挿入物を有するたばこ容器
たばこ容器を提供する。たばこ容器は、蓋と容器本体とライナーの形態の挿入物とを含む。ライナーは、蓋を容器本体に開放可能に結合する。蓋と容器本体の各々はライナーを受容し、ライナーに結合する。ライナーは、ライナーが容器本体に結合されるとき変形させられる圧縮へらを含むことができる。ライナーは、容器本体と蓋とを互いに接触させることなく一体に結合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に容器に関し、より詳細には無煙(smokeless)たばこ用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ葉(loose tobaco)および同類のたばこ製品は、通常円盤状容器に詰めて販売されている。多くの場合、容器は、金属製、プラスチック製、またはボール紙製いずれかの缶に被せる金属蓋を備えている。多くの場合、帯状のラベルを蓋と缶の間の継ぎ目上に接着固定して蓋と缶をしっかりと固定している。帯状のラベルは、通常、製品の鮮度に対しても良い影響を与えるであろう。ラベルは、また一般的に、潜在顧客のための模様、画像、たばこ製品に関する情報を含んでいる。
【0003】
従来、蓋は比較的平坦な天井部とそれを取り囲む裾部とを含む。裾部は切断エッジで終端されている。蓋がしばしば金属で形成される(プラスチック蓋も一般的である)ことを考慮すると、金属エッジは比較的鋭利になる恐れがある。鋭いエッジが適切に滑らかな状態に処理されなければ、容器の購入者は、エッジを把持して缶から蓋を外す際に指に裂傷を負う危険を冒すことになる。缶と蓋との接触部分には、缶から蓋を着脱し易くするために通常スナップフィット(snap fit)が設けられる。蓋と缶との接触部分は、通気性に影響を及ぼし、ひいてはその中に保管されるたばこ製品の鮮度にも影響を及ぼす。したがって、蓋と缶との接触部分は複合的な構成を採る可能性がある。
【0004】
残念ながら、缶の部品を形成するためにプラスチックやボール紙を使用すると、缶の見栄えが安っぽく、あるいは貧弱になる。しかし、缶全体を金属で作ることにより、蓋を缶と結合することが難しくなり、蓋と缶との良好な繰り返し結合の提供が難しくなる。本発明は、技術水準の向上を指向する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、独立的および個別的に、または他の態様と組み合わせて権利を要求し特許を受けられる幾つかの態様を有し、それらに限定しないが以下の態様および実施の形態を含む。
【0006】
一実施の形態において、本発明は、蓋と容器本体とライナーとを備えるたばこ容器を提供する。ライナーは、蓋を容器本体に開放可能に結合する。蓋と容器本体の各々はライナーを受容し、ライナーに結合する。
【0007】
好適な実施例では、蓋と容器本体は金属で形成される一方、ライナーは自立プラスチックで形成される。
【0008】
さらに好適な実施例では、ライナーは容器本体と蓋とを互いに接触させることなく一体に結合する。
【0009】
さらに別の実施の形態おいて、たばこ容器用のライナーは、ライナー本体と、容器蓋をライナーに結合するための手段と、容器本体をライナーに結合するための手段とを含むものとして設けられる。ライナー本体は、閉端壁および閉端壁から延びる環状の側壁を含む。容器蓋をライナーに結合するための手段は、容器本体をライナーに結合するための手段とは独立している。
【0010】
本発明の他の実施の形態は、添付図面と共に以下の詳細な説明を理解することで、より明らかとなる。
【0011】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部分を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述とともに、本発明の原理の説明に資する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の教示に従うたばこ缶の実施の形態の一例を示す上面および前面の斜視図である。
【図2】図2は、図1のたばこ缶の分解斜視図である。
【図3】図3は、図1のたばこ缶の平面図である。
【図4】図4は、切断線4−4で切り取られた図3のたばこ缶の断面図である。
【図5】図5は、カバーとライナーとの係合を示す図4の断面図の部分拡大図である。
【図6】図6は、図1のたばこ缶のライナーの上面および前面の斜視図である。
【図7】図7は、切断線7−7で切り取られた図3のたばこ缶の分解断面図である。
【図8】図8は、容器本体とライナーとの相互関係を示す図4の断面図の部分拡大図である。
【図9】図9は、容器ライナーと結合された容器本体の側面図であり、この図は、前方、後方、他の側方からの図と同一である。
【図10】図10は、図9の容器ライナーと結合された容器本体の平面図である。
【図11】図11は、容器本体の底面図であり、容器本体が容器ライナーおよび/または容器蓋と結合された場合も同じ図となる。
【図12】図12は、容器ライナーおよび容器蓋と結合された容器本体の側面図であり、この図は、前方、後方、他の側方からの図と同一である。
【図13】図13は、図9の容器ライナーと結合された容器本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、特定の好ましい実施の形態と関連付けて説明するが、本発明をそれらの実施の形態に限定する意図はない。むしろ、特許請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲に含まれる代替物、変形例および均等物全てを包括することを意図している。
【0014】
図1を参照すると、容器10が示されている。容器10は、一般的に、噛みたばこ、または他の消費者用小売商品を収容するために用いられる。その際、容器10は、消費者が容器を掌で楽に保持できて、容器をシャツのポケットやジーパンの後ポケットに収納できる全体寸法を有する。一般的に、これらのたばこ容器の機能を引き立てる大きさは、直径が約2〜3インチ(50.4mm〜76.2mm)で軸方向の厚さが約3/4〜1・1/4インチ(19.1mm〜31.8mm)であり、もっとも典型的には、直径がほぼ2・1/2インチ(63.5mm)で軸方向の厚さがほぼ1インチ(25.4mm)である。
【0015】
容器10は、例えば、色、画像や模様、ラベル、エンボス加工等のような容器の見栄えをより良くする特徴を含んでもよい。容器10は、また、例えば、包装中に帯状の粘着ラベルによってしっかりと固定してもよい。ラベルが破られた後、容器10を繰り返し開閉して、消費者が欲するたびごとに欲しいだけの量の容器10に保管された中身を取り出せるようにすることができる。
【0016】
図2に示すように、容器10は、略円筒状容器本体12(別称カップまたはベース)、蓋14(別称カバー)、およびライナー15の形態の挿入物で構成される3つの構成要素を含む。容器本体12、蓋14、およびライナー15は、金属、プラスチック、ボール紙等の様々な異なった材料から、またはそれらの組合せによって適切に形成される。好ましい実施の形態では、容器本体12と蓋14は金属で形成される一方、ライナー15はプラスチックで形成される。より好ましくは、ライナー15が自立支持するように、ライナー15はポリプロピレンのような十分な剛性を有するプラスチックから形成される。
【0017】
図4を参照すると、例示の実施の形態では、蓋14は比較的薄い金属片(例えば、シートメタル)から形成される。図示のように、蓋14は、円形蓋上部16と円形蓋上部16から延びる円筒状の側壁20の形態の裾部とを含む。裾部と蓋上部16との接合部は、ライナー15の先端の上端19を受容する上部環状陥凹部を提供することができる肩部18を形成する。例示の実施の形態では、蓋14は、蓋上部16と肩部18と側壁20とで形成される単一体である。蓋上部16と側壁20は、ライナー15の上部を受容する蓋14のキャビティ22を概ね画成する。図4に示すように、蓋14がライナー15の上部に配置され、すなわち被せられる時、容器10内に密閉された保管キャビティ24が画成される。保管キャビティ24には、消費者によって取り出されるまで製品が保管される。
【0018】
一実施の形態では、ライナー15の上端19は蓋14の内面25と係合し、その間にシールを提供して容器10内に保管される製品の鮮度の維持に役立つ。好ましい実施の形態では、蓋14の内面は、金色のフェノール樹脂仕上げでコーティングされる。そうであっても、他の実施の形態では、他の種類のコーティングまたは仕上げをこれらの内側面に塗付および形成してもよい。
【0019】
図3に示すように、蓋上部16は、中心点26から約1インチ(25.4mm)から約1.5インチ(38.1mm)の範囲に亘り概ね半径方向外側に拡がる。したがって、蓋14は、約2インチ(50.8mm)から約3インチ(76.2mm)の範囲の直径27を有する。例示の実施の形態では、蓋14の直径27は約2.5インチ(63.5mm)である。
【0020】
再び図4を参照すると、蓋上部16は、互いに反対方向を向く内面25および外面28(すなわち、内側面と外側面)の双方を有する。蓋はシートメタルから形成されるので、内面25と外面28は互いに平行になる。図示されていないが、蓋上部16は、エンボス加工された文字、数字、画像等(集合的に「キャラクタ」)を含んでもよい。エンボス加工されたキャラクタは、容器本体12から上側に飛び出ても保管キャビティ24側に引っ込んでもよい。その際、エンボス加工されたキャラクタは、約0.015インチ(0.381mm)以内の高さまたは深さのいずれかを有する。
【0021】
側壁20は、蓋上部16の周囲に沿って蓋上部16から下側に概ね直角に延びる。
【0022】
更に図5を参照すると、側壁20はビード(bead)38および縁40の双方を含む。ビード38は、一般的に縁40と肩部18の間に配置される。ビード38は、蓋上部16の中心点26に向かって半径方向内側に突出する。例示の実施の形態は縁40およびビード38の双方を含むが、代替の実施の形態は必ずしもこれらの構造を含む必要はない。
【0023】
ビード38は、蓋14の側壁20の全周を連続的に辿る。すなわち、ビード38は蓋14の周りに延在するので、ビードは途切れることなく連続する。そうであっても、他の実施の形態では、ビード38は、側壁20が離散的な位置で肩部18から縁40の下端50のすぐ上までずっと平坦になるように、断続的に形成してもよい。かかる実施の形態では、容器10の外側から見た場合、薄い支えつまり側壁20の部分は内側に湾曲せずにその代わり平坦に見える。
【0024】
縁40は、大まかには、側壁の中間部54に隣接して内側に折り畳まれる側壁20の先端部52である。換言すれば、先端部52は蓋上部16に向かって内側に丸められて、側壁20の残りの部分の内面に接触またはほぼ接触している。例示の実施の形態では、先端部52と中間部54は互いに少し隔てて図示され、これら側壁の2つの部分間にはチャネル56が形成される。例示の実施の形態では、縁40は折り畳まれた金属片であるため、一般的には、縁を、ならしたり、研磨したり、バフ仕上げしたり、または他の機械仕上げを施すことにより終端切断エッジを取り除く必要はない。縁40は、丸められて滑らかな下端50を必然的に有することになる。上記のような他の仕上げに代わって、折り畳みにより蓋14の下端50において安全なエッジを形成することによって、蓋をより早くより簡単に、また経済的に製造することができる。
【0025】
蓋14の更なる特徴および態様は、2007年2月28日出願で、本願の譲渡人に譲渡される共同出願中の米国特許出願第11/680,333号、発明の名称「たばこ缶用蓋」に記載されており、その教義と開示内容を参照して本明細書に組み込む。
【0026】
図4,5を参照すると、例示の実施の形態では、容器本体12は比較的薄い金属片(例えば、シートメタル)から形成される。図示のように、容器本体12は、円形底58と円形底58から延びて実質的に円形底58を取り囲む環状の側壁60とを含む。例示の実施の形態では、容器本体12は、円形底58と環状の側壁60とで形成される単一体である。円形底58と側壁60は、ライナー15の底部を受容する容器本体12のキャビティ62を概ね画成する。
【0027】
容器本体12の円形底58は、側壁60から半径方向内側に配置される凹部64を含む。
【0028】
折返部(rolled over portion)66は側壁60の遠位端を形成する。折返部66は、円形底58の反対側の側壁60の先端部分から形成される。折返部66は、半径方向内側に丸められ、一般的には約0.025〜0.065インチ(0.635〜1.651mm)の範囲の、もっとも好ましくは約0.05インチ(1.27mm)の直径を有する。
【0029】
図4〜6を参照すると、ライナー15は、円形底68と円形底68から延びて円形底68の周囲を取り囲む環状の側壁70とを含む。側壁70は、上部72と下部74とその間の中間部76とを含む。上部72は、傾斜した中間部76によって下部74に対して半径方向外側にオフセットしていて、下部74の外面は上部72の半径方向外側面に対して半径方向内側に奥まって位置する。
【0030】
上部72は、蓋14によって、より詳細にはキャビティ22内に受容される。下部74は、容器本体12によって、より詳細にはキャビティ62内に受容される。
【0031】
上部72は、側壁70の周囲を巡る半径方向外側に突出するリブ78(別称ビード留め)を含む。一実施の形態では、リブ78は、上部72が離散的な位置で肩部18から中間部76まで上端部までずっと平坦になるように、断続的に形成される。したがって、リブ78は、隙間80を形成する角度をつけて隔てられた複数の部分(segments)を有する。これらの隙間80は、蓋14がライナー15に固定される際に、蓋14から空気を抜く補助をする。そうであっても、他の実施の形態では、リブ78は途切れなく連続していてもよい。
【0032】
下部74は、容器10の中心点26を周りに角度を隔てて延在する複数の突起82を含む。例示の実施の形態は、中心点26の周りを角度をつけて隔てられた3つのかかる突起82を含み、各突起間に隙間85を形成する。そうであっても、他の実施の形態では、複数の突起82は、側壁70の周りを巡る1つの連続した突起で置き換えてもよい。
【0033】
突起82は、15度から45度の範囲の、好ましくは約30度の角度βを成す底面84を含む。突起は、円形底68から軸方向に隔たる方向を向いている係止面86をも含む。係止面86は、容器本体12の折返部66と軸方向に係合し、容器本体12をライナー15に固定する。係止面86は、側壁70とほぼ直角でほぼ平面状であることが好ましい。係止面86は、一般的に側壁70の下部74の外面から約0.01〜0.04インチ(0.254〜1.016mm)突出し、下部74の外面から約0.02〜0.03インチ(0.508〜0.762mm)突出するのが好ましい。
【0034】
更に、下部74は、容器本体12を側壁70の外面から隔てるのを補助する1つ以上の軸方向に延在するリブ88をオプションとして含むことにより、ライナー15を容器本体12のキャビティ62内に挿入する際に空気を抜く排気口を提供することができる。
【0035】
図6と図13を参照すると、ライナー15の内面は、側壁70の上部72および中間部76から半径方向内側に突出する重ね合わせ防止用突起89を更に含む。重ね合わせ防止用突起89は、半径方向内側に突出して、保管または輸送中に2つ以上のライナーが一方の上に置かれる場合に2つのライナーが重なり合うのを防止する。
【0036】
ライナー15は、容器本体12を蓋14に直接接触させる必要なしに、容器本体12を蓋14に固定する。
【0037】
折返部66と複数の突起82によって、容器本体12をライナー15の下部74に固定するための第1の協働係止配置がもたらされる。折返部66は、複数の突起82の係止面86と軸方向に係合してライナー15の容器本体12からの軸方向への離脱を防ぎ、または妨害する。
【0038】
同様に、ビード38とリブ78によって、蓋14をライナー15の上部72に固定するための第2の協働係止配置がもたらされる。ビード38は、リブ78と軸方向に係合して蓋14のライナー15からの軸方向への離脱を防ぎ、または妨害する。
【0039】
ビード38とリブ78との係合は、蓋14がライナー15との間で固定および開放が繰り返しできるように、蓋14のライナー15への開放可能な固定を提供することが好ましい。これにより、消費者は、必要な時に容器10を開けて製品をそこから取り出し、製品へのアクセスが終了したときに容器10を閉じて中身を内部に保管することができる。
【0040】
更に、蓋14とライナー15との固定は、容器本体12とライナー15との固定よりも低い軸負荷によって解除することができる。したがって、消費者が容器10の容器本体12を保持している状態で、消費者は、容器本体12がライナー15から離脱することなく、蓋14を軸方向に引っ張って蓋14を外すことができる。
【0041】
側壁70の上部72は、いくつかの部分を含む。傾斜部分90は、上端19とリブ78の間で軸方向に延在する。傾斜部分90は、外面91を有し、外面91は、約5度から15度の範囲の、好ましくは約7から8度の角度αで内面92に対して傾斜している。内面92は、蓋上部16と円形底68との間で直角に進む中心線と略平行であることが好ましい。傾斜部分90の傾斜形状は、蓋14をライナー15に取り付け易くする。しかし、他の実施の形態では、傾斜部分は必ずしも含まれる必要はない。
【0042】
延長部分94は、側壁70の中間部76の端とリブ78の下部との間で軸方向に延在する。延長部分94は、一実施の形態では一定の厚さを有する。代替の実施の形態では、延長部分94と傾斜部分90は、その部分を別々の部分に分けるリブ78を単に含む側壁70の1つの連続して傾斜する部分に過ぎない。
【0043】
中間部76が含まれていることにより、上部72は下部74から半径方向にオフセットされる。中間部76と突起82は、両者の軸方向の間に、蓋14がライナー15に取り付けられる際に折返部66を受容する逃げ領域95を画成する。
【0044】
容器本体12とライナー15とは、軸方向のずれが両者間で生じないように制限して係合することが好ましい。詳細には、容器10を完全に組み立てた際に、ライナー15は、容器本体12に対して軸方向に動き得ないことが好ましい。
【0045】
図7,8を参照すると、一実施の形態では、ライナー15は、円形底68の外面97から軸方向に延びる圧縮へり96を含む。圧縮へり96は空間93(別称キャビティ)を形成し、空間93内には容器本体12の円形底58の凹部64が軸方向に拡がる。
【0046】
例示の実施の形態の圧縮へり96は、環状ハブを形成する複数の部分から成る。一方で、圧縮へりの隣接する部分の間の隙間は、ライナー15と容器本体12が合体される際に空気を逃がす空気抜きを提供する。しかし、他の実施の形態では、圧縮へりは、1つの連続した切れ目のない部分で形成することもできる。更に、圧縮へりは必ずしも円形状である必要はなく、単に軸方向に延びて容器本体12の底壁58に接する複数の尖端または突起であってもよい。
【0047】
図示のように、圧縮へり96は、約0.04インチ(1.016mm)から約0.1インチ(2.54mm)の範囲の距離D1に亘り円形底68の外面97から軸方向に延びるが、他の長さであってもよい。更に、圧縮へり96は円形底68から延びるにつれて、幅の広い基部98から幅の狭い先端99に向かって先細になることが好ましい。先細形状は、圧縮へり96のより着実な撓みをもたらし、圧縮へりが撓むほど圧縮へり96の剛性が増す。
【0048】
容器本体12がライナー15に結合されるとき、圧縮へり96は円形底58の内面に対して付勢され、少なくとも弾性的に変形することが好ましい。圧縮へり96を弾性的に変形させることにより、突起82の係合面86は容器本体12の折返部66へ付勢される。一実施の形態では、圧縮へり96によって与えられる付勢量、および折返部66とライナー15の側壁70との係合の強さは、容器本体12に対するライナー15の回転を防止するのには十分である。「回転を防止する」の意味するところは、ユーザによる容器本体12に対するライナー15の全く単純な回転以上のもの、例えば2インチ・ポンド(0.226Nm)以上のトルクが、2つの構成要素間の相対回転を起こさせるのに必要であるということである。
【0049】
図7を参照すると、組立前の状態において、突起82の係合面86と圧縮へり96の遠位端との軸方向の距離D2は、折返部66の円形底68に軸方向で最も近い部分と圧縮へり96が付勢される底壁68の部分との軸方向の距離D3よりも大きい。
【0050】
本明細書に引用した、刊行物、特許出願、特許を含むすべての引用文献は、各引用文献が引用によってあたかも個別かつ具体的に組み入れられるべく指定され、その全体がここに述べられているかのごとくに、引用によって同じ内容でここに組み入れる。
【0051】
本発明の説明の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限定しない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されるかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中の如何なる言い回しも、本発明の実施に不可欠である、特許請求の範囲に記載されていない要素を示すものとは解釈されないものとする。
【0052】
本明細書中では、発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読んだ上で、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者がこのような変形を適宜用いるであろうことを予期し、本発明が本明細書中で具体的に説明される以外の方法で実施されることを意図している。したがって本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の主題の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての考えられる変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に容器に関し、より詳細には無煙(smokeless)たばこ用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ葉(loose tobaco)および同類のたばこ製品は、通常円盤状容器に詰めて販売されている。多くの場合、容器は、金属製、プラスチック製、またはボール紙製いずれかの缶に被せる金属蓋を備えている。多くの場合、帯状のラベルを蓋と缶の間の継ぎ目上に接着固定して蓋と缶をしっかりと固定している。帯状のラベルは、通常、製品の鮮度に対しても良い影響を与えるであろう。ラベルは、また一般的に、潜在顧客のための模様、画像、たばこ製品に関する情報を含んでいる。
【0003】
従来、蓋は比較的平坦な天井部とそれを取り囲む裾部とを含む。裾部は切断エッジで終端されている。蓋がしばしば金属で形成される(プラスチック蓋も一般的である)ことを考慮すると、金属エッジは比較的鋭利になる恐れがある。鋭いエッジが適切に滑らかな状態に処理されなければ、容器の購入者は、エッジを把持して缶から蓋を外す際に指に裂傷を負う危険を冒すことになる。缶と蓋との接触部分には、缶から蓋を着脱し易くするために通常スナップフィット(snap fit)が設けられる。蓋と缶との接触部分は、通気性に影響を及ぼし、ひいてはその中に保管されるたばこ製品の鮮度にも影響を及ぼす。したがって、蓋と缶との接触部分は複合的な構成を採る可能性がある。
【0004】
残念ながら、缶の部品を形成するためにプラスチックやボール紙を使用すると、缶の見栄えが安っぽく、あるいは貧弱になる。しかし、缶全体を金属で作ることにより、蓋を缶と結合することが難しくなり、蓋と缶との良好な繰り返し結合の提供が難しくなる。本発明は、技術水準の向上を指向する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、独立的および個別的に、または他の態様と組み合わせて権利を要求し特許を受けられる幾つかの態様を有し、それらに限定しないが以下の態様および実施の形態を含む。
【0006】
一実施の形態において、本発明は、蓋と容器本体とライナーとを備えるたばこ容器を提供する。ライナーは、蓋を容器本体に開放可能に結合する。蓋と容器本体の各々はライナーを受容し、ライナーに結合する。
【0007】
好適な実施例では、蓋と容器本体は金属で形成される一方、ライナーは自立プラスチックで形成される。
【0008】
さらに好適な実施例では、ライナーは容器本体と蓋とを互いに接触させることなく一体に結合する。
【0009】
さらに別の実施の形態おいて、たばこ容器用のライナーは、ライナー本体と、容器蓋をライナーに結合するための手段と、容器本体をライナーに結合するための手段とを含むものとして設けられる。ライナー本体は、閉端壁および閉端壁から延びる環状の側壁を含む。容器蓋をライナーに結合するための手段は、容器本体をライナーに結合するための手段とは独立している。
【0010】
本発明の他の実施の形態は、添付図面と共に以下の詳細な説明を理解することで、より明らかとなる。
【0011】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部分を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述とともに、本発明の原理の説明に資する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の教示に従うたばこ缶の実施の形態の一例を示す上面および前面の斜視図である。
【図2】図2は、図1のたばこ缶の分解斜視図である。
【図3】図3は、図1のたばこ缶の平面図である。
【図4】図4は、切断線4−4で切り取られた図3のたばこ缶の断面図である。
【図5】図5は、カバーとライナーとの係合を示す図4の断面図の部分拡大図である。
【図6】図6は、図1のたばこ缶のライナーの上面および前面の斜視図である。
【図7】図7は、切断線7−7で切り取られた図3のたばこ缶の分解断面図である。
【図8】図8は、容器本体とライナーとの相互関係を示す図4の断面図の部分拡大図である。
【図9】図9は、容器ライナーと結合された容器本体の側面図であり、この図は、前方、後方、他の側方からの図と同一である。
【図10】図10は、図9の容器ライナーと結合された容器本体の平面図である。
【図11】図11は、容器本体の底面図であり、容器本体が容器ライナーおよび/または容器蓋と結合された場合も同じ図となる。
【図12】図12は、容器ライナーおよび容器蓋と結合された容器本体の側面図であり、この図は、前方、後方、他の側方からの図と同一である。
【図13】図13は、図9の容器ライナーと結合された容器本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、特定の好ましい実施の形態と関連付けて説明するが、本発明をそれらの実施の形態に限定する意図はない。むしろ、特許請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲に含まれる代替物、変形例および均等物全てを包括することを意図している。
【0014】
図1を参照すると、容器10が示されている。容器10は、一般的に、噛みたばこ、または他の消費者用小売商品を収容するために用いられる。その際、容器10は、消費者が容器を掌で楽に保持できて、容器をシャツのポケットやジーパンの後ポケットに収納できる全体寸法を有する。一般的に、これらのたばこ容器の機能を引き立てる大きさは、直径が約2〜3インチ(50.4mm〜76.2mm)で軸方向の厚さが約3/4〜1・1/4インチ(19.1mm〜31.8mm)であり、もっとも典型的には、直径がほぼ2・1/2インチ(63.5mm)で軸方向の厚さがほぼ1インチ(25.4mm)である。
【0015】
容器10は、例えば、色、画像や模様、ラベル、エンボス加工等のような容器の見栄えをより良くする特徴を含んでもよい。容器10は、また、例えば、包装中に帯状の粘着ラベルによってしっかりと固定してもよい。ラベルが破られた後、容器10を繰り返し開閉して、消費者が欲するたびごとに欲しいだけの量の容器10に保管された中身を取り出せるようにすることができる。
【0016】
図2に示すように、容器10は、略円筒状容器本体12(別称カップまたはベース)、蓋14(別称カバー)、およびライナー15の形態の挿入物で構成される3つの構成要素を含む。容器本体12、蓋14、およびライナー15は、金属、プラスチック、ボール紙等の様々な異なった材料から、またはそれらの組合せによって適切に形成される。好ましい実施の形態では、容器本体12と蓋14は金属で形成される一方、ライナー15はプラスチックで形成される。より好ましくは、ライナー15が自立支持するように、ライナー15はポリプロピレンのような十分な剛性を有するプラスチックから形成される。
【0017】
図4を参照すると、例示の実施の形態では、蓋14は比較的薄い金属片(例えば、シートメタル)から形成される。図示のように、蓋14は、円形蓋上部16と円形蓋上部16から延びる円筒状の側壁20の形態の裾部とを含む。裾部と蓋上部16との接合部は、ライナー15の先端の上端19を受容する上部環状陥凹部を提供することができる肩部18を形成する。例示の実施の形態では、蓋14は、蓋上部16と肩部18と側壁20とで形成される単一体である。蓋上部16と側壁20は、ライナー15の上部を受容する蓋14のキャビティ22を概ね画成する。図4に示すように、蓋14がライナー15の上部に配置され、すなわち被せられる時、容器10内に密閉された保管キャビティ24が画成される。保管キャビティ24には、消費者によって取り出されるまで製品が保管される。
【0018】
一実施の形態では、ライナー15の上端19は蓋14の内面25と係合し、その間にシールを提供して容器10内に保管される製品の鮮度の維持に役立つ。好ましい実施の形態では、蓋14の内面は、金色のフェノール樹脂仕上げでコーティングされる。そうであっても、他の実施の形態では、他の種類のコーティングまたは仕上げをこれらの内側面に塗付および形成してもよい。
【0019】
図3に示すように、蓋上部16は、中心点26から約1インチ(25.4mm)から約1.5インチ(38.1mm)の範囲に亘り概ね半径方向外側に拡がる。したがって、蓋14は、約2インチ(50.8mm)から約3インチ(76.2mm)の範囲の直径27を有する。例示の実施の形態では、蓋14の直径27は約2.5インチ(63.5mm)である。
【0020】
再び図4を参照すると、蓋上部16は、互いに反対方向を向く内面25および外面28(すなわち、内側面と外側面)の双方を有する。蓋はシートメタルから形成されるので、内面25と外面28は互いに平行になる。図示されていないが、蓋上部16は、エンボス加工された文字、数字、画像等(集合的に「キャラクタ」)を含んでもよい。エンボス加工されたキャラクタは、容器本体12から上側に飛び出ても保管キャビティ24側に引っ込んでもよい。その際、エンボス加工されたキャラクタは、約0.015インチ(0.381mm)以内の高さまたは深さのいずれかを有する。
【0021】
側壁20は、蓋上部16の周囲に沿って蓋上部16から下側に概ね直角に延びる。
【0022】
更に図5を参照すると、側壁20はビード(bead)38および縁40の双方を含む。ビード38は、一般的に縁40と肩部18の間に配置される。ビード38は、蓋上部16の中心点26に向かって半径方向内側に突出する。例示の実施の形態は縁40およびビード38の双方を含むが、代替の実施の形態は必ずしもこれらの構造を含む必要はない。
【0023】
ビード38は、蓋14の側壁20の全周を連続的に辿る。すなわち、ビード38は蓋14の周りに延在するので、ビードは途切れることなく連続する。そうであっても、他の実施の形態では、ビード38は、側壁20が離散的な位置で肩部18から縁40の下端50のすぐ上までずっと平坦になるように、断続的に形成してもよい。かかる実施の形態では、容器10の外側から見た場合、薄い支えつまり側壁20の部分は内側に湾曲せずにその代わり平坦に見える。
【0024】
縁40は、大まかには、側壁の中間部54に隣接して内側に折り畳まれる側壁20の先端部52である。換言すれば、先端部52は蓋上部16に向かって内側に丸められて、側壁20の残りの部分の内面に接触またはほぼ接触している。例示の実施の形態では、先端部52と中間部54は互いに少し隔てて図示され、これら側壁の2つの部分間にはチャネル56が形成される。例示の実施の形態では、縁40は折り畳まれた金属片であるため、一般的には、縁を、ならしたり、研磨したり、バフ仕上げしたり、または他の機械仕上げを施すことにより終端切断エッジを取り除く必要はない。縁40は、丸められて滑らかな下端50を必然的に有することになる。上記のような他の仕上げに代わって、折り畳みにより蓋14の下端50において安全なエッジを形成することによって、蓋をより早くより簡単に、また経済的に製造することができる。
【0025】
蓋14の更なる特徴および態様は、2007年2月28日出願で、本願の譲渡人に譲渡される共同出願中の米国特許出願第11/680,333号、発明の名称「たばこ缶用蓋」に記載されており、その教義と開示内容を参照して本明細書に組み込む。
【0026】
図4,5を参照すると、例示の実施の形態では、容器本体12は比較的薄い金属片(例えば、シートメタル)から形成される。図示のように、容器本体12は、円形底58と円形底58から延びて実質的に円形底58を取り囲む環状の側壁60とを含む。例示の実施の形態では、容器本体12は、円形底58と環状の側壁60とで形成される単一体である。円形底58と側壁60は、ライナー15の底部を受容する容器本体12のキャビティ62を概ね画成する。
【0027】
容器本体12の円形底58は、側壁60から半径方向内側に配置される凹部64を含む。
【0028】
折返部(rolled over portion)66は側壁60の遠位端を形成する。折返部66は、円形底58の反対側の側壁60の先端部分から形成される。折返部66は、半径方向内側に丸められ、一般的には約0.025〜0.065インチ(0.635〜1.651mm)の範囲の、もっとも好ましくは約0.05インチ(1.27mm)の直径を有する。
【0029】
図4〜6を参照すると、ライナー15は、円形底68と円形底68から延びて円形底68の周囲を取り囲む環状の側壁70とを含む。側壁70は、上部72と下部74とその間の中間部76とを含む。上部72は、傾斜した中間部76によって下部74に対して半径方向外側にオフセットしていて、下部74の外面は上部72の半径方向外側面に対して半径方向内側に奥まって位置する。
【0030】
上部72は、蓋14によって、より詳細にはキャビティ22内に受容される。下部74は、容器本体12によって、より詳細にはキャビティ62内に受容される。
【0031】
上部72は、側壁70の周囲を巡る半径方向外側に突出するリブ78(別称ビード留め)を含む。一実施の形態では、リブ78は、上部72が離散的な位置で肩部18から中間部76まで上端部までずっと平坦になるように、断続的に形成される。したがって、リブ78は、隙間80を形成する角度をつけて隔てられた複数の部分(segments)を有する。これらの隙間80は、蓋14がライナー15に固定される際に、蓋14から空気を抜く補助をする。そうであっても、他の実施の形態では、リブ78は途切れなく連続していてもよい。
【0032】
下部74は、容器10の中心点26を周りに角度を隔てて延在する複数の突起82を含む。例示の実施の形態は、中心点26の周りを角度をつけて隔てられた3つのかかる突起82を含み、各突起間に隙間85を形成する。そうであっても、他の実施の形態では、複数の突起82は、側壁70の周りを巡る1つの連続した突起で置き換えてもよい。
【0033】
突起82は、15度から45度の範囲の、好ましくは約30度の角度βを成す底面84を含む。突起は、円形底68から軸方向に隔たる方向を向いている係止面86をも含む。係止面86は、容器本体12の折返部66と軸方向に係合し、容器本体12をライナー15に固定する。係止面86は、側壁70とほぼ直角でほぼ平面状であることが好ましい。係止面86は、一般的に側壁70の下部74の外面から約0.01〜0.04インチ(0.254〜1.016mm)突出し、下部74の外面から約0.02〜0.03インチ(0.508〜0.762mm)突出するのが好ましい。
【0034】
更に、下部74は、容器本体12を側壁70の外面から隔てるのを補助する1つ以上の軸方向に延在するリブ88をオプションとして含むことにより、ライナー15を容器本体12のキャビティ62内に挿入する際に空気を抜く排気口を提供することができる。
【0035】
図6と図13を参照すると、ライナー15の内面は、側壁70の上部72および中間部76から半径方向内側に突出する重ね合わせ防止用突起89を更に含む。重ね合わせ防止用突起89は、半径方向内側に突出して、保管または輸送中に2つ以上のライナーが一方の上に置かれる場合に2つのライナーが重なり合うのを防止する。
【0036】
ライナー15は、容器本体12を蓋14に直接接触させる必要なしに、容器本体12を蓋14に固定する。
【0037】
折返部66と複数の突起82によって、容器本体12をライナー15の下部74に固定するための第1の協働係止配置がもたらされる。折返部66は、複数の突起82の係止面86と軸方向に係合してライナー15の容器本体12からの軸方向への離脱を防ぎ、または妨害する。
【0038】
同様に、ビード38とリブ78によって、蓋14をライナー15の上部72に固定するための第2の協働係止配置がもたらされる。ビード38は、リブ78と軸方向に係合して蓋14のライナー15からの軸方向への離脱を防ぎ、または妨害する。
【0039】
ビード38とリブ78との係合は、蓋14がライナー15との間で固定および開放が繰り返しできるように、蓋14のライナー15への開放可能な固定を提供することが好ましい。これにより、消費者は、必要な時に容器10を開けて製品をそこから取り出し、製品へのアクセスが終了したときに容器10を閉じて中身を内部に保管することができる。
【0040】
更に、蓋14とライナー15との固定は、容器本体12とライナー15との固定よりも低い軸負荷によって解除することができる。したがって、消費者が容器10の容器本体12を保持している状態で、消費者は、容器本体12がライナー15から離脱することなく、蓋14を軸方向に引っ張って蓋14を外すことができる。
【0041】
側壁70の上部72は、いくつかの部分を含む。傾斜部分90は、上端19とリブ78の間で軸方向に延在する。傾斜部分90は、外面91を有し、外面91は、約5度から15度の範囲の、好ましくは約7から8度の角度αで内面92に対して傾斜している。内面92は、蓋上部16と円形底68との間で直角に進む中心線と略平行であることが好ましい。傾斜部分90の傾斜形状は、蓋14をライナー15に取り付け易くする。しかし、他の実施の形態では、傾斜部分は必ずしも含まれる必要はない。
【0042】
延長部分94は、側壁70の中間部76の端とリブ78の下部との間で軸方向に延在する。延長部分94は、一実施の形態では一定の厚さを有する。代替の実施の形態では、延長部分94と傾斜部分90は、その部分を別々の部分に分けるリブ78を単に含む側壁70の1つの連続して傾斜する部分に過ぎない。
【0043】
中間部76が含まれていることにより、上部72は下部74から半径方向にオフセットされる。中間部76と突起82は、両者の軸方向の間に、蓋14がライナー15に取り付けられる際に折返部66を受容する逃げ領域95を画成する。
【0044】
容器本体12とライナー15とは、軸方向のずれが両者間で生じないように制限して係合することが好ましい。詳細には、容器10を完全に組み立てた際に、ライナー15は、容器本体12に対して軸方向に動き得ないことが好ましい。
【0045】
図7,8を参照すると、一実施の形態では、ライナー15は、円形底68の外面97から軸方向に延びる圧縮へり96を含む。圧縮へり96は空間93(別称キャビティ)を形成し、空間93内には容器本体12の円形底58の凹部64が軸方向に拡がる。
【0046】
例示の実施の形態の圧縮へり96は、環状ハブを形成する複数の部分から成る。一方で、圧縮へりの隣接する部分の間の隙間は、ライナー15と容器本体12が合体される際に空気を逃がす空気抜きを提供する。しかし、他の実施の形態では、圧縮へりは、1つの連続した切れ目のない部分で形成することもできる。更に、圧縮へりは必ずしも円形状である必要はなく、単に軸方向に延びて容器本体12の底壁58に接する複数の尖端または突起であってもよい。
【0047】
図示のように、圧縮へり96は、約0.04インチ(1.016mm)から約0.1インチ(2.54mm)の範囲の距離D1に亘り円形底68の外面97から軸方向に延びるが、他の長さであってもよい。更に、圧縮へり96は円形底68から延びるにつれて、幅の広い基部98から幅の狭い先端99に向かって先細になることが好ましい。先細形状は、圧縮へり96のより着実な撓みをもたらし、圧縮へりが撓むほど圧縮へり96の剛性が増す。
【0048】
容器本体12がライナー15に結合されるとき、圧縮へり96は円形底58の内面に対して付勢され、少なくとも弾性的に変形することが好ましい。圧縮へり96を弾性的に変形させることにより、突起82の係合面86は容器本体12の折返部66へ付勢される。一実施の形態では、圧縮へり96によって与えられる付勢量、および折返部66とライナー15の側壁70との係合の強さは、容器本体12に対するライナー15の回転を防止するのには十分である。「回転を防止する」の意味するところは、ユーザによる容器本体12に対するライナー15の全く単純な回転以上のもの、例えば2インチ・ポンド(0.226Nm)以上のトルクが、2つの構成要素間の相対回転を起こさせるのに必要であるということである。
【0049】
図7を参照すると、組立前の状態において、突起82の係合面86と圧縮へり96の遠位端との軸方向の距離D2は、折返部66の円形底68に軸方向で最も近い部分と圧縮へり96が付勢される底壁68の部分との軸方向の距離D3よりも大きい。
【0050】
本明細書に引用した、刊行物、特許出願、特許を含むすべての引用文献は、各引用文献が引用によってあたかも個別かつ具体的に組み入れられるべく指定され、その全体がここに述べられているかのごとくに、引用によって同じ内容でここに組み入れる。
【0051】
本発明の説明の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限定しない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されるかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中の如何なる言い回しも、本発明の実施に不可欠である、特許請求の範囲に記載されていない要素を示すものとは解釈されないものとする。
【0052】
本明細書中では、発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読んだ上で、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者がこのような変形を適宜用いるであろうことを予期し、本発明が本明細書中で具体的に説明される以外の方法で実施されることを意図している。したがって本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の主題の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての考えられる変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋と;
容器本体と;
前記蓋を前記容器本体に開放可能に結合するライナーとを備え;
前記蓋と前記容器本体の各々は、前記ライナーを受容するとともに前記ライナーに結合する;
たばこ容器。
【請求項2】
前記ライナーは、前記蓋および前記容器本体に無関係にその形状を維持しようとする自立支持構造である;
請求項1のたばこ容器。
【請求項3】
前記ライナーは、カップ状であるとともに、第1底壁と、第1キャビティを形成する前記第1底壁の第1の面から延びる環状の第1側壁とを含み;
前記容器本体は、カップ状であるとともに、第2底壁と、第2キャビティを形成する前記第2底壁から延びる環状の第2側壁とを含み;
前記第2キャビティは、前記ライナーの、前記第1底壁と前記第1側壁の下部とを受容し;
前記蓋は、カップ状であるとともに、上壁と、第3キャビティを形成する前記上壁から延びる環状の第3側壁とを含み;
前記第3キャビティは、前記ライナーの前記第1側壁の上部を受容する;
請求項1のたばこ容器。
【請求項4】
前記第1および第2側壁は、前記容器本体を前記ライナーに結合するための第1の協働係止配置を有し;
前記第1および第3側壁は、前記蓋を前記ライナーに開放可能に結合するための第2の協働係止配置を有する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項5】
前記第1の面の反対側の、前記第1底壁の第2の面から延びる圧縮へりを更に含み;
前記圧縮へりは、前記ライナーが前記容器本体に結合される際に、前記第2底壁に対して軸方向に付勢されて変形する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項6】
前記圧縮へりは、略環状であり、角度をつけて隔てられた複数のへり部分によって形成される;
請求項5のたばこ容器。
【請求項7】
前記第2底壁は、前記第2側壁から半径方向内側に凹領域を含み;
前記圧縮へりは、略環状であるとともに空間を画成し;
前記凹領域は、前記空間内に拡がる;
請求項5のたばこ容器。
【請求項8】
前記上部の半径方向の外面は、前記下部の半径方向の外面を越えて半径方向外側に延在する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項9】
前記蓋が前記ライナーに固定されるとき、前記蓋は、前記容器本体から軸方向に離間されて、前記蓋と前記容器本体との間に隙間を形成する;
請求項1のたばこ容器。
【請求項10】
前記第1側壁の遠位端は、前記蓋が前記ライナーに固定されるとき、前記上壁の内面に接触する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項11】
前記ライナーはプラスチック材料で形成され、前記蓋および前記容器本体は金属で形成される;
請求項4のたばこ容器。
【請求項12】
前記第1の協働係止配置は、前記第1側壁の下側部の外面上に形成される少なくとも1つの半径方向外側に突出する突起と、前記第2側壁の半径方向内側に折り畳まれる端部とを含み;
前記第2の協働係止配置は、前記第3側壁内に形成される半径方向内側に突出するビードと、半径方向外側に突出する前記第1側壁の前記上部の外面の突起とを含む;
請求項11のたばこ容器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの半径方向外側に突出する突起は、角度をつけて隔てられた複数の半径方向外側に突出する突起を含み、該突起間に角度を成す隙間が形成される;
請求項12のたばこ容器。
【請求項14】
前記第1側壁の前記下部の外面から半径方向外側に突出する少なくとも1つのリブを更に含み;
前記リブは前記第1側壁の少なくとも一部を前記第2側壁の相応する部分から隔てる;
請求項3のたばこ容器。
【請求項15】
前記蓋が前記ライナーに結合されて前記容器が静止状態にあるとき、前記蓋は前記容器本体に接触しない;
請求項1のたばこ容器。
【請求項16】
前記蓋が前記ライナーに結合されるとき、前記遠位端と前記上壁の前記内面とはシールを形成する;
請求項10のたばこ容器。
【請求項17】
前記ライナーと前記容器本体との結合は、軸方向において前記ライナーと前記蓋との結合よりも強く、前記容器本体を把持しながら前記蓋を前記ライナーから軸方向に取り外しても前記容器本体は前記ライナーから分離しない;
請求項1のたばこ容器。
【請求項18】
前記第2の協働係止配置は、前記蓋と前記ライナーとの間にスナップフィット係合をもたらす;
請求項12のたばこ容器。
【請求項19】
閉端壁と該閉端壁から延びる環状の側壁とを含むライナー本体を備えるたばこ容器用のライナーであって;
容器蓋を前記ライナーに結合するための手段と;
容器底を前記ライナーに結合するための手段とを備え;
前記容器蓋を前記ライナーに結合するための手段は、前記容器底をライナーに結合するための手段とは独立している;
たばこ容器用のライナー。
【請求項20】
前記容器蓋を前記ライナーに結合するための手段は、前記側壁の上部から外側に突出する少なくとも1つの第1リブであり;
前記容器底を前記ライナーに結合するための手段は、前記側壁の下部から外側に突出する少なくとも1つの第2リブであり;
前記少なくとも1つの第2リブは、前記閉端壁および前記少なくとも1つの第1リブから軸方向に離間されるとともに両者の軸方向の間に配置される;
請求項19のたばこ容器用のライナー。
【請求項1】
蓋と;
容器本体と;
前記蓋を前記容器本体に開放可能に結合するライナーとを備え;
前記蓋と前記容器本体の各々は、前記ライナーを受容するとともに前記ライナーに結合する;
たばこ容器。
【請求項2】
前記ライナーは、前記蓋および前記容器本体に無関係にその形状を維持しようとする自立支持構造である;
請求項1のたばこ容器。
【請求項3】
前記ライナーは、カップ状であるとともに、第1底壁と、第1キャビティを形成する前記第1底壁の第1の面から延びる環状の第1側壁とを含み;
前記容器本体は、カップ状であるとともに、第2底壁と、第2キャビティを形成する前記第2底壁から延びる環状の第2側壁とを含み;
前記第2キャビティは、前記ライナーの、前記第1底壁と前記第1側壁の下部とを受容し;
前記蓋は、カップ状であるとともに、上壁と、第3キャビティを形成する前記上壁から延びる環状の第3側壁とを含み;
前記第3キャビティは、前記ライナーの前記第1側壁の上部を受容する;
請求項1のたばこ容器。
【請求項4】
前記第1および第2側壁は、前記容器本体を前記ライナーに結合するための第1の協働係止配置を有し;
前記第1および第3側壁は、前記蓋を前記ライナーに開放可能に結合するための第2の協働係止配置を有する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項5】
前記第1の面の反対側の、前記第1底壁の第2の面から延びる圧縮へりを更に含み;
前記圧縮へりは、前記ライナーが前記容器本体に結合される際に、前記第2底壁に対して軸方向に付勢されて変形する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項6】
前記圧縮へりは、略環状であり、角度をつけて隔てられた複数のへり部分によって形成される;
請求項5のたばこ容器。
【請求項7】
前記第2底壁は、前記第2側壁から半径方向内側に凹領域を含み;
前記圧縮へりは、略環状であるとともに空間を画成し;
前記凹領域は、前記空間内に拡がる;
請求項5のたばこ容器。
【請求項8】
前記上部の半径方向の外面は、前記下部の半径方向の外面を越えて半径方向外側に延在する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項9】
前記蓋が前記ライナーに固定されるとき、前記蓋は、前記容器本体から軸方向に離間されて、前記蓋と前記容器本体との間に隙間を形成する;
請求項1のたばこ容器。
【請求項10】
前記第1側壁の遠位端は、前記蓋が前記ライナーに固定されるとき、前記上壁の内面に接触する;
請求項3のたばこ容器。
【請求項11】
前記ライナーはプラスチック材料で形成され、前記蓋および前記容器本体は金属で形成される;
請求項4のたばこ容器。
【請求項12】
前記第1の協働係止配置は、前記第1側壁の下側部の外面上に形成される少なくとも1つの半径方向外側に突出する突起と、前記第2側壁の半径方向内側に折り畳まれる端部とを含み;
前記第2の協働係止配置は、前記第3側壁内に形成される半径方向内側に突出するビードと、半径方向外側に突出する前記第1側壁の前記上部の外面の突起とを含む;
請求項11のたばこ容器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの半径方向外側に突出する突起は、角度をつけて隔てられた複数の半径方向外側に突出する突起を含み、該突起間に角度を成す隙間が形成される;
請求項12のたばこ容器。
【請求項14】
前記第1側壁の前記下部の外面から半径方向外側に突出する少なくとも1つのリブを更に含み;
前記リブは前記第1側壁の少なくとも一部を前記第2側壁の相応する部分から隔てる;
請求項3のたばこ容器。
【請求項15】
前記蓋が前記ライナーに結合されて前記容器が静止状態にあるとき、前記蓋は前記容器本体に接触しない;
請求項1のたばこ容器。
【請求項16】
前記蓋が前記ライナーに結合されるとき、前記遠位端と前記上壁の前記内面とはシールを形成する;
請求項10のたばこ容器。
【請求項17】
前記ライナーと前記容器本体との結合は、軸方向において前記ライナーと前記蓋との結合よりも強く、前記容器本体を把持しながら前記蓋を前記ライナーから軸方向に取り外しても前記容器本体は前記ライナーから分離しない;
請求項1のたばこ容器。
【請求項18】
前記第2の協働係止配置は、前記蓋と前記ライナーとの間にスナップフィット係合をもたらす;
請求項12のたばこ容器。
【請求項19】
閉端壁と該閉端壁から延びる環状の側壁とを含むライナー本体を備えるたばこ容器用のライナーであって;
容器蓋を前記ライナーに結合するための手段と;
容器底を前記ライナーに結合するための手段とを備え;
前記容器蓋を前記ライナーに結合するための手段は、前記容器底をライナーに結合するための手段とは独立している;
たばこ容器用のライナー。
【請求項20】
前記容器蓋を前記ライナーに結合するための手段は、前記側壁の上部から外側に突出する少なくとも1つの第1リブであり;
前記容器底を前記ライナーに結合するための手段は、前記側壁の下部から外側に突出する少なくとも1つの第2リブであり;
前記少なくとも1つの第2リブは、前記閉端壁および前記少なくとも1つの第1リブから軸方向に離間されるとともに両者の軸方向の間に配置される;
請求項19のたばこ容器用のライナー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−527271(P2011−527271A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517437(P2011−517437)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044153
【国際公開番号】WO2010/005628
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(509006901)ジェイ.エル.クラーク、インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】J.L.Clark,Inc.
【住所又は居所原語表記】923 23rd Avenue,Rockford,Illinois 61104,United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044153
【国際公開番号】WO2010/005628
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(509006901)ジェイ.エル.クラーク、インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】J.L.Clark,Inc.
【住所又は居所原語表記】923 23rd Avenue,Rockford,Illinois 61104,United States of America
【Fターム(参考)】
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