説明

抄紙機のためのヘッドボックス

本発明は、薄紙又は板紙用抄紙機(4)のためのヘッドボックス(1)であって、案内装置(11)に繊維材料懸濁液(5)を供給するための少なくとも1つの第1の供給手段(20)が設けられていて、前記案内装置(11)はノズル(28)と接続されていて、該ノズル(28)から繊維材料懸濁液(5)が間隙を介して流出するようになっており、さらに、充填剤又は様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のような紙化学物質である、少なくとも1つの助剤を調量供給するための調量供給装置(40)が、設けられている形式のものに関する。このような形式のヘッドボックス(1)において、本発明の構成では、ヘッドボックスが、少なくとも1つの第1の層(12)と第2の層(8)とを備えた多層ヘッドボックス(1)であり、該ヘッドボックス(1)の少なくとも第1の層(12)が、繊維懸濁液(5)を有し、ヘッドボックス(1)の第2の層(8)が主として濾過水を有しており、第1及び第2の層(8,12)が少なくとも案内装置(11)内において別個に案内され、調量供給装置(40)は、助剤が主として第2の層(8)に供給されるように、配置されかつ構成されており、この場合第2の層(8)は主として濾過水を有しており、該濾過水は第2の供給手段(16)を介して案内装置(11)に供給され、助剤の調量供給が、第2の層(8)において下流側で大きな圧力降下及び/又は大きな渦流が発生しないような箇所において行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄紙又は板紙用抄紙機のためのヘッドボックスであって、案内装置に繊維材料懸濁液を供給するための少なくとも1つの第1の供給手段が設けられていて、前記案内装置はノズルと接続されていて、該ノズルから繊維材料懸濁液が間隙を介して流出するようになっており、さらに、例えば充填剤又は様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のような紙化学物質である、少なくとも1つの助剤を調量供給するための調量供給装置が、設けられている形式のものに関する。
【0002】
本発明はさらに、このようなヘッドボックスを備えた薄紙又は板紙用抄紙機に関する。
【0003】
本発明はさらにまた、少なくとも1つの助剤を調量供給する方法であって、充填剤又は様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のような紙化学物質である、少なくとも1つの助剤を、網側の出口を備えたノズル室を有するヘッドボックスを備えた薄紙又は板紙用抄紙機の少なくとも1つの流動層に、調量供給する形式の方法に関する。
【0004】
薄紙(Papier)又は板紙(Karton)は、主に植物由来の繊維と助剤とから成る面状の材料である。このような材料の製造は、工場において多くの場合、長網抄紙機のような抄紙機を用いて行われる。抄紙機のウエットエンドにおいて、水内に分散された繊維、多くは木繊維の脱水が行われる。これに関連して、このように繊維を含む液体は、固体懸濁液又は繊維材料懸濁液と呼ばれ、あるいは単に紙材料とか材料とか呼ばれ、まだ希釈されていない場合には、製紙用パルプと呼ばれる。このような材料はヘッドボックスを用いて網ベルト上にもたらされ、この網ベルトもしくはスクリーンベルトは、WO01/83882A2に記載されているような、例えば下側スクリーンと上側スクリーンとを備えたダブルスクリーンとしても形成されていることができる。スクリーンベルト上にもたらされた材料は、紙ウェブ又は単にウェブとも呼ばれる。
【0005】
ヘッドボックスに導入される繊維材料懸濁液の主成分、ひいては完成した薄紙又は板紙もしくは厚紙の主成分は、半成紙料(Halbstoff)とも呼ばれる植物性の繊維原料であり、このような繊維原料の元としては、木材や、再生可能な古紙又は化学繊維などが働く。これに対して、薄紙又は板紙製造における非繊維の使用材料は、紙助剤、又は単に助剤と呼ばれる。
【0006】
助剤としては特に、充填剤又は様々な化学物質のような材料が挙げられ、これは紙化学物質とも呼ばれる。このような物質との関連において、いわゆるリテンションエイド、つまり歩留まり向上剤は大きな意味があり、これは特に、紙ウェブにおいて充填剤及び微細物質(Feinstoff)を保留するため、つまり繊維に充填剤や微細物質を結合するために役立つ。
【0007】
抄紙機におけるヘッドボックスの主たる課題は、繊維及び助剤を含有する懸濁液を、場所的に、つまり抄紙機の幅(Cross Direction を略してCD)において、かつ時間的に、つまり抄紙機の走行方向(Machine Direction を略してMD)において、循環するスクリーンベルト上に均一に分配することである。分配ヘッドが複数の区分に分割されているヘッドボックスを用いて、複数層のウェブを形成することが公知である。脱水時に、繊維材料懸濁液からシート形成の間に、繊維フェルトが発生し、この繊維フェルトは次いで圧縮され、抄紙機の乾燥部において乾燥させられる。
【0008】
ヘッドボックスは種々様々な構成のものが公知である。単数又は複数の形成スクリーン上に紙材料を均一に流すことを実現するために、DE69613689T2に開示されたヘッドボックスは、入口分配ヘッド又は分配装置を有しており、この分配装置は通常、先細になる輪郭を有している。そして入口分配ヘッドと堰き止め装置(これはヘッドボックスのノズルとも呼ばれる)との間には、多数の分配管が配置されており、これらの分配管は、一種の管列群として規則的に配置されている。
【0009】
フォーマ及びこのようなフォーマのためのヘッドボックスは、例えばWO02/063097A2に基づいて公知である。ヘッドボックスは少なくとも1つの材料懸濁液供給装置、複数の通路を有する渦流ブロック及び/又は、複数の通路を有する管発生装置、及びヘッドボックスノズルを有しており、このヘッドボックスノズルの懸濁液噴流は、脱水ベルトの自由な又は露出した表面に衝突し、この場合通路及び/又はヘッドボックスノズルの少なくとも一部には渦流形成手段が配属されており、これにより、該当する通路を通って案内された懸濁液部分流内にもしくはヘッドボックスノズル内に、渦流を生ぜしめることができ、懸濁液噴流は、脱水ベルトとは反対の側において少なくとも部分的に壁によって覆われている。
【0010】
DE69719756T2には、希釈流と原料流とを組み合わせるための装置を備えたヘッドボックスが開示されており、この場合希釈流は抄紙機もしくは板紙抄紙機の入口ヘッドから導出され、有利には希釈水である希釈液は、原料流と一緒に流れ、入口ヘッドから、有利には入口ヘッドの後ろに配置されている集合管路を通って流れる。この公知のヘッドボックス構造では、ウェブの基本重量はスクリーン幅にわたって連続調整弁によって制御されることができ、これらの調整弁は、所望の希釈流をヘッドボックスの幅にわたる異なった箇所で形成することができる。
【0011】
DE69612584T2には、多層ヘッドボックス用の材料供給系と多層ヘッドボックスを運転する方法とが開示されており、この場合材料組成は、多層ヘッドボックスの各入口分配装置に供給され、これは同一の新鮮材料から生ぜしめられており、この新鮮材料において必要な化学物質及び充填剤は、新鮮材料の別個の区分に添加されている。多層ヘッドボックスの材料供給系においては、少なくとも1つの希釈水管路が導かれている。
【0012】
DE69715900T2に開示された、薄紙又は厚紙用抄紙機のための多層ヘッドボックスでは、多層ヘッドボックスは幅にわたって希釈水用の分配弁を有している。
【0013】
DE69920426T2には、厚紙用抄紙機のウェブ形成ユニットにおいて添加剤から成る層を塗布する方法が開示されており、この方法では1つの同じ中間原料から2つの部分流が生ぜしめられる。組み合わせられる層の面に配置される面が形成される1つの部分流には、ポンプの前の1箇所、ポンプの後ろの1箇所及び/又は機械スクリーンの後ろの1箇所において添加剤が加えられ、これによって層における微細物質含有量及び面と面との間における結合強度を高めることができる。その後で複数の部分流が多層ヘッドボックス内に流入し、この多層ヘッドボックスは汎用の形式で、複数の入口ヘッド、各入口ヘッドと結合された集合管路、この集合管路と結合された中間室、1つの渦流発生器及び複数の渦流管、渦流発生器に後置された流出ノズルコーン、及び該流出ノズルコーンにおいて複数の層を切り離す羽根もしくは翼を有している。
【0014】
冒頭において述べたように、材料には通常、ヘッドボックスの前で、特に歩留まり向上剤及び凝固剤(Flockungsmittel)が添加され、これらは公知のように、脱水を制御するため及び繊維ペーストの軟度を制御するために働く。歩留まり向上剤及び凝固剤は、薄紙又は厚紙製造時に、積み替え又は橋絡によって繊維と充填剤とを結び付けるという課題、並びにリテンション及び脱水特性に製品品質に関して有利な影響を与えるという課題を満たす。
【0015】
歩留まり向上剤として、ポリアミン、ポリアミドアミン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン性スターチ及びグアール誘導体のような高分子化合物が使用される。脱水促進剤としては、ポリアミン及びポリエチレンイミンが使用される。
【0016】
既に上述の先行技術において触れたように、従来、紙製造プロセルでは、特に歩留まり向上剤は通常、分級機(Sichter)の前及び/又は後ろにおいて、しかしながらヘッドボックスの前で、いずれにせよ分配装置の前もしくは分配装置において添加される。紙業界の専門用語ではスクリーン(Screen)とも呼ばれる、分級機又は分類機(Sortierer)は、例えば鉛直分級機(Vertikalsichter)又は機械シーブとして形成されていることができる。これらは公知のように、繊維材料懸濁液がヘッドボックス内にさらに導かれる前に、繊維材料懸濁液をクリーニングするために働く。
【0017】
ヘッドボックス内における圧力損失の上昇に関して、繊維材料懸濁液を解膠するための出願人の実験によれば、この処置は、分級機の前又は直後において調量供給された歩留まり向上剤の作用を著しく減じる、ということが示された。
【0018】
DE69613689T2から、類似の調査結果を得ることができる。DE69613689T2によれば、助剤としてのポリマは、該ポリマがヘッドボックスの出口に向かって運動する間に、しばしばヘッドボックス内において存在する増大する剪断力にさらされると、その有効性を失ってしまう。それというのはこの場合、ポリマは高い分子重量を有していて、その長い連鎖は繊維材料懸濁液の剪断力の作用下で互いに裂断されるからである。例えば充填剤のような他の充填剤は、理想的には、紙ウェブの厚さにわたって又はz方向において均一に分配されているのではなく、むしろ表面において集中している。DE69613689T2は従って、ヘッドボックス内に添加剤の噴射する装置のために、紙材料を改質する成分を紙ウェブの厚さの方向でコントロールして供給することを、勧めており、特に軟化剤を選択された平面において、形成された紙ウェブ内に厚さの方向で、供給すること、及び多数の供給管路を介してヘッドボックスの入口分配装置に放出することを、勧めている。軟化剤は公知のように、紙の柔軟性、折り畳み可能性、伸縮性、吸水性及び艶だし可能性を改善し、かつダストを阻止する、という課題を有している。パラフィン、第四級アンモニウム化合物、ポリエチレングリコール又は多価アルコールのような材料も使用される。
【0019】
同様にDE10255842A1にも、繊維懸濁液に化学物質を投入する方法及び装置が開示されている。この公知の方法及び装置では、薄紙及び厚紙製造プロセスにおいて、繊維材料懸濁液に化学物質を投入するために、流れの中に渦流を生ぜしめる装置を使用しており、この場合化学物質成分は分類機及びポンプの前で添加される。分類機もしくはポンプのロータ翼の高速回転時に、極めて強い剪断領域(Scherfelder)が発生し、これにより渦流が生ぜしめられる。実地において、このようにして生ぜしめられた剪断領域は強すぎるということが判明しており、ポリマ連鎖を細断してしまうことがあり、これによって歩留まり向上剤としてのポリマの作用は低下してしまう。繊維懸濁液は典型的に薄片を形成する傾向があり、このことは、化学物質の最適な混合に関して問題である。薄片構造はDE10255842A1によれば、流れの中に十分な渦流を生ぜしめることによって分解することができる。繊維懸濁液を流動化する有利な方法としては、繊維懸濁液の流れ通路の階段形状の拡大部分において渦流を発生させることが挙げられる。流れ通路の回転対称の拡大部において生じる剪断領域の強さは、化学物質を混合するために最適な条件を提供するのに十分であるが、しかしながら剪断応力は、例えばポンプ又は分類機翼によって生ぜしめられる剪断領域におけるよりも、著しく低いままである。繊維懸濁液の全容積に化学物質を混合させるのに最適な方法は、異なった物質を管拡大部に投入し、これらの物質を拡大部の後ろにおいて形成される後進する渦流の境界面に導き、十分に強力ではあるがポリマ分子連鎖を細断しないような剪断領域にもたらす、ということである。この場合化学物質の調量は、ただ1つの管拡大段部においてか又は、相前後して連続する複数の管拡大段部において行うことができる。
【0020】
上に述べたすべての従来技術には、既に述べたように次のような欠点を有している。すなわちすべての従来技術では、紙化学物質、特に歩留まり向上剤は、ヘッドボックス内において添加され、この際に紙化学物質もしくは歩留まり向上剤は、強い剪断領域を有する強い圧力降下もしくは渦流領域によって、破壊されてしまう。そしてこれにより、特に高分子のもしくはポリマの紙化学物質、例えばスターチのような歩留まり向上剤の作用が、減じられてしまう。
【0021】
WO03/048452には、多層の繊維ウェブを形成する方法、及びこの方法を利用する抄紙機が開示されている。この場合1つのヘッドボックスによって、少なくとも2つの異なった繊維材料懸濁液を供給するようになっている。ヘッドボックスは仕切り壁を用いて複数の繊維流を互いに分離させ、そしてこれらの繊維流をシート形成装置に供給する。さらにヘッドボックスは、層板の端部において出口のところで、横方向において同一形状の流れを有する水層(Wasserschicht)を形成する。この水層は、層板をいわば延長もしくは拡大するように形成されており、これによって繊維材料懸濁液の流動層の混合は阻止される。層板は、ほぼ鉛直方向において自由運動可能に形成されており、これによって、層板によって切り離される繊維材料懸濁液の複数の層の間における圧力バランスを可能にすることができ、このようにして、層板の終端縁の下流における後進渦流効果が減じられる。
【0022】
DE10159412A1に基づいて公知の、抄紙機のヘッドボックス、特に多層ヘッドボックスは、ノズルを有しており、このノズルの内室は少なくとも部分的に、少なくとも1つの仕切り壁もしくは層板によって分割されている。
【0023】
DE3112972A1の優先権に基づいて国際出願されたWO82/03413に基づいても、多重ノズルを用いた層分離が公知である。
【0024】
最後に挙げた3つの従来技術には次のような欠点がある。すなわちこの場合充填剤もしくは微細物質及び場合によっては紙化学物質、特に歩留まり向上剤は、調量供給箇所において添加され、これらの調量供給箇所には流れ方向で見て下流に、強い剪断領域を有する強い圧力降下もしくは渦流領域が続いており、これによって、特に高分子のもしくはポリマの紙化学物質、例えばスターチのような歩留まり向上剤の作用は、減じられてしまう、もしくは減じられるおそれがある。
【0025】
薄紙及び厚紙を製造する場合には、紙特性及び紙品質、特に完成した製品の裂断特性及び紙構造に、繊維ペーストの流れ特性によって有利な影響を与えることが必要である。
【0026】
さらに、薄紙及び厚紙製造では方法及びヘッドボックスにおいて、次のようなトライレンマ(Trilemma)を解決する必要がある。すなわち一方では、ヘッドボックスの特定領域、例えばノズル室において、紙化学物質を添加された繊維ペーストの成分の強力な混合を目的として、少なくともある程度の渦流が望まれており、しかしながら他方では、他の特定領域、例えば分離層においては、これらが固定の層板であれハイドロダイナミック式の層板であれ、多層ヘッドボックスにおける材料層の間には、特にハイドロダイナミック式の層流と繊維層との間における境界面には、混合ひいては渦流もしくは乱流の生じることが望まれておらず、さらに第3には、繊維ペーストの高分子のもしくは鎖状の特定含有材料の作用が、特に渦流によって、ひいてはこれに起因する剪断領域によって低下することが望まれていない。
【0027】
このような要求を満足させることは、請求項1記載のヘッドボックス、すなわち冒頭に述べた形式のヘッドボックスにおいて、ヘッドボックスが、少なくとも1つの第1の層と第2の層とを備えた多層ヘッドボックス)であり、該ヘッドボックスの少なくとも第1の層が、繊維懸濁液を有し、ヘッドボックスの第2の層が主として濾過水を有しており、第1及び第2の層が少なくとも案内装置内において別個に案内され、調量供給装置は、助剤が主として第2の層に供給されるように、配置されかつ構成されており、この場合第2の層は主として濾過水を有しており、該濾過水は第2の供給手段を介して案内装置に供給され、助剤の調量供給が、第2の層において下流側で大きな圧力降下及び/又は大きな渦流が発生しないような箇所において行われることを特徴とする、抄紙機のためのヘッドボックスによって達成される。
【0028】
この本発明によるヘッドボックスの有利な構成は、請求項2〜11に記載されている。
【0029】
前記要求を満足させることは、さらに、請求項1から11までのいずれか1項記載のヘッドボックスを備えた、請求項12記載の抄紙機によって、もしくは請求項13記載の方法、すなわち、少なくとも1つの助剤を調量供給する方法であって、充填剤又は様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のような紙化学物質である、少なくとも1つの助剤を、網側の出口を備えたノズル室を有するヘッドボックスを備えた薄紙又は板紙用抄紙機の少なくとも1つの流動層に、調量供給する形式の方法において、ヘッドボックスの案内装置内において、少なくとも2つの層、つまり少なくとも1つの第1の層と第2の層とが別個に案内され、第1の層が主として繊維材料懸濁液を案内し、かつ第2の層が主として濾過水を案内し、助剤が第2の層に調量供給されることを特徴とする、少なくとも1つの助剤を調量供給する方法によって達成されている。
【0030】
本明細書において助剤というのは、さまざまな種類の化学物質、特にスターチのような歩留まり向上剤を意味し、しかしながらまた新鮮水のような水、濾過水のような希釈水、充填剤、微細物質又はその他の、紙製造において一般に使用される添加剤のことを意味している。
【0031】
z方向というのは、以下において、専門分野の言語慣用と合致して、鉛直方向を意味している。機械方向(「Machine Direction」を略してMD)は、紙ウェブが搬送される方向、つまりスクリーンベルトが紙ウェブに向いた側において運動する方向である。MDはまた、ヘッドボックスが材料を、添加された助剤と一緒に、スクリーンベルト上に流れ出させる方向でもある。横方向(「Cross Direction」を略してCD)というのは、MD及びz方向に対して水力に位置する方法である。CDは、MDがスクリーンベルトの長手方向であるのに対して、スクリーンベルトの幅方向である。
【0032】
本発明では、ヘッドボックスは、少なくとも1つの助剤、特に歩留まり向上剤のための少なくとも1つの調量供給装置を備えた多層ヘッドボックスである。このようなヘッドボックスは、薄紙又は厚紙もしくは板紙用の抄紙機において、ヘッドボックスを通って流れる少なくとも1つの濾過水流層に少なくとも1つの助剤を、調量供給することを可能にする。多層ヘッドボックスでは複数の層が存在している。本発明によれば、繊維材料懸濁液を案内する少なくとも1つの第1の層と、主として濾過水を案内する第2の層とが設けられている。しかしながらまた、それよりも多くの濾過水層及び/又は繊維材料層が設けられていてもよい。これらの層はまた、その他の流動媒体から成っていてもよい。1つの層が例えば少なくとも主として新鮮水を案内するようになっていてもよい。異なった材料を搬送する流動層が、ヘッドボックスのz方向において交互に配置されていると有利である。
【0033】
本発明によるヘッドボックスはさらに、主として濾過水を、含有された助剤と共に供給する第2の供給手段を有している。さらにヘッドボックスは、繊維材料懸濁液を供給する少なくとも1つの第1の供給手段を有している。そして第1及び第2の供給手段自体は、分配管に接続されている。
【0034】
さらにヘッドボックスは、機械方向において先細になるノズル室を有していて、このノズル室はスクリーン側に出口を備えている。さらに案内装置が設けられていて、この案内装置にノズル室が接続している。案内装置内には、仕切り壁のような分離手段が設けられている。分離手段は、ヘッドボックス内において、特に案内装置内において個々の流動層を分離するためもしくは切り離すために働く。分離手段は、少なくとも部分的に、ノズル室の出口に向かって延びている。分離手段の他にヘッドボックスは、案内装置からノズル室内にまで延びている可動の層板を有していてもよい。さらに案内装置とノズル室との間には、少なくとも1つの渦流発生器が設けられている。渦流発生器が、第1の流動層、つまり繊維材料懸濁液を案内する層の領域にだけ設けられていると特に有利である。このように構成されていると、既に分配管又は供給管路の領域において、調量供給装置を用いて第2の流動層の濾過水に助剤を調量供給することができ、しかもこの場合特に歩留まり向上剤である助剤の作用が減じられることはない。主として濾過水と助剤とを案内する第2の層の領域には、有利には渦流発生器が設けられていない。これによって圧力降下は僅かしか発生せず、つまりこの層においては低い圧力と僅かな渦流しか発生しない。これにより助剤のポリマ連鎖が破壊されることを、阻止することができる。
【0035】
第2の流動層においても、圧力を低下させる渦流発生器が使用される場合には、第2の流動層への助剤の調量供給は、有利には渦流発生器の後ろで、つまり例えばノズル室の領域において行われる。ノズル室内においてはさらに個々の層が、層板によって分離されていることができる。
【0036】
既に述べたように、ヘッドボックスは少なくとも1つの調量供給装置を有している。この調量供給装置は、少なくとも1つの流動層に少なくとも1つの助剤を供給する。調量供給装置による流動層への助剤の供給は、少なくとも1つの調量供給箇所において行われる。この調量供給装置は案内装置に位置していても、ノズル室に位置していてもよい。基本的には調量供給箇所の配置は、機械方向で見て、供給手段のための入口からノズル室の出口に到るまでのすべての領域において可能である。低い圧力について述べると、機械方向で見て渦流発生器が存在している場合にはヘッドボックス内において、強い圧力降下の生じることが明らかである。つまり低い圧力は、例えば第2の層の流れ経路に渦流発生器が設けられていない場合には、存在しない。調量供給箇所の配置を最適に選択することは、使用例に依存している。しかしながらいずれにせよ、助剤の作用を守るという観点では、特に助剤が破壊されやすい大きな分子を有している場合には、下流において大きな圧力降下及び/又は大きな渦流が第2の層において発生しないような箇所を、選択することが望ましい。このようにすると、助剤特に歩留まり向上剤の分子連鎖の破壊は、まったく発生しないか、もしくは作用を低下させるようには発生しない。極めて有利な箇所は、既に述べたように、例えばスクリーン側の出口の近傍におけるノズル室である。このような調量供給装置は、最も効果的に作用する調量供給箇所における助剤の、正確な湿式化学(Nasschemie)の意味において量的に正確な調量供給を、可能にする。調量供給箇所において助剤を流動層に、有利には低圧で供給することによって、助剤の作用を守ることができ、つまり特に歩留まり向上剤である助剤の作用がその分子構造の断裂によって不都合に減じられることは、回避される。
【0037】
本発明の別の構成では、助剤の調量供給を可能にする調量供給装置は、既に分配管に又は第2の供給手段に配置されている。第2の供給手段が濾過水によって運転されると有利であり、つまり第2の供給手段を用いて濾過水はノズル室内に導かれる。濾過水は公知のように層分離手段として作用することができる。特にしかしながら、濾過水は、助剤を含有する運搬層と見なされる。助剤の調量供給は有利には、薄紙又は厚紙もしくは板紙用抄紙機の機械幅全体にわたって行われる。第2の供給手段としては今日例えば複数の管又は管列が使用される。個々の管は、個々の供給手段への供給を行う分配管に開口している。
【0038】
本発明による第1の供給手段は、ヘッドボックス内に繊維材料懸濁液を供給するために働く。これらの第1の供給手段は、通常、1つの固有の分配管に接続されている。
【0039】
特別に、かつ特にもっぱら助剤の調量供給のために設けられた、特に調量供給装置の複数の管もしくは管路もまた、同様に有利に使用することができる。1つの管の寸法設定、つまり横断面、直径、壁厚、材料選択、外側及び内側の表面特性等のような特性は、搬送される材料に合わせられて、もしくはそのために設計することができる。第2の供給手段として汎用の管を使用することによって、既に存在するシステムに、簡単かつ安価に後から本発明によるヘッドボックスを設けることができる。
【0040】
単数もしくは複数の助剤の供給は、第2の供給手段自体の中に行うことができる。択一的に又は付加的に、調量供給は第2の供給手段のための分配管の中にも行うことができる。分配管は有利には抄紙機の横方向に延びている。少なくとも1つの助剤の調量供給は、もっぱら又は任意の組合せで、分配管の前、中又は後ろにおいて行うことができる。有利には調量供給は、ノズル室への入口の直前において又はノズル室において行われる。選択可能性もしくは組合せ可能性によって、既に述べたように特定の、つまり低圧領域において選択可能な圧力が存在している、単数もしくは複数の調量供給箇所は、それぞれの助剤、特にその分子壊れやすさ、紙化学物質の意味における機能などに、適合されることができる。助剤もしくは助剤組合せもしくは単数又は複数の助剤の多成分系の所望の作用に関して、調量供給箇所ひいては圧力及び渦流ゾーンを有利に選択することによって、助剤の消費量及び製品品質に有利な影響を与えることができる。
【0041】
少なくとも1つの助剤、特に歩留まり向上剤は、既に述べたように、有利には多成分系として形成されていることができる。調量供給は、各第2の供給手段への入口からノズル室の出口に到るまで分配して行うことができる。この場合調量供給は、不連続に分配して行うことができる。しかしながらまた、上に述べた経路に沿った連続した調量供給も可能である。助剤の少なくとも1つの第1の成分が分配管において、助剤の少なくとも1つの第2の成分がヘッドボックスにおいて、有利にはノズル室において調量供給可能であると、特に有利である。薄紙又は厚紙もしくは板紙製造時に使用される異なった助剤の化学的な異なった作用形式に基づいて、特に、所望の作用が十分な強度で得られるまでの異なった反応時間に基づいて、しばしば、助剤を多成分系として形成すると有利であり、この場合異なった成分の調量供給は、上記理由に基づいて有利には異なった調量供給箇所において行うことができる。
【0042】
少なくとも1つの調量供給箇所が、特に特定の使用例への適合のために変化可能であると、特に有利である。調量供給箇所のポジションの変化は、例えば、所望の構成を用いて、又は、有利には機械方向における分割手段の長さの動的な調節を用いて、行うことができる。ノズル室における調量供給箇所のポジションが、特にノズル室の外から、つまりノズル室内における流れを邪魔することなしに、可変であると、特に有利である。特に精密に可変の、調量供給箇所の調整可能性、特に外からの調整可能性、例えば適宜なアクチュエータ、テレスコープ式又は回転可能又は移動可能なシステムのようなアクチュエータによる調整可能性よって、製品品質は特に狭い範囲において精密調整することができる。外からの調整もしくは調節可能性は、特に狭い係合範囲を有する品質管理システムへの、助剤の調量供給の精密調整の組込みを可能にする。
【0043】
特に非対称的なシート構造を形成するためには、少なくとも1つの助剤の第1の量が、少なくとも1つの第1の流動層に調量供給可能であり、かつ第1の量とは異なった第2の量が、少なくとも1つの第2の流動層に調量供給可能であると、有利である。より良好な作用のためには、流動層は有利には、少なくとも1つの分離手段によって互いに隔てられて別個に案内可能である。非対称的なシート構造では、助剤の必要な量は、流動層の特性、例えば希釈程度、z方向における厚さ、繊維材料形式等のような特性に依存しており、この場合このような特性は、所望の非対称性に基づいて、異なった層において、異なって形成されていなくてはならない。異なった量の助剤を異なった層において使用することができる可能性は、これにより、製造可能な薄紙及び厚紙もしくは板紙製品における多様性を支える。分離手段は使用例に応じて、異なった量に調量供給された助剤の作用の改善を助成することができる。
【0044】
複数の調量供給箇所が機械幅に沿って配置されていると、特に有利である。機械幅に沿った調量箇所の分布は例えば、繊維材料懸濁液を供給する第1の供給手段の分布と同じ間隔をおいて形成されており、かつ/又は濾過水を供給する第2の供給手段の分布と同じ間隔をおいて形成されていることができる。しかしながらまたこの分布は、小さく形成されていてもよく、つまり助剤のための機械幅に沿った調量供給箇所の数は、機械幅の単位に応じて、繊維材料懸濁液のための入口の数よりも大きくてよい。分布密度は、紙品質に作用し、特に横方向における紙品質の均一性、例えば紙構造の基本重量又は断裂特性のような、紙品質の均一性に対して作用する。調量供給箇所の密な分布によって、機械幅にわたる、薄紙又は厚紙もしくは板紙の特性のばらつきを減じることができる。
【0045】
本発明の特に有利な構成では、少なくとも1つの助剤、特に歩留まり向上剤の作用を強化するために、助剤を供給する第1の供給手段において発生する、圧力損失ひいては剪断力の大きさが、ノズル室において適合可能である。圧力損失ひいては剪断力の適合可能性によって、使用例に応じて、所望の渦流ひいては、例えば助剤を有する希釈水又は助剤含有の濾過水と繊維材料懸濁液との混合と、助剤の作用の維持又は強化との間における最適な妥協点を達成することができる。
【0046】
調量供給装置が少なくとも1つの第1のセクションと第2のセクションとに分割されていると、有利である。これによって機械幅にわたる助剤供給のプロファイリングもしくは特徴付け(Profilierung)が可能になる。供給手段がセクションに分割されているような構成も可能である。助剤をセクション毎に異なった量に調量することによって、1つの薄紙又は厚紙もしくは板紙用抄紙機において互いに並んで異なった製品品質を生ぜしめることができる。しかしながらまたセクションに分割することによって、個々のセクタを目標プロフィール(Sollprofile)に可能な限り正確な適合のために利用することも可能であり、例えば1つのセクションの実際プロフィールを該セクションの所定の目標プロフィールに適合させるための調整の場合に、可能な限り正確な適合のために利用することも可能である。特にセクション毎の目標プロフィールは互いに同一でであってもよく、これによって調整時においては、ヘッドボックス内においてあるセクションに妨害もしくは障害(Stoergroess)が発生した場合に、この妨害もしくは障害をセクション単位で、つまり単数又は複数のセクションにおいて排除調整することができ、この際に、目標値とのずれなしに進んでいる他のセクションが、調整作用によって損なわれることはない。
【0047】
また特に有利な構成では、調量供給装置の少なくとも2つのセクションが、調整、特に組織調整もしくは地合い調整(Formationsregelung)に組込み可能もしくは関与可能であり、これによって助剤被覆のプロファイリングもしくは特徴付けを、機械幅にわたってセクション毎に異なった、助剤、特に歩留まり向上剤の調量によって、調整可能である。調整系への組込み可能性は、セクションもしくはセクタ毎の実際プロフィールをセクションもしくはセクタ毎の目標プロフィールに適合もしくは調整する可能性を提供する。
【0048】
本発明によるヘッドボックスは有利には、薄紙又は厚紙もしくは板紙用抄紙機において使用され、もしくはこのような抄紙機に組み込まれている。このような抄紙機によって、顧客固有に仕立てられた特に高い品質の薄紙、厚紙及び板紙を製造することができる。
【0049】
本発明はまた、少なくとも1つの助剤を調量供給する方法であって、充填剤又は様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のような紙化学物質である、少なくとも1つの助剤を、網側の出口を備えたノズル室を有するヘッドボックスを備えた薄紙又は板紙用抄紙機の少なくとも1つの流動層に、調量供給する形式の方法に関する。有利には、少なくとも1つの助剤のための少なくとも1つの狭量供給箇所が、機械方向においてヘッドボックスのシート形成箇所の近くに接近させられている。少なくとも1つの調量供給箇所がヘッドボックスにおいて、有利にはノズル室において、特に低い圧力の箇所において、有利にはノズル室の出口の近傍に位置していると、特に有利である。方法を特徴付けるために使用される概念、例えば調量供給箇所、シート形成箇所、低い圧力等の概念に対しては、本発明によるヘッドボックスについての記載との関連において上でなされた解説及び定義が通用する。本発明による方法には次のような利点がある。すなわち本発明による方法では、早くても又は遅くても湿式化学に関して必要になる助剤を、現場において調量供給可能であり、この場合この構成とのシナジーつまり相乗作用において、かつこの構成によって、つまり有利な箇所における調量供給の構成によって、特に高分子もしくは長鎖の助剤のかなりの結合性を保護するため、ひいてはこのような助剤の作用を保護するための、効果的な処置が得られた。
【0050】
上述のような理由から、本発明による方法が本発明によるヘッドボックスを使用すると、特に有利である。
【0051】
次に図面を参照しながら、本発明の有利な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明によるヘッドボックスの第1実施形態を備えた本発明による薄紙又は板紙用抄紙機のウエットエンドを示す側面図である。
【図2】本発明によるヘッドボックスの第1実施形態を、z方向と機械方向とによって画定された面において断面して示す横断面図である。
【図3】本発明によるヘッドボックスの第2実施形態を、z方向と機械方向とによって画定された面において断面して示す横断面図である。
【図4】本発明によるヘッドボックスの第3実施形態を、z方向と機械方向とによって画定された面において断面して示す横断面図である。
【図5】本発明によるヘッドボックスの第4実施形態を、z方向と機械方向とによって画定された面において断面して示す横断面図である。
【図6】本発明によるヘッドボックスの第5実施形態を、z方向と機械方向とによって画定された面において断面して示す横断面図である。
【図7】本発明によるヘッドボックスの第6実施形態を、z方向と機械方向とによって画定された面において断面して示す横断面図と、分配手段及び供給手段を上から見た斜視図とを組み合わせて示す図である。
【図8】本発明によるヘッドボックスの第7実施形態を示す横断面図である。
【0053】
以下においては図面を参照しながら、本発明による薄紙又は板紙用抄紙機の1実施形態及び、本発明によるヘッドボックス1の7つの実施形態を説明する。
【0054】
抄紙機4は、その分野において公知のように、脱水装置105を備えたウエットエンド7を有している。この抄紙機4は、薄紙用であっても板紙用抄紙機であってもよい。材料は、ここでは三層の希釈水ヘッドボックスとして形成された本発明によるヘッドボックス1を用いて、長網2の上にもたらされる。ヘッドボックス1は材料ウェブ13の横方向88に沿って長網側の出口52を有している。ヘッドボックス1のノズル室28から出た後で、長網2の上においてシート形成(Blattbildung)が始まり、つまり機械方向76で見て出口52の後ろには、シート形成箇所76が位置している。ウエットエンド7は、長網2を有する図示の長網フォーマ(Langsiebformer)の代わりに、例えばハイブリッドフォーマ又は間隙フォーマのようなダブル網フォーマを有していてもよい。
【0055】
サクションボックスのような脱水エレメント106を用いて、公知のように、材料ウェブ13において案内される材料5の脱水が、長網2の上で行われる。抄紙機4はさらに別の部分もしくは装置、つまりプレス部分や乾燥部分、及び巻取り機を有しているが、これらは図面を見易くするために図示されていない。
【0056】
機械方向76で見て各脱水エレメント106の後ろ及び機械方向76で見て第1の脱水エレメント106の前には、汎用のように、材料5の脱水状態を測定するための水重量センサ107が配置されている。機械方向76は矢印で示されている。
【0057】
長網2はヘッドボックス側においてブレストビーム6を用いて変向され、かつ駆動される。材料ウェブ13は長網2の上側面に載っていて、長網2によって機械方向76で、つまりヘッドボックス1から離れる方向に移動させられ、この際に材料5は脱水エレメント106を介して連続的に脱水される。濾過水は、例えば濾過水容器において集められ、ポンプを用いて希釈水として再びヘッドボックス1に戻され、そこで、例えば流れる層12,64,68を希釈するために利用される(濾過水容器及び戻しポンプ系は図面を見易くするために図示されていない)。
【0058】
図2には、本発明によるヘッドボックス1の第1実施形態が示されている。本発明によればヘッドボックス1は多層ヘッドボックスとして設計されている。この多層ヘッドボックスは、繊維材料懸濁液を案内する第1の層12と、水、ここでは濾過水を案内する第2の層8とを有している。図1に示されたヘッドボックス1は、繊維材料懸濁液を案内する2つの外側の層12と、主として濾過水80を案内する中央層64である第2の層とから形成されている。多層ヘッドボックスの各層には、繊維材料懸濁液もしくは濾過水が、固有の供給手段を用いて供給される。第1の層12には繊維材料懸濁液が、ここでは供給管路である第1の供給手段20を介して供給される。繊維材料懸濁液をヘッドボックス1の案内装置11に案内する第1の供給手段20もしくは供給管路には、1つの共通の第1の分配管84から繊維材料懸濁液が供給される。主として水、有利には濾過水を案内する第2の層8に、濾過水は第2の供給手段16を介して供給される。第2の供給手段には固有の分配管24を介して供給がなされる。図示の実施形態では添加剤又は助剤、特に歩留まり向上剤(Retentionsmittel)は、既に分配管24において調量供給装置40を介して添加される。有利にはさらに、ヘッドボックス1の案内装置11の下流でかつノズル28の上流に、図面では単に略示されている渦流発生器49が配置されている。この渦流発生器49は本発明によれば、繊維材料を案内する第1の層12の幅にわたってだけ形成されており、これに対して、実質的に濾過水及び助剤、特に歩留まり向上剤を案内する第2の層8の領域には、渦流発生器は設けられていない。図示の場合渦流は、出口開口が案内通路13自体の幅よりも小さいことによって、生ぜしめられる。また、壁に複数の突出部が設けられているような相応に成形された複数の壁を備えた縦長の渦流発生器も、可能である。渦流がノズル28への入口において第1の層においてしか生ぜしめられず、第2の層においては生ぜしめられないことに基づいて、助剤、特に歩留まり向上剤のポリマ連鎖の断裂ひいては破壊は阻止される。助剤は、渦流発生器49の下流において初めて、ノズル28内において、繊維材料懸濁液の繊維と接触し、そこで作用することができる。
【0059】
助剤を加えられた第2の層8は、繊維材料懸濁液を包含する第1の層12との相違を明瞭にするために、図面において斜線で示されている。第1実施形態では、3つの流動層のうちの中央層64は、助剤を有する第2の層8である。
【0060】
ヘッドボックス1のノズル室28は、長網側の出口52を有していて、機械方向76において先細になっている。
【0061】
さらに案内装置の内部には、ここでは両方の繊維材料懸濁液層12を中央層64から分離している分離手段36が設けられている。これらの分離手段36は、ここでは仕切り壁として形成されている。これにより案内装置11の内部における個々の層には、仕切り壁によって形成された固有の通路が配属されている。
【0062】
図3に示されたヘッドボックス1の第2実施形態は、3つの第1の層、いわゆる繊維材料懸濁液層12を有しており、これらの層はそれぞれ、2つの第2の層の間において延在している。第2の層は主として濾過水を導き、この場合分配管24の領域において単数又は複数の助剤が調量供給される。第2の実施形態は第1実施形態と似た構成を有しているので、同じ部材に対しては図2においても、図1におけると同じ符号が使用される。
【0063】
図4に示されたヘッドボックス1の第3実施形態は、2つの第2の層8を有しており、これらの第2の層8はそれぞれ、第2の層8のそれぞれに対して外側に位置している2つの繊維材料懸濁液層12の間に配置されている。案内装置11はこの実施形態でも分離手段36によって形成されている。分離手段36はこの実施形態でも仕切り壁であるので、案内装置11内には、それぞれの層に配属された個々の通路が形成される。層の混合は、案内装置においては行われず、分離手段が終わったところで初めて、つまりノズル装置において行われる。層はz方向において、つまり鉛直方向において分離され得るのみならず、図示されていないが、機械幅に沿った分離も、つまりCD方向における分離も可能である。図3に示された実施形態では仕切り壁は、ノズル室28の領域内に、可動の層板(Lamelle)32によって延長されており、これらの層板32は出口52の近傍にまで達している。助剤はこれによってノズル出口のところで初めて繊維材料懸濁液と混合される。
【0064】
層板32は可動であり、例えば旋回点33に取り付けられている。層板によって形成された通路は、有利にはノズル開口に向かって先細になっている。種々様々な層板が、等しい長さと異なった長さとを有することができる。これについては例えば図4に示されている。層板が異なった長さで形成される場合には、機械方向において、つまりMD方向において、異なったz箇所のために、濾過水内において案内される助剤の添加混合の異なった箇所を決定することができる。これによってz方向におけるシート形成特性に所望のように影響を与えることができる。
【0065】
助剤というのは、ここでは充填剤、様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のことを意味する。助剤とも呼ばれ、紙工業において使用されている反応性化学物質としては、次のものが挙げられる:
紙表面の印刷可能性を高めるのり剤(sizing agents);
機械的な強度を高める乾燥強度補強剤(dry strength agents);
紙が濡れた場合に、繊維束の破壊を阻止する湿潤強度補強剤(wet strength agents);
紙に色を付ける染料(dyes);
白色度を高める蛍光増白剤(optical brightener agents);
繊維に陰イオン物質を結合させる固着物質(fixitatives);
網上における粒子のリテンションつまり保留性を高める歩留まり向上剤(retention aid);
懸濁液から遊離した自由なガスを脱気する脱気剤(deaerator);
泡を除去する泡止め剤(defoamer);
微生物及びその成長を阻止する殺虫剤(Biocides)。
【0066】
主として水、特に濾過水を案内する層はそれぞれ、上記助剤のうちの単数又は複数の助剤によって処理されていることができる。また、異なった助剤を異なった第1の層に搬送することも可能である。
【0067】
図3に示された実施形態においても、渦流発生器49が設けられている。図1に示された実施形態におけるように、繊維材料懸濁液が案内される領域における渦流負荷部は、通路を画成する開口を有しているが、これに対して渦流発生器によって、濾過水を案内する第2の層の領域においては、通路は画成されていない。
【0068】
本発明によれば助剤は、少なくとも1つの調量供給装置40によって、第2の層に調量供給される。図1〜図3に示された実施形態において、調量供給は調量供給装置を介して常に分配管24に、つまりヘッドボックスの案内装置11の前で、行われる。
【0069】
このような実施形態とは異なり、図5に示された第4実施形態の調量供給装置40では、繊維材料懸濁液72を案内する2つの第1の層12と、主として濾過水を案内する1つの第2の層とを備えた3層ヘッドボックス1において、案内装置11の領域において調量供給が行われる。
【0070】
調量供給もしくは供給は、案内装置において少なくとも1つの調量供給箇所44において行われる。この場合濾過水80を案内する中間層64への助剤の供給は、調量供給装置40によって、調量供給管路42に組み込まれた調量供給弁41を用いて行われる。このような供給は、図示の実施形態では、機械方向76に沿って設けられた異なった4つの調量供給箇所44において行われる。これらの調量供給箇所44は、ヘッドボックス1の案内装置11の領域において機械方向76に配置されている。調量供給箇所44がヘッドボックス1において低圧箇所48に位置していると有利である。このような低圧は、繊維懸濁液装置12からの分離手段としての仕切り壁によって、案内装置内において別個に案内される第2の層8全体において発生し、このような第2の層8に助剤は調量供給される。この圧力は、有利には歩留まり向上剤である助剤の分子連鎖の破壊が回避されるような、低い圧力である。
【0071】
図5に示された実施形態では、ノズル室28に層板32が設けられている。図4に示された実施形態とは異なり、これらの可動の懸吊された層板32は機械方向において異なった長さをもって形成されている。このように構成されていることにより、助剤を含む濾過水は、ノズル室内においてz方向で異なった箇所において、異なった第1の層に供給される。
【0072】
図6には本発明の別の実施形態が示されている。この実施形態においても、図1〜4に示された実施形態におけると同じ部材には、同一符号が使用されている。図4に示された実施形態とは異なり、供給管路16における濾過水への助剤、特に歩留まり向上剤の調量供給は、分配管24からヘッドボックス1の案内装置11に行われる。この実施形態においてもノズル装置に1つの層板32が設けられている。
【0073】
図6には、本発明によるヘッドボックス1の第5実施形態が示されている。この第5実施形態では、濾過水によって運転される第2の供給手段16は、分配管24に接続されていて、調量供給装置40を有しており、この調量供給装置40は助剤を調量供給し、有利には抄紙機4の機械幅60全体にわたって、機械幅にわたって分配されていて助剤を含有する濾過水を案内する、案内装置の異なった通路に、分配する。図6に示された実施形態では、繊維材料懸濁液を案内する各第1の層のために、それぞれ固有の分配管が設けられている。その他の構成に関しては、第5実施形態は、第1〜第4実施形態について既に述べた、仕切り壁36、調量供給弁41、調量供給管路42等と同じ特徴を有している。従ってその他の構成については説明を省く。
【0074】
供給手段16,20への供給は、図2〜図5に示されているように、横方向に延びている少なくとも1つの分配管を介して行われる。
【0075】
少なくとも1つの助剤の調量供給は、もっぱら又は任意の組合せにおいて、分配管24の前、中又は後ろにおいて行うことができる。
【0076】
少なくとも1つの助剤、特に歩留まり向上剤は、多成分系として構成されていることができる。助剤の調量供給は、分配管からノズル室28に到るまでの1箇所又は複数箇所において行うことができる。
【0077】
例えば少なくとも1つの第1の成分又は第1の助剤は分配管24において、かつ第2の成分又は第2の助剤は第2の供給管路16に調量供給可能である。
【0078】
図6に示された実施形態では、2つの濾過液を導きかつ1つの助剤を有する第2の層8が示されている。このような実施形態はこの場合z方向において非対称的なシート構造を可能にする。
【0079】
図7には、斜視図で分配手段及び供給手段が、横断面図でヘッドボックス1が示されている。既に述べた図面におけると同じ部材には、同一符号が使用されている。図6に示したように、助剤のための複数の調量供給箇所44は、機械幅60に沿って配置されていることができる。これらの調量供給箇所44は、機械幅60にそって、各繊維懸濁液72を供給する第2の供給手段20と同じ間隔をもって分配配置されている。しかしながらまた調量供給箇所44は、第2の供給手段20に比べて小さな間隔をもって配置されていてもよい。第2の供給手段16のセクションによる割り振り、特に助剤を含有する濾過水のための供給管路の機械幅にわたる割り振りは、機械幅にわたる助剤の異なった調量供給を可能にし、ひいては機械幅にわたって紙品質を調節できるということを可能にする。そのために各供給管路16は、図6に示されているようにそれぞれ固有の調量供給装置を備えている。
【0080】
少なくとも1つの助剤、特に歩留まり向上剤の作用を強化するために、ノズル室28内における圧力損失、ひいてはノズル室28内における剪断力の大きさは、適合させることができ、このような剪断力は、助剤を供給する第2の供給手段16において発生する。この適合もしくは調節は、例えば相応なポンプ圧調節によって行うことができる。
【0081】
調量供給装置40は少なくとも1つの第1及び第2のセクション96,100に分割することができ、これによって機械幅60にわたる助剤被覆のプロファイリングもしくは特徴付けが可能になる。それぞれ2つの調量供給弁41と2つの調量供給管路42とが1つのセクションに配属されている形態は、図7において2つのブレース括弧によって示されている。
【0082】
調量供給装置40の少なくとも2つのセクション96,100は、本発明による薄紙又は板紙用の抄紙機4において、調整、特に地合い調整(Formationsregelung)に組み込むことができ、これによって助剤被覆のプロファイリングもしくは特徴付けは、セクションで機械幅60にわたって異なる、助剤(特に歩留まり向上剤)の調量によって、調整可能である。
【0083】
図8に示されているヘッドボックス1の第7実施形態は、2つの外側の繊維材料懸濁液層12と両繊維材料懸濁液層12の間に配置されていて助剤を案内する1つの中間層64とを備えた、3相ヘッドボックスにおける、本発明の使用が示されており、この場合繊維材料懸濁液層12はz方向において異なった層厚さを有している。
【0084】
本発明によって初めて、助剤(特に歩留まり向上剤)を破壊することなしに、かつその作用を劣化させることなしに、助剤の調量供給を可能にする、ヘッドボックスが得られる。このことは、助剤が繊維懸濁液に直に供給されるのではなく、濾過水層に供給されることによって、達成され、そしてこの場合濾過水層は、ヘッドボックスの案内装置によって別個に案内され、混合は、ヘッドボックスのノズル装置の領域において初めて行われる。
【符号の説明】
【0085】
1 ヘッドボックス、 2 長網、 4 抄紙機又は板紙抄紙機、 5 材料;繊維材料懸濁液、 6 ブレストビーム、 7 ウエットエンド、 8 第2の層、 11 案内装置、 12 第1の層、 13 材料ウェブ、 16 第2の供給手段、 20 第1の供給手段、 24 分配管、 28 ノズル室、 32 層板、 33 旋回点、 36 分離手段、特に仕切り壁、 40 調量供給装置、 41 調量供給弁、 42 調量供給管路、 44 調量供給箇所、 49 渦流発生器、 52 長網側の出口、 60 機械幅、 64 第1の流動層、中央層、 67.1 開口、 67.2 開口、 76 機械方向、 80 濾過水、 84 分配管、 88 横方向、 92 入口、 96 第1のセクション、 100 第2のセクション、 105 脱水装置、 106 脱水エレメント、 107 水重量センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄紙又は板紙用抄紙機(4)のためのヘッドボックス(1)であって、案内装置(11)に繊維材料懸濁液(5)を供給するための少なくとも1つの第1の供給手段(20)が設けられていて、前記案内装置(11)はノズル(28)と接続されていて、該ノズル(28)から繊維材料懸濁液(5)が間隙を介して流出するようになっており、さらに、充填剤又は様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のような紙化学物質である、少なくとも1つの助剤を調量供給するための調量供給装置(40)が、設けられている形式のものにおいて、
ヘッドボックスが、少なくとも1つの第1の層(12)と第2の層(8)とを備えた多層ヘッドボックス(1)であり、該ヘッドボックス(1)の少なくとも第1の層(12)が、繊維懸濁液(5)を有し、ヘッドボックス(1)の第2の層(8)が主として濾過水を有しており、第1及び第2の層(8,12)が少なくとも案内装置(11)内において別個に案内され、調量供給装置(40)は、助剤が主として第2の層(8)に供給されるように、配置されかつ構成されており、この場合第2の層(8)は主として濾過水を有しており、該濾過水は第2の供給手段(16)を介して案内装置(11)に供給され、助剤の調量供給が、第2の層(8)において下流側で大きな圧力降下及び/又は大きな渦流が発生しないような箇所において行われることを特徴とする、抄紙機のためのヘッドボックス(1)。
【請求項2】
第2の供給手段(16)が調量供給装置(40)を有していて、該調量供給装置(40)が助剤の調量供給を、有利には薄紙又は板紙用抄紙機(4)の機械幅(60)全体にわたって可能にする、請求項1記載のヘッドボックス(1)
【請求項3】
少なくとも1つの供給手段(16,20)への供給が、少なくとも1つの別体の、有利には横方向(88)において先細になる分配管(24,84)を介して行われ、調量供給が、濾過水を案内する分配管(24)内に行われる、請求項1又は2記載のヘッドボックス(1)
【請求項4】
少なくとも1つの助剤、特に歩留まり向上剤が、多成分系として構成されており、第2の供給手段(16)それぞれへの入口(92)からノズル室(28)の出口(52)に到るまでの調量供給が、分けられて行われる、請求項1から3までのいずれか1項記載のヘッドボックス(1)。
【請求項5】
多成分系である少なくとも1つの助剤が、該助剤の少なくとも1つの第1の成分と第2の成分とを有していて、第1の成分が分配管(24)において、かつ第2の成分が第2の供給手段(16)において、又は案内装置(11)内に又は有利にはノズル室(28)内に、調量供給可能である、請求項4記載のヘッドボックス(1)
【請求項6】
案内装置(11)が機械方向(76)に分離手段(36)を有していて、該分離手段(36)が、第1及び第2の層(8)を案内するための通路を形成している、請求項1から5までのいずれか1項記載のヘッドボックス(1)。
【請求項7】
特に非対称的なシート構造を形成するために、少なくとも1つの助剤(8)の第1の量が、少なくとも1つの第1の流動層(64)に調量供給可能であり、かつ第1の量とは異なった第2の量が、少なくとも1つの第2の流動層(68)に調量供給可能であり、第1及び第2の流動層(64,68)が案内装置(11)内において、少なくとも1つの分離手段(36)によって互いに隔てられて別個に案内可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載のヘッドボックス(1)。
【請求項8】
複数の調量供給箇所(44)が機械幅(60)に沿って配置されており、機械幅(60)に沿った調量供給箇所(44)の分布が、繊維材料懸濁液(5)を供給する第2の供給手段(20)の分布と同じ間隔をおいて形成されているか、又は第2の供給手段(20)の分布よりも小さな間隔をおいて形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のヘッドボックス(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの助剤、特に歩留まり向上剤の作用を強化するために、助剤を供給する第1の供給手段(16)において発生する、圧力損失ひいては剪断力の大きさが、ノズル室(28)において適合可能である、請求項1から8までのいずれか1項記載のヘッドボックス(1)。
【請求項10】
機械幅(60)にわたる助剤供給のプロファイリングもしくは特徴付けを可能にするために、調量供給装置(40)が少なくとも1つの第1のセクション(96)と第2のセクション(100)とに分割されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のヘッドボックス(1)。
【請求項11】
調量供給装置(40)の少なくとも2つのセクション(96,100)が、調整、特に地合い調整に組込み可能もしくは関与可能であり、これによって助剤被覆のプロファイリングもしくは特徴付けを、機械幅(60)にわたってセクション毎に異なった、助剤(8)、特に歩留まり向上剤の調量によって、調整可能である、請求項10記載のヘッドボックス(1)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載のヘッドボックス(1)を備えた、薄紙又は板紙用抄紙機(4)。
【請求項13】
少なくとも1つの助剤を調量供給する方法であって、充填剤又は様々な化学物質、特に歩留まり向上剤のような紙化学物質である、少なくとも1つの助剤を、網側の出口(52)を備えたノズル室(28)を有するヘッドボックス(1)を備えた薄紙又は板紙用抄紙機(4)の少なくとも1つの流動層(12,64,68)に、調量供給する形式の方法において、ヘッドボックス(1)の案内装置(11)内において、少なくとも2つの層(8,12)、つまり少なくとも1つの第1の層(12)と第2の層(8)とが別個に案内され、第1の層(12)が主として繊維材料懸濁液(5)を案内し、かつ第2の層(8)が主として濾過水を案内し、助剤が第2の層(8)に調量供給されることを特徴とする、少なくとも1つの助剤を調量供給する方法。
【請求項14】
第1の層(12)と第2の層(8)とが主としてノズル室(28)において、有利にはノズル室(28)の端部において混合される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
ヘッドボックス(1)が請求項1から11までのいずれか1項記載のように構成されている、請求項13又は14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−515595(P2011−515595A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500172(P2011−500172)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053043
【国際公開番号】WO2009/115479
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】