投写型プロジェクタの台形歪み補正装置
【課題】 スクリーンの画面の台形歪み補正と、重畳表示されるOSDを台形歪み補正画面に重畳表示可能な投写型プロジェクタの台形歪み補正装置。
【解決手段】 プロジェクタ30本体の傾きセンサー15、入力映像信号による映像の画角変換を行うスケーラ部13、プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するためにスケーラ部による画角変換の補正値を演算する演算部16、この演算部にて演算された画角変換の補正値にてスケーラ部で画角変換された映像信号により台形歪み補正画面を液晶パネルに表示させる台形歪み補正部17、この台形歪み補正部による台形歪み補正画面の最も補正の少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにしたオンスクリーン表示重畳部19からなり投写型プロジェクタの台形歪み補正装置。
【解決手段】 プロジェクタ30本体の傾きセンサー15、入力映像信号による映像の画角変換を行うスケーラ部13、プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するためにスケーラ部による画角変換の補正値を演算する演算部16、この演算部にて演算された画角変換の補正値にてスケーラ部で画角変換された映像信号により台形歪み補正画面を液晶パネルに表示させる台形歪み補正部17、この台形歪み補正部による台形歪み補正画面の最も補正の少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにしたオンスクリーン表示重畳部19からなり投写型プロジェクタの台形歪み補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に基づいて、液晶パネルあるいはDMD等の画像表示パネルに表示された映像に光源からの照射光を用いて投射し、その投射映像光をスクリーンに投写表示させる投写型プロジェクタに関し、特に、投写型プロジェクタの設置状態に起因するスクリーンに投写表示される画面の台形歪みの補正と、その台形歪み補正された画面に重畳表示されるオンスクリーン表示の位置補正に関する台形補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネル、及びDMD(Digital Micromirror Device)などの画像表示パネルに入力映像信号に基づいた映像を表示させると共に、その画像表示パネルに表示されている映像に光源からの照射光を投射させ、その投射映像光を光学レンズを用いてスクリーンに投写表示させる投写型プロジェクタが家庭内、会議室、及び講演会場などで用いられている。
【0003】
この投写型プロジェクタは、入力映像信号に基づいた表示されている画像表示パネルである液晶パネルを透過させた透過光を光学レンズによりスクリーンの前面から投写してスクリーンに映像を拡大表示させる際に、図8と図9に示すように、投写型プロジェクタ(以下、単にプロジェクタと称する)30の光軸中心と、スクリーン35の中心とは、同軸上で、スクリーン35の表示面に対して、プロジェクタ30の上下方向、及び左右方向共に垂直と水平に互いに向き合っていることが望ましい。なお、図8は、プロジェクタ30の上下方向とスクリーン35の表示面が垂直方向で向き合っている状態を示し、図9は、プロジェクタ30の左右方向とスクリーン35の表示面が水平方向で向き合っている状態を示している。
【0004】
このように、スクリーン35の中心にプロジェクタ30の光軸中心を一致させ、かつ、互いに垂直・水平に向き合うように設置した場合、視聴者がプロジェクタ30とスクリーン35の間に位置すると視聴者の影がスクリーン35に映り投写映像が欠落する。また、視聴者がプロジェクタ30の背後に位置すると、プロジェクタ30が視聴者の視界を遮ることになる。
【0005】
このために、視聴者の影がスクリーン35に映らず、視聴者の視界を遮らない位置にプロジェクタ30が設置される。このプロジェクタ30の設置位置としては、例えば、図10に示すように、視聴者の視線を遮らない位置であるスクリーン35の前面下方向にプロジェクタ30を位置させてプロジェクタ30の光軸がスクリーン35に対して傾斜角度θを有するあおり投写するように設置する。また、図示してないが、図10に示すプロジェクタ30の位置から紙面の反対位置のスクリーン35に対して、前面上方向から投写させるようにプロジェクタ30を位置させている。
【0006】
このように、スクリーン35に対して上または下方向からあおり投写させる位置にプロジェクタ30を設置すると、視聴者の視界をプロジェクタ30が遮ることはなくなるが、スクリーン35に表示される投写画面36は、図11に示すように、プロジェクタ30の設置状態に起因してスクリーン35の上下にプロジェクタ30から投写される映像の投射角が相違するために台形歪み(キーストン歪みとも称される)が生じる(以下、台形歪み画面36と称する)。
【0007】
このようにプロジェクタ30の設置状態によるスクリーン35に表示される台形歪み画面36を補正する方法として、例えば、特許文献1に提案されている台形歪み補正装置がある。
【0008】
この特許文献1に提案されている台形歪み補正装置は、プロジェクタの異なる位置に設けられた第1と第2の距離センサによりスクリーンまでの距離を検出し、その検出された距離に基づいて制御マイコンによりスクリーンに対するプロジェクタの傾斜角を算出する。この算出された傾斜角を用いて液晶パネルに表示される入力映像信号による映像が、プロジェクタの傾斜角に起因する台形歪みと逆の台形歪みの形状となるように、各ライン毎の画素データを間引き調整して表示させる。つまり、入力映像信号に基づいて液晶パネルに表示させる映像は、プロジェクタの傾斜角に応じて各ライン毎の画素データを間引き処理(スケーラ処理とも称する)して、スクリーンに投写された際に生じる台形歪みと逆の台形歪みを有する画面とすることで、スクリーンに表示される投写画面の台形歪みを解消させている。
【0009】
この台形歪み補正装置は、スクリーン35に対して傾斜角度θを有するあおり投写するようにプロジェクタ30を設置して、上述した台形歪み補正装置によりプロジェクタ30のスクリーン35に対する傾斜角に応じて各ライン毎の画素データの間引き処理であるスケーラ処理を行い、スクリーンに投射された際に生じる台形歪みと逆の台形歪みを有する画面を生成してスクリーン35に投射されることにより、図12に示すように、歪み補正画面38が表示される。
【0010】
また、プロジェクタ30とスクリーン35は、垂直方向の傾き以外に、水平方向の傾きも生じる。スクリーン35に対して、垂直方向と水平方向に傾いてプロジェクタ30が設置されると、図13に示すような横方向に変形された台形歪み画面36aが生じる。このような横方向変形の台形歪みは、前述した台形歪み補正装置により、垂直と水平方向の傾斜角に応じて、スケーラ処理を行い歪み補正された歪み補正画面38aを表示させる。
【0011】
一方、プロジェクタ30は、例えば、入力映像信号の選択、スクリーン35に投写表示される映像の輝度、コントラスト、色調、及び音質や音量などの各種調整用のメニューを示す文字や図形によるOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)37が、投写映像に重畳されて表示される。このOSD3は、画像表示パネルの最少画素単位のOSD信号が生成され、このOSD信号は、前述した台形歪み画面36の所定の位置(図11参照)にOSD37を表示させている。
【特許文献1】特開2000−122617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した特許文献1に提案されている台形歪み補正装置を用いることにより、図12及び図13に示すように、スクリーン35に投写される台形歪み画面36,36aと逆の台形歪みを有する画面を液晶パネルに表示させることで、スクリーン35に歪み補正画面38,38aが表示させることが可能となる。
【0013】
このプロジェクタ30において、入力映像信号に応じた投写映像の生成処理と、及び台形歪みの補正処理とは別に、液晶パネルの最少画素単位のOSD37、37aを生成するための処理が行われる。このOSD37,37aが台形歪み画面36,36aの台形歪みの大きい位置に表示させると、例えば、図12と図13に示すように、画面の上側の左を表示位置とすると、投写画面の台形歪みを補正すると歪み補正画面38,38aからOSD37,37aが欠落する課題がある。
【0014】
つまり、入力映像信号に応じた液晶パネルに表示させる信号処理及び台形歪み処理と、液晶パネルに重畳表示させるOSDの処理とが別々に行われているために、スクリーンに投写された際の台形歪みの大きい位置にOSDを表示させた場合に、投射画像の台形歪み補正した歪み補正画面からOSDが欠落する。
【0015】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スクリーンに投写された画像の台形歪みを補正すると共に、重畳表示されるOSDも台形歪み補正画面に重畳表示可能な映像表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置は、入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示させた映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段で画角変換された映像信号により台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、この台形歪み補正手段により生成された台形歪み補正映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と、を具備することを特徴としている。
【0017】
また、本発明の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置は、入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示された映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段において画角変換された映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と、このオンスクリーン表示重畳手段によりオンスクリーン表示信号が重畳された前記スケーラ手段からの画角変換された映像信号を基に、台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置は、スクリーン投写される投射画面の台形歪みを補正すると共に、その台形歪みの最も小さい画面領域にオンスクリーン表示の位置を移動させて台形歪み補正画面内にオンスクリーン表示が可能となり、そのオンスクリーン表示の基で投写型プロジェクタの各種操作調整が容易に実行できる効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置について、図1と図2を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図、及び図2は本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置に用いる演算部の構成を示すブロック図である。
【0021】
本発明の投写型プロジェクタ30は、前述したように、入力映像信号に基づく映像を表示させる液晶パネルを透過させた透過光をスクリーンに投写表示させるものであり、図示していないが、入力映像信号に基づいて、液晶パネルに映像を表示させるために必要な信号処理を施して、入力映像信号に応じてパネル駆動信号を得る映像信号処理回路、この映像信号処理回路からのパネル駆動信号により入力映像信号に応じた映像画面が表示される液晶パネル、この液晶パネルに対して可視光を放射させるリフレクタを有する光源、この光源から放射された可視光は液晶パネルを透過し、その透過光をコンデンサレンズや拡大投写レンズレンズ等によりスクリーンに拡大投写される光学系手段等から構成されている。
【0022】
このプロジェクタ30の映像信号処理回路には、台形歪み補正装置が設けられている。この台形歪み補正装置は、図1に示すように、入力映像信号であるアナログビデオ信号11をデジタルビデオ信号に変換するアナログ/デジタル変換部(以下、A/D変換部と称する)12、このA/D変換部12で変換されたデジタルビデオ信号に対して、間引き処理であるスケーラ処理(以下、スケーラ処理と称する)を施すスケーラ部13、前記デジタルビデオ信号から同期信号を検出する同期検出部14、プロジェクタ30のスクリーン35と対向するプロジェクタ本体の前面の上下と左右の異なる位置に設けられ、プロジェクタ30のスクリーン35に対する傾きを検出する傾きセンサー15、この傾きセンサー15により検出された傾きに応じて傾斜角を算出すると共に、同期検出部14からの同期信号に同期して、スケーラ部13のスケーラ処理と、後述するOSD生成部18の駆動を制御する制御信号を生成する演算部16、スケーラ部13によりスケーラ処理されたビデオ信号に基づいて台形補正処理する台形補正部17、演算部16において生成された制御信号によりオンスクリーンディスプレイ(OSD)の表示位置を設定するOSD生成部18、及び台形補正部17において生成された台形補正されたビデオ信号にOSD信号を重畳させて、図示していない液晶パネルを駆動させるパネル駆動信号20を生成して出力するオンスクリーンディスプレイ重畳回路(以下、OSD−MIXと称する)19から構成されている。
【0023】
演算部16は、図2に示すように、傾きセンサー15により検出したスクリーン35に対するプロジェクタ30の傾きを公知の方法により検出し、その検出された傾きから垂直方向の傾き角度を抽出する垂直角度データ部21と水平方向の傾き角度を抽出する水平角度データ部22、垂直角度データ部21において抽出された垂直傾き角度から液晶パネルに表示される映像の垂直画角の変換補正係数を算出する垂直画角変換補正係数算出部23、水平角度データ部22において抽出された水平傾き角度から液晶パネルに表示される映像の水平画角の変換補正係数を算出する水平画角変換補正係数算出部24、垂直画角変換補正係数算出部23と水平画角変換補正係数算出部24において抽出された垂直と水平の画角の変換補正係数から補正値を生成して、スケーラ部13に出力する補正値生成部26、及び垂直角度データ部21と水平角度データ部22からの垂直と水平の傾き角度から最少補正位置を検出して、OSD生成部18へ最少補正位置情報を出力する最少補正位置検出部25から構成されている。
【0024】
このような構成の台形歪み補正装置において、傾きセンサー15は、プロジェクタ30の本体の前面の少なくとも上下と左右の異なる位置に設けられ、プロジェクタ30とスクリーン35の距離を計測し、その計測された距離から公知の演算方法により、図3に示すように、スクリーン35に対するプロジェクタ30の上下の縦方向である垂直方向の傾斜角度θvと左右の横方向である水平方向の傾斜角度θhを算出する傾き検出手段である。
【0025】
この傾きセンサー15において、算出された垂直方向の傾斜角度θvと水平方向の傾斜角度θhは、演算部16の垂直角度データ部21により垂直方向の傾斜角度データθvが抽出され、水平角度データ部22により水平方向の傾斜角データθhが抽出される。
【0026】
垂直角度データ部21において抽出された垂直方向の傾斜角度θvを基に、垂直画角変換補正係数算出部23において、前述した特許文献1に開示されている公知の台形歪み補正装置と同様に、スクリーン35に投写される台形歪み画面31に対して、逆の台形歪みを有する逆台形歪み画面を生成して液晶パネルに表示されるために、垂直方向の画角を変換補正する係数を検出する。つまり、図3に示す、スクリーン35に投写表示された台形歪み画面31の垂直方向である縦画角Hnを台形歪み補正後の歪み補正画面32の縦画角Hcとなるようにスケーラ処理を行うための画角変換補正係数を算出する。
【0027】
水平角度データ部22において抽出された水平方向の傾斜角度θhを基に、水平画角変換補正係数算出部24において、スクリーン35に拡大投写される台形歪み画面31に対して、逆の台形歪みを有する逆台形歪み画面を生成して液晶パネルに表示されるために、水平方向の画角を変換補正する係数を検出する。つまり、図3に示す、スクリーン35に投写表示された台形歪み画面31の水平方向である横画角Wnを台形歪み補正後の歪み補正画面32の横画角Wcとなるようにスケーラ処理を行うための画角変換補正係数を算出する。
【0028】
この垂直と水平の画角変換補正係数部23,24により算出された画角変換補正係数から補正部生成部26において、スケーラ部13におけるデジタルビデオ信号のスケーラ処理を行うための垂直と水平の補正値を生成する。この補正部生成部26において生成された垂直と水平の補正値は、同期検出部14において検出された同期信号に応じて、スケーラ部13に供給されて、スケーラ部13において、前述した特許文献1に開示されている公知の方法によりA/D変換部12からのデジタルビデオ信号の水平方向の各ライン毎のスケーラ処理による画角変換が行われる。
【0029】
すなわち、演算部16は、傾きセンサー15により検出された傾きに応じて、プロジェクタ30の本単位の傾きに起因するスクリーン35投写画面の台形歪みを補正するために、スケーラ部13にて画角変換する補正値を演算する補正値演算処理手段である。
【0030】
また、スケーラ部13は、入力映像信号であるアナログビデオ信号11がA/D変換部12にてデジタルビデオ信号に変換され、そのデジタルビデオ信号に基づく映像を液晶パネルに表示させるための処理と、そのビデオ信号を演算部16からの画角変換の補正値によりスケーラ処理により画角変換を行うスケーラ処理手段である。
【0031】
このスケーラ部13においてスケーラ処理されて画角変換されたビデオ信号は、台形補正部17において、スクリーン35に投写表示される台形歪み画面31と逆の台形歪みの画面を液晶パネルに表示させるパネル駆動信号20を生成して出力する。このパネル駆動信号20により駆動されて液晶パネルに表示された逆台形歪み画面を光学レンズを介してスクリーン35に投写すると歪み補正画面32として表示される。
【0032】
つまり、台形歪み補正部17は、スケーラ部13にて画角変換されたデジタルビデオ信号により台形歪み補正画面を液晶パネルに表示させる台形歪みビデオ信号を生成する台形歪み補正手段である。
【0033】
一方、演算部16の最少補正位置検出部25は、垂直角度データ部21と水平角度データ部22からの垂直方向の傾斜角度θvと水平方向の傾斜角度θhとから垂直方向、あるいは水平方向で最もスケーラ処理による歪み補正の小さい位置を検出する。つまり、図3に示すように、台形歪み画面31の縦方向Hnに対して、歪み補正画面32を生成させるための縦方向の画角変換の補正は、画面の上側が大きく、下側が小さくなる。また、台形歪み画面31の横方向Wnに対して、プロジェクタ30のスクリーン35に対する横方向の傾き方向によるが、プロジェクタ30がスクリーン35に対して左に傾いていると、図3に示すように、歪み補正画面32を生成するための横方向の画角変換の補正は、画面の左側が大きく、右側が小さくなり、プロジェクタ30がスクリーン35に対して右に傾いていると、図3に示されているとは逆に、画面の右側が大きく、左側が小さくなる。
【0034】
この最少補正位置検出部25において検出した液晶パネルに表示され、かつ、光学レンズによりスクリーン35に投写表示される歪み補正画面32内において、台形歪み画面31からの画角変換の補正の最も小さい位置データを基に、OSD生成部18において、歪み補正画面32の画角変換の補正値の最少位置にOSD33を表示させるように歪み補正画面32のビデオ信号にOSD信号を重畳させるようにOSD信号を生成して、OSD−MIX19に出力する。OSD−MIX19は、台形補正部17からの逆台形歪み画面信号にOSD生成部18からのOSD信号を重畳したパネル駆動信号20を生成して液晶パネルに供給する。
【0035】
例えば、プロジェクタ30がスクリーンに35に対して、垂直方向の傾いている場合は、台形歪み画像31の縦方向Hnに対して、歪み補正画面32の縦方向Hcの最少補正位置である図4(a)に示すように、歪み補正画面32の左下にOSD33を表示させる。また、プロジェクタ30がスクリーンに35に対して、水平の左方向に傾いている場合は、台形歪み画像31の縦方向Hnに対して、歪み補正画面32の縦方向Hcの最少補正位置と、台形歪み画面31の横方向Wnに対して、歪み補正画面32の横方向のWcの最少補正位置である図4(b)に示すように、歪み補正画面32aの右下の位置にOSD33aを表示させる。
【0036】
つまり、OSD−MIX19は、台形歪み補正部17にて歪み補正のために画角変換された歪み補正画面32,32aの最少補正位置に、の最少画素単位に設定されるOSD33,33aを表示させるように、台形歪み補正ビデオ信号にOSD信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段である。
【0037】
このように、スクリーン35に対するプロジェクタ30の傾き角度に応じたスケーラ処理による画角変換を行い台形歪み補正された投写画面の最も画角変換の少い位置にOSDを表示させることにより、台形歪み補正された投写画面に最少画素単位に設定されるOSDの情報を欠落させることなく表示させることができる。
【実施例2】
【0038】
次に、本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置について、図5乃至図7を用いて説明する。図5は本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図、及び図6と図7は本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図である。なお、図1乃至図4と同じ部分は、同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0039】
この第2の実施形態の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置と、前述した第1の実施形態との相違は、図5に示すように、スケーラ部13と台形補正部17aの間にOSD−MIX19を配置し、スケーラ部13によりスケーラ処理されたビデオ信号にOSD−MIX19aにおいてOSD信号を重畳させた後に、台形歪み補正部17aにおいて、台形補正映像信号を生成するように構成されている。
【0040】
つまり、前述した第1の実施形態と同様に、同期検出部14により検出した同期信号に同期して、傾きセンサー15により検出された傾きデータから演算部16において、垂直と水平の画角変換補正係数算出による補正値の生成と、最少補正位置の検出を行い、この演算部16において算出された補正値によりスケーラ部13において、入力されたデジタルビデオ信号のスケーラ処理を行い、かつ、演算部16において検出された最少補正位置データを基に、OSD生成部18において生成されたOSD信号をOSD−MIX19aにおいて、スケーラ部13からのスケーラ処理されたビデオ信号に重畳させる。
【0041】
つまり、図6及び図7に示すように、スケーラ部13において、スケーラ処理され、そのスケーラ処理された台形歪み補正前のビデオ信号の最少補正位置にOSD33c,33dを表示させるように、OSD信号を重畳させる。
【0042】
このOSD−MIX19aにおいて、スケーラ処理されたビデオ信号にOSD信号を重畳した後に、台形補正部17aにおいて、OSD信号が重畳されたスケーラ処理されたビデオ信号を基に台形補正用のビデオ信号に生成して、液晶パネルのパネル駆動信号20へと出力し、液晶パネルに台形歪み画面と逆の台形歪み画面を表示させて、スクリーン35に投写させることにより、スクリーン35に歪み補正画面32,32aを表示させる。
【0043】
このスクリーン35に表示される歪み補正画面32,32aに重畳表示されるOSD33c,33dは、台形補正部17aにおいてOSD信号が重畳されたスケーラ処理済みビデオ信号を基に台形補正用の逆台形画面を表示させる台形補正ビデオ信号が生成されるために、OSD33c,33dの一部が画角変換により欠落するが、その欠落部分を最小化することができる。
【0044】
このように、プロジェクタ30の傾きに応じて、OSDの表示位置を画角変換の最少位置に設定し、そのOSD表示位置に設定されたビデオ信号を台形補正のための画角変換を行うことにより、OSDの欠落を最小化することかできる。
【0045】
前述した本発明の実施形態において、入力映像信号に応じて映像を表示する画像表示パネルに液晶パネルを用いて説明したが、この液晶パネルに変えて、DMDを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置に用いる演算部の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の作用を説明する説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図。
【図5】本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図。
【図7】本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図。
【図8】従来の投写型プロジェクタとスクリーンの垂直方向の関係を説明する説明図。
【図9】従来の投写型プロジェクタとスクリーンの水平方向の関係を説明する説明図。
【図10】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写を説明する説明図。
【図11】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写によるスクリーンに表示される台形歪み画面を説明する説明図。
【図12】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写の課題を説明する説明図。
【図13】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写の課題を説明する説明図。
【符号の説明】
【0047】
11 アナログビデオ信号、12 アナログ/デジタル変換部(A/D変換部)、13 スケーラ部、14 同期検出部、15 傾きセンサー、16 演算部、17 台形歪み補正部、18 オンスクリーンディスプレイ生成部(OSD生成部)、19 オンスクリーンディスプレイ重畳部(OSD−MIX)、20 パネル駆動信号、21 垂直角度データ部、22 水平角度データ部、23 垂直画角変換補正係数算出部、24 水平画角変換補正係数算出部、25 最少補正位置検出部、30 投写型プロジェクタ(プロジェクタ)、31 台形歪み画面、32 歪み補正画面、35 スクリーン。
代理人 弁理士 伊藤 進
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に基づいて、液晶パネルあるいはDMD等の画像表示パネルに表示された映像に光源からの照射光を用いて投射し、その投射映像光をスクリーンに投写表示させる投写型プロジェクタに関し、特に、投写型プロジェクタの設置状態に起因するスクリーンに投写表示される画面の台形歪みの補正と、その台形歪み補正された画面に重畳表示されるオンスクリーン表示の位置補正に関する台形補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネル、及びDMD(Digital Micromirror Device)などの画像表示パネルに入力映像信号に基づいた映像を表示させると共に、その画像表示パネルに表示されている映像に光源からの照射光を投射させ、その投射映像光を光学レンズを用いてスクリーンに投写表示させる投写型プロジェクタが家庭内、会議室、及び講演会場などで用いられている。
【0003】
この投写型プロジェクタは、入力映像信号に基づいた表示されている画像表示パネルである液晶パネルを透過させた透過光を光学レンズによりスクリーンの前面から投写してスクリーンに映像を拡大表示させる際に、図8と図9に示すように、投写型プロジェクタ(以下、単にプロジェクタと称する)30の光軸中心と、スクリーン35の中心とは、同軸上で、スクリーン35の表示面に対して、プロジェクタ30の上下方向、及び左右方向共に垂直と水平に互いに向き合っていることが望ましい。なお、図8は、プロジェクタ30の上下方向とスクリーン35の表示面が垂直方向で向き合っている状態を示し、図9は、プロジェクタ30の左右方向とスクリーン35の表示面が水平方向で向き合っている状態を示している。
【0004】
このように、スクリーン35の中心にプロジェクタ30の光軸中心を一致させ、かつ、互いに垂直・水平に向き合うように設置した場合、視聴者がプロジェクタ30とスクリーン35の間に位置すると視聴者の影がスクリーン35に映り投写映像が欠落する。また、視聴者がプロジェクタ30の背後に位置すると、プロジェクタ30が視聴者の視界を遮ることになる。
【0005】
このために、視聴者の影がスクリーン35に映らず、視聴者の視界を遮らない位置にプロジェクタ30が設置される。このプロジェクタ30の設置位置としては、例えば、図10に示すように、視聴者の視線を遮らない位置であるスクリーン35の前面下方向にプロジェクタ30を位置させてプロジェクタ30の光軸がスクリーン35に対して傾斜角度θを有するあおり投写するように設置する。また、図示してないが、図10に示すプロジェクタ30の位置から紙面の反対位置のスクリーン35に対して、前面上方向から投写させるようにプロジェクタ30を位置させている。
【0006】
このように、スクリーン35に対して上または下方向からあおり投写させる位置にプロジェクタ30を設置すると、視聴者の視界をプロジェクタ30が遮ることはなくなるが、スクリーン35に表示される投写画面36は、図11に示すように、プロジェクタ30の設置状態に起因してスクリーン35の上下にプロジェクタ30から投写される映像の投射角が相違するために台形歪み(キーストン歪みとも称される)が生じる(以下、台形歪み画面36と称する)。
【0007】
このようにプロジェクタ30の設置状態によるスクリーン35に表示される台形歪み画面36を補正する方法として、例えば、特許文献1に提案されている台形歪み補正装置がある。
【0008】
この特許文献1に提案されている台形歪み補正装置は、プロジェクタの異なる位置に設けられた第1と第2の距離センサによりスクリーンまでの距離を検出し、その検出された距離に基づいて制御マイコンによりスクリーンに対するプロジェクタの傾斜角を算出する。この算出された傾斜角を用いて液晶パネルに表示される入力映像信号による映像が、プロジェクタの傾斜角に起因する台形歪みと逆の台形歪みの形状となるように、各ライン毎の画素データを間引き調整して表示させる。つまり、入力映像信号に基づいて液晶パネルに表示させる映像は、プロジェクタの傾斜角に応じて各ライン毎の画素データを間引き処理(スケーラ処理とも称する)して、スクリーンに投写された際に生じる台形歪みと逆の台形歪みを有する画面とすることで、スクリーンに表示される投写画面の台形歪みを解消させている。
【0009】
この台形歪み補正装置は、スクリーン35に対して傾斜角度θを有するあおり投写するようにプロジェクタ30を設置して、上述した台形歪み補正装置によりプロジェクタ30のスクリーン35に対する傾斜角に応じて各ライン毎の画素データの間引き処理であるスケーラ処理を行い、スクリーンに投射された際に生じる台形歪みと逆の台形歪みを有する画面を生成してスクリーン35に投射されることにより、図12に示すように、歪み補正画面38が表示される。
【0010】
また、プロジェクタ30とスクリーン35は、垂直方向の傾き以外に、水平方向の傾きも生じる。スクリーン35に対して、垂直方向と水平方向に傾いてプロジェクタ30が設置されると、図13に示すような横方向に変形された台形歪み画面36aが生じる。このような横方向変形の台形歪みは、前述した台形歪み補正装置により、垂直と水平方向の傾斜角に応じて、スケーラ処理を行い歪み補正された歪み補正画面38aを表示させる。
【0011】
一方、プロジェクタ30は、例えば、入力映像信号の選択、スクリーン35に投写表示される映像の輝度、コントラスト、色調、及び音質や音量などの各種調整用のメニューを示す文字や図形によるOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)37が、投写映像に重畳されて表示される。このOSD3は、画像表示パネルの最少画素単位のOSD信号が生成され、このOSD信号は、前述した台形歪み画面36の所定の位置(図11参照)にOSD37を表示させている。
【特許文献1】特開2000−122617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した特許文献1に提案されている台形歪み補正装置を用いることにより、図12及び図13に示すように、スクリーン35に投写される台形歪み画面36,36aと逆の台形歪みを有する画面を液晶パネルに表示させることで、スクリーン35に歪み補正画面38,38aが表示させることが可能となる。
【0013】
このプロジェクタ30において、入力映像信号に応じた投写映像の生成処理と、及び台形歪みの補正処理とは別に、液晶パネルの最少画素単位のOSD37、37aを生成するための処理が行われる。このOSD37,37aが台形歪み画面36,36aの台形歪みの大きい位置に表示させると、例えば、図12と図13に示すように、画面の上側の左を表示位置とすると、投写画面の台形歪みを補正すると歪み補正画面38,38aからOSD37,37aが欠落する課題がある。
【0014】
つまり、入力映像信号に応じた液晶パネルに表示させる信号処理及び台形歪み処理と、液晶パネルに重畳表示させるOSDの処理とが別々に行われているために、スクリーンに投写された際の台形歪みの大きい位置にOSDを表示させた場合に、投射画像の台形歪み補正した歪み補正画面からOSDが欠落する。
【0015】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スクリーンに投写された画像の台形歪みを補正すると共に、重畳表示されるOSDも台形歪み補正画面に重畳表示可能な映像表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置は、入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示させた映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段で画角変換された映像信号により台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、この台形歪み補正手段により生成された台形歪み補正映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と、を具備することを特徴としている。
【0017】
また、本発明の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置は、入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示された映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段において画角変換された映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と、このオンスクリーン表示重畳手段によりオンスクリーン表示信号が重畳された前記スケーラ手段からの画角変換された映像信号を基に、台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置は、スクリーン投写される投射画面の台形歪みを補正すると共に、その台形歪みの最も小さい画面領域にオンスクリーン表示の位置を移動させて台形歪み補正画面内にオンスクリーン表示が可能となり、そのオンスクリーン表示の基で投写型プロジェクタの各種操作調整が容易に実行できる効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置について、図1と図2を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図、及び図2は本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置に用いる演算部の構成を示すブロック図である。
【0021】
本発明の投写型プロジェクタ30は、前述したように、入力映像信号に基づく映像を表示させる液晶パネルを透過させた透過光をスクリーンに投写表示させるものであり、図示していないが、入力映像信号に基づいて、液晶パネルに映像を表示させるために必要な信号処理を施して、入力映像信号に応じてパネル駆動信号を得る映像信号処理回路、この映像信号処理回路からのパネル駆動信号により入力映像信号に応じた映像画面が表示される液晶パネル、この液晶パネルに対して可視光を放射させるリフレクタを有する光源、この光源から放射された可視光は液晶パネルを透過し、その透過光をコンデンサレンズや拡大投写レンズレンズ等によりスクリーンに拡大投写される光学系手段等から構成されている。
【0022】
このプロジェクタ30の映像信号処理回路には、台形歪み補正装置が設けられている。この台形歪み補正装置は、図1に示すように、入力映像信号であるアナログビデオ信号11をデジタルビデオ信号に変換するアナログ/デジタル変換部(以下、A/D変換部と称する)12、このA/D変換部12で変換されたデジタルビデオ信号に対して、間引き処理であるスケーラ処理(以下、スケーラ処理と称する)を施すスケーラ部13、前記デジタルビデオ信号から同期信号を検出する同期検出部14、プロジェクタ30のスクリーン35と対向するプロジェクタ本体の前面の上下と左右の異なる位置に設けられ、プロジェクタ30のスクリーン35に対する傾きを検出する傾きセンサー15、この傾きセンサー15により検出された傾きに応じて傾斜角を算出すると共に、同期検出部14からの同期信号に同期して、スケーラ部13のスケーラ処理と、後述するOSD生成部18の駆動を制御する制御信号を生成する演算部16、スケーラ部13によりスケーラ処理されたビデオ信号に基づいて台形補正処理する台形補正部17、演算部16において生成された制御信号によりオンスクリーンディスプレイ(OSD)の表示位置を設定するOSD生成部18、及び台形補正部17において生成された台形補正されたビデオ信号にOSD信号を重畳させて、図示していない液晶パネルを駆動させるパネル駆動信号20を生成して出力するオンスクリーンディスプレイ重畳回路(以下、OSD−MIXと称する)19から構成されている。
【0023】
演算部16は、図2に示すように、傾きセンサー15により検出したスクリーン35に対するプロジェクタ30の傾きを公知の方法により検出し、その検出された傾きから垂直方向の傾き角度を抽出する垂直角度データ部21と水平方向の傾き角度を抽出する水平角度データ部22、垂直角度データ部21において抽出された垂直傾き角度から液晶パネルに表示される映像の垂直画角の変換補正係数を算出する垂直画角変換補正係数算出部23、水平角度データ部22において抽出された水平傾き角度から液晶パネルに表示される映像の水平画角の変換補正係数を算出する水平画角変換補正係数算出部24、垂直画角変換補正係数算出部23と水平画角変換補正係数算出部24において抽出された垂直と水平の画角の変換補正係数から補正値を生成して、スケーラ部13に出力する補正値生成部26、及び垂直角度データ部21と水平角度データ部22からの垂直と水平の傾き角度から最少補正位置を検出して、OSD生成部18へ最少補正位置情報を出力する最少補正位置検出部25から構成されている。
【0024】
このような構成の台形歪み補正装置において、傾きセンサー15は、プロジェクタ30の本体の前面の少なくとも上下と左右の異なる位置に設けられ、プロジェクタ30とスクリーン35の距離を計測し、その計測された距離から公知の演算方法により、図3に示すように、スクリーン35に対するプロジェクタ30の上下の縦方向である垂直方向の傾斜角度θvと左右の横方向である水平方向の傾斜角度θhを算出する傾き検出手段である。
【0025】
この傾きセンサー15において、算出された垂直方向の傾斜角度θvと水平方向の傾斜角度θhは、演算部16の垂直角度データ部21により垂直方向の傾斜角度データθvが抽出され、水平角度データ部22により水平方向の傾斜角データθhが抽出される。
【0026】
垂直角度データ部21において抽出された垂直方向の傾斜角度θvを基に、垂直画角変換補正係数算出部23において、前述した特許文献1に開示されている公知の台形歪み補正装置と同様に、スクリーン35に投写される台形歪み画面31に対して、逆の台形歪みを有する逆台形歪み画面を生成して液晶パネルに表示されるために、垂直方向の画角を変換補正する係数を検出する。つまり、図3に示す、スクリーン35に投写表示された台形歪み画面31の垂直方向である縦画角Hnを台形歪み補正後の歪み補正画面32の縦画角Hcとなるようにスケーラ処理を行うための画角変換補正係数を算出する。
【0027】
水平角度データ部22において抽出された水平方向の傾斜角度θhを基に、水平画角変換補正係数算出部24において、スクリーン35に拡大投写される台形歪み画面31に対して、逆の台形歪みを有する逆台形歪み画面を生成して液晶パネルに表示されるために、水平方向の画角を変換補正する係数を検出する。つまり、図3に示す、スクリーン35に投写表示された台形歪み画面31の水平方向である横画角Wnを台形歪み補正後の歪み補正画面32の横画角Wcとなるようにスケーラ処理を行うための画角変換補正係数を算出する。
【0028】
この垂直と水平の画角変換補正係数部23,24により算出された画角変換補正係数から補正部生成部26において、スケーラ部13におけるデジタルビデオ信号のスケーラ処理を行うための垂直と水平の補正値を生成する。この補正部生成部26において生成された垂直と水平の補正値は、同期検出部14において検出された同期信号に応じて、スケーラ部13に供給されて、スケーラ部13において、前述した特許文献1に開示されている公知の方法によりA/D変換部12からのデジタルビデオ信号の水平方向の各ライン毎のスケーラ処理による画角変換が行われる。
【0029】
すなわち、演算部16は、傾きセンサー15により検出された傾きに応じて、プロジェクタ30の本単位の傾きに起因するスクリーン35投写画面の台形歪みを補正するために、スケーラ部13にて画角変換する補正値を演算する補正値演算処理手段である。
【0030】
また、スケーラ部13は、入力映像信号であるアナログビデオ信号11がA/D変換部12にてデジタルビデオ信号に変換され、そのデジタルビデオ信号に基づく映像を液晶パネルに表示させるための処理と、そのビデオ信号を演算部16からの画角変換の補正値によりスケーラ処理により画角変換を行うスケーラ処理手段である。
【0031】
このスケーラ部13においてスケーラ処理されて画角変換されたビデオ信号は、台形補正部17において、スクリーン35に投写表示される台形歪み画面31と逆の台形歪みの画面を液晶パネルに表示させるパネル駆動信号20を生成して出力する。このパネル駆動信号20により駆動されて液晶パネルに表示された逆台形歪み画面を光学レンズを介してスクリーン35に投写すると歪み補正画面32として表示される。
【0032】
つまり、台形歪み補正部17は、スケーラ部13にて画角変換されたデジタルビデオ信号により台形歪み補正画面を液晶パネルに表示させる台形歪みビデオ信号を生成する台形歪み補正手段である。
【0033】
一方、演算部16の最少補正位置検出部25は、垂直角度データ部21と水平角度データ部22からの垂直方向の傾斜角度θvと水平方向の傾斜角度θhとから垂直方向、あるいは水平方向で最もスケーラ処理による歪み補正の小さい位置を検出する。つまり、図3に示すように、台形歪み画面31の縦方向Hnに対して、歪み補正画面32を生成させるための縦方向の画角変換の補正は、画面の上側が大きく、下側が小さくなる。また、台形歪み画面31の横方向Wnに対して、プロジェクタ30のスクリーン35に対する横方向の傾き方向によるが、プロジェクタ30がスクリーン35に対して左に傾いていると、図3に示すように、歪み補正画面32を生成するための横方向の画角変換の補正は、画面の左側が大きく、右側が小さくなり、プロジェクタ30がスクリーン35に対して右に傾いていると、図3に示されているとは逆に、画面の右側が大きく、左側が小さくなる。
【0034】
この最少補正位置検出部25において検出した液晶パネルに表示され、かつ、光学レンズによりスクリーン35に投写表示される歪み補正画面32内において、台形歪み画面31からの画角変換の補正の最も小さい位置データを基に、OSD生成部18において、歪み補正画面32の画角変換の補正値の最少位置にOSD33を表示させるように歪み補正画面32のビデオ信号にOSD信号を重畳させるようにOSD信号を生成して、OSD−MIX19に出力する。OSD−MIX19は、台形補正部17からの逆台形歪み画面信号にOSD生成部18からのOSD信号を重畳したパネル駆動信号20を生成して液晶パネルに供給する。
【0035】
例えば、プロジェクタ30がスクリーンに35に対して、垂直方向の傾いている場合は、台形歪み画像31の縦方向Hnに対して、歪み補正画面32の縦方向Hcの最少補正位置である図4(a)に示すように、歪み補正画面32の左下にOSD33を表示させる。また、プロジェクタ30がスクリーンに35に対して、水平の左方向に傾いている場合は、台形歪み画像31の縦方向Hnに対して、歪み補正画面32の縦方向Hcの最少補正位置と、台形歪み画面31の横方向Wnに対して、歪み補正画面32の横方向のWcの最少補正位置である図4(b)に示すように、歪み補正画面32aの右下の位置にOSD33aを表示させる。
【0036】
つまり、OSD−MIX19は、台形歪み補正部17にて歪み補正のために画角変換された歪み補正画面32,32aの最少補正位置に、の最少画素単位に設定されるOSD33,33aを表示させるように、台形歪み補正ビデオ信号にOSD信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段である。
【0037】
このように、スクリーン35に対するプロジェクタ30の傾き角度に応じたスケーラ処理による画角変換を行い台形歪み補正された投写画面の最も画角変換の少い位置にOSDを表示させることにより、台形歪み補正された投写画面に最少画素単位に設定されるOSDの情報を欠落させることなく表示させることができる。
【実施例2】
【0038】
次に、本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置について、図5乃至図7を用いて説明する。図5は本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図、及び図6と図7は本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図である。なお、図1乃至図4と同じ部分は、同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0039】
この第2の実施形態の投写型プロジェクタの台形歪み補正装置と、前述した第1の実施形態との相違は、図5に示すように、スケーラ部13と台形補正部17aの間にOSD−MIX19を配置し、スケーラ部13によりスケーラ処理されたビデオ信号にOSD−MIX19aにおいてOSD信号を重畳させた後に、台形歪み補正部17aにおいて、台形補正映像信号を生成するように構成されている。
【0040】
つまり、前述した第1の実施形態と同様に、同期検出部14により検出した同期信号に同期して、傾きセンサー15により検出された傾きデータから演算部16において、垂直と水平の画角変換補正係数算出による補正値の生成と、最少補正位置の検出を行い、この演算部16において算出された補正値によりスケーラ部13において、入力されたデジタルビデオ信号のスケーラ処理を行い、かつ、演算部16において検出された最少補正位置データを基に、OSD生成部18において生成されたOSD信号をOSD−MIX19aにおいて、スケーラ部13からのスケーラ処理されたビデオ信号に重畳させる。
【0041】
つまり、図6及び図7に示すように、スケーラ部13において、スケーラ処理され、そのスケーラ処理された台形歪み補正前のビデオ信号の最少補正位置にOSD33c,33dを表示させるように、OSD信号を重畳させる。
【0042】
このOSD−MIX19aにおいて、スケーラ処理されたビデオ信号にOSD信号を重畳した後に、台形補正部17aにおいて、OSD信号が重畳されたスケーラ処理されたビデオ信号を基に台形補正用のビデオ信号に生成して、液晶パネルのパネル駆動信号20へと出力し、液晶パネルに台形歪み画面と逆の台形歪み画面を表示させて、スクリーン35に投写させることにより、スクリーン35に歪み補正画面32,32aを表示させる。
【0043】
このスクリーン35に表示される歪み補正画面32,32aに重畳表示されるOSD33c,33dは、台形補正部17aにおいてOSD信号が重畳されたスケーラ処理済みビデオ信号を基に台形補正用の逆台形画面を表示させる台形補正ビデオ信号が生成されるために、OSD33c,33dの一部が画角変換により欠落するが、その欠落部分を最小化することができる。
【0044】
このように、プロジェクタ30の傾きに応じて、OSDの表示位置を画角変換の最少位置に設定し、そのOSD表示位置に設定されたビデオ信号を台形補正のための画角変換を行うことにより、OSDの欠落を最小化することかできる。
【0045】
前述した本発明の実施形態において、入力映像信号に応じて映像を表示する画像表示パネルに液晶パネルを用いて説明したが、この液晶パネルに変えて、DMDを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置に用いる演算部の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の作用を説明する説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図。
【図5】本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図。
【図7】本発明の第2の実施形態である投写型プロジェクタの台形歪み補正装置による歪み補正画面を説明する説明図。
【図8】従来の投写型プロジェクタとスクリーンの垂直方向の関係を説明する説明図。
【図9】従来の投写型プロジェクタとスクリーンの水平方向の関係を説明する説明図。
【図10】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写を説明する説明図。
【図11】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写によるスクリーンに表示される台形歪み画面を説明する説明図。
【図12】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写の課題を説明する説明図。
【図13】従来の投写型プロジェクタのスクリーンへのあおり投写の課題を説明する説明図。
【符号の説明】
【0047】
11 アナログビデオ信号、12 アナログ/デジタル変換部(A/D変換部)、13 スケーラ部、14 同期検出部、15 傾きセンサー、16 演算部、17 台形歪み補正部、18 オンスクリーンディスプレイ生成部(OSD生成部)、19 オンスクリーンディスプレイ重畳部(OSD−MIX)、20 パネル駆動信号、21 垂直角度データ部、22 水平角度データ部、23 垂直画角変換補正係数算出部、24 水平画角変換補正係数算出部、25 最少補正位置検出部、30 投写型プロジェクタ(プロジェクタ)、31 台形歪み画面、32 歪み補正画面、35 スクリーン。
代理人 弁理士 伊藤 進
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示させた映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、
前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、
前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、
前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、
この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段で画角変換された映像信号により台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、
この台形歪み補正手段により生成された台形歪み補正映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と、
を具備することを特徴とした投写型プロジェクタの台形歪み補正装置。
【請求項2】
入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示された映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、
前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、
前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、
前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、
この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段において画角変換された映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と
このオンスクリーン表示重畳手段によりオンスクリーン表示信号が重畳された前記スケーラ手段からの画角変換された映像信号を基に、台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、
を具備することを特徴とした投写型プロジェクタの台形歪み補正装置。
【請求項1】
入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示させた映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、
前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、
前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、
前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、
この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段で画角変換された映像信号により台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、
この台形歪み補正手段により生成された台形歪み補正映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と、
を具備することを特徴とした投写型プロジェクタの台形歪み補正装置。
【請求項2】
入力映像信号に基づいて画像表示パネルに表示された映像に光源からの照射光を投射し、その投射映像光を光学系手段を介してスクリーンに投写する投写型プロジェクタにおいて、
前記投写型プロジェクタの本体前面に設けられ、前記スクリーンに対する前記投写型プロジェクタ本体の傾きを検出する傾き検出手段と、
前記入力映像信号に基づく映像を前記画像表示パネルに表示させるための処理を行うと共に、前記入力映像信号に基づく映像の画角変換を行うスケーラ処理手段と、
前記傾き検出手段により検出された傾きに応じて、前記投写型プロジェクタ本体の傾きに起因するスクリーンへの投写画面の台形歪みを補正するために前記スケーラ処理手段による画角変換のための補正値を演算する補正値演算手段と、
この補正値演算手段により演算された画角変換のための補正値の基で、前記スケーラ処理手段において画角変換された映像信号に、前記補正値演算手段にて演算された画角変換のための補正値の最も少ない画面上の位置にオンスクリーン表示を行わせるようにオンスクリーン信号を重畳させるオンスクリーン表示重畳手段と
このオンスクリーン表示重畳手段によりオンスクリーン表示信号が重畳された前記スケーラ手段からの画角変換された映像信号を基に、台形歪み補正画面を前記画像表示パネルに表示させる台形歪み補正映像信号を生成する台形歪み補正手段と、
を具備することを特徴とした投写型プロジェクタの台形歪み補正装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−14233(P2006−14233A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192077(P2004−192077)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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