説明

抗ウイルス性複素環化合物

本発明は、CCR5受容体の調節が関係する疾患を包含する、種々の疾患の処置において有用な、式(I)(式中、R、R、R及びRは、本明細書中と同義である)のピペリジン誘導体に関する。本発明の誘導体により治療又は予防しうる疾患は、HIV−1及び遺伝的に関連するレトロウイルス感染症(及び結果として生じる後天性免疫不全症候群、AIDS)、関節リウマチ、固形臓器移植拒絶(移植片対宿主疾患)、喘息及びCOPDを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCR5受容体リガンド結合の調節が有益な、種々の疾患の処置に有用なピペリジン誘導体、更に具体的には、1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン化合物、該化合物を含有する組成物及びこのような誘導体の使用に関する。本化合物により治療又は予防しうる疾患は、HIV−1及び遺伝的に関連するレトロウイルス感染症(及び結果として生じる後天性免疫不全症候群、AIDS)、関節炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び移植臓器の拒絶を包含する。
【背景技術】
【0002】
本発明の化合物は、ケモカインCCR5受容体の活性を調節する。CCR5受容体は、2つの近接したシステイン残基を構造的な特徴とする、大きなケモカイン受容体ファミリーの部分集合の一員である。ヒトケモカインは、構造的に同種の50〜120個のアミノ酸の約50種の小タンパク質を包含する(M. Baggiolini et al., Ann. Rev. Immunol. 1997 15:675-705)。ケモカインは、マクロファージ、単球、好酸球、好中球、線維芽細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞、及び肥満細胞のような、多種多様な細胞により、炎症部位で放出される炎症誘発性ペプチドである(Luster, New Eng. J Med. 1998 338:436-445及びRollins, Blood 1997 90:909-928に総説)。「ケモカイン」という名称は、「走化性サイトカイン」の短縮形である。ケモカインは、種々の組織に白血球を誘引することができる(この反応は、炎症及び感染症に対して必須である)白血球走化性タンパク質のファミリーである。ケモカインは、2個のアミノ末端システイン残基が、直接隣接している(CCファミリー)か1個のアミノ酸により分離している(CXCファミリー)かに基づいて、2つのサブファミリーに分類することができる。インターロイキン−8(IL−8)、好中球活性化タンパク質−2(NAP−2)及び黒色腫増殖刺激活性タンパク質(MGSA)のような、CXCケモカインは、主として好中球及びTリンパ球に対して走化性であるが、一方、RANTES(CCL5)、MIP−1α(CCL3、マクロファージ炎症性タンパク質)、MIP−1β(CCL4)、単球走化性タンパク質(MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、及びMCP−5)及びエオタキシン(−1及び−2)のような、CCケモカインは、他の細胞型の中で、マクロファージ、Tリンパ球、好酸球、樹状細胞、及び好塩基球に対して走化性である。CCR5受容体を刺激することができる自然発生のケモカインは、MIP−1α、MIP−1β及びRANTESを包含する。
【0003】
したがって、MIP−1α、MIP−1β及びRANTESのようなケモカインのこれらの受容体への結合を阻害する薬物、例えば、ケモカイン受容体アンタゴニストは、標的細胞に及ぼすMIP−1α、MIP−1β及びRANTESのようなケモカインの作用を阻害する薬剤として有用であろう。CCR5の機能を調節する化合物の同定は、炎症症状及びCCR5受容体に関連する疾患の処置用の薬剤の開発への優れた薬物設計アプローチに相当する。
【0004】
大型分子、タンパク質及びペプチドに関連しては薬物動態上課題があるため、CCR5の低分子量アンタゴニストを同定するためのプログラムが確立された。ケモカインモジュレーターを同定するための試みは、総説されている(W. Kazmierski et al. Biorg Med. Chem. 2003 11:2663-76; L. Agrawal and G. Alkhatib, Expert Opin. Ther. Targets 2001 5(3):303-326; Chemokine CCR5 antagonists incorporating 4-aminopiperidine scaffold, Expert Opin. Ther. Patents 2003 13(9):1469-1473; M.A. Cascieri and M.S. Springer, Curr. Opin. Chem. Biol. 2000 4:420-426、及びこれらに引用されている参考文献)。
【0005】
低分子量CCR5アンタゴニスト
武田薬品工業は、可能性あるCCR5アンタゴニストとしてTAK−779(M. Shiraishi et al., J. Med. Chem. 2000 43(10):2049-2063; M. Babba et al. Proc. Nat. Acad. Sci. USA 1999 96:5698-5703)及びTAK−220(C. Tremblay et al. Antimicrob. Agents Chemother. 2005 49(8):3483-3485)を同定した。
【0006】
WO 0039125(D.R. Armour et al.)及びWO 0190106(M. Perros et al.)は、可能性ある選択的なCCR5アンタゴニストである複素環化合物を開示している。PfizerのUK-427,857(MVC)は、第III相臨床試験に進んでおり、HIV−1分離株及び実験室株に対して活性を示す(P. Dorr et al., Antimicrob. Agents Chemother. 2005 49(11):4721-4732; A. Wood and D. Armour, Prog. Med. Chem. 2005 43:239-271; C. Watson et al., Mol. Pharm. 2005 67(4):1268-1282; M.J. Macartney et al., 43rd Intersci. Conf. Antimicrob. Agents Chemother. September 14-17, 2003, Abstract H-875)。
【0007】
Scheringは、Sch-351125(SCH-C)を第I/II相臨床試験に進めており、更に強力なフォローアップ化合物のSch-417690(SCH-D)の第I相試験への前進を報告している(S.W. McCrombie et al., WO 00066559; B.M. Baroudy et al. WO 00066558; A. Palani et al., J. Med. Chem. 2001 44(21):3339-3342; J.R. Tagat et al., J. Med. Chem. 2001 44(21):3343-3346; J.A. Este, Cur. Opin. Invest. Drugs 2002 3(3):379-383; J.M. Struzki et al. Proc. Nat. Acad Sci. USA 2001 98:12718-12723)。
【0008】
Merckは、CCR5受容体に対する良好な親和性及び強力なHIV−1活性を持つ、(2S)−2−(3−クロロフェニル)−1−N−(メチル)−N−(フェニルスルホニル)アミノ]−4−[スピロ(2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−3,4’−ピペリジン−1’−イル)ブタンS−オキシド(1)及び関連誘導体、三置換ピロリジン(2)並びに置換ピペリジン(3)の製造法を開示した(P.E. Finke et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:265-270; P.E. Finke et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2469-2475; P.E. Finke et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2475-2479; J.J. Hale et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2741-22745; D. Kim et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:3099-3102; C.L. Lynch et al. Org Lett. 2003 5:2473-2475; R.S. Veazey et al. J. Exp. Med. 2003 198:1551-1562)。
【0009】
ONO-4128、E-913、AK-602は、熊本大学で開始したプログラムにおいて同定された(K. Maeda et al. J. Biol. Chem. 2001 276:35194-35200; H. Nakata et al. J. Virol. 2005 79(4):2087-2096)。
【0010】
WO 00/166525;WO 00/187839;WO 02/076948;WO 02/076948;WO 02/079156、WO 2002070749、WO 2003080574、WO 2003042178、WO 2004056773、WO 2004018425において、Astra Zenecaは、CCR5アンタゴニストである4−アミノピペリジン化合物を開示している。
【0011】
EP 1236726(H. Habashita et al.)は、サイトカイン受容体を調節する、AK602を一例とするトリアザスピロ[5.5]ウンデカン誘導体を開示している。この化合物は、本発明の範囲からはずれる(H. Nakata et al. Poster 546a, 11th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections, San Francisco, CA, February 8-11, 2004; 他の類似体もまた開示されている、例えば、K. Maeda et al., J. Biol. Chem. 2001 276(37):35194-35200を参照のこと)。
【0012】
上述の化合物は、本発明の範囲からはずれる。
【0013】
2005年8月11日公開の米国特許公報20050176703号において、S.D. Gabrielらは、CCR5受容体アンタゴニストである、1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン及び1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン誘導体を開示した。
【0014】
本発明は、式(I):
【0015】
【化1】


[式中、
は、
(a)C3−6シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1−3アルキル、オキソ、ハロゲン、C1−6アルコキシ−オキシイミノ及びC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシからなる群より独立に選択される、1〜3個の基で置換されている);
(b)C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル(ここで、該シクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1−3アルキル、オキソ、ハロゲン、C1−6アルコキシ−オキシイミノ及びC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシからなる群より独立に選択される、1〜3個の基で置換されているが、ただし、該C3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない);
(c)下記式:
【0016】
【化2】


(式中、Rは、水素又はハロゲンである)で示される基;
(d)下記式:
【0017】
【化3】


で示される基;
(e)下記式:
【0018】
【化4】


で示される基;
(f)下記式:
【0019】
【化5】


(式中、mは、0又は2である)で示される基;
(g)ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−3アルキル、フェニルC1−3アルキル(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピラジン又はピリダジンであり、そして該ヘテロアリール又は該フェニルは、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−6アルコキシ、シアノ又はニトロから独立に選択される、1〜3個の置換基で独立に置換されている);
(h)C1−6ハロアルキル;
(i)下記式:
【0020】
【化6】


で示される基;
(j)下記式:
【0021】
【化7】


で示される基;
(k)下記式:
【0022】
【化8】


で示される基;又は
(m)下記式:
【0023】
【化9】


で示される基であり;
は、C1−6アルキルであり;
は、水素又はC1−3アルキルであり;
は、(a)〜(i)及び(j):
(a) 4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル;
(b) 4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル;
(c) 2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
(d) 2,4−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル
(e) 6−シアノ−2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
(f) 2,4−ジメチル−6−オキソ−6H−ピラン−3−イル
(g) 2,4−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル;
(h) 1,2,4−トリメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル;
(i) 3,5−ジメチル−1−オキシ−1H−ピラゾール−4−イル;及び
(j) 5−シアノ−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−イル;又は
(k) 3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−イル
(l) 3,5−ジメチル−1−ヒドロキシ−ピラゾール−4−イル
からなる群より選択され;
は、C1−6アシル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルSO、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルであり、そしてnは、0〜3であり;
pは、1又は3である]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩、及びCCR5受容体結合又は活性化が介在する疾患の処置のための医薬組成物であって、式(I)の構造を有する該化合物が少なくとも1種の担体、希釈剤又は賦形剤と混合されている組成物に関する。
【0024】
本発明は更に、式(I)の化合物を、単独で又はHIV−1の複製を阻害する1種以上の化合物と併用して投与することによる、HIV−1感染症の処置方法に関する。HIV−1感染を阻害する化合物は、逆転写酵素インヒビター、プロテアーゼインヒビター、及びウイルス融合インヒビターを包含する。
【0025】
本発明は更に、式(I)の化合物を、単独で又は関節炎の軽減に有用な他の抗炎症剤と併用して利用する、関節炎の処置方法に関する。
【0026】
本発明はまた、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を包含する、肺及び気道の炎症性疾患の処置方法に関する。
【0027】
本発明は更に、式(I)の化合物を、単独で又は他の抗拒絶薬又は免疫系モジュレーターと併用して利用する、移植拒絶の処置方法に関する。
【0028】
本発明化合物を利用する併用療法は、低分子量化合物と、及び抗体との両方と達成することができる。
【0029】
「a」又は「an」実体という句は、本明細書において使用されるとき、1つ以上のその実体のことをいう;例えば、a compoundは、1つ以上の化合物又は少なくとも1つの化合物のことをいう。そのため、「a」(又は「an」)、「1つ以上(one or more)」、及び「少なくとも1つ(at least one)」という用語は、本明細書では互換的に使用することができる。
【0030】
「本明細書に上記と同義」という句は、発明の要約又は最も広い請求の範囲に提供される、各基に関して最も広い定義のことをいう。以下に提供される全ての他の実施態様において、各実施態様に存在することができ、かつ明確に定義されない置換基は、発明の要約に提供される最も広い定義を保持している。
【0031】
本明細書において使用されるとき、移行句中であろうと、請求の範囲の主部中であろうと、「含む(comprise(s))」及び「含んでいる(comprising)」という用語は、制約のない意味を有するものと解釈すべきである。即ち、これらの用語は、「少なくとも有する(having at least)」又は「少なくとも包含する(including at least)」という句と同義語として解釈すべきである。製造法の文脈において使用されるとき、「含んでいる(comprising)」という用語は、この製造法が、少なくとも列挙される工程を包含するが、更なる工程を包含してもよいことを意味する。化合物又は組成物の文脈において使用されるとき、「含んでいる」という用語は、その化合物又は組成物が、少なくとも列挙される特色又は成分を包含するが、また更なる特色又は成分を包含してもよいことを意味する。
【0032】
本明細書において使用されるとき、特に断りない限り、「又は(or)」という単語は、「及び/又は(and/or)」の「両立的な」意味において使用されるものであり、「いずれか一方(either/or)」の「排他的な」意味において使用されるものではない。
【0033】
本発明のある実施態様において、R、R、R、R、R、R、m、n及びpが、上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)、式(I)の化合物が提供される。本実施態様及び以下の実施態様(実施態様の記述には明確に限定されない)における置換基の定義は、発明の要約に定義される最も広い範囲を保持している。更には全ての実施態様は、式(I)の化合物の薬学的に許容しうる塩を包含する。
【0034】
本発明の別の実施態様において、Rが、(a)〜(g)若しくは(i)であり;Rが、(a)〜(i)若しくは(j)であり、そしてnが、1〜3である、式(I)の化合物、又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0035】
本発明の第2の実施態様において、Rが、4−アルコキシ−シクロヘキシルメチル、若しくは4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチルであり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0036】
本発明の別の実施態様において、Rが、4−アルコキシ−シクロヘキシルメチルであり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0037】
本発明の更に別の実施態様において、Rが、4−メトキシ−シクロヘキシルメチル若しくは4−エトキシ−シクロヘキシルメチルであり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0038】
本発明の第3の実施態様において、Rが、4−アルコキシ−シクロヘキシルメチル、若しくは4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチルであり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0039】
本発明の別の実施態様において、Rが、4−アルコキシ−シクロヘキシルメチルであり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0040】
本発明の第4の実施態様において、Rが、(e)、(j)、(k)若しくは(l)であり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0041】
本発明の別の実施態様において、Rが、(e)であり、mが、1であり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0042】
本発明のまた別の実施態様において、Rが、(j)、(k)若しくは(l)であり、pが、1であり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0043】
本発明の第5の実施態様において、Rが、(e)、(j)、(k)若しくは(l)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてRが、C1−6アルコキシカルボニル若しくは2,2−ジフルオロエチルである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0044】
本発明の更に別の実施態様において、Rが、(e)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてRが、C1−6アルコキシカルボニル若しくは2,2−ジフルオロエチルである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0045】
本発明のまた別の実施態様において、Rが、(j)、(k)若しくは(l)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてRが、C1−6アルコキシカルボニル若しくはC1−6フルオロアルキルである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0046】
本発明の第6の実施態様において、Rが、(e)、(j)、(k)若しくは(l)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、Rが、C1−6アルコキシカルボニル若しくは2,2−ジフルオロエチルであり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0047】
本発明の更に別の実施態様において、Rが、(e)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、Rが、C1−6アルコキシカルボニル若しくは2,2−ジフルオロエチルであり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0048】
本発明の第7の実施態様において、Rが、(c)、(d)若しくは(i)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0049】
本発明の別の実施態様において、Rが、(c)、(d)若しくは(i)であり、pが、1であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0050】
本発明の更に別の実施態様において、Rが、(c)若しくは(d)であり、pが、1であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0051】
本発明のまた別の実施態様において、Rが、(c)であり、pが、1であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0052】
本発明の別の実施態様において、Rが、(d)であり、pが、1であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0053】
本発明の第8の実施態様において、Rが、(g)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0054】
本発明の別の実施態様において、Rが、ピリジニル、ピリミジニル若しくはピリミジニルメチルであり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩が提供される。
【0055】
本発明の更に別の実施態様において、Rは、(h)であり、Rは、メチルであり、Rは、(a)、(c)又は(e)であり、そしてC−5立体配置は、Sである。
【0056】
本発明の別の実施態様において、表Iの化合物(I-1)〜(I-10)、表IIの化合物(II-1)〜(II-13)、表IIIの化合物(III-1)〜(III-26)又は表IVの化合物(IV-1)〜(IV-14)から選択される化合物が提供される。
【0057】
本発明の更に別の実施態様において、表Iの化合物(I-1)〜(I-9)、表IIの化合物(II-1)〜(II-8)、表IIIの化合物(III-1)〜(III-12)又は表IVの化合物(IV-1)〜(IV-12)から選択される化合物が提供される。
【0058】
本発明の第10の実施態様において、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置の、これらを必要とする患者における方法であって、これらを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、R、R、R、R、R、R、m、n及びpは、本明細書中に上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0059】
本発明の第11の実施態様において、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置の、これらを必要とする患者における方法であって、これらを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、Rは、cis−若しくはtrans−4−アルコキシ−シクロヘキシルメチル又はcis−若しくはtrans−4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチルであり、Rは、メチルであり、Rは、(a)、(c)又は(e)であり、C−5立体配置は、Sであり、そしてRは、本明細書中に上記と同義である]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0060】
本発明の第12の実施態様において、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置の、これらを必要とする患者における方法であって、これらを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、Rは、(e)、(j)、(k)又は(l)であり、Rは、メチルであり、Rは、(a)、(c)又は(e)であり、Rは、C1−6アルコキシカルボニル又は2,2−ジフルオロエチルであり、nは、1であり、C−5立体配置は、Sであり、そしてRは、本明細書中に上記と同義である]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0061】
本発明の別の実施態様において、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置の、これらを必要とする患者における方法であって、これらを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、Rは、(e)であり、Rは、メチルであり、Rは、(a)、(c)又は(e)であり、Rは、メトキシカルボニルであり、nは、1であり、C−5立体配置は、Sであり、そしてRは、本明細書中に上記と同義である]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0062】
本発明の第13の実施態様において、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置の、これらを必要とする患者における方法であって、これらを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、Rは、(c)、(d)又は(i)であり、pは、1であり、Rは、メチルであり、Rは、(a)、(c)又は(e)であり、C−5立体配置は、Sであり、そしてRは、本明細書中に上記と同義である]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0063】
本発明の第14の実施態様において、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置の、これらを必要とする患者における方法であって、治療有効量の1種以上のインヒビター(HIV−1ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、HIV−1プロテアーゼインヒビター及びHIV−1ウイルス融合インヒビターからなる群より選択される)及び請求項1記載の式(I)[式中、R、R、R、R、R、R、m、n及びpは、本明細書中に上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)]の化合物を同時投与することを特徴とする方法が提供される。
【0064】
本発明の第15の実施態様において、関節リウマチの処置方法であって、これを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、R、R、R、R、R、R、m、n及びpは、本明細書中に上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0065】
本発明の第16の実施態様において、関節リウマチの処置方法であって、これを必要とする患者に、1種以上の抗炎症性又は鎮痛性化合物、及び式(I)[式中、R、R、R、R、R、R、m、n及びpは、本明細書中に上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)]の化合物を同時投与することを特徴とする方法が提供される。
【0066】
本発明の第17の実施態様において、喘息又はうっ血性閉塞性肺疾患(COPD)の処置方法であって、これを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、R、R、R、R、R、R、m、n及びpは、本明細書中に上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0067】
本発明の第18の実施態様において、固形臓器移植拒絶の処置方法であって、これを必要とする患者に、治療有効量の式(I)[式中、R、R、R、R、R、R、m、n及びpは、本明細書中に上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)]の化合物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0068】
本発明の第19の実施態様において、固形臓器移植拒絶の処置方法であって、これを必要とする患者に、1種以上の抗拒絶薬又は免疫調節剤、及び式(I)[式中、R、R、R、R、R、R、m、n及びpは、本明細書中に上記と同義である(ただし、Rは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない)]の化合物を同時投与することを特徴とする方法が提供される。
【0069】
本発明の第20の実施態様において、式(I)の化合物、及び少なくとも1種の薬学的に許容しうる担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
【0070】
HIV−1感染症の処置方法
HIV−1は、ウイルスエンベロープ糖タンパク質(Env)とCD−4抗原との高親和性相互作用を利用することにより、単球−マクロファージ系統の細胞及びヘルパーTリンパ球に感染する。CD−4抗原は、細胞侵入に必要ではあるが、十分な要求ではないことが見い出され、そして細胞に感染するには少なくとも1種の他の表面タンパク質が必要であった(E.A. Berger et al., Ann. Rev. Immunol. 1999 17:657-700)。次に2種のケモカイン受容体、CCR5又はCXCR4受容体のいずれかが、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)による細胞の感染に必要な、CD4と同調するコレセプターであることが見い出された。HIVの病理発生におけるCCR5の中心的役割は、自然発生のヌル対立遺伝子CCR5Δ32の強力な疾患修飾作用を疫学的に同定することにより推測された。Δ32突然変異は、CCR5遺伝子において32塩基対欠失を起こし、そのためΔ32と呼ばれる切断型タンパク質が生じる。一般集団と比較して、Δ32/Δ32ホモ接合体は、曝露/未感染個体において有意に多く見られ、このことは、HIVの細胞侵入におけるCCR5の役割を示唆している(R. Liu et al., Cell 1996 86(3):367-377; M. Samson et al., Nature 1996 382(6593):722-725)。HIVのgp120上のCD−4結合部位は、細胞表面でCD4分子と相互作用するものと考えられ、そしてコンフォメーション変化を受け、このため、CCR5及び/又はCXCR−4のような別の細胞表面受容体に結合できるようになる。これによってウイルスエンベロープが細胞表面に近づき、ウイルスエンベロープ上のgp41と細胞表面上の融合ドメインとの間の相互作用、細胞膜との融合、及び細胞中へのウイルスコアの侵入が可能になる。したがって、正常なケモカイン受容体を持つヒトのケモカイン受容体をブロックすることができる物質は、健常者の感染を予防し、感染患者におけるウイルスの進行を減速又は停止させるはずである。
【0071】
RANTES及びN末端を化学修飾した類似体のアミノオキシペンタンRANTESは、細胞中へのHIV侵入をブロックすることが見い出された(G. Simmons et al., Science 1997 276:276-279)。可溶性CD4タンパク質及び合成誘導体(Smith, et al., Science 1987 238:1704-1707)、硫酸デキストラン、色素のDirect Yellow 50、Evans Blue、及びある種のアゾ色素(米国特許第5,468,469号)を包含する他の化合物は、HIVの複製を阻害することが証明されている。これらの抗ウイルス剤の幾つかは、HIVの外被タンパク質であるgp120の、その標的である細胞のCD4糖タンパク質への結合をブロックすることにより作用することが証明されている。
【0072】
A-M. Vandammeら(Antiviral Chemistry & Chemotherapy, 1998 9:187-203)は、少なくとも3剤併用を包含する、ヒトにおけるHIV−1感染症の最新のHAART臨床処置を開示している。高活性抗レトロウイルス療法(HAART)は、従来から、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(NNRTI)及びプロテアーゼインヒビター(PI)による併用療法から成っていた。これらの化合物は、ウイルス複製に必要な生化学プロセスを阻害する。HAARTは、HIV感染者の予後を劇的に変えるが、現行の治療法には、高度に複雑な投与計画及び非常に重篤化しうる副作用を包含する多くの欠点が残されている(A. Carr and D.A. Cooper, Lancet 2000 356(9239):1423-1430)。更には、これらの多剤療法は、HIV−1を排出せず、長期処置により通常は多剤耐性が生じるため、長期療法でのこれらの利用は制限されている。よりよいHIV−1処置法を提供するための、NRTI、NNRTI、PI及びウイルス融合インヒビターとの併用に使用できる新しい治療法の開発は、依然として優先度が高い。
【0073】
典型的な適切なNRTIは、ジドブジン(AZT;RETROVIR(登録商標));ジダノシン(ddI;VIDEX(登録商標));ザルシタビン(ddC;HIVID(登録商標));スタブジン(d4T;ZERIT(登録商標));ラミブジン(3TC;EPIVIR(登録商標));アバカビル(ZIAGEN(登録商標));アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)[ビス(POM)−PMEA;PREVON(登録商標)];EP-0358154及びEP-0736533に開示されたヌクレオシド逆転写酵素インヒビターのロブカビル(BMS-180194);Biochem Pharmaが開発中の逆転写酵素インヒビターのBCH-10652(BCH-10618とBCH-10619とのラセミ混合物の形);Triangle Pharmaceuticalsが開発中のエムトリシタビン(emtricitabine)[(−)−FTC];Vion Pharmaceuticalsにライセンスされたβ−L−FD4(β−L−D4Cとも呼ばれ、β−L−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−シチジンと称される);EP-0656778に開示されTriangle PharmaceuticalsにライセンスされたプリンヌクレオシドのDAPD、(−)−β−D−2,6−ジアミノ−プリンジオキソラン;及びU.S. Bioscience Inc.が開発中の酸安定性プリン系逆転写酵素インヒビターのロデノシン(FddA)、9−(2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−β−D−トレオ−ペントフラノシル)アデニンを包含する。
【0074】
典型的な適切なNNRTIは、ネビラピン(BI−RG−587;VIRAMUNE(登録商標));デラビルジン(BHAP、U−90152;RESCRIPTOR(登録商標));エファビレンツ(DMP−266;SUSTIVA(登録商標));Pfizerが開発中のフロピリジン−チオ−ピリミジンのPNU−142721;AG−1549(旧名シオノギ#S−1153);WO 96/10019に開示された炭酸5−(3,5−ジクロロフェニル)−チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル;MKC−442(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン);並びに米国特許第5,489,697号に開示されたクマリン誘導体の(+)−カラノリドA(NSC−675451)及びBを包含する。
【0075】
典型的な適切なPIは、サキナビル(Ro31−8959;INVIRASE(登録商標);FORTOVASE(登録商標));リトナビル(ABT−538;NORVIR(登録商標));インジナビル(MK−639;CRIXIVAN(登録商標));ネルフィナビル(AG−1343;VIRACEPT(登録商標));アンプレナビル(141W94;AGENERASE(登録商標));ラシナビル(BMS−234475);Triangle Pharmaceuticalsが開発中の環状尿素のDMP−450;Bristol-Myers Squibbが第2世代HIV−1 PIとして開発中のアザペプチドのBMS−2322623;Abbottが開発中のABT−378;及びAgouron Pharmaceuticals, Inc.が開発中のイミダゾールカルバマートのAG−1549を包含する。
【0076】
他の抗ウイルス剤は、ヒドロキシウレア、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシドを包含する。リボヌクレオシド三リン酸レダクターゼインヒビターであるヒドロキシウレア(Droxia)は、ジダノシンの活性に対して相乗作用を有することが証明され、スタブジンと共に研究されている。IL−2(アルデスロイキン;PROLEUKIN(登録商標))は、味の素のEP-0142268、武田薬品のEP-0176299、及びChironの米国特許第RE 33,653号、4,530,787号、4,569,790号、4,604,377号、4,748,234号、4,752,585号、及び4,949,314号に開示されている。36アミノ酸合成ペプチドのペンタフシド(FUZEON(登録商標))は、標的膜へのHIV−1の融合を阻害する。ペンタフシド(3〜100mg/日)は、エファビレンツ及び2種のPIと一緒に連続皮下点滴又は注射として、3剤併用療法に不応性のHIV−1陽性患者に投与される;100mg/日の使用が好ましい。リバビリン、1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。
【0077】
HIV感染症の管理におけるCCR5モジュレーターの可能性の他に、CCR5受容体は、免疫機能の重要なレギュレーターであり、本発明の化合物は、免疫系の疾患の処置において価値あるものとなるだろう。固形臓器移植拒絶、移植片対宿主病、関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、アトピー性皮膚炎、乾癬、喘息、アレルギー又は多発性硬化症の処置(このような処置を必要とするヒトに、有効量の本発明のCCR5アンタゴニスト化合物を投与することによる)もまた見込まれる。
【0078】
関節リウマチの処置方法
CCR5受容体のモジュレーターは、種々の炎症症状の処置において有用であろう。関節リウマチは、炎症関節へのメモリーTリンパ球及び単球の浸潤を特徴とする。白血球走化性因子として、ケモカインは、炎症及び感染に対する身体反応の両方に必須のプロセスである、身体の種々の組織へのマクロファージの誘引において不可欠の役割を演じる。ケモカイン及びその受容体は、炎症及び感染性疾患の病態生理学に寄与する、白血球のトラフィッキング及び活性化を調節するため、CCR5活性を調節する(好ましくはケモカインとその受容体の相互作用に拮抗する)物質は、このような炎症性疾患の治療に有用である。
【0079】
CCケモカイン類、特にCCL2、CCL3及びCCL5のレベルの上昇は、関節リウマチの患者の関節において見い出され、単球及びT細胞の滑膜組織への動員と相関していた(I.F. Charo and R.M. Ransohoff, New Eng. J. Med. 2006 354:610-621)。関節リウマチの滑液から回収されたT細胞は、CCR5及びCXCR3を発現することが証明されている(P. Gao et al., J. Leukocyte Biol. 2003 73:273-280)。Met−RANTESは、CCR1及びCCR5受容体へのRANTESの結合をナノモル濃度の効力でブロックする、アミノ末端修飾RANTES誘導体である(A.E. Proudfoot et al., J. Biol. Chem. 1996 271:2599-2603)。ラットのアジュバント誘導関節炎における関節炎の重篤度は、Met−RANTESの投与により軽減した。更に、炎症誘発性サイトカインのTNF−α及びIL−1βのレベル(S. Shahrara et al. Arthr. & Rheum. 2005 52:1907-1919)。Met−RANTESは、当該分野で認められた炎症の齧歯類モデルである、コラーゲン誘導関節炎における炎症の進行を改善することが証明されている(C. Plater-Zyberk et al. Immunol. Lett. 1997 57:117-120)。
【0080】
TAK−779もまた、コラーゲン誘導関節炎モデルにおいて関節炎の発生率及び重篤度の両方を軽減させることが証明されている。このアンタゴニストは、関節中への炎症性CCR5T細胞の浸潤を阻害した(Y.-F. Yang et al., Eur. J. Immunol. 2002 32:2124-2132)。別のCCR5アンタゴニストのSCH−Xは、アカゲザルにおけるコラーゲン誘導関節炎の発生率及び重篤度を軽減させることが証明された(M.P.M. Vierboom et al., Arthr. & Rheum. 2005 52(20):627-636)。
【0081】
幾つかの抗−炎症症状において、本発明の化合物は、代替作用様式を有する他の抗炎症薬と併用して投与してもよい。CCR5アンタゴニストと併用しうる化合物は、特に限定されないが以下を包含する:
【0082】
関節リウマチの処置方法
CCR5受容体のモジュレーターは、種々の炎症症状の処置において有用であろう。関節リウマチは、炎症関節へのメモリーTリンパ球及び単球の浸潤を特徴とする。白血球走化性因子として、ケモカインは、炎症及び感染に対する身体反応の両方に必須のプロセスである、身体の種々の組織へのマクロファージの誘引において不可欠の役割を演じる。ケモカイン及びその受容体は、炎症及び感染性疾患の病態生理学に寄与する、白血球のトラフィッキング及び活性化を調節するため、CCR5活性を調節する(好ましくはケモカインとその受容体の相互作用に拮抗する)物質は、このような炎症性疾患の治療に有用である。
【0083】
CCケモカイン類、特にCCL2、CCL3及びCCL5のレベルの上昇は、関節リウマチの患者の関節において見い出され、単球及びT細胞の滑膜組織への動員と相関していた(I.F. Charo and R.M. Ransohoff, New Eng. J. Med. 2006 354:610-621)。関節リウマチの滑液から回収されたT細胞は、CCR5及びCXCR3を発現することが証明されている(P. Gao et al., J. Leukocyte Biol. 2003 73:273-280)。Met−RANTESは、CCR1及びCCR5受容体へのRANTESの結合をナノモル濃度の効力でブロックする、アミノ末端修飾RANTES誘導体である(A.E. Proudfoot et al., J. Biol. Chem. 1996 271:2599-2603)。ラットのアジュバント誘導関節炎における関節炎の重篤度は、Met−RANTESの投与により軽減した。更に、炎症誘発性サイトカインのTNF−α及びIL−1βのレベル(S. Shahrara et al. Arthr. & Rheum. 2005 52:1907-1919)。Met−RANTESは、当該分野で認められた炎症の齧歯類モデルである、コラーゲン誘導関節炎における炎症の進行を改善することが証明されている(C. Plater-Zyberk et al. Immunol. Lett. 1997 57:117-120)。
【0084】
TAK−779もまた、コラーゲン誘導関節炎モデルにおいて関節炎の発生率及び重篤度の両方を軽減させることが証明されている。このアンタゴニストは、関節中への炎症性CCR5T細胞の浸潤を阻害した(Y.-F. Yang et al., Eur. J. Immunol. 2002 32:2124-2132)。別のCCR5アンタゴニストのSCH−Xは、アカゲザルにおけるコラーゲン誘導関節炎の発生率及び重篤度を軽減させることが証明された(M.P.M. Vierboom et al., Arthr. & Rheum. 2005 52(20):627-636)。
【0085】
幾つかの抗−炎症症状において、本発明の化合物は、代替作用様式を有する他の抗炎症薬と併用して投与してもよい。CCR5アンタゴニストと併用しうる化合物は、特に限定されないが以下を包含する:
(a)リポキシゲナーゼアンタゴニスト又は生合成インヒビター[5−リポキシゲナーゼのインヒビター、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト(iralukast)、ポビルカスト(pobilukast)、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成インヒビター(例えば、ジレウトン、BAY−1005)など];
(b)非ステロイド系抗炎症薬又はシクロオキシゲナーゼ(COX1及び/又はCOX2)インヒビター[プロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(例えば、インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナック、ジクロフェナク、フェンクロフェナック、フェンクロジン酸(fenclozic acid)、フェンチアザク、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパック、オキシピナク(oxpinac)、スリンダク、チオピナック、トルメチン、ジドメタシン、及びゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサル及びフルフェニサール)、オキシカム類(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカム)、サリチル酸類(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)、ピラゾロン類(アパゾン、ベンズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)及びセレコキシブなど];
(c)TNFインヒビター[インフリキシマブ(REMICADE(登録商標))、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、又はアダリムマブ(HUMIRA(登録商標))など];
(d)抗炎症性ステロイド類[ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びヒドロコルチゾンなど];
(e)免疫調節剤[シクロスポリン、レフルノミド(Arava(登録商標))、アザチオプリン(Azasan(登録商標))、ペニシラミン及びレバミゾールなど];
(f)葉酸アンタゴニスト[メトトレキセートなど];
(g)金化合物[アウロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィンなど]。
【0086】
移植拒絶の処置方法
固形臓器移植後の拒絶もまた、間質領域へのCCR5受容体を発現するT細胞及びマクロファージの浸潤を特徴とする(J. Pattison et al., Lancet 1994 343:209-211)。CCR5Δ32欠失についてホモ接合性である腎移植患者は、CCR5Δ32欠失についてヘテロ接合性である患者又はホモ接合性の野生型の患者よりも顕著に生存上有利である(M. Fischerder et al., Lancet 2001 357:1758-1761)。CCR5−/−ノックアウトマウスは、心臓及び島組織の移植後、顕著な移植片生存期間の延長を示した(W. Gao et al., Transplantation 2001 72:1199-1205; R. Abdi et al., Diabetes 2002 51:2489-2495)。CCR5受容体活性化をブロックすると、心臓同種移植片生存期間が顕著に延長することが見い出された(W.W. Hancock et al., Curr. Opin. Immunol 2003 15:479-486)。
【0087】
移植拒絶又は移植片対宿主病の処置において、本発明のCCR5アンタゴニストは、他の免疫抑制剤[特に限定されないが、シクロスポリン(SANDIMMUNE(登録商標))、タクロリムス(PROGRAF(登録商標)、FK−506)、シロリムス(RAPAMUNE(登録商標)、ラパマイシン)、ミコフェノール酸モフェチル(CELLCEPT(登録商標))、メトトレキセート、抗IL−2受容体(抗CD25)抗体(ダクリズマブ(ZENAPAX(登録商標))又はバシリキシマブ(SIMULECT(登録商標))など)、抗CD3抗体のビジリズマブ(visilizumab)(NUVION(登録商標))又はムロモナブ(OKT3、ORTHOCLONE(登録商標))を包含する]と併用して投与してもよい。
【0088】
喘息及びCOPDの処置方法
CCR5受容体の拮抗作用は、Th1活性化の拮抗作用により、喘息及びCOPDの進行を阻止するための標的として示唆されている:B. Ma et al., J. Immunol. 2006 176(8):4968-4978, B. Ma et al., J. Clin. Investig. 2005 115(12):3460-3472及びJ.K.L. Walker et al., Am. J. Respir. Cell Mo. Biol. 2006 34:711-718。
【0089】
「オプションの」又は「場合により」という用語は、本明細書において使用されるとき、続いて記述される事象又は状況が、必ずしも存在する必要はないこと、及びその記述が、その事象又は状況が存在する場合と存在しない場合とを包含することを意味する。例えば、「オプションの結合」は、この結合が存在してもしなくともよいこと、及びこの記述が、単結合、二重結合、又は三重結合を包含することを意味する。
【0090】
「独立に」という用語は、ある可変基が、同じ化合物内の同じか又は異なる定義を有する可変基の存在又は非存在を問わずに、いずれか1つの場合に適用されることを示すために本明細書では使用される。よって、R”が2回出現し、かつ「独立に炭素又は窒素」として定義される化合物において、両方のR”が炭素であっても、両方のR”が窒素であっても、又は一方のR”が炭素であってもう一方が窒素であってもよい。
【0091】
「アルキル」という用語は、本明細書において使用されるとき、1〜10個の炭素原子を含有する、非分岐又は分岐鎖の飽和の一価炭化水素残基を意味する。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する、直鎖又は分岐鎖の炭化水素残基を意味する。「C1−10アルキル」は、本明細書において使用されるとき、1〜10個の炭素よりなるアルキルのことをいう。アルキル基の例は、特に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルを包含する低級アルキル基を包含する。
【0092】
「アルキレン」という用語は、本明細書において使用されるとき、特に断りない限り、1〜8個の炭素原子の二価の飽和直鎖炭化水素基、又は3〜8個の炭素原子の分岐の飽和二価炭化水素基を意味する。アルキレン基の例は、特に限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、ブチレン及び2−エチルブチレンを包含する。
【0093】
「アルコキシ」という用語は、本明細書において使用されるとき、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(これらの異性体を包含する)のような、−O−アルキル基(ここで、アルキルは上記と同義である)を意味する。「低級アルコキシ」は、本明細書において使用されるとき、前記と同義の「低級アルキル」基を持つアルコキシ基を意味する。「C1−10アルコキシ」は、本明細書において使用されるとき、−O−アルキル(ここで、アルキルは、C1−10である)のことをいう。「アルコキシアルコキシ」という用語は、本明細書において使用されるとき、1〜3個の水素が、アルコキシ基により置換されている、アルコキシ置換基のことをいう。「アルコキシ−イミノ」という用語は、本明細書において使用されるとき、=NOR(ここで、Rは、本明細書中と同義のアルキル残基であり、そして窒素は、置換炭素に結合する二重結合を形成する)のことをいう。
【0094】
「オキソ」という用語は、本明細書において使用されるとき、カルボニル(=O)基のことをいう。よって、オキソ置換基を持つシクロヘキサンは、シクロヘキサノンである。
【0095】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書において使用されるとき、3〜8個の炭素原子を含有する飽和炭素環、即ち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを意味する。「C3−7シクロアルキル」は、本明細書において使用されるとき、炭素環内の3〜7個の炭素からなるシクロアルキルのことをいう。
【0096】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書において使用されるとき、R’R”−基(ここで、R’は、本明細書中と同義のシクロアルキル基であり、そしてR”は、本明細書中と同義のアルキレン基である)のことをいう(このシクロアルキルアルキル残基の結合点は、アルキレン基上にあるという了解の下で)。シクロアルキルアルキル基の例は、特に限定されないが、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルエチルを包含する。C3−7シクロアルキル−C1−3アルキルは、R’R” 基(ここで、R’は、C3−7シクロアルキルであり、そしてR”は、本明細書中と同義のC1−3アルキレンである)のことをいう。
【0097】
「アシル」という用語は、本明細書において使用されるとき、式:−C(=O)Rの基(ここで、Rは、水素又は本明細書中と同義の低級アルキルである)を意味する。「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書において使用されるとき、式:C(=O)Rの基(ここで、Rは、本明細書中と同義のアルキルである)を意味する。「アリールカルボニル」という用語は、本明細書において使用されるとき、式:C(=O)Rの基(ここで、Rは、アリール基である)を意味し;「ベンゾイル」という用語は、本明細書において使用されるとき、Rが、フェニルである、「アリールカルボニル」基を意味する。
【0098】
「アルコキシカルボニル」及び「アリールオキシカルボニル」という用語は、本明細書において使用されるとき、式:−C(=O)ORの基(ここで、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、そしてアルキル及びアリールは、本明細書中と同義である)を意味する。
【0099】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書において使用されるとき、1個、2個、又は3個又はそれ以上の水素原子が、ハロゲンにより置換されている、上記と同義の非分岐又は分岐鎖のアルキル基を意味する。「C1−3ハロアルキル」は、本明細書において使用されるとき、1〜3個の炭素及び1〜8個のハロゲン置換基よりなる、ハロアルキルのことをいう。例には、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル又はジフルオロメチルがある。
【0100】
「C1−6フルオロアルキル」という用語は、本明細書において使用されるとき、1個、2個、3個又はそれ以上の水素原子が、フッ素により置換されている、上記と同義の非分岐又は分岐鎖のアルキル基を意味する。
【0101】
「オキセタニル」、「テトラヒドロフラニル」及び「テトラヒドロピラニル」という用語は、各々1個の酸素原子を含有する、それぞれ4員、5員及び6員の非縮合複素環のことをいう。「ピリジン」という用語は、1個の窒素原子を持つ6員芳香族複素環のことをいう。「ピリミジン」、「ピラジン」及び「ピリダジン」という用語は、それぞれ1,3、1,4及び1,2の関係で配置された2個の窒素原子を持つ、6員非縮合芳香族複素環のことをいう。
【0102】
共通に使用される略語は、以下を包含する:アセチル(Ac)、アゾビスイソブチリルニトリル(AIBN)、大気(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル又はboc無水物(BOCO)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、Chemical Abstracts Registration Number(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、水素化アルミニウムジイソブチル(DIBAL又はDIBAL−H)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(EtO)、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソプロパノール(IPA)、ヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−カルボン酸無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、室温(rt又はRT)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi(TBDMS)、トリエチルアミン(TEA又はEtN)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリフラート又はCFSO−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、N−ウレタン−N−カルボン酸無水物(UNCA)。接頭文字のnormal(n)、iso(i−)、secondary(sec−)、tertiary(tert−)及びneoを包含する従来の命名法は、アルキル残基と共に使用されるとき、これらの通常の意味を有する(J. Rigaudy and D.P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford)。
【0103】
本発明により包含され、かつ本発明の範囲に入る代表的化合物の例は、下表に提供される。これらの例及び後に続く調製法は、当業者がより明確に本発明を理解及び実施できるように提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものと考えるべきでなく、単にこれの例証及び代表と考えるべきである。
【0104】
結合の末端の記号の「」又は結合に沿って描かれる「-----」はそれぞれ、それが一部分である分子の残りの部分への、官能基又は他の化学残基の結合点のことをいう。即ち、例えば、以下のとおりである:
【0105】
【化10】


一般に、本出願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名法の生成のためのBeilstein InstituteのコンピュータシステムであるAUTONOM(商標)v.4.0に基づく。描かれている構造とその構造に与えられた名称の間に矛盾があるならば、描かれている構造を重視すべきである。更に、ある構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は点線で示されないならば、この構造又は構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものと解釈すべきである。
【0106】
【表1】



【0107】
【表2】



【0108】
【表3】





【0109】
【表4】




本発明の化合物は、以下に示され説明される例証的合成反応スキームに描かれている種々の方法により製造することができる。これらの化合物の調製に使用される出発物質及び試薬は、一般にAldrich Chemical Co.のような業者から入手できるか、又はFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, Volumes 1-21; R.C. LaRock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition Wiley-VCH, New York 1999; Comprehensive Organic Synthesis, B. Trost and I. Fleming (Eds.) vol. 1-9 Pergamon, Oxford, 1991; Comprehensive Heterocyclic Chemistry, A.R. Katritzky and C.W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1984, vol. 1-9; Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, A.R. Katritzky and C.W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1996, vol. 1-11;及びOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40のような参考文献に説明される手順により当業者には知られている方法により調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成することができる幾つかの方法の例証のためのものであり、これらの合成反応スキームには、種々の修飾を加えることができ、そして本出願に含まれる開示を参照した当業者には、このような修飾が示唆されよう。
【0110】
合成反応スキームの出発物質及び中間体は、必要に応じて、特に限定されないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを包含する従来手法を用いて単離及び精製することができる。このような物質は、物理定数及びスペクトルデータを包含する従来手段を用いて特性決定することができる。
【0111】
特に断りない限り、本明細書に記述される反応は、好ましくは不活性雰囲気下、大気圧で、約−78℃〜約150℃(より好ましくは約0℃〜約125℃)の反応温度範囲で、そして最も好ましくかつ便利には、約室温(又は周囲温度)、例えば、約20℃で行われる。
【0112】
以下のスキームにおいて幾つかの化合物は、一般化された置換基で描かれているが、当業者であれば、R基の性質は、本発明において意図される種々の化合物を与えるために変化させうることを、直ちに理解するだろう。更に、この反応条件は典型例であり、代替条件が周知である。以下の例における反応順序は、請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものではない。
【0113】
【化11】

【0114】
(A−6b)のキラル合成(スキームA)は、S.D. GabrielとD.M. Rotsteinの米国特許公開20050176703号に記載される手順と類似の手順を利用して達成した。三置換オレフィン前駆体(A−1b)は、ペンチリデン−トリフェニル−λ−ホスファンによる(A−1a)のWittigオレフィン化により調製した。(A−1b)の不斉ジヒドロキシル化は、KFe(CN)、KCO、KOsO(OH)及びヒドロキニジン1,4−ジフタラジンジイルジエーテルを含有するプレミックスよりなるAD−mix−βによって実施した。不斉ヒドロキシル化は、当該分野において周知である(例えば、H.C. Kolb et al. Chem. Rev. 1994 94:2483-2547, K.B. Sharpless et al. J. Org. Chem. 1992 57:2768-2771)。生じる不斉ジオール(A−2)は、第2級アルコールで選択的にメシル化して、エポキシド(A−3)に変換した。EtAlCNが介在するエポキシド開環によって、ヒドロキシニトリル(A−4a)が得られ、これをアミノアルコール(A−4b)に還元して、ホスゲンで環化することにより(A−5)が得られるが、これはS立体配置のC−5を含有する。
【0115】
TFA/DCMによる保護基の脱離によって、4−メチル−N−Boc−ピペリジン残基を導入して、(A-5b)を得た。Boc保護基の脱離は、酸性条件を用いて、典型的にはTFA及びDCM又はHCl及びジオキサンでの処理により達成される。N−Boc−4−オキソピペリジンとの第2級アミンのTi(O−i−Pr)介在縮合、及びEtAlCNでの中間体イミンの捕捉によって、(A−6a)を得て、次にニトリルを臭化メチルマグネシウムで置換することにより、これを(A−6b)に変換することによって、(A−6b)を得た(A. Palani et al. J. Med. Chem. 2001 44(21):3339-42)。
【0116】
本発明の化合物は、典型的にはカルバモイル窒素上に、カルバメートのN−アルキル化により導入される残基を含有する。アルキル化剤は、市販の化合物又は文献に記載される化合物から出発して、当該分野において周知の方法論により調製する。典型的には、アルコールが使用できるか、又はカルボン酸誘導体の還元により調製することができる。このような還元は、標準的な官能基変換である。次にこのアルコールは、ハロゲン化物で置換されるか、又は塩化トシル若しくは塩化メシルでスルホニル化される。代表的なアルキル化剤及びアルキル化条件は、例示のためであって限定するものではない以下の実施例に見い出すことができる。カルバメートのアルキル化は、典型的にはDMF、NMP、MeCN、アセトン、DCM及びDCEのような溶媒中で、0℃と100℃の間の温度で実施される。典型的に使用される塩基は、特に限定されないが、KCO、NaH、ヘキサメチルジシラザンリチウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウム及びヘキサメチルジシラザンカリウムを包含する。N−アルキル置換基が、不斉炭素を含有する場合には、本発明は、立体異性体とその混合物との両方を包含する。カルバモイル窒素置換基を調製するための手順は、文献に、又は以下の実施例に見い出すことができる。
【0117】
ピペリジン窒素へのアミドの導入は、活性化カルボン酸との第2級アミンの縮合により達成した。特に限定されないが、EDCI若しくはDCC(HOBtを伴うか又は伴わない)を包含する、カルボン酸活性化剤、又は特に限定されないが、TEA若しくはDIPEAを包含する塩基、DMF、THF若しくはDCMのような不活性溶媒中、0℃と60℃の間の温度で。あるいは本反応は、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HATU)又は1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)の存在下で実施してもよい(J. March, Advanced Organic Chemistry, John Wiley & Sons: New York, NY, 1992, pp.417-425; H.G. Benz, Synthesis of Amides and Related Compounds in Comprehensive Organic Synthesis, E. Winterfeldt, ed., vol. 6, Pergamon Press, Oxford 1991 pp. 381-411)。
【0118】
当業者であれば、N−アルキル化/脱保護/アシル化の順序は、本明細書に記載される方法論から逸脱することなく、脱保護/アシル化/N−アルキル化に容易に改変できることは認識するだろう。後者の順序は、スキームAの工程12〜14に例証されており、選択は操作者の便宜により決定される。
【0119】
生物学的試験
CCR5受容体に結合し、そしてCCR5機能に拮抗する、本発明の新規な化合物の能力は、当該分野において既知のアッセイ系により評価することができる。CD4/CCR5発現細胞の感染を阻害する本発明の化合物の能力は、実施例8に記載される細胞−細胞融合アッセイ、又は実施例9に記載される抗ウイルスアッセイを用いて測定することができる。
【0120】
機能アッセイは、生物学的に関連した反応を引き起こすか、又は天然リガンドにより引き起こされた反応を阻害する、化合物の能力を直接測定する(即ち、試験化合物のアゴニスト対アンタゴニスト特性を決定する)。カルシウム流出アッセイでは、CCR5を発現する細胞に、カルシウム感受性色素を取り込ませ、次に化合物又は天然CCR5リガンドを加える。アゴニスト特性を持つ化合物は、細胞中でカルシウム流出シグナルを誘導するが、一方本発明の化合物は、これら自体によるシグナル伝達を誘導しないが、天然リガンドのRANTESによるシグナル伝達をブロックすることができる化合物として同定される。
【0121】
走化性アッセイは、試験化合物又は天然誘引リガンド(即ち、RANTES、MIP−1β)のいずれかに反応して膜を通って遊走する、ヒトCCR5受容体を発現する非接着性細胞株の能力を測定する機能アッセイである。一般に、走化性アッセイは、適切な細胞(白血球(例えば、リンパ球、好酸球、好塩基球)など)の、障壁(例えば、内皮、透過性フィルター膜)中への又はこれを通って、障壁の第1の表面から誘引リガンドを含有する反対側の第2の表面へ向かう、指向性の運動又は遊走をモニターする。膜又はフィルターは、フィルターの中へ又はこれを通って、上昇レベルの誘引物質に向かう、適切な細胞の指向性の運動又は遊走をモニターするための便利な障壁を提供する。幾つかのアッセイでは、この膜は、ICAM−1、フィブロネクチン又はコラーゲンのような、接着を促進する物質で被覆される。このようなアッセイは、白血球の「ホーミング」のインビトロの近似値を提供する。アンタゴニストである化合物は、走化性を誘導できないだけでなく、既知のCCR5リガンドに反応しての細胞遊走を阻害することもできる。
【0122】
化合物に反応しての特異的な遊走をモニターするための適切な細孔径を有する、例えば、ニトロセルロース、ポリカーボネートを包含する、適切な膜が選択される。例えば、約3〜8ミクロン、そして好ましくは約5〜8ミクロンの細孔径を使用することができる。細孔径は、フィルター上で均一であっても、又は適切な細孔径の範囲内であってもよい。
【0123】
遊走及び遊走の阻害を評価するために、フィルター中への遊走の距離、フィルターの第2の表面に接着性のままであるフィルターを横断する細胞の数、及び/又は第2のチャンバーに蓄積する細胞の数を、標準手法(例えば、顕微鏡法)を用いて測定することができる。1つの実施態様において、細胞を検出可能な標識(例えば、放射性同位体、蛍光標識、抗原又はエピトープ標識)で標識し、そして遊走は、膜に対して接着性であるか、かつ/又は第2のチャンバーに存在する標識の存在を、適切な方法を用いて(例えば、放射活性の検出、蛍光、免疫アッセイにより)測定することにより、抗体の存在下及び非存在下で評価することができる。
【0124】
走化性アッセイの更に生理的に適切な変形態様では(特に、T細胞、単球又は哺乳動物CCR5を発現する細胞のための)、経内皮遊走がモニターされる。このようなアッセイは、血管壁を覆う内皮細胞層を横断して、血管から炎症部位の組織に存在する化学誘引物質に向かう、白血球遊走を模倣している。
【0125】
内皮細胞は、培養することができ、そして場合により、内皮細胞の付着を促進するために、コラーゲン、フィブロネクチン、又は他の細胞外マトリックスタンパク質のような物質で被覆されている、微孔性フィルター又は膜上にコンフルエント層を形成することができる。例えば、静脈、動脈又は微小血管内皮を包含する、種々の哺乳動物の内皮細胞は、単層形成に利用可能である。一般に、本アッセイは、膜又はフィルター中への又はこれを通っての細胞の指向性遊走を検出することにより実行される。
【0126】
遊走でき、かつ哺乳動物CCR5受容体を発現する細胞を含む組成物は、第1のチャンバーに入れることができる。第1のチャンバー中の細胞の走化性を誘導することができる1種以上の天然誘引リガンドを含む組成物は、第2のチャンバーに入れる。好ましくは細胞を第1のチャンバーに入れる少し前に、又は細胞と同時に、試験すべき化合物を含む組成物を、好ましくは第1のチャンバーに入れる。哺乳動物CCR5を発現する細胞の、受容体に結合して、天然誘引リガンドによる走化性の誘導を阻害することができる化合物は、受容体機能のインヒビターである。抗体の存在下でのリガンド又はプロモーターにより誘導される遊走の程度の減少は、阻害活性を示している。
【0127】
用量及び投与法
本発明の化合物は、多種多様な経口投与剤形及び担体中に処方することができる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、シロップ剤、又は懸濁剤の剤形にすることができる。本発明の化合物は、他の投与経路の中でも、連続(静脈点滴)、局所、非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透促進剤を包含してもよい)、バッカル、鼻内、吸入及び坐剤投与を包含する、他の投与経路により投与されるとき有効である。好ましい投与の方法は、一般に、病気の程度及び活性成分に対する患者の反応により調整することができる、便利な1日用量の用法を利用した経口投与である。
【0128】
本発明の化合物、更にはその薬学的に使用しうる塩は、1種以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位用量の形にしてもよい。この医薬組成物及び単位用量剤形は、追加の活性化合物又は成分を伴うか又は伴わない、従来の割合の従来の成分からなってよく、そして単位用量剤形は、利用すべき意図される1日用量範囲に見合う、任意の適切な有効量の活性成分を含有してよい。本医薬組成物は、経口使用には、錠剤若しくは充填カプセル剤のような固体、半固体、粉末、徐放処方として、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、若しくは充填カプセル剤のような液体として;あるいは直腸内又は膣内投与には坐剤の剤形で;あるいは非経口使用には無菌注射液の剤形で利用してもよい。典型的な調剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有するだろう。「調剤」又は「投与剤形」という用語は、活性化合物の固体及び液体処方の両方を包含するものであり、当業者であれば、活性成分が、標的臓器又は組織に応じて、そして所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて、様々な調剤中で存在できることを理解するだろう。
【0129】
「賦形剤」という用語は、本明細書において使用されるとき、医薬組成物を調製するのに有用で、一般に安全で非毒性で、生物学的にも他の意味でも不適切でない、化合物のことをいい、そしてヒトの薬学的使用だけでなく獣医学的使用にも許容しうる賦形剤を包含する。本発明の化合物は、単独で投与することができるが、一般には、意図される投与経路及び標準的な製剤慣行について選択される、1種以上の適切な製剤賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与されよう。
【0130】
活性成分の「薬学的に許容しうる塩」の形はまた、初めに非塩の形では存在しない所望の薬物動態特性を活性成分に与えてもよく、そして活性成分の薬力学に、体内でのその治療活性に関して積極的な影響さえ与えてもよい。ある化合物の「薬学的に許容しうる塩」という句は、薬学的に許容しうるものであり、かつ親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。このような塩は、以下を包含する:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸と形成されるか;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などのような有機酸と形成される、酸付加塩;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンにより置換されるか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどのような有機塩基と配位結合するときに形成される塩。当然のことながら、薬学的に許容しうる塩に対する全ての参照は、同酸付加塩の、本明細書中と同義の溶媒付加形(溶媒和物)又は結晶形(多形)を包含する。
【0131】
「薬学的に許容しうる」は、その残基が、一般に安全で非毒性で、生物学的にも他の意味でも不適切でない、医薬組成物を調製するのに有用であることを意味する。
【0132】
固形製剤は、粉剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤を包含する。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、又は封入材料としても作用することができる、1種以上の物質であってよい。粉剤において、担体は一般に、微粉化活性成分との混合物である微粉化固体である。錠剤において、活性成分は一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。適切な担体は、特に限定されないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオ脂などを包含する。固形製剤は、活性成分に加えて、着色料、香味料、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してもよい。
【0133】
液体処方もまた、経口投与に適しており、液体処方は、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を包含する。これらは、使用の直前に液体調剤に変換することが意図される固形調剤を包含する。乳剤は、溶液として、例えば、水性プロピレングリコール溶液として調製することができるか、又はレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、又はアラビアゴムのような乳化剤を含有してもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色料、香味料、安定化剤、及び増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉化活性成分を粘性物質(天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁剤など)と共に水に分散させることにより調製することができる。
【0134】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えば、ボーラス注射又は連続点滴による)用に処方することができ、アンプル、プレフィルドシリンジ、少量輸液に入れた単位用量剤形で、又は保存料を加えた頻回投与容器に入れて提供することができる。本組成物は、油性又は水性ビヒクル中の、懸濁液、溶液、又は乳濁液のような形態、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液の形態をとってよい。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)を包含し、保存剤、湿潤剤、乳化剤若しくは懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有してもよい。あるいは、本活性成分は、無菌固体の無菌単離により、又は適切なビヒクル(例えば、無菌の発熱物質不含水)での使用前の構成用の溶液からの凍結乾燥により得られる、粉末の形態であってもよい。
【0135】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤として、又は経皮パッチとして、表皮への局所投与用に処方することができる。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加えた、水性又は油性基剤により処方することができる。ローション剤は、水性又は油性基剤により処方することができ、そして一般にはまた、1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤を含有するだろう。口内の局所投与に適した処方は、着香基剤、通常はショ糖及びアラビアゴム又はトラガントゴム中に活性剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴムのような不活性基剤中に活性成分を含む香錠;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口液を包含する。
【0136】
本発明の化合物は、坐剤としての投与用に処方することができる。脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオ脂のような低融点ロウを最初に溶融して、活性成分を、例えば、撹拌により均質に分散させる。この溶融均質混合物を次に便利なサイズの鋳型に注ぎ入れ、冷却させ、凝固するのを待つ。
【0137】
本発明の化合物は、膣内投与用に処方することができる。活性成分に加えて、当該分野において適していることが知られている担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー。
【0138】
本発明の化合物は、鼻内投与用に処方することができる。溶液又は懸濁液は、従来の手段により、例えば、スポイト、ピペット又はスプレーで鼻腔に直接適用される。本製剤は、単回又は頻回投与剤形として提供することができる。スポイト又はピペットの後者の場合には、患者が、適切な所定容量の溶液又は懸濁液を投与することにより、これが達成できる。スプレーの場合には、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いてこれが達成できる。
【0139】
本発明の化合物は、特に気道への、そして鼻腔内投与を包含する、エーロゾル投与用に処方することができる。本化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下程度の小粒径を有するだろう。このような粒径は、当該分野において既知の手段により、例えば、微粉化により得られよう。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素又は他の適切な気体のような、適切な推進薬による加圧パックとして提供される。本エーロゾルは、便利にはまた、レシチンのような界面活性剤を含有する。薬物の用量は、計量バルブによる制御することができる。あるいは、活性成分は、ドライパウダー、例えば、適切な粉末基剤(乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなデンプン誘導体及びポリビニルピロリドン(PVP)など)中の化合物の粉末混合物の剤形で提供してもよい。本粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。本粉末組成物は、単位投与剤形として、例えば、ゼラチンの、例えば、カプセル若しくはカートリッジとして、又は吸入器を用いて粉末を投与できるブリスターパックとして提供してもよい。
【0140】
必要に応じて、製剤は、活性成分の徐放又は制御放出投与に合わせた腸溶性コーティングをして調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下の薬物送達装置中に処方することができる。これらの送達システムは、化合物の徐放が必要であるとき、及び患者の治療計画順守が決定的に重要なときに有利である。経皮送達システム中の化合物は、しばしば皮膚接着性固体支持体に取り付けられる。目的の化合物はまた、浸透促進剤、例えば、Azone(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組合せることができる。徐放送達システムは、手術又は注入によって皮下層へと皮下挿入される。皮下インプラントは、液体可溶性膜、例えば、シリコーンゴム、又は生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸中に本化合物を封入する。
【0141】
製剤担体、希釈剤及び賦形剤と共に適切な処方は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E.W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練の製剤科学者ならば、本明細書の教示内で本処方を修飾することにより、本発明の組成物を不安定にしたり、その治療活性を損なうことなしに、特定の投与経路のための多数の処方を提供することができよう。
【0142】
本化合物の水又は他のビヒクルへの可溶性を高めるためのこれらの修飾は、例えば、十分に当該分野における通常の技量内である、ささいな修飾(塩形成、エステル化など)により、容易に達成することができよう。また、本化合物の薬物動態を調整して患者が最高に有用な効果が得られるように、特定の化合物の投与経路及び投与計画を修飾することも、十分に当該分野の通常の技量内である。
【0143】
「治療有効量」という用語は、本明細書において使用されるとき、個人における疾患の症候を軽減するのに必要な量を意味する。用量は、各特定の症例において個々の要件に合わせて調整されよう。この用量は、処置すべき疾患の重篤度、患者の年齢及び一般健康状態、患者が処置されている他の医薬、投与の経路及び剤形、並びに担当する医師の優先傾向及び経験のような多数の要因に応じて、広い限界内で変化させることができる。経口投与には、約0.01〜約1000mg/kg体重/日の間の1日用量が、単剤療法において及び/又は併用療法において適しているはずである。好ましい1日用量は、約0.1〜約500mg/kg体重、更に好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、そして最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重/日の間である。よって、70kgのヒトへの投与には、用量は、約7mg〜0.7g/日の範囲であろう。この1日用量は、単回用量として、又は分割用量として、典型的には1日に1〜5回投与の間で投与することができる。一般に、処置は、化合物の最適用量より少ない用量から開始する。その後、個々の患者の最適効果に到達するまで、用量を少しずつ増加させる。本明細書に記載される疾患の処置における当業者であれば、過度の実験をすることなく、個人的な知識、経験及び本出願の開示に頼って、所定の疾患及び患者のための本発明の化合物の治療有効量を突きとめることができよう。
【0144】
本発明の実施態様において、本活性化合物又は塩は、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、別の非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター又はウイルス侵入インヒビターのような、1種以上の抗ウイルス剤と併用して投与することができる。活性化合物又はその誘導体若しくは塩が、別の抗ウイルス剤と併用して投与されるとき、活性は、親化合物を超えて上昇しうる。処置が、併用療法であるとき、このような投与は、ヌクレオシド誘導体の投与に対して、同時又は逐次であってよい。よって「同時投与」は、本明細書において使用されるとき、同じ時間又は別の時間の物質の投与を包含する。2種以上の物質の同じ時間の投与は、2種以上の活性成分を含有する単一の処方により、又は単一活性物質を含む2種以上の投与剤形の実質的に同時投与により達成することができる。
【0145】
本発明の方法は、本発明の方法の恩恵を享受しうる任意の哺乳動物での使用が意図される。このような哺乳動物の中で最重要はヒトであるが、本発明は、そのように限定することを意図せず、獣医学的使用にも適用可能である。よって、本発明により、「哺乳動物」又は「必要としている哺乳動物」は、ヒト、更には非ヒト哺乳動物、限定されないが、特にネコ、イヌ、及びウマを包含する家畜動物を包含する。
【0146】
実施例1
5−ブチル−3−(3,3−ジフルオロ−シクロブチルメチル)−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−I、スキームA)
工程a−1 (3,3−ジフルオロ−シクロブチル)−メタノール(20) − 0℃に冷却したTHF(5mL)中のNaBH(55mg、1.47mmol)のスラリーに、THF(5mL)中の3,3−ジフルオロ−シクロブタンカルボン酸(CASRN 107496−54−8、0.2g、1.47mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を1時間撹拌し、0℃に冷却して、BF・EtO(0.18mL)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、0℃に冷却し、次に95% EtOHの滴下によりクエンチした。1時間後、溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をDCMとブラインに分配した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、(3,3−ジフルオロ−シクロブチル)−メタノール(22)0.12gを得た。
【0147】
工程b−2 トルエン−4−スルホン酸 3,3−ジフルオロ−シクロブチルメチルエステル(24) − 22(0.12g、0.98mmol)及びピリジン(3mL)の0℃に冷却した溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(0.3g、1.57mmol)を数回に分けて加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、氷水10mLに注いで、DCM(3×10mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。生成物を、EtOAc/ヘキサン(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、24の0.1gを得た。
【0148】
工程12 − A−6b(2.5802g、6.1mmol)、TFA(1.7mL、61mmol)及びDCM(25mL)の溶液を、室温で一晩撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をトルエンで粉砕し、再蒸発させた。残留物を2M NaOHとEtOAcに分配した。有機層を単離し、水層をその容量の半分まで濃縮し、固体のNaClで処理し、次にEtOAcで3回再抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させて、A−9aの1.3g(収率67%)をオフホワイトの泡状物として得た:MS[M+1] 324及び[2M+1] 647。
【0149】
工程13 − A−9a(1.32g、4mmol)及び4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸(0.745g、5mmol)の溶液ならびにDMF(10mL)に、HOBt(0.717g、5mmol)、EDCI(1.017g、5mmol)及びDIPEA(2.1mL、12mmol)を順次加えた。反応混合物を室温で72時間撹拌した。溶媒を高真空下で除去し、残留物をEtOAcに懸濁し、少量の飽和NaHCOで処理した。水層をEtOAcで3回再抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過して、蒸発させた。粗生成物を、DCM/MBの勾配(100〜60% DCM MB=DCM/MeOH/NHOH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、A−9b(R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)0.90g(48%)を白色の泡状物として得た:MS[M+1]=458。
【0150】
工程14 − DMF(2mL)中の工程13からのA9−b(80mg、0.175mmol)の溶液に、NaH(7mg、0.29mmol)を加えた。15分間撹拌した後、24(100mg、0.36mmol)及びDMF(1mL)の溶液を加え、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残留物をEtOAcと水に分配した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−1の10mgを得た:M=562。
【0151】
実施例2
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(trans−3−メトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−1)
(3−メトキシ−シクロヘキシル)−メタノール(26) − 実施例1の工程aに記載されているように、3−メトキシ−シクロヘキサンカルボン酸(1.2g、7.59mmol)から調製して、26の1g(90%)を得た。
【0152】
trans−トルエン−4−スルホン酸 3−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステル(28) − 実施例1の工程bに記載されているように、26(1g、6.9mmol)から調製した。Cis−及びtrans−異性体を、EtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより分離して、trans−トルエン−4−スルホン酸 3−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステル150mg及び28の150mgを得た。
【0153】
工程10 − DMF(3mL)中のA−6b(0.21g、0.5mmol)の溶液に、NaH(30mg)を加え、得られた懸濁液を15分間撹拌した。28(150mg、0.5mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残留物をEtOAcと水に分配した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過して、濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、A−7(R’=trans−3−メトキシ−シクロヘキシルメチル)の130mgを得た。
【0154】
工程11 − 工程10からのA−7(130mg、0.23mmol)、TFA(1mL)及びDCM(5mL)の溶液を、1時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をDCM(20mL)に溶解し、それを飽和NaCO(3×5mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮し、減圧下で乾燥させて、A−8a(R’=trans−3−メトキシ−シクロヘキシルメチル)の80mgを得た。
【0155】
工程12 − DMF(2mL)中の工程11からのA−8a(80mg、0.178mmol)、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸(50mg、0.33mmol)及びHOBT(45mg、0.33M)の溶液に、EDCI(63mg、0.33mmol)を、続いてDIPEA(0.15mL)を加えた。反応混合物を40℃で4時間撹拌し、次に室温で18時間撹拌して、最後に減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc(80mL)で希釈し、1N NaOH(10mL)で、続いてブライン(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過して、濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、I−1の25mgを得た:M=584。
【0156】
工程10において、trans−トルエン−4−スルホン酸 3−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステルの代わりにcis−トルエン−4−スルホン酸 3−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステルを使用した以外は同様にして、I−2を調製した(M=584)。
【0157】
実施例3
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(trans−4−メトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−3)
Cis−及びtrans−トルエン−4−スルホン酸 4−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステル(30)を、実施例2に記載されているように4−メトキシ−シクロヘキサンカルボン酸から調製した。Cis−及びtrans−異性体を、EtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより分離した。
【0158】
工程10において、trans−トルエン−4−スルホン酸 3−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステルをtrans 30に代えた以外は、実施例2の工程10〜12に記載されているようにA−6bからI−3を調製した。(M=584)
【0159】
工程10において、trans−トルエン−4−スルホン酸 4−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステルをcis 30に代えた以外は同様にして、5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(cis−4−メトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オンを調製し、I−2を得た:M=584。
【0160】
30をtrans−及びcis−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルに代えた以外は同様にして、5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(trans−4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン及び5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(cis−4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オンを調製し、それぞれI−7(M=598)及びI−6(M=598)を得た。cis及びtrans−トシラートを、SiOのクロマトグラフィーにより分離した。
【0161】
実施例4
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(cis−4−メトキシメトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−8)
3 トルエン−4−スルホン酸 4−メトキシメトキシ−シクロヘキシルメチルエステル
4−メトキシメトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(32) − 4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(1g、5.8mmol)及びDIPEA(4.2mL、0.024mol)の溶液に、クロロ−メトキシ−メタン(1.89g、0.0235mol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をDCM(50mL)に溶解し、水(2×10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、32の1.2gを得た。
【0162】
(4−メトキシメトキシ−シクロヘキシル)−メタノール(34) − THF(30mL)中の32(1.2g、5.5mmol)の−20℃に冷却した溶液に、THF(1M 溶液、16.5mL)中のLiAlHの溶液を滴下した。撹拌を−20℃で1時間続け、次に室温に温め、18時間撹拌した。反応混合物を−5℃に冷却し、20% NaHSO水溶液でクエンチし、室温で1時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈して、30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、溶媒を蒸発させ、残留物を減圧下で乾燥させて、34の0.95gを得た。
【0163】
トルエン−4−スルホン酸 4−メトキシメトキシ−シクロヘキシルメチルエステル(36) − 実施例1に記載されているように、34(0.95g、5.4mmol)及びp−トルエンスルホニルクロリド(1.3g、7mmol)から調製した。cis−及びtrans−異性体を、EtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより分離して、cis及びtransトシラートを得た。
【0164】
ジフルオロシクロブチルメトキシトシラートをcis 36又はtrans 36のいずれかに代えた以外は、実施例1の工程14に記載されているように、A−9b(R=4−メトキシメトキシ−シクロヘキシルメチル)からI−8(M=614)及びI−9(M=614)を調製した。
【0165】
実施例5
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(trans−4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−4)
4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(38) − DMF(14mL)中の4−オキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(CASRN 17159−80−7、1.7g、0.01mol)の溶液に、DMAP(58mg、0.47mmol)、TEA(1.54mL)及びtert−ブチル−ジメチルシリルクロリド(1.65g、0.011mol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、氷(10g)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過して、濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサン(1:20)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(38)2.25g(79%)を無色の油状物として得た。
【0166】
実施例1に記載されているようにエステル38をアルコールに還元し、トシラート40に変換した。Cis−及びtrans−異性体を、EtOAc/ヘキサン(1:20)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより分離した。
【0167】
5−ブチル−3−[trans−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロヘキシルメチル]−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オンを、実施例1の工程14に記載されているように、トルエン−4−スルホン酸、40(200mg、0.5mmol)及びA−9b(R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル、170mg、0.38mmol)から調製して、A−10(R’=trans−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロヘキシルメチル及びR”=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イルカルボニル)を得た。
【0168】
SO(0.5mL)とMeCN(2mL)の混合物中の前記工程からのA−10(0.15g、0.219mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をEtOAc(15mL)に溶解し、飽和NaHCOで洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、I−4の100mgを白色の泡状物として得た:MS[M]=570。
【0169】
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(cis−4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−5)を、cis−40から出発して同様にして調製し、I−5を得た:MS[M]=570。
【0170】
A−9b(R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)を対応するアミド(ここで、R=3−シアノ−2,4−ジメチル−ニコチン酸)に代える以外は同様にして、I−10を調製することができる。
【0171】
実施例6
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−オキソ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−2)
I−5(720mg、12.6mmol)及びDCM(50mL)の溶液に、4Åモレキュラーシーブ及びNMM(0.42g、3.6mmol)を加えた。混合物を10分間撹拌した後、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(211mg、0.0006M)を加えた。1時間後、溶液は黒色になり、反応はほぼ完了した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、NaSO(10mL)の溶液で、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−2の500mgを得た:MS[M]=567。
【0172】
実施例7
8−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−4)
THF(10mL)中のIV−2(0.15.g、0.26mmol)の−30℃に冷却した溶液に、MeMgI(0.25mL、0.75mmol、EtO中の3M)を加えた。反応混合物を−30℃で90分間撹拌し、次にNHCl水溶液(4mL)、水(2mL)及びEtOAc(10mL)を順次加えた。有機層をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。粗残留物を、DCM/MeOH/NHOH(450:50:0.5)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−4の47mgを白色の泡状物として得た:MS[M]=584。
【0173】
ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−11)
60%(v/v)MeOH水溶液(4.5mL)中のメトキシアミン塩酸塩(250mg、3.24mmol)の溶液に、NaOAc(0.27g、3.27mmol)を加えた。60% MeOH水溶液(5mL)中のIV−2(96mg、0.16mmol)の溶液を、室温で滴下した。混合物を18時間撹拌し、次にEtOAc(5mL)を加えた。有機層を水(2×5mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−11の48mgを得た:MS M=597。
【0174】
MeONH ClをEtONH Clに代えた以外は同様にして、8−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシイミノ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オンを調製し、IV−12を得た:MS M=610。
【0175】
実施例8
5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(II−5)
【0176】
【化12】

【0177】
N,N’−ビス−(サリチリデン)−エチレンジアミノ−コバルト(II)介在の分子内ラジカル環化反応、次いで酸素分子でのトラッピングにより(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イル)−メタノール(46a)を調製した。(T. Bamhaoud and J. Prandi, Chem. Commun. 1996 1229; S. Mayer et al., Tetrahedron 1998 54:8753)
【0178】
対応するトシラート46bを、実施例1の工程bに記載されているように調製した。粗トシラート残留物を、EtOAc/ヘキサン(1:10)で溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、46bをジアステレオマー混合物として得た。この混合物を、Chiralpak IAカラムを使用し、かつ40% EtOH/ヘキサンで溶離する分取HPLCにより分離した。ジアステレオマートシラートを完全に分離した:ピーク1は、保持時間33.7分を有し、ピーク2は、保持時間48.5分を有した。
【0179】
A−9b(R=4,6−ジメチル−ピリミジン5−イル、91mg、0.2mmol)及びDMF(2mL)の溶液に、NaH(16mg、0.66mmol)を加えた。反応物を15分間撹拌した後、46b(ピーク1、100mg、0.33mmol)及びDMF(1mL)の溶液を加え、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残留物をEtOAcと水に分配した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過して、濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、II−5の96mgを得た:MS[M]=584。
【0180】
他方のジアステレオマーを、トシラートのキラル分離からのピーク2を使用して同様にして調製し、II−6を得た:MS[M]=584。
【0181】
実施例9
5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(II−8)
工程10 − A−6b(0.2g、0.47mmol)を、実施例2の工程10に記載された手順を使用して、実施例8からの46b(ジアステレオマー混合物、0.25g、0.83mmol)を用いてアルキル化して、A−7(R’=ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)の180mgを得た。
【0182】
標記化合物を、実施例2の工程11に記載されているように工程10から生成物を脱保護して調製した。4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を2,4−ジメチルニコチン酸に代えた以外は実施例2の工程12に記載された手順により、5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(II−8)のトリフルオロ酢酸塩を調製した。生成物を、分取HPLC(アセトニトリル−0.01M TFA)により精製した。
【0183】
工程12において、2,4−ジメチルニコチン酸を6−シアノ−2,4−ジメチル−ニコチン酸(CASRN 871492−97−6)に代えた以外は同様にして、5−{4−[5−ブチル−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル]−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリルを調製した。生成物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、II−7を得た。
【0184】
実施例10
4−{5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ベンゾニトリル(IV−3)
工程10において、trans−トルエン−4−スルホン酸 3−メトキシ−シクロヘキシルメチルエステルを4−シアノ−ベンジルブロミドに代えた以外は、実施例2の工程10〜12に記載されているようにA−6bから標記化合物を調製した。生成物を、MeOH/DCM(1:10)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−3の60mgを得た:MS[M]=573。
【0185】
実施例11
5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−ピリミジン−2−イルメチル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−5)
ピリミジン−2−イルメチルメタンスルホナート(48) − ピリミジン−2−イル−メタノール(CASRN 42839−09−8、2g、1.8mmol)及びDCM(1mL)の0℃に冷却した溶液に、TEA(0.062mL)及びメタンスルホニルクロリド(0.2mL)を順次加えた。反応混合物を3時間撹拌し、次にNHCl水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をMeOH/DCM(1:20)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、48の0.2g(58%)を得た。
【0186】
工程10において、3−メトキシ−シクロヘキシルメチルトシラートを48に代え、工程12において4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を2,4−ジメチル−ニコチン酸に代えた以外は、実施例2の工程10〜12に記載された手順により標記化合物を調製した。生成物を、分取HPLC(アセトニトリル−0.01M TFA)により精製して、IV−5をトリフルオロ酢酸塩として得た:MS[M]=549。
【0187】
実施例12
5−{4−[7−ブチル−9−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル(IV−6)
(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)−メタノール(50) − 4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル(CASRN 305794−79−0、0.6g、3.61mol)及びTHF(10mL)の溶液を、−50℃に冷却し、DIBAL(13mL、0.013mol、トルエン中の1M)を滴下し、撹拌を−50℃で2時間続けた。反応物を氷/NHClでクエンチし、混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、50の0.33g(67%)を得た。
【0188】
2 メタンスルホン酸、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イルメチルエステル(52)− (4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)−メタノール(0.33g、2.4mmol)及び0℃に冷却したDCM(3mL)の溶液に、TEA(0.18mL)及びメタンスルホニルクロリド(0.3mL)を順次加えた。反応混合物を3時間撹拌し、NHCl水溶液で洗浄し、減圧下で濃縮して、52の0.38g(78%)を得た。
【0189】
工程10において、3−メトキシ−シクロヘキシルメチルトシラートを52に代え、工程12において、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を6−シアノ−2,4−ジメチル−ニコチン酸に代えた以外は、実施例2の工程10〜12に記載された手順により標記化合物を調製した。粗生成物を、分取HPLC(アセトニトリル−0.01M TFA)により精製して、IV−6をトリフルオロ酢酸塩として得た:MS[M]=586。
【0190】
実施例13
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(II−1)
3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸エチルエステル(54) − 2,5−ジヒドロフラン(14g、200mmol)及びCu(II)(acac)(1.05g、4mmol)の撹拌した懸濁液を、90〜100℃で加熱し、PhH(240mL)中のジアゾ酢酸エチル(27.3g、240mmol)の溶液を3時間かけてゆっくり加えた。添加が完了した後、それを室温に冷まし、溶媒を蒸発させた。残留物を石油エーテルに溶解し、中性アルミナ(ジアゾエステル10mmolにつきアルミナ240g)のカラム上に吸着させ、石油エーテル500mL及びEtO 500mLで溶離した。溶媒を除去し、不純なエステルを得て、それを約105℃(18〜19mmHg)で蒸留させた。留出物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(0〜30% EtOAc)で溶離するSiOのクロマトグラフィーによりさらに精製して、54の15.39g(45.8%)を得た(I. Reichelt and H.J. Reissig, Chem. Ber. 1983 116:3895)。
【0191】
(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)−メタノール(56) − THF(16.77mL、16.77mmol)中のLiAlHの1M溶液を、氷水/アセトン浴中で冷却し、THF(25mL)中の56(2.62g、16.77mmol)の溶液を撹拌しながらゆっくり加えた。反応物を30分かけて室温に温め、1時間撹拌した。NaSO・10HO 4.8gを少量ずつゆっくり加えることにより、反応物をクエンチした。激しい反応が沈静化した後、撹拌をさらに1時間続けた。MgSOを加え、固体を濾過により除去し、新たなTHFですすいで、溶媒を蒸発させた。残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(0〜50% EtOAc)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、56の0.98g(51.3%)を無色の液体として得た。
【0192】
工程10 − 56(0.98g、8.58mmol)及びDCM/ピリジン(10mL)の1:1混合物の溶液に、塩化トシル(1.72g、9.01mmol)を撹拌しながら加えた。撹拌を室温で18時間続けた。LCMS又はTLCでもトシラートはまったく観察されなかった。生成物の極性及びMSは、生成物がピリジニウム塩であることを示唆した。溶媒を蒸発させ、残留物をさらに処置しないで使用した。
【0193】
トルエン(30mL)中の推定されるピリジニウム塩(推定8.58mmol)、A−6b(2.42g、5.72mmol)、NaOH(0.92g、22.89mmol)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(0.092g、0.28mmol)の懸濁液を、撹拌しながら50℃で24時間加熱した。溶液を冷却し、飽和NaHCO水溶液を加え、生成物をDCM(4×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過して、濃縮した。残留物を、DCM/MBの勾配(0〜30% MB;MB=60:10:1;DCM:MeOH:NHOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、A−7(R’=3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル)の1.12g(38%)を淡黄色の泡状物として得た:MS[M+H]=520.2。
【0194】
標記化合物を、実施例2の工程11及び12に記載された手順を利用して工程10のA−7から調製した。粗生成物を、DCM/MBの勾配(0〜30% MB;MB=60:10:1、DCM:MeOH:NHOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、II−1の0.249gを清澄な泡状物として得た:MS(ESI)[M+H]=554。
【0195】
工程12において、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を2,4−ジメチル−ニコチン酸に代えた以外は同様にして、5−(4−{(S)−5−ブチル−3−[(1R,5S,6S)−1−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)メチル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリルを調製し、II−2を得た:MS(ESI)[M+H]=578。
【0196】
工程12において、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−カルボン酸(A. Palani et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003 13:709-712.)に代えた以外は同様にして、(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[(1R,5S,6S)−1−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)メチル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(II−3)を調製し、II−3を得た。
【0197】
実施例14
3−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルメチル)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−1)
【0198】
【化13】


工程1 − A−9b(R=4,6−ジメチル−ピリミジン5−イル、0.130g、0.3mmol)及びDMF(2.0mL)の溶液に、NaH(0.023g、0.6mmol、60%鉱油分散液)を加え、懸濁液を室温で20分間撹拌した。得られた溶液に、60(CASRN 158407−04−6、0.119g、0.45mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。LCMSは部分的変換のみを示したため、さらなるNaH(0.023g、0.6mmol)を加え、続いて20分後に60(0.119g、0.45mmol)を加えた。反応混合物をさらに24時間撹拌し、その後LCMSは依然として多少の未反応出発物質を示した。NaH及び60の3回目の添加後、反応混合物を一晩放置した。フラスコの内容物を水でクエンチし、次に飽和NHCl溶液を加えた。得られた懸濁液を、濃縮乾固して、残留物をEtOAc粉砕した。濾過及び蒸発後、残留物をDCM/MBの勾配(100%〜67% DCM、MB=DCM:MeOH:NHOH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、58aの0.053g(28%)を泡状物として得た:MS[M+1]=655。
【0199】
工程2 − 58a及びEtO/MeOH(3mL、2:1)の溶液に、ジオキサン(1mL)中の4N HClを加え、得られた溶液を40℃で一晩撹拌した。反応物を室温に冷まし、溶媒を蒸発させた。58bを含有している残留物(MS:[M+1]=555)を、さらに精製して次の工程に使用した。
【0200】
工程3 − 58b(0.045g、0.08mmol)、DCM(1.5mL)及びピリジン(0.650mL)の撹拌した溶液に、DCM(0.046mL、0.49mmol)の無水酢酸を加え、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をトルエンに2回取り、再蒸発させた。粗生成物を、MeOH/DCM(13% MeOH)で展開するシリカゲルプレートの分取クロマトグラフィーにより2回精製して、III−1の0.025g(52%)を白色の泡状物として得た:MS[M+1] 597、[M+Na] 619。
【0201】
工程1において、A−9b(ここで、R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)を対応する化合物(ここで、Rは、3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−イルである)に代える以外は同様にして、III−25を調製することができる。
【0202】
実施例15
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−3)
イソブチリルクロリド(0.0072g、0.065mmol)を、化合物58b(0.025g、0.045mmol)、DIPEA(0.016mL、0.09mmol)及びDCM(1mL)の溶液に加えた。溶液を室温で72時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO(0.200mL)でクエンチし、CHEMELUTE(登録商標)カートリッジで濾過した。カートリッジをDCMで数回洗浄し、合わせた溶離剤を濃縮乾固した。残留物を、DCM/MBの勾配(0〜20% MB、MB=DCM:MeOH:NHOH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、III−3の0.027g(95%)をオフホワイトの泡状物として得た:MS[M+1] 625。
【0203】
実施例16
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−5)
イソブチリルクロリドをメタンスルホニルクロリドに代えた以外は、実施例15と同様の手順を利用して標記化合物を調製した。粗生成物を前記実施例に記載されているように精製して、III−5を泡状物として得た:MS[M+1]=633。
【0204】
工程1において、A−9b(ここで、R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)を対応する化合物(ここで、Rは、3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−イルである)に代える以外は、III−24を同様にして調製することができる。
【0205】
実施例17
4−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル(III−6)
イソブチリルクロリドをクロロギ酸メチルに代えた以外は、実施例15と同様の手順を利用して標記化合物を調製した。粗生成物を、1:1 DCM:MB(MB=DCM:MeOH:NHOH、60:10:1)で展開する分取SiO TLCにより精製して、III−6を白色の泡状物として得た:MS[M+1] 613。
【0206】
クロロギ酸メチルをクロロギ酸エチルに代えた以外は同様にして、4−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル(III−8)を調製した。粗生成物を、10% MeOH/DCMで展開する分取SiO TLCプレートで精製して、III−8を泡状物として得た:MS[M+1]=627及び[M+Na]=649。
【0207】
工程1において、A−9b(ここで、R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)を対応する化合物(ここで、Rは、3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−イルである)に代える以外は同様にして、III−23を調製することができる。
【0208】
実施例18
3−(1−アセチル−ピペリジン−3−イルメチル)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−2)
4−ブロモメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを3−ブロモメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(CASRN 193629−39−9)に代えた以外は、実施例14と同様の手順を利用して標記化合物を調製し、III−2を得た:MS[M+1]=597、[M+Na]=619。
【0209】
工程3において、無水酢酸をクロロギ酸メチルに代えた以外は同様にして、3−{5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル(III−7)を調製し、III−7を白色の泡状物として得た:MS[M+1]=613。
【0210】
工程1において、A−9b(ここで、R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル)を対応する化合物(ここで、Rは、3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−イルである)に代える以外は同様にして、III−26を調製することができる。
【0211】
実施例19
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(1−オキセタン−3−イル−ピペリジン−4−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−9)
A−9b(R’=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル、0.040g、0.072mmol)及びMeOH(2mL)の溶液に、HOAc(0.043g、0.7mmol)を加えた。室温で5分間撹拌した後、3−ケトオキセタン(0.021g、0.29mmol)を溶液に加え、続いてNaBH(0.014g、0.22mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次に溶媒を蒸発させた。残留物をEtOAcに取り、1N NaOHで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、DCM/MBの勾配(0〜33% MB、MB=DCM/MeOH/NH4OH、60:10:1)で溶離するシリカゲルのSiOのクロマトグラフィーにより精製して、III−9の0.007g(16%)をオフホワイトの泡状物として得た:MS[M+1]=611及び[M+Na]=633。
【0212】
実施例20
(S)−5−ブチル−3−(1−シクロプロピル−ピペリジン−4−イルメチル)−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−10)
DCM(2mL)中のA−9b(R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル、0.030g、0.054mmol)、1−エトキシシクロプロポキシトリメチルシリル(0.014g、0.08mmol)の溶液に、NaBH(OAc)(0.036g、0.13mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を5% NaHCO溶液でクエンチし、水層をDCMで3回抽出した。合わせた抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過して、濃縮した。粗生成物を、1:2 DCM:MB(MB=DCM/MeOH/NHOH、60:10:1)で展開する分取SiO TLCプレートで精製して、III−10の0.008g(25%)をオフホワイトの泡状物として得た:MS[M+1]=595及び[M+Na]=617。
【0213】
実施例21
(S)−5−ブチル−3−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−ピペリジン−4−イルメチル]−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−11)
A−9b(R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル、0.100g、0.18mmol)、DIPEA(1.8mmol)及びMeCN(3mL)の0℃に冷却した溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2−ジフルオロエチル(0.058g、0.27mmol)を滴下した。得られた混合物を、ゆっくり室温にしながら16時間撹拌した。飽和NaHCO(0.200mL)でクエンチした後、残留物を濃縮し、DCM/MBの勾配(0〜33% MB、MB=DCM/MeOH/NH4OH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーカラムにより精製して、III−11の0.033g(30%)をオフホワイトの泡状物として得た:MS[M+1]=619及び[M+Na]=641。
【0214】
実施例22
3−[2−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−エチル]−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(III−4)
工程1 − DMF(3mL)中のA−9a(R=4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル、0.105g、0.23mmol)の溶液に、NaH(0.028g、0.71mmol、60%鉱油分散液)を加え、懸濁液を室温で20分間撹拌した。4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エチル]−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(62、CASRN 169457−73−2、0.132g、0.034mmol)を溶液に加え、混合物を室温で一晩撹拌した。LCMSは部分的変換を示したため、さらなるNaH(0.028g)を加え、続いて20分後にさらなる62(0.105g)を加え、撹拌を続けた。6時間後、3回目のNaHのアリコート及び62を加え、反応物を一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、次に飽和NHCl溶液でクエンチした。得られた懸濁液を濃縮乾固し、残留物をEtOAcで粉砕した。塩を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MBの勾配(0〜25% MB、MB=DCM/MeOH/NH4OH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、4−(2−{5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イル}−エチル)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(64)0.055g(36%)を明黄色の油状物として得た:MS[M+1]=669。
【0215】
工程2 − TFA(0.141g、1.2mmol)を64(0.055g、0.08mmol)及びDCM(2mL)の溶液に加え、得られた溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、次に残留物をトルエンで2回処理し、濃縮乾固した。得られた生成物を、さらに精製しないで続く工程に使用した:MS[M+1]=669。
【0216】
工程3 − 標記化合物を、実施例14の工程3で報告された手順に従って、工程2の脱保護ピペリジンから、実施例14の工程3に記載された手順により調製して、III−4を得た:MS[M+1]=611。
【0217】
実施例23
5−(4−{(S)−5−ブチル−3−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−ピペリジン−4−イルメチル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル(III−12)
【0218】
【化14】


工程1 − A−9a(3.00g、6.9mmol)及びDCM(15.0mL)の懸濁液に、ピリジン(5.59mL、69mmol)を室温で加え、得られた溶液を30分間撹拌した。得られた溶液を氷浴中で冷却し、クロロギ酸ベンジル(1.773g、10mmol)を滴下し、次に1時間撹拌した。冷却浴を取り外し、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物をDCM、3N NaOHに分配し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、DCM/MBの勾配(0〜10% MB、MB=DCM/MeOH/NH4OH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、A−9b(R=CBZ)の1.726g(54%)を明黄色の油状物として得た:MS[M+1]=458。
【0219】
工程2 − A−9b(R=CBZ、1.720g、3.76mmol)及びトルエン(4.0mL)の溶液に、4−ブロモメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.673g、6mmol)を加え、続いて粉末NaOH(0.601g、15mmol)及びBuNBr(0.061g、0.19mmol)を加えた。得られた懸濁液を50℃に温め、高速で72時間撹拌した。反応混合物をEtOAc/HOに分配し、水層をEtOAcで2回再抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、DCM/MeOHの勾配(0〜5% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、66aの2.006g(82%)を白色の泡状物として得た:MS[M+1]=655。
【0220】
工程3 − 66a(2.00g、3.1mmol)及びDCM(5mL)の溶液に、TFA(3.53mL、46mmol)を加え、反応物を室温で16時間撹拌した。溶液をほぼ乾固するまで濃縮し、残った溶媒をトルエンと共蒸発して除去した。残留物を5M NaOHとDCMに分配した。層を分離し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、66b(1.740g、収率100%)を明黄色のシロップとして得、それをさらに精製しないで使用した:MS[M+1]=555。
【0221】
工程4 − ジフルオロエチルアミン66cを、実施例21に記載されているように、66b及びトリフルオロメタンスルホン酸2,2−ジフルオロエチルから調製して66cを得た:MS[M+1]=619。
【0222】
工程5 − アルゴンでフラッシュしたフラスコ中の66c(0.630g、1mmol)及びEtOH(50mL)の溶液に、Pearlman触媒(20% Pd(OH)/C、0.100g)を加えた。フラスコを再びアルゴンで、次に水素でフラッシュした。針のついているシリンジに接続した水素バルーンを、水素が溶液中に泡立つように、セプタムを通して挿入した。反応物を16時間撹拌した。触媒を濾過により除去し、濾液を濃縮乾固した。得られた粗生成物を、DCM/MBの勾配(0〜50% MB、MB=DCM/MeOH/NH4OH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、68の0.415g(84%)を明黄色の泡状物として得た:MS[M+1]=485。
【0223】
工程6 − 68及びDMFの溶液、6−シアノ−2,4−ジメチル−ニコチン酸、DIPEAならびにHATUを、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をDCMと3N NaOHに分配した。水層をDCMで再抽出し、合わせた有機物を乾燥(MgSO)させ、濾過して、蒸発させた。生成物を、DCM/MBの勾配(MB=DCM/MeOH/NH4OH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、III−12を得た:MS[M+1]=643。
【0224】
実施例24
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−10)
工程1トルエン−4−スルホン酸 2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチルエステル(70) − p−トルエンスルホニルクロリド(2.998g、16mmol)を、2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)エタノール(CASRN 4677−18−3、1.706g、13mmol)、ピリジン(1.16mL、14mmol)及びDCM(10mL)の溶液に加えた。得られた混合物を室温で72時間撹拌した。溶液をEtOAcと飽和NHClに分配した。水層をEtOAcで2回再抽出した。合わせた有機相を乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮して、70を無色の油状物として得た。
【0225】
工程2 − 4−{(S)−5−ブチル−2−オキソ−3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}−4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(72)を、実施例22の工程1に記載された手順によりA−6b及び70から調製して、72を得た:MS[M+1]=536。
【0226】
工程3 − 72(0.529g、1mmol)及びトルエン(5mL)の溶液に、3M HCl(0.530mL)を加え、反応混合物を45℃に温め、高速で1.5時間撹拌した。反応フラスコを室温に温め、水層を分離し、40% NaOHでpH14に調整し、次に2−メチルテトラヒドロフランで3回抽出し、合わせた有機物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、74の0.307g(収率71%)を明黄色の油状物として得、それをさらに精製しないで次の工程に使用した。
【0227】
工程4 − 2−メチル−テトラヒドロフラン(3.5mL、MeTHF)中の74(0.307g、0.7mmol)及び4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸(0.118g、0.78mmol)の溶液に、HOBt(0.105g、0.78mmol)、EDCI(0.149g、0.78mmol)及びDIPEA(0.250mL、1.4mmol)を順次加えた。反応物を50℃に温め、16時間撹拌した。3N NaOH(1.3mL)の添加により、反応物をクエンチした。有機層を単離し、水層をMeTHF(1mL)で2回逆抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過して、減圧下で濃縮した。粗生成物を、DCM/MBの勾配(0〜33% MB、MB=DCM/MeOH/NHOH、60:10:1)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−10の0.233g(58%)を白色の泡状物として得た:MS[M+1]=570。
【0228】
実施例25
(S)−5−ブチル−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−7)
工程1 − 1,4−シクロヘキサンジオール(20.0g、172mmol)及びピリジン(100mL)の0℃に冷却した溶液に、CHCl(100mL)中のp−トルエンスルホニルクロリド32.0g(168mmol)の溶液を2時間かけて滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温で17時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を還流しているトルエンに取り、溶液が濁るまで石油エーテルを加えた。混合物を冷却し、上澄みをデカントした。残留した固体をDCMに溶解し、SiOのパッドを通して真空濾過した。フィルターケーキをDCM/MeOH(95:5)の混合物で洗浄した。暗金色の油状物を減圧下で乾燥させて、少量のビス−トシラートが混入しているトルエン−4−スルホン酸 4−ヒドロキシ−シクロヘキシルエステル(76)の35.6g(78%)を得た:1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 7.79 (dd, 2H), 7.73 (dd, 2H), 4.64-4.48 (m, 1H), 3.75-3.69 (m, 1H), 2.45 (s, 3H), 1.95-1.83 (m, 3H), 1.70-1.26 (m, 6H)。
【0229】
工程2 − 76(2.23g、8.22mmol)及びCHCl(30mL)の溶液に、PCC(1.77g、8.22mmol)及びCHCl(20mL)を加えた。HOAcを1滴加え、混合物を室温で2.5日間撹拌した。さらなるPCC 1.77g(8.22mmol)を加え、撹拌を室温でさらに6時間続けた。反応物をEtOで希釈し、SiOベッドを通して濾過した。ケークをEtOで洗浄し、EtOでケークを洗浄しながら、濾液をSiOの第二プラグに通した。濾液を減圧下でストリップし、粗物質をDCM/MeOHの勾配(0〜4% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製した。回収された物質を、ヘキサン/アセトン(15〜25% アセトン)の勾配で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより再精製して、トルエン−4−スルホン酸 4−オキソ−シクロヘキシルエステル(78)1.32g(58%)を無色の油状物として得た:1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.83 (d, 2H), 7.37 (d, 2H), 4.92-4.86 (m, 1H), 2.78-2.53 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.34-2.13 (m, 4H), 2.03-1.83 (m, 2H)。
【0230】
工程3 − 78(200mg、0.75mmol)及びDCM(7mL)の0℃に冷却した溶液に、DAST(363mg、2.25mmol)を加えた。冷却浴を取り外し、混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、DCMで希釈した。DCM相を、1M HCl、飽和NaHCO及びブラインで連続して洗浄し、乾燥(NaSO)させて、減圧下で濃縮した。粗物質を、ヘキサン/EtOAc(75:25)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製した。白色の固体を乾燥させて、トルエン−4−スルホン酸 4,4−ジフルオロ−シクロヘキシルエステル(80)の135mg(62%)を得た:1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 7.80 (d, 2H), 7.35 (d, 2H), 4.77-4.69 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.39-1.76 (m, 8H)。
【0231】
工程4 − A−9b(R=4,6−ジメチルピリミジン−イル、649mg、1.42mmol)及びDMF(7mL)の溶液に、NaH(284mg、7.10mmol、鉱油中60%分散液)を加えた。混合物をアルゴン下、室温で5分間撹拌し、次に80(495mg、1.70mmol)及びDMF(6mL)の溶液を加えた。反応混合物をマイクロ波照射下、160℃で6分間加熱した。さらなるNaHのアリコート(142mg、3.55mmol)及び80(55mg、0.19mmol)を加え、混合物をマイクロ波照射下、160℃で10分間加熱した。反応混合物を冷却し、水及びEtOAcで希釈し、10分間激しく撹拌した。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。水相をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機抽出物を水、50% ブライン及びブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、蒸発させて、金色の油状物を得た。粗生成物を、DCM/MeOHの勾配(4〜7% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−7の60mg(7%)を明黄色の粉末として得た:MS(ESI)[M+H]=576。
【0232】
実施例26
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−ピリジン−2−イル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−8)
工程1 − Pd(DBA)(114mg、0.125mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(14mg、0.05mmol)及びトルエン(1mL)の溶液を、アルゴン下で20分間撹拌した。この溶液に、A−6b(91mg、0.95mmol)、NaO−tert−Bu(91mg、0.95mmol)、2−ブロモピリジン(48μL、0.5mmol)と共にトルエン1mLを加え、反応物をアルゴン下で加熱還流した。24時間後、反応物を冷却し、水でクエンチして、EtOAcで希釈した。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、相を分離した。有機層を水及びブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、蒸発させて、褐色のシロップを得た。粗生成物を、DCM/MeOH(0〜8% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、4−(5−ブチル−2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル)−4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(82)250mg(100%)を褐色のガラス状物として得た:MS(ESI)[M+H]=501。
【0233】
工程2 − 82(250mg、0.5mmol)、DCM(10mL)及びTFA(1mL)の溶液を、室温で17時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を5M NaOHとEtOAcに分配した。相を分離し、水相をEtOAcで4回抽出した。合わせた有機相を水、50% ブライン及びブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、蒸発させて、脱保護ピペリジン84の64mgを濃褐色のシロップとして得た。DMF(2mL)中の84(64mg、0.16mmol)、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸(29mg、0.19mmol)、HOBt(28mg、0.21mmol)、EDCI(40mg、0.21mmol)の溶液に、DIPEA(84μL、0.48mmol)を加えた。反応物を室温で2.5日間撹拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を水及びブラインで2回洗浄し、乾燥(NaSO)させて、蒸発させた。粗物質を、DCM/MeOH(95:5)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−8の57mg(67%)を白色の泡状物として得た:MS(ESI)(M+H)=535、[M+Na]=557。
【0234】
工程2において、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を6−シアノ−2,4−ジメチルニコチン酸に代えた以外は同様にして、5−[4−((S)−5−ブチル−2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル)−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル]−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル(IV−9)を調製した。粗物質を、DCM/MeOH(0〜7% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、IV−9の97mg(62%)をオフホワイトの固体として得た:MS(ESI)[M+H]=559。
【0235】
実施例27
(1R,5S,6R)−6−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸エチルエステル(III−16)
【0236】
【化15】

【0237】
3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸ベンジルエステル(90a)を、K. E. Brightly et al. EP 0 413 456 B1により記載された手順に従って調製した。
【0238】
工程1 − p−トルエンスルホニルクロリド(1.378g、7.23mmol)を、90a(1.49g、6.02mmol)及びDCM(30mL)及びTEA(1.26mL、9.0mmol)の0℃に冷却した溶液に加えた。得られた混合物を0℃で20分間撹拌し、次に室温に温まるにまかせて、一晩撹拌した。溶液をDCMと飽和NHCl溶液に分配し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過して、蒸発させた。得られた明黄色の油状物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(0〜30% EtOAc)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、90bの0.556g(23%)を無色の油状物として得た。
【0239】
工程2 − A−9b(R=tert−ブトキシ、0.25g、0.59mmol)及びトルエン(1.5mL)の溶液に、粉末NaOH(0.094g、2.361mmol)、NBuBr(0.01g、0.03mmol)及び90b(0.38g、0.944mmol)及びトルエン(1mL)の溶液を順次加えた。反応混合物を55℃に3時間加熱し、室温に冷まし、HOでクエンチし、HOとEtOAcに分配した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、MeOH/DCMの勾配(0〜3% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、92aの0.328g(85%)を白色の泡状物として得た。
【0240】
工程3 − Boc基を、実施例14の工程2に記載されているように、ジオキサン中の4N HClを用いた処理により除去して、92bを得た。
【0241】
工程4 − 92bのアシル化を、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を用い、実施例1の工程13に記載されているように実施して、92cを得た。
【0242】
工程5 − フラスコに92c(0.3g、0.437mmol)、及びPd(OH)(0.06g、20wt%)及びEtOH(5mL)を入れ、排気し、Nで2回、次にHで3回フラッシュした。反応混合物をH 1atm下で、室温で一晩撹拌した。パラジウムを、CELITEベッドを通して濾過し、濾液を蒸発させ、高真空下で乾燥させて、92dの0.223g(92%)を淡褐色の泡状物として得た。
【0243】
工程6 − 92d(0.05g、0.09mmol)及びDIPEA(0.03mL、0.181mmol)及びDCM(1mL)の溶液に、クロロギ酸メチル(0.01mL、0.136mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCMとNaHCO水溶液に分配し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、MeOH/DCMの勾配(0〜5% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、III−16の0.027g(49%)を淡黄色の泡状物として得た:ms[M+H]+ 611。
【0244】
工程6において、クロロギ酸メチルをそれぞれクロロギ酸エチル及びクロロギ酸イソ−プロピルに代えた以外は同様にして、III−17及びIII−18を調製した。工程6のアシル化を、実施例21に記載されているように2,2−ジフルオロエチルトリフラートを用いた92dのアルキル化に代えた以外は同様にして、III−19を調製した。III−19及びIII−14を、工程6でアシル化剤としてクロロギ酸エチル及び無水酢酸を使用し、そして工程4で4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−イソオキサゾール−4−カルボン酸に代えて、同様に調製した。
【0245】
実施例28
(S)−3−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピロリジン−1−カルボン酸メチルエステル(III−14)
【0246】
【化16】

【0247】
(S)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−メタノール[CASRN 199174−24−8]及び(R)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−メタノール[CASRN 138108−72−2]は、M.O. Polla et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004 12:1151-1175の手順により対応するブロミドに変換することができる。
【0248】
工程1 − 94によるA−9b(Rb=tert−ブトキシ、0.25g、0.59mmol)のアルキル化を、実施例27の工程2に記載された手順を使用して実施し、96aを得た。
工程2 − 96aのBoc基を、実施例14の工程2に記載されているようにジオキサン中の4N HClを用いた処理により除去して、96bを得た。
【0249】
工程3 − 96bのアミノ基を、実施例27の工程6に記載されているようにクロロギ酸メチルを用いてアシル化し、III−14を得た:ms[M+1]+ 599、[M+Na]+ 619。
【0250】
工程3において、クロロギ酸エチルをクロロギ酸メチルの代わりに使用した以外は同様にして、III−13を調製した。工程3におけるアシル化を、実施例21に記載されているように2,2−ジフルオロエチルトリフラートを用いた96bのアルキル化に代えた以外は同様にして、III−15を調製した。
【0251】
実施例29
(1S,3R,5R)−3−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸メチルエステル(III−22)
【0252】
【化17】


工程1 − メチルトリフェニルホスホニウムブロミド/ナトリウムアミド(2.4mmol/g、0.261g、0.627mmol、Aldrich)を、THF(50mL)に懸濁し、室温で約30分間撹拌した。(1R,5S)−8−ベンジル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン(98a)(5g、23.22mmol)を、THF(50mL)に溶解し、反応フラスコにゆっくり加え、得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を蒸発させ、高真空下で乾燥させた。残留した褐色の油状物をヘキサンで粉砕し、濾過して、粘着性の固体を得、それをヘキサン中に取り、さらに2回粉砕した。濾液を蒸発させ、高真空下で乾燥させて、98bの4.0g(81%)を淡黄色の液体として得た。
【0253】
工程2 − 98b(0.155g、0.727mmol)及びTHF(1.5mL)の溶液を、ジシアミルボラン及びTHF(THF中1M、3.63mL、3.63mmol)の氷冷溶液に加えた。次に反応混合物を室温に温まるにまかせ、3時間撹拌した。無色、清澄な溶液を0℃に冷却し、NaOH(3M水溶液、0.73mL、2.18mmol)を、続いてH溶液(30wt%水溶液、0.35mL、3.633mmol)を加えた。混合物が二相になり、室温に温まるにまかせた。約30分後、反応混合物をEtOとHOに分配し、水層をEtOで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過して、濃縮した。残留物を、DCM及びDCM/MeOH/NHOH(60/10/1)溶液の勾配(100〜60% DCM)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、98cの0.110g(65%)を無色の油状物として得た。
【0254】
工程3 − フラスコにEtOH(50mL)、98c(4.71g、20.36mmol)及びPd(OH)(0.95g、20wt%)を入れた。フラスコを排気し、Nで2回フラッシュし、その後Hで3回フラッシュした。反応混合物をH 1atm下、室温で48時間撹拌した。パラジウム触媒を、CELITE床を通した濾過により除去し、濾液を蒸発させ、高真空下で乾燥させて、100aの2.98g(100%)を白色の固体として得た。
【0255】
工程4 − トリエチルアミン(4.4mL、31.65mmol)を、MeCN(70mL)中の100a(2.98g、21.103mmol)の懸濁液に加え、反応フラスコを0℃に冷却した。クロロギ酸ベンジル(4.8mL、31.65mmol)を溶液に加え、反応混合物を室温に温まるにまかせて、2時間撹拌した。残留物を水とDCMに分配し、水層をDCMで2回逆抽出した。合わせた抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。残留した橙色の油状物を、MeOH/DCMの勾配(0〜4% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、100bの3.57g(61%)を明黄色の油状物として得た。
【0256】
工程5 − 100bのトシル化を、実施例27の工程1に記載されているように実施して、100cを得た。
100c(工程6)を用いたA−9b(R=tert−ブトキシ)のアルキル化を、実施例27の工程2に記載されているように実施した。Boc保護基(工程7)の除去を、実施例14の工程2に記載されているようにジオキサン中の4N HClを用いて実施した。得られた第二級アミンのアシル化(工程8)を、2,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を用いて、実施例1の工程13に記載されているように実施した。得られたアミンのCBZ保護基(工程9)及びアシル化の除去を、クロロギ酸メチル(工程10)を用いて、実施例27の工程5及び6に記載されているように実施して、III−22を得た:ms[M+H]+ 639。
【0257】
合成を前述のように完了した。Boc基の酸触媒除去の後、ピペリジン窒素を4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を用いてアシル化し、次にCBZ保護基の水素化分解による除去及びクロロギ酸メチルを用いてアミンをアシル化を行った。
【0258】
実施例30(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(IV−13)
【0259】
【化18】


工程1 − DCE(22mL)中のA−4b(3.33mmol)、4−ケトテトラヒドロピラン(349mg、3.49mmol)、チタニウムテトライソプロポキシド(1.33g、4.66mmol)の溶液を、室温で17時間撹拌し、次にNaBH4(1.06g、5.00mmol)を加えた。反応混合物を4.5時間激しく撹拌し、次に1M NaOHでクエンチした。混合物を水とDCMに分配し、15分間激しく撹拌し、セライトを通して濾過した。ケーキをDCMで洗浄し、相を分離した。水相をDCMで2回抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過し、蒸発させて黄色の油状物とした。残留物を減圧下で乾燥させて、104の800mg(63%)を得、それをさらに精製しないで使用した:ms(ESI):m/z 385(M+H)。
【0260】
工程2 − 104(800mg、2.08mmol)及びTHF(25mL)の溶液に、カルボニルジイミダゾール(506mg、3.12mmol)及びTHF(10mL)の溶液を加えた。混合物を室温で23時間撹拌した。反応物を1M HClでクエンチし、減圧下で濃縮した。油状の水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた抽出物を飽和NaHCO、水及びブラインで連続して洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、MeOH/DCMの勾配(0〜10% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、減圧下で油状物を回収し、106の164mg(19%)を得た:MS(ESI):m/z 411(M+H)。
【0261】
工程3 − 106a(164mg、0.40mmol)及びDCM(5mL)の溶液に、TFA(1mL)を加え、反応物を室温で17時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を5M KOHとEtOAcに分配した。相を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。黄色のシロップを減圧下で乾燥させて、106bの100mg(81%)を得た。DCE(3mL)中の粗物質の溶液に、N−BOC 4−ピペリドン(68mg、0.34mmol)及びDCE(2mL)の溶液ならびにチタニウムテトライソプロポキシド(l28mg、0.45mmol)を順次加えた。反応物を室温で16時間撹拌し、その後ジエチルアルミニウムシアニド(480μl、0.48mmol、トルエン中の1M)を加えた。反応物を室温で3.5時間撹拌し、次に1M NaOHでクエンチし、CHClとHOに分配した。混合物を、セライトを通して濾過し、フィルターケーキをDCMで洗浄した。相を分離し、有機相を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。溶媒を減圧下でストリップして、108を清澄なシロップとして得、それをさらに精製しないで使用した。MS(ESI):m/z 520(M+H)。
【0262】
工程4 − 108(166mg、0.32mmol)及びTHF(10mL)の溶液に、メチルマグネシウムブロミド(533μL、1.60mmol、エーテル中の3M)を加え、反応物を室温で4時間撹拌した。MeMgBr(533μl)のさらなるアリコートを加え、反応物を1時間撹拌した。MeMgBr(267μL、0.80mmol)の第2のアリコートを加え、反応物を室温で17時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAcで希釈した。相が清澄になるまで飽和NHClを加えた(水相は、依然塩基性であった)。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。粗物質を、MeOH/DCMの勾配(0〜10% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、110aの51mg(31%)を清澄なガラス状物として得た:MS(ESI):m/z 509(M+H)。
【0263】
工程5及び6 − 110a(51mg、0.10mmol)及びDCM(5mL)の溶液に、TFA(1mL)を加え、反応物を室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を5M KOHとEtOAcに分配した。相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、蒸発させて、110bを得た。110b(17mg、0.04mmol)、4,6−ジメチルピペリジン−5−カルボン酸(7mg、0.044mmol)、HOBt(7mg、0.052mmol)及びDMF(0.5mL)の溶液に、EDCI(10mg、0.052mmol)を加え、続いてDIPEA(21μl、0.12mmol)を加えた。反応物を室温で18時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。粗物質を、分取HPLCにより精製して、IV−13の8.1mg(37%)を白色の固体として得た:MS(ESI)、m/z 542(M+H)。
【0264】
実施例31
5−{4−[(S)−5−ブチル−3−(2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル]−4−メチルピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチルピリジン−2−カルボニトリル(III−26)
【0265】
【化19】

【0266】
A−5aの合成は、US Pat Application 2005/0176703にS.D. Gabriel and D. Rotsteinにより記載されている。基本的に実施例30の工程3〜5に記載されているように、A−5aを、Boc基の除去、N−Boc−4−ピペリドンを用いた還元的アミノ化、4−メチルの導入及びBoc脱保護により、112bに変換した。
【0267】
工程3 − 112b(672mg、2.08mmol)、4−シアノ−2,6−ジメチル−3−ピリジニルカルボン酸(366mg、2.08mmol)、HOBt(365mg、2.70mmol)HOBT及びDMF(10mL)の溶液に、EDCI(518mg、2.70mmol)を、続いてDIPEA(1.1mL、6.24mmol)を加えた。反応物を室温で50時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分離し、水相をDCMで2回抽出した。合わせた有機相を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。粗物質を、分取HPLCにより精製して、112cの8.1mg(37%)を白色の固体として得た:MS(ESI)m/z 542(M+H)。
【0268】
工程4 − 112c(33mg、0.069mmol)及びDMF(1mL)の溶液に、NaH(14mg、0.34mmol、60%鉱油分散液)を加えた。混合物をアルゴン下、室温で15分間撹拌し、次にDMF(0.5mL)中の1,1−ジフルオロエチルトリフラート(44mg、0.21mmol)の溶液を加えた。反応物を室温で46時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。粗物質を、MeOH/DCMの勾配(0〜2% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより、続いて分取HPLCにより精製して、III−26の8.0mg(21%)を白色の固体として得た:MS(ESI)m/z 546(M+H)。
【0269】
実施例32
5−(S)−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[1,4]ジオキシン−2−(R)−イルメチル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(1II−9):
【0270】
【化20】


工程1 − R−(−)−エピクロロヒドリン(7mL、89.27mmol)及びDCE(280mL)の溶液に、2−クロロエタノール(6.3mL、93.74mmol)を、続いてBF EtO(1.1mL、8.927mmol)及びDCE(20mL)の溶液を加えた。淡黄色の溶液を45℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、蒸発させ、減圧下で一晩乾燥(収率>95%)させて、1−クロロ−3−(2−クロロ−エトキシ)−プロパン−2−オールを得た。
【0271】
工程2 − 工程1(16.06g、92.81mmol)からの生成物と1M NaOH(185mL、185mmol)を混合し、二相性混合物を室温で撹拌した。2.5時間後、反応混合物を90℃に2.5時間加熱し、次に室温に放冷して、蒸発させた。残ったスラリーをDCM/MeOH(95:5)で3回洗浄し、濾過して、濾液を蒸発させた。残った油状物9.5gを、MeOH/DCMの勾配(40分かけて0〜4% MeOH)で溶離するSiOのクロマトグラフィー(SiO 400g)により精製して、[1,4]ジオキサン−2−イル−メタノール(114a)を収率30%で得た。
【0272】
工程3 − 114a(4.45g、37.67mmol)、TEA(6.3mL、45.2mmol)及びDCEの0℃に冷却した溶液に、トシルクロリド(8.6g、45.2mmol)を加えた。反応混合物を室温に温まるにまかせ、一晩撹拌した。反応混合物をNHCl水溶液に分配した。水層をDCMで洗浄し、合わせた抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、EtOAc/ヘキサンの勾配(40分かけて0〜30% EtOAc)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、114bを収率95%で得た。
【0273】
114bを用いたA−9bのアルキル化、Boc保護基の開裂、及び得られた第2級アミンの4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を用いたアシル化を、実施例27の工程2〜4に記載の手順と同様にして実施した。
【0274】
工程5において、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸を6−シアノ−2,4−ジメチルニコチン酸に代えた以外は同様にして、II−10を調製した。II−11及びII−12を、S−(+)−エピクロロヒドリンから出発して同様にして調製し、ジオキサン部分を調製した。
【0275】
実施例33
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(6−フルオロ−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(II−13)
【0276】
【化21】


工程1 −120a(0.086g、0.49mmol)及びTHF(5mL)の−78℃に冷却した溶液に、THF中のLiAlHの溶液(0.5mL、THF中の1.0M溶液)を滴下した。溶液を−78℃で15分間撹拌し、次に室温に温まるにまかせて、1時間撹拌した。反応物をNaSO・10HO(約0.5g)でクエンチし、得られた混合物をさらに1時間撹拌した。得られた溶液をCELITE床を介して濾過し、それをDCMで洗浄し、有機溶液を蒸発させて、120bを得、それをさらに精製しないで次の工程に使用した。
【0277】
工程2 − ピリジン/DCM(2mL、1:1)に溶解した工程1からの120b(約0.49mmol)の溶液に、トシルクロリド(0.0988g、0.51mmol)を加えた。2回の添加後、TsClのアリコートを加え、撹拌を室温で72時間続けたところ、出発物質が反応溶液に残存した。溶液をマイクロ波バイアルに移し、さらなるTsCl 0.099gを加えて、得られた溶液を150℃で1時間加熱した。得られた溶液を冷却し、DCMと10% HClに分配した。酸水溶液をDCMで抽出し、合わせたDCM抽出物を水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、120cを得、それを工程3で直接使用した。
【0278】
工程3 − 反応フラスコに、A−9b(Rb=tert−ブトキシ、0.323g、0.74mmol)、120c(約0.49mmol)、NaOH(0.079g、1.97mmol)、NBuBr(0.008g、0.025mmol)及びトルエン(3mL)を入れ、得られた混合物を55℃に100時間、次に室温で170時間加熱した。溶液をHOとDCMに分配した。水相をDCMで4回(各50mL)抽出し、合わせた抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過して、蒸発させた。粗生成物を、DCM及びDCM/MeOH/NHOHの溶液(60/10/1)(100〜30% DCM)の勾配で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、122aの0.19gを得た。
【0279】
工程4 − 122a(0.19g)の溶液を、DCM/TFA(5mL. 1:1)に溶解し、室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をトルエン10mLに2回取って、再蒸発させた。粗生成物を、DCM及びDCM/MeOH/NHOHの溶液(60/10/1)の勾配(100〜20% DCM)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製して、十分に純粋なアミン0.060gを得、続くアシル化に使用した。アミン、2,4−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸、EDCI(0.022g、0.1027mmol)、HOBt(0.014g、0.1027mmol)、DIPEA(0.048mL、0.274mmol)及びDCM(3mL)の溶液を、室温で18時間撹拌した。すべての試薬の第2のアリコートを加え、撹拌をさらに18時間続けた。溶媒を蒸発させ、残留物を、DCM及びDCM/MeOH/NHOH(60/10/1)の溶液の勾配(100〜70% DCM)で溶離するSiOのクロマトグラフィーにより精製した。さらに回収した物質を、MeOH/DCM(0〜10% MeOH)で溶離するSiOカラムのクロマトグラフィーに付し、減圧下で乾燥させて、II−13を得た。
【0280】
実施例34
ヒトCCR5受容体−リガンド結合アッセイプロトコール
ヒトCCR受容体(Genebank ID: 29169292)は、哺乳動物発現ベクターのpTarget(Promega)中にクローン化した。この作成体は、Fugene Reagent(Roche)を用いることによりCHO−Gα16細胞中にトランスフェクトした。抗菌薬圧(G418及びハイグロマイシン)下でクローンを選択して、蛍光活性化セルソーター及びCCR5受容体に特異的なモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmigen, Mab 2D7, Cat.No.555993)により4回ソートした。発現量の最も高い(100,000コピー/細胞)クローンを結合アッセイのために選択した。
【0281】
225mL組織培養フラスコ中の接着性細胞(約90%コンフルエント)を、Ca2+及びMg2+を含まないPBS(リン酸緩衝生理食塩水)中の1mM EDTAを用いて収集した。細胞は、Ca2+及びMg2+を含有しないPBSで2回洗浄した。CHO−Gα16−hCCR5細胞を次に、新たに調製した0.5% BSA及び0.05% NaNを補足した、氷冷結合緩衝液(50mM HEPES、1mM CaCl、5mM MgCl、0.5% BSA、0.05% NaN、pH7.24)中に再懸濁した(1×10個/mL)。
【0282】
CHO−Gα16−hCCR5(1×10個/mL)細胞80μlを、96ウェルプレートに加えた。全ての希釈液は、結合緩衝液(50mM HEPES、1mM CaCl、5mM MgCl、0.5% BSA、0.05% NaN、pH7.24)中で調製した。
【0283】
プレートは、0.1nM 125I RANTES又は125I MIP−1α又は125I MIP−1βの最終濃度で、RTで2時間、細胞シェーカー上でインキュベートした。化合物の希釈液は、PBS、1% BSA中で調製した。総反応容量は、100μl/ウェルとした。試験化合物を、放射性リガンドの添加前に細胞に加えた。
【0284】
インキュベーション後、細胞を、Packardのセルハーベスターを用いてGF/Cフィルタープレート上に収集した。フィルターは、0.3% PEI/0.2% BSAで30分間前処理した。フィルタープレートを、pH7.1に調整した25mM HEPES、500mM NaCl、1mM CaCl及び5mM MgClで5回迅速に洗浄した。プレートは、オーブン(70℃)中で20分間乾燥して、シンチレーション液40μlを加えて、Packard TopSeal-Aで密封した。PackardのTop Countを使用して、1分/ウェルで放射活性を測定した。
【0285】
総結合は、放射性同位体及び緩衝液を加えた対照ウェルで求め、非特異結合は、幾つかの対照ウェルに過剰の冷RANTESを用いて求めた。特異結合は、総結合から非特異結合を差し引くことにより求めた。結果は、特異的125I RANTES結合の百分率として表す。IC50値は、種々の濃度の試験リガンドを三重に用いて求め、データは、GraphPad Prism(GraphPad, San Diego, CA)を用いて解析した。典型的なデータは、表Vに示される。
【0286】
【表5】

【0287】
実施例35
CCR5介在性CCFアッセイ
CCFアッセイは、以前に報告されたように実施した(C. Ji, J. Zhang, N. Cammack and S. Sankuratri, J. Biomol Screen. 2006 11(6):652-663)。HeLa−R5細胞(R5向性ウイルス由来のgp160及びHIV−1 Tatを発現する)を384ウェルの白色培養プレート(BD Bioscience, Palo Alto, CA)に7.5×10細胞/ウェルで、10% FBS、1×Pen-Strep、300μg/mL G418、100μg/mLハイグロマイシン、及び1μg/mLドキシサイクリン(Dox)(BD Bioscience, Palo Alto, CA)を補足したフェノールレッド不含ダルベッコー修飾イーグル培地(DMEM)中で、Multimek(Beckman, Fullerton, CA)を用いて平板培養して、gp160の発現を誘導するために37℃で一晩インキュベートした。5% DMSOを含有する培地中の希釈化合物10μLを細胞に加え、次にCD4及びCCR5を発現し、かつHIV−2末端反復配列(LTR)主導ルシフェラーゼレポーター遺伝子を有する、CEM−NKr−CCR5−Luc(NIH AIDS Research & Reference Reagents Programから入手)を1.5×10細胞/15μL/ウェルで加え、24時間インキュベートした。同時培養後、Steady-Gloルシフェラーゼ基質15μLを各ウェルに加え、培養液を密封して、45分間穏やかに振盪した。ルシフェラーゼ活性は、10分の暗順応で16チャネルTopCount NXT(PerkinElmer, Shelton, CT)を用いることにより、10秒/ウェルでルミネセンスとして測定して、読み取りはカウント/秒(CPS)とした。薬物相互作用実験には、低分子化合物又は抗体を、5% DMSO(CalBiochem, La Jolla, CA)及び1×Pen-Strepを含有する血清不含及びフェノールレッド不含RPMIに連続希釈した。薬物−薬物相互作用について試験すべき2種の希釈した化合物又はmAbそれぞれ5μLを、標的細胞の添加の直前にHeLa−R5細胞に加えた。
【0288】
【表6】

【0289】
実施例36
HIV−1単一サイクル抗ウイルスアッセイ
試験化合物に対する、CCR5向性ウイルスのエンベロープタンパク質NLBalで偽型にした組換えHIV−1ウイルスの感受性を、JC53BL細胞を用いてルシフェラーゼレポーターアッセイで求めた。NLBal偽型化HIV−1は、等量のエンベロープ欠失HIV−1プラスミドのDNA及びNLBalエンベロープ発現プラスミドのDNAでの、293T細胞(ATCC)のリン酸カルシウムトランスフェクションにより作成した。培地(DMEM、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、全てGibco)をトランスフェクションの16時間後に交換して、ウイルス含有上清をトランスフェクションの48時間後に収集した。NLBal偽型化HIV−1の感受性を求めるために、25,000個のJC53BL細胞(NIH AIDS Reagent Program)をNLBal偽型化HIV−1により、白色96ウェルプレート(Greiner Bio-one)中で薬物勾配の存在下で感染させた。アッセイ培地(DMEM、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン)を用いて容量を200μLに調整した。37℃、相対湿度90%、5% COで3日間インキュベーション後、Steady-Glo(登録商標)ルシフェラーゼ試薬(Promega)50μLを加え、RTで5分間インキュベートして、照度計(Luminoskan, Thermo)を用いてルミネセンスを測定した。Microsoft XL Fit 4ソフトウェアを用いて、50%及び90%の阻害濃度を算出した。
【0290】
【表7】

【0291】
実施例37
走化性アッセイ
L1.2hCCR5細胞は、10%ウシ胎仔血清、10μg/mLペニシリン/ストレプトマイシン、0.1mMグルタミン、1M ピルビン酸ナトリウム、55μM β−メルカプトエタノール、及び250μg/mLジェネティシン(geneticin)(全てInvitrogen)を含有するRPMI 1640中で培養する。走化性アッセイ設定の直前に、細胞を遠沈して、Chemotaxis Buffer(0.1% BSA及び10mM HEPESを含有するハンクス液(Hank's Balanced Salt Solution)、HBSS(Invitrogen))に再懸濁する。細胞は、5×10細胞/mLの最終濃度で走化性アッセイにおいて使用する。
【0292】
CCR5リガンドのhMIP1α、hMIP1β又はhRANTES(R&D Systems)は、Chemotaxis Bufferに希釈して、10nMの最終濃度で使用する。試験物質及び適切なビヒクル対照は、Chemotaxis Bufferに希釈する。
【0293】
走化性アッセイは、0.5μm細孔の96ウェルChemoTx(登録商標)システム(Neuroprobe)で設定する。各試験又は対照物質は、CCR5リガンドの1種と混合して、この混合物30μLをChemoTx(登録商標)システムの下部ウェルに入れる。フィルタースクリーンを下部ウェルの上に載せて、上部ウェルを形成する。各試験又は対照物質は、L1.2hCCR5細胞と混合して、この混合物20μLを上部ウェルに載せる。次にこのプレートを加湿チャンバーに入れて、37℃及び5% COで3時間インキュベートする。
【0294】
インキュベーション時間後、細胞をフィルターから擦り落として、プレートを卓上遠心機で2,000rpmで10分間回転させる。次にフィルターを取り出して、CyQUANT(登録商標)細胞増殖アッセイキット(Invitrogen)及びSpectra MAX GeminiXSプレートリーダー(Molecular Devices)を製造業者の取扱説明書により用いて、下部ウェルに遊走した細胞の密度を検出する。蛍光測定法を用いて、遊走パーセントを以下により求める:遊走%=[1−(max−obs)/(max−min)]×100。観測値(obs)は、試験ウェルにおいて観測された値である。最大(max)は、リガンド+対照の平均であり、そして最小(min)は、リガンドなし+対照の平均である。IC50は、用量反応曲線の最小及び最大の間の中点で定義される。これは、Excel Fitで算出する。
【0295】
【表8】

【0296】
実施例38
幾つかの投与経路のための本対象の化合物の医薬組成物を、この実施例で記載されているように調製した。
【0297】
【表9】

【0298】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに分配する。1カプセルが1日用量のほぼ全てとなる。
【0299】
【表10】

【0300】
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して顆粒にする。次に配合物を乾燥させ、適切な打錠機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0301】
【表11】

【0302】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0303】
【表12】

【0304】
活性成分を注射用水の一部に溶解する。次に塩化ナトリウムの十分な量を撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用水の残りで溶液の重量にして、0.2μ膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0305】
【表13】

【0306】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴で混合し、全重量2.5gを含有する型に注ぐ。
【0307】
【表14】

【0308】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次に、約100gにするのに十分な量の水を加える。
【0309】
鼻腔スプレー用処方(G)
活性化合物を約0.025〜0.5%含有するいくつかの水性懸濁液を、鼻腔スプレー用処方として調製する。配合物は、場合により例えば、微晶質セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストロース等のような不活性成分を含む。塩酸を加えてpHを調整してよい。鼻腔スプレー配合物は、鼻腔スプレー計量ポンプを介して、典型的には1回の作動で配合物を約50〜100μl送達する。一般的な投与スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回のスプレーである。
【0310】
前記の記載、又は下記の特許請求項において開示された特徴であり、特定の形態で、又は開示された機能を実行する手段により、又は適切であれば、開示された結果に達成する方法若しくは手順に関して表わされた特徴は、必要に応じて、別個に、又は、このような特徴の任意の組み合わせにおいても、それらの多様な形態において本発明を実現するために利用することができる。
【0311】
前記の発明は、明瞭さ及び理解の目的のために、説明及び例として幾つかの詳細が記載されている。変更及び変形を添付の請求項の範囲内で実施してもよいことが、当業者には明白であろう。したがって、上記の記載は、例示的であり制限的ではないことを意図していることが理解される。したがって、本発明の範囲は、上記の記載に関して決定されるべきではなく、下記添付の特許請求項に関して、そのような特許請求が享有できる権利の同等物の包括的範囲と共に決定されるべきである。
【0312】
本出願における全ての特許、特許出願書及び出版物は、各個々の特許、特許出願書又は出版物が各々に意味するように、それぞれその全体が参照として本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化22】


[式中、
は、
(a)C3−6シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1−3アルキル、オキソ、ハロゲン、C1−6アルコキシ−オキシイミノ及びC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシからなる群より独立に選択される、1〜3個の基で置換されている);
(b)C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル(ここで、該シクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1−3アルキル、オキソ、ハロゲン、C1−6アルコキシ−オキシイミノ及びC1−6アルコキシ−C1−6アルキルオキシからなる群より独立に選択される、1〜3個の基で置換されているが、ただし、該C3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、4,4−ジフルオロシクロヘキシル−メチル又は1−ヒドロキシル−シクロヘキシル−メチルではない);
(c)下記式:
【化23】


(式中、Rは、水素又はハロゲンである)で示される基;
(d)下記式:
【化24】


で示される基;
(e)下記式:
【化25】


で示される基;
(f)下記式:
【化26】


(式中、mは、0又は2である)で示される基;
(g)ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−3アルキル、フェニルC1−3アルキル(ここで、該ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピラジン又はピリダジンであり、そして該ヘテロアリール又は該フェニルは、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−6アルコキシ、シアノ又はニトロから独立に選択される、1〜3個の置換基で独立に置換されている);
(h)C1−6ハロアルキル;
(i)下記式:
【化27】


で示される基;
(j)下記式:
【化28】


で示される基;
(k)下記式:
【化29】


で示される基;又は
(m)下記式:
【化30】


で示される基であり;
は、C1−6アルキルであり;
は、水素又はC1−3アルキルであり;
は、(a)〜(i)及び(j):
(a) 4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル;
(b) 4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル;
(c) 2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
(d) 2,4−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル
(e) 6−シアノ−2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
(f) 2,4−ジメチル−6−オキソ−6H−ピラン−3−イル
(g) 2,4−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル;
(h) 1,2,4−トリメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル;
(i) 3,5−ジメチル−1−オキシ−1H−ピラゾール−4−イル;及び
(j) 5−シアノ−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−イル;又は
(k) 3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−イル
(l) 3,5−ジメチル−1−ヒドロキシ−ピラゾール−4−イル;
からなる群より選択され;
は、C1−6アシル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルSO、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルであり、そしてnは、0〜3であり;
pは、1又は3である]で示される化合物又は薬学的に許容しうるその酸付加塩。
【請求項2】
が、4−アルコキシ−シクロヘキシルメチル又は4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチルであり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
C−5立体配置が、Sである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が、(e)、(j)、(k)若しくは(l)であり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
が、C1−6アルコキシカルボニル若しくは2,2−ジフルオロエチルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
C−5立体配置が、Sである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
が、(c)、(d)若しくは(i)であり、Rが、メチルであり、そしてRが、(a)、(c)若しくは(e)である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
が、(g)であり、Rが、メチルであり、Rが、(a)、(c)若しくは(e)であり、そしてC−5立体配置が、Sである、請求項1の化合物。
【請求項9】
下記:
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−((1S,3S)−3−メトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−メトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−メトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−メトキシメトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−メトキシメトキシ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−{4−[(S)−5−ブチル−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル]−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[(1R,5S,6S)−1−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)メチル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−(4−{(S)−5−ブチル−3−[(1R,5S,6S)−1−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)メチル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[(1R,5S,6S)−1−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)メチル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(6−ジフルオロメチル−2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−{4−[(S)−5−ブチル−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル]−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(R)−1−[1,4]ジオキサン−2−イルメチル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−[4−((S)−5−ブチル−3−(R)−1−[1,4]ジオキサン−2−イルメチル−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル)−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル]−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(S)−1−[1,4]ジオキサン−2−イルメチル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−[4−((S)−5−ブチル−3−(S)−1−[1,4]ジオキサン−2−イルメチル−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル)−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル]−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−((1S,5R,6R)−6−フルオロ−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
3−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルメチル)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン,
3−(1−アセチル−ピペリジン−3−イルメチル)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン,
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン,
3−[2−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−エチル]−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
4−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル、
3−{5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル、
4−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(1−オキセタン−3−イル−ピペリジン−4−イルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−3−(1−シクロプロピル−ピペリジン−4−イルメチル)−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−3−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−ピペリジン−4−イルメチル]−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−(4−{(S)−5−ブチル−3−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−ピペリジン−4−イルメチル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル)−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
(S)−3−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピロリジン−1−カルボン酸エチルエステル、
(S)−3−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピロリジン−1−カルボン酸メチルエステル、
(S)−5−ブチル−3−[(S)−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−ピロリジン−3−イルメチル]−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(R)−3−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピロリジン−1−カルボン酸メチルエステル、
(1R,5S,6R)−6−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸エチルエステル、
(S)−5−ブチル−3−[(1R,5S,6R)−3−(2,2−ジフルオロ−エチル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル]−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−3−[(1R,5S,6R)−3−(2,2−ジフルオロ−エチル)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル]−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(1R,5S,6R)−6−{(S)−5−ブチル−9−[4−メチル−1−(3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチルエステル、
(S)−3−((1R,5S,6R)−3−アセチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルメチル)−5−ブチル−9−[4−メチル−1−(3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(1S,3R,5R)−3−{(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸メチルエステル、
(S)−5−ブチル−3−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−9−[4−メチル−1−(3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
4−{(S)−5−ブチル−9−[4−メチル−1−(3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル、
(S)−3−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルメチル)−5−ブチル−9−[4−メチル−1−(3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−3−(1−アセチル−ピペリジン−3−イルメチル)−5−ブチル−9−[4−メチル−1−(3−メチル−5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;ギ酸との化合物、
5−ブチル−3−(3,3−ジフルオロ−シクロブチルメチル)−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−オキソ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
4−{5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ベンゾニトリル、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−ヒドロキシ−4−メチル−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−ピリミジン−2−イルメチル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−{4−[(S)−5−ブチル−3−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イルメチル)−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル]−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
(S)−5−ブチル−3−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−ピリジン−2−イル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
5−[4−((S)−5−ブチル−2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル)−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル]−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチル]−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシイミノ−シクロヘキシルメチル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、
(S)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン、及び、
5−{4−[(S)−5−ブチル−3−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−オキソ−1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−9−イル]−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル、
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物及び薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置用の医薬として使用するための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症の治療若しくは予防、又はAIDS若しくはARCの処置用の医薬の製造のための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項13】
関節リウマチの処置用の医薬として使用するための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
関節リウマチの処置用の医薬の製造のための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項15】
喘息又はうっ血性閉塞性肺疾患(COPD)の処置用の医薬として使用するための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
喘息又はうっ血性閉塞性肺疾患(COPD)の処置用の医薬の製造のための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項17】
固形臓器移植拒絶の処置用の医薬として使用するための、請求項1〜9いずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
固形臓器移植拒絶の処置用の医薬の製造のための、請求項1〜9いずれか一項の化合物の使用。
【請求項19】
請求項1〜9いずれか一項記載の化合物及び少なくとも1種の薬学的に許容しうる担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項20】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2010−522707(P2010−522707A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500218(P2010−500218)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053238
【国際公開番号】WO2008/119663
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】