説明

振動型圧電加速度センサ

【課題】静および動の加速度検知をノイズ等の耐環境変化の影響を受けずに安定した検出ができ、センサ自身が正常に動作しているかどうかを、擬似的な加速度を与え、その擬似的な加速度に対応した出力がセンサとして検知できるかどうかを判定する自己診断機能を備えた振動型圧電加速度センサを提供することを目的とする。
【解決手段】フレーム31と、このフレーム31の内部に設けた少なくとも1つの振動板23aと、この振動板23aを保持する支持体33と、この支持体33を直線方向を往復運動するように保持する保持部32と、前記振動板23a上に形成する下部電極24と、この下部電極24上に形成する圧電薄膜25と、この圧電薄膜25上に形成する上部電極26とからなり、前記直線方向に運動する保持部32を介して支持体33に伝搬して前記振動板23aが伸縮し、この振動板23aの固有振動数を変化させることにより加速度を検出する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加速度、車両等の移動体の姿勢制御および制御システム等に用いられる振動型圧電加速度センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加速度センサとしては、図9に示すものがある。
【0003】
図9は従来の加速度センサの構成を示す断面図である。図9に示すようにダイヤフラム2が形成されたチップ1の表面のダイヤフラム2の部分に複数個の感歪抵抗3が設けられ、チップ1の表面の他の部分に加速度演算用の半導体集積回路(図示せず)と、この半導体集積回路の特性調整用の薄膜抵抗4とが設けられ、感歪抵抗3の上を除き少なくとも薄膜抵抗4の上を含む部分に保護膜5が形成されている。そして加速度が加わると、ガラス製の重り6に応力が作用して、この応力による感歪抵抗3の変化による加速度が検出される。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0005】
また、従来の他の加速度センサとしては、図10に示すものがある。
【0006】
図10は従来の他の加速度センサの構成を示すブロック図である。図10に示すように加速度に対応した信号を出力する圧電体素子11と、出力された信号のインピーダンス変換手段12と、不要な信号を除去するフィルタ手段13と、必要な信号を増幅する増幅手段14とを備えると共に、外部から入力されるタイミング信号の周期に同期した交流信号を出力する交流信号出力手段16を具備しており、この交流信号出力手段16と圧電体素子11との間には、コンデンサ17が直列接続状態で介在されている。そしてこの加速度センサから出力された電圧信号は、マイクロコンピュータからなる測定・演算手段18及び制御手段15に取り込まれるようになっている。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献2が知られている。
【特許文献1】特開平5−288771号公報
【特許文献2】特開平5−80075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記従来の図9の構成では、半導体抵抗歪式は数%の抵抗値の変化しか得られず抵抗値変動も大きいため信号処理回路の温度変化の影響を受けて、正確な加速度検知ができなかった。
【0009】
また、静的な重力加速度等の成分検出は検出構造から困難と思われる。即ち圧電体素子を用いて変位速度を検出する構成であり、静的な重力等の加速度は検出することができない構成となっている。
【0010】
また高い信頼性能力が要求される車両等の移動体の姿勢制御および制御システムに用いられるセンサには、センサ自身が正常に動作しているかどうかを、擬似的な加速度を与え、その擬似的な加速度に対応した出力がセンサとして検知できるかどうかを判定する自己診断機能が必要不可欠となってきている。
【0011】
本発明は静および動の加速度検知をノイズ等の耐環境変化を受けずに安定した検出ができ、厳しい温度変化の環境下においても安全に走行制御することができ、自己診断機能を備えた振動型圧電加速度センサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、振動型圧電加速度センサ素子をフレームと、このフレームの内部に少なくとも1つの振動板と、この振動板を保持する支持体と、この支持体を直線方向を往復運動するように保持する保持部と、前記振動板上に形成する下部電極と、この下部電極上に形成する圧電薄膜と、この圧電薄膜上に形成する上部電極とからなり、前記直線方向に運動する保持部を介して支持体に伝搬して前記振動板が伸縮し、この振動板の固有振動数を変化させることにより加速度を検出する構成としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の加速度センサは、加速度により高い共振周波数の変化率を得ることができるため、温度変化の影響を受けず加速度を高精度で検出することができ、センサ素子自身の故障の有無を常に判定できるため、高い信頼性を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0015】
図1(a)は本発明の実施の形態における加速度センサ素子の構成を示す上面図、図1(b)は本発明の実施の形態における加速度センサの断面図である。
【0016】
図1(a)に示すようにフレーム31の内部に固有振動周波数を有する振動板23aを設け、この振動板23aの固有振動周波数を変化させる支持体33と、この支持体33を梁状の交互に反対方向に折れ曲がったバネ構造で保持する保持部32を設けている。この構成により加速度により高応答かつ高感度で振動板23aが伸縮するため、温度変化の影響を受けず加速度を高応答かつ高精度で検出することができる。
【0017】
梁状の振動板23aは2つの基部34を有し、一方の基部34がフレーム31、もう一方の基部34が支持体33に支持される構造となっている。そして支持体33は両端を梁状で構成されるバネ動作をする保持部32を介してフレーム34に支持され、直線上を往復運動する構成となっている。ここではフレーム31の内部に構成する1つの振動板23aを用いて説明しているが、この振動板23aは2つでも良い。また支持体33に重りを付加して感度(変換効率)を高めることができる。
【0018】
また、アーム23bは振動板23aの共振先鋭度を大きくするために設けてある。このアーム23bにより共振先鋭度が少なくとも2〜3倍程度増加し、この共振先鋭度の増加により検出精度を向上させることができる。また加速度により高い共振周波数の変化率を得ることができるため、温度変化の影響を受けず加速度を高精度で検出することができる。
【0019】
なお、図1(a)には図1(b)の上蓋部51および対向電極52は図示していない。
【0020】
図1(b)に示すように本発明の加速度センサは、基材となるSi層23、そしてこのSi層23の上に形成された下部電極24、この下部電極24の上に形成された圧電薄膜25、この圧電薄膜25の上に形成された上部電極26から構成され、さらに上部電極26の上には上蓋部51、この上蓋部51の表面でかつ振動型圧電加速度センサ素子35の上面には対向電極52が構成されている。
【0021】
なお上蓋部51は、所望の加速度により支持体33が変位した場合、その変位を妨げないように一定のギャップを設けて構成されている。
【0022】
ここでこの対向電極52と上部電極26の間に直流電圧を印加することにより、両者の電極間には静電引力が発生し、振動型圧電加速度センサ素子35はこの静電引力により対向電極52側に引き寄せられ、基部34を起点に伸縮するため振動型圧電加速度センサ素子35の固有振動数が変化し、あたかも支持体33が加速度を受けたものと同じ伸縮を擬似的に必要な時点で作成することが可能であり、これを検出回路で検知することにより、自己診断機能を有した振動型圧電加速度センサを実現することができる。
【0023】
図2(a)は本発明の他の実施の形態における加速度センサ素子の構成を示す上面図、図2(b)は本発明の実施の形態における加速度センサの断面図である。
【0024】
図2(a)および(b)に示すように、支持体33上に第一の対向電極53、また上蓋部51の表面でかつ第一の対向電極53の上面には第二の対向電極54が構成されている。
【0025】
この構成によれば、第一の対向電極53と第二の対向電極54の間に直流電圧を印加することにより、両者の電極間には静電引力が発生し、支持体33はこの静電引力により対向電極52側に引き寄せられ、支持体33が変位する。
【0026】
支持体33が変位すると、基部34を起点に振動型圧電加速度センサ素子が伸縮するため、この振動型圧電加速度センサ素子35の固有振動数が変化し、あたかも支持体33が加速度を受けたものと同じ伸縮を擬似的に必要な時点で作成することが可能であり、これを検出回路で検知することにより、自己診断機能を有した振動型圧電加速度センサを実現することができる。ここで、支持体33に第一の対向電極53を形成しているため、対向電極の面積を大きく形成することが可能であり、これにより少ない直流電圧でより多くの静電引力を発生することができる。
【0027】
また本発明の実施の形態には、第一の対向電極53および第二の対向電極54を一対のみ記載したが、支持体33上に何対もの対向電極を形成しても良い。
【0028】
図3(a)は本発明のさらに他の実施の形態における加速度センサ素子の構成を示す上面図、図3(b)は本発明の実施の形態における加速度センサの断面図である。
【0029】
図3(b)に示すように、保持部32の側面から上面にかけて第一の側面対向電極55と第二の側面対向電極56が形成されている。
【0030】
この構成によると、第一の側面対向電極55と第二の側面対向電極56の間に直流電圧を印加することにより、両者の電極間には静電引力が発生し、保持部32はこの静電引力により互いに引き寄せられ、最も効率よく支持体33を変位させることが可能である。
【0031】
支持体33が変位すると、基部34を起点に振動型圧電加速度センサ素子が伸縮するため、この振動型圧電加速度センサ素子35の固有振動数が変化し、あたかも支持体33が加速度を受けたものと同じ伸縮を擬似的に必要な時点で作成することが可能であり、これを検出回路で検知することにより、自己診断機能を有した振動型圧電加速度センサを実現することができる。
【0032】
図4(a)は本発明の他の実施の形態における加速度センサ素子の構成を示す上面図、図4(b)は本発明の実施の形態における加速度センサの断面図である。
【0033】
図4(b)に示すように、本発明の加速度センサは、基材となるSi層23の下に下蓋部57が形成されている。さらに、支持体33の下には第一の対向電極53が形成され、この第一の対向電極53に対向し、かつ下蓋部57の表面上に第二の対向電極54が構成されている。なお下蓋部57は、所望の加速度により支持体33が変位した場合、その変位を妨げないように一定のギャップを設けて形成されている。この構成によれば、第一の対向電極53と第二の対向電極54の間に直流電圧を印加することにより、両者の電極間には静電引力が発生し、支持体33はこの静電引力により第二の対向電極54側に引き寄せられ、支持体33が変位する。
【0034】
支持体33が変位すると、基部34を起点に振動型圧電加速度センサ素子が伸縮するため、この振動型圧電加速度センサ素子35の固有振動数が変化し、あたかも支持体33が加速度を受けたものと同じ伸縮を擬似的に必要な時点で作成することが可能であり、これを検出回路で検知することにより、自己診断機能を有した振動型圧電加速度センサを実現することができる。ここで、下蓋部57が形成されていることにより、容易に振動型圧電加速度センサをパッケージ化することが可能である。
【0035】
また本発明の実施の形態には、第一の対向電極53および第二の対向電極54を一対のみ記載したが、支持体33上に何対もの対向電極を形成しても良い。
【0036】
なお、振動板23aは図5に示すようにさらに詳細にはSiO2層22の上に形成するSi層23、そしてこのSi層23の上に形成する下部電極24、この下部電極24の上に形成する圧電薄膜25、この圧電薄膜25の上に形成する上部電極26としての駆動電極26bと検出電極26aから構成される。そして上部電極26としての駆動電極26bおよび検出電極26aは振動板23aを構成する梁状の中央部に沿ってフレーム31まで形成されている。この構成から保持部32の中央部は最も振動が小さい部分であり、変位による起電力が発生せず振動板23aの共振周波数への変調信号が重畳されにくいため、振動板23aのみの共振周波数の信号を検出することができる。
【0037】
さらに、この駆動電極26bおよび検出電極26aはフレーム31まで伸びた所定部分に取り出し電極(図示せず)を設け制御回路(図示せず)に取り出される構成となっている。つまり、振動しないフレーム31に取り出し電極を設けることにより、振動板23aの振動に影響を与えることがないため、温度変化の影響を受けず加速度を高精度で検出することができる。
【0038】
さらに、駆動電極26bおよび検出電極26aは梁状の振動板23aと直交し二等分する中心軸に対称になるように形成されていることから、振動板23aの駆動及び振動板23aからの検出を振動板23aの有効面積を等分することにより検出感度を最大にすることができる。
【0039】
次に、本発明の振動型圧電加速度センサ素子の動作について説明する。図6は本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサの構成を示す模式図である。
【0040】
図6に示すように35は本発明の振動型圧電加速度センサ素子、36aは検出信号ライン、36bは駆動信号ライン、52は自己診断を行うために静電引力を発生させるための対向電極、38は微弱な信号の増幅および振動型圧電加速度センサ素子35の振動板を駆動する増幅回路、39は入力信号の周波数を電圧に変化させるF/V変換器、40は増幅回路38の出力信号の電圧レベルを制御するAGC回路である。
【0041】
振動型圧電加速度センサ素子35のフレーム31を保持して取り付ける。そして振動型圧電加速度センサ41に電源が入力されると、何らかのノイズ等の信号が増幅回路38に入力され増幅される。そしてこの増幅された信号は駆動信号ライン36bを通して振動型圧電加速度センサ素子35の駆動電極26bに入力され振動板23aを振動させる。その結果振動板23aを形成する圧電薄膜25から検出電極26aに電荷が励起され、検出電極26aから検出信号ライン36aを通して増幅回路38に入力される。そしてこの閉ループの動作を繰り返し、固有振動の共振周波数で安定した定常状態となる。その結果この固有振動の共振周波数信号がF/V変換器39に入力され所定の電圧に変換される。ここでAGC回路40は増幅器38から出力される電圧レベルが大きくなり、信号に歪が生じる場合にAGC回路40が動作して誤差なく正確なF/V変換が行えるように制御する。
【0042】
ここで、外部より加速度が加わると、フレーム31から保持部32を介して保持される支持体33が直線上を往復運動する慣性力が加わり、この往復運動により定常状態で振動する振動板23aが伸縮し、この振動板23aの固有振動の共振周波数が変化することとなり、この固有振動の共振周波数の変化が加速度に対応し検出されることになる。この構成により加速度により高い共振周波数の変化率を得ることができるため、温度変化の影響を受けず加速度を高精度で検出することができる。また対向電極52に直流電圧を印加し、静電引力により支持体33または振動板23aを変位させ、擬似的な加速度を与えて固有振動の共振周波数を変化させ、その出力値をF/V変換器39から出力させた値でセンサとして正常に動作しているかどうかの判定を行うことができる。
【0043】
以下、製造方法について説明する。
【0044】
図7(a)〜(f)は本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサ素子の製造方法を示す断面図である。
【0045】
図7(a)に示すようにSiからなる基板21の上にエッチングをストップさせるためのSiO2層22からなるエッチングストッパーを形成し、このエッチングストッパーの上にSi層23を形成する。ここで、基板21の厚みを20μm、エッチングストッパー(22)の厚みを2μm、Si層23の厚みを300μmとした。
【0046】
そして、図7(b)に示すようにSi層23の上に高周波スパッタリングを用いてTiを厚み50Å形成し、さらに白金を厚み2000Å形成して下部電極24を形成する。そしてこの白金の上にチタン酸鉛・ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電薄膜25を厚み25μm形成し、さらに所定パターンになるようにメタルマスクを用いてこの圧電薄膜25の上に蒸着によりTi層を厚み100Å形成し、同様にこのTi層の上に蒸着により金を厚み3000Å形成し、所定のパターンの上部電極26を形成する。このチタン酸鉛・ジルコン酸鉛(PZT)により加速度により高い共振周波数の変化率を得ることができるため、温度変化の影響を受けず加速度を高精度で検出することができる。そして図7(c)に示すようにエッチング用のマスクとして金の上にレジスト27を形成し、エッチングにより側溝28を形成する。
【0047】
ここで、振動板以外に支持体、保持部をSiとすることにより加えた加速度の変化によって振動板に生じる応力に対応する共振周波数の変化の安定性が向上できる。
【0048】
次に、図7(d)に示すように基板21の裏面に所定パターンのレジスト27を形成し、基板21の裏面をエッチングすることによりホール29を形成する。そして図7(e)に示すようにレジスト27の面から再びエッチングして側孔30を形成する。さらに裏面のレジスト27を除去し、図7(f)に示すように振動板を薄くかつ梁状に形成する。
【0049】
また必要に応じて、SiO2層22はエッチングを行うことにより除去しても良い。
【0050】
また上蓋部51および下蓋部57は、陽極接合や直接接合および接着剤を用いて振動型圧電加速度センサに取り付ければよく、必要に応じて接合および接着が容易になるように、フレーム31の接合部分にあたる圧電薄膜25や下部電極24をエッチングにより、除去しても良い。
【0051】
次に、本発明の振動型圧電加速度センサを用いた応用例について説明する。
【0052】
図8は本発明の振動型圧電加速度センサを用いたブレーキ制御システムを示す模式図である。
【0053】
図8に示すように42は車体、43aは前輪、43bは後輪、44はブレーキ装置、45はハンドル、46はブレーキ制御回路、47は進行方向である。
【0054】
車体42の制御は本発明の振動型圧電加速度センサ41で加速度を検知し、加速度の出力信号をブレーキ制御回路46で信号処理し、この信号をブレーキ装置44に伝送して誘導し、車体42の前輪43a、後輪43bがブレーキによりロックしないように制御し、安全な運転制御を可能としている。例えば進行方向47のようにハンドル45を左に切った場合、車体42が左に方向転換し回転する進行方向のタイヤの外周側と内周側のブレーキの効き具合を変えることでタイヤのスリップ事故を未然に防ぐことができるものであり、安全制御を可能とする。
【0055】
次に、本振動型圧電加速度センサ41は車体42に対して、振動型圧電加速度センサ41が受ける加速度は設置位置によって若干異なる。そのため、振動型圧電加速度センサ41の配置は平均的な加速度の検知を行うという観点から車体42の中央に設けるのが望ましい。従って実施の形態では振動型圧電加速度センサ41を車の中央に搭載している。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の振動型圧電加速度センサ素子および振動型圧電加速度センサは、安全ブレーキシステムその他、地球上における重力を静止の加速度検知として利用することができると共に静止の加速度検知は傾斜角として検知するセンサとして用いることができ、傾斜角検知は高度を含めた3次元立体型ナビゲーション装置を実用化させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(a)、(b)本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサの構成を示す上面図および(a)のb−b線断面図
【図2】(a)、(b)本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサの構成を示す上面図および(a)のb−b線断面図同振動板の構成を示した斜視図
【図3】(a)、(b)本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサ素子の構成を示す上面図および(a)のb−b線断面図
【図4】(a)、(b)本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサ素子の構成を示す上面図および(a)のb−b線断面図
【図5】本発明の実施の形態における振動板の構成を示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサ素子の構成を示す模式図
【図7】(a)〜(f)はそれぞれ本発明の実施の形態における振動型圧電加速度センサの製造方法を示す断面図
【図8】本発明の振動型圧電加速度センサを用いたブレーキ制御システムを示す模式図
【図9】従来の加速度センサの構成を示す断面図
【図10】従来の他の加速度センサの構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0058】
21 基板
22 SiO2
23 Si層
23a 振動板
23b アーム
24 下部電極
25 圧電薄膜
26 上部電極
26a 検出電極
26b 駆動電極
27 レジスト
28 側溝
29 ホール
30 側孔
31 フレーム
32 保持部
33 支持体
34 基部
35 振動型圧電加速度センサ素子
36a 検出信号ライン
36b 駆動信号ライン
38 増幅回路
39 F/V変換器
40 AGC回路
41 振動型圧電加速度センサ
42 車体
43a 前輪
43b 後輪
44 ブレーキ装置
45 ハンドル
46 ブレーキ制御回路
47 進行方向
51 上蓋部
52 対向電極
53 第一の対向電極
54 第二の対向電極
55 第一の側面対向電極
56 第二の側面対向電極
57 下蓋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動型圧電加速度センサ素子と、この加速度センサ素子自身の故障の有無を判定する判定手段とを備え、前記振動型圧電加速度センサ素子は、フレームと、このフレームの内部に設けられた少なくとも1つの振動板と、この振動板を保持する支持体と、この支持体を直線方向を往復運動するように保持する保持部とを設け、前記振動板上に形成する下部電極と、この下部電極上に形成する圧電薄膜と、この圧電薄膜上に形成する上部電極とからなり、前記直線方向に運動する保持部を介して支持体に伝搬して前記振動板が伸縮し、この振動板の固有振動数を変化させることにより加速度を検出する構成としたことを特徴とする振動型圧電加速度センサ。
【請求項2】
振動型圧電加速度センサ素子の上方向に一定のギャップを有して上蓋部を構成し、振動型圧電加速度センサ素子の振動板部分と対向する上蓋部の位置に対向電極を設け、この対向電極と振動板部に直流電圧を印加することにより発生する静電引力により振動板部分を変位させ、擬似的な加速度を発生する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項3】
保持部の側面部に少なくとも一対以上の対向する対向電極を設け、この対向電極間に直流電圧を印加することにより発生する静電引力により、保持部を伸縮させ、擬似的な加速度を発生する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項4】
振動型圧電加速度センサ素子の上方向に一定のギャップを有して上蓋部を構成し、振動型圧電加速度センサ素子の支持部上に少なくとも一箇所以上の対向電極を設け、上蓋部に対向する位置にもう一対の対向電極を設け、この対向電極間に直流電圧を印加することにより発生する静電引力により支持部を変位させ、擬似的な加速度を発生する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項5】
振動型圧電加速度センサ素子の下方向に一定のギャップを有して下蓋部を構成し、振動型圧電加速度センサ素子の支持部上に少なくとも一箇所以上の対向電極を設け、下蓋部に対向する位置にもう一対の対向電極を設け、この対向電極間に直流電圧を印加することにより発生する静電引力により支持部を変位させ、擬似的な加速度を発生する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項6】
保持部を梁状の交互に反対方向に折れ曲がったバネ構成とした請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項7】
振動板、支持体、保持部をシリコンとした請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項8】
圧電薄膜をチタン酸鉛・ジルコン酸鉛(PZT)とした請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項9】
梁状の振動板の一端をフレーム、もう一端を支持体に吊られるように保持した請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項10】
振動板上に形成する上部電極を保持部の梁状の中央部に沿わせて取り出した請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項11】
振動板を支持する支持体に質量を付加し、この支持体を直線上に往復運動するように支持した請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項12】
梁状からなる振動板上に形成する上部電極をこの振動板と直交し二等分する中心軸と対称に検出用と駆動用とした請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項13】
駆動用および検出用の電極の取り出し電極をフレーム上に設けた請求項12に記載の振動型圧電加速度センサ。
【請求項14】
振動型圧電加速度センサ素子のフレームを取り付け部とした請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動型圧電加速度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−29992(P2006−29992A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209517(P2004−209517)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)