説明

折り曲げ組み立て式発熱調理容器。

【課題】 本発明は、電子レンジで、ギョーザやケーキやパンを調理できる、
折り曲げ組み立て式発熱調理容器を提供する。
【手段】 薄板部材を折り曲げ組み立てた際、略直方体形状で上部が両側に
開鎖し略密閉された容器を構成する形状の模様を薄板部材に描き、模様の
内側に折り曲げる部位に沿って山折谷折の折り目を付け、
両端下面に平板形状保水部材を接着した平板形状電磁波吸収発熱体を、
薄板部材を折り曲げた際の底面となる位置に接着し、
折り曲げ組み立てた容器内に、冠形状断熱部材部材を覆設した折り曲げ組
み立て発熱調理容器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薄板部材を折り曲げて、略直方体形状の上面が開鎖する略密
閉された容器を構成し、食品のギョーザやケーキなどを入れて、電子レンジで
焼成調理することができる折り曲げて構成する折り曲げ組み立て発熱調理容
器に関するものである。
【0002】
従来、油脂を塗った鉄板にギョーザを静置し火力で過熱し、調理完成直前に
注水して調理し、また、ケーキは材料を流入した完成筺体をオーブンで過熱し
製造することが知られている。
しかしながら、従来の方法では鉄板や完成筺体やオーブンの準備が必要で
使用後の洗浄整頓で煩雑であり、鉄板や完成筺体から食器に移す際調理した
食品が崩壊する状態が多かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明はこのような従来技術を考慮してなされたもので、容器の製作が容
易で、大掛かりなオーブンや火力を必要とせず、電子レンジと本発明のみでギ
ョーザやケーキの調理が出来る、折り曲げて組み立てる発熱調理容器を提供
し、上記課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで請求項1の発明は、
折り曲げ組み立てた際、略直方体形状の上面が開鎖する略密閉された容器
を構成する形状に裁断した薄板部材と、
平板形状電磁波吸収発熱体と、
球冠形状断熱部材と、
平板形状保水部材からなり、
【0005】
前記薄板部材を折り曲げ組み立てた際、略直方体形状で上部が両方に開鎖
し略密閉された容器を構成する形状の周縁模様と、前記周縁模様の内側に
折り曲げる部位に沿って山折谷折の折り目を付け、
【0006】
前記薄板部材を、折り曲げ組み立てて前記容器を構成した際、一方の相対す
る側を左右とし、他方の相対する側を前後とし、
前記容器の上部は左右に開鎖し前後は閉鎖し、
【0007】
前記容器内側底面の左右幅と略同幅で前後幅より小さな平板形状保水部材
を、前記容器内側底面の前後左右の大きさと略同形同大の、平板形状電磁
波吸収発熱体の前後端下面に接着した当該平板形状電磁波吸収発熱体を、
【0008】
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて前記容器を構成する際の当該容器内側
底面になる部位に配置接着し、
前記容器内側底部の前後左右および高さと略同形同大の、平板形状電磁波
吸収発熱体で構成する球冠形状断熱部材の開口部を下にして前記容器底部
に覆設し、
【0009】
球冠形状断熱部材内に前記平板形状電磁波吸収発熱体と前記平
板形状保水部材を包含した後、前記薄板部材を折り曲げ組み立て、
略直方体形状で上部が左右に開鎖する略密閉された容器を構成する、折り
曲げ組み立て式発熱調理容器とした。
【0010】
請求項2の発明は、
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて容器を構成した際、前記容器内に前
記平板形状保水部材と球冠形状断熱部材を有しない折り曲げ組み立て式発
熱調理容器とした。
【0011】
請求項3の発明は、
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて容器を構成した際、前記容器内側底面
と前後左右の壁面に平板形状電磁波吸収発熱体を有する折り曲げ組み立て
式発熱調理容器が出来上がる。
【0012】
請求項4の発明は、
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて容器を構成した際の、当該容器内平板形
状電磁波吸収発熱体の表面に剥離部材を接着した容器が出来上がる。
【0013】
請求項5の発明は、
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて容器を構成した際、
前記容器内側の底面の前後左右の大きさと壁面の高さとほぼ同じ形状の、電
磁波吸収発熱体で構成した升形状部材の開口面を上方にして当該容器内に
収納した容器が出来上がる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、
折り曲げ組み立てた際、略直方体形状の上面が開鎖する略密閉された容器
を構成するように描いた外周模様と、模様の内側に山折谷折の折り目を、薄
板部材表面に描き、
【0015】
前記外周平板形状電磁波吸収発熱体模様に沿って薄板部材を裁断し組み
立て完成した際に、底面となる部位に、前後両端に平板形状保水部材を有
するを接着し、
【0016】
前記球冠形状断熱部材の開口部を下にして前記薄板部材の底部となる位置
に静置し、前記山折谷折の折り目に沿って折り曲げ組み立てると
前記平板形状電磁波吸収発熱体と前記平板形状保水部材を前記球冠形状
断熱部材内に包含した、
略直方体形状で上部が左右に開鎖する略密閉された容器が出来上がる。
【0017】
食品を調理する際には、前記薄板部材を折り曲げ組み立てる途中で、水分
を平板形状保水部材に含ませ、次に平板形状電磁波吸収発熱体の上に食品
のギョーザを置き、前記球冠形状断熱部材の開口部を下にして前記食品ギョ
ーザに覆設し、
【0018】
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて、きのこ突片をきのこ透孔に貫通した後、
耳1と耳2を狭部に掛止しFD左突片とFA右突片を合致閉鎖し固定した当該容
器を、電子レンジ内に置き電磁波を照射すると、
【0019】
上方と側面からの電磁波は球冠形状断熱部材で遮断し、底面からの電磁波
のみが底面の平板形状電磁波吸収発熱体と平板形状保水部材を照射し、
前記平板形状保水部材の含水が電磁波を吸収し水蒸気を発生させ、前記球
冠形状断熱部材内部に充満し食品ギョーザを蒸して調理し、
【0020】
また、平板形状電磁波吸収発熱体が電磁波を吸収し発熱した伝道熱が食品
ギョーザを焼成調理し焦げ目を付け、
さらに、電磁波を吸収して食品ギョーザが発熱し調理すると、ふんわりして底
【0021】
面が焦げた食品ギョーザができあがるので、
きのこ突片をきのこ透孔から抜脱しFD左突片とFA右突片を左右に開口し
て食品ギョーザを取り出すことができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、
前記容器内に平板形状保水部材と球冠形状断熱部材を有しないため水蒸
気が発生しないので、食品を乾燥焼成調理するのでパンやケーキを製造する
ことが出来る。
【0023】
請求項3の発明によれば、
前記容器内底面と前後左右の壁面に前記平板形状電磁波吸収発熱体を有
するので、より強い加熱で乾燥焼成することによりクッキーなどを乾燥仕上げ
調理が出来る。
【0024】
請求項4の発明によれば、
剥離部材を接着した前記平板形状電磁波吸収発熱体を使用することで、焼
成した食品と平板形状電磁波吸収発熱体との剥離性が向上する。
【0025】
請求項5の発明によれば、
前記容器内に収納した開口面を上方にして置いた電磁波吸収発熱体で構成
した升形状部材内に、流動食品部材を
流入することが可能となり、ホットケーキなど柔軟食品を調理することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明の実施の形態を説明する。
図2に示すように、模様(14)で裁断した薄板部材(12)の、
【0027】
(1) h、g、g1、h1、a、b、i、j、c、c1、k、k1を谷折にし、
(2) L、L1、d、d1を山折にし、
(3) n、n1、e、e1を谷折にすると図5に示すような、組み立て途中の状態に
なり、
【0028】
次に、
(4) D1にD2とE2を密着させた状態でmを山折りにし、A1にA2とF2を密着
させた状態でfを山折りにすると、
図1(A)の完成直前の状態になり、
【0029】
(5) DとAがC、C2の外側を覆い、EとFがB、B2の外側を覆うようにしてFD
左突片とFA右突片を合致し、
(6) 図4(B)に示すように、きのこ透孔(2)にきのこ突片(4)を貫入し、耳1
(8)と耳2(9)を狭部に掛止してFD左突片(1)とFA右突片(3)を合致固定す
ると、上部が閉鎖する容器(10)が出来上がる。
【0030】
(7) 食品(A)を調理するには図1(A)に示すように、前記模様(14)を裁断
した薄板部材(12)の組み立て途中で、平板形状保水部材(6)に注水し含
水し、図3(A)に示すように前記食品(A)を平板形状電磁波吸収発熱体(5)
の上に置いた後、
【0031】
図3(B)に示す球冠形状断熱部材(11)を図3(A)に示す
ように覆設し組み立てると食品(A)と平板形状電磁波吸収発熱体(5)と平板
形状保水部材(6)を包含した容器(10)が出来上がり、
【0032】
当該容器(10)を電子レンジ内に置き電磁波を照射すると、
平板形状電磁波吸収発熱体(5)が熱を発生し当該熱の伝導で食品(A)を
焼成し、
【0033】
前記平板形状電磁波吸収発熱体(5の熱伝導で平板形状保水部材内(6)の
水分が加熱され、
同時に平板形状保水部材内(6)の水分が電磁波を吸収し発熱し、
水蒸気を発生し当該水蒸気が前記冠形状断熱部材部材内(11)に充満し
【0034】
食品を蒸して調理し、
さらに食品(A)が電磁波を吸収し発熱して当該食品(A)を調理する。
調理した食品(A)を容器(10)から取り出すには、きのこ透孔(2)からきのこ
突片(4)を抜脱し、FD左突片(1)とFA右突片(3)を離反し開口し取り出す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の(A)は組み立て途中の斜視図、(B)は完成斜視図
【図2】本発明の容器を構成する形状に模様を裁断した薄板部材の展開図
【図3】本発明の(A)は平板形状電磁波遮断部材で構成する球冠形状断
【0036】
熱部材と食品を包含する完成断面図、(B)は容器内側上部と前後左右に平
板形状電磁波遮断部材と食品を包含する完成断面図
【図4】本発明の(A)は、きのこ突片ときのこ透孔を示す図、(B)は、きのこ突片を狭部に掛止し、FD左突片とFA右突片を合致した図
【0037】
【図5】本発明の裁断した薄板部材の折り目を折り曲げた図
【図6】本発明の裁断した薄板部材の底面となる位置に、平板形状電磁波吸収発熱体を配置した図
【図7】本発明の裁断した薄板部材の底面と前後左右の壁面となる位置に、平板形状電磁波吸収発熱体を配置した図
【0038】
【図8】本発明の(A)は容器内部に升形状部材を有する断面図で、(B)は升形状部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 FD左突片
2 きのこ透孔
3 FA右突片
4 きのこ突片
5 平板形状電磁波吸収発熱体
6 平板形状保水部材
7 狭部
8 耳1
9 耳2
10 容器
11 球冠形状断熱部材
12 薄板部材
A 食品
13 升形状部材
14 模様
15 平板形状保水部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成、加熱又は蒸して調理する、組み立て発熱する食品容器において、
折り曲げ組み立てた際、略直方体形状の上面が開鎖する略密閉された容器を
構成する形状に裁断した薄板部材と、
平板形状電磁波吸収発熱体と、
球冠形状断熱部材と、
平板形状保水部材からなり、
前記薄板部材を折り曲げ組み立てた際、略直方体形状で上部が両側に開鎖し
略密閉された容器を構成する形状の周縁模様と、前記周縁模様の内側に折り
曲げる部位に沿って山折谷折の折り目を付け、
前記薄板部材を、折り曲げ組み立てて前記容器を構成した際、一方の相対す
る側を左右とし、他方の相対する側を前後とし、
前記容器の上部は左右に開鎖し前後は閉鎖し、
前記容器内側底面の左右幅と略同幅で前後幅より小さな平板形状保水部材を、
前記容器内側底面の前後左右の大きさと略同形同大の、平板形状電磁波吸
収発熱体の前後端下面に接着した当該平板形状電磁波吸収発熱体を、
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて前記容器を構成する際の当該容器内側
底面になる部位に配置接着し、
前記容器内側底部の前後左右および高さと略同形同大の、平板形状電磁波
吸収発熱体で構成する球冠形状断熱部材の開口部を下にして前記容器底部
に覆設し、当該球冠形状断熱部材に前記平板形状電磁波吸収発熱体と前記
平板形状保水部材を包含し、前記薄板部材を折り曲げ組み立て、
略直方体形状で上部が左右に開鎖する略密閉された容器を構成することを、
特徴とする折り曲げ組み立て式発熱調理容器。
【請求項2】
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて容器を構成した際、前記容器内に前
記平板形状保水部材と球冠形状断熱部材を有しない構成としたことを特徴と
する請求項1に記載の折り曲げ組み立て式発熱調理容器。
【請求項3】
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて容器を構成した際、前記容器内側の
底面と前後左右壁面となる前記薄板部材のそれぞれの部位に、前記容器底
面と左右壁面とほぼ同形同大の前記平板形状電磁波吸収発熱体を配置接着
することを特徴とする構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の
折り曲げ組み立て式発熱調理容器。
【請求項4】
前記平板形状電磁波吸収発熱体の表面に剥離部材を接着することを特徴
とする請求項1、2または3に記載の折り曲げ組み立て式発熱調理容器。
【請求項5】
前記薄板部材を折り曲げ組み立てて容器を構成した際、容器内前後左右の
壁面と底面に電磁波吸収発熱体を有せず、容器内側の底面および前後左右
の側面および高さと、それぞれが略同形同大の電磁波吸収発熱体を用いて構
成した升形状部材の開口面を上方にして、当該容器内に収納するすることを
特徴とする請求項1、2、3または4記載の折り曲げ組み立て式発熱調理容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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