説明

抗菌剤として有用な置換アリール−およびヘテロアリールフェニルオキサゾリジノン類

【発明の詳細な説明】
発明の分野 本発明は、抗菌剤として有用な新規置換アリール−およびヘテロアリール−フェニルオキサゾリジノン類に関する。
発明の背景 オキサゾリジノン類は、経口的に活性のある合成抗菌剤の1つの族であり、種々のオキサゾリジノン誘導体を開示した当該分野における多くの文献が存在する。例えば、フェニル環上に1または2カ所の置換を有する3−フェニル−2−オキサゾリジノン化合物に関して多くの文献がある。フェニル環上の1カ所の置換を開示した文献は、米国特許第4,948,801号;第4,461,773号;第4,340,606号;4476,136号;4,250,318号;4,128,654号および再発行特許29,607を包含する。さらに3−[(一置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類に関する文献が欧州特許公開第0 312 000号、グレゴリー(Gregory)ら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)第32巻:1673頁(1989年)、グレゴリーら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第33巻:2569頁(1990年)およびワン(Wang)ら,テトラヘドロン(Tetrahedron)第45巻:1323頁(1989年)において見られる。このタイプの化合物は抗菌剤DuP721をも包含する。
3−[(二置換または縮合環置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類が米国特許第4,977,173号、第4,921,869号および4,801,600号;欧州特許公開第0 316 594号、第0 184 170号および第0 127 902号;ならびにPCT出願PCT/US89/03548およびPCT/US90/06220に報告されている。
本発明者らは、抗菌剤として有用な3−[(二および三置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類を見いだした。本発明化合物は、3−フェニル環のp−位にアリールまたはヘテロアリール基、そして該フェニル環のm−位に電子吸引効果を有する基によるさらなる置換を有するオキサゾリジノン類によって特徴づけられる。グレゴリーら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第33巻:2569頁(1990年)による初期の研究により、フェニル環のp−位のかかる置換基を有する化合物はあまり有効でない抗菌剤であることが示されていたが、本発明化合物は、驚くべきことに、抗菌剤として有効である。
3−フェニル−2−オキサゾリジノン類およびその誘導体の合成は、当該分野においてよく知られている。しかしながら、その置換基の性質により、本発明の置換フェニルの合成は困難である。したがって、本発明者らは、本発明化合物の合成法も開示する。
情報開示の陳述 以下の文献には、フェニル環上の1カ所の置換を有する3−フェニル−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国特許第4,948,801号には、抗菌活性を有する3−[(アリールおよびヘテロアリール)フェニル]−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国特許第4,976,136号には、抗菌活性を有する3−[(p−アリールアルキル,アリールアルケニルおよびアリールアセチレニック置換)フェニル]−5−(アミノメチル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国特許第4,461,773号には、抗菌活性を有する置換3−フェニル−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国特許第4,340,606号には、哺乳動物において抗菌活性のある置換3−[(p−アルキルスルホニル)フェニル]−5−(ヒドロキシメチル)−または(アシルオキシメチル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国特許第4,250,318号には、抗鬱病に有用性のある置換3−フェニル−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国特許第4,128,654号には、植物病のカビおよび細菌を抑制するのに有用な置換3−フェニル−5−(ハロメチル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国再発行特許第29,607号には、抗鬱病および鎮静に有用性のある置換3−フェニル−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
ベルギー国特許第892,270号には、上記米国特許第4,476,136号に対応する3−[(アリールアルキル,アリールアルケニルまたはアリールアセチリック置換)フェニル]−5−(アミノメチル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
欧州特許公開第0 352 781号には、上記米国特許第4,948,801号に対応するアリールおよびヘテロアリール置換3−フェニル−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
欧州特許公開第0 312 000号には、フェニルメチルおよびピリジニルメチル置換3−フェニル−2−オキサゾリジノン類ケミカル・アブストラクツ89−116142/16に報告されているのと同じ)が開示されている。
ダブリュウ・エイ・グレゴリー(W.A.Gregory)ら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第33巻:2569頁(1990年)およびジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第32巻:1673頁(1989年);シー・ジェイ・ワン(C.J.Wang)ら,テトラヘドロン第45巻:1323頁(1989年);ならびにエイ・エム・スリー(A.M.Slee)ら,アンチマイクロバイアル・エイジェンツ・アンド・ケモセラピー1971(Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1971)(1978年)は、3−[p−置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類を開示しているさらなる最近の文献である。
上記文献は、本発明の3−[(二または三置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類を開示していない。
以下の文献には、3−[(二置換)フェニル]−または3−[(縮合環置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
米国特許第4,977,173号には、フェニル環のp−位にラクタムを、そしてm−位にフッ素を有する3−フェニル−2−オキサゾリジノン類(式XIII)が開示されている。しかしながら、本発明の3−[(二または三置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類は、そのp−位に芳香族環を有している。
米国特許第4,921,869号および第4,801,600号には、6′−インドリニル−またはアルカノンオキサゾリジノン類(インドリニル窒素がオキサゾリジノン窒素に対してメタ位)が開示されている。
米国特許第4,705,799号には、抗菌活性を有する、スルフィド、スルホキシド、スルホンおよびスルホンアミドを含む置換アミノメチルオキソオキサゾリジニルベンゼン誘導体が開示されている。しかしながら、本発明化合物は、アリールまたはヘテロアリールをフェニル環のp−位に有している。
欧州特許公開第0 316 594号には、上記米国特許第4,977,173号に対応する置換3−(スチリル)−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
欧州特許公開第0 184 170号および第0 127 902号は、上記米国特許第4,705,799号に対応している。
PCT/US89/03548号およびPCT/US90/06220号には、抗菌剤として有用な3−[(縮合環置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類が開示されている。
上記文献は、本発明の3−[(二または三置換)フェニル]−2−オキサゾリジノン類を開示していない。
発明の概要式(XII):

[式中、(I)R1は、(a)−H、(b)−F、(c)−Cl、(d)−CF3、および(e)−OCH3からなる群より選択され;
(II)R3は、以下の(a)〜(ff)からなる群より選択され:(a)フェニル、(b)ピリジル、(c)ピラジニル、(d)ピリダジニル、(e)ピリミジニル、(f)1,2,3−、(g)1,2,4−、(h)1,2,5−トリアジニル、(i)キノリニル、(j)イソキノリニル、(k)キノキサリニル、(l)キナゾリニル、(m)フタラジニル、(n)シノリニル、(o)ナフチリジニル、(p)所望によりR5-1で置換されていてもよい窒素を有するインドリル、ここにR5-1は、−H、所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルC3〜C6シクロアルキル、または−C(O)R5-2であり、ここにR5-2は、−H、所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキル、または所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、(q)R5-1で置換された飽和窒素を有するピロロピリジニル、ここにR5-1は、前記定義に同じ、(r)フラノピリジニル、(s)チエノピリジニル、(t)ベンゾチアゾリル、(u)ベンゾオキサゾリル、(v)R5-1で置換された飽和窒素を有するイミダゾリル、ここにR5-1は前記定義に同じ、(w)R5-1で置換された飽和窒素を有するピラゾリル、ここにR5-1は前記定義に同じ、(x)チアゾリル、(y)イソチアゾリル、(z)オキサゾリル、(aa)イソオキサゾリル、(bb)R5-1で置換された飽和窒素を有するピロイル、ここにR5-1は前記定義に同じ、(cc)フラニル、(dd)チオフェニル、ここに、置換基(a)〜(dd)は所望によりXおよびYで置換されていてもよく、(ee)R5-1で置換された飽和窒素を有する1,2,3−トリアゾリル、(ff)R5-1で置換された飽和窒素を有する1,2,4−トリアゾリル、ここにR5-1は前記定義に同じ、ここに、置換基(ee)および(ff)は所望によりXで置換されていてもよい;
(III)Yは独立して、(a)−H、(b)−F、(c)−Cl、(d)−Br、(e)−I、(f)−R3-1、(g)−OR3-1、ここにR3-1はHあるいはC1〜C4アルキル、または(h)−NO2;(IV)Xは独立して、(a)−H、(b)C1〜C8アルキル[所望により、1個またはそれ以上のハロゲン、−OH、アルファ位以外の=OC1〜C8アルキル、−S(O)nR3-2(R3-2はC1〜C4アルキルあるいはC3〜C8シクロアルキル)または−NR3-3R3-4(R3-3およびR3-4は、独立して−H、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、−(CH2tCHOR3-5、(CH2tNR3-6R3-7であるか、または一緒になって−(CH2)O(CH2)−、−(CH2tCH(CO)R3-8あるいは−(CH2)N(R3-8)(CH2−となり、ここにR3-5は−HあるいはC1〜C4アルキル、R3-6およびR3-7は独立して−H、C1〜C4アルキルであるか、または一緒になって−(CH2−となる)
で置換されていてもよい]
(c)C2〜C5アルケニル、(d)C3〜C8シクロアルキル、(e)−OR3-3、ここにR3-3は前記定義に同じ、(f)−CN、(g)−S−(O)−R3-8、ここにR3-8は、C1〜C4アルキル[所望により、1個またはそれ以上のハロゲン、−OH、−CN、−NR3-3R3-4(ここにR3-3およびR3-4は前記定義に同じ)
−CO2R3-5(ここにR3-5は前記定義に同じ)で置換されていてもよい]
C2〜C4アルケニル、−NR3-9R3-10(R3-9は−H、C1〜C4アルキルまたはC3〜C8シクロアルキルであって、R3-10は−H、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルケニル、C3〜C4シクロアルキル、−OR3-5または−NR3-6R3-7、ここにR3-5、R3-6およびR3-7は前記定義に同じ)、−N3、−NHC(O)R3-11、ここにR3-11は所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキル、(h)−S(O)−N=S(O)pR3-14R3-15、ここにR3-14およびR3-15は独立してC1〜C2アルキルであるかまたは一緒になって−(CH2−となり、(i)−S−C(O)−R3-11(R3-11は前記定義に同じ)、(j)テトラゾリル、(k)−NR3-3R3-4(R3-3およびR3-4は前記定義に同じ)、(l)−N(R3-3)COR3-11(R3-3およびR3-11は前記定義に同じ)、(m)−N(R3-3)S(O)nR3-11(R3-3およびR3-11は前記定義に同じ)、(n)−CONR3-3R3-4(R3-3およびR3-4は前記定義に同じ)、(o)−C(O)R3-16、ここにR3-16は、−H、C1〜C8アルキル(所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよい)
C1〜C4アルキル(所望により、−OR3-5、−OC(O)R3-5、−NR3-3R3-4,−S(O)R3-17で置換されていてもよい)、C3〜C8シクロアルキル、またはC2〜C5アルケニル(所望により−CHOまたは−CO2R3-5で置換されていてもよく、ここにR3-3、R3-4およびR3-5は前記定義に同じであって、R3-17はC1〜C4アルキルまたはC3〜C8シクロアルキル)
(p)−C(=NR3-18)R3-16、ここにR3-16は前記定義に同じであって、R3-18は−NR3-3R3-4、−OR3-3、または−NHC(O)R3-3(R3-3およびR3-4は前記定義に同じ)、(q)−CR3-16(OR3-19)OR3-20、ここにR3-16は前記定義に同じであって、R3-19およびR3-20は独立してC1〜C4アルキルであるかまたは一緒になって−(CH2−となり、

ここにR3-3、R3-4、R3-5、R3-9およびR3-16は前記定義に同じであって、R3-21はR3-4または−NR3-4R3-5(R3-4およびR3-5は前記定義に同じ);
mは2または3;nは0、1または2;pは0または1;qは3、4または5;tは1、2または3;(V)R4は以下の(a)〜(p)からなる群より選択され:(a)−H,、(b)C1〜C12アルキル(所望により1〜3個のClで置換されていてもよい)、(c)C3〜C12シクロアルキル、(d)C5〜C12アルケニル(1個の二重結合を有する)、(e)フェニル(所望により1〜3個の−OH、−OCH3、−OC2H5、−NO2、−F、−Cl、Br、−COOHおよび−SO3H、−N(R4-1)(R4-2)(R4-1およびR4-2は別個に−H,およびC1〜C5アルキル)で置換されていてもよい)、(f)フラニル、(g)テトラヒドロフラニル、(h)2−チオフェン、(i)ピロリジニル、(j)ピリジニル、(k)−O−R4-3(R4-3はC1〜C4アルキル)、(l)−NH2、(m)−NHR4-4(R4-4はC1〜C3アルキルまたは−φ)、(n)−NR4-4R4-5(R4-4は前記定義に同じであって、R4-5はC1〜C3アルキルであるかまたは結合窒素原子と一緒になって−O−を含む飽和モノ−窒素C5〜C7複素環(モルホリン)を形成する)、(o)−CH2−OH、(p)−CH2−OR4-6(R4-6はC1〜C4アルキルまたは−CO−R4-7、ここにR4-7はC1〜C4アルキルまたは−φ)
からなる群より選択される]
で示される置換アリール−およびヘテロアリール−フェニルオキサゾリジノン類およびその医薬上許容される塩を開示する。
より詳細には、本発明は、R3が所望により−H、C1〜C4アルキルまたは−NR3-3R3-4で置換されていてもよいピリジルまたはフェニル環である式(XII)で示される化合物を開示する。
最も詳細には、化合物(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンおよび(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンを開示する。
本発明のもう1つの態様は、(a)置換アニリンをスタベース(stabase)誘導体に変換し、(b)スタベース誘導体を処理してアリール−またはヘテロアリール−置換アニリンを得、(c)アリール−またはヘテロアリール−置換アニリンをアリール−またはヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノンに変換することからなる、式(XII)で示される化合物の製造法を開示する。
より詳細には、本発明のこの態様は、段階(b)が、スタベース誘導体を適当なアルキル−またはアリールリチウムで処理してリシア化誘導体を得、適当な親電子金属種で金属交換反応させ、適当な触媒の存在下で適当なアリール−またはハロゲン化ヘテロアリールあるいはスルホン酸前駆体を付加させ、水性無機酸でスタベース保護基を除去することからなる式(XII)の化合物の製造法を開示する。
最も詳細には、本発明のこの態様は、テトラヒドロフラン中のn−ブチルリチウムでスタベース誘導体を脱プロトン化してリシア化誘導体を得、酸化亜鉛とともに金属交換反応を行い、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム触媒の存在下でアリール−またはヘテロアリール−の臭化物、、ヨウ化物、トリフレートあるいはフルオロスルホネートを付加させ、塩酸水溶液で脱保護するすることからなる一連のワン−ポット反応で段階(b)を行う式(XII)の化合物の製造法を開示する。
本発明のさらにもう1つの態様は、カルボベンジルオキシアリル化合物を過剰のピリジンおよびヨウ素(該過剰とは2〜20モル当量の範囲)の存在下で反応させることからなるヨウ化オキサゾリジノンの製造法を開示する。
より詳細には、本発明のこの態様は、カルボベンジルオキシアリル化合物を過剰のピリジンおよびヨウ素(該過剰とは5〜15モル当量)の存在下で反応させることからなるヨウ化オキサゾリジノンの製造法を開示する。
最も詳細には、本発明のこの態様は、カルボベンジルオキシアリル化合物を過剰のピリジンおよびヨウ素(該過剰とは8〜10モル当量)の存在下で反応させることからなるヨウ化オキサゾリジノンの製造法を開示する。
発明の詳細な説明 R1が−Hまたは−Fであるのが好ましい。R1が−Fであるのが最も好ましい。R3がフェニルまたはピリジルであるのが好ましい。R3が3−ピリジルまたは4−ピリジルであるのが最も好ましい。
Xが−H、C1〜C4アルキルまたは−NR3-3R3-4であるのが好ましい。Xが−Hであるのが最も好ましい。
Yが−HまたはC1〜C4アルキルであるのが好ましい。Yが−Hであるのが最も好ましい。
R4が、所望によりC1〜C4アルキル(所望により1〜3個のハロゲン、C3〜C5シクロアルキル、−NR3-3R3-4および−OR3-3で置換されていてもよい)で置換されていてもよいアシル基であるのが好ましい。R4が−CH3であるのが最も好ましい。
R5がC1〜C4アルキルであるのが好ましい。
R3(I〜XII)からなるアリールおよびヘテロアリール基をチャートCに示す。構造式(o)(ナフチリジニル)、(q)(ピロロピリジニル)、(r)(フラノリジニル、および(s)(チエノピリジニル)は、Zと略された窒素含有ヘテロアリールを示す(Zは、1個の窒素および3個の炭素を有する不飽和4原子リンカーである)。このように、ヘテロアールに対する4つの可能な位置関係は、構造式(o)、(q)、(r)および(s)に含まれる。
本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)は、グラム陽性菌および嫌気性菌の感染により引き起こされる哺乳動物の感染症の治療における抗菌剤として有用である。ヒトおよびウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ等のごとき温血哺乳動物を、本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)で治療するのが好ましい。
本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)はまた、1種またはそれ以上のミコバクテリウム(Mycobacterium)スピーシズに感染した患者の治療に有用である。本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)が、エム・ツベルクローシス(M.tuberculosis)およびエム・アビウム(M.avium)に感染した患者の治療に有用であることは興味深い。
本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)を、前記の既知フェニルオキサゾリジノン類と同様の方法および投薬形態で投与することができる。例えば、非経口的(静脈注射、筋肉注射、皮下注射)または経口的に投与することができる。1日の用量は約3ないし約30mg/kgである。好ましくは、この用量を分けて、1日2〜4回投与する。好ましい非経口または経口投与についての個々の投薬形態のみならず好ましい投与経路は、感染の性質および患者の状態を含めた個々の事情による。非経口的(溶液、油中懸濁液)および経口的(錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液等)投与に適する通常の医薬の投与形態は、当業者に知られており、アリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)に関する投薬形態については通常でないところはない。投与すべきアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)の正確な用量、投与頻度、投与経路および投薬形態は、感染症の治療を行う医師によく知られているように、患者の年令、体重、性別、一般的症状、感染の性質(個々の微生物、その毒性、感染の程度)、患者に対する他の薬剤の問題等を含めた当業者に知られた多くの要因に依存して変更される。
アリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)を、単独で、または当業者に知られた他の抗菌剤と組み合わせて用いることができるさらに、アリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)を、当業者に知られた抗菌剤でない薬剤と組み合わせて用いることができる。
好ましいピリジル基のごとき塩基性基が存在する場合、適当な医薬用の塩は酸付加塩である。酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、りん酸等のごとき無機酸、メタンスルホン酸のごとき有機スルホン酸、アミノのごとき有機カルボン酸、グルコン酸、ガラクツロン酸等のごとき炭水化物酸から調製されるものを包含する。R3ヘテロアリールおよび4級アミノ置換アリールの適当なN−オキシドも本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)の範囲内であることが当業者に理解されよう。
本発明の医薬的に活性なアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)を、ここに簡単に記載したように合成し、より詳細には後記実施例のようにして合成する。チャートAは、アリール−およびヘテロアリール−置換アニリン(VI)化合物の合成を示す。
ついで、当業者により知られたまたは容易に知得される以下の方法に従い、これらのアニリン化合物(VI)を順次反応させる。これらの一連の反応は、米国特許第4,705,799号、PCT/US89/03548号、PCT/US90/06220号およびダブリュウ・エイ・グレゴリーら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第32巻:1673頁(1989年)記載の方法と相似であり、それらすべてを出典明示により本明細書の一部とする。カージロ−オーノ(Cardillo−Ohno)反応がテトラヘドロン第43巻:2505頁(1979年)およびテトラヘドロン・レターズ(Tetorahedron Letters)第28巻:3123頁(1987年)にて論議されており、どちらも出典明示により本明細書の一部とする。
チャートAは、本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換アニリン類の合成法を示す。出発物質は一または二置換アニリン(I)である。これらの物質は、種々の業者から容易に入手できる。かかる業者の1つは、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)である。別法として、アニリン(I)は化学文献において知られており当業者により容易に合成され得る。該置換アニリン(I)をn−ブチルリチウムおよび1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタンで処理してスタベース(SB)誘導体(II)を得る。一連のワン−ポット反応により、該SB誘導体を粗アリール−およびヘテロアリール−置換アニリン(VI)に変換する。この一連の操作は、n−ブチルリチウムの(II)へのゆっくりとした付加を含み、アリールリチウム(III)を生じる。該アリールリチウム(III)を、テトラヒドロフラン(THF)中の無水塩化亜鉛で金属交換して有機亜鉛誘導体(IV)を得る。別法として、ホウ酸トリメチルで金属交換を行って対応するホウ酸を得るか、または塩化トリブチルすずを用いて対応するスタンナンを得る。これらの種を、有機亜鉛誘導体(IV)と類似の方法で反応させる。適当なアリールまたはヘテロアリールのヨウ化物、臭化物、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)またはフルオロスルホネート、およびパラジウム触媒(好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)を添加し、ついで暖めて還流させて結合した生成物(V)を得る。反応を水性無機酸(好ましくは塩酸)で停止してアリール−またはヘテロアリール−置換アニリン(VI)を得る。ついで生成物(VI)を、当該分野で知られたクロマトグラフィー法によりさらに精製する。別法としてクロマトグラフィーによる精製を、カルボベンゾキシ基を付加した後に行ってもよい。
本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)までの残りの合成段階を、チャートBに示し、これらは米国特許第4,705,799号、PCT/US90/06220号、PCT/US89/03548号およびダブリュウ・エイ・グレゴリーら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第32巻:1673頁(1989年)記載の方法と非常に相似である。簡単に、説明すると、該アニリン(VI)を、塩基およびTHFの存在下でカルボベンゾキシ誘導体(VII)に変換する。ハロゲン化アリル(好ましくは臭化物)でのアルキル化によりアリル化生成物(VII)を得る。この中間体(VIII)を改変カージロ−オーノのヨードシクロカルバメーション反応に供す。この反応においてヨウ素を伴う過剰のピリジンを添加してヨウ化オキサゾリジノン(IX)の生成を容易にする。カージロ−オーノにより開示されたヨードシクロカルバメーション反応には2〜3当量のヨウ素(I2)が必要であるが、本発明化合物合成の際には、添加するピリジンおよびヨウ素の量は、それぞれ2〜20モル当量の範囲である。好ましくは5〜15当量を用い、最も好ましくは8〜10当量を用いる。さらに、本発明者らは、この方法がヨウ化ベンジルを生成する反応において有用であるが、そのようにして得られた生成物が、反応において基質および/または生成物と競争して望ましくない生成物を生じることを見いだした。そしてこの方法は、収率の向上に有用である。なぜならば、過剰のピリジンはヨウ化ベンジルをトラップしてこの競争反応を阻害すると考えられているからである。本発明化合物の合成においては、過剰のピリジンが必要である。ピリジンを反応混合物から除いた場合には、本質的に本発明化合物は得られない。
ヨウ化物(IX)の生成後、当該分野で知られたクロマトグラフィー法により精製を行う。しかしながら、DMFの存在下において該ヨウ化物(IX)を対応するアザイド(X)に直接変換できるため、精製を必ずしも要さない。水素、メタノールまたは酢酸エチルの存在下での(X)の還元はアミン(XI)を生じる。該アミン(XI)のアセチル化により本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)を得る。
本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)は、少なくとも1個のキラル中心を有する。1個のキラル中心が存在する場合、その化合物は、2種の光学活性異性体[(R)および(S)エナンチオマー]のうちの1つとして、またはその両方のラセミ混合物として存在しうることが当業者に明らかである。個々の(R)および(S)エナンチオマーのいずれもが、それらの混合物と同様、本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)の範囲内である。本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)に2つ目のキラル中心が存在する場合、ラセミ体およびエナンチオマーに富む形態の得られたジアステレオマーもまた本発明のアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)の範囲内である。
医薬的に活性のあるエナンチオマーは「S」体である。ラセミ混合物は同様に有用であり、S−エナンチオマーと同じ目的に用いられる。その相違は、同じ効果を得るためには、純粋なS−体の2倍のラセミ体を用いなければならない。所望ならば、ラセミ体を当業者に知られた方法により分割する。当業者に知られた方法により、ラセミ混合物をアミノ化合物(XI)の段階で分割するのが好ましい。例えば、ポール・ニューマン(Paul Newman),オプティカル・リゾリューション・プロシジャーズ、フォー・ケミカル・コンパウンズ(Optical Resolution Procedures for Chemical Compounds)第1巻:アミン・アンド・リレイティッド・コンパウンズ(Amine and Related Compounds)(ニューヨークリバーデール(Riverdale)10471のマンハッタン・カレッジ(Manhattan College)のオプティカル・リゾリューション・インフォーメーション・センター(Optical Resolution Information Center)(1978年)参照。例えば、(+)−酒石酸または(−)−酒石酸のごとき光学活性な酸でのd,l−アミノ混合物(XI)の処理により、ジアステレオマー塩混合物が得られる。これを、最も便利には、分別結晶化により分離してラセミ混合物のうちのただ1つのエナンチオマーを含有する塩を有することができる。他の適当な光学活性な酸には、(−)−ジベンゾイル酒石酸、(+)−しょうのう酸、(+)−および(−)−しょうのう−10−スルホン酸が包含される。ジアステレオマー塩を塩基と反応させることにより、エナンチオマーを遊離アミノ化合物(XI)として得る。ついで、これらの光学的に純粋な化合物を、ラセミ混合物と同じ方法で用いる。
チャートDおよびEは、本発明の目的物質であるエナンチオマーに富む置換アリール−およびヘテロアリールフェニルオキサゾリジノン類(式XII)合成の別法であって好ましい合成経路を示す。これらが単に説明的な例であって、示された合成方法のわずかな変更により、さらにエナンチオマーに富む本発明オキサゾリジノンを調製できることは、当業者に明らかであろう。
イソシアネートとラセミ体およびエナンチオマーに富むグリシドール誘導体との反応によりオキサゾリジノン類を得ることは、既知であり簡単な方法である。(ジェイ・イー・ハーウェー(J.E.Herweh)、ダブリュウ・ジェイ・カウフマン(W.J.Kauffman),テトラヘドロン・レターズ809頁(1971年);ダブリュウ・エイ・グレゴリーら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第32巻:1673頁(1989年);ダブリュウ・エイ・グレゴリーら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第33巻:2569頁(1990年);シー・エイチ・パーク(C.H.Park)ら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第35巻:1156頁(1992年);ダブリュウ・エイ・グレゴリーの米国特許第4,705,799号(1987年)参照)。チャートDに示すように、適当な温度(例えば還流)において、キシレンのごとき適当な溶媒中で、触媒的な臭化リチウムおよびトリブチルホスフィンオキシドの存在下で、構造下(1)のイソシアネートを、市販の酪酸(R)−グリシジル(例えばダブリュウ・イー・ランドナー(W.E.Landner)、ジー・エム・ホワイトサイズ(G.M.Whitesides),ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)第106頁:7250頁(1984年)参照、アルドリッチ・ケミカル・カンパニーから入手できる)と反応させてオキサゾリジノン中間体(2)を得る。ついでメタノール中のアルコキシド(好ましくはナトリウムメトキシド)との反応によりブチリル基を除去して、鍵となるヒドロキシメチルオキサゾリジノン中間体(3)を得る。該アルコール(3)への最も好ましい経路には、構造式(4)の適当なCBz−保護アニリンの脱プロトン化が含まれる。この反応を、標準的なショッテン−バウマン条件または当業者に知られた他の変法により、−78℃ないし−60℃のごとき適当な温度で、テトラヒドロフランのごとき適当な溶媒中、n−ブチルリチウムのごとき適当な塩基とともに行う。酪酸(R)−グリシジルを添加し、ついで室温に暖め、ついで、すべての点でイソシアネート経路で合成される物質と同じであるヒドロキシメチルオキサゾリジノン(3)を直接得る。ついで、塩化メタンスルホニル/ピリジンまたは塩化メタンスルホニル/トリエチルアミン/ジクロロメタンあるいは塩化p−トルエンスルホニル/ピリジンの作用により、化合物(3)を対応するメタンスルホネート(メシレート)またはp−トルエンスルホネート(トシレート)誘導体(5)等に変換する。ついで、50ないし90℃において、所望ならば18−クラウン−6のごとき触媒の存在下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)または1−メチル−2−リリジノンのごとき極性非プロトン溶媒中で、得られたスルホネートをアジド源(例えばアジ化ナトリウムまたはアジ化カリウム)と反応させてアジド(6)を得る。ついで、酢酸エチルまたはメタノール(あるいはそれらの混合)のごとき適当な溶媒中で、炭素上パラジウムまたは白金ベース触媒で水素化することにより、該アジドを還元してアミノメチルオキサゾリジノン(7)を得る。別法として、テトラヒドロフラン(THF)のごとき適当な溶媒中、トリフェニルホスフィンのごとき3価のリン化合物で処理することにより、該アジドを還元してもよい。ついで化合物(7)を当業者に知られた反応によりアシル化して構造式(8)の中間体を得る。ついで、酢酸または酢酸/トリフルオロ酢酸中、一塩化ヨウ素とともに、0ないし70℃において(例えば、ダブリュウ・エイ・グレゴリーの米国特許第4,705,799号(1987年)参照)、あるいはヨウ素およびトリフルオロ酢酸銀とともに(例えば、ダブリュウ・エイ・グレゴリーら,ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第33巻:2569頁(1990年)参照)化合物(8)をヨウ素化してエナンチオマーに富む置換ヨードフェニルオキサゾリジノン中間体(9)を得る。別法として、(8)をN−ブロモサクシンイミドで臭素化して対応する構造式9のブロモフェニルオキサゾリジノンを得ることができる。
式(9)の中間体をさらに反応させて、本発明の目的物質であるエナンチオマーに富むアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン類(XII)を得る経路をチャートEに示す。DMFまたは1,4−ジオキサンのごとき適当な溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのごとき適当なパラジウム触媒の存在下、適当な温度(典型的には70〜100℃)において、式R3M(Mはトリアルキルスズ、ホウ素酸またはエステル、あるいはハロゲン化亜鉛)の所望のアリール−またはヘテロアリール−置換金属と化合物(9)とを反応させて構造式XIIのカップルしたアリール−およびヘテロアリールフェニルオキサゾリジノン生成物を得る。別法として、DMFまたは1,4−ジオキサンのごとき適当な溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのごとき適当なパラジウム触媒の存在下、適当な温度(典型的には70〜100℃)において、式(9)のヨードまたはブロモフェニルオキサゾリジノンをヘキサメチルジスズで処理して対応するトリメチルスズ誘導体(11)に変換する。ついで、DMFまたは1,4−ジオキサンのごとき適当な溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのごとき適当なパラジウム触媒の存在下、適当な温度(典型的には70〜100℃)において、中間体(11)を式R3X(XはBrまたはI)の所望のハロゲン化アリールまたはヘテロアリールで処理して、本発明の目的物質である式XIIのエナンチオマーに富むアリール−およびヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノン生成物を得る。この後者の経路(11を経る)を、付記した実験の部分において、ラセミ体に関する実施例55により説明する。
以下の定義および説明は、本明細書および請求の範囲を含むこの開示全体における用語のためのものである。
慣用的表記法 明細書および請求の範囲中の種々の化合物または分子断片を表す化学式は、定義した構造的特徴以外に、変数置換基を包含してもよい。これらの変数置換基を、文字または文字に付した数字、例えば、「i」が整数である「Z1」または「Ri」で表す。これらの変数置換基は1価または2価であり、すなわち、該化学式に1個または2個の化学結合で結合した置換基を表す。例えば、置換基Z1は、式CH3−C(=Z1)Hに結合した場合、2価の変数である。置換基RiおよびRiは、式CH3−CH2−C(Ri)(Ri)−Hに結合した場合には、1価の変数置換基である。前記のごとく化学式を直線状に描いた場合、かっこ内の変数置換基は、かっこのすぐ左の原子に結合している。かっこ内に2個またはそれ以上の変数置換基が連続してある場合、変数置換基のそれぞれが、かっこのすぐ左の先行する原子に結合している。よって、上記化学式において、RiおよびRjは、いずれも前の炭素原子結合している。ステロイドのごとき炭素原子の番号付けのシステムができているいかなる分子についても、これらの炭素原子をCiと命名する。ここで、「i」は、炭素原子の番号に対応する整数である。例えば、C6は、ステロイド化学の当業者により伝統的に記されるように、ステロイド核中の6位あるいは炭素原子番号を表す。同様に、「R6」は、C6位における変数置換基を表す。直線状に描いた化学式またはその一部は、直鎖状に連なった原子を表す。「−」は、一般的に鎖中の2原子間の結合を表す。よって、CH3−O−CH2−CH(Ri)−CH3は、2位を置換した1−メトキシプロパン化合物を表す。同様に、「=」は例えば、CH2=C(Ri)−O−CH3のような二重結合を表し、「=」は、例えば、HC=C−CH(Ri)−CH2−CH3のような三重結合を表す。カルボニル基を2つの方法、−CO−または−C(=O)、のうちの1つの方法で表す。簡単のため、前者が好ましい。
環式(環状)化合物または分子断片の化学式を、直線状に表してもよい。よって、化合物4−クロロ−2−メチルピリジンは直線的にN=C(CH3)−CH=CCl−CH=CHと表すことができる。アステリスク()を付した原子は、たがいに結合して、環を形成しているものとする。同様に、環状分子断片4−(エチル)−1−ピペラジニルを、−N−(CH2−N(C2H5)−CH2−CH2と表すことができる。
本明細書中のいずれの化合物についても、剛直な環状構造は、剛直な環式化合物の個々の炭素原子に結合した置換基について、環平面に対する方向づけを定義する。環の一部である炭素原子に結合した2個の置換基−C(X1)(X2)を有する飽和化合物について、2個の置換基は、環に対してアキシャルまたはエクアトリアルいずれかであり、アキシャル/エクアトリアルの間を変化しうる。しかしながら、環および相手方に対する2個の置換基の位置関係は固定されたままである。いずれかの置換基が、環の平面に対して上方または下方である(アキシャル)というよりむしろ寝ている(エクアトリアル)場合には、もう一方の置換基は常に別の位置関係にある。かかる構造を表す化学構造式において、一方の置換基(X2)の「下方」にある置換基(X1)をアルファ(α)立体配置とし、破線または点線で炭素原子と結ぶ。すなわち、「−−−」または「...」である。一方の置換基(X1)の「上方」に結合した対応する置換基(X2)をベータ(β)立体配置とし、実線で炭素原子と結ぶ。
変数置換基が2価の場合には、結合手は、変数の定義において、一緒または別々に、あるいは共に存在しうる。例えば、−C(=Ri)のように炭素原子に結合した変数Riは、2価であってよく、オキソまたはケト(よって、カルボニル基(−CO−)を形成する)あるいは2個の別々に結合した1価の変数置換基α−Ri-jおよびβ−Ri-kと定義する。2価の変数Riを、2個の1価の変数置換基からなると定義する場合、規則により、2価の変数置換基を、「α−Ri-j:β−Ri-k」の形にするか、いくつかのその変形とする。かかる場合、α−Ri-jおよびβ−Ri-kは炭素原子と結合し、−C(α−Ri-j)(β−Ri-k)−を形成する。例えば、2価の変数R6、−C(=R6)−を、2個の1価の変数置換基からなると定義する場合、該2個の1価の変数置換基は、α−R6-1:β−R6-2、.....α−R6-9:β−R6-10、などであり、−C(α−R6-1)(β−R6-2)−、.....−C(α−R6-9)(β−R6-10)−、などを与える。同様に、2価の変数R11、−C(=R11)−については、2個の1価の変数置換基がα−R11-1:β−R11-2である。αおよびβの方向づけのない(炭素、炭素間に二重結合が存在するため)環状置換基および上の規則による環の一部でない炭素原子に結合した置換基については、αおよびβの命名を省略する。
2価の変数置換基を、2個の別々の1価の変数置換基と定義できるのとちょうど同じように、2個の別々の1価の変数置換基を、一緒になって2価の変数置換基を形成するものと定義してもよい。例えば、式−C1(Ri)H−C2(Rj)H−(C1およびC2を、任意に1番目、2番目の炭素原子と定義する)において、RiおよびRjを、一緒になって、(1)C1およびC2間に2番目の結合を形成するもの、(2)オキサ(−O−)およびエポキシドを形成するような2価の残基を形成するものと定義してもよい。RiおよびRjが、一緒になって、−X−Y−のごとき、より複雑な本体を形成する場合、上記の式中のC1はXに結合し、C2はYに結合するものとする。よって、規則により、「....RiおよびRjは一緒になって−CH2−CH2−O−CO−を形成し、....」という表現は、カルボニルがC2に結合したラクトンを表す。しかしながら「....RiおよびRjは一緒になって−CO−O−CH2−CH2−を形成し、....」という表現は、カルボニルがC1に結合したラクトンを表す。
変数置換基の炭素原子の含有数を、2通りの方法で示す。1番目の方法は、「C1−C4」のごとき接頭語を変数置換基に付して用いる。ここで、「1」および「4」は両方とも整数であり、変数置換基中の炭素原子の最小数および最大数を表す。接頭語を変数置換基からスペースをあけて記す。例えば、「C1−C4アルキル」は、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基を表す(特に断らないかぎり、その異性体を含む)。この単一の接頭語を用いるかぎり、接頭語は、定義すべき変数置換基の全体の炭素数を表す。よって、C2−C4アルコキシカルボニルは、nは0、1または2の数である残基CH3−(CH2−O−CO−を表す。2番目の方法により、「Ci−Cj」をかっこに入れ、定義すべき各部分のすぐ前に記す(スペースをあけない)ことにより、定義すべき各部分の炭素原子数を別々に示す。この規則によれば、(C1−C3)アルコキシカルボニルはC2−C4アルコキシカルボニルと同じ意味である。なぜならば、「C1−C3」はアルコキシ基の炭素原子数のみを表すからである。同様に、C2−C6アルコキシアルキルおよび(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルキルは、2ないし6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基を定義するが、前者の定義では、アルコキシまたはアルキル部分のいずれかのみが4ないし5個の炭素原子を有するのに対し、後者の定義では、これらの基の炭素原子を3個までに限定するため、2つの定義は異なる。
定義 すべての温度はセ氏温度である。
TLCは薄層クロマトグラフィーである。
ブラインは塩化ナトリウム飽和水溶液である。
DMFはN,N−ジメチルホムルアミドである。
THFはテトラヒドロフランである。
CBZはカルボベンジルオキシである。
n−BuLiはn−ブチルリチウムである。
SGはシリカゲルである。
IRは赤外吸収スペクトル法である。
1H−NMRは核(プロトン)磁気共鳴スペクトル法であり、化学シフトをテトラメチルシランからの低磁場側へのシフト(ppm)で表す。
φはフェニル(C6H5)である。
MSは質量スペクトル法であり、m/eまたは質量/電荷単位で表す。
[M+H]は親物質に水素原子を加えた陽イオンである。
EIは電子衝撃である。
CIは化学イオン化である。
FABは高速原子衝撃である。
エーテルはジエチルエーテルである。
医薬上許容されるとは、薬理学的/毒素学的見地から、かつ成分、処方、安定性、患者への投与可能性および生体での利用性に関する物理学/化学的見地から、患者に与えることができる性質および/または物質をいう。
対の溶媒を用いる場合、用いる溶媒の割合は体積/体積(v/v)である。
溶媒中への固体の溶解度を用いる場合、溶媒に対する固体の割合は重量/体積(w/v)である。
実施例 さらに工夫することなく、当業者は、以上の記載を用いて、本発明を最も十分に実施できると確信する。以下の詳細な実施例は、いかにして本発明の種々の化合物を合成し、そして/または本発明の種々の方法を行うのかを記載するものであって、単に説明的なものであり、以上の記載を何ら限定するものではない。当業者は、反応物質および反応条件ならびに手法に関する方法から、適当な変法を思い付くであろう。
調製例1 N,N−[1,2−ビス(ジメチルシリル)エタン]−3,5−ジフルオロアニリン 炎乾燥した500ml3つ首丸底フラスコにクライゼン管、メカニカルスターラーおよび低温用温度計を備え付ける。フラスコに、8.64g(66.9mmol)の出発物質ジフルオロアニリンを入れる。クライゼン管にガス導入アダプターおよびゴム製仕切りを取り付ける。該出発物質を窒素雰囲気下に置き、135mlの無水THFを添加する。得られた溶液をドライアイス−イソプロパノール浴で冷却し、機械的に攪拌する。冷反応溶液に、88ml(141mmol,2.1当量)のn−BuLi(ヘキサン中1.6M)をゆっくりと添加する。添加中、反応温度を−70ないし−40℃に維持する。添加20分後、135mlの無水THF中の14.4gの1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタン(66.9mmol,1当量)をゆっくりと添加する。均一化した溶液をさらに45分攪拌し、ついで室温まで暖める。200mlの水で反応を注意深く停止し、ジエチルエーテル(4x200ml)で抽出する。合一した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して黄褐色ロウ状固体(19.6g)を得る。該組成物を昇華(5トール,40℃)により精製する。11.8g(65%)の標記化合物を白色固体として回収する。融点71〜72℃。
元素分析C12H19F2NSi2として,計算値:C,53.10;H,7.05;N,5.15実測値:C,52.04;H,7.33;N,4.99 FTIR(ニート):cm-12958,2928,1626,1581,1476,1453,1345,1248,995 MS(EI):m/z(相対強度)271[M+](28),256(100),228(11),73(10)
1H−NMR(CDCl3):δ6.36(dd,2H,JHF=8.1H,JHH=2.1Hz),6.29(dd,1H,JHF=9.0Hz,JHH=2.1Hz),0.85(s,4H),0.25(s,12H)
調製例2 4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロアニリン 炎乾燥した3つ首丸底フラスコに、1.82g(6.72mmol)の保護化アニリン(調製例1)を入れ、ゴム製仕切り、低温用温度計およびガス導入アダプターを備え付ける。出発物質を窒素雰囲気下に置き、27mlの無水THFを添加する。得られた溶液を−70℃に冷却する。該冷溶液に、5.03ml(8.06mmol,1.2当量)のn−BuLi(ヘキサン中1.6M)をシリンジポンプ(0.12ml/分)を通して添加する。添加終了後、黄色反応溶液をさらに20分攪拌し、ついで8.06ml(8.06mmol,1.2当量)の塩化亜鉛(THF中1.0M)を添加する。反応物を−40℃で15分暖める。黄色溶液に、50ml THF中の773mg(0.672mmol,0.10当量)のPd(PPh3)、ついで647μl(6.72mmol,1.0当量)の3−ブロモピリジンを添加する。冷浴を除去し、反応物を室温まで暖める。温度計をコンデンサーに置き換え、仕切りをガラス製ストッパーに置き換える。反応物を還流温度に16時間加熱する。その後、100mlの10%HCl(aq)で反応停止する。得られた懸濁液を0.5時間激しく攪拌し、ついでジエチルエーテル(3x50ml)で洗浄する。回収した水層のpHを50%水酸化ナトリウムで14に合わせ、ついでジエチルエーテル(4x50mL)で抽出する。合一した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して黄色固体(935mg)を得る。このその後物質をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル200g,5%CH3CN/CHCl3 1L,10%CH3CN/CHCl3 1L,15%CH3CN/CHCl31Lで溶離)625mgの標記化合物を白色固体として得る。融点141〜142℃。
元素分析C11H8F2N2として、計算値:C,64.08;H,3.91;N,13.59実測値:C,63.92;H,3.74;N,13.24 FTIR(マル):cm-13141,1634,1460,1164,1012,708 MS(EI):m/z(相対強度)206[M+](100),205(7),179(5),158(4),89(4)
1H−NMR(CDCl3):δ8.67(s,1H),8.55(dd,1H,J=4.9,1.7Hz),7.75(dm,1H,J=8.1Hz),7.35(ddd,1H,7.8,4.9,0.8Hz),6.31(ddd,2H,JHF=9.8,1.5Hz,JHH=3.7Hz),4.01(s(b),2H)
調製例3 N−カルボベンジルオキシ4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロアニリン 60mlの乾THF中で、625mg(3.03mmol)の出発物質アニリン(調製例2)および382mg(4.55mmol,1.5当量)の重炭酸ナトリウムを合一する。得られた混合物を窒素雰囲気下に置き、394μl(4.55mmol,1.5当量)のクロロぎ酸ベンジルを添加する。反応物を室温で16時間攪拌する。その後、該反応物を150mlの塩化メチレンに添加し、重炭酸ナトリウム飽和溶液、ついでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して白色固体(1.09g)を得る。該物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル200g,3%CH3CH/CHCl3 1L,5%CH3CN/CHCl3 2Lで溶離)により精製して990mgの標記化合物を白色固体として得る。融点188〜190℃。
FTIR(ニート):cm-13030,1737,1642,1478,1408,1231,1029,723 元素分析C19H14F2N2O2として、計算値:C,67.06;H,4.15;N,8.23実測値:C,66.18;H,4.22;N,7.34 MS(EI):m/z(相対強度)340[M+](21),296(5),232(4),205(2),91(100),79(3)
1H−NMR(CD3OD):δ8.59(s(b),1H),8.53〜8.51(m,1H),7.95〜7.92(m,1H),7.56〜7.51(m,1H),7.44〜7.31(m,5H),7.28(d,2H,JHF=10.4Hz),5.21(s,2H)
調製例4 N−アリル−N−カルボベンジルオキシ−4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロアニリン 40mlの無水THF中の543mg(1.60mmol)の出発物質カルバメート(調製例3)の溶液を、128mg(3.19mmol,2当量)の水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物)で処理する。反応物を室温で窒素雰囲気下に0.5時間置く。その後、691μl(7.99mmol,5当量)の臭化アリルを添加する。室温で16時間攪拌を続ける。その後、20mlの水で反応を注意深く停止する。層分離させ、水層を酢酸エチル(3x25ml)で抽出する。合一して有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して暗いコハク色の油状物質を得る。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル125g,3%CH3CN/CHCl3で溶離)により精製して497mg(82%)の標記化合物を黄色固体として回収する。分析用試料を調製用TLC(シリカゲル,6%CH3CN/CHCl3)により調製する。該分析対象物用試料を白色固体として回収する。融点92〜93℃。
FTIR(マル):cm-13068,3061,1710,1705,1643,1412,1263,1024,733 元素分析C22H18F2N2O2として、計算値:C,69.47;H,4.77;N,7.36実測値:C,68.38;H,4.83;N,7.19 MS(EI):m/z(相対強度)380[M+](15),336(4),309(3),245(4),91(100),65(6)
1H−NMR(CDCl3):δ8.72(s,1H),8.62(s,(b),1H),7.99(d,1H,J=7.8Hz),7.42〜7.36(m,6H),7.03(d,2H,JHF=9.2Hz),5.94(ddt,1H,J=11.7,10.4,5.2Hz),5.23〜5.18(m,4H),4.34(d,2H,J=5.4Hz)
調製例5 (±)−5−(インドメチル)−3−[4−(3−(ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン 25mlのクロロホルム中で、496mg(1.31mmol)の調製例4の化合物、1.58ml(19.6mmol,15当量)のリジンおよび4.97g(19.6mmol,15当量)のI2を合一する。得られた混合物を窒素雰囲気下に置き、攪拌しながら50℃に加熱する。1.5時間後、反応物を70mlのクロロホルム中にデカンテーションする。残りのスラッジをクロロホルム(3x15ml)で濯ぐ。合一した有機溶液を20%チオ硫酸ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して黄色固体泡状物質(491mg)を得る。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル100g,0.5%MeOH/CHCl3 1L,1%MeOH/CHCl3 1Lで溶離)により精製する。269mg(49%)の標記化合物を黄色固体として回収する。融点133〜134℃。
FTIR(マル):cm-13130,1758,1650,1414,1241,1017,846 元素分析C15H11F2IN2O4として、計算値:C,43.29;H,2.66;N,6.73実測値:C,43.19;H,2.56;N,6.59 1H−NMR(CDCl3):δ8.72(s,1H),8.62(s(b),1H),7.79(d,1H,J=10.7Hz),7.43〜7.38(m,1H),7.32(d,2H,JHF=9.9Hz),4.84〜4.72(m,1H),4.19(dd,1H,J=8.9,8.9Hz),3.80(dd,1H,J=6.0,9.2Hz),3.51(dd,1H,J=3.8,10.5Hz),3.39(dd,1H,J=8.2,10.5Hz)
調製例6 (±)−5−(アジドメチル)−3−[4−(3−(ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン 15mlのDMF(4Aシーブで乾燥)中で、577mg(1.31mmol)の出発物質インドール(調製例5)および681mg(10.5mmol,8当量)のアジ化ナトリウムを合一する。反応物を窒素雰囲気下に置き、55℃に加熱する。2時間後、該反応物を100mlの水に添加し、ついで酢酸エチル(4x25ml)で抽出する。合一した有機層を、水ついでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮してコハク色の油状物質(354mg,粗収率82%)を得る。該粗アジドは、さらに精製しなくても還元に適する。分析用試料を、調製用TLC(シリカゲル,10%CH3CN/CHCl3)により調製する。22mgの標記化合物を、わずかに灰色がかった白い固体(融点97〜98℃)として得る。
FTIR(マル):cm-13483,2110,1746,1640,1417,1237,1064,716 元素分析C15H11F2N5O2として、計算値:C,54.38;H,3.35;N,21.14実測値:C,54.33;H,3.38;N,19.39 MS(EI):m/z(相対強度)331[M+](100),274(14),258(23),232(15),217(22),190(22),43(14)
1H−NMR(CDCl3):δ8.72(s(b),1H),8.63(s(b),1H),7.79(d,1H,J=7.9Hz),7.42〜7.38(m,1H),7.34(d,2H,JHF=9.9Hz),4.90〜4.82(m,1H),4.11(dd,1H,J=8.9,8.9Hz),3.88(dd,1H,J=6.2,8.9Hz),3.77(dd,1H,J=4.4,13.4Hz),3.63(dd,1H,J=4.1,13.3Hz)
調製例7 (±)−5−(アミノメチル)−3−[4−(3−(ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン 40mlのメタノール中で、354mg(〜1.07mmol)の粗アジド(調製例6)および50mgの10%pd−Cを合一する。該混合物に窒素を通し、ついで水素雰囲気下(1atm)に置く。反応物を室温で16時間攪拌する。その後、反応物を濾過し、減圧濃縮してコハク色の固体泡状物質(291mg,〜89、粗)を得る。該その後アミンは、さらに精製しなくてもアセチル化に適する。分析用試料を、調製用TLC(シリカゲル,10%MeOH/CHCl3)により調製する。標記化合物を白色固体として回収する。融点143〜144℃。
FTIR(ニート):cm-13368(b),1757,1646,1412,1244,1025,714 元素分析C15H13F2N3O2として、計算値:C,50.02;H,4.29;N,13.76実測値:C,57.94;H,4.21;N,13.13 MS(EI):m/z(相対強度)305[M+](67),276(15),233(66),219(12),44(13),29(100)
1H−NMR(CDCl3):δ8.71(s,1H),8.62(dd,1H,J=1.6,4.9Hz),7.79(d,1H,J=8.1Hz),7.39(dd,1H,J=4.9,8.0Hz),7.33(d,2H,JHF=10.0Hz),4.79〜4.70(m,1H),4.06(dd,1H,J=8.7,8.7Hz),3.92(dd,1H,J=6.7,8.6Hz),3.18(dd,1H,J=3.9,14Hz),2.98(dd,1H,J=5.3,14Hz),1.52(s(b),2H)
調製例8 4−(4−ピリジル)−3,5−ジフルオロアニリン 前記調製例2と同様の方法で、2.00g(7.38mmol)の調製例1の化合物を金属交換し、Pd(PPh3(0.1当量)および4−ブロモピリジン(1当量)と合一する。4−ブロモピリジンを、その塩酸塩から新たに調製する。該塩を、過剰の重炭酸ナトリウム中で中和する。ついで遊離塩基をジエチルエーテルで抽出する。合一した有機層を硫酸マグネシウムで15分間乾燥、濾過し、ついで減圧濃縮して黄色油状物質を得る。該遊離塩基を使用するまで、栓をしたフラスコ中、窒素雰囲気下に保存し、ドライアイス中に冷凍しておく。該遊離塩基は室温で急激に分解する。反応を前記したごとく行う。889mgの新生成物を単離する。1H−NMRは、この物質が所望の生成物およびその塩化亜鉛複合体(〜1:1)であることを示す。分析用試料を調製用TLC(シリカゲル,10%CH3CN/CHCl3)により調製する。
1H−NMR(CDCl3):δ8.63(dd,2H,J=1.6,4.6Hz),7.38(dd,2H,1.7,4.7Hz)、6.30(ddd,2H,JHF=6.6,10.3Hz,JHH=8.7Hz),4.06(s(b),2H)
調製例9 N−カルボベンジルオキシ−4−(4−ピリジル)−3,5−ジフルオロアニリン 前記調製例3と同様の方法で、236mg(1.15mmol)の出発物質アミン(調製例8)のカルバメート誘導体に変換する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル100g,3〜5%CH3CN/CHCl3グラジエント溶離)により精製する。171mg(44%)の標記化合物を白色固体として回収する。
融点:185〜186℃ FTIR(ニート):cm-11743,1642,1605,1254,1072 HRMS:C19H14F2N2O2として、計算値:340.1023実測値:340,1029 1H−NMR(CDCl3):δ8.67(s(b),2H),7.43〜7.38(m,7H),7.15(d,2H,JHF=9.9Hz),5.23(s,2H)
調製例10 N−アリル−N−カルボベンジルオキシ−4−(4−ピリジル)−3,5−ジフルオロアニリン 前記調製例4と同様の方法で、468mg(1.38mmol)の出発物質カルバメート(調製例9)のアリル化する。粗組成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル125g,3%CH3CN/CHCl3 2Lで溶離)により精製する。216mg(41%)の標記化合物を黄色固体として回収する。
融点:82〜83℃ FTIR(ニート):cm-11713,1635,1598,1396,1312,1235,1028 元素分析C22H18F2N2O2として、計算値:C,69.47;H,4.77;N,7.36実測値:C,69.06;H,4.80;N,7.31 MS(EI):m/z(相対強度)380[M+](16),330(6),246(26),219(13),91(100),40(16)
1H−NMR(CDCl3):δ8.69(d,2H,J=5.3Hz),7.41〜7.33(m,7H),7.03(d,2H,JHF=9.6Hz),5.92(ddt,1H,J=11.8,10.4,5.3Hz),525〜5.17(m,4H),4.34(d,2H,J=5.4Hz)
調製例11 (±)−5−インドメチル−3−[4−(4−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン 前記方法で、241mg(0.634mmol)の環化前駆体(調製例10)をヨウ化オキサゾリジノンに変換する。粗生成物をさらに精製しない。
1H−NMR(CDCl3):δ8.70(s(b),2H),7.44(d,2H,J=5.5Hz),7.32(d,2H,JHF=10.2Hz),4.85〜4.73(m,1H),4.19(dd,1H,J=9.0,9.0Hz),3.80(dd,1H,J=6.1,9.2Hz),3.50(dd,1H,J=6.1,10.5Hz)、3.40(dd,1H,J=8.0,10.5Hz)
実施例1 (±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン 10mlの無水塩化メチレン中で、135mg(0.433mmol)の出発物質アミン(調製例7)、143μl(1.77mmol,4当量)のピリジンおよび167μl(1.77mmol,4当量)の無水酢酸を合一する。反応物を、窒素雰囲気下、室温で攪拌する。25時間後、該反応物を30mlの塩化メチレンに添加し、重炭酸ナトリウム飽和溶液、ついでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して黄色固体(138mg)を得る。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル70g,1〜4%MeOH/CHCl3グラジエント溶離)により精製し、109mg(71%)の標記化合物を白色固体(融点218〜219℃)として回収する。
FTIR(マル):cm-13347,1742,1679,1648,1563,1409,1247,1022,755 元素分析C17H15F2N3O3として、計算値:C,58.79;H,4.35;N,12.10実測値:C,57.29;H,4.38;N,11.73 MS(EI):m/z(相対強度)347[M+](100),303(47),275(42),244(37),219(61),73(36),56(52)
1H−NMR(CDCl3):δ8.68(s(b),1H),8.59(s(b),1H),7.85(d,1H,J=7.9Hz),7.48〜7.41(m,2H),7.31(ddd,2H,JHF=3Hz,13.2Hz,JHH=7.7Hz),4.87〜4.79(m,1H),4.10(dd,1H,J=9.1,9.1Hz),3.82(dd,1H,J=6.7,9.2Hz),3.72〜3.57(m,2H),2.03(s,3H)
実施例1a (±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンメタンスルホン酸塩 4mlのメタノール中で、74mg(0.21mmol)の(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン(実施例1)および14μl(0.21mmol)のCH3SO3Hを合一する。混合物を還流温度に3時間暖めると反応物が均一化する。該反応物を室温まで冷却し、減圧濃縮し、ついで真空濃縮し、コハク色のゴム状固体を得る。回収した固体をジエチルエーテルで分散させ、回収した黄色固体(80mg)を8mlの水に溶解し、濾過し、凍結乾燥する。55mg(58%)の標識化合物を黄色吸湿性固体(融点203〜205℃)として回収する。
実施例2 (±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン 10mlのDMF(4Aシーブで乾燥)中で、213mgの調製例11の化合物および166mg(2.56mmol,〜5当量)のアジ化ナトリウムを合一する。反応物を窒素雰囲気下に置き、55℃に加熱する。2時間後、TLC(6% CH3CN/CHCl3)で反応完結を確認する。該反応物を50mlの水に添加し、酢酸エチル(5x25ml)で抽出する。合一した有機層を水、ついでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮してコハク色の油状物質を得る(注意:アジドは爆発的に分解することが知られている。該粗成物質を20mlのメタノールおよび30mgの10%Pd−Cと合一する。反応混合物に窒素を吹き込み、水素雰囲気下に置く。16時間合一、反応物を濾過し、減圧濃縮して白色固体を得る。この物質を、11mlの塩化メチレン中の64μlの無水酢酸および55μlのピリジンと合一する。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌する。その後、反応物を50mlの塩化メチレンに添加し、重炭酸ナトリウム飽和溶液についでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮してコハク色油状物質を得る。最終生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル100g,1〜4%MeOH/CHCl3グラジエント溶離)により精製する。103mg(4ステップで収率47%)の標記化合物を黄色固体として得る。融点147〜149℃。
FTIR(ニート):cm-11741,1651,1646,1412,1246,1027,745 元素分析C17H15F2N3O3として、計算値:C,58.79;H,4.35;N,12.10実測値:C,57.53;H,4.48;N,11.65 MS(EI):m/z(相対強度)347[M+](28),303(37),243(46),219(44),206(57),58(71),29(100)
1H−NMR(CDCl3):δ8.70(d,2H,J=5.6Hz),7.42(d,2H,J=6.1Hz),7.29(d,2H,JHF=10.3Hz),6.10(s(b),1H),4.90〜4.78(m,1H),4.08(dd,1H,J=9.1,9.1Hz),3,82(dd,1H,J=6.7,9.2Hz),3.73〜3.67(m,2H),2.05(s,3H)
実施例3〜54 調製例1〜11および上記実施例の一般的方法に従い、そして(i)個々の実施例について、以下に挙げたアニリン試薬(I)から出発して、(ii)適当なアリールまたはヘテロアリールのヨウ化物、臭化物、トリフレートあるいはフルオロスルホネートを、パラジウムを媒体としたカップリング反応(IV→V)に用いて、それぞれの実施例の標記化合物を得る。
















調製例12 酪酸(R)−[3−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル 臭化リチウム(0.181g,2.08mmol)、亜リン酸トリ−n−ブチルオキシド(0.454g,2.08mmol)および乾o−キシレン(10ml)の混合物を共沸的に1時間乾燥させる。還流点以下に冷却後、該温溶液に、乾o−キシレン(10ml)中の酪酸(R)−グリシジル(5.000g,34.68mmol)およびイソシアン酸3−フルオロフェニル(4.755gまたは3.96ml,34.68mmol)を10分間かけて添加する(該温溶液は添加中幾分還流している)。添加終了後、該溶液を添加して2時間還流させ、ついで室温まで冷却する。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(6:1,4:1ついで2.1)で溶離に付し8.758g(90%)の標記化合物(以下の性質を有する)を無色のシロップとして得る。
[α]25D−46.7゜(c1.0,CHCl3
IR(鉱物油マル):1758,1615,1591,1498,1229,1197,1169cm-1 1H−NMR(CDCl3,300MHz)δ7.44(“dt",J=11.2,2.3Hz,1H),7.34(“dt",J=8.3,6.5Hz,1H),7.23(ddd,J=8.3,2.1,0.9Hz,1H),6.86(dddd,J=8.2,8.2,2.5,0.9Hz,1H),4.88(m,1H),4.39(dd,J=12.3,3.8Hz,1H),4.32(dd,J=12.3,4.7Hz,1H),4.13(“t",J=9.0Hz,1H),3.82(dd,J=9.0,6.1Hz,1H),2.33(t,J=7.3Hz,2H),1.63(m,2H),0.92(t,J=7.4Hz,3H)
MS m/z(相対強度):281(33.1,M+),193(9.9),180(3.3),150(28.7),148(68.6)、137(59.3),123(41.7),95(38.3),43(100)
HRMS m/z:実測値281.1068(C14H16FNO4として計算値281.1063)
元素分析C14H16FNO4として、計算値:C,59.78;H,5.73;N,4.98実測値:C,59.98;H,5.72;N,4.88調製例13 (R)−3−(3−フルオロフェニル)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソオキサゾリジン メタノール(10ml)中の調製例12の化合物(2.789g,9.91mmol)の溶液を、メタノール中ナトリウムメトキシド25重量%溶液(57μl,0.99mmol)で、室温にて処理する。45分後、TLC(5%メタノール/クロロホルム)により出発物質が消費されたことが示される。反応混合物に、1NHCl(0.99ml,0.99mmol)を注意深く添加することにより反応停止し、ついで減圧濃縮する。始めは1:1ヘキサン/酢酸エチル、ついで酢酸エチルで溶離するシリカゲル上の粗生成物のクロマトグラフィーにより、1.903g(91%)の標記化合物を、以下の特徴を有する白色固体として得る。
融点:106.5〜107.5℃ [α]25D−66.8゜(c1.1,CH3CN)
IR(鉱物油マル):3520,1724,1612,1590,1496,1428,1420,1232,1199cm-1 1H−NMR(CDCl3,300MHz)δ7.44(“dt",J=11.3,2.3Hz,1H),7.32(“dt",J=8.3,6.5Hz,1H),7.23(ddd,J=8.3,2.1,1.0Hz),6.84(dddd,J=8.2,8.2,2.5,1.0Hz),4.77(m,1H),4.07〜3.96(m,3H),3.76(dd,J=12.7,3.9Hz,1H),2.44(br,s,1H)
MS m/z(相対強度):211(100,M+),180(6.8),136(34.3),124(84.7),95(71.6)
HRMS m/z:実測値211.0641(C10H10FNO3として計算値211.0645)
元素分析:C10H10FNO3として、計算値:C,65.87;H,4.77;N,6.63、実測値C,56.85;H,4.94;N,6.56 エナンチオマー形態のの過剰の該オキサゾリジノンアルコールを、(R)−(+)−α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸と反応させ(DCC,DMAP,CH2CH2,rt)、得られたモシャーエステル(Mosher ester)の1H−NMRスペクトルを調べる。%eeは≧95%と概算される。
調製例14 (R)−3−(3−フルオロフェニル)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソオキサゾリジン 乾テトラヒドロフラン(10ml)中のN−(カルボベンジルオキシ)−3−フルオロアニリン(1.000g,4.08mmol)の溶液を、ドライアイス/アセトン浴で約−78℃に冷却し、ついでn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液を1.87ml,2.91mmol)を添加する。ついで(R)グリシジルブチレート(0.420gまたは0.413mmol,2.91mmol)をシリンジを通して添加し、冷浴を除去し、混合物を一晩室温に保つ。該反応混合物に塩化アンモニウム飽和溶液を注意深く添加して反応停止し、混合物全体を分液漏斗に移し、ジクロロメタンで洗浄し、混合物をジクロロメタンで抽出した。合一した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して油状物質を得る。これを、1%メタノールを含有する10%アセトニトリル/クロロホルムで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して0.555g(グリシジルブチレート基準で90%,アニリンのCBz誘導体基準で64%)の標記化合物を、先の実験方法の記載のごとくして得たオーセンティック試料とすべての点で同一な白色固体として得る。
調製例15 4−メチルベンゼンスルホン酸(R)−[3−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル 乾ピリジン(10ml)中の調製例14の化合物(1.800g,8.52mmol)の溶液を約5℃に冷却し、ついで塩化p−トルエンスルホニル(1.706g,8.95mmol)で処理する。溶液をこの温度で一晩放置する。TLC(5%エタノール/クロロホルムまたは1:1ヘキサン/酢酸エチル)により出発物質が消費されたことが示される。反応混合物を氷水(30ml)に注ぎ、中程度の孔の焼結ガラス漏斗で真空濾過することにより沈澱を集める。集めた固体を水で完全に洗浄し、減圧乾燥し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して2.743g(88%)の標記化合物を、以下の特徴を有する白色固体として得る。
融点:114〜115℃ [α]25D−62.6゜(c1.0,CH3CN)
IR(鉱物油マル):1751,1617,1591,1499,1415,1362,1227,1202,1191,1172,1093,967cm-1 1H−NMR(CDCl3,300MHz)δ7.78(“d",J=8.4Hz,2H),7.38(“dt",J=11.2,2.3Hz,1H),7.36(“d",J=7.8Hz,2H),7.33(“dt",J=8.3,6.6Hz,1H),7.16(ddd,J=8.3,2.2,1.0Hz,1H),6.86(dddd,J=8.2,8.2,2.5,1.0Hz,1H),4.84(m,1H),4.29(dd,J=11.1,4.1Hz,1H),4.24(dd,J=11.1,4.6Hz,1H),4.10(“t",J=9.1Hz,1H),3.88(dd,J=9.2,6.0Hz,1H),246(s,3H)
MS m/z(相対強度):365(70.6,M+),149(100),122(32.8),91(52.8)
HRMS m/z:365.0738(C17H16FNO5Sとして計算値:365.0733)
元素分析C17H16FNO5として、計算値:C,55.88;H,4.41;N,3.83、実測値:C,55.96;H,4.38;N,3.80調製例16 アジ化(R)−[3−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル 乾DMF(60ml)中のトシレート(調製例15;2.340g,6.40mmol)の溶液を、アジ化ナトリウム(3.331g,51,23mmol)で、室温にて処理する。得られたスラリーを65℃に45時間加温し、ついで室温まで冷却し、一晩放置する。ついで反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、分液漏斗に移し、酢酸エチルで抽出する。合一した酢酸エチル抽出物を水で完全に洗浄し、ついで硫酸ナトリウム乾燥し、濾過し、減圧濃縮して1.492g(99%)なお「粗」アジドを実質的に純粋な白色固体として得る。以下にその特徴を記載する。
融点:81〜82℃ [α]25D−136.5゜(c0.9,CHCl3
IR(鉱物油マル):2115,1736,1614,1591,1586,1497,1422,1233,1199,1091,1049cm-1 1H−NMR(CDCl3,300MHz)δ7.45(“dt",J=11.2,2.3Hz,1H),7.34(“dt",J=8.3,6.4Hz,1H),7.23(ddd,J=8.1,2.1,1.0Hz,1H),6.86(dddd,J=8.2,8.2,2.5,1.0Hz,1H),4.81(m,1H),4.09(“t",J=8.9Hz,1H),3.86(dd,J=9.0,6.2.1H9,3.72(dd,J=13.2,4.5.1H),3.60(dd,J=13.2,4.4Hz,1H)
MS m/z(相対強度):236(59.0,M+),179(94.9),136(59.5),122(62.4),109(71.8),95(100),75(40.7)
HRMS m/z:236.0708(C10H9FN4O2として計算値:236.0709)
元素分析:C10H9FN4O2として計算値:C,50.85;H,3.84;N,23.72、実測値:C,50.74;H,3.76;N,23.71調製例17 (S)−N−[[3−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド 酢酸エチル(100ml)中のアジド(調製例16;8.200g,34.71mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で、炭素上10%パラジウム(0.820g)で処理する。ついで、繰り返し気体を出し入れすることにより雰囲気を水素(バルーン)に置換する。水素下で17時間攪拌した後、TLC(5%メタノール/クロロホルム)によりアジドが消費されたことが示される。雰囲気を窒素に置換し、ついでピリジン(6ml)および無水酢酸(41ml,43.40mmol)を反応混合物に添加する。該反応混合物を室温で1時間攪拌し、ついでセライトで濾過し、パッドを酢酸エチルで洗浄する。濾液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタン中に取る。酢酸エチルを添加して沈澱させる。冷蔵庫で一晩放置した後、真空濾過で固体を集め、冷ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥して4.270gの標記化合物を白色固体として得る。さらに3.700gを母液から得、全収率91%となる。さらに粗生成物を、5%メタノール/クロロホルムで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。以下に特徴を記載する。
融点:140〜140.5℃ [α]25D−6.6゜(c1.0,CHCl3
調製例18 (S)−N−[[3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド 調製例17記載のオキサゾリジノン中間体(0.280g,1.11mmol)を、酢酸(20ml)およびトリフルオロ酢酸(5ml)の混合物に溶解し、ついで室温にて、一塩化ヨウ素(2.343g,14.43mmol)で処理する。深い赤紫色の混合物を、窒素雰囲気下、室温で攪拌する。オレンジ色の沈澱が徐々に生成する。24時間後、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、中程度の孔の焼結ガラスを用いた真空濾過により固体を集め、Et2Oで洗浄する。粗固体を熱クロロホルムに溶解し(少量のメタノールを添加して溶解を促進する)、分液漏斗に移し、重炭酸ナトリウム飽和溶液、20%チオ硫酸ナトリウム、ついでブラインで洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して0.295g(70%)の標記化合物を白色固体として得る。以下に特徴を記載する。
融点:185.5〜186.5℃ [α]25D−37.6゜(c1.0,DMF)
調製例19 (±)−N−[[3−[3−フルオロ−4−(トリメチルシラニル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド 1,4−ジオキサン(10ml)中で、(±)−N−[[3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(調製例18;0.091g,0.24mmol)、塩化ビス(トリフェニル亜リン酸)ラジウム(II)(0.017g,0.024mmol)およびヘキサメチルジチン(0.105g,0.321mmol)を合一する。反応混合物を完全に窒素を吹き込み、還流温度で1.5時間加熱する。その後、反応物を減圧濃縮し、ついでシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル10g;0.5、1つで1.5%メタノール/クロロホルム(各100ml)で溶離)により精製する。適当なフラクションを濃縮した後、以下の特徴を有する0.100g(100%)のラセミ体標記化合物を黄色固体として得る。
融点:127〜130℃ 1H−NMR(CDCl3,300MHz)δ7.38〜7.33(m,2H),7.19(dd,J=8.0,2.1Hz,1H),6.04(bs,1Hz),4.83〜4.72(m,1H),4.05(dd,J=9.1,9.1Hz,1H),3.76(dd,J=9.2,6.7Hz,1H),3.71〜3.59(m,2H),2.02(s,3H),0.34(d,J=28.6Hz,9H)
MS m/z(相対強度):415(3,M+),401(100),165(10),139(15),56(24),43(41)
実施例55 (±)−N−[[3−[3−フルオロ−4−(6−キノリル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド (±)−N−[[3−(3−フルオロ−4−(トリメチルシラニル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(調製例19;0.367g,0.88mmol)、6−ブロモキノリン(0.239g,1.15mmol)および塩化ビス(トリフェニル亜リン酸)バラジウム(II)(0.062g,0.088mmol)をDMF(10ml)と合一する。反応混合物を完全に窒素を吹き込み、ついで窒素雰囲気下で80℃に加熱する。2時間後、TLCにより僅かしか反応が進行していないことが示され、そこで該反応混合物を95℃でさらに2時間加熱する。混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮して粗物質を得、これをシリカゲル上のクロマトグラフィー(シリカゲル10g,メタノール(1→4%)/クロロホルムで溶離)により精製して、以下の特徴を有する0.136g(51%)のラセミ体の標記化合物を僅かに灰色がかった白色固体として得る。
融点:216〜219℃(分解)
IR(内部反射):3411,3281,1743,1657,1630,1566,1521,1499,1416,1226,1194cm-1 1H−NMR(CDCl3,300MHz)δ8.95(dd,J=4.2,1.5Hz,1H),8.26〜8.20(m,2H),8.00(br s,1H),7.92(d,br t,J=8.8,2.0Hz,1H),7.61(dd,J=12.9,2.1Hz,1H),7.57(“t",J=8.6Hz,1H),7.47(dd,J=8.2,4.3Hz,1H),7.35(dd,J=8.5,2.1Hz,1H),6.08(b t,J=6.0Hz,1H),4.84(m,1H),4.13(“t",J=9.0Hz,1H),3.86(dd,J=9.1,6.8Hz,1H),3.80〜3.62(m,2H),2.05(s,3H)
MS m/z(相対強度):379(100.0,M+),335(24.4),307(17.0),276[42.6),264(29.2),251(93.8)
実施例56 (S)−N−[[3−[3−フルオロ−4−(ピリジル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド 1,4−ジオキサン(5ml)中の調製例18のヨウ化オキサゾリジノン(0.063g,0.165mmol)およびトリメチル(4−ピリジン)スズ(0.060g,0.248mmol)のスラリーを、繰り返し減圧することにより脱気し、窒素を満たす。塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.012g,00165mmol)を添加し、反応物を再び脱気し、ついで混合物窒素雰囲気下で還流させる。4時間後、TLC(シリカゲル,10%メタノール/クロロホルム)により、いくらかのヨウ化物がまだ残っていることが示される。該混合物をさらに20時間還流させ、室温まで冷却し、ついで減圧濃縮する。残渣を、少量のクロロホルム、ついでメタノール(1%、2%ついで5%)/クロロホルムで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して0.046g(84%)の標記化合物を白色固体として得る。1H−NMRおよびクロマトグラフィー的特性により、十分に特徴づけられたラセミ体試料であると同定される。特徴をエナンチオマーに富む物質について以下に記載する。
融点:190.5〜191.0℃ [α]25D−16.4゜(c0.5,CHCl3
以下の特徴はラセミ体試料に関する。
融点179〜180℃ IR(内部反射):3279,3063,1756,1752,1657,1626,1600,1542,1522,1485,1412,1407,1377,1222,1198cm-1 1H−NMR(CDCl3,300MHz)δ8.67(dd,J=6.1,1.5Hz,2H),7.59(dd,J=13.1,2.2Hz,1H),7.50(“t",J=8.5Hz,1H),7.47(dd,J=6.1,1.4Hz,2H),7.33(dd,J=8.7,2.2Hz,1H),6.15(bt,J=6.0Hz,1H),4.84(m,1H),4.11(“t",J=9.1Hz,1H),3.85(dd,J=9.2,6.7Hz,1H),3.78〜3.62(m,2H),2.04(s,3H)
MS m/z(相対強度):329(39.8,M+),285(29.3),257(14.5),201(52.4),172(27.1),73(27.1),42(100.0)
元素分析:C17H16FN3O3として、計算値:C,62.00;H,4.90;N,12.76、実測値:C,62.01;H,4.84;N,12.82

















【特許請求の範囲】
【請求項1】式(XII):

[式中、(I)R1は、(a)−H、(b)−F、(c)−Cl、(d)−CF3、および(e)−OCH3から選択され;
(II)R3は、以下の(a)〜(ff)からなる群より選択され:(a)フェニル、(b)ピリジル、(c)ピラジニル、(d)ピリダジニル、(e)ピリミジニル、(f)1,2,3−、(g)1,2,4−、(h)1,2,5−トリアジニル、(i)キノリニル、(j)イソキノリニル、(k)キノキサリニル、(l)キナゾリニル、(m)フタラジニル、(n)シノリニル、(o)ナフチリジニル、(p)所望によりR5-1で置換されていてもよい窒素を有するインドリル、ここにR5-1は、−H、所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、または−C(O)R5-2であり、ここにR5-2は、−H、所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキル、または所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、(q)R5-1で置換された飽和窒素を有するピロロピリジニル、ここにR5-1は、前記定義に同じ、(r)フラノピリジニル、(s)チエノピリジニル、(t)ベンゾチアゾリル、(u)ベンゾオキサゾリル、(v)R5-1で置換された飽和窒素を有するイミダゾリル、ここにR5-1は前記定義に同じ、(w)R5-1で置換された飽和窒素を有するピラゾリル、ここにR5-1は前記定義に同じ、(x)チアゾリル、(y)イソチアゾリル、(z)オキサゾリル、(aa)イソオキサゾリル、(bb)R5-1で置換された飽和窒素を有するピロイル、ここにR5-1は前記定義に同じ、(cc)フラニル、(dd)チオフェニル、ここに、置換基(a)〜(dd)は所望によりXおよびYで置換されていてもよく、(ee)R5-1で置換された飽和窒素を有する1,2,3−トリアゾリル、(ff)R5-1で置換された飽和窒素を有する1,2,4−トリアゾリル、ここにR5-1は前記定義に同じ、ここに、置換基(ee)および(ff)は所望によりXで置換されていてもよい;
(III)Yは独立して、(a)−H、(b)−F、(c)−Cl、(d)−Br、(e)−I、(f)−R3-1、(g)−OR3-1、ここにR3-1はHあるいはC1〜C4アルキル、または(h)−NO2;(IV)Xは独立して、(a)−H、(b)C1〜C8アルキル[所望により、1個またはそれ以上のハロゲン、−OH、アルファ位以外の=OC1〜C8アルキル、−S(O)nR3-2(R3-2はC1〜C4アルキルあるいはC3〜C8シクロアルキル)または−NR3-3R3-4(R3-3およびR3-4は、独立して−H、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、−(CH2tCHOR3-5、(CH2tNR3-6R3-7であるか、または一緒になって−(CH2)O(CH2)−、−(CH2tCH(CO)R3-8あるいは−(CH2)N(R3-8)(CH2−となり、ここにR3-5は−HあるいはC1〜C4アルキル、R3-6およびR3-7は独立して−H、C1〜C4アルキルであるか、または一緒になって−(CH2−となる)
で置換されていてもよい]
(c)C2〜C5アルケニル、(d)C3〜C8シクロアルキル、(e)−OR3-3、ここにR3-3は前記定義に同じ、(f)−CN、(g)−S−(O)−R3-8、ここにR3-8は、C1〜C4アルキル[所望により、1個またはそれ以上のハロゲン、−OH、−CN、−NR3-3R3-4(ここにR3-3およびR3-4は前記定義に同じ)
−CO2R3-5(ここにR3-5は前記定義に同じ)で置換されていてもよい]
C2〜C4アルケニル、−NR3-9R3-10(R3-9は−H、C1〜C4アルキルまたはC3〜C8シクロアルキルであって、R3-10は−H、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルケニル、C3〜C4シクロアルキル、−OR3-5または−NR3-6R3-7、ここにR3-5、R3-6およびR3-7は前記定義に同じ)、−N3、−NHC(O)R3-11、ここにR3-11は所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキル、(h)−S(O)−N=S(O)pR3-14R3-15、ここにR3-14およびR3-15は独立してC1〜C2アルキルであるかまたは一緒になって−(CH2−となり、(i)−S−C(O)−R3-11(R3-11は前記定義に同じ)、(j)テトラゾリル、(k)−NR3-3R3-4(R3-3およびR3-4は前記定義に同じ)、(l)−N(R3-3)COR3-11(R3-3およびR3-11は前記定義に同じ)、(m)−N(R3-3)S(O)nR3-11(R3-3およびR3-11は前記定義に同じ)、(n)−CONR3-3R3-4(R3-3およびR3-4は前記定義に同じ)、(o)−C(O)R3-16、ここにR3-16は、−H、C1〜C8アルキル(所望により1個またはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよい)
C1〜C4アルキル(所望により、−OR3-5、−OC(O)R3-5、−NR3-3R3-4,−S(O)R3-17で置換されていてもよい)、C3〜C8シクロアルキル、またはC2〜C5アルケニル(所望により−CHOまたは−CO2R3-5で置換されていてもよく、ここにR3-3、R3-4およびR3-5は前記定義に同じであって、R3-17はC1〜C4アルキルまたはC2〜C8シクロアルキル)
(p)−C(=NR3-18)R3-16、ここにR3-16は前記定義に同じであって、R3-18は−NR3-3R3-4、−OR3-3、または−NHC(O)R3-3(R3-3およびR3-4は前記定義に同じ)、(q)−CR3-16(OR3-19)OR3-20、ここにR3-16は前記定義に同じであって、R3-19およびR3-20は独立してC1〜C4アルキルであるかまたは一緒になって−(CH2−となり、

ここにR3-3、R3-4、R3-5、R3-9およびR3-16は前記定義に同じであって、R3-21はR3-4または−NR3-4R3-5(R3-4およびR3-5は前記定義に同じ);
mは2または3;nは0、1または2;pは0または1;qは3、4または5;tは1、2または3;(V)R4は以下の(a)〜(p)からなる群より選択され:(a)−H,、(b)C1〜C12アルキル(所望により1〜3個のClで置換されていてもよい)、(c)C3〜C12シクロアルキル、(d)C5〜C12アルケニル(1個の二重結合を有する)、(e)フェニル(所望により1〜3個の−OH、−OCH3、−OC2H5、−NO2、−F、−Cl、Br、−COOHおよび−SO3H、−N(R4-1)(R4-2)(R4-1およびR4-2は別個に−H,およびC1〜C5アルキル)で置換されていてもよい)、(f)フラニル、(g)テトラヒドロフラニル、(h)2−チオフェン、(i)ピロリジニル、(j)ピリジニル、(k)−O−R4-3(R4-3はC1〜C4アルキル)、(l)−NH2、(m)−NHR4-4(R4-4はC1〜C3アルキルまたは−φ)、(n)−NR4-4R4-5(R4-4は前記定義に同じであって、R4-5はC1〜C3アルキルであるかまたは結合窒素原子と一緒になって−O−を含む飽和モノ−窒素C5〜C7複素環(モルホリン)を形成する)、(o)−CH2−OH、または(p)−CH2−OR4-6(R4-6はC1〜C4アルキルまたは−CO−R4-7、ここにR4-7はC1〜C4アルキルまたは−φ)
からなる群より選択される]
で示される置換アリール−およびヘテロアリール−フェニルオキサゾリジノン類およびその医薬上許容される塩。
【請求項2】R1がHまたはFである請求項1記載の化合物。
【請求項3】R3が、所望によりXおよびYで置換されていてもよいフェニルである請求項2記載の化合物。
【請求項4】(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−(4−フェニル−3−フルオロフェニル)−2−オキサゾリジノン、(S)−N−[[3−[3−フルオロ−4−(4−ピリジル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−(4−フェニル−3,5−フルオロフェニル)−2−オキサゾリジノン、または(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−ジメチルアミノ)−フェニル−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンである請求項3記載の化合物。
【請求項5】R3が、所望によりXおよびYで置換されていてもよいピリジルである請求項2記載の化合物。
【請求項6】(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−ピリジル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−ピリジル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−メチルピリジン−4−イル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン,メタンスルホン酸塩、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−ピリジル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、または(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−エチルピリジン−4−イル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンである請求項5記載の化合物。
【請求項7】R3が、所望によりXおよびYで置換されていてもよいキノリニルまたはイソキノリニルである請求項2記載の化合物。
【請求項8】(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−キノリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−キノリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(6−キノリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−(イソキノリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−キノリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−キノリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(6−キノリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、または(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(4−イソキノリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンである請求項7記載の化合物。
【請求項9】R3が、所望によりR5で置換されていてもよい窒素を有し、所望によりXおよびYで置換されていてもよいインドリルである請求項2記載の化合物。
【請求項10】(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(3−インドリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(1−メチル−5−インドリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(5−インドリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、または(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(1−メチル−5−インドリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンである請求項9記載の化合物。
【請求項11】R3が、所望によりXおよびYで置換されていてもよいベンゾチアゾリルまたはベンゾオキサゾリルである請求項2記載の化合物。
【請求項12】(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(6−ベンゾチアゾリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(6−ベンゾオキサゾリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(6−ベンゾチアゾリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、または(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(6−ベンゾオキサゾリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンである請求項11記載の化合物。
【請求項13】R3が、所望によりXおよびYで置換されていてもよいチアゾリルまたはオキサゾリルである請求項2記載の化合物。
【請求項14】(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−アミノ−4−チアゾリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−アミノ−4−オキサゾリル)−3−フルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−ジメチルアミノ)−4−チアゾリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−アミノ−4−チアゾリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−ジメチルアミノ)−4−オキサゾリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノン、または(±)−5−(アセトアミドメチル)−3−[4−(2−アミノ−4−オキサゾリル)−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキサゾリジノンである請求項13記載の化合物。
【請求項15】R1がFである前記請求項いずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】(a)置換アニリンをスタベース(stabase)誘導体に変換し;
(b)該スタベース誘導体を処理してアリール−またはヘテロアリール−置換アニリンを形成し;次いで(c)該アリール−またはヘテロアリール−置換アニリンをアリール−またはヘテロアリール−置換フェニルオキサゾリジノンに変換することを含む、請求項1記載の式(XII)で示される化合物の製法。

【特許番号】特許第3176626号(P3176626)
【登録日】平成13年4月6日(2001.4.6)
【発行日】平成13年6月18日(2001.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−508405
【出願日】平成4年10月5日(1992.10.5)
【公表番号】特表平7−500603
【公表日】平成7年1月19日(1995.1.19)
【国際出願番号】PCT/US92/08267
【国際公開番号】WO93/09103
【国際公開日】平成5年5月13日(1993.5.13)
【審査請求日】平成11年5月13日(1999.5.13)
【出願人】(999999999)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー
【参考文献】
【文献】特開 平2−124877(JP,A)
【文献】特表 平9−502436(JP,A)