払出代替装置、払出代替システム及び払出代替制御方法
【課題】所定の媒体を払い出す払出装置の構成を、所定の媒体の払い出しを規制する構成に容易に変更可能にする払出代替装置、払出代替システム及び払出代替制御方法を提供する
【解決手段】仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、スタック時間(Ts)と最小認識時間(Tr)とを算出し、スタック時間(Ts)と最小認識時間(Tr)とから最適出力時間(Tf)を算出する。その後、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、メダルの払い出しは行わないものの、算出した最適出力時間(Tf)でメダル通過信号をメダルゲーム制御基板20に対して出力する。
【解決手段】仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、スタック時間(Ts)と最小認識時間(Tr)とを算出し、スタック時間(Ts)と最小認識時間(Tr)とから最適出力時間(Tf)を算出する。その後、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、メダルの払い出しは行わないものの、算出した最適出力時間(Tf)でメダル通過信号をメダルゲーム制御基板20に対して出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルやコインなどの所定の遊戯又は遊技媒体を払い出す払出装置を代替する払出代替装置、払出代替システム及びその払出代替制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、金銭価値の情報を記憶した電子マネー、電子貨幣と呼ばれるものを利用した電子商取引が盛んになっている。
例えば、遊戯又は遊技媒体としてメダルを使用するゲーム装置においては、特許文献1に示すように、ICチップとアンテナを内蔵したICトークン(ICコイン)を用いたり、特許文献2に示すように、遊戯者又は遊技者がICタグに格納した電子マネーでメダルを借り入れたりすることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−185397号公報
【特許文献2】特開2007−195864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、メダルやコインなどの所定の遊戯又は遊技媒体(以下、適宜「所定の媒体等」という)を払い出す払出装置の払い出しに関しても、実際に所定の媒体等を払い出すだけではなく、所定の媒体等の払い出しを電子化したり、所定の媒体等の回収、補給の煩わしさを解消して所定の媒体等の払い出し条件(例えば、払い出し条件となる所定のゲーム)のみを楽しんだりするために、所定の媒体等の払い出しを規制する構成も望まれていた。
上記特許文献によれば、ICトークンまたはICタグを用いて、所定の媒体等の払い出しを電子化することも可能であるが、払出装置の全体を新たに開発し直さなければならず、開発時間と生産コストが大きくかかってしまうという問題があった。
【0005】
ここで、既存の払出装置の払い出し機構部を、所定の媒体等の払い出しを規制する構成に設計変更することも考えられる。
その際には、まず、図13に示すように、払出装置の全体を管理するメダルゲーム制御基板と払い出し機構部(モータなど)の制御を行う払出制御基板との入出力信号をデジタルオシロスコープ等の測定器で計測して、実際の入力信号(モータ駆動信号)及び出力信号(メダル通過信号)のパルス幅を把握する。そして、上記払出制御基板の代わりに払出代替制御基板を用意し、払出代替制御基板では、メダルゲーム制御基板から払い出しを指示する入力信号があると、実際には払い出し制御は行わないものの、払い出しがあったものとみなして計測したパルス幅で出力信号をメダルゲーム制御基板に向けて出力して応答する。これにより、所定の媒体等の払い出しを規制して、仮想的な払出機能を得ることができるとも考えられる。
しかしながら、既存の払出装置を実測する場合においては、手間がかかる上に、図14に示すように、所定の媒体等を払い出すモータを含む払い出し機構品が、経年劣化などでモータ等の回転が遅くなったりして、出力信号の最適なパルス幅を把握することができないという問題があった。
【0006】
より具体的には、図14(1)に示すように、メダルゲーム制御基板の制御プログラムには、少なくともスタック時間やチャタリング時間が記憶されている。ここでいう「スタック」とは、メダル払出口のメダル通過検出スイッチ部分が何らかの理由でONのままになってしまったエラー状態、すなわちメダル詰まり状態を示すものであり、「スタック時間」とは、メダル通過信号を継続して所定時間以上入力し続けたときに、スタックエラーと判断するための時間である。また、ここでいう「チャタリング」とは、メダル通過検出スイッチからの入力信号が、電磁ノイズ等の理由で断続を繰り返すエラー状態を示すものであり、「チャタリング時間」とは、メダル通過信号の入力時間が極めて短い時間(短いパルス幅)であるときに、チャタリングエラーとして、メダル通過信号の入力がないものとみなすための時間である。
図14(2)に示すように、メダルゲーム制御基板は、払出制御基板に対してモータ駆動信号を出力する。ここで、通常の動作が行われれば、図14(3)に示すように、払出制御基板は、メダルゲーム制御基板からモータ駆動信号を入力したことを条件に、メダルゲーム制御基板にメダル通過信号を出力する。
ところが、払い出し機構品が経年劣化などしていくと、図14(4)に示すように、メダル通過信号がスタック認識リミットのぎりぎりのタイミングでメダル通過信号のパルスを出力することがあり、その間に電磁ノイズなどの影響を受けるとスタックエラーであることを認識してしまう。また、図14(5)に示すように、メダル通過信号のパルスがチャタリング時間よりも短いと、メダルゲーム制御基板の制御プログラムの内容によっては電磁ノイズ等と判断されて出力信号を認識できない場合もある。
従って、払い出し機構を伴うシステムでは制御プログラムのマージン設計思想に沿った最適値のメダル通過信号のパルスを送る必要があった。
【0007】
さらには、既存の払出装置を実測せずに、払出装置の全体の仕様を把握して出力信号の最適なパルス幅を把握することも考えられなくはないが、一般的には他社製品の払出制御基板とメダルゲーム制御基板の制御プログラム開示が困難であることがら、プログラム解析が必要となり、他社製品の払い出し機構部のみを設計変更をすることが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、所定の媒体を払い出す払出装置の構成を、所定の媒体の払い出しを規制する構成に容易に変更可能にする払出代替装置、払出代替システム及び払出代替制御方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、払い出す媒体(メダル等)を1枚と設定した場合、所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号(モータ駆動信号のオンエッジ等)を入力する払出開始信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号(モータ駆動信号のオフエッジ等)を入力する払出終了信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号(メダル通過信号等)を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段(払出CPU30aおよび仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段(払出CPU30a等)と、前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段(払出CPU30a等)と、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段(払出RAM30c等)とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の払出代替装置において、前記最適出力時間算出手段は、前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算手段(払出CPU30a等)と、前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算手段(払出CPU30a等)と、前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算手段(払出CPU30a等)とを有し、前記最適出力時間算出手段は、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、所定の媒体(メダル等)を払い出すことを開始させる払出開始信号(モータ駆動信号のオンエッジ等)を入力する払出開始信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号(モータ駆動信号のオフエッジ等)を入力する払出終了信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号(メダル通過信号等)を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段(払出CPU30aおよび仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段(払出CPU30a等)と、前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段(払出CPU30a等)と、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段(払出RAM30c等)と、前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶手段(RFIDリーダ/ライタ10d)とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力ステップと、前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力ステップと、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力ステップと、前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索ステップと、前記最小出力時間検索ステップによって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出ステップと、前記最適出力時間算出ステップによって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶ステップとを備え、
前記最小出力時間検索ステップは、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、前記払出完了信号出力ステップは、前記最適出力時間記憶ステップによって前記最適出力時間が記憶された後、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の払出代替制御方法において、前記最適出力時間算出ステップは、前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算ステップと、前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算ステップと、前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算ステップとを有し、前記最適出力時間算出ステップは、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の払出代替制御方法において、前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶ステップとを備え、前記情報媒体記憶ステップは、前記払出完了信号出力ステップによって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、所定の情報(ポイント情報等)が記憶された所定の情報媒体(ICコイン等)を受け付け、前記情報媒体に記憶された情報を更新するとともに、入力開始信号(ゲーム許可信号等)を出力する情報媒体受付部(メダル投入制御基板10等)と、前記入力開始信号を入力して所定の媒体(メダル等)を払い出すか否かの判定し、前記所定の媒体を払い出す払出制御部に対して、前記所定の媒体を払い出すことを指示する払出指示信号(モータ駆動信号)を出力する管理制御部(メダルゲーム制御基板20等)と、前記払出制御部に代替して前記管理制御部からの前記払出指示信号を入力し、前記所定の媒体を払い出すことを規制する払出代替制御部(仮想払出制御基板30等)とを備え、
前記情報媒体受付部は、前記情報媒体に記憶された情報を読み込む読込手段(RFIDリーダ/ライタ10d等)と、前記読込手段によって読み込まれた情報が所定の開始条件を充足しているか否かを判定する開始条件判定手段(メダルCPU10a等)と、前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記情報媒体に記憶されている情報に基づいて所定の演算を行う開始演算手段(メダルCPU10a等)と、前記開始演算手段によって演算された演算結果の情報を前記情報媒体に更新して記憶させる情報媒体記憶手段(RFIDリーダ/ライタ10d等)と、前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記入力開始信号を出力する入力開始信号出力手段(メダルCPU10aおよびメダル投入制御用の入出力ポート等)とを有し、
前記管理制御部は、前記入力開始信号を入力する入力開始信号入力手段(メダルゲーム制御用の入出力ポート等)と、前記入力開始信号入力手段によって前記入力開始信号を入力すると、前記所定の媒体を払い出すための払出条件が成立したか否かを判定する払出条件判定手段(ゲームCPU20a等)と、前記払出条件判定手段によって前記払出条件が成立したと判定された場合には、前記払出指示信号を出力する払出指示信号出力手段(ゲームCPU20aおよびメダルゲーム制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号(メダル通過信号)を入力する払出完了信号入力手段(メダルゲーム制御用の入出力ポート等)とを有し、
前記払出代替制御部は、前記払出指示信号を入力する払出指示信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段(払出CPU30aおよび仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段(払出CPU30a等)とを有し、
前記払出完了信号出力手段は、前記払出指示信号入力手段によって前記払出指示信号を入力すると、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を前記情報媒体に記憶して更新することを特徴とする。
【0016】
ここで、「所定の媒体」とは、メダル、コイン、遊技球などのゲーム機で用いるトークンを主として意味するが、金銭の硬貨または紙幣、ゲーム機のプライズ商品等であってもよい。「払出開始信号」とは、後述する実施形態ではモータ駆動信号の入力開始を意味し、「払出終了信号」とは、後述する実施形態ではモータ駆動信号の入力終了を意味し、同じモータ駆動信号を用いているが、それぞれ異なる信号を用いて構成してもよい。また、「払出完了信号」とは、後述する実施形態ではメダル通過信号を意味する。「所定の情報媒体」とは、所定の媒体に関する情報が記憶可能なICコイン、ICカード、携帯電話等の端末機を意味する。「所定の情報」とは、所定の遊技で付与されたメダル等の獲得情報や、所定の商品等を購入して付与されたポイント情報を意味する。「入力開始信号」とは、後述する実施形態ではゲーム許可信号を意味し、「払出指示信号」とは、後述する実施形態ではモータ駆動信号を意味する。「所定の開始条件」とは、管理制御部(メダルゲーム制御基板20)に所定の媒体(メダル等)を払い出すための払出条件が成立したか否かの判定を行わせるための条件となるものであり、例えば、ICコイン等に所定のポイント情報が記憶されていることを意味する。そして、所定の開始条件を充足していると判定された場合に行われる「所定の演算」とは、管理制御部(メダルゲーム制御基板20)に所定の媒体(メダル等)を払い出すための払出条件が成立したか否かの判定を行わせる代償として、ICコイン等に記憶されたポイント情報から所定のポイントを減算すること等を意味する。また、所定の媒体を払い出すための「払出条件」とは、ポイント情報を所定の媒体に交換するような場合には所定の交換ボタンを操作することであり、遊技を行う場合には、特定の遊技内容を成立させること(スロットマシンゲームやトランプゲーム等においては特定の表示役を表示させること)である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の媒体等を払い出す払出装置の構成を、所定の媒体等の払い出しを規制する構成に変更したい場合には、既存の払出装置の一部である払い出し機構部を所定の媒体等の払い出しを規制する構成に設計変更すれば済むので、開発時間と生産コストとを大きく低減させて、所定の媒体等の払い出しを規制する構成に容易に変更可能にすることができる。
【0018】
また、仮に所定の媒体等の払い出しを規制する構成から、実際に所定の媒体等を払い出す構成に戻したい場合であっても、変更した払い出し機構部を元に戻せば済むだけであるから、容易に所定の媒体等を払い出す構成に戻すことができ、市場や顧客の要望に応じて臨機応変に対応することができる。
【0019】
さらに、既存の払出装置を用いても、最小出力時間検索手段及び最適出力時間算出手段によって、払出開始信号及び払出終了信号(モータ駆動信号)に基づいて、払出完了信号(具体的にはメダル通過信号等)をコントロールし払出装置の払い出しを指示する制御基板内のプログラムシーケンスを解析して、払出完了信号の出力時間の最適値(メダル通過信号パルス幅の最適値)を得ることができる。従って、たとえ既存の他社製品の払出装置を用いても、プログラム解析が不要となり、容易に所定の媒体等の払い出しを規制する構成に変更することができる。
【0020】
また、最適出力時間を最小出力時間にスタックエラーと判断されるまで残存時間の半分の時間を加算したものとすれば、払出完了信号の出力停止タイミングが、最小出力時間の経過後からスタックエラーと判断されるまで残存時間の中間点となるので、チャタリングやスタックエラーと判断されることがなく、論理的に最も安定的な出力時間とすることができる。
また、払出完了信号を入力すると所定の媒体等の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることで、所定の媒体等の払い出しを規制して、所定の媒体等の払い出しを電子化する構造に変更することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】ホッパーの動作原理を示す模式図である。
【図3】遊技機のブロック図である。
【図4】メダルゲーム制御基板20におけるメイン処理を示す図である。
【図5】メダルゲーム制御基板20におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図6】メダルゲーム制御基板20における払出テストスイッチ入力処理を示す図である。
【図7】仮想払出制御基板30におけるメイン処理を示す図である。
【図8】仮想払出制御基板30におけるテスト払出制御処理を示す図である。
【図9】仮想払出制御基板30におけるエンプティ時間検出処理を示す図である。
【図10】仮想払出制御基板30におけるスタック時間検出処理を示す図である。
【図11】仮想払出制御基板30における最適出力時間検出処理を示す図である。
【図12】最適出力時間算出を説明するためのタイムチャートである。
【図13】従来技術における既存の払出装置を設計変更する手順を説明を示す図である。
【図14】従来技術における問題点を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の遊技機の一例を示す正面図である。
【0023】
(遊技機の基本的構成)
遊技機1は、遊技に用いる各種の装置や回路基板等が収容された筐体2を備えている。筐体2の中央部には、図柄を表示する液晶表示装置40が設けられており、遊技者から所定の操作があると、液晶表示装置40の図柄が変動表示及び停止表示されるスロットマシンゲームが行われることとなる。
【0024】
具体的には、筐体2の下方の左側にあるコイン投入口3に、ポイント情報が記憶されたICコインが投入されると、後述するメダル投入制御基板10によりICコインに記憶されたポイント情報を読み込み、読み込んだポイント情報がメダルゲーム開始条件を満たしているか、すなわち所定のポイント以上であるかを判定する。そして、読み込んだポイント情報がメダルゲーム開始条件を満たしていると(所定のポイント以上であると)、後述するメダルゲーム制御基板20にメダルゲームの制御を許可するためのゲーム許可信号を出力する。
その後、ゲーム許可信号を入力したメダルゲーム制御基板20は、液晶表示装置40の下方にあるゲーム開始ボタン6の操作を介してゲーム開始ボタンスイッチ6sから信号を入力すると、液晶表示装置40に図柄の変動表示を開始させ、右停止ボタン8R、中停止ボタン8C、左ボタン8Lの各種停止ボタンの操作を介して各種の停止ボタンスイッチ8Rs、8Cs、8Lsからの信号を入力すると、液晶表示装置40に図柄の停止表示を行わせる。
【0025】
そして、液晶表示装置40で停止表示された図柄の組み合わせが、特定の図柄の組み合わせ(例えば、「777」など)であれば、本来、組み合わせの種類に応じた枚数のメダルがメダル払出口5に払い出されるのであるが、本実施形態においてはメダルの払い出しを規制する仮想払出制御基板30によりメダルの払い出しが規制され、その代りに払い出すべき枚数分の情報がICコインに書き込まれることとなる。
【0026】
また、液晶表示装置40の下方にあるゲーム終了ボタン7の操作が行われると、投入されたICコインをコイン返却口4に払い出すことが行われる。
【0027】
また、筐体2の上部の中央にはLEDやランプ等の発光が行われる照明装置60が設けられ、筐体2の上部の左右側には所定の音声を出力する音声出力装置50が設けられている。この音声出力装置50及び照明装置60は、遊技の演出内容に対応して所定の音声を出力したり、所定の発光を行ったりする。
【0028】
遊技機1の筐体2の内部には、図示は省略するが、メダルゲーム制御基板20、メダル投入制御基板10、仮想払出制御基板30、電源基板(図示せず)などが設けられている。また、電源基板には遊技機1に電力を給電するための電源プラグや、電源スイッチが設けられている。
【0029】
(ホッパーの動作原理)
図2の遊技機1の模式図を用いて、本来、メダルが払い出されるべきホッパーの動作原理について説明する。
【0030】
本来、遊技機1は、少なくとも、メダルゲームの制御を行うとともに、メダルを払い出す払出制御基板31に対してメダルを払い出すことを指示するメダルゲーム制御基板20と、ホッパーを駆動してメダルの払い出しを制御する払出制御基板31とから構成される。
【0031】
図1において上述したように、メダルゲーム制御基板20は、メダル投入制御基板10からはゲーム許可信号を入力すると、各種スイッチ等に応じてメダルゲームの制御を行う。
【0032】
そして、メダルゲーム制御基板20は、実際にメダルを払い出すときには、払出制御基板31にモータ駆動信号を出力する。
【0033】
モータ駆動信号を入力した払出制御基板31は、ホッパーを駆動させるためのモータをオンして、メダル払出口5にメダルを払い出させる。また、ホッパーからメダル払出口5までのメダル通路において、メダル通過検出スイッチ32が設けられており、メダル通過検出スイッチ32をメダルが通過するにより、払出制御基板31はメダルゲーム制御基板20に対してメダル通過信号を出力する。
【0034】
メダルゲーム制御基板20は、払出制御基板31からメダル通過信号を入力すると、メダルの払い出しが完了したものと判断して、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0035】
本実施形態の遊技機1では、上記払出制御基板31に代替して、ホッパー及びメダル通過検出スイッチ32との入出力回路を排除しながらも、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、メダルゲーム制御基板20に最適出力時間(最適なパルス)でなメダル通過信号を出力して応答する仮想払出制御基板30を備えるものである。
【0036】
(遊技機のブロック図)
次に、図3の遊技機のブロック図を用いて、遊技の進行を制御について説明する。
【0037】
メダル投入制御基板10は、ポイント情報が記憶されたICコインを受け付け、ICコインに記憶された情報を読み書きするとともに、メダルゲーム制御基板20に対して、メダルゲームの制御を許可するためゲーム許可信号を出力するものである。
【0038】
このメダル投入制御基板10は、メダルCPU10aと、メダルROM10bと、メダルRAM10cと、RFIDリーダ/ライタ10dと、メダル投入制御用の入出力ポート(図示せず)とを備えている。このメダル投入制御用の入出力ポートによって、仮想払出制御基板30から出力されたメダル通過信号を入力するとともに、メダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力する。
また、RFIDリーダ/ライタ10dは、ICコインに記憶されているポイント情報の読み書きを行う。
メダルCPU10aは、入力した各種信号やRFIDリーダ/ライタ10dから読み込まれた情報に基づいて、メダルROM10bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、RFIDリーダ/ライタ10dに所定の情報の読み書きを行わせたり、各種信号を出力したりする制御を行う。メダルROM10bには、メダル投入制御用のプログラムや各種の演算に必要なデータ、テーブルが記憶されている。メダルRAM10cは、メダルCPU10aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0039】
特に、メダル投入制御基板10のメダルCPU10aは、ICコインの受付を検知すると、RFIDリーダ/ライタ10dにICコインに記憶されているポイント情報の読み込みを行わせる。そして、メダルCPU10aは、読み込んだポイント情報が所定のポイント以上であるかを判定する。読み込んだポイント情報が所定のポイント以上であると、メダルCPU10aは、メダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力するとともに、RFIDリーダ/ライタ10dに、遊技に必要なポイント数を減算したポイント情報をICコインに書き込ませる。また、メダルCPU10aは、仮想払出制御基板30からメダル通過信号の入力があると、メダルの払い出しがあったものとして、RFIDリーダ/ライタ10dに、メダル通過信号の入力回数に応じたポイント数を加算したポイント情報をICコインに書き込ませる。そして、RFIDリーダ/ライタ10dは、メダルCPU10aからの指示に基づき、かかるポイント情報をICコインに記憶させて更新する。
本実施形態では、ICコインが所定の情報媒体を構成し、ポイント情報をICコインに記憶させるRFIDリーダ/ライタ10dが情報媒体記憶手段を構成する。
【0040】
メダルゲーム制御基板20は、メダル投入制御基板10からのゲーム許可信号を入力してメダルゲームを制御するとともに、メダルゲームの結果としてメダルを払い出すか否かの判定し、メダルを払い出す場合には、メダルを払い出す払出制御部に対して、メダルを払い出すことを指示するモータ駆動信号を出力するものである。
【0041】
このメダルゲーム制御基板20は、ゲームCPU20a、ゲームROM20b、ゲームRAM20c、メダルゲーム制御用の入出力ポート(図示せず)を備えている。このメダルゲーム制御用の入出力ポートには、払出テストボタン9の操作を検知する払出テストボタンスイッチ9s、ゲーム開始ボタン6の操作を検知するゲーム開始ボタンスイッチ6s、ゲーム終了ボタン7の操作を検知するゲーム終了ボタンスイッチ7s、右停止ボタン8Rの操作を検知する右停止ボタンスイッチ8Rs、中停止ボタン8Cの操作を検知する中停止ボタンスイッチ8Cs、左停止ボタン8Lの操作を検知する左停止ボタンスイッチ8Ls、液晶表示装置40、音声出力装置50、及び照明装置60が接続されており、さらには、メダル投入制御基板10、仮想払出制御基板30とも接続されている。そして、メダルゲーム制御用の入出力ポートから、各種信号の入出力が行われ、モータ駆動信号などを出力するとともに、メダル通過信号やゲーム許可信号などを入力する。
【0042】
メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、ゲームROM20bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各種の装置(液晶表示装置40、音声出力装置50及び照明装置60)を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて、他の基板にモータ駆動信号等を出力したりする。
【0043】
メダルゲーム制御基板20のゲームROM20bには、ゲーム制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、ゲームROM20bには、設定されたエンプティ時間を記憶するエンプティ時間記憶領域、設定されたスタック時間を記憶するスタック時間記憶領域、設定されたチャタリング時間を記憶するチャタリング時間記憶領域などが記憶されている。
【0044】
なお、ここでいう「エンプティ」とは、メダル貯留部のメダル残量がゼロ枚となった状態を指すものであり、「エンプティ時間」とは、モータ駆動信号を出力してから、メダルの払い出したことが完了したことを示すメダル通過信号を所定時間入力しないときに、エンプティエラーと判断するための時間である。
また、ここでいう「スタック」とは、メダル払出口5のメダル通過検出スイッチ32部分が何らかの理由でONのままになってしまったエラー状態、すなわちメダル詰まり状態を指すものであり、「スタック時間」とは、メダル通過信号を継続して所定時間以上入力し続けたときに、スタックエラーと判断するための時間である。
また、ここでいう「チャタリング」とは、メダル通過検出スイッチ32からの入力信号が、電磁ノイズ等の理由で断続を繰り返すエラー状態を指すものであり、「チャタリング時間」とは、メダル通過信号の入力時間が極めて短い時間(短いパルス幅)であるときに、チャタリングエラーとして、メダル通過信号の入力がないものとみなすための時間である。
【0045】
メダルゲーム制御基板20のゲームRAM20cは、ゲームCPU20aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能しており、複数の記憶領域を有している。
例えば、ゲームRAM20cには、乱数値記憶領域、停止図柄データ記憶領域、各種のタイマカウンタ等が設けられている。
【0046】
液晶表示装置40、音声出力装置50及び照明装置60は、メダルゲーム制御基板20と双方向通信可能に接続されており、メダルゲーム制御基板20から所定の信号を入出力して、液晶表示装置40における表示領域の画像を表示制御したり、音声出力装置50における音声を出力制御したり、照明装置60におけるLEDやランプ等の発光体を点灯制御したりする。
【0047】
仮想払出制御基板30は、メダルの払い出し制御を行う払出制御基板に代替して、メダルゲーム制御基板20からのモータ駆動信号を入力し、メダルの払い出しを規制して、メダルを払い出したものとして、メダルゲーム制御基板20に最適出力時間(最適なパルス)でメダル通過信号を出力する。
【0048】
この仮想払出制御基板30は、払出CPU30a、払出ROM30b、払出RAM30c、仮想払出制御用の入出力ポート(図示せず)を備えている。この仮想払出制御用の入出力ポートには、メダル投入制御基板10とメダルゲーム制御基板20とが接続されているものの、実際にメダルを払い出すための払出モータ等には接続されていない。そして、仮想払出制御用の入出力ポートから、モータ駆動信号を入力するとともに、メダル通過信号が出力される。
本実施形態では、仮想払出制御用の入出力ポートが、払出開始信号入力手段、払出終了信号入力手段及び払出完了信号出力手段を構成する。
【0049】
仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からのモータ駆動信号、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM30bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、メダル通過信号をメダルゲーム制御基板20に出力する。
また、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からのモータ駆動信号を入力すると、メダルゲーム制御基板20に出力するメダル通過信号の最適出力時間(最適なパルス)を算出する。
【0050】
仮想払出制御基板30の払出ROM30bには、払出制御を代替する代替払出制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0051】
仮想払出制御基板30の払出RAM30cは、払出CPU30aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能しており、複数の記憶領域を有している。
例えば、払出RAM30cには、エンプティ時間記憶領域、スタック時間記憶領域、最小認識時間記憶領域、最適出力時間記憶領域、出力回数記憶領域、計測用のタイマカウンタ、出力用のタイマカウンタが設けられている。
本実施形態では、最適出力時間記憶領域を有する払出RAM30cが最適出力時間記憶手段を構成する。本実施形態では、仮想払出制御基板30が払出代替装置を構成し、少なくとも仮想払出制御基板30とRFIDリーダ/ライタ10dとを含んだ構成が、払出代替システムを構成するが、メダルゲーム制御基板20、メダル投入制御基板10も含んだ構成を払出代替システムとしてもよい。
【0052】
次に、メダルゲーム制御基板20の制御フローについて説明する。
【0053】
(メダルゲーム制御基板のメイン処理)
図4を用いて、メダルゲーム制御基板20のメイン処理を説明する。
【0054】
電源基板により電源が供給されると、ゲームCPU20aにシステムリセットが発生し、ゲームCPU20aは、以下のメイン処理を行う。
【0055】
まず、ステップS10において、ゲームCPU20aは、初期化処理を行う。この初期化処理では、ゲームCPU20aは、電源投入に応じて、ゲームROM20bから起動プログラムを読み込むとともに、ゲームRAM20cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
【0056】
ステップS20において、ゲームCPU20aは、メダル受付処理を行う。このメダル受付処理では、ゲームCPU20aは、メダル投入制御基板10からゲーム許可信号を入力したか否かを判定するとともに、ゲーム許可信号を入力したと判定しなかった場合には、ゲーム許可信号の待ち状態となり、ゲーム許可信号を入力したと判定した場合にはステップS30のゲーム制御処理に処理を移す処理を行う。
【0057】
ステップS30において、ゲームCPU20aは、メダルゲームの制御を行うゲーム制御処理を行う。
このゲーム制御処理では、ゲームCPU20aは、ゲーム開始ボタンスイッチ6sからの信号を入力すると、各リールに停止させる図柄を決定するために乱数値を抽出し、抽出した乱数値をゲームRAM20cの乱数値記憶領域に記憶させた後、液晶表示装置40に図柄の変動表示を開始させる表示制御を行う。その後、各種の停止ボタンスイッチ8Rs、8Cs、8Lsから次に、ゲームCPU20aは、各種の停止ボタンスイッチ8Rs、8Cs、8Lsからの信号を入力するか、所定の時間を経過すると、液晶表示装置40に抽出した乱数値に対応する図柄の停止表示を行わせる。
【0058】
ステップS40において、ゲームCPU20aは、メダルゲームの払い出し制御を行う払出制御処理を行う。
この払出制御処理では、ゲームCPU20aは、液晶表示装置40に表示された図柄の組合せに基づいて、表示役及び払出枚数を決定する。次に、ゲームCPU20aは、メダルを払い出す払出制御部に対して、決定した払出枚数が払い出されるまで、メダルを払い出すことを指示するモータ駆動信号を継続して出力し続ける。そして、決定した払出枚数分のメダル通過信号を入力すると、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0059】
また、この払出制御処理において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号を継続して出力し続け、ゲームROM20bのエンプティ時間記憶領域に記憶されたエンプティ時間(例えば10000ms)を経過しても、決定した払出枚数分のメダル通過信号を入力しないと、メダル貯留部のメダル残量がゼロ枚となったことを示すエンプティエラーの報知制御を行い、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0060】
さらに、この払出制御処理において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力しても、メダル通過信号の入力時間がゲームROM20bのチャタリング時間記憶領域に記憶されたチャタリング時間(例えば8ms)以下であるときには、メダル通過信号の入力がなかったものと判定する。
【0061】
また、この払出制御処理において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号を継続して出力し続けている場合に、メダル通過信号を入力しても、メダル通過信号の入力時間がゲームROM20bのスタック時間記憶領域に記憶されたスタック時間(例えば500ms)以上であるときには、メダル詰まりであることを示すスタックエラーの報知制御を行い、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0062】
以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20からステップS40の処理を繰り返し行う。
【0063】
(メダルゲーム制御基板のタイマ割込処理)
図5を用いて、メダルゲーム制御基板20のタイマ割込処理を説明する。
【0064】
メダルゲーム制御基板20に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
【0065】
ステップS100において、ゲームCPU20aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、各種のタイマカウンタから1を加算または減算する処理を行う。
【0066】
ステップS110において、ゲームCPU20aは、液晶表示装置40に停止表示させる図柄を決定するために乱数値を更新する乱数更新処理を行う。具体的には、乱数カウンタに1を加算して乱数カウンタを更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻す。
【0067】
ステップS120において、ゲームCPU20aは、ゲーム関連ボタンスイッチ入力処理を行う。
このゲーム関連ボタンスイッチ入力処理において、ゲームCPU20aは、ゲーム開始ボタンスイッチ6s、ゲーム終了ボタンスイッチ7s、右停止ボタンスイッチ8Rs、中停止ボタンスイッチ8Cs、左停止ボタンスイッチ8Lsのそれぞれのスイッチからの入力信号を入力したか否か判定し、メダルゲームの各種状態に対応して、各種のデータをセットする処理を行う。例えば、メダルゲームの変動開始待ち状態においてゲーム開始ボタンスイッチ6sからの信号を入力すると、メダルゲームの開始データをセットし、ゲーム終了ボタンスイッチ7sからの信号を入力すると、ICコインを払い出すコイン払出データをセットする。
【0068】
ステップS130において、ゲームCPU20aは、払出テストスイッチ入力処理を行う。
この払出テストスイッチ入力処理において、ゲームCPU20aは、払出テストスイッチからの入力信号を入力したか否か判定し、モータ駆動信号の入出力制御を行う。具体的には、図6を用いて後述する。
この払出テストスイッチ入力処理を終了すると、1回のタイマ割込処理が終了する。
【0069】
(メダルゲーム制御基板の払出テストスイッチ入力処理)
図6を用いて、メダルゲーム制御基板20の払出テストスイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS141において、ゲームCPU20aは、メダルを払い出すことを指示するモータ駆動信号をオンにして出力する。
【0070】
ステップS142において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力したと判定した場合には、ステップS143に処理を移し、メダル通過信号を入力したと判定しなかった場合には、ステップS147に処理を移す。
【0071】
ステップS143において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力した場合にはゲームROM20bのチャタリング時間記憶領域に記憶されたチャタリング時間を経過したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、チャタリング時間を経過したと判定した場合には、ステップS144に処理を移し、チャタリング時間を経過したと判定しなかった場合には、ステップS142に処理を戻す。
【0072】
ステップS144において、ゲームCPU20aは、チャタリング時間を経過したと判定した場合には、ゲームROM20bのスタック時間記憶領域に記憶されたスタック時間を経過したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、スタック時間を経過したと判定した場合には、ステップS145に処理を移し、スタック時間を経過したと判定しなかった場合には、ステップS146に処理を移す。
【0073】
ステップS145において、ゲームCPU20aは、メダルスタックエラーの報知データをセットし、メダルスタックエラーの報知を行う。
【0074】
ステップS146において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号をOFFにし、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0075】
ステップS147において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力しなかった場合には、ゲームROM20bのエンプティ時間記憶領域に記憶されたエンプティ時間を経過したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、エンプティ時間を経過したと判定した場合には、ステップS148に処理を移し、エンプティ時間を経過したと判定しなかった場合には、ステップS142に処理を戻す。
【0076】
ステップS148において、ゲームCPU20aは、エンプティエラーの報知データをセットし、エンプティエラーの報知を行い、その後、ステップS146において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0077】
なお、図示は省略するが、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、図4に示すメイン処理、図5に示すタイマ割込処理以外にも、液晶表示装置40から垂直同期信号(Vsync)を入力して作動するVsync割込処理も行っている。かかるVsync割込処理では、ゲーム制御処理に対応して、液晶表示装置40にアニメーションデータを出力する処理が行われる。
【0078】
次に、仮想払出制御基板30の制御フローについて説明する。
【0079】
(仮想払出制御基板のメイン処理)
図7を用いて、仮想払出制御基板30のメイン処理を説明する。なお、図示は省略するが、仮想払出制御基板30にもクロックパルス発生回路が設けられ、所定の周期(2ms)毎にクロックパルスが発生し、かかるパルスを入力することで、メイン処理とは別に、エンプティ時間(Te)、スタック時間(Ts)、最小出力認識時間(Tr)、出力時間等の各種タイマカウンタを更新するタイマ割り込み処理が行われる。
【0080】
電源基板により電源が供給されると、払出CPU30aにシステムリセットが発生し、ゲームCPU20aは、以下のメイン処理を行う。
【0081】
ステップS200において、払出CPU30aは、初期化処理を行う。この初期化処理では、払出CPU30aは、電源投入に応じて、払出ROM30bから起動プログラムを読み込むとともに、払出に記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
【0082】
ステップS300において、払出CPU30aは、テスト払出制御処理を行う。このテスト払出制御処理では、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、モータ駆動信号の応答(入力終了)に基づいて、エンプティ時間(Te)、スタック時間(Ts)、最小出力認識時間(Tr)を計測し、メダル通過信号の最適出力時間(すなわち、最適なパルス)を算出する処理を行う。詳しくは、図8を用いて後述する。
なお、このテスト払出制御処理は、電源投入時に処理され、最適な出力時間が算出されるまで、後述するステップS400の通常払出制御処理は行われない。
【0083】
ステップS400において、払出CPU30aは、通常払出制御処理を行う。この通常払出制御処理においては、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の入力開始を判定して、モータ駆動信号の入力開始を判定する毎に、メダル通過信号を上記ステップS300で算出した最適出力時間(最適なパルス)だけ継続して出力し続ける処理を行う。
【0084】
以降は、所定の割込み処理(タイマ割り込み処理等)が行われるまで、ステップS400の処理を繰り返し行う。
【0085】
(仮想払出制御基板のテスト払出制御処理)
図8を用いて、仮想払出制御基板30のテスト払出制御処理を説明する。
【0086】
まず、ステップS311において、払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力したと判定した場合には、ステップS312に処理を移し、モータ駆動信号を入力したと判定しなかった場合には、モータ駆動信号を入力するまで待ち状態になる。
【0087】
ステップS312において、払出CPU30aは、エンプティ時間記憶領域にエンプティ時間がセットされているか否か、すなわちエンプティ時間が計測されたか否かを判定する。
払出CPU30aは、エンプティ時間がセットされていると判定した場合には、ステップS314に処理を移し、エンプティ時間がセットされていると判定しなかった場合には、ステップS313に処理を移す。
【0088】
ステップS313において、払出CPU30aは、エンプティ時間検出処理を行う。このエンプティ時間検出処理では、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aによってエンプティ時間と判定される時間を検出する処理を行う。詳しくは、図9を用いて後述する。このエンプティ時間検出処理を終了すると、再びステップS311に処理を戻す。
【0089】
ステップS314において、払出CPU30aは、スタック時間記憶領域にスタック時間がセットされているか否か、すなわちスタック時間が計測されたか否かを判定する。
払出CPU30aは、スタック時間がセットされていると判定した場合には、ステップS316に処理を移し、スタック時間がセットされていると判定しなかった場合には、ステップS315に処理を移す。
【0090】
ステップS315において、払出CPU30aは、スタック時間検出処理を行う。このスタック時間検出処理では、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aによってスタック時間と判定される時間を検出する処理を行う。詳しくは、図10を用いて後述する。このスタック時間検出処理を終了すると、再びステップS311に処理を戻す。
【0091】
ステップS316において、払出CPU30aは、最適出力時間算出処理を行う。この最適出力時間算出処理では、払出CPU30aは、メダル通過信号の最適出力時間を算出する処理を行う。詳しくは、図11を用いて後述する。この最適出力時間算出処理を終了すると、テスト払出制御処理が終了する。
【0092】
(仮想払出制御基板のエンプティ時間検出処理)
図9を用いて、仮想払出制御基板30のエンプティ時間検出処理を説明する。
【0093】
まず、ステップS313−1において、払出CPU30aは、メダル通過信号をオフ、すなわちメダル通過信号の出力を停止する。
【0094】
ステップS313−2において、払出CPU30aは、エンプティ時間の計測を開始させるエンプティ時間の計測開始処理を行う。このエンプティ時間の計測開始処理では、所定の周期(2ms)毎に行われるタイマ割り込み処理にて、計測用のタイマカウンタを加算して更新させる処理を行う。
【0095】
ステップS313−3において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したと判定した場合には、ステップS313−4に処理を移し、モータ駆動信号の入力が終了したと判定しなかった場合には、モータ駆動信号の入力が終了するまで待ち状態になる。
【0096】
ステップS313−4において、払出CPU30aは、計測用のタイマカウンタで計測されていたエンプティ時間(Te)を、払出RAM30cのエンプティ時間記憶領域にセットする処理を行う。この処理を終了すると、エンプティ時間検出処理が終了する。
【0097】
(仮想払出制御基板のスタック時間検出処理)
図10を用いて、仮想払出制御基板30のスタック時間検出処理を説明する。
【0098】
まず、ステップS315−1において、払出CPU30aは、メダル通過信号をオン、すなわちメダル通過信号を継続して出力し続ける。
【0099】
ステップS315−2において、払出CPU30aは、スタック時間の計測を開始させるスタック時間の計測開始処理を行う。このスタック時間の計測開始処理では、所定の周期(2ms)毎に行われるタイマ割り込み処理にて、計測用のタイマカウンタを加算して更新させる処理を行う。
【0100】
ステップS315−3において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したと判定した場合には、ステップS315−4に処理を移し、モータ駆動信号の入力が終了したと判定しなかった場合には、モータ駆動信号の入力が終了するまで待ち状態になる。
【0101】
ステップS315−4において、払出CPU30aは、計測用のタイマカウンタで計測されていたスタック時間(Ts)を、払出RAM30cのスタック時間記憶領域にセットする処理を行う。この処理を終了すると、スタック時間検出処理が終了する。
【0102】
(仮想払出制御基板の最適出力時間算出処理)
図11を用いて、仮想払出制御基板30の最適出力時間算出処理を説明する。
【0103】
まず、ステップS316−1において、払出CPU30aは、メダル通過信号をオン、すなわちメダル通過信号を継続して出力し続ける。
【0104】
ステップS316−2において、払出CPU30aは、最小時間(Tmin、例えば2ms)を、払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットする。ここでセットされた出力用のタイマカウンタ(Tout)は、所定の周期(2ms)毎に行われるタイマ割り込み処理にて減算されて更新されていく。
【0105】
ステップS316−3において、払出CPU30aは、出力回数記憶領域に出力回数(n)として0をセットする。なお、出力回数(n)とは、後述するようにメダル通過信号の最適な出力時間を検索するために、メダル通過信号を繰り返し出力した回数に対応するものである。
【0106】
ステップS316−4において、払出CPU30aは、払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となったか、すなわち出力時間を経過したか否かを判定する。
払出CPU30aは、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となったと判定した場合には、ステップS316−5に処理を移し、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となったと判定しなかった場合には、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となるまで待ち状態になる。
【0107】
ステップS316−5において、払出CPU30aは、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となった場合には、メダル通過信号をオフ、すなわちメダル通過信号の出力を停止する。
【0108】
ステップS316−6において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したと判定した場合には、ステップS316−10に処理を移し、モータ駆動信号の入力が終了したと判定しなかった場合には、ステップS316−7に処理を移す。
【0109】
ステップS316−7において、払出CPU30aは、出力回数記憶領域に1を加算して更新する。
【0110】
ステップS316−8において、払出CPU30aは、出力回数(n)に単位出力時間(△t、例えば2ms)を乗算した乗算時間を最小時間(Tmin)に加算して、加算した加算時間を払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットする。すなわち、前回の出力時間に単位出力時間(△t)が加算した時間を、払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットする。
【0111】
ステップS316−9において、払出CPU30aは、再びメダル通過信号をオン、すなわちメダル通過信号を継続して出力し続け、ステップS316−4に処理を移す。
【0112】
ステップS316−10において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了した場合には、先ほど出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットした出力時間(Tmin+n×△t)を最小認識時間(Tr)として、払出RAM30cにある最小認識時間記憶領域にセットする。
本実施形態では、ステップS316−1からステップS316−10までの最小認識時間(Tr)を検索する処理を行う払出CPU30aが、最小出力時間検索手段を構成する。
【0113】
ステップS316−11において、払出CPU30aは、まず第1ステップとして、スタック時間(Ts)から最小認識時間(Tr)を減算して減算時間を算出する減算処理を行う。次に、払出CPU30aは、第2ステップとして、減算した減算時間を2で除算して除算時間を算出する除算処理を行う。その後、払出CPU30aは、第3ステップとして、除算した除算時間に最小認識時間(Tr)を加算して加算時間を算出する加算処理を行い、その加算時間を最適出力時間(Tf)として、最適出力時間記憶領域にセットする。この処理が終了すると、最適出力時間算出処理が終了する。
以降は、上記ステップS400の通常払出制御処理において、モータ駆動信号を入力する毎に、メダル通過信号を、最適出力時間記憶領域にセットされた最適出力時間(Tf)継続して出力し続けることとなる。
本実施形態では、ステップS316−11において最適出力時間を算出する処理を行う払出CPU30aが、最適出力時間算出手段を構成する。
【0114】
(最適出力時間算出を説明するためのタイムチャート)
図12を用いて、仮想払出制御基板30の払出CPU30aが最適出力時間を算出することについて、タイムチャートを用いて説明する。
なお、本来、図13の下図に示すように、仮想払出制御基板30がモータ駆動信号を入力してからメダル通過信号を出力するまでには、メダルがメダル通過検出スイッチ32を通過するまでのメダルセット時間T1、さらにはメダル通過信号を出力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでには、モータ駆動OFF遅延時間が存在するが、図12においては説明の都合上省略するものとする。
【0115】
(エンプティ時間計測の説明)
図12(a)では、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の出力が行われているが、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力してもメダル通過信号を出力しない(図9参照)。
【0116】
そうすると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、ゲームROM20bに記憶されたエンプティ時間を経過すると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aはエンプティエラーがあったものとして、モータ駆動信号の出力を停止する(図6参照)。
【0117】
これにより、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでの時間を計測することで、メダルゲーム制御基板20のゲームROM20bに記憶されたエンプティ時間(Te)を自動的に計測することができる。
【0118】
(スタック時間計測の説明)
図12(b)では、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の出力が行われており、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力があると、メダル通過信号を出力し続ける(図10参照)。
【0119】
そうすると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、ゲームROM20bに記憶されたスタック時間を経過すると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aはスタックエラーがあったものとして、モータ駆動信号の出力を停止する(図6参照)。
【0120】
これにより、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダル通過信号を出力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでの時間を計測することで、メダルゲーム制御基板20のゲームROM20bに記憶されたスタック時間(Ts)を自動的に計測することができる。
【0121】
(最小認識時間計測の説明)
図12(c)では、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の出力が行われており、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力があるとモータ駆動信号の入力が終了するまで、メダル通過信号を最小時間(Tmin)から段々と長い出力時間で出力することを繰り返す(図11参照)。
【0122】
そうすると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、ある出力時間となったときに、メダル通過信号の入力があったものとみなして、モータ駆動信号の出力を停止する(図6参照)。
【0123】
これにより、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダル通過信号を出力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでの時間を計測することで、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aによってメダル通過信号の入力とみなされる最小認識時間(Tr)を自動的に計測することができる。
【0124】
(最適出力時間算出の説明)
図12(d)では、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、まず計測されたスタック時間(Ts)から計測された最小認識時間(Tr)を減算して、減算時間を算出する。
次に、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、算出した減算時間を2で除算し、除算した除算時間を最小認識時間(Tr)に加算し、加算した加算時間を最適出力時間(Tf)として算出する。仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダル通過信号の最適出力時間を算出することができる。
【0125】
ここで、メダル通過信号の出力時間があまりに短いと、メダルゲーム制御基板20の制御プログラムの内容によっては電磁ノイズ等と判断されて出力信号を認識できない場合がある。さらに、最小認識時間(Tr)でメダル通過信号を出力しても、電磁ノイズ等の影響を受けたりして実際の出力時間が最小認識時間(Tr)を下回り、結果としてメダル通過信号がメダルゲーム制御基板20側で認識できず、結果として多重に媒体払出を行ってしまう可能性があり不安定な状態となる。他方、出力時間を最小認識時間(Tr)よりも非常に大きい時間にしてしまうと、所定の媒体等の払い出しが停留している状態(メダル詰まり状態)であるスタックエラーと判断されてしまうことがある。
【0126】
本実施形態の最適出力時間(Tf)では、メダル通過信号の出力停止タイミングが、最小認識時間(Tr)の経過後からスタックエラーと判断されるまで残存時間の中間点となるので、チャタリングやスタックエラーと判断されることがなく、論理的に最も安定的な出力時間とすることができる。
【0127】
なお、本実施形態では、コイン投入口3にポイント情報が記憶されたICコインを投入させるように構成したが、ICカードを投入させるように構成したり、携帯電話等の端末機の記憶された情報を非接触型の読み取り機で読み込ませるように構成したりしてもよい。
【0128】
また、本実施形態では、コイン投入口3にポイント情報が記憶されたICコインを投入させて、ICコインに記憶されたポイント情報を読み込み、その読み込んだポイント情報が所定のポイント以上であるとメダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力するように構成したが、コイン投入口3に投入された遊技媒体(いわゆる通常のコインなど)の種類や枚数に応じて、メダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力するように構成してもよい。
【0129】
また、本実施形態では、メダル投入制御基板10にRFIDリーダ/ライタ10dを設け、メダルCPU10aが、RFIDリーダ/ライタ10dによってICコインに記憶されているポイント情報を書き込ませるように構成したが、仮想払出制御基板30にRFIDリーダ/ライタを設け、払出CPU30aが、メダル通過信号を出力するときに、RFIDリーダ/ライタ10dによってICコインに記憶されているポイント情報を書き込ませるように構成してもよい。
【0130】
なお、本実施形態では、液晶表示装置40を用いてスロットマシンゲーム行うように構成したが、円筒状の構造物のリールを用いてスロットマシンゲームを行うように構成してもよい。
【0131】
また、本実施形態では、液晶表示装置40においてスロットマシンゲームが行われるように構成したが、スロットマシンゲームに関わらず、トランプゲーム、ビンゴゲーム、競馬ゲーム、スポーツゲーム、アクションゲーム、シューティングゲーム等の周知のゲームに用いてもよい。
【符号の説明】
【0132】
10 メダル投入制御基板
10a メダルCPU
10b メダルROM
10c メダルRAM
10d RFIDリーダ/ライタ
20 メダルゲーム制御基板
20a ゲームCPU
20b ゲームROM
20c ゲームRAM
30 仮想払出制御基板
30a 払出CPU
30b 払出ROM
30c 払出RAM
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルやコインなどの所定の遊戯又は遊技媒体を払い出す払出装置を代替する払出代替装置、払出代替システム及びその払出代替制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、金銭価値の情報を記憶した電子マネー、電子貨幣と呼ばれるものを利用した電子商取引が盛んになっている。
例えば、遊戯又は遊技媒体としてメダルを使用するゲーム装置においては、特許文献1に示すように、ICチップとアンテナを内蔵したICトークン(ICコイン)を用いたり、特許文献2に示すように、遊戯者又は遊技者がICタグに格納した電子マネーでメダルを借り入れたりすることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−185397号公報
【特許文献2】特開2007−195864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、メダルやコインなどの所定の遊戯又は遊技媒体(以下、適宜「所定の媒体等」という)を払い出す払出装置の払い出しに関しても、実際に所定の媒体等を払い出すだけではなく、所定の媒体等の払い出しを電子化したり、所定の媒体等の回収、補給の煩わしさを解消して所定の媒体等の払い出し条件(例えば、払い出し条件となる所定のゲーム)のみを楽しんだりするために、所定の媒体等の払い出しを規制する構成も望まれていた。
上記特許文献によれば、ICトークンまたはICタグを用いて、所定の媒体等の払い出しを電子化することも可能であるが、払出装置の全体を新たに開発し直さなければならず、開発時間と生産コストが大きくかかってしまうという問題があった。
【0005】
ここで、既存の払出装置の払い出し機構部を、所定の媒体等の払い出しを規制する構成に設計変更することも考えられる。
その際には、まず、図13に示すように、払出装置の全体を管理するメダルゲーム制御基板と払い出し機構部(モータなど)の制御を行う払出制御基板との入出力信号をデジタルオシロスコープ等の測定器で計測して、実際の入力信号(モータ駆動信号)及び出力信号(メダル通過信号)のパルス幅を把握する。そして、上記払出制御基板の代わりに払出代替制御基板を用意し、払出代替制御基板では、メダルゲーム制御基板から払い出しを指示する入力信号があると、実際には払い出し制御は行わないものの、払い出しがあったものとみなして計測したパルス幅で出力信号をメダルゲーム制御基板に向けて出力して応答する。これにより、所定の媒体等の払い出しを規制して、仮想的な払出機能を得ることができるとも考えられる。
しかしながら、既存の払出装置を実測する場合においては、手間がかかる上に、図14に示すように、所定の媒体等を払い出すモータを含む払い出し機構品が、経年劣化などでモータ等の回転が遅くなったりして、出力信号の最適なパルス幅を把握することができないという問題があった。
【0006】
より具体的には、図14(1)に示すように、メダルゲーム制御基板の制御プログラムには、少なくともスタック時間やチャタリング時間が記憶されている。ここでいう「スタック」とは、メダル払出口のメダル通過検出スイッチ部分が何らかの理由でONのままになってしまったエラー状態、すなわちメダル詰まり状態を示すものであり、「スタック時間」とは、メダル通過信号を継続して所定時間以上入力し続けたときに、スタックエラーと判断するための時間である。また、ここでいう「チャタリング」とは、メダル通過検出スイッチからの入力信号が、電磁ノイズ等の理由で断続を繰り返すエラー状態を示すものであり、「チャタリング時間」とは、メダル通過信号の入力時間が極めて短い時間(短いパルス幅)であるときに、チャタリングエラーとして、メダル通過信号の入力がないものとみなすための時間である。
図14(2)に示すように、メダルゲーム制御基板は、払出制御基板に対してモータ駆動信号を出力する。ここで、通常の動作が行われれば、図14(3)に示すように、払出制御基板は、メダルゲーム制御基板からモータ駆動信号を入力したことを条件に、メダルゲーム制御基板にメダル通過信号を出力する。
ところが、払い出し機構品が経年劣化などしていくと、図14(4)に示すように、メダル通過信号がスタック認識リミットのぎりぎりのタイミングでメダル通過信号のパルスを出力することがあり、その間に電磁ノイズなどの影響を受けるとスタックエラーであることを認識してしまう。また、図14(5)に示すように、メダル通過信号のパルスがチャタリング時間よりも短いと、メダルゲーム制御基板の制御プログラムの内容によっては電磁ノイズ等と判断されて出力信号を認識できない場合もある。
従って、払い出し機構を伴うシステムでは制御プログラムのマージン設計思想に沿った最適値のメダル通過信号のパルスを送る必要があった。
【0007】
さらには、既存の払出装置を実測せずに、払出装置の全体の仕様を把握して出力信号の最適なパルス幅を把握することも考えられなくはないが、一般的には他社製品の払出制御基板とメダルゲーム制御基板の制御プログラム開示が困難であることがら、プログラム解析が必要となり、他社製品の払い出し機構部のみを設計変更をすることが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、所定の媒体を払い出す払出装置の構成を、所定の媒体の払い出しを規制する構成に容易に変更可能にする払出代替装置、払出代替システム及び払出代替制御方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、払い出す媒体(メダル等)を1枚と設定した場合、所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号(モータ駆動信号のオンエッジ等)を入力する払出開始信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号(モータ駆動信号のオフエッジ等)を入力する払出終了信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号(メダル通過信号等)を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段(払出CPU30aおよび仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段(払出CPU30a等)と、前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段(払出CPU30a等)と、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段(払出RAM30c等)とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の払出代替装置において、前記最適出力時間算出手段は、前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算手段(払出CPU30a等)と、前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算手段(払出CPU30a等)と、前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算手段(払出CPU30a等)とを有し、前記最適出力時間算出手段は、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、所定の媒体(メダル等)を払い出すことを開始させる払出開始信号(モータ駆動信号のオンエッジ等)を入力する払出開始信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号(モータ駆動信号のオフエッジ等)を入力する払出終了信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号(メダル通過信号等)を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段(払出CPU30aおよび仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段(払出CPU30a等)と、前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段(払出CPU30a等)と、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段(払出RAM30c等)と、前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶手段(RFIDリーダ/ライタ10d)とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力ステップと、前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力ステップと、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力ステップと、前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索ステップと、前記最小出力時間検索ステップによって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出ステップと、前記最適出力時間算出ステップによって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶ステップとを備え、
前記最小出力時間検索ステップは、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、前記払出完了信号出力ステップは、前記最適出力時間記憶ステップによって前記最適出力時間が記憶された後、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の払出代替制御方法において、前記最適出力時間算出ステップは、前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算ステップと、前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算ステップと、前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算ステップとを有し、前記最適出力時間算出ステップは、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の払出代替制御方法において、前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶ステップとを備え、前記情報媒体記憶ステップは、前記払出完了信号出力ステップによって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、所定の情報(ポイント情報等)が記憶された所定の情報媒体(ICコイン等)を受け付け、前記情報媒体に記憶された情報を更新するとともに、入力開始信号(ゲーム許可信号等)を出力する情報媒体受付部(メダル投入制御基板10等)と、前記入力開始信号を入力して所定の媒体(メダル等)を払い出すか否かの判定し、前記所定の媒体を払い出す払出制御部に対して、前記所定の媒体を払い出すことを指示する払出指示信号(モータ駆動信号)を出力する管理制御部(メダルゲーム制御基板20等)と、前記払出制御部に代替して前記管理制御部からの前記払出指示信号を入力し、前記所定の媒体を払い出すことを規制する払出代替制御部(仮想払出制御基板30等)とを備え、
前記情報媒体受付部は、前記情報媒体に記憶された情報を読み込む読込手段(RFIDリーダ/ライタ10d等)と、前記読込手段によって読み込まれた情報が所定の開始条件を充足しているか否かを判定する開始条件判定手段(メダルCPU10a等)と、前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記情報媒体に記憶されている情報に基づいて所定の演算を行う開始演算手段(メダルCPU10a等)と、前記開始演算手段によって演算された演算結果の情報を前記情報媒体に更新して記憶させる情報媒体記憶手段(RFIDリーダ/ライタ10d等)と、前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記入力開始信号を出力する入力開始信号出力手段(メダルCPU10aおよびメダル投入制御用の入出力ポート等)とを有し、
前記管理制御部は、前記入力開始信号を入力する入力開始信号入力手段(メダルゲーム制御用の入出力ポート等)と、前記入力開始信号入力手段によって前記入力開始信号を入力すると、前記所定の媒体を払い出すための払出条件が成立したか否かを判定する払出条件判定手段(ゲームCPU20a等)と、前記払出条件判定手段によって前記払出条件が成立したと判定された場合には、前記払出指示信号を出力する払出指示信号出力手段(ゲームCPU20aおよびメダルゲーム制御用の入出力ポート等)と、前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号(メダル通過信号)を入力する払出完了信号入力手段(メダルゲーム制御用の入出力ポート等)とを有し、
前記払出代替制御部は、前記払出指示信号を入力する払出指示信号入力手段(仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段(払出CPU30aおよび仮想払出制御用の入出力ポート等)と、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段(払出CPU30a等)とを有し、
前記払出完了信号出力手段は、前記払出指示信号入力手段によって前記払出指示信号を入力すると、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を前記情報媒体に記憶して更新することを特徴とする。
【0016】
ここで、「所定の媒体」とは、メダル、コイン、遊技球などのゲーム機で用いるトークンを主として意味するが、金銭の硬貨または紙幣、ゲーム機のプライズ商品等であってもよい。「払出開始信号」とは、後述する実施形態ではモータ駆動信号の入力開始を意味し、「払出終了信号」とは、後述する実施形態ではモータ駆動信号の入力終了を意味し、同じモータ駆動信号を用いているが、それぞれ異なる信号を用いて構成してもよい。また、「払出完了信号」とは、後述する実施形態ではメダル通過信号を意味する。「所定の情報媒体」とは、所定の媒体に関する情報が記憶可能なICコイン、ICカード、携帯電話等の端末機を意味する。「所定の情報」とは、所定の遊技で付与されたメダル等の獲得情報や、所定の商品等を購入して付与されたポイント情報を意味する。「入力開始信号」とは、後述する実施形態ではゲーム許可信号を意味し、「払出指示信号」とは、後述する実施形態ではモータ駆動信号を意味する。「所定の開始条件」とは、管理制御部(メダルゲーム制御基板20)に所定の媒体(メダル等)を払い出すための払出条件が成立したか否かの判定を行わせるための条件となるものであり、例えば、ICコイン等に所定のポイント情報が記憶されていることを意味する。そして、所定の開始条件を充足していると判定された場合に行われる「所定の演算」とは、管理制御部(メダルゲーム制御基板20)に所定の媒体(メダル等)を払い出すための払出条件が成立したか否かの判定を行わせる代償として、ICコイン等に記憶されたポイント情報から所定のポイントを減算すること等を意味する。また、所定の媒体を払い出すための「払出条件」とは、ポイント情報を所定の媒体に交換するような場合には所定の交換ボタンを操作することであり、遊技を行う場合には、特定の遊技内容を成立させること(スロットマシンゲームやトランプゲーム等においては特定の表示役を表示させること)である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の媒体等を払い出す払出装置の構成を、所定の媒体等の払い出しを規制する構成に変更したい場合には、既存の払出装置の一部である払い出し機構部を所定の媒体等の払い出しを規制する構成に設計変更すれば済むので、開発時間と生産コストとを大きく低減させて、所定の媒体等の払い出しを規制する構成に容易に変更可能にすることができる。
【0018】
また、仮に所定の媒体等の払い出しを規制する構成から、実際に所定の媒体等を払い出す構成に戻したい場合であっても、変更した払い出し機構部を元に戻せば済むだけであるから、容易に所定の媒体等を払い出す構成に戻すことができ、市場や顧客の要望に応じて臨機応変に対応することができる。
【0019】
さらに、既存の払出装置を用いても、最小出力時間検索手段及び最適出力時間算出手段によって、払出開始信号及び払出終了信号(モータ駆動信号)に基づいて、払出完了信号(具体的にはメダル通過信号等)をコントロールし払出装置の払い出しを指示する制御基板内のプログラムシーケンスを解析して、払出完了信号の出力時間の最適値(メダル通過信号パルス幅の最適値)を得ることができる。従って、たとえ既存の他社製品の払出装置を用いても、プログラム解析が不要となり、容易に所定の媒体等の払い出しを規制する構成に変更することができる。
【0020】
また、最適出力時間を最小出力時間にスタックエラーと判断されるまで残存時間の半分の時間を加算したものとすれば、払出完了信号の出力停止タイミングが、最小出力時間の経過後からスタックエラーと判断されるまで残存時間の中間点となるので、チャタリングやスタックエラーと判断されることがなく、論理的に最も安定的な出力時間とすることができる。
また、払出完了信号を入力すると所定の媒体等の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることで、所定の媒体等の払い出しを規制して、所定の媒体等の払い出しを電子化する構造に変更することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】ホッパーの動作原理を示す模式図である。
【図3】遊技機のブロック図である。
【図4】メダルゲーム制御基板20におけるメイン処理を示す図である。
【図5】メダルゲーム制御基板20におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図6】メダルゲーム制御基板20における払出テストスイッチ入力処理を示す図である。
【図7】仮想払出制御基板30におけるメイン処理を示す図である。
【図8】仮想払出制御基板30におけるテスト払出制御処理を示す図である。
【図9】仮想払出制御基板30におけるエンプティ時間検出処理を示す図である。
【図10】仮想払出制御基板30におけるスタック時間検出処理を示す図である。
【図11】仮想払出制御基板30における最適出力時間検出処理を示す図である。
【図12】最適出力時間算出を説明するためのタイムチャートである。
【図13】従来技術における既存の払出装置を設計変更する手順を説明を示す図である。
【図14】従来技術における問題点を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の遊技機の一例を示す正面図である。
【0023】
(遊技機の基本的構成)
遊技機1は、遊技に用いる各種の装置や回路基板等が収容された筐体2を備えている。筐体2の中央部には、図柄を表示する液晶表示装置40が設けられており、遊技者から所定の操作があると、液晶表示装置40の図柄が変動表示及び停止表示されるスロットマシンゲームが行われることとなる。
【0024】
具体的には、筐体2の下方の左側にあるコイン投入口3に、ポイント情報が記憶されたICコインが投入されると、後述するメダル投入制御基板10によりICコインに記憶されたポイント情報を読み込み、読み込んだポイント情報がメダルゲーム開始条件を満たしているか、すなわち所定のポイント以上であるかを判定する。そして、読み込んだポイント情報がメダルゲーム開始条件を満たしていると(所定のポイント以上であると)、後述するメダルゲーム制御基板20にメダルゲームの制御を許可するためのゲーム許可信号を出力する。
その後、ゲーム許可信号を入力したメダルゲーム制御基板20は、液晶表示装置40の下方にあるゲーム開始ボタン6の操作を介してゲーム開始ボタンスイッチ6sから信号を入力すると、液晶表示装置40に図柄の変動表示を開始させ、右停止ボタン8R、中停止ボタン8C、左ボタン8Lの各種停止ボタンの操作を介して各種の停止ボタンスイッチ8Rs、8Cs、8Lsからの信号を入力すると、液晶表示装置40に図柄の停止表示を行わせる。
【0025】
そして、液晶表示装置40で停止表示された図柄の組み合わせが、特定の図柄の組み合わせ(例えば、「777」など)であれば、本来、組み合わせの種類に応じた枚数のメダルがメダル払出口5に払い出されるのであるが、本実施形態においてはメダルの払い出しを規制する仮想払出制御基板30によりメダルの払い出しが規制され、その代りに払い出すべき枚数分の情報がICコインに書き込まれることとなる。
【0026】
また、液晶表示装置40の下方にあるゲーム終了ボタン7の操作が行われると、投入されたICコインをコイン返却口4に払い出すことが行われる。
【0027】
また、筐体2の上部の中央にはLEDやランプ等の発光が行われる照明装置60が設けられ、筐体2の上部の左右側には所定の音声を出力する音声出力装置50が設けられている。この音声出力装置50及び照明装置60は、遊技の演出内容に対応して所定の音声を出力したり、所定の発光を行ったりする。
【0028】
遊技機1の筐体2の内部には、図示は省略するが、メダルゲーム制御基板20、メダル投入制御基板10、仮想払出制御基板30、電源基板(図示せず)などが設けられている。また、電源基板には遊技機1に電力を給電するための電源プラグや、電源スイッチが設けられている。
【0029】
(ホッパーの動作原理)
図2の遊技機1の模式図を用いて、本来、メダルが払い出されるべきホッパーの動作原理について説明する。
【0030】
本来、遊技機1は、少なくとも、メダルゲームの制御を行うとともに、メダルを払い出す払出制御基板31に対してメダルを払い出すことを指示するメダルゲーム制御基板20と、ホッパーを駆動してメダルの払い出しを制御する払出制御基板31とから構成される。
【0031】
図1において上述したように、メダルゲーム制御基板20は、メダル投入制御基板10からはゲーム許可信号を入力すると、各種スイッチ等に応じてメダルゲームの制御を行う。
【0032】
そして、メダルゲーム制御基板20は、実際にメダルを払い出すときには、払出制御基板31にモータ駆動信号を出力する。
【0033】
モータ駆動信号を入力した払出制御基板31は、ホッパーを駆動させるためのモータをオンして、メダル払出口5にメダルを払い出させる。また、ホッパーからメダル払出口5までのメダル通路において、メダル通過検出スイッチ32が設けられており、メダル通過検出スイッチ32をメダルが通過するにより、払出制御基板31はメダルゲーム制御基板20に対してメダル通過信号を出力する。
【0034】
メダルゲーム制御基板20は、払出制御基板31からメダル通過信号を入力すると、メダルの払い出しが完了したものと判断して、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0035】
本実施形態の遊技機1では、上記払出制御基板31に代替して、ホッパー及びメダル通過検出スイッチ32との入出力回路を排除しながらも、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、メダルゲーム制御基板20に最適出力時間(最適なパルス)でなメダル通過信号を出力して応答する仮想払出制御基板30を備えるものである。
【0036】
(遊技機のブロック図)
次に、図3の遊技機のブロック図を用いて、遊技の進行を制御について説明する。
【0037】
メダル投入制御基板10は、ポイント情報が記憶されたICコインを受け付け、ICコインに記憶された情報を読み書きするとともに、メダルゲーム制御基板20に対して、メダルゲームの制御を許可するためゲーム許可信号を出力するものである。
【0038】
このメダル投入制御基板10は、メダルCPU10aと、メダルROM10bと、メダルRAM10cと、RFIDリーダ/ライタ10dと、メダル投入制御用の入出力ポート(図示せず)とを備えている。このメダル投入制御用の入出力ポートによって、仮想払出制御基板30から出力されたメダル通過信号を入力するとともに、メダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力する。
また、RFIDリーダ/ライタ10dは、ICコインに記憶されているポイント情報の読み書きを行う。
メダルCPU10aは、入力した各種信号やRFIDリーダ/ライタ10dから読み込まれた情報に基づいて、メダルROM10bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、RFIDリーダ/ライタ10dに所定の情報の読み書きを行わせたり、各種信号を出力したりする制御を行う。メダルROM10bには、メダル投入制御用のプログラムや各種の演算に必要なデータ、テーブルが記憶されている。メダルRAM10cは、メダルCPU10aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0039】
特に、メダル投入制御基板10のメダルCPU10aは、ICコインの受付を検知すると、RFIDリーダ/ライタ10dにICコインに記憶されているポイント情報の読み込みを行わせる。そして、メダルCPU10aは、読み込んだポイント情報が所定のポイント以上であるかを判定する。読み込んだポイント情報が所定のポイント以上であると、メダルCPU10aは、メダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力するとともに、RFIDリーダ/ライタ10dに、遊技に必要なポイント数を減算したポイント情報をICコインに書き込ませる。また、メダルCPU10aは、仮想払出制御基板30からメダル通過信号の入力があると、メダルの払い出しがあったものとして、RFIDリーダ/ライタ10dに、メダル通過信号の入力回数に応じたポイント数を加算したポイント情報をICコインに書き込ませる。そして、RFIDリーダ/ライタ10dは、メダルCPU10aからの指示に基づき、かかるポイント情報をICコインに記憶させて更新する。
本実施形態では、ICコインが所定の情報媒体を構成し、ポイント情報をICコインに記憶させるRFIDリーダ/ライタ10dが情報媒体記憶手段を構成する。
【0040】
メダルゲーム制御基板20は、メダル投入制御基板10からのゲーム許可信号を入力してメダルゲームを制御するとともに、メダルゲームの結果としてメダルを払い出すか否かの判定し、メダルを払い出す場合には、メダルを払い出す払出制御部に対して、メダルを払い出すことを指示するモータ駆動信号を出力するものである。
【0041】
このメダルゲーム制御基板20は、ゲームCPU20a、ゲームROM20b、ゲームRAM20c、メダルゲーム制御用の入出力ポート(図示せず)を備えている。このメダルゲーム制御用の入出力ポートには、払出テストボタン9の操作を検知する払出テストボタンスイッチ9s、ゲーム開始ボタン6の操作を検知するゲーム開始ボタンスイッチ6s、ゲーム終了ボタン7の操作を検知するゲーム終了ボタンスイッチ7s、右停止ボタン8Rの操作を検知する右停止ボタンスイッチ8Rs、中停止ボタン8Cの操作を検知する中停止ボタンスイッチ8Cs、左停止ボタン8Lの操作を検知する左停止ボタンスイッチ8Ls、液晶表示装置40、音声出力装置50、及び照明装置60が接続されており、さらには、メダル投入制御基板10、仮想払出制御基板30とも接続されている。そして、メダルゲーム制御用の入出力ポートから、各種信号の入出力が行われ、モータ駆動信号などを出力するとともに、メダル通過信号やゲーム許可信号などを入力する。
【0042】
メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、ゲームROM20bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各種の装置(液晶表示装置40、音声出力装置50及び照明装置60)を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて、他の基板にモータ駆動信号等を出力したりする。
【0043】
メダルゲーム制御基板20のゲームROM20bには、ゲーム制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、ゲームROM20bには、設定されたエンプティ時間を記憶するエンプティ時間記憶領域、設定されたスタック時間を記憶するスタック時間記憶領域、設定されたチャタリング時間を記憶するチャタリング時間記憶領域などが記憶されている。
【0044】
なお、ここでいう「エンプティ」とは、メダル貯留部のメダル残量がゼロ枚となった状態を指すものであり、「エンプティ時間」とは、モータ駆動信号を出力してから、メダルの払い出したことが完了したことを示すメダル通過信号を所定時間入力しないときに、エンプティエラーと判断するための時間である。
また、ここでいう「スタック」とは、メダル払出口5のメダル通過検出スイッチ32部分が何らかの理由でONのままになってしまったエラー状態、すなわちメダル詰まり状態を指すものであり、「スタック時間」とは、メダル通過信号を継続して所定時間以上入力し続けたときに、スタックエラーと判断するための時間である。
また、ここでいう「チャタリング」とは、メダル通過検出スイッチ32からの入力信号が、電磁ノイズ等の理由で断続を繰り返すエラー状態を指すものであり、「チャタリング時間」とは、メダル通過信号の入力時間が極めて短い時間(短いパルス幅)であるときに、チャタリングエラーとして、メダル通過信号の入力がないものとみなすための時間である。
【0045】
メダルゲーム制御基板20のゲームRAM20cは、ゲームCPU20aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能しており、複数の記憶領域を有している。
例えば、ゲームRAM20cには、乱数値記憶領域、停止図柄データ記憶領域、各種のタイマカウンタ等が設けられている。
【0046】
液晶表示装置40、音声出力装置50及び照明装置60は、メダルゲーム制御基板20と双方向通信可能に接続されており、メダルゲーム制御基板20から所定の信号を入出力して、液晶表示装置40における表示領域の画像を表示制御したり、音声出力装置50における音声を出力制御したり、照明装置60におけるLEDやランプ等の発光体を点灯制御したりする。
【0047】
仮想払出制御基板30は、メダルの払い出し制御を行う払出制御基板に代替して、メダルゲーム制御基板20からのモータ駆動信号を入力し、メダルの払い出しを規制して、メダルを払い出したものとして、メダルゲーム制御基板20に最適出力時間(最適なパルス)でメダル通過信号を出力する。
【0048】
この仮想払出制御基板30は、払出CPU30a、払出ROM30b、払出RAM30c、仮想払出制御用の入出力ポート(図示せず)を備えている。この仮想払出制御用の入出力ポートには、メダル投入制御基板10とメダルゲーム制御基板20とが接続されているものの、実際にメダルを払い出すための払出モータ等には接続されていない。そして、仮想払出制御用の入出力ポートから、モータ駆動信号を入力するとともに、メダル通過信号が出力される。
本実施形態では、仮想払出制御用の入出力ポートが、払出開始信号入力手段、払出終了信号入力手段及び払出完了信号出力手段を構成する。
【0049】
仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からのモータ駆動信号、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM30bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、メダル通過信号をメダルゲーム制御基板20に出力する。
また、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からのモータ駆動信号を入力すると、メダルゲーム制御基板20に出力するメダル通過信号の最適出力時間(最適なパルス)を算出する。
【0050】
仮想払出制御基板30の払出ROM30bには、払出制御を代替する代替払出制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0051】
仮想払出制御基板30の払出RAM30cは、払出CPU30aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能しており、複数の記憶領域を有している。
例えば、払出RAM30cには、エンプティ時間記憶領域、スタック時間記憶領域、最小認識時間記憶領域、最適出力時間記憶領域、出力回数記憶領域、計測用のタイマカウンタ、出力用のタイマカウンタが設けられている。
本実施形態では、最適出力時間記憶領域を有する払出RAM30cが最適出力時間記憶手段を構成する。本実施形態では、仮想払出制御基板30が払出代替装置を構成し、少なくとも仮想払出制御基板30とRFIDリーダ/ライタ10dとを含んだ構成が、払出代替システムを構成するが、メダルゲーム制御基板20、メダル投入制御基板10も含んだ構成を払出代替システムとしてもよい。
【0052】
次に、メダルゲーム制御基板20の制御フローについて説明する。
【0053】
(メダルゲーム制御基板のメイン処理)
図4を用いて、メダルゲーム制御基板20のメイン処理を説明する。
【0054】
電源基板により電源が供給されると、ゲームCPU20aにシステムリセットが発生し、ゲームCPU20aは、以下のメイン処理を行う。
【0055】
まず、ステップS10において、ゲームCPU20aは、初期化処理を行う。この初期化処理では、ゲームCPU20aは、電源投入に応じて、ゲームROM20bから起動プログラムを読み込むとともに、ゲームRAM20cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
【0056】
ステップS20において、ゲームCPU20aは、メダル受付処理を行う。このメダル受付処理では、ゲームCPU20aは、メダル投入制御基板10からゲーム許可信号を入力したか否かを判定するとともに、ゲーム許可信号を入力したと判定しなかった場合には、ゲーム許可信号の待ち状態となり、ゲーム許可信号を入力したと判定した場合にはステップS30のゲーム制御処理に処理を移す処理を行う。
【0057】
ステップS30において、ゲームCPU20aは、メダルゲームの制御を行うゲーム制御処理を行う。
このゲーム制御処理では、ゲームCPU20aは、ゲーム開始ボタンスイッチ6sからの信号を入力すると、各リールに停止させる図柄を決定するために乱数値を抽出し、抽出した乱数値をゲームRAM20cの乱数値記憶領域に記憶させた後、液晶表示装置40に図柄の変動表示を開始させる表示制御を行う。その後、各種の停止ボタンスイッチ8Rs、8Cs、8Lsから次に、ゲームCPU20aは、各種の停止ボタンスイッチ8Rs、8Cs、8Lsからの信号を入力するか、所定の時間を経過すると、液晶表示装置40に抽出した乱数値に対応する図柄の停止表示を行わせる。
【0058】
ステップS40において、ゲームCPU20aは、メダルゲームの払い出し制御を行う払出制御処理を行う。
この払出制御処理では、ゲームCPU20aは、液晶表示装置40に表示された図柄の組合せに基づいて、表示役及び払出枚数を決定する。次に、ゲームCPU20aは、メダルを払い出す払出制御部に対して、決定した払出枚数が払い出されるまで、メダルを払い出すことを指示するモータ駆動信号を継続して出力し続ける。そして、決定した払出枚数分のメダル通過信号を入力すると、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0059】
また、この払出制御処理において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号を継続して出力し続け、ゲームROM20bのエンプティ時間記憶領域に記憶されたエンプティ時間(例えば10000ms)を経過しても、決定した払出枚数分のメダル通過信号を入力しないと、メダル貯留部のメダル残量がゼロ枚となったことを示すエンプティエラーの報知制御を行い、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0060】
さらに、この払出制御処理において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力しても、メダル通過信号の入力時間がゲームROM20bのチャタリング時間記憶領域に記憶されたチャタリング時間(例えば8ms)以下であるときには、メダル通過信号の入力がなかったものと判定する。
【0061】
また、この払出制御処理において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号を継続して出力し続けている場合に、メダル通過信号を入力しても、メダル通過信号の入力時間がゲームROM20bのスタック時間記憶領域に記憶されたスタック時間(例えば500ms)以上であるときには、メダル詰まりであることを示すスタックエラーの報知制御を行い、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0062】
以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20からステップS40の処理を繰り返し行う。
【0063】
(メダルゲーム制御基板のタイマ割込処理)
図5を用いて、メダルゲーム制御基板20のタイマ割込処理を説明する。
【0064】
メダルゲーム制御基板20に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
【0065】
ステップS100において、ゲームCPU20aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、各種のタイマカウンタから1を加算または減算する処理を行う。
【0066】
ステップS110において、ゲームCPU20aは、液晶表示装置40に停止表示させる図柄を決定するために乱数値を更新する乱数更新処理を行う。具体的には、乱数カウンタに1を加算して乱数カウンタを更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻す。
【0067】
ステップS120において、ゲームCPU20aは、ゲーム関連ボタンスイッチ入力処理を行う。
このゲーム関連ボタンスイッチ入力処理において、ゲームCPU20aは、ゲーム開始ボタンスイッチ6s、ゲーム終了ボタンスイッチ7s、右停止ボタンスイッチ8Rs、中停止ボタンスイッチ8Cs、左停止ボタンスイッチ8Lsのそれぞれのスイッチからの入力信号を入力したか否か判定し、メダルゲームの各種状態に対応して、各種のデータをセットする処理を行う。例えば、メダルゲームの変動開始待ち状態においてゲーム開始ボタンスイッチ6sからの信号を入力すると、メダルゲームの開始データをセットし、ゲーム終了ボタンスイッチ7sからの信号を入力すると、ICコインを払い出すコイン払出データをセットする。
【0068】
ステップS130において、ゲームCPU20aは、払出テストスイッチ入力処理を行う。
この払出テストスイッチ入力処理において、ゲームCPU20aは、払出テストスイッチからの入力信号を入力したか否か判定し、モータ駆動信号の入出力制御を行う。具体的には、図6を用いて後述する。
この払出テストスイッチ入力処理を終了すると、1回のタイマ割込処理が終了する。
【0069】
(メダルゲーム制御基板の払出テストスイッチ入力処理)
図6を用いて、メダルゲーム制御基板20の払出テストスイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS141において、ゲームCPU20aは、メダルを払い出すことを指示するモータ駆動信号をオンにして出力する。
【0070】
ステップS142において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力したと判定した場合には、ステップS143に処理を移し、メダル通過信号を入力したと判定しなかった場合には、ステップS147に処理を移す。
【0071】
ステップS143において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力した場合にはゲームROM20bのチャタリング時間記憶領域に記憶されたチャタリング時間を経過したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、チャタリング時間を経過したと判定した場合には、ステップS144に処理を移し、チャタリング時間を経過したと判定しなかった場合には、ステップS142に処理を戻す。
【0072】
ステップS144において、ゲームCPU20aは、チャタリング時間を経過したと判定した場合には、ゲームROM20bのスタック時間記憶領域に記憶されたスタック時間を経過したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、スタック時間を経過したと判定した場合には、ステップS145に処理を移し、スタック時間を経過したと判定しなかった場合には、ステップS146に処理を移す。
【0073】
ステップS145において、ゲームCPU20aは、メダルスタックエラーの報知データをセットし、メダルスタックエラーの報知を行う。
【0074】
ステップS146において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号をOFFにし、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0075】
ステップS147において、ゲームCPU20aは、メダル通過信号を入力しなかった場合には、ゲームROM20bのエンプティ時間記憶領域に記憶されたエンプティ時間を経過したか否かの判定を行う。
ゲームCPU20aは、エンプティ時間を経過したと判定した場合には、ステップS148に処理を移し、エンプティ時間を経過したと判定しなかった場合には、ステップS142に処理を戻す。
【0076】
ステップS148において、ゲームCPU20aは、エンプティエラーの報知データをセットし、エンプティエラーの報知を行い、その後、ステップS146において、ゲームCPU20aは、モータ駆動信号の出力を停止する。
【0077】
なお、図示は省略するが、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、図4に示すメイン処理、図5に示すタイマ割込処理以外にも、液晶表示装置40から垂直同期信号(Vsync)を入力して作動するVsync割込処理も行っている。かかるVsync割込処理では、ゲーム制御処理に対応して、液晶表示装置40にアニメーションデータを出力する処理が行われる。
【0078】
次に、仮想払出制御基板30の制御フローについて説明する。
【0079】
(仮想払出制御基板のメイン処理)
図7を用いて、仮想払出制御基板30のメイン処理を説明する。なお、図示は省略するが、仮想払出制御基板30にもクロックパルス発生回路が設けられ、所定の周期(2ms)毎にクロックパルスが発生し、かかるパルスを入力することで、メイン処理とは別に、エンプティ時間(Te)、スタック時間(Ts)、最小出力認識時間(Tr)、出力時間等の各種タイマカウンタを更新するタイマ割り込み処理が行われる。
【0080】
電源基板により電源が供給されると、払出CPU30aにシステムリセットが発生し、ゲームCPU20aは、以下のメイン処理を行う。
【0081】
ステップS200において、払出CPU30aは、初期化処理を行う。この初期化処理では、払出CPU30aは、電源投入に応じて、払出ROM30bから起動プログラムを読み込むとともに、払出に記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
【0082】
ステップS300において、払出CPU30aは、テスト払出制御処理を行う。このテスト払出制御処理では、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号を入力すると、モータ駆動信号の応答(入力終了)に基づいて、エンプティ時間(Te)、スタック時間(Ts)、最小出力認識時間(Tr)を計測し、メダル通過信号の最適出力時間(すなわち、最適なパルス)を算出する処理を行う。詳しくは、図8を用いて後述する。
なお、このテスト払出制御処理は、電源投入時に処理され、最適な出力時間が算出されるまで、後述するステップS400の通常払出制御処理は行われない。
【0083】
ステップS400において、払出CPU30aは、通常払出制御処理を行う。この通常払出制御処理においては、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の入力開始を判定して、モータ駆動信号の入力開始を判定する毎に、メダル通過信号を上記ステップS300で算出した最適出力時間(最適なパルス)だけ継続して出力し続ける処理を行う。
【0084】
以降は、所定の割込み処理(タイマ割り込み処理等)が行われるまで、ステップS400の処理を繰り返し行う。
【0085】
(仮想払出制御基板のテスト払出制御処理)
図8を用いて、仮想払出制御基板30のテスト払出制御処理を説明する。
【0086】
まず、ステップS311において、払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力したと判定した場合には、ステップS312に処理を移し、モータ駆動信号を入力したと判定しなかった場合には、モータ駆動信号を入力するまで待ち状態になる。
【0087】
ステップS312において、払出CPU30aは、エンプティ時間記憶領域にエンプティ時間がセットされているか否か、すなわちエンプティ時間が計測されたか否かを判定する。
払出CPU30aは、エンプティ時間がセットされていると判定した場合には、ステップS314に処理を移し、エンプティ時間がセットされていると判定しなかった場合には、ステップS313に処理を移す。
【0088】
ステップS313において、払出CPU30aは、エンプティ時間検出処理を行う。このエンプティ時間検出処理では、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aによってエンプティ時間と判定される時間を検出する処理を行う。詳しくは、図9を用いて後述する。このエンプティ時間検出処理を終了すると、再びステップS311に処理を戻す。
【0089】
ステップS314において、払出CPU30aは、スタック時間記憶領域にスタック時間がセットされているか否か、すなわちスタック時間が計測されたか否かを判定する。
払出CPU30aは、スタック時間がセットされていると判定した場合には、ステップS316に処理を移し、スタック時間がセットされていると判定しなかった場合には、ステップS315に処理を移す。
【0090】
ステップS315において、払出CPU30aは、スタック時間検出処理を行う。このスタック時間検出処理では、払出CPU30aは、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aによってスタック時間と判定される時間を検出する処理を行う。詳しくは、図10を用いて後述する。このスタック時間検出処理を終了すると、再びステップS311に処理を戻す。
【0091】
ステップS316において、払出CPU30aは、最適出力時間算出処理を行う。この最適出力時間算出処理では、払出CPU30aは、メダル通過信号の最適出力時間を算出する処理を行う。詳しくは、図11を用いて後述する。この最適出力時間算出処理を終了すると、テスト払出制御処理が終了する。
【0092】
(仮想払出制御基板のエンプティ時間検出処理)
図9を用いて、仮想払出制御基板30のエンプティ時間検出処理を説明する。
【0093】
まず、ステップS313−1において、払出CPU30aは、メダル通過信号をオフ、すなわちメダル通過信号の出力を停止する。
【0094】
ステップS313−2において、払出CPU30aは、エンプティ時間の計測を開始させるエンプティ時間の計測開始処理を行う。このエンプティ時間の計測開始処理では、所定の周期(2ms)毎に行われるタイマ割り込み処理にて、計測用のタイマカウンタを加算して更新させる処理を行う。
【0095】
ステップS313−3において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したと判定した場合には、ステップS313−4に処理を移し、モータ駆動信号の入力が終了したと判定しなかった場合には、モータ駆動信号の入力が終了するまで待ち状態になる。
【0096】
ステップS313−4において、払出CPU30aは、計測用のタイマカウンタで計測されていたエンプティ時間(Te)を、払出RAM30cのエンプティ時間記憶領域にセットする処理を行う。この処理を終了すると、エンプティ時間検出処理が終了する。
【0097】
(仮想払出制御基板のスタック時間検出処理)
図10を用いて、仮想払出制御基板30のスタック時間検出処理を説明する。
【0098】
まず、ステップS315−1において、払出CPU30aは、メダル通過信号をオン、すなわちメダル通過信号を継続して出力し続ける。
【0099】
ステップS315−2において、払出CPU30aは、スタック時間の計測を開始させるスタック時間の計測開始処理を行う。このスタック時間の計測開始処理では、所定の周期(2ms)毎に行われるタイマ割り込み処理にて、計測用のタイマカウンタを加算して更新させる処理を行う。
【0100】
ステップS315−3において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したと判定した場合には、ステップS315−4に処理を移し、モータ駆動信号の入力が終了したと判定しなかった場合には、モータ駆動信号の入力が終了するまで待ち状態になる。
【0101】
ステップS315−4において、払出CPU30aは、計測用のタイマカウンタで計測されていたスタック時間(Ts)を、払出RAM30cのスタック時間記憶領域にセットする処理を行う。この処理を終了すると、スタック時間検出処理が終了する。
【0102】
(仮想払出制御基板の最適出力時間算出処理)
図11を用いて、仮想払出制御基板30の最適出力時間算出処理を説明する。
【0103】
まず、ステップS316−1において、払出CPU30aは、メダル通過信号をオン、すなわちメダル通過信号を継続して出力し続ける。
【0104】
ステップS316−2において、払出CPU30aは、最小時間(Tmin、例えば2ms)を、払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットする。ここでセットされた出力用のタイマカウンタ(Tout)は、所定の周期(2ms)毎に行われるタイマ割り込み処理にて減算されて更新されていく。
【0105】
ステップS316−3において、払出CPU30aは、出力回数記憶領域に出力回数(n)として0をセットする。なお、出力回数(n)とは、後述するようにメダル通過信号の最適な出力時間を検索するために、メダル通過信号を繰り返し出力した回数に対応するものである。
【0106】
ステップS316−4において、払出CPU30aは、払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となったか、すなわち出力時間を経過したか否かを判定する。
払出CPU30aは、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となったと判定した場合には、ステップS316−5に処理を移し、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となったと判定しなかった場合には、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となるまで待ち状態になる。
【0107】
ステップS316−5において、払出CPU30aは、出力用のタイマカウンタ(Tout)が0となった場合には、メダル通過信号をオフ、すなわちメダル通過信号の出力を停止する。
【0108】
ステップS316−6において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したか否かを判定する。
払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了したと判定した場合には、ステップS316−10に処理を移し、モータ駆動信号の入力が終了したと判定しなかった場合には、ステップS316−7に処理を移す。
【0109】
ステップS316−7において、払出CPU30aは、出力回数記憶領域に1を加算して更新する。
【0110】
ステップS316−8において、払出CPU30aは、出力回数(n)に単位出力時間(△t、例えば2ms)を乗算した乗算時間を最小時間(Tmin)に加算して、加算した加算時間を払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットする。すなわち、前回の出力時間に単位出力時間(△t)が加算した時間を、払出RAM30cにある出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットする。
【0111】
ステップS316−9において、払出CPU30aは、再びメダル通過信号をオン、すなわちメダル通過信号を継続して出力し続け、ステップS316−4に処理を移す。
【0112】
ステップS316−10において、払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力が終了した場合には、先ほど出力用のタイマカウンタ(Tout)にセットした出力時間(Tmin+n×△t)を最小認識時間(Tr)として、払出RAM30cにある最小認識時間記憶領域にセットする。
本実施形態では、ステップS316−1からステップS316−10までの最小認識時間(Tr)を検索する処理を行う払出CPU30aが、最小出力時間検索手段を構成する。
【0113】
ステップS316−11において、払出CPU30aは、まず第1ステップとして、スタック時間(Ts)から最小認識時間(Tr)を減算して減算時間を算出する減算処理を行う。次に、払出CPU30aは、第2ステップとして、減算した減算時間を2で除算して除算時間を算出する除算処理を行う。その後、払出CPU30aは、第3ステップとして、除算した除算時間に最小認識時間(Tr)を加算して加算時間を算出する加算処理を行い、その加算時間を最適出力時間(Tf)として、最適出力時間記憶領域にセットする。この処理が終了すると、最適出力時間算出処理が終了する。
以降は、上記ステップS400の通常払出制御処理において、モータ駆動信号を入力する毎に、メダル通過信号を、最適出力時間記憶領域にセットされた最適出力時間(Tf)継続して出力し続けることとなる。
本実施形態では、ステップS316−11において最適出力時間を算出する処理を行う払出CPU30aが、最適出力時間算出手段を構成する。
【0114】
(最適出力時間算出を説明するためのタイムチャート)
図12を用いて、仮想払出制御基板30の払出CPU30aが最適出力時間を算出することについて、タイムチャートを用いて説明する。
なお、本来、図13の下図に示すように、仮想払出制御基板30がモータ駆動信号を入力してからメダル通過信号を出力するまでには、メダルがメダル通過検出スイッチ32を通過するまでのメダルセット時間T1、さらにはメダル通過信号を出力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでには、モータ駆動OFF遅延時間が存在するが、図12においては説明の都合上省略するものとする。
【0115】
(エンプティ時間計測の説明)
図12(a)では、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の出力が行われているが、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力してもメダル通過信号を出力しない(図9参照)。
【0116】
そうすると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、ゲームROM20bに記憶されたエンプティ時間を経過すると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aはエンプティエラーがあったものとして、モータ駆動信号の出力を停止する(図6参照)。
【0117】
これにより、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号を入力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでの時間を計測することで、メダルゲーム制御基板20のゲームROM20bに記憶されたエンプティ時間(Te)を自動的に計測することができる。
【0118】
(スタック時間計測の説明)
図12(b)では、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の出力が行われており、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力があると、メダル通過信号を出力し続ける(図10参照)。
【0119】
そうすると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、ゲームROM20bに記憶されたスタック時間を経過すると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aはスタックエラーがあったものとして、モータ駆動信号の出力を停止する(図6参照)。
【0120】
これにより、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダル通過信号を出力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでの時間を計測することで、メダルゲーム制御基板20のゲームROM20bに記憶されたスタック時間(Ts)を自動的に計測することができる。
【0121】
(最小認識時間計測の説明)
図12(c)では、メダルゲーム制御基板20からモータ駆動信号の出力が行われており、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、モータ駆動信号の入力があるとモータ駆動信号の入力が終了するまで、メダル通過信号を最小時間(Tmin)から段々と長い出力時間で出力することを繰り返す(図11参照)。
【0122】
そうすると、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aは、ある出力時間となったときに、メダル通過信号の入力があったものとみなして、モータ駆動信号の出力を停止する(図6参照)。
【0123】
これにより、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダル通過信号を出力してからモータ駆動信号の入力が終了するまでの時間を計測することで、メダルゲーム制御基板20のゲームCPU20aによってメダル通過信号の入力とみなされる最小認識時間(Tr)を自動的に計測することができる。
【0124】
(最適出力時間算出の説明)
図12(d)では、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、まず計測されたスタック時間(Ts)から計測された最小認識時間(Tr)を減算して、減算時間を算出する。
次に、仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、算出した減算時間を2で除算し、除算した除算時間を最小認識時間(Tr)に加算し、加算した加算時間を最適出力時間(Tf)として算出する。仮想払出制御基板30の払出CPU30aは、メダル通過信号の最適出力時間を算出することができる。
【0125】
ここで、メダル通過信号の出力時間があまりに短いと、メダルゲーム制御基板20の制御プログラムの内容によっては電磁ノイズ等と判断されて出力信号を認識できない場合がある。さらに、最小認識時間(Tr)でメダル通過信号を出力しても、電磁ノイズ等の影響を受けたりして実際の出力時間が最小認識時間(Tr)を下回り、結果としてメダル通過信号がメダルゲーム制御基板20側で認識できず、結果として多重に媒体払出を行ってしまう可能性があり不安定な状態となる。他方、出力時間を最小認識時間(Tr)よりも非常に大きい時間にしてしまうと、所定の媒体等の払い出しが停留している状態(メダル詰まり状態)であるスタックエラーと判断されてしまうことがある。
【0126】
本実施形態の最適出力時間(Tf)では、メダル通過信号の出力停止タイミングが、最小認識時間(Tr)の経過後からスタックエラーと判断されるまで残存時間の中間点となるので、チャタリングやスタックエラーと判断されることがなく、論理的に最も安定的な出力時間とすることができる。
【0127】
なお、本実施形態では、コイン投入口3にポイント情報が記憶されたICコインを投入させるように構成したが、ICカードを投入させるように構成したり、携帯電話等の端末機の記憶された情報を非接触型の読み取り機で読み込ませるように構成したりしてもよい。
【0128】
また、本実施形態では、コイン投入口3にポイント情報が記憶されたICコインを投入させて、ICコインに記憶されたポイント情報を読み込み、その読み込んだポイント情報が所定のポイント以上であるとメダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力するように構成したが、コイン投入口3に投入された遊技媒体(いわゆる通常のコインなど)の種類や枚数に応じて、メダルゲーム制御基板20にゲーム許可信号を出力するように構成してもよい。
【0129】
また、本実施形態では、メダル投入制御基板10にRFIDリーダ/ライタ10dを設け、メダルCPU10aが、RFIDリーダ/ライタ10dによってICコインに記憶されているポイント情報を書き込ませるように構成したが、仮想払出制御基板30にRFIDリーダ/ライタを設け、払出CPU30aが、メダル通過信号を出力するときに、RFIDリーダ/ライタ10dによってICコインに記憶されているポイント情報を書き込ませるように構成してもよい。
【0130】
なお、本実施形態では、液晶表示装置40を用いてスロットマシンゲーム行うように構成したが、円筒状の構造物のリールを用いてスロットマシンゲームを行うように構成してもよい。
【0131】
また、本実施形態では、液晶表示装置40においてスロットマシンゲームが行われるように構成したが、スロットマシンゲームに関わらず、トランプゲーム、ビンゴゲーム、競馬ゲーム、スポーツゲーム、アクションゲーム、シューティングゲーム等の周知のゲームに用いてもよい。
【符号の説明】
【0132】
10 メダル投入制御基板
10a メダルCPU
10b メダルROM
10c メダルRAM
10d RFIDリーダ/ライタ
20 メダルゲーム制御基板
20a ゲームCPU
20b ゲームROM
20c ゲームRAM
30 仮想払出制御基板
30a 払出CPU
30b 払出ROM
30c 払出RAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段と、
前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段と、
前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段と、
前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、
前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする払出代替装置。
【請求項2】
前記最適出力時間算出手段は、
前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算手段と、
前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算手段と、
前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算手段とを有し、
前記最適出力時間算出手段は、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする請求項1に記載の払出代替装置。
【請求項3】
所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段と、
前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段と、
前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段と、
前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段と、
前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶手段とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、
前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、
前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする払出代替システム。
【請求項4】
所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力ステップと、
前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力ステップと、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力ステップと、
前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索ステップと、
前記最小出力時間検索ステップによって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出ステップと、
前記最適出力時間算出ステップによって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶ステップとを備え、
前記最小出力時間検索ステップは、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、
前記払出完了信号出力ステップは、前記最適出力時間記憶ステップによって前記最適出力時間が記憶された後、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする払出代替制御方法。
【請求項5】
前記最適出力時間算出ステップは、
前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算ステップと、
前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算ステップと、
前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算ステップとを有し、
前記最適出力時間算出ステップは、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする請求項4に記載の払出代替制御方法。
【請求項6】
前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶ステップとを備え、
前記情報媒体記憶ステップは、前記払出完了信号出力ステップによって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の払出代替制御方法。
【請求項7】
所定の情報が記憶された所定の情報媒体を受け付け、前記情報媒体に記憶された情報を更新するとともに、入力開始信号を出力する情報媒体受付部と、
前記入力開始信号を入力して所定の媒体を払い出すか否かの判定し、前記所定の媒体を払い出す払出制御部に対して、前記所定の媒体を払い出すことを指示する払出指示信号を出力する管理制御部と、
前記払出制御部に代替して前記管理制御部からの前記払出指示信号を入力し、前記所定の媒体を払い出すことを規制する払出代替制御部とを備え、
前記情報媒体受付部は、
前記情報媒体に記憶された情報を読み込む読込手段と、
前記読込手段によって読み込まれた情報が所定の開始条件を充足しているか否かを判定する開始条件判定手段と、
前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記情報媒体に記憶されている情報に基づいて所定の演算を行う開始演算手段と、
前記開始演算手段によって演算された演算結果の情報を前記情報媒体に更新して記憶させる情報媒体記憶手段と、
前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記入力開始信号を出力する入力開始信号出力手段とを有し、
前記管理制御部は、
前記入力開始信号を入力する入力開始信号入力手段と、
前記入力開始信号入力手段によって前記入力開始信号を入力すると、前記所定の媒体を払い出すための払出条件が成立したか否かを判定する払出条件判定手段と、
前記払出条件判定手段によって前記払出条件が成立したと判定された場合には、前記払出指示信号を出力する払出指示信号出力手段と、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を入力する払出完了信号入力手段とを有し、
前記払出代替制御部は、
前記払出指示信号を入力する払出指示信号入力手段と、
前記払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段と、
前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段とを有し、
前記払出完了信号出力手段は、前記払出指示信号入力手段によって前記払出指示信号を入力すると、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、
前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を前記情報媒体に記憶して更新することを特徴とする払出代替システム。
【請求項1】
所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段と、
前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段と、
前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段と、
前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、
前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする払出代替装置。
【請求項2】
前記最適出力時間算出手段は、
前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算手段と、
前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算手段と、
前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算手段とを有し、
前記最適出力時間算出手段は、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする請求項1に記載の払出代替装置。
【請求項3】
所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力手段と、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段と、
前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索手段と、
前記最小出力時間検索手段によって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段と、
前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶手段と、
前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶手段とを備え、
前記最小出力時間検索手段は、前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力手段によって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力手段によって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、
前記払出完了信号出力手段は、前記最適出力時間記憶手段に前記最適出力時間が記憶されている状態で前記払出開始信号入力手段によって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、
前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする払出代替システム。
【請求項4】
所定の媒体を払い出すことを開始させる払出開始信号を入力する払出開始信号入力ステップと、
前記所定の媒体を払い出すことを終了させる払出終了信号を入力する払出終了信号入力ステップと、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力ステップと、
前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を出力してから前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力するまでの最小出力時間を検索する最小出力時間検索ステップと、
前記最小出力時間検索ステップによって検索された前記最小出力時間に基づいて、前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出ステップと、
前記最適出力時間算出ステップによって算出された前記最適出力時間を記憶する最適出力時間記憶ステップとを備え、
前記最小出力時間検索ステップは、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力した場合には、初期値として設定された初期出力時間から所定の単位時間を繰り返し加算して、加算をする毎に前記払出完了信号出力ステップによって前記払出完了信号を加算した出力時間継続して出力させ、前記払出終了信号入力ステップによって前記払出終了信号を入力したときに加算されていた出力時間を前記最小出力時間として決定し、
前記払出完了信号出力ステップは、前記最適出力時間記憶ステップによって前記最適出力時間が記憶された後、前記払出開始信号入力ステップによって前記払出開始信号を入力されると、前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力することを特徴とする払出代替制御方法。
【請求項5】
前記最適出力時間算出ステップは、
前記所定の媒体の払い出しが停留していることを判断するためのスタック時間から前記最小出力時間を減算した減算時間を算出する減算ステップと、
前記減算時間を2で除算した除算時間を算出する除算ステップと、
前記最小出力時間に前記除算時間を加算した加算時間を算出する加算ステップとを有し、
前記最適出力時間算出ステップは、前記加算時間を前記最適出力時間とすることを特徴とする請求項4に記載の払出代替制御方法。
【請求項6】
前記所定の媒体に関する情報を所定の情報媒体に記憶させる情報媒体記憶ステップとを備え、
前記情報媒体記憶ステップは、前記払出完了信号出力ステップによって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を所定の情報媒体に記憶させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の払出代替制御方法。
【請求項7】
所定の情報が記憶された所定の情報媒体を受け付け、前記情報媒体に記憶された情報を更新するとともに、入力開始信号を出力する情報媒体受付部と、
前記入力開始信号を入力して所定の媒体を払い出すか否かの判定し、前記所定の媒体を払い出す払出制御部に対して、前記所定の媒体を払い出すことを指示する払出指示信号を出力する管理制御部と、
前記払出制御部に代替して前記管理制御部からの前記払出指示信号を入力し、前記所定の媒体を払い出すことを規制する払出代替制御部とを備え、
前記情報媒体受付部は、
前記情報媒体に記憶された情報を読み込む読込手段と、
前記読込手段によって読み込まれた情報が所定の開始条件を充足しているか否かを判定する開始条件判定手段と、
前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記情報媒体に記憶されている情報に基づいて所定の演算を行う開始演算手段と、
前記開始演算手段によって演算された演算結果の情報を前記情報媒体に更新して記憶させる情報媒体記憶手段と、
前記開始条件判定手段によって前記所定の開始条件を充足していると判定された場合には、前記入力開始信号を出力する入力開始信号出力手段とを有し、
前記管理制御部は、
前記入力開始信号を入力する入力開始信号入力手段と、
前記入力開始信号入力手段によって前記入力開始信号を入力すると、前記所定の媒体を払い出すための払出条件が成立したか否かを判定する払出条件判定手段と、
前記払出条件判定手段によって前記払出条件が成立したと判定された場合には、前記払出指示信号を出力する払出指示信号出力手段と、
前記所定の媒体を払い出したことが完了したことを示す払出完了信号を入力する払出完了信号入力手段とを有し、
前記払出代替制御部は、
前記払出指示信号を入力する払出指示信号入力手段と、
前記払出完了信号を所定の出力時間継続して出力する払出完了信号出力手段と、
前記払出完了信号の最適出力時間を算出する最適出力時間算出手段とを有し、
前記払出完了信号出力手段は、前記払出指示信号入力手段によって前記払出指示信号を入力すると、前記最適出力時間算出手段によって算出された前記最適出力時間で前記払出完了信号を出力し、
前記情報媒体記憶手段は、前記払出完了信号出力手段によって出力された前記払出完了信号を入力して、前記所定の媒体を払い出したものとして、前記所定の媒体の払出情報を前記情報媒体に記憶して更新することを特徴とする払出代替システム。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図1】
【図2】
【図13】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図1】
【図2】
【図13】
【公開番号】特開2011−50402(P2011−50402A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199141(P2009−199141)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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