説明

投資ツールのウィンドウ制御装置

【課題】銘柄及びその投資情報を個別表示するウィンドウの視認性を向上させることができるとともに、ウィンドウ表示に関する手間の煩わしさを解消することができる投資ツールのウィンドウ制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の投資ツールのウィンドウ制御装置1においては、任意の1個又は2個以上の銘柄リスト関連ウィンドウA及び1個又は2個以上の投資情報ウィンドウBが第1のウィンドウ形成部3及び第2のウィンドウ形成部5により同時表示可能な状態で形成されるとともに、ウィンドウ自動変更部6がそれらを自動的に関連付けることにより、銘柄リスト関連ウィンドウAにおいて選択された銘柄が変更された場合にそれに対応する投資情報ウィンドウBの投資情報を自動的に変更するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投資ツールのウィンドウ制御装置に係り、特に、株価ボードなどの銘柄リスト関連ウィンドウと歩み値などの投資情報ウィンドウとをリアルタイムに同時確認したい場合に好適に利用することができる投資ツールのウィンドウ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
株式投資においては現状を瞬時に判断しなければ大きな損失を被ることもある。そのため、投資ツールにおいては、銘柄及びその投資情報を表示するウィンドウに対して瞬時に理解し得る視認性が強く要求される。その結果、一般ソフトにおいてウィンドウ表示の視認性がユーザにとってそれ程大きな問題とならないとしても、投資ツールにおいてはツールの操作性を決める重要な要素となることが少なくない。したがって、投資ツールにおいては、ウィンドウの大きさ、配置、他のウィンドウとの位置関係その他のウィンドウ表示に関する事項を細かく設定し得ることがその投資ツールを特徴付ける重要な機能の1つになり得る。
【0003】
従来の投資ツールは、例えば、株価ボード、ランキング、企業イベント、重要事実情報、注目銘柄、決算発表銘柄などに関するデータを銘柄リストに関するウィンドウ(以下、「銘柄リスト関連ウィンドウ」という。)で表示するように形成されていた。また、従来の投資ツールは、上記の株価ボード等から選択された1個又は2個以上の銘柄に関して板や歩み値などの所望する投資情報を投資情報に関するウィンドウ(以下、「投資情報ウィンドウ」という。)で表示するように形成されていた。これらのウィンドウによる表示は従来の投資ツールにおいて中央処理装置やキャッシュメモリなどで構成されたウィンドウ制御装置により行われていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の投資ツールのウィンドウ制御装置においては、その多くが、銘柄リスト関連ウィンドウ若しくはその一覧から投資情報ウィンドウ若しくはその一覧への択一的な切り替えのみしか対応していなかったという問題があった。これでは、銘柄リスト関連ウィンドウ及び投資情報ウィンドウの内容を同時に確認することができず、投資ツールにおけるウィンドウ表示の視認性が良いとはいえない。
【0005】
また、従来の投資ツールのウィンドウ制御装置においては、銘柄リスト関連ウィンドウ及び投資情報ウィンドウがそれぞれ別ウィンドウで同時に表示されたとしても、銘柄リスト関連ウィンドウにおいて選択された銘柄を他の銘柄に変更した際、変更後の銘柄の投資情報を確認したければその変更後の銘柄に基づく投資情報ウィンドウを別個に表示させなければならないという問題があった。これでは、銘柄変更の数に比例して投資情報ウィンドウの数が増加する傾向にあるため、投資情報ウィンドウを表示する手間が煩わしいばかりでなく、投資情報ウィンドウがどの銘柄に対応しているのか瞬時に判断することが難しく、投資ツールにおけるウィンドウ表示の視認性が悪化する可能性が高くなる。そして、それら複数の投資情報ウィンドウが重なって表示される場合、重なった複数の投資情報ウィンドウ下層の投資情報ウィンドウの重なった部分は、その投資情報ウィンドウを上層に移動させるか、見える位置まで移動しなければならない。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、銘柄及びその投資情報を個別表示するウィンドウの視認性を向上させることができるとともに、ウィンドウ表示に関する手間の煩わしさを解消することができる投資ツールのウィンドウ制御装置を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様に係る投資ツールのウィンドウ制御装置は、コンピュータネットワークを介してサーバに記憶された銘柄別属性データを取得するデータ取得部と、前記銘柄別属性データに基づいて複数の銘柄の一覧を表示する銘柄リスト関連データを表示する銘柄リスト関連ウィンドウを形成する第1のウィンドウ形成部と、前記銘柄リスト関連ウィンドウにおける銘柄リストに含まれる銘柄を選択するために用いられる入力部と、前記銘柄別属性データに含まれており、かつ、前記入力部を用いて選択された選択銘柄に対応する各種の投資情報データを前記投資情報データの種類ごとに個別に表示する投資情報ウィンドウを形成する第2のウィンドウ形成部と、前記銘柄リスト関連ウィンドウ及び前記投資情報ウィンドウを互いに関連付けることにより、前記銘柄リスト関連ウィンドウにおいて前記選択銘柄が変更された場合、前記銘柄の変更に応じて前記投資情報ウィンドウの投資情報を自動的に変更するウィンドウ自動変更部と、を備える。
【0008】
この投資ツールのウィンドウ制御装置によれば、銘柄リスト関連ウィンドウ及び投資情報ウィンドウの個別表示が可能なので、銘柄リスト関連ウィンドウ及び投資情報ウィンドウを同時に表示させることができる。また、個別表示が可能な銘柄リスト関連ウィンドウ及び投資情報ウィンドウがそれぞれ関連付けられており、銘柄リスト関連ウィンドウにおける銘柄の変更に応じて投資情報ウィンドウの投資情報が自動的に変更されるので、銘柄変更に応じて投資情報ウィンドウを新たに表示させる手間を省くことができる。
【0009】
好適な実施態様では、前記第2のウィンドウ形成部は、前記入力部により前記銘柄リスト関連ウィンドウに係る銘柄リストのなかから複数の銘柄が選択され、かつ、同種の前記投資情報データに基づいて複数の投資情報ウィンドウを連結させる旨の指示が前記入力部により入力されたときに、前記複数の選択銘柄にそれぞれ対応する複数の投資情報ウィンドウを連結させた連結ウィンドウを形成するようにしてもよい。
【0010】
これにより、複数の銘柄の選択により生じた複数の投資情報ウィンドウが無秩序に配置されたり、それらが重なって表示されたりしてしまうことを防止することができる。
【0011】
好適な実施形態では、前記第2のウィンドウ形成部は、前記入力部により同一の銘柄に係る前記投資情報データに基づいて複数種類の投資情報ウィンドウを連結させる旨の指示が入力されたときに、前記選択銘柄において、前記複数種類の投資ウィンドウを連結させた連結ウィンドウを形成するようにしてもよい。
【0012】
これにより、同一銘柄を基準に複数の投資情報ウィンドウが連結させているので、選択された銘柄の株価や値上げ率等を分析する際、複数の投資情報に基づいて客観的に分析を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の投資ツールのウィンドウ制御装置によれば、銘柄リスト情報ウィンドウ及び投資情報ウィンドウの同時表示や銘柄変更に基づく投資情報ウィンドウの自動変更などの種々の作用を生じるので、銘柄及びその投資情報を個別表示する各ウィンドウの視認性を向上させることができるとともに、ウィンドウ表示に関する手間の煩わしさを解消することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置を示す機能ブロック図
【図2】本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御の一例を示す表示画面のイメージ図
【図3】本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御の一例を示す表示画面のイメージ図
【図4】本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御の一例を示す表示画面のイメージ図
【図5】本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御における自動変更の一例を示す表示画面のイメージ図
【図6】本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置における制御フローを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の投資ツールのウィンドウ制御装置をその一実施形態により説明する。
【0016】
投資ツールのウィンドウ制御装置1は、図1に示すように、データ取得部2、第1のウィンドウ形成部3、入力部4、第2のウィンドウ形成部5及びウィンドウ自動変更部6並びに表示画面を形成する画面表示部7の各構成要素を備えている。これらの各構成要素は、コンピュータ・システムに用いられる中央処理装置、メインメモリやストレージなどの記憶装置、キャッシュメモリ、入出力装置、画像表示装置などの一般的構成部材に基づいて形成される。そして、記憶装置に記憶された各種のコンピュータ・プログラムが入出力装置からの入力その他の条件に応じて中央処理装置により適切に実行されることにより、投資ツールのウィンドウ制御装置1の各構成要素及びそれらの機能が実現される。
【0017】
データ取得部2は、コンピュータネットワーク20を介してサーバ10に記憶された各種データベースから銘柄別属性データを取得するように形成されている。データ取得部2においては、高速化のため、キャッシュ構造を構成することが好ましい。つまり、第1のウィンドウ形成部3などの他の構成要素から要求された一部の銘柄別属性データがデータ取得部2に記憶されているとき、データ取得部2はサーバ10にアクセスせずにそのままその記憶された一部の銘柄別属性データを対象の構成要素に転送し、それがデータ取得部2に記憶されていないときや古い情報であるときのみ、データ取得部2はサーバ10にアクセスし、サーバ10から取得した一部の銘柄別属性データを対象の構成要素に転送するように形成されていることが好ましい。
【0018】
第1のウィンドウ形成部3は、図2に示すように、表示画面上において、1個又は2個以上の銘柄リスト関連ウィンドウAを形成するように形成されている。銘柄リスト関連ウィンドウAとは、銘柄別属性データに含まれる株価ボード、ランキング、企業イベント、重要事実情報、注目銘柄、決算発表銘柄その他の銘柄リストに関するデータを示す銘柄リスト関連データを表示するウィンドウである。なお、ウィンドウとは、表示画面においてアプリケーションに与えられる領域のことであり、マルチタスク・システムにおいてはそれぞれのアプリケーションごとにウィンドウ単位で画面領域を割り当てられており、投資ツールの操作者の意志により切り替えることができるようになっている。
【0019】
入力部4は、例えば、キーボード、マウスあるいはタッチパネルなどの入力装置でよい。この入力部4は、任意の1個又は2個以上の銘柄リスト関連ウィンドウAにおける銘柄リストのなかから1個又は2個以上の銘柄を選択するために用いられる。また、この入力部4は、図2に示すように、例えばマウスにより銘柄「C」をクリックで選択する際、選択された銘柄「C」に対してマウスの右クリックにより取得したい各種の投資情報(例えば、板、歩み値、累積など。)の一覧を表示し、例えば「歩み値」を選択することができるといったように形成されていることが好ましい。
【0020】
第2のウィンドウ形成部5は、図2に示すように、1個又は2個以上の投資情報ウィンドウBを形成するように形成されている。投資情報ウィンドウBとは、入力部4を用いて選択された1個又は2個以上の銘柄に対応する各種の投資情報データを投資情報データの種類ごとに個別に表示するウィンドウである。また、投資情報データは、データ取得部2が取得した銘柄別属性データに含まれている。投資情報ウィンドウBの一例を図2により説明すると、操作者が、入力部4を介して、株価ボードにおいて銘柄「C」を選択し、かつ、表示させたい投資情報として投資情報のうちの「歩み値」を選択した場合、図2に示すように、「歩み値」に関する投資情報ウィンドウBが表示される。企業イベントにおいて銘柄「β」が選択された場合も同様である。
【0021】
ここで、第2のウィンドウ形成部5が形成する投資情報ウィンドウBにおいては、図2に示すように、その左上において投資情報に関する銘柄の名称210が表示され、その右上に銘柄リスト関連ウィンドウAのウィンドウ番号120とリンクしていることを示すウィンドウの番号220が表示されることが好ましい。銘柄リスト関連ウィンドウA及び投資情報ウィンドウBの各ウィンドウ番号が同じ場合、それらがウィンドウ自動変更部6により関連付けられていることを示している。
【0022】
また、第2のウィンドウ形成部5は、図3に示すように、入力部4により銘柄リスト関連ウィンドウAに係る銘柄リストのなかから2個以上の銘柄が選択され、かつ、同種の投資情報データに基づいて複数の投資情報ウィンドウBを連結させる旨の指示が入力部4により入力されたときに、複数の投資情報ウィンドウBを連結させた連結ウィンドウCを形成することが好ましい。
【0023】
ここで、連結ウィンドウとは、複数のウィンドウ(子ウィンドウ)を互いに関連付けて、一体として表示されるウィンドウである。例えば、連結ウィンドウ内では、複数の子ウィンドウが互いに重ならないように配置され、各子ウィンドウの形状及び大きさは、連結ウィンドウ内に含まれる子ウィンドウの数に応じて自動的に定まる。連結ウィンドウが表示された後、ユーザが手動で各子ウィンドウの形状及び大きさを変更することが可能である。ユーザは、この連結ウィンドウを一つのウィンドウと同様に操作することができる。例えば、ユーザは、連結ウィンドウ単位で(つまり、複数の子ウィンドウをまとめて)、移動、最小化、最大化及びクローズをすることができ、ユーザにとっては使い勝手がよい。
【0024】
図3の例を具体的に説明すると、操作者が、入力部4を介して、銘柄リスト関連ウィンドウAである「株価ボード」から、例えば銘柄「A」、「C」、「E」及び「H」を選択し、かつ、表示させたい投資情報として投資情報のうちの「歩み値」を選択したとする。さらに、操作者が投資情報の表示モードとして、連結モードを選択したとする。この場合、第2のウィンドウ形成部5は、銘柄「A」、「C」、「E」及び「H」に関する「歩み値」の投資情報を表示し、かつ、それらを整列配置させる表示を行う。すなわち、第2のウィンドウ形成部5は「歩み値」に関して複数の投資情報ウィンドウBを連結させた連結ウィンドウCを形成している。複数の投資情報ウィンドウBがどの銘柄に関連しているかについては、投資情報ウィンドウBの例えば左上に表示された銘柄の名称を確認すればよい。
【0025】
さらに、第2のウィンドウ形成部5は、図4に示すように、入力部4により銘柄リスト関連ウィンドウAに係る銘柄リストのなかから1個又は2個以上の銘柄が選択され、かつ、同一の銘柄に係る投資情報データに基づいて複数の投資情報ウィンドウBを連結させる旨の指示が入力部4により入力されたときに、連結させた複数の投資情報ウィンドウBを形成することが好ましい。
【0026】
図4の例を具体的に説明すると、操作者が、入力部4を介して、銘柄リスト関連ウィンドウAである「ランキング(各市場の前日終値や当日始値からの値上がり率若しくは値下がり率、出来高急増、移動平均乖離率などの種々のランキング情報を一覧としたデータの名称)」から、例えば銘柄「E」を選択し、かつ、表示させたい投資情報として投資情報のうちの「板」、「注文」及び「歩み値」を選択したとする。さらに、上記と同様、操作者が連結モードを選択したとする。この場合、第2のウィンドウ形成部5は、銘柄「E」に関する「板」、「注文」及び「歩み値」の投資情報を表示し、かつ、それらを整列配置させる表示を行う。すなわち、第2のウィンドウ形成部5は「板」、「注文」及び「歩み値」に関して複数の投資情報ウィンドウBを連結させた連結ウィンドウDを形成している。複数の投資情報ウィンドウBがどの銘柄に関連しているかについては、投資情報ウィンドウBの例えば左上に表示された銘柄の名称を確認すればよい。
【0027】
もちろん、選択される銘柄は1個だけでなく、図3の例と同様、2個以上であってもよい。また、選択される銘柄は、図2の例と同様、同一の銘柄リスト関連ウィンドウAだけでなく、異なる銘柄リスト関連ウィンドウAであってもよい。
【0028】
ウィンドウ自動変更部6は、図5に示すように、銘柄リスト関連ウィンドウA及び投資情報ウィンドウBをそれぞれ関連付けることにより、銘柄リスト関連ウィンドウAにおいて選択された銘柄が他の銘柄に変更された場合、銘柄の変更に応じて投資情報ウィンドウBの投資情報を自動的に変更するように形成されている。例えば、図5に示すように、操作者が入力部4を介して株価ボードにおいて選択された銘柄「C」を銘柄「D」に変更した場合、ウィンドウ自動変更部6は、その変更に応じて、銘柄「C」の投資情報(例えば、歩み値)を銘柄「D」の投資情報(例えば、歩み値)に自動的に変更するように形成されている。投資情報が選択された銘柄に対応しているか否かは、投資情報ウィンドウBにおいて例えば左上に表示された銘柄の名称及び例えば右上に表示されたウィンドウ番号を確認すればよい。
【0029】
なお、任意に選択される銘柄リスト関連ウィンドウAは1個だけでなく、図2に示すように、例えば株価ボードを表示するウィンドウや企業イベントを表示するウィンドウのように2個以上でもよく、その場合、それらのウィンドウ番号が示すとおり、ウィンドウ自動変更部6によって2個以上の投資情報ウィンドウBがそれぞれ関連付けられている。もちろん、図3及び図4における銘柄リスト関連ウィンドウAについても同様である。
【0030】
ここで、ウィンドウ自動変更部6は、図5左の時間軸が示すように、銘柄リスト関連ウィンドウAにおける銘柄の変更時から一定時間の経過後に投資情報ウィンドウBに表示される投資情報を変更することが好ましい。これは、入力部4の1つとして入力装置であるキーボードが用いられている場合に好適である。
【0031】
例えば、図5に示すように、操作者が入力部4であるキーボードを介して株価ボードにおいて選択された銘柄「C」を銘柄「D」に変更する場合、銘柄「C」から銘柄「D」への変更であれば、矢印キーを1回押せばすむ。しかし、操作者が矢印キーのみを用いて銘柄「A」から銘柄「Z」に変更する場合、矢印キーを押し続けることになり、選択されている銘柄が切り替わるたびに投資情報ウィンドウBの内容が瞬時に自動変更すると、本実施形態の投資ツールをインストールしたコンピュータに大きな負荷がかかる。そこで、矢印キーが押され続けているときのように選択銘柄が連続して切り替わるときは、連続した選択銘柄の切り替えが判明すると、その後銘柄の変更をせずに、矢印キーが離されたときなどに、その時点の選択銘柄に銘柄変更をするようにしてもよい。
【0032】
次に、図6を用いて、本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1における制御フローを説明する。
【0033】
本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1における制御が開始されると(SS)、第1のウィンドウ形成部3はキャッシュメモリなどに保存された銘柄別属性データのなかに所望の銘柄リスト関連データが記憶されているか否かを確認する(S1)。キャッシュメモリなどに所望の銘柄リスト関連データが記憶されている場合(キャッシュヒット)、第1のウィンドウ形成部3は銘柄リスト関連ウィンドウAを形成し(S2)、画面表示部7はその銘柄リスト関連ウィンドウAを表示する。キャッシュメモリなどに所望の銘柄リスト関連データが記憶されていない場合(キャッシュミスヒット)、データ取得部2がサーバ10にアクセスした上で(S3)、上記と同様、銘柄リスト関連ウィンドウAの形成及び表示がなされる(S2)。
【0034】
次に、操作者が入力部4を用いて銘柄リスト関連ウィンドウAから所望の銘柄を選択し、所望の投資情報に関する投資情報ウィンドウBの形成を要求すると(S4)、第2のウィンドウ形成部5はキャッシュメモリなどに保存された銘柄別属性データのなかに所望の投資情報データが記憶されているか否かを確認する(S5)。キャッシュメモリなどに所望の投資情報データが記憶されている場合(キャッシュヒット)、第2のウィンドウ形成部5は、操作者から連結モードの要求があったか否かを判断した上で(S6)、単独の投資情報ウィンドウBの形成(S8)又は連結された投資情報ウィンドウBの形成を行い(S9)、画面表示部7はその投資情報ウィンドウBを表示する。キャッシュメモリなどに所望の投資情報データが記憶されていない場合(キャッシュミスヒット)、データ取得部2がサーバ10にアクセスした上で(S7)、上記と同様、連結モードの要求の要求確認(S6)並びに投資情報ウィンドウBの形成及び表示(S8、S9)がなされる。
【0035】
ウィンドウ自動変更部6は、投資情報ウィンドウBの形成(S8、S9)と同時に、対応する銘柄リスト関連ウィンドウA及び投資情報ウィンドウBを自動的に関連付ける(S10)。関連付けられた投資情報ウィンドウBに表示される投資情報は、対応する銘柄リスト関連ウィンドウAにおいて選択された銘柄が変更されると、それの変更に応じた内容に自動的に変更される。
【0036】
本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1における制御は、以上の制御フローを経て終了する(SF)。
【0037】
本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1においては、図2に示すように、任意の1個又は2個以上の銘柄リスト関連ウィンドウA及び1個又は2個以上の投資情報ウィンドウBが第1のウィンドウ形成部3及び第2のウィンドウ形成部5により同時表示可能な状態で形成されるとともに、ウィンドウ自動変更部6がそれらを自動的に関連付けることにより、図5に示すように、銘柄リスト関連ウィンドウAにおいて選択された銘柄が変更された場合にそれに対応する投資情報ウィンドウBの投資情報を自動的に変更するように形成されている。そのため、銘柄リスト関連ウィンドウA及び投資情報ウィンドウBを同時に表示させることができるとともに、銘柄リスト関連ウィンドウAにおける銘柄の変更に応じて投資情報ウィンドウBを新たに表示させる手間を省くことができる。その結果、投資ツールの操作者は、株価ボードにおける監視銘柄又はランキングにおける値動きの良い銘柄とそれらに関する各種の投資情報とを常時表示し、各種の投資情報から今後の動向を客観的に分析することにより、いち早く取引注文を行うことができる。
【0038】
また、本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1においては、図3に示すように、第2のウィンドウ形成部5が、所定の条件の充足下において、連結させた複数の投資情報ウィンドウBを形成することが好ましい。これにより、2個以上の銘柄の選択により生じた複数の投資情報ウィンドウBが無秩序に配置されたり、それらが重なって表示されたりしてしまうことを防止することができる。
【0039】
また、本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1は、図4に示すように、所定の条件の充足下において、連結させた複数の投資情報ウィンドウBを形成することが好ましい。これにより、同一銘柄を基準に複数の投資情報ウィンドウBが連結させているので、選択された銘柄の株価や値上げ率等を分析する際、複数の投資情報に基づいて客観的に分析を行うことができる。
【0040】
また、本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1は、図5に示すように、ウィンドウ自動変更部6が、自動変更時間の経過後に投資情報ウィンドウBに表示される投資情報を変更することが好ましい。これにより、入力部4の矢印キーなどの所定のキーを用いて銘柄を変更する場合、データ取得部2の負担を軽くするため、所望の銘柄以外の銘柄について銘柄変更の選択時に投資情報ウィンドウBに表示される投資情報を変更させないといった入力操作を行うことができる。
【0041】
すなわち、本実施形態の投資ツールのウィンドウ制御装置1によれば、銘柄リスト情報ウィンドウ及び投資情報ウィンドウBの同時表示や銘柄変更に基づく投資情報ウィンドウBの自動変更などの種々の作用を生じるので、銘柄及びその投資情報を個別表示する各ウィンドウの視認性を向上させることができるとともに、ウィンドウ表示に関する手間の煩わしさを解消することができるという効果を奏する。
【0042】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 投資ツールのウィンドウ制御装置
2 データ取得部
3 第1のウィンドウ形成部
4 入力部
5 第2のウィンドウ形成部
6 ウィンドウ自動変更部
7 画面表示部
10 サーバ
20 コンピュータネットワーク
A 銘柄リスト情報ウィンドウ
B 投資情報ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータネットワークを介してサーバに記憶された銘柄別属性データを取得するデータ取得部と、
前記銘柄別属性データに基づいて複数の銘柄の一覧を表示する銘柄リスト関連データを表示する銘柄リスト関連ウィンドウを形成する第1のウィンドウ形成部と、
前記銘柄リスト関連ウィンドウにおける銘柄リストに含まれる銘柄を選択するために用いられる入力部と、
前記銘柄別属性データに含まれており、かつ、前記入力部を用いて選択された選択銘柄に対応する各種の投資情報データを前記投資情報データの種類ごとに個別に表示する投資情報ウィンドウを形成する第2のウィンドウ形成部と、
前記銘柄リスト関連ウィンドウ及び前記投資情報ウィンドウを互いに関連付けることにより、前記銘柄リスト関連ウィンドウにおいて前記選択銘柄が変更された場合、前記銘柄の変更に応じて前記投資情報ウィンドウの投資情報を自動的に変更するウィンドウ自動変更部と、を備えた投資ツールのウィンドウ制御装置。
【請求項2】
前記第2のウィンドウ形成部は、前記入力部により前記銘柄リスト関連ウィンドウに係る銘柄リストのなかから複数の銘柄が選択され、かつ、同種の前記投資情報データに基づいて複数の投資情報ウィンドウを連結させる旨の指示が前記入力部により入力されたときに、前記複数の選択銘柄にそれぞれ対応する複数の投資情報ウィンドウを連結させた連結ウィンドウを形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の投資ツールのウィンドウ制御装置。
【請求項3】
前記第2のウィンドウ形成部は、前記入力部により同一の銘柄に係る前記投資情報データに基づいて複数種類の投資情報ウィンドウを連結させる旨の指示が入力されたときに、前記選択銘柄において、前記複数種類の投資ウィンドウを連結させた連結ウィンドウを形成する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投資ツールのウィンドウ制御装置。
【請求項4】
投資ツールのためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータネットワークを介してサーバに記憶された銘柄別属性データを取得するステップと、
前記銘柄別属性データに基づいて複数の銘柄の一覧を表示する銘柄リスト関連データを表示する銘柄リスト関連ウィンドウを形成するステップと、
前記銘柄リスト関連ウィンドウにおける銘柄リストに含まれる銘柄の選択を受け付けるステップと、
前記銘柄別属性データに含まれており、かつ、前記選択された選択銘柄に対応する各種の投資情報データを前記投資情報データの種類ごとに個別に表示する投資情報ウィンドウを形成するステップと、
前記銘柄リスト関連ウィンドウ及び前記投資情報ウィンドウを互いに関連付けることにより、前記銘柄リスト関連ウィンドウにおいて前記選択銘柄が変更された場合、前記銘柄の変更に応じて前記投資情報ウィンドウの投資情報を自動的に変更するステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−209888(P2011−209888A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75523(P2010−75523)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】