折り畳み式椅子
【課題】 単純な構造で、コンパクトに構成する。
【解決手段】 座面支持部材7に係止突起10aと回動軸12とを設ける。座面9と一体的に動く可倒部材14に、回動軸12に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合される長穴15と、この長穴15の長さ方向と同方向に開口する係止凹部16とを設ける。座面9が着座姿勢にあるときは、長穴15の長さ方向が上下方向になるとともに、係止凹部16が係止突起10aに上方から嵌合しており、これにより可倒部材14は回動軸12に対して回動不可能となっている。座面9とともに可倒部材14を上方に持ち上げ、係止突起10aと係止凹部16との嵌合を解除すると、可倒部材14は座面9とともに回動軸12の回りに回動可能となり、折り畳むことができる。
【解決手段】 座面支持部材7に係止突起10aと回動軸12とを設ける。座面9と一体的に動く可倒部材14に、回動軸12に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合される長穴15と、この長穴15の長さ方向と同方向に開口する係止凹部16とを設ける。座面9が着座姿勢にあるときは、長穴15の長さ方向が上下方向になるとともに、係止凹部16が係止突起10aに上方から嵌合しており、これにより可倒部材14は回動軸12に対して回動不可能となっている。座面9とともに可倒部材14を上方に持ち上げ、係止突起10aと係止凹部16との嵌合を解除すると、可倒部材14は座面9とともに回動軸12の回りに回動可能となり、折り畳むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳み式椅子に係り、特に、漁船、レジャーボート等の小型船舶、パチンコ店、飲食店等の椅子として好適な折り畳み式椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
漁船、プレジャーボート等の小型船舶においては、スペースが限られているため、椅子を常に着座可能な固定的な構成とすると、椅子の存在が邪魔になることがある。このため、従来より、小型船舶用の椅子として、随時折り畳み可能な折り畳み式椅子が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【特許文献1】特開平2−286104号公報
【特許文献1】特開平3−73107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の船舶用の折り畳み式椅子は、構造が複雑で大型化するという問題があった。また、単に折り畳みできるのみで、不使用時に邪魔にならない位置に移動することは不可能であった。
【0004】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の一つの目的は、単純な構造で、コンパクトに構成することができ、小型船舶等に好適な畳み式椅子を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、単に折り畳みできるのみならず、不使用時には邪魔にならない位置に移動することもできる折り畳み式椅子を提供することにある。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による折り畳み式椅子は、座面支持部材と、この座面支持部材に設けられた横方向に突出する係止突起と、前記係止突起の上方において前記座面支持部材に設けられた、横方向に延びる回動軸と、可倒部材と、この可倒部材に設けられており、前記回動軸に、該回動軸に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合された長穴と、前記可倒部材に設けられており、前記長穴の長さ方向と同方向に開口する係止凹部と、前記可倒部材に支持されており、前記可倒部材と一体的に動く座面とを有してなり、
前記座面が、座ることが可能になる着座姿勢にあるときは、前記長穴の長さ方向が上下方向になるとともに、前記係止凹部が前記係止突起に上方から嵌合しており、これにより前記可倒部材は前記回動軸に対して回動不可能となっている一方、
前記座面とともに前記可倒部材を上方に持ち上げて前記係止突起から前記係止凹部を離間させ、前記係止突起と前記係止凹部との嵌合を解除すると、前記可倒部材は前記座面とともに前記回動軸の回りに回動可能になるようになっているものである。
【0008】
本発明においては、椅子を使用するときは、座面を着座姿勢とする。この状態では、長穴が上下方向に延びるとともに、係止凹部が係止突起に上方から嵌合しており、これにより可倒部材は回動軸に対して回動不可能となっている。このように座面が着座姿勢となっている状態では、使用者は座面に座ることができる。
【0009】
他方、椅子を折り畳みたいときは、座面とともに可倒部材を一旦上方に持ち上げ、係止突起から係止凹部を離間させて係止突起と係止凹部との嵌合を解除すると、可倒部材は座面とともに回動軸の回りに回動可能になる。そして、引き続き座面とともに可倒部材を回動させて行けば、座面を着座姿勢から倒して折り畳み姿勢とすることができる。
【0010】
また、座面支持部材を床面に対して移動可能とすれば、単に上述のように折り畳みできるのみならず、不使用時には座面支持部材を床面に対して移動することにより、椅子全体を、より邪魔にならない位置まで移動することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の折り畳み式椅子は、
(イ)単純な構造で、コンパクトに構成することができる、
(ロ)座面支持部材を床面に対して移動可能とすることにより、単に折り畳みできるのみならず、不使用時にはより邪魔にならない位置に移動することもできる、
等の優れた効果を得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1〜12は本発明の実施例1を示している。折り畳み式椅子1のベース2は小型船舶等の床面3に固定されるようになっている。前記ベース2には支柱パイプ4が上下方向に延びるように固定立設されており、この支柱パイプ4内にはガスシリンダ5の一部が収容されている(図5参照)。
【0014】
前記ガスシリンダ5の昇降軸6(図2〜4参照)の上端部には、座面支持部材7が取り付けられている。前記ガスシリンダ5には、昇降操作レバー8が設けられており、この昇降操作レバー8を操作することにより、昇降軸6ひいては座面支持部材7を後述する座面9とともに昇降できるようになっている。この座面支持部材7には、2つの板状の立ち上がり部7aが一体的に立設されている。これらの立ち上がり部7aは同一形状でそれぞれ上端側を半円状とされており、互いに若干の間隙を介して平行な状態で対向されている。前記2つの立ち上がり部7aには横方向に丸棒状の係止棒10が貫通されている。この係止棒10の両端部は、2つの立ち上がり部7aの両外側に若干突出しており、これらの突出部は本実施例においてそれぞれ係止突起10aを構成している。なお、前記係止棒10は2つの立ち上がり部7aに対して、自己の軸線回りに回転可能とされている。図2に示されるように、前記係止棒10には、2つの立ち上がり部7a間において、該係止棒10より外径が大きい固定リング11が外嵌されて固定されており、これにより係止棒10は立ち上がり部7aから両方向に抜け止めされている。前記2つの立ち上がり部7aには、係止棒10の上方において、係止棒10と平行に横方向に延びる回動軸12が貫通されており、この回動軸12の両端部は2つの立ち上がり部7aの両外側に若干突出している。ここで、前記係止棒10と回動軸12とは、図3および4によく示されるように、それらの軸方向から見ると、支柱パイプ4の軸線と一致する上下方向に延びる一直線上に配置されている。図2に示されるように、前記回動軸12には、2つの立ち上がり部7a間において、該回動軸12より外径が大きい固定リング13が外嵌されて固定されており、これにより回動軸12は立ち上がり部7aから両方向に抜け止めされている。
【0015】
可倒部材14は、座面受け部14aと、この座面受け部14aから下方(座面9が後述する着座位置にあるときの下方)に延びる2つの板状部14bとを一体的に有している。これらの板状部14bは同一形状でそれぞれ先端側を大略半円状とされており、互いに若干の間隙を介して平行な状態で対向されている。前記2つの板状部14bにはそれぞれ座面受け部14aに対し垂直方向に延びる長穴15が設けられており、これらの長穴15は回動軸12に、該回動軸12に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合されている。図6等によく示されるように、各長穴15の座面受け部14a側の端部15a付近は、先端側ほど幅が狭くなる先細りの形状とされている。前記2つの板状部14bの先端側周縁部には、長穴15の延びる方向と同方向に開口する係止凹部16がそれぞれ設けられている。これらの係止凹部16は、奥側ほど幅が狭くなる形状とされている。前記可倒部材14の2つの板状部14bの係止凹部16付近の周縁部は曲線状(この場合、特に円弧状)をなすガイド部14cとされている。前記可倒部材14の座面受け部14aの上面には、座面9が固定されており、これにより可倒部材14と座面9とは一体的に動くようになっている。前記座面受け部14aには、板状部14bの幅方向両側においてストッパ17,18が取り付けられている。これらのストッパ17,18は、それぞれゴムや熱可塑性エラストマー等のゴム弾性を有する材料からなり、短い円柱状をなしている。
【0016】
なお、前記座面支持部材7の立ち上がり部7aおよび可倒部材14の板状部14bは、本実施例では、それぞれ強度上および(または)バランスの観点から、2つずつ設けられているが、機能的にはそれぞれ1つのみ設けてもよい。
【0017】
図2および5に示されるように、前記支柱パイプ4の上端部には、全周に渡って多数の回り止め溝部19が設けられている。前記支柱パイプ4の上端部付近には、環状をなす被螺合部材20が、支柱パイプ4材に対し回転可能に外側から嵌合されている。この被螺合部材20には、雄ねじ21が横方向に螺合されており、この雄ねじ21の先端部は回り止め溝部19の任意の1つに係合可能となっている。前記雄ねじ21の後端部にはノブ22が固定されている。前記被螺合部材20には、支柱パイプ4の径方向外側に突出するアーム部20aが設けられている。前記座面支持部材7にも、支柱パイプ4の径方向外側に突出するアーム部7bが設けられており、アーム部20a,7b間には連結棒23が渡されている。ここにおいて、前記回り止め溝部19、被螺合部材20、雄ねじ21、ノブ22、連結棒23およびアーム部7bは、本実施例における回転ロック手段を構成している。前記支柱パイプ4と座面支持部材7との間には、蛇腹24が設けられており、ガスシリンダ5の昇降軸6の昇降に応じて伸縮するようになっている。
【0018】
次に、本実施例の作動を説明する。この椅子1を使用するときは、図1〜4および6に示されるような、座面9が支柱パイプ4に対して大略垂直方向となる着座姿勢とする。この状態では、図1,3,4および6によく示されるように、長穴15が上下方向に延びるとともに、係止凹部16が係止突起10aに上方から嵌合しており、これにより可倒部材14は回動軸12に対して回動不可能となっている。この状態では、使用者は座面9に座ることができる。
【0019】
なお、本実施例では、各長穴15の座面受け部14a側の端部15a(着座姿勢における上端部)付近が先端側ほど幅が狭くなる先細りの形状とされ、各係止凹部16も奥側ほど幅が狭くなる形状とされているので、着座姿勢においては、長穴15および係止凹部16の内面が回動軸12および係止突起10aに強く押圧されることになるので、座面9がガタつくことがない。
【0020】
他方、椅子1を折り畳みたいときは、図1〜4および6の着座姿勢から、図7のように座面9とともに可倒部材14を一旦上方に持ち上げ、係止突起10aから係止凹部16を離間させて係止突起10aと係止凹部16との嵌合を解除すると、図8のように、可倒部材14は座面9とともに回動軸12の回りに回動可能になる。そして、引き続き座面9とともに可倒部材14を回動させて行けば、図9のようにガイド部14cが係止突起10から離間する状態を経て、図10のように座面9を着座姿勢から90度回動した折り畳み姿勢とすることができる。この図10のように座面9を前方側に回動して折り畳み姿勢とすると、ストッパ17が座面支持部材7の立ち上がり部7aの側部に当接し、可倒部材14および座面9はそれ以上前方側に回動できなくなる。
【0021】
ここで、本実施例では、板状部14bの係止凹部16付近の周縁部が曲線状(特に円弧状)のガイド部14cとされているので、図7のように座面9とともに可倒部材14を一旦上方に持ち上げ、可倒部材14を座面9とともに回動軸12の回りに少し回動した後、座面9を持ち上げるのを止めると、図8のようにガイド部14cが係止突起10aの外周面に摺接して可倒部材14および前記座面9の回動を案内するので、使用者が座面9を支持する力を特に細かくコントロールしなくても、座面9をスムーズに回動できる。
【0022】
なお、前述のように可倒部材14が座面9とともに回動される過程において、長穴15は回動軸12に対して一定位置にあるのではなく、最初は、長穴15の下端部が回動軸12から離れて行き、折り畳み位置に近づいたところで、逆に、長穴15の下端部が回動軸12に再び近づいて行くというように移動する。
【0023】
また、座面9は、前述のように前方側に回動させる場合と全く同様にして、図11および12に示されるように、後方側に回動しても折り畳むことができる。図12は、座面9を後方側に回動した場合の、着座姿勢から90度回動した折り畳み姿勢であり、この場合は、ストッパ18の方が座面支持部材7の立ち上がり部7aの側部に当接し、可倒部材14および座面9はそれ以上後方側に回動できなくなる。
【0024】
前方または後方への折り畳み姿勢から着座姿勢にするには、折り畳む場合と逆の手順にを行えばよい。
【0025】
また、操作レバー8によりガスシリンダ5を操作して昇降軸6を昇降することにより、座面9の高さを調整することができるが、ガスシリンダ5の固定側と可動(昇降)側は互いに軸線回りに回転可能になっているので、基本的には、座面9はベース2ひいては床面3に対してガスシリンダ5の軸回り(支柱パイプ4と同軸)に回転可能になっている。しかし、座面9が所望の回転位置にあるときに、ノブ22とともに雄ねじ21を締め付け方向に回転して、図2および5のように雄ねじ21の先端部を回り止め溝部19の1つに係合すれば、被螺合部材20が支柱パイプ4ひいては床面3に対して回転不可能になるので、この被螺合部材20に連結棒23、座面支持部材7およぴ可倒部材14を介して連係されている座面9も、床面3に対して回転不能になるため、前記所望回転位置に座面9をロックすることができる。
【0026】
なお、本実施例では、係止突起10a(係止棒10)および回動軸12がそれぞれ座面支持部材7に対して自己の軸線回りに回転可能とされているので、可倒部材14が回動される際、可倒部材14と係止突起10a(係止棒10)および回動軸12との接触により可倒部材14の回動の円滑性が阻害されることがない。
【実施例2】
【0027】
図13および14は、本発明の実施例2を示している。本実施例においては、小型船舶等の壁25際の部分には、アーム26の基端部が、アーム回転軸27を中心として床面3と平行な面内において回動可能に支持されている。前記アーム26の先端部には、前記実施例1と同様の椅子1のベース2が取り付けられている。ただし、本実施例の場合、前記ベース2の底面側にはキャスタ28が取り付けられており、アーム26が回動されると、それに伴ってベース2、ひいては椅子1全体が、キャスタ28を転動させながら床面3上を移動するようになっている。
【0028】
本実施例においては、使用時には、図13および14の実線位置で示されるように椅子1を壁25から離れた位置に位置させた後、その位置で座面9を図13の実線で示されているように着座姿勢にして使用することができる。他方、不使用時には、前記実施例の場合と同様にして座面9を回動して図13の一点鎖線および図14に示されるように座面9を折り畳んだ後、矢印Aのようにアーム26を椅子1とともに回動して、図14の一点鎖線位置で示されるように椅子1を壁25際まで移動することにより、椅子1を、より邪魔にならない位置まで移動することができる(この際、座面9は矢印Bのように適当な角度、ベース2に対して回転する)。
【0029】
なお、本実施例においては、椅子1が円状の軌跡を描いて移動されるようにしているが、直線状等の軌跡を描いて移動されるようにしてもよい。
また、前記各実施例では、座面9が前方および後方の両方に回動できるようになっているが、いずれか一方向にのみ回動できるようにしてもよい。また、座面を側方に回動できるようにしてもよい。
【0030】
本発明は、漁船、レジャーボート等の小型船舶もみならず、パチンコ店、飲食店等の他の分野の椅子にも適用できるものである。
【0031】
また、本発明においては、背もたれを座面に対して折り畳み可能に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように本発明による折り畳み式椅子は、漁船、レジャーボート等の小型船舶、パチンコ店、飲食店等の椅子として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による折り畳み式椅子の実施例1を着座姿勢において示す斜視図である。
【図2】前記実施例1を着座姿勢において示す正面図である。
【図3】前記実施例1を着座姿勢において示す右側面図である。
【図4】前記実施例1を着座姿勢において示す左側面図である。
【図5】図2のV−V線における断面図である。
【図6】着座姿勢における前記実施例1の座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図7】前記実施例1において、座面および可倒部材を着座姿勢から上方に持ち上げた状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図8】前記実施例1において、座面および可倒部材を前方に回動して行く状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図9】前記実施例1において、座面および可倒部材をさらに前方に回動した状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図10】前記実施例1において、座面および可倒部材を前方への折り畳み姿勢とした状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図11】前記実施例1において、座面および可倒部材付近を後方に回動して行く状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図12】前記実施例1において、座面および可倒部材付近を後方への折り畳み姿勢とした状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図13】本発明の実施例2において椅子が使用位置にある状態を示す側面図である。
【図14】前記実施例2において椅子を使用位置から壁際の不使用位置へ移動する様子を示す平面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 折り畳み式椅子
3 床面
5 ガスシリンダ
7 座面支持部材
7b アーム部(回転ロック手段)
9 座面
10a 係止突起
12 回動軸
14 可倒部材
14c ガイド部
15 長穴
16 係止凹部
19 回り止め溝部(回転ロック手段)
20 被螺合部材(回転ロック手段)
21 雄ねじ(回転ロック手段)
22 ノブ(回転ロック手段)
23 連結棒(回転ロック手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳み式椅子に係り、特に、漁船、レジャーボート等の小型船舶、パチンコ店、飲食店等の椅子として好適な折り畳み式椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
漁船、プレジャーボート等の小型船舶においては、スペースが限られているため、椅子を常に着座可能な固定的な構成とすると、椅子の存在が邪魔になることがある。このため、従来より、小型船舶用の椅子として、随時折り畳み可能な折り畳み式椅子が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【特許文献1】特開平2−286104号公報
【特許文献1】特開平3−73107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の船舶用の折り畳み式椅子は、構造が複雑で大型化するという問題があった。また、単に折り畳みできるのみで、不使用時に邪魔にならない位置に移動することは不可能であった。
【0004】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の一つの目的は、単純な構造で、コンパクトに構成することができ、小型船舶等に好適な畳み式椅子を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、単に折り畳みできるのみならず、不使用時には邪魔にならない位置に移動することもできる折り畳み式椅子を提供することにある。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による折り畳み式椅子は、座面支持部材と、この座面支持部材に設けられた横方向に突出する係止突起と、前記係止突起の上方において前記座面支持部材に設けられた、横方向に延びる回動軸と、可倒部材と、この可倒部材に設けられており、前記回動軸に、該回動軸に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合された長穴と、前記可倒部材に設けられており、前記長穴の長さ方向と同方向に開口する係止凹部と、前記可倒部材に支持されており、前記可倒部材と一体的に動く座面とを有してなり、
前記座面が、座ることが可能になる着座姿勢にあるときは、前記長穴の長さ方向が上下方向になるとともに、前記係止凹部が前記係止突起に上方から嵌合しており、これにより前記可倒部材は前記回動軸に対して回動不可能となっている一方、
前記座面とともに前記可倒部材を上方に持ち上げて前記係止突起から前記係止凹部を離間させ、前記係止突起と前記係止凹部との嵌合を解除すると、前記可倒部材は前記座面とともに前記回動軸の回りに回動可能になるようになっているものである。
【0008】
本発明においては、椅子を使用するときは、座面を着座姿勢とする。この状態では、長穴が上下方向に延びるとともに、係止凹部が係止突起に上方から嵌合しており、これにより可倒部材は回動軸に対して回動不可能となっている。このように座面が着座姿勢となっている状態では、使用者は座面に座ることができる。
【0009】
他方、椅子を折り畳みたいときは、座面とともに可倒部材を一旦上方に持ち上げ、係止突起から係止凹部を離間させて係止突起と係止凹部との嵌合を解除すると、可倒部材は座面とともに回動軸の回りに回動可能になる。そして、引き続き座面とともに可倒部材を回動させて行けば、座面を着座姿勢から倒して折り畳み姿勢とすることができる。
【0010】
また、座面支持部材を床面に対して移動可能とすれば、単に上述のように折り畳みできるのみならず、不使用時には座面支持部材を床面に対して移動することにより、椅子全体を、より邪魔にならない位置まで移動することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の折り畳み式椅子は、
(イ)単純な構造で、コンパクトに構成することができる、
(ロ)座面支持部材を床面に対して移動可能とすることにより、単に折り畳みできるのみならず、不使用時にはより邪魔にならない位置に移動することもできる、
等の優れた効果を得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1〜12は本発明の実施例1を示している。折り畳み式椅子1のベース2は小型船舶等の床面3に固定されるようになっている。前記ベース2には支柱パイプ4が上下方向に延びるように固定立設されており、この支柱パイプ4内にはガスシリンダ5の一部が収容されている(図5参照)。
【0014】
前記ガスシリンダ5の昇降軸6(図2〜4参照)の上端部には、座面支持部材7が取り付けられている。前記ガスシリンダ5には、昇降操作レバー8が設けられており、この昇降操作レバー8を操作することにより、昇降軸6ひいては座面支持部材7を後述する座面9とともに昇降できるようになっている。この座面支持部材7には、2つの板状の立ち上がり部7aが一体的に立設されている。これらの立ち上がり部7aは同一形状でそれぞれ上端側を半円状とされており、互いに若干の間隙を介して平行な状態で対向されている。前記2つの立ち上がり部7aには横方向に丸棒状の係止棒10が貫通されている。この係止棒10の両端部は、2つの立ち上がり部7aの両外側に若干突出しており、これらの突出部は本実施例においてそれぞれ係止突起10aを構成している。なお、前記係止棒10は2つの立ち上がり部7aに対して、自己の軸線回りに回転可能とされている。図2に示されるように、前記係止棒10には、2つの立ち上がり部7a間において、該係止棒10より外径が大きい固定リング11が外嵌されて固定されており、これにより係止棒10は立ち上がり部7aから両方向に抜け止めされている。前記2つの立ち上がり部7aには、係止棒10の上方において、係止棒10と平行に横方向に延びる回動軸12が貫通されており、この回動軸12の両端部は2つの立ち上がり部7aの両外側に若干突出している。ここで、前記係止棒10と回動軸12とは、図3および4によく示されるように、それらの軸方向から見ると、支柱パイプ4の軸線と一致する上下方向に延びる一直線上に配置されている。図2に示されるように、前記回動軸12には、2つの立ち上がり部7a間において、該回動軸12より外径が大きい固定リング13が外嵌されて固定されており、これにより回動軸12は立ち上がり部7aから両方向に抜け止めされている。
【0015】
可倒部材14は、座面受け部14aと、この座面受け部14aから下方(座面9が後述する着座位置にあるときの下方)に延びる2つの板状部14bとを一体的に有している。これらの板状部14bは同一形状でそれぞれ先端側を大略半円状とされており、互いに若干の間隙を介して平行な状態で対向されている。前記2つの板状部14bにはそれぞれ座面受け部14aに対し垂直方向に延びる長穴15が設けられており、これらの長穴15は回動軸12に、該回動軸12に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合されている。図6等によく示されるように、各長穴15の座面受け部14a側の端部15a付近は、先端側ほど幅が狭くなる先細りの形状とされている。前記2つの板状部14bの先端側周縁部には、長穴15の延びる方向と同方向に開口する係止凹部16がそれぞれ設けられている。これらの係止凹部16は、奥側ほど幅が狭くなる形状とされている。前記可倒部材14の2つの板状部14bの係止凹部16付近の周縁部は曲線状(この場合、特に円弧状)をなすガイド部14cとされている。前記可倒部材14の座面受け部14aの上面には、座面9が固定されており、これにより可倒部材14と座面9とは一体的に動くようになっている。前記座面受け部14aには、板状部14bの幅方向両側においてストッパ17,18が取り付けられている。これらのストッパ17,18は、それぞれゴムや熱可塑性エラストマー等のゴム弾性を有する材料からなり、短い円柱状をなしている。
【0016】
なお、前記座面支持部材7の立ち上がり部7aおよび可倒部材14の板状部14bは、本実施例では、それぞれ強度上および(または)バランスの観点から、2つずつ設けられているが、機能的にはそれぞれ1つのみ設けてもよい。
【0017】
図2および5に示されるように、前記支柱パイプ4の上端部には、全周に渡って多数の回り止め溝部19が設けられている。前記支柱パイプ4の上端部付近には、環状をなす被螺合部材20が、支柱パイプ4材に対し回転可能に外側から嵌合されている。この被螺合部材20には、雄ねじ21が横方向に螺合されており、この雄ねじ21の先端部は回り止め溝部19の任意の1つに係合可能となっている。前記雄ねじ21の後端部にはノブ22が固定されている。前記被螺合部材20には、支柱パイプ4の径方向外側に突出するアーム部20aが設けられている。前記座面支持部材7にも、支柱パイプ4の径方向外側に突出するアーム部7bが設けられており、アーム部20a,7b間には連結棒23が渡されている。ここにおいて、前記回り止め溝部19、被螺合部材20、雄ねじ21、ノブ22、連結棒23およびアーム部7bは、本実施例における回転ロック手段を構成している。前記支柱パイプ4と座面支持部材7との間には、蛇腹24が設けられており、ガスシリンダ5の昇降軸6の昇降に応じて伸縮するようになっている。
【0018】
次に、本実施例の作動を説明する。この椅子1を使用するときは、図1〜4および6に示されるような、座面9が支柱パイプ4に対して大略垂直方向となる着座姿勢とする。この状態では、図1,3,4および6によく示されるように、長穴15が上下方向に延びるとともに、係止凹部16が係止突起10aに上方から嵌合しており、これにより可倒部材14は回動軸12に対して回動不可能となっている。この状態では、使用者は座面9に座ることができる。
【0019】
なお、本実施例では、各長穴15の座面受け部14a側の端部15a(着座姿勢における上端部)付近が先端側ほど幅が狭くなる先細りの形状とされ、各係止凹部16も奥側ほど幅が狭くなる形状とされているので、着座姿勢においては、長穴15および係止凹部16の内面が回動軸12および係止突起10aに強く押圧されることになるので、座面9がガタつくことがない。
【0020】
他方、椅子1を折り畳みたいときは、図1〜4および6の着座姿勢から、図7のように座面9とともに可倒部材14を一旦上方に持ち上げ、係止突起10aから係止凹部16を離間させて係止突起10aと係止凹部16との嵌合を解除すると、図8のように、可倒部材14は座面9とともに回動軸12の回りに回動可能になる。そして、引き続き座面9とともに可倒部材14を回動させて行けば、図9のようにガイド部14cが係止突起10から離間する状態を経て、図10のように座面9を着座姿勢から90度回動した折り畳み姿勢とすることができる。この図10のように座面9を前方側に回動して折り畳み姿勢とすると、ストッパ17が座面支持部材7の立ち上がり部7aの側部に当接し、可倒部材14および座面9はそれ以上前方側に回動できなくなる。
【0021】
ここで、本実施例では、板状部14bの係止凹部16付近の周縁部が曲線状(特に円弧状)のガイド部14cとされているので、図7のように座面9とともに可倒部材14を一旦上方に持ち上げ、可倒部材14を座面9とともに回動軸12の回りに少し回動した後、座面9を持ち上げるのを止めると、図8のようにガイド部14cが係止突起10aの外周面に摺接して可倒部材14および前記座面9の回動を案内するので、使用者が座面9を支持する力を特に細かくコントロールしなくても、座面9をスムーズに回動できる。
【0022】
なお、前述のように可倒部材14が座面9とともに回動される過程において、長穴15は回動軸12に対して一定位置にあるのではなく、最初は、長穴15の下端部が回動軸12から離れて行き、折り畳み位置に近づいたところで、逆に、長穴15の下端部が回動軸12に再び近づいて行くというように移動する。
【0023】
また、座面9は、前述のように前方側に回動させる場合と全く同様にして、図11および12に示されるように、後方側に回動しても折り畳むことができる。図12は、座面9を後方側に回動した場合の、着座姿勢から90度回動した折り畳み姿勢であり、この場合は、ストッパ18の方が座面支持部材7の立ち上がり部7aの側部に当接し、可倒部材14および座面9はそれ以上後方側に回動できなくなる。
【0024】
前方または後方への折り畳み姿勢から着座姿勢にするには、折り畳む場合と逆の手順にを行えばよい。
【0025】
また、操作レバー8によりガスシリンダ5を操作して昇降軸6を昇降することにより、座面9の高さを調整することができるが、ガスシリンダ5の固定側と可動(昇降)側は互いに軸線回りに回転可能になっているので、基本的には、座面9はベース2ひいては床面3に対してガスシリンダ5の軸回り(支柱パイプ4と同軸)に回転可能になっている。しかし、座面9が所望の回転位置にあるときに、ノブ22とともに雄ねじ21を締め付け方向に回転して、図2および5のように雄ねじ21の先端部を回り止め溝部19の1つに係合すれば、被螺合部材20が支柱パイプ4ひいては床面3に対して回転不可能になるので、この被螺合部材20に連結棒23、座面支持部材7およぴ可倒部材14を介して連係されている座面9も、床面3に対して回転不能になるため、前記所望回転位置に座面9をロックすることができる。
【0026】
なお、本実施例では、係止突起10a(係止棒10)および回動軸12がそれぞれ座面支持部材7に対して自己の軸線回りに回転可能とされているので、可倒部材14が回動される際、可倒部材14と係止突起10a(係止棒10)および回動軸12との接触により可倒部材14の回動の円滑性が阻害されることがない。
【実施例2】
【0027】
図13および14は、本発明の実施例2を示している。本実施例においては、小型船舶等の壁25際の部分には、アーム26の基端部が、アーム回転軸27を中心として床面3と平行な面内において回動可能に支持されている。前記アーム26の先端部には、前記実施例1と同様の椅子1のベース2が取り付けられている。ただし、本実施例の場合、前記ベース2の底面側にはキャスタ28が取り付けられており、アーム26が回動されると、それに伴ってベース2、ひいては椅子1全体が、キャスタ28を転動させながら床面3上を移動するようになっている。
【0028】
本実施例においては、使用時には、図13および14の実線位置で示されるように椅子1を壁25から離れた位置に位置させた後、その位置で座面9を図13の実線で示されているように着座姿勢にして使用することができる。他方、不使用時には、前記実施例の場合と同様にして座面9を回動して図13の一点鎖線および図14に示されるように座面9を折り畳んだ後、矢印Aのようにアーム26を椅子1とともに回動して、図14の一点鎖線位置で示されるように椅子1を壁25際まで移動することにより、椅子1を、より邪魔にならない位置まで移動することができる(この際、座面9は矢印Bのように適当な角度、ベース2に対して回転する)。
【0029】
なお、本実施例においては、椅子1が円状の軌跡を描いて移動されるようにしているが、直線状等の軌跡を描いて移動されるようにしてもよい。
また、前記各実施例では、座面9が前方および後方の両方に回動できるようになっているが、いずれか一方向にのみ回動できるようにしてもよい。また、座面を側方に回動できるようにしてもよい。
【0030】
本発明は、漁船、レジャーボート等の小型船舶もみならず、パチンコ店、飲食店等の他の分野の椅子にも適用できるものである。
【0031】
また、本発明においては、背もたれを座面に対して折り畳み可能に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように本発明による折り畳み式椅子は、漁船、レジャーボート等の小型船舶、パチンコ店、飲食店等の椅子として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による折り畳み式椅子の実施例1を着座姿勢において示す斜視図である。
【図2】前記実施例1を着座姿勢において示す正面図である。
【図3】前記実施例1を着座姿勢において示す右側面図である。
【図4】前記実施例1を着座姿勢において示す左側面図である。
【図5】図2のV−V線における断面図である。
【図6】着座姿勢における前記実施例1の座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図7】前記実施例1において、座面および可倒部材を着座姿勢から上方に持ち上げた状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図8】前記実施例1において、座面および可倒部材を前方に回動して行く状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図9】前記実施例1において、座面および可倒部材をさらに前方に回動した状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図10】前記実施例1において、座面および可倒部材を前方への折り畳み姿勢とした状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図11】前記実施例1において、座面および可倒部材付近を後方に回動して行く状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図12】前記実施例1において、座面および可倒部材付近を後方への折り畳み姿勢とした状態を示す座面および可倒部材付近の拡大右側面図である。
【図13】本発明の実施例2において椅子が使用位置にある状態を示す側面図である。
【図14】前記実施例2において椅子を使用位置から壁際の不使用位置へ移動する様子を示す平面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 折り畳み式椅子
3 床面
5 ガスシリンダ
7 座面支持部材
7b アーム部(回転ロック手段)
9 座面
10a 係止突起
12 回動軸
14 可倒部材
14c ガイド部
15 長穴
16 係止凹部
19 回り止め溝部(回転ロック手段)
20 被螺合部材(回転ロック手段)
21 雄ねじ(回転ロック手段)
22 ノブ(回転ロック手段)
23 連結棒(回転ロック手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面支持部材と、この座面支持部材に設けられた横方向に突出する係止突起と、前記係止突起の上方において前記座面支持部材に設けられた、横方向に延びる回動軸と、可倒部材と、この可倒部材に設けられており、前記回動軸に、該回動軸に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合された長穴と、前記可倒部材に設けられており、前記長穴の長さ方向と同方向に開口する係止凹部と、前記可倒部材に支持されており、前記可倒部材と一体的に動く座面とを有してなり、
前記座面が、座ることが可能になる着座姿勢にあるときは、前記長穴の長さ方向が上下方向になるとともに、前記係止凹部が前記係止突起に上方から嵌合しており、これにより前記可倒部材は前記回動軸に対して回動不可能となっている一方、
前記座面とともに前記可倒部材を上方に持ち上げて前記係止突起から前記係止凹部を離間させ、前記係止突起と前記係止凹部との嵌合を解除すると、前記可倒部材は前記座面とともに前記回動軸の回りに回動可能になるようになっている折り畳み式椅子。
【請求項2】
前記座面は、前記座面支持部材に対して前記着座姿勢から大略90度回動した折り畳み姿勢まで回動可能とされている請求項1記載の折り畳み式椅子。
【請求項3】
前記可倒部材の前記係止凹部付近の周縁部は曲線状のガイド部とされており、前記座面とともに前記可倒部材を上方に持ち上げて前記係止突起から前記係止凹部を離間させ、前記係止突起と前記係止凹部との嵌合を解除し、前記可倒部材を前記座面とともに前記回動軸の回りに若干回動した後、前記座面および前記可倒部材を持ち上げるのを止めると、前記ガイド部が前記係止突起の外周面に摺接して前記可倒部材および前記座面の回動を案内するようになっている請求項1または2記載の折り畳み式椅子。
【請求項4】
床面に設置されるベースと、このベースに取り付けられ、前記座面支持部材を昇降させるガスシリンダと、前記ベースに対し前記座面支持部材を所望の回転位置においてロックする回転ロック手段とをさらに有する請求項1乃至3のいずれかに記載の折り畳み式椅子。
【請求項5】
前記座面支持部材は、床面に対して移動可能とされている請求項1乃至4のいずれかに記載の折り畳み式椅子。
【請求項1】
座面支持部材と、この座面支持部材に設けられた横方向に突出する係止突起と、前記係止突起の上方において前記座面支持部材に設けられた、横方向に延びる回動軸と、可倒部材と、この可倒部材に設けられており、前記回動軸に、該回動軸に対して回動可能かつ長さ方向に移動可能に嵌合された長穴と、前記可倒部材に設けられており、前記長穴の長さ方向と同方向に開口する係止凹部と、前記可倒部材に支持されており、前記可倒部材と一体的に動く座面とを有してなり、
前記座面が、座ることが可能になる着座姿勢にあるときは、前記長穴の長さ方向が上下方向になるとともに、前記係止凹部が前記係止突起に上方から嵌合しており、これにより前記可倒部材は前記回動軸に対して回動不可能となっている一方、
前記座面とともに前記可倒部材を上方に持ち上げて前記係止突起から前記係止凹部を離間させ、前記係止突起と前記係止凹部との嵌合を解除すると、前記可倒部材は前記座面とともに前記回動軸の回りに回動可能になるようになっている折り畳み式椅子。
【請求項2】
前記座面は、前記座面支持部材に対して前記着座姿勢から大略90度回動した折り畳み姿勢まで回動可能とされている請求項1記載の折り畳み式椅子。
【請求項3】
前記可倒部材の前記係止凹部付近の周縁部は曲線状のガイド部とされており、前記座面とともに前記可倒部材を上方に持ち上げて前記係止突起から前記係止凹部を離間させ、前記係止突起と前記係止凹部との嵌合を解除し、前記可倒部材を前記座面とともに前記回動軸の回りに若干回動した後、前記座面および前記可倒部材を持ち上げるのを止めると、前記ガイド部が前記係止突起の外周面に摺接して前記可倒部材および前記座面の回動を案内するようになっている請求項1または2記載の折り畳み式椅子。
【請求項4】
床面に設置されるベースと、このベースに取り付けられ、前記座面支持部材を昇降させるガスシリンダと、前記ベースに対し前記座面支持部材を所望の回転位置においてロックする回転ロック手段とをさらに有する請求項1乃至3のいずれかに記載の折り畳み式椅子。
【請求項5】
前記座面支持部材は、床面に対して移動可能とされている請求項1乃至4のいずれかに記載の折り畳み式椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−346370(P2006−346370A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179994(P2005−179994)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000174600)埼玉化工株式会社 (2)
【出願人】(594199968)有限会社光電 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000174600)埼玉化工株式会社 (2)
【出願人】(594199968)有限会社光電 (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]