説明

折り畳みタオルおよび折り畳みタオルセット

【課題】贈答品などに利用される所定の形態に折り畳まれた折り畳みタオルにおいて、使用の前後を通じて楽しみを与えることができる折り畳みタオルを提供すること。
【解決手段】本発明に係る折り畳みタオルX1は、タオル本体1が所定の形態に折り畳まれるとともに透明なフィルム2で包まれてなる。タオル本体1は、片面に模様11が付されているとともに、模様11と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されており、かつ、タオル本体1は、外面に模様11が表れるようにして柱状の形態に折り畳まれているとともに、このように折り畳まれた状態において、その外面が透明なフィルム2で筒状に包まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タオル本体が所定の形態に折畳まれた折畳みタオル、およびこの折畳みタオルを備えた折り畳みタオルセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、贈答品用のタオルは、購買意欲を高めるために折り畳み方などに工夫がなされていた。タオルの販売時の形態としては、所定の物品を模したものが知られている。例えば、下記特許文献1には、ケーキを模したケーキ型タオルを透明なフィルムで包装した態様が開示されている。
【0003】
このような物品を模したタオルは、当該物品と同様の形態に折り畳まれていることにより、外観において見る者を楽しませてくれる。その一方、当該タオルを使用する場合、一旦包装を解いて使い始めると、当該タオルは通常のタオルと何ら変わらないものとなってしまい、使用者を楽しませるといったことを期待することはできない。
【0004】
【特許文献1】特開2006−187333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、贈答品などに利用される所定の形態に折り畳まれた折り畳みタオルにおいて、使用の前後を通じて楽しみを与えることができる折り畳みタオルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面によると折り畳みタオルが提供される。この折り畳みタオルは、タオル本体が所定の形態に折り畳まれ、透明なフィルムで包まれてなる折り畳みタオルであって、上記タオル本体は、片面に模様が付されているとともに、当該模様と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されており、かつ、上記タオル本体は、外面に上記模様が表れるようにして柱状の形態に折り畳まれているとともに、このように折り畳まれた状態において、その外面が透明なフィルムで筒状に包まれていることを特徴としている。
【0008】
好ましい実施の形態においては、上記模様は、所定色を背景として、果物を表す絵柄を配置したものであり、上記マイクロカプセルには、上記果物と関連する香料が封入されている。
【0009】
上記構成の折り畳みタオルにおいては、タオル本体が柱状の形態に折り畳まれた状態においてその外面に模様が表れており、当該外面が透明なフィルムで筒状に包まれている。これにより、筒状のフィルムに包まれたタオル本体は、所定の形態(柱状の形態)を保持することができるとともに、その外面に表れた模様がフィルムを介して視認することができるようになっている。ここで、当該模様について、例えば所定の背景色を有するとともに果物を表す絵柄を配置したものにすれば、折り畳みタオルはあたかも瑞々しいフルーツゼリーのような外観を呈することになり、見る者を楽しませてくれる。
【0010】
加えて、上記タオル本体には、模様と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されている。このため、タオル本体の使用に際しては、摩擦などによりマイクロカプセルが潰れ、タオル本体において上記模様と関連する匂いを発する。したがって、折り畳みタオルの使用開始後において、使用者は、タオル本体に付された模様に関して視覚および嗅覚の両面において刺激を受けることになり、新たな楽しみを体感することができる。上記模様について、例えば、上述のように所定の背景色を有するとともに果物を表す絵柄を配置したものにしつつ、マイクロカプセルに当該果物と関連する香料が封入されていれば、折り畳みタオルの使用開始後において、当該絵柄に対応する果物の香りを楽しむことができる。
【0011】
以上のように、本発明の第1の側面に係る折り畳みタオルは、当該折り畳みタオルの使用者に対し、使用の前後を通じて楽しみを与えることができるのである。
【0012】
本発明の第2の側面によると折り畳みタオルセットが提供される。この折り畳みタオルセットは、それぞれが異なる果物を表す絵柄をもつ模様を付した複数の上述した第1の側面に係る折り畳みタオルを包装箱に収容したことを特徴としている。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記包装箱には、透明窓が設けられており、複数の上記折り畳みタオルの模様が視認できるように構成されている。上記透明窓は、例えば、包装箱の一部に形成された開口部、或いは、当該開口部およびこれを覆う透明なフィルムにより構成される。
【0014】
このような構成の折り畳みタオルセットは、あたかも箱詰めのフルーツゼリーセットのような外観を呈しており、見る者をより一層楽しませてくれる。したがって、上記折り畳みタオルセットは、贈答品用としてより適するものである。また、折り畳みタオルセットを構成する複数の折り畳みタオルは、それぞれ異なる種類の果物を表す絵柄を有するとともに、当該果物と個々に関連する匂いを発するものとなっているので、上記複数の折り畳みタオルの使用に際しては、複数のバリエーションの香りを繰り返し楽しむことができる。
【0015】
本発明の第3の側面によると折り畳みタオルが提供される。この折り畳みタオルは、タオル本体が所定の形態に折り畳まれ、透明なフィルムで包まれてなる折り畳みタオルであって、上記タオル本体は、片面に模様が付されているとともに、当該模様、もしくは上記形態と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されており、かつ、上記タオル本体は、外面に上記模様が表われるようにして環状の形態に折り畳まれているとともに、このように折り畳まれた状態において、透明なフィルムで形成した包装袋に収容されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の第3の側面において、一つの実施形態によれば、上記タオル本体は、正方形をしており、2つの対角頂点をそれぞれ中心付近に合わせるように折り畳み、次に、こうして二重となった2つの部分の外縁を中心付近に合わせるようにしてそれぞれ折り畳み、次に、こうして四重となった部分を互いに重ねるようにして折り畳んで棒状の形態とし、次に棒状の形態となったものの端部どうしを、一方を他方に差し込んで連結することにより、環状の形態に折り畳まれている。
【0017】
本発明の第3の側面において、他の実施形態によれば、上記タオル本体は、正方形をしており、2つの対角頂点がそれぞれ対角線上において両対角頂点間の距離に比して相対する対角頂点から1/3の距離付近に位置するように折り畳み、次に、こうして二重または三重となった部分の2つの外縁がそれぞれ両外縁間の距離に比して相対する外縁から1/3の距離付近に位置するように折り畳んで棒状の形態とし、次に棒状の形態となったものの端部どうしを、一方を他方に差し込んで連結することにより、環状の形態に折り畳まれている。
【0018】
好ましい実施の形態においては、上記環状の形態に折り畳まれた上記タオル本体は、その形態と表面に表れる模様とでドーナツを模したものとしてあり、上記マイクロカプセルには、ドーナツと関連する香料が封入されている。
【0019】
上記構成の折り畳みタオルにおいて、タオル本体は、これに付された模様が外面に表れるように環状の形態に折り畳まれているとともに、透明なフィルムで形成した包装袋に収容されている。より具体的には、タオル本体は、所定の折り畳み方により所定の形態を(環状の形態)を保持することができ、その外面に表れた模様が包装袋を介して視認することができるようになっている。ここで、環状の形態に折り畳まれたタオル本体について、例えば、その形態と外面に表れる模様とでドーナツを模したものとすれば、折り畳みタオルはあたかも包装されたドーナツのような外観を呈することになり、見る者を楽しませてくれる。
【0020】
加えて、上記タオル本体には、上記模様もしくは上記所定の形態と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されている。このため、タオル本体の使用に際しては、摩擦などによりマイクロカプセルが潰れ、タオル本体において上記模様もしくは上記所定の形態と関連する匂いを発する。したがって、当該折り畳みタオルの使用開始後において、使用者は、当該タオル本体について視覚および嗅覚の両面において刺激を受けることになり、新たな楽しみを体感することができる。例えば、上記したように、タオル本体が環状の形態とされた状態においてその形態と表面に表れる模様とでドーナツを模したものとしてある場合には、折り畳みタオルの使用開始後においてドーナツの香りを楽しむことができる。
【0021】
以上のように、本発明の第3の側面に係る折り畳みタオルは、当該折り畳みタオルの使用者に対し、使用の前後を通じて楽しみを与えることができるのである。
【0022】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0024】
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係る折り畳みタオルX1を表す。図1は、折り畳みタオルX1の全体斜視図であり、図2は、図1の折り畳みタオルX1の分解斜視図である。
【0025】
折り畳みタオルX1は、所定の柱状形態に折り畳まれたタオル本体1と、当該タオル本体1を包む包装フィルム2とを備える。
【0026】
タオル本体1は、例えばタオルハンカチとして使用するのに適したサイズとされており、拡げた状態において略正方形をなしている。なお、タオル本体1のサイズや形状は、これに限定されるものでなく、適宜変更が可能である。タオル本体1を構成する生地としては、タオル生地が好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、ガーゼ生地やレース生地などであってもよい。
【0027】
タオル本体1の一方の面には、複数の色彩が混在して構成された模様11が付されている。模様11は、例えば捺染などの染色手法により形成されたものであり、所定色で一面に形成された背景111および適所に配置された絵柄112からなる。絵柄112は、所定の果物を模したものであり、当該果物が有する色合いを醸し出すように比較的に濃色とされている。絵柄112として表される果物は、特に限定されるものではなく、ブルーベリー、オレンジ、チェリーなどの果物のいずれであってもよい。背景111は、絵柄112として表された果物の色に対応する淡色とされている。例えば、絵柄112としてブルーベリーが表される場合には、絵柄112の色は主に濃紫色とされる一方、背景111の色は薄紫色とされる。また、絵柄112としてオレンジが表される場合には、絵柄112の色は主に橙色とされる一方、背景111の色は薄橙色とされる。図1および図2に示す本実施形態のタオル本体1においては、絵柄112としてオレンジが表された一例を示している。なお、模様11の形成手法としては、上述した捺染に限定されるものではなく、他の染色手法や刺繍などを採用してもよい。
【0028】
タオル本体1において、少なくとも模様11が付された一方の面には、香料を封入したマイクロカプセル(図示せず)が分散固着されている。当該マイクロカプセル内の香料は、絵柄112として表された果物(本実施形態ではオレンジ)に関連する匂いを発するものであり、例えば合成香料や植物由来の天然香料を用いて構成されている。上記マイクロカプセルは、例えば、上記香料を内包しつつ天然または合成高分子からなる構成材料をマイクロカプセル化したものであり、その粒径が10〜200μm程度とされている。上記マイクロカプセルをタオル本体1に分散固着する手法としては、例えば、マイクロカプセルが分散混入させられた透明なインクを生地上に印刷する手法を採用することができる。
【0029】
上記構成のタオル本体1は、外面に模様11が表れるようにして柱状の形態に折り畳まれている。この柱状のタオル本体1の形成は、例えば、模様11の付された面が外側となるように対辺どうしを重ね合わせて折り畳み、当該重ね合わされた対辺を巻き回すことにより行う。このとき、必要に応じて適宜図示しない台紙を使用し、台紙を包むようにしてタオル本体1を巻き回してもよい。台紙を使用すれば、柱状とされたタオル本体1の形成作業が容易化される。
【0030】
包装フィルム2は、例えばポリプロピレンなどの樹脂製の透明フィルムからなる。包装フィルム2は、例えば、図2に表れているように、柱状に折り畳まれたタオル本体1の外面を矩形シート状のフィルム本体21で包み込み、当該フィルム本体21の端部どうしを重ね合わせつつ粘着テープ22で連結することにより、筒状とされている。包装フィルム2の表面には、商品名などの表示(図示せず)が印刷により適宜施されている。なお、折り畳みタオルX1の上部は紙製の蓋3に覆われ、当該蓋3はゴム紐4により固定されている。
【0031】
上記構成の折り畳みタオルX1においては、上述のようにタオル本体1が柱状の形態に折り畳まれた状態においてその外面に模様11が表れており、当該外面が透明な包装フィルム2により筒状に包まれている。これにより、筒状の包装フィルム2に包まれたタオル本体1は、柱状の形態を保持することができるとともに、その外面に表れた模様11が包装フィルム2を介して視認できるようになっている。また、模様11は、所定色(本実施形態では薄橙色)の背景111を有するとともに果物(本実施形態ではオレンジ)を表す絵柄112を配置したものとされている。このため、折り畳みタオルX1は、あたかも瑞々しいフルーツゼリーのような外観を呈することになり、見る者を楽しませてくれる。
【0032】
加えて、タオル本体1には、絵柄112として表された果物(本実施形態ではオレンジ)と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されている。このため、タオル本体1の使用に際しては、摩擦などにより上記マイクロカプセルが潰れ、タオル本体1において、絵柄112として表されたオレンジに関連する匂いを発する。したがって、折り畳みタオルX1の使用開始後において、使用者は、タオル本体1に付された模様11ないし絵柄112について視覚および嗅覚の両面において関連する刺激を受けることになり、新たな楽しみを体感することができる。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る折り畳みタオルX1は、使用者に対し、使用の前後を通じて異なった楽しみを与えることができるものである。
【0034】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る折り畳みタオルセットSを表す。折り畳みタオルセットSは、本発明の第1の実施形態に係る複数(本実施形態では3個)の折り畳みタオルX1と、これら折り畳みタオルX1を収容する包装箱5とを備える。
【0035】
複数の折り畳みタオルX1は、それぞれが第1の実施形態における折り畳みタオルX1と同様の構成を有する一方、タオル本体1に付された模様11を構成する絵柄112については、それぞれ異なる種類の果物が表されている。例えば、図3においては、折り畳みタオルX1に絵柄112として表される果物は、図中左側から順にオレンジ、ブルーベリー、チェリーとされている。
【0036】
包装箱5は、厚紙製の板片を折り曲げて箱状に組み付けた箱本体51と、当該箱本体51の底部に配置されたタオル装着体52とを備える。タオル装着体52は、厚紙製の板片を折り曲げて形成されたものであり、起立板521と上板522とを備える。上板522の所定箇所には、折り畳みタオルX1を挿入するための複数の孔522aが形成されている。当該孔522aに折り畳みタオルX1が挿入されると、当該折り畳みタオルX1は、起立姿勢を安定して維持することができる。箱本体51については、正面板511において複数の透明窓511aが設けられている。透明窓511aは、タオル装着体52における複数の孔522aにそれぞれ対応した位置に形成された開口により構成されている。これにより、透明窓511aを介して上記複数の折り畳みタオルX1の模様11が視認できるようになっている。
【0037】
このような構成の折り畳みタオルセットSは、あたかも箱入りのフルーツゼリーセットのような外観を呈しており、見る者をより一層楽しませてくれる。したがって、折り畳みタオルセットSは、贈答品用としてより適するものである。また、折り畳みタオルセットSを構成する複数の折り畳みタオルX1は、それぞれ異なる種類の果物を表す絵柄112を有するとともに、当該絵柄112として表された果物と個々に関連する匂いを発するものとなっている。このため、上記複数の折り畳みタオルX1の使用に際しては、複数のバリエーションの香りを繰り返し楽しむことができる。
【0038】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る折り畳みタオルX2を表す全体斜視図である。図5は、図4に示す折り畳みタオルX2を構成するタオル本体を拡げた状態を示す平面図である。
【0039】
折り畳みタオルX2は、所定の環状形態に折り畳まれたタオル本体1’と、当該タオル本体1’を収容する包装袋2’とを備える。
【0040】
タオル本体1’は、例えばタオルハンカチとして使用するのに適したサイズとされており、図5に示すように、拡げた状態において略正方形をなしている。タオル本体1’を構成する生地は、第1の実施形態においてタオル本体1に関して上述したのと同様である。
【0041】
タオル本体1’は、図4に示す環状の形態に折り畳まれた状態において、ドーナツを模したものとされている。本実施形態のタオル本体1’は、ドーナツ本体の一部がチョコレートでコーティングされたチョコドーナツを模したものである。なお、模られるドーナツとしては、チョコドーナツに限定されるものではなく、他の種類のドーナツであってもよい。
【0042】
タオル本体1’の一方の面には、複数の色彩が混在して構成された模様11’が付されている。模様11’の形成手法は、第1の実施形態において模様11に関して上述したのと同様である。模様11’は、タオル本体1’が折り畳まれた状態において、ドーナツ本体を表す絵柄113およびチョココーティングを表す絵柄114からなる。なお、模様11’を構成する絵柄は、この構成に限定されるものではなく、模られるドーナツの種類に応じて適宜変更することが可能である。
【0043】
タオル本体1’において、少なくとも模様11’が付された一方の面には、香料を封入したマイクロカプセル(図示せず)が分散固着されている。当該マイクロカプセル内の香料は、模様11’として表されたドーナツ本体やチョココーティングに関連する匂いを発するものであり、例えば合成香料や植物由来の天然香料を用いて構成されている。上記マイクロカプセルの構成や上記マイクロカプセルをタオル本体1’に分散固着する手法は、第1の実施形態において上述したのと同様である。
【0044】
上記構成のタオル本体1’は、外面に模様11’が表れるようにして環状の形態に折り畳まれている。環状のタオル本体1’の形成は、例えば、図6を参照して説明する以下の手順により行う。まず、タオル本体1’の模様11’が付された面を裏向けて拡げた状態から、絵柄113および絵柄114を各々に含む2つの対角頂点を、それぞれタオル本体1’の中心C付近に合わせるように折り畳む(図6(a)参照)。次に、二重となった2つの部分の外縁115,116を中心C付近に合わせるようにしてそれぞれ折り畳む(図6(b)参照)。次に、こうして四重となった部分を互いに重ねるようにして折り畳んで棒状の形態とする(図6(c)参照)。そして最後に、棒状の形態となったものの端部117どうしを、一方を他方に差し込んで連結することにより、環状の形態に折り畳まれたタオル本体1’となる。ここで、連結された端部117どうしを、例えば図示しないタグピンで留めておいてもよい。この場合、端部117どうしの連結状態が適切に維持される。なお、タグピンを用いる場合、端部117どうしを差し込んで連結するのに代えて、端部117どうしを重ね合わせてタグピンで留めることにより連結してもよい。
【0045】
環状のタオル本体1'の他の形成手順について、図7を参照して説明する。まず、タオル本体1’の模様11’が付された面を裏向けて拡げた状態から、絵柄113および絵柄114を各々含む2つの対角頂点が、それぞれ、当該2つの対角頂点が結ぶ対角線上において両対角頂点間の距離に比して相対する対角頂点から1/3の距離付近に位置するように折り畳む(図7(a)参照)。次に、二重または三重となった部分の2つの外縁118,119が、それぞれ、両外縁118,119間の距離に比して相対する外縁119,118から1/3の距離付近に位置するように折り畳んで棒状の形態とする(図7(b)参照)。そして最後に、棒状の形態となったものの端部どうしを、一方を他方に差し込んで連結することにより、環状の形態に折り畳まれたタオル本体1’とすることができる。ここで、連結された上記端部どうしを、例えば図示しないタグピンで留めておいてもよい。この場合、上記端部どうしの連結状態が適切に維持される。なお、タグピンを用いる場合、上記端部どうしを差し込んで連結するのに代えて、上記端部どうしを重ね合わせてタグピンで留めることにより連結してもよい。
【0046】
包装袋2’は、例えばポリプロピレンなどの樹脂製の透明フィルムからなる。包装フィルム2’は、一端縁に開口を有する袋状とされるとともに、その内部にタオル本体1’を収容可能なサイズとされている。
【0047】
上記構成の折り畳みタオルX2において、タオル本体1’は、環状の形態に折り畳まれているとともに、透明なフィルムで形成された包装袋2’に収容されている。より具体的には、タオル本体1’は、図6および図7を参照して上述した所定の折り畳み方によって環状の形態とすることにより、当該環状の形態を保持することができ、その外面に表れた模様11’が包装2’を介して視認することができるようになっている。また、折り畳まれたタオル本体1’については、その環状の形態と外面に表れる模様11’とでドーナツを模している。このため、折り畳みタオルX2は、あたかも包装されたドーナツのような外観を呈することになり、見る者を楽しませてくれる。
【0048】
加えて、タオル本体1’には、ドーナツと関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されている。このため、タオル本体1’の使用に際しては、摩擦などにより上記マイクロカプセルが潰れ、タオル本体1’においてドーナツに関連する匂いを発する。したがって、折り畳みタオルX2の使用開始後において、使用者は、タオル本体1’について視覚および嗅覚の両面において関連する刺激を受けることになり、新たな楽しみを体感することができる。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る折り畳みタオルX2は、使用者に対し、使用の前後を通じて異なった楽しみを与えることができるものである。
【0050】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る折り畳みタオルの全体斜視図である。
【図2】図1に示す折り畳みタオルの分解斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に折り畳みタオルセットの一部を切欠いて表した正面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る折り畳みタオルの全体斜視図である。
【図5】図4に示す折り畳みタオルを構成するタオル本体の拡げた状態の平面図である。
【図6】図4に示す折り畳みタオルを構成するタオル本体の折り畳み方の一例を説明する図である。
【図7】図4に示す折り畳みタオルを構成するタオル本体の折り畳み方の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0052】
X1,X2 折り畳みタオル
S 折り畳みタオルセット
1,1’ タオル本体
2 包装フィルム
2’ 包装袋
5 包装箱
11,11’ 模様
111 背景
112 絵柄
511a 透明窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タオル本体が所定の形態に折り畳まれ、透明なフィルムで包まれてなる折り畳みタオルであって、
上記タオル本体は、片面に模様が付されているとともに、当該模様と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されており、かつ、
上記タオル本体は、外面に上記模様が表れるようにして柱状の形態に折り畳まれているとともに、このように折り畳まれた状態において、その外面が透明なフィルムで筒状に包まれていることを特徴とする、折り畳みタオル。
【請求項2】
上記模様は、所定色を背景として、果物を表す絵柄を配置したものであり、上記マイクロカプセルには、上記果物と関連する香料が封入されている、請求項1に記載の折り畳みタオル。
【請求項3】
それぞれが異なる果物を表す絵柄をもつ模様を付した複数の請求項2に記載の折り畳みタオルを包装箱に収容したことを特徴とする、折り畳みタオルセット。
【請求項4】
上記包装箱には、透明窓が設けられており、複数の上記折り畳みタオルの模様が視認できるように構成されている、請求項3に記載の折り畳みタオルセット。
【請求項5】
タオル本体が所定の形態に折り畳まれ、透明なフィルムで包まれてなる折り畳みタオルであって、
上記タオル本体は、片面に模様が付されているとともに、当該模様、もしくは上記形態と関連する香料を封入したマイクロカプセルが分散固着されており、かつ、
上記タオル本体は、外面に上記模様が表われるようにして環状の形態に折り畳まれているとともに、このように折り畳まれた状態において、透明なフィルムで形成した包装袋に収容されていることを特徴とする、折り畳みタオル。
【請求項6】
上記タオル本体は、正方形をしており、2つの対角頂点をそれぞれ中心付近に合わせるように折り畳み、次に、こうして二重となった2つの部分の外縁を中心付近に合わせるようにしてそれぞれ折り畳み、次に、こうして四重となった部分を互いに重ねるようにして折り畳んで棒状の形態とし、次に棒状の形態となったものの端部どうしを連結することにより、環状の形態に折り畳まれている、請求項5に記載の折り畳みタオル。
【請求項7】
上記タオル本体は、正方形をしており、2つの対角頂点がそれぞれ対角線上において両対角頂点間の距離に比して相対する対角頂点から1/3の距離付近に位置するように折り畳み、次に、こうして二重または三重となった部分の2つの外縁がそれぞれ両外縁間の距離に比して相対する外縁から1/3の距離付近に位置するように折り畳んで棒状の形態とし、次に棒状の形態となったものの端部どうしを連結することにより、環状の形態に折り畳まれている、請求項5に記載の折り畳みタオル。
【請求項8】
上記環状の形態に折り畳まれた上記タオル本体は、その形態と表面に表れる模様とでドーナツを模したものとしてあり、上記マイクロカプセルには、ドーナツと関連する香料が封入されている、請求項5ないし7のいずれかに記載の折り畳みタオル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−93109(P2008−93109A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276715(P2006−276715)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(506340725)重信株式会社 (1)
【Fターム(参考)】