説明

折り畳み式かつ解体可能な外壁を有する箱

折り畳み式箱は、鉛直方向上方に床部(2)から延びる固定外壁(18)を有する床部(2)と、外壁(6b)の基底領域内に配置されるシャフト(50)を有する外壁(6b)とを含む。折り畳み式箱は、シャフト(50)が内部に配置される固定外壁領域(18)内のガイド孔部(54)をさらに含み、ガイド孔部(54)は、頂部からシャフト(50)を導出可能な、基本的に鉛直方向(8)に延びる孔部区域(54a)と、固定外壁領域(18)の外部から内方に向かって横方向(12)に延びる横孔部区域(54b)とを備え、該横孔部区域内部において、シャフト(50)を基本的に横方向にずらすことが可能である。外壁(6b)の基底領域において配置されるカム(52)は、横孔部区域(54b)内方にシャフト(50)が移動されるように、固定外壁領域(18)に配置される接触表面(76)と、外壁(6b)の直立時に接触するように実施される、カム外形を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容易に輸送可能な箱に関し、その側壁が、輸送用に折り畳み可能であり、かつ、特殊なヒンジ構成を用いることにより容易に解体可能であり、同時に、組み立て状態において実質的な荷重を受容することが可能である、箱に関する。
【背景技術】
【0002】
市場において、複数の折り畳み式箱または折り畳み式クレートが市販されており、それらは、底部または床部、および床部に対して折り畳める側壁からなり、側壁を折り込むことにより、箱を使用後に折り畳むことが可能なため、省空間でコスト効率良く、新たに使用される場所へと返送できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような折り畳み式箱は、例えば収穫された畑からの果物や野菜を消費者に輸送するためなど、多くの異なる目的で大規模に産業上使用可能であるため、そのような折り畳み式箱は、部分的に影響を与え合う多くの異なる要件を満たさなければならない。ここでの要件の一部は、輸送可能性の観点から生ずる。よって、特に望ましいのは、箱が展開状態において低い積付け高さしか有さず、したがって輸送中のパレット上に、多数の展開された箱をなるべく高く積み上げて輸送可能とすることである。さらに、箱はなるべく軽いことが求められる、すなわち、最小限の材料を用いて、箱の重量に対する積載能力または積載量の比率を、なるべく低くとどめることが求められる。これとは別に、そのような箱は、しばしば食料の輸送に用いられ、箱の内側面が、なるべく平滑または平坦で、食料の載置台が箱の内側に引っ掛からないことが必要である。同時に、箱は安定していなければならないが、そうすると大きな平坦面の利用が難しくなる。さらに、箱の洗浄が容易であることが保証されるべきであり、これは平坦面を必要とする一方で、自動洗浄システムにおいて、洗浄中に使用される洗浄剤や水が、箱から流れ落ちることができるようにもしなければならない。このため、排水穴または排水孔が必要となるが、これも、要求される高安定性とは矛盾する。洗浄に関して、特に望ましいのは、少なくとも一部の外壁が、組み立て状態において自立すること、すなわち組み立て状態のままであることである。なぜなら、上手く完全に洗浄するには、箱の全内側体積に容易に届くことが必要だからである。
【0004】
箱の安定性についても、特に厳しい要件がある。なぜなら、箱は、たとえば果物および野菜の輸送時に、畑の作業者によって畑で直接積み込まれ、野菜が最終消費者にまで輸送される全過程において、同じ箱の中に野菜がとどまる、すなわち箱が、輸送中に、できれば損傷なく、多くの積み込み過程および荷降ろし過程に耐えなければならないからである。さらに、箱がその目的にしたがって数回にわたって使用されることが、堅牢性に関する要件をさらに厳しいものとする。一方、なるべく低重量であるという重量に関する副次的な条件を維持する場合、折り畳み式箱の壁面および床部が、可能な限り堅牢であることが、もちろん非常に望ましい。さらに、そのような箱の輸送中に必要な、複数の取り扱い過程および動作のために、通常の操作が確実に、なるべく容易であるべきである。同時に、誤使用または誤操作をしても、使用される機械部品が壊れないことが保証されるべきである。特に、折り畳み式箱は、直立した壁面を互いに連結するロック機構を備え、これにより、組み立てられた箱に、必要な安定性が付与される。このロック機構は、強い力を必要とせずに、なるべく容易に操作可能であり、誤作動がないものでなければならない。しかしまた、誤った操作の可能性、すなわち、操作されていないのにロック機構に力が作用する可能性も考慮すべきである。この場合、ロック機構は間違いなく壊れてしまう。
【0005】
そのような折り畳み式箱のさらなる要件は、折り畳み式箱のドアと外壁との間の折り畳み式の連結を形成するヒンジ機構が、大きな力を吸収し得ることである。ヒンジ機構は、組み立て状態において、通常、全荷重が配される床部と、握り用の穴部が通常配置される外壁との間の、唯一のノンポジティブ連結をもたらす。箱の堅牢な実施例が用いられても、箱の個々の部品、すなわち特に床部または側壁のうちの1つの破壊が、日々の使用において常に防がれるとは限らない。よって、ノンポジティブ連結の解体が容易であることによって、重荷重の搬送能力が損なわれることなく、床部から側壁が容易に取り外しできることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一部の実施形態では、外壁の床部に配置されたシャフトおよびカムの両方を含む特殊ヒンジ構成を用いることにより、折り畳み式箱の床部から外壁を容易に解体することができ、これにより、外壁を組み立てるときにのみ、床部と外壁との間のノンポジティブ連結が形成される。これを実現するために、一部の実施形態では、床部において、または固定され、かつ床部から鉛直方向上方に延びる外壁領域において(すなわち、組み立て側壁の方向において)、外壁領域も床部と一体的に製造してよい、シャフトを配置する凹部を配置する。さらに、床部上に、公知の相対的な向きにおいて、床部に対して配置される表面である接触面を配置する。カムは、添付の図面の一部に関して後に詳述するとおり、組み立て時に外壁に堅固に連結されているカムが、該接触面に接触する、すなわちこれと接触し、かつこれによって支持されるような立体外形として実施されるか、あるいはそのような立体外形を備える。このように支持されることで、外壁に堅固に連結されているシャフトを並進移動させる。ガイド穴部または孔部の形状は、基本的に鉛直方向に(すなわち床部表面に基本的に垂直に)貫通する孔部区域と、外部から内部に向かって、横方向に貫通する該孔部に実質的に垂直な横孔部区域とを備えるように実施される。孔部区域および横孔部区域の両方は、シャフトを該2区域において移動させるのに十分な大きさの断面を備える。外壁の展開状態において、シャフトはまず、ガイド孔部の孔部区域の床部上に配置され、鉛直方向上方において、孔部区域を通って除かれ得る。よって、シャフトは展開状態において外壁を解体する際の邪魔にならない。
【0007】
ノンポジティブ連結の形成は、外壁の組み立ての際にのみ行われる。組み立ての際、カムの外形は、カムをガイドまたは支持する接触面との接触状態にある。外壁を介してカムとシャフトとが堅固に連結され、接触面においてカムがガイドされることにより、シャフトのガイド孔部における横孔部領域への移動が達成され、孔部領域が少なくとも1箇所において上向きに閉じられる、すなわちたとえば外壁または固定外壁領域の材料によって上方向に制限される。シャフトがこのように横孔部区域において位置づけられると、シャフトを頂部から除かなくてよく、鉛直方向において外壁と床部との間が連結される構造がもたらされる。これにより、シャフトは、力を吸収するか、あるいは重量による荷重に耐え得る。すなわち、接触面において支持されるカムにガイドされて、シャフトにより、揺動または並進移動が実行され、これにより、シャフトが横孔部区域における最初の位置から横孔部区域における最終位置まで移動させられる。よって、壁面が組み立てられると、外壁と床部との間の安定性の高い連結がもたらされるとともに、展開状態においては、シャフトをガイド孔部の頂部から除くことができ、壁面を解体し得る。
【0008】
一部の実施形態では、床部において、または床部から上方に延びる固定外壁領域において、カムを配置するためのさらなる凹部を配置する。このカム孔部において、支持表面を配置する。一部の実施形態において、支持表面は、外側側壁またはカム孔部の境界表面により形成される。
【0009】
本発明の一部のさらなる実施形態において、結果的に生じる連結の搬送能力または安定性は、カム孔部が鉛直方向を通る孔部区域および横方向を通る横孔部区域も備えることによってさらに増強され、組み立て状態において、カムの要素またはカムの凹部が、組み立て中にカム孔部の横孔部区域に係合するような外形をカムが有するか、あるいはカムがそのように形状的に実施される。これにより、カムが、カム孔部の横孔部区域上方に位置する床部の大きな材料により、引張応力でカム孔部から上方に向かって摺動して抜け出ることも防止される。したがって、組み立て状態におけるカム孔部内のカムも、さらに重量を受け止める、あるいは付加的な荷重を担持することが可能であり、これにより、本実施形態における折り畳み式箱の安定性または強度が増す。ここで、本発明のさらなる実施形態において、カム孔部は、側壁の展開状態におけるカムが、カム孔部から上方に向かって除かれるような鉛直方向の断面を備え、したがって、カムが付加的な荷重を担持し得る本実施形態においても、道具を用いることなく外壁が展開状態へと解体可能である。一部の実施形態において、カム孔部とガイド孔部の両方が、共通の外壁に至るまで外方に横方向において延びて、該孔部が換言すれば横方向において同一の寸法を備えるように、形状が選択される。鉛直方向と横方向とに垂直な方向において、一部の実施形態におけるカム孔部またはガイド孔部は、シャフトの水平の外延またはカムの水平の外延よりもわずかに大きい寸法を備えて、外壁と床部または床部の固定外壁領域との間のこの寸法において、ゆるみのない連結が可能になる。すなわち、ガイド孔部およびカム孔部の水平の外延は、基本的に、シャフトまたはカムの水平寸法に相当し、孔部の水平の外延は、たとえば0.5mmまたは1mmほどわずかに大きい。
【0010】
上述のヒンジ構成または上述のうちの1実施形態による折り畳み式箱を使用することにより、外壁を完全に折り畳むことが可能であり、展開状態において、―折り畳み式箱から−たとえば洗浄のためにスペア部品に交換されて−容易に除き得る、折り畳み式箱をもたらすことが可能であり、外壁と床部または床部の固定外壁領域との間の連結により、従来は、解体できない従来のヒンジを用いる場合のみであったような、強い力の吸収が、なお可能である。
【0011】
本発明の一部のさらなる実施形態によれば、組み立て後の組み立て状態に保持される外壁を備える折り畳み式箱が提供され、外壁が自然に展開されることも防止される。本発明の一部の実施形態は、ガイド孔部内のシャフトを備える上述のヒンジ構成に基づいており、該ガイド孔部は、鉛直方向における除去に適する孔部領域を必ずしも備える必要がない。ガイド孔部は、固定外壁領域の外部から内方に向かって横方向に延びる横孔部区域を備えていればよく、シャフトを、孔部区域内でずらすことが可能である。ここで、外壁の基底区域に配置されるカムをさらに用いることが必要となり、該カムは、上昇または直立の際に、カム外形が接触面に接触することにより、既に境界角度を超えている場合に、側壁が完全に直立される前に、シャフトが横孔部区域へと移動されるように実施されるガム外形を備える。
【0012】
一部の実施形態において、カム外形は、外壁を直立させる際に、外壁の下面が、直立の際に、上方に延びる床部の固定外壁領域の内側縁部領域に接触する前に、境界角度を超えるように実施される。内部縁部領域を有する外壁の床部が最初の接触の際に、シャフトが、横孔部区域における内部位置に既に位置づけられていることにより、シャフトが基本的に上向きの力を吸収することが可能である。
【0013】
シャフトがこの力を既に吸収可能であるので、外壁をさらに立てる際に、内部縁部領域にわたり、外壁に堅固に連結されるシャフトの作用により(たとえば内壁の基底部に取り付けられたスペーサを介して)、外壁の下面が、固定外壁領域の内部縁部領域に対する第1の押圧力によって押圧される。第1の押圧力は、上昇された鉛直位置において、すなわち内部縁部領域を越えた後に、外壁の下面をシャフトにより固定外壁領域の下面に対して押圧するのに用いられる第2の接触押圧力よりも大きい。
【0014】
すなわち、外壁が内部縁部領域に接触する前に横孔部区域内へ(内部端部位置まで)シャフトを内方に移動させることにより、外壁を持ち上げさせる、または直立させる際に、力閾値が超えられるようにする。シャフトの作用により境界角度を超えた後に、外壁の下面に作用するこの閾値力は、外壁の下面と床部の固定外壁領域との間の直立の際に作用する最も大きな力である。したがって、この力が超過された後、すなわち外壁が完全に直立された後、外壁が直立位置に保持される。なぜなら、外壁の下面と固定外壁領域との間の直立位置において作用する力はより小さく、したがって外力無しで外壁の重量の力により単に折り畳むことによっては、外壁が内部縁部領域を乗り越えることができないからである。
【0015】
よって、本発明の上述の実施形態は、折り畳み式箱の外壁が直立状態において互いにスナップ留めまたはラッチ留めされていなくても、直立後に、外壁が自然に展開状態へと折り戻されない折り畳み式箱を提供することができる。
【0016】
このことは、折り畳み式箱の全自動洗浄においてかなりの利点となり得る。というのは、そのような洗浄は、たとえば誤操作により、外壁のラッチ留めが自然に再び内方に折れる場合などには、手動で繰り返さなければならないからである。また、従来、外壁を折って組み立てる場合、自立式外壁はとりわけ、既に組み立てられた壁面を手動で確実に直立状態のままとしなくても、残りの壁が後ほど持ち上げ可能であり、さらに既に組み立てられた壁とのラッチ留めまたは連結が可能なように組み立てることが可能であるために、大きな利点となり得る。そのような折り畳み式箱の寿命において生じる複数の取り扱い過程に関して、これは効率とコストの面でかなりの利点である。
【0017】
特に、たとえば、先行技術において通常行われているごとく、ヒンジのシャフトなどのシャフト可動部分にクランパを設ける必要なく(これはヒンジの移動の制限ともなり得る)、組み立て状態の外壁を、自動的に直立状態に保つことができるという機能性も達せられる。そのようなクランパは、特にプラスチック部品を用いる場合、摩滅を受けやすく、そのために、側壁の移動の阻止、ひいては機能性が、経時的におのずと低減される。しかし、本発明の実施形態において、横孔部区域において、シャフト自体の移動により全く磨耗が生じないので、基本的に磨耗が生じない。関与する部品の弾性追従動作による摩擦なしに力が生成されることにより、たとえばシャフトを外壁に連結するブリッジまたはスペーサなどの、力を吸収する部品を正確に寸法決めすることで、確実に摩滅無しで連続的に機能させることが保証される。
【0018】
本発明の一部のさらなる実施形態によれば、箱の床部に関して折り畳み可能であり、かつ内方に外壁を折り畳むことが可能に配置された、各々対向する長手方向側外壁および横断方向側外壁の2対を備えた、折り畳み式箱が提供される。組み立て状態において、4つの外壁は、互いに機械的に連結され、あるいはラッチ留めされることにより、高い安定性を備える折り畳み式箱が得られる。
【0019】
ラッチ留めを実現するために、長手方向側外壁の各々が、それぞれの端部において、組み立て状態の横断方向側外壁の方向に延びる突出部を備え、この突出部が、横断方向側外壁が外部に折れることを制止する、すなわちストッパとしての作用を有する。長手方向側という用語は、あらゆる実施形態において、実際に長いほうの外壁がこの突出部を有しなければならないという印象を与えるものではない。一部の代替実施形態においては、この突出部を備えるのは、横断方向側として言及される、短いほうの外壁であり、したがって、長手方向側および横断方向側という用語は、任意に互換的に用いられてよい。横断方向側外壁のいずれかが、横断方向側外壁の外側に配置された、ばねで初荷重がかけられたラッチ留め機構を備える。このラッチ留め機構は、組み立て状態において、長手方向側外壁の突出部とラッチ留め可能な、鉛直方向に可動であるスナップ留め要素またはラッチ留め要素またはロック要素を備える。
【0020】
よって、スナップ留め要素が、突出部、または突出部に連結された物体に直接嵌まることが可能であるか、あるいはこれらに掛かることが可能である。スナップ留め要素の鉛直移動により、スナップ留め要素を本質的に力無しで移動可能とすることができる、すなわち、スナップ留め要素またはラッチ留めを解除する際、ばねで初荷重がかけられたラッチ留め機構のばねのばね力のみを上回ればよく、したがって、通常の操作において単純な方法でラッチを解除することが可能である。これにより、横断方向側外壁を、長手方向側外壁から分離して、折り畳むことが可能である。横方向の折り方向または水平方向において、スナップ留めまたはその解除が行われ、またロックやロック解除が、側壁間の連結により力を吸収する必要のない1方向において生ずるところの従来の解決策に関して、鉛直方向におけるスナップ留めまたはその解除は、利点を有する。したがって、スナップ留め要素のロックまたはロック解除に大きな力を用いる必要がない。ロックまたはラッチ留めが、開閉によって外壁が移動される1方向において生ずるロック方法では、通常のロックまたはロック解除動作において、ロックを解除するには、ロックの大きな閉鎖力または締付け力を必ず克服する必要がある。これは、取り扱いの速度と信頼性に関する損失につながるが、これらは鉛直ロック機構によって防止し得る。
【0021】
以下に記載のロック機構の実施形態によれば、組み立て状態における突出部および/またはスナップ留め要素は、鉛直方向に関して、接触面を付加的に備え、該接触面は、ロック機構が、横断方向側外壁に作用する内向きの所定の力の超過の際に、ばねの予圧に反して開くように傾斜される。ロックタブまたはキャッチまたは突出部の横側面または縁部において、スナップ留め要素および突出部のロックタブまたは突出部自体が互いに沿って摺動するが、これらの横側面または縁部は、互いに対して傾斜されて、その傾斜しだいで、折り畳み式箱の外部から横断方向側外壁に力が作用したときに、力成分も常に、鉛直方向、すなわちスナップ留め要素に対するばねの予圧に反して作用する。したがって、たとえば誤操作によって大きな力が横断方向側外壁に作用した場合に、いわば緊急の解除が可能になる。よって、箱や側壁の交換につながるロック機構の故障が生じない。
【0022】
突出部または突出部に取り付けられたロックフックに対して、スナップ留め要素が傾斜していることにより、緊急解除をもたらす、あるいはばね初荷重に反するロック機構の解除をもたらす所定の力を、広範囲にわたって任意にかけることができる。ここで、従来の方法とは対照的に、ロックが自動的に解除される所定の大きさの力は、ロック機構が通常動作する際に発揮される必要がある力に影響を与えない、つまり、スナップ留め要素を手動で操作する際に鉛直方向において生ずる。よって、本発明の実施形態は、互いに依存的な2つの操作方法、すなわち通常の方法と誤操作のうちの一方のパラメータを必要とせずに、快適な通常の操作と誤操作に対する付加的な安全確保との両方を可能にする。したがって、本発明による折り畳み式箱の実施形態を、非常に堅固に製造することが可能であり、従来のスナップ留め要素の手動操作によってのみならず、箱またはスナップ留め機構に損傷を生じさせることなく、横断方向側外壁を叩いたり踏んだりすることにより、連続操作におけるラッチ留めを解除することができる。
【0023】
本発明の一部の実施形態によれば、少なくとも1つの外壁が、特に安定した構造を備える。該構造は、それ自体安定性が高く、箱の外側面に対して凸状の球状壁面領域が、ブリッジとリブの構成の手段で連結されることによってもたらされる有利な特徴を有する。これにより、安定性は高いが軽量な、極めて薄く安定した外壁がもたらされる。一部の実施形態によれば、外側面に対して凸状の外壁の2つの球状壁面領域の間に、外壁の高さにわたって延びる、外壁の外部に配置されるブリッジが設けられる。さらに、1以上のリブが、球状壁面領域の間を通り、該リブが、ブリッジから、ブリッジの両側の球状表面領域の各々1つに至るまで延びる。よって、本発明の外壁のこれら実施形態は、各々隣接する球状表面の間において、互いに隣接して配置され、かつリブとブリッジの構成の手段で互いに連結される球状表面を含んで、外壁の結合の堅牢性を高める。
【0024】
球状表面の利点は、ねじれについて、ある大きさまで本質的に耐性があるということであり、これは縁部領域の表面の曲率によってもたられる。この点において、球状表面は、平らな基底表面から所定の方向に隆起する表面とみなされ、外形に関して、該表面は、基底表面から階段状に突出しないが、この外形は、所定の半径を有するs字状に基底表面から離れる。上昇または隆起ののち、球状表面領域が、完全に平らであり、かつ球状表面の縁部におけるs字型の外形に依存する距離において、基底表面と平行な部分的な面も含んでよい。球状表面内の平らまたは水平な表面が大きすぎると、この表面はふたたび安定性が低減するため、本質的に安定性の高い球状表面のサイズに関しては制限がある。したがって、側壁としての個々の球状表面を広い側面と共に用いることによっては、安定性を支えるという大きな効果は得られない。しかし、球状表面は、両側において平坦であり、エッジやクラックを有さないので、食料の輸送に非常に適している。なぜなら、食料がエッジ等にひっかかる危険がないからである。
【0025】
本発明の一部の実施形態では、一壁面において数個の凸状表面領域が用いられ、それらは外壁の高さにわたって延びるリブに垂直な、リブとブリッジの構成によって相互連結されて、それ自体安定した凸状表面領域が、非常にねじれ耐性の高い方法で高額な材料費をかけることなく連結される。これにより、低い壁面強度を持ちつつ、全体的には非常に堅牢な構造がもたらされる。本発明の一部の実施形態において、ブリッジおよびリブは、もっぱら外壁の外部に配置されるため、箱の内側において、リブとブリッジのとがった縁部に食料がひっかかることによる衛生的な問題を生ずることなく、補剛効果が達成される。本発明の一部の実施形態において、外壁を折り畳み式箱の床部に連結するあらゆるヒンジ構成が、基本的に、球状表面間にブリッジが位置する領域内に配置される。外壁の高さにわたって延びるブリッジは、最大引張応力を担持し得る構造であるため、ヒンジ要素が形成する構成により、床部への動力伝達または力の伝達に関しても最高の安定性要件を備える構造または外壁が形成され、同時に、この構造は、内側面において平坦または平滑であり、したがって洗浄が容易な、薄くて省材料な外壁しか必要としない。
【0026】
下記において、本発明の一部の実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】折り畳み式箱の実施形態の全体図を示す。
【0028】
【図2】図1の箱の実施形態の上面図である。
【0029】
【図3】図1の折り畳み式箱の側面図である。
【0030】
【図4】折り畳み式箱のさらなる実施形態の全体図である。
【0031】
【図5】本発明の一部の実施形態において使用されるヒンジ構成のカムとシャフトの詳細図である。
【0032】
【図6】異なる視点から見た図5のカムとシャフトのさらなる詳細図である。
【0033】
【図7A】図5および図6のシャフトとカムを受容するためのガイド孔部およびカム孔部の詳細図である。
【0034】
【図7B】異なる視点から見た図7Aの詳細図である。
【0035】
【図8】ヒンジ構成の実施形態の上面図である。
【0036】
【図9A】折り畳み式箱の展開状態におけるシャフトの断面図である。
【0037】
【図9B】展開状態におけるカムの断面図である。
【0038】
【図10A】半開状態におけるシャフトの断面図である。
【0039】
【図10B】半開状態におけるカムの断面図である。
【0040】
【図11A】開放状態におけるシャフトの断面図である。
【0041】
【図11B】開放状態におけるカムの断面図である。
【0042】
【図12】スナップ留め要素を備えるロック機構を有する折り畳み式箱の実施形態の横断側壁の側面図である。
【0043】
【図13A】スナップ留め要素の実施形態である。
【0044】
【図13B】スナップ留め要素のさらなる実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、折り畳み式箱1の実施形態の半斜視図を示す。ここで、この明細書の範囲における折り畳み式箱1は、一方向(頂部への鉛直方向)に開き、かつ、床部に連結されて、床部に対して移動、または組み立て、または展開が可能な床部および4つの外壁または側壁を備える、箱またはクレートである。展開状態において、すなわち、全ての4つの壁面が床部に折りかぶせられると、箱は低い組み上げ高さしか有さず、容易に輸送可能である。
【0046】
よって、図1の折り畳み式箱は、床部と、対向する横断方向側外壁4aおよび4bの対と、対向する長手方向側外壁6aおよび6bの対とを備える。ここで、以下の説明において外壁を特定するために、外壁を、横断方向側外壁よりも長く延びる長手方向側外壁として指定していることに留意されたい。これは、長手方向側外壁に関して説明される特徴が、本発明の全ての実施形態において、長いほうの壁においてのみ実施されるかぎりにおいて、限定的とみなされるべきではない。むしろ、長手方向側および横断方向側という用語は、それぞれ説明される外壁の特定のためのみに用いられる。すなわち、長手方向側および横断方向側という用語は、交換してもよく、したがって、長手方向側外壁について説明される特徴が、横断方向側においても、もちろん両側の側壁においても(同時に)実施可能である。概して、以下に説明されるいかなる特徴も、互いに任意に組み合わせてよく、したがって、本発明の折り畳み式箱の一部の実施形態が、ただ1つの特徴のみを備え、他の実施形態がすべての特徴を備えることもあり得るということである。
【0047】
既述のように、図1は、組み立て状態における折り畳み式箱を示し、箱は、すべての側壁が折り畳まれたときに、折り畳み状態にあるとみなされるべきである。個々の特徴の説明を簡略化するために、以下の説明について、特定の方向または形状的な関係を、以下のとおり定義する。鉛直方向8は、基本的に床部2の表面に垂直に通り、この関係における頂部と底部という相対位置指定は、底部よりも鉛直方向に床部からさらに隔てられた位置を指定するものとみなされるべきである。内側または内部という相対位置指標は、外側または外部という用語によって指定される位置よりも、箱によって囲まれる容積に対して、より近い位置を指定する。外部または外側は、たとえば、長手方向側外壁6bに関して、それらの構成要素が、図1の半斜視図において直接視認可能に描かれていることを意味する。側壁の高さは、図1に示される組み立て状態において、鉛直方向8に延びる外延であり、厚さまたは幅は、外壁の内側と外側との間の最大外延である。
【0048】
横および水平という方向情報は、ここで外壁とみなされるところのものをそれぞれ示す。水平方向とは、考慮される側壁の長手方向の最大の外延に沿った方向であり、したがって、外壁6bに関する水平方向とは、たとえば、矢印11によって示されることになる。横方向は、外側と内側との間、または組み立て状態における壁の内側または内部側との間の方向のことであり、したがって、たとえば、外壁6bについて、符号12により指定される横方向となる。この定義を横断方向側外壁4bに対応して適用すると、水平方向は14、横方向は15となる。よって、箱の組み立て状態において、各外壁に関して、横方向、鉛直方向、および水平方向は、基本的な直交座標系を定める。これとは別に、位置または向き情報に関する解釈の疑義が生じた場合には、その情報は常に、図1に示す組み立て状態における箱に関連するものとみなされるべきである。
【0049】
図1から分かるように、本発明の一部の実施形態は、床部2を備え、一方では、水平で平面の主要部からなり、2つの対向する外側において、床部から鉛直方向上方に延びる固定外壁領域18を備える。より分かりやすい図示として、図1において、固定外壁領域はハッチングの方法で図示されており、たとえば、ヒンジ要素を受容するか、あるいは設けて、折り畳み状態における側壁対が、確実に他方の側壁対に載置されるようになる役割を果たしてよい。以下の要素の論述において、鉛直方向上方に延びる固定外壁領域は、床部に属するとみなされることにより、一部の論述される特徴が、水平床部領域において実現されてよい。
【0050】
図2は、床部2、長手方向側外壁6aおよび6b、横断方向側外壁4aおよび4bがよく見える図1において図示された折り畳み式箱の上面図の新たな図を示す。さらに、少なくとも図2において推測できるのは、組み立て状態において、長手方向側外壁および横断方向側外壁が、各々隣接する縁部において、互いにラッチ留めされており、組み立てられた箱が高い安定性を達成することである。ここでのみ示され、以下の段落の一部において詳細に論じられるように、ロックまたはラッチ留めのために、長手方向側外壁は、横断方向側外壁4aから外部への、すなわち組み立て方向への折れ加減を制限する、横断方向側外壁4aの方向に延びる突出部を備え、よって、いわゆるストッパとして作用する。この機構を、長手方向側外壁6aの角部20に関して以下に論じる。ロックの際、横断方向側外壁4aに配置されるスナップ留め要素が、突出部22と係合し、これとラッチ留めされて、機構的に耐久性または抵抗性が高い連結を形成して、箱の高い安定性を達成する。
【0051】
図3は、本実施形態の外壁6bの有利な特徴の一部がよく見える、折り畳み式箱の実施形態の側面図を示す。図3に図示される外壁6bの実施例は、折り畳み式箱の外側に対して凸状の球状表面領域が、リブおよびブリッジという補剛要素と組み合わされているという、他とは異なる特徴を有する。これにより、結果的に、外壁は、非常に安定性が高いが、同時に基本的に内側において平滑または平坦となり、横方向において小さな外延である小さい厚みのみを備えることになる。横方向における厚みは、使用される材料および重量に関してのみならず、特に、達せられる積付け高さ、すなわち展開状態における箱の高さについての基準であり、この箱の高さは基本的に、床部の厚み、横断方向側外壁および長手方向側外壁からもたらされる。所与の柔軟性を有する壁が薄いほど良い。
【0052】
これは、ここで説明される実施形態において、外部または外側に関して凸状の球状壁面領域20a、20b、および20cからなる外壁によって達成され、これら領域は、リブとブリッジの構成の手段で連結される。あるサイズまで、球状壁面領域は、既述のように、その形状により本質的に安定性が高い。図3に図示のとおり、球状壁面領域20aおよび球状壁面領域20bとの間に、外壁の外側に設けられたブリッジ22が、外壁の高さ24にわたって延びて、すなわち鉛直方向8を通って設けられている。このブリッジは、鉛直方向において高い強度をもたらす。ブリッジ22から、複数の水平方向を通るリブ26aから26cが、ブリッジ22に隣接する球状表面領域20aおよび20bに至るまで延びる。本質的に剛性の高い球状表面領域と、少なくとも1つのブリッジおよび該ブリッジから隣接する球状表面へと延びる少なくとも1つのリブを含む、球状表面領域を連結するリブとブリッジの構成との組み合わせにより、材料をほとんど用いない非常に薄く安定した外壁をもたらすことができる。これは、両方の球状表面が、外側に突出または湾曲しており、かつリブが外部に取り付けられているために、内側が基本的に平坦または平滑な表面を有するという利点を有し、すなわち、可能な組み上げ高さが最大限の効率まで利用されて、可能なかぎり剛性の高い全体構造を達成する。
【0053】
また、球状表面要素を連結するブリッジとリブの構成を利用することにより、球状表面要素を穿孔したり、あるいはこれらに複数の孔部を設けたりして、材料を節減することが可能であり、さらに壁面を全面的に洗浄することができる。穿孔が球状表面領域の構造を弱くすることは、球状表面領域間のブリッジおよびリブの使用により、全体の安定性がなお維持されているため、ここでは容認し得る。図3において、さらなる数個の任意のブリッジが、球状領域にわたって延びて、全体の安定性のさらなる増強に資している様子が図示されている。しかし、一部の実施形態においては、要求される安定性が球状表面領域とブリッジとの組み合わせによって既に保証可能であるため、これらのブリッジは任意である。
【0054】
すなわち、本発明のさらなる実施形態は、球状表面領域20a、20b、20cとの間に、ブリッジ22および30のみを備える。全体構造の安定性をさらに増強するために、外壁が床部2または固定外壁領域18に折り畳み可能に連結されるところのヒンジ構成が、外壁6bの基底部(床部2に面する外壁6bの端部)の位置で、ブリッジが外壁の基底領域まで延びる領域においてのみ配置される。ここではごく簡単に触れるヒンジ構成またはヒンジ機構40a、40b、40cおよび40dのいずれかが、図3および図1に示す実施形態において、鉛直方向8を通るブリッジの領域において配置される。このことは、ヒンジが箱の積み込みの際に鉛直方向8に作用する力を吸収しなければならないので、全体構造の安定性増強につながり、したがって、鉛直方向における荷重を吸収する役割も果たすブリッジの位置においてヒンジが配置されると、非常に有利である。
【0055】
これが可能なブリッジは、概して、外壁の高さを超えて延びる横方向の外壁表面から突出する材料である。この定義を同義に適用すると、リブもまた外壁の表面から横方向に延び、リブは、基本的に水平の向き沿いを通る。一部の他の実施形態では、リブは水平ではなく異なる向きを通り、異なる向きにおいても、ブリッジから、ブリッジに隣接する球状表面領域まで、少なくとも1つのリブが延びることが保証されることになる。
【0056】
図4は、図1に示される実施形態とは異なる折り畳み式箱のさらなる実施形態の図を、異なる寸法取りによって示す。特に、図4に示される折り畳み式箱は、より低い高さ、すなわち、より限定された鉛直方向8の範囲を有する。図1および図4における折り畳み式箱の残りの特徴は同じであるので、特徴の説明について、図1に関して記載されたことを参照する。図1においても、図4に示される箱のより限定された高さに関しても、なお隣接する球状表面領域の概念が実現可能である、すなわち、図4から推測できるように、ブリッジと、ブリッジから延びる少なくとも1つのリブの手段で、隣接する球状表面領域の各々に連結される。したがって、図4は、球状壁面領域と、これらを連結するブリッジとリブの構造との機能的協働に、非常に柔軟性があることを示しており、異なる形状的境界条件に容易に適合させることが可能である。特に、図4(図1と同様)において、折り畳み式箱の中央領域に握り用孔部46を取り付けることもできるようになっており、この握り用孔部を用いて、箱の普段の使用において通常であるように、全荷重が持ち上げられる。ここで、球状表面領域を使用することにより、握り領域により除かれ、握り領域の下部に位置する、球状表面領域を構成することが可能となり、その結果、握りの領域においても、安定性を増強する球状表面領域を、無くさなくてもよくなる。図4に示すように、握りは、その下の球状表面領域に、鉛直方向を通るブリッジの手段で連結され、これにより、力の方向における安定性の増強につながる。さらに、握りの外形は、球状表面領域間に配置されるブリッジ22および30に、さらなるリブを介して直接連結されており、構造の安定性を実際には弱める握り領域46の孔部は、握りに作用する力が、隣接する球状表面領域に直接伝達され得るために、全体の安定性には影響しないことにつながる。
【0057】
それとは別に、図4において、機能的に同一または類似の機能要素もしくは特徴に、図1において既に用いられたのと同様の参照符号が付される。このことは、機能的に同様または機能的に類似の要素または特徴についても、同一の参照符号が各々付される以下の図面にも該当する。
【0058】
図5および図6は、異なる視点から、折り畳み式箱1のヒンジ構成40cの基底領域において配置される、外壁6bおよびカム52の基底領域において配置される、シャフト50の拡大断面を示し、図5は、内側の図、内部から外部への横方向の図であり、図6は、該部分に対応する、外部から内部への図である。本実施形態におけるシャフト50は、基本的に円筒形であり、水平方向に延びる。シャフトの断面は、円形以外の形状であってもよく、たとえば、楕円、矩形、立方形、または三角形であってもよい。カムは、基本的に立方形であり、カムの外形は、数箇所において、立方形から逸脱して、カムの異なる機能を達成する。
【0059】
図7Aおよび図7Bは、図5および図6に対応し、図7Aおよび図7Bは、床部2の固定外壁領域18内に位置し、シャフト50およびカム52が内部に配置される、異なる視点からのガイド孔部54およびカム孔部56も示す。ここで、図7Aは、内部から外部への図を示し、図7Bは、外部から内部への図を示す。図5から図7Bは、解体された状態におけるヒンジ構成の特徴を示し、図8から図11Bは、組み立てられた状態におけるヒンジ構成を示し、カム52がカム孔部54内に位置し、シャフト50がガイド孔部54内に位置することにより、図8から図11Bに関して、ヒンジ構成の異なる部品の相互作用または協働が推測できる。ここで、図8は、外壁6bの展開状態におけるヒンジ構成の上面図を示し、図9Aから図11Bは、外壁6bの組み立ての異なる段階において図示されるヒンジ構成の断面図を示す。図9A、図10A、および図11Aは各々、シャフト50の断面線60における断面を示す。図9B、図10B、および図11Bは、図8の断面線62におけるカム52の断面を示す。ヒンジ構成の機能を、図5から図11Bを参照して、以下に説明する。
【0060】
図8から推測されるように、ここに説明される本発明の実施形態において、シャフト50は、ガイド孔部54内に配置され、カム52は、カム孔部56内に配置される。ガイド孔部54は、2つの機能的に異なる領域に分割される、すなわち、基本的に鉛直方向8に延びる孔部部分つまり区域54a、および固定外壁領域18の外側から基本的に横方向12に延びる、またはガイド孔部54内方に延びる横孔部区域54bである。ここに例示される実施形態において、横孔部区域54bは、ガイド孔部54の床部に位置するが、これは限定的とみなされるべきではない。むしろ、本発明のさらなる実施形態において、横孔部区域も、鉛直方向のさらに上に配置されてもよい。
【0061】
同様に、カム孔部56は、基本的に鉛直方向に延びる孔部区域56aを備える。カム孔部56も、外部または外側境界から横方向に延びる横孔部区域56b、すなわちカム孔部56内方への限定部分を備える。異なる孔部区域は、図9Aおよび図9Bの断面図に最も分かりやすく特定されており、それらにも対応する参照符号が付されている。機能の例示の分かりやすさを損なわないために、残りの図面において、孔部区域には、各々参照符号を付さなかった。鉛直方向を通るガイド孔部54の孔部区域54aは、鉛直方向上方への側壁6bの展開状態において、ガイド孔部54からシャフト50を除くことができるように、十分な大きさの断面を備える。これらの図面に例示されるように、シャフト50は、スペーサ64を介して基底部66に連結される、すなわち鉛直方向8における外壁6bの下方端部に堅固に連結される。図9Aから図11Bに例示される壁を、増大する開度68(α)の方向に組み立てる際、シャフト50は、ガイド孔部54に対して回転される。同様に、外壁6bの基底部66に恒久的に固定されたカム52は、カム孔部56に対して回転される。図7Aから図11Bを参照して説明される本発明の実施形態において、基本的に鉛直方向を通るカム孔部56の孔部領域56aも、展開状態におけるカム52が、カム孔部56から鉛直方向上方に向かって導出され得るのに十分な大きさの断面を備える。図8における外壁6bの半上面図から推測されるように、上述のタイプの4つのシャフトと2つのカムとを介して、側壁6bが固定外壁領域18に連結される。
【0062】
展開状態において、外壁6bは、いかなる道具も使用することなく簡単に解体可能であり、これにより、損傷を受けているかもしれない外壁の交換が容易となる。外壁を展開するには、ガイド孔部54とカム孔部の両方が、各々孔部54および56の内側または内部境界壁における内側突破口または穿孔70または72を備え、その内部において、シャフトのスペーサ64または側壁6bの基底部66にカム52を装着するように働くカム52の部分が移動可能である。
【0063】
よって、従来のヒンジ機構とは対照的に、展開状態における側壁と固定外壁領域との間の連結は、いかなる道具も使用せずに開放することが可能である、すなわち鉛直方向における展開状態において外壁6bに作用する力は、ヒンジ構成によって吸収されない、あるいは床部2に伝達されない。なぜなら、それは組み立て状態の箱を積むことが可能となるには必要だからである。
【0064】
本発明の実施形態における静止摩擦または粘着は、外壁6bが直立する際にのみ発生し、この点において、カム52およびシャフト50が以下のように協働する。図9Aおよび図9Bに例示される展開状態において、シャフト60が、鉛直方向を通るガイド孔部54の孔部区域54a内に位置し、カム52も、鉛直方向を通るカム孔部56の孔部区域56a内に位置する。ここで例示される実施形態において、シャフト50およびカム52の両方が、各々のガイド孔部の外側側壁に対して作動または接触し、シャフト50またはカム52に力は作用しない。
【0065】
ここに例示する実施形態においてカム52の外形は、シャフトの外形のように、基本的に放射状ではなく、カム孔部56の外側に対して作動または接触する縁部74を有し、L字型である。カム孔部56の外壁または外側76は、外壁6bを直立させる、または持ち上げる際に、固定外壁領域18における接触面として作用し、該領域において、外壁60を直立させる際、カム52は、いわば支持される。よって、縁部74を有するカムのL字型の外形によって、直立開始直後に、内方に向かう力が側壁6bに作用することで、横孔部区域54bにおけるシャフト50が、内方に移動され、その結果、所定の閾値角度または境界角度を既にこえたときに、図10Aに図示されるように、シャフトが横孔部区域54b内(横孔部区域54bにおける内側端部位置において)位置づけられる。たとえば図7から推測されるように、横孔部区域54bは、固定外壁領域18の材料によって、鉛直方向上向きに閉じられる。この限定は、図7において、2つの突起78aおよび78bによって形成され、横孔部区域54aの上部から、ゲート孔部54へと延び、シャフトがガイド孔部54から出る可能性を防止する。カム52およびカムの接触面76のために、直立させる際、シャフト50は、横孔部区域54b内で、シャフト50が頂部に向かってガイド孔部から除かれ得ない位置まで、横方向内方に移動され、その結果、シャフトが床部2まで外壁6b上に鉛直方向上方に作用する力を伝達することが可能である。
【0066】
よって、概してカム52は、外壁を直立させる際に、カム外形が、接触面56に接触して、シャフト50が横孔部区域54b内方へと移動されるように実施されるカム外形を備える。接触面の形はここでは重要ではなく、図面に例示される平面の接触面は、接触面のあらゆる形状の一例としてのみみなされるべきであり、これにより、カム上にかかる力を示すことになる。たとえば、接触面も、鉛直方向8に関して傾斜していてもよく、これによっても、接触面56に対して基本的に円形のカム外形と組み合わせることにより、位置合わせの際に、シャフトが内方へと移動されることとなる。本実施形態によっても、シャフト50が内方に移動されるように接触面と接触するように、カム外形が実施されるかぎり、カムの形状は実質的に任意であってよいことが明らかとなる。
【0067】
したがって、図11Aに示される完全組み立て状態において、シャフト50は、ガイド孔部54の横孔部区域54bに配置されて、外壁6bおよび床部が、ノンポジティブの方法で連結される。ここで例示される実施形態は、外壁6bの組み立て状態において、ガイド孔部54の外側縁部まで横方向に延びる2つの突出部80aおよび80bを追加で備える。これらの任意の突出部80aおよび80bはさらに、外壁6bが組み立て状態にあるときに、シャフト50がたとえば弾性変形によって望ましくない形でその位置から変位することを防止する。
【0068】
ここで例示される実施形態は、カム52のさらなる任意の実施例または機能性をさらに備える。ここで例示される場合において、カム孔部56bの横孔部区域56bが固定外壁領域18の材料によって、上方への移動が制限される位置において(張り出し部82aおよび82bの位置において)、カム外形はL字型であり、その結果、図10Bおよび図11Bから推測されるように、カム孔部の横孔部区域56bへとカムが係合する。これにより、直立状態において、力が外壁6bから床部2にカム52によって伝達され、それによって、この任意の特徴が実施されたときに、全体構造の安定性をさらに増強し得る。
【0069】
上述のように、接触面76を持つカム52と、ガイド孔部54に配置されるシャフト50との機能的協働によっても、本発明によれば、展開状態において解体可能であり、かつ外壁6bの組み立て状態において、必要な力を床部2に送ることが可能なヒンジ構成を設けることができる。
【0070】
また、本発明のさらなる実施形態を、図6から図11Bを参照して以下に論じる。この実施形態は、折り畳み式箱1の床部2にヒンジ構成の手段で外壁を連結できるようにし、外壁6bが直立後に直立位置を自ら保持するようにする。鉛直方向においてガイド孔部54およびカム孔部56を実施して、カム52およびシャフト50が、頂部から除かれ得るようにするということは、本実施形態に関しては主たる重要性を有することではないので、本発明のここで説明している実施形態においては、この特徴は任意である。壁面の自立を可能にする本発明の実施形態において、図10Aに例示されるように、外壁6bの直立の際に、ある閾値角度68を超えると、外壁6bの下面または基底部66が固定外壁領域18の内側縁部領域19または内側縁部90に接触する前に、シャフト50が内方に移動されるように、カム52のカム外形がガイド表面76と接触するように実施されることが必要である。
【0071】
それから、シャフト50を、鉛直方向に作用する力を吸収する前に、内側縁部領域90のシャフト50までの距離の大きさを決められるように予め配置してよく、それにより、外壁6bを、縁部90を越えて移動させる際、すなわちシャフト50の作用により境界角度68を超える際、外壁6bの下面66を押圧するのに用いられる第2の接触押圧力よりも大きい接触押圧力によって、直立鉛直位置において、固定外壁領域18の上側に対して、シャフト50の作用によって、外壁6bの下面66が内側縁部領域90に対して押圧される。図示されていない代替実施形態において、カム外形の内側は、これがたとえば頂部に向かってカム孔部56を画定するカム孔部56の材料82bとすでに接触している場合、縁部90を超える際に、接触押圧力がカム52の作用によって達成されるように実施されてよい。
【0072】
概して、組み立てられた壁面は、カム外形が、外壁6bを直立させる際、外部表面76に接触して、境界角度または閾値角度68を超えるときに、シャフト50が内方に向かって本来の孔部区域54b内へ移動されるように実施される場合に、組み立て状態において保持される。これにより、シャフト50またはカム52の作用によって、境界角度68を超えた後に、外壁6bの下面66が、第1の接触押圧力によって、固定外壁領域18の内側縁部領域90に対して押圧される。この第1の接触押圧力は、外壁6bの下面66を、直立位置において、シャフト50またはカム52の作用によって固定外壁領域18の上側へと押圧するのに用いられる第2の接触押圧力よりも大きい。
【0073】
組み立ての際に抵抗を克服すべき外壁領域を、固定外壁領域18の内側縁部90の全長によって形成しなくてもよい。むしろ、たとえば必要とされる力に影響を与えるために、内側縁部90の形状的に画定された領域のみを、展開の際に外壁6bと接触させることも可能である。この点において、たとえば、外壁の内部縁部90の位置において、内方に延びる突出部を形成して、外壁6bが、これらの突出部に起因する抵抗を克服しさえすればよいようにしてよい。たとえば、これは、外壁6bを直立させる際に必要とされる力を設定し、ひいてはユーザの要求にこの力を適合させることに役立ち得る。
【0074】
一部の実施形態において、シャフト50が内方へと移動された後、横方向12におけるシャフト50の中央は、内側縁部90よりも折り畳み式箱1のさらに外側の方向にあって、内部縁部90とシャフト50との距離が固定外壁領域18の頂部側とシャフト50との間の距離よりも大きくなる。これは、自動的に、上述の力の比率をもたらす。本発明の全ての実施形態では、外壁6bは、従来の場合のように、シャフトの遅れ等による摩擦ではなく、材料の弾性変形によって直立に保持されるので、磨耗を起こすことなく、組み立てられた外壁6bが、自ら組み立て状態に留まるという本発明の実施形態の機械力学が提供される。
【0075】
図12および図13Aまたは図13Bに関して、本発明のさらなる実施形態を説明する。該実施形態は、非常に力を節約し、あるいは効率的であり、あるいは非常に動きが滑らかで堅牢な方法で操作が可能なロック機構100を備える一方で、ロック機構の誤操作の際に、損傷無く自動的に開くことを保証する緊急ロック解除機能も追加で備える。図12は、図1に例示される折り畳み式箱の側面図を示す。ここで、上面図において例示される横断方向側外壁4bは、スナップ留め要素100を有する、ばねによる予圧または初荷重がかけられたロック機構100を備え、該スナップ留め要素は、外壁6aおよび6bに対して、あるいは横断方向側外壁4bの方向に長手方向側外壁6aおよび6bから延びる突出部22に対して、ラッチで留めることが可能である。これにより、スナップ留め要素が突出部と機械的に着脱可能に連結されることが可能であり、その結果、長手方向側側壁6aおよび6bならびに横断方向側側壁4bが、堅固に、しかし互いに着脱可能に機械的に連結され、安定性の高い組み立て済みの箱1が得られる。
【0076】
以下において、スナップ留め要素を、図12に例示される角部20に関して論ずる。該角部において、横断方向側側壁4bが、長手方向側側壁6bとラッチ留めされる。ここで、図13Aおよび図13Bは、図12の断面線102に沿った断面図を示し、図13Aおよび図13Bにおいて、スナップ留め要素が、突出部22と連結またはラッチ留めされている領域104のみが拡大されて図示されている。図13Aおよび図13Bは、ここで、スナップ留め要素100または突出部22の数種の可能な実施例の1つを例示的に示す。長手方向側側壁6aおよび6bが既に組み立てられた状態で、突出部22は、横断方向側外壁4bの方向に延びる。組み立ての際、これにより、突出部22が横断方向側外壁4bの外方への折り畳み性を制限し、かつ、いわば横断方向側外壁のストッパとして作用するようになる。組み立ての際、横断方向側外壁4bは、組み立て位置において突出部22に接触する。同時に、スナップ留め要素100は、外壁6bの突出部の位置において嵌まり込み、長手方向側外壁と横断方向側外壁との間の機械的に着脱可能な堅固な連結が得られる。
【0077】
ここで例示される実施形態において、突出部22は、長手方向側外壁6aと基本的に平行な、内方に延びるロックフック106を備え、このフックは、内方に向かう第1の接触面108と、外方に向かう第2の接触面110とを含む。組み立て方向113において、横断方向側外壁104を組み立てる際、長手方向側外壁6bと、これとともに、突出部22と、突出部22に取り付けられたロックフック106とが、固定位置にある。組み立ての際、横断方向側外壁4bとともに、横断方向側外壁に連結されたスナップ留め要素100は、図13Aに図示される組み立て方向113において、ロックフック106に対して移動される。ここで、内方に向かう第1の接触面112と、外方に向かう第2の接触面114とをさらに備えるスナップ留め要素100は、内方に向かうロックフック106の接触面108に接触する。内方に向かうロックフック106の接触面108の傾斜により、スナップ留め要素またはロック要素100は、鉛直方向8の上方に向かって移動され、図13Aおよび図13Bに図示されるロックフック106のロック位置にスナップ留めされ得る。
【0078】
スナップ留め要素100および、ばねで予圧がかけられたロック機構は、ここで説明される実施形態において一体的に実施されるため、同様の参照符号が付される。また、ここで論じる本発明の実施形態において、ばねによる予圧または初荷重は、ロック機構と一体的に形成されるばね要素120aおよび120bによって得られ、ばね要素は、その弾性および形状によりロック機構100上にばね力を発揮する。スナップ留め要素100がロックタップ106のロック位置にあると、長手方向側側壁6aおよび6bと、横断方向側側壁4bとが、機械的にラッチ留めまたは結合および連結されて、箱が高い安定性を有する。ロックは、ここで、鉛直方向上方においてロック機構100を作動させることにより、単純な方法で解除することが可能であり、これは単純な方法で、かつ箱を持ち上げるのと同時であっても、搬送孔部128の下部に配置される握り領域106を有するロック機構の形により、実行可能である。
【0079】
ロックとロック解除は鉛直方向8において行われ、かつこの方向においては、長手方向側外壁6a、6bおよび横断方向側外壁4bとの間の連結により吸収されるべき力がないので、ロックおよびロック解除のために、大きな力が用いられなくてよく、該機構を、簡単で確実に操作し得る。本発明の実施形態によれば、外方に向かうロックフック106の第2の接触面110も、鉛直方向8に関して傾斜され、かつ/あるいはロックの第1の接触面112または内方に向けられたスナップ留め要素100が傾斜される。ここで、本発明の実施形態において、内方に向けられたロックフックの第1の接触面108の平均傾斜は、ロックフック106の第2の接触面110の平均傾斜よりも大きい。外方に向けられたロックフック106の第1の接触面110も、内方に向けられたスナップ留め要素100の第2の接触面112に対して傾斜されるので、外部から横断方向側外壁4bに力がかかっても、力成分がスナップ留め要素100に対して上方に作用する。
【0080】
これにより、ばねより予圧がかけられたロック機構が、所定の力の超過時にも壊れることなく、自動的に開く。この力は、ばねの初荷重を考慮して、外方に向けられたロックフック106の第2の接触面110と、内方に向けられたスナップ留め要素110の第1の接触面112との間の相対的な傾斜を調節することにより任意に設定される。これにより、本発明の説明された実施形態において、ロック機構は移動方向に垂直にロックするように実施されるが、操作誤りが生じても、ロック機構が壊れることが防止される。
【0081】
図13Aおよび図13Bに説明される実施形態においては、突出部22の位置で、追加のロックフック106が取り付けられるが、本発明の代替実施形態は、突出部22と、あるいは突出部22自体に設けられた好適な孔部に、直接連結してもよい。ここで決定的なのは、組み立て状態における突起22もしくはこれに連結される要素、および/またはスナップ留め要素100は、鉛直方向8について、横断方向側外壁4bへの内向きの所定の力を超えたときに、ばねの初荷重に反して、ロック機構100が開くように傾斜された接触面110および120を備える。
【0082】
図12において説明した実施形態において、ばねにより予圧がかけられたロック機構100およびスナップ留め要素は、各々一体的に実施されるが、もちろんこれらの部品を数片で実施することも可能であり、あるいは、たとえばロック機構を各側について別々に実施することも可能である。また、これらの場合においても、壊れることのない緊急ロック解除機能が維持され得る。
【0083】
上記の実施形態のいずれも、野菜等の輸送のために、ここで用いられる折り畳み式箱に関して記載された。もちろん、本発明による折り畳み式箱は、この分野の適用に限定されない。むしろ、類似の折り畳み式箱を用いて、ビン等の輸送のような、異なる輸送作業を行うことも可能であり、特に、床型または内部外壁の外形を、特殊な作業向けにより適合するように変更してもよい。
【0084】
選択材料に関しても、あらゆる組み合わせが可能である。したがって、本発明による折り畳み式箱の製造のために、たとえばプラスチック、金属、または木を用いてよい。殊に堅牢に実施されるため、ここでもまた、たとえば皿やカトラリー等を輸送するケータリングの場合のように、安全かつ確実に重荷重を輸送できる。上述の実施形態のうちの1つを使用することにより、衛生的で、洗浄が容易で、非常に堅牢で、小さく折り畳み可能で、扱いが極めて簡単かつ効率的な折り畳み式箱が得られるので、本発明の折り畳み式箱の応用分野は、複数の有益な特徴のために実質的にいかなる使用にも適するため、限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部(2)と、該床部(2)から鉛直方向(8)上方に延びる固定外壁領域(18)と、
外壁(6b)と、該外壁(6b)の基底領域内に配置されるシャフト(50)と、
前記シャフト(50)が内部に配置される、前記固定外壁領域(18)内のガイド孔部(54)であって、
基本的に鉛直方向(8)に延び、前記シャフト(50)を頂部から導出可能な孔部区域(54a)と、
前記固定外壁領域(18)の外部から、横方向(12)内方に延びる横孔部区域(54b)であって、前記シャフト(50)が、その内部において基本的に横方向(12)にずれることが可能な横孔部区域と、
を備えるガイド孔部(54)と、
前記固定外壁領域(18)に配置される接触表面(76)と、
前記外壁(6b)の基底領域内に配置されるカム(52)であって、前記シャフト(50)が前記横孔部区域(54b)内方に移動されるように、前記外壁(6b)の直立の際に、前記接触表面(76)に接触するように実施されるカム外形を備えるカムと、
を備える折り畳み式箱(1)。
【請求項2】
前記ガイド孔部(54)の前記横孔部区域(54b)が、鉛直方向(8)および横方向(12)に基本的に垂直な水平方向(11)の少なくとも1領域において、前記固定外壁領域(18)の材料によって上向きに閉じられる、請求項1に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項3】
前記横孔部区域(54b)が、鉛直方向(8)の底部にある前記ガイド孔部(54)の前記床部(2)上に位置する、請求項1または2に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項4】
前記シャフト(50)が、スペーサ(64)を介して、前記外壁(6b)の基底(66)に装着され、前記凹部の所定の長さにわたって水平方向(11)に延びる、請求項1から3のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項5】
前記シャフト(50)が、その水平方向外延に沿って、少なくとも1つの突出部を備え、前記突出部が、前記外壁(6b)の組み立て状態において、前記ガイド孔部(54)の外側縁部に至るまで基本的に横方向に延びる、請求項1から3のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項6】
前記シャフト(50)は、前記スペーサに対して、水平方向における前記スペーサの両側に対称的に延び、前記シャフト(50)は、両側端部の各々において1つの突出部を備え、前記突出部は、前記外壁(6b)の組み立て状態において、前記ガイド孔部(54)の前記外側縁部に至るまで、基本的に横方向に延びる、請求項4に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項7】
前記ガイド孔部(54)は、前記スペーサを移動させることが可能に横方向内方を通る、前記固定外壁(6b)の材料を貫通する突破口を備える、請求項4から6のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項8】
前記ガイド孔部(54)は、前記突破口の両側において、前記突破口に対して対称的に水平方向に延び、前記横孔部区域(54b)が、前記突破口の各側の少なくとも1領域において、前記固定外壁領域(18)の材料によって鉛直方向(8)上向きに画定される、請求項7に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項9】
前記接触表面(76)が、前記固定外壁領域(18)において配置されるカム孔部(56)内にさらに深く配置される、請求項1から8のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項10】
前記接触表面(76)は、横方向外部にある境界表面により形成される、請求項9に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項11】
前記カム孔部(56)が、
基本的に鉛直方向(8)に延びる孔部区域であって、前記カム(52)を頂部から導出可能な孔部区域と、
前記カム孔部(56)の横方向の外壁境界表面から横方向内方に延びる横孔部区域と、
を備え、
前記横孔部区域が、水平方向における少なくとも1つの領域において、前記固定外壁領域(18)の材料によって鉛直方向(8)上向きに画定される、請求項9または10に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項12】
前記カム(52)が前記カム孔部(56)内に位置づけられるように、前記カム(52)が、前記外壁(6b)の前記基底領域に装着される、請求項9から11のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項13】
前記シャフト(50)の内方への最大移動が、前記外壁(6b)の直立時に、組み立て状態に相当する角度よりも小さい境界角度(68)で生じるように、前記カム外形が実施される、請求項1から12のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項14】
組み立て状態における前記カム(52)が、前記外側の方向の横方向かつ前記床部(2)の方向の鉛直方向(8)において、基本的に平面の外形を有する、請求項13に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項15】
前記外壁(6b)の組み立て状態における前記カム(52)が、前記カム孔部(56)の前記横孔部区域内へ、前記横孔部区域の領域の内側凹部と係合し、この時点で、前記カム孔部(56)の前記横孔部区域が、前記固定外壁領域(18)の材料によって鉛直方向(8)上向きに閉じられるように、前記カム外形が実施される、請求項11から13のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項16】
前記カム(52)および/または前記シャフト(50)が前記基底領域に配置される位置において、前記外壁(6b)が、前記外壁(6b)の外部に配置されるブリッジを備え、該ブリッジは、前記外壁(6b)の高さにわたって鉛直方向(8)に前記カム(52)および/または前記シャフト(50)の基底から延びる、請求項1から15のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。
【請求項17】
前記外壁(6b)の前記基底領域において配置される数個のカム(52)および/または数個のシャフト(50)を備え、該カム(52)および/または該シャフト(50)が前記基底領域内に配置される位置の各々において、前記外壁(6b)が、外壁(6b)の高さにわたって、鉛直方向(8)に該カム(52)および/または該シャフト(50)の基底から外側において延びる複数のブリッジを備える、請求項1から16のいずれか1項に記載の折り畳み式箱(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−523996(P2012−523996A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505157(P2012−505157)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054903
【国際公開番号】WO2010/119072
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(505450928)イフコ・システムズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (12)
【氏名又は名称原語表記】IFCO SYSTEMS GMBH
【Fターム(参考)】