拡散結合チタン構成要素を有する液体クロマトグラフィ装置
HPLC装置は、拡散結合された第1および第2のチタン基板から形成される熱交換器を備えている。少なくとも2つの逆流用導管は、第1と第2の基板の間に画定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2007年2月28日出願の米国仮特許出願第60/892,134号、および2007年7月25日出願の米国仮特許出願第60/951,860号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は概して、クロマトグラフィ装置に関し、より詳細には、高圧液体クロマトグラフィ機器に関する。
【背景技術】
【0003】
クロマトグラフィの容量スケールおよび流体経路実施への影響の簡単な説明を以下に与える。高速液体クロマトグラフィ(HPLC)は従来、約4.6mmの仕上がり内径(ID)または孔、および普通は約5cmから25cmの範囲の長さを有する分析カラムを使用して行われる。このようなカラムは普通、慎重に機械加工された構成要素から組み立てられる。
【0004】
カラム管は普通、それぞれのカラム端部取付具または端末内の対応する雌ねじと係合する雄ねじを各端部に有する。各カラム端部取付具は、完成したカラムの性能に重要な機構を組み込んでいる。これらの機構の中に、粒子固定相(または充填)をカラムベッド内に保持し、液体流を狭い孔の入出力相互接続管(0.23mmID)の幾何形状と充填されたベッドのはるかに広い直径寸法(4.6mm)の間で移行させるように協働する、フリットおよび拡散器プレートがある。各カラム端部取付具はまた、ほぼ漏洩密インターフェースをカラムと相互接続管の間に確立するために使用される、ねじ切り圧縮ポートを含んでいる。
【0005】
従来の4.6mmIDのHPLCカラムは、5マイクロメートルの特徴的な充填粒子直径を組み込んだ固定相で充填させることができる。適切な移動相体積流量でのそのカラムの動作により、ベッド構造を通る特徴的な移動相線速度につながる。カラムが十分充填されている(すなわち、空洞、ブリッジ、または他のベッド欠陥がほぼない)場合、この動作型式は、1つまたは複数のタイプのプローブ化合物の使用により示されるように、このシステムに対する特徴的な分離「効率」につながる。特徴的な効率は、システムを通して伝播させることができるクロマトグラフィ区域または帯域の狭さのスケールとして考えることができる。
【0006】
HPLC分析機器では、普通は高効率で分離を行い、それによって干渉または近干渉区域または帯域の解像度を良くすることによって、クロマトグラムの情報量を最大限にすることが望ましい。上記システムから溶出される帯域は、5σで測定して、約10秒の時間経過(すなわち、帯域頂点と、頂点に先行するおよびその後につながる帯域の2.5σを含む、検出器を通る帯域の濃度分布の通過)を有することが予期され得る。
【0007】
体積流量を知った上で、時間単位の帯域の幅を体積単位の幅(この例では、1.0mL/分の流量に対して167マイクロリットル)へ変換することができる。体積領域内での作動は、分離の効率への「余分なカラム」体積の影響を調査することを開始するときに、特に有益である。カラムの外側の(例えば、輸送管内、検出器内、およびインジェクタ内の)体積の存在により普通、カラムによって運ばれるときに分離の質を低下させるしかなくなる。
【0008】
余分なカラム分散(分散=σ2)貢献は、分散がほぼ加法性である場合に、特定の分離が1つまたは複数のタイプの余分なカラム貢献の存在でどのように悪化するかを解明する極めて有用な手段である。システム設計者が直面することを認識するために、クロマトグラフィシステムのいくつかのクラスの特徴的な体積スケールを集計することが有用である。以下の表では、すべてのシステムが同じ効率値を維持し、移動相線速度が充填ベッドを通して一定に維持されることを前提としている。したがって、体積流量は、カラムベッド断面積に比例して、したがってカラム内径2に比例してスケールが決められる。
【表1】
【0009】
表1のカラムおよび流量範囲は、従来のスケールのHPLCでの使用に極めて十分である(特徴的なピーク体積が、1ミリリットルのかなりの部分である場合)、従来の配管および配管インターフェースがどのように、毛細管スケールまたはナノスケールHPLCなどの応用例で迅速に差が付けられているか(特徴的なピーク体積は、数マイクロリットルから数十ナノリットル範囲であり、したがって余分なカラム分散「バジェット」が基本的になくなった場合)を示している。すなわち、従来のHPLCの実施において許容可能である、余分なカラム体積および余分なカラム分散は普通、毛細管およびナノスケールLC技術の実施において不適当である。実際、毛細管およびナノスケール技術は、特に分析に利用可能な試料質量が限られている(試料が限られた分析)場合に、主に質量分析法とインターフェースをとるための適合性により、現時点で分離技術の最前線にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
実際、あるとしてもごくわずかの製造者が表1で言及した特徴的なピーク体積の概略にわたって分離効率を維持することができることを示している。さらに、さらに高い分離効率を達成するために、より小さい充填粒径の使用に対する傾向が同時にある。このより高い効率により、溶出区域または帯域の体積のさらなる減少につながり、さらに余分なカラムの効果の問題が深刻になる。平面流体回路は、余分なカラム体積を最小限に抑えることに取り組み、余分なカラム分散は機能を強固にし、比較的短い経路を作り出す能力において魅力的であると思われるが、今まで、組立材料(典型的には、ガラス、プラスチック、または特定のセラミック)は、デバイスが最新の小粒子分離に特有の内部静水圧に耐えることを可能にしていなかった。この後者の圧力は、超高圧液体クロマトグラフィ(VHPLC)の型式に対応する、カラムヘッドで何万ものPSIであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、HPLC機器などの化学分離デバイス内に含めるための部分的または完全集積マイクロ流体回路が有利には、少なくとも部分的に拡散結合金属層で製造されていることの実現により部分的に生じるものである。非常に様々な厚さのチタン基板は、このような機器の製造および動作に特によく適している。都合の良いことに、本発明のいくつかの例示的な実施形態では、HPLC機器が、様々な程度の集積で、チタン合金の2つ以上の積層拡散結合シートから製造されている。熱交換器、バルブ、サンプラ、および/またはポンプなどの関連のある他の実施形態も、拡散結合チタンを基にしている。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態は、短い長さおよび/または少ない数の相互接続配管の部分、より容易な製造、より低い費用での製造、毛細管スケールおよびナノスケールLCの改善された使用容易性、少ないデッドボリューム、小さい寸法、使い捨てデバイス、集積デバイス、小型デバイス、および約5,000psiまたは10,000psiを超える、また約15,000psi以上の圧力での拡散結合モノリス内の高圧液体クロマトグラフィなどの利点のいずれかまたはすべてを提供する。本発明のいくつかの実施形態は、従来の分析スケールまたはマイクロボアスケール機器と同様の使用容易性および信頼性のある動作を与える、ナノスケールマイクロ流体HPLC機器を提供する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態は、分離カラムが消耗品である従来のシステムを凌ぐ利点を提供する。これらの実施形態によるマイクロ流体ベースの高圧カラムは、ユーザがカラムを交換する場合に、低いデッドボリュームがこのようなインターフェースで維持されることを保証するために1つまたは複数の取付具のないインターフェースを利用する。例えば、一実施形態は、捕捉カラムを画定する基板と、基板内に接続された分離カラムとを含んでいる。これらの実施形態のいくつかはまた、いくつかのマクロスケール取付具を含んでいるが、普通のユーザによって操作されることはめったにない。
【0014】
したがって、本発明の一実施形態は、拡散結合された第1および第2のチタン基板で形成された熱交換器を備えるHPLC装置を特徴としている。少なくとも2つの逆流用導管が、第1の基板と第2の基板の間に画定されている。
【0015】
本発明の第2の実施形態は、固定子アセンブリを備える回転剪断密封バルブを特徴としている。固定子アセンブリは、チタンで形成された外部配管インターフェース部と、外部配管インターフェース部に拡散結合されたチタンのガスケットとを備えている。外部配管インターフェース部は、少なくとも2つの配管ポートを画定する。ガスケットは、各配管ポート用の流体経路を画定し、各流体経路の外端部は配管ポートの対応するものと流体連通している。
【0016】
本発明の第3の実施形態は、HPLC装置を特徴としている。この装置は、分離カラムおよびフローセルを備えている。フローセルは、流路、分離カラムから溶離剤を受ける入口ポート、出口ポートを画定するセル本体と、流路の入口に隣接して配置されたウィンドウと、ウィンドウとセル本体の間に配置されたガスケットとを備えている。ガスケットは、流路の入口を入口ポートに接続させる流体回路を画定する。セル本体およびガスケットは、チタンで形成されており、拡散結合される。
【0017】
図面において、同様の参照記号は全体的に、異なる図面を通して同じ部品のことを言う。また、図面は必ずしも等尺度ではなく、代わりに普通は、本発明の原理を示す際に強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による、化学処理デバイスの一部の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、液体クロマトグラフィ機器の一部の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による、化学処理ユニットの上面図である。
【図4】本発明の一実施形態による、チタンベースデバイスの一部の上面ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による、製造の中間段階でのチタンベースデバイス600cの一部の側面ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による、処理ユニットおよびエレクトロスプレイインターフェースを備える、チタンベースデバイスの一部の側面ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による、チタンベースデバイスの一部の側面ブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態による、フローセルの側断面図である。
【図9A】本発明の一実施形態による、低容量熱交換器の基礎ブロックの上面図である。
【図9B】図9Aの基礎ブロックの側断面図である。
【図9C】図9Bに示すポートの詳細を示す図である。
【図9D】図9Aに関連する、低容量熱交換器の平面部の上面図である。
【図9E】図9Dに関連する、より詳細な図である。
【図9F】図9Aに関連する、低容量熱交換器の上側キャッププレートの上面図である。
【図9G】図9Fのプレートの側断面図である。
【図10A】本発明の一実施形態による、交換器の両側の2つの流体経路に、流体ポートを提供する交換器の全体側面断面図である。
【図10B】図10Aの熱交換器の一端部をより詳細に示す図である。
【図11A】本発明の一実施形態による、交換器の同じ側ですべての流体ポートを提供する交換器の全体側断面図である。
【図11B】図11Aの熱交換器の一端部をより詳細に示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による、クロマトグラフィ分離カラムユニットを示す断面図である。
【図13】本発明の一実施形態による、捕捉カラムおよびクロマトグラフィ分離カラムを備えるチタン拡散結合構成要素を示す断面図である。
【図14A】本発明の一実施形態による、製造の中間段階での拡散結合固定子アセンブリを示す断面図である。
【図14B】図14Aの完成した拡散結合固定子アセンブリを示す図である。
【図14C】図14Aおよび図14Bの固定子アセンブリのガスケットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特定の材料および製造ステップを必要とするいくつかの実施形態を含む、以下の詳細な説明は、包括的ではなく例示的であることを意図している。したがって、この説明は、本発明の製造方法を任意の特定のセットのステップまたは特定の材料に限るものではないことを理解されたい。
【0020】
本明細書中の「拡散結合」は、ほぼ金属構成要素の直接結合につながる高温処理のことを言う。普通、熱および圧縮応力は、2つ以上の構成要素を一緒にするために組み合わせて使用される。結合ステップの前に、極めて平らであり(普通は、数十万分の1インチ内の)、約2から4百万分の1インチの表面粗さ統計値R_aを有する、噛合い表面を得るために、ラップ仕上げおよび研磨プロセスが任意選択で使用される。
【0021】
金属の拡散結合が接合面での原子レベル接触を必要とすると仮定すると、高い温度および適度な圧縮応力(例えば、500から1000PSIのグローバル平均応力)は、そうでなければ接合面を離して保持する傾向がある局所表面粗さを生じさせることによって、必要な密接を可能にすると考えられる。温度での時間を考慮すると、母材の粒界は、元の結合ラインの痕跡を実質的になくすように再分配する。
【0022】
航空宇宙受託業者による機械的な試験片の徹底した試験は、チタンおよびTi6Al−4Vなどの合金内に形成された結合ラインが、母材の強度および耐久力を実質的に保持することを示している。チタンおよびTi6Al−4Vなどの合金は、基材が結合温度でその独自の表面酸化物層(不動態化層)を溶解することが容易に可能であると考えられるので、真空拡散結合に特によく適していると考えられる。したがって、この不動態化層、および得られる結合への影響をなくすために、普通でない手順を用いる必要はない。しかし、(1つまたは複数の)不動態化層に対処するために適当な状態が利用される場合に、ほとんどの金属を拡散結合させることができることが分かるだろう。
【0023】
同様の材料の拡散結合は、融接技術と好対照である、極めて低い残留応力を特徴とする結合を作り出す傾向がある。チタンの拡散結合シーケンスでは、接合面は液化状態にまではならない。生じる温度(例えば、840℃)は、局所粗さの降伏を促進するのに十分高いことが分かる。多くの金属では、温度上昇は普通、降伏強さの低下に関連している。これらの局所粗さが降伏によって非常に局所化された応力に対処するので、得られる付加応力値は、グローバル平均圧縮応力値に収斂する傾向があり、実質的にさらなる降伏に至る。適切な状態が利用されると、2つ以上のチタン基板の拡散結合により、部品が大気温度に戻された場合に、部品の寸法の正味の変化がほとんどなくなるべきである。これは、圧縮ポートなどの機械加工された細部を初期機械加工の時に構成要素内に案内することができるので有用であり、これらの細部は結合プロセスの後に、ほぼ正確および有用なままである。
【0024】
前置きとして、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、2層以上の金属材料の拡散結合層を利用している。層は任意選択で、同一である、同様である、および/または異なっている。層は任意選択では、拡散結合に適したほぼ純物質または合金または合成物からなっている。適切な拡散結合温度は、例えば最も可溶性のある金属の溶融温度の約50%から約70%または90%である。金属マトリックス合成物内のフィラー材料は、例えば、追加の強度を与えるために、および/または温度変化に関連する寸法および/または形状変化を制御するために含まれている。
【0025】
拡散結合は、任意の適切な雰囲気または真空で行われる。いくつかの適切な雰囲気は、窒素、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスを含んでいる。平面流体回路に関連する本発明のいくつかの好ましい実施形態では、適当に選択された構造金属の強度、剛性、延性、および破壊靱性により、金属はデバイス完全性を損なわせる可能性がある破壊を伝播させることなく、応力集中に局所的に対処することが可能であるので、金属がより脆弱な材料が破裂の危険がある平面流体経路実施で十分機能することが可能になる。
【0026】
金属層は、知られている金属材料を含む任意の適切な材料で構成されている。いくつかの高圧流体回路を提供するのに必要な強度、剛性、耐食性、延性、および破壊靱性を有する構造金属の1つの適切なクラスは、チタン合金(ほぼ純チタンを含む)のクラスである。例えば、いくつかの適切なチタン材料がAllegheny Technologies Inc.社のAllVac Division(ノースカロライナ州Monroe)から市販されている。これらの材料としては、異なる酸素レベルに関連する異なる降伏強さを有するALLVAC(R)30、40、55および70CP(工業用純)チタングレード、およびALLVAC(R)チタン6Al−4Vおよび6Al−4V ELI合金(約6.3%のAl、3.8%のV、および0.017%のFeを含む)が挙げられる。意図的に合金化されていない特定の形のチタンを、記号表示CP(「工業用純」の略)で販売することができる。チタン層の拡散結合中に、いくつかの実施形態では、チタンはその独自の酸化物層を可溶化する。
【0027】
以下の説明は、チタン拡散結合構成要素を含む好ましい実施形態に焦点を当てている。しかし、本発明のいくつかの原理は、他の金属から形成された拡散結合構成要素に適用可能である。「チタン」という用語は、ほぼ純チタンおよび適切なチタン合金の両方のことに言及するために以下で使用されている。
【0028】
高圧チタンベース流体回路内に流体経路を形成する適切な方法は、例えば、金属材料の薄シートの光化学貫通エッチング、またはより厚いシートの光化学ブラインドエッチングを含んでいる。別の方法では、流体経路を生成するために必要な材料除去は、電気化学フライス加工、レーザ切断、酸素ガス供給を行ったレーザ切断、放電加工(EDM)、集束イオンビーム(FIB)、電子ビーム切断、反応性イオンドライエッチング、機械切断、または任意の適切な代替手段によって達成することができる。
【0029】
平面流体経路は任意選択で、2つの非エッチング面層の間でその後に任意選択で捕捉される、単一の貫通エッチング薄層または箔内に実質的に設けられている。別の方法では、流体経路は、1つの材料層内のブラインドエッチとして、または結合平面を共有する2シートの材料内に構成された鏡像ブラインドエッチとして設けることができる。必要に応じて、回路は、面シート内にあるブラインドエッチング流体経路構成要素に加えて、中心箔内で貫通エッチングされた流体経路を組み込むことができる。
【0030】
流体経路は、プリント基板(PCB)構成内で見られるものと同様の、所望のような平面の間を相互接続させるために使用されたバイアを備えた、複数の個別層内にあってもよい。金属面シートは、高圧流体密接続(例えば、ねじ切り圧縮ポートを介して)を結合アセンブリに対して行って、高圧ポンプ、試料インジェクタ、検出器などを組み込んだ現実的なシステムへの結合アセンブリの同化を容易にすることができる機械加工された機構で構成することができ、それによって他の材料内に設けられた従来技術の平面流体回路の制限の1つを克服することができる。
【0031】
高圧対応の分離システムの構成要素として、エッチングおよび結合されたチタン流体経路要素は任意選択で、例えば固定相が充填された分離カラム、インライン熱交換器、検出器セルまたはセル構成要素、ポンプマニホールド、および/または試料インジェクタの構成要素を含む、適切であると考えられるシステムの任意の部分を含むまたは提供するために使用される。分離システムの完全な機能は、単一のエッチングおよび結合されたデバイス上にある必要はないが、むしろ、その機能は任意選択では、その指定された作業に適当な寸法および内部容量スケールおよび回路複雑性を有する多数のデバイスにわたって広がっている。
【0032】
構造金属を結合させるいくつかの適当な方法は、結合平面内に、またはそれにすぐ隣接してある流体経路機構を破損することなく、好ましくは二次材料を流体経路に案内するまたは曝すことなく、結合平面上に高圧対応の流体密シールを容易に作り出す。
【0033】
上に記したように、チタンおよびチタン合金は、例えば真空拡散結合によって結合される。知られているプロセスを含む任意の適切な拡散結合プロセスが任意選択で利用される。いくつかの適切な真空拡散結合プロセスが現在、航空宇宙業界で利用されている。真空拡散結合により、適当に調製されたチタン表面を、例えば制御雰囲気、高温、積層スタック上の圧縮応力、および時間の提供を含む所定の状態において直接結合させることが可能であり、このような状態では普通、介在するフィラー金属またはろうを使用する必要がない。チタンおよびチタン合金の真空拡散結合は普通、一体的構成要素を提供し、その中で隣接する層の粒界および/または層間の(1つまたは複数の)インターフェースに形成される粒界が、1つまたは複数の元の結合平面にわたるように移動している。適切に設計されている場合、複数の層は任意選択では、1つの真空炉「オーブンラン」の状況下で、一度に結合される。
【0034】
一例として、上記Ti−6AL−4V合金は任意選択では、約500から1000PSIの公称平均圧縮応力で、および普通は室温状態から結合温度状態まで、および結合温度状態から室温に戻すのに利用される温度の浅い直線的な立上げで数時間にわたって行われる加熱で拡散結合される。得られる台形状の温度プロファイルは、結合温度で2時間以上を必要とする可能性がある。
【0035】
接触層は、優れた表面仕上げ、例えば2から4マイクロインチ以上の表面粗さ統計値R_a、および20から40マイクロインチ以内の平坦度またはグローバル平面度を有することが好ましい。結合は、不活性ガス、または1.0×10−5トール以上の真空などの任意の適切な環境で起こる。環境は実質的に、酸素がないことが好ましい。
【0036】
スタックされたアセンブリの拡散結合は、スタックを結合状態に変換させて、元の個別の金属層がもはや殆ど個別に区別可能ではなくなった、ほぼモノリシック構造を形成する。すなわち、層間のインターフェース(結合平面とも呼ばれる)はバルク材料に特有である粒子構造と交換され、それによって元の結合平面は見えなくなる。
【0037】
上に記載したように、ナノスケールHPLCシステムの使用容易性および信頼性の問題の多くは、低デッドボリューム相互接続を行う難しさにより生じるものである。マイクロ流体ベースHPLCシステムは、これらの問題の多くを避ける可能性がある。少なくともいくつかのHPLC構成要素は、マイクロ流体要素として構成され、望ましい相互接続が適切なマイクロ流体経路を介してこれらの要素間で行われる。
【0038】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を、以下により詳細に記載する。この説明を鑑みて、他の実施形態および構成要素は、化学分離技術分野の当業者には明らかだろう。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態による、化学処理デバイス100の一部の断面図である。デバイス100は、処理ユニット110と、高圧ポンプ120と、高圧ポンプ120から流体を受ける管140と、導管140を処理ユニット110に取り付ける高圧コネクタ130とを備えている。
【0040】
処理ユニット110は、少なくとも部分的に拡散結合チタンから形成されており、処理ユニット110の入口ポートと流体連通させて分離カラムを画定する。好ましい一実施形態では、ポンプ120は、高速液体クロマトグラフィに少なくとも十分な圧力で溶剤を含む液体を運ぶように構成されている。高圧コネクタ130は、高圧ポンプ120によって運ばれる液体を受ける導管140にほぼ漏洩のない接続を行うように、入口ポートと物理的に連通している。デバイス100は任意選択では、化学処理技術分野の当業者が分かるように、(1つまたは複数の)ポンプ、(1つまたは複数の)導管、(1つまたは複数の)カラム、(1つまたは複数の)電気構成要素、(1つまたは複数の)コンピュータなどの追加の構成要素を含んでいる。
【0041】
処理ユニット110は、第1の層110aを備えており、1つまたは複数の追加の拡散結合層110b、110c、110d、110eを備えている。処理ユニット110の層110a、110b、110c、110d、110eの2つ以上が、チタンで形成されていることが好ましい。
【0042】
分離カラムおよび処理ユニット110によって画定される他の導管は任意選択では、図1に参照記号A、B、CおよびD(端部から見た)で示されるように、層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数の厚さを通して全体的にまたは部分的に延びている。導管A、B、C、Dは、例えば上に記載したように、層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数の部分を取り除くことによって金属材料内に画定される。図示するように、導管Aの1つは、高圧コネクタ130によって管140に流体接続されている。
【0043】
分離カラムは、任意の適切な幅、好ましくは約500μm未満を有する。より高い圧力動作では、幅は約200μm未満であることが好ましい。高圧ポンプ120および高圧コネクタ130は、約1kspiより大きい、または約2kpsiより大きい、または約5kpsiより大きい、または約10kpsiより大きい、または約15kpsiより大きい、または約20kpsiより大きい圧力でほぼ漏洩のない動作に対して構成されている。特に、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、いくつかの従来の高圧システムと比べて、有利な流体接続を行う毛細管およびナノスケールHPLCシステムである。高圧動作を支持する適切なコネクタのいくつかの実施形態が、図2を参照してより詳細に記載されている。
【0044】
図2は、機器200の一部の断面図である。機器200は、例えばユニット110と同様の処理ユニット210と、取付器具230とを備えている。機器200は任意選択では、処理ユニット210によって出力される化合物のさらなる分析を行う、質量分析ユニットなどの分析モジュール240を備えている。
【0045】
代替実施では、取付器具230は、処理ユニット210を質量分析計の入口ポートに隣接して部分的に位置決めする支持ユニットとして働く。この実施では、処理ユニット210は任意選択では、例えば質量分析計の入口ポート内に分離させた材料を案内するエレクトロスプレイインターフェース(ESI)を備えている。ESIは、任意選択では質量分析技術分野の当業者に知られている構成の特徴を有する、任意の適切な構成を有する。ESIの実施形態に関するさらなる詳細が、図6を参照して記載されている。
【0046】
取付器具230は、いくつかの代替実施では、処理ユニット210の配置および交換を容易にする1つまたは複数のヒンジおよび/または1つまたは複数のばねを備えている。取付器具230は任意選択では、処理ユニット210に例えば流体および/または電気接続を行うように、処理ユニット210bとインターフェース接続する構成要素を備えている。例えば、一代替形態では、取付器具230は、処理ユニット210の入口ポートへの流体接続を行う。
【0047】
上記記載を鑑みて、取付器具230に対する他の構成は、当業者には明らかだろう。例えば、代替取付器具は、2つ以上の処理ユニットを支持し、いくつかの機器は2つ以上の処理ユニットを支持する2つ以上の取付器具を備えている。
【0048】
上に記したように、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、比較的高い流体圧力を支持するマイクロ流体ベース機器を必要とする。本発明のいくつかの実施形態では、分離カラムおよび/または他の導管は、HPLCを行うのに必要なような、選択した動作圧力を維持するように構成されている。当該のカラム構成特徴は例えば、圧力荷重または繰り返し圧力荷重でのより大きな耐破砕欠陥性を与える寸法および/または形状を含んでいる。高さ、幅、アスペクト比、および/または曲率半径などの導管構成は、例えば、上に記すように経験的および/または理論的考察により選択される。
【0049】
図3は、本発明の一実施形態による、化学処理ユニット300の上面図である。ユニット300は、捕捉カラム311を画定する拡散結合チタン基板310と、分離カラム312と、捕捉カラム入口ポートI、分離カラム出口ポートO、および捕捉カラム出口ポートTを含む流体ポートI、O、Tとを備えている。捕捉カラム入口ポートIは、例えばインジェクタおよびポンプからの流体のための捕捉カラム311に入口を提供する。捕捉カラム出口ポートTは、捕捉カラム311に出口を提供する。分離カラム出口ポートOは、分離カラム312から出る溶離剤に出力を与える。
【0050】
一代替実施形態では、処理ユニットは、3層チタン基板を備えている。底部層は、ブランク層であり、中間層は図3に示すものと同様の捕捉および分離カラムを画定するようにパターン化されたチタン箔であり、上部層は捕捉カラムおよび分離カラムの入口および出口に位置合わせされた、すなわち図3の流体ポートI、O、Tに対応する3つのバイア孔を有する。分離カラムは、蛇行構成、約10cmの長さ、および約100μmの幅を有する。捕捉カラムは、約1cmの長さ、および約180μmの幅を有する。普通、蛇行または他の非直線カラム構成により、ほぼ直線カラムを画定する基板または管に対する所与のカラム長さに対する、基板の寸法減少が可能になる。
【0051】
高圧流体コネクタが任意選択で、例えば従来の手段を介して捕捉カラム入口ポートに取り付けられている。コネクタは、分離カラム出口ポートに取り付けられており、捕捉バルブは捕捉カラム出口ポートに取り付けられている。
【0052】
分離カラムは任意選択では、溶融シリカ毛細管を分離カラムの出口ポートコネクタに取り付けることによってスラリー充填されており、毛細管はスラリーが分離カラムを通して毛細管の外に流れるときに、カラム充填粒子を捕捉するようにガラス粒子フリットを有する。充填スラリーの希釈レベルは、分離カラム全体の優れた充填を行うように経験的に選択された。分離カラムは任意選択では、例えば所望のクロマトグラフィ効率を得るように所望の充填が得られるまで流され、再充填される。
【0053】
化学処理ユニット300は、例えば500nL/分未満の流量のナノスケールHPLCに適用可能である。クロマトグラフィ技術分野の当業者によって理解されるように、大容量試料を、例えば5−20μL/分の流量で捕捉カラム311上に装填可能である。試料が捕捉カラム311の上に装填されると、捕捉バルブが閉じられ、溶剤勾配が開始して、分析のために分離カラム312の上で捕捉カラム311から試料を溶出させる。
【0054】
ユニット300は、いくつかの従来のナノスケールシステムで見られる配管接続の数を少なくする。ユニット300はいくつかの代替形態では、部分的にその比較的低い製造費用により消耗品として使用される。
【0055】
次に図4および図5を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、チタンベースクロマトグラフィデバイス内の導管を充填する方法を必要とする。これらの実施形態は、いくつかの場合では、約1−5μmの範囲の直径を有する球状シリカ粒子で充填された分離カラムを含んでいる。シリカ材料は任意選択では、保持挙動を変化させるために、様々な官能基で誘導体化される。
【0056】
これらの実施形態のいくつかは、1つまたは複数の分離カラムなどの導管内の粒子の捕捉を助けるために、フリットまたは他の機構を使用する。以下に記載するように、基板の内部におよび/または外部に配置された一時的および/または恒久的構造は、いくつかの実施形態では、粒子を捕捉するために使用される。
【0057】
いくつかの従来のカラム充填技術は、本発明のいくつかの実施形態により、いくつかの金属ベースナノまたは毛細管スケールクロマトグラフィシステムには十分適していない。例えば、フリット生成のためのいくつかの従来の高温焼結および化学結合方法は、フリット領域への比較的容易なアクセスが必要である(すなわち、化学結合剤の局所加熱または蒸着を行うために)。このような容易なアクセスは、いくつかの実施形態では利用可能ではない。
【0058】
図4は、本発明の一例示的実施形態による、チタンベースデバイス400の一部の上面ブロック図である。デバイス400は、分離カラム430と、カラム430内に配置された多孔質プラグ440と、プラグ440に隣接してカラム430内に配置された充填粒子425とを備えている。多孔質プラグ440は、カラム430の充填中にフリットとして働く。
【0059】
多孔質プラグ440は、知られている方法および上に記載した方法を含む、任意の適切な方法により製造される。例えば、多孔質プラグ440は、分離カラム430の一端部に蒸着されたペーストからできる。ペーストは任意選択では、焼結および/または化学結合プロセスにより固定される材料を含んでいる。
【0060】
図5は、本発明の別の例示的実施形態によると、中間製造段階のチタンベースデバイス600cの一部の側面ブロック図である。デバイス500は、分離カラムを画定する基板510と、カラムの端部を出口ポートに接続させるバイア導管と、出口ポートを遮断するように配置されたフリットとを備えている。
【0061】
フリットは、知られている材料を含む任意の適切な材料を含んでいる。例えば、フリットは、濾紙、例えばほぼ単一の方向の流体の流れを可能にする配向濾紙で形成されている。
【0062】
フリットは、基板510に恒久的にまたは取外し可能に取り付けられている。フリットは、任意の適切な機構を介して基板510に取り付けられている。例えば、フリットは任意選択では、基板510に糊付けおよび/またはクリップ付けされている。
【0063】
カラムの充填後、出口ポートは任意選択では、フリットの除去でまたは除去なしで密封される。例えば、ポートおよび/またはフリットは任意選択では、PDMSで密封されている。
【0064】
次に図6を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、質量分析のためのエレクトロスプレイインターフェースを必要とする。本発明のいくつかの実施形態では、このようなインターフェースは、チタンベース基板の一体部である、またはチタンベース基板に取り付けられている。これらの実施形態のいくつかは、交換可能なエレクトロスプレイ先端を含んでいる。いくつかの実施形態は、先端の配列などの2つ以上の先端を含んでいる。
【0065】
図6は、処理ユニット610、エレクトロスプレイインターフェース680、およびコネクタ630を備えたチタンベースデバイス600の一部の側面ブロック図である。エレクトロスプレイインターフェース680は、基板610に恒久的に取り付けられている、または取外し可能に取り付けられている。インターフェース680は、知られているインターフェースを含む、任意の適切なエレクトロスプレイインターフェースである。例えば、インターフェース680は任意選択では、液体クロマトグラフィ/質量分析インターフェース技術分野の当業者に知られているエレクトロスプレイインターフェースの構成と同様の構成を有する。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態のナノスケールHPLC構成要素は、質量分析計に結合されていることが好ましい。典型的な質量分析計は、普通は約10μL/分未満の流れが使用される場合の感度を良くする濃度の感度が高い検出技術である。UVおよび蛍光検出は、分析およびマイクロボアスケールクロマトグラフィのための主な検出方法であるが、約1μL/分未満の流量での帯域拡張を防ぐのに十分低い容量で光検出フローセルを構築することは普通難しい。
【0067】
図7は、本発明の一例示的実施形態による、チタンベースデバイス700の一部の側面ブロック図である。デバイス700は、図3に示した実施形態と同様に、分離カラム、捕捉カラム、および流体バイアを画定する処理ユニット基板710を備えている。デバイス700はまた、流体バイアの出口ポートと連通する捕捉バルブ720を備えている。
【0068】
バルブ720は、ハウジング721と、ハウジング721上に直接または間接的に取り付けられた適合部材723と、ハウジング721上に直接または間接的に取り付けられたアクチュエータ722とを備えている。ハウジング721は、バルブ720に入りそこから出る流体流のための経路を提供するために、流体ポートを接続させる流体経路を画定する。バルブ720は、流体バイアの出口に隣接して配置されている。
【0069】
バルブ720は、開閉状態を有する。閉状態では、バルブ720のハウジング、またはそこに取り付けられた任意選択の構成要素が、出口バイアポートを遮断する。例えば、図示するように、バルブ720は任意選択では、バルブ720が閉状態にある場合に、出口ポートを押し、これを密封する密封構成要素724を備えている。開状態では、適合部材723は、流体が、必要に応じてバルブ導管を通して出るのではなく、バルブ720から離れて漏れるのを実質的に防ぐ。
【0070】
可変バルブ状態に関連して、基板710に対するハウジング721の位置は、アクチュエータ722に応じて調節可能である。図示するように、バルブ720は開状態にある。
【0071】
適合部材723は、再生可能に変形し、適合部材723と基板710の間に留まる少なくともいくつかの粒子にもかかわらず、密封を行うことを可能にする弾性特性を有することが好ましい。
【0072】
適合部材723は、円形構成を有する。代替実施形態では、適合部材は、代替構成、例えば四角形、矩形、またはより一般的な形状を有する。さらに、適合部材は、2つ以上の構成部品を含むことができる。当業者に分かるように、適合部材は、例えばOリングまたはガスケットであってもよい。
【0073】
適合部材723の少なくとも一部は、例えば知られている適合材料を含む、(1つまたは複数の)適切な適合材料を含んでいる。例えば、Oリングは適切には、例えばニトリル、シリコーン、フッ化炭素、フルオロシリコーン、エチレンプロピレン、ネオプレン、またはポリウレタンで作られている。いくつかの実施形態では、適合材料は生体適合性で選択される。
【0074】
密封構成要素724は、バイア出口ポートと接触する場合に、流体シールを適切に与える任意の材料で形成されている。材料は任意選択では、生体適合性および/または高圧性能で選択される。密封構成要素は例えば、約1kpsi、約2kpsi、約10kpsi、約15kpsi以上までの圧力でほぼ漏洩のないシールを与える。
【0075】
アクチュエータ722は、基板720に対するハウジング721の制御可能な位置決めを可能にする、任意の適切な構成を有する。例えば、アクチュエータ722は任意選択では、その厚さが電圧の付加により変わる圧電材料を含んでいる。圧電アクチュエータは、知られている材料を含む、任意の適切な圧電材料を含んでいる。
【0076】
したがって、一実施例では、圧電アクチュエータの拡張は、出口ポートの遮断につながり、高圧シールが作り出される。圧電アクチュエータの収縮により、高圧シールが開いて、流体がポートからバルブ導管を通して流れることが可能になる。比較的低い圧力の適合部材723は、バイアポートから出る流体がバルブ720のベントポートから案内されることを保証する。
【0077】
捕捉バルブ720は、廃棄物への流れの転換を制御し、それによって試料を高い流量で捕捉カラムの上に装填することが可能になる。捕捉バルブ720が閉じると、流れは分離カラムを通して案内される。
【0078】
図8は、本発明の一実施形態による、フローセル800の側面図である。フローセル800は、セル本体810と、2つのウィンドウ811、812と、2つのガスケット821、822とを備えている。セル本体910は、チタンで形成されており、流路F、分離カラムから溶離剤を受ける入口ポートI、および出口ポートOを画定する。ウィンドウ811、812は、セル本体810で流体を含め、流路F内の流体の光ベース分析のための光の通過を可能にするように、流路Fの両端部に隣接して配置されている。いくつかの実施では、入口および出口ポートI、Oは、クロマトグラフィ技術分野の当業者が分かるように、圧縮ポート(図示するような)である。
【0079】
チタンで形成されたガスケット821、822は、ウィンドウ811、812とセル本体810の間に配置されている。ガスケット821、822は、それぞれ入口および出口ポートI、Oを流路Fの両端部に接続させる流体回路を画定する。
【0080】
ガスケット821、822は、セル本体810に拡散結合されている。ウィンドウ811、821は、ガスケット821、822に拡散結合されている。この場合、例えば、サファイアウィンドウおよびチタンガスケットの領域は、真空でのクロムの電子ビーム蒸着によって供給された、クロム薄層を備えている。クロム層は、金のより厚いオーバーコート層(また、真空での電子ビーム蒸着によって蒸着された)の接着を良くするために、接着促進または結合層を提供する。その後の拡散結合プロセスでは、ウィンドウ材料をガスケットに、したがってセル本体に接着させる金―金拡散結合である。この結合は、互いに結合されている異なる材料の特性により生じる残留応力を避けるのに有用である、比較的低い温度で行うことができる。
【0081】
HPCL装置のいくつかの実施形態は、フローセル800を備えており、任意選択では、フローセル800と協働して働く発光体および/または光検出器を備えている。検出器は例えば、電荷結合素子(CCD)またはフォトダイオードアレイなどの多チャンネル検出器を備えている。したがって、フローセル800は、クロマトグラフィ技術分野の当業者が分かるように、例えば光吸収および/または発光分光を支持する。
【0082】
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、例えば(1つまたは複数の)構成要素内の流体の観察を行うために、1つまたは複数のウィンドウを1つまたは複数の拡散結合構成要素と一体化させる。
【0083】
上に記載したように、多構成要素(例えば、積層)チタンアセンブリの拡散結合は、本発明のいくつかの実施形態により、クロマトグラフィのためのナノスケール、マイクロスケール、または分析スケール流体回路を作り出す非常に効果的な技術である。いくつかの実施形態によりそのように形成された流体回路は、例えば1式の所望の材料特性(降伏強さ、延性、破壊靱性、および耐食性など)により、高い内部静水圧(HPLC実施で観察される典型的なカラムヘッド圧力、およびより高い圧力に対応する)に耐えることが可能である。相当な注意で、拡散結合プロセスは実質的に、結合された標本内のこれらの材料特性を保持する。
【0084】
ナノスケールおよびマイクロスケールクロマトグラフィ応用例で、いくつかの実施形態では、検体検出器インターフェースは実質的に、カラム出口と同一場所に配置され、それによって例えば、余分なカラム区域または帯域拡張が最小限に抑えられる。従来のスケールのクロマトグラフィに対して対処された従来技術のシステムでは、モジュール検出装置が、数十センチ以上の距離だけ離すことができる2つの位置の間の検体の運搬を可能にする、個別の管または配管の長さによりカラム出口とインターフェース接続することが典型的である。従来のスケールのクロマトグラフィ内の溶出区域または帯域の容量は、十分狭い孔相互の相互接続管の使用を考えると、この配置がそのスケールで普通は実用的であるように十分大きい。
【0085】
しかし、クロマトグラフィのスケールがマイクロスケールまたはナノスケール分離のものまで小さくされると、検体運搬のために提供することができる余分なカラム容量がそれに応じて小さくなる。このような少ない容量のスケールでは、検出器インターフェースは実質的にカラム出口と直接一体化されていることが望ましい。質量分析計に対するESIの場合、このほぼ直接的な一体化は、いくつかの実施形態では、カラムを提供するマイクロ流体回路上にエレクトロスプレイ錐体または先端を提供することに相当する。紫外線(UV)吸光度検出、または蛍光検出などの光検出技術の場合、ほぼ直接的な一体化は、いくつかの実施形態では、カラム出口のすぐ下流側に置かれた、クロマトグラフィ溶離剤の光学調査のためのウィンドウを提供することに相当する。従来技術の光検出器として知られている追加の非湿式光素子は、いくつかの実施形態では、流路のウィンドウ領域に向かうおよびそこからの光ビームの成分を選択および案内するために使用される。
【0086】
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、分析カラム出口と一体化された光学検出を支持するためにウィンドウイングを提供する必要がある。以下の説明は単一のカラムおよび特定のタイプのカラムに言及しているが、当業者は本発明の代替実施形態が多数のカラムおよび/または1つまたは複数のウィンドウに対する代替位置を含んでいることが分かるだろう。
【0087】
定義により、カラム出口での検体検出は、分析カラムの下流側で、したがってシステム内の主な流体抵抗の下流側で起こる。したがって、分析カラム流を作り出し保持するためにカラムヘッドに存在する駆動圧力は、検体検出が生じる流体回路内のその点で実質的に拡散される。本発明のいくつかの実施形態による、流路内への光学ウィンドウの一体化のためのいくつかの技術は、流体回路構造内のどこかでのチタン間拡散結合に関連するものと同じ動作圧力仕様を達成しないので、これは偶然のことである。ウィンドウはいくつかの実施形態では、より脆弱な材料で構成されており、これらの材料はいくつかの場合では、下にあるチタン構造のものとは異なる熱膨張係数を有する。
【0088】
それにもかかわらず、漏洩のない容量効率の良い(すなわち、ほぼ無視してよい容量)のインターフェースが、ウィンドウ領域と周囲の流体回路構造の間に確立されることが好ましい。最適には、そのインターフェースを、クロマトグラフィ流によってきれいにおよび円滑に一掃することが可能であり、また最適には、そのインターフェースはかさばるクランプ装置および適合(エラストマーまたは他の比較的軟らかい)ガスケット層を避ける。適合ガスケットは、面倒である場合がある。というのは、長い間にわたって流体密シールを保証するのに必要なクランプ圧力により、ガスケット材料が流体経路内で歪み、それによってクロマトグラフィ流によって極めてきれいに一掃される流体経路を提供する設計意図を妨害するからである。実際、チタン流体回路素子の拡散結合の注目すべき利点の3つは、(1)完全な漏洩密シールが必要なところに確立されること、(2)完成した結合アセンブリ上に残りのクランプ装置が必要ないこと、および(3)長い間にわたって流路内に潜在的に押し出し、流路を遮断または崩壊させる軟らかいガスケットが存在しないことである。
【0089】
いくつかの実施形態では、適切な準備で、カラムおよび他のクロマトグラフィ構成要素が平面的な形態で製造されるチタン構造は、ウィンドウが適当な波長の材料から構成される場合に、ほぼ光透過性ウィンドウのそれに対する結合に役に立つ。このような材料としては任意選択では、応用例によって、例えばガラス(ホウケイ酸合成物を含む)、溶融シリカ(高純度合成SiO2)、石英(天然由来のSiO2による)、またはサファイア(Al2O3)が挙げられる。
【0090】
結合されたウィンドウを含むデバイスの製造を必要とする一実施形態では、チタンの調製は、いくつかの長さスケールのいずれかに存在する表面粗さを少なくするまたは実質的になくすために、結合表面の平坦化を含んでいる。ケイ素および特定の金属および誘電体に対する平坦化技術は、半導体製造業界により知られている。化学機械平坦化(CMP)は、半導体業界に欠かせない重要なこのような技術の1つであり、狭い範囲の工業関連基板に向けられた多くの研究およびいくつかのモデリング努力の対象であった。
【0091】
CMPは、(1)選択したスラリー化学的性質によって生じる基板の表面層の化学「軟化」、および(2)オペレータによって選択されるように、遊離研磨剤または結合研磨剤との機械的相互作用によって「軟化された」表面材料の除去の、2つのメカニズムの望ましい協働相互作用が必要である。蒸着金属重荷層の除去は、CMPが半導体業界におかれる目的の1つである。その応用例では、「軟化」の化学的性質は、2つ以上の選択した材料の不均衡な材料除去速度を達成するために、例えばプロセス内で意図した「停止」挙動を達成するために調整することができる。結合の前駆物質としてのチタン流体回路構成要素の平坦化において、いくつかの実施形態では、単一の基板材料のみが存在し、「停止」挙動の達成が重要な検討事項でないように十分深く存在する。生成することができる平らな表面の質により、CMPを本明細書に説明される。部分的に軟化された表面層に作用する、(普通は、研磨シーケンス内で0.02から0.05マイクロメートル平均直径までの)極めて細かい酸化アルミニウム遊離研磨粒子は任意選択では、「すきタイプ」の引っかき傷または粗さがほぼない、円滑で平らな表面を提供する。
【0092】
チタン構成要素へのウィンドウまたは噛合い部は、少なくとも一方側で光学的品質の円滑および平らな状態に仕上げられることが好ましい。知られている方法を含む、任意の適切な仕上げ方法が任意選択で利用される。例えば、光学仕上げは任意選択では、化学補助またはCMPプロセスと反対に従来の機械研磨である。いくつかの実施形態では、ウィンドウ自体が、光ビームを案内するレンズシステム(平凸レンズ素子など)の一部である、またはクロマトグラフィ流の光学調査を支持する様態で流体経路の領域を囲み、これを画定することを意図した単なる平面構造である。
【0093】
いくつかの実施形態は、適当な表面仕上げを有する金属(例えば、チタン)に対するガラス、石英、サファイア、またはアルミナなどの適当なガラスまたはセラミック無機材料の結合を利用する。知られている方法を含む、任意の適切な結合方法が任意選択で利用される。
【0094】
チタンは、本発明のいくつかの実施形態による、ガラスまたはセラミック材料への結合を実現するために優先的に使用される金属群の1つである。結合されるチタン表面は任意選択では、ほぼ純チタン金属である、または酸化物または窒化物などの(1つまたは複数の)表面層を含むことができる。実際、チタンが結合される材料の範囲が、いくつかの場合では、それぞれの熱膨張係数の一致範囲によって指示される。というのは、いくつかの知られている結合方法は、室温より数百度(℃)高い温度が必要であるからである。結合された基板の熱膨張係数の不一致があまりに大きいことにより、潜在的に結合が破壊される。というのは、材料対が室温まで、またはいくつかの場合では結合温度から十分除去される典型的な動作温度まで冷却されるからである。
【0095】
ほぼ室温まで戻された場合、チタンマイクロ流体回路基板に適切に結合されたウィンドウを含むアセンブリは潜在的に、数百キロパスカル以上の内部静水圧の存在下で液体密であるままである。この耐圧力能力は、チタン間拡散結合で得られるものよりかなり低いが、典型的なHPLCまたは高圧マイクロ流体システム構成内での、分析カラムの下流側での検体検出応用例に対処するには十分である。拡散結合と同様に、軟らかいガスケット層および外部クランプ装置は有利には避けられ、小型で漏洩密および容量効率の良い流体構造が提供される。
【0096】
次に、本発明のいくつかの原理による、分離システムの構成要素のいくつかの追加の例示的実施形態を、図9から図17を参照して説明する。
【0097】
図9Aから図9Gは、本発明の一実施形態によると、拡散結合チタンから形成された低容量熱交換器の様々な部分を示す図である。交換器は、分離プロセスの前に流体を加熱するために使用される。例えば交換器は任意選択では、管として設けられる分離カラムの上流側で、またはチタン拡散結合基板内で使用される。例えば、交換器は任意選択では、狭い孔のACQUITY(R)カラム(マサチューセッツ州、Milford、Waters Corporation社により市販)のすぐ上流側で使用されている。
【0098】
熱交換器は、基礎ブロック1210(図9A、上面図、図9B、側断面図、図9C、ポートの詳細)と、蛇行性流体経路を画定する平面部1220(図9D、上面図、図9E、上面図詳細)と、上側キャッププレート1230(図9F、上面図、図9G、側断面図)とを備えている。3つの図示した構成要素は、チタンで形成されていることが好ましく、拡散結合により接合されて、単一の構成要素を形成する。
【0099】
基礎ブロック1210は、入口および出口圧縮ポートO、Iを備えている。ポートO、Iは、貫通孔を介して、蛇行性流体経路によって画定された入口および出口端部に接続されている。構成要素は、蛇行性流体経路の入口および出口端部との基礎ブロック1210内の貫通孔の位置合わせを助けるために、任意の位置合わせ孔を備えている。熱交換器は、比較的極めて低い内部容量を有し、それに応じて低い帯域拡張を行う。
【0100】
図10および図14は、拡散結合対向流熱交換器1300、1400の例示的な実施形態の断面図である。図10Aおよび図10Bは、交換器1300の両側で、2つの流体経路に流体ポートを提供する熱交換器1300を示している。図10Aは、交換器1300の全側面図である。図10Bは、熱交換器1300の一端部をより詳細に示している。
【0101】
交換器1300は、第1の流体経路のための入口および出口ポートを画定する上側ブロック1310と、第1の流体経路にほぼ隣接して配置された第2の(逆)流体経路のための入口および出口ポートを画定する下側ブロック1312と、第1の流体経路を画定する上側エッチング箔1321と、第2の流体経路を画定する下側エッチング箔1322と、両方の流体経路のための壁面を画定するためにエッチング箔1321と1322の間に配置された中間箔1330とを備えている。経路の1つを通して流れる加熱された(または冷却された)流体は、他の経路を通して逆方向に流れる流体を加熱(または冷却)する。
【0102】
エッチング箔および関連する流体経路は、上面図では、図9Dに示された平面部1220および関連する蛇行性流体経路と同様であると考えられる。
【0103】
すべての構成要素は、上に記載されたように、チタンなどの上記材料の1つで形成されており、互いに拡散結合されていることが好ましい。
【0104】
図11Aおよび図11Bは、上側ブロック1411内に画定されたすべてのポートを有するが、図10Aおよび図10Bに示すものと同様の構造である対向流熱交換器1400の一実施形態を示しており、したがって、すべてのポートが交換器1400の同じ側にある。図11Aは、交換器1400の全体側断面図である。図11Bは、より詳細に示すように拡大された、交換器1400の最も左側の部分の同様の図である。
【0105】
交換器1400は、第1の流体経路のための入口および出口ポートIA、OAおよび第1の流体経路にほぼ隣接して配置された第2の(逆)流体経路のための入口および出口ポートIB、OBを画定する上側ブロック1410と、第1の経路を画定する上側エッチング箔1421と、第2の経路を画定する下側エッチング箔1422と、両方の流体経路のための壁面を画定するようにエッチング箔間に配置された中間箔1430とを備えている。
【0106】
上側箔1421および中間箔1430は、下側流体経路の入口および出口端部、および対応する入口および出口ポートIB、OBの間で流体連通を行うようにバイアを画定する。様々な層1411、1421、1430、1422、1412は、チタンから形成されており、拡散結合されることが好ましい。
【0107】
図12は、拡散結合チタンを解して設けられるクロマトグラフィ分離カラムユニット1500を断面図で示している。上記熱交換器1200、1300、1400と構成がいくらか同様であり、カラムユニット1500は、パターン化されていない下側基板1512と、蛇行性カラム経路を画定するパターン化層1520と、流体入口および出口ポートI、Oを画定する上側ブロック1511と、ポートI、Oと蛇行性カラムの端部の間に配置されたフリットFとを備えている。ポートI、Oは任意選択では、従来の市販されている液体クロマトグラフィ配管構成要素と噛み合うように構成されている。例えば、ポートI、Oは任意選択では、圧縮ポートである。
【0108】
図13は、捕捉カラムおよびクロマトグラフィ分離カラムを備える、チタン拡散結合構成要素1600の断面図を示している。構成要素1600は、基板1612と、捕捉カラム第1の部分および分離カラム第2の部分で蛇行性カラムを画定するパターン化層1620と、捕捉カラム入口ポートIT、捕捉ベントポートVTおよび分離カラム出口ポートOSを画定する上側ブロック1611と、ポートIT、VT、OSの基部に配置されたフリットとを備えている。ポートIT、VT、OSは任意選択では、従来の市販の液体クロマトグラフィ配管構成要素と噛み合うように構成されている。
【0109】
いくつかの実施形態では、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)または超高圧液体クロマトグラフィ(VHPLC)応用例で使用される平面的に設けられた分離カラムは、少なくともカラムの「ヘッド」または入口端部での高い静水圧に耐える。平面カラムは任意選択では、前に記載したパターン化(エッチングなど)および結合技術の使用により得られ、本開示のいずれかで記載された非充填流体導管およびマニホールドに関する同様の構造的検討事項が生じる。チタン(およびチタンの適当な合金および/または他の金属ベース材料)の強度および破壊強度は、これに関して価値のあるものであり、いくつかのより弱いまたはより脆弱な対応する材料を凌ぐ利点を提供する。
【0110】
また、高圧対応の圧縮取付具ポートは任意選択では、チタン平面流体回路(図示する)内に一体的に組み込まれて、平面的な形のカラムを従来の4.6mmまたは2.1mmIDカラム構成で利用される方法と同様の頑丈な方法でインターフェース接続することが可能であるということは注目すべきである。現時点では、溶融シリカ毛細管などの材料で構成された毛細管またはナノスケールカラムは、高圧接続の実施に関して、粒子状物質固定相充填材料の保持のためにフリットの設置に関する特定の問題を示す。完全に従来のステンレス鋼カラム構成では、フリットは普通、カラムアセンブリ中に挿入され、カラムの端部ナットによって定位置に荒く保持される個別の構成要素として設計される。本発明のいくつかの実施形態による、一体圧縮取付具ポートを備えた結合チタン平面カラムは、いくつかの従来の手法に対する望ましい代替形態を提供する。
【0111】
一体圧縮ポートを備えた結合チタン平面カラムの一実施形態では、充填保持フリットは、カウンターボア(上に図示する)内に装填され、圧縮取付具によって定位置に保持された個別の構成要素である。このアセンブリステップは、カラム充填の前に開始され、それによって充填時に、充填材料の保持のために存在する頑丈で信頼性のあるフリットがある。カラム充填の初期段階中にフリットの上に加えられる負荷は、完全に定位置にあるカラムベッドでの通常のカラム動作中にフリットが受ける負荷より極めて大きい可能性がある。溶融シリカ毛細管カラムで知られているいくつかの代替フリット実施はときどき、カラムを充填するために使用される動作の普通の活動的な段階中に失敗する(フリットが取り除かれた状態で)。
【0112】
別の方法では、フリットはカラムから出口流を受ける接続毛細管の孔内に生成される。このようなフリットは任意選択では、毛細管の孔内のガラスマイクロスフィアの熱焼結によって、またはケイ酸塩のインサイチュー反応によって構成される。いずれの場合でも、フリット管はその後、平面カラムの意図した出口端部で圧縮ポートに挿入され、例えばフェルール上の圧縮ねじの作用による従来の方法でポート内に機械的に保持される。
【0113】
入口フリットの実施は任意選択では、ほぼ同じ方法で実現される。というのは、同様の圧縮取付具ポートが任意選択ではカラムの入口端部にあるからである。普通、入口フリットは、カラムベッドが充填された後にのみ設けられる。入口フリットの提供(いくつかの従来のカラム構成のように)により、出口フリットのみを有し、入口端部で完全に保護されていないカラムに対するある大きなカラムロバスト性を与える。
【0114】
単一の拡散結合チタン構造内に単一のクロマトグラフィカラムを設けるための上記技術は有利には、拡散結合チタン構造内で多数のカラム(分析カラムと合わせた捕捉カラムなど)を設けるために適用されることが分かるだろう。平面流体回路内に存在する流体経路選択肢は有利には、2つ以上のカラムを適当に流体相互接続させて所望の機能を得るために使用することができる。
【0115】
追加の圧縮取付具ポートは、必要に応じて構造内で機械加工することができ、これらのポートは個別には、デバイスの意図する機能に適当なフリットを行うことを含んでいても、含んでいなくてもよい。上に図示した例示的な実施形態は、捕捉カラム、および分析カラム、および単一の拡散結合構造内の流体ポートを組み込んでいる。多くの好ましい実施では、捕捉カラムベッドは、分析カラムベッドより短く、幅広い断面である。カラムの相対寸法のこのような変化は任意選択では、これらの2つの異なる領域内でのエッチングの制御によって達成される。例示的な実施形態は2つのカラムを示しているが、本発明の範囲内であれば、あらゆる数のカラムも考えられる。
【0116】
本発明のいくつかの態様は、次に説明するように、拡散結合構成要素を金属高圧バルブ固定子などの機械的デバイスの有用で完全に一体化された内部構成要素に貢献させることを可能にする。
【0117】
図14Aは、不完全な拡散結合固定子アセンブリ1700A(すなわち、製造の中間段階で)の断面図を示しており、図14Bは超高圧(VHP)回転剪断密封バルブの完全な拡散結合固定子アセンブリ1700を示している。固定子アセンブリ1700は、例えば、液体クロマトグラフィ技術分野の当業者によって分かるように、従来の機械加工されたVHPバルブ固定子の代わりに使用される。固定子アセンブリ1700は、チタンから形成され、圧縮ポート(図示する)などの2つ以上のポートを画定する外部インターフェース部1710と、回転剪断密封バルブの回転子(図示せず)と噛み合うように構成された表面を有する回転子インターフェース部1720(不完全部1720Aが図14Aに示されている)とを備えている。回転子インターフェース部1720は、それぞれ外部インターフェース部1710内の各圧縮ポートに関連する流体経路を備えている。固定子アセンブリ1700は、重要な固定子/回転子密封領域に対する圧縮ポートの改善された位置を与える。
【0118】
回転子インターフェース部1720は、外部インターフェース部1710に拡散結合された、少なくとも1層から形成されている。図示する実施例では、回転子インターフェース部1720は、ガスケット1721(図14Cの上面図に図示する)を含む、4つの拡散結合層を備えている。ガスケット1721は、ポートに関連する流体経路を画定するようにパターン化される。この例示的な実施形態では、ガスケット1721は6つの流体経路を画定し、外部インターフェース部1710は6つの圧縮ポートを有し、そのうちの2つが図14Aおよび14Bに示されている。流体経路の6つの端部は、残りの3層から延びる6つのバイアを通して回転子インターフェース部1720の表面に接続されている。
【0119】
図14Aに示すように、不完全な回転子インターフェース部1720Aの4層は、結合された4層からの材料の最終的除去の前に、外部インターフェース部1710に拡散結合される。図14Bは、材料除去後の層を示している。最終構成により、回転剪断密封バルブの回転子の対応する表面に適切に一致する、固定子アセンブリ1700の固定子表面が提供される。
【0120】
いくつかの従来技術の固定子は、ステンレス鋼棒ストックを機械加工することによって製造される。バルブ固定子は、例えば、それぞれがバルブ固定子/回転子密封インターフェースの極めて近くで終端する、6つの外部管接続のための圧縮ポートを備える、比較的複雑な機械加工部分である。回転子/固定子密封インターフェースの平面度および表面仕上げは両方とも、普通は数十万回のバルブ作動に耐える高性能(低漏洩)シールを得るのに重要である。
【0121】
いくつかの従来のバルブでは、圧縮ねじの過剰なレンチ締付と組み合わせた固定子/回転子密封インターフェースに対する圧縮ポート細部の近接性により、ときどき、密封インターフェースの局所歪みが生じ、その結果、過剰なバルブ漏洩速度および短いバルブ寿命につながる。加えて、バルブサイクル寿命の利益のために、比較的軟らかいバルブ回転子材料の属性により、外部圧縮ポートを0.004”直径以上の注意深くバリ取りされた穿孔によって固定子/回転子密封平面に貫通接続させることが望ましくなる。重要な機構位置決めおよび内部位置合わせを維持しながらの、このような小さな孔の穿孔およびバリ取りは、重要である。
【0122】
拡散結合固定子アセンブリ1700などの本発明のいくつかの実施形態では、エッチングおよび結合された流体回路素子は、より巨視的な機械加工された外部配管インターフェースと回転子にインターフェース接続しているより顕微鏡的な内部構造の間をブリッジする目的で、機械加工された固定子構成要素内に有用に一体化されている。エッチングおよび結合された流体回路により、外部圧縮取付具ポートを、固定子/回転子密封インターフェースを囲むバルブの重要な中心領域から離れて径方向に変位された位置に配置することが可能になる。この径方向に変位された位置決めにより、同時に個別の圧縮取付具へのより容易なアクセスを可能にしながら、例えばフェルールおよびねじに関連する応力および材料歪を安全な周辺領域まで取り除く。
【0123】
例えばガスケット1721によって画定されたような流体経路は、周辺ポートとバルブの重要な中心領域の間に流体を効率的に運ぶ。ほぼバリのない開口部が、非常に優れた位置再現性、アートワークベースエッチングの特徴で作られる。定位置に結合されると、そのように使用される流体回路は、従来の機械加工された外部外観を有するチタンバルブ固定子の一体的で容易に区別できない部分である。
【0124】
本発明のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の流体経路を画定する壁面上のコーティングを含んでいる。例えば、きれいなチタン表面の不動態化は任意選択では、酸素に曝すことによって行われ、その結果、いくつかの場合では、下にある金属の腐食を防ぐのに効果的である二酸化チタン(TiO2)の表面層が形成される。代替実施形態は、溶剤湿潤経路へのTiO2の露出を防ぐ表面層の形成を含んでいる。このような1つの表面層は、任意選択では、知られているプロセスを含む任意の適切なプロセスで蒸着される窒化チタン(TiN)である。
【0125】
TiNコーティングは任意選択では、PVDプロセス(物理的気相成長法)を使用して塗布される。チタン基板を使用して表面被覆率を良くするために、いくつかの実施形態では、TiNコーティングはインサイチュー反応によって形成される。この反応は、チタン表面上に高純度窒素ガス流を流すこと、および焼鈍温度に近い高い基板温度を得るための熱を加えることが必要である。マイクロ流体デバイスのいくつかの実施形態は内部「湿潤経路」を通して流体を運ぶので、窒素流は任意選択では、例えばデバイスを通して窒素ガスを運ぶために適当な(1つまたは複数の)入口および出口ポートにインターフェース接続している1/16”外径のクロマトグラフィ配管を使用して与えられる。適切なデバイス温度は任意選択では、拡散結合プロセス自体で使用されるような真空炉および関連する付属物を使用して維持される。
【0126】
TiNコーティングの代替形態としては、例えばTiCN(チタン炭窒化物)、およびTiAlN(窒化チタンアルミニウム)が挙げられる。
【0127】
表面層は任意選択では、結合の前に生成される。いくつかの好ましい実施形態では、表面層は、例えば結合プロセスに干渉するのを避けるために、結合後に生成される。
【0128】
いくつかの実施形態は、例えばバルブ固定子応用例でダイアモンドまたはダイアモンド状コーティングを利用する。バルブ固定子の場合、コーティングは任意選択では、商業マイクロ波強調PVD装置内に開口/露出固定子表面上に形成される。バルブ固定子の他の領域は任意選択では、マスキングされる(例えば、その応用例に適当な比較的粗い様態でマスキングされる)。
【0129】
上記説明を鑑みて、分離科学の当業者は、流体回路の多くの代替実施形態が、本発明の範囲内であることが分かるだろう。例えば、本発明の追加の実施形態は、いくつかの従来のHPLCシステムに対して小型化、少ない接続、小さな寸法、大きな集積および/または他の特徴を備えた流体構成要素を有する改良型の液体クロマトグラフィシステムに関する。
【0130】
例えば、一実施形態は、従来のクロマトグラフィ溶剤ポンプに対して小さな寸法の溶剤ポンプが必要である。このようなポンプは、図1に示すポンプ120に適切に使用することができる。ポンプは、ポンプのシリンダの小さな間隙を与え、いくつかの従来のポンプでは、間隙は少なくとも部分的に個別の配管でヘッドを配管する(例えば、各管の各端部での圧縮ねじへのレンチアクセスを与え、比較的深い圧縮取付具ポートに挿入されるまたはそこから取り除かれるときに管が捩れないよう十分な曲げ半径を与える)ためのアクセス性要件によって制約を受ける。
【0131】
したがって、一ポンプ実施形態では、拡散結合チタンマニホールドサブアセンブリは、介在する配管経路がチタンサブアセンブリ上でほぼ平面形状で設けられた状態で、ポンプヘッドを互いに比較的極めて近くに取り付ける。任意選択では、チタンシリンダヘッドは、ピストンシールにアクセスするためにヘッド除去を行うように(任意選択では、通常のサービス要件)、チタン基板上に直接拡散結合されていない。したがって、ピストンシールはまた任意選択では、チタン拡散結合温度サイクルから保護されている。
【0132】
ポンプの入口側では、チタンサブアセンブリは任意選択では、脱気機能を行い、および/または勾配配分バルブのマニホールドを組み込むまたは一体化する。バルブソレノイドは任意選択では、チタン基板と、ポンプ取入れ口から長い溶剤リザーバラインの流体慣性を切り離すために使用されるダイアフラムとに直接取り付けられている。本発明の一実施形態による取入れ口アセンブリは、より小さく、多くの個別の管をなくした状態で、漏洩しにくい。
【0133】
2つの上記チタンは任意選択では、別であり異なっている、または包装の制約に基づいて、単一のユニットに一体化されている。
【0134】
本発明のいくつかの実施形態では、金属箔は、溶融部位からの金属の気化および除去を良くするために、非常に局所化されたプロセスガスを使用して、または使用することなく、高真空電子ビーム切断(HV−EBC)の使用によりパターン化される。例えば、HV−EBCのプログラム可能な操作ビーム(またはビーム偏向)モードは、パターン化されたマスクを必要とすることなく、チタン箔をパターン化するのに適している。しかし、いくつかの場合では、マスク材料はビーム経路に隣接して生じ得る基板損傷を制限するために利用される。
【0135】
高真空システム内で利用される市販の電子ビーム源は、電子顕微鏡検査の特徴を示す極めて狭い(数ナノメートル直径)ピコアンペア(pA)ビームからプロセス金属溶融または真空蒸着を行うために、または鋼の厚い部分(数インチ)を突合せ溶接するために必要な浸透を実現するために使用される比較的大量のビーム(150kWまで)までの範囲の多くのオーダのビーム電流の大きさにわたって存在する。普通、ビーム直径を小さくすることにより、またビーム電流が小さくなり、商業的に実現可能な金属箔切断では、薄い金属箔を迅速に溶融させるために利用可能な十分な電流を有するが、基板内に所要の機構詳細を生成するのに十分狭いビーム直径を選択することが好ましい。このようなビームは、高真空電子ビーム溶接(HV−EBW)に利用することができる。
【0136】
HV−EBWのための知られているシステムは典型的には、ワーク、ワークホルダ/ステージ、およびビーム経路を囲むのに十分な寸法の真空チャンバを備えており、プログラミングしたステージ動作で、またはそれなしで、ビーム偏向のためのプログラム可能な制御を組み込んでいる。知られているシステムは時に、ビームに対する比較的浅い収束角度を組み込み、それによって基板を通る加熱された経路は比較的直線側である(すなわち、ビームのテーパは、意図した金属箔基板の厚さにわたって無視してよい)。ビーム速度(rate−of−advance)、ビーム電流、ビーム品質、金属箔の熱容量および熱伝導性、およびプロセスガスの組込みにより、機械加工された表面内の垂直条痕または他の欠陥の範囲を最小限に抑える目的で、機械加工されている表面に品質を集合的に加える。チタンのHV−EBCはまた、反応性プロセスガスのない状態で、反応性イオンエッチング(RIE)に対する潜在的にきれいな代替物である。
【0137】
いくつかの実施形態は、上記FIBフライス加工などの他の操作ビーム技術を利用する。普通、極めて細かい解像度および円滑に切断された表面を提供しながら、スパッタリングされた材料の気化を良くするために(または、再蒸着を少なくするために)反応性プロセスガスを使用した、または使用しない、FIBフライス加工は、RIEまたはクロマトグラフィ構成要素を構築するためのウェットエッチングの商業的に実現可能な代替物となる市販の機械では十分には速くない。
【0138】
本発明の様々な例示的な実施は、流体運搬を必要とする様々なシステムおよび/または方法に適用することができる。本明細書で使用するように、「流体(fluid)」、「流体の(fluidic)」という用語および/またはその任意の文脈上の、変化または組合せの指示対象は普通、ガス、液体、プラズマおよび/またはあらゆる物体、物質、または固体あるいは効果的な固定凝縮相内にはほぼない化合物の組合せのことを言うものとしての特徴の影響を少なくとも受けやすいものと考えることができるものを含むことを意図している。「入口」および「出口」という用語は普通、これを通して流束が流体をデバイスまたは構成要素のほぼ外部/内部の容量素子からデバイスまたは構成要素のほぼ内部/外部の容量素子まで平行移動させる傾向がある、デバイスの任意の断面積または構成要素機構のことを言うと理解されたい。
【0139】
本明細書で記載されたものの変形形態、変更形態、および他の実施は、請求項に記載の通り本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には分かるだろう。例えば、いくつかの実施形態は、検出器セル端部構造、例えば噴霧ガス、脱溶媒和ガスなどのための経路を提供する質量分析計インターフェース錐体、例えば平面ガス交換素子および/または勾配混合器を含む、ポンプ用の拡散結合吸気マニホールド、例えば費用および寸法減少のための、ポンプのシリンダ間および/またはシリンダ後の拡散結合マニホールド、および例えば費用および寸法減少のための、オートサンプラのための平面統合マニホールドなどの構成要素の1つまたは複数を含んでいる。いくつかの実施形態は例えば、2つ以上の分離カラム、2つ以上の捕捉カラム、(1つまたは複数の)逆止バルブ、(1つまたは複数の)ポンプ、および/またはメモリデバイス、識別デバイス(A RFIDなど)、および/または表示デバイスなどの電子デバイスを含む金属基板などの機構のいずれか1つまたは組合せを含んでいる。さらに、これらの機構を含むいくつかの一体型金属ベースデバイスは、製造費用が低いことにより、消耗デバイスとしての使用に適している。したがって、本発明は、前述の例示的な説明ではなく、代わりに以下の特許請求の範囲によって定義されるものである。
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2007年2月28日出願の米国仮特許出願第60/892,134号、および2007年7月25日出願の米国仮特許出願第60/951,860号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は概して、クロマトグラフィ装置に関し、より詳細には、高圧液体クロマトグラフィ機器に関する。
【背景技術】
【0003】
クロマトグラフィの容量スケールおよび流体経路実施への影響の簡単な説明を以下に与える。高速液体クロマトグラフィ(HPLC)は従来、約4.6mmの仕上がり内径(ID)または孔、および普通は約5cmから25cmの範囲の長さを有する分析カラムを使用して行われる。このようなカラムは普通、慎重に機械加工された構成要素から組み立てられる。
【0004】
カラム管は普通、それぞれのカラム端部取付具または端末内の対応する雌ねじと係合する雄ねじを各端部に有する。各カラム端部取付具は、完成したカラムの性能に重要な機構を組み込んでいる。これらの機構の中に、粒子固定相(または充填)をカラムベッド内に保持し、液体流を狭い孔の入出力相互接続管(0.23mmID)の幾何形状と充填されたベッドのはるかに広い直径寸法(4.6mm)の間で移行させるように協働する、フリットおよび拡散器プレートがある。各カラム端部取付具はまた、ほぼ漏洩密インターフェースをカラムと相互接続管の間に確立するために使用される、ねじ切り圧縮ポートを含んでいる。
【0005】
従来の4.6mmIDのHPLCカラムは、5マイクロメートルの特徴的な充填粒子直径を組み込んだ固定相で充填させることができる。適切な移動相体積流量でのそのカラムの動作により、ベッド構造を通る特徴的な移動相線速度につながる。カラムが十分充填されている(すなわち、空洞、ブリッジ、または他のベッド欠陥がほぼない)場合、この動作型式は、1つまたは複数のタイプのプローブ化合物の使用により示されるように、このシステムに対する特徴的な分離「効率」につながる。特徴的な効率は、システムを通して伝播させることができるクロマトグラフィ区域または帯域の狭さのスケールとして考えることができる。
【0006】
HPLC分析機器では、普通は高効率で分離を行い、それによって干渉または近干渉区域または帯域の解像度を良くすることによって、クロマトグラムの情報量を最大限にすることが望ましい。上記システムから溶出される帯域は、5σで測定して、約10秒の時間経過(すなわち、帯域頂点と、頂点に先行するおよびその後につながる帯域の2.5σを含む、検出器を通る帯域の濃度分布の通過)を有することが予期され得る。
【0007】
体積流量を知った上で、時間単位の帯域の幅を体積単位の幅(この例では、1.0mL/分の流量に対して167マイクロリットル)へ変換することができる。体積領域内での作動は、分離の効率への「余分なカラム」体積の影響を調査することを開始するときに、特に有益である。カラムの外側の(例えば、輸送管内、検出器内、およびインジェクタ内の)体積の存在により普通、カラムによって運ばれるときに分離の質を低下させるしかなくなる。
【0008】
余分なカラム分散(分散=σ2)貢献は、分散がほぼ加法性である場合に、特定の分離が1つまたは複数のタイプの余分なカラム貢献の存在でどのように悪化するかを解明する極めて有用な手段である。システム設計者が直面することを認識するために、クロマトグラフィシステムのいくつかのクラスの特徴的な体積スケールを集計することが有用である。以下の表では、すべてのシステムが同じ効率値を維持し、移動相線速度が充填ベッドを通して一定に維持されることを前提としている。したがって、体積流量は、カラムベッド断面積に比例して、したがってカラム内径2に比例してスケールが決められる。
【表1】
【0009】
表1のカラムおよび流量範囲は、従来のスケールのHPLCでの使用に極めて十分である(特徴的なピーク体積が、1ミリリットルのかなりの部分である場合)、従来の配管および配管インターフェースがどのように、毛細管スケールまたはナノスケールHPLCなどの応用例で迅速に差が付けられているか(特徴的なピーク体積は、数マイクロリットルから数十ナノリットル範囲であり、したがって余分なカラム分散「バジェット」が基本的になくなった場合)を示している。すなわち、従来のHPLCの実施において許容可能である、余分なカラム体積および余分なカラム分散は普通、毛細管およびナノスケールLC技術の実施において不適当である。実際、毛細管およびナノスケール技術は、特に分析に利用可能な試料質量が限られている(試料が限られた分析)場合に、主に質量分析法とインターフェースをとるための適合性により、現時点で分離技術の最前線にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
実際、あるとしてもごくわずかの製造者が表1で言及した特徴的なピーク体積の概略にわたって分離効率を維持することができることを示している。さらに、さらに高い分離効率を達成するために、より小さい充填粒径の使用に対する傾向が同時にある。このより高い効率により、溶出区域または帯域の体積のさらなる減少につながり、さらに余分なカラムの効果の問題が深刻になる。平面流体回路は、余分なカラム体積を最小限に抑えることに取り組み、余分なカラム分散は機能を強固にし、比較的短い経路を作り出す能力において魅力的であると思われるが、今まで、組立材料(典型的には、ガラス、プラスチック、または特定のセラミック)は、デバイスが最新の小粒子分離に特有の内部静水圧に耐えることを可能にしていなかった。この後者の圧力は、超高圧液体クロマトグラフィ(VHPLC)の型式に対応する、カラムヘッドで何万ものPSIであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、HPLC機器などの化学分離デバイス内に含めるための部分的または完全集積マイクロ流体回路が有利には、少なくとも部分的に拡散結合金属層で製造されていることの実現により部分的に生じるものである。非常に様々な厚さのチタン基板は、このような機器の製造および動作に特によく適している。都合の良いことに、本発明のいくつかの例示的な実施形態では、HPLC機器が、様々な程度の集積で、チタン合金の2つ以上の積層拡散結合シートから製造されている。熱交換器、バルブ、サンプラ、および/またはポンプなどの関連のある他の実施形態も、拡散結合チタンを基にしている。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態は、短い長さおよび/または少ない数の相互接続配管の部分、より容易な製造、より低い費用での製造、毛細管スケールおよびナノスケールLCの改善された使用容易性、少ないデッドボリューム、小さい寸法、使い捨てデバイス、集積デバイス、小型デバイス、および約5,000psiまたは10,000psiを超える、また約15,000psi以上の圧力での拡散結合モノリス内の高圧液体クロマトグラフィなどの利点のいずれかまたはすべてを提供する。本発明のいくつかの実施形態は、従来の分析スケールまたはマイクロボアスケール機器と同様の使用容易性および信頼性のある動作を与える、ナノスケールマイクロ流体HPLC機器を提供する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態は、分離カラムが消耗品である従来のシステムを凌ぐ利点を提供する。これらの実施形態によるマイクロ流体ベースの高圧カラムは、ユーザがカラムを交換する場合に、低いデッドボリュームがこのようなインターフェースで維持されることを保証するために1つまたは複数の取付具のないインターフェースを利用する。例えば、一実施形態は、捕捉カラムを画定する基板と、基板内に接続された分離カラムとを含んでいる。これらの実施形態のいくつかはまた、いくつかのマクロスケール取付具を含んでいるが、普通のユーザによって操作されることはめったにない。
【0014】
したがって、本発明の一実施形態は、拡散結合された第1および第2のチタン基板で形成された熱交換器を備えるHPLC装置を特徴としている。少なくとも2つの逆流用導管が、第1の基板と第2の基板の間に画定されている。
【0015】
本発明の第2の実施形態は、固定子アセンブリを備える回転剪断密封バルブを特徴としている。固定子アセンブリは、チタンで形成された外部配管インターフェース部と、外部配管インターフェース部に拡散結合されたチタンのガスケットとを備えている。外部配管インターフェース部は、少なくとも2つの配管ポートを画定する。ガスケットは、各配管ポート用の流体経路を画定し、各流体経路の外端部は配管ポートの対応するものと流体連通している。
【0016】
本発明の第3の実施形態は、HPLC装置を特徴としている。この装置は、分離カラムおよびフローセルを備えている。フローセルは、流路、分離カラムから溶離剤を受ける入口ポート、出口ポートを画定するセル本体と、流路の入口に隣接して配置されたウィンドウと、ウィンドウとセル本体の間に配置されたガスケットとを備えている。ガスケットは、流路の入口を入口ポートに接続させる流体回路を画定する。セル本体およびガスケットは、チタンで形成されており、拡散結合される。
【0017】
図面において、同様の参照記号は全体的に、異なる図面を通して同じ部品のことを言う。また、図面は必ずしも等尺度ではなく、代わりに普通は、本発明の原理を示す際に強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による、化学処理デバイスの一部の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、液体クロマトグラフィ機器の一部の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による、化学処理ユニットの上面図である。
【図4】本発明の一実施形態による、チタンベースデバイスの一部の上面ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による、製造の中間段階でのチタンベースデバイス600cの一部の側面ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による、処理ユニットおよびエレクトロスプレイインターフェースを備える、チタンベースデバイスの一部の側面ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による、チタンベースデバイスの一部の側面ブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態による、フローセルの側断面図である。
【図9A】本発明の一実施形態による、低容量熱交換器の基礎ブロックの上面図である。
【図9B】図9Aの基礎ブロックの側断面図である。
【図9C】図9Bに示すポートの詳細を示す図である。
【図9D】図9Aに関連する、低容量熱交換器の平面部の上面図である。
【図9E】図9Dに関連する、より詳細な図である。
【図9F】図9Aに関連する、低容量熱交換器の上側キャッププレートの上面図である。
【図9G】図9Fのプレートの側断面図である。
【図10A】本発明の一実施形態による、交換器の両側の2つの流体経路に、流体ポートを提供する交換器の全体側面断面図である。
【図10B】図10Aの熱交換器の一端部をより詳細に示す図である。
【図11A】本発明の一実施形態による、交換器の同じ側ですべての流体ポートを提供する交換器の全体側断面図である。
【図11B】図11Aの熱交換器の一端部をより詳細に示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による、クロマトグラフィ分離カラムユニットを示す断面図である。
【図13】本発明の一実施形態による、捕捉カラムおよびクロマトグラフィ分離カラムを備えるチタン拡散結合構成要素を示す断面図である。
【図14A】本発明の一実施形態による、製造の中間段階での拡散結合固定子アセンブリを示す断面図である。
【図14B】図14Aの完成した拡散結合固定子アセンブリを示す図である。
【図14C】図14Aおよび図14Bの固定子アセンブリのガスケットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特定の材料および製造ステップを必要とするいくつかの実施形態を含む、以下の詳細な説明は、包括的ではなく例示的であることを意図している。したがって、この説明は、本発明の製造方法を任意の特定のセットのステップまたは特定の材料に限るものではないことを理解されたい。
【0020】
本明細書中の「拡散結合」は、ほぼ金属構成要素の直接結合につながる高温処理のことを言う。普通、熱および圧縮応力は、2つ以上の構成要素を一緒にするために組み合わせて使用される。結合ステップの前に、極めて平らであり(普通は、数十万分の1インチ内の)、約2から4百万分の1インチの表面粗さ統計値R_aを有する、噛合い表面を得るために、ラップ仕上げおよび研磨プロセスが任意選択で使用される。
【0021】
金属の拡散結合が接合面での原子レベル接触を必要とすると仮定すると、高い温度および適度な圧縮応力(例えば、500から1000PSIのグローバル平均応力)は、そうでなければ接合面を離して保持する傾向がある局所表面粗さを生じさせることによって、必要な密接を可能にすると考えられる。温度での時間を考慮すると、母材の粒界は、元の結合ラインの痕跡を実質的になくすように再分配する。
【0022】
航空宇宙受託業者による機械的な試験片の徹底した試験は、チタンおよびTi6Al−4Vなどの合金内に形成された結合ラインが、母材の強度および耐久力を実質的に保持することを示している。チタンおよびTi6Al−4Vなどの合金は、基材が結合温度でその独自の表面酸化物層(不動態化層)を溶解することが容易に可能であると考えられるので、真空拡散結合に特によく適していると考えられる。したがって、この不動態化層、および得られる結合への影響をなくすために、普通でない手順を用いる必要はない。しかし、(1つまたは複数の)不動態化層に対処するために適当な状態が利用される場合に、ほとんどの金属を拡散結合させることができることが分かるだろう。
【0023】
同様の材料の拡散結合は、融接技術と好対照である、極めて低い残留応力を特徴とする結合を作り出す傾向がある。チタンの拡散結合シーケンスでは、接合面は液化状態にまではならない。生じる温度(例えば、840℃)は、局所粗さの降伏を促進するのに十分高いことが分かる。多くの金属では、温度上昇は普通、降伏強さの低下に関連している。これらの局所粗さが降伏によって非常に局所化された応力に対処するので、得られる付加応力値は、グローバル平均圧縮応力値に収斂する傾向があり、実質的にさらなる降伏に至る。適切な状態が利用されると、2つ以上のチタン基板の拡散結合により、部品が大気温度に戻された場合に、部品の寸法の正味の変化がほとんどなくなるべきである。これは、圧縮ポートなどの機械加工された細部を初期機械加工の時に構成要素内に案内することができるので有用であり、これらの細部は結合プロセスの後に、ほぼ正確および有用なままである。
【0024】
前置きとして、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、2層以上の金属材料の拡散結合層を利用している。層は任意選択で、同一である、同様である、および/または異なっている。層は任意選択では、拡散結合に適したほぼ純物質または合金または合成物からなっている。適切な拡散結合温度は、例えば最も可溶性のある金属の溶融温度の約50%から約70%または90%である。金属マトリックス合成物内のフィラー材料は、例えば、追加の強度を与えるために、および/または温度変化に関連する寸法および/または形状変化を制御するために含まれている。
【0025】
拡散結合は、任意の適切な雰囲気または真空で行われる。いくつかの適切な雰囲気は、窒素、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスを含んでいる。平面流体回路に関連する本発明のいくつかの好ましい実施形態では、適当に選択された構造金属の強度、剛性、延性、および破壊靱性により、金属はデバイス完全性を損なわせる可能性がある破壊を伝播させることなく、応力集中に局所的に対処することが可能であるので、金属がより脆弱な材料が破裂の危険がある平面流体経路実施で十分機能することが可能になる。
【0026】
金属層は、知られている金属材料を含む任意の適切な材料で構成されている。いくつかの高圧流体回路を提供するのに必要な強度、剛性、耐食性、延性、および破壊靱性を有する構造金属の1つの適切なクラスは、チタン合金(ほぼ純チタンを含む)のクラスである。例えば、いくつかの適切なチタン材料がAllegheny Technologies Inc.社のAllVac Division(ノースカロライナ州Monroe)から市販されている。これらの材料としては、異なる酸素レベルに関連する異なる降伏強さを有するALLVAC(R)30、40、55および70CP(工業用純)チタングレード、およびALLVAC(R)チタン6Al−4Vおよび6Al−4V ELI合金(約6.3%のAl、3.8%のV、および0.017%のFeを含む)が挙げられる。意図的に合金化されていない特定の形のチタンを、記号表示CP(「工業用純」の略)で販売することができる。チタン層の拡散結合中に、いくつかの実施形態では、チタンはその独自の酸化物層を可溶化する。
【0027】
以下の説明は、チタン拡散結合構成要素を含む好ましい実施形態に焦点を当てている。しかし、本発明のいくつかの原理は、他の金属から形成された拡散結合構成要素に適用可能である。「チタン」という用語は、ほぼ純チタンおよび適切なチタン合金の両方のことに言及するために以下で使用されている。
【0028】
高圧チタンベース流体回路内に流体経路を形成する適切な方法は、例えば、金属材料の薄シートの光化学貫通エッチング、またはより厚いシートの光化学ブラインドエッチングを含んでいる。別の方法では、流体経路を生成するために必要な材料除去は、電気化学フライス加工、レーザ切断、酸素ガス供給を行ったレーザ切断、放電加工(EDM)、集束イオンビーム(FIB)、電子ビーム切断、反応性イオンドライエッチング、機械切断、または任意の適切な代替手段によって達成することができる。
【0029】
平面流体経路は任意選択で、2つの非エッチング面層の間でその後に任意選択で捕捉される、単一の貫通エッチング薄層または箔内に実質的に設けられている。別の方法では、流体経路は、1つの材料層内のブラインドエッチとして、または結合平面を共有する2シートの材料内に構成された鏡像ブラインドエッチとして設けることができる。必要に応じて、回路は、面シート内にあるブラインドエッチング流体経路構成要素に加えて、中心箔内で貫通エッチングされた流体経路を組み込むことができる。
【0030】
流体経路は、プリント基板(PCB)構成内で見られるものと同様の、所望のような平面の間を相互接続させるために使用されたバイアを備えた、複数の個別層内にあってもよい。金属面シートは、高圧流体密接続(例えば、ねじ切り圧縮ポートを介して)を結合アセンブリに対して行って、高圧ポンプ、試料インジェクタ、検出器などを組み込んだ現実的なシステムへの結合アセンブリの同化を容易にすることができる機械加工された機構で構成することができ、それによって他の材料内に設けられた従来技術の平面流体回路の制限の1つを克服することができる。
【0031】
高圧対応の分離システムの構成要素として、エッチングおよび結合されたチタン流体経路要素は任意選択で、例えば固定相が充填された分離カラム、インライン熱交換器、検出器セルまたはセル構成要素、ポンプマニホールド、および/または試料インジェクタの構成要素を含む、適切であると考えられるシステムの任意の部分を含むまたは提供するために使用される。分離システムの完全な機能は、単一のエッチングおよび結合されたデバイス上にある必要はないが、むしろ、その機能は任意選択では、その指定された作業に適当な寸法および内部容量スケールおよび回路複雑性を有する多数のデバイスにわたって広がっている。
【0032】
構造金属を結合させるいくつかの適当な方法は、結合平面内に、またはそれにすぐ隣接してある流体経路機構を破損することなく、好ましくは二次材料を流体経路に案内するまたは曝すことなく、結合平面上に高圧対応の流体密シールを容易に作り出す。
【0033】
上に記したように、チタンおよびチタン合金は、例えば真空拡散結合によって結合される。知られているプロセスを含む任意の適切な拡散結合プロセスが任意選択で利用される。いくつかの適切な真空拡散結合プロセスが現在、航空宇宙業界で利用されている。真空拡散結合により、適当に調製されたチタン表面を、例えば制御雰囲気、高温、積層スタック上の圧縮応力、および時間の提供を含む所定の状態において直接結合させることが可能であり、このような状態では普通、介在するフィラー金属またはろうを使用する必要がない。チタンおよびチタン合金の真空拡散結合は普通、一体的構成要素を提供し、その中で隣接する層の粒界および/または層間の(1つまたは複数の)インターフェースに形成される粒界が、1つまたは複数の元の結合平面にわたるように移動している。適切に設計されている場合、複数の層は任意選択では、1つの真空炉「オーブンラン」の状況下で、一度に結合される。
【0034】
一例として、上記Ti−6AL−4V合金は任意選択では、約500から1000PSIの公称平均圧縮応力で、および普通は室温状態から結合温度状態まで、および結合温度状態から室温に戻すのに利用される温度の浅い直線的な立上げで数時間にわたって行われる加熱で拡散結合される。得られる台形状の温度プロファイルは、結合温度で2時間以上を必要とする可能性がある。
【0035】
接触層は、優れた表面仕上げ、例えば2から4マイクロインチ以上の表面粗さ統計値R_a、および20から40マイクロインチ以内の平坦度またはグローバル平面度を有することが好ましい。結合は、不活性ガス、または1.0×10−5トール以上の真空などの任意の適切な環境で起こる。環境は実質的に、酸素がないことが好ましい。
【0036】
スタックされたアセンブリの拡散結合は、スタックを結合状態に変換させて、元の個別の金属層がもはや殆ど個別に区別可能ではなくなった、ほぼモノリシック構造を形成する。すなわち、層間のインターフェース(結合平面とも呼ばれる)はバルク材料に特有である粒子構造と交換され、それによって元の結合平面は見えなくなる。
【0037】
上に記載したように、ナノスケールHPLCシステムの使用容易性および信頼性の問題の多くは、低デッドボリューム相互接続を行う難しさにより生じるものである。マイクロ流体ベースHPLCシステムは、これらの問題の多くを避ける可能性がある。少なくともいくつかのHPLC構成要素は、マイクロ流体要素として構成され、望ましい相互接続が適切なマイクロ流体経路を介してこれらの要素間で行われる。
【0038】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を、以下により詳細に記載する。この説明を鑑みて、他の実施形態および構成要素は、化学分離技術分野の当業者には明らかだろう。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態による、化学処理デバイス100の一部の断面図である。デバイス100は、処理ユニット110と、高圧ポンプ120と、高圧ポンプ120から流体を受ける管140と、導管140を処理ユニット110に取り付ける高圧コネクタ130とを備えている。
【0040】
処理ユニット110は、少なくとも部分的に拡散結合チタンから形成されており、処理ユニット110の入口ポートと流体連通させて分離カラムを画定する。好ましい一実施形態では、ポンプ120は、高速液体クロマトグラフィに少なくとも十分な圧力で溶剤を含む液体を運ぶように構成されている。高圧コネクタ130は、高圧ポンプ120によって運ばれる液体を受ける導管140にほぼ漏洩のない接続を行うように、入口ポートと物理的に連通している。デバイス100は任意選択では、化学処理技術分野の当業者が分かるように、(1つまたは複数の)ポンプ、(1つまたは複数の)導管、(1つまたは複数の)カラム、(1つまたは複数の)電気構成要素、(1つまたは複数の)コンピュータなどの追加の構成要素を含んでいる。
【0041】
処理ユニット110は、第1の層110aを備えており、1つまたは複数の追加の拡散結合層110b、110c、110d、110eを備えている。処理ユニット110の層110a、110b、110c、110d、110eの2つ以上が、チタンで形成されていることが好ましい。
【0042】
分離カラムおよび処理ユニット110によって画定される他の導管は任意選択では、図1に参照記号A、B、CおよびD(端部から見た)で示されるように、層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数の厚さを通して全体的にまたは部分的に延びている。導管A、B、C、Dは、例えば上に記載したように、層110b、110c、110d、110eの1つまたは複数の部分を取り除くことによって金属材料内に画定される。図示するように、導管Aの1つは、高圧コネクタ130によって管140に流体接続されている。
【0043】
分離カラムは、任意の適切な幅、好ましくは約500μm未満を有する。より高い圧力動作では、幅は約200μm未満であることが好ましい。高圧ポンプ120および高圧コネクタ130は、約1kspiより大きい、または約2kpsiより大きい、または約5kpsiより大きい、または約10kpsiより大きい、または約15kpsiより大きい、または約20kpsiより大きい圧力でほぼ漏洩のない動作に対して構成されている。特に、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、いくつかの従来の高圧システムと比べて、有利な流体接続を行う毛細管およびナノスケールHPLCシステムである。高圧動作を支持する適切なコネクタのいくつかの実施形態が、図2を参照してより詳細に記載されている。
【0044】
図2は、機器200の一部の断面図である。機器200は、例えばユニット110と同様の処理ユニット210と、取付器具230とを備えている。機器200は任意選択では、処理ユニット210によって出力される化合物のさらなる分析を行う、質量分析ユニットなどの分析モジュール240を備えている。
【0045】
代替実施では、取付器具230は、処理ユニット210を質量分析計の入口ポートに隣接して部分的に位置決めする支持ユニットとして働く。この実施では、処理ユニット210は任意選択では、例えば質量分析計の入口ポート内に分離させた材料を案内するエレクトロスプレイインターフェース(ESI)を備えている。ESIは、任意選択では質量分析技術分野の当業者に知られている構成の特徴を有する、任意の適切な構成を有する。ESIの実施形態に関するさらなる詳細が、図6を参照して記載されている。
【0046】
取付器具230は、いくつかの代替実施では、処理ユニット210の配置および交換を容易にする1つまたは複数のヒンジおよび/または1つまたは複数のばねを備えている。取付器具230は任意選択では、処理ユニット210に例えば流体および/または電気接続を行うように、処理ユニット210bとインターフェース接続する構成要素を備えている。例えば、一代替形態では、取付器具230は、処理ユニット210の入口ポートへの流体接続を行う。
【0047】
上記記載を鑑みて、取付器具230に対する他の構成は、当業者には明らかだろう。例えば、代替取付器具は、2つ以上の処理ユニットを支持し、いくつかの機器は2つ以上の処理ユニットを支持する2つ以上の取付器具を備えている。
【0048】
上に記したように、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、比較的高い流体圧力を支持するマイクロ流体ベース機器を必要とする。本発明のいくつかの実施形態では、分離カラムおよび/または他の導管は、HPLCを行うのに必要なような、選択した動作圧力を維持するように構成されている。当該のカラム構成特徴は例えば、圧力荷重または繰り返し圧力荷重でのより大きな耐破砕欠陥性を与える寸法および/または形状を含んでいる。高さ、幅、アスペクト比、および/または曲率半径などの導管構成は、例えば、上に記すように経験的および/または理論的考察により選択される。
【0049】
図3は、本発明の一実施形態による、化学処理ユニット300の上面図である。ユニット300は、捕捉カラム311を画定する拡散結合チタン基板310と、分離カラム312と、捕捉カラム入口ポートI、分離カラム出口ポートO、および捕捉カラム出口ポートTを含む流体ポートI、O、Tとを備えている。捕捉カラム入口ポートIは、例えばインジェクタおよびポンプからの流体のための捕捉カラム311に入口を提供する。捕捉カラム出口ポートTは、捕捉カラム311に出口を提供する。分離カラム出口ポートOは、分離カラム312から出る溶離剤に出力を与える。
【0050】
一代替実施形態では、処理ユニットは、3層チタン基板を備えている。底部層は、ブランク層であり、中間層は図3に示すものと同様の捕捉および分離カラムを画定するようにパターン化されたチタン箔であり、上部層は捕捉カラムおよび分離カラムの入口および出口に位置合わせされた、すなわち図3の流体ポートI、O、Tに対応する3つのバイア孔を有する。分離カラムは、蛇行構成、約10cmの長さ、および約100μmの幅を有する。捕捉カラムは、約1cmの長さ、および約180μmの幅を有する。普通、蛇行または他の非直線カラム構成により、ほぼ直線カラムを画定する基板または管に対する所与のカラム長さに対する、基板の寸法減少が可能になる。
【0051】
高圧流体コネクタが任意選択で、例えば従来の手段を介して捕捉カラム入口ポートに取り付けられている。コネクタは、分離カラム出口ポートに取り付けられており、捕捉バルブは捕捉カラム出口ポートに取り付けられている。
【0052】
分離カラムは任意選択では、溶融シリカ毛細管を分離カラムの出口ポートコネクタに取り付けることによってスラリー充填されており、毛細管はスラリーが分離カラムを通して毛細管の外に流れるときに、カラム充填粒子を捕捉するようにガラス粒子フリットを有する。充填スラリーの希釈レベルは、分離カラム全体の優れた充填を行うように経験的に選択された。分離カラムは任意選択では、例えば所望のクロマトグラフィ効率を得るように所望の充填が得られるまで流され、再充填される。
【0053】
化学処理ユニット300は、例えば500nL/分未満の流量のナノスケールHPLCに適用可能である。クロマトグラフィ技術分野の当業者によって理解されるように、大容量試料を、例えば5−20μL/分の流量で捕捉カラム311上に装填可能である。試料が捕捉カラム311の上に装填されると、捕捉バルブが閉じられ、溶剤勾配が開始して、分析のために分離カラム312の上で捕捉カラム311から試料を溶出させる。
【0054】
ユニット300は、いくつかの従来のナノスケールシステムで見られる配管接続の数を少なくする。ユニット300はいくつかの代替形態では、部分的にその比較的低い製造費用により消耗品として使用される。
【0055】
次に図4および図5を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、チタンベースクロマトグラフィデバイス内の導管を充填する方法を必要とする。これらの実施形態は、いくつかの場合では、約1−5μmの範囲の直径を有する球状シリカ粒子で充填された分離カラムを含んでいる。シリカ材料は任意選択では、保持挙動を変化させるために、様々な官能基で誘導体化される。
【0056】
これらの実施形態のいくつかは、1つまたは複数の分離カラムなどの導管内の粒子の捕捉を助けるために、フリットまたは他の機構を使用する。以下に記載するように、基板の内部におよび/または外部に配置された一時的および/または恒久的構造は、いくつかの実施形態では、粒子を捕捉するために使用される。
【0057】
いくつかの従来のカラム充填技術は、本発明のいくつかの実施形態により、いくつかの金属ベースナノまたは毛細管スケールクロマトグラフィシステムには十分適していない。例えば、フリット生成のためのいくつかの従来の高温焼結および化学結合方法は、フリット領域への比較的容易なアクセスが必要である(すなわち、化学結合剤の局所加熱または蒸着を行うために)。このような容易なアクセスは、いくつかの実施形態では利用可能ではない。
【0058】
図4は、本発明の一例示的実施形態による、チタンベースデバイス400の一部の上面ブロック図である。デバイス400は、分離カラム430と、カラム430内に配置された多孔質プラグ440と、プラグ440に隣接してカラム430内に配置された充填粒子425とを備えている。多孔質プラグ440は、カラム430の充填中にフリットとして働く。
【0059】
多孔質プラグ440は、知られている方法および上に記載した方法を含む、任意の適切な方法により製造される。例えば、多孔質プラグ440は、分離カラム430の一端部に蒸着されたペーストからできる。ペーストは任意選択では、焼結および/または化学結合プロセスにより固定される材料を含んでいる。
【0060】
図5は、本発明の別の例示的実施形態によると、中間製造段階のチタンベースデバイス600cの一部の側面ブロック図である。デバイス500は、分離カラムを画定する基板510と、カラムの端部を出口ポートに接続させるバイア導管と、出口ポートを遮断するように配置されたフリットとを備えている。
【0061】
フリットは、知られている材料を含む任意の適切な材料を含んでいる。例えば、フリットは、濾紙、例えばほぼ単一の方向の流体の流れを可能にする配向濾紙で形成されている。
【0062】
フリットは、基板510に恒久的にまたは取外し可能に取り付けられている。フリットは、任意の適切な機構を介して基板510に取り付けられている。例えば、フリットは任意選択では、基板510に糊付けおよび/またはクリップ付けされている。
【0063】
カラムの充填後、出口ポートは任意選択では、フリットの除去でまたは除去なしで密封される。例えば、ポートおよび/またはフリットは任意選択では、PDMSで密封されている。
【0064】
次に図6を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、質量分析のためのエレクトロスプレイインターフェースを必要とする。本発明のいくつかの実施形態では、このようなインターフェースは、チタンベース基板の一体部である、またはチタンベース基板に取り付けられている。これらの実施形態のいくつかは、交換可能なエレクトロスプレイ先端を含んでいる。いくつかの実施形態は、先端の配列などの2つ以上の先端を含んでいる。
【0065】
図6は、処理ユニット610、エレクトロスプレイインターフェース680、およびコネクタ630を備えたチタンベースデバイス600の一部の側面ブロック図である。エレクトロスプレイインターフェース680は、基板610に恒久的に取り付けられている、または取外し可能に取り付けられている。インターフェース680は、知られているインターフェースを含む、任意の適切なエレクトロスプレイインターフェースである。例えば、インターフェース680は任意選択では、液体クロマトグラフィ/質量分析インターフェース技術分野の当業者に知られているエレクトロスプレイインターフェースの構成と同様の構成を有する。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態のナノスケールHPLC構成要素は、質量分析計に結合されていることが好ましい。典型的な質量分析計は、普通は約10μL/分未満の流れが使用される場合の感度を良くする濃度の感度が高い検出技術である。UVおよび蛍光検出は、分析およびマイクロボアスケールクロマトグラフィのための主な検出方法であるが、約1μL/分未満の流量での帯域拡張を防ぐのに十分低い容量で光検出フローセルを構築することは普通難しい。
【0067】
図7は、本発明の一例示的実施形態による、チタンベースデバイス700の一部の側面ブロック図である。デバイス700は、図3に示した実施形態と同様に、分離カラム、捕捉カラム、および流体バイアを画定する処理ユニット基板710を備えている。デバイス700はまた、流体バイアの出口ポートと連通する捕捉バルブ720を備えている。
【0068】
バルブ720は、ハウジング721と、ハウジング721上に直接または間接的に取り付けられた適合部材723と、ハウジング721上に直接または間接的に取り付けられたアクチュエータ722とを備えている。ハウジング721は、バルブ720に入りそこから出る流体流のための経路を提供するために、流体ポートを接続させる流体経路を画定する。バルブ720は、流体バイアの出口に隣接して配置されている。
【0069】
バルブ720は、開閉状態を有する。閉状態では、バルブ720のハウジング、またはそこに取り付けられた任意選択の構成要素が、出口バイアポートを遮断する。例えば、図示するように、バルブ720は任意選択では、バルブ720が閉状態にある場合に、出口ポートを押し、これを密封する密封構成要素724を備えている。開状態では、適合部材723は、流体が、必要に応じてバルブ導管を通して出るのではなく、バルブ720から離れて漏れるのを実質的に防ぐ。
【0070】
可変バルブ状態に関連して、基板710に対するハウジング721の位置は、アクチュエータ722に応じて調節可能である。図示するように、バルブ720は開状態にある。
【0071】
適合部材723は、再生可能に変形し、適合部材723と基板710の間に留まる少なくともいくつかの粒子にもかかわらず、密封を行うことを可能にする弾性特性を有することが好ましい。
【0072】
適合部材723は、円形構成を有する。代替実施形態では、適合部材は、代替構成、例えば四角形、矩形、またはより一般的な形状を有する。さらに、適合部材は、2つ以上の構成部品を含むことができる。当業者に分かるように、適合部材は、例えばOリングまたはガスケットであってもよい。
【0073】
適合部材723の少なくとも一部は、例えば知られている適合材料を含む、(1つまたは複数の)適切な適合材料を含んでいる。例えば、Oリングは適切には、例えばニトリル、シリコーン、フッ化炭素、フルオロシリコーン、エチレンプロピレン、ネオプレン、またはポリウレタンで作られている。いくつかの実施形態では、適合材料は生体適合性で選択される。
【0074】
密封構成要素724は、バイア出口ポートと接触する場合に、流体シールを適切に与える任意の材料で形成されている。材料は任意選択では、生体適合性および/または高圧性能で選択される。密封構成要素は例えば、約1kpsi、約2kpsi、約10kpsi、約15kpsi以上までの圧力でほぼ漏洩のないシールを与える。
【0075】
アクチュエータ722は、基板720に対するハウジング721の制御可能な位置決めを可能にする、任意の適切な構成を有する。例えば、アクチュエータ722は任意選択では、その厚さが電圧の付加により変わる圧電材料を含んでいる。圧電アクチュエータは、知られている材料を含む、任意の適切な圧電材料を含んでいる。
【0076】
したがって、一実施例では、圧電アクチュエータの拡張は、出口ポートの遮断につながり、高圧シールが作り出される。圧電アクチュエータの収縮により、高圧シールが開いて、流体がポートからバルブ導管を通して流れることが可能になる。比較的低い圧力の適合部材723は、バイアポートから出る流体がバルブ720のベントポートから案内されることを保証する。
【0077】
捕捉バルブ720は、廃棄物への流れの転換を制御し、それによって試料を高い流量で捕捉カラムの上に装填することが可能になる。捕捉バルブ720が閉じると、流れは分離カラムを通して案内される。
【0078】
図8は、本発明の一実施形態による、フローセル800の側面図である。フローセル800は、セル本体810と、2つのウィンドウ811、812と、2つのガスケット821、822とを備えている。セル本体910は、チタンで形成されており、流路F、分離カラムから溶離剤を受ける入口ポートI、および出口ポートOを画定する。ウィンドウ811、812は、セル本体810で流体を含め、流路F内の流体の光ベース分析のための光の通過を可能にするように、流路Fの両端部に隣接して配置されている。いくつかの実施では、入口および出口ポートI、Oは、クロマトグラフィ技術分野の当業者が分かるように、圧縮ポート(図示するような)である。
【0079】
チタンで形成されたガスケット821、822は、ウィンドウ811、812とセル本体810の間に配置されている。ガスケット821、822は、それぞれ入口および出口ポートI、Oを流路Fの両端部に接続させる流体回路を画定する。
【0080】
ガスケット821、822は、セル本体810に拡散結合されている。ウィンドウ811、821は、ガスケット821、822に拡散結合されている。この場合、例えば、サファイアウィンドウおよびチタンガスケットの領域は、真空でのクロムの電子ビーム蒸着によって供給された、クロム薄層を備えている。クロム層は、金のより厚いオーバーコート層(また、真空での電子ビーム蒸着によって蒸着された)の接着を良くするために、接着促進または結合層を提供する。その後の拡散結合プロセスでは、ウィンドウ材料をガスケットに、したがってセル本体に接着させる金―金拡散結合である。この結合は、互いに結合されている異なる材料の特性により生じる残留応力を避けるのに有用である、比較的低い温度で行うことができる。
【0081】
HPCL装置のいくつかの実施形態は、フローセル800を備えており、任意選択では、フローセル800と協働して働く発光体および/または光検出器を備えている。検出器は例えば、電荷結合素子(CCD)またはフォトダイオードアレイなどの多チャンネル検出器を備えている。したがって、フローセル800は、クロマトグラフィ技術分野の当業者が分かるように、例えば光吸収および/または発光分光を支持する。
【0082】
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、例えば(1つまたは複数の)構成要素内の流体の観察を行うために、1つまたは複数のウィンドウを1つまたは複数の拡散結合構成要素と一体化させる。
【0083】
上に記載したように、多構成要素(例えば、積層)チタンアセンブリの拡散結合は、本発明のいくつかの実施形態により、クロマトグラフィのためのナノスケール、マイクロスケール、または分析スケール流体回路を作り出す非常に効果的な技術である。いくつかの実施形態によりそのように形成された流体回路は、例えば1式の所望の材料特性(降伏強さ、延性、破壊靱性、および耐食性など)により、高い内部静水圧(HPLC実施で観察される典型的なカラムヘッド圧力、およびより高い圧力に対応する)に耐えることが可能である。相当な注意で、拡散結合プロセスは実質的に、結合された標本内のこれらの材料特性を保持する。
【0084】
ナノスケールおよびマイクロスケールクロマトグラフィ応用例で、いくつかの実施形態では、検体検出器インターフェースは実質的に、カラム出口と同一場所に配置され、それによって例えば、余分なカラム区域または帯域拡張が最小限に抑えられる。従来のスケールのクロマトグラフィに対して対処された従来技術のシステムでは、モジュール検出装置が、数十センチ以上の距離だけ離すことができる2つの位置の間の検体の運搬を可能にする、個別の管または配管の長さによりカラム出口とインターフェース接続することが典型的である。従来のスケールのクロマトグラフィ内の溶出区域または帯域の容量は、十分狭い孔相互の相互接続管の使用を考えると、この配置がそのスケールで普通は実用的であるように十分大きい。
【0085】
しかし、クロマトグラフィのスケールがマイクロスケールまたはナノスケール分離のものまで小さくされると、検体運搬のために提供することができる余分なカラム容量がそれに応じて小さくなる。このような少ない容量のスケールでは、検出器インターフェースは実質的にカラム出口と直接一体化されていることが望ましい。質量分析計に対するESIの場合、このほぼ直接的な一体化は、いくつかの実施形態では、カラムを提供するマイクロ流体回路上にエレクトロスプレイ錐体または先端を提供することに相当する。紫外線(UV)吸光度検出、または蛍光検出などの光検出技術の場合、ほぼ直接的な一体化は、いくつかの実施形態では、カラム出口のすぐ下流側に置かれた、クロマトグラフィ溶離剤の光学調査のためのウィンドウを提供することに相当する。従来技術の光検出器として知られている追加の非湿式光素子は、いくつかの実施形態では、流路のウィンドウ領域に向かうおよびそこからの光ビームの成分を選択および案内するために使用される。
【0086】
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、分析カラム出口と一体化された光学検出を支持するためにウィンドウイングを提供する必要がある。以下の説明は単一のカラムおよび特定のタイプのカラムに言及しているが、当業者は本発明の代替実施形態が多数のカラムおよび/または1つまたは複数のウィンドウに対する代替位置を含んでいることが分かるだろう。
【0087】
定義により、カラム出口での検体検出は、分析カラムの下流側で、したがってシステム内の主な流体抵抗の下流側で起こる。したがって、分析カラム流を作り出し保持するためにカラムヘッドに存在する駆動圧力は、検体検出が生じる流体回路内のその点で実質的に拡散される。本発明のいくつかの実施形態による、流路内への光学ウィンドウの一体化のためのいくつかの技術は、流体回路構造内のどこかでのチタン間拡散結合に関連するものと同じ動作圧力仕様を達成しないので、これは偶然のことである。ウィンドウはいくつかの実施形態では、より脆弱な材料で構成されており、これらの材料はいくつかの場合では、下にあるチタン構造のものとは異なる熱膨張係数を有する。
【0088】
それにもかかわらず、漏洩のない容量効率の良い(すなわち、ほぼ無視してよい容量)のインターフェースが、ウィンドウ領域と周囲の流体回路構造の間に確立されることが好ましい。最適には、そのインターフェースを、クロマトグラフィ流によってきれいにおよび円滑に一掃することが可能であり、また最適には、そのインターフェースはかさばるクランプ装置および適合(エラストマーまたは他の比較的軟らかい)ガスケット層を避ける。適合ガスケットは、面倒である場合がある。というのは、長い間にわたって流体密シールを保証するのに必要なクランプ圧力により、ガスケット材料が流体経路内で歪み、それによってクロマトグラフィ流によって極めてきれいに一掃される流体経路を提供する設計意図を妨害するからである。実際、チタン流体回路素子の拡散結合の注目すべき利点の3つは、(1)完全な漏洩密シールが必要なところに確立されること、(2)完成した結合アセンブリ上に残りのクランプ装置が必要ないこと、および(3)長い間にわたって流路内に潜在的に押し出し、流路を遮断または崩壊させる軟らかいガスケットが存在しないことである。
【0089】
いくつかの実施形態では、適切な準備で、カラムおよび他のクロマトグラフィ構成要素が平面的な形態で製造されるチタン構造は、ウィンドウが適当な波長の材料から構成される場合に、ほぼ光透過性ウィンドウのそれに対する結合に役に立つ。このような材料としては任意選択では、応用例によって、例えばガラス(ホウケイ酸合成物を含む)、溶融シリカ(高純度合成SiO2)、石英(天然由来のSiO2による)、またはサファイア(Al2O3)が挙げられる。
【0090】
結合されたウィンドウを含むデバイスの製造を必要とする一実施形態では、チタンの調製は、いくつかの長さスケールのいずれかに存在する表面粗さを少なくするまたは実質的になくすために、結合表面の平坦化を含んでいる。ケイ素および特定の金属および誘電体に対する平坦化技術は、半導体製造業界により知られている。化学機械平坦化(CMP)は、半導体業界に欠かせない重要なこのような技術の1つであり、狭い範囲の工業関連基板に向けられた多くの研究およびいくつかのモデリング努力の対象であった。
【0091】
CMPは、(1)選択したスラリー化学的性質によって生じる基板の表面層の化学「軟化」、および(2)オペレータによって選択されるように、遊離研磨剤または結合研磨剤との機械的相互作用によって「軟化された」表面材料の除去の、2つのメカニズムの望ましい協働相互作用が必要である。蒸着金属重荷層の除去は、CMPが半導体業界におかれる目的の1つである。その応用例では、「軟化」の化学的性質は、2つ以上の選択した材料の不均衡な材料除去速度を達成するために、例えばプロセス内で意図した「停止」挙動を達成するために調整することができる。結合の前駆物質としてのチタン流体回路構成要素の平坦化において、いくつかの実施形態では、単一の基板材料のみが存在し、「停止」挙動の達成が重要な検討事項でないように十分深く存在する。生成することができる平らな表面の質により、CMPを本明細書に説明される。部分的に軟化された表面層に作用する、(普通は、研磨シーケンス内で0.02から0.05マイクロメートル平均直径までの)極めて細かい酸化アルミニウム遊離研磨粒子は任意選択では、「すきタイプ」の引っかき傷または粗さがほぼない、円滑で平らな表面を提供する。
【0092】
チタン構成要素へのウィンドウまたは噛合い部は、少なくとも一方側で光学的品質の円滑および平らな状態に仕上げられることが好ましい。知られている方法を含む、任意の適切な仕上げ方法が任意選択で利用される。例えば、光学仕上げは任意選択では、化学補助またはCMPプロセスと反対に従来の機械研磨である。いくつかの実施形態では、ウィンドウ自体が、光ビームを案内するレンズシステム(平凸レンズ素子など)の一部である、またはクロマトグラフィ流の光学調査を支持する様態で流体経路の領域を囲み、これを画定することを意図した単なる平面構造である。
【0093】
いくつかの実施形態は、適当な表面仕上げを有する金属(例えば、チタン)に対するガラス、石英、サファイア、またはアルミナなどの適当なガラスまたはセラミック無機材料の結合を利用する。知られている方法を含む、任意の適切な結合方法が任意選択で利用される。
【0094】
チタンは、本発明のいくつかの実施形態による、ガラスまたはセラミック材料への結合を実現するために優先的に使用される金属群の1つである。結合されるチタン表面は任意選択では、ほぼ純チタン金属である、または酸化物または窒化物などの(1つまたは複数の)表面層を含むことができる。実際、チタンが結合される材料の範囲が、いくつかの場合では、それぞれの熱膨張係数の一致範囲によって指示される。というのは、いくつかの知られている結合方法は、室温より数百度(℃)高い温度が必要であるからである。結合された基板の熱膨張係数の不一致があまりに大きいことにより、潜在的に結合が破壊される。というのは、材料対が室温まで、またはいくつかの場合では結合温度から十分除去される典型的な動作温度まで冷却されるからである。
【0095】
ほぼ室温まで戻された場合、チタンマイクロ流体回路基板に適切に結合されたウィンドウを含むアセンブリは潜在的に、数百キロパスカル以上の内部静水圧の存在下で液体密であるままである。この耐圧力能力は、チタン間拡散結合で得られるものよりかなり低いが、典型的なHPLCまたは高圧マイクロ流体システム構成内での、分析カラムの下流側での検体検出応用例に対処するには十分である。拡散結合と同様に、軟らかいガスケット層および外部クランプ装置は有利には避けられ、小型で漏洩密および容量効率の良い流体構造が提供される。
【0096】
次に、本発明のいくつかの原理による、分離システムの構成要素のいくつかの追加の例示的実施形態を、図9から図17を参照して説明する。
【0097】
図9Aから図9Gは、本発明の一実施形態によると、拡散結合チタンから形成された低容量熱交換器の様々な部分を示す図である。交換器は、分離プロセスの前に流体を加熱するために使用される。例えば交換器は任意選択では、管として設けられる分離カラムの上流側で、またはチタン拡散結合基板内で使用される。例えば、交換器は任意選択では、狭い孔のACQUITY(R)カラム(マサチューセッツ州、Milford、Waters Corporation社により市販)のすぐ上流側で使用されている。
【0098】
熱交換器は、基礎ブロック1210(図9A、上面図、図9B、側断面図、図9C、ポートの詳細)と、蛇行性流体経路を画定する平面部1220(図9D、上面図、図9E、上面図詳細)と、上側キャッププレート1230(図9F、上面図、図9G、側断面図)とを備えている。3つの図示した構成要素は、チタンで形成されていることが好ましく、拡散結合により接合されて、単一の構成要素を形成する。
【0099】
基礎ブロック1210は、入口および出口圧縮ポートO、Iを備えている。ポートO、Iは、貫通孔を介して、蛇行性流体経路によって画定された入口および出口端部に接続されている。構成要素は、蛇行性流体経路の入口および出口端部との基礎ブロック1210内の貫通孔の位置合わせを助けるために、任意の位置合わせ孔を備えている。熱交換器は、比較的極めて低い内部容量を有し、それに応じて低い帯域拡張を行う。
【0100】
図10および図14は、拡散結合対向流熱交換器1300、1400の例示的な実施形態の断面図である。図10Aおよび図10Bは、交換器1300の両側で、2つの流体経路に流体ポートを提供する熱交換器1300を示している。図10Aは、交換器1300の全側面図である。図10Bは、熱交換器1300の一端部をより詳細に示している。
【0101】
交換器1300は、第1の流体経路のための入口および出口ポートを画定する上側ブロック1310と、第1の流体経路にほぼ隣接して配置された第2の(逆)流体経路のための入口および出口ポートを画定する下側ブロック1312と、第1の流体経路を画定する上側エッチング箔1321と、第2の流体経路を画定する下側エッチング箔1322と、両方の流体経路のための壁面を画定するためにエッチング箔1321と1322の間に配置された中間箔1330とを備えている。経路の1つを通して流れる加熱された(または冷却された)流体は、他の経路を通して逆方向に流れる流体を加熱(または冷却)する。
【0102】
エッチング箔および関連する流体経路は、上面図では、図9Dに示された平面部1220および関連する蛇行性流体経路と同様であると考えられる。
【0103】
すべての構成要素は、上に記載されたように、チタンなどの上記材料の1つで形成されており、互いに拡散結合されていることが好ましい。
【0104】
図11Aおよび図11Bは、上側ブロック1411内に画定されたすべてのポートを有するが、図10Aおよび図10Bに示すものと同様の構造である対向流熱交換器1400の一実施形態を示しており、したがって、すべてのポートが交換器1400の同じ側にある。図11Aは、交換器1400の全体側断面図である。図11Bは、より詳細に示すように拡大された、交換器1400の最も左側の部分の同様の図である。
【0105】
交換器1400は、第1の流体経路のための入口および出口ポートIA、OAおよび第1の流体経路にほぼ隣接して配置された第2の(逆)流体経路のための入口および出口ポートIB、OBを画定する上側ブロック1410と、第1の経路を画定する上側エッチング箔1421と、第2の経路を画定する下側エッチング箔1422と、両方の流体経路のための壁面を画定するようにエッチング箔間に配置された中間箔1430とを備えている。
【0106】
上側箔1421および中間箔1430は、下側流体経路の入口および出口端部、および対応する入口および出口ポートIB、OBの間で流体連通を行うようにバイアを画定する。様々な層1411、1421、1430、1422、1412は、チタンから形成されており、拡散結合されることが好ましい。
【0107】
図12は、拡散結合チタンを解して設けられるクロマトグラフィ分離カラムユニット1500を断面図で示している。上記熱交換器1200、1300、1400と構成がいくらか同様であり、カラムユニット1500は、パターン化されていない下側基板1512と、蛇行性カラム経路を画定するパターン化層1520と、流体入口および出口ポートI、Oを画定する上側ブロック1511と、ポートI、Oと蛇行性カラムの端部の間に配置されたフリットFとを備えている。ポートI、Oは任意選択では、従来の市販されている液体クロマトグラフィ配管構成要素と噛み合うように構成されている。例えば、ポートI、Oは任意選択では、圧縮ポートである。
【0108】
図13は、捕捉カラムおよびクロマトグラフィ分離カラムを備える、チタン拡散結合構成要素1600の断面図を示している。構成要素1600は、基板1612と、捕捉カラム第1の部分および分離カラム第2の部分で蛇行性カラムを画定するパターン化層1620と、捕捉カラム入口ポートIT、捕捉ベントポートVTおよび分離カラム出口ポートOSを画定する上側ブロック1611と、ポートIT、VT、OSの基部に配置されたフリットとを備えている。ポートIT、VT、OSは任意選択では、従来の市販の液体クロマトグラフィ配管構成要素と噛み合うように構成されている。
【0109】
いくつかの実施形態では、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)または超高圧液体クロマトグラフィ(VHPLC)応用例で使用される平面的に設けられた分離カラムは、少なくともカラムの「ヘッド」または入口端部での高い静水圧に耐える。平面カラムは任意選択では、前に記載したパターン化(エッチングなど)および結合技術の使用により得られ、本開示のいずれかで記載された非充填流体導管およびマニホールドに関する同様の構造的検討事項が生じる。チタン(およびチタンの適当な合金および/または他の金属ベース材料)の強度および破壊強度は、これに関して価値のあるものであり、いくつかのより弱いまたはより脆弱な対応する材料を凌ぐ利点を提供する。
【0110】
また、高圧対応の圧縮取付具ポートは任意選択では、チタン平面流体回路(図示する)内に一体的に組み込まれて、平面的な形のカラムを従来の4.6mmまたは2.1mmIDカラム構成で利用される方法と同様の頑丈な方法でインターフェース接続することが可能であるということは注目すべきである。現時点では、溶融シリカ毛細管などの材料で構成された毛細管またはナノスケールカラムは、高圧接続の実施に関して、粒子状物質固定相充填材料の保持のためにフリットの設置に関する特定の問題を示す。完全に従来のステンレス鋼カラム構成では、フリットは普通、カラムアセンブリ中に挿入され、カラムの端部ナットによって定位置に荒く保持される個別の構成要素として設計される。本発明のいくつかの実施形態による、一体圧縮取付具ポートを備えた結合チタン平面カラムは、いくつかの従来の手法に対する望ましい代替形態を提供する。
【0111】
一体圧縮ポートを備えた結合チタン平面カラムの一実施形態では、充填保持フリットは、カウンターボア(上に図示する)内に装填され、圧縮取付具によって定位置に保持された個別の構成要素である。このアセンブリステップは、カラム充填の前に開始され、それによって充填時に、充填材料の保持のために存在する頑丈で信頼性のあるフリットがある。カラム充填の初期段階中にフリットの上に加えられる負荷は、完全に定位置にあるカラムベッドでの通常のカラム動作中にフリットが受ける負荷より極めて大きい可能性がある。溶融シリカ毛細管カラムで知られているいくつかの代替フリット実施はときどき、カラムを充填するために使用される動作の普通の活動的な段階中に失敗する(フリットが取り除かれた状態で)。
【0112】
別の方法では、フリットはカラムから出口流を受ける接続毛細管の孔内に生成される。このようなフリットは任意選択では、毛細管の孔内のガラスマイクロスフィアの熱焼結によって、またはケイ酸塩のインサイチュー反応によって構成される。いずれの場合でも、フリット管はその後、平面カラムの意図した出口端部で圧縮ポートに挿入され、例えばフェルール上の圧縮ねじの作用による従来の方法でポート内に機械的に保持される。
【0113】
入口フリットの実施は任意選択では、ほぼ同じ方法で実現される。というのは、同様の圧縮取付具ポートが任意選択ではカラムの入口端部にあるからである。普通、入口フリットは、カラムベッドが充填された後にのみ設けられる。入口フリットの提供(いくつかの従来のカラム構成のように)により、出口フリットのみを有し、入口端部で完全に保護されていないカラムに対するある大きなカラムロバスト性を与える。
【0114】
単一の拡散結合チタン構造内に単一のクロマトグラフィカラムを設けるための上記技術は有利には、拡散結合チタン構造内で多数のカラム(分析カラムと合わせた捕捉カラムなど)を設けるために適用されることが分かるだろう。平面流体回路内に存在する流体経路選択肢は有利には、2つ以上のカラムを適当に流体相互接続させて所望の機能を得るために使用することができる。
【0115】
追加の圧縮取付具ポートは、必要に応じて構造内で機械加工することができ、これらのポートは個別には、デバイスの意図する機能に適当なフリットを行うことを含んでいても、含んでいなくてもよい。上に図示した例示的な実施形態は、捕捉カラム、および分析カラム、および単一の拡散結合構造内の流体ポートを組み込んでいる。多くの好ましい実施では、捕捉カラムベッドは、分析カラムベッドより短く、幅広い断面である。カラムの相対寸法のこのような変化は任意選択では、これらの2つの異なる領域内でのエッチングの制御によって達成される。例示的な実施形態は2つのカラムを示しているが、本発明の範囲内であれば、あらゆる数のカラムも考えられる。
【0116】
本発明のいくつかの態様は、次に説明するように、拡散結合構成要素を金属高圧バルブ固定子などの機械的デバイスの有用で完全に一体化された内部構成要素に貢献させることを可能にする。
【0117】
図14Aは、不完全な拡散結合固定子アセンブリ1700A(すなわち、製造の中間段階で)の断面図を示しており、図14Bは超高圧(VHP)回転剪断密封バルブの完全な拡散結合固定子アセンブリ1700を示している。固定子アセンブリ1700は、例えば、液体クロマトグラフィ技術分野の当業者によって分かるように、従来の機械加工されたVHPバルブ固定子の代わりに使用される。固定子アセンブリ1700は、チタンから形成され、圧縮ポート(図示する)などの2つ以上のポートを画定する外部インターフェース部1710と、回転剪断密封バルブの回転子(図示せず)と噛み合うように構成された表面を有する回転子インターフェース部1720(不完全部1720Aが図14Aに示されている)とを備えている。回転子インターフェース部1720は、それぞれ外部インターフェース部1710内の各圧縮ポートに関連する流体経路を備えている。固定子アセンブリ1700は、重要な固定子/回転子密封領域に対する圧縮ポートの改善された位置を与える。
【0118】
回転子インターフェース部1720は、外部インターフェース部1710に拡散結合された、少なくとも1層から形成されている。図示する実施例では、回転子インターフェース部1720は、ガスケット1721(図14Cの上面図に図示する)を含む、4つの拡散結合層を備えている。ガスケット1721は、ポートに関連する流体経路を画定するようにパターン化される。この例示的な実施形態では、ガスケット1721は6つの流体経路を画定し、外部インターフェース部1710は6つの圧縮ポートを有し、そのうちの2つが図14Aおよび14Bに示されている。流体経路の6つの端部は、残りの3層から延びる6つのバイアを通して回転子インターフェース部1720の表面に接続されている。
【0119】
図14Aに示すように、不完全な回転子インターフェース部1720Aの4層は、結合された4層からの材料の最終的除去の前に、外部インターフェース部1710に拡散結合される。図14Bは、材料除去後の層を示している。最終構成により、回転剪断密封バルブの回転子の対応する表面に適切に一致する、固定子アセンブリ1700の固定子表面が提供される。
【0120】
いくつかの従来技術の固定子は、ステンレス鋼棒ストックを機械加工することによって製造される。バルブ固定子は、例えば、それぞれがバルブ固定子/回転子密封インターフェースの極めて近くで終端する、6つの外部管接続のための圧縮ポートを備える、比較的複雑な機械加工部分である。回転子/固定子密封インターフェースの平面度および表面仕上げは両方とも、普通は数十万回のバルブ作動に耐える高性能(低漏洩)シールを得るのに重要である。
【0121】
いくつかの従来のバルブでは、圧縮ねじの過剰なレンチ締付と組み合わせた固定子/回転子密封インターフェースに対する圧縮ポート細部の近接性により、ときどき、密封インターフェースの局所歪みが生じ、その結果、過剰なバルブ漏洩速度および短いバルブ寿命につながる。加えて、バルブサイクル寿命の利益のために、比較的軟らかいバルブ回転子材料の属性により、外部圧縮ポートを0.004”直径以上の注意深くバリ取りされた穿孔によって固定子/回転子密封平面に貫通接続させることが望ましくなる。重要な機構位置決めおよび内部位置合わせを維持しながらの、このような小さな孔の穿孔およびバリ取りは、重要である。
【0122】
拡散結合固定子アセンブリ1700などの本発明のいくつかの実施形態では、エッチングおよび結合された流体回路素子は、より巨視的な機械加工された外部配管インターフェースと回転子にインターフェース接続しているより顕微鏡的な内部構造の間をブリッジする目的で、機械加工された固定子構成要素内に有用に一体化されている。エッチングおよび結合された流体回路により、外部圧縮取付具ポートを、固定子/回転子密封インターフェースを囲むバルブの重要な中心領域から離れて径方向に変位された位置に配置することが可能になる。この径方向に変位された位置決めにより、同時に個別の圧縮取付具へのより容易なアクセスを可能にしながら、例えばフェルールおよびねじに関連する応力および材料歪を安全な周辺領域まで取り除く。
【0123】
例えばガスケット1721によって画定されたような流体経路は、周辺ポートとバルブの重要な中心領域の間に流体を効率的に運ぶ。ほぼバリのない開口部が、非常に優れた位置再現性、アートワークベースエッチングの特徴で作られる。定位置に結合されると、そのように使用される流体回路は、従来の機械加工された外部外観を有するチタンバルブ固定子の一体的で容易に区別できない部分である。
【0124】
本発明のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の流体経路を画定する壁面上のコーティングを含んでいる。例えば、きれいなチタン表面の不動態化は任意選択では、酸素に曝すことによって行われ、その結果、いくつかの場合では、下にある金属の腐食を防ぐのに効果的である二酸化チタン(TiO2)の表面層が形成される。代替実施形態は、溶剤湿潤経路へのTiO2の露出を防ぐ表面層の形成を含んでいる。このような1つの表面層は、任意選択では、知られているプロセスを含む任意の適切なプロセスで蒸着される窒化チタン(TiN)である。
【0125】
TiNコーティングは任意選択では、PVDプロセス(物理的気相成長法)を使用して塗布される。チタン基板を使用して表面被覆率を良くするために、いくつかの実施形態では、TiNコーティングはインサイチュー反応によって形成される。この反応は、チタン表面上に高純度窒素ガス流を流すこと、および焼鈍温度に近い高い基板温度を得るための熱を加えることが必要である。マイクロ流体デバイスのいくつかの実施形態は内部「湿潤経路」を通して流体を運ぶので、窒素流は任意選択では、例えばデバイスを通して窒素ガスを運ぶために適当な(1つまたは複数の)入口および出口ポートにインターフェース接続している1/16”外径のクロマトグラフィ配管を使用して与えられる。適切なデバイス温度は任意選択では、拡散結合プロセス自体で使用されるような真空炉および関連する付属物を使用して維持される。
【0126】
TiNコーティングの代替形態としては、例えばTiCN(チタン炭窒化物)、およびTiAlN(窒化チタンアルミニウム)が挙げられる。
【0127】
表面層は任意選択では、結合の前に生成される。いくつかの好ましい実施形態では、表面層は、例えば結合プロセスに干渉するのを避けるために、結合後に生成される。
【0128】
いくつかの実施形態は、例えばバルブ固定子応用例でダイアモンドまたはダイアモンド状コーティングを利用する。バルブ固定子の場合、コーティングは任意選択では、商業マイクロ波強調PVD装置内に開口/露出固定子表面上に形成される。バルブ固定子の他の領域は任意選択では、マスキングされる(例えば、その応用例に適当な比較的粗い様態でマスキングされる)。
【0129】
上記説明を鑑みて、分離科学の当業者は、流体回路の多くの代替実施形態が、本発明の範囲内であることが分かるだろう。例えば、本発明の追加の実施形態は、いくつかの従来のHPLCシステムに対して小型化、少ない接続、小さな寸法、大きな集積および/または他の特徴を備えた流体構成要素を有する改良型の液体クロマトグラフィシステムに関する。
【0130】
例えば、一実施形態は、従来のクロマトグラフィ溶剤ポンプに対して小さな寸法の溶剤ポンプが必要である。このようなポンプは、図1に示すポンプ120に適切に使用することができる。ポンプは、ポンプのシリンダの小さな間隙を与え、いくつかの従来のポンプでは、間隙は少なくとも部分的に個別の配管でヘッドを配管する(例えば、各管の各端部での圧縮ねじへのレンチアクセスを与え、比較的深い圧縮取付具ポートに挿入されるまたはそこから取り除かれるときに管が捩れないよう十分な曲げ半径を与える)ためのアクセス性要件によって制約を受ける。
【0131】
したがって、一ポンプ実施形態では、拡散結合チタンマニホールドサブアセンブリは、介在する配管経路がチタンサブアセンブリ上でほぼ平面形状で設けられた状態で、ポンプヘッドを互いに比較的極めて近くに取り付ける。任意選択では、チタンシリンダヘッドは、ピストンシールにアクセスするためにヘッド除去を行うように(任意選択では、通常のサービス要件)、チタン基板上に直接拡散結合されていない。したがって、ピストンシールはまた任意選択では、チタン拡散結合温度サイクルから保護されている。
【0132】
ポンプの入口側では、チタンサブアセンブリは任意選択では、脱気機能を行い、および/または勾配配分バルブのマニホールドを組み込むまたは一体化する。バルブソレノイドは任意選択では、チタン基板と、ポンプ取入れ口から長い溶剤リザーバラインの流体慣性を切り離すために使用されるダイアフラムとに直接取り付けられている。本発明の一実施形態による取入れ口アセンブリは、より小さく、多くの個別の管をなくした状態で、漏洩しにくい。
【0133】
2つの上記チタンは任意選択では、別であり異なっている、または包装の制約に基づいて、単一のユニットに一体化されている。
【0134】
本発明のいくつかの実施形態では、金属箔は、溶融部位からの金属の気化および除去を良くするために、非常に局所化されたプロセスガスを使用して、または使用することなく、高真空電子ビーム切断(HV−EBC)の使用によりパターン化される。例えば、HV−EBCのプログラム可能な操作ビーム(またはビーム偏向)モードは、パターン化されたマスクを必要とすることなく、チタン箔をパターン化するのに適している。しかし、いくつかの場合では、マスク材料はビーム経路に隣接して生じ得る基板損傷を制限するために利用される。
【0135】
高真空システム内で利用される市販の電子ビーム源は、電子顕微鏡検査の特徴を示す極めて狭い(数ナノメートル直径)ピコアンペア(pA)ビームからプロセス金属溶融または真空蒸着を行うために、または鋼の厚い部分(数インチ)を突合せ溶接するために必要な浸透を実現するために使用される比較的大量のビーム(150kWまで)までの範囲の多くのオーダのビーム電流の大きさにわたって存在する。普通、ビーム直径を小さくすることにより、またビーム電流が小さくなり、商業的に実現可能な金属箔切断では、薄い金属箔を迅速に溶融させるために利用可能な十分な電流を有するが、基板内に所要の機構詳細を生成するのに十分狭いビーム直径を選択することが好ましい。このようなビームは、高真空電子ビーム溶接(HV−EBW)に利用することができる。
【0136】
HV−EBWのための知られているシステムは典型的には、ワーク、ワークホルダ/ステージ、およびビーム経路を囲むのに十分な寸法の真空チャンバを備えており、プログラミングしたステージ動作で、またはそれなしで、ビーム偏向のためのプログラム可能な制御を組み込んでいる。知られているシステムは時に、ビームに対する比較的浅い収束角度を組み込み、それによって基板を通る加熱された経路は比較的直線側である(すなわち、ビームのテーパは、意図した金属箔基板の厚さにわたって無視してよい)。ビーム速度(rate−of−advance)、ビーム電流、ビーム品質、金属箔の熱容量および熱伝導性、およびプロセスガスの組込みにより、機械加工された表面内の垂直条痕または他の欠陥の範囲を最小限に抑える目的で、機械加工されている表面に品質を集合的に加える。チタンのHV−EBCはまた、反応性プロセスガスのない状態で、反応性イオンエッチング(RIE)に対する潜在的にきれいな代替物である。
【0137】
いくつかの実施形態は、上記FIBフライス加工などの他の操作ビーム技術を利用する。普通、極めて細かい解像度および円滑に切断された表面を提供しながら、スパッタリングされた材料の気化を良くするために(または、再蒸着を少なくするために)反応性プロセスガスを使用した、または使用しない、FIBフライス加工は、RIEまたはクロマトグラフィ構成要素を構築するためのウェットエッチングの商業的に実現可能な代替物となる市販の機械では十分には速くない。
【0138】
本発明の様々な例示的な実施は、流体運搬を必要とする様々なシステムおよび/または方法に適用することができる。本明細書で使用するように、「流体(fluid)」、「流体の(fluidic)」という用語および/またはその任意の文脈上の、変化または組合せの指示対象は普通、ガス、液体、プラズマおよび/またはあらゆる物体、物質、または固体あるいは効果的な固定凝縮相内にはほぼない化合物の組合せのことを言うものとしての特徴の影響を少なくとも受けやすいものと考えることができるものを含むことを意図している。「入口」および「出口」という用語は普通、これを通して流束が流体をデバイスまたは構成要素のほぼ外部/内部の容量素子からデバイスまたは構成要素のほぼ内部/外部の容量素子まで平行移動させる傾向がある、デバイスの任意の断面積または構成要素機構のことを言うと理解されたい。
【0139】
本明細書で記載されたものの変形形態、変更形態、および他の実施は、請求項に記載の通り本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には分かるだろう。例えば、いくつかの実施形態は、検出器セル端部構造、例えば噴霧ガス、脱溶媒和ガスなどのための経路を提供する質量分析計インターフェース錐体、例えば平面ガス交換素子および/または勾配混合器を含む、ポンプ用の拡散結合吸気マニホールド、例えば費用および寸法減少のための、ポンプのシリンダ間および/またはシリンダ後の拡散結合マニホールド、および例えば費用および寸法減少のための、オートサンプラのための平面統合マニホールドなどの構成要素の1つまたは複数を含んでいる。いくつかの実施形態は例えば、2つ以上の分離カラム、2つ以上の捕捉カラム、(1つまたは複数の)逆止バルブ、(1つまたは複数の)ポンプ、および/またはメモリデバイス、識別デバイス(A RFIDなど)、および/または表示デバイスなどの電子デバイスを含む金属基板などの機構のいずれか1つまたは組合せを含んでいる。さらに、これらの機構を含むいくつかの一体型金属ベースデバイスは、製造費用が低いことにより、消耗デバイスとしての使用に適している。したがって、本発明は、前述の例示的な説明ではなく、代わりに以下の特許請求の範囲によって定義されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタンを含む第1の基板と、
チタンを含む第2の基板であって、少なくとも2つの逆流用導管が第1の基板と第2の基板の間に画定され、第2の基板が第1の基板またはチタンを含む中間層に拡散結合される第2の基板とを含む
熱交換器を備える、HPLC装置。
【請求項2】
熱交換器から温度調節液体を受けるために、熱交換器の下流側に配置された検出器セルまたは分離カラムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
検出器セルまたは分離カラムが、拡散結合構成要素を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
拡散結合構成要素が、第1の基板を熱交換器と共有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第2の基板が、少なくとも2つの導管の少なくとも2つを画定する中間層に拡散結合され、少なくとも2つの導管が熱伝達を容易にするために互いに隣接して配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第2の基板が、少なくとも2つの導管の第1の導管を画定する中間層に拡散結合されている装置であって、少なくとも2つの導管の第2の導管を画定するようにパターン化された第2の中間層をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
第1と第2の中間層の間に配置された、チタンを含むスペーサ層をさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
スペーサ層が、第1および第2の中間層に拡散結合されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
第1の基板が、導管の1つと流体連通する入口および出口ポートを画定し、第2の基板が導管の第2の導管と流体連通している入口および出口ポートを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
第1の基板が、導管の2つに流体連通している1対の入口ポート、および1対の出口ポートを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
入口ポートおよび出口ポートが、圧縮ポートを含んでいる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
導管の少なくとも1つの表面上に保護コーティングをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
金属を含み、少なくとも2つの配管ポートを画定する外部配管インターフェース部と、
金属を含み、外部配管インターフェース部に拡散結合され、各配管ポートのための流体回路を画定するガスケットであって、各流体回路の外端部が配管ポートの対応するポートと流体連通しているガスケットとを含む
固定子アセンブリを備える、回転剪断密封バルブ。
【請求項14】
チタンを含み、バルブの回転子と噛み合うように構成された表面を有すると共に、ガスケットに拡散結合され、各流体回路のための流体バイアを画定する回転子インターフェース部であって、各流体バイアがその対応する流体回路の内側端部と流体連通している回転子インターフェース部をさらに備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項15】
回転子インターフェース部が、少なくとも2つの拡散結合層を備えている、請求項14に記載のバルブ。
【請求項16】
金属がチタンを含んでいる、請求項13に記載のバルブ。
【請求項17】
分離カラムと、
チタンを含み、流路、分離カラムから溶離剤を受ける入口ポート、および出口ポートを画定するセル本体、
流路の入口に隣接して配置されたウィンドウ、
チタンを含み、ウィンドウとセル本体の間に配置され、流路の入口を入口ポートに接続させる流体回路を画定し、セル本体に拡散結合されたガスケットを備えるフローセルとを備える、HPLC装置。
【請求項18】
ウィンドウが、ガスケットに直接または間接的に拡散結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
ウィンドウが、ガスケットに直接または間接的にアノード結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
ガスケットがさらに、ウィンドウの金コーティングに拡散結合された金コーティングを含んでいる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
フローセルがさらに、流路セル本体の出口に隣接して配置された第2のウィンドウ、および第2のウィンドウと流路の出口の間に配置され、セル本体に拡散結合された第2のガスケットを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
入口および出口ポートが、圧縮ポートを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項1】
チタンを含む第1の基板と、
チタンを含む第2の基板であって、少なくとも2つの逆流用導管が第1の基板と第2の基板の間に画定され、第2の基板が第1の基板またはチタンを含む中間層に拡散結合される第2の基板とを含む
熱交換器を備える、HPLC装置。
【請求項2】
熱交換器から温度調節液体を受けるために、熱交換器の下流側に配置された検出器セルまたは分離カラムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
検出器セルまたは分離カラムが、拡散結合構成要素を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
拡散結合構成要素が、第1の基板を熱交換器と共有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第2の基板が、少なくとも2つの導管の少なくとも2つを画定する中間層に拡散結合され、少なくとも2つの導管が熱伝達を容易にするために互いに隣接して配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第2の基板が、少なくとも2つの導管の第1の導管を画定する中間層に拡散結合されている装置であって、少なくとも2つの導管の第2の導管を画定するようにパターン化された第2の中間層をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
第1と第2の中間層の間に配置された、チタンを含むスペーサ層をさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
スペーサ層が、第1および第2の中間層に拡散結合されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
第1の基板が、導管の1つと流体連通する入口および出口ポートを画定し、第2の基板が導管の第2の導管と流体連通している入口および出口ポートを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
第1の基板が、導管の2つに流体連通している1対の入口ポート、および1対の出口ポートを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
入口ポートおよび出口ポートが、圧縮ポートを含んでいる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
導管の少なくとも1つの表面上に保護コーティングをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
金属を含み、少なくとも2つの配管ポートを画定する外部配管インターフェース部と、
金属を含み、外部配管インターフェース部に拡散結合され、各配管ポートのための流体回路を画定するガスケットであって、各流体回路の外端部が配管ポートの対応するポートと流体連通しているガスケットとを含む
固定子アセンブリを備える、回転剪断密封バルブ。
【請求項14】
チタンを含み、バルブの回転子と噛み合うように構成された表面を有すると共に、ガスケットに拡散結合され、各流体回路のための流体バイアを画定する回転子インターフェース部であって、各流体バイアがその対応する流体回路の内側端部と流体連通している回転子インターフェース部をさらに備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項15】
回転子インターフェース部が、少なくとも2つの拡散結合層を備えている、請求項14に記載のバルブ。
【請求項16】
金属がチタンを含んでいる、請求項13に記載のバルブ。
【請求項17】
分離カラムと、
チタンを含み、流路、分離カラムから溶離剤を受ける入口ポート、および出口ポートを画定するセル本体、
流路の入口に隣接して配置されたウィンドウ、
チタンを含み、ウィンドウとセル本体の間に配置され、流路の入口を入口ポートに接続させる流体回路を画定し、セル本体に拡散結合されたガスケットを備えるフローセルとを備える、HPLC装置。
【請求項18】
ウィンドウが、ガスケットに直接または間接的に拡散結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
ウィンドウが、ガスケットに直接または間接的にアノード結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
ガスケットがさらに、ウィンドウの金コーティングに拡散結合された金コーティングを含んでいる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
フローセルがさらに、流路セル本体の出口に隣接して配置された第2のウィンドウ、および第2のウィンドウと流路の出口の間に配置され、セル本体に拡散結合された第2のガスケットを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
入口および出口ポートが、圧縮ポートを備えている、請求項1に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【公表番号】特表2010−520460(P2010−520460A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551857(P2009−551857)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/055349
【国際公開番号】WO2008/106613
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(509131764)ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (46)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/055349
【国際公開番号】WO2008/106613
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(509131764)ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (46)
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