説明

技工用寒天印象材組成物

【課題】複模型作製時において、複模型面及び金属鋳造面が滑沢で面荒れを起こさず、レジン床作製時にはレジン表面に未重合層が残存せず、経年変化でもレジンが白濁を起こさない技工用寒天印象材の提供。
【解決手段】寒天粉末、水溶性有機溶媒、水及び塩を含む技工用寒天印象材において、a)寒天粉末が20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であり、b)水溶性有機溶媒が分子中にアルコール性水酸基又はアミノ基を1個以上有し、c)水を有し、d)塩が水100g中に1g溶解したときpHが6.0〜9.0になる無機塩または有機酸塩を含むことを特徴とする技工用寒天印象材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩系埋没材、石こう系埋没材及び石こうの複模型作製や、アクリル系レジン重合の際の外埋没を目的とする技工用寒天印象材に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科補綴物を作製する為に、口腔内用印象材によって患者の歯列を採得し、印象された印象材に歯科用石膏を流し込みマスター模型を作製し、通常はマスター模型から複模型を作製し、複模型上で歯科補綴物を作製する。マスター模型は患者から取得した重要な模型である為、この様な操作を多用する。
複模型の作製方法は、マスター模型を既製のフラスコ内に格納固定し、技工用寒天印象材を流し込んで硬化させた後、マスター模型を抜き取って印象型をつくり、ある種の埋没材(耐火材と呼ばれることもある)をこの寒天印象材の印象型に流し込み作製する。この後の技工作業としては複模型面にワックスにて目的とする金属形状を作製し、ロストワックス法にて金属床を作製する。
【0003】
技工用印象材の中で寒天を母材としている寒天印象材は可逆性のコロイドであるため繰り返し使用でき、安価でもある為、よく用いられている。但し従来の技工用寒天印象材は硬化後長期間経過すると収縮し、寸法精度は悪くなる傾向があった。その為、寒天印象材を用いて複模型を作製する為には、手早く作業を実施すると共に、温度や時間等の条件を厳しく管理しても正確に実施しなければならないという問題点を抱えている。
特に技工用寒天印象材を用いた場合は印象面や複模型の面はもとより、更に金属鋳造面が粗造となることがあり、滑沢性が悪い場合も少なくなかった。
良好な印象面を得るためには、技工用寒天印象材に石膏の硬化促進剤を含有させると良いことが知られている。しかし、硬化促進剤では十分な表面滑沢性を有する寒天印象は得られず、複模型においても十分な表面滑沢性を得られなかった。
【0004】
技工用印象材の寒天印象材はもう一つの代表的な使用方法がある。義歯床等の樹脂製義歯を作製する場合などで、マスター模型上に人工歯やワックスなどを用いて目的形状を作製し、寒天印象材にて埋没し、ワックスを脱蝋し、樹脂を流し込むことで作製する方法である。
アクリル系レジン床を作製する方法としては、患者の口腔内を再現した寒天印象材は、取り出しが容易であるが、レジンの表面に未重合層が残存し、経年変化で白濁するという問題があった。また、レジンの重合温度を上げると未重合層の量は低減されるが適合精度が悪くなるという問題があった。
【0005】
上記使用における市販技工用寒天印象材は、注入温度60℃以下で10回以上繰り返し使用でき、繰り返し使用するためには圧縮強度0.10(MPa)以上(円柱試験片 径12.5mm×高さ20.0mm)弾性歪み5.0(%)以上、永久歪み5.0(%)以下の物性を保つ必要がある。更に複模型における面荒れ及び、それに伴う鋳造金属面の面荒れ、またレジンとの接触面における未重合層の残存であり、これらが解決された技工用寒天印象材が求められていた。
【特許文献1】特開平10-101518 「型取り剤および型取り方法」 (株)エムアンドエム研究所特開2006-182922 「寒天ゲル強度調整剤、ゲル化剤及び寒天組成物」伊那食品工業株式会社
【非特許文献1】スキンナー歯科材料学 医歯薬出版株式会社 発行 昭和49年10月31日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこの様な従来材料における問題点を解決し、複模型作製時には複模型面が滑沢で面荒れを起こさず、レジン床作製時にはレジン表面に未重合層が残存せず、経年変化でもレジンが白濁を起こさない技工用寒天印象材を提供することを課題とする。複模型面が滑沢となることで、鋳造した金属面の滑沢となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、寒天粉末、水溶性有機溶媒、水及び塩を含む技工用寒天印象材において、
a)寒天粉末が20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であり、
b)水溶性有機溶媒が分子中にアルコール性水酸基又はアミノ基を1個以上有し、
c)水を有し、
d)塩が水100g中に1g溶解したときpHが6.0〜9.0になる無機塩または有機酸塩を含むことを特徴とする技工用寒天印象材である。
本発明は塩d)が0.01〜20質量%である技工用寒天印象材であり、更に好ましくはアルカリ土類金属の塩であることを特徴とする技工用寒天印象材である。更に、アルカリ土類金属がマグネシウムであることが好ましい。
【0008】
本発明は、寒天粉末、水溶性有機溶媒、水及び触媒を含む技工用寒天印象材において、
a)寒天粉末が20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であり、
b)水溶性有機溶媒が分子中にアルコール性水酸基又はアミノ基を1個以上有し、
c) 水を有し、
e)触媒が水可溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤、
を含むことを特徴とする技工用寒天印象材である。
本発明は、e)触媒がc)水に対して、0.01〜5質量%であることを特徴とする技工用寒天印象材である。
本発明は、寒天粉末、水溶性有機溶媒、水、塩及び触媒を含む技工用寒天印象材において、
a)寒天粉末が20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であり、
b)水溶性有機溶媒が分子中にアルコール性水酸基又はアミノ基を1個以上有し、
c)水を有し、
d)塩が水100g中に1g溶解したときpHが6.0〜9.0になる無機塩または有機酸塩、
e)触媒が水可溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤、
を含むことを特徴とする技工用寒天印象材である。
【0009】
更に、pHが6.0〜9.0金属塩、好ましくは、金属塩がアルカリ土類金属の塩、更に好ましくは金属塩がアルカリ土類金属のマグネシウムであるもので、組成中に0.01〜20質量%配合、好ましくは0.1〜10質量%配合、更に好ましくは0.5〜5質量%配合し、更に水可溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤を0.01〜5質量%配合することが好ましい。また単一の化合物でマグネシウム塩であり、水溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤を採用することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
技工用寒天印象材は従来、複模型面の滑沢性が悪くなり、結果として金属鋳造面も滑沢性が悪くなると言われてきた。これは技工用寒天印象材中の水を複模型材が吸水することが原因の一つである。そこで本発明では、技工用寒天印象材1gを100gの蒸留水中に溶解したときのpHが6.0〜9.0の無機塩特にマグネシウム塩を添加することにより、技工用寒天印象材の操作性を損なうことなく複模型面及び金属鋳造面が滑沢かつ面荒れがない、更に水可溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤の添加によりレジン床表面の未重合層が残存せず、経年変化でもレジンが白濁を起こさない技工用寒天印象材を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
a)寒天粉末は好ましくはテングサ、スギノリ、マクサ、ナンブグサ、オゴノリ、エゴノリ、オオブサ、オニクサ、ヒラクサ、トリアシ及びイギス種から選ばれた1種以上の原藻寒天粉末である。更に好ましくはテングサまたはオゴノリの原藻寒天粉末である。寒天粉末の配合量は水に対して1〜10質量%、特に好ましくは3〜5質量%である。寒天粉末は20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であることが好ましく、更に好ましいゼリー強度は500〜1500 (g/cm2)である。寒天量が多すぎると溶解しにくくなり、製品の粘度が高くなりすぎ操作性が悪くなる。少なすぎると寒天の圧縮変形が大きくなる。
また、本発明の技工用寒天印象材には弾性の補助剤として水溶性高分子を配合することができる。水溶性高分子としてはデンプン類、アルギン酸ソーダ、トロロアオイ、トラガントゴム、アラビアゴム、デキストラン、レバン、にかわ、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシドから選ばれた1種以上の水溶性高分子を含むことが出来る。好ましくはデンプン類、アルギン酸ソーダである。また更に好ましくはアルギン酸ソーダである。
【0012】
また、本発明に用いるアミン系有機溶剤としてb)のエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミドなどがある。
本発明のc)水に可溶で中性の無機塩、有機酸塩は、下記の有機酸及び無機酸を複合して使用し、寒天印象材として使用する水に溶解した際に水100g中に技工用寒天印象材を1g溶解したときpHが6.0〜9.0になるよう調整してあればよい。
【0013】
この他にも酸基を有する、モノマー、ポリマーで水溶性のものは用いることができる。ポリマーは一分子鎖中に2個以上の酸基を有するものであれば良く、重合度は10〜1000が好ましい。また、酸基はカルボン酸基、スルホン酸基が好ましい。
特に好ましくは、アルギン酸に代表されるような糖鎖類、アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸から誘導される繰り返しユニットを含有するポリマー類またはコポリマー類が例示される。
無機酸としては具体的には、炭酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、過塩素酸があり、ポリリン酸、ピロリン酸、メタリン酸も用いることができる。
【0014】
また、有機酸及び無機酸との塩を形成する塩基成分は、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウムなどがあり、マグネシウムが特に好ましい。
本発明に関わる有機塩及び無機塩は、水に可溶で溶解時に25℃の環境温度下で100gの蒸留水中に1g溶解したとき水素イオン濃度が1.0×10-6〜1.0×10-9(mol/l)、(pHで6.0〜9.0)の有機塩及び無機塩で、組成中に0.01〜20質量%配合する。pHは、電気化学的測定法により算出されたものとする。
【0015】
これらの塩成分は寒天印象材中に0.01〜20質量%含まれることが好ましい。0.01質量%以下では効果がほとんど見られず、20質量%以上になると寒天印象材の粘度が高くなるため、臨床上使用しづらいという問題がある。さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
本発明に用いられるe)記載の水可溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤はバルビツール酸、チオバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1−フェニル−5−ベンジルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、5−ラウリルバルビツール酸、5−ブチルバルビツール酸、5−アリルバルビツール酸、5−ヒドロキシ−5−ブチルバルビツール酸、5−フェニルチオバルビツール酸、1,3−ジメチルチオバルビツール酸、5,5−ジブロモバルビツール酸、トリクロロバルビツール酸、5−ニトロバルビツール酸、5−アミノバルビツール酸、5−ヒドロキシバルビツール酸、5,5−ジヒドロキシバルビツール酸、アンモニウム、ナトリウム、カリウムのペルオキソ二硫酸化合物及び/またはペルオキソ二リン酸化合物、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム二水和物、トルエンスルフィン酸ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸、ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩、2,5−ジクロロベンゼンスルフィン酸のナトリウム塩、3−アセトアミド−4−メトキシベンゼンスルフィン酸、塩化銅、酢酸銅、アセチルアセトナト銅、ナフテン酸銅、サリチル酸銅、銅とチオ尿素、及びエチレンジアミン四酢酸との錯体を用いることが出来る。
【0016】
これらの重合促進剤の配合量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、重合促進剤と無機塩や有機塩がすべて含まれた状態でpHが6.0〜9.0であることが好ましい。
また本発明はα―石こうを主体とする硬石こうもしくは超硬石こうが特に効果が高い。 本発明でα―石こう、クリストハ゛ライト、石英を主体とする石こう系埋没材が特に好ましい。
本発明はリン酸塩系埋没材に用いた場合は、リン酸アンモニウム、酸化マグネシウムを結合材とすることが特に好ましい。
本発明で効果のあるアクリル系レジンとしては、メチルメタアクリレートをモノマーとするメタクリレート系レジン床であり、好ましい触媒系としては既知の光重合開始剤やラジカル発生開始剤が使用できる。
技工用寒天印象材はプラスチックの密封容器に封入し常温保存とする。複模型作製時及びレジン床作製時にはそれぞれ専用フラスコを用いる。
【実施例】
【0017】
本発明における実施例を以下に示す。本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。各試料は以下の方法で評価した。
下記組成の寒天印象材を調整した。イオン交換水に粉末寒天、及び有機溶媒を添加し、溶解温度95℃まで昇温し、無機塩及びラジカル発生触媒を添加した。95℃で20分間係留した後、室温まで冷却して試料を調整した。
【0018】
(表面状態)
本寒天印象材を用いて平滑な石膏模型を固定した型枠に寒天印象材を注入し、20℃まで冷却を行った。その後、石膏模型を外し、耐火模型材(松風製 スノーホワイト)を注入し、硬化させた。表面状態を表面粗さ計形状測定機(サーフコム1500SD/DX 株式会社東京精密製)にて計測、比較を行った。表面粗さ形状測定器の条件は測定長さ5.0(mm)、測定速度0.6(mm/s)で平均粗さRa(μm)の算出による比較をおこなった。
○ :面荒れほとんどなし。模型面に目立ったデボットやクレーターがほとんど無い、非常に滑沢である状態を指す。Ra値4(μm)以下
△ :やや面荒れしているRa値4〜6(μm)
×:面が荒れている。模型面に荒れがみられ、デボットやクレーターが目立つ。Ra値6(μm)以上。
【0019】
(未重合分の定量)
本寒天を用いて未重合分の定量を行った。松風製ポアーレジンを用いて下記のような試験体を作製した。ポリマーとモノマーの粉液比は1.8/1.0とした。試験体は平板状(6.0×30.0×4.0(mm))で、重合温度は50℃で30分間行った。作製試験片を純度99.9%GPC用エタノールに16時間浸漬し、未重合モノマーの抽出を行った。抽出液は10〜100倍濃度に希釈し、検液とした。未重合性分はメチルメタアクリレート及びエチルメタアクリレートであり、それぞれの定量を液用クロマトグラフィー(島津社製Class-VP 10AP)にて行った。移動相はアセトニトリル:水=7 : 3とし、流量0.5(mL)、カラム温度50℃で測定した。定量は3点絶対検量法を用い、検量線用のモノマーをそれぞれ0, 1, 5, 10, 25, 50, 100, 250 (ppm)調整した。算出された未重合モノマーは平板中に含まれる重合前モノマー総量と比率計算し、未重合分率で比較した。
【0020】
(その他の物性)
繰り返し使用回数は技工用寒天印象材にに熱を加えて溶かし、放冷して固める作業を繰り返し、初期と10回目の圧縮強度の比較により劣化を調べた。10回繰り返し時の圧縮強度は初期の70%を下回らなければ使用可能と判断した。圧縮強度はインストロン強度試験機によりクロスヘッドスピード1mm/minで算出し、試験片は径12.5mm×高さ20.0mmに作製した。弾性、永久歪みはJIS T 6512「歯科用寒天印象材」に基づいて試験を行った。
【0021】
【表1】

【0022】
表面状態に関しては硫酸マグネシウムを含むを実施例1〜4に示すものが、実施例5及び比較例1,2より模型面の面荒れが少なく、面性状が滑沢であった。またバルビツール酸塩を添加しなかった実施例4及び比較例1,3より実施例1〜3, 5の未重合分率は明らかに低い値を示した。
このことからマグネシウム塩の添加により、模型面の面荒れが解消され、滑沢な面性状を持つ模型が得られ、またバルビツール酸塩の添加によりレジン床の未重合成分が減少し、レジン床と口腔内粘膜との生体安全性が向上すると考える。
また熱をかけて溶かし、放冷して固める作業を10回繰り返したものの圧縮強度は初期より70%下回ることはなく、技工用寒天印象材として市販のものと同様、10回以上の繰り返し使用が出来るものと考える。また両歪み値も市販品の範疇に属すると考える。
【産業上の利用可能性】
【0023】
口腔内補綴物の作製における過程において、より精密な補綴物を作製する為の技術である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寒天粉末、水溶性有機溶媒、水及び塩を含む技工用寒天印象材において、
a) 寒天粉末が20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であり、
b) 水溶性有機溶媒が分子中にアルコール性水酸基又はアミノ基を1個以上有し、
c) 水を有し、
d) 塩が水100g中に1g溶解したときpHが6.0〜9.0になる無機塩または有機酸塩を
含むことを特徴とする技工用寒天印象材。
【請求項2】
請求項1記載の
a) 寒天粉末が1〜10質量%
b) 水溶性有機溶媒が5〜50質量%
c) 水が10〜90質量%
d) 塩が0.01〜20質量%である技工用寒天印象材。
【請求項3】
請求項1記載のd)塩がアルカリ土類金属塩であることを特徴とする技工用寒天印象材。
【請求項4】
請求項1記載の塩がマグネシウム塩であることを特徴とする技工用寒天印象材。
【請求項5】
寒天粉末、水溶性有機溶媒、水及び触媒を含む技工用寒天印象材において、
a) 寒天粉末が20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であり、
b) 水溶性有機溶媒が分子中にアルコール性水酸基又はアミノ基を1個以上有し、
c) 水を有し、
e) 触媒が水可溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤、
を含むことを特徴とする技工用寒天印象材。
【請求項6】
請求項5記載の
a) 寒天粉末が1〜10質量%、
b) 水溶性有機溶媒が5〜50質量%、
c) 水が10〜90質量%、
e)触媒が0.01〜5質量%であることを特徴とする技工用寒天印象材。
【請求項7】
寒天粉末、水溶性有機溶媒、水、塩及び触媒を含む技工用寒天印象材において、
a)寒天粉末が20℃で1.5(wt%)水和ゲルにした時のゼリー強度が100〜10000(g/cm2)であり、
b)水溶性有機溶媒が分子中にアルコール性水酸基又はアミノ基を1個以上有し、
c)水を有し、
d)塩が水100g中に1g溶解したときpHが6.0〜9.0になる無機塩または有機酸塩、
e)触媒が水可溶性のラジカル発生触媒もしくはラジカル重合促進剤、
を含むことを特徴とする技工用寒天印象材。

【公開番号】特開2008−56578(P2008−56578A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232897(P2006−232897)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(390011143)株式会社松風 (125)
【Fターム(参考)】