説明

振動方向規制手段を有するコリオリ流量計

【課題】 極微小流量を計測するのに好適な高感度のコリオリ流量計を提供する。
【解決手段】 振動方向規制手段を有するコリオリ流量計11は、フローチューブ13、13と、このフローチューブ13、13を駆動する駆動手段14と、コリオリの力に比例した位相差を検出する位相差検出手段15、15とを備えて構成されている。また、振動方向規制手段として機能する板バネ16、16と、同じく振動方向規制手段として機能し且つフローチューブ13、13に対する固定用の部材としてのフローチューブ固定部材17とを備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲管状のフローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を検出することにより、フローチューブ内を流れる被測定流体の質量流量及び/又は密度を得る構成のコリオリ流量計に関し、特に、微小流量計測に好適なコリオリ流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
コリオリ流量計は、被測定流体の流通するフローチューブの一端又は両端を支持し、その支持点回りにフローチューブの流れ方向と垂直な方向に振動を加えたときに、フローチューブに作用するコリオリの力が質量流量に比例することを利用した質量流量計である。コリオリ流量計は周知のものであり、コリオリ流量計におけるフローチューブの形状は直管式と湾曲管式とに大別されている。
【0003】
直管式のコリオリ流量計は、両端が支持された直管の中央部直管軸に垂直な方向の振動を加えたとき、直管の支持部と中央部との間でコリオリの力による直管の変位差、すなわち位相差信号が得られ、その位相差信号に基づいて質量流量を検知するように構成されている。このような直管式のコリオリ流量計は、シンプル、コンパクトで堅牢な構造を有している。しかしながら、高い検出感度を得ることができないという問題点もあわせ持っている。
【0004】
これに対して、湾曲管式のコリオリ流量計は、コリオリの力を有効に取り出すための形状を選択できる面で、直管式のコリオリ流量計よりも優れており、実際、高感度の質量流量を検出することができている。尚、湾曲管式のコリオリ流量計としては、一本のフローチューブを備えるもの(例えば特許文献1参照)や、並列二本のフローチューブを備えるもの(例えば特許文献2参照)、或いは一本のフローチューブをループさせた状態に備えるもの(例えば特許文献3参照)などが知られている。
【特許文献1】特公平4−55250号公報
【特許文献2】特許第2939242号公報
【特許文献3】特公平5−69453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
湾曲管式のコリオリ流量計において極微小流量を計測するためには、高感度のチューブ構造が必要であると本願発明者は考えている。耐振動性確保のために通常50〜60Hz以下の振動でフローチューブを駆動することはないことから、このような制約の中で位相差を確保するためには、コリオリの力を受け取るモードに対して剛性の低いチューブ構造が高感度を実現するために求められることになる。剛性の低いチューブ構造としては、トライアングル形状や小判形状にフローチューブを湾曲させることが挙げられるが、更なる感度アップを図るためには、図8に示すような横方向に十分な長さを有する長円形状にフローチューブを湾曲形成することが良いと本願発明者は考えている。
【0006】
しかしながら、このような図8の形状であると、図中のZ軸方向の振動(同相、逆相)がフローチューブの駆動周波数に一致、若しくは低くなってしまうこととなり、駆動手段による駆動によってZ軸方向の振動が励起される可能性がある。Z軸方向の振動が励起されると、本来駆動すべきでない方向の振動が生じてしまうことから、器差が悪化したり振動漏洩が大きくなってゼロ点が安定しなかったりするという問題点を有している。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、極微小流量を計測するのに好適な高感度のコリオリ流量計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のコリオリ流量計、すなわち振動方向規制手段を有するコリオリ流量計は、少なくとも1本からなるフローチューブを駆動し、前記フローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を検出することにより、前記フローチューブ内を流れる被測定流体の質量流量及び/又は密度を得る構成のコリオリ流量計において,
前記フローチューブの振動方向をX軸、前記フローチューブの振動の腹位置における管軸方向をY軸、前記X軸及び前記Y軸に直交する方向をZ軸と定義するとき,
曲げねじれに強固な構造を有し、内部に不活性ガスを充填してある筐体と,
薄肉細管で形成され、管軸がY軸方向に沿って真っ直ぐにのびる駆動側の直管部分と、前記駆動側の直管部分に平行に形成され、管軸方向略中央で切り離されている固定側の直管部分と、前記駆動側の直管部分及び前記固定側の直管部分を連結する半円弧状の流入側湾曲管部分及び流出側湾曲管部分とを有し、Y軸方向の長さ(幅)とZ軸方向の長さ(高さ)との比が8.5:1の略長円形状に形成され、所定の間隔をあけて2本並ぶように配置して前記筐体内に収納される2本のフローチューブと,
流入側のマニフォールドと流出側のマニフォールドが設けられ、前記フローチューブの管軸方向略中央で切り離されている2本のフローチューブのそれぞれの固定端部を固定し、内部において前記2本のフローチューブの同一側に位置する一方の固定端部が前記流入側のマニフォールドに前記2本のフローチューブの同一側に位置する他方の固定端部が前記流出側のマニフォールドに連通するように接続し、振動方向規制手段として機能するフローチューブ固定部材と,
コイルとマグネットとを備えて構成され、前記2本のフローチューブの駆動側の直管部分の中央の前記フローチューブ固定部材の直下で、前記2本のフローチューブの前記駆動側の直管部分に挟まれるような状態で、前記駆動側の直管部分に取り付けられ、前記2本のフローチューブの駆動側の直管部分を対向振動させる駆動手段と,
コイルとマグネットとによって構成され、前記2本のフローチューブのそれぞれの流入側湾曲管部分間及び前記2本のフローチューブのそれぞれの流出側湾曲管部分間に挟まれる範囲内の位置で、コリオリの力に比例した位相差を検出することが可能な位置に設け、前記2本のフローチューブの振動を検出するとともに、前記2本のフローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差を検出する位相差検出手段と,
ステンレス鋼で板状に、Y軸及びZ軸方向の剛性よりもX軸方向の剛性が低くなるように形成され、一端が前記フローチューブ固定部材の前記2本のフローチューブのそれぞれの固定端部を結ぶ軸上に固定され、他端が、前記2本のフローチューブのそれぞれの駆動側の直管部分の中央に固定され、剛性特性によって、前記駆動手段による駆動方向以外の振動を規制する振動方向規制手段として機能する2枚の板バネと,
を備えたことを特徴としている。
【0009】
このような特徴を有する請求項1記載の本発明によれば、剛体に固定される弾性体がフローチューブに連結するという構造になる。フローチューブは、弾性体の存在によってチューブ固定端部以外の位置でも支えられる。フローチューブは、駆動手段により駆動されると、弾性体の剛性特性によって駆動方向以外の振動が規制されつつ振動する。本発明において、剛体とこの剛体に固定される弾性体とが振動方向規制手段に相当する。振動方向規制手段を有しフローチューブを剛性の低いチューブ構造にすることにより、極微小流量を計測するのに好適な高感度のコリオリ流量計が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、本来駆動すべきでない方向の振動発生を阻止し、器差の悪化防止やゼロ点の安定化を図ることができる。従って、極微小流量を計測するのに好適な高感度のコリオリ流量計を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の振動方向規制手段を有するコリオリ流量計の一実施の形態を示す斜視図である。また、図2は図1の要部拡大図である。
【0012】
図1において、本発明の振動方向規制手段を有するコリオリ流量計11(以下、単にコリオリ流量計11と略記する)は、筐体12と、この筐体12内に収納されるフローチューブ13、13と、フローチューブ13、13を駆動する駆動手段14と、コリオリの力に比例した位相差を検出する位相差検出手段15、15と、温度センサ(図示省略)と、質量流量等の演算処理を行う信号演算処理部(図示省略)と、駆動手段14を励振するための励振回路部(図示省略)とを備えて構成されている。
【0013】
また、本発明のコリオリ流量計11は、振動方向規制手段として機能する板バネ16、16(特許請求の範囲に記載した弾性体に相当)と、同じく振動方向規制手段として機能し且つフローチューブ13、13に対する固定用の部材としてのフローチューブ固定部材17(特許請求の範囲に記載した剛体に相当)とを備えて構成されている。
【0014】
以下、図1及び図2を参照しながら各構成部材について説明する(説明の中で、駆動手段14の駆動方向(フローチューブ13、13の振動方向に相当)をX軸、フローチューブ13、13の振動の腹位置(図中では被駆動位置にあたる)における管軸方向をY軸、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸と定義する。各方向は図中に示す通りである)。
【0015】
上記筐体12は、曲げやねじれに強固な構造を有している。また、筐体12は、フローチューブ固定部材17に固定された状態のフローチューブ13、13を収納することができる大きさに形成されている。さらに、筐体12は、フローチューブ13、13等からなる流量計本体を外部から保護することができるように形成されている。このような筐体12の内部には、アルゴンガス等の不活性ガスが充填されている。不活性ガスの充填により、フローチューブ13、13等への結露が防止されている。
【0016】
上記フローチューブ13、13は、ステンレス、ハステロイ、チタン合金、金属ガラス等のこの技術分野において通常の材料を用いて形成されている。フローチューブ13、13は、本形態において薄肉細管のものであって、Y軸方向に長い略長円形状に形成されている(Y軸方向の幅がZ軸方向の高さに比べて十分に大きくなるように形成されている。尚、特に限定するものではないが、本形態においてはY軸方向の長さ(幅)とZ軸方向の長さ(高さ)との比が8.5:1となっている)。フローチューブ13、13は、所定の間隔をあけて並ぶように配置されている。フローチューブ13、13は、この固定端部がフローチューブ固定部材17に対して固定されている。
【0017】
ここで本形態のフローチューブ13、13の各部分について説明する。フローチューブ13、13は、管軸がY軸方向に沿って真っ直ぐにのびる駆動側の直管部分18、18と、この駆動側の直管部分18、18に平行でフローチューブ固定部材17に対し固定される固定側の直管部分19、19と、駆動側の直管部分18、18及び固定側の直管部分19、19を連結する半円弧状の流入側湾曲管部分20、20及び流出側湾曲管部分21、21とを有している。また、フローチューブ13、13は、この固定端部がフローチューブ固定部材17の内部において流入側のマニフォールド22、流出側のマニフォールド23に連通するようになっている。図中の矢印は図示しない被測定流体の流れ方向を示している。
【0018】
尚、フローチューブ13、13の形状は一例であり(例えば一本のチューブを湾曲させてなる特開2005−221251に開示された形状等でも可能)、剛性の低いチューブ構造のものであればこの限りでないものとする。更には、フローチューブ固定部材17の内部に対向するフローチューブを上流側計測管部、下流側計測管部とし、互いの管の終端と始端を接続した流路を内在させ、1本のフローチューブをループさせた状態と同等な、いわゆるデュアルループタイプの形態にしても良い。
【0019】
上記駆動手段14は、フローチューブ13、13の主に駆動側の直管部分18、18を対向振動させるためのものであって、コイル24とマグネット25とを備えて構成されている。駆動手段14は、駆動側の直管部分18、18の中央に、且つこれらによって挟まれるような状態で配置されている。駆動手段14は、フローチューブ13、13の振動方向(駆動方向)に対して極力オフセットしないような位置に取り付けられている。
【0020】
駆動手段14において吸引作用が生じると、マグネット25がコイル24に対して差し込まれるような状態になり、この結果、フローチューブ13、13の駆動側の直管部分18、18同士が近接するようになっている。これに対し、反発作用が生じると、駆動側の直管部分18、18同士が離間するようになっている。駆動手段14は、フローチューブ13、13が上述の如くフローチューブ固定部材17に対して固定されていることから、このフローチューブ13、13を、フローチューブ固定部材17を中心にして回転方向に交番駆動させるように構成されている。
【0021】
上記位相差検出手段15、15は、フローチューブ13、13の振動を検出するとともに、フローチューブ13、13に作用するコリオリの力に比例した位相差を検出するためのセンサであって、それぞれコイル26とマグネット27とを備えて構成されている(これに限らず、加速度センサ、光学的手段、静電容量式、歪み式(ピエゾ式)等の変位、速度、加速度のいずれかを検出する手段であればよいものとする)。位相差検出手段15、15は、例えばフローチューブ13、13の流入側湾曲管部分20、20及び流出側湾曲管部分21、21に挟まれる範囲内の位置、且つコリオリの力に比例した位相差を検出することが可能な位置に配置されている。
【0022】
上記図示しない温度センサは、コリオリ流量計11の温度補償をするためのものであって、適宜手段で一方のフローチューブ13の固定端部近傍に固定されている。図示しない温度センサや、位相差検出器15のコイル26や、駆動手段14のコイル24から引き出される配線は、筐体12の内部に収納される基板(図示省略)に接続されている。この基板には、ワイヤハーネス(図示省略)が接続されている。ワイヤハーネスは、筐体12の外部へ引き出されている。
【0023】
上記図示しない信号演算処理部には、位相差検出器15、15からの、フローチューブ13、13の変形に関する検出信号、及び温度センサからの、フローチューブ13の温度に関する検出信号がそれぞれ入力されるように配線及び接続がなされている。信号演算処理部では、入力された各検出信号に基づいて質量流量、密度の演算がなされるように構成されている。また、信号演算処理部では、演算により得られた質量流量、密度が図示しない表示器に対して出力されるように構成されている。
【0024】
上記板バネ16、16は、振動方向規制手段として機能する弾性体であって、例えば図示のような短冊状の形状に形成されている(他の形状としては例えば図3に示すような引用符号16′や16″の形状も挙げられる。次に説明する剛性特性を有することができれば形状は特に限定されないものとする)。板バネ16、16は、Y軸及びZ軸方向の剛性よりもX軸方向の剛性が低くなるように形成されている。
【0025】
板バネ16、16は、ステンレス等の板バネ材として適した板材等により形成されている。板バネ16、16の一端は、フローチューブ13、13の駆動側の直管部分18、18の中央に固定されている(駆動手段14の反対側に固定されている。被駆動位置であり、この近傍に固定することでも良いものとする)。また、板バネ16、16の他端は、フローチューブ固定部材17に固定されている。板バネ16、16の固定方法としては、例えばロー付けが挙げられるものとする。専用の小形ブラケットを用いたり、端部を固定し易いように加工しても良いものする。
【0026】
板バネ16、16は、フローチューブ13、13の固定端部以外の位置でもフローチューブ13、13を支えるようになっている。また、板バネ16、16は、この剛性特性によって、駆動手段14の駆動方向以外の振動を規制するようにもなっている。板バネ16、16は、Y軸方向及びZ軸方向にフローチューブ13、13を振動させないようにするために有用な部材となっている。
【0027】
上記構成において、フローチューブ13、13に被測定流体を流すとともに、駆動手段14を駆動させてフローチューブ13、13を対向振動させると、位相差検出器15、15の位置でのコリオリの力によって生じる位相の差分により、質量流量が上記信号演算処理部で算出される。また、本形態においては、振動周波数から密度も算出される。駆動手段14の駆動中においては、板バネ16、16の作用により本来駆動すべきでない方向の振動発生が阻止されることから、算出される質量流量や密度は信頼性のあるデータとして出力される。
【0028】
次に、図4を参照しながら振動方向規制手段として機能する剛体及び弾性体の他の例を説明する。図4は剛体及び弾性体の他の例を示す斜視図である。尚、上述の形態の構成と基本的に同じものには同一の符号を付して説明を省略するものとする。
【0029】
図4において、振動方向規制手段として機能し且つフローチューブ13、13に対する固定用の部材としてのフローチューブ固定部材17には、台座28が一体に設けられている。また、フローチューブ固定部材17とフローチューブ13、13の振動の腹(被駆動位置)との間には、振動方向規制手段として機能する板バネ16、16が固定されている。台座28は、振動方向規制手段として機能する剛体であって、ここではコ字状の形状に形成されている。具体的には、フローチューブ13、13の間でZ軸方向にのび、一端がフローチューブ固定部材17に連続する脚部29、29と、この脚部29、29の各他端に連続する、Y軸方向の連結部30とを有している。
【0030】
脚部29、29は、板バネ16、16の約2倍の長さを有するように形成されている。連結部30は、この側部中間がX軸方向に突出する一対の凸部分を有している。この一対の凸部分とフローチューブ13、13の振動の腹(被駆動位置)との間には、板バネ31、31が固定されている。板バネ31、31は、振動方向規制手段として機能する弾性体であって、板バネ16、16と同様に形成及び固定されている。
【0031】
上記構成において、フローチューブ13、13が駆動手段14により駆動されると、このフローチューブ13、13は板バネ16、16及び板バネ31、31の剛性特性によって駆動方向(X軸方向)以外の振動が規制されつつ振動する。従って、本来駆動すべきでない方向の振動発生が阻止される。
【0032】
図5ないし図7は、振動方向規制手段として機能する剛体及び弾性体の他の例を示している。図中において、引用符号41はフローチューブを示している。また、引用符号42は剛体を示している。さらに、引用符号43は弾性体を示している。尚、図中の破線はこの部分に剛体や弾性体が存在しても良いことを示している。図5ないし図7の振動方向規制手段を適用することによっても上述同様の作用効果を奏するものとする。
【0033】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の振動方向規制手段を有するコリオリ流量計の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】板バネの他の例を示す斜視図である。
【図4】振動方向規制手段として機能する剛体及び弾性体の他の例を示す斜視図である。
【図5】振動方向規制手段として機能する剛体及び弾性体の他の例を示す模式図である。
【図6】振動方向規制手段として機能する剛体及び弾性体の他の例を示す模式図である。
【図7】振動方向規制手段として機能する剛体及び弾性体の他の例を示す模式図である。
【図8】従来例の長円形状のフローチューブを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
11……………振動方向規制手段を有するコリオリ流量計(コリオリ流量計)
12……………筐体
13……………フローチューブ
14……………駆動手段
15……………位相差検出手段
16……………板バネ(弾性体)
17……………フローチューブ固定部材(剛体)
18……………駆動側の直管部分
19……………固定側の直管部分
20……………流入側湾曲管部分
21……………流出側湾曲管部分
22……………流入側のマニフォールド
23……………流出側のマニフォールド
24、26……コイル
25、27……マグネット
28……………台座(剛体)
29……………脚部
30……………連結部
31……………板バネ(弾性体)
41……………フローチューブ
42……………剛体
43……………弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本からなるフローチューブを駆動し、前記フローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を検出することにより、前記フローチューブ内を流れる被測定流体の質量流量及び/又は密度を得る構成のコリオリ流量計において,
前記フローチューブの振動方向をX軸、前記フローチューブの振動の腹位置における管軸方向をY軸、前記X軸及び前記Y軸に直交する方向をZ軸と定義するとき,
曲げねじれに強固な構造を有し、内部に不活性ガスを充填してある筐体と,
薄肉細管で形成され、管軸がY軸方向に沿って真っ直ぐにのびる駆動側の直管部分と、前記駆動側の直管部分に平行に形成され、管軸方向略中央で切り離されている固定側の直管部分と、前記駆動側の直管部分及び前記固定側の直管部分を連結する半円弧状の流入側湾曲管部分及び流出側湾曲管部分とを有し、Y軸方向の長さ(幅)とZ軸方向の長さ(高さ)との比が8.5:1の略長円形状に形成され、所定の間隔をあけて2本並ぶように配置して前記筐体内に収納される2本のフローチューブと,
流入側のマニフォールドと流出側のマニフォールドが設けられ、前記フローチューブの管軸方向略中央で切り離されている2本のフローチューブのそれぞれの固定端部を固定し、内部において前記2本のフローチューブの同一側に位置する一方の固定端部が前記流入側のマニフォールドに前記2本のフローチューブの同一側に位置する他方の固定端部が前記流出側のマニフォールドに連通するように接続し、振動方向規制手段として機能するフローチューブ固定部材と,
コイルとマグネットとを備えて構成され、前記2本のフローチューブの駆動側の直管部分の中央の前記フローチューブ固定部材の直下で、前記2本のフローチューブの前記駆動側の直管部分に挟まれるような状態で、前記駆動側の直管部分に取り付けられ、前記2本のフローチューブの駆動側の直管部分を対向振動させる駆動手段と,
コイルとマグネットとによって構成され、前記2本のフローチューブのそれぞれの流入側湾曲管部分間及び前記2本のフローチューブのそれぞれの流出側湾曲管部分間に挟まれる範囲内の位置で、コリオリの力に比例した位相差を検出することが可能な位置に設け、前記2本のフローチューブの振動を検出するとともに、前記2本のフローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差を検出する位相差検出手段と,
ステンレス鋼で板状に、Y軸及びZ軸方向の剛性よりもX軸方向の剛性が低くなるように形成され、一端が前記フローチューブ固定部材の前記2本のフローチューブのそれぞれの固定端部を結ぶ軸上に固定され、他端が、前記2本のフローチューブのそれぞれの駆動側の直管部分の中央に固定され、剛性特性によって、前記駆動手段による駆動方向以外の振動を規制する振動方向規制手段として機能する2枚の板バネと,
を備えたことを特徴とする振動方向規制手段を有するコリオリ流量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−8695(P2009−8695A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264918(P2008−264918)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【分割の表示】特願2006−69282(P2006−69282)の分割
【原出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000103574)株式会社オーバル (82)
【Fターム(参考)】