説明

抗体

【課題】P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1に結合する抗体と、その利用方法の提供。
【解決手段】P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1に結合する抗体の軽鎖もしくは重鎖相補性決定領域を有する抗体。また、免疫グロブリン鎖をコード化する核酸、当該核酸を有するベクター及び宿主細胞、ならびに活性化T細胞の死の誘導方法及び患者のT細胞が仲介する免疫応答の調節方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2004年5月10日付で提出された、米国仮特許出願第60/569,892号の優先権を主張し、当該仮出願は参考によって完全に本明細書中に引用される。
【背景技術】
【0002】
背景
非常に攻撃的なT細胞は、しばしば、望ましくない免疫反応を引き起こし、これにより、様々な疾患、例えば、自己免疫疾患、移植拒絶反応、アレルギー疾患、及びT細胞誘発癌を引き起こす。したがって、攻撃的なT細胞の制御はこのような疾患を治療するのに重要である。これらの細胞の活性は、免疫抑制によってまたは免疫寛容の誘導によって封じられうる。別の解決方法としては、アポプトシスの誘導があり、これは、非常に攻撃的なT細胞などの、望ましくない細胞を除去するのに係わりがあると考えられている。例えば、Kabelitz et al.(1993) Immunol Today 14,338−340;およびRaff(1992) Nature 356,397−399を参照。
【発明の概要】
【0003】
要約
本発明は、活性化T細胞のP−セレクチン糖タンパク質リガンド−1(PSGL−1)に結合するとアポプトシスを誘導する抗体およびその誘導体に関する。
【0004】
一つの態様では、本発明は、(i)それぞれ、RSSQSIVHNDGNTYFE、KVSNRFS、およびFQGSHVPLT(配列番号:1〜3)を含む;(ii)それぞれ、SFGMH、YINGGSSTIFYANAVKG、およびYASYGGGAMDY(配列番号:4〜6)を含む;(iii)、それぞれ、RASSTVNSTYLH、GSSNLAS、およびQQYSGYPLT(配列番号:7〜9)を含む;(iv)それぞれ、AYYIH、VNPNTGGTSYNPKFKG、およびSGSPYYRYDD(配列番号:10〜12)を含む;(v)それぞれ、RSSQSIVNSNGNTYLE、KVSNRFS、およびFQGSHVPWT(配列番号:13〜15)を含む;または(vi)それぞれ、TNAMNWVRQAPGKGLE、TYYADSVKD、およびGGSYWYFDV(配列番号:16〜18)を含む、3種の配列を有する免疫グロブリン鎖を特徴とする。
【0005】
上記6セットの配列は、それぞれ、下記実施例に記載される3つのマウス15A7、43B6、および9F9抗体のものなどの、PSGL−1に結合する抗体の3種の軽鎖または重鎖の相補性決定領域(CDR)に相当する。以下に、これらの3つの抗体の軽鎖および重鎖可変(V)領域を示す(配列番号:19〜26、CDRは下線がふされ、強調されている):
【0006】
【化1】

【0007】
【化2】

【0008】
【化3】

【0009】
【化4】

【0010】
【化5】

【0011】
【化6】

【0012】
抗体の抗原結合特異性はその軽鎖および重鎖CDRによって決定されるため、上記CDRは、抗原結合特異性を保持する抗体誘導体を得るのに使用できる。抗体誘導体の例としては、キメラ抗体、ヒト化抗体、およびこれらの機能的な等価物が挙げられる。以下に、それぞれ、配列番号:1〜3及び配列番号:4〜6を含む、ヒト化15A7抗体の軽鎖V領域(配列番号:25)及び重鎖V領域(配列番号:26)を示す:
【0013】
【化7】

【0014】
【化8】

【0015】
本発明はまた、上記免疫グロブリン鎖の一をコード化する配列を有する単離された核酸を特徴とする。「抗体」または「免疫グロブリン鎖」ということばは、単離されたポリペプチド、即ち、自然界で関連する他のタンパク質、脂質、及び核酸から実質的に分離されたポリペプチドを意味する。ポリペプチドは、少なくとも50、70、または95乾燥重量%の精製調製物を構成しうる。「単離された核酸」ということばは、自然発生する核酸の構造にまたは自然発生するゲノム核酸のフラグメントの構造と一致しない構造を有する核酸を意味する。したがって、当該ことばは、例えば、(a)自然発生するゲノムDNA分子の一部の配列を有するが自然発生している生物体のゲノムの分子のその部分に隣接するコーディング配列の双方には隣接しないDNA;(b)得られる分子が自然発生するベクターまたはゲノムDNAに一致しないようにベクター中にまたは原核生物若しくは真核生物のゲノムDNA中に組み込まれた核酸;(c)cDNA、ゲノムフラグメント、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって製造されるフラグメント、または制限断片などの別の分子;および(d)ハイブリッド遺伝子、即ち、融合タンパク質をコード化する遺伝子の一部である組換えヌクレオチド配列を包含する。本発明の核酸は、本発明のポリペプチドを発現するのに使用できる。上記を目的として、適当な調節配列に核酸を機能できるように(operatively)連結して、発現ベクターを得てもよい。
【0016】
ベクターとは、予め連結された他の核酸を輸送することができ、また、宿主DNA中への自己複製または組み込みができる核酸分子を意味する。例としては、プラスミド、コスミド、及びウィルスベクターが挙げられる。本発明のベクターは、宿主中で核酸を発現させるのに適当な形態の核酸を含む。好ましくは、本ベクターは、一以上の調節配列が発現させる核酸配列に機能できるように(operatively)連結させてなる。調節配列の例としては、プロモーター、エンハンサー、及び他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)が挙げられる。調節配列はまた、組織特異的調節および/または誘導配列に加えて、ヌクレオチド配列の構成性発現をさせるものなどが挙げられる。このような発現ベクターの設計は、形質転換させる宿主細胞の選択および所望の発現レベルなどの考慮に基づいて行なわれる。発現ベクターを宿主細胞に導入して、本発明のポリペプチドを製造してもよい。本発明はまた、上記核酸を含む宿主細胞をも包含する。宿主細胞とは、外因性のコーディング配列または非コーディング配列を含む細胞を意味する。外因性配列は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストランによるトランスフェクション(DEAE-Dextran mediated transfection)、またはエレクトロポレーションによって細胞中に導入されうる。適当な宿主細胞としては、細菌細胞(例えば、大腸菌(E. coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、及びネズミチフス菌(Salmonella typhimurium))、酵母細胞(例えば、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)及びシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))、植物細胞(例えば、タバコ(Nicotiana tabacum)及びゴシピウム・ヒルスタム(Gossypium hirsutum))、ならびに哺乳動物細胞(例えば、マウスハイブリドーマ細胞、CHO細胞、及び3T3線維芽細胞)が挙げられる。
【0017】
本発明の免疫グロブリン鎖を製造するためには、上記核酸によってコード化されるポリペプチドを発現できる条件下で宿主細胞を培養し、さらに培養物からポリペプチドを単離することができる。または、本発明の核酸を、例えば、T7プロモーター調節配列及びT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写及び翻訳してもよい。
【0018】
抗体は、本発明の範囲に包含される。抗体は、第一の免疫グロブリン鎖及び第二の免疫グロブリン鎖によって形成され、これらは、それぞれ、上記マウス15A7、43B6、または9F9抗体の軽鎖CDR及び重鎖CDRを含む。好ましくは、この抗体は、15A7の軽鎖及び重鎖によって形成される。
【0019】
(i)P−セレクチン糖タンパク質リガンド1とP−セレクチンとの結合を妨げることなくP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に特異的に結合し、および(ii)活性化T細胞のP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に結合すると、T細胞の死を誘導する他の抗体もまた、本発明の範囲に含まれる。一実施態様において、この抗体は、ヒトP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に特異的に結合する。
【0020】
成熟ヒトP−セレクチン糖タンパク質リガンド1の115〜126番目のアミノ酸残基に特異的に結合する他の抗体もまた、本発明の範囲にさらに含まれる。好ましくは、本抗体は、117〜123番目のアミノ酸残基に特異的に結合する。より好ましくは、本抗体は、全ての試験エピトープの中の共通配列である、119〜121番目のアミノ酸残基に特異的に結合する。実際には、これらの3つのアミノ酸残基の一以上の変異によって、抗体の結合性がなくなる。一つの例としては、この抗体は、活性化T細胞のP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に結合すると、活性化T細胞の死を誘導する。
【0021】
一実施態様において、上記した2つの抗体の一方は、それぞれ、配列番号:1〜3及び配列番号:4〜6(例えば、配列番号:19及び20、または配列番号:25及び26)を含む軽鎖及び重鎖によって形成される。
【0022】
さらなる態様によると、本発明は、活性化T細胞の死を誘導する方法を特徴とする。本方法は、上記の3つの抗体の一を活性化T細胞と接触することを含み、この際、抗体が活性化T細胞に結合することにより、細胞の死が誘導される。
【0023】
本発明はまた、患者のT細胞が仲介する免疫応答を調節する方法を特徴とする。本方法は、(1)過剰のT細胞が仲介する免疫応答に関連する症状を有するまたは前記症状を有する危険性のある患者を同定し、さらに(2)この患者に上記3つの抗体の一を有効量投与することを有する。「過剰のT細胞が仲介する免疫応答」とは、過剰なレベルの活性化T細胞によって引き起こされる応答を意味する。過剰なレベルとは、(1)正常なレベルより高いレベル、および(2)たとえ正常なレベル以下であるものの、個体で望まれるレベルより高いレベルを意味する。症状の例としては、患者が同種もしくは異種移植を受けたまたは同種もしくは異種移植を受ける予定があるような状況に加えて、炎症疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、またはT細胞癌が挙げられる。
【0024】
本発明の一以上の実施態様の詳細は、下記説明で記載される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、詳細な説明から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
本発明は、少なくとも一部は、活性化T細胞のPSGL−1に抗体またはその誘導体を結合させることによって、活性化T細胞のアポプトシスを誘導でき、さらに活性化T細胞を枯渇させることができるという予想できない発見に基づくものである。上記抗体及びその誘導体は、過剰のもしくは望ましくないT細胞が仲介する免疫応答またはT細胞の増殖に関連する症状を治療するのに有用である。
【0026】
したがって、本発明は、抗PSGL−1抗体の免疫グロブリン軽鎖または重鎖CDRを含むポリペプチド、さらにはこのようなポリペプチドをコード化する核酸を特徴とするものである。免疫グロブリン鎖及び核酸は双方とも、上記抗体及び誘導体を作製するのに使用できる。
【0027】
本発明の免疫グロブリン鎖は、合成ポリペプチドまたは組換えポリペプチドとして得られてもよい。組換えポリペプチドを調製するためには、これをコード化する核酸を、融合パートナー、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、6x−Hisエピトープタグ(6x-His epitope tag)、M13ジーン3プロテイン(M13 Gene 3 protein)、または免疫グロブリン重鎖定常領域をコード化する他の核酸に連結しうる。得られた融合核酸は、タンパク質発現を目的として細胞に導入されうる。融合タンパク質は、当該分野において既知の方法によって宿主細胞から単離できる。単離された融合タンパク質は、さらに、例えば、酵素による消化によって処理して、融合パートナーを除去し、有益な組換えポリペプチドを得てもよい。または、免疫グロブリン鎖は、鎖をコード化する核酸の内因性発現を活性化することによって、適当な宿主から得てもよい。
【0028】
本発明の免疫グロブリン鎖のアミノ酸組成は、PSGL−1に結合できる抗体の形成能を破壊しない限り様々なものでありうる。例えば、このような変異体は、一以上の構成性アミノ酸置換を含むものであってもよい。「構成性アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基を同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換したものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基群は、当該分野において規定されている。これらの群としては、塩基側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、無極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。ゆえに、ポリペプチドにおける予想される非必須アミノ酸残基は、好ましくは、同じ側鎖群から他のアミノ酸残基で置換される。または、飽和突然変異誘発などによって、本発明のポリペプチドのすべてまたは一部にそってランダムに突然変異を導入してもよく、得られた変異体は、下記実施例に記載されるのと同様にして、PSGL−1に結合できる抗体の形成能についてスクリーニングすることにより、本発明の変異体を同定してもよい。ゆえに、一例としては、「配列番号:19を含む免疫グロブリン鎖」ということばは、配列番号:19の変異体を含む免疫グロブリン鎖を包含する。
【0029】
上記免疫グロブリン鎖及び変異体は、本発明の抗体またはその誘導体を作製するのに使用できる。「抗体」は、Fab、F(ab’)、Fv、scFv(単鎖抗体)、及びdAb(ドメイン抗体、Ward, et. al. (1989) Nature, 341, 544)等の、完全な分子、さらにはその断片を含む。抗体の誘導体とは、本発明のポリペプチド変異体のタンパク質またはタンパク質複合体を意味する。本発明の抗体または誘導体は、下記実施例で記載されるのと同様にして適当な宿主細胞中で対応する軽鎖及び重鎖CDRを含むポリペプチドを一緒に発現させることによって作製されうる。または、これらは、モノクローナル及びポリクローナル抗体ならびにフラグメントを作製する分野における既知の方法によって作製されうる。例えば、Harlow and Lane, (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yorkを参照。
【0030】
本発明の抗体を作製するためには、PSGL−1またはその抗原性フラグメントを、KLH等の、キャリアタンパク質にカップリングし、アジュバントと混合して、宿主動物に注射してもよい。次に、その動物で産生した抗体は、ペプチドアフィニティクロマトグラフィーによって精製できる。一般的に使用される宿主動物としては、ウサギ、マウス、モルモット、及びラットが挙げられる。免疫学的な応答を増大するのに使用できる様々アジュバントは、宿主の種によって異なり、フロイントアジュバント(完全及び不完全)、水酸化アルミニウム等の無機ゲル、リゾレシチン等の界面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、及びジニトロフェノールが挙げられる。使用できるヒト用アジュバントとしては、BCG(カルメット・ゲラン桿菌(bacille Calmette-Guerin))及びコリネバクテリウム・パルヴム(Corynebacterium parvum)が挙げられる。
【0031】
抗体分子の異種集団である、ポリクローナル抗体は、免疫処置を受けた患者の血清中に存在する。特定の抗原に対する抗体の同種集団である、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を用いて調製されうる。例えば、Kohler et al.(1975) Nature 256,495;Kohler et al.(1976) Eur. J. Immunol. 6,511;Kohler et al.(1976) Eur. J. Immunol. 6,292;及びHammerling et al.(1981) Monoclonal Antibodies and T Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y.を参照。特に、モノクローナル抗体は、米国特許第4,376,110号に記載されるような培養物における連続細胞系による抗体分子の製造を提供する技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor et al.(1983) Immunol Today 4,72;Cole et al.(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80,2026)およびEBVハイブリドーマ技術(Cole et al.(1983) Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R. Liss,Inc.,pp.77−96)によって得られる。このような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD等の免疫グロブリンクラス、及びこのいずれかのサブクラスであってもよい。本発明のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマは、インビトロまたはインビボで培養されてもよい。インビボで高力価のモノクローナル抗体を生産できると、特に有用な生産方法が得られる。
【0032】
加えて、「キメラ抗体」の生産を目的として開発された技術が使用されうる。例えば、Morrison et al.(1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81,6851;Neuberger et al.(1984) Nature 312, 604;およびTakeda et al.(1984) Nature 314,452を参照。キメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体由来の可変領域及びヒト免疫グロブリン定常領域を有するものなどの、異なる部分が異なる動物種由来である分子である。または、単鎖抗体の生産について記載される技術(米国特許第4,946,778号及び第4,704,692号)を適用して、単鎖Fv抗体のファージライブラリーを生産してもよい。単鎖抗体は、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖及び軽鎖フラグメントを連結することによって形成される。さらに、抗体フラグメントは、既知の技術によって得られる。例えば、このようなフラグメントとしては、以下に制限されるものではないが、抗体分子のペプシン消化によって製造されうるF(ab’)フラグメント、およびF(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって得られるFabフラグメントがある。抗体はまた、下記実施例に記載されるまたは既知の方法によってヒト化されてもよい。例えば、所望の結合特異性を有するモノクローナル抗体は、商業上、ヒト化されうる(Scotgene,Scotland;およびOxford Molecular,Palo Alto,Calif.)。形質転換動物中で発現するものなどの、完全ヒト化抗体は、本発明の範囲に包含される(例えば、Green et al.(1994) Nature Genetics 7,13;ならびに米国特許第5,545,806号及び第5,569,825号参照)。
【0033】
例えば、インビトロで活性化T細胞を本発明の抗体と接触させることによって、および有効量の抗体を活性化T細胞の死を誘導する必要のある患者に投与することによって、活性化T細胞の死を誘導する方法もまた、本発明の範囲に含まれる。治療される患者は、過剰のまたは望ましくないT細胞が仲介する免疫応答に関連する症状を有するとまたはこのような症状を有する危険性のあると同定されるものでありえ、例えば、自己免疫疾患、移植拒絶、アレルギー疾患、またはT細胞誘導性癌を罹患する患者がありうる。本方法は、単独でまたは他の薬剤若しくは治療法と組合わせて行なわれ得る。
【0034】
「治療」ということばは、疾患、疾患の症状、疾患に続発する病状、または罹患しやすい傾向を治癒する、緩和する、軽減する、修復する、予防する、または改善することを目的とした患者への組成物の投与を意味する。「有効量」とは、治療される患者に医学的に望ましい結果を生じさせ得る組成物の量である。
【0035】
治療される疾患例としては、真性糖尿病、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨粗鬆症、及び乾癬性関節炎を含む)、多発性硬化症、脳脊髄炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎及び湿疹様皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、アフター性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、1型糖尿病、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー喘息、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、ハンセン病逆転反応(leprosy reversal reactions)、癩性結節性紅斑、自己免疫性ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳脊髄炎、特発性両側性進行性感音難聴、再生不良性貧血、赤芽球癆、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブンス−ジョンソン症候群、突発性スプルー(idiopathic sprue)、扁平苔癬、グレーブス病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ブドウ膜炎、間質性肺線維症、移植片対宿主病、骨髄移植、肝臓移植、またはいずれかの器官もしくは組織の移植等の移植の症例(同種または異種組織を用いた移植を含む)、アトピー性アレルギー等のアレルギー、AIDS、および白血病またはリンパ腫等のT細胞腫瘍が挙げられる。
【0036】
一つのインビボアプローチでは、治療用組成物(例えば、本発明の抗体を含む組成物)を、患者に投与する。通常、抗体は、製薬上許容できる担体(例えば、生理食塩水)に懸濁し、経口でもしくは静脈内注射によって投与し、または皮下に、筋肉内に、髄腔内に、腹腔内に、直腸内に、膣内に、鼻腔内に、胃内に、気管内に、もしくは肺内に注射または移植してもよい。
【0037】
必要投与量は、投与径路の選択;製剤の性質;患者の病状の性質;患者の大きさ、体重、表面積、年齢及び性別;投与される他の薬剤;ならびに主治医の判断によって異なる。適当な投与量は、0.01〜100.0mg/kgの範囲である。必要投与量の変更は、様々な利用できる組成物や様々な投与経路の異なる有効性を考慮して予想されうる。例えば、経口投与は、静脈内注射による投与に比してより高い投与量が必要であることが予想される。これらの投与レベルの変更は、当該分野においてよく理解されるような最適化のための標準的な経験手順を用いて調節できる。適当なデリバリーベヒクル(例えば、ポリマー微粒子または移植可能なデバイス)への組成物のカプセル封入により、デリバリー、特に経口デリバリーの有効性を高めてもよい。
【0038】
製薬上許容できる担体および有効量の本発明の抗体を含む薬剤組成物もまた、本発明の範囲に含まれる。本薬剤組成物は、上記したような病気を治療するのに使用できる。製薬上許容できる担体としては、溶剤、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、ならびに等張剤及び吸収遅延剤が挙げられる。
【0039】
本発明の薬剤組成物は、公知の方法を用いて様々な投与経路用の剤形で配合されうる。例えば、経口投与を目的としてカプセル、ゲルシール、または錠剤状に配合されてもよい。カプセルは、ゼラチンまたはセルロース等の標準的な製薬上許容できる材料を含んでもよい。錠剤は、本組成物を固体担体及び滑剤と一緒に圧縮混合することにより、公知の方法に従って配合されうる。固体担体の例としては、デンプン、糖ベントナイトが挙げられる。本組成物はまた、ハードシェルタブレットまたは結合剤、例えば、ラクトースまたはマンニトール、公知の充填剤、および錠剤化剤を含むカプセルの形態で投与されてもよい。本薬剤組成物は、非経口経路で投与されてもよい。非経口用の剤形の例としては、水溶液、等張液もしくは活性剤の5%グルコース、または他の既知の製薬上許容できる賦形剤が挙げられる。シクロデキストリン、または当業者に既知の他の可溶化剤を治療剤のデリバリーを目的とする製薬用の賦形剤として使用してもよい。
【0040】
本発明の組成物の有効性は、インビトロ及びインビボ双方で評価できる。例えば、下記実施例を参照。簡単にいうと、本組成物を、インビトロでの活性化T細胞の死の誘導能について試験してもよい。インビボでの研究では、組成物を動物(例えば、マウスモデル)に注射した後、その治療効果を評価する。結果に基づいて、適当な投与量の範囲および投与経路を決定すればよい。
【実施例】
【0041】
下記特定の実施例は、単に詳細に説明するものであると解され、いかなる場合であっても残りの開示を制限するものではない。さらに説明を要さずに、当業者は、本明細書の記載に基づいて、本発明を十分利用することができると考えられる。本明細書中に列挙された公報はすべて参考によって完全に本明細書中に引用される。
【0042】
実施例1:マウスモノクローナル抗体15A7、43B6、及び9F
抗PSGL−1抗体の生成
標準的な技術を用いて、ヒトPSGL−1(hCD162)に特異的に結合するマウスモノクローナル抗体を得た。より詳細には、マウスを、PHA−活性化ヒトT細胞の膜画分で免疫処置し、剖検して、ハイブリドーマ細胞系を得た。得られたハイブリドーマ細胞系の上清を、安定してhCD162を発現するCHO細胞への結合性についてスクリーニングした。hCD162を発現するCHO細胞に結合するが親のCHO細胞には結合しない抗体を生産する細胞系を同定し、サブクローニングし、さらに下記のようにして分析した。
【0043】
m152−15A7、m166−43B6、及びm128−9F9は、同定された系の中に含まれていた。これらは、それぞれ、IgG1抗体15A7、43B6、及び9F9を生産していた。免疫ブロッティングアッセイから、活性化T細胞の溶解産物から破壊されたこれらの3種の抗体は、抗hCD162抗体(kpl-1, PharMingen, San Diego, CA)によって検出されうるタンパク質を産生することが示された。
【0044】
上記した3種の抗体について、活性化T細胞のアポプトシス誘導能を試験した。3種のハイブリドーマ細胞系によって分泌されるモノクローナル抗体を含む培養上清を、それぞれ、6時間、非活性化ヒトT細胞(0日目)またはインビトロで活性化されたヒトT細胞(7日目)と共にインキュベートした。次に、細胞を、アネクシンV(annexin V)で染色し、FACS分析にかけた。CD3に陽性な細胞を取り出して(gate)、インビトロで活性化されたヒトT細胞数または休止ヒトT細胞数のいずれかを計測した。アポプトシス細胞は、アネクシンV染色に陽性であった。表1は、スキャンされた全T細胞中に占められるアポプトシスT細胞の割合(%)を要約する。
【0045】
【表1】

【0046】
これらの結果から、マウス15A7、43B6、及び9F9抗体は、(1)hCD162に特異的であり、(2)ヒト活性化T細胞に結合して、休止ヒトT細胞のアポプトシスは誘導せずに、活性化T細胞のアポプトシスは誘導することが示された。
【0047】
また、アポプトシスアッセイをPHA活性化ヒト末梢血単核細胞(PMBC)で行なった。抗体は、活性化T細胞のみのアポプトシスを誘導し、休止T細胞、B細胞の、または好中球のアポプトシスは誘導しないことが分かった。
【0048】
抗CD3等の、T細胞枯渇抗体が可溶性因子の生産を誘導することが可能であることは知られている。このような抗体を用いた治療法は、一般的に、有害なサイトカイン症候群を引き起こす。抗PSGL−1抗体がサイトカインに関連する副作用を引き起こすか否かを試験するために、新たに単離されたヒトPBMCを、15A7と共に24、48、または72時間培養した。次に、上清中のサイトカインレベルを測定した。かなりの量のIL−2、TNF−a、及びIFN−aがPHA活性化PBMC(ポジティブコントロール)では生産されたが、15A7で処置された細胞からの上記サイトカインのレベルは検出不可能であった。これらの結果から、抗PSGL−1は、アポプトシス誘導及び細胞活性化双方において、休止末梢血細胞には何らあるいはほとんど影響を及ぼさないことが示唆された。
【0049】
上記抗体は、休止T細胞または他の免疫細胞に悪影響を与えることなく、活性化T細胞のアポプトシスを選択的に誘導するので、このような抗体を患者に投与することによって、抗CD3または免疫抑制剤のようなリンパ球減少症または広範な免疫不全は引き起こさないものと考えられる。
【0050】
抗CD162抗体のエピトープマッピング
ヒトCD162でのマウス15A7、43B6、及び9179の結合エピトープのマッピングを行なうために、ヒトCD162の様々な領域を包含する一連の融合タンパク質を発現させ、精製した。融合タンパク質とこれらのモノクローナル抗体との相互作用を、サンドイッチ酵素免疫吸着測定法(ELISA)によって試験した。
【0051】
簡潔にいうと、ヒトCD162遺伝子の様々な領域を包含するフラグメントを、大腸菌でヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域との融合タンパク質として発現させた。ヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域をコード化するcDNAを、BglII部位及びBamHI部位を有するプライマーを用いたPCRによって増幅した。PCR産物をBglII及びBamHIで切断し、さらに予め同様の酵素で消化したpET−32aベクター(Novagen)中にサブクローニングした。次に、hCD162の様々な領域をコード化するcDNAを、5’末端にはNdeI部位をおよび3’末端にはBglII部位を有するプライマーを用いたPCRによって増幅した。PCR産物を、対応する酵素で切断し、pET−32aベクターのヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域をコード化する配列にフレーム単位で融合した(in frame fuse)。各構築で使用したプライマーを表2に列挙し、プライマーの配列を表3に記載する。
【0052】
【表2−1】

【0053】
【表2−2】

【0054】
【表3−1】

【0055】
【表3−2】

【0056】
上記発現構築物を、大腸菌株BL21(DE3)に形質転換した。IPTG(2mM)誘導を6時間行なった後、形質転換細胞を集め、PBSに再懸濁した。細胞を超音波処理し、14,000gで10分間遠心した後、得られた上清を融合タンパク質の精製用に集めた。より詳しくは、上清をまず、4℃で3時間、プロテインGまたはプロテインAビーズと共にインキュベートした。次に、このビーズを3,000gで遠心し、洗浄バッファーI(0.05% トリトンX−100、50mM Tris−HCl、pH 8.5、400mM NaCl、1mM CaC1及び1mg/ml OVA)および洗浄バッファーII(0.05% トリトンX−100、50mM Tris−HCl、pH 8.5及び150mMのNaCl)で、それぞれ、5回洗浄した。さらに、結合タンパク質を0.1Mのグリシン−HCl、pH 2.7を含む溶出バッファーで溶出し、1M Tris−HCl、pH 8.6で中和した。全精製融合タンパク質を、バイオ−ラッド プロテインアッセイ(Bio-Rad protein assay)(Bio-Rad Laboratories, Cat. No. 500-0006)で定量し、SDS−PAGEで確認した。
【0057】
hCD162フラグメントと15A7、9F9、及び43B6のそれぞれとの相互作用を研究するために、サンドイッチELISAを行なった。96ウェルマイクロタイタープレートを、4℃で一晩、ヤギ抗ヒトIgG(Southern Biotechnology, Cat. No. 2040-01)抗体(2μg/ml、50μl/ウェル)で被覆した。プレートを、37℃で1時間、PBSにおける0.25%BSA(150μl/ウェル)と共にインキュベートすることによってブロックした。次に、ブロックしたプレートを、室温で2時間、ヒトCD162(2μg/ml)の様々なフラグメントを含む融合タンパク質と共にインキュベートした。0.05%のTween 20を含むPBS(PBST)で4回洗浄した後、プレートを室温で1.5時間、試験抗体(2μg/ml)と共にインキュベートした。インキュベーション後、プレートをPBSTで4回洗浄した。さらに、50μlの1/3000倍に希釈したアルカリホスファターゼと共役したヤギ抗マウスIgG(Southern Biotechnology, Cat. No. 1031-04)を各ウェルに添加し、プレートを37℃で1時間インキュベートした。50μlのアルカリホスファターゼ基質溶液(1個のアルカリホスファターゼ基質錠剤を、pH 8.6で0.012MのNaCO、0.16MのNaHCO及び1mMのMgClを含む5mlの基質バッファーに溶解したもの)を加えて、酵素反応を行ない、405nmの吸光度を測定した。
【0058】
43B6及び9F9が成熟ヒトCD162の50〜60番目の残基を含むすべての融合タンパク質と相互作用することができることが分かったことから、43B6及び9F9のエピトープは50〜60番目の残基の間に位置することが示唆された。9F9及び43B6とは異なり、15A7だけは、42〜119番目の残基をカバーする融合タンパク質ではなく、42〜319番目の残基をカバーする融合タンパク質に結合したことから、15A7のエピトープは119〜319番目の残基の間に位置することが示唆された。次に、15A7のエピトープの位置は115〜126番目の位置の間にまで狭まった。120番目の位置の一アミノ酸の変更(Glu→Arg)によって、15A7と融合タンパク質との相互作用が消失したことから、ヒトCD162の15A7の一次接触ドメインは120番目の位置にあるいはその付近に位置し、残基Gluは相互作用に必須であることが示唆された。
【0059】
また、様々なヒトCD162領域をカバーする融合タンパク質を、哺乳動物細胞で発現させて、15A7との相互作用について試験した。これらの領域をカバーするフラグメントを、哺乳動物細胞中でヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域との融合タンパク質として発現させた。まず、ヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域をコード化するcDNAを、pcDNA3ベクター(Invitrogen)に挿入した。第二に、hCD162の様々な領域をコード化するcDNAを、5’末端にBamHI部位及び3’末端にXhoI部位を導入するプライマーを用いてPCRによって増幅した。これらのPCR産物を対応する酵素で切断し、ヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域を含むpcDNA3ベクターにサブクローニングした。各プライマーの名前及び配列を上記表2及び3に列挙する。
【0060】
上述した哺乳動物発現ベクターを、製造社の指示に従って、リポフェクタミン2000(Invitrogen, Cat. No. 11668-027)によってCOS−7細胞に一時的にトランスフェクトした。トランスフェクト細胞を超低Ig培地(Invitrogen, Cat. No. 16250-078)中で生育させた。発現タンパク質を精製し、上記したのと同様にしてサンドイッチELISAにかけた。
【0061】
ELISAの結果から、94〜148番目の残基を含む融合タンパク質のみが15A7と相互作用できたことが示される。これらの結果は、15A7が115〜126番目の残基の間に位置するという考えと一致する。
【0062】
上記結果すべてから、3種の抗体すべてが細菌で発現した融合タンパク質に結合するため、9F9、43B6、及び15A7のエピトープは、炭水化物修飾依存性ではなく、タンパク質依存性であることが示される。また、15A7、9F9、及び43B6は結合特異性及び活性化T細胞のアポプトシスの融合作用の面で同様の特性を示すが、ヒトCD162の異なるドメインにより機能し、挙動が異なることも示唆される。
【0063】
実施例2:キメラ抗体15A7、43B6、及び9F9
抗CD162抗体の軽鎖及び重鎖可変領域のクローニング
抗体15A7、43B6、及び9F9の軽鎖及び重鎖可変領域(V及びV)をコード化するcDNAを、アンカーPCR法(anchored PCR method)によって増幅した。3’プライマーはC領域とハイブリッド形成し、5’プライマーはターミナルデオキシトランスフェラーゼを用いてcDNAに結合したGテールとハイブリッド形成した。PCRフラグメントをpCRIIベクター(Invitrogen)にクローニングした。各鎖について幾つかの独立したクローンの配列を決定し、比較した。大部分の独立したクローンに代表される配列を選択した。次に、翻訳アミノ酸配列を分析し、所定の配列が具体的なマウス軽鎖または重鎖V領域の特性を有し、特定のサブタイプに属することを確認した。さらに、翻訳アミノ酸配列を各サブタイプの共通配列と比較することによって、相補性決定領域(CDR)を同定した。使用される各プライマーの名前及び配列を上記表2及び3に列挙する。15A7、43B6、及び9F9の軽鎖及び重鎖V領域の推定アミノ酸配列(配列番号:19〜24)を要約して示す。
【0064】
キメラ抗体
キメラ抗体を発現させるためのベクターを得るために、15A7、43B6、及び9F9のV及びV領域をコード化するcDNAを、5’シグナルペプチド配列及び3’スプライスドナーシグナルを含むようにプライマーを用いてPCRによって増幅した。上記プライマーはまた、PCR産物の両末端にXbaI部位が導入されており、さらにこれをXbaI酵素で切断し、XbaIで消化したpVk、pVg1、pVg2、またはpVg4ベクターにライゲートした。より詳細には、15A7、43B6、及び9F9のV領域cDNAを、プラスミドpVkにサブクローニングした。このプラスミドは、CMVプラスミド、及びヒト軽鎖定常領域をコード化した配列を含んでいた。15A7、43B6及び9F9のVH領域cDNAを、プラスミドpVg1、pVg2、またはpVg4にサブクローニングした。上記3つのプラスミドは、それぞれ、CMVプロモーターを有していた。これらはまた、それぞれ、IgG1、IgG2、及びIgG4のヒト重鎖定常領域を含んでいた。
【0065】
上記軽鎖をコード化するプラスミドを、それぞれ、COS−7細胞中に、重鎖をコード化するプラスミドと一緒にトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞の上清を集めた。上清中のキメラ抗体について、ヒトCD163への結合能及び活性化T細胞のアポプトシス誘導能を分析した。
【0066】
15A7、43B6、及び9F9から作製されたキメラ抗体はすべて、ヒトCD162を安定して発現するSp2/0トランスフェクタントには結合したが、親Sp2/0細胞には結合しないことが分かり、これから、これらはヒト162結合能特異性を保持していることが示唆された。さらに、キメラ抗体は、7日間活性化されたT細胞のアポプトシスを誘導したことが分かり、これから、これらはマウスカウンターパートの機能も同様に保持していることが示唆された。
【0067】
ヒト化抗体
マウス15A7を用いて、ヒトのフレームワークにCDRをグラフトすることによってヒト化抗体を作製した。結合親和性及び特異性を保持するために、CDRをヒトのフレームワークにグラフトする際にV領域の構造を保存することが重要である。適当なフレームワークドナーを選択するために、マウス15A7軽鎖及び重鎖V領域のアミノ酸配列を、予めヒト化された50個のマウス抗体のアミノ酸配列と比較した。
【0068】
マウス抗体、mDREG−55は、軽鎖及び重鎖の双方でマウス15A7のV領域と高い配列相同性を有することが分かった。このmDREG−55抗体に対するマウス15A7の配列整合(sequence alignment)を下記に列挙する(CDRは強調している)。
【0069】
【化9】

【0070】
マウスDREG−55は、L−セレクチンに対するIgG1モノクローナル抗体である。マウス15A7のV及びV領域の配列は、マウスDREG55のものに対して、それぞれ、64.3%(フレームワークのみ:73.8%)及び70%(フレームワークのみ:81.6%)の相同性である。ヒト化DREG−55(HuDREG−55)は、ヒト抗体GalからV及びV領域のフレームワーク配列を用いてすでに構築されていた。したがって、マウス15A7をヒト化するために、ヒトGal軽鎖及び重鎖のフレームワーク配列を用いて、マウス15A7のカウンターパートを置換した。
【0071】
ヒト化15A7軽鎖及び重鎖可変領域を、それぞれ、4対の合成オリゴヌクレオチド(約80塩基長)によって組み立てた。各対のオリゴヌクレオチドは、約20ヌクレオチドほど重複していた。ヌクレオチド配列を選択し、シグナルペプチドを含むヒト化可変領域のタンパク質配列をコート化するように合成した。遺伝子の組み立て及び増幅は、下記4段階で行なった:(1)4対の相補オリゴヌクレオチドをアニールして、4つの別個の反応でクレノウフラグメントを用いて伸張し;(2)得られた4個のdsDNAフラグメントをペアワイズ混合し(mix pair wise)、変性し、再アニールし、さらに2つの別個の反応で伸張し;(3)得られた2個のdsDNAフラグメントを混合し、変性し、再アニールし、さらに伸張して、最終の全長dsDNAを作製し;さらに(4)得られたDNAを、双方の末端にXbaI部位を導入するように、プライマーを用いてPCRによって増幅した。次に、PCRフラグメントを、XbaIで切断し、XbaIで消化したpVk及びpVg4ベクターのそれぞれに挿入した。さらに、CDRとフレームワークとの相互作用が重要であると考えられる位置で、Galの残基をマウス15A7(即ち、I62V及びD74H)のものに変更しなおした。mDREG−55に対するマウス15A7及びヒト化15A7(Hul5A7)の整合を下記に示し、この際、V62及びH74に下線をふしている。
【0072】
【化10】

【0073】
このようにして得られたプラスミドは、ヒト化15A7の重鎖及び軽鎖をコード化していた。次に、これらのプラスミドをCOS−7細胞中に一緒にトランスフェクトした。さらに、培養細胞から消耗した上清(exhausted supernatant)を集めた。上清中のヒト化15A7について、hCD162を安定して発現するCHOトランスフェクタントへの結合能および7日間活性化したT細胞のアポプトシス誘導能を試験した。結果から、これはこれらの能力を保持していることが示される。
【0074】
キメラ及びヒト化抗体の調製
ヒト化及びキメラ抗体を産生する細胞を得た。より詳細には、Sp2/0細胞(Sp2/0−Agl4;ATCC CRL 1581)を、製造社の指示に従って、360V及び25μFのキャパシタンスでGene Pulser装置(Gene Pulser apparatus)(Bio-Rad Laboratories)を用いたエレクトロポレーションによって適当なプラスミドを安定してトランスフェクトした。トランスフェクション前に、プラスミドを、BamHI酵素で消化することによって線状にした。すべてのトランスフェクションは、PBS中で10細胞及び20μgの各プラスミドDNAを用いて行なった。各トランスフェクションから得られた細胞を96ウェル組織培養プレートに播種した。48時間後、選択培地(DMEM 10% FBS/ヒポキサンチン/チミジン媒体補足)及び1μg/mlミコフェノール酸を適用した。抗体を産生する細胞を、ELISAによって培養上清中の抗体の存在を調べることによってスクリーニング、単離した。
【0075】
単離された細胞を血清を含まないまたは低Ig培地で培養し、培養上清を集めた。抗体を、スタフィロコッカスプロテインA−セファロースCL−4B(staphylococcal protein A-Sepharose CL-4B)のカラムに通すことによって精製した。洗浄バッファーI(0.05% TritonX−100、50mM Tris−HCl、pH 8.5、400mM NaCl、1mM CaC1及び1mg/ml OVA)及び洗浄バッファーII(0.05% TritonX−100、50mM Tris−HCl、pH 8.5及び150mMのNaCl)でそれぞれ5回洗浄した後、結合した抗体を、0.1Mのグリシン−HCl、pH 2.7を含む溶出バッファーで溶出し、1M Tris−HCl、pH 8.6で中和した。
【0076】
親和性測定
上記マウス、キメラ、及びヒト化15A7抗体の結合親和性を、競合的結合によって測定した。
【0077】
マウス15A7を、EZ−リンク スルホ−NHS−ビオチンシステム(EZ-Link Sulfo-NHS-Biotin system)(Pierce Biotechnology, Cat. No. 21217)によってビオチン化した。簡単にいうと、0.5mg(3.3×10−6nmole)のマウス15A7を、187μlのPBSに溶解し、6.8×10−5nmoleのスルホ−NHS−ビオチンと混合した。次に、この混合物を2時間氷上でインキュベートした後、PBSで一晩4℃で透析することによって、遊離ビオチンを除去した。このようにして得られたビオチン標識マウス15A7を使用するまで4℃で貯蔵した。
【0078】
ヒトCD162を安定して発現するSp2/0トランスフェクタントを、ヒトCD162抗原源として使用した。ビオチン標識マウス15A7をトレーサーとして用いた。コンペティター抗体(マウス、キメラ、またはヒト化15A7)の量を増やして、35ngのビオチン標識マウス15A7と混合し、常時振盪しながら4℃で1.5時間、1×10個のCD162を発現するSp2/0細胞と共にインキュベートした。洗浄後、2次抗体、ストレプトアビジン−PE(Streptavidin-PE)(Becton Dickinson Immunocytometry System Inc. Cat. No. 349023)をこの混合物に添加した。4℃で45分間インキュベートした後、細胞を再度洗浄し、300μlのPBS−1%のFBS中に再懸濁し、FACS分析にかけた。
【0079】
キメラ及びヒト化15A7の半値競合濃度(half-maximum competing concentration)は、それぞれ、約5.71μg/ml及び4.51μg/mlであるのに大して、マウス15A7の半値競合濃度は3.72μg/mlであることが分かった。これらの結果から、マウス、キメラ、及びヒト化15A7の親和性は匹敵することが示唆された。換言すると、キメラ及びヒト化15A7に対する結合親和性(Ka)は、それぞれ、2.62×10−1及び3.33×10−1であるのに対して、マウス15A7に対する結合親和性(Ka)は4.03×10−1である。
【0080】
競合分析
競合分析を行なって、上記3種のマウス抗体、PSGL−1、及びP−セレクチンのうちの相互作用を研究した。
【0081】
P−セレクチンは、ほとんどの白血球のPSGL−1に対する主要な高親和性リガンドである。3種の抗体がP−セレクチンのPSGL−1への結合を妨げるか否かを調べるために、精製したヒトP−セレクチンの活性化T細胞への結合を、上記3種の抗体の存在下で測定した。P−セレクチン及びPSGL−1の相互作用を遮断することが知られている、KPL−1を、ポジティブコントロールとして使用した。
【0082】
ヒトPBMCを、1% PHAで2日間活性化し、IL−2を含む培地に3日間維持した。細胞を、9F9、15A7、43B6、KPL−1(PSGL−1のアンタゴニスト)、またはコントロール抗体(9E10)を滴下しながら、30分間インキュベートした後、組換ヒトP−セレクチン(1.25μg/ml)を添加した。P−セレクチンの活性化T細胞への結合を、FRCSで分析した抗P−セレクチン−FITCによって測定した。
【0083】
従来の報告と一致することに、KPL−1は、低濃度(0.31μg/ml)でほとんど完全に活性化T細胞へのP−セレクチンの結合を阻害した。43B6は、KPL−1と同様の有効性で活性化T細胞へのP−セレクチンの結合を遮断したが、この際、より高濃度の9F9が同様の効果を達成するために必要であった。確かに、0.08μg/ml KPLまたは43B6が、50%結合を阻害するのに必要であった。これに対して、5μg/ml 9F9が必要であった。さらに、15A7は、20μg/mlでもP−セレクチン結合に阻害作用を示さなかった。驚くべきことに、これは、PSGL−1へのP−セレクチンの結合を促進した。これらの結果から、15A7及びP−セレクチンは、活性化T細胞のPSGL−1の異なるモチーフに結合することが示唆される。
【0084】
15A7がPSGL−1についてP−セレクチンと競合しないという事実から、15A7のin vivo投与は、白血球のP−セレクチン依存補充(recruitment)を妨げることによって先天性免疫に影響を及ぼすとは考えられないことが示唆される。
【0085】
PSGL−1は血小板で低レベルで発現することが報告されている。血小板への15A7抗体の効果を調べた。抗体はヒト血小板の凝集を促進あるいは阻害しないことが分かった。
【0086】
実施例3:マウスPSGL−1に対するハムスターのモノクローナル抗体TAB4
マウスPSGL−1に対するモノクローナル抗体である、TAB4を、実施例1に記載した方法と同様にして調製した。これは、インビトロでT細胞のアポプトシスを誘導し、インビボでT細胞を枯渇した。マウスPSGL−1とマウスP−セレクチンとの結合を妨げるか否かを決定するために、競合分析を実施例2に記載した方法と同様にして行なった。TAB4は、20μg/mlという高濃度でもマウスPSGL−1へのマウスP−セレクチンの結合を阻害しないことが分かった。
【0087】
実施例4:マウスモノクローナル抗体 4B7、5C4、12E7、14B3、17E5、及び18D12
ヒトPSGL−1に対するモノクローナル抗体 4B7、5C4、12E7、14B3、17E5、及び18D12の特徴をさらに明らかにした。活性化T細胞に結合すると、これらはすべて、活性化T細胞の死を誘導した。PSGL−1とP−セレクチンとの相互作用を遮断するか否かを決定するために、競合分析を実施例2に記載した方法と同様にして行なった。これらの抗体は、最も高い試験濃度(5μg/ml)でも、ヒトPSGL−1へのヒトP−セレクチンの結合に阻害作用を、示したとしても、ほとんど示さないことが分かった。
【0088】
他の実施態様
本明細書に開示された態様はすべて、いずれの組み合わせで組み合わされてもよい。本明細書に開示された各態様は、同じ、等価の、または同様の目的を果たす別の態様に置換されてもよい。ゆえに、特記しない限り、開示された各態様は包括的な等価のあるいは同様の態様群の一例に過ぎない。
【0089】
上記記載から、当業者は、本発明の必須の特徴を容易に確認することができ、本発明の概念及び範囲を逸脱することなく、様々な発明の変更や修飾を行なって、様々な用途及び条件に適用することができる。ゆえに、他の実施態様もまた、本発明の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、配列番号:1〜3、配列番号:4〜6、配列番号:7〜9、配列番号:10〜12、配列番号:13〜15、または配列番号:16〜18を有する免疫グロブリン鎖。
【請求項2】
前記免疫グロブリン鎖は、配列番号:1〜3または配列番号:4〜6を有する、請求項1に記載の免疫グロブリン鎖。
【請求項3】
前記免疫グロブリン鎖は、配列番号:19、20、21、22、23、24、25、または26を有する、請求項1に記載の免疫グロブリン鎖。
【請求項4】
免疫グロブリン鎖は、配列番号:25または26を有する、請求項3に記載の免疫グロブリン鎖。
【請求項5】
請求項1に記載の第一の免疫グロブリン鎖および請求項1に記載の第二の免疫グロブリン鎖を有し、軽鎖である、前記第一の鎖、および重鎖である、前記第二の鎖は、それぞれ、配列番号:1〜3及び配列番号:4〜6;配列番号:7〜9及び配列番号:10〜12;または配列番号:13〜15及び配列番号:16〜18を含む、抗体。
【請求項6】
前記軽鎖および重鎖は、それぞれ、配列番号:1〜3および配列番号:4〜6を含む、請求項5に記載の抗体。
【請求項7】
前記軽鎖および重鎖は、それぞれ、配列番号:19及び20、21及び22、23及び24、または25及び26を含む、請求項5に記載の抗体。
【請求項8】
前記軽鎖および重鎖は、それぞれ、配列番号:25及び26を含む、請求項7に記載の抗体。
【請求項9】
活性化T細胞のP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に結合すると、活性化T細胞の死を誘導する、P−セレクチン糖タンパク質リガンド1とP−セレクチンとの結合を妨げることなくP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に特異的に結合する抗体。
【請求項10】
前記抗体は、ヒトP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に結合する、請求項9に記載の抗体。
【請求項11】
前記抗体は、それぞれ、配列番号:1〜3及び配列番号:4〜6を含む軽鎖及び重鎖を含む、請求項9に記載の抗体。
【請求項12】
前記軽鎖および重鎖は、それぞれ、配列番号:25及び26を含む、請求項10に記載の抗体。
【請求項13】
ヒトP−セレクチン糖タンパク質リガンド1の115〜126番目のアミノ酸残基に特異的に結合する抗体。
【請求項14】
前記抗体は、117〜123番目のアミノ酸残基に特異的に結合する、請求項13に記載の抗体。
【請求項15】
前記抗体は、119〜121番目のアミノ酸残基に特異的に結合する、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
前記抗体は、それぞれ、配列番号:1〜3及び配列番号:4〜6を含む軽鎖及び重鎖を含む、請求項13に記載の抗体。
【請求項17】
前記抗体は、活性化T細胞のP−セレクチン糖タンパク質リガンド1に結合すると、活性化T細胞の死を誘導する、請求項13に記載の抗体。
【請求項18】
前記軽鎖及び重鎖は、それぞれ、配列番号:1〜3及び配列番号:4〜6を含む、請求項17に記載の抗体。
【請求項19】
請求項8に記載の抗体を活性化T細胞と接触させることを有し、前記抗体の活性化T細胞への結合によって、活性化T細胞の死が誘導される、活性化T細胞の死の誘導方法。
【請求項20】
請求項9に記載の抗体を活性化T細胞と接触させることを有し、前記抗体の活性化T細胞への結合によって、活性化T細胞の死が誘導される、活性化T細胞の死の誘導方法。
【請求項21】
請求項13に記載の抗体を活性化T細胞と接触させることを有し、前記抗体の活性化T細胞への結合によって、活性化T細胞の死が誘導される、活性化T細胞の死の誘導方法。
【請求項22】
過剰のT細胞が仲介する免疫応答に関連する症状を有するまたは前記症状を有する危険性のある患者を同定し、
前記患者に有効量の請求項8に記載の抗体を投与することを有する、
患者のT細胞が仲介する免疫応答の調節方法。
【請求項23】
前記症状は、炎症疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、またはT細胞癌である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記患者は、同種もしくは異種移植を受けたまたは同種もしくは異種移植を受ける予定がある、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
過剰のT細胞が仲介する免疫応答に関連する症状を有するまたは前記症状を有する危険性のある患者を同定し、
前記患者に有効量の請求項9に記載の抗体を投与することを有する、
患者のT細胞が仲介する免疫応答の調節方法。
【請求項26】
前記症状は、炎症疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、またはT細胞癌である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記患者は、同種もしくは異種移植を受けたまたは同種もしくは異種移植を受ける予定がある、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
過剰のT細胞が仲介する免疫応答に関連する症状を有するまたは前記症状を有する危険性のある患者を同定し、
前記患者に有効量の請求項13に記載の抗体を投与することを有する、
患者のT細胞が仲介する免疫応答の調節方法。
【請求項29】
前記症状は、炎症疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、またはT細胞癌である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記患者は、同種もしくは異種移植を受けたまたは同種もしくは異種移植を受ける予定がある、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
請求項1に記載の免疫グロブリン鎖をコード化する配列を有する単離された核酸。
【請求項32】
請求項3に記載の免疫グロブリン鎖をコード化する配列を有する単離された核酸。
【請求項33】
請求項31に記載の核酸を有するベクター。
【請求項34】
請求項32に記載の核酸を有するベクター。
【請求項35】
配列番号:1〜3、配列番号:4〜6、配列番号:7〜9、配列番号:10〜12、配列番号:13〜15、または配列番号:16〜18をコード化する核酸を有する宿主細胞。
【請求項36】
前記細胞は、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞である、請求項35に記載の宿主細胞。
【請求項37】
前記哺乳動物細胞は、ハイブリドーマ細胞である、請求項36に記載の宿主細胞。
【請求項38】
配列番号:19、20、21、22、23、24、25、または26をコード化する核酸を有する宿主細胞。
【請求項39】
前記細胞は、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞である、請求項38に記載の宿主細胞。
【請求項40】
前記哺乳動物細胞は、ハイブリドーマ細胞である、請求項39に記載の宿主細胞。

【公開番号】特開2011−200247(P2011−200247A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−121078(P2011−121078)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【分割の表示】特願2007−513283(P2007−513283)の分割
【原出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(509287935)
【Fターム(参考)】