説明

振子式表示装置

【課題】表示体に発光体を配設すると共に、振子を揺動せしめつつ軸を介して駆動コイルと同一電源でもって発光せしめ、表示体を電飾せしめて非常に印象的な動作を得ることが出来る、振子式表示装置を提供するものである。
【解決手段】フレ−ム1内に軸3を介して振子2が揺動自在に支承され、該振子2の上端部には表示体7が、同下端部には永久磁石6が取付けられ、かつ、該永久磁石6に対応すべくその下方に駆動コイル14が配設されてなり、上記駆動コイル14を励磁せしめつつ永久磁石6との電磁力により振子2を揺動せしめるべく構成されてなる振子式表示装置であって、上記表示体7には所要の発光体8が配設されると共に、該発光体8を同一電源でもって発光せしめるべく軸3を介して電極線材9a・9b・16a・16bが通電自在に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告やディスプレイ、あるいは玩具などに用いられる振子式表示装置に関す
る。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の振子式表示装置としては、所要のフレ−ム内に軸を介して振子が揺
動自在に支承され、該振子の上端部には所要の表示体が、同下端部には永久磁石が各々取
付けられると共に、該永久磁石に対応すべくその下方に駆動コイルが配設されたものが知
られている。
そして、上述の如く構成された振子式表示装置は、駆動コイルに通電して励磁せしめ、
永久磁石との電磁力により振子を所定の振幅でもって慣性的に揺動せしめつつ、これに連
動して表示体を同期に揺動せしめるものとされている。
【特許文献1】特開平7−72812号公報
【特許文献2】特開2006−71885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の如く構成された従来の振子式表示装置は、表示体を確実に所定の振幅
でもって同期等速に揺動せしめ、表示機能を有効に発揮せしめることが出来るものである
。しかしながら、かかる表示体には何等の電飾手段が施されていないものである。このた
め、見た目の面白さや美しさ等に乏しく、装飾性の点において印象的な動作が得られない
ものとなっていた。
なお、上記従来の問題点を解決せしめるべく、表示体に発光体などの電飾手段を設ける
ことが考えられるが、揺動する振子を介して駆動コイルと同一電源でもって発光せしめる
ことは非常に困難なものとされていた。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決しようとするもので、表示体に発光体を配設すると共
に、振子を揺動せしめつつ軸を介して駆動コイルと同一電源でもって発光せしめ、表示体
を電飾せしめて非常に印象的な動作を得ることが出来る、振子式表示装置を提供するにあ
る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、所要のフレ−ム内に軸を介して振
子が揺動自在に支承され、該振子の上端部には表示体が取付けられると共に、同下端部に
は永久磁石が取付けられ、かつ、該永久磁石に対応すべくその下方に駆動コイルが配設さ
れてなり、上記駆動コイルを励磁せしめつつ永久磁石との電磁力により振子を揺動せしめ
るべく構成されてなる振子式表示装置において、上記表示体には所要の発光体が配設され
ると共に、該発光体を同一電源でもって発光せしめるべく軸を介して電極線材が通電自在
に配設されてなることを特徴とする、振子式表示装置を要旨とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、上記軸が両側一対の導電性軸部材により形成され、該両側の軸
部材は振子の振り竿を介在せしめつつ不導性連結部材でもって連結されると共に、各軸部
材には各々電極線材が通電自在に接触せしめられてなることを特徴とする、請求項1記載
の振子式表示装置を要旨とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の振子式表示装置において、表示体が振子の振り
竿に沿って上下に摺動自在に嵌合され、該振り竿の外側面にはその長手方向に沿って電極線材が配設されると共に、該電極線材に各々通電自在に接触せしめるべく表示体の摺動内面には電極線材が配設されてなることを特徴とする、振子式表示装置を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明は上述のように構成されているから、振子を揺動せしめつつ、軸を
介して駆動コイルと同一電源でもって発光体に通電せしめ、発光体を発光せしめて表示体
を電飾することが出来るものであって、ひいては、表示体を非常に印象的に作動せしめ、
表示機能を一層有効に発揮せしめることが出来るものである。
【0009】
請求項2記載の発明は上述のように構成されているから、両側の導電性軸部材に各々所
要の電極線材を接触通電せしめるという極めて簡単な構成でもって、振子を揺動せしめつ
つ表示体の発光体を常に確実に発光せしめることが出来るものである。
【0010】
請求項3記載の発明は上述のように構成されているから、振子の振り竿に沿って表示体
を適宜上下に摺動せしめ、振子の振幅を自由に調整して表示体の発光体を発光せしめるこ
とが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に示す一実施例に基づいて詳細に説
明する。
図1乃至図4は本発明の一実施例を示すもので、同図中、1は両端上部が開放状とされ
た略方形体状のフレ−ム、2は該フレ−ム1内に軸3を介して揺動自在に支承された振子
、4は該振子2を構成する所要の長さを備えた不導性の合成樹脂製振り竿、5は該振り竿
4の下端部に取付けられた略円弧状の金属製振り玉、6は該振り玉5の下端に取付けられ
た永久磁石、7は振り竿4の上端部に取付けられた略方形状の表示体、8は該表示体7に
配設された所要数のLED素子、9a・9bは該各LED素子8に接続された一対の第1
電極線材である。
【0012】
10a・10bは前記軸3を構成する両側一対の導電金属製軸部材、11は該各軸部材
10a・10bの長手方向に沿ってその中心に形成されたねじ孔、12は該ねじ孔11に
螺合して両側の軸部材10a・10bを通電不能に連結せしめる合成樹脂などの不導性棒
ねじで、図4に図示するように、振り竿4の両側に各々第1電極線材9a・9bをあてが
いつつその挿通孔13を通して該棒ねじ12を挿通せしめると共に、その両端に軸部材1
0a・10bを各々螺合して挾持状に締結せしめ、第1電極線材9a・9bどうしを電気
的に遮断せしめつつ対応する軸部材10a・10bの両面に通電自在に接触せしめるもの
とされている。14は上記永久磁石6の下方に位置せしめるべくフレ−ム1に内設された
駆動コイル、15は該駆動コイル14を制御せしめる駆動回路基盤、16a・16bは該
駆動回路基盤15に一端が持続されると共に他端が前記軸部材10a・10bに各々通電
自在に接触された一対の第2電極線材で、該各第2電極線材16a・16bは各々軸部材
10a・10bを介して対応する第1電極線材9a・9bに通電自在に接続せしめられて
いる。その他、17は電源コ−ドを示す。
【0013】
次に、上述の如く構成された実施例の作動について説明する。
先ず、駆動コイル14に電源コ−ド17を介して通電し、駆動コイル14上に永久磁石
6の磁極極性と同極性磁界を生起せしめつつ、永久磁石6に対して反発力となる電磁力を
励磁せしめ、該電磁力と振子2の重力による復元力とが相まって振子3を慣性的に揺動せ
しめると共に、これに連動して表示体7を適正に揺動せしめる。また、駆動コイル14の
通電と同時に同一電源でもって第2電極線材16a・16b・軸部材10a・10b・第
1電極線材9a・9bを介してLED素子8に通電せしめつつ発光せしめ、表示体7を電
飾して印象的に揺動作動せしめることができ、表示機能を一層効果的に発揮せしめる。こ
のさい、第1・第2電極線材9a・9b・16a・16bを各々対応する両側の導電性軸
部材10a・10bに接触通電せしめるものであるから、振子2を揺動せしめるにも拘ら
ず、軸部材10a・10bを利用して表示体7のLED素子8を常に確実に発光せしめることが出来るものである。
【0014】
図5乃至図7は他の発明の一実施例を示すもので、表示体7が振子2の振り竿4に摺動
自在に嵌合され、該振り竿4の外側面にはその長手方向に沿って第1電極線材9a・9bが延設されると共に、該第1電極線材9a・9bに通電自在に接触せしめるべく表示体7の摺動内面には両側一対の電極線材18a・18bが各々配設された点が上記実施例と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分を示す。
【0015】
上述の如く構成された実施例は、前記実施例と同様に、駆動コイル14に通電して励磁
せしめ、永久磁石6との電磁力により振子2を慣性的に揺動せしめつつ、これに連動して
表示体7を同期に揺動せしめる。そして、必要に応じて表示体7を振り竿4に沿って上下
に摺動せしめ、振り竿4の重力を変動せしめることにより振子2の振幅を変化せしめ、表
示体7の揺動幅を自由に調整せしめることが出来るものである。
【0016】
なお、上記実施例において、駆動コイル14は外部電源により通電せしめるものとされ
ているが、これに限定されるものでなく、フレ−ム1内に乾電池や蓄電池等を内蔵せしめ
て通電せしめるべく構成してもよいものである。また、発光体としてLED素子8が示さ
れているが、これに限定されるものでなく、他の公知の発光体を採択使用することが出来
るものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例を示す一部破断斜視図である。
【図2】同一部破断正面図である。
【図3】同一部破断側面図である。
【図4】同要部拡大断面図である。
【図5】他の発明の一実施例を示す一部拡大正面図である。
【図6】同一部拡大側面図である。
【図7】同一部拡大破断側面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 フレ−ム
2 振子
3 軸
4 振り竿
5 振り玉
6 永久磁石
7 表示体
8 LED素子
9a・9b 第1電極線材
10a・10b 軸部材
12 棒ねじ
14 駆動コイル
16a・16b 第2電極線材
18a・18b 電極線材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要のフレ−ム内に軸を介して振子が揺動自在に支承され、該振子の上端部には表示体
が取付けられると共に、同下端部には永久磁石が取付けられ、かつ、該永久磁石に対応す
べくその下方に駆動コイルが配設されてなり、上記駆動コイルを励磁せしめつつ永久磁石
との電磁力により振子を揺動せしめるべく構成されてなる振子式表示装置において、上記
表示体には所要の発光体が配設されると共に、該発光体を同一電源でもって発光せしめる
べく軸を介して電極線材が通電自在に配設されてなることを特徴とする、振子式表示装置

【請求項2】
上記軸が両側一対の導電性軸部材により形成され、該両側の軸部材は振子の振り竿を介
在せしめつつ不導性連結部材でもって連結されると共に、各軸部材には各々電極線材が通
電自在に接触せしめられてなることを特徴とする、請求項1記載の振子式表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の振子式表示装置において、表示体が振子の振り竿に沿って上下に摺動自
在に嵌合され、該振り竿の外側面にはその長手方向に沿って電極線材が配設されると共に、該電極線材に各々通電自在に接触せしめるべく表示体の摺動内面には電極線材が配設されてなることを特徴とする、振子式表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−180755(P2008−180755A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12196(P2007−12196)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(390007526)
【Fターム(参考)】