説明

押出成形金型

【課題】成形材料のシートを途切れずに安定して成形することができる押出成形金型を提供する。
【解決手段】成形材料を押出成形することにより複数の中空孔23を有する成形体Bを形成するための押出成形金型Aに関する。ピンベース50の前面に複数本のピン51、51…を突設する。ピンベース50の前側に筒状の口金部52を設けると共に口金部52の内側空間に上記ピン51、51…を収容する。ピンベース50にその後面から前面に至る貫通孔53を形成すると共に隣り合うピン51、51の間において貫通孔53の前側開口を口金部52の内側空間に連通する。貫通孔53の後側開口の開口面積を成形体Bの断面積と略同等に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント系成形材料等の成形材料を押出成形して中空孔を有する成形体を成形するための押出成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、図5(a)(b)に示すような複数の中空孔23、23…を有する成形体Bが提案されている。このような成形体Bはセメントを含むセメント系成形材料等の成形材料を押出成形することにより製造されるものであって、例えば、建築物の外壁材などとして使用されている。中空孔23は成形体Bの軽量化を図るために設けられるものであって、細かい円状やハニカム状(六角形状)の中空孔23を効率よく分布(分散)させるために、各種の押出成形金型が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)
図3(a)(b)に押出成形金型Aの一例を示す。押出成形金型Aは、内部の空間を流路1として形成した金型本体2と、金型本体2の流路1に収容される中型20とを備えて形成されている。中型20は複数の中空のピン5、5…を備えて形成されるものであって、金型本体2と同様に横長に形成されている。中型20は複数のピンブロック21、21…を組み合わせて一体化することにより形成することができる。そして、図4(a)(b)に示すように、横方向に並べた複数のピンブロック21、21…の上側と下側に長尺の連結ベース38、38を配置し、上下一対の連結ベース38、38で複数のピンブロック21、21…を横方向の全長にわたって挟持する。次に、上下の各連結ベース38の後面に押さえ治具39を横方向のほぼ全長にわたって取り付ける。これにより、中型20を形成することができる。
【0003】
このような押出成形金型Aは、金型本体2の入口3から流路1に成形材料を供給し、成形材料を出口7に向かって流路1で流動させた後、出口7から連続的に押し出すことにより、成形材料をシート状に成形体Bを成形することができる。このシートにはピンブロック21及びピン5によりシートの長尺方向(押出方向)に連続する複数の中空孔23、23…を形成することができる。そして、長尺シート状の成形体Bを所望の長さに切断した後、必要に応じて養生硬化することにより、建築板などとして使用することができる。上記のような成形体Bの押出成形において、成形材料は金型本体2の入口3から流路1に流入した後、中型20の複数のピンブロック21、21…で分けられて各開口部6、6…を通過し、開口部6を通過した後、成形材料はピン5の周囲の空間(流路1)を出口7の方に向かって流れるが、このとき、各開口部6で分離された成形材料はその界面が馴染んで一体化するものである。
【特許文献1】特開2005−254345号公報
【特許文献2】特開2006−51682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図3、4に示す押出成形金型Aでは、流路1がピン5を固定するピンブロック21で狭くなり、また、開口部6の上部や下部が押さえ治具39で閉塞されるために、流路1に供給される成形材料を多くすることができず、シートに切れなどが発生して安定して成形することができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形材料のシートを途切れずに安定して成形することができる押出成形金型を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る押出成形金型Aは、成形材料を押出成形することにより複数の中空孔23を有する成形体Bを形成するための押出成形金型Aであって、ピンベース50の前面に複数本のピン51、51…を突設し、ピンベース50の前側に筒状の口金部52を設けると共に口金部52の内側空間に上記ピン51、51…を収容し、ピンベース50にその後面から前面に至る貫通孔53を形成すると共に隣り合うピン51、51の間において貫通孔53の前側開口を口金部52の内側空間に連通し、貫通孔53の後側開口の開口面積を成形体Bの断面積と略同等に形成して成ることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2に係る押出成形金型Aは、請求項1において、口金部52の内側空間がピンベース50側から前側開口に向かって徐々に狭くなるように、口金部52の内面にテーパー部54を形成して成ることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項3に係る押出成形金型Aは、請求項1又は2において、ピン51の外周にピン51の前端に向かって外径が徐々に大きくなる傾斜部51aを設けて成ることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項4に係る押出成形金型Aは、請求項1乃至3のいずれか一項において、口金部52の前側開口の近傍において、口金部52の内面に成形材料の押出方向と略平行なストレート部55を形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項5に係る押出成形金型Aは、請求項1乃至4のいずれか一項において、ピン51の前端部を外径が一定の定径部51bとして形成して成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、ピンベース50における貫通孔53の開口面積が成形体Bの断面積と略同等となることで、口金部52の内部空間に充分な量の成形材料を供給して偏りなくバランスよく成形材料を流通させて押し出すことができ、成形材料のシートを途切れずに安定して成形することができるものである。
【0012】
請求項2の発明では、テーパー部54により口金部52の内部空間の中央側に向かって成形材料を押圧(圧縮)して充填することができ、成形材料が密になってシートを途切れずに安定して成形することができるものである。
【0013】
請求項3の発明では、傾斜部51aにより隣り合うピン51、51の間隔を狭くすることができ、成形材料を押圧(圧縮)して充填することにより、成形材料の連続性(つながり)や付着性(くっ付き)を向上させることができ、シートを途切れずに安定して成形することができると共に成形体の強度を確保することができるものである。
【0014】
請求項4の発明では、口金部52から押し出された後のシートの厚みの変動が少なくなり、成形材料を安定して成形することができるものである。
【0015】
請求項5の発明では、傾斜部51aで圧縮した成形材料のスプリングバックを定径部51bにより防止することができ、成形材料のシートの形状を安定させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0017】
本発明の押出成形金型Aは、図1に示すように、ピンベース50、複数本のピン51、51…、口金部52などを備えて形成されている。
【0018】
ピンベース50は、ピン支持板60と閉塞板61とを前後に重ね合わせて形成されている。ピン支持板60には厚み方向(前後方向)に貫通する多数個のピン挿入孔64、64…が千鳥配置で形成されている。また、ピン支持板60には各ピン挿入孔64に対して空気を供給するための通気路62が形成されており、通気路62にはピン支持板60の側端面に開口した給気口63から空気が供給されるようになっている。閉塞板61はピン支持板60の後側に設けられており、ピン挿入孔64の後側開口を閉塞するものである。また、閉塞板61とピン支持板60とを厚み方向(前後方向)に貫通する多数個の貫通孔53、53…が形成されている。この貫通孔53はピン挿入孔64が形成されていない箇所において、閉塞板61とピン支持板60とを貫通して上下に長く形成されている。また、ピンベース50(閉塞板61及び支持板60)の上下端部及び両側端部は連結部65として形成されている。連結部65には厚み方向(前後方向)に貫通する連通孔71が形成されている。
【0019】
ピン51は略円柱状に形成することができるが、このピン51は成形体Bに形成される中空孔23の形状に応じて六角柱状等の他の適宜の形状に形成することができる。また、図4に示す従来例と同様に、ピン51にはその前端側から順に定径部51bと傾斜部51aとが設けられており、各部分は外径寸法が異なっている。定径部51bは傾斜部51aからピン51の先端に至るまでの間の前端部に形成されるものであって、ピン51の長手方向と平行に所定の寸法だけ外径が一定で、真っ直ぐ(ストレート)に形成さている。傾斜部51aは定径部51bから後側に向かって徐々に外径が小さくなるように形成されている。従って、傾斜部51aはピン51の前端に向かって徐々に外径が大きくなるように形成されている。このようにピン51の先端部(前側端部)は基部よりも直径が大きな定径部51bとして形成されており、ピン51の途中には直径が前側に向かって徐々に大きくなる傾斜部51aが形成されている。
【0020】
複数のピン51はその基端部をピン挿入孔64の前側開口に挿入することにより、ピンベース50のピン支持板60にその前面に対して略垂直に突設されている。ピンベース50には多数本のピン51、51…が千鳥配置で突設されており、隣り合うピン51、51には所定の間隔が設けられている。また、貫通孔53は横方向に並ぶ複数本のピン51、51…が設けられている。また、全てのピン51、51の先端面は面一になるように揃えられている。さらに、ピン51にはその内部を軸方向(前後方向)に貫通する通気孔17が設けられている。ここで、隣り合うピン51間の間隔(定径部51b、51bの間隔)は適宜設定され、この間隔を小さくすれば成形体Bに形成される中空孔23の間隔が小さくなって軽量化に寄与することができるが、成形体Bに充分な強度を付与できる程度の間隔をあけることが好ましく、例えば成形材料としてセメント系成形材料を用いる場合には、この間隔を1.5mm以上とすることが好ましい。また、通気孔17の内径は1mm以上であることが好ましい。
【0021】
口金部52は両面が開口する筒状に形成されており、その前側開口の押出口66から押出成形後の成形体Bが外部に押し出されるようになっている。また、口金部52の後側端部にはその全周にわたって鍔部10が外側に向けて突設されている。鍔部10には厚み方向(前後方向)に貫通する連通孔72が形成されている。この口金部52の内側空間は成形材料の流路67を構成し、成形材料がこの流路67を口金部52の後端側から押出口66の方に流通するようになっている。
【0022】
口金部52の押出口66の近傍において、口金部52の内周面はストレート部55として形成することができる。ストレート部55は成形材料の押出方向と平行な平面で形成することができる。ここで、押出口66の近傍とは押出口66から口金部52の内側に5〜30mm入った部分をいい、この部分にストレート部55を形成するようにする。
【0023】
また、口金部52の後側開口からストレート部55の後端部までにおいて、口金部52の内周面はテーパー部54として形成することができる。テーパー部54は、口金部52の後側開口からストレート部55の後端部に向かうにしたがって徐々に流路67が狭くなる(絞られる)ように、口金部52の内周面を流路67の中央部に向かう傾斜面として形成したものである。ここで、テーパー部54の傾斜角度は成形材料の押出方向を基準として10〜30°とすることができる。
【0024】
ベース部9は押出成形金型Aを押出成形機に取り付けるための部分であって、筒状の導入部68の前端に結合部69を全周にわたって外方に突出させて設け、導入部68の後端に取付部70を全周にわたって外方に突出させて設けることによって形成されている。結合部69には厚み方向(前後方向)に貫通する連通孔73が形成されている。
【0025】
そして、本発明の押出成形金型Aは、複数のピン51、51…を突設したピンベース50と、口金部52と、ベース部9とを組み合わせることにより形成することができる。すなわち、ピンベース50のピン支持板60の前側に口金部52を配置する。このとき、ピンベース50に突設したピン51は口金部52の後側開口から流路67内に差し込まれて収容されると共に、ピンベース50の周端部の連結部65の前面に口金部52の鍔部10の後面を接触させる。また、ピンベース50の閉塞板61の後側にベース部9を配置する。このとき、ピンベース50の周端部の連結部65の後面にベース部9の結合部69の前面とを接触させる。また、このベース部9の導入部68や結合部69等でピンベース50の貫通孔53は覆われないように、ベース部9及びピンベース50が形成されている。そして、ピンベース50の連結部65と口金部52の鍔部10とベース部9の結合部69とを前後の重ね合わせた状態でその側端部から下端部にわたって保持具75で結合して保持することによって、ピンベース50と口金部52とベース部9とを一体化して押出成形金型Aを形成することができる。このとき、連結部65の連通孔71と鍔部10の連通部72と結合部69の連通部73が前後に並んで、位置合わせの基準としたり、ボルト等の適宜の固着具を挿通して押出成形機に取着するために利用したりすることができる。
【0026】
上記のように形成される押出成形型Aを用いて成形体Bを押出成形するにあたっては、押出成形型Aを適宜の押出成形機に取り付けて、成形材料に押出圧力をかけてベース部9側から押出成形型A内の流路67へ供給し、口金部52の押出口66から押し出して成形体Bを成形することができる。
【0027】
成形材料としては、押出成形に用いられる材料であれば特に制限されないが、特にセメント系成形材料を用いることができる。セメント系成形材料としては適宜の組成のものを用いることができるが、例えばセメントに必要に応じて骨材、繊維、着色剤等を配合して水と混練することによって調製されるものであり、セメントとしては普通ポルトランドセメント、スラグセメント、アルミナセメント、早強セメントなど任意のものを用いることができる。また骨材としては、シリカ、珪石粉、珪砂、フライアッシュ、スラグ、砕石等を用いることができる。繊維としてはポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、パルプ、カーボン繊維、綿、麻、金属繊維等を用いることができる。さらに着色剤としては鉄黒、カーボンブラック、酸化クロム等を用いることができる。
【0028】
また、特にセメント系成形材料として、油性物質を含有すると共に更に必要に応じて非イオン性界面活性剤、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の乳化剤(逆乳化剤)を含有させた逆エマルション(W/Oエマルション)を形成するものを用いることも好ましい。このような逆エマルションタイプのセメント系成形材料は一定の保形性を有するため中空孔23を有する成形体Bを成形した場合にその形状を維持することができ、またこの押出成形型Aによれば後述するように過大な押圧力がかかることなく押出成形を行うことができて、成形時の逆エマルション構造の破壊が抑制され、その後の養生硬化に支障をきたすようなことを防止することができる。
【0029】
上記油性物質としては、水と逆エマルションを形成しうるものであれば、特に制限はなく、通常疎水性の液状物質が利用され、例えば、トルエン、キシレン、灯油、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。このうち、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等の重合性二重結合を有するもの(ビニル単量体)を使用する場合は、基材1の硬化成形の際に油性物質の重合を促進するために、有機過酸化物や過硫酸塩等の重合開始剤や、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋剤を併用することもできる。
【0030】
本発明の押出成形金型Aを用いた押出成形では、成形材料がベース部9の導入部68を通ってピンベース50の後面に到達した後、図1、2に示す各貫通孔53を通って口金部52の流路67に流入する。この後、隣り合うピン51、51の間を流れながら各ピン51の周囲を成形材料がピン51の突出方向に沿って流動する。このとき、ピン51の周囲を囲む位置に均等に配置されるように形成された貫通孔53から成形材料が流路67に流出することで、ピン51の周囲には成形材料の均等な流動が生じる。このため、成形材料を高い押出圧力をかけることなくピン51の周りに充分に充填することができる。また、このように成形材料がピン51間を流動する間、ピン51の周囲を流れる成形材料が馴染んで一体化する。そして、この成形材料が口金部52の押出口66から押し出されることにより、図5に示すような中空孔23を有するシート状の成形体Bが形成される。図5(a)は本実施形態のように円柱状のピン51を適用する場合に得られる成形体Bを示し、断面円形状の中空孔23を有する。また、ピン51として六角柱状のものを適用する場合には、図5(b)に示すような、断面六角形状の中空孔23を有する成形体Bを得ることができ、その他適宜の形状のピン51を採用することで、所望の形状の中空孔23を有する成形体Bを得ることができる。得られた成形体Bは、必要に応じて所望の寸法となるように切断し、また特にセメント系成形材料にて形成する場合には、必要に応じて養生硬化させる。
【0031】
また、上記のような押出成形過程においては、給気路63からエアー等の気流を通気路62に供給する。このため、供給された気流は通気路62から各ピン51内の通気孔17に流入し、この各ピン51の先端面の開口から流出する。このため、成形体Bに形成される中空孔23には、エア等の気流が供給されることとなる。このように成形体Bの中空孔23に気流を供給すると、中空孔23内の圧力が低下することを防止し、この中空孔23が埋まってしまわないようにすることができる。また、成形材料の押出成形過程において中空孔23の一部が何らかの不具合により埋まってしまった場合には、それ以後に形成される中空孔23の内部には空気が供給されずその内部の圧力が非常に低くなってしまうことがある。このような場合、形成された成形体Bは中空部内と外部との圧力差により破損が生じやすい状態となってしまう。このため、成形中に中空孔23が順次潰れていって中空孔23が形成されなくなるおそれがあり、また中空孔23が形成されたとしても成形体Bを切断するために荷重をかけた場合などに成形体Bが破損してしまうおそれがある。しかしながら、上記のように成形体Bの中空孔23に気流を供給すると、たとえ中空孔23の一部が埋まってしまったとしても中空孔23の内部の圧力が低下することを防止することができ、前記のような成形体Bの破損を防止することができる。
【0032】
そして、本発明では、ピンベース50における貫通孔53の開口面積が成形体Bの断面積と略同等としているので、口金部52の流路67に充分な量の成形材料を供給して偏りなく成形材料を流通させて押し出すことができる。つまり、図3に示す従来例では、開口部6の上部や下部が押さえ治具39で閉塞されるために、開口部6の開口面積/成形体Bの断面積=開口率が約60%にしか達しないが、本発明では、貫通孔53が閉塞されていないので、貫通孔53の開口面積/成形体Bの断面積=開口率が約100%になる。従って、成形材料のシートを途切れずに安定して成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、一部が破断した斜視図である。
【図2】同上の後面図である。
【図3】従来例を示し、(a)(b)は斜視図である。
【図4】従来例を示し、(a)(b)は中型の斜視図である。
【図5】(a)(b)は成形体を示す概略図である。
【符号の説明】
【0034】
A 押出成形金型
50 ピンベース
51 ピン
51a 傾斜部
51b 定径部
52 口金部
53 貫通孔
54 テーパー部
55 ストレート部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料を押出成形することにより複数の中空孔を有する成形体を形成するための押出成形金型であって、ピンベースの前面に複数本のピンを突設し、ピンベースの前側に筒状の口金部を設けると共に口金部の内側空間に上記ピンを収容し、ピンベースにその後面から前面に至る貫通孔を形成すると共に隣り合うピンの間において貫通孔の前側開口を口金部の内側空間に連通し、貫通孔の後側開口の開口面積を成形体の断面積と略同等に形成して成ることを特徴とする押出成形金型。
【請求項2】
口金部の内側空間がピンベース側から前側開口に向かって徐々に狭くなるように、口金部の内面にテーパー部を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の押出成形金型。
【請求項3】
ピンの外周にピンの前端に向かって外径が徐々に大きくなる傾斜部を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の押出成形金型。
【請求項4】
口金部の前側開口の近傍において、口金部の内面に成形材料の押出方向と略平行なストレート部を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の押出成形金型。
【請求項5】
ピンの前端部を外径が一定の定径部として形成して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の押出成形金型。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−30168(P2010−30168A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195275(P2008−195275)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(503367376)クボタ松下電工外装株式会社 (467)
【Fターム(参考)】