説明

折り畳み可能な二輪車

−2つの部分、即ち前部(10)と、折り畳み位置と広げた位置との間で前部(10)に対して移動可能な後部(11)とから構成されるプラットフォーム(2)と、
−下部(50)と、下部(50)に対して伸縮自在に広げ、および折り畳むことができるしたいた少なくとも1つの上部(51)とを備えるステアリングカラム(20)と、
−プラットフォームの後部(11)を広げることで、ステアリングカラム(20)の上部(51)が広がり及びその反対になるように配置される、前記プラットフォームの前記前部(10)と、前記ステアリングカラム(20)の前記上部(51)との間のトランスミッション(12)とを備える乗り物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳み可能な二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み可能な二輪車を設計することは知られている。それにも拘らず、折り畳み状態のこの種の乗り物の嵩は高く、例えば公共輸送を利用する旅行や、イベントやデモに参加するなどの場合には、これは大きな欠点になる。更に、乗り物を広げるのに要する操作は、必ずしもあまり容易ではない。
特許文献1及び特許文献2は、従来技術による二輪車について記述する。付属の請求項1の序文は、特許文献1に基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】仏国特許第2,822,794号
【特許文献2】独国特許第10045821号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、小容積に折り畳むことができ、操作の容易な折り畳み可能な二輪車を提供することにより、既存の乗り物の欠点を解決することである。
【0005】
更に、今日まで、折り畳み二輪車の運搬によく適したコンテナはなく、この種の乗り物を利用して目的物を運搬することは、既存の乗り物では容易でない。
【0006】
本発明は、折り畳み二輪車と、その乗り物とそのコンテナの有利な組み合わせを可能にするコンテナとを含むアセンブリを提供することにより、これらの欠点を解決することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による二輪車は、その上に使用者が乗るプラットフォームと、プラットフォーム前部に位置するステアリングカラムを備えるステアリングアセンブリと、プラットフォームの後部に位置する後輪とを備える。
【0008】
本発明によると、
−プラットフォームは、2つの部分、即ち前部と、前部に対して移動可能な後部とから構成され、前記後部は、それが前部に対して後退する折り畳み位置と、それが前部の延長部に位置する広げた位置との間で移動可能である。
−ステアリングカラムは、下部と、下部に対して伸縮自在に広げたり、折り畳むことができる少なくとも1つの上部とを備える。
−乗り物は、プラットフォームの後部を広げることにより、ステアリングカラムの上部を広げ、及びその反対に、ステアリングカラムの上部を折り畳むことにより、プラットフォームの後部を折り畳むように配置されるプラットフォームの前記前部とステアリングカラムの上部との間のトランスミッションとを含む。
【0009】
本発明による乗り物は、こうして折り畳み状態で容積を減少させ、それが容易に運搬されることを可能にする。その広げられた状態から折り畳まれた状態へ、またはその反対にすることは、非常に容易に行うことも可能である。
【0010】
好ましくは、プラットフォームの後部は、乗り物の後輪が取付けられた旋回する後部アセンブリを備え、前記アセンブリは、それが後部側で折り畳まれた折り畳み位置と、それが、概ね前記後部延長部に位置する広げた位置との間で移動可能であり、このアセンブリの折り畳まれた位置と広げた位置は、それぞれ乗り物の折り畳まれた位置と広げた位置に対応する。
【0011】
この旋回する後部アセンブリは、折り畳み位置で、その位置での乗り物のコンパクトさをさらに向上させることが可能である。
【0012】
本発明の一好適実施例によると、
−旋回する後部アセンブリは、プラットフォームの前記後部に固定された2つのブランチ上に旋回可能に取付けられた2つのアームを備え、後輪は、その後端側のそれら2つのアーム間に取付けられ、前部アームはそれらの前端側の固定延長部を含む。
−前記ブランチは、旋回する後部アセンブリの広げた位置で固定延長部を受容することができる2つの空洞を含む、ブランチの上にスライド式に取付けられた前記固定延長部を含み、前記固定部は、弾性手段により固定位置にバイアスされ、前記空洞部で前記固定延長部を受容することができることにより広げた位置で旋回する後部アセンブリを固定する固定位置と、前記空洞の前記固定延長部を自由にする後退位置との間の前記ブランチ上で、固定部は長手方向に移動可能であり、これにより前記アームの旋回を妨げない。
−旋回する後部アセンブリは、前記トランスミッションにより駆動される固定部の制御部材を備える。
【0013】
好ましくは、前部固定部の制御部材は、旋回運動の第1セクタ上のアームへ旋回せずに接続され、旋回運動の第2セクタ上の前記アームへ旋回するように接続される旋回カムで、前記第2セクタは、第1セクタに隣接し、前記第1セクタ上のその旋回運動の間に、その固定位置からその後退位置へ向かって固定部を駆動するように、及び前記第2セクタ上のその旋回運動の間に、前記アームを旋回させるように、このカムは構成される。
【0014】
前記第1セクタ上のカムの旋回は、従って固定部を駆動する旋回である一方、前記第2セクタ上のカムの旋回は、アームを旋回させる旋回である。
【0015】
好ましくは、前記トランスミッションは、前記乗り物の前記前部へ接続されるケーブルを備え、その第1部は、プラットフォームの前部と後部に沿って伸び、前記旋回カム上を通過し、それに固定され、その第2部は、カム上のケーブルの固定位置から、再度プラットフォームの前部と後部に沿って伸び、次にステアリングカラムを貫通し、前記ステアリングカラムの前記下部に含まれる上部プーリ上に係合し、次に前記ステアリングカラムの前記上部の下部へ接続され、乗り物の折り畳み位置から、その広げた位置に向かう、プラットフォームの前記前部に対するプラットフォームの前記後部の移動は、ケーブルの前記第1部に引っ張り力を及ぼし、カムを前記第1セクタ上で旋回させ、次に一旦カムが前記第2セクタに到達すると、後部旋回アセンブリを旋回させる。一旦カムが第2セクタに到達すると、プラットフォームの前記後部の移動は、ケーブルの第2部へ引っ張り力も及ぼし、これにより、その下部に対して、ステアリングカラムの上部の伸縮自在な広がりを実施させる。
【0016】
これに反して、乗り物の広げた位置から、ステアリングカラムの前記上部への圧力は、ケーブルの前記第2部へ引っ張り力を及ぼし、これがカムをそのカム移動の前記第1セクタ上で旋回させ、これが後退位置の固定部を駆動し、従って、後部旋回アセンブリの旋回を開放し、及び同時にプラットフォームの前記前部に対する折り畳み位置でプラットフォームの前記後部を移動させる。
【0017】
乗り物は、ステアリングカラムの手で展開可能な部分、特にハンドルバーへ接続されるステアリングカラムの部分を備える。
【0018】
有利なことに、乗り物は、ステアリングカラムへ直角に接続されるチューブからできたハンドルバーを備え、前記ハンドルバーは静止部と、前記静止部に対して広げたり、折り畳むことができる移動部とを備える。
【0019】
ハンドルバーを広げ/折り畳めることにより、さらなるコンパクト化を達成することも可能にする。
【0020】
本発明は、
−それを、特にバックパックタイプ又はサドルバッグタイプのコンテナ上に取付けることを可能にする第1取付け部も備える上記乗り物と、
−第2取付け部を備え、前記コンテナが乗り物上に取付けられるようにするため、前記第1取付け部と連携することが可能な前記コンテナと、から構成されるアセンブリにも関係する。
本発明の一好適実施例によると、その場合に、
−乗り物はプラットフォーム前部に固定される延長部を備え、前記第1取付け部は、その延長部上に形成され、
−コンテナは、長辺側と短辺側とを備え、前記第2取付け部は、長辺側の概ね中心に、コンテナの長辺側の1つの下部に配置される。
【0021】
このようにして、コンテナは、乗り物の前後平面に交差して伸びる、その長辺側で乗り物上に取付けることができる。
【0022】
乗り物上へのコンテナのバランスのとれた位置決めは、このようにして達成され、コンテナは、プラットフォーム上へほとんどまたは全く侵入しない。
【0023】
好ましくは、コンテナは、折り畳んだ位置で乗り物を受容できる区画を備える。
【0024】
乗り物は、こうしてその運搬のため、コンテナ内に容易に収容することができる。本発明はよく理解されるだろうし、その他の特徴と利点が現れ、付属の概略図を参照して、限定しない例として、それが関係する乗り物の一好適実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】完全に折り畳んだ位置での側面図である。
【図2】長手方向断面の図1に類似の図であり、乗り物に含まれるトランスミッションケーブルは、図の明確化のため除外されている。
【図2A】図2における丸印の詳細拡大図である。
【図3】完全に広げた状態の図2に類似の図であり、前記トランスミッションケーブルが表示され、乗り物に含まれるステアリングチューブは、明確化のためこの図から除外されている。
【図3A】図3における丸印の詳細拡大図である。
【図4】それが備える、旋回する後部アセンブリの展開斜視図である。
【図4A】固定部表面が乗り物後部に向かって回転した状態での乗り物に含まれる、固定部の前面図である。
【図4B】固定部表面を乗り物前部に向かって回転した前記固定部の前面図である。
【図5】乗り物の部分上面図である。
【図6】図5の中間線VI−VIに沿った側面断面図であり、前記トランスミッションケーブルは表示されていない。
【図7】第1中間部を広げた位置での側面図である。
【図8】第2中間部を広げた位置での側面図である。
【図9】完全に広げた位置での側面図である。
【図10】乗り物上に適合されたバックパックタイプ又はサドルバッグタイプのコンテナの斜視図である。
【図11】コンテナの取付けに役立つ、乗り物の部分斜視図であり、使用者の靴が破線で表示される。
【図12】乗り物とその上に取付けられたコンテナとにより形成されたアセンブリの側面図であり、使用者の靴も破線で示す。
【図13】ハンドルバーの別の一実施例の側面図であり、前記ハンドルバーに含まれるハンドルは展開位置で表示される。
【図14】ハンドルバーの別の一実施例の前面図であり、前記ハンドルバーに含まれるハンドルは展開位置で表示される。
【図15】ハンドルバーの別の一実施例の上面図であり、前記ハンドルバーに含まれるハンドルは折り畳み位置で表示される。
【図16】ハンドルバーの別の一実施例の後面図であり、前記ハンドルバーに含まれるハンドルは折り畳み位置で表示される。
【図17】前記ハンドルバーに含まれる中心体の長手方向断面のハンドルバーの上面図であり、ハンドルは展開位置にある。
【図18】展開された図17に類似するハンドルバーの図である。
【図19】図17に類似の図であり、ハンドルは折り畳み位置である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1〜9及び12は、完全に折り畳んだ位置での図1と2に示す構成と、完全に広げた位置での図3と9に示す構成と、を採用できるスクータタイプの折り畳み可能な二輪車1を示す。
【0027】
この乗り物1は、使用者が乗るラットフォーム2と、プラットフォーム2の前部に位置する、前輪4用のステアリングアセンブリ3と、プラットフォーム2の後部に位置する後輪5とを備える。
【0028】
これらの図を比較して理解されるように、乗り物1は、前部アセンブリ10と、前部アセンブリ10に対してスライドする後部アセンブリ11とを含み、ステアリングアセンブリ3は、伸縮自在に展開可能なチューブ51を備える。それは、前部10と後部11のアセンブリの広げ、および折り畳み移動と、ステアリングアセンブリ3のチューブ51の広げ、および折り畳み移動とを調整することができるトランスミッションを形成するケーブル12(図3参照)も備える。
【0029】
前記アセンブリ10は、前部プラットフォーム部15とステアリング延長部16とを備える。前部プラットフォーム部15は、内部が中空で、後部アセンブリ11の一部であるその中の後部プラットフォーム部17をスライド式に受容する。この後部17は、前部15内へ後退した折り畳み位置(図1と2参照)と、前部15から突出する延長部に位置する、広げた位置との間で、移動可能である。弾性手段(明確化のため図示せず)、特に、シリンダ又は1つまたは数個のばねが、前部15と後部17の間に挿入され、後部を前記広げた位置にバイアスする。
【0030】
延長部16は、前部15に固定された足18と、ステアリングアセンブリ3に含まれる、ステアリングカラム20の旋回のための案内軸受を形成するチューブ19とを備える。チューブ19は、それを利用してそれを足18へ取付けることができる、下部フックを形成する後部長手方向リムを備える。
【0031】
図5と11に示すように、足18は、概ね三角形を有し、2つの側面上部突出リム21を備える。これらのリム21は、後述する図10に示すバックパックタイプ又はサドルバッグタイプのコンテナ100が足18上に取付けられるようにする、第1取付け部を形成する。この足18は、使用者の靴Cが、図12に示すように、および後で再度具体的に説明されるように、コンテナ10とプラットフォーム2の間に係合できるような高さを有する。
【0032】
図4〜6に特によく見える後部アセンブリ11は、前記後部プラットフォ−ム部17と、シリンダを形成するブロック22と、後部旋回アセンブリ23とを備える。
【0033】
後部17は、広げた位置で前部15に対して後部17の届く距離を増加させることができ、かつ折り畳み位置で前輪4の両側と係合する2つの前部延長部25(図4参照)を備える。後部17は、その後端に固定され、かつ下部で底板27により閉止される互いに平行な2つのブランチ26も備える。
【0034】
固定部22は、ブランチ26上でスライド式に係合され、横面開口28のため、それは、その端までを含む。それは、旋回する後部アセンブリ23の固定延長部40を受容するように設計された、乗り物1(図4A参照)の後部へ向かって、回転したその表面上に現れる2つの固定空洞29と、プラットフォーム17の固定部22と前記後部との間に挿入されるばね31を受容するように設計された、乗り物(図4B参照)の前部に向かって回転したその表面に現れる2つの円形空洞30も備える。ばね31は、前記固定延長部40が前記固定空洞29へ調節可能に係合することができる通常の後部位置へ、固定部22をバイアスし、それらの空洞へ保持することができる。しかし、固定部22は、ばね31の弾性力に対抗して、前記固定延長部40は固定空洞29から開放される乗り物1の前側に位置する位置へ向かって、ブランチ26上をスライドすることができる。
【0035】
固定部22は、最後にケーブル12が旋回する後部アセンブリ23に含まれる旋回カム36の周りを通過するようにする中間ダクト32を備える。
【0036】
旋回する後部アセンブリは、基本的に2つのブランチ26上に旋回可能に取付けられた2つのアーム35と、これら2つのブランチ35間に取付けられた後輪5と、上記旋回カム36と、ブレーキ37とを備える。
【0037】
2つのアーム35は、それらのピボット軸を越えて、それらの前端側の前記固定延長部40を含む。これらのアーム35の各々は、それに沿ってリブ41がピボット(図4参照)から放射状に突出するように配置される前部内部ピボットも有する。2つのアーム35のリブ41は、旋回カム36に含まれる円弧の形の管腔42内の遊びと係合するように設計される。
【0038】
このカム36は、前記アームがブランチ26上に取付けられるようにするのと、同一ピン38上の2つのアーム35間に取付けられる。それは、ケーブル12(図3参照)用のそれを囲む周辺受容溝を備え、それに対してスライド式に前記ケーブル12を固定させることができる貫通ピン43を備える。図2と3又は6を比較することにより理解されるように、前記カム36は、その旋回中に、ばねを延長部40が固定部22の空洞29に係合する、その上記の通常の後部位置から、その上記前部位置へ移動させることができるように、ばね31の弾性力に対抗して、固定部22に作用し、前記空洞29に対して前記延長部40を開放させる。
【0039】
管腔42は、80度近辺で、カム36の旋回軸上に中心を有する円弧上に伸び、アーム35のピボットに含まれる前記リブ41に連携することができる放射状端面により角度的に限定される。前記管腔42内の前記リブ41の遊びにより、カム36はその旋回運動の第1セクタ上のアーム35へ旋回せずに接続される一方、リブ41は管腔42を限定するカムの対応する放射状表面に直面していないことも理解される。このカム36は、次にリブ41が前記対応する放射状表面に直面する場合、第1セクタに隣接するその旋回運動の第2セクタ上のカム35へ旋回可能に接続される。
【0040】
また理解されるように、前記第1セクタ上でのその旋回運動中に、前記固定部の通常の後部位置からその前部位置へ向かって固定部22を駆動し、次に前記第2セクタ上でのその旋回運動中に、アーム35を旋回させるように、カム36も構成される。前記第1セクタ上でのカム36の旋回は、従って固定部22を駆動する旋回である一方、前記第2セクタ上のカム36の旋回は、アーム35を旋回させる旋回である。
【0041】
ブレーキ37は、従来直接車輪5に対して耐えるように設計される。それは、アーム35上に旋回可能に取付けられ、そのブレーキ37の旋回軸を構成するピンを形成する部品45上に取付けられたヘアーピンばね44を利用して、車輪5から離れた位置へ呼び戻される。
【0042】
ステアリングアセンブリ3(図3参照)は、ステアリング延長部16のチューブ19内に旋回可能に取付けられた下部チューブ50と、前記下部チューブ50に対して伸縮自在に広げ、および折り畳むことができる上部チューブと、手動で展開できるハンドルバーチューブ52と、ハンドルバー53と、下部チューブ50に対して上部チューブ51を固定し、上記チューブ51に対してハンドルバーチューブ52を固定することができる放射状締め付けリング54と、を備える。
【0043】
図2と3に示すように、下部チューブ50は、前輪4を取付けるための下部フォーク60を含み、その上端から突出する軸方向マスト61を備える。図38を参照して、このマスト61は、その自由端で、”差し込み”タイプの固定構造62と、ばね64により呼び戻される軸方向突起63と、前記構造62の下のマスト61に交差する軸を備えるプーリ65と、を備える。
【0044】
ハンドルバー53は、ハンドルバーのブランチを形成する静止部66と、前記静止部66へ係合するスライドチューブ67とを備え、前記チューブ67は、それが静止部66へ後退した(図1と2参照)折り畳み位置と、それがハンドルバー53の第2ブランチを形成する引出し位置の間で移動可能である。チューブ67は、ばねによりその引出し位置に向かってバイアスされ、それぞれ前記折り畳み位置と引出し位置で軸方向突起63上に逆方向に係合する2つの孔を備え、前記係合は、そのチューブ67をそれらの位置に保持する。
【0045】
ハンドルバー53は、構造体62を補完する“差し込み”タイプの下部固定構造も備える。図1及び2に示すハンドルバー53の位置に、これら2つの固定構造体が係合され、ハンドルバー53のブランチが車輪4の軸に平行な使用位置で、構造体は係合されず、チューブに対してチューブ51と52のスライドを自由にし、その上に前記プラットフォームの前部15に対してプラットフォームの後部17のスライドを自由にする。
【0046】
リング54は、その外側部がもう一方の内側部に対してねじ込むことができる、各々2つの部分を備え、このねじ込みが、リングを通過するチューブに対して内側部のタブを締め付け、これにより外側チューブに対して前記チューブを固定することを可能にする。
【0047】
ケーブル12はプラットフォームの前部15及び後部17と、チューブ51の間、および旋回アセンブリ23の駆動手段と旋回カム36の間のトランスミッションを形成する。このために、ケーブル12は、前記前部15へ接続され、プラットフォームの前部15と後部17に沿って伸び、次に固定部22(図4〜4B参照)の下部中間ダクト32を通過し、次に旋回カム36上を通過し、ピン43(図3参照)によりそれに固定される第1部を備え、そのケーブル12の第2部は、カム36上のケーブル12の前記固定点から、固定部22の上部中間ダクト32を通過し、次に再度、プラットフォームの前部15と後部17に沿って、次に前部15の前端とフォーク60を接続するシースを貫通し、前記内側マスト61に含まれるプーリ65上に係合され、次に上部チューブ51の下部へ接続される第1部を備える。
【0048】
実際、乗り物の折り畳み位置から(図1と2参照)、ハンドルバー53は、前記ハンドルバー53とマスト61のそれぞれの差し込み構造を互いに対して自由にする使用位置へ移動する。この開放は、前記2つの部分15と17の間に作用する弾性手段の効果により、前部プラットフォーム部15に対して後部プラットフォーム部17のスライドを自由にする。この開放は、突起63も引込め、ハンドルバーチューブ67のその引出し位置へ向かうスライドを自由にする。
【0049】
その広げた位置への前記前部15に対する前記後部17の移動は、最初にケーブル12の前記第1部分へ引っ張り力を及ぼし、カム36を前記第1セクタ上で旋回させ、次に一旦カム36が前記第2セクタへ到達すると、後部旋回アセンブリ23を旋回させる。一旦カムが第2セクタへ到達すると、前記後部17の移動は、ケーブル12の前記第2部分へ引っ張り力も及ぼし、これによりチューブ50に対してチューブ51を伸縮自在に折り畳む。
【0050】
旋回する後部アセンブリ23の旋回の終わりで、アーム35の延長部40は、固定部22の空洞29上に設置され、カム36は、前記空洞29内に前記延長部40を固定するため、その固定部22のその通常の後部位置へ向かうスライドを自由にし、従って広げた位置でのアーム35を固定する。
【0051】
チューブ52は、次に展開され、次にリング54が締め付けられる。反対に、乗り物1の広げた位置から、リング54が緩められた後、チューブ52が後退し、次に圧力をチューブ51に及ぼし、ケーブルの前記第2部分へ引っ張り力を及ぼし、この引っ張り力は、カム36をそのカムの移動の前記第1セクタ上で旋回させ、これが引っ込む前の位置で固定部22を駆動し、従って、旋回する後部アセンブリ23の旋回を開放し、同時にプラットフォームの前記前部15に対する折り畳み位置におけるプラットフォームの前記後部17の移動を開放する。
【0052】
図10を参照して、コンテナ100は、少しの妨害で、その取付け部を調節可能に受容することができる足18とリブ21により形成された取付け部のそれに対応する形状を備える取付け空洞101を備えているように見える。コンテナ100は、長辺側100aと、短辺側100bとを備え、取付け空洞101は、前記長辺側100aの1つの下部の概ね中央に配置される。図12に示すように、前記乗り物1上でコンテナ100のバランスがとれるよう位置を決めるため、コンテナ100は、その長辺側100aが乗り物1の前後平面に交差して伸びる、乗り物1上に取付けることができる。
【0053】
既に示したように、使用者の靴Cは、プラットフォーム2上に、足18の高さのために、このように取り付けられたコンテナ100と、足と空洞101内に含まれるリブ21が塞いでいる高さとの間に係合することができることを、この図で見ることもできる。
【0054】
図示の例で、コンテナ100は、下部キャスタ102と後退可能なハンドル103とを備える(図10に後退位置を示す)。このハンドル103は、コンテナがキャスタ102により地面上を転がる場合、コンテナ100の引っ張り力を可能にするように、展開することができる。このコンテナ100は、有利なことに、折り畳み位置で乗り物1を受容できる内側区画を備える。
【0055】
図13〜19は、ハンドルバー53の別の実施例を示す。この別の実施例によると、ハンドルバー53は、その側面の四分円内に2つの側面スリット111を形成する中心体110を含み、2つのハンドル112は、その中心体110上に旋回可能に取付けられ、図13、14と17に示す広げた位置と、図15、16と19に示す折り畳み位置との間で移動可能である。
【0056】
マスト61の自由端に固定される固定部材62は、この場合広いヘッドを備えるスタッドの形状で、前記ヘッドの下に肩部を形成する。
【0057】
特に図18に示すように、中心対110は、押しボタン115の受容とスライドのための前記空洞114と、ハンドル112の旋回を誘導するためのガイドリング117を受容するための2つの後部円形リセス116と、ハンドル112の内側延長部120に含まれる固定突起119を受容するため、円形リセス116と半径方向に連通する2つの中間ハウジング118と、前部空洞114を前記円形リセス116の各々と連通させる側面ダクト121とを形成する。
【0058】
乗り物1の完全な折り畳み位置で、固定部材62は、その空洞114の底面上に位置するその部材62のヘッドにより形成される肩部を備える、前部空洞114の中間エリア内に現れる。
【0059】
押しボタン115は、前部空洞114内をスライドし、乗り物の前部に向かって回転した本体110の表面から突出する。前記押しボタン115は、中心部125と2つの側面延長部126とを備える。中心部125は、前部から後部へ向けられる管腔を画定し、乗り物の前側に向かって回転したその部分は、固定部材62のヘッドがそれを通過できる寸法であり、乗り物の後部へ向かって回転したその部分は、中心部125が固定部材62のヘッド底部に対して係合することができるような寸法である。各横方向延長部126は、対応するダクト121内をスライドする前記管腔の長手方向軸に平行な方向の駆動フィンガにより伸ばされる。
【0060】
押しボタン115は、通常図17に示す位置に、弾性手段(表示なし)により保持され、その中心部125は、固定部材62と係合し、従って、乗り物全体を折り畳み位置に保持する。
【0061】
各リング117は、円形リセスがその旋回のために案内軸受として作用するように、対応する円形リセス116内で、しかし旋回できるように、調節できるように受容される。しかし、リング117は、それを通して2つの通路127m128を形成するために中断され、その1つは、対応するハンドル112に含まれる延長部120のスライド係合を可能にし、そのもう1つは、前記同一の延長部120の突起119のスライド係合を可能にする。
【0062】
各リング17は、オープンリング形状のばね131を受容するためのハウジングを形成する内側溝130を有する。取付け後、そのばね131の最も内側のブランチは、突起119底部で延長部120に当接する一方、そのばね131の最も外側のブランチは、リング117を支える。ばね131は、こうしてハンドル112をハウジング118内の突起119の係合に対応するスライド位置へ呼び戻す。
【0063】
このように、ハンドル112は、突起119が、その中間ハウジング118(図17参照)に、又は側面ダクト121(図19参照)に係合する通常の固定位置と、前記突起119が、ハウジング118又は側面ダクト121の中間から除去されるように、後退する開放位置との間で、対応するリング117に対して移動可能であり、従って、リング117の周辺に設置され、こうしてその、従ってハンドル112の旋回を妨げない。
【0064】
実際、ハンドルが折り畳み位置(図19参照)にある場合、突起119は、側面ダクト121に設置される。乗り物1を広げるため、使用者は、押しボタン115を押し、これが同時に中央部125により固定部材62を自由にさせ、フィンガ126にダクト121から突起119を引き出させる。この引出しによって、広げた位置へ移行させるリング117−ハンドル112アセンブリの旋回が自由になる。この位置で、突起119は、ハンドル112を固定するハウジング118を貫通する。
【0065】
乗り物を折り畳むため、使用者は、ハウジング118の外へ突起119を引き出すようにハンドル112を引き、それらのハンドル112を折り畳み位置にする。突起119のダクト121への戻しにより、その位置へハンドル112を固定する。
【0066】
使用者は、次に固定部材62を押しボタン115と係合する位置へ戻すため、前記中心体110を押す。
【0067】
先に現れたように、本発明は、小容積に折り畳むことができ、かつ操作が容易な決定的利点を有する乗り物1を提供する。本発明は、この乗り物と、この乗り物とそのコンテナの有利な組み合わせを可能にするサドルバッグタイプ又はバックパックタイプのコンテナを含むアセンブリも提供する。
【0068】
本発明は、例として提供される一実施例を参照して上で記載された。それは勿論、その実施例に限定されず、反対に付属の特許請求の範囲によりカバーされる他の実施例のすべてを包含する。このため、各ハンドル112の旋回は、リセス116の中心体110と、ハンドルの内側延長部120との間に挿入されるねじりばねを利用して、自動化することができる。この種のばねは、特にリセス116の周辺を画定するその本体壁にある一端が本体110により形成される支持面に支えられ、ばねの他端は、前記延長部120により形成される反対側の支持面で支えられる。
【符号の説明】
【0069】
1:乗り物
2:プラットフォーム
3:ステアリングアセンブリ
4:前輪
5:後輪
10:前部アセンブリ
11、23:後部アセンブリ
12:ケーブル
15:前部プラットフォーム部
17:後部プラットフォーム部
18:足
19、52:チューブ
20:ステアリングカラム
21、41:リブ
22:固定部(ブロック)
25:前部延長部
26:ブランチ
27:底板
28:開口
29、101:空洞
31、131:ばね
32、121:ダクト
35:アーム
36:制御部材(カム)
37:ブレーキ
38、43:ピン
40:固定延長部
42:管腔
50:下部チューブ
51:上部チューブ
53:ハンドルバー
54、117:リング
60:フォーク
61:マスト
62:固定部材
63、119:突起
65:上部プーリ
66:静止部
67:移動部
100:コンテナ
102:キャスタ
110:中心体
111:スリット
112:ハンドル
114:前部空洞
115:押しボタン
116:リセス
118:ハウジング
120:延長部
125:中心部
127,128:通路
130:溝
166:側面延長部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上に使用者が乗るプラットフォーム(2)を備える折り畳み可能な二輪車(1)であって、ステアリングアセンブリ(3)は、前記プラットフォーム(2)の前部に位置する前輪を備えるステアリングカラム(20)と、前記プラットフォーム(2)の後部に位置する後輪とを備え、前記プラットフォーム(2)は2つの部分(10、11)、即ち前記前部(10)と、前記前部(10)に対して移動可能な後部(11)とからなり、前記後部(11)は、それが前記前部(10)に対して後退する折り畳み位置と、それが前記前部(10)の延長部に位置する広げた位置との間で移動可能であり、前記ステアリングカラム(20)は下部(50)と、前記下部(50)に対して伸縮自在に広げ、及び折り畳むことができる少なくとも1つの上部(51)とを備え、
前記乗り物(1)は前記プラットフォームの後部(11)を広げることにより、前記ステアリングカラム(20)の前記上部(51)を広げ、反対に前記ステアリングカラム(20)の前記上部(51)を折り畳むことにより、前記プラットフォームの前記後部(11)を折り畳むように配置される、前記プラットフォームの前記前部(10)と前記ステアリング絡む(20)の前記上部(51)の間のトランスミッションを含むことを特徴とする二輪車。
【請求項2】
前記プラットフォームの前記後部(11)は、その上に前記乗り物の前記後輪(5)が取付けられる旋回する後部アセンブリ(23)を備え、前記アセンブリ(23)は、それが前記後部(11)側に折り畳まれる折り畳み位置と、それが概ね前記後部(11)の延長部に位置する広げた位置との間で移動可能であり、前記アセンブリ(23)の折り畳み位置と広げた位置は、前記乗り物(1)の折り畳み位置と広げた位置にそれぞれ対応することを特徴とする請求項1に記載の乗り物(1)。
【請求項3】
−前記旋回する後部アセンブリ(23)は、前記プラットフォームの前記後部(11)に固定された2つのブランチ(26)上に旋回可能に取付けられた2つのアーム(35)を備え、前記後輪(5)は、その後端側のそれら2つのアーム(35)間に取付けられ、前記アーム(35)はそれら前端側の固定延長部(40)を含み、
−前記ブランチ(26)は、前記旋回する後部アセンブリ(23)の広げた位置で前記固定延長部(40)を受容することができる2つの空洞(29)を備える、その上にスライド式に取付けられた固定部(22)を含み、前記固定部(22)は、弾性手段により固定位置にバイアスされ、前記固定部(22)は、前記空洞(29)に前記固定延長部(40)を受容することができることにより、広げた位置に前記旋回する後部アセンブリ(23)を固定する固定位置と、前記空洞(29)の前記固定延長部(40)を自由にすることにより前記アーム(35)の旋回を妨害しない後退位置との間の前記ブランチ(26)上で長手方向に移動可能であり、
−前記旋回する後部アセンブリ(23)は、前記トランスミッション(12)により駆動される前記固定部(22)の制御部材(36)を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の乗り物(1)。
【請求項4】
前記固定部(22)の前記制御部材は、前記旋回運動の第1セクタ上の前記アーム(35)に旋回不可で接続され、前記旋回運動の第2セクタ上の前記アーム(35)に旋回可能に接続される旋回カム(36)であり、前記第2セクタは前記第1セクタに隣接し、前記カム(36)は、前記第1セクタ上のその旋回運動中に、その固定位置からその後退位置に向かって前記固定部(22)を駆動するように、及び前記第2セクタのその旋回運動中に、前記アーム(35)を旋回させるように、構成されることを特徴とする請求項3に記載の乗り物(1)。
【請求項5】
前記トランスミッションは、第1部が、前記プラットフォームの前記前部(15)と前記後部(17)に沿って伸び、前記旋回カム(36)の上を通過し、それに固定され、その第2部が、再度、前記プラットフォームの前記前部(15)と前記後部(17)に沿って、前記カム(36)上のケーブル(12)の締め付け点から伸び、次に前記ステアリングカラム(20)を貫通し、前記ステアリングカラム(20)の前記下部(51)に含まれる上部プーリ(65)上に係合し、次に前記ステアリングカラム(20)の前記上部(51)の下部に接続される、前記乗り物の前記前部(10)に接続される前記ケーブル(12)を備え、前記乗り物(1)の折り畳み位置から、その広げた位置に向かって前記プラットフォームの前記前部(15)に対する、前記プラットフォームの前記後部(17)の移動は、最初に前記ケーブル(12)の前記第1部に引っ張り力を及ぼし、前記カム(36)を前記第1セクタ上で旋回させ、次に、一旦前記カム(36)が前記第2セクタに到達すると、前記後部旋回アセンブリ(23)を旋回させ、一旦前記カム(36)が前記第2セクタへ到達すると、前記プラットフォームの前記後部(17)の移動は、前記ケーブル(12)の前記第2部に引っ張り力も及ぼし、これによりその下部(50)に対する前記ステアリングカラム(20)の上部(51)の伸縮自在の広げを実施することを特徴とする請求項4に記載の乗り物(1)。
【請求項6】
前記ステアリングカラム(20)の手で展開可能な部分(52)、特にハンドルバー(53)に接続される前記ステアリングカラム(20)の前記部分(52)を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の乗り物(1)。
【請求項7】
前記ステアリングカラム(20)へ垂直に接続されるチューブから構成される前記ハンドルバー(53)を備え、前記ハンドルバー(53)は、静止部(66)と、前記静止部(66)に対して、広げ、および折り畳むことができる移動部(67)とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の乗り物(1)。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2013−518754(P2013−518754A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550559(P2012−550559)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050423
【国際公開番号】WO2011/095931
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512199139)
【出願人】(512199140)
【Fターム(参考)】