説明

拡張ユニバーサル地上無線アクセスネットワークにおける回線交換継続性の維持

【課題】PS(packet switched)RAT(radio access technology)からCS(circuit switched)RATへのフォールバック手順を実施する方法を提供すること。
【解決手段】WTRU識別子およびドメイン標識を含み、そのドメイン標識は、ページングメッセージがCS RAT上のサービスに関するかどうかを示すページングメッセージがPS RATを介してWTRU(wireless transmit/receive unit)で受信される。ページングメッセージ内のWTRU識別子が受信側WTRUの保管済み識別子と一致する場合、CS RATへのフォールバック手順が実行される。WTRUは、WTRUに割り当てられたCS RAT体系の識別子を使用してページングメッセージに応答する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はワイヤレス通信に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)プログラムの目標は、新しいLTE設定および構成に関して新しい技術、新しいアーキテクチャおよび新しい方法を開発することである。これらの機能は、スペクトル効率の改善、待ち時間の短縮、無線リソースの利用率の改善を行うために開発が続けられている。これらの機能は、より少ない費用で、ユーザ体験をより迅速にし、用途をより豊富にし、かつサービスを改善するように意図されている。
【0003】
LTEは、PS(Packet Switched)専用の無線技術である。レガシーGSM(Global System for Mobile Communications)との後方移動性をサポートすることが望ましい。GSMなどのレガシーCS(Circuit Switched)ネットワークとのインターワークのために、IMS(IP Multimedia Core Network Subsystem)ネットワークがデプロイされると期待されていた。具体的には、VCC(Voice Call Continuity)が、VoIP(Voice over Internet Protocol)手法を使用して音声呼をLTE PSネットワークからレガシーCSネットワークにハンドオーバするために使用される手法であることが期待されていた。IMSデプロイメントはLTEデプロイメントから切り離すことが望ましい。言い換えると、初期には音声呼用の現在デプロイされているCSインフラストラクチャを使用し、LTEを高速のPSサービス専用にデプロイすることが望ましい。この理由のため、LTEは、マルチモードWTRU(wireless transmit/receive unit)が、LTEおよびGSMならびに/またはWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)などにより、高速のPSデータトラフィック用としてはLTEネットワークを使用し、音声トラフィック用としては、VCCなどのいずれのIMS機能も使用せずに、レガシーCSネットワークに復帰できるようにすることが望ましい。
【0004】
WTRUがE−UTRANネットワークを介してEPS(Evolved Packet System)に接続されるとき、NAS(Non Access Stratum)レイヤ接続(layer Attach)メッセージは、WTRUをCSドメインでも接続する必要があることをネットワークに示すためにCSフォールバック標識を含むことができる。すると、図1に示されているように、MME(Mobility Management Entity)がWTRUに代わってCSドメインとの接続を実行することができ、その後、接続受諾メッセージによってプロセスが完了したことを示すことができる。EPSでのCSフォールバックのための接続手順は、3GPP標準TS 23.060で規定されているとおりに、組合せ型GPRS(General Packet Radio Service)/IMSI(International Mobile Subscriber Identifier)接続手順に基づいて実現することができる。
【0005】
図1は、接続手順を実行するための方法100の流れ図である。方法100では、WTRU102、MME104、MSC/VLR(mobile swiching center/visitor location register)106、およびHSS(home subscriber server)108間でメッセージが交換される。WTRU102は、3GPP標準TS 23.401で規定されているパラメータ、およびCSフォールバック標識(indicator)を含めて、接続要求メッセージをMME104に送信することにより、接続手順を開始する(ステップ110)。CSフォールバック標識は、WTRU102がCSフォールバックを使用することができて、CSフォールバックを使用するように構成されていることを示す。
【0006】
EPS接続手順は、3GPP標準TS 23.401で規定されているとおりに実行される(ステップ112)。接続要求メッセージが組合せ型更新(Combined Update)標識を含む場合、VLR106は、3GPP標準TS 23.060の組合せ型GPRS/IMSI接続手順に従って更新される(ステップ114)。VLR番号は、TAI(Tracking Area Identity)から引き出される。MME104は、第1の加入者データ挿入メッセージをHSS108から受信すると、新しいMSC/VLRに対して位置更新手順を開始する。この動作は、VLR106内に、WTRU102はEPS接続済みというマークを付ける。
【0007】
MME104は、新しいLAI(Location Area Identity)、IMSI、MMEアドレスまたは位置更新タイプなど、位置の更新要求メッセージをVLR106に送信する(ステップ116)。新しいLAIは、MME104内でTA(Tracking Area)からのマッピングに基づいて決定される。マップされたLAIは、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)宛でも、またはUTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)宛でもよい。
【0008】
VLR106は、MMEアドレスを保管することにより、MME104との関連を作成する(ステップ118)。VLR106は、CSドメイン内で位置更新手順を実行する。VLR106は、VLR TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)などの位置の更新受諾メッセージでMME104に応答する。MME104は、3GPP標準TS 23.401で規定されているとおりのパラメータ、LAI(Location Area Identity)およびVLR TMSI(割り当てられている場合)を含めて、接続受諾メッセージをWTRUに送信する(ステップ124)。LAI(および、VLR TMSIが割り振られていれば、VLR TMSI)が存在していれば、CSドメインへの接続が成功したことを示している。
【0009】
図2は、アイドルモードの時にWTRUが呼を終了する方法200の流れ図である。方法200では、WTRU202、eNB204、MME206、RNC(radio network controller)またはBSC(base station controller)208、MSC/VLR210、HSS212、およびGMSC(gateway mobile switching center)214間でメッセージが交換される。
【0010】
方法200は、GMSC214がIAM(initial address message)を受信することから始まる(ステップ220)。GMSC214は、終了するWTRUの経路指定情報をSRI(Send Routing Info)手順を使用して検索する(ステップ222)。GMSC214は、終了する側のMSC210にIAMを送信する(ステップ224)。
【0011】
MME 206は、MSC210からSGsインターフェースを介してページング(IMSI、VLR TMSI、または位置情報)情報を受信する(ステップ226)。MSC210から受信されたTMSI(またはIMSI)は、無線インターフェース上のページングアドレスとして使用されるSTMSIを見つけるためにMME206によって使用される。MME206によって知られている位置情報が信頼できる場合(すなわち、MMEがTAのリストを保管している場合)、MME206はすべてのTA内のWTRU202をページングする。MME206がWTRU202用の保管済みTAリストを有していない場合、MME206は、MSCから受信した位置情報を使用してWTRUをページングする。事前ページングがデプロイされる場合、この手順は、ステップ224の前で、MSC210がHSS212からMAP_PRNメッセージを受信した直後に行われる。
【0012】
MME206はページングメッセージを各eNB204に送信する(ステップ228)。ページングメッセージは、適切なWTRU識別情報(すなわち、S−TMSIまたはIMSI)、およびどのドメイン(CSまたはPS)がページングメッセージを開始したかを示すCN(core network)ドメイン標識を含んでいる。この場合、ドメイン標識は、MME206によって「CS」に設定される。eNB204はWTRU202をページングし(ステップ230)、ページングメッセージは、適切なWTRU識別情報(すなわち、S−TMSIまたはIMSI)およびCSドメイン標識を含む。
【0013】
WTRU202はRRC接続を確立し、拡張サービス要求(CSフォールバック標識)をMME206に送信する(ステップ232)。WTRU202は、RRCシグナリング中にそのS−TMSIを示す。拡張サービス要求メッセージは、RRCメッセージおよびS1 APメッセージにカプセル化される。CSフォールバック標識は、MME206に、WTRU206用のCSフォールバックが必要であることを示す。MME206は「S1 AP:初期WTRUコンテキストセットアップ(WTRU機能、CSフォールバック標識および他のパラメータを含む)」を送信して、eNB204に、WTRU202をUTRAN/GERANに移動させるように指示する(ステップ234)。
【0014】
次の処置では、2つのオプション、すなわち、ターゲットRATがPS HO(handover)機能を有するか否かの選択がある。ターゲットRATがPS HO機能を有する場合、CSフォールバック標識付きの初期WTRUコンテキストセットアップメッセージを受信すると、eNB204は、オプションでWTRU202に測定レポートを依頼して、PSハンドオーバが行われるターゲットセルを決定することができる(ステップ236)。次にPSハンドオーバが実行され、PSハンドオーバの一部として、WTRU202は、CSフォールバック標識を含むことができるHOをE−UTRANコマンドから受信し、そのCSフォールバック標識が、WTRU202に対して、CSフォールバック要求のためにハンドオーバがトリガされたことを示す。E−UTRANコマンドからのHOがCSフォールバック標識を含んでいる場合、WTRU202がターゲットRATとの接続を確立できないと、WTRU202はCSフォールバックが失敗したと見なす。
【0015】
ターゲットRATがPS HO機能を有さない場合、CSフォールバック標識付きの初期WTRUコンテキストセットアップメッセージを受信すると、eNB204は、オプションでWTRUに測定レポートを依頼して、WTRU202を宛先変更するためのターゲットセルを決定することができる(ステップ236)。その後、eNB204は、CS可能なRATに変更するための宛先変更情報(RAT、周波数およびセル情報を含む)を使ってRRC接続を解放する。オプションとして、eNB204は、GERAN用のNACC(Network Assisted Cell Change)手順を使用してRAT間システム情報を提供することができる。この場合には、WTRU202は、CSフォールバック標識を含むことができるRAT間セル変更オーダを受信し、そのCSフォールバック標識が、WTRU202に対して、CSフォールバック要求のためにセル変更オーダがトリガされたことを示す。RAT間セル変更オーダがCSフォールバック標識を含んでいる場合、WTRU202がターゲットRATとの接続を確立できないと、WTRU202はCSフォールバックが失敗したと見なす。
【0016】
WTRU202が(例えば、システム情報または宛先変更情報に基づいて)新しいUTRAN/GERANセルのLA/RA情報を入手した場合、その新しいセルのLA/RAが、WTRU202に保管されているLA/RAと異なっていれば、WTRU202は、ターゲットシステムがNMO(Network Mode of Operation)Iで動作している場合、LA更新、または、組合せ型RA/LA更新手順を実行する(ステップ238)。WTRU202はMSC210に対してページ応答メッセージで次のように応答する。
【0017】
ターゲットRATがUTRANまたはGERAN Iuモードの場合、WTRU202は、RRC接続を確立し、ページングメッセージに対して、RRC初期直接転送メッセージで応答する。初期直接転送メッセージ内のCNドメイン標識が「CS」に設定される。ページング応答メッセージがRNC208で受信されると、そのページング応答メッセージはRANAP初期WTRUメッセージに入れられてMSC210に送信される(ステップ242)。
【0018】
ターゲットRATがGERAN A/Gbモードの場合、WTRU202は、3GPP TS 44.018で規定されている手順を使用してRR接続を確立する(すなわち、WTRU202は、専用チャネルを要求し、それが割り当てられ、その専用チャネルでWTRU202は、BSSに、レイヤ3サービス要求メッセージ=PAGING RESPONSEを含むSABM(Set Asynchronous Balanced Mode)を送信し、BSSは、UAを送信することにより応答する)。3GPP TS 44.018に記載されているとおりの主シグナリングリンクを確立した後、WTRU202はデュアル転送モードまたは専用モードになり、CS呼確立手順は完了する。ページング応答メッセージがBSC208で受信されると、そのページング応答メッセージは、BSSAP完了レイヤ3情報メッセージに入れられてMSCに送信される。BSSは、このBSSによって対応するページング要求が送信されていない場合でも、ページング応答を受信する準備ができていなければならない。また、MSC210も、CSページングメッセージが送信されてから比較的長時間経た後はページング応答を受信する準備ができていなければならない(ステップ226)。
【0019】
2G/3GセルにサービングするMSCが、LTEへのキャンプオン中にWTRU202にサービングしていたMSCと同じ場合、MSCはページング応答タイマを停止させ、CS接続を確立する(ステップ244)。
【0020】
ページング応答を受信するMSCがページング要求を送信したMSCと異なる場合、および、LA更新または組合せ型RA/LA更新が実行されなかった場合、MSCは、A/Iu−cs接続を解放することにより、ページ応答を拒否する(ステップ246)。次いで、RNC/BSC208がRRC/RR接続を解放する(ステップ248)。RRC/RRが解放されと、WTRU202は、次のようにLA更新を実行する。(ステップ250)。ターゲットシステムガMNO(Network Mode of Operation)Iで動作している場合、WTRU202は、組合せ型RA/LA更新を実行する。ターゲットシステムがMNO Iで動作している時、CS音声呼が終了した後もWTRU202がUTRAN/GERANに留まっている場合、および、組合せ型RA/LA更新がまだ実行されていない場合、WTRU202は、組合せ型RA/LA更新手順を実行する。この手順は、MSC/VLR210とSGSN間のGs関連付けを作成するため、およびSGs関連付けを解放するために使用される。
【0021】
ターゲットシステムがMNOIIまたはIIIで動作している場合、WTRU202は、MSC210に対してLA更新を実行する。LA更新が実行されると、CSフォールバック用ローミング再試行手順がトリガされる。ターゲットシステムがMNOIIまたはIIIで動作している時、CS音声呼が終了した後もWTRU202がUTRAN/GERANに留まっている場合、および、LA更新がまだ実行されていない場合、WTRU202はLA更新手順を実行する。この手順は、MSC/VLR210とMME206間のSGs関連付けを解放するために使用される。
【0022】
WTRUがアイドルモードになっている場合、ネットワークはWTRUの位置および接続状態を認識しないので、ページングを開始できることに留意されたい。WTRUが接続済みモードになっている場合、すなわち、WTRUがネットワークに接続されている場合、WTRUのページングは不要であり、ネットワークは専用メッセージによってWTRUに容易に到達することができる。専用メッセージの例の一つにCSサービス通知メッセージがある。
【0023】
図3は、アクティブモードにあるMO(mobile originated)呼の準備段階のための方法300の流れ図である。方法300では、WTRU302、eNB304、BSS306、MME308、MSC310、SGSN312、およびサービングGW 314間でメッセージが交換される。WTRU302は、CS呼要求メッセージをeNB 304に送信する(ステップ320)。eNB304は、オプションでWTRU302に測定レポートを要求して、PSハンドオーバが行われるターゲットGERAN/UTRANセルを決定することができる(ステップ322)。
【0024】
WTRU302が移動中の時、WTRUを別のeNBおよび/またはBSSにハンドオーバして、WTRUとネットワーク間の接続を維持する(すなわち、再割り当てプロセスを実行する)ことが必要な場合がある。eNB304は、再割り当て必要メッセージをMME308に送信する(ステップ324)。MME308は、再割り当て要求メッセージをSGSN312に転送する(ステップ326)。SGSN312は、PSハンドオーバ要求メッセージをBSS306に送信する(ステップ328)。SGSN312は、ターゲットBSS内で無線リソースを予約し(ステップ330)、ターゲットBSSは、ターゲットBSSからソースBSSへの透過コンテナを作成する(ステップ332)。BSS306は、PSハンドオーバ要求肯定応答メッセージをSGSN 312に送信する(ステップ334)。SGSN312は、再割り当て応答メッセージをMME 308に転送する(ステップ336)。このステップの完了後、WTRU302はターゲットBSSにハンドオーバされる。
【0025】
図4は、アクティブモードにあるMO呼の実行段階のための方法400の流れ図である。方法400では、WTRU402、eNB404、BSS406、MME408、MSC410、SGSN412、およびサービングGW414間でメッセージが交換される。WTRU402とeNB404間で、必要に応じてサービングGW 414を利用してアップリンクおよびダウンリンクペイロードPDUが交換される(ステップ420)。MME408は、再割り当てコマンドをeNB404に送信し(ステップ422)、それによって、eNB404は、E−UTRANからのハンドオーバコマンドをWTRU402に送信する(ステップ424)。
【0026】
WTRU402およびeNB404はGERAN A/Gbアクセス手順を実行し(ステップ426)、WTRU402は、XID応答メッセージをBSS406に送信する(ステップ428)。BSS406はPSハンドオーバ完了メッセージをSGSN412に送信し(ステップ430)、XID応答メッセージをSGSN412に転送する(ステップ432)。また、この時点で、WTRU402がアップリンクパケットデータをeNB404に送信する(ステップ434)。
【0027】
ターゲットRATがGERANの場合、WTRU402は、CM(Connection Management)サービス要求付きのSABMメッセージをBSS406に送信する(ステップ436)。BSS406は、CMサービス要求付きの完全なレイヤ3情報をMSC410に転送し、これによって、GERANセル内でCSリソースが割り振られたことを示す(ステップ438)。BSS406は、CMサービス要求付きのUAを送信することによりWTRU402に応答し、これによって、SABMメッセージに肯定応答したことになる(ステップ440)。すると、WTRU402はCS呼確立手順を開始する(ステップ442)。
【0028】
「E−UTRANからのハンドオーバ」コマンド(ステップ424)の処理の一部に、SGSN412がハンドオーバ完了メッセージを受信することが含まれる。ハンドオーバ完了メッセージを受信すると、SGSN 412は、再割り当て転送完了メッセージをMME408に送信してPSハンドオーバ手順の完了を示す(ステップ444)。MME408は、再割り当て転送完了肯定応答メッセージをSGSN412に送信することによりSGSN412に応答するs(ステップ446)。
【0029】
SGSN412は、PDPコンテキスト更新要求メッセージを、新しいSGSNアドレス、TEID(tunnel endpoint identifier)およびネゴシエーション済みQoS(quality of service)を含めてサービングGWに送信し(ステップ448)、オプションで、IPパケットをサービングGW414に送信する(ステップ450)。サービングGW414はPDPコンテキストフィールドを更新し、PDPコンテキスト更新応答メッセージを(TEIDを含めて)SGSN412に送信する(ステップ452)。この時点で、サービングGW414は、新しい着信ダウンリンクIPパケットをソースeNBではなくSGSN412に送信する(ステップ454)。ダウンリンクIPパケットは次にBSS406に転送され(ステップ456)、最終的にWTRU402に転送される(ステップ458)。
【0030】
WTRU402およびSGSN412は、LLC ADM用にXIDネゴシエーション手順を実行する(ステップ460)。WTRU402およびSGSN412は、LLC ABM用にもXIDネゴシエーション手順を実行する(ステップ462)。ネゴシエートすべきLLCレイヤパラメータに応じて、XIDネゴシエーション手順(ADM用およびABM用)の1つまたは両方を実行できることに留意されたい。WTRU402は、アップリンクデータパケットを送信することが可能な場合、経路指定エリア更新手順をトリガする(ステップ464)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
上述の手順を実行しても、対処する必要がある問題が2つある。すなわち、組合せ型位置エリア更新/トラッキングエリア更新、およびページングに使用するWTRUの識別情報である。
【0032】
1.組合せ型位置エリア更新/トラッキングエリア更新
1つの問題は、E−UTRAN内にある間はCSドメインに接続されたままになっているために必要な組合せ型LAU(Location Area Update)/TAU(Tracking Area Update)
手順に関する。レガシーGPRSでは、RA(routing area)は、LA(location area)のサブセットであった。システム情報は、LAI(location area identity)およびRAI(routing area identity)の両方を同報通信していた。LA内の変化はRA内の変化を表したが、その逆はなかった。LTEシステム情報において、周辺のレガシーGSM/UMTS CSネットワークのLAコードを同報通信する規定はない。加えて、TAとLA間に事前に定義された関係があることは想定されていない。したがって、この問題は次のように言うことができる。すなわち、WTRUは、組合せ型TAU/LAU手順がトリガされる必要があるかをどのようにして判定するか?
【0033】
2.ページング用のWTRU識別情報
第2の問題は、ページング用のWTRU識別情報に関する。LTEでは、ページング用のWTRU識別情報は、S−TMSI(S Temporary Mobile Subscriber Identity)である。しかし、WTRUは、LTE内で、IMSIを介してページングメッセージに応答するようには想定されていない。レガシーGSMでは、WTRUは、TMSIを使用しても、IMSIを使用してもページングすることができる。
【0034】
WTRUが、組合せ型EPS/IMSI接続手順または組合せ型TAU/LAU手順を実行すると、MSC/VLRは、ページング用にWTRUにTMSIを割り当てるか、WTRUのIMSIを使用する。TMSIは、それが割り当てられたLA内でのみ一意である。LAとTA間には関係がないため、WTRUは、アイドルモードの時、事前に割り当てられたTMSIが無効の可能性があるLAにまたがる可能性がある。図5は、WTRUが、同じTA(TA1)内にある間に、MMEに対してTA更新手順を実行せずに2つの異なるLA、例えば、LA1およびLA2間をまたぐ想像上のシナリオを示している。この状況での問題は、WTRUをどのように適切にページングするかである。
【0035】
LTEサービスに接続するための接続手順中(図1に示されたとおり)、ネットワークは、WTRUにID番号を割り振らなければならない(S−TMSIを含むGUTI(Global Unique Temporary Identifier))。WTRUへのすべてのページングメッセージがWTRUの識別子としてS−TMSIを使用する。既存の手順では、ネットワークがIMSIを使用してWTRUをページングする場合、IMSIを使用してWTRUをページングできるように適切なパラメータをネットワークのデータベースに作成するためにWTRUはネットワークから切り離され、次いでネットワークに再接続されると想定される。1つの例として、GSMでは、WTRUは常にIMSIを有し、ネットワークによって割り当てられていれば、TMSIも有することができる。しかし、VLRはTMSIをWTRUに割り振る必要はない。LTEでは、MMEがGUTIを割り振らなければならず、そこにS−TMSIが含まれる。VLRがTMSIをWTRUに割り振らないで、WTRUのIMSIを接続受諾メッセージで送り返す場合、WTRUは、それが保管したすべてのTMSIを削除しなければならない。その結果、WTRUは、IMSIによってのみページングできる。しかし、WTRUがCSドメイン内でIMSIによってのみページングできる場合、LTEでは、WTRUはIMSIによってページングすることができず、S−TMSIによってページングしなければならないので問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
WTRUは、割り当てられたIMSIを使用することによってページングできる。既存のメッセージングに追加されるビットは、CNドメインがCSであることを示すことができるため、WTRUは、IMSIを使用してCSページを受信していることを認識する。WTRUが、GERANまたはUTRANにフォールバックする(すなわち、E−UTRANから離れる)場合、WTRUは、MSC/VLRへのページング応答メッセージの中でIMSIを使用しなければならない。さらに、WTRUがPSドメインおよびCSドメインの両方に登録され、かつ、トラッキングエリア更新のための移動性管理手順がトリガされているときには、WTRUは、組合せ型LAU/TAUを指示する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
添付の図面と関連付けて例として記載された以下の説明から、より詳細な理解が得られる。
【図1】CSフォールバック用の接続手順のシグナル図である。
【図2】アイドルモードの時にWTRUが呼を終了する方法のシグナル図である。
【図3】アクティブモードにあるMO呼の準備段階のシグナル図である。
【図4】アクティブモードにあるMO呼の実行段階のシグナル図である。
【図5】位置エリアとトラッキングエリア間の関係の例を示した図である。
【図6】複数のWTRUおよび1つのeNBを含むワイヤレス通信システムの例を示した図である。
【図7】図6のWTRUおよびeNBの例示の機能ブロック図である。
【図8】組合せ型TAU/LAU手順をトリガする方法のフローチャートである。
【図9】組合せ型TAU/LAU手順をトリガする別の方法のフローチャートである。
【図10】LAU手順をトリガする方法のフローチャートである。
【図11】WTRU用のページング識別情報を判定する方法のフローチャートである。
【図12】WTRU用のページング識別情報を判定する第2の方法のフローチャートである。
【図13】WTRU用のページング識別情報を判定する第3の方法のフローチャートである。
【図14】WTRU用のページング識別情報を判定する第4の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書で言及する場合、「WTRU」という用語は、限定的ではないが、ユーザ機器、移動体局、固定または移動体加入者ユニット、ページャー、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、コンピュータ、またはワイヤレス環境で動作可能な任意の他のタイプのユーザデバイスを含む。それ以降に言及する場合、「基地局」という用語は、限定的ではないが、ノードB、サイトコントローラ、AP(access point)、またはワイヤレス環境で動作できる任意の他のタイプのインターフェースデバイスを含む。
【0039】
当業者は、本明細書に記載される方法および装置は、回線交換またはパケット交換データを使用する任意のアクセス技術、例えば、3GPP LTE、WCDMA、GSM、GPRS、EDGE(Enhanced Data for GSM Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)2000(および関連の技術)、ならびにIEEE802技術ファミリー、例えば、802.11、802.16、およびWiMAXなどに応用できることを理解すべきである。
【0040】
図6は、複数のWTRU610および1つのeNB620を含むワイヤレス通信システム600の例を示している。図6に示すように、複数のWTRU610が、eNB620と通信する。WTRU610およびeNB620の構成例が図6に示されているが、ワイヤレス通信システム600には、ワイヤレスデバイスおよびワイヤードデバイスの任意の組合せを含むことができる。
【0041】
図7は、図6のワイヤレス通信システム600のWTRU610およびeNB620の例示の機能ブロック図700である。図7に示すように、WTRU610は、eNB620と通信する。
【0042】
一般的なWTRUに備えることができる構成要素に加えて、WTRU610は、プロセッサ612、受信機614、送信機616、およびアンテナ618を含む。受信機614および送信機616はプロセッサ612と通信する。アンテナ618は、ワイヤレスデータの送信および受信を促すために受信機614および送信機616の両方と通信する。プロセッサ612は、E−UTRAN内で回線交換継続性を維持する方法を実行するように構成される。
【0043】
一般的なノードBに備えることができる構成要素に加えて、ノードB620は、プロセッサ622、受信機624、送信機626、およびアンテナ628を含む。受信機624および送信機626は、プロセッサ622と通信する。アンテナ628は、ワイヤレスデータの送信および受信を促すために受信機624および送信機626の両方と通信する。プロセッサ622は、E−UTRAN内で回線交換継続性を維持する方法を実行するように構成される。
【0044】
組合せ型TAU/LAUを実行するためのトリガ
組合せ型TAU(tracking area update)/LAU(location area update)を実行するための以下のトリガは、個別に、または任意の組合せで使用することができる。
【0045】
システム情報の表示
E−UTRANシステム情報は、周囲のCSネットワーク、例えば、GSMまたはUMTSなどのLAの表示を伝えることができる。この情報は、例えば、E−UTRANシステム情報ブロック、例えば、SIB1などで伝えることができる。この情報は、そのLAがGERANネットワーク用に有効なのか、UTRANネットワーク用に有効なのかを示すことができる。この情報は、WTRUに対して、このエリアで組合せ型TAU/LAUが必要であるかどうかを示すことができる。
【0046】
現在E−UTRAN内にあって、アイドルモードのWTRUは、E−UTRAN内でSIB(System Information Block)によって同報通信されるLA内の変化を検出したときに、組合せ型TAU/LAUを開始することができる。図8は、組合せ型TAU/LAU手順をトリガする方法800のフローチャートである。方法800は、WTRUが周囲のCSネットワークのLAを受信することから始まる(ステップ802)。WTRUが現在E−UTRAN内にあるかどうかの判定が行われる(ステップ804)。WTRUが現在E−UTRAN内にない場合、方法は終了する(ステップ806)。WTRUが現在E−UTRAN内にある場合、WTRUがアイドルモードになっているかの判定が行われる(ステップ808)。WTRUがアイドルモードでないときに、方法は終了する(ステップ810)。WTRUがアイドルモードの時、WTRUがLA内で変化を検出したかの判定が行われる(ステップ810)。WTRUがLA内で変化を検出しなかった場合、方法は終了する(ステップ806)。WTRUがLA内で変化を検出した場合、WTRUは、組合せ型TAU/LAU手順を開始し(ステップ812)、方法は終了する(ステップ806)。
【0047】
タイマ
MSC/VLRは、MSC/VLRがE−UTRAN上で、IMSI接続手順またはLAU要求手順を実行するとき、WTRUにタイマを割り当てることができる。EMM(Evolved Packet System Mobility Management)副レイヤがEMM接続済みモードまたはEMMアイドルモードの場合でも、WTRUがEPSドメイン、CSドメインまたはその両方で登録されている限り、このタイマはNAS内で作動し続けることができる。タイマが時間切れになると、WTRUは組合せ型TAU/LAU手順を開始する。
【0048】
図9は、組合せ型TAU/LAU手順をトリガする方法900のフローチャートである。方法900は、WTRUがE−UTRAN上で、IMSI接続手順またはLAU要求手順を実行することから始まる(ステップ902)。これらの手順の1つが実行された後、MSC/VLRによってタイマが設定される(ステップ904)。タイマが時間切れになると(ステップ906)、WTRUは、組合せ型TAU/LAU手順を開始し(ステップ908)、方法は終了する(ステップ910)。
【0049】
SIM(Subscriber Identity Module)カード
MSC/VLRは、WTRUがLAU要求を開始することなく、WTRUのSIMカードに保管すべき新しいLAIについてMMEを介してWTRUに知らせることができる。例として、接続済みモードで、MMEがWTRUは最後に登録されたLAと異なるLAIに属するエリアにあると判定した場合、MMEがWTRUに代わってLAUを開始することができる。そのようにする場合、MMEはWTRUに新しいLAIおよびIMSIを送信する。MMEがWTRUのIMSIとTMSI間の関係を作成して保持する場合、WTRU識別情報はTMSIであってよい。すると、ネットワークは、どのNASメッセージにおいても、新しいLAI(およびオプションで新しいTMSI)を使ってWTRUを構成することができる。
【0050】
図10は、LAU手順をトリガする方法1000のフローチャートである。方法1000は、WTRUが新しいLAIを有するエリアに移動することから始まる(ステップ1002)。MMEがWTRUに代わってLAU手順を開始する(ステップ1004)。MMEが新しいLAIおよび新しいIMSIをWTRUに送信し(ステップ1006)、方法は終了する(ステップ1008)。
【0051】
EPS/IMSI接続済み
WTRUがEPS/IMSI接続済みの場合にTAU要求をトリガする条件を検出すると、WTRUは、TAU要求とLAU要求を組み合わせる。TAU要求をトリガする1つの条件は、WTRUが、WTRUによって以前に登録されていないTAのリストに対象のTAIが含まれていないエリアに入るとき、すなわち、WTRUが新しいエリアに入るときである。これが発生した場合、WTRUは登録更新を実行する必要があり、これが組合せ型TAU/LAU手順である。
【0052】
WTRU用のページング識別情報
WTRU用のページング識別情報を決定するための以下の手法は、個別に、または任意の組合せで使用することができる。
【0053】
IMSI/TMSIマッピング
MMEがIMSI、TMSI(割り当てられている場合)、および対応するS−TMSI間のマッピングを保持することができる。MSC/VLRがE−UTRAN内でIMSIを使用してMTサービス用のページングを開始する場合、MMEは、IMSIを対応するS−TMSIにマッピングすることができる。MMEは次に、E−UTRAN内で、S−TMSI、およびページメッセージ上の原因値の表示、例えば、CSサービス、CSフォールバック、MT CS呼、MT SMS(Short Message Service)などを使用してWTRUをページングすることができる。WTRUが、ページメッセージはWTRU用の上位レイヤによって割り当てられた識別情報(TMSIまたはIMSI)に関するものであることを検出すると、WTRUは、E−UTRANネットワーク上で、拡張サービス要求メッセージを開始し、サービス要求用の原因値をページ応答に設定する。WTRUがGSM/UMTS CSに宛先が変更される(フォールバックする)場合、WTRUは、IMSIを使用してページ応答を送信する。
【0054】
図11は、WTRU用のページング識別情報を判定する方法1100のフローチャートである。MMEがIMSI、TMSI、および対応するS−TMSI(割り当てられている場合)間のマッピングを保持する(ステップ1102)。MSC/VLRが、E−UTRAN内で、IMSIを使用してWTRUのページングを開始する(ステップ1104)。MMEがIMSIを対応するS−TMSIにマッピングする(ステップ1106)。MMEが、E−UTRAN内で、S−TMSIおよび原因値を使用してWTRUをページングする(ステップ1108)。WTRUで、ページメッセージ内のS−TMSIは、受信側WTRUのS−TMSIであるかの判定が行われる(ステップ1110)。一実施形態では、WTRUは、ページメッセージ内のS−TMSIを、WTRUの、例えばUSIM(Universal Subscriber Identity Module)カードに保管されるS−TMSIと比較する。ページメッセージ内のS−TMSIが受信側WTRUのS−TMSIでない場合、つまり、ページメッセージが受信側WTRU用に意図されていない場合、ページメッセージは破棄され(ステップ1112)、方法は終了する(ステップ1114)。
【0055】
ページメッセージ内のS−TMSIが受信側WTRUのS−TMSIである場合(ステップ1110)、WTRUは、E−UTRAN上で、拡張サービス要求メッセージを開始する(ステップ1116)。WTRUは、次に、CSサービス用のGSMまたはUMTSにフォールバックする(ステップ1118)。CSへのフォールバック完了後、WTRUは、IMSIを使用してページ応答メッセージを送信し(ステップ1120)、方法は終了する(ステップ1114)。
【0056】
IMSIページング
MSC/VLRがE−UTRAN内でIMSIを使用してMTサービス用のページングを開始する場合、MMEは、E−UTRAN内でIMSIを使用してWTRUをページングすることができる。WTRUが、ページメッセージの原因がCSサービス、例えば、CSフォールバック、MT CS呼、MT SMS、CSドメイン標識などに関することを検出すると、WTRUは、ページ要求を無視することもできないし、E−UTRANから切り離すこともできないが、代わりにE−UTRANネットワーク上で、拡張サービス要求メッセージを開始し、サービス要求の原因値をページ応答に設定する。WTRUがGSM/UMTS CSに宛先変更される(フォールバックする)と、WTRUは、IMSIを使用してページ応答を送信する。
【0057】
図12は、WTRU用のページング識別情報を判定する方法1200のフローチャートである。方法1200は、MSC/VLRがE−UTRAN内でIMSIを使用してWTRUのページングを開始することから始まる(ステップ1202)。MMEがE−UTRAN内でIMSIを使用してWTRUをページングする(ステップ1204)。WTRUが、ページメッセージに関連付けられた原因値を検出し(ステップ1206)、そのページメッセージがCSサービスに関するかを判定する(ステップ1208)。ページングメッセージはWTRU識別子(IMSIなど)およびドメイン標識(CSまたはPSに設定されている)を含む。ページメッセージがCSサービスに関していない場合、つまり、ドメイン標識がPSに設定されている場合、WTRUは、E−UTRANに再接続し(ステップ1210)、方法は終了する(ステップ1212)。
【0058】
ページメッセージがCSサービスに関する場合、つまり、ドメイン標識がCSに設定されている場合(ステップ1208)、WTRUは、E−UTRAN上で、拡張サービス要求メッセージを開始する(ステップ1214)。WTRUは、次に、CSサービス用のGSMまたはUMTSにフォールバックする(ステップ1216)。CSへのフォールバック完了後、WTRUは、IMSIを使用してページ応答メッセージを送信し(ステップ1218)、方法は終了する(ステップ1212)。
【0059】
S−TMSIページング
MMEがIMSI、TMSI(割り当てられている場合)、および対応するS−TMSI間のマッピングを保持することができる。MSC/VLRがE−UTRAN内でTMSIを使用してMTサービス用のページングを開始する場合、MMEはTMSIを対応するS−TMSIにマッピングする。MMEは次に、E−UTRAN内で、S−TMSIを使用してWTRUをページングし、ページメッセージ上に原因値の表示、例えば、CSサービス、CSフォールバック、MT CS呼、MT SMSなどの表示を含む。WTRUが、ページメッセージはWTRU用の上位レイヤによって割り当てられた識別情報に関するものであることを検出すると、WTRUは、E−UTRANネットワーク上で、拡張サービス要求メッセージを開始し、サービス要求用の原因値をページ応答に設定する。WTRUがGSM/UMTS CSに宛先変更される(フォールバックする)場合、WTRUは、IMSIを使用してページ応答を送信する。
【0060】
図13は、WTRU用のページング識別情報を判定する方法1300のフローチャートである。MMEがIMSI、TMSI、および対応するS−TMSI(割り当てられている場合)間のマッピングを保持する(ステップ1302)。MSC/VLRが、E−UTRAN内で、TMSIを使用してWTRUのページングを開始する(ステップ1304)。MMEがTMSIを対応するS−TMSIにマッピングする(ステップ1306)。MMEが、E−UTRAN内で、S−TMSIを使用してWTRUをページングし、原因値をページメッセージに含む(ステップ1308)。WTRUで、ページメッセージ内のS−TMSIは、受信側WTRUのS−TMSIであるかの判定が行われる(ステップ1310)。ページメッセージ内のS−TMSIが受信側WTRUのS−TMSIでない場合、つまり、ページメッセージが受信側WTRU用に意図されていない場合、ページメッセージは破棄され(ステップ1312)、方法は終了する(ステップ1314)。
【0061】
ページメッセージ内のS−TMSIが受信側WTRUのS−TMSIである場合(ステップ1310)、WTRUは、E−UTRAN上で、拡張サービス要求メッセージを開始する(ステップ1316)。WTRUは、次に、CSサービス用のGSMまたはUMTSにフォールバックする(ステップ1318)。CSへのフォールバック完了後、WTRUは、IMSIを使用してページ応答メッセージを送信し(ステップ1320)、方法は終了する(ステップ1314)。
【0062】
IMSIページング
MMEがIMSI、TMSI(割り振られている場合)、および対応するS−TMSI間のマッピングを保持することができる。MSC/VLRがE−UTRAN内でTMSIを使用してMTサービス用のページングを開始する場合、MMEはTMSIを対応するS−TMSIにマッピングする。MMEは次に、E−UTRAN内で、IMSIを使用してWTRUをページングし、ページメッセージ上に原因値の表示、例えば、CSサービス、CSフォールバック、MT CS呼、MT SMSなどの表示を含む。WTRUが、ページメッセージはWTRU用の上位レイヤによって割り当てられた識別情報に関するものであることを検出すると、WTRUは、ページ要求を無視することもできず、E−UTRANから切り離されることも不可能であるが、その代わりにE−UTRANネットワーク上で、拡張サービス要求メッセージを開始し、サービス要求用の原因値をページ応答に設定する。WTRUがGSM/UMTS CSに宛先変更される(フォールバックする)と、WTRUは、IMSIを使用してページ応答を送信する。
【0063】
図14は、WTRU用のページング識別情報を判定する方法1400のフローチャートである。MMEがIMSI、TMSI、およびS−TMSI(割り当てられている場合)間のマッピングを保持する(ステップ1402)。MSC/VLRがE−UTRAN内でTMSIを使用してWTRUのページングを開始する(ステップ1404)。MMEがTMSIを対応するIMSIにマッピングする(ステップ1406)。MMEが、E−UTRAN内で、IMSIを使用してWTRUをページングし、原因値をページメッセージに含む(ステップ1408)。WTRUで、ページメッセージ内のIMSIは、受信側WTRUのIMSIであるかの判定が行われる(ステップ1410)。ページメッセージ内のIMSIが受信側WTRUのS−TMSIでない場合、つまり、ページメッセージが受信側WTRU用に意図されていない場合、ページメッセージは破棄され(ステップ1412)、方法は終了する(ステップ1414)。
【0064】
ページメッセージ内のIMSIが受信側WTRUのIMSIである場合(ステップ1410)、WTRUは、E−UTRAN上で、拡張サービス要求メッセージを開始する(ステップ1416)。WTRUは、次に、CSサービス用のGSMまたはUMTSにフォールバックする(ステップ1418)。CSへのフォールバック完了後、WTRUは、IMSIを使用してページ応答メッセージを送信し(ステップ1420)、方法は終了する(ステップ1414)。
【0065】
実施形態
1.PS RATからCS RATへのフォールバック手順を実施する方法は、ページングメッセージをPS RATを介してWTRUで受信するステップであって、そのページングメッセージはWTRU識別子およびドメイン標識を含み、そのドメイン標識はページングメッセージがCS RAT上のサービスに関するかを示す、ステップと、ページングメッセージ内のWTRU識別子は、受信側WTRUの保管済み識別子と一致するかを判定するステップと、ページングメッセージ内のWTRU識別子が受信側WTRUの保管済み識別子と一致するという条件でCS RATへのフォールバック手順を実行するステップと、WTRUに割り当てられたCS RAT体系の識別子を使用してページングメッセージに応答するステップとを含む。
【0066】
2.ページングメッセージ内のWTRU識別子は、S一時移動加入者識別情報である実施形態1に記載の方法。
【0067】
3.ページングメッセージ内のWTRU識別子は、国際移動加入者識別情報である実施形態1に記載の方法。
【0068】
4.実行するステップは、WTRUがCS RATにフォールバックすることを示すためのメッセージをPS RATで送信するステップを含む実施形態1〜3のいずれか1つの記載の方法。
【0069】
5.CS RAT体系の識別子は、国際移動加入者識別情報である実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
6.ページングメッセージ内のWTRU識別子が受信側WTRUの保管済み識別子と一致しないという条件でページングメッセージを破棄するステップをさらに含む実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
7.ページングメッセージ内のWTRU識別子が受信側WTRUの保管済み識別子と一致しないという条件でWTRUをPS RATに再接続するステップを含む実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
8.WTRUは、アンテナと、アンテナと通信する受信機と、アンテナと通信する送信機と、その受信機および送信機と通信するプロセッサであって、WTRU識別子およびドメイン標識を含むページングメッセージであって、前記ドメイン標識が、CS RAT上のサービスに関するページングメッセージであるかを示す、ページングメッセージをPS RATを介して受信し、ページングメッセージ内のWTRU識別子はWTRUの保管済み識別子と一致するかを判定し、ページングメッセージ内のWTRU識別子がWTRUの保管済み識別子と一致するという条件でCS RATへのフォールバック手順を実行し、WTRUに割り当てられたCS RAT体系の識別子を使用してページングメッセージに応答するように構成された受信機とを含む。
【0073】
9.ページングメッセージ内のWTRU識別子は、S一時移動加入者識別情報である実施形態8に記載のWTRU。
【0074】
10.ページングメッセージ内のWTRU識別子は、国際移動加入者識別情報である実施形態8に記載のWTRU。
【0075】
11.プロセッサはさらに、PS RATでメッセージを送信することによりCS RATへのフォールバック手順を開始するように構成された実施形態8〜10のいずれか1つに記載のWTRU。
【0076】
12.CS RAT体系の識別子は、国際移動加入者識別情報である実施形態8〜11のいずれか1つに記載のWTRU。
【0077】
13.プロセッサはさらに、ページングメッセージ内のWTRU識別子がWTRUの保管済み識別子と一致しないという条件でページングメッセージを破棄するように構成された実施形態8〜12のいずれか1つに記載のWTRU。
【0078】
14.ページングメッセージ内のWTRU識別子がWTRUの保管済み識別子と一致しないという条件でWTRUをPS RATに再接続するようにさらに構成された実施形態8〜13のいずれか1つに記載のWTRU。
【0079】
15.PS RATからCS RATへのフォールバック手順を実施する方法は、PS RATでWTRUのページングを開始するステップと、ページングメッセージをPS RATを介してWTRUに送信するステップであって、そのページングメッセージはWTRU識別子およびドメイン標識を含み、そのドメイン標識はページングメッセージがCS RAT上のサービスに関するかを示す、ステップと、フォールバック開始メッセージをPS RATを介してWTRUから受信するステップと、ページング応答メッセージをWTRUから受信するステップであって、そのページング応答メッセージはWTRUのCS RAT体系の識別子を含む、ステップとを含む。
【0080】
16.ページングメッセージ内のWTRU識別子は、S一時移動加入者識別情報である実施形態15に記載の方法。
【0081】
17.ページングメッセージ内のWTRU識別子は、国際移動加入者識別情報である実施形態15に記載の方法。
【0082】
18.CS RAT体系の識別子は、国際移動加入者識別情報である実施形態15〜17のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
19.WTRUに割り当てられた異なる識別子間のマッピングを維持するステップであって、そのWTRUは任意の既知の識別子によりページング可能である、ステップをさらに含む、実施形態15〜18のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
20.WTRUでの組合せ型トラッキングエリア更新および位置エリア更新手順を実行する方法は、WTRUがPS RATおよびCS RATに接続されているかを判定するステップと、トラッキングエリア更新を実行するためのトリガ条件を検出するステップであって、そのトリガ条件は、WTRUが、入力されたエリアのトラッキングエリア識別子が、そのWTRUによって事前に登録されたトラッキングエリアのリスト内に含まれないエリアに入ることを含む、ステップと、トリガ条件を検出すると、組合せ型トラッキングエリア更新および位置エリア更新手順を実行するステップとを含む。
【0085】
上記では機能および要素は特定の組合せで説明されているが、各機能または要素は、他の機能および要素なしで単独でも使用可能であるし、他の機能および要素の有無に関係なく様々な組合せで使用することも可能である。本明細書に記載した方法またはフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによる実行用にコンピュータ読み取り可能なストレージ媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアとして実装することができる。コンピュータ読み取り可能なストレージ媒体の例には、ROM(read only memory)、RAM(randam access memory)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(digital versatile disk)などの光媒体がある。
【0086】
適切なプロセッサの例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けられた1つまたは2つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、任意の他のタイプのIC(integrated circuit)、および/または状態マシンがある。
【0087】
WTRU、ユーザ機器、端末、基地局、RNC(radio network controller)、または任意のホストコンピュータで使用される高周波送受信機を実装するためにソフトウェアと関連付けられたプロセッサが使用できる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの形で実装されるモジュール、例えば、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカーホン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンドフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM無線ユニット、LCD(liquid crystal display)ディスプレイユニット、OLED(organic light-emitting diode)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(wireless local area network)またはUWB(Ultra Wide Band)モジュールと組み合わせて使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PS(packet switched)RAT(radio access technology)からCS(circuit switched)
RATへのフォールバック手順を実施する方法であって、
ページングメッセージを前記PS RATを介してWTRU(wireless transmit/receive unit)で受信するステップであって、前記ページングメッセージはWTRU識別子およびドメイン標識を含み、前記ドメイン標識は前記ページングメッセージが前記CS RAT上のサービスに関するかどうかを示す、ステップと、
前記ページングメッセージ内の前記WTRU識別子は、前記受信側WTRUの保管済み識別子と一致するかを判定するステップと、
前記ページングメッセージ内の前記WTRU識別子が前記受信側WTRUの前記保管済み識別子と一致するという条件で、前記CS RATへのフォールバック手順を実行するステップと、
前記WTRUに割り当てられたCS RAT体系の識別子を使用して前記ページングメッセージに応答するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ページングメッセージ内の前記WTRU識別子は、S一時移動加入者識別情報であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ページングメッセージ内の前記WTRU識別子は、国際移動加入者識別情報であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記実行するステップは、前記WTRUが前記CS RATにフォールバックすることを示すためのメッセージを前記PS RATで送信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記CS RAT体系の識別子は、国際移動加入者識別情報であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−81251(P2013−81251A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−230(P2013−230)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2011−523030(P2011−523030)の分割
【原出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】