説明

折り曲げ棚装置

【課題】自律で垂直状態に停止し出来るヒンジ機構により屈曲自在に連結された支持体から構成される折り曲げ支持付勢装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2個の収容体を前記2つの支持体の対向する接続面にそれぞれ穿孔して収納し、該収容体内に1本のバネをそれぞれ貫入して、該収容体の両端でバネを引張固定し、前記ヒンジ機構で連結した回動支持体を常時直立に付勢し、該回動支持体は屈曲停止位置から直立位置に自力で回動して復帰しない構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内に置いて必要に応じてテーブル、机、肘掛、体を持たせる台及び扉として、使用時に倒して停止させ、使用後は付勢を利用して垂直に戻る力を軽減すると共に、自律で垂直状態に停止し出来るヒンジ機構により屈曲自在に連結された支持体から構成される折り曲げ支持付勢装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のテーブル、机、肘掛、体を持たせる台及び扉は、形状を変えることができず狭い場所に置くと邪魔になり、必要に応じて天板の部分を持ち上げて使用する事が出来なかった。
【0003】
そこで、テーブルや机の下部に足車を有して移動可能とし、上下方向に天板を昇降させて使用できる多目的の木製テーブルが提案されている(特許文献1参照。)。
【0004】
また、固定の壁に取り付けたばねケースと、このばねケースとヒンジ軸まわりに回動する旋回アームとで構成され、この旋回アームが使用後に邪魔にならないように持ち上げ出来る折畳み式テーブルも提案されている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2001−50792号広報
【特許文献2】実願2005−2338号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に提案された多目的の木製テーブルは、足車によっ
て移動出来るが、その形状が固定的な形からなっているため狭い場所で使用したり、
テーブル部分を持ち上げて通り抜けすることは出来なかった。
【0007】
また、上記特許文献2に提案された折りたたみ式テーブルの場合は、固定した壁に
取り付けるものであって、テーブルを移動させて利用することができず、壁の位置が
遠くにある場合には旋回アームの長さを長くする必要があり、ばねケースの構造が複
雑となるという問題があった。
【0008】
本発明は、これらの問題点に鑑みなされたもので、テーブル、机、肘掛、体を持たせ
る台及び扉を、老人や体の不自由な弱者でも、使用する際には直角方向に倒して停
止させて使用することができ、また使用後はばねの付勢力を利用して垂直に戻す力
を軽減すると共に、自律で垂直状態に停止し出来るヒンジ機構により屈曲自在に連
結された支持体から構成される折り曲げ支持付勢装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ヒンジ機構により垂直固定支持体と回動支持体からなる2つの支持体を屈曲自在に連結させた折り曲げ支持付勢装置であって、少なくとも2個の収容体を前記2つの支持体の対向する接続面にそれぞれ穿孔して収納し、該収容体内に1本のバネをそれぞれ貫入して、該収容体の両端でバネを引張固定し、前記ヒンジ機構で連結した回動支持体を常時直立に付勢し、該回動支持体は屈曲停止位置から直立位置に自力で回動して復帰しない事を特徴とする。
【0010】
上記の構成の折り曲げ支持付勢装置は、例えばトイレにおける肘置き台として使用する時は、老人や弱者の人でも簡単にヒンジ機構によって回動支持体を直角方向に倒して停止させて肘置き台として使用し、使用後は、回動支持体を持ち上げて垂直状態で停止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による折り曲げ支持付勢装置は、ヒンジと伸縮バネを組み合わせたヒンジ機構で垂直固定支持体と回動支持体からなる2つの支持体を屈曲自在に連結し、垂直固定支持体に対し直角方向に回動支持体を回動させて停止して、テーブルや机や肘掛や体を持たせる台として利用が可能となり、回動支持体を垂直方向に収納する際には、回動支持体を回動させて垂直に戻す力を軽減することができる。また、垂直固定支持体と回動支持体の接合部の両側位置に、指挟み防止体を設けたため安全に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の折り曲げ支持付勢装置の一実施例を示す側面図である。
【図2】図1の水平方向折り曲げた状態を示す側面図である。
【図3】図1の背面図である。
【図4】図1の正面図である。
【図5】図1および図2の部分拡大説明図である。
【図6】ヒンジ機構の断面説明図である。
【図7】本発明の折り曲げ支持付勢装置の使用例を示す使用説明である。
【図8】本発明の折り曲げ支持付勢装置の他の実施例を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の折り曲げ支持付勢装置について説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図1は本考案の折り曲げ支持付勢装置の一実施例を示す側面図、図2は図1の水平方向折り曲げた状態を示す側面図、図3は図1の背面図、図4は図1の正面図、図5は図1および図2の部分拡大説明図、図6はヒンジ機構の断面説明図、図7は本発明の折り曲げ支持付勢装置の使用例を示す使用説明図、図8は本考案の折り曲げ支持付勢装置の他の実施例を示す断面説明図である。
【実施例】
【0014】
図1乃至図5に示すように、本発明に係る折り曲げ支持付勢装置1は、長方形の板材からなる固定垂直方向板2と、ヒンジ3と伸縮バネ4とを組み合わせて構成したヒンジ機構5と、このヒンジ機構5によって長手方向に連結する長方形の板材からなる回動板6と、垂直固定支持体2の下部においてL字形に取り付けられた安定板7と、固定垂直方向板2と回動板6との接合部分の両側に取り付けた指挟み防止板8と、この指挟み防止板8に取り付けた回動板持たせ台9とから構成され、回動板6を水平方向に回動させて回動板持たせ台9に当接して停止させて使用し、使用後は回動板6を垂直方向に持ち上げて停止させ持ち運び可能とされている。
【0015】
以下、図1乃至図8により本発明の折り曲げ支持付勢装置1を更に詳細に説明する。
【0016】
図5a、図5bは、夫々回動板6の垂直位置と、水平位置におけるヒンジ機構5の動作を説明する部分拡大図であり、図に示すようにヒンジ機構5は、ヒンジ3と伸縮バネ4と収容体10を組み合わせて構成されており、この収容体10は回動板6と固定垂直方向板2の対向する接続面に夫々穿孔して収納されており、後述する伸縮バネ4の伸縮によって垂直固定支持体2と回動板6とを垂直方向に常時付勢する。又垂直固定板2と回動板6の接合部の両側位置には指挟み防止板8が垂直固定板2に取り付けられている。尚、垂直固定支持体2、回動板6及び指挟み防止板8の素材としては、樹脂、アルミ合金、複合版、木材等が適宜使用される。
【0017】
また安定板7は、長方形の板材からなり、垂直固定支持体2の側面下部に一対のL字金物11によってL字形に取り付けている。尚使用される素材としては、樹脂、アルミ合金、複合版、木材等が適宜使用される。
【0018】
そして指挟み防止板8は、側面視半円形の板材からなり、垂直固定支持体2の上部両側部にそれぞれに一枚ずつ取り付けられ、回動板6の回動操作時に利用者が指を誤って挟む事故を防止する。さらに対向する指挟み防止板8の内側面には回動板持たせ台9が取り付けられており、回動板6の回動を停止する。尚指挟み防止板8及び回動板持たせ台9に使用される素材は、上述した材料が使用される。
【0019】
図6a、図6bは、ヒンジ機構5の動作を示しており、夫々回動板6の垂直位置と水平位置におけるヒンジ3と伸縮バネ4の動作を示す。図に示すように、ヒンジ3と伸縮バネ4を組み合わせたヒンジ機構5は、2個の円筒形からなる収容体10とヒンジ3を連結し、この収容体10の内に1本の伸縮バネ4を貫入して収容体10の両端部で引張固定されている。この構成からなるヒンジ機構5は垂直位置においては常に垂直方向に付勢力が生じ、上述した垂直固定支持体2と回動板6とを直立した状態に保ち、また回動板6を水平方向に回動させると、伸縮バネ4が中央部で折れて付勢力が低下し、回動板6の回動方向への力とバランスによって水平位置で停止する。また、垂直に戻す際には伸縮バネの付勢力によって持ち上げる力を軽減出来る。
【0020】
図7a、図7bは、本発明の折り曲げ支持付勢装置1の使用例を示し、図8a、図8bは本考案の折り曲げ支持付勢装置1の他の使用例を示している。図に示すように、例えば洋式トイレにおいて折り曲げ支持付勢装置1を肘置きとして使用すれば、高齢者や体の不自由な利用者が長時間利用する際にも安定した姿勢でトイレを利用することが可能であり、利用後には可動板6を持ち上げて移動することができる。また、収納式折り曲げ机として折り曲げ支持付勢装置1を利用すれば、収納扉11は、机に成る部分を収納時には前面扉となり、又収納扉11を開けて水平に倒せば机になり収納式机やテーブルや台として使用できる。
【0021】
以上、本発明の折り曲げ支持付勢装置は、テーブル、机、肘掛、体を持たせる台及び扉を、老人や体の不自由な弱者でも、使用する際には直角方向に倒して停止させて使用することができ、また使用後はばねの付勢力を利用して垂直に戻す力を軽減すると共に、自律で垂直状態に停止し出来るヒンジ機構により屈曲自在に連結された支持体から構成されるため、移動式机や収納式扉を兼ねた机や壁面に取り付けて折り畳み棚や机や扉としても使用できる。
【符号の説明】
【0022】
1 折り曲げ支持付勢装置
2 垂直固定支持体
3 ヒンジ
4 伸縮バネ
5 ヒンジ機構
6 回動板
7 安定板
8 指挟み防止板
9 回動板持たせ台
10 収容体
11 収納扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ機構により垂直固定支持体と回動支持体からなる2つの支持体を屈曲自在に連結させた折り曲げ支持付勢装置であって、少なくとも2個の収容体を前記2つの支持体の対向する接続面にそれぞれ穿孔して収納し、該収容体内に1本のバネをそれぞれ貫入して、該収容体の両端でバネを引張固定し、前記ヒンジ機構で連結した回動支持体を常時直立に付勢し、該回動支持体は屈曲停止位置から直立位置に自力で回動して復帰しない事を特徴とする折り曲げ支持付勢装置。
【請求項2】
前記垂直固定支持体と回動支持体との連結部の両端に、指挟み防止体を設けたことを特徴とする請求項1記載の折り曲げ支持付勢装置。
【請求項3】
前記折り曲げ支持付勢装置はテーブル、机、肘掛、体支え、扉のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の折り曲げ支持付勢装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−104803(P2010−104803A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503(P2010−503)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3143976号
【原出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(302071896)有限会社長友工務店 (4)
【Fターム(参考)】