説明

押出装置

【課題】内圧による材料の漏れが生じにくく、構造が簡略化されうる押出装置の提供。
【解決手段】本発明の押出装置2は、本体4及びヘッド主部6を備えている。本体4は、スクリュー8と、吐出口10と、吐出面12とを有している。ヘッド主部6は、材料が流れる流路22と、この流路22の入口が設けられた入口面24と、この流路22の出口が設けられた出口面26とを有している。入口面24と出口面26との面接触により、流路22と吐出口10とが連結されている。流路22が、一体部材を貫通してなる貫通孔40である。入口面24と出口面26との間隔は、上側から下側に向かって徐々に狭くなっている。入口面24と出口面26とに面接触する受け面44も、上側から下側に向かって徐々に狭くなっている。ヘッド主部6に、上方から下方へ向かう力が与えられると、この力により、上記面接触の面圧が高められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムや樹脂等の材料を押し出す押出装置は、ヘッドを備えている。ヘッドは、材料が流れる流路を備えている。流路の断面形状は、徐々に変化する。流路を流れる間に、材料の断面形状を変化させることができる。
【0003】
流路内の清掃や流路の加工を容易とするため、開閉式のヘッド主部が採用されている。特開2000−43115公報には、上下開閉式のヘッド主部が開示されている。ヘッド主部が開かれると、流路が開放される。この開放により、流路の清掃が容易となる。
【0004】
材料が流路を通過する際に、内圧が作用する。この内圧により、ヘッドを開く方向の力が作用する。僅かでもヘッドが開けば、微小な隙間から材料が洩れる。押出装置では、材料の漏れを抑制する必要がある。
【0005】
特開2006−69018公報は、シェルクランプ手段を備えた押出装置を開示する。このシェルクランプ手段により、材料の漏れが効果的に抑制されうる。
【特許文献1】特開2000−43115公報
【特許文献2】特開2006−69018公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記シェルクランプ手段は、ヘッドの全体を取り囲むように設けられている。このようなシェルクランプ手段は、ヘッドの大型化に対応しにくい。
【0007】
上下開閉式のヘッドにおいては、ヘッドの左右両端部のそれぞれに、ヘッドが閉じる方向の力を付与する押圧手段を設けることができる。この押圧手段として、例えば、楔状部材及びこの楔状部材を挿入する油圧機構が例示される。外部支持体とヘッドとの間の隙間に楔状部材が挿入されることにより、ヘッドを閉じる方向の力が付与されうる。この押圧手段は、左右両端部にのみ設けられるので、ヘッドの大型化に対応しやすい。この押圧手段により、内圧による材料の漏れが抑制されうる。
【0008】
しかしこの場合、左右両端部にのみ押圧手段が設けられているため、ヘッドの左右方向中央部には、ヘッドを閉じる方向の力が伝達されにくいという欠点を有する。ヘッドを充分に閉じるためには、大きな力が必要となる。大きな力を付与するための押圧手段は大型化する。大型化した押圧手段は、コストの上昇を招く。更に、大型化した押圧手段により、ヘッドの開閉に要する時間が長くなる。サイズ変更の際には、ヘッドが開閉される。ヘッドの開閉に要する時間が長くなると、押出装置の停止時間も長くなる。停止時間が長くなると、生産性が低下する。
【0009】
本発明の目的は、内圧による材料の漏れが生じにくく、構造が簡略化されうる押出装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の押出装置は、ヘッド主部と、このヘッド主部に面接触する受け面とを有している。上記ヘッド主部は、材料が流れる流路と、この流路の入口が設けられた入口面と、この流路の出口が設けられた出口面とを有している。上記受け面は、材料の吐出口が設けられた吐出面を有している。上記入口面と上記吐出面との面接触により、上記流路と上記吐出口とが連結されている。上記流路は、一体部材を貫通してなる貫通孔を含む。上記入口面と出口面との間隔は、一方側から他方側に向かって徐々に狭くされている。受け面は、上記入口面と出口面とに面接触している。上記受け面は、一方側から他方側に向かって徐々に狭くされている。この押出装置は、上記ヘッド主部に一方側から他方側へ向かう力が与えられると、この力により、上記面接触の面圧が高められるように構成されている。
【0011】
好ましくは、上記ヘッド主部は、複数の分割体からなる。これらの分割体のそれぞれは、上記流路の一部である部分流路を有している。この部分流路は、一体部材を貫通してなる貫通孔である。上記分割体同士の面接触により、上記部分流路同士が連結されている。この押出装置は、上記力により、上記分割体同士の面接触の面圧が高められるように構成されている。
【0012】
好ましくは、上記入口面と上記出口面との間隔が上側から下側へ向かって徐々に狭くされている。上記受け面も、上側から下側に向かって徐々に狭くされている。この押出装置は、上記ヘッド主部に、上側から下側へ向かう力が与えられると、この力により、上記面接触の面圧が高められるように構成されている。
【発明の効果】
【0013】
この押出装置では、内圧に起因する材料の漏れが、一体部材により効果的に抑制されうる。この押出装置は、少ない力で、材料の漏れを効果的に抑制しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る押出装置2を示す正面図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面図である。図3は、図2からヘッド主部のみを抽出した断面図である。図4は、押出装置2を上方から見た平面図である。押出装置2において、押し出される材料はゴムである。押出装置2は、ゴム用の押出装置である。押出装置2は、未加硫のゴムを押し出す。押出装置2は、未加硫のゴムをシート状に成形しうる。押出装置2により成形されたゴムは、例えばタイヤのトレッド用とされうる。押出装置2により成形されたゴムは、例えばタイヤのサイドウォール用とされうる。
【0016】
押出装置2は、本体4と、ヘッド主部6と、収容部7とを有する。本体4は、送り機構としてのスクリュー8と、材料の吐出口10と、この吐出口10が設けられた吐出面12と、本体流路14とを有する。スクリュー8は、材料を強制的に送りうる。吐出面12は、平面である。同一の吐出面12に、複数の吐出口10が設けられている。送り機構8は、本体流路14の内部に設けられている。収容部7は、ヘッド主部6を収容している。収容部7の内面はヘッド主部6と面接触している。図4では、スクリュー8の記載が省略されている。
【0017】
収容部7の上方は、開口している。収容部7の上方開口9から、ヘッド主部6の出し入れが行われる。ヘッド主部6は、着脱可能である。ヘッド主部6の着脱は、容易である。ヘッド主部6の取り替えに要する時間は短い。よって、ヘッド主部6を取り替える際における押出装置2の停止時間は、短縮されうる。この停止時間の短縮は、押出工程の生産性を高める。
【0018】
吐出口10は、2個設けられている。本体流路14は2本である。スクリュー8は2個である。1本の本体流路14につき、1個のスクリュー8が設けられている。3本以上の本体流路と、3個以上のスクリューとを有する押出装置であってもよい。
【0019】
ヘッド主部6は、ゴムが流れる流路22と、入口面24と、出口面26とを有する。入口面24には、流路22の入口28が設けられている。出口面26には、流路22の出口30が設けられている。入口面24は、上記吐出面12と面接触している。この面接触により、流路22と吐出口10とが連結されている。この面接触により、流路22と本体流路14とが連結されている。吐出面12は、収容部7の内面の一部を構成している。
【0020】
図示は省略されているが、ヘッド主部6の出口側には、出口部材が取り付けられる。押出装置2は、出口部材を取り付けるための取り付け部27を有している。本願の図面においては、出口部材は取り付けられていない。出口部材は、例えばプリフォーマー及び/又はダイプレートである。出口部材も、流路を有している。出口部材により、押し出されたゴムの最終的な形状が決定される。押出装置2は、出口部材をヘッド主部6に対して押しつけるための押圧部34とを有する。ヘッド主部6と出口部材とは、面接触している。この面接触により、出口部材の流路と流路22とが連結される。この面接触の面圧は、押圧部34により高められている。
【0021】
ヘッド主部6は、複数の分割体36よりなる。複数の分割体36が重ねられることにより、ヘッド主部6が構成されている。本実施形態では、ヘッド主部6は、4枚の分割体36が重ねられてなる。分割体36は、プレート状である。分割体36は、金属よりなる。
【0022】
分割体36のそれぞれは、部分流路38を有する。この部分流路38は、流路22の一部である。分割体36同士の面接触により、部分流路38同士が連結されている。部分流路38の連結により、実質的に段差のない流路22が形成されている。部分流路38同士の境界において段差を有する流路22であってもよい。
【0023】
部分流路38は、一体部材を貫通してなる貫通孔40である。本実施形態において、一体部材は、金属製のプレートである。本実施形態では、分割体36が一体部材である。一体部材として、一体成形された金属、一体成形された金属の一部、溶接されてなる金属等が例示される。流路22も、一体部材を貫通してなる貫通孔42である。貫通孔42は、貫通孔40の集合である。流路22は、貫通孔40の集合である。
【0024】
なお、ヘッド主部6の全体が一体部材でもよい。
【0025】
ヘッド主部6は、受け面44により支持されている。受け面44は、収容部7の内面の一部である。ヘッド主部6は、受け面44に面接触している。受け面44は、入口側の受け面46と、出口側の受け面48とを有する。ヘッド主部6の入口面24は、受け面46と面接触している。この面接触により、本体流路14と流路22とが連結されている。ヘッド主部6の出口面26は、受け面48と面接触している。受け面46は平面である。受け面46は、鉛直方向に対して傾斜している。受け面48は平面である。受け面48は、鉛直方向に延在している。
【0026】
ヘッド主部6は、実質的に、受け面46及び受け面48のみによって支持されている。ヘッド主部6の他方側(下側)の面49は、あらゆるものに対して接触していない。面49の他方側(下側)には、隙間sが存在する。
【0027】
本実施形態では、本体4が受け面46を有している。本体4とヘッド主部6との間に、流路を備えた別部材が介在していてもよい。この場合、この別部材が受け面を構成する。
【0028】
図2及び図3が示すように、4つの分割体36は、吐出面12側から順に、入口分割体50、中間分割体52、54及び出口分割体56である。入口分割体50が、受け面46と面接触している。出口分割体56が、受け面48と面接触している。ヘッド主部6の入口面24は、入口分割体50により構成されている。ヘッド主部6の出口面26は、出口分割体56により構成されている。
【0029】
図5及び図6は、出口分割体56を示す。出口分割体56は、入口面58と出口面60とを有する。出口面60は、ヘッド主部6の出口面26である。図5は、入口面58側から見た図である。図6は、出口面60側から見た図である。出口分割体56は、全体として平板状である。出口分割体56は、2つの貫通孔42を有する。上側の貫通孔42は、上側の流路22の一部である。下側の貫通孔42は、下側の流路22の一部である。貫通孔42の断面形状は、徐々に変化している。
【0030】
図7及び図8は、流路22の断面形状の変化を示している。図7は、上側の流路22の断面形状の変化を示している。図8は、下側の流路22の断面形状の変化を示している。図7及び図8において、(a)は入口分割体50の入口面における貫通孔42の形状であり、(b)は入口分割体50の出口面及び中間分割体52の入口面における貫通孔42の形状であり、(c)は中間分割体52の出口面及び中間分割体54の入口面における貫通孔42の形状であり、(d)は中間分割体54の出口面及び出口分割体56の入口面における貫通孔42の形状であり、(e)は出口分割体56の出口面における貫通孔42の形状である。流路22の断面形状は、連続的に変化している。流路22の内面は、実質的に滑らかに連続している。
【0031】
中間分割体52、54の構造は、貫通孔42の形状を除き出口分割体56と同様である。入口分割体50は、厚みが一定でない。入口分割体50は、上方から下方に向かって徐々に薄くなる肉厚変化部を有する。入口分割体50の入口面62は、ヘッド主部6の入口面24である。
【0032】
図2及び図3が示すように、入口面24は鉛直方向に対して平行であり、出口面26は鉛直方向に対して傾斜している。この結果、入口面24と出口面26との間隔は、一方側から他方側に向かって徐々に狭くなっている。本実施形態では、入口面24と出口面26との間隔は、上側から下側に向かって徐々に狭くなっている。
【0033】
受け面44の形状は、入口面24及び出口面26に対応している。受け面46は、入口面24に沿っている。受け面48は、出口面26に沿っている。受け面44は、一方側から他方側に向かって徐々に狭くなるように構成されている。換言すれば、受け面46と受け面48との間隔は、一方側から他方側に向かって徐々に狭くなるように構成されている。本実施形態では、受け面44は、上側から下側に向かって徐々に狭くなるように構成されている。換言すれば、受け面46と受け面48との間隔は、上側から下側に向かって徐々に狭くなるように構成されている。
【0034】
押出装置2は、力発生機構を有している。力発生機構の図示は、省略されている。力発生機構は特に限定されない。力発生機構として、油圧ピストン等の油圧機構が例示される。力発生機構は、ヘッド主部6に対して押圧力又は引張力を付与する。力発生機構は、例えばヘッド主部6の上面58を下方に向かって押す。力発生機構は、例えばヘッド主部6を下方へと引っ張る。
【0035】
力発生機構の他の例として、ボルト等の締結部材を用いた機構が例示される。この機構は、例えば、ヘッド主部6と、収容部7の底部60(図2参照)との間に架け渡されたボルトである。このボルトを締めることにより、ヘッド主部6が底部60側に引っ張られる。このボルトにより、ヘッド主部6は下方へ引っ張られる。
【0036】
このような力発生機構により、ヘッド主部6には、例えば上方から下方へと向かう力F1が与えられる。この力F1のベクトルが、図2に図示されている。力F1は、入口側の受け面46に対して垂直な方向の成分S1(図示省略)を有する。この力成分S1が与えられたヘッド主部6は、入口側の受け面46を押す。この反作用により、ヘッド主部6の入口面24は、受け面46から垂直抗力F2を受ける(図2参照)。力成分S1及び垂直抗力F2により、受け面46(吐出面12)と入口面24との間において、面接触の面圧が高められる。これにより、受け面46(吐出面12)と入口面24との境界におけるゴムの漏れが抑制される。
【0037】
なお、力発生機構は、他方側(下側)から一方側(上側)へと向かう成分を有する力F3をヘッド主部6に対して与えうるのが好ましい(図2参照)。この力F3により、ヘッド主部6の取り外しが容易とされうる。
【0038】
図3において符合k1で示されるのは、分割体36同士の接触面である。垂直抗力F2は、接触面k1に対して垂直な成分S2(図示しない)を有する。この力成分S2により、接触面k1における面接触の面圧が高められている。これにより、接触面k1におけるゴムの漏れが抑制される。
【0039】
前述したように、本実施形態では、出口側の受け面48は、収容部7の内面である。他の形態として、出口側の受け面48が、上記出口部材により形成されていてもよい。この場合、上記垂直抗力F2が、出口部材と出口面26との間において、面接触の面圧を高める。なお、受け面48は、収容部7の内面でなくてもよい。収容部7の内面と出口面26との間に、流路を有する別部材が介在していてもよい。
【0040】
ゴムを押し出すためには、高い圧力が必要となる。ゴム用の押出装置において、流路には大きな内圧が作用する。この内圧により、境界面からのゴム漏れが生じやすい。本発明は、境界面における面圧を効果的に高め、漏れを効果的に抑制する。
【0041】
前述した従来の開閉式ヘッドでは、流路に作用する内圧が、ヘッドを開ける方向に作用しやすい。この内圧に対抗するため、従来の開閉式ヘッドでは、ヘッドを閉じるために多大な力が必要とされる。この多大な力を供給するため、大型クランプや大型の油圧設備などの大型設備が必要となる。この大型設備は、押出装置の製造コストを増大させる。更に、この大型設備は、操作に時間がかかる。更に、従来の開閉式ヘッドが大型化された場合、ヘッドを閉じるための力をヘッドの全体に行き渡らせることは、困難である。従来の開閉式ヘッドは、特に大型化された場合に漏れの問題が顕在化しやすい。
【0042】
内圧による力は、材料(ゴム)の流れ方向の成分S3と、流れ方向に対して直交する成分S4とに分けられる。力成分S3は、ゴムを流すための推進力となる。一方、力成分S4は、流路22を拡張する方向に作用する。前述した従来の開閉式ヘッドでは、力成分S4がヘッドを開ける方向に作用しやすい。
【0043】
上記押出装置2では、流路22が、一体部材を貫通してなる貫通孔42である。この一体部材は、流路22に作用する力成分S4を効率的に受け止める。
【0044】
前述したように、ヘッド主部6は、複数の分割体36に分割されている。分割体36同士の接触面k1の延在方向は、流路22の流れ方向に対して角度を有している。よって、上記力成分S4は、分割体36同士を引き離す方向に作用しにくい。
【0045】
図3において符合θ1で示されるのは、流路22の内面に直交する方向V1と接触面k1との成す角度である。接触面k1からのゴム漏れを抑制する観点から、角度θ1は、70度(degree)以下が好ましく、60度以下がより好ましく、50度以下がより好ましく、40度以下が特に好ましい。方向V1と接触面k1とは、平行でもよい。なお、角度θ1は、流路22の内面上の各点において定められうる。
【0046】
前述したように、上記入口面24と出口面26との間隔は、一方側から他方側に向かって徐々に狭くなる。これに対応して、受け面44も、一方側から他方側に向かって徐々に狭くなる。徐々に狭くなる方向は、限定されない。上記実施形態では、上記入口面24と出口面26との間隔は、上側から下側に向かって徐々に狭くなる。この場合、ヘッド主部6を上方から出し入れすることができ、ヘッド主部6の交換が極めて容易となる。更にこの場合、ヘッド主部6に作用する重力が、上記力F1と同様に作用しうる。ヘッド主部6に作用する重力により、ゴムの漏れが効果的に防止されうる。
【0047】
図3において両矢印θ2で示されるのは、入口面24と出口面26とのなす角度である。ヘッド主部の取り外しを容易とする観点から、角度θは、3度(degree)以上が好ましく、5度以上がより好ましく、7度以上がより好ましく、8.5度以上が特に好ましい。より少ない力で面接触の面圧を高め、材料の漏れを効率的に抑える観点から、角度θは、30度以下が好ましく、20度以下がより好ましく、15度以下がより好ましく、10度以下が特に好ましい。
【0048】
図3において両矢印θ3で示されるのは、入口面24の鉛直方向に対する傾斜角度である。ヘッド主部の取り外しを容易とする観点から、角度θ3は、3度(degree)以上が好ましく、5度以上がより好ましく、7度以上がより好ましく、8.5度以上が特に好ましい。より少ない力で面接触の面圧を高め、材料の漏れを効率的に抑える観点から、角度θ3は、30度以下が好ましく、20度以下がより好ましく、15度以下がより好ましく、10度以下が特に好ましい。
【0049】
ヘッド主部6は、分割されなくてもよいし、分割されてもよい。ヘッド主部6の分割数は、特に限定されない。ヘッド主部6の分割数が少ないほど、接触面k1からの材料漏れの可能性は少なくなる。一方、ヘッド主部6の分割数が多いほど、分割体36の重量が減少する。この重量の減少により、ヘッド主部6の取り扱いが容易とされうる。更に、ヘッド主部6の分割数が多いほど、分割体36の厚みが少なくされうる。分割体36の厚みが少ないほど、部分流路38の加工が容易となる。分割体36の厚みが少なくなれば、部分流路38を機械によりミーリング加工することが容易となる。ヘッド主部6の分割数は、ヘッド主部6の大きさ、流される材料の特性、内圧、部分流路38の加工の容易性等を総合的に考慮して決定されうる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、あらゆる押出装置に適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る押出装置の正面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図3は、図2からヘッド主部のみを抜き出した図である。
【図4】図4は、図1の押出装置を上方から見た図である。
【図5】図5は、分割体を入口側から見た図である。
【図6】図6は、分割体を出口側から見た図である。
【図7】図7は、流路の断面形状を示す図である。
【図8】図8は、流路の断面形状を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
2・・・押出装置
4・・・本体
6・・・ヘッド主部
8・・・スクリュー
10・・・吐出口
12・・・吐出面
14・・・本体流路
22・・・流路
24・・・ヘッド主部の入口面
26・・・ヘッド主部の出口面
36・・・分割体
38・・・部分流路
40・・・貫通孔
42・・・貫通孔
44・・・受け面
46・・・入口側の受け面
48・・・出口側の受け面
50・・・入口分割体
52・・・中間分割体
54・・・中間分割体
56・・・出口分割体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド主部と、このヘッド主部に面接触する受け面とを有し、
上記ヘッド主部が、材料が流れる流路と、この流路の入口が設けられた入口面と、この流路の出口が設けられた出口面とを有し、
上記受け面が、材料の吐出口が設けられた吐出面を有し、
上記入口面と上記吐出面との面接触により、上記流路と上記吐出口とが連結され、
上記流路が、一体部材を貫通してなる貫通孔を含み、
上記入口面と出口面との間隔が一方側から他方側に向かって徐々に狭くされており、
上記受け面は、上記入口面と出口面とに面接触するとともに、一方側から他方側に向かって徐々に狭くされており、
上記ヘッド主部に、一方側から他方側へ向かう力が与えられると、この力により、上記面接触の面圧が高められるように構成されている請求項1に記載の押出装置。
【請求項2】
上記ヘッド主部は、複数の分割体からなり、
これらの分割体のそれぞれが、上記流路の一部である部分流路を有し、
この部分流路が、一体部材を貫通してなる貫通孔であり、
上記分割体同士の面接触により、上記部分流路同士が連結され、
上記力により、上記分割体同士の面接触の面圧が高められるように構成されている請求項1に記載の押出装置。
【請求項3】
上記入口面と上記出口面との間隔が上側から下側へ向かって徐々に狭くされており、
上記受け面も、上側から下側に向かって徐々に狭くされており、
上記ヘッド主部に、上側から下側へ向かう力が与えられると、この力により、上記面接触の面圧が高められるように構成されている請求項1又は2に記載の押出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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