押しボタンスイッチ用ロック解除防止具
【課題】簡単な構成で且つ確実に押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチを操作者が前面側からの操作によってはロック解除を不可能とすることができる押しボタンスイッチを実現するためのロック解除防止具を提供する。
【解決手段】ロック解除防止具10は、押しボタンスイッチ1の操作部3を外囲する筒状ベース体12と、操作部3の操作面及び外周面を覆う筒状カバー体11とを備える。カバー体11には第1係合爪17設けられ、筒状ベース体12には第1係合爪17に係合する第2係合爪19が設けられ、押しボタンスイッチ1が押し込み位置に達したときに、第1係合爪17と第2係合爪19とが係合してロック状態とされる。押し込み位置では、カバー体11の前面部11Aが筒状ベース体12内に没入しており、しかも、カバー体11の外周面と筒状ベース体12内周面の間は、指若しくはドライバー等の治具を挿入できない微少な間隙に維持されている。
【解決手段】ロック解除防止具10は、押しボタンスイッチ1の操作部3を外囲する筒状ベース体12と、操作部3の操作面及び外周面を覆う筒状カバー体11とを備える。カバー体11には第1係合爪17設けられ、筒状ベース体12には第1係合爪17に係合する第2係合爪19が設けられ、押しボタンスイッチ1が押し込み位置に達したときに、第1係合爪17と第2係合爪19とが係合してロック状態とされる。押し込み位置では、カバー体11の前面部11Aが筒状ベース体12内に没入しており、しかも、カバー体11の外周面と筒状ベース体12内周面の間は、指若しくはドライバー等の治具を挿入できない微少な間隙に維持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者の操作によってはロック状態を解除することを不可能とする押しボタンスイッチ用ロック解除防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の押しボタンスイッチには、誤操作防止のためにスイッチガードが用いられている。このスイッチガードは、図13に示すように、ベース体50とカバー体51とを備え、操作盤に取り付けられた押しボタンスイッチ52の操作部に装着されている。そして、通常時にはカバー体51を閉鎖しておき、誤操作を防止し、操作時にはカバー体51を開けて押しボタンスイッチ52を操作している。また、スイッチガードにおいて単一の部品構成でスプリングリターン方式と位置保持方式の両方の開閉方式に対応できるようにした構成のものが提案されている(実開平7−34527号公報参照)。
【0003】
ところで、押しボタンスイッチは、例えば非常用停止スイッチとして用いられる場合があり、異常発生時やメンテンナンス等のため装置の作動を停止するために押圧操作され、この場合には押し込み位置でロックされたままとなっている。
上記ロック状態は、例えばオルタネイト形押しボタンスイッチの場合、再度押圧操作することにより解除することができるが、異常を修復するまでは停止状態を維持する必要がある様な装置に押しボタンスイッチを使用する場合には、一度操作すると押し込み位置でロックされ、操作者によってロックを解除できない構成のスイッチであることが要望される。このような押しボタンスイッチを実現しようとすると、例えば押しボタンのロックが可能な従来のオルタネイト形押しボタンスイッチと、図13に示すスイッチガードとを組み合わせても実現不可能である。なぜなら、従来のスイッチガードは、スイッチの誤操作を防止するために、スイッチをガードしているだけであり、ロック機能は持っておらず、スイッチガードを開けて押しボタンを押せばロック解除できてしまうからである。
そこで、上記の用途に押しボタンスイッチを使用する場合には、押しボタンスイッチに接続されるリレーやシーケンサ等によって回路的に一旦押し込まれたスイッチが元に復帰しても、装置の作動停止状態を維持するように構成されている。しかしながら、このようなリレーやシーケンサ等を用いる場合には、一旦押し込まれたスイッチが元に復帰しても、装置の作動停止状態を維持するための専用の回路や専用の制御プログラムを設けておく必要があり、コストが高くつく。
【0004】
【特許文献1】実開平7−34527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、上記特許文献1のスイッチガードは、単一の部品構成でスプリングリターン方式と位置保持方式の両方の開閉方式に対応できるようにしたものであり、図13に示す従来のスイッチガードと同様に、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチのロック解除を防止する機能を有するものではない。従って、図13に示す従来のスイッチガードと同様に、従来の押しボタンスイッチと組み合わせても、ロック解除防止機能を有する押しボタンスイッチを実現できない。
そこで、従来から、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチのロック状態の解除を防止する機能を、リレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成でロック解除を防止する防止具が要望されていた。
【0006】
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、簡単な構成で且つ確実に押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチを操作者が前面側からの操作によってはロック解除を不可能とすることができる押しボタンスイッチを実現するための押しボタンスイッチ用ロック解除防止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者が前面側からの操作によってロック状態を解除することを不可能とする押しボタン用ロック解除防止具であって、前記操作パネル盤から前方側に露出した押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチの操作部を外囲する筒状ベース体を備え、前記筒状ベース体はその内周面が前記操作部外周面と所定の間隙をあけるようにして外装されており、且つ、筒状ベース体の前方側端面が、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチの操作面に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
用語「所定の間隙」とは、押しボタンスイッチを引き出すべく、筒状ベース体と操作部外周面との間に、指又はドライバ等の治具を挿入することができない程度の間隙を意味する。
上記構成により、ロック状態とされる押し込み位置では、押しボタンスイッチの操作面が筒状ベース体と同一位置か若しくは筒状ベース体内に没入しており、しかも、筒状ベース体と押しボタンスイッチの操作部との間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべく押しボタンスイッチを筒状ベース体から引き抜くことは不可能である。換言すれば、操作パネル盤に取り付けられた状態の押しボタンスイッチのロック状態の解除は不可能な構造となっている。従って、本発明に係るロック解除防止具を用いることにより、従来例のようなリレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成で、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の押しボタン用ロック解除防止具であって、押しボタンスイッチの操作部の操作面及び外周面を覆うカバー体を備え、カバー体には第1係合手段が設けられ、筒状ベース体には前記第1係合手段に係合する第2係合手段が設けられ、前記カバー体を押し込んで押しボタンスイッチが押し込み位置に達したときに、カバー体の第1係合手段が前記筒状ベース体の第2係合手段に係合して、前記押しボタンスイッチが押し込み位置から前方側へ移動することを規制するように構成されたことを特徴とする。
【0010】
上記の如く、押し込み位置で第1係合手段と第2係合手段が係合状態となることにより、押しボタンスイッチとして、押し込み力を解除すると元の状態に復帰するモメンタリ形押しボタンスイッチ、若しくはオルタネイト形押しボタンスイッチを使用することができる。
なお、カバー体は押しボタンスイッチの操作部の操作面及び外周面を覆う構成であることから、筒状ベース体の内周面とカバー体外周面との間は、指又はドライバ等の治具を挿入することができない程度の間隙に維持されており、且つ、押しボタンスイッチが押し込み位置でロックされた状態では、筒状ベース体の前方側端面が、カバー体の前面部に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されている。従って、請求項1記載の発明と同様に、ロック状態とされる押し込み位置では、カバー体の前面部が筒状ベース体と同一位置か若しくは筒状ベース体内に没入しており、しかも、筒状ベース体とカバー体との間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべく押しボタンスイッチを筒状ベース体から引き抜くことは不可能となっている。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の押しボタン用ロック解除防止具であって、前記押しボタンスイッチはプッシュ・プル形又はプッシュロック・ターンリセット形押しボタンスイッチであることを特徴とする。
【0012】
プッシュ・プル形又はプッシュロック・ターンリセット形押しボタンスイッチはスイッチ自体にロック機能を有するので、上記請求項2記載の発明のような第1係合手段及び第2係合手段を設ける必要がなく、構成が簡略化される。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具であって、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチを吸着手段又は接着手段によって引き出すことを防止すべく、吸着手段又は接着手段の吸着又は接着を無効にする無効化手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、吸着手段又は接着手段を用いて、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチのロック状態を解除することが防止できる。この結果、より安全性が向上する。なお、「無効化手段を備えた」とは、装置的・構造的手段を設ける場合の他に、所定の材料で成型することも含まれる。機械的・構造的手段としては、例えば、カバー体の前面側表面に吸着無効化溝を形成する場合が該当する。また、所定の材料で成型する場合としては、例えば、カバー体を接着困難な材料で成型する場合が該当する。接着困難な材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る押しボタンスイッチ用ロック解除防止具によれば、ロック状態とされる押し込み位置では、押しボタンスイッチの操作面が筒状ベース体と同一位置か若しくは筒状ベース体内に没入しており、しかも、筒状ベース体と押しボタンスイッチの操作部との間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべく押しボタンスイッチを筒状ベース体から引き抜くことは不可能である。換言すれば、操作パネル盤に取り付けられた状態の押しボタンスイッチのロック状態の解除は不可能な構造となっている。従って、本発明に係るロック解除防止具を用いることにより、従来例のようなリレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成で、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るロック解除防止具を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1及び図2は実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図、図3は実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図、図4は図3のA−A矢視断面図、図5はロック解除防止具の分解斜視図である。なお、図1は押しボタンスイッチが押し込まれていない状態を示し、図2は押しボタンスイッチが押し込まれた状態を示している。また、図4においては、その下半分に押しボタンスイッチが押し込まれていない状態を描いており、その上半分に押しボタンスイッチが押し込まれた状態を描いている。
【0018】
1は押しボタンスイッチであり、本実施の形態における押しボタンスイッチは押し込み位置でロックされず、押し込み力を解除すると元の状態に復帰するモメンタリ形スイッチ、若しくは押し込み位置でロックされ、再度押し込むとロック解除されるオルタネイト形スイッチが用いられる。なお、押しボタンスイッチは、これに限定されず、その他のプッシュ・プル形(押しボタンを押し込むとロックし、引くとロック解除)及びプッシュロック・ターンリセット形(押しボタンを押し込むとロックし、回転させるとロック解除)スイッチにも適用することができる。
【0019】
押しボタンスイッチ1は、押しボタン2を備えた操作部3と、押しボタン2の押し込み操作によって接点の開閉がなされる接点機構を備えたスイッチ本体4と有する。操作部3は操作パネル盤5の前方側に配置され、スイッチ本体4は操作パネル盤5の後方側に配置されている。スイッチ本体4には係止リング6及びロックナット7が装着されている。押しボタンスイッチ1は、操作パネル盤5に挿入された状態で係止リング6及びロックナット7により操作パネル盤5に固定されている。
【0020】
ここで、注目すべきは、押しボタンスイッチ1にはロック解除防止具10が装着されていることである。本実施の形態におけるロック解除防止具10は、押しボタンスイッチ1が押し込まれた場合に押し込み位置でロックする機能と、ロック状態の押しボタンスイッチ1のロック解除を防止する機能を併有している。なお、後述する実施の形態2のように、押しボタンスイッチ1自体にロック機能がある場合には、ロック解除防止具は、押し込み位置でロックする機能を有さず、ロック状態の押しボタンスイッチのロック解除を防止する機能のみを有するものであってもよい。
【0021】
次いで、本発明の要旨であるロック解除防止具10の具体的構成について説明する。ロック解除防止具10は、図5に示すように、押しボタン2を覆う有底円筒状のカバー体11と、カバー体11を外囲すると共にカバー体11を押し込み方向X(図1参照)に移動自在に支持する円筒状ベース体12とを備える。このベース体12内周面とカバー体11の外周面との間隙は、極めて小さく、指若しくはドライバー等の治具を挿入することが不可能となっている。また、カバー体11は、押しボタン2の操作面2a(図1参照)を覆う前面部11Aと、押しボタン2の外周面を覆う筒状部11Bとが一体的に形成されている。カバー体11及びベース体12は樹脂成型品である。
【0022】
カバー体11の前面部11Aは、押しボタン2の操作面2aに対応した形状とされ、本実施の形態では押しボタン2の操作面2aが円形であることから、これに対応してカバー体11の前面部11Aは円形とされている。押しボタン2の操作面2aが角形であれば、これに対応してカバー体11の前面部11Aは角形とされる。
【0023】
また、カバー体11の筒状部11Aには、その表面にカバー体11の軸方向と平行に延びる直線状の案内凸部13が周方向に複数個(本実施の形態では4個)形成されている。一方、この案内凸部13に対応して、ベース体12の内周面には、ベース体12の軸と平行に延びる案内溝14が周方向に複数個(本実施の形態では4個)形成されている。そして、上記案内凸部13が案内溝14に緩やかに嵌り込み、案内溝14に沿って案内凸部13が移動することにより、カバー体11が押し込み方向Xに円滑に押し込み操作可能とされている。
【0024】
また、カバー体11の筒状部11Bの外周面には一対の抜け止め用突起15が周方向に180度間隔をあけて形成されており、ベース体12の内周面には抜け止め用突起15が当接してカバー体11がベース体12から抜け出ることを防止する当接部16が形成されている。なお、押しボタンスイッチ1が押し込まれていない状態では、抜け止め用突起15が当接部16に当接している(図4参照)。
【0025】
また、カバー体11の筒状部11Bの外周面には、径方向外方に突出した第1係合爪17が周方向に180度間隔をあけて設けられている。そして、第1係合爪17の両側には、軸方向に平行に延びる切欠き18が形成されている。一方、第1係合爪17に対応して、ベース体12の内周面には、径方向内方に突出し、第1係合爪17と係合可能な第2係合爪19が周方向に180度間隔をあけて設けられている。この第1係合爪17と第2係合爪19とは、後述するように、押しボタン2が押し込まれた場合に係合して押しボタン2を押し込み位置でロックする機能を果たす。
【0026】
また、カバー体11の前面部11Aの前面側表面には、図3に示すように、放射線状に配置された吸着無効溝20が形成されている。この吸着無効溝20は、図6及び図7に示す吸着盤25をカバー体11の前面部11Aに吸着させて、押し込み位置でロック状態となっている押しボタン2を引き出してロック解除しようとする行為を防止するためのものである。即ち、後述するように、ロック解除防止具10により、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者の操作によってはロック状態が解除されない。しかしながら、吸着盤25をカバー体11の前面部11Aに吸着させて強引に引き出すと、係合状態の第1係合爪17及び第2係合爪19が破壊され、押しボタン2のロック状態を解除することが可能である。従って、安全性で問題となる。そこで、本実施の形態のように前面部11A表面に吸着無効溝20を形成することにより、吸着盤25内が真空状態となることを防止している。この結果、吸着盤25を用いて押しボタン2のロック状態解除行為を防止でき、安全性がより向上する。
【0027】
なお、吸着無効溝20は、放射線状に限定されず、例えば図8(1)〜(7)に示す図柄模様に形成してもよい。要は、吸着盤25がカバー体11の前面部11Aに押し当てられた場合に、その吸着盤25の大きさ等を考慮して、可能な限り、吸着盤25がどのような位置で吸着されたとしても、吸着盤25の吸着領域には吸着領域外に連なる吸着無効溝20が存在するような図柄模様であればよい。なお、吸着無効化手段としては、溝に限定されるものではなく、前面部11A表面を凹凸状に形成するようにしてもよい。
【0028】
また、ベース体12の基端部には、図5に示すように、内方側に突出した内向きフランジ30が形成されている。この内向きフランジ30の内径は、押しボタン2のスイッチ本体4の外径よりも若干大きく設定されている。この内向きフランジ30には、第1係合爪17に対応する部位に貫通孔31が形成されており、後述するように、この貫通孔31にドライバー32(図9参照)やピンセット等先端の細いものを挿入して、第1係合爪17及び第2係合爪19の係合状態を解除することが可能となっている。
【0029】
次いで上記構成のロック解除防止具10の動作について説明する。
例えば、異常発生時に装置の作動を停止するために、押しボタン2を押し込む。具体的には、カバー体11の前面部11Aを介して押し込む。これにより、カバー体11は押しボタン2と一体的に押し込まれる。このとき、ベース体12の案内溝14に沿ってカバー体の案内凸部13が押し込まれていく。これにより、図1に示すように初期状態で第2係合爪19よりも前方側に位置している第1係合爪17が第2係合爪19に当接し、この状態でさらにカバー体11を押し込むと、第1係合爪17が弾性変形し、第2係合爪19を乗り越えて押し込まれて行く。そして、押しボタン2が所定の押し込み位置に達することにより、スイッチ本体4内で接点が切り換わり、装置の作動が停止する。そして、カバー体11への押し込みを解除すると、押しボタン2は復帰バネ(図示せず)によって押し込み方向Xとは逆方向に移動しようとする。このとき、図2に示すように、第1係合爪17が第2係合爪19と係合状態となることにより、カバー体11がベース体12にロックされた状態となる。これにより、押しボタンは押し込み方向Xとは逆方向への移動が規制されることになり、ロック状態となる。この結果、押しボタン2が元の状態に復帰して接点が切り換わり、装置が作動することが防止される。従って、異常が発生した装置等の停止状態を維持することができ、作業者や保守・点検を行う者の安全が確保される。
【0030】
このようなロック状態とされる押し込み位置では、カバー体11の前面部11Aがベース体12内に没入しており、しかも、カバー体11の外周面とベース体12内周面の間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべくカバー体11をベース体12から引き抜くことは不可能となっている。この結果、操作パネル盤5に取り付けられた状態での押しボタンスイッチ1のロック状態の解除は不可能な構造となっている。従って、ロック解除防止具10を用いることにより、従来例のようなリレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成で、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。これにより、装置等の停止状態を維持することが可能となると共に、従来例のリレーやシーケンサ等の回路的な手段に比べてコストの低減を図ることが可能となる。
【0031】
さらに、カバー体11の表面に吸着無効化溝20が形成されていることにより、吸着盤25をカバー体11の前面部11A表面に吸着させて、係合状態の第1係合爪17及び第2係合爪19を破壊してでも強引に引き出してロック状態を解除しようとしても、ロック状態を解除することは不可能である。なぜなら、吸着盤25の吸着領域の内外に吸着無効化溝20が存在すると、吸着盤25内が外気と連通しているので吸着盤25内を真空状態とすることができず、吸着力を得られないことになるからである。
【0032】
なお、押しボタンスイッチ1のロック状態を解除するためには、押しボタンスイッチ1を操作パネル盤5から取り外し、図9に示すように、貫通孔31にドライバー32を挿入して、第1係合爪17を強制的に弾性変形させて、第2係合爪19との係合状態を解除すればよい。このようにしてロック解除された押しボタンスイッチ1は、再び操作パネル盤5に取り付けることにより再利用が可能となる。
【0033】
なお、安全性をより高めるために、上記の例では、吸着盤25を用いてカバー体11を引き出すことを防止するために、吸着を無効化する無効化手段として無効化溝20をカバー体11の表面に形成した。従って、吸引力を用いた手段に対しての安全対策は施されている。しかしながら、例えば、引き抜き棒とカバー体11表面とを接着剤によって接着して引き出すことにより、押しボタンスイッチ1のロック状態を解除することも可能である。そこで、かかる接着を無効化するためには、カバー体11を接着困難な材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等で成型するのが望ましい。ポリエチレン等は、ぬれにくい性質があるため、接着困難であり、効果的に接着による引き抜きを無効化することが可能となるからである。
【0034】
(実施の形態2)
図10及び図11は実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図、図12は実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図である。なお、図10は押しボタンを押し込んでいない状態を示し、図11は押し込み位置でロックされた状態を示している。
【0035】
本実施の形態2におけるロック解除防止具10は、上記実施の形態1のロック解除防止具10のような押し込み位置でロックする機能を有さない。これは、実施の形態2において用いられる押しボタンスイッチ1としては、その押しボタンスイッチ自体で押し込み位置でロックする機能を有する、例えばプッシュ・プル形スイッチが用いられているからである。従って、本実施の形態2に係るロック解除防止具10は、カバー体11は存在せず、押しボタン2を外囲する円筒状ベース体12のみで構成されている。なお、ベース体12の内周面と押しボタン2の外周面との間は、実施の形態1と同様に、指やドライバー等の治具を挿入できない程度の僅かの隙間を保持している。従って、一旦、押しボタン2を押し込み、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチ1を、操作者がロック解除することは不可能である。つまり、この実施の形態2においても、ロック解除防止具10を用いることにより、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。これにより、装置等の停止状態を維持することが可能となる。
【0036】
なお、本実施の形態2においては、吸着盤25を用いた吸着を無効化する無効化手段としての無効化溝20は、押しボタン2の操作面2aに形成されている。勿論、実施の形態1のようなカバー体11を用いてもよい。但し、本実施の形態2における押しボタンスイッチは、それ自体で押し込み位置でロックする機能を有するスイッチであるので、実施の形態1のような第1係合爪17及び第2係合爪19を設ける必要はない。
【0037】
(その他の事項)
(1)上記実施の形態においては、第1係合手段として第1係合爪17、第2係合手段として第2係合爪19としたけれども、これに限定されず、例えば、第1係合手段として第1係合突起、第2係合手段として第1係合突起が嵌まり込む第2係合凹部とする構成としてもよく、又逆に、第2係合手段として第2係合突起、第1係合手段として第2係合突起が嵌まり込む第1係合凹部とする構成であってもよい。
(2)上記実施の形態1では、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロック状態となっている場合、カバー体11の前面部11Aはベース体12内に没入されていた。しかし、本発明はこれに限定されず、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロックされた状態では、カバー体11の前面部11Aがベース12の前方側端面とほぼ同一位置に位置するような構成であってもよい。このように構成しても、操作者の前面側からの操作により押しボタンスイッチ1のロック状態を解除することは不可能である。
また、上記実施の形態2では、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロック状態となっている場合、押しボタン2の操作面2aはベース体12内に没入されていた。しかし、本発明はこれに限定されず、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロックされた状態では、押しボタン2の操作面2aがベース12の前方側端面とほぼ同一位置に位置するような構成であってもよい。このように構成しても、上記と同様に、操作者の前面側からの操作により押しボタンスイッチ1のロック状態を解除することは不可能である。
要はベース体12の前方側端面が、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチ1の操作面2a(又はカバー体11の前面部11A)に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者の前面側からの操作によってはロック状態を解除することを不可能とする機能を備えた押しボタンスイッチを実現するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押しボタンスイッチが押し込まれていない状態を示している。
【図2】実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押しボタンスイッチが押し込まれた状態を示している。
【図3】実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図である。
【図4】図3のA−A矢視断面図である。
【図5】実施の形態1に係るロック解除防止具の分解斜視図である。
【図6】吸着盤の正面図である。
【図7】吸着盤の側面図である。
【図8】吸着無効化用溝の他の図柄模様を示す図である。
【図9】操作パネル盤を取り外して押しボタンスイッチの背後側からの操作によってロック状態を解除する動作を説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押しボタンを押し込んでいない状態を示している。
【図11】実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押し込み位置でロックされた状態を示している。
【図12】実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図である。
【図13】典型なスイッチガードを示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1:押しボタンスイッチ 2:押しボタン
5:操作パネル盤 10:ロック解除防止具
11:カバー体 12:ベース体
11A:前面部 11B:筒状部
17:第1係合爪 19:第2係合爪
20:吸着無効化溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者の操作によってはロック状態を解除することを不可能とする押しボタンスイッチ用ロック解除防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の押しボタンスイッチには、誤操作防止のためにスイッチガードが用いられている。このスイッチガードは、図13に示すように、ベース体50とカバー体51とを備え、操作盤に取り付けられた押しボタンスイッチ52の操作部に装着されている。そして、通常時にはカバー体51を閉鎖しておき、誤操作を防止し、操作時にはカバー体51を開けて押しボタンスイッチ52を操作している。また、スイッチガードにおいて単一の部品構成でスプリングリターン方式と位置保持方式の両方の開閉方式に対応できるようにした構成のものが提案されている(実開平7−34527号公報参照)。
【0003】
ところで、押しボタンスイッチは、例えば非常用停止スイッチとして用いられる場合があり、異常発生時やメンテンナンス等のため装置の作動を停止するために押圧操作され、この場合には押し込み位置でロックされたままとなっている。
上記ロック状態は、例えばオルタネイト形押しボタンスイッチの場合、再度押圧操作することにより解除することができるが、異常を修復するまでは停止状態を維持する必要がある様な装置に押しボタンスイッチを使用する場合には、一度操作すると押し込み位置でロックされ、操作者によってロックを解除できない構成のスイッチであることが要望される。このような押しボタンスイッチを実現しようとすると、例えば押しボタンのロックが可能な従来のオルタネイト形押しボタンスイッチと、図13に示すスイッチガードとを組み合わせても実現不可能である。なぜなら、従来のスイッチガードは、スイッチの誤操作を防止するために、スイッチをガードしているだけであり、ロック機能は持っておらず、スイッチガードを開けて押しボタンを押せばロック解除できてしまうからである。
そこで、上記の用途に押しボタンスイッチを使用する場合には、押しボタンスイッチに接続されるリレーやシーケンサ等によって回路的に一旦押し込まれたスイッチが元に復帰しても、装置の作動停止状態を維持するように構成されている。しかしながら、このようなリレーやシーケンサ等を用いる場合には、一旦押し込まれたスイッチが元に復帰しても、装置の作動停止状態を維持するための専用の回路や専用の制御プログラムを設けておく必要があり、コストが高くつく。
【0004】
【特許文献1】実開平7−34527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、上記特許文献1のスイッチガードは、単一の部品構成でスプリングリターン方式と位置保持方式の両方の開閉方式に対応できるようにしたものであり、図13に示す従来のスイッチガードと同様に、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチのロック解除を防止する機能を有するものではない。従って、図13に示す従来のスイッチガードと同様に、従来の押しボタンスイッチと組み合わせても、ロック解除防止機能を有する押しボタンスイッチを実現できない。
そこで、従来から、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチのロック状態の解除を防止する機能を、リレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成でロック解除を防止する防止具が要望されていた。
【0006】
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、簡単な構成で且つ確実に押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチを操作者が前面側からの操作によってはロック解除を不可能とすることができる押しボタンスイッチを実現するための押しボタンスイッチ用ロック解除防止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者が前面側からの操作によってロック状態を解除することを不可能とする押しボタン用ロック解除防止具であって、前記操作パネル盤から前方側に露出した押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチの操作部を外囲する筒状ベース体を備え、前記筒状ベース体はその内周面が前記操作部外周面と所定の間隙をあけるようにして外装されており、且つ、筒状ベース体の前方側端面が、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチの操作面に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
用語「所定の間隙」とは、押しボタンスイッチを引き出すべく、筒状ベース体と操作部外周面との間に、指又はドライバ等の治具を挿入することができない程度の間隙を意味する。
上記構成により、ロック状態とされる押し込み位置では、押しボタンスイッチの操作面が筒状ベース体と同一位置か若しくは筒状ベース体内に没入しており、しかも、筒状ベース体と押しボタンスイッチの操作部との間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべく押しボタンスイッチを筒状ベース体から引き抜くことは不可能である。換言すれば、操作パネル盤に取り付けられた状態の押しボタンスイッチのロック状態の解除は不可能な構造となっている。従って、本発明に係るロック解除防止具を用いることにより、従来例のようなリレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成で、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の押しボタン用ロック解除防止具であって、押しボタンスイッチの操作部の操作面及び外周面を覆うカバー体を備え、カバー体には第1係合手段が設けられ、筒状ベース体には前記第1係合手段に係合する第2係合手段が設けられ、前記カバー体を押し込んで押しボタンスイッチが押し込み位置に達したときに、カバー体の第1係合手段が前記筒状ベース体の第2係合手段に係合して、前記押しボタンスイッチが押し込み位置から前方側へ移動することを規制するように構成されたことを特徴とする。
【0010】
上記の如く、押し込み位置で第1係合手段と第2係合手段が係合状態となることにより、押しボタンスイッチとして、押し込み力を解除すると元の状態に復帰するモメンタリ形押しボタンスイッチ、若しくはオルタネイト形押しボタンスイッチを使用することができる。
なお、カバー体は押しボタンスイッチの操作部の操作面及び外周面を覆う構成であることから、筒状ベース体の内周面とカバー体外周面との間は、指又はドライバ等の治具を挿入することができない程度の間隙に維持されており、且つ、押しボタンスイッチが押し込み位置でロックされた状態では、筒状ベース体の前方側端面が、カバー体の前面部に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されている。従って、請求項1記載の発明と同様に、ロック状態とされる押し込み位置では、カバー体の前面部が筒状ベース体と同一位置か若しくは筒状ベース体内に没入しており、しかも、筒状ベース体とカバー体との間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべく押しボタンスイッチを筒状ベース体から引き抜くことは不可能となっている。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の押しボタン用ロック解除防止具であって、前記押しボタンスイッチはプッシュ・プル形又はプッシュロック・ターンリセット形押しボタンスイッチであることを特徴とする。
【0012】
プッシュ・プル形又はプッシュロック・ターンリセット形押しボタンスイッチはスイッチ自体にロック機能を有するので、上記請求項2記載の発明のような第1係合手段及び第2係合手段を設ける必要がなく、構成が簡略化される。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具であって、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチを吸着手段又は接着手段によって引き出すことを防止すべく、吸着手段又は接着手段の吸着又は接着を無効にする無効化手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、吸着手段又は接着手段を用いて、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチのロック状態を解除することが防止できる。この結果、より安全性が向上する。なお、「無効化手段を備えた」とは、装置的・構造的手段を設ける場合の他に、所定の材料で成型することも含まれる。機械的・構造的手段としては、例えば、カバー体の前面側表面に吸着無効化溝を形成する場合が該当する。また、所定の材料で成型する場合としては、例えば、カバー体を接着困難な材料で成型する場合が該当する。接着困難な材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る押しボタンスイッチ用ロック解除防止具によれば、ロック状態とされる押し込み位置では、押しボタンスイッチの操作面が筒状ベース体と同一位置か若しくは筒状ベース体内に没入しており、しかも、筒状ベース体と押しボタンスイッチの操作部との間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべく押しボタンスイッチを筒状ベース体から引き抜くことは不可能である。換言すれば、操作パネル盤に取り付けられた状態の押しボタンスイッチのロック状態の解除は不可能な構造となっている。従って、本発明に係るロック解除防止具を用いることにより、従来例のようなリレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成で、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るロック解除防止具を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1及び図2は実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図、図3は実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図、図4は図3のA−A矢視断面図、図5はロック解除防止具の分解斜視図である。なお、図1は押しボタンスイッチが押し込まれていない状態を示し、図2は押しボタンスイッチが押し込まれた状態を示している。また、図4においては、その下半分に押しボタンスイッチが押し込まれていない状態を描いており、その上半分に押しボタンスイッチが押し込まれた状態を描いている。
【0018】
1は押しボタンスイッチであり、本実施の形態における押しボタンスイッチは押し込み位置でロックされず、押し込み力を解除すると元の状態に復帰するモメンタリ形スイッチ、若しくは押し込み位置でロックされ、再度押し込むとロック解除されるオルタネイト形スイッチが用いられる。なお、押しボタンスイッチは、これに限定されず、その他のプッシュ・プル形(押しボタンを押し込むとロックし、引くとロック解除)及びプッシュロック・ターンリセット形(押しボタンを押し込むとロックし、回転させるとロック解除)スイッチにも適用することができる。
【0019】
押しボタンスイッチ1は、押しボタン2を備えた操作部3と、押しボタン2の押し込み操作によって接点の開閉がなされる接点機構を備えたスイッチ本体4と有する。操作部3は操作パネル盤5の前方側に配置され、スイッチ本体4は操作パネル盤5の後方側に配置されている。スイッチ本体4には係止リング6及びロックナット7が装着されている。押しボタンスイッチ1は、操作パネル盤5に挿入された状態で係止リング6及びロックナット7により操作パネル盤5に固定されている。
【0020】
ここで、注目すべきは、押しボタンスイッチ1にはロック解除防止具10が装着されていることである。本実施の形態におけるロック解除防止具10は、押しボタンスイッチ1が押し込まれた場合に押し込み位置でロックする機能と、ロック状態の押しボタンスイッチ1のロック解除を防止する機能を併有している。なお、後述する実施の形態2のように、押しボタンスイッチ1自体にロック機能がある場合には、ロック解除防止具は、押し込み位置でロックする機能を有さず、ロック状態の押しボタンスイッチのロック解除を防止する機能のみを有するものであってもよい。
【0021】
次いで、本発明の要旨であるロック解除防止具10の具体的構成について説明する。ロック解除防止具10は、図5に示すように、押しボタン2を覆う有底円筒状のカバー体11と、カバー体11を外囲すると共にカバー体11を押し込み方向X(図1参照)に移動自在に支持する円筒状ベース体12とを備える。このベース体12内周面とカバー体11の外周面との間隙は、極めて小さく、指若しくはドライバー等の治具を挿入することが不可能となっている。また、カバー体11は、押しボタン2の操作面2a(図1参照)を覆う前面部11Aと、押しボタン2の外周面を覆う筒状部11Bとが一体的に形成されている。カバー体11及びベース体12は樹脂成型品である。
【0022】
カバー体11の前面部11Aは、押しボタン2の操作面2aに対応した形状とされ、本実施の形態では押しボタン2の操作面2aが円形であることから、これに対応してカバー体11の前面部11Aは円形とされている。押しボタン2の操作面2aが角形であれば、これに対応してカバー体11の前面部11Aは角形とされる。
【0023】
また、カバー体11の筒状部11Aには、その表面にカバー体11の軸方向と平行に延びる直線状の案内凸部13が周方向に複数個(本実施の形態では4個)形成されている。一方、この案内凸部13に対応して、ベース体12の内周面には、ベース体12の軸と平行に延びる案内溝14が周方向に複数個(本実施の形態では4個)形成されている。そして、上記案内凸部13が案内溝14に緩やかに嵌り込み、案内溝14に沿って案内凸部13が移動することにより、カバー体11が押し込み方向Xに円滑に押し込み操作可能とされている。
【0024】
また、カバー体11の筒状部11Bの外周面には一対の抜け止め用突起15が周方向に180度間隔をあけて形成されており、ベース体12の内周面には抜け止め用突起15が当接してカバー体11がベース体12から抜け出ることを防止する当接部16が形成されている。なお、押しボタンスイッチ1が押し込まれていない状態では、抜け止め用突起15が当接部16に当接している(図4参照)。
【0025】
また、カバー体11の筒状部11Bの外周面には、径方向外方に突出した第1係合爪17が周方向に180度間隔をあけて設けられている。そして、第1係合爪17の両側には、軸方向に平行に延びる切欠き18が形成されている。一方、第1係合爪17に対応して、ベース体12の内周面には、径方向内方に突出し、第1係合爪17と係合可能な第2係合爪19が周方向に180度間隔をあけて設けられている。この第1係合爪17と第2係合爪19とは、後述するように、押しボタン2が押し込まれた場合に係合して押しボタン2を押し込み位置でロックする機能を果たす。
【0026】
また、カバー体11の前面部11Aの前面側表面には、図3に示すように、放射線状に配置された吸着無効溝20が形成されている。この吸着無効溝20は、図6及び図7に示す吸着盤25をカバー体11の前面部11Aに吸着させて、押し込み位置でロック状態となっている押しボタン2を引き出してロック解除しようとする行為を防止するためのものである。即ち、後述するように、ロック解除防止具10により、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者の操作によってはロック状態が解除されない。しかしながら、吸着盤25をカバー体11の前面部11Aに吸着させて強引に引き出すと、係合状態の第1係合爪17及び第2係合爪19が破壊され、押しボタン2のロック状態を解除することが可能である。従って、安全性で問題となる。そこで、本実施の形態のように前面部11A表面に吸着無効溝20を形成することにより、吸着盤25内が真空状態となることを防止している。この結果、吸着盤25を用いて押しボタン2のロック状態解除行為を防止でき、安全性がより向上する。
【0027】
なお、吸着無効溝20は、放射線状に限定されず、例えば図8(1)〜(7)に示す図柄模様に形成してもよい。要は、吸着盤25がカバー体11の前面部11Aに押し当てられた場合に、その吸着盤25の大きさ等を考慮して、可能な限り、吸着盤25がどのような位置で吸着されたとしても、吸着盤25の吸着領域には吸着領域外に連なる吸着無効溝20が存在するような図柄模様であればよい。なお、吸着無効化手段としては、溝に限定されるものではなく、前面部11A表面を凹凸状に形成するようにしてもよい。
【0028】
また、ベース体12の基端部には、図5に示すように、内方側に突出した内向きフランジ30が形成されている。この内向きフランジ30の内径は、押しボタン2のスイッチ本体4の外径よりも若干大きく設定されている。この内向きフランジ30には、第1係合爪17に対応する部位に貫通孔31が形成されており、後述するように、この貫通孔31にドライバー32(図9参照)やピンセット等先端の細いものを挿入して、第1係合爪17及び第2係合爪19の係合状態を解除することが可能となっている。
【0029】
次いで上記構成のロック解除防止具10の動作について説明する。
例えば、異常発生時に装置の作動を停止するために、押しボタン2を押し込む。具体的には、カバー体11の前面部11Aを介して押し込む。これにより、カバー体11は押しボタン2と一体的に押し込まれる。このとき、ベース体12の案内溝14に沿ってカバー体の案内凸部13が押し込まれていく。これにより、図1に示すように初期状態で第2係合爪19よりも前方側に位置している第1係合爪17が第2係合爪19に当接し、この状態でさらにカバー体11を押し込むと、第1係合爪17が弾性変形し、第2係合爪19を乗り越えて押し込まれて行く。そして、押しボタン2が所定の押し込み位置に達することにより、スイッチ本体4内で接点が切り換わり、装置の作動が停止する。そして、カバー体11への押し込みを解除すると、押しボタン2は復帰バネ(図示せず)によって押し込み方向Xとは逆方向に移動しようとする。このとき、図2に示すように、第1係合爪17が第2係合爪19と係合状態となることにより、カバー体11がベース体12にロックされた状態となる。これにより、押しボタンは押し込み方向Xとは逆方向への移動が規制されることになり、ロック状態となる。この結果、押しボタン2が元の状態に復帰して接点が切り換わり、装置が作動することが防止される。従って、異常が発生した装置等の停止状態を維持することができ、作業者や保守・点検を行う者の安全が確保される。
【0030】
このようなロック状態とされる押し込み位置では、カバー体11の前面部11Aがベース体12内に没入しており、しかも、カバー体11の外周面とベース体12内周面の間は微少な間隙に維持されているので、指若しくはドライバー等の治具を用いて、ロック状態を解除すべくカバー体11をベース体12から引き抜くことは不可能となっている。この結果、操作パネル盤5に取り付けられた状態での押しボタンスイッチ1のロック状態の解除は不可能な構造となっている。従って、ロック解除防止具10を用いることにより、従来例のようなリレーやシーケンサ等の回路的な手段ではなく、機械的な簡単な構成で、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。これにより、装置等の停止状態を維持することが可能となると共に、従来例のリレーやシーケンサ等の回路的な手段に比べてコストの低減を図ることが可能となる。
【0031】
さらに、カバー体11の表面に吸着無効化溝20が形成されていることにより、吸着盤25をカバー体11の前面部11A表面に吸着させて、係合状態の第1係合爪17及び第2係合爪19を破壊してでも強引に引き出してロック状態を解除しようとしても、ロック状態を解除することは不可能である。なぜなら、吸着盤25の吸着領域の内外に吸着無効化溝20が存在すると、吸着盤25内が外気と連通しているので吸着盤25内を真空状態とすることができず、吸着力を得られないことになるからである。
【0032】
なお、押しボタンスイッチ1のロック状態を解除するためには、押しボタンスイッチ1を操作パネル盤5から取り外し、図9に示すように、貫通孔31にドライバー32を挿入して、第1係合爪17を強制的に弾性変形させて、第2係合爪19との係合状態を解除すればよい。このようにしてロック解除された押しボタンスイッチ1は、再び操作パネル盤5に取り付けることにより再利用が可能となる。
【0033】
なお、安全性をより高めるために、上記の例では、吸着盤25を用いてカバー体11を引き出すことを防止するために、吸着を無効化する無効化手段として無効化溝20をカバー体11の表面に形成した。従って、吸引力を用いた手段に対しての安全対策は施されている。しかしながら、例えば、引き抜き棒とカバー体11表面とを接着剤によって接着して引き出すことにより、押しボタンスイッチ1のロック状態を解除することも可能である。そこで、かかる接着を無効化するためには、カバー体11を接着困難な材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等で成型するのが望ましい。ポリエチレン等は、ぬれにくい性質があるため、接着困難であり、効果的に接着による引き抜きを無効化することが可能となるからである。
【0034】
(実施の形態2)
図10及び図11は実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図、図12は実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図である。なお、図10は押しボタンを押し込んでいない状態を示し、図11は押し込み位置でロックされた状態を示している。
【0035】
本実施の形態2におけるロック解除防止具10は、上記実施の形態1のロック解除防止具10のような押し込み位置でロックする機能を有さない。これは、実施の形態2において用いられる押しボタンスイッチ1としては、その押しボタンスイッチ自体で押し込み位置でロックする機能を有する、例えばプッシュ・プル形スイッチが用いられているからである。従って、本実施の形態2に係るロック解除防止具10は、カバー体11は存在せず、押しボタン2を外囲する円筒状ベース体12のみで構成されている。なお、ベース体12の内周面と押しボタン2の外周面との間は、実施の形態1と同様に、指やドライバー等の治具を挿入できない程度の僅かの隙間を保持している。従って、一旦、押しボタン2を押し込み、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチ1を、操作者がロック解除することは不可能である。つまり、この実施の形態2においても、ロック解除防止具10を用いることにより、一旦押し込んで押し込み位置でロック状態にすると、ロック解除不可能な押しボタンスイッチを実現することができる。これにより、装置等の停止状態を維持することが可能となる。
【0036】
なお、本実施の形態2においては、吸着盤25を用いた吸着を無効化する無効化手段としての無効化溝20は、押しボタン2の操作面2aに形成されている。勿論、実施の形態1のようなカバー体11を用いてもよい。但し、本実施の形態2における押しボタンスイッチは、それ自体で押し込み位置でロックする機能を有するスイッチであるので、実施の形態1のような第1係合爪17及び第2係合爪19を設ける必要はない。
【0037】
(その他の事項)
(1)上記実施の形態においては、第1係合手段として第1係合爪17、第2係合手段として第2係合爪19としたけれども、これに限定されず、例えば、第1係合手段として第1係合突起、第2係合手段として第1係合突起が嵌まり込む第2係合凹部とする構成としてもよく、又逆に、第2係合手段として第2係合突起、第1係合手段として第2係合突起が嵌まり込む第1係合凹部とする構成であってもよい。
(2)上記実施の形態1では、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロック状態となっている場合、カバー体11の前面部11Aはベース体12内に没入されていた。しかし、本発明はこれに限定されず、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロックされた状態では、カバー体11の前面部11Aがベース12の前方側端面とほぼ同一位置に位置するような構成であってもよい。このように構成しても、操作者の前面側からの操作により押しボタンスイッチ1のロック状態を解除することは不可能である。
また、上記実施の形態2では、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロック状態となっている場合、押しボタン2の操作面2aはベース体12内に没入されていた。しかし、本発明はこれに限定されず、押しボタンスイッチ1が押し込み位置でロックされた状態では、押しボタン2の操作面2aがベース12の前方側端面とほぼ同一位置に位置するような構成であってもよい。このように構成しても、上記と同様に、操作者の前面側からの操作により押しボタンスイッチ1のロック状態を解除することは不可能である。
要はベース体12の前方側端面が、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチ1の操作面2a(又はカバー体11の前面部11A)に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者の前面側からの操作によってはロック状態を解除することを不可能とする機能を備えた押しボタンスイッチを実現するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押しボタンスイッチが押し込まれていない状態を示している。
【図2】実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押しボタンスイッチが押し込まれた状態を示している。
【図3】実施の形態1に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図である。
【図4】図3のA−A矢視断面図である。
【図5】実施の形態1に係るロック解除防止具の分解斜視図である。
【図6】吸着盤の正面図である。
【図7】吸着盤の側面図である。
【図8】吸着無効化用溝の他の図柄模様を示す図である。
【図9】操作パネル盤を取り外して押しボタンスイッチの背後側からの操作によってロック状態を解除する動作を説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押しボタンを押し込んでいない状態を示している。
【図11】実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの縦断面図であって、押し込み位置でロックされた状態を示している。
【図12】実施の形態2に係るロック解除防止具を備えた押しボタンスイッチの正面図である。
【図13】典型なスイッチガードを示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1:押しボタンスイッチ 2:押しボタン
5:操作パネル盤 10:ロック解除防止具
11:カバー体 12:ベース体
11A:前面部 11B:筒状部
17:第1係合爪 19:第2係合爪
20:吸着無効化溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者が前面側からの操作によってロック状態を解除することを不可能とする押しボタンスイッチ用ロック解除防止具であって、
前記操作パネル盤から前方側に露出した押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチの操作部を外囲する筒状ベース体を備え、
前記筒状ベース体はその内周面が前記操作部外周面と所定の間隙をあけるようにして外装されており、且つ、筒状ベース体の前方側端面が、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチの操作面に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されていることを特徴とする押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【請求項2】
押しボタンスイッチの操作部の操作面及び外周面を覆うカバー体を備え、カバー体には第1係合手段が設けられ、前記筒状ベース体には前記第1係合手段に係合する第2係合手段が設けられ、
前記カバー体を押し込んで押しボタンスイッチが押し込み位置に達したときに、カバー体の第1係合手段が前記筒状ベース体の第2係合手段に係合して、前記押しボタンスイッチが押し込み位置から前方側への移動することを規制するように構成された請求項1記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【請求項3】
前記押しボタンスイッチはプッシュ・プル形又はプッシュロック・ターンリセット形押しボタンスイッチである請求項1記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【請求項4】
押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチを吸着手段又は接着手段によって引き出すことを防止すべく、吸着手段又は接着手段の吸着又は接着を無効にする無効化手段を備えた請求項1〜3の何れかに記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【請求項1】
操作パネル盤に取り付けられた押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチを一度押し込み操作するとその押し込み位置でロックされ、操作者が前面側からの操作によってロック状態を解除することを不可能とする押しボタンスイッチ用ロック解除防止具であって、
前記操作パネル盤から前方側に露出した押しボタンスイッチの操作部に装着され、押しボタンスイッチの操作部を外囲する筒状ベース体を備え、
前記筒状ベース体はその内周面が前記操作部外周面と所定の間隙をあけるようにして外装されており、且つ、筒状ベース体の前方側端面が、押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチの操作面に対して同一位置又は前方側に位置するように構成されていることを特徴とする押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【請求項2】
押しボタンスイッチの操作部の操作面及び外周面を覆うカバー体を備え、カバー体には第1係合手段が設けられ、前記筒状ベース体には前記第1係合手段に係合する第2係合手段が設けられ、
前記カバー体を押し込んで押しボタンスイッチが押し込み位置に達したときに、カバー体の第1係合手段が前記筒状ベース体の第2係合手段に係合して、前記押しボタンスイッチが押し込み位置から前方側への移動することを規制するように構成された請求項1記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【請求項3】
前記押しボタンスイッチはプッシュ・プル形又はプッシュロック・ターンリセット形押しボタンスイッチである請求項1記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【請求項4】
押し込み位置でロックされた押しボタンスイッチを吸着手段又は接着手段によって引き出すことを防止すべく、吸着手段又は接着手段の吸着又は接着を無効にする無効化手段を備えた請求項1〜3の何れかに記載の押しボタンスイッチ用ロック解除防止具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−188752(P2007−188752A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5785(P2006−5785)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
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