説明

捕虫装置

【課題】高い捕獲効率を実現し、かつ正確に捕獲した虫を計数するカウント機能を有した捕虫装置を提供する。
【解決手段】筐体2と、筐体の前面に取り付けられた2つの誘虫灯3と、筐体の前面に開口されたスリット状の吸引口41を有する捕虫導管4とを備え、吸引口は2つの誘虫灯の間に接近配置されている捕虫装置1であって、捕虫導管の吸引口とは反対側の端部近傍には、捕虫導管を通過する虫を検出する検出器5が設けられており、検出器の下流には、捕虫導管の壁上を歩行する虫の障害となる逆進防止手段6が設けられている捕虫装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプなどの誘虫灯の光によって誘引した虫を捕獲するとともに、捕獲した虫を検知して計数する手段を備えた捕虫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飛来した蠅などの虫を駆除する捕虫装置としては、虫を誘引する蛍光管等ランプ(誘虫灯)を備え、誘引された虫を、例えば粘着シートで付着捕獲するものや殺虫薬剤等を使用して捕殺するものがある。また、装置内に電撃式の殺虫装置を設けたものも一般的である。
また、近年、捕獲した虫を計数して記録する計数手段を備えたものが使用されるようになっている。
【0003】
従来の捕虫装置としては、例えば特許文献1に示すように、ルーフの下部器体に電撃機器を設けたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−289137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した電撃式の殺虫器は、高圧を使用するために取扱いに専門知識が必要であり、落下した虫が散乱すると衛生上の問題も生じる。また、電撃式の殺虫器は、複数の電撃バーに高圧を印加するため、各電撃バー同士の間隔を一定以上に保つ必要がある。その結果、上述の間隔よりも小さい虫は電撃バーをすり抜けてしまい、殺虫できない場合がある。また、電撃バーに虫が接触した際に発生する音が不快であるという問題もある。
また、虫を計数する際は、電撃バーに虫が接触した際の電流を監視することによって計測を行う方法が一般的であるが、この方法を用いる捕虫装置においては、虫の電撃バーへの触れ方によって異常な電流値を検出する場合があり、そのため虫の計測数が過計測されるというような問題があった。
さらに、誘虫灯の配置が最適でないことにより、誘虫灯の効果範囲が狭くなり、効率的な虫の捕獲ができないという問題があった。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、高い捕獲効率を実現し、正確に捕獲した虫を計数するカウント機能を有する捕虫装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の請求項1に係る捕虫装置は、筐体と、前記筐体の前面に取り付けられた1または複数の誘虫灯と、前記筐体の前面に開口されたスリット状の吸引口を有する捕虫導管と、を備え、前記吸引口は前記誘虫灯に接近配置されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る捕虫装置は、請求項1に記載の捕虫装置において、2つの前記誘虫灯が並列に配置され、前記吸引口は前記誘虫灯の間に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る捕虫装置は、請求項1または請求項2に記載の捕虫装置において、前記誘虫灯が、前記筐体の前面より突出されて設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る捕虫装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の捕虫装置において、前記筐体は、前記捕虫導管に吸引力を作用させるための吸引手段を備えている捕獲部を有し、前記捕虫導管の前記吸引口とは反対側の端部には捕虫網が設けられており、前記捕虫網は前記捕獲部の中において、前記吸引手段によって生じる流路の途中に配置されることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る捕虫装置は、請求項4に記載の捕虫装置において、前記捕虫導管の前記吸引口とは反対側の端部近傍に、前記捕虫導管を通過する虫を検出する検出器が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る捕虫装置は、請求項5に記載の捕虫装置において、前記検出器と前記捕虫網との間に、前記捕虫導管の壁上を歩行する虫の障害となる逆進防止手段が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る捕虫装置は、請求項6に記載の捕虫装置において、前記逆進防止手段は複数の切込みを形成したフィルムであり、該逆進防止手段は前記吸引手段によって生じる風圧により隙間が生じるよう構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る捕虫装置は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の捕虫装置において、前記捕虫導管の前記吸引口とは反対側の端部断面は細長形状をなすことを特徴とする。
本発明の請求項9に係る捕虫装置は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の捕虫装置において、前記誘虫灯の後方に反射板が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の捕虫装置によれば、その構成を、筐体と、筐体の前面に取り付けられた1または複数の誘虫灯と、筐体の前面に開口されたスリット状の吸引口を有する捕虫導管と、を備え、吸引口は誘虫灯に接近配置されていることとしたため、光源となる誘虫灯に集まってきた虫が、より容易に吸引口に吸い込まれるようになる。
【0009】
また、2つの誘虫灯が並列に配置されるとともに、吸引口が誘虫灯の間に配置されている構成を採用することによって、2つの誘虫灯の間に集まった虫を、その間に配置した吸引口によって、より効率的に捕獲することができる。
【0010】
誘虫灯が、筐体の前面より突出されて設けられているという構成としたため、誘虫灯から照射される誘虫光は、捕虫装置前方のより広い範囲を照らす。これにより、より広い範囲を飛行する虫を誘引することができ、効率的な捕獲が可能となる。
【0011】
検出器と捕虫網との間に、捕虫導管の壁上を歩行する虫の障害となる逆進防止手段が設けられている構成としたため、捕虫導管を歩行する虫が検出器により再び計数されることがなくなり、より正確に捕獲した虫を計数することができる。
吸引された虫は、捕虫導管を通過した後に捕虫網に捕獲されるため、虫が飛び散るなどの問題が起こることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の概略図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態の断面図である。
【図3】捕虫導管、センサ、および捕虫網を示す概略図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図であり、センサガードの形状を示す図である。
【図5】図4のV−V矢視図であり、動作状態のセンサガードを示す図である。
【図6】羽根部材を用いた逆進防止手段を示す(a)断面図、および(b)平面図である。
【図7】加熱手段を用いた逆進防止手段の概略を示す断面図である。
【図8】遮蔽板を用いた逆進防止手段を示す(a)断面図、および(b)平面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示す概略面である。図2は、本発明の第1の実施の形態の断面図である。図3は、捕虫導管4、センサ5、センサガード6および捕虫網7を示す概略図である。図4は、図3のIV−IV矢視図であり、捕虫導管4を囲うように設置されたセンサ5、および捕虫導管4の端部に設置されたセンサガード6を示している。
図1に示すように、本実施の形態における捕虫装置1は、その外面を覆う筐体2を備えており、筐体2は、誘引部21と捕獲部22の二段構成となっている。
誘引部21には誘虫灯3と吸引口41が設けられており、捕獲部22には捕虫網7、および吸引ファン8が備えられている。誘引部21と捕獲部22との間には、捕虫導管4が配置されており、この捕虫導管4の一端が前記吸引口41を構成しており、捕虫導管4の他端には捕虫網7が接続されている。
【0014】
筐体2は、略直方体形状であり、その内部は、捕虫装置1を構成する部品が収納される他、虫が吸引されて、検知、捕獲される空間として機能する。筐体2は、上述したように誘引部21と捕獲部22とから構成されている。
誘引部21の前面には、2つの誘虫灯3が並列配置されている。誘虫灯3は、筐体2の前面から突出するように配置されており、誘虫灯3から照射される誘引光は、あらゆる方向に照射されるようになっている。また、誘虫灯3の周囲には、人の手が誘虫灯3に触れることのないように、保護格子15が張り巡らされている。保護格子15は、使用者が誤って誘虫灯3に触れないのに十分な間隔であれば、より広い間隔であることが好ましい。
誘引部21と捕獲部22との間には、隔壁23が設けられている。隔壁23は、誘引部21と捕獲部22との間を気密にするための壁であり、捕虫導管4と隔壁23との間は隙間がないようにシールされている。
捕獲部22の中央には捕虫網7が格納されており、その左右には吸引ファン8が格納されている。また、吸引ファン8の下方および側方には、本捕虫装置を使用する場所のクリーン度により、より高いクリーン度を望む場合は、フィルタ9の取り付けもできる。さらに、捕虫部22の前面には前面カバー25が取り付けられている。前面カバー25は、捕虫網7の交換などの際のメンテナンスを容易とするために、着脱可能とされている。
【0015】
次に、各構成要素について、詳細に説明する。
誘虫灯3は円筒状長尺の蛍光管であり、筐体2の誘引部21の前面に前方に突出するように2つ並列配置されている。
誘虫灯3としては、蛍光管や水銀灯などを用いることができ、例えば蠅などの小型昆虫が好む周波数である370nm付近の波長の光を出射するものが好適である。誘虫灯3の後方には、反射板10を取り付けることもできる。誘虫灯3の光は反射板10に反射されることにより、より多方向に拡散する。反射板10としては鏡を使用することが好ましいが、光を反射させるものであればその材質は問わない。
なお、誘虫灯3としては、円筒状長尺のもののみならず、U字型、丸型の蛍光管などの形状も採用することができる。
【0016】
誘引部21と捕獲部22との間を跨ぐように、筐体の略中央部には、捕虫導管4が設置されている。捕虫導管4の一端には、スリット状の吸引口41が設けられている。吸引口41は、誘虫灯3と略同一の長さ寸法を有しており、2つの誘虫灯3の間に位置するように構成されている。
捕虫導管4は、他端が筐体2の捕獲部22まで導かれており、捕虫導管4の吸引口41とは反対側の端部(以下、他端と称す)の長さ寸法は、吸引口41より短くて良い。捕虫導管4の他端の断面形状は、図4に示すように細長形状となっている。
【0017】
捕虫導管4の他端には、袋形状の捕虫網7が接続されている。捕虫網7の開口部の周囲と捕虫導管4の端部の周囲とは略同一の長さにされており、これらが所定の方法により隙間なく接合されている。
捕虫網7は、メッシュ部材により形成され、捕虫網7内に捕捉した虫の脱出を防止しつつ、空気の流通を許容する構成となっている。メッシュの目は捕獲された虫を保持することが可能であれば、より大きい方が好ましい。
【0018】
捕虫網7の左右には、吸引ファン8が格納されている。
吸引ファン8は、吸引作用により捕獲部22を減圧し、捕獲部22に他端を開口させている捕虫導管4に、吸い込み流を発生させるためのものである。
吸引ファン8の下方、および側方であって、筐体2の外面には、フィルタ9が設けられている。フィルタ9は不織布によって形成されている。このフィルタ9は、交換可能に筐体2に取り付けられている。フィルタ9は不織布に限らず、樹脂製のエアフィルタや金属網状のフィルタなども使用可能である。また、フィルタ9の目は、排気を妨げることがなければ、細かければ細かいほどよい。
【0019】
次にセンサ5(検出器)と、センサガード6(逆進防止手段)について説明する。図5は、図4のV−V矢視図であり、動作状態のセンサガード6を示す図である。
捕虫導管4の途中には、センサ5およびセンサガード6が取り付けられている。センサ5は、断面矩形状の捕虫導管4の一部を構成する形状をなす、投光部51と受光部52とが対抗配置された透過型センサである。センサ5は、図3の断面図に示したように、センサ取付けプレート53と、このセンサ取付けプレート53に取り付けられた投光部51および受光部52とから構成されている。
投光部51と受光部52は、矩形状の短手方向の枠部に設けられており、光の透過量により、捕虫導管4を通過する虫を検出することができる。
センサ5は計数器(図示せず)と接続されており、センサ5をなす枠内を通過する虫の数をカウントすることができる。また、筐体2に設けられた表示部(図示せず)に、センサ5を通過した虫の数を表示することも可能である。また、有線手段あるいは無線手段(図示せず)によって、捕獲した虫の数の情報をPCなどの情報端末に送信することも可能である。
センサ5は、上述した透過型センサ方式で、光電管センサ、レーザ式センサなど、通過する虫を検知することができるものであれば、どのようなものでも採用可能である。
【0020】
センサ5の下方には、センサガード6(逆進防止手段)が取り付けられている。センサガード6は、樹脂フィルム、例えばポリエチレンによって形成されている暖簾状のフィルムである。
センサガード6には、図4に示すような切込みが形成されており、複数の板片61に分離されている。複数の板片61は、吸引ファン8が作動し、捕獲部22が減圧されると、センサガード6を構成する暖簾状の板片61は、図5に示すように、片持ち梁のように自由端が捕獲部22側に撓むことができる。このように板片61が撓むことによって、板片61と板片61との間には、孔状の隙間Gが形成される。また、センサガード6を構成するフィルムが弾性を有しており、常に元の形状に戻ろうとする力が働くことによって、板片61は、細かく振動する。
【0021】
次に、このように構成された捕虫装置1の作用について説明する。
捕虫装置1は、例えば食品工場、ビル、店舗、機械工場などのような場所に設置される。稼動状態においては、誘虫灯3は常時点灯しているとともに、吸引ファン8も作動状態となっている。なお、時間によって、誘虫灯3や吸引ファン8を停止させるなど、作動状態を制御することももちろん可能である。
図2に示されているように、誘虫灯3が筐体2の前面に突出するように取り付けられているため、誘虫灯3から照射される誘虫光は、捕虫装置1前方のより広い範囲を照らす。具体的には、誘虫灯3が視認できる範囲を照射する。これにより、より広い範囲を飛行する虫を誘引することができ、効率的な捕獲が可能となる。
【0022】
誘虫光に誘引された虫は、誘虫灯3に近づく方向に飛行する。特に2つの誘虫灯3の中間位置は、最も虫を効率的に集められる位置と考えられる。そして、虫が吸引ファン8によって作り出された吸引流の及ぶ範囲に進入すると、虫は、吸引口41に吸い込まれる。吸い込まれた虫は、捕虫導管4を通過した後、センサ5によって認識される。センサ5からの信号は信号線(図示せず)を経由して、計数機(図示せず)に送られ、取り込まれた虫の数がカウントされる。
センサ5を通過した虫は、センサガード6の隙間G(図5参照)を通過し、捕虫網7に取り込まれ、捕虫される。
【0023】
捕獲した虫は、捕虫網の中で長ければ約2、3日間は生き続ける。大体の虫は、吸引力により捕虫網7の中に閉じ込められることによって死んでしまうが、歩行することによって捕虫導管4を遡る虫も存在する。このような虫は、センサガード6によって阻止される。センサガード6を構成する板片61は、吸引ファン8が作り出す風圧によって、常に振動しており、たとえ虫が風に逆らって、歩行によって通過を試みた場合においても、センサガード6を乗り越えることはない。
【0024】
また、フィルタ9を付けた場合においては、吸引ファン8より捕獲部22が減圧されると空気は、フィルタ9から排出される。このフィルタ9は、捕虫網7の内部の虫体(虫の死骸の一部)や、虫とともに、捕虫導管4に吸い込まれた塵埃などの飛散を防止することができる。
【0025】
(第2実施形態)
なお、上記実施の形態とは上下逆の構造を有する捕虫装置1Aも実施可能である。
図9に第2の実施形態による捕虫装置1Aの断面図を示す。第2の実施形態の捕虫装置1Aは、筐体2の下側に誘引部21を設け、筐体2の上側に捕獲部22を設けた構造である。誘引部21をより下方に配置する必要があるなど、設置状況によってこの実施形態を採用することができる。
【0026】
次に、逆進防止手段6として採用可能な他の形態について説明する。逆進防止手段6としては、上述したセンサガード6の他にも様々な構造を採用可能である。以下、逆進防止手段の他の実施例を示す。
【0027】
図6は、逆進防止手段として、四方に羽根を有したような星型断面形状を有する、長尺の羽根部材81を使用するものである。羽根部材81は捕虫導管4を形成する各面に配置されており、羽根部材81の長手方向の中心軸を中心に回転可能に取り付けられている。
吸引ファン8が、吸引力を発生させると、その風圧で羽根部材81が回転し、虫が捕虫導管の内部を歩行することを不可能にする。
【0028】
逆進防止手段としては、ヒータなどの加熱手段11を用いるものも採用可能である。図
7は、加熱手段11を備えた捕虫導管4の概略を示す断面図である。
図7に示すように、加熱手段11は、検出器5の上下に、捕虫導管4の外側を一周するように設置されている。この加熱手段11を作動させると、加熱手段11より発する熱が捕虫導管4の内側を温める。これにより、捕虫導管4を歩行する虫は、加熱手段11により加熱された部分を越えて上方に歩行することがなくなる。
なお、加熱手段11は、捕虫導管4の外側ではなく、捕虫導管4の内側に設置することも可能である。
【0029】
図8は、逆進防止手段として、遮蔽版83を用いるものである。
遮蔽版83は、捕虫導管4の内部壁より、所定寸法突出するように捕虫導管4に取り付けられており、虫は捕虫導管4を歩行することができなくなる。
【0030】
また、逆進防止手段として、捕虫導管4に複数の小孔を設け、この小孔より圧縮空気を吹き出す逆進防止手段も採用可能である。小孔は、ダクトを介してコンプレッサと接続されており、小孔からは圧縮空気が吹き出される。これにより、虫は捕虫導管4上を歩行することによって捕虫装置外に逃げ出すことが不可能になる。
【0031】
また、捕虫導管4の壁に機械的な可動壁を設けることもできる。捕虫導管4の壁にそって配置された可動壁を振動モータなどで振動させることによって、虫の歩行を不可能にすることができる。
【0032】
その他、逆進防止手段としては、
a.捕虫導管の内部にテフロン(登録商標)加工を施し、滑りやすくすることによって、虫の歩行を困難とする手段、
b.吸引ファンの吸引力を強くすることによって、虫の歩行を不可能にする手段、
などを挙げることができる。これらの手段は、捕獲する虫の種類や、設置状況によって適宜採用することができる。例えば、より静かな捕虫装置が求められる場合は、テフロン(登録商標)加工を施す手段が有効である。
また、異なる手段を組み合わせて使用することも可能である。例えば、図4に示したセンサガード6と、上記aのテフロン(登録商標)加工を組み合わせて、逆進防止手段とすることも可能である。
【0033】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1、1A…捕虫装置、2…筐体、3…誘虫灯、4…捕虫導管、5…センサ(検出器)、6…センサガード(逆進防止手段)、7…捕虫網、8…吸引ファン、9…フィルタ、10…反射板、11…加熱手段、21…誘引部、22…捕獲部、23…隔壁、25…前面カバー、41…吸引口、51…投光部、52…受光部、53…センサ取付プレート、61…板片、81…羽根部材、83…遮蔽板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の前面に取り付けられた1または複数の誘虫灯と、
前記筐体の前面に開口されたスリット状の吸引口を有する捕虫導管と、
を備え、
前記吸引口は前記誘虫灯に接近配置されていることを特徴とする捕虫装置。
【請求項2】
2つの前記誘虫灯が並列に配置され、前記吸引口は前記誘虫灯の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の捕虫装置。
【請求項3】
前記誘虫灯は、前記筐体の前面より突出されて設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の捕虫装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記捕虫導管に吸引力を作用させるための吸引手段を備えている捕獲部を有し、
前記捕虫導管の前記吸引口とは反対側の端部には捕虫網が設けられており、
前記捕虫網は前記捕獲部の中において、前記吸引手段によって生じる流路の途中に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の捕虫装置。
【請求項5】
前記捕虫導管の前記吸引口とは反対側の端部近傍には、前記捕虫導管を通過する虫を検出する検出器が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の捕虫装置。
【請求項6】
前記検出器と前記捕虫網との間には、前記捕虫導管の壁上を歩行する虫の障害となる逆進防止手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の捕虫装置。
【請求項7】
前記逆進防止手段は複数の切込みを形成したフィルムであり、該逆進防止手段は前記吸引手段によって生じる風圧により隙間が生じるよう構成されていることを特徴とする請求項6に記載の捕虫装置。
【請求項8】
前記捕虫導管の前記吸引口とは反対側の端部断面は細長形状をなすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の捕虫装置。
【請求項9】
前記誘虫灯の後方には反射板が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の捕虫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−4657(P2011−4657A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151130(P2009−151130)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り FOOMA JAPAN 2009(国際食品工業展)、社団法人日本食品機械工業会、平成21年6月9日〜平成21年6月12日
【出願人】(000101938)イカリ消毒株式会社 (33)
【Fターム(参考)】