説明

折り畳みテーブル

【課題】回転操作ハンドルをいずれの方向に回転させることによっても、同様に作動することができ、操作性がよく、しかも構造が簡単で、誤操作のおそれがなく、体裁のよい操作手段を備える折り畳みテーブルを提供する。
【解決手段】操作手段Bを、天板に枢軸45をもって枢着した回転操作ハンドル46を備えるものとし、ロック装置に連係したボーデンケーブル42におけるアウターチューブ42aの端部を、枢軸45と直交する直線上において、天板に止着し、かつアウターチューブの端部より引き出されたインナーケーブル42bの端末を、上記直線上において、回転操作ハンドル46の離心部に止着し、回転操作ハンドル46を、枢軸を中心として、いずれの方向に回動させても、インナーケーブル42bを牽引して、ロック装置を作動させることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳みテーブル、特に、天板を、水平位置と起立位置とにおいてロックするロック装置を操作する操作手段の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の折り畳みテーブルは、天板が水平位置および起立位置に到達したとき、ロック装置が自動的に作動して、天板を各位置にロックし、天板の適所に設けた操作手段を解除操作して、ロック状態を解除することにより、天板を他の位置へ移動させることができるようになっている。
【0003】
解除操作のための従来の操作手段としては、天板の下面に、それと平行をなす軸をもって枢着された操作レバーの先端部を、天板の下面に向かって押し上げることにより、ロック解除できるようにしたもの(例えば特許文献1参照)や、天板の下面に装着された押しボタンを、後方に向かって押し込むことにより、ロック解除できるようにしたもの(例えば特許文献2参照)等がある。
【特許文献1】特開平11−276255号公報
【特許文献2】特開2004−113584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されているものにおいては、使用者の膝等が操作レバーの先端部に当たって、誤ってロック装置が解除されるおそれがあり、このような誤操作を防止するため、特許文献1に記載されている安全レバー等を設けると、構造が複雑となり、操作も煩雑となる。
【0005】
特許文献2に記載されているものにおいては、押しボタンを後方に向けて押した上で、操作レバーを手前に引かなかればならず、操作が面倒であり、しかも、構造が複雑で、装置全体が大型化し、体裁が悪い等の問題がある。
【0006】
さらに、特許文献1および2に記載されているいずれのものも、操作レバー等の操作方向が一方向に制限されているため、操作手段の配置や使用者の利き腕の違い等により、不便を感じることがある。
【0007】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題に鑑み、回転操作ハンドルをいずれの方向に回転させることによっても、同様に作動することができ、操作性がよく、また構造が簡単で、小型化が可能であり、しかも誤操作のおそれがなく、体裁のよい操作手段を備える折り畳みテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1) 天板の下面を、左右方向を向く枢軸をもって脚杆の上端部に枢着し、この枢軸を支点として、前記天板を水平位置と起立位置とに回動可能とし、かつ前記天板に、該天板を前記水平位置と起立位置とにおいてロックしうるロック装置と、そのロック装置の操作手段とを設けた折り畳みテーブルにおいて、前記操作手段を、天板に枢軸をもって枢着した回転操作ハンドルを備えるものとし、前記ロック装置に連係したボーデンケーブルにおけるアウターチューブの操作手段側の端部を、前記枢軸と直交する直線上において、前記枢軸側に向かって開口するようにして天板に止着し、かつ前記アウターチューブの操作手段側の端部より引き出されたインナーケーブルの端末を、前記直線上において、回転操作ハンドルの離心部に止着し、回転操作ハンドルを、前記枢軸を中心として、いずれの方向に回動させても、前記インナーケーブルを牽引して、前記ロック装置を作動させることができるようにする。
【0009】
(2) 上記(1)項において、回転操作ハンドルを、天板の下面において、天板の下面と直交する枢軸をもって枢着する。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)項において、天板の下面に凹溝を設け、この凹溝内に、ボーデンケーブルにおける操作手段側の端部を配設する。
【0011】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、回転操作ハンドルを、表面に、互いに対向する1対のほぼ半円弧状の凹部を設けた円板状とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によると、回転操作ハンドルを、その枢軸を中心として、いずれの方向に回動させても、インナーケーブルを牽引して、ロック装置を同様に作動させることができ、利き腕が異なる人にも同様の感覚で、簡単に操作することができるとともに、構造が簡単で、小型化および薄型化が可能であり、しかも体裁をよくすることができる。
さらに、回転操作ハンドルに他物が当接しても、それによって回転操作ハンドルが回転させられることはないので、誤操作のおそれがない。
【0013】
請求項2記載の発明によると、回転操作ハンドルを、天板の下面に平行に配設して、薄型化することができるので、操作手段を目立たなくして、折り畳みテーブル全体の外観をよくすることができる。
【0014】
請求項3記載の発明によると、ボーデンケーブルを、天板の下面に設けた凹溝内に配設してあるので、操作手段の厚さを薄くすることができるとともに、ボーデンケーブルが外部に露呈することがなく、体裁をよくすることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によると、回転操作ハンドルを、表面に、互いに対向する1対のほぼ半円弧状の凹部を設けた円板状としてあるので、両凹部に指を挿入して、回転操作ハンドルをいずれの方向にも回転操作することができ、操作性を向上することができ、しかも、回転操作ハンドルから突起物をなくすことができるので、体裁をよくすることができるとともに、安全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の折り畳みテーブルの一実施形態の正面図、図2は、同じく側面図である。
【0017】
この折り畳みテーブルは、前後の端部にキャスター1を設けた前後方向を向く水平脚2の中央部より立設した左右1対の脚杆3、3の上端部に、天板4の下面を、左右方向を向く枢軸5(図7、図8、19〜図25参照)をもって枢着し、天板4が、この枢軸5を支点として、図2に示す水平位置と、図3に示す起立位置とに回動可能とし、図3に示すように、起立位置とした状態で、複数の折り畳みテーブルを前後方向に重合させて収容しうるようになっている。
【0018】
図4〜図8に示すように、各脚杆3の上端部内面には、枢軸5を支持する支持具6が固着されている。
各支持具6は、図7および図8に示すように、外側端が開口し、かつ内側端が閉塞された横向有底角筒状の基部7と、この基部7の外側上部に連設され、外側端が開口し、かつ内側端が閉塞された短寸の横向円筒部8と、基部7の外側部下端より垂下する垂下部9と、基部7の内端部より斜め前上方に向かって延出する第1腕部10と、基部7の内端部より斜め後上方に向かって延出する第2腕部11と、基部7の内端面に内向き突設された短寸の差し込み部12とを備えている。
【0019】
図4〜図6に示すように、各支持具6の差し込み部12に、左右方向を向く縦長角管状の連結杆13の各端部が外嵌されるようにして、左右1対の支持具6、6の対向面に、連結杆13の各端部を当接し、上記差し込み部12を含む支持具6の基部7を左右方向に貫通する上下2本のボルト14、14をもって、各支持具6を連結杆13の各端部に固着することにより、左右の支持具6、6は、連結杆13を介して互いに連結されている。
【0020】
上下のボルト14、14の頭部14a、14aは、外側方に開口するようにして基部7に形成された凹部15内に収容されており、この凹部15の開口部は、脚杆3の内側面により閉塞されているので、外部に露呈することはない。
【0021】
各支持具6は、ボルト14、14の頭部14a、14aが脚杆3の内側面により覆われるようにして、また各支持具6の上端部における横向円筒部8に、脚杆3の上端部内面に設けた内方を向く円形の突部3aが嵌合されるようにして、脚杆3の上部内面に当接され、上記ボルト14、14を挟む上下2箇所において、ボルト16、17をもって、脚杆3の上端部内面に固着されている。
【0022】
上方のボルト16は、突部3aの中心を通って、脚杆3の上端部を左右方向に貫通し、先端部を、支持具6の横向円筒部8における内端面の中央に設けたねじ孔18に螺合して、締着されている。ボルト16の頭部16aは、脚杆3の上端部外側面に着脱自在に装着した円形のキャップ19により覆われている。
【0023】
下方のボルト17は、支持具6の垂下部9を左右方向に貫通し、先端部を、脚杆3内側面に設けたねじ孔20に螺合して、締着されている。
【0024】
図4、図5、図9、図10、および図20〜図25に示すように、天板4の下面には、下端が開口する正面視下向きコ字状をなして前後方向を向く左右1対のブラケット21、21と、その前部同士および下部同士を連結する左右方向を向く前後の補強杆22、23とが固着されている。
【0025】
ブラケット21は、天板4の下面にねじ止めされた水平の取付片21aと、その内側および外側の側縁より垂下する内側片21bおよび外側片21cと、内側片21bと外側片21cとの前部間および後部間に架設された上向コ字状の補強片24、25とからなっている。
【0026】
ブラケット21における内側片21bと外側片21cとの中間部間には、図7および図8に示す支持具6の第2腕部11に設けられた左右方向を向く軸孔26に嵌合され、かつ止めねじ27をもって支持具6に止着された枢軸5の両端部が軸受されている。
【0027】
次に、このブラケット21内に設けられ、天板4を水平位置と起立位置とにおいてロックするロック装置Aと、その操作手段Bとについて説明する。
図7および図8、並びに図20〜図25に示すように、支持具6の第1腕部10の上端部内面には、左右方向を向くロックピン28が内方に向かって突設されている。このロックピン28の先端は、下端部が支持具6の内側面にねじ止めされたクランク状の支持板29の上端部に固着され、ロックピン28は、支持具6と支持板29とにより、両持ち支持されている。このロックピン28は、枢軸5から遠い方の係止部をなしている。
また、支持具6の第2腕部11の上端部内面にも、左右方向を向くロックピン30が内方に向かって突設されており、このロックピン30は、枢軸5から近い方の係止部をなしている。
【0028】
支持具6の第1腕部10の上端面には、ねじ孔(図示略)が設けられ、これに、ロックナット32付きの高さ調節ボルト33が螺合されている。この高さ調節ボルト33は、天板4を水平位置としたときに、天板4の下面に当接するストッパをなすとともに、このストッパを高さ調節可能としたことにより、天板4の水平位置を微調節しうるようにした水平位置調節手段をもなしている。
【0029】
図19に示すように、ブラケット21における取付片21aの下面には、レバー支持板34における水平の取付片34aが固着されている。このレバー支持板34は、上記取付片34aと、ブラケット21の取付片21aの左右方向の中間位置において、取付片34aの内側縁より垂下する垂下片34bと、この垂下片34bの下端より内方に直角に折曲形成された水平片34cと、水平片34cの内側縁より起立する起立片34dとからなっている。
【0030】
このレバー支持板34における水平片34cと垂下片34bとには、天板4が起立位置から水平位置へ回動する際に、ロックピン28と支持板29とが進入するようにした進入溝35が設けられている。垂下片34bにおける進入溝35は、枢軸5を中心とした円弧状としてあるが、ロックピン28が進入するものであれは、倒立U字状またはその他の形状としてもよい。
【0031】
図19〜図25に示すように、レバー支持板34における垂下片34bには、天板4を水平位置としたとき(図20)に、枢軸5から遠い方の係止部であるロックピン28に係脱しうる第1の係止レバー36が、左右方向を向く軸37をもって、また天板4を起立位置としたとき(図23)に、枢軸5から近い方の係止部であるロックピン30に係脱しうる第2の係止レバー38が、左右方向を向く軸39をもって、それぞれ枢着されている。
【0032】
第1の係止レバー36は、軸37より上方に向かって拡開する扇形をなし、天板4を水平位置としたときに、ロックピン28の下面に摺接するカム面36aが、ロックピン28に対して食い込み勝手となる、すなわちロックピン28の下方に進入するにつれて、軸37までの距離が漸次大となる渦巻き状をなす渦巻きカムまたは偏心カムとしてある。
【0033】
したがって、水平位置調節手段である高さ調節ボルト33により、天板4の水平位置を微調節し、天板4が水平位置に達したときの進入溝35内へのロックピン28の進入量が若干変動したとしても、第1の係止レバー36のロックピン28の下方への食い込み深さが若干変動するだけで、第1の係止レバー36を、がたつきが生じることなく、ロックピン28に確実に係止させることができる。
【0034】
この第1の係止レバー36は、軸37に巻回され、一端が第1の係止レバー36に、また他端がレバー支持板34に係止されたねじりコイルばねとしたばね40により、ロックピン28に係合する方向に常時付勢されている。
【0035】
第1の係止レバー36と第2の係止レバー38とは、第1の連係手段である可撓性のケーブル41をもって、所要の遊びを設けて、すなわち、第2の係止レバー38が、ロックピン30と係合しうる係止位置に位置している状態で、第1の係止レバー36が、ロックピン28と係合しうる係止位置と、ロックピン28から完全に離脱する解除位置とに自由に移動しうるだけの遊びを設けて、互いに連結されている。
したがって、図20に示すように、第1の係止レバー36と第2の係止レバー38とが、ともに係止位置に位置しているときは、ケーブル41の中間部は、垂れ下がっており、このケーブル41が緊張させられるまでの間、第1の係止レバー36と第2の係止レバー38との作動のタイミングがずれる。
【0036】
第1の係止レバー36は、第2の連係手段であるボーデンケーブル42をもって、操作手段Bと連係されている。
ボーデンケーブル42は、可撓性のアウターチューブ42aと、その中に軸線方向に摺動自在に挿入されたインナーケーブル42bとからなり、アウターチューブ42aのブラケット21側の端部は、ブラケット21における前方の補強片24に、後方に向けて開口するようにして止着されている。このアウターチューブ42aの端部から後方に向けて引き出されたインナーケーブル42bの後端は、第1の係止レバー36の前上端より上向きに延出する腕片36bの先端部に止着されている。
【0037】
この例では、ロックピン28に係脱する第1の係止レバー36と、ロックピン30に係脱する第2の係止レバー38とにより、ロック装置Aが形成されている。
【0038】
次に、このロック装置Aの作用について説明する。
図20に示すように、天板4が水平位置に位置し、かつ第1の係止レバー36がロックピン28に係合している状態で、後述する操作手段Bの操作により、インナーケーブル42bが前方に引かれることにより、図21に示すように、第1の係止レバー36が離脱位置へ回動させられ、それによって、天板4を、図22に示す傾斜位置を経て、図23に示す起立位置まで回動させることができる。
【0039】
天板4が起立位置まで回動させられると、天板4の下面が、各支持具6の後端面に設けた緩衝材よりなるストッパ43に当接して停止させられるとともに、第2の係止レバー38が、自重により(必要に応じて、ばね40と同様のばねをもって、第2の係止レバー38を係止位置に向けて付勢してもよい)、ロックピン30に係合し、天板4の水平位置方向への回動が阻止される。
【0040】
この状態から、操作手段Bを再度操作して、インナーケーブル42bを、上述の場合より大きいストロークで牽引すると、図24に示すように、第1の係止レバー36が解除位置まで回動させられた後、ケーブル41が緊張して、第2の係止レバー38が、ロックピン30から完全に離脱する解除位置まで回動させられ、それによって、天板4は、起立位置から水平位置へ自由に回動することができるようになる。
【0041】
図25に示すように、天板4が起立位置から水平位置へ回動する途中で、第1の係止レバー36は、その側面がロックピン28に摺接して、ばね40の付勢力に抗して、一旦解除位置まで回動させられ、天板4が水平位置に達するのとほぼ同時かまたは直前に、ロックピン28を通過して、ばね40の付勢力により、図20に示す係止位置に復帰回動させられ、天板4の起立位置方向への回動が阻止される。
【0042】
次に、図15〜図18を参照して、操作手段Bについて説明する。
この操作手段Bは、天板4の下面前部中央に固着したケース44と、このケースの下面に、天板4の下面と直交する枢軸45をもって枢着した回転操作ハンドル46と、ケース44の上方において、枢軸45の上端に回り止めして固着され、かつ枢軸45を介して回転操作ハンドル46と一体となって回転するようにした回転板47とを備え、左右のブラケット21、21に組み込んだ各ロック装置Aに連係した2本のボーデンケーブル42、42におけるアウターチューブ42a、42aの操作手段B側の端部を、枢軸45と直交する直線上において、枢軸45側に向かって開口するようにして、互いに上下に重ねてケース44に止着し、かつ両アウターチューブ42a、42aの操作手段B側の端部より引き出したインナーケーブル42b、42bの端末を、上記直線上において、回転板47の離心部の上面に、上下に重ねて、ピン48をもって止着し、回転操作ハンドル46を、回転板47とともに、枢軸45を中心として、いずれの方向に回動させても、両インナーケーブル42b、42bを牽引して、左右のロック装置A、Aを同時に作動させることができるようにしてある。
【0043】
回転操作ハンドル46は、下面に、互いに対向する1対のほぼ半円弧状の凹部49、49を設けた円板状としてあるが、前方を向くレバー状、またはその他の形状とすることもできる。また、回転板47を省略し、インナーケーブル42b、42bの端末を、直接回転操作ハンドル46の離心部に止着して実施することもある。
【0044】
天板4の下面における回転板47の上方と、ケース44に対するアウターチューブ42a、42aの止着部分の上方とには、円形の凹部50と、それに続く凹溝51とが設けられ、凹部50には、回転板47とピン48とが、回転自在に、また凹溝51には、ケース44に対するアウターチューブ42a、42aの止着部分が、それぞれ嵌合されている。
【0045】
2本のアウターチューブ42a、42aは、ケース44の止着部分から、凹溝51を通って、前方の補強杆22内に導かれ、補強杆22内において、左右に分岐されて、それぞれ左右のブラケット21内のロック装置Aまで案内されている。
【0046】
この操作手段Bによると、回転操作ハンドル46を、その枢軸45を中心として、いずれの方向に回動させても、インナーケーブル42bを牽引して、ロック装置Aを同様に作動させることができ、利き腕が異なる人にも同様の感覚で、簡単に操作することができるとともに、構造が簡単で、小型化および薄型化が可能であり、しかも体裁をよくすることができる。
さらに、回転操作ハンドル46に他物が当接しても、それによって回転操作ハンドル46が回転させられることはないので、誤操作のおそれがない。
【0047】
なお、ケース44には、キャスタ1のロック装置(図示略)を施解錠操作する操作レバー70も設けられているが、本発明には直接関係しないため、詳細な説明は省略する。
【0048】
次に、図9〜図14を参照して、ブラケット21を覆うカバー52について説明する。
このカバー52は、天板4の下面に前後1対の固定ねじ(図示略)をもって固着された取付片53と、ブラケット21の内側面、下面、および前後面を覆う側片54、下片55、および前後片56、57とを有し、上面と外側面とが開口するとともに、下片55に、脚杆3の上部に設けた支持具における第1腕部10と第2腕部11とによって形成される天板受け部が嵌合する切欠き58を設けたカバー本体59と、このカバー本体59の外側面の開口部に嵌合され、ブラケット21の外側面を覆うカバー蓋体60とを備えている。
【0049】
カバー52全体は、勝手違いの左右のブラケット21、21の両方に取付けることができるように、前後対称の形状をなしており、そのため、カバー本体59の下片55には、切欠き58の他に、支持具6に取付けられたロックピン28と支持板29とが通過するための方形の2個の切欠き58a、58aが設けられており、その一方は、勝手違いのブラケット21に取り付けたときのためのものである。
【0050】
カバー本体59の外側面の開口縁部には、内向き片61が設けられており、その内向き片61の内側縁部と、カバー蓋体60の外側縁部とが互いに重合するようにするとともに、カバー本体59の内向き片61とカバー蓋体60との重合部に、それぞれ板厚の2分の1の深さとした凹入段部62、63を設け、この凹入段部62、63同士を重合させることにより、カバー本体59の内向き片61とカバー蓋体60との内外両面が互いに同一面となるようにしてある。
【0051】
カバー蓋体60の内面前後部には、平面視において前後内向き(または外向き)の鉤形の係合爪64、64が突設されており、ブラケット21の外側片21cとカバー蓋体60の縁部との間に、カバー本体59の内向き片61の内側縁部を挟んで、上記両係合爪64、64を、ブラケットの外側片21cに設けた前後の係合孔65、65の前後方向の内側(または外側)の縁に係止させることにより、カバー本体59の内向き片61の縁部は、カバー蓋体60の縁部とともに、ブラケット21の外側片21cに確実に止着され、その縁部からカバー本体59が剥離されるおそれがなくなる。
【0052】
このとき、上述のように、カバー本体59の内向き片61とカバー蓋体60との重合部に、それぞれ板厚の2分の1の深さとした凹入段部62、63を設けて、それらを重合させ、カバー本体59の内向き片61とカバー蓋体60との内外両面が互いに同一面となるようにしたことにより、カバー本体59の内向き片61とカバー蓋体60との内面が、ともにブラケット21の外側片21cに密着し、それらの支持が安定するとともに、それらの外側面同士が互いに同一面となり、段差がなくなるので、カバー自体の体裁がよくなる。
【0053】
図11および図14に示すように、カバー本体59の内向き片61の内面における前後の端部には、位置決め用の突起66、66が突設されており、これらを、ブラケット21の外側片21cの前後部に設けた位置決め孔67、67に嵌合することにより、カバー本体59の内向き片61が、ブラケット21の外側面に対して、簡単に位置決めされ、カバー蓋体60の内面に突設した係合爪64、64を、ブラケット21の外側片21cに設けた係合孔65、65の縁に係止させる際に便となる。
【0054】
また、カバー蓋体60の下縁には、内向折曲片68と、その前後2箇所の縁から起立し、内向折曲片68と協働して上向きL字状の係合爪を形成する上向突片69、69とが設けられ、これらを、図13および図14に示すように、ブラケット21の外側片21cの下縁に当接させたり、その下縁部内側面に係止させたりすることにより、両係合爪64、64による係止と協働して、カバー蓋体60が、妄りに外れることなく、ブラケットに確実に装着されるようにしてある。
【0055】
図9に示すように、カバー本体59の取付片53の前後部には、左右のブラケット21、21の前部同士および下部同士を連結する前後の補強杆22、23が嵌合するようにした凹入部53a、53aが設けられている。
【0056】
以上から明らかなように、上記の実施形態によると、回転操作ハンドル46を、その枢軸45を中心として、いずれの方向に回動させても、インナーケーブル42bを牽引して、ロック装置Aを同様に作動させることができ、利き腕が異なる人にも同様の感覚で、簡単に操作することができるとともに、構造が簡単で、小型化および薄型化が可能であり、しかも体裁をよくすることができる。
また、回転操作ハンドル46に他物が当接しても、それによって回転操作ハンドル46が回転させられることはないので、誤操作のおそれがない。
【0057】
本発明は、上記の実施形態のみに制限されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、変形した態様での実施が可能である。
例えば、上記実施形態においては、インナーケーブル42bの端末を、ピン48をもって、回転板47の上面に止着し、インナーケーブル42bを、アウターチューブ42aの端末から直線的に引き出すようにしてあるが、インナーケーブル42bの端末を、回転操作ハンドル46またはそれと一体とした巻き取りドラムの外周面に止着し、回転操作ハンドル46の両方向の回転により、インナーケーブル42bがそれらの外周面に巻き取られるようにしてもよい。そうすることによって、インナーケーブル42bの牽引ストロークを大とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の折り畳みテーブルの一実施形態の使用状態の正面図である。
【図2】同じく、側面図である。
【図3】同じく、折り畳み状態として、他の折り畳みテーブルと前後に重ねたときの側面図である。
【図4】同じく、一側部を、外側の斜め前下方から見た一部分解斜視図である。
【図5】同じく、一側部を、内側の斜め前下方から見た一部分解斜視図である。
【図6】同じく、脚杆と支持具と連結杆との連結部分の中央縦断正面図である。
【図7】同じく、図6の連結部分を、外側の斜め前上方より見た分解斜視図である。
【図8】同じく、図6の連結部分を、内側の斜め前上方より見た分解斜視図である。
【図9】同じく、ブラケットとカバーとを、内側の斜め前下方より見た分解斜視図である。
【図10】同じく、ブラケットとカバーとを、外側の斜め前下方より見た分解斜視図である。
【図11】同じく、ブラケットとカバーとを、外側方より見た側面図である。
【図12】図11におけるXII−XII線に沿う拡大縦断正面図である。
【図13】図11におけるXIII−XIII線に沿う拡大縦断正面図である。
【図14】図11におけるXIV−XIV線に沿う拡大縦断正面図である。
【図15】操作手段を、下方より見た底面図である。
【図16】操作手段を、上方より見た平面図である。
【図17】図16におけるXVII−XVII線に沿う拡大縦断面図である。
【図18】図16におけるXVIII−XVIII線に沿う拡大縦断面図である。
【図19】ブラケットの中央部を切り欠いて、その内部構造を、内側の前上方より見た斜視図である。
【図20】図20〜図25は、ロック装置の作用を示すもので、図20は、天板を水平位置としたときのロック状態の概略縦断側面図である。
【図21】天板を水平位置としたときのロック解除状態の概略縦断側面図である。
【図22】天板を起立位置へ上向回動する途中の状態を示す概略縦断側面図である。
【図23】天板を起立位置としたときの概略縦断側面図である。
【図24】天板を起立位置とした状態で、ロック解除したときの概略縦断側面図である。
【図25】天板を水平位置へ下向回動する途中の状態を示す概略縦断側面図である。
【符号の説明】
【0059】
A ロック装置
B 操作手段
1 キャスタ
2 水平脚
3 脚杆
3a突部
4 天板
5 枢軸
6 支持具
7 基部
8 横向円筒部
9 垂下部
10 第1腕部
11 第2腕部
12 差し込み部
13 連結杆
14 ボルト
14a頭部
15 凹部
16、17 ボルト
16a頭部
18 ねじ孔
19 キャップ
20 ねじ孔
21 ブラケット
21a取付片
21b内側片
21c外側片
22、23 補強杆
24、25 補強片
26 軸孔
27 止めねじ
28 ロックピン(係止部)
29 支持板
30 ロックピン(係止部)
32 ロックナット
33 高さ調節ボルト(水平位置調節手段)
34 レバー支持板
34a取付片
34b垂下片
34c水平片
34d起立片
35 進入溝
36 第1の係止レバー
36aカム面
36b腕片
37 軸
38 第2の係止レバー
39 軸
40 ばね
41 ケーブル(第1の連係手段)
42 ボーデンケーブル(第2の連係手段)
42aアウターチューブ
42bインナーケーブル
43 ストッパ
44 ケース
45 枢軸
46 回転操作ハンドル
47 回転板
48 ピン
49 凹部
50 凹部
51 凹溝
52 カバー
53 取付片
53a凹入部
54 側片
55 下片
56 前片
57 後片
58、58a 切欠き
59 カバー本体
60 カバー蓋体
61 内向き片
62、63 凹入段部
64 係合爪
65 係合孔
66 位置決め用突起
67 位置決め孔
68 内向折曲片
69 上向突片
70 操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下面を、左右方向を向く枢軸をもって脚杆の上端部に枢着し、この枢軸を支点として、前記天板を水平位置と起立位置とに回動可能とし、かつ前記天板に、該天板を前記水平位置と起立位置とにおいてロックしうるロック装置と、そのロック装置の操作手段とを設けた折り畳みテーブルにおいて、
前記操作手段を、天板に枢軸をもって枢着した回転操作ハンドルを備えるものとし、前記ロック装置に連係したボーデンケーブルにおけるアウターチューブの操作手段側の端部を、前記枢軸と直交する直線上において、前記枢軸側に向かって開口するようにして天板に止着し、かつ前記アウターチューブの操作手段側の端部より引き出されたインナーケーブルの端末を、前記直線上において、回転操作ハンドルの離心部に止着し、回転操作ハンドルを、前記枢軸を中心として、いずれの方向に回動させても、前記インナーケーブルを牽引して、前記ロック装置を作動させることができるようにしたことを特徴とする折り畳みテーブル。
【請求項2】
回転操作ハンドルを、天板の下面において、天板の下面と直交する枢軸をもって枢着した請求項1記載の折り畳みテーブル。
【請求項3】
天板の下面に凹溝を設け、この凹溝内に、ボーデンケーブルにおける操作手段側の端部を配設した請求項1または2記載の折り畳みテーブル。
【請求項4】
回転操作ハンドルを、表面に、互いに対向する1対のほぼ半円弧状の凹部を設けた円板状とした請求項1〜3のいずれかに記載の折り畳みテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−17969(P2009−17969A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181515(P2007−181515)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】