説明

打ち込みリベット

【課題】リベット止めを行った後に、分離して廃棄しなければならないゴミが発生しないような打ち込みリベットと、その打ち込みリベットをセットするための装置を提供する。
【解決手段】 打ち込みリベットのリベット本体(1)が、前記リベット本体(1)に形成された鍔部(3)を有し、その鍔部(3)が、少なくともほぼ平坦な下面(4)を有し、かつ該下面(4)の反対側の上面(5)に工具(11)用の把持面を有し、さらに、前記リベット本体(1)が、前記打ち込みリベットを取り付けるべき穴を部材に形成するためのリベット先端(6、25)を有し、前記工具(11)が、引張棒(17)として構成されていて、前記リベット本体(1)内の変形工程用の中央結合位置(8)を結合状態で引っ張ることにより、前記鍔部(3)の前記下面(4)の下方において、前記リベット本体(1)の前部領域の変形が生じるように形成および配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打ち込みリベットと、その打ち込みリベットをセットするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラインドリベットは長い間知られている。それらのブラインドリベットは、リベット工程によって2つの要素を互いに結合するために使用され、この場合、背面へのアクセスが不要である。この理由から、互いに結合すべき2つの要素の背面へのアクセスが不可能である位置には、ブラインドリベットが特に適している。通常のブラインドリベットの場合、結合すべき部材には、リベット本体が差し込まれる穴を設ける必要がある。次に、上面からリベットマンドレルで引っ張りが行われ、これにより、リベット頭部が成形されるように、背面のリベットが変形される。
【0003】
リベットの上面に突出するマンドレルの先端を自己穿孔先端として形成することが既知であり、この結果、リベット工程の過程において、対応するユニットで穿孔工程を行うことができる。
【0004】
最近、ブラインドリベットを打ち込みリベットとして形成することも知られており、この結果、穴を予め開けることなく、打ち込みユニットによって、前記打ち込みリベットが、結合すべき要素に打ち込まれる。この公知の打ち込みリベットの場合、その他のブラインドリベットの場合と同様に、固有のリベット工程を行うために、セット後に、リベット本体を貫通するマンドレルで引っ張りを行わなければならない。次に、引っ張るための工具が把持するこの比較的長いマンドレルは、周囲の位置に投げ捨てられるかまたは制御不能に落下され、ここで、リベット止めが行われた。
【0005】
さらに、リベット本体において、切頭端部を有する鍔部の正面から突出する、先端を有するマンドレルが孔に挿入されるハンマー打撃リベットが知られている。このようなリベットはハンマー打撃で打ち込まれる。この場合、ハンマーがマンドレルの突出端に当たる。このハンマー打撃は、最初に、純粋な推進力における、その次に、拡張力における力の正確な分配を行うことができない(特許文献1)。
【特許文献1】米国特許第3691924号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、リベット止めを行った後に、分離して廃棄しなければならないゴミが発生しないような打ち込みリベットとその打ち込みリベットをセットするための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載されている特徴を有する打ち込みリベットと、請求項14に記載されている、打ち込みリベットをセットするための装置を提供する。本発明の発展形態は従属請求項の対象である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によって提供される打ち込みリベットは、公知の打ち込みリベットと同様に形成されているが、本発明の打ち込みリベットが、工具を引っ張ることができるマンドレルを備えないという点で、公知の打ち込みリベットとは異なる。その代わりに、リベット本体には、例えば、鍔部の反対側のリベットスリーブの端部には、このような変形を可能にする形成部が付与される。この形成部は、予定屈曲箇所、長手方向スリット等によって実現することができる。次に、打ち込みリベットをセットするために使用される工具は、リベット本体のこの部分を直接把持する。
【0009】
例えば、本発明の発展形態では、中央把持位置をリベット本体内の穴の端部に形成できる。リベット本体の鍔部の反対側の側面、例えば互いに結合すべき2つの板における変形を制限するために、リベット本体の孔の形状の穴は、リベットスリーブとリベット先端との間の領域にほぼ終端するような深さに形成されることが重要である。
【0010】
本発明の発展形態では、把持位置がリベット本体の穴の狭隘部に形成されることを意図することができる。このような狭隘部は引張工具用の拡張把持面を形成できる。
【0011】
特に、引張ボルトに結合して引っ張るための中央把持位置が形成されることを意図することができる。このことは、例えば、把持位置が、縦軸に対して横方向に延びる面を形成するように行われることができ、抵抗溶接によってまたは冷間溶接によって、前記面に引張ボルトを溶接できる。
【0012】
互いに結合すべき板の穴を形成するために使用されるリベット先端は、特に、リベット本体の一体部であることができる。
【0013】
しかし、リベット先端が、リベット本体に分離して結合された部材であることも可能であり、そのことは本発明の範囲内にある。リベット頭部を形成した際に、リベット先端がリベット本体に当てられるので、引張ボルトの取付方法によれば、状況によっては、リベット先端とリベット本体との結合に、高い要求を課すことが不要である。
【0014】
リベット先端が分離部材であった場合、そのリベット先端は、例えば、リベット本体に対向する前記リベット先端の背面に、リベット本体に当接させるための環状面を有し、リベット先端の前記背面内には中央突出部が形成されており、この中央突出部は、リベット本体の穴に係合し、そこで、例えば作用結合するようにまたは摩擦結合するように固定される。
【0015】
特に、他の材料からなるか、または他の方法で前処理された材料からなるリベット先端が、リベット本体として構成されることを意図することができる。
【0016】
引張ボルトを打ち込みリベットに固定する方法によれば、リベット本体のスリーブ部が、円形とは異なる外郭断面を有すると有利であり得る。このことは、リベット本体の鍔部のそれ自体平坦な下面が、尖端またはその他の尖った突出部を有し、このようにして、前記下面が、リベット本体を結合する板に対するリベット本体のねじれを防止する場合にも可能である。
【0017】
さらに、本発明は、打ち込みリベットをセットするための装置を提供する。この装置では、打ち込みリベットの鍔部の下面が要素の上面に当接するまで、リベット先端が設けられた前記打ち込みリベットが要素に急激に挿入され、例えば打ち込まれる。それと同時にまたはその次に、引張ボルトがリベット本体、特に凹部の端部領域に接触するまで、孔の形状を有するリベット本体の凹部に前記引張ボルトが挿入される。そこで、引張ボルトがリベット本体に結合される。次に、引張ボルトは凹部から引き抜かれ、このことにより、リベット本体の前部が変形し、ここで、その前部の直径が拡大する。前部領域が要素の反対側面に突出すると、前記前部領域がリベット頭部を成形するように変形される。変形が実現されるかまたはリベット頭部が形成されると、引張ボルトはリベット本体から分離される。次の打ち込みリベットによる次のセット工程時に、引張ボルトを再び使用できる。
【0018】
引張ボルトは、打ち込みリベットをセットするために使用できる工具の一部である。
【0019】
例えば冷間溶接によって、引張ボルトと打ち込みリベットとの間に結合部を形成できる。このために、リベット本体の把持位置に接触している間に、引張ボルトを回転させることができ、このことにより、溶接を行うことができる。
【0020】
別の結合方法は、リベット本体と引張ボルトとの間で、抵抗溶接またはコンデンサ放電溶接が行われる方法である。このために、電源をセット工具内に配置できる。この場合、引張ボルトがその外面の領域で打ち込みリベットから絶縁され、前記引張ボルトの正面にのみアクセス可能であることが重要である。
【0021】
結合部を形成するための別の方法は、引張ボルトが、その前端の領域に自己穿孔先端を備え、リベット本体内の穴の内端にねじ込まれる方法である。このために、自己穿孔先端を再びリベット本体から回して外すために、引き抜いた後に反対方向に向けられる引張ボルトを回転運動させることができる。
【0022】
このことは、リベット本体の鍔部に対する引張ボルトの引っ張り移動が支持される場合に重要である。したがって、引張力がリベット本体と板との間の結合部に作用しないことを実現する必要がある。例えば、このことにより、引張力が支持要素と引張ボルトとの間の工具に発生されることを実現できる。
【0023】
また、本発明によれば、打ち込みリベットをセットするための装置は、打ち込みリベットを保持するためのホルダと、駆動装置によって急激に前進させることができる、少なくとも前部領域が管状の送り本体とを備える。上記の急激な前進は、最初に、打ち込みリベットを2つの板に挿入するために用いられる。本装置は、駆動装置によって対向面に接触するまで、打ち込みリベットの凹部に前進させることができる引張ボルトをさらに含む。この前進は、急激である必要はない。さらに、リベット本体内において、前方正面を有する引張ボルトを凹部の端部に結合するための結合装置が設けられている。引張ボルト用の駆動装置は、結合部を形成した後に、引張ボルトを大きな力で引っ張ることができるように形成されており、この場合、鍔部の上面に当接する送り本体に力が支持される。
【0024】
本装置は、引き抜いた後に引張ボルトをリベット本体から分離するための装置をさらに含む。このことは、例えば、引張ボルトの前方正面の大きさの対応する形状によって行うことができる。この正面が小さすぎる場合、結合部は、打ち込みリベットの変形を生じさせるには十分であるが、さらなる引っ張りに耐えるには不十分である。次に、結合部が簡単に分離される。
【0025】
結合部を分離するための別の方法は、引張ボルトがねじられる方法であり得る。このことにより、結合部の剪断を生じさせることができる。
【0026】
結合装置として、冷間溶接、抵抗溶接、または自己穿孔先端によるねじ込みを意図することができる。
【0027】
本発明の別の特徴、詳細および利点は特許請求の範囲と要約書とから明らかになる。特許請求の範囲および要約書の両方の内容は、明細書の発明の詳細な説明、すなわち、本発明の好ましい実施形態の以下の説明の内容に関連しており、また図面に基づいている。
【実施例】
【0028】
図1は、本発明による打ち込みリベットの縦断面図を示している。打ち込みリベットは、その中央領域にリベットスリーブ2として形成されているリベット本体1を含む。リベット本体1の一方の端部には鍔部3が形成されており、この鍔部はその下面4に平坦な境界面を有する。下面は、リベット先端6の方向に向けられている面である。平坦な下面4の反対側にある、同様に平坦またはほぼ平坦に形成されている上面5には、セット工具用の把持面が形成されている。
【0029】
鍔部3の反対側の端部には、リベット本体の断面積が典型的な先端6aまで連続的に低減するリベット先端6が形成されている。リベット本体1には、孔の形状、すなわち円筒状の断面形状を有するような凹部7が形成されている。凹部7は、周縁の切り欠き9によって凹部7の壁部10から分離されている底部8に終端する。
【0030】
この打ち込みリベットのセット工程は、打ち込みリベットが工具のホルダに配置されるように行われる。セット工具11の部分とリベット本体1との間の割り当ては図2に示されている。打ち込みリベットは、リベット先端6の先端6aが、重ね合わされた2つの板13、14の表面12に達するように配置される。これらの2つの板13、14は打ち込みリベットによって互いに結合されるべきである。リベットスリーブ2の反対側の鍔部3の上面にはセット工具11の一部が取り付けられる。この場合、送り本体15の領域で管状に形成されている、すなわち中央に同軸の孔16を含む送り本体15がその対象となる。この送り本体15は、急激に動作する駆動装置によってリベット本体1の頭部に当てられ、この頭部の先端6aと6は、この打撃により2つの板13、14を貫通して移動される。この結果、鍔部3の下面4は2つの板13、14の上面12に位置する。この場合、下板14は縁部領域で若干変形する。リベット本体のみが板を貫通して移動するこの第1のセット工程の結果が図3に示されている。送り本体に囲まれた装着スリーブ(図4参照)は、板の表面に配置される。したがって、過剰な力は送り本体から装着スリーブに導かれ、これにより、打ち込みリベットの鍔部3は面一にセットされた場合にほとんど力を受けなくて済む。
【0031】
次に、さらなる作業ステップにおいて、孔16よりも若干小さい外径を有する引張ボルト17は、送り本体15の孔16を通して移動される。引張ボルトは、リベット本体1の凹部7の底部8に達する程度に前進移動される。そこで、例えば抵抗溶接によって結合部18が生じる。このために、引張ボルト17はその外面に沿って絶縁されており、引張ボルトの正面のみが自由である。電源の一方の極は、例えば、送り本体15を介して金属リベット本体1に配置され、また電源の他方の極は引張ボルト17に配置される。引張ボルト17が凹部7の底部8に接触すると、溶接によって結合部18が生じる。
【0032】
次に、引張ボルトは、図5の矢印19で示されているように、送り本体15に対して引っ張られる。この引張工程によって、リベット先端6が2つの板13、14に対して引っ張られ、この場合、リベットスリーブ2が、通常の場合のブラインドリベットのように、2つの板の背面20と底部8との間の領域で変形する。結果として、図5の下方に示されているように、2つの板の背面にはリベット頭部21が形成されている。
【0033】
次に、引張ボルト19を凹部7の底部8からさらに分離しなければならない。このことは、例えば、結合部18を切断するのに十分であるさらなる引張力が加えられることによって行うことができる。この力は、当然、リベット頭部21が切断されるであろう力よりも小さくなければならない。結合部18を分離するための別の方法は、ここで引張ボルト17がねじられることである。これによって、結合部18が分離される重力が発生する。この場合、リベット本体の同時回転を防止するために、リベット本体1がリベットスリーブ2の領域内で非円形断面を有すること、あるいは鍔部3の下面4が突出部、尖端等を有することが重要である。
【0034】
結果として、2つの板13、14がリベット止めされており、この場合、2つの板の側面12には鍔部3があり、また反対側面20にはリベット頭部21がある。鍔部3の上面から見ると、そこには中央穴が存在している。
【0035】
このことを図示している実施形態によれば、リベット本体1は、リベットスリーブ2の連続部のリベット先端6の一体部材である。次に、図7は、リベット本体を形成できるような別形態を示している。この場合、リベットスリーブ22は、貫通する内側開口部を有する典型的なスリーブである。鍔部3の反対側のリベットスリーブ22の端部には、分離部材として形成されているリベット先端25が挿入されている。リベット先端25は、その先端6aの反対側にある環状の平坦な境界面26を有し、この境界面はリベットスリーブ22の環状端部に対応する。中央には、付加部27が成形されており、その外径はリベットスリーブ22の内径よりも若干大きい。このようにして、リベット先端25をリベットスリーブ22に嵌入できる。したがって、固定が実現されている。引張ボルト17とリベット先端25の付加部27との間の結合は、図1〜図6による実施形態の場合と同一の方法で行われる。さらに、付加部27もリベットスリーブに達し、場合によっては、打ち込みリベットの把持面5まで達することができる。この場合、リベットスリーブ内の付加部が、無力でまたは僅かな力で壁部に接触することが重要であるが、この理由は、リベットスリーブに対して前記付加部を引っ張る必要があるからである。
【0036】
図8は、打ち込みリベットをセットするための装置を示している。この装置は、同様に形成されておりかつボルト用の通常のセットユニットと同様の外観を有するハウジング30を含む。ハウジング内において、既に図4で形成されかつ説明された送り本体15が長手方向に移動可能に支持されている。送り本体15は、2つの板を貫通するように打ち込みリベットを移動させるために、急激な移動において、送り本体15をハウジング30に対して前方に移動させることができるように形成されている駆動装置31を含む。この駆動装置31は、例えば爆発作動でき、このために、ガス保護部32をハウジング30内に配置できる。同軸の送り本体15において、図示されていない支持で、引張ボルト17が同様に長手方向に移動可能に配置されている。引張ボルト17は、急激な前進移動で駆動する必要がないが、この理由は、前記引張ボルトが凹部7の底部の把持位置に接触するだけでよいからである。上記送り本体は、大きな力で引張ボルト17を後退させる駆動を行わなければならないが、この理由は、この力が、2つの板を貫通したリベット本体の領域の変形部を変形させる程度に十分でなければならないからである。この駆動は、例えば、ねじり運動によって実現することができる。
【0037】
ハウジング30の前部領域の側方にはマガジン31が配置されており、このマガジンには、ホルダのばねによって送り本体15の動作端の前方に直接移動される多数の打ち込みリベットが収容されている。
【0038】
図9は、鍔部が、その平坦な下面4の反対側の側面に、鍔部3全体を明らかに厚くする付加部51を備える別の実施形態の軸方向断面図を示している。この部分51には雄ねじ52が形成されている。したがって、セット工具用の把持面は、平坦な下面4からより大きく間隔が空けられている。雄ねじなしの鍔部の部分50の外郭は、例えば六角形であることができるので、この場合、スパナで把持できる。ねじ山52が設けられた部分51の外径は、鍔部3の下面4に直接隣接する部分50の外径よりも大きい。
【0039】
同時回転を防止するために、この下面4には、打ち込みリベットのセット時に材料に刻設される突出部、リブ等を配置できる。
【0040】
図10は、鍔部3全体が、図1〜図7による実施形態よりも同様に明らかに厚くなっている実施形態を示している。この場合、再び、下面4に直接隣接する部分50が形成されており、ここで、さらにスパナ面を形成できる。上記部分50に隣接する部分51は、外面が滑らかに、すなわち、ねじ山なしに形成されている。このために、内孔7の外側領域、すなわち、把持面5に隣接する領域には、雌ねじ53が設けられている。この場合、打ち込みリベットをセットした後に、図9による実施形態の雄ねじ52の場合と同様に、要素をねじ込むことができる。
【0041】
2つの部分、例えば板を互いに結合するためだけに、特に図9と図10による実施形態の場合の本発明による打ち込みリベットを使用することはできない。要するに、図9と図10による実施形態の場合、打ち込みリベット自体を固定し、次に、予め設けられた装置によって別の要素を打ち込みリベットに固定するようにするならば、打ち込みリベットを使用することが可能である。このために、雄ねじ52も雌ねじ53も使用できる。さらに、例えば、ねじ山付加部に延在する横孔、バヨネット結合部等の別形態が可能である。
【0042】
したがって、2つの板を結合することだけでなく、打ち込みリベット自体を固定することにも、打ち込みリベットを使用できる場合、打ち込みリベットを固定すべき要素の背面で前部領域を拡張することも不要である。それ自体固定される要素が、それに応じて大きい厚さを有している場合、要素自体の穴または孔の内部の拡張を行い得ることも可能であり、そのことは本発明の範囲内にある。すなわち、外部の変形と共に、穴、同様に止まり穴の内部の変形も行うことができる。
【0043】
リベット、同様に打ち込みリベットが、通常、円形断面を有する一方で、本発明によれば、打ち込みリベットが、少なくとも、その先端領域で、さもなければリベット本体の全体にわたって、円形とは異なる断面を有することも意図することができる。したがって、例えば、図11は、リベット先端6も鍔部50も六角形に形成されている先端側から見た打ち込みリベットの図面を示している。これにより、リベット先端の前部領域には、板への打ち込みリベットの貫入を容易にできる3つの縁部が設けられている。リベット先端全体が六角形断面を有している場合、この打ち込みリベットが回転することを防止するために、前記リベット先端全体を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による打ち込みリベットの縦断面図である。
【図2】セット工程開始時の概略図である。
【図3】リベット頭部を成形する前のリベット本体をセットした後の状態図である。
【図4】引張ボルトの挿入図である。
【図5】引張工程によってリベット頭部を成形した後の状態図である。
【図6】セット工程の結果の側面図である。
【図7】図4に対応する、変更実施形態の図面である。
【図8】本発明による打ち込みリベットでセット工程を実行するための装置の概略図である。
【図9】鍔部に雄ねじを有する打ち込みリベットの軸方向断面図。
【図10】内孔に雌ねじを有する打ち込みリベットの軸方向断面図である。
【図11】先端側から見た打ち込みリベットの図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打ち込みリベットであって、
打ち込みリベットのリベット本体(1)が、前記リベット本体(1)に形成された鍔部(3)を有し、その鍔部(3)が、少なくともほぼ平坦な下面(4)を有し、かつ該下面(4)の反対側の上面(5)に工具(11)用の把持面を有し、
さらに、前記リベット本体(1)が、前記打ち込みリベットを取り付けるべき穴を部材に形成するためのリベット先端(6、25)を有し、
前記工具(11)が、引張棒(17)として構成されていて、前記リベット本体(1)内の変形工程用の中央結合位置(8)を結合状態で引っ張ることにより、前記鍔部(3)の前記下面(4)の下方において、前記リベット本体(1)の前部領域の変形が生じるように形成および配置されている、打ち込みリベット。
【請求項2】
前記中央結合位置(8)が前記リベット本体(1)の穴(7)の端部に形成されている請求項1に記載の打ち込みリベット。
【請求項3】
前記中央結合位置(8)が前記リベット本体(1)の穴(7)の狭隘部に形成されている請求項1または2に記載の打ち込みリベット。
【請求項4】
前記中央結合位置(8)が前記鍔部(3)の前記下面(4)から間隔を空けて形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項5】
前記リベット先端(6)が前記リベット本体(1)と一体のものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項6】
前記リベット先端(25)が、前記リベット本体(1)に分離したものとして結合された部材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項7】
前記リベット先端(25)が前記リベット本体(1)とは違った材料からなる請求項6に記載の打ち込みリベット。
【請求項8】
前記リベット先端(5)が前記リベット本体(1)とは違った方法で処理された材料からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項9】
前記リベット先端(25)が、前記打ち込みリベットの前記鍔部(3)に対向する背面に、前記リベット本体(1)のリベットスリーブ(22)に当接させるための平坦な環状面を有し、必要に応じて、前記リベット本体(1)の前記リベットスリーブ(22)の貫通する凹部に係合する中央付加部(27)を有する請求項6〜8のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項10】
前記鍔部(3)の前記平坦な下面(4)に前記リベット本体(1)の非円形断面および/または突出部を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項11】
前記鍔部(3)が、雄ねじ(52)を設けた付加部(51)を備え、該付加部(51)が前記把持面を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項12】
前記穴が雌ねじを有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項13】
穴の内部を拡張するために、前記リベット本体(1)の前記前部領域が形成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の打ち込みリベット。
【請求項14】
打ち込みリベットをセットするための装置であって、
打ち込みリベットを保持するためのホルダと、
少なくとも前部領域が管状の送り本体(15)と、
前記送り本体(15)を急激に前進させるための駆動装置(31)と、
前記送り本体(15)と同軸に配置された引張ボルト(17)と、
前記引張ボルト(17)を前進および後退させるための駆動装置と、
前記引張ボルト(17)を前記打ち込みリベット内の凹部(7)の底部に結合するための装置と、
前記引張ボルト(17)と前記打ち込みリベットとの間の結合部を分離するための装置と、
を有する装置。
【請求項15】
前記引張ボルト(17)をねじるための回転装置を有する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記引張ボルト(17)と前記打ち込みリベットとの間に結合部を形成するための冷間溶接装置を有する請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記引張ボルト(17)と前記打ち込みリベットとの間で抵抗溶接を行うための装置を有する請求項14または15に記載の装置。
【請求項18】
前記引張ボルト(17)と前記打ち込みリベットとの間でコンデンサ放電溶接を行うための装置を有する請求項14または15に記載の装置。
【請求項19】
前記回転装置が剪断装置として機能する請求項15〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記送り本体(15)を前進移動させ、また前記引張ボルト(17)を前進移動させるための装置を有する請求項14〜19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
2つの前進移動が順次開始されるように、前記装置が形成されている請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記2つの前進移動のために、共通の駆動装置が設けられている請求項14〜21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
複数の打ち込みリベットを収容および供給するためのマガジンが設けられている請求項14〜22のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−92259(P2013−92259A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−32526(P2013−32526)
【出願日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【分割の表示】特願2008−553691(P2008−553691)の分割
【原出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【出願人】(512178709)ウルト インターナショナル アーゲー (2)
【氏名又は名称原語表記】WUERTH INTERNATIONAL AG
【住所又は居所原語表記】ASPERMONTSTRASSE 1 7000 CHUR SWITZERLAND
【Fターム(参考)】