説明

折り畳み式地図表示装置

【課題】拡大操作や縮小操作を簡素化し、副次的な目的は、装置を回さなくても目的地までの経路を把握することを容易とした折り畳み式地図表示装置を提供する。
【解決手段】地図情報を記憶する記憶手段と、表示用パネル群を折り畳んだときには操作部を有する表示用パネルのみ地図情報に基づく地図を表示し、表示用パネル群を広げたときには地図を拡大表示するように制御する制御手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式の情報端末が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の発明は、「折り畳み式情報表示装置」に関するものであり、具体的には「少なくとも1枚の両面表示可能な情報表示用パネルと、少なくとも片面表示可能な1枚の情報表示用パネルとを含む複数枚の情報表示用パネルをヒンジで連結し、折り畳んで重ねて構成した」ものである。
【0003】
特許文献1に記載の発明によれば、折り畳んで使用することにより1面表示を実現することができ、広げて使用することにより複数面表示を実現することができる。したがって、1面表示および複数面表示を実現し得る折り畳み式情報表示装置を提供することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−122189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、地図を片手に観光地に旅行に行ったり、得意先に訪問したりする場合、現在位置から見て目的地がどの方角にあり、どの位の距離があるのかを確認した後、目的地までどのような経路で行くのかを知るため、地図を回してみたり、地図が折り畳み式の場合には広げたりすることがある。
【0006】
特許文献1には地図として利用した場合に2倍拡大表示や、4倍拡大表示することが開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1の情報表示用パネルは、折り畳んだときに、どの面が表示面となるか不明である。したがって、折り畳んだあとにどの面を表示面とするかユーザーが指定するか、複数面に表示を行わなければならない。したがって、ユーザーに煩雑な操作を要求する、又は情報表示用パネルの不要な面に表示を行い、バッテリーを余計に消耗する。
【0008】
また、地図を広げたり、畳んだりするたびに拡大縮小操作を行うのは面倒である。また、ユーザーの中には町中で地図や情報表示装置を回す様子を他人に見られるのを好まないユーザーがいる。
このため、操作が簡便で無駄にバッテリーを消耗しない畳み式地図表示装置が望まれる。拡大操作や縮小操作を簡素化し、装置を回さなくても目的地までの経路を把握することが容易な折り畳み式地図表示装置が望まれる。
【0009】
そこで、本発明の主な目的は、操作が簡便で無駄にバッテリーを消耗しない畳み式地図表示装置を提供することにある。また、拡大操作や縮小操作を簡素化し、副次的な目的は、装置を回さなくても目的地までの経路を把握することを容易とした折り畳み式地図表示装置を提供することにある。
また、折り畳み可能な表示装置を提供することにより、広いスペースで地図を閲覧するときには大画面で見やすく、街中で地図を閲覧するときには邪魔にならずに人目を気にせず地図を閲覧することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、表示用パネルを折り畳み自在に構成した折り畳み式地図表示装置であって、前記表示用パネルに地図を表示し、表示用パネルを折り畳んだときに前記表示用パネルのうち操作部を有する面にのみ前記地図を縮小してすべて表示する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、表示用パネルを折り畳み自在に構成した折り畳み式地図表示装置であって、前記表示用パネルに地図を表示し、前記地図の一部をユーザーが指定したあと、前記表示用パネルを折り畳んだときに前記表示用パネルのうち前記操作部を有する面に、前記一部を含みかつ表示用パネルを折り畳む前の縮尺と同じ縮尺で地図を表示する制御手段とを、備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記制御手段は、前記表示用パネルに回転のジェスチャー入力が行われると、前記地図を所望の角度に回転表示するように制御することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項記載の発明において、前記制御手段は、前記前記表示用パネルに前記ユーザーの移動履歴を表示するように制御することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項記載の発明において、前記地図情報を、ネットワークを介して前記記憶手段に記憶させる通信手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、拡大操作や縮小操作を簡素化し、装置を回さなくても目的地までの経路を把握することを容易とした折り畳み式地図表示装置の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る折り畳み式地図表示装置の一実施の形態を示す平面外観図である。
【図2】図1に示した折り畳み式地図表示装置1000のブロック図の一例である。
【図3】(a)〜(d)は、折り畳み式地図表示装置を四つ折り状態から展開する場合の説明図である。
【図4】(a)〜(d)は、折り畳み式地図表示装置を展開状態から四つ折り状態にする場合の説明図である。
【図5】(a)〜(d)は、折り畳み式地図表示装置を完全展開状態から四つ折り状態に折り畳む場合の説明図である。
【図6】図1に示した折り畳み式地図表示装置を作動させてから完全展開状態にするまでのフローチャートの一例である。
【図7】図1に示した折り畳み式地図表示装置を完全展開状態から四つ折り状態にして停止するまでのフローチャートの一例である。
【図8】ユーザーが京都の三十三間堂の近傍で折り畳み式地図表示装置1000を水平にもって北に向いた状態の表示画面の一例である。
【図9】ユーザーが地図を右回転させたときの表示画面の一例である。
【図10】ユーザーが地図を右回転させたときの表示画面の一例である。
【図11】本発明に係る折り畳み式地図表示装置の他の動作についての説明図である。
【図12】本発明に係る折り畳み式地図表示装置の他の動作についての説明図である。
【図13】本発明に係る折り畳み式地図表示装置の他の動作についての説明図である。
【図14】本発明に係る折り畳み式地図表示装置の他の動作についての説明図である。
【図15】本発明に係る折り畳み式地図表示装置の他の動作についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<概 説>
次に本発明に係る折り畳み式地図表示装置の実施の形態について述べる。
図1は、本発明に係る折り畳み式地図表示装置の一実施の形態を示す平面外観図である。
本実施の形態では折り畳み式地図表示装置1000が4つ折り式の場合で説明する。同図に示す折り畳み式地図表示装置1000は折り畳んだ状態(例えばA4サイズ)を示している。
【0018】
折り畳み式地図表示装置1000は、表示用パネル100−1のタッチパネル101−1に地図(図では京都駅周辺が示されているが限定されるものではない。)が南北逆の状態を表示している。
表示用パネル100−1の中心部にはユーザーの現在の位置がシンボル300として表示され、隅には縮尺及び磁石が表示されている。磁石は、鋭角三角形が地図上の北を示し、星印が実際の北を示す(図では地図上の北が下方向となっており、実際の北が上方向となっている。これとは逆に、鋭角三角形が実際の北を示し、星印が地図上の北を示すように設定してもよい。)。これはユーザーが三十三間堂の近傍で北を向いて折り畳み式地図表示装置1000を水平に持っている状態を示している。表示用パネル100−1には凡例が表示されていても良い。表示用パネル100−1の右側及び下側には操作部207が設けられており、上側及び左側にはヒンジ部151〜154が設けられている。
【0019】
操作部207には、左下から右上に向かって、バックライトボタン104、左スクロールボタン105、下スクロールボタン106、上スクロールボタン107、右スクロールボタン108、電源ボタン(図では「0/1」と表記)109、メモリーカード挿入口112、及びタッチペン(以下、ペンと表記)113が設けられている。
【0020】
バックライトボタン104は、表示用パネル100−1及びタッチパネル100−1を装置内から照明するためのボタンである。
【0021】
電源ボタン109は、折り畳み式地図表示装置1000のオンオフを制御するためのボタンである。
左スクロールボタン105は、表示用パネル100−1に表示された地図を左方向にスクロール表示させるためのボタンであり、下スクロールボタン106は、表示用パネル100−1に表示された地図を下方向にスクロール表示させるためのボタンである。上スクロールボタン107は、表示用パネル100−1に表示された地図を上方向にスクロール表示させるためのボタンであり、右スクロールボタン108は、表示用パネル100−1に表示された地図を右方向にスクロール表示させるためのボタンである。また、上スクロールボタンに地図を拡大表示するための機能を、下スクロールボタンに地図を縮小表示する機能を割り当てることもできる。
【0022】
表示用パネル100−1に表示された地図を回転表示する場合には、地名、鉄道路線名、道路名、施設名、駅名等の名称はユーザーに見やすいように表示用パネル100−1に平行もしくは垂直に表示される。地図記号は、表示されている地図が元の状態の状態とは異なっている(南北逆の状態である)ことを認識させるため元のままとしているが、名称と同期していてもよい。
【0023】
メモリーカード挿入口112は、後述するメモリーカードを挿入するための挿入口である。
【0024】
<構 成>
図2は、図1に示した折り畳み式地図表示装置1000のブロック図の一例である。
CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、バックライト部204、I/O(Input Output)205、メモリーカード206、操作部207、センサ群208、GPS部209、表示用パネル群100、タッチパネル101群がバスライン211に接続されている。バスライン211には、外部(例えばネットワーク)から地図データ、観光情報、店舗情報等のデータを受信する通信部210がオプションで接続されていてもよい。
【0025】
CPU201は、折り畳み式地図表示装置1000を統括制御する回路であり、例えばマイクロプロセッサが用いられる。
【0026】
ROM202は、折り畳み式地図表示装置1000の制御プログラムを記憶する回路であり、例えばマスクROMが用いられる。
【0027】
RAM203は、外部からのデータや、後述するペン113入力により作成されたデータを一時的に記憶する回路であり、例えばフラッシュメモリーが用いられる。
【0028】
バックライト部204は、前述したように表示用パネル100群及びタッチパネル101群を装置側から照明するものであり、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられるが、EL(Electronic Luminescence)素子を用いても良い。
【0029】
I/O205は、外部の回路(例えば、HDD(Hard Disk Drive))に接続するためのポートであり、例えばUSB(Universal Serial Bus line)ポートが用いられる。
【0030】
メモリーカード206は、RAM202に記憶したデータを保存したり、RAM202にデータを記憶させたりするためのものであり、図示しないコネクタを介してバスライン211に着脱自在に接続される。
【0031】
操作部207は、前述したバックライトボタン104、左スクロールボタン105、下スクロールボタン106、上スクロールボタン107、右スクロールボタン108、電源ボタン109、及びペン113を有する。
【0032】
センサ群208は、表示用パネル群100及びタッチパネル群101に設けられ、折り畳み式地図表示装置1000が四つ折り状態か横二つ折り状態か、縦二つ折り状態か、完全展開状態かを判別するためのセンサ群であり、例えば、複数のマイクロスイッチが展開状態を検知するように構成されるが、光センサを用いて展開状態を検知するように構成しても良い。
【0033】
GPS部209は、人工衛星を用いて現在位置を検知するための公知の回路である。
【0034】
表示用パネル群100は、四つの表示用パネル100−1〜100−4からなり、例えば液晶表示素子が用いられるが、プラズマディスプレイを用いてもよい。表示用パネル100は、CPU201からの指令により四つ折りの場合には、操作部204側の表示用パネル100−1のみ作動し、二つ折りの場合には表示用パネル100−1及び表示用パネル100−1に連接する表示用パネル100−2もしくは表示用パネル100−3のみ作動し、全開(四つの表示用パネル100−1〜100−4を広げた状態)の場合には全表示用パネル100−1〜100−4を表示させるようになっている。
【0035】
タッチパネル群101は、四つのタッチパネル101−1〜101−4からなり、例えば、抵抗膜式タッチパネルが用いられる(赤外線式、超音波表面弾性波式、音響波照合式、赤外線イメージセンサ式、プロジェクテッド・キャパシティブ式、サーフェイス・キャパシティブ式でもよい。)。各タッチパネル101−1〜101−4は、それぞれ表示用パネル100−1〜100−4の前面に設けられている。
タッチパネル群101は、タッチ入力の他、ドラッグやドロップを含むジェスチャー入力にも対応できるようになっている。
【0036】
通信部210は、例えばネットワークに接続するためのものであり、モデムもしくは無線LAN(Local Area Network)カードが挙げられる。
【0037】
図3(a)〜(d)は、折り畳み式地図表示装置を四つ折り状態から展開する場合の説明図である。これとは逆に図4(a)〜(d)は、折り畳み式地図表示装置を展開状態から四つ折り状態にする場合の説明図である。
図3(a)、図4(d)は4つ折り状態を示し、図3(b)、図4(c)は縦二つ折り状態を示し、図3(c)、図4(b)は横二つ折り状態を示し、図3(d)、図4(a)は完全展開状態をそれぞれ示している。
折り畳み式地図表示装置1000は、四つ折り状態から横二つ折り状態、縦二つ折り状態、もしくは完全展開状態に広げた場合には四つ折り状態で表示した地図を4倍に拡大した状態を表示するように設定されている。
例えば、図3(a)では、関東地方全域(例えば、160万分の1とする)を表示し、図3(b)の縦二つ折り状態では図3(a)を四倍に拡大したときの関東地方(40万分の1)の一部である東海地方を表示用パネル100−2に表示すると共に房総半島を表示用パネル100−1に表示する。
図3(b)の縦二つ折り状態では、図3(a)に示した地図を四倍に拡大したときの関東地方の一部である伊豆半島周辺を表示用パネル100−2に表示すると共に、房総半島周辺を表示用パネル100−1に表示する。
図3(c)の横二つ折り状態では、図3(a)に示した地図を四倍に拡大したときの関東地方の一部である房総半島周辺を表示用パネル100−1に表示すると共に、茨城県周辺を表示用パネル101−3に表示する。
図3(d)の完全展開状態では、図3(a)に示した地図を4倍に拡大したときの関東地方を表示用パネル101−1〜101−4に表示する。
【0038】
図5(a)〜(d)は、折り畳み式地図表示装置を完全展開状態から四つ折り状態に折り畳む場合の説明図である。
図5(a)は完全展開状態を示し、図5(b)は横二つ折り状態を示し、図5(c)は縦二つ折り状態を示し、図5(d)は四つ折り状態をそれぞれ示している。
折り畳み式地図表示装置1000は、折り畳むことにより自動的に完全展開状態で表示した地図のサイズを4分の1のサイズに縮小表示する(図3(a)参照)が、図5(a)に示すように、例えばユーザーが手120で表示用パネル100−1の前面に設けられたタッチパネル101−1をタッチすると、折り畳み式地図表示装置1000を折り畳んでもタッチされた地図(この場合房総半島)のサイズを変えずにそのまま表示用パネル100−1に表示するようにしても良い。
【0039】
<動 作 1>
図6は、図1に示した折り畳み式地図表示装置を作動させてから完全展開状態にするまでのフローチャートの一例を示し、図7は、図1に示した折り畳み式地図表示装置を完全展開状態から四つ折り状態にして停止するまでのフローチャートの一例を示す。
動作の主体はCPU201(図2参照)である。
図6において、CPU201は、折り畳み式地図表示装置1000の電源ボタン109(いずれも図1参照)がオンされると(ステップS1)、センサ群208からの信号に基づいて、四つ折り状態であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0040】
CPU201は、折り畳み式地図表示装置1000が四つ折り状態であると判断した場合(ステップS2/Yes)、操作部207(図1参照)を有する表示用パネル101−1に所定縮尺(例えば160万分の1とするが限定されるものではない。)の地図(図2、3では関東地方であるが限定されない。)を表示し(ステップS3)、ステップS4へ進む。
【0041】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が四つ折り状態でないと判断した場合(ステップS2/No)、折り畳み式地図表示装置1000が縦二つ折り状態であるか否かを判断する(ステップS5)。
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、ステップS4で折り畳み式地図表示装置1000が広げられたか否かを判断し、折り畳み式地図表示装置1000が広げられたと判断した場合(ステップS4/Yes)、ステップS5に進み、折り畳み式地図表示装置1000が広げられていないと判断した場合(ステップS4/No)、ステップS3に戻る。
【0042】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が縦二つ折り状態であると判断した場合(ステップS5/Yes)、操作部207を有する表示用パネル101−1及び表示用パネル101−1に隣接する表示用パネル101−2に所定縮尺の4倍のサイズ(40万分の1)の地図を表示することにより、横長表示し、ステップS7に進む。
【0043】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が縦二つ折り状態でないと判断した場合(ステップS5/No)、折り畳み式地図表示装置1000が横二つ折り状態であるか否かを判断する(ステップS9)。
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が横二つ折り状態であると判断した場合(ステップS9/Yes)、操作部207を有する表示用パネル101−1及び表示用パネル101−1に隣接する表示用パネル101−3に所定縮尺の4倍のサイズ(40万分の1)の地図を表示することにより、縦長表示し、ステップS11に進む。
【0044】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、横二つ折り状態ではないと判断した場合(ステップS9/No)、折り畳み式地図表示装置1000が完全展開状態であると判断して四つの表示用パネル100−1〜100−4に所定縮尺倍率の4倍のサイズ(40万分の1)の地図(図3(d)参照)を表示する(ステップS8)。
【0045】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、広げられたと判断した場合(ステップS7/Yes、ステップS11/Yes)はステップS8に進み、広げられていないと判断した場合(ステップS7/No、ステップS11/No)、ステップS2に戻る。
【0046】
CPU201は、何れかの表示用パネル100−1〜100−4がユーザーによりタッチされたか否かを判断し(ステップS12)、何れかの表示用パネル100−1〜100−4がユーザーによりタッチされたと判断した場合(ステップS12/Yes)、タッチされた表示用パネルに表示された地図を、操作部207を有する表示用パネル100−1にそのままのサイズで表示し(ステップS13)、ステップS14に進む。
【0047】
図6#7において、CPU201は、何れかの表示用パネル100−1〜100−4がユーザーによりタッチされていないと判断した場合(ステップS12/No)、折り畳み式地図表示装置1000が折りたたまれたか否かを判断する(ステップS14)。
【0048】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折りたたまれていないと判断した場合(ステップS14/No)、ステップS8に戻り(図6参照)、折りたたまれたと判断した場合(ステップS14/Yes)、折り畳み式地図表示装置1000が縦二つ折り状態か否かを判断する(ステップS15)。
【0049】
CPU201は、折り畳み式地図表示装置1000が縦二つ折り状態であると判断した場合(ステップS15/Yes)、操作部207を有する表示用パネル100−1、及び表示用パネル100−1に隣接する表示用パネル100−2に所定縮尺の4分の1倍のサイズ(40万分の1)の地図を横長表示し(ステップS16)、ステップS17に進む。
【0050】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が縦二つ折り状態でないと判断した場合(ステップS15/No)、折り畳み式地図表示装置1000が横二つ折りか否かを判断する(ステップS19)。
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が横二つ折り状態でないと判断した場合(ステップS19/No)、操作部207を有する表示用パネル100−1に所定縮尺(160万分の1)の地図を表示する(ステップS18)。
【0051】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が折りたたまれたか否かを判断し(ステップS17、S21)、折り畳み式地図表示装置1000が折りたたまれたと判断した場合(ステップS17/Yes、ステップS21/Yes)、ステップS18に進む。
【0052】
CPU201は、センサ群208からの信号に基づいて、折り畳み式地図表示装置1000が折りたたまれていないと判断した場合(ステップS17/No、ステップS21/No)、ステップS15に戻る。
【0053】
CPU201は、電源ボタン109(図1参照)がオフされると、地図の表示を停止して終了する。
【0054】
以上において、本折り畳み式地図表示装置によれば、拡大操作や縮小操作を簡素化することができる。
【0055】
<動 作 2>
図を参照して、本発明に係る折り畳み式地図表示装置の他の動作について説明する。
図8は、ユーザーが京都の三十三間堂の近傍で折り畳み式地図表示装置1000を水平にもって北に向いた状態の表示画面の一例である。
図9は、ユーザーが京都の三十三間堂の近傍で折り畳み式地図表示装置1000に対してジェスチャー入力を行い、表示を回転させたときの表示画面の一例である。ジェスチャーとは、表示用パネル100−1に、タッチペン113で矢印を記入する方法などが考えられる。
図10は、ユーザーが京都の三十三間堂の近傍で折り畳み式地図表示装置1000は、同様の方法で表示画像を125度回転させたときの表示画面の一例である。
このように、本折り畳み式地図表示装置100は、装置を回すことなく、表示用パネルの地図の画像だけを回転させることができる。
【0056】
<動 作 3>
図を参照して、本発明に係る折り畳み式地図表示装置のさらに他の動作について説明する。
図11〜15は、本発明に係る折り畳み式地図表示装置の他の動作についての説明図である。
図11に示すように、例えば表示用パネル100−1に表示された清水寺の位置をペン113でタッチすると表示用パネル100−1に「メモ書きできます」の吹き出しが表示される。例えば図12のようにユーザーがペン113で吹き出しに「2010年3月21日見学」と書くと、その吹き出しに「データを保存しますか。→Yes、No」が表示され、ユーザーがペン113で「Yes」にタッチすると、データはRAM203に保存され、その吹き出しに「データを保存しました。終了しますか。→Yes、No」が表示され、ユーザーがペン113で「Yes」をタッチすると終了して図11に示した画像に戻り、ユーザーがペン113で「No」をタッチすると、前述のメモ書きに追記することができるようになっている。
【0057】
また、メモ書きしたデータは、メモリーカード挿入口112に挿入されたメモリーカード206に記録できるようになっている。
【0058】
以上において、本折り畳み式地図表示装置によれば、装置を回さなくても目的地までの経路を把握することが容易となる。また、折り畳み可能な表示装置を提供することにより、広いスペースで地図を閲覧するときには大画面で見やすく、街中で地図を閲覧するときには邪魔にならずに人目を気にせず地図を閲覧することを可能にする。
【0059】
<プログラム>
以上で説明した本発明にかかる折り畳み式地図表示装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0060】
例えば、
複数の表示用パネルを折り畳み自在に連結した折り畳み式地図表示装置のコンピュータに、
記憶手段が地図情報を記憶する手順、
制御手段が、表示用パネル群を折り畳んだときには操作部を有する表示用パネルのみ地図情報に基づく地図を表示し、表示用パネル群を広げたときには地図を拡大表示するように制御する手順、を実行させるプログラムが挙げられる。
【0061】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかる折り畳み式地図表示装置を実現することができる。
【0062】
<記憶媒体>
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリー、RAM、ROM、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0063】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。例えば、現在位置を中心とする同心円を距離と共に表示したりしてもよい。
【0064】
また、上述した実施の形態では、拡大、縮小、回転、スクロール等をボタンで操作する場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ジェスチャー入力で操作するように構成してもよい。
【0065】
また、上述した実施の形態では、四つ折り状態に可能な場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、二つ折り、六つ折り、八つ折り、蛇腹、もしくは、予め複数の表示用パネルを積層しておき、いわば引き戸のように横方向にスライドできるように構成してもよい。
また、上述した実施の形態では複数のパネル群をヒンジで連結して表示用パネルとした場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1枚のパネルで表示用パネルを構成してもよい。
【0066】
また、上述した実施の形態では、折り畳み式地図表示装置のサイズがA4サイズの場合で説明したが、限定されるものではなく、A6、A5サイズであってもB4サイズであってもよい。
【0067】
また、表示用パネルにユーザーの移動経路を表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
100 表示用パネル群
100−1〜100−4 表示用パネル
101 タッチパネル群
101−1〜101−4 タッチパネル
104 バックライトボタン
105 左スクロールボタン
106 下スクロールボタン
107 上スクロールボタン
108 右スクロールボタン
109 電源ボタン
110 左回転ボタン
111 右回転ボタン
112 メモリーカード挿入口
113 ペン
151〜154 ヒンジ部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 バックライト部
205 I/O
206 メモリーカード
207 操作部
208 センサ群
209 GPS部
210 通信部
211 バスライン
300 シンボル
1000 折り畳み式地図表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用パネルを折り畳み自在に構成した折り畳み式地図表示装置であって、
前記表示用パネルに地図を表示し、表示用パネルを折り畳んだときに前記表示用パネルのうち操作部を有する面にのみ前記地図を縮小してすべて表示する制御手段と、を備えたことを特徴とする折り畳み式地図表示装置。
【請求項2】
表示用パネルを折り畳み自在に構成した折り畳み式地図表示装置であって、
前記表示用パネルに地図を表示し、前記地図の一部をユーザーが指定したあと、前記表示用パネルを折り畳んだときに前記表示用パネルのうち前記操作部を有する面に、前記一部を含みかつ表示用パネルを折り畳む前の縮尺と同じ縮尺で地図を表示する制御手段とを、備えることを特徴とする折り畳み式地図表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記表示用パネルに回転のジェスチャー入力が行われると、前記地図を所望の角度に回転表示するように制御することを特徴とする請求項1または2記載の折り畳み式地図表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記前記表示用パネルに前記ユーザーの移動履歴を表示するように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の折り畳み式地図表示装置。
【請求項5】
前記地図情報を、ネットワークを介して前記記憶手段に記憶させる通信手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の折り畳み式地図表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−209576(P2011−209576A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78243(P2010−78243)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】