説明

挿管チューブ

本発明は、医療手術用の手術補助手段であって、挿管を実現する外管部を備えた管体が設けられており、外管部は、換気を実現する内管部を維持すると共に、手術機能を実施するための手術機能補助手段を備えているものに関する。手術機能手段は、医療手術中の管体位置調整のための位置調整手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の医療手術用の手術補助手段に関する。
【0002】
患者の酸素供給を脅かすか、または酸素供給に少なくとも不都合な影響を与える多くの医療手術が存在する。したがってこのような場合では、患者が麻酔によってもはや自分では呼吸できないので、多くの場合に生じる別の状況が手術によって与えられ、ここでは検査目的または処置目的で、機器のシャフトを、気管を通して体内に肺に向かって導入する必要がある。このような手術の最大許容時間は、患者に持続的に酸素を供給する要求によって、厳格に制限されている。
【0003】
多くの状況下で呼吸を確保するために患者に挿管することが公知であり、また一般的である。挿管時に気管内チューブは挿管によって導入されるが、これは咽喉を通して行われるが、場合によっては鼻腔を通して行うこともできる。
【0004】
しかしながら挿管自体は問題である。十分に短時間で気管内チューブが十分な程度に深く挿入されるよう保証する必要があり、このことは、成人では、声帯を通してチューブを送り込んで行われる。経験を積んだ医者は通常問題なく行うことができるが、たとえば解剖学上の特異性に基づいて、または緊急時に、鼻および/または咽喉のスペースが、閉塞、損傷などにあるので、アプローチ不能であるか、またはアプローチ阻害されていると、面倒である。
【0005】
この場合、特にチューブの迅速かつ正確な位置決めが問題である。このために既に補助手段、たとえば喉頭鏡(ラリンゴスコープ)が公知であり、また別の補助手段、たとえば気管内チューブの内管部に導入可能な内視鏡も公知であり、内視鏡は、気管内チューブをセットしたあとで、呼吸を実現するために取り外す必要がある。
【0006】
気管内カメラを提供することも既に公知である。米国特許第2005/0177024号明細書において、カメラおよび高周波発信器が提案されており、カメラおよび高周波発信器は、気管内チューブに連結されており、これによって気管内チューブの近位端部における組織の画像が実時間で得られる。カメラによって記録された画像は、近くに位置する割安の高周波受信器に伝達され、ビデオモニタに送られ、画像が表示される。ワイヤレスの伝達システムの使用によって、場合によっては引っ掛かって、気管内チューブが不意に患者から引き抜かれるか、または患者内で位置変化される恐れのあるワイヤおよびリッツ線が省略されることになる。しかしながら公知の構成でも、位置決めが問題である。
【0007】
ここでは、複雑性から患者の呼吸に際して生じる大きなリスクに関して、気管内チューブの位置決めの改善を実現するよう望まれている。
【0008】
純粋な呼吸実現以外に別の要求を満たす必要のある場合に、患者にとって別の問題が生じる。別の要求は、たとえば液体が手術中十分な程度迅速に吸い出されるよう確保するために、怪我をした患者の場合に気道を規則的にコントロールすること、気道から異物を除去すること、昏睡状態の患者、もしくはたとえば意図的に昏睡状態にした患者の場合にたとえば集中治療室で長時間監視することである。したがって最小侵襲手術では、手術時間が最大許容呼吸制限時間によって決定されるという問題が存在する。
【0009】
上述した問題の少なくとも幾つかは、少なくとも部分的にある程度軽減されるよう所望される。最小侵襲手術用の装置は、既に公知である。挿管もしくは内視鏡に関連する権利保護範囲として、特にドイツ連邦共和国特許出願公開第19518148号明細書、ドイツ連邦共和国、ヨーロッパ特許明細書の翻訳文第69023930号、米国特許第5803080号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102004026619号明細書、ドイツ連邦共和国、ヨーロッパ特許明細書の翻訳文第69830051号、欧州特許公開第1777809号明細書、米国特許第2005/0177024号明細書を挙げておく。しかしながら前掲文献に記載された機器は、実際には不十分である。
【0010】
本発明の課題は、産業上の利用に関して新製品を提供することである。
【0011】
この課題は、独立求項に記載した構成によって解決される。
【0012】
有利な形態は、従属請求項から解される。
【0013】
したがって本発明の第1の基本思想では、医療手術用の手術補助手段であって、挿管を実現する外管部を備えた管体が設けられており、外管部は、換気を実現する内管部を維持すると共に、手術機能を実施するための手術機能補助手段を備えているものにおいて、手術機能手段が、医療手術中の管体位置調整のための位置調整手段を備えている。
【0014】
本発明によって、気管内チューブの特に簡単な位置決めが最初に提案されており、経験を積んだ医師でも、気管内チューブ位置決めが困難であるか、または妨害されるような問題である場合でも、チューブの、確実かつ迅速な位置決めが実現され、しかも患者にとって傷の残る恐れがない。チューブの位置決めは、簡単に、管体が挿管過程中に近位の管体端部を位置調整するための位置調整手段を備えていることにより得られる。
【0015】
公知であるが、記載した壁組込によって、このような位置調整手段もしくは操作手段は、気管内チューブにも設けることができ、このために、背景技術において慣用されているように、操作可能な内視鏡は、位置決めしようとするか、または位置調整しようとする気管内チューブに導入する必要はなく、この場合内視鏡運動によって、気管内チューブの管体も連動される。ここで確認されるが、気管内チューブの壁は、その機能に影響を与えることなく、薄くすることができ、それも一方では換気を実現する内管部が全長にわたって維持され、他方では残存する壁厚が、既に典型的な解剖学に関して全体サイズで制限されているが、依然として内管部内で、かつ/または内管部に沿って位置調整手段もしくは操作手段を設けるのに十分であるように薄くすることができる。引張手段または操作手段を埋め込む際に、近位の管端部または管端部の傍に作用する力が、遠位で、つまり、患者の外側から伝達される箇所もしくはこの箇所の近くでも、たとえば挿管または検査もしくは手術を行う医師または医療関係者によって、壁は十分に安定していると認められる。とりわけ明確であるが、位置決めを始めたあとで、既に側方の体部分、つまり気管または気管などによって安定性が所与されており、側方の体部分によって、挿管もしくは医療手術中の管体の折り曲げは確実に防止される。さらにまた、外管部自体が手術機能補助手段を備えていることによって、背景技術において危惧された、ワイヤによる引込の際の複雑な位置変化は生じない。
【0016】
有利な形態では、手術補助手段は、気管支洗浄、気管支鏡検査、バイオプシ、麻酔、集中治療、挿管、吸出、耳鼻咽喉分野の外科、胸部外科および/または特に放射性元素を挿入するための放射線療法または後充填法の群から成る少なくとも1つの医療手術のため、かつ/または前述の任意の1つの手術のトレーニングのために設計されている。もちろんトレーニングのための手術補助手段の構成により、たとえば消毒、滅菌処理などを省略することができ、場合によってはトレーニング成果の純粋な検査目的のための追加的なセンサを設けることができ、このことは、場合によっては要求される内管部を低減しつつ行うこともできる。さらにたとえば気管支洗浄に関して洗浄手段が設けられ、つまり外管部または体内が、洗浄のためのチューブで補足されるか、もしくは液体の供給と排出とのために別個のチューブが使用される場合、2つのチューブ管路が設けられている。
【0017】
気管支鏡検査の目的で、観察手段は、内管部を通って導入可能であり、これによって、内管部の、観察手段、たとえば内視鏡を用いても依然として換気を実現するサイズの寸法設定が要求される。
【0018】
選択的に有利には、体内から画像を伝達するための伝達手段が設けられており、伝達手段は、管体の壁または場合によっては内壁もしくは中間壁と固く結合されている。画像を伝達するためのこのような伝達手段は、純粋な気管支鏡検査に際して極めて有意義であるだけでなく、困難な状況で挿管する際に麻酔科医にとっても有意義であり、また集中治療に際しても患者の状態の監視を容易にする。したがってこのことは、内出血が危惧される場合、または肺で手術を行うわけではないが、患者が手術台上で動く必要のある場合に有利であり、これによって既に挿管されたチューブの変位を危惧する必要はない。そのような場合、気管内チューブの移動によって、同時に観察しつつ、チューブ位置調整の新たな最適化がもたらされる。
【0019】
手術補助手段は、公知の手術、たとえば挿管または気管支鏡検査を容易にするだけでなく、特に最小侵襲性の処置を利用して、手術の新たな形態をも許容する。この場合操作性によって、有利には観察しながら、簡単に、気管支まで、つまり比較的大きく分岐する区域気管支まで深く送り込むことができ、しかもこのために手術医が位置を観察することのできる真っ直ぐ異な視界が要求されることはなく、また位置決めを観察するために背景技術のように換気に不都合な影響が及ぼされることもない。
【0020】
最小侵襲手術のための設計は、換気を停止するか、または妨害することなく、最小侵襲性の外科手術手段、たとえば鉗子、ピンセット、外科用メスなどの使用を実現する、内管部の寸法設定を要求する他に、適切な長さの手術補助手段の設計を要求するので、チューブは、所望箇所まで送込可能である。
【0021】
所望されているが、カフが設けられていて、成人に挿管する場合に一般的であるが、カフによってチューブが咽頭の近くでシールされる場合、カフは、区域気管支において手術するために設計された手術補助手段では、適切に遠位端部近くに配置される。換言すると、とりわけ手術補助手段は、できれば(必然的ではないが)、カフが近位端部から遠位端部に向かって移動されることによって、体内深く行われる手術のために設計される。様々な手術のために、様々なカフ位置を有する手術補助手段が要求される、ということが考えられる。
【0022】
さらに有利には、手術補助手段が深く送り込まれる場合、カフの下方に開口が設けられ、これによって換気が、手術補助手段の近位端部における内管部開口から空気もしくは酸素、麻酔ガスなどが通流可能であるあらゆる肺部分で行われるだけでなく、副開口を介して肺への完全な供給も実現される。ここで述べておくと、外科手術補助手段の挿入を実現するための内管部の拡張、カフ移動ならびに副開口の形成のような、列挙した個々の構成は、単独でも既に最小侵襲手術の軽減および/または実現を伴うが、最小侵襲手術のための設計は、決して、必ずしもこのような構成の存在を伴うものではない。
【0023】
さらに言及しておくと、チューブの到達しない肺部分を換気するための副開口が形成される場合でも、依然として壁厚さに不都合が生じ、手術補助手段の安定性および/または挿管が損なわれることはない。むしろ換気孔の形成によって高められた、チューブの柔軟性によって、位置決めは容易に行うことができ、このことは、最小侵襲手術に際して体内深く位置する呼吸器官、たとえば区域気管支への、要求される比較的深い挿入に関して有利である。
【0024】
もちろん外側に位置するカフを設けることは、あらゆる場合に有利であり、カフは、近位端部と遠位端部との間で管体の外側に設けられている。
【0025】
場合によっては設けられるカフは、本発明に基づいて、それ自体公知であるが、管体と固く結合され、かつ/または管体内に、もしくは管体の表面に組み込まれた圧力管路を介してポンピング可能である。ポンピングは、あとで詳説するが、電子制御装置を介して制御することもでき、電子制御装置上に、有利には体内からの画像が表示され、かつ/または電子制御装置によって、位置決めしようとするチューブの操作が簡単化されるか、もしくは実現される。ここで言及しておくと、原則として、カフ自体の傍または外管部の任意の部分で画像を検出して、体外に送ることができ、これによって監視および観察を改善することができ、通常の場合、カフにおいて、麻酔科医または外科医または別の医療関係者にとって簡単に外側から視界を実現しており、さらに適切なカフ位置およびカフ負圧形成のコントロールに関する別の手段、たとえば音響学的なコントロールが存在する。
【0026】
さらに言及しておくと、本発明による気管内チューブに関して有利には、カフは、声帯の下方に、つまり気管に位置する。ここで念のために述べておくと、本発明でも、カフが声帯面上に位置することによって場合によっては敏感な声帯を損傷することはない。
【0027】
これに関して付記しておくと、特に縦長の低圧カフを設けることもでき、このことは、手術長さが手術の経過によって変化し、かつ/または手術の開始時では完全には明確でないので、カフの長さを手術開始時に完全には設定できない場合に有利である。さらに付記しておくと、複数のカフを組み合わせることもでき、かつ/または胸部外科の場合のように、2つのカフを備えた2倍内管部チューブ(Doppellumentubi)が使用可能である。
【0028】
喉頭鏡によって視認する従来慣用の挿管では、チューブは、典型的には、カフが確実に声帯の後方に位置するまで押し込まれ、これによって視界から消えるのに対して、本発明では、光ファイバ挿管による有利な形態では、正確なチューブ位置は、有利には、チューブ端部が気管分岐部、つまり気管の、左右の主気管支への最初の分岐部の上方で位置決めされることによって、検証することができる。声帯面を通るカフ通過が喉頭鏡により観察できない場合、喉頭鏡による視野は本発明に従って操作される光ファイバ挿管によって代用されるので、正確なカフ位置、つまり声帯の下方におけるカフの位置決めは、本発明による機器の外側における距離マークによって、たとえばセンチメートルまたは2倍センチメートル距離で達成される。したがって本発明による機器であるフィーブス(Fibus)の深さが歯列から特定され、カフは、確実に声帯の下方に位置するように保証される。
【0029】
どの程度深く手術用の手術補助手段が挿入されているか、かつ/または手術中挿入深さが変化するか明確でない場合、カフは、少なくとも個々の固定の挿入位置をシールするために必要な長さよりも長く形成されていて、かつ/または区域(セグメント)ごとにポンピング可能である。上述したように、特に有利には、手術補助手段は、体内から画像を伝達するための伝達手段を有しており、伝達手段は、換気を実現する内管部を維持しつつ壁と固く結合されている。
【0030】
画像を伝達するためのこの伝達手段は、照明手段を有している。なぜならば体内からの画像の伝達が照明の下でしか実現されないという理由による。体内の少なくとも1箇所を照明するための光伝導ファイバを設ける可能性も言及している。有利には複数の光伝導ファイバを管体の内側もしくは表面に配置することができ、これによって個々のファイバの光出射部分が塞がれる場合(体内における粘液または血液によって起こり得る)でも、依然として常に十分な照明が保証される。伝達手段は、さらに典型的には、少なくとも1本の画像伝達ファイバ、たとえばグラスファイバまたはプラスチックファイバを備えている。伝達手段は、簡単に、外管部に組込可能である。光伝導グラスファイバのために必要な、周辺媒体に対する屈折率の差に関して、従来慣用のそれ自体公知の技術を、グラスファイバを外管部に取り付けるために適用することができる。画像伝達ファイバに対して選択的かつ/または追加的に、センサ信号ラインを設けてもよく、これによってアナログまたはデジタルのセンサ信号は、特に画像形成システムのために、体内から外側へ伝達される。そのようなセンサは、感光性素子のフィールドとして形成するか、または超音波センサとして形成することができ、ここで述べておくと、この場合各センサにとって必要で、センサによって得られる分解能は、その都度の手術目的およびその都度の要求に適合される。
【0031】
特に有利な形態では、複数の画像入射開口もしくは検出開口が近位の管端部に分配されている。感光素子の複数のフィールドまたは相互距離を有する画像伝達グラスファイバである画像入射開口の分配は、有利であり、一方では、複数の画像伝達部材(センサ、グラスファイバなど)を介して視界が損なわれない場合には、手術補助手段の使用者および/または手術に関与する別の関係者に、立体画像を提供することができる。理解を深めるために述べておくと、モニタによる表示は、純粋に光学的に適切なレンズ、プリズムなど、もしくは小型モニタを有する立体眼鏡によって行うことができる。手術に際して起こり得るが、近位の画像入射開口もしくは検出開口が部分的に閉塞されると、場合によっては立体鏡検査による観察を放棄すると同時に、追加的に内側から画像が伝達されるので、手術はもはや中断する必要がない。というのも粘液などが画像入射開口の手前に位置するからである。このことは特に有利である。なぜならばチューブ交換が中間時間の呼吸中断をもたらすからである。したがって画像入射開口は、有利な形態では、立体鏡検査目的および/または冗長性のために設けられる。ここで述べておくと、たとえば複数のグラスファイバは、純粋な光学式の観察のために設けることができ、これに対して第3の画像通路にモニタが接続可能であり、これによってたとえば大学病院において、学生を養成するために、医療手術を比較的大きなモニタ上で説明することができる。
【0032】
有利な形態では、画像伝達手段が設けられている場合、曇り防止手段および/または付着防止手段は、画像入射開口の傍に、もしくは画像伝達手段がそれらを有している場合、センサに設けられている。このことは、コーティングなどによって実現することができ、たとえば固体適合性でフッ素化されたプラスチック化合物によって形成されている。このような手段は有利であり、というのも血液、粘液などによって、適切な画像伝達手段の入射開口もしくは出射開口が覆われる恐れがあるだけでなく、既に呼吸空気の湿気によって曇りが生じる恐れがあるからであり、このことは、チューブが、挿管中に、既にチューブを包囲する体内よりも低温である場合、かつ/またはチューブが比較的低温の呼吸ガスによって持続的に周辺よりも僅かに低温で維持される場合に極めて不都合である。
【0033】
曇り防止手段および/または付着防止手段に対して選択的かつ/または追加的に、光学系を清潔に維持するため、たとえば持続的または間欠的な、画像入射開口を洗浄するための適切なガスの注入によって光学系を清潔に維持するための別の手段を設けてもよい。言及しておくと、このために追加的な通路を気管内チューブ管壁に設けてもよく、かつ/または画像伝達部材を、空気または別の流体で洗浄可能に移動させてもよい。
【0034】
特に有利な形態では、管体は、換気を実現するために、長手方向側で開いている。もちろん換気は、近位の肉厚部を有する最小侵襲性の外科器具を使用しようとする場合、専ら近位の管端部の手前で管壁に設けられた側方開口を介して行ってもよい。
【0035】
本発明の手術補助手段の使用が、麻酔などに際して要求される挿管のためだけでなく、主気管支、有利には副気管支および/または区域気管支までの深い挿管のためにも実現されることは、既に説明した。このことはもちろん従来慣用の挿管チューブよりも大きな長さと結びつき、一般的な成人の患者にとって、50cm以上、有利には60cm程度または60cm以上の長さを設定することができる。
【0036】
有利な形態では、閉塞された近位のチューブ端部でも換気を実現するための個々のマーフィーアイだけでなく、上述したように、複数の側方開口が設けられており、側方開口は、有利には近位の側(体内側)で、カフの後方に配置されている。カフの手前の側方開口は、その結果として、唾液がチューブに進入する恐れが生じ、このことは、極めて不都合である。示唆しておくと、有利な形態では、操作手段も画像伝達手段もチューブ壁を通って延びており、場合によってはチューブを操作するための操作手段が2以上の平面上に設けられているので、3本または4本の操作ワイヤがチューブ壁を通って延びており、有利にはチューブ壁を通って、またはチューブ壁に沿って案内される伝達手段は、グループ化され、これによって、挿管チューブによって操作されない肺部分の換気も実現しようとする側方(副)開口は、手術補助手段を邪魔することなく位置決め可能である。選択的かつ/または追加的に、有利には、チューブは、長手方向軸線を中心に回動することができる。このことは、丁度挿入段階の間(ここではチューブは把持される)、特に少なくとも2本の引込ファイバを備えた操作装置と組み合わせて、簡単で快適な位置調整を成す。既に説明したが、側方開口は、特に複数の開口が管壁に沿って配置されている場合、手術補助手段の融通性を積極的に高める。このことは、手術補助手段が良好に位置決めされる点に関して、有利である。
【0037】
さらに言及しておくと、典型的で有利な2平面上のチューブ端部の操作では、4本の操作ワイヤは、必ずしも管壁横断面に沿って、互いに直行して位置する直径上に配置しなくてもよい。操作ワイヤのそのような直行する配置によって、医療関係者にとって、良好な挿管条件に基づいて、純粋に機械式の操作を介して位置決めが簡単になる。選択的に、密に置かれた場合、管壁に、機能性素子、たとえば3本の制御ワイヤを設けてもよい。チューブ端部の、直観的に理解される左/右/上/下方操作を行うために、特に有利な形態では、電子制御装置を用いることができ、電子制御装置は、所望の運動信号を、3本の引張ワイヤにおける適切な引張力に変換する。そのような配置構造は、極めて薄く形成する必要のある手術補助手段において有利である。なぜならば手術補助手段は、深く肺に挿入され、フレキシブルであり、かつ/または若い患者、特に子供の場合に使用できるからである。
【0038】
言及しておくと、管壁は、軸方向に連続的に延びる中空室、つまり比較的小さな案内通路を備えて形成することができる。このことは、それ自体特に有利であり、簡単に管体のチューブ製造で実現することができる。そのような場合、典型的には、管壁に設けられた手術機能手段または管壁に設けられた画像伝達手段の周りに設けられた通路は、外側に向かって、つまり体接触側に向かって、少なくとも次のような厚さを維持するようになっていて、つまり、挿入段階で、たとえば折り曲げまたは突き抜けによる破損が生じ得ないような厚さを維持するようになっており、後者は、特に非常事態に歯などでみられる。これに対して内管部側では、望ましくは、挿入された最小侵襲手術用の器具に起因する力に対抗するのに十分な厚さが所与される。もちろん両方の場合、比較的小さな力が生じ、このことは、これに応じて小さく維持される残留壁厚さを許容し、それも熱の影響を及ぼす最小侵襲性の機器などが貫通しない場合に許容する。最小侵襲性の機器は、管壁溶融を生じさせ、集中的なレーザ光線を管壁に及ぼしたりする。したがって、通路寸法設定は、典型的には、チューブのための純粋な安定性を鑑みて制限可能であり、かつ制限される。このことは、特に有利な形態を許容し、特に有利な形態では、管壁に直に個別の吸引通路が組み込まれ、吸引通路によって、手術箇所が吸出可能であり、かつ/または別の箇所、たとえば手術箇所の周りに幾分か間隔を有する箇所でも、吸引は、外側から実現される。
【0039】
手術補助手段は、特に有利な形態では、一方では近位部分を備え、近位部分は、患者に挿入され、したがって集中的な接触を有し、他方では患者と接触しない操作もしくは制御端部を備え、近位端部と操作もしくは制御端部とは、有利には互いに分離している。分離によって、患者と接触する近位部分のために、安価な使い捨て要素を設けることができ、このことは、位置調整手段、画像伝達手段などが、安価なファイバ、ワイヤ、リッツ線などの組込または取付によって実現可能である場合に実現される。このことが完全には保証されないか、またはもはや完全には保証されない箇所においては、画像伝達するグラスファイバの代わりに比較的高価なセンサエレメントの使用が所望されるので、有利には選択的に、少なくとも1つの比較的簡単な消毒手段および滅菌手段が実現可能である。
【0040】
さらに言及しておくと、場合によっては別の手術機能手段を、手術補助手段に、特にその近位端部に設けることができ、別の手術機能手段は、たとえば電気刺激、刺激測定、電気外科などのための電極である。
【0041】
患者と接触しない部分は、コントロール部分および/または操作部分として形成され、コントロール部分および/または操作部分は、特に吸引手段および/または吸出手段および/または呼吸手段のため(場合によっては換気のため)、ガス(部分)圧力のためのモニタおよび/または体内から受信される画像信号のための接続部を備えて形成されており、かつ/または接続部と接続可能であり、ならびに有利には管運動コントロールのための作動手段を備えており、作動手段は、電子式かつ/または機械式に、所望の運動方向または位置を占めることができる。
【0042】
言及しておくと、特に有利な形態では、遠位部分のためのトロカール閉鎖部を設けることができる。
【0043】
次に図面に基づいて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】医療手術用の手術補助手段を示す図である。
【図2】外科医用の制御装置および接眼レンズと共に、図1に示した手術補助手段を、図1のA−A線に沿った断面図で示す図である。
【0045】
図1に示したように、符号1を付した、医療手術用の手術補助手段は、挿管に適した外管部3を備えた管体2を有しており、外管部3は、換気を実現する内管部(内腔)4を維持すると共に、手術機能を実施するための手術機能補助手段5を備えており、この場合手術機能補助手段5は、医療手術中の管体位置調整のための位置調整手段6を備えている。
【0046】
手術補助手段1は、気管内に挿管しようとする、フレキシブルで人体に負担を掛けない材料から成る管であり、管は、挿管を容易にするために、近位端部1aにおいて、一般的に有利なように、しかしながら不可欠ではないが、傾斜付けされていて、近位の管体縁部に関して、障害防止のために丸み付けされている。
【0047】
管体2は、処置される患者(ここでは患者への規定通りの麻酔が仮定されているが、緊急時には必然的ではない)の気管に導入可能な外径を有して形成されている。管体2は、特に挿管を補助する一般的な潤滑剤などに対する適合性を有している。外管部3はある厚さを有しているが、この厚さによって、外管部3に、外管部3内に配置された、通路3a,3bなど内を延びる手術機能補助手段を考慮しつつ、外部からの圧力、ならびに特に遠位側7から送られる圧力が作用する際の折り曲げに対する十分な安定性が所与される。
【0048】
管体3は、長さlを有しており、この長さlによって、咽喉から区域気管支までの近位の管体端部の送込が許容される。本発明による、気管内挿入管1として形成された手術補助手段1の管体3の周りに、管体3の近位端部1aを位置決めしたあとで声帯の下方に位置するカフ8が設けられており、カフ8は、従来のように、管壁に沿って延びる管路8aを介して接続されており、これによって圧力源8b(図2)を介して圧縮流体で負荷を掛けることができる。圧縮空気負荷は、手術制御手段10を制御して行われ、圧縮空気負荷を介して、一方ではカフポンピングのための圧力は、設定可能であり、また圧縮空気負荷の空気もしくは別の圧縮流体の制御によって、カフから、医療手術中に気管内チューブの新たな位置決めの必要な場合、かつ/または気管内チューブ1をカフから取り出すために、カフから離間させるることができる。ここで付記しておくと、制御装置10に、カフポンプ8のためのコントロール手段11が設けられているが、このことは必然的ではなく、公知のように、手動のカフ作動も、あまり有利ではないが、問題なく行うことができる。
【0049】
最適なカフ圧力に関して言及しておくと、カフ圧力は、有利には最適なカフ圧力に自動調節可能であり、最適なカフ圧力とは、所定の呼吸圧力において呼吸ガスの漏れもしくは液体(唾液または胃液など)の流入を防止するために必要である圧力と解される。漏れは、特に吸息ガスと呼息ガスとの差の測定によって、麻酔機器を用いて特定可能である。その他に十分な緊密性は、「ごぼごぼ音」の欠如によって検出可能であり、これは医師の間で知られている。
【0050】
管体3には、さらに壁を通って半径方向外向きに延びる開口3bが設けられており、開口3bは、区域気管支の1つまでの比較的深い挿管に際して、近位の管体端部3の下流側に位置しない肺部分の換気を、側副換気によって許容する。開口3bは、管体3のあらゆる任意の箇所に配置することができ、それも開口3bが、カフ8よりも深く体内に位置する場合、かつ開口3bが、管壁内で軸方向に延びる手術機能補助手段などを貫通しない場合に配置することができる。開口は、一般的に半径方向外向きに延びており、ここで言及しておくと、有利には軸線に対する傾斜が実現されており、これによって管内で器具を送り込む際に、開口への最小侵襲性の器具の進入が防止される。
【0051】
換気孔3bの数量およびサイズは、呼吸気、場合によっては麻酔ガスたとえば酸化窒素で代用される呼吸気などを肺に供給することを簡単に保証するように設定されている。
【0052】
内管部4は、単数または複数の外科器具12、たとえば気管支に進入した異物を除去するため、バイオプシを実行するため、体成分を除去するための鉗子、外科用メス、電子メス、鋏などを挿入する際にも換気が実現されるサイズに選択されている。さらに言及しておくと、呼吸器官内で深く実施される手術に関して図示の通りではなく、管体3は、必然的に円筒形もしくは湾曲して形成するだけでなく、ほぼ円筒形に形成する必要もなく、たとえば管体3の段付けを行ってもよく、それも、手術補助手段1の、気管支の分岐部まで深い送込が実現されるように行ってもよい。そのような場合、段付けは、次のように行うことができ、つまり、近位の、依然として残存する内管部自体が全体換気にとってもはや十分でなく、適当な側孔3bと、これに付属する遠位の比較的大きな内管部4とを介して、依然として総じて患者の換気および酸素供給が損なわれないことを保証するようにして行うことができる。
【0053】
手術機能補助手段5は、複数の引張ワイヤを備えており、引張ワイヤは、管体3の近位端部に作用し、これによって近位端部は、図1において矢印5a,5bで示した2平面上で位置調整される。このために図2に示した形態では、管3内で、管直径に関して等間隔で分配された通路5c1,5c2,5c3が配置されている。
【0054】
原則的に、左、右および上、下運動(矢印5bおよび矢印5aに対応する)のために、独自の引張ワイヤ対を設けることもでき、これにより管壁内で延びる全体で4本の引張ワイヤが必要とされる。ここでは3本の引張ワイヤ5c1,5c2,5c3を用いた配置構造を図示しており、引張ワイヤ5c1,5c2,5c3は、それぞれ独自の通路内を延びていて、制御装置10に設けられたコントロールフィールド10a(コントロールフィールド10aはたとえばタッチパッドまたは2倍の傾倒性を有するロッカースイッチとして形成することができる)を備えた制御装置10を介して操作可能であり、所望の運動が得られる。たとえば図2において上方運動は、ワイヤ5c3の引張運動によって実現され、これに対して下方運動は、ワイヤ5c1,5c2の同じ強さの引張運動によって実現される。直観的に比較的簡単であると解される左/右/上/下運動の3本の引張ワイヤへの変換は、それ自体公知のように、電子式に実現されるので、手術補助手段1を位置決めする医療関係者は、たとえば位置調整に関する複雑な思考によって邪魔されることはない。
【0055】
各通路内に存在する引張ワイヤ5は、制御装置10aと共に、位置調整手段とみなされる。技術者に提供される開示内容を鑑みることなく、純粋な特許法上の理由から指摘しておくと、様々な構成部材を位置調整手段に割り当てることができる。したがって、例示した有利な、コントロール手段10aを備えた制御装置10は、引張ワイヤ5c1,5c2,5c3に関して必然的ではなく、それ自体公知の機械手段を使用してもよい。たとえば背景技術で既に挙げたような、手動で操作できる機器が有利である。
【0056】
手術補助手段は、さらに画像伝達手段を備えており、画像処理手段は、ここでは引張手段に対して平行に延びる3本のグラスファイバで実現されており、グラスファイバは、管体3の近位端部に、図1において画像範囲5dによって略示したように同じ画像範囲が看取されるように位置決めされている。体内から画像を伝達することによって、手術が補助されるので、画像伝達部材も、本発明では手術機能補助手段としてみなされる。さらにグラスファイバ5e(図2)が設けられており、グラスファイバ5eを介して、制御装置10で調節可能な明るさを有する位置の照明(調節手段5e1で示唆した)が実現される。
【0057】
管体3内に3本の画像伝達ファイバ、特にグラスファイバを配置したことによって、一方では外科医に、体内における位置の立体画像を表示することができ、このことは医療手術、たとえばバイオプシまたは外科手術にとって極めて有利であり、さらに外科医を補助する医療関係者、たとえば麻酔科医にも同様に、第3のグラスファイバからの体内からの画像を制御手段10において示すことができる。もちろん図2において符合14で示した、外科用の双眼鏡は、必然的に純粋に光学作動式にする必要はなく、むしろ同様に電気信号への変換も実現可能であり、外科医は、電子式に立体画像で示す眼鏡を掛けるか、もしくは立体的な視野を実現するモニタ上で観察する。後者は特に有利であり、単に1本の画像伝達ファイバを使用するだけで、常時、残りの画像伝達ファイバに交換することによって、立体的な視野を維持することができ、これによってチューブの位置決めが簡単になり、別の関係者も立体的に位置を観察することができる。
【0058】
別の手術機能手段は、図示の形態では手術補助手段1に設けられているが、しかしながら別の手術機能手段は、専門家にとって明白であり、必然的に設ける必要はないが、手術補助手段1の遠位端部において洗浄を行うための洗浄手段15であり、この場合図2において、一方では洗剤供給に、かつ他方では洗浄液排出に用いられる2つの押しボタン16の構成をした制御装置が看取される。
【0059】
さらに言及しておくと、制御手段10は、近位端部で記録される画像を表示するためのモニタ17の他に、全ての操作命令と人体から受信した信号とを記録するための接続部を備えており、記録手段は、ここではテープ走行装置18として示唆しており、典型的にはデータのデジタル化と、中央計算機などにおける記憶とを行うことができる。ならびに制御手段10は、患者の呼吸に関する制御装置を備えており、この場合たとえば酸素増加または酸素低下が操作可能であり、適切なキー19と特定の特性値とを介して、麻酔科医または別の医療関係者に、表示装置20を介して表示可能である。もちろん制御装置10は、場合によっては別のモニタなどと連結することができ、これによってまとめた箇所において、パラメータ、たとえばパルス周波数、血圧などを表示することができるので、手術を観察する医療関係者は、全体の問題値を同時に看取することができる。さらに判るように、個々の値の問題状況は、音響学的に通知可能にしてもよい。
【0060】
手術補助手段1は、たとえば以下のように使用される。
【0061】
先ず手術補助手段が用いられる患者に、要求されるように、麻酔がかけられる。先ず、有利には、しかしながら必然的ではないが、前方の挿入範囲のための一般的な喉頭鏡を使用しつつ、手術補助手段1が患者の気管に挿入される。困難な挿管では、喉頭範囲および/または声帯に対する喉頭鏡による視野は実現不能であり、ここで事実を述べておくと、そのような状況でも、追加的な補助手段なしに用いられる、本発明による気管内チューブは有利に使用可能である。食道への挿入は、モニタ17の観察によって迅速に認識され、修正されるので、挿管エラーの恐れはない。手術補助手段1を、所望の箇所で、深く体内に、たとえば区域気管支に位置決めするために、遠位端部から送り込まれる圧力の作用下で、かつ3本の引張ワイヤ5c1,5c2,5c3によって管体端部を位置調整し、引張ワイヤ5c1,5c2,5c3は、制御装置10の作動10aによって、緊張または弛緩され、操作手段9は、所望の手術位置に達するまで適切に操作される。ここで理解を深めるために言及しておくと、カフは、それ自体公知のように給排気されている。
【0062】
この場合送込が所望されるよりも長くかかる場合でも、患者の換気は、あらゆる時点で保証されている。なぜならば気管内チューブ姿勢の観察に関して、挿管中、内管部4は、操作ワイヤを壁に組み込んだことによって、自由のままであるという理由による。
【0063】
管体3の遠位側7で、トロカール21を通って、外科器具は、要求されるように導入することができる。外科器具は、背景技術に従って薄く、それも内管部が換気のために大きく妨害されることのないように薄く形成することができるので、換気の間、引き続き換気が保証される。位置は、持続的に、グラスファイバ5c1,5c2,5c3(グラスファイバ5c1,5c2,5c3は側方で管体から導出することができる)を介して画像を伝達することによって観察することができる。さらに患者の持続的な酸素供給は、内管部4内で終了する酸素もしくは呼吸ガス供給を介して保証されている。顕微手術器具による手術において近位の管端部を少なくとも広範囲でブロックする比較的大きな異物を気管支から除去する必要のある場合でも、外管部3に設けられた側方開口3bを介して、換気は、本発明による気管内チューブ1を患者から取り出すまで保証される。
【0064】
たとえばバイオプシに際して様々な箇所で組織サンプルを集めるか、または気道に沿った比較的大きな区間に沿って手術を行うために、医療手術中にチューブの新たな位置決めが必要な場合、チューブ端部の位置調整によって、コントロールフィールド10aを作動させつつ、追加的な器具を導入することなく、適切な運動を行うことができる。これによって手術時間全体が大幅に短縮されるので、患者に、比較的短時間の手術を行うことができる。さらに持続的に完全な酸素供給保証が維持される。指摘しておくと、手術などのために気管内チューブ1が用いられ、それも外科医によって規則通りの新たな位置調整および/または位置変化を行う必要があるように用いられる場合、麻酔科医にも外科医にも、場合によっては階層的または一時的に優性的な異なるコントロールフィールド10aを設け、かつ/または階層的、一時的または選択的に優勢な単に1つのコントロールフィールドを設けることができ、またはコントロール手段は、完全に制御手段10から分離され、これによって麻酔科医は、手術可能性なしに、一度行われた最初の位置決めのあとの位置調整から、追加的に良好な患者コントロールを実現することができる。
【0065】
前述の形態とは異なり、必ずしも単個の連続的に延びる内管部を用いる必要はない。内管部を場合によっては分割し、かつ/または複数の内視鏡顕微手術機器を案内するための案内装置を設けてもよく、これによってたとえば内視鏡鋏は、作業内管部の内側で鉗子と引っ掛かることがない。さらに付記しておくと、別の内視鏡機器も使用可能であり、たとえばレーザ装置もしくはレーザ光線発信装置、電気凝固尖端装置、異物摘出ワイヤ、たとえばドーミア型バスケット、拡張および/または気管支露出洗浄のためのバルーンカテーテル(フォガーティカテーテル)、放射性同位元素を取り付けるためのカテーテル、および/または腫瘍においてステントを取り付けるための装置である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療手術用の手術補助手段であって、
挿管を実現する外管部を備えた管体が設けられており、該外管部は、換気を実現する内管部を維持して、手術機能を実施するための手術機能補助手段を備えている、手術補助手段において、
手術機能手段が、医療手術中の管体位置調整のための位置調整手段を備えていることを特徴とする、医療手術用の手術補助手段。
【請求項2】
当該手術補助手段は、気管支洗浄、気管支鏡検査、バイオプシ、麻酔、集中治療、挿管、吸出の群から成る少なくとも1つの医療手術のため、かつ/またはそのような手術のトレーニングのために設計されている、請求項1記載の手術補助手段。
【請求項3】
当該手術補助手段は、有利には主気管支、またはさらに体内深くの位置、特に区域気管支における最小侵襲手術のために設計されている、請求項1または2記載の手術補助手段。
【請求項4】
管体の遠位端部と近位端部との間で、該管体に、外側に位置するカフが設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項5】
カフは、管体と固く結合され、かつ/または該管体内に、もしくは該管体の表面に組み込まれた圧力管路を介してポンピング可能になっている、請求項1から4までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項6】
セグメント化されたカフが設けられており、かつ/またはカフは、少なくとも挿入位置においてシールするために要求される長さよりも長く形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項7】
手術機能手段は、追加的に、画像を体内から伝達するための伝達手段を備えており、該伝達手段は、換気を実現する内管部を確保しつつ、壁と固く結合されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項8】
伝達手段は、照明手段、特に体内の少なくとも1箇所を照明するための光伝導ファイバを備えている、請求項7記載の手術補助手段。
【請求項9】
伝達手段は、少なくとも1つの画像伝達ファイバ、有利にはグラスファイバを備えている、請求項7または8記載の手術補助手段。
【請求項10】
伝達手段は、特に画像形成システムのためのアナログおよび/またはデジタルのセンサ信号を体内から外へ伝達するための、少なくとも1つのセンサ信号ラインを備えている、請求項7から9までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項11】
少なくとも1つのセンサは、超音波センサおよび/または感光エレメントのフィールドとして形成されている、請求項10記載の手術補助手段。
【請求項12】
近位の管端部に、複数の画像入射開口もしくは画像検出開口が分配されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項13】
画像入射開口は、立体鏡検査および/または冗長性および/または追加的な検出目的のために設けられている、請求項12記載の手術補助手段。
【請求項14】
曇り防止手段および/または付着防止手段が、画像入射開口に、または画像入射開口の傍に設けられている、請求項7から13までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項15】
管体は、端部側で換気を実現するように開放している、請求項1から14までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項16】
管体は、少なくとも主気管支まで、有利には副気管支まで挿管するように寸法設定されていて、特に50cm以上、有利には約60cmまたは60cm以上に寸法設定されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項17】
少なくとも1つのマーフィーアイ、有利には複数の側方開口が、カフよりも体内深く、近位の(体内の)側で管壁に配置されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項18】
管壁に設けられた側方開口は、換気を実現するように寸法設定されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項19】
内管部は、有利には中から長時間にわたって十分な換気を維持しつつ、最小侵襲性のエレメントを挿入できるように寸法設定されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項20】
管壁と、少なくとも1つの、機能補助手段、伝達手段および/または管壁に沿って案内される別のエレメントとの間の固い結合は、接着もしくは一体成形によって及ぼされる、請求項1から19までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項21】
特に挿入中に体内における管運動を制御するための位置調整手段が、有利には管壁に沿って、かつ/または管壁内で案内される操作手段を備えて設けられている、請求項1から20までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項22】
位置調整手段は、直行する2平面上の制御を実現するために形成されている、請求項1から21までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項23】
個別的な吸引通路が設けられている、請求項1から22までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項24】
当該手術補助手段は、患者と接触するための少なくとも1つの近位の部分と、患者と接触しない少なくとも1つの部分とを備えており、これらの部分は互いに分離できるようになっている、請求項1から23までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項25】
患者と接触しない部分は、コントロール部分および/または操作部分として形成されており、該コントロール部分および/または操作部分は、特に吸引手段および/または呼吸手段、ガス(分)圧のためのモニタおよび/または体内から受信される画像信号のための接続部を備えて形成されていて、かつ/または該接続部と接続可能であり、かつ/または管運動のための制御手段を備えている、請求項1から24までのいずれか1項記載の手術補助手段。
【請求項26】
近位端部のためのトロカール閉塞部材が設けられている、請求項1から25までのいずれか1項記載の手術補助手段。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−511443(P2010−511443A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539601(P2009−539601)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002172
【国際公開番号】WO2008/067797
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(509161141)ルプレヒト−カールス−ウニヴェルジテート ハイデルベルク (6)
【氏名又は名称原語表記】Ruprecht−Karls−Universitaet Heidelberg
【住所又は居所原語表記】Grabengasse 1, D−69117 Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】