値が全てfalse(偽)であったとすると、木の表示状態は図20のようになる。一方、図24のように一部のノードの<MustLearn>タグで囲まれた値を“True”とすることで、画木の表示状態が図23のようになる.つまり、Trueの値を付与されたノードの表示が隠され、ユーザは、親ノードに表示されている語句や、部分手順の列を表す兄弟ノードから、非表示のノードを記憶しているか、確認することができる。また、この非表示とする機能を有効にするか無効にするかは、ユーザがメニューから選択できるようになっている。
【0092】
これにより、手順分解木の一部のノードについてそのノードに関連付けられた語句を非表示にすることができる。一部のノードについて非表示にすることで、ユーザが手順を学習する上で、正確に理解・記憶できているかを確認しながら学習することができる。
【0093】
[実施例9]
この例では、入力手段の入力方式を指定する入力方式選択手段を備える場合について説明する。
【0094】
装置(例、タブレットPCやPDA等の端末)やユーザごとに、コマンドを入力するためのジェスチャーの得手不得手があるので、特定の操作を実現するための得意なジェスチャーを選択可能とすることで、操作性の改善が期待できる。
【0095】
例えば、図25に示すように、画面の空白領域を選択(例えば、マウスの右クリック)すると、画面下部にメニューが表示され、コマンド入力に対応する入力方式(ジェスチャー)を選択できる。ここでは、入力方式選択手段により、選択したノードを展開するための「ノード展開ジェスチャー」の定義を「フリック」に変更する例を示している(図25中、下線部は選択された状態を示す)。例えば初期状態では、ノード展開ジェスチャーの定義が「ダブルタップ」であり、ユーザがそのジェスチャーを苦手とする場合、ジェスチャー定義をユーザの得意なジェスチャー(例、フリック等)に変更することができる。これにより、得意なジェスチャーでの操作が可能となり、結果的として業務効率、学習効率の向上が期待できる。
【0096】
[実施例10]
この例では、入力手段が、マルチタッチ機能を有するタッチパネルであり、ピンチイン又はピンチアウトの操作を受け付けたとき、タッチパネルの縁部領域でのタッチ操作を無視する入力領域指定手段を備える場合について説明する。
【0097】
ここでは、本発明に係る手順説明装置を、マルチタッチ機能を有するタッチパネルを搭載したタブレットPC端末で構成した場合の動作例を、図26を用いて説明する。通常、画面上のタッチパネルの全体領域を対象にタッチ操作を検出する(図26の四角1で示される領域)。ここで、ユーザが端末を持ちながら操作し、持ち手の指が丸Aの箇所に触れているときに、丸Bと丸Cの2箇所に指を置いて、マルチタッチ(ピンチイン又はピンチアウト)操作をしたとする。しかし、この場合では、既に丸Aの箇所に指が触れているので、マルチタッチ操作を正しく認識することができない。そこで、入力領域指定手段により、ピンチイン又はピンチアウトの操作を受け付けたとき、タッチパネルの縁部領域でのタッチ操作を無視する、即ちタッチ操作を検出する領域を図26の四角2で示されるように縮小して、以降のタッチ操作を四角2の領域内でのみ検出する。これにより、マルチタッチ操作を正しく認識することができ、誤動作を防止することができる。また、3点以上のタッチ操作を検出したとき、後の2点のタッチ操作がピンチイン又はピンチアウトの操作であった場合に、タッチパネルの縁部領域でのタッチ操作を無視するようにしてもよい。特に、タブレットPC端末では、ユーザが持ちながら操作することが多く、タッチパネルの縁部領域に持ち手の指が触れること等に起因するマルチタッチ操作の誤動作が頻発するので、有効である。
【0098】
[実施例11]
この例では、表示手段が、姿勢に応じて表示方向が切り替わるオートローテーション機能を有しており、オートローテーション機能を禁止して、表示方向を1方向に固定するローテーション無効手段を備える場合について説明する。
【0099】
例えば、本発明に係る手順説明装置を、装置の姿勢に応じて自動的に表示方向を切り替えるオートローテーション機能を搭載したタブレットPC端末で構成した場合、敏感に反応して表示方向が頻繁に切り替わると、却って見づらくなる。また、複数人で囲んで1つの端末を見る場合、表示方向を1方向に固定する方がよい場合がある。
【0100】
この例の装置では、ローテーション無効手段により、オートローテーション機能を禁止して、表示方向を1方向に固定することができる。例えば、図27に示すようなメニューを表示し、これが選択されることで、オートローテーション機能を禁止してもよいし、装置にスイッチを設けておき、そのスイッチが押されることで、オートローテーション機能を禁止してもよい。また、オートローテーションの禁止は、例えば、装置の姿勢を検知するジャイロセンサーからの信号を無視する処理を行うことで実現可能である。
【0101】
[実施例12]
この例では、特定の場所に位置するときは、表示手段において、任意の手順を達成するのに必要な部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示する場合について説明する。この例の装置は、記憶手段に、地図情報が記憶されている。また、位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段により取得した位置情報を地図情報に対応させ、特定の場所に位置するか否かを判定する位置判定手段と、を備える。そして、装置が特定の場所に位置するときは、表示手段において、任意の手順を達成するのに必要な部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示する。
【0102】
現場(例えば病院)では、実施する手順の部分手順の列さえ分かればよい場合が多い。一方、現場以外の業務の手順や知識を学習する場所(例えば学校)では、手順分解木の少なくとも一部を木として表示して、業務についての手順や知識を体系的に学ぶ必要がある。このように、場所に応じて手順分解木の表示形式を変更することが望まれる。
【0103】
図28は、図1に示す「救命する」手順の手順分解木について、葉に対応する子ノードの系列を直線的に表示した例である。この部分手順を表す子ノードの列は、実施例2で説明した「救命する」手順のより詳細な説明文における部分手順の列に対応する。このように、子ノードの系列を直線的に表示することで、実施する手順の部分手順の列を早く知ることができる。
【0104】
そこで、位置情報取得手段によって装置の位置情報を取得し、位置判定手段により、装置の位置情報と地図情報(例えば病院の場所)とを対応させ、装置が特定の場所に位置するか否かを判定する。これにより、例えば、現場では、実施すべき手順の部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示し、それ以外の業務の手順や知識を学習する場所では、手順分解木を木として表示することができる。なお、位置情報取得手段には、一般的なGPSセンサーを用いることができる。
【0105】
[実施例13]
この例では、特定の場所に位置するときは、表示手段において、任意の手順を達成するのに必要な部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示する場合について説明する。この例の装置は、記憶手段に、秘匿情報と地図情報が記憶されている。また、位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段により取得した位置情報を地図情報に対応させ、特定の場所に位置するか否かを判定する位置判定手段と、を備える。そして、装置が特定の場所以外に位置するときは、秘匿情報出力手段を無効にする。
【0106】
例えば医療業務では、個人(患者)情報等の秘匿情報を取り扱うことが多く、現場(病院等)以外の場所で秘匿情報を表示した場合、秘匿情報の漏えいにつながる虞がある。
【0107】
そこで、位置情報取得手段によって装置の位置情報を取得し、位置判定手段により、装置の位置情報と地図情報(例えば病院の場所)とを対応させ、装置が特定の場所に位置するか否かを判定する。これにより、例えば外出先等の特定の場所以外では、秘匿情報出力手段を無効にして、秘匿情報を表示させないことで、秘匿情報を確実に保護することができる。なお、位置情報取得手段には、一般的なGPSセンサーを用いることができる。
【0108】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の手順説明装置、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体は、製造分野や医療分野等の各種分野において、業務の遂行や学習を支援したり、知識の共有や継承を促進することに好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 入力手段
2 記憶手段
3 表示手段
4 説明文出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの入力操作を受け付ける入力手段と、
任意の手順と、その手順を達成する方式に基づいてその手順を細分化した部分手順の列とがそれぞれノードに関連付けられ、前記手順が関連付けられたノードを親ノード、前記部分手順が関連付けられたノードを子ノードとして木構造で表現され、前記手順を前記方式に基づいた前記部分手順の列で表す部分木を有する手順分解木を記憶する記憶手段と、
前記手順分解木を木又はノードの系列として少なくとも一部を表示すると共に、各ノードの表示領域に各ノードに関連付けられた前記手順又は前記部分手順を表す語句を表示する表示手段と、
前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記親ノードを根とする前記部分木に含まれる子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を並べて生成した文を、その部分木が表す前記方式に基づいた前記手順の説明文として、前記表示手段に出力する説明文出力手段と、
を備えることを特徴とする手順説明装置。
【請求項2】
前記説明文出力手段において、前記部分木の葉に対応する子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を用いて、文を生成することを特徴とする請求項1に記載の手順説明装置。
【請求項3】
前記子ノードの少なくとも1つには、更に、前記部分手順を表す画像が付与されており、
前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記画像を前記表示手段に出力する画像出力手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の手順説明装置。
【請求項4】
前記説明文出力手段において、前記部分木から設定された数の子ノードを抽出し、その抽出した子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を用いて、文を生成することを特徴とする請求項1に記載の手順説明装置。
【請求項5】
前記説明文出力手段において、前記部分木の根から設定された深さの範囲内で最も深い子ノードを抽出し、その抽出した子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を用いて、文を生成することを特徴とする請求項1に記載の手順説明装置。
【請求項6】
前記手順分解木において、前記手順を達成する方式が複数あり、各方式に応じて、前記手順をその方式に基づいた部分手順の列で表す部分木を複数有し、
部分木のそれぞれには、優先度が付与されており、
前記説明文出力手段において、前記部分木に付与された優先度を比較して、優先度の高い前記部分木に含まれる子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を用いて、文を生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項7】
前記手順分解木において、前記手順を実施するときに発生し得る妨害事象が関連づけられた妨害事象ノードが前記親ノードにリンクされ、
前記表示手段において、前記妨害事象ノードの表示領域にそのノードに関連付けられた前記妨害事象を表す語句を表示し、
前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記妨害事象ノードに関連付けられた前記妨害事象を表す語句を用いて生成した文を、前記妨害事象の説明文として、前記表示手段に出力する妨害事象出力手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項8】
前記手順分解木において、更に、前記妨害事象を解決する方式を表す解決方式ノードが前記妨害事象ノードに接続され、
前記表示手段において、前記解決方式ノードの表示領域にそのノードに関連付けられた前記解決方式を表す語句を表示し、
前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記解決方式ノードに関連付けられた前記解決方式を表す語句を用いて生成した文を、前記解決方式の説明文として、前記表示手段に出力する解決方式出力手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の手順説明装置。
【請求項9】
前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記表示手段において、前記手順分解木の一部のノードについてそのノードに関連付けられた語句を表示しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項10】
前記入力手段の入力方式を指定する入力方式選択手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項11】
前記入力手段が、マルチタッチ機能を有するタッチパネルであり、
ピンチイン又はピンチアウトの操作を受け付けたとき、前記タッチパネルの縁部領域でのタッチ操作を無視する入力領域指定手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項12】
前記表示手段が、姿勢に応じて表示方向が切り替わるオートローテーション機能を有しており、
前記オートローテーション機能を禁止して、表示方向を1方向に固定するローテーション無効手段を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項13】
前記記憶手段には、地図情報が記憶され、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報を前記地図情報に対応させ、特定の場所に位置するか否かを判定する位置判定手段と、を備えており、
手順説明装置が特定の場所に位置するときは、前記表示手段において、前記手順を達成するのに必要な部分手順が関連付けられた子ノードの系列を直線的に表示することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項14】
前記記憶手段には、秘匿情報と地図情報が記憶され、
前記秘匿情報を前記表示手段に出力する秘匿情報出力手段と、
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報を前記地図情報に対応させ、特定の場所に位置するか否かを判定する位置判定手段と、を備えており、
手順説明装置が特定の場所以外に位置するときは、前記秘匿情報出力手段を無効にすることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の手順説明装置。
【請求項15】
コンピュータを、
ユーザからの入力操作を受け付ける入力手段と、
任意の手順と、その手順を達成する方式に基づいてその手順を細分化した部分手順の列とがそれぞれノードに関連付けられ、前記手順が関連付けられたノードを親ノード、前記部分手順が関連付けられたノードを子ノードとして木構造で表現され、前記手順を前記方式に基づいた前記部分手順の列で表す部分木を有する手順分解木を記憶する記憶手段と、
前記手順分解木を木又はノードの系列として少なくとも一部を表示すると共に、各ノードの表示領域に各ノードに関連付けられた前記手順又は前記部分手順を表す語句を表示する表示手段と、
前記入力手段により受け付けた入力操作に応じて、前記親ノードを根とする前記部分木に含まれる子ノードに関連付けられた前記部分手順を表す語句を並べて生成した文を、その部分木が表す前記方式に基づいた前記手順の説明文として、前記表示手段に出力する説明文出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−248126(P2012−248126A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121128(P2011−121128)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000220882)株式会社エネゲート (42)
【Fターム(参考)】