捕集体および捕集量測定装置、測定方法、プログラム、記録媒体
【課題】排気ガス中のPMを捕集するDPFにおけるPMの濃度が0などの所定値のときの電磁波の特性値(例えば、吸収係数)を正確に測定する。
【解決手段】DPF1は、排気ガスを受け、排気ガス中のPMを捕集する。DPF1は、排気ガスを受ける側の第一端部が開いており、第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部12と、第一端部が閉じ、第二端部が開いている第二孔部14と、第一端部が閉じている第三孔部16とを備える。第一孔部12と第二孔部14とが互いに隣接する。第三孔部16どうしが隣接する。互いに隣接する第一孔部12と第二孔部14とを隔てる隔壁22を通過する排気ガス中のPMが、隔壁22に捕集される。
【解決手段】DPF1は、排気ガスを受け、排気ガス中のPMを捕集する。DPF1は、排気ガスを受ける側の第一端部が開いており、第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部12と、第一端部が閉じ、第二端部が開いている第二孔部14と、第一端部が閉じている第三孔部16とを備える。第一孔部12と第二孔部14とが互いに隣接する。第三孔部16どうしが隣接する。互いに隣接する第一孔部12と第二孔部14とを隔てる隔壁22を通過する排気ガス中のPMが、隔壁22に捕集される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波(周波数が0.01[THz]以上100[THz]以下)(例えば、テラヘルツ波(例えば、周波数が0.03[THz]以上10[THz]以下))を使用した、粒子状物質の捕集体における粒子状物質(例えば、炭素微粒子からなるスート、高分子量炭化水素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子など)の濃度測定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テラヘルツ波またはマイクロ波を含む電磁波を使用して、ディーゼルエンジン用のDPF(Diesel Particulate Filter)と言われる粒子状物質捕集フィルタ(またはディーゼルエンジン用の粒子状物質捕集燃焼触媒)の中の粒子状物質の量または濃度を測定することが知られている(特許文献1、特許文献2および特許文献3を参照)。
【0003】
上記の従来技術によれば、DPF(または燃焼触媒)を透過した電磁波の強度を測定し、電磁波の吸収係数α’を導出して、粒子状物質の濃度(または量)を測定する。しかも、粒子状物質の濃度0のときの電磁波の吸収係数α0’、粒子状物質の濃度に対する電磁波の吸収係数の増加率β’を求めておく。粒子状物質の濃度=(α’−α0’)/β’となるので、粒子状物質の濃度を求めることができる。
【0004】
なお、DPF自体が電磁波を吸収するので、α0’>0である。そこで、新品の状態(当然ながら、粒子状物質を吸着していないことになる)のDPFの電磁波の吸収係数を測定し、その測定値をα0’とすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−288220号公報
【特許文献2】特開2009−2276号公報
【特許文献3】特開2009−57948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、DPFのα0には個体差があることが考えられる。すなわち、個々のDPFのα0が’等しくないということが考えられる。しかも、時間の経過に伴い、α0’が変化することがある。よって、新品の状態のDPFの電磁波の吸収係数が、粒子状物質の濃度の測定対象であるDPFのα0’とは異なる場合が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、気体中の物質を捕集する捕集体における物質の濃度が0などの所定値のときの電磁波の特性値(例えば、吸収係数)を正確に測定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる第一の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、前記第一端部が閉じている第三孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、前記第三孔部どうしが隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0009】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第一の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。第三孔部は、前記第一端部が閉じている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。前記第三孔部どうしが隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0010】
本発明にかかる第二の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、前記第二端部が閉じている第三孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、前記第三孔部どうしが隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0011】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第二の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。第三孔部は、前記第二端部が閉じている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。前記第三孔部どうしが隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0012】
本発明にかかる第三の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、前記第一端部と前記第二端部との間が閉じている第三孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、前記第三孔部どうしが隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0013】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第三の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。第三孔部は、前記第一端部と前記第二端部との間が閉じている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。前記第三孔部どうしが隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0014】
なお、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体は、前記第三孔部の内部に配置された栓により、前記第三孔部が閉じられているようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明にかかる第一および第二の捕集体は、前記第一端部の端面または前記第二端部の端面に接する閉鎖部材により、前記第三孔部が閉じられているようにしてもよい。
【0016】
本発明にかかる第四の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁は、前記気体が通過しやすい通過容易隔壁、または、前記気体が通過しにくい通過困難隔壁であり、前記隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0017】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第四の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁は、前記気体が通過しやすい通過容易隔壁、または、前記気体が通過しにくい通過困難隔壁である。前記隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0018】
なお、本発明にかかる第四の捕集体は、前記通過容易隔壁が、前記通過困難隔壁よりも有孔率が高いようにしてもよい。
【0019】
なお、本発明にかかる第四の捕集体は、前記通過困難隔壁が前記気体を通過させないようにしてもよい。
【0020】
なお、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体は、前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあるようにしてもよい。
【0021】
なお、本発明にかかる第四の捕集体は、前記第一孔部および前記第二孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、前記通過困難隔壁のみを介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過困難隔壁のみを介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過し、前記通過容易隔壁を介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過容易隔壁を介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過しないようにしてもよい。
【0022】
なお、本発明にかかる第一、第二、第三および第四の捕集体は、前記捕集体が円筒であり、前記直線は、前記捕集体の回転中心である軸と交わるようにしてもよい。
【0023】
本発明にかかる第一の捕集量測定装置は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるように構成される。
【0024】
上記のように構成された第一の捕集量測定装置によれば、電磁波出力器が、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する。電磁波検出器が、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する。参照値導出部が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。捕集量導出部が、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する。前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にある。前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である。
【0025】
本発明にかかる第二の捕集量測定装置は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるように構成される。
【0026】
上記のように構成された第二の捕集量測定装置によれば、電磁波出力器が、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する。電磁波検出器が、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する。参照値導出部が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。捕集量導出部が、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する。前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含む。前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である。
【0027】
なお、本発明にかかる第一または第二の捕集量測定装置は、前記測定用電磁波の進行方向と垂直な方向の直線を回転軸として、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を回転させる回転駆動部と、前記測定用電磁波の進行方向および前記回転軸と垂直な方向に、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を移動させる直線駆動部と、を備え、前記回転駆動部および前記直線駆動部を作動させながら、前記電磁波検出器による検出を行うようにしてもよい。
【0028】
なお、本発明にかかる第一または第二の捕集量測定装置は、前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分を、前記参照領域が含み、前記測定用電磁波の進行方向が複数種類あり、そのうちの一つは前記線分に沿って固定されているようにしてもよい。
【0029】
本発明は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である捕集量測定方法である。
【0030】
本発明は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である捕集量測定方法である。
【0031】
本発明は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるプログラムである。
【0032】
本発明は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるプログラムである。
【0033】
本発明は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である記録媒体である。
【0034】
本発明は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかるDPF1の正面図(図1(a))、側面図(図1(b))である。
【図2】図1に示すDPF1のIIの部分を示す部分正面図(図2(a))、側面断面図(図2(b))である。
【図3】図1に示すDPF1のIIIの部分を示す部分正面図(図3(a))、側面断面図(図3(b))である。
【図4】参照領域A0を説明するためのDPF1の部分正面図(図4(a))、境界Bを説明するためのDPF1の部分正面図(図4(b))である。
【図5】第一の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図(図5(a))、部分正面図(図5(b))である。
【図6】第一の実施形態の第一変形例におけるDPF1のIIの部分(図1参照)を示す部分正面図(図6(a))、DPF1のIIの部分(図1参照)の側面断面図(図6(b))である。
【図7】第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の正面図(図7(a):閉鎖部材30を図示省略、図7(b):閉鎖部材30を図示)である。
【図8】第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の部分正面図(図8(a):閉鎖部材30を図示省略)、側面断面図(図8(b):閉鎖部材30を図示)である。
【図9】本発明の第二の実施形態にかかるDPF1の正面図(図9(a))、側面図(図9(b))である。
【図10】図9に示すDPF1のFの部分を示す部分正面図(図10(a))、図9に示すDPF1のFの部分の側面断面図(図10(b))である。
【図11】第二の実施形態の第一変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)を示す部分正面図(図11(a))、DPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図(図11(b))である。
【図12】第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図である。
【図13】本発明の第三の実施形態にかかるDPF1の正面図(図13(a))、DPF1のXIIIの部分(図13参照)の側面断面図(図13(b))である。
【図14】本発明の第四の実施形態にかかるDPF1の正面図(図14(a))、側面図(図14(b))である。
【図15】第四の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図である。
【図16】本発明の第五の実施形態にかかるDPF1の正面図(図16(a))、側面図(図16(b))である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0037】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるDPF1の正面図(図1(a))、側面図(図1(b))である。
【0038】
本発明の実施形態にかかるDPF(Diesel Particulate Filter)1は、ディーゼルエンジンなどの排気ガスを受け、排気ガス中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集する。例えば、DPF(捕集体)1を、ディーゼルエンジンを積載した自動車に載せる。または、DPF(捕集体)1について、粒子状物質付着試験を行う。
【0039】
第一の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b(図1(b)参照)を備える。第一端面1aおよび第二端面1bは円形(図1(a)参照)であり、DPF1自体は円筒形をしている。DPF1は、排気ガスを第一端面1aで受け、PMを捕集し、第二端面1bから排気ガスを排出する。第二端面1bから排出された排気ガスはPMが捕集されているので、第一端面1aで受けた排気ガスよりも浄化されている。
【0040】
第一の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、さらに、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。図1(a)においては、第一端面1aの中央付近のみ、これらの孔部を図示している。以後、第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16をまとめて「孔部」ということがある。
【0041】
なお、図1(a)においては、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置している。しかし、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置していなくてもよく、第一端面1aの周辺に近い部分に位置していてもよい。
【0042】
図1(a)を参照して、第一孔部12が左上の隅に位置している。第一孔部12と第二孔部14とが互いに隣接する。第一孔部12どうしは隣接しないし、第二孔部14どうしも隣接しない。また、第三孔部16どうしが隣接する。ここで、第三孔部16Aは、第三孔部16Aの上下左右にある第三孔部16にのみ隣接する。第三孔部16Aは、第一孔部12にも第二孔部14にも隣接しない。なお、第三孔部16Aの上下左右にある第三孔部16は、第三孔部16Aにも隣接するし、第一孔部12にも隣接している。なお、第三孔部16Aは、第一端面1aの中心に位置している。
【0043】
ここで、第三孔部16Aの左隣りの縦一列の部分を部分II(ただし、孔部を五個だけ含む)とする。また、第三孔部16Aを含む縦一列の部分を部分III(ただし、孔部を五個だけ含む)とする。
【0044】
図2は、図1に示すDPF1のIIの部分を示す部分正面図(図2(a))、側面断面図(図2(b))である。図3は、図1に示すDPF1のIIIの部分を示す部分正面図(図3(a))、側面断面図(図3(b))である。ただし、図2および図3において、矢印は排気ガスの流れである。
【0045】
孔部の端部のうち、第一端面1a側の端部を第一端部といい、第二端面1b側の端部を第二端部という。第一端部は、気体(排気ガス)を受ける側の端部である。第二端部は、第一端部の反対側の端部である。
【0046】
第一孔部12は、第一端部が開いており、第二端部が閉じている。第二孔部14は、第一端部が閉じ、第二端部が開いている。第三孔部16は、第一端部が閉じている。
【0047】
なお、第二孔部14および第三孔部16は、第一端部が閉じていることが共通する。しかし、第二孔部14どうしは隣接しないが、第三孔部16どうしは隣接することが、第二孔部14および第三孔部16の相違点といえる。
【0048】
隔壁22は、互いに隣接する第一孔部12と第二孔部14とを隔てる壁である。隔壁22は、例えば、コージェライトなどの多孔質のセラミックである。隔壁22を通過する排気ガス中のPMが、隔壁22に捕集される。
【0049】
栓20が、第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16の内部に配置されている。栓20により、第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16が閉じられている。
【0050】
図4は、参照領域A0を説明するためのDPF1の部分正面図(図4(a))、境界Bを説明するためのDPF1の部分正面図(図4(b))である。
【0051】
参照領域A0は、第三孔部16にのみ隣接する第三孔部16Aを含む。第一の実施形態においては、参照領域A0は、第三孔部16Aおよび第三孔部16Aを包囲する隔壁22からなる領域である。
【0052】
第三孔部16と、第一孔部12または第二孔部14とを隔てる境界線を、境界Bという。参照領域A0は、境界Bの内側(第三孔部16側)にある。
【0053】
次に、第一の実施形態の作用を説明する。
【0054】
図2を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目に位置する第一孔部12の内部に流入する。それ以外の孔部の第一端部(栓20により閉鎖されている)からは、排気ガスが流入しない。
【0055】
第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、第一孔部12の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、隔壁22が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは隔壁22を通過して、第二孔部14または第三孔部16の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが隔壁22を通過することができず、第一孔部12の内部に留まる。これを、隔壁22によるPMの捕集という。隔壁22を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化され、第二孔部14または第三孔部16の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0056】
図3を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図2(a)の縦一列の孔部の上から一番目および五番目に位置する第一孔部12の内部に流入する。それ以外の孔部の第一端部(栓20により閉鎖されている)からは、排気ガスが流入しない。
【0057】
第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、第一孔部12の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、隔壁22が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは隔壁22を通過して、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが、図2(b)の上から一番目および四番目の隔壁22を通過することができず、第一孔部12の内部に留まる。
【0058】
隔壁22を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化される。ここで、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の第二端部は、いずれも開いている。よって、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入した排気ガスは、第三孔部16Aの内部に流入するのではなく、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0059】
よって、第三孔部16Aの内部および第三孔部16Aを包囲する隔壁22からなる参照領域A0には、排気ガス中のPMがほとんど付着せず、PMを捕集する重量はほぼ0とみなすことができる。
【0060】
なお、参照領域A0を第一端面1aと平行な平面で断面をとれば、その断面積は第一端面1aの面積よりも極めて小さい。よって、参照領域A0の存在によるDPF1によるPMの捕集量の低下は、無視し得る。
【0061】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、自動車または粒子状物質付着試験のための装置から取り外される。そして、DPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。
【0062】
図5は、第一の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図(図5(a))、部分正面図(図5(b))である。第一の実施形態にかかる捕集量測定装置は、電磁波出力器2、電磁波検出器4、走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)6、参照値導出部7、捕集量導出部8を備える。
【0063】
図5(a)を参照して、DPF1のうち参照領域A0以外の領域を捕集領域A1とする。なお、図5(b)においては、DPF1、電磁波出力器2、電磁波検出器4および走査用ステージ6を図示し、参照値導出部7および捕集量導出部8は図示省略する。
【0064】
電磁波出力器2は、DPF1に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波(以下、「測定用電磁波」という)を出力する。なお、DPF1に向けて出力される測定用電磁波の周波数は、テラヘルツ波帯(例えば、0.03[THz]以上10[THz]以下)を含むものである。そこで、本発明の実施形態においては、測定用電磁波の一例として、テラヘルツ波を想定している。
【0065】
DPF1に向けて出力されたテラヘルツ波はDPF1を透過する。電磁波検出器4は、DPF1を透過した測定用電磁波(例えば、テラヘルツ波)を検出する。
【0066】
走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)6は、測定用電磁波の進行方向と垂直な方向の直線Zを回転軸として、DPF1を回転させる(θ方向への移動)。なお、電磁波出力器2および電磁波検出器4を、直線Zを回転軸として、回転させてもよい(測定用電磁波の進行方向の回転に相当)。
【0067】
走査用ステージ6は、測定用電磁波の進行方向および回転軸Zと垂直なX方向に、DPF1を移動させる(X方向への移動)。なお、電磁波出力器2および電磁波検出器4を、X方向に移動させてもよい(測定用電磁波の進行方向の移動に相当)。
【0068】
走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)6を作動させながら、電磁波検出器4による検出を行う。
【0069】
参照値導出部7は、電磁波検出器4の検出結果に基づき、参照領域A0の内(例えば、参照領域A0を直線Zと垂直な平面で断面をとったもの)におけるテラヘルツ波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。参照領域A0の内のテラヘルツ波の吸収率などは、周知のCT(computer tomography)により導出できる。
【0070】
捕集量導出部8は、電磁波検出器4の検出結果および参照値導出部7の導出結果に基づき、捕集領域A1に存在するPMの重量(単位は、例えば[g])または濃度(単位は、例えば[g/l](1リットルあたりの重量))を導出する。
【0071】
参照領域A0の内のテラヘルツ波の吸収率を基に、捕集領域A1に存在するPMの濃度を、捕集量導出部8により導出する例を説明する。
【0072】
粒子状物質の濃度0のときのテラヘルツ波の吸収率をα0、粒子状物質の濃度に対するテラヘルツ波の吸収率の増加率をβとする。すると、粒子状物質の濃度=(α−α0)/βとなる。なお、βは予め求めておき、捕集量導出部8に記録しておく。
【0073】
参照領域A0の内には、PMがほとんど捕集されていないので、粒子状物質の濃度を0とみなすことができる。よって、参照値導出部7により導出された参照領域A0の内のテラヘルツ波の吸収率をα0とみなすことができる。よって、捕集量導出部8は、参照値導出部7からα0を取得することができる。
【0074】
また、捕集量導出部8は、電磁波検出器4の検出結果から、捕集領域A1におけるテラヘルツ波の吸収率αの分布を、周知のCTにより導出する。
【0075】
さらに、捕集量導出部8は、β、α0およびαを、(α−α0)/βに代入し、粒子状物質(PM)の濃度の分布を導出する。
【0076】
なお、参照値導出部7および捕集量導出部8は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、参照値導出部7および捕集量導出部8を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【0077】
第一の実施形態によれば、参照領域A0は、測定対象であるDPF1の内部に存在するものなので、時間の経過に伴う誤差およびDPF1の個体差による誤差が無視できる。よって、排気ガス中のPMを捕集するDPF1における物質の濃度が0のときのテラヘルツ波の特性値(例えば、吸収率)を正確に測定することができる。これにより、DPF1のPMの濃度の分布を正確に導出することができる。
【0078】
なお、第一の実施形態にかかるDPF1には、以下に示すように二つの変形例が考えられる。
【0079】
図6は、第一の実施形態の第一変形例におけるDPF1のIIの部分(図1参照)を示す部分正面図(図6(a))、DPF1のIIの部分(図1参照)の側面断面図(図6(b))である。ただし、図6において、矢印は排気ガスの流れである。
【0080】
第三孔部16は、第一端部と第二端部との間が閉じている。第三孔部の内部に配置された栓20により、第三孔部が閉じられている。例えば、栓20は、第三孔部16の第一端部から同じ長さだけ奥に配置され、同じ形状であるものとする。
【0081】
第三孔部16以外は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0082】
図7は、第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の正面図(図7(a):閉鎖部材30を図示省略、図7(b):閉鎖部材30を図示)である。
【0083】
図8は、第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の部分正面図(図8(a):閉鎖部材30を図示省略)、側面断面図(図8(b):閉鎖部材30を図示)である。ただし、図8において、矢印は排気ガスの流れである。
【0084】
第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、閉鎖部材30を備える。閉鎖部材30が無い状態のDPF1は、図7(a)に示すように、第三孔部16が無く、第一孔部12および第二孔部14がある。第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、図7(a)に示すようなDPF1の、中央の縦3列×横3行の第一孔部12または第二孔部14の上に、閉鎖部材30をかぶせたものである。閉鎖部材30は、第一端部の端面(第一端面1a)に接する。これにより、閉鎖部材30をかぶせた第一孔部12および第二孔部14を、第三孔部16(第一端部が閉じている)とすることができる。閉鎖部材30により、第三孔部16の第一端部が閉じられているといえる。
【0085】
閉鎖部材30以外は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0086】
第二の実施形態
第二の実施形態にかかるDPF1は、第一の実施形態にかかるDPF1の第一孔部12と第二孔部14とを入れ替えたものである。さらに、第二の実施形態にかかるDPF1は、第三孔部16は、第一端部ではなく、第二端部が閉じている。
【0087】
図9は、本発明の第二の実施形態にかかるDPF1の正面図(図9(a))、側面図(図9(b))である。以下、第一の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0088】
第二の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。
【0089】
なお、図9(a)においては、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置している。しかし、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置していなくてもよく、第一端面1aの周辺に近い部分に位置していてもよい。
【0090】
第一端面1aおよび第二端面1bは、第一の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0091】
第一孔部12、第二孔部14は、互いの位置が入れ替わっていること以外は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。図9(a)においては、第二孔部14が左上の隅に位置している。
【0092】
図10は、図9に示すDPF1のFの部分を示す部分正面図(図10(a))、図9に示すDPF1のFの部分の側面断面図(図10(b))である。ただし、図10において、矢印は排気ガスの流れである。
【0093】
第三孔部16は、第二端部が閉じている(第一端部は開いていてもよい)。それ以外は、第三孔部16は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。なお、栓20、隔壁22、参照領域A0は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0094】
次に、第二の実施形態にかかるDPF1の作用を説明する。
【0095】
図10を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目、三番目および四番目に位置する第三孔部16の内部に流入する。それ以外の孔部の第一端部からは、排気ガスが流入しない。
【0096】
第三孔部16の内部に流入した排気ガスは、第三孔部16の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、隔壁22が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは隔壁22を通過して、図10(a)の縦一列の孔部の上から一番目および五番目の第二孔部14の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが、図10(b)の上から一番目および四番目の隔壁22を通過することができず、第三孔部16の内部に留まる。
【0097】
隔壁22を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化される。ここで、図10(a)の縦一列の孔部の上から一番目および五番目の第二孔部14の第二端部は、いずれも開いている。よって、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入した排気ガスは、第三孔部16の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0098】
ただし、図10(a)の縦一列の孔部の上から三番目の第三孔部16Aの内部に流入した排気ガスの圧力と、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入した排気ガスの圧力とは、ほぼ同じである。よって、第三孔部16Aの内部に流入した排気ガスが、隔壁22を通過して、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入することは、ほとんど考えられない。
【0099】
よって、第三孔部16Aの内部および第三孔部16Aを包囲する隔壁22からなる参照領域A0には、排気ガス中のPMがほとんど付着せず、PMを捕集する重量はほぼ0とみなすことができる。
【0100】
なお、参照領域A0が極めて小さいことと、参照領域A0の存在によるDPF1によるPMの捕集量の低下が無視し得ることも、第一の実施形態と同様である。
【0101】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、自動車または粒子状物質付着試験のための装置から取り外される。そして、DPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態(図5参照)と同様であり、説明を省略する。捕集領域A1が、DPF1のうち参照領域A0以外の領域であることは、第一の実施形態と同様である。
【0102】
第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。
【0103】
なお、第二の実施形態にかかるDPF1には、以下に示すように二つの変形例が考えられる。
【0104】
図11は、第二の実施形態の第一変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)を示す部分正面図(図11(a))、DPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図(図11(b))である。ただし、図11において、矢印は排気ガスの流れである。
【0105】
第三孔部16は、第一端部と第二端部との間が閉じている。第三孔部の内部に配置された栓20により、第三孔部が閉じられている。例えば、栓20は、第三孔部16の第一端部から同じ長さだけ奥に配置され、同じ形状であるものとする。
【0106】
第三孔部16以外は、第二の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0107】
図12は、第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図である。ただし、図12において、矢印は排気ガスの流れである。
【0108】
第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、閉鎖部材30を備える。閉鎖部材30が無い状態のDPF1の第二端面1bは、図7(a)同様に、第三孔部16が無く、第一孔部12および第二孔部14がある。第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、DPF1の第二端面1bの、中央の縦3列×横3行の第一孔部12または第二孔部14の上に、閉鎖部材30をかぶせたものである(図7(b)と同様)。閉鎖部材30は、第二端部の端面(第二端面1b)に接する。これにより、閉鎖部材30をかぶせた第一孔部12および第二孔部14を、第三孔部16(第二端部が閉じている)とすることができる。閉鎖部材30により、第三孔部16の第二端部が閉じられているといえる。
【0109】
閉鎖部材30以外は、第二の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、上から三番面の孔部は、第二端部が閉鎖部材30により閉じられているのみならず、第一端部もまた栓20により閉じられているので、排気ガスが流入しないことになる。
【0110】
第三の実施形態
第三の実施形態にかかるDPF1は、第三孔部16が無いこと、および、通過容易隔壁32と通過困難隔壁34とが有ることが、第一の実施形態にかかるDPF1と異なる。
【0111】
図13は、本発明の第三の実施形態にかかるDPF1の正面図(図13(a))、DPF1のXIIIの部分(図13参照)の側面断面図(図13(b))である。以下、第一の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。ただし、図13において、矢印は排気ガスの流れである。
【0112】
第三の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。
【0113】
なお、図13(a)においては、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置している。しかし、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置していなくてもよく、第一端面1aの周辺に近い部分に位置していてもよい。
【0114】
第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14は、第一の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0115】
互いに隣接する第一孔部12と第二孔部14とを隔てる隔壁は、排気ガスが通過しやすい通過容易隔壁32、または、排気ガスが通過しにくい通過困難隔壁34である。
【0116】
例えば、通過容易隔壁32の有孔率は、通過困難隔壁34よりも有孔率が高いようにする。例えば前者が50%、後者が5%である。
【0117】
例えば、通過困難隔壁34が排気ガスを通過させないようにする。例えば、通過困難隔壁34が多孔質である、これをふさぐようにコーティングを行う。
【0118】
なお、参照領域A0は、通過困難隔壁34により包囲された第一孔部または第二孔部を含むものとする。図13の例では、中央の第一孔部12が、参照領域A0となる。
【0119】
捕集領域A1は、DPF1のうち参照領域A0以外の領域であることは、第一の実施形態と同様である。
【0120】
次に、第三の実施形態にかかるDPF1の作用を説明する。
【0121】
図13(b)を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から一番目および五番目に位置する第一孔部12の内部に流入する。
【0122】
第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、第一孔部12の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、通過容易隔壁32が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは通過容易隔壁32を通過して、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第二孔部14の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが、図13(b)の上から一番目および四番目の通過容易隔壁32を通過することができず、第一孔部12の内部に留まる。
【0123】
通過容易隔壁32を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化される。ここで、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第二孔部14の第二端部は、いずれも開いている。よって、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第二孔部14の内部に流入した排気ガスは、第二孔部14の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0124】
ただし、図13(a)のXIIIの部分の上から三番目の第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、通過困難隔壁34を通過することが困難であるため、ほとんど、他の第一孔部12の内部に流入することはない。
【0125】
よって、図13(a)のXIIIの部分の上から三番目の第一孔部12からなる参照領域A0には、排気ガス中のPMがほとんど付着せず、PMを捕集する重量はほぼ0とみなすことができる。
【0126】
なお、参照領域A0が極めて小さいことと、参照領域A0の存在によるDPF1によるPMの捕集量の低下が無視し得ることも、第一の実施形態と同様である。
【0127】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、自動車または粒子状物質付着試験のための装置から取り外される。そして、DPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態(図5参照)と同様であり、説明を省略する。
【0128】
第三の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。
【0129】
第四の実施形態
第四の実施形態にかかるDPF1は、第三孔部16の配置が、第一の実施形態にかかるDPF1と異なる。また、第四の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置はCTでなくてもよい点が、第一の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置と異なる。
【0130】
図14は、本発明の第四の実施形態にかかるDPF1の正面図(図14(a))、側面図(図14(b))である。以下、第一の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0131】
第四の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。
【0132】
第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14は、第一の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0133】
第三孔部16は、中央に横3行に並ぶ。横3行には、第一孔部12も、第二孔部14も配置されていない。
【0134】
参照領域A0は、第三孔部16にのみ隣接する第三孔部16(横真中1列)を含む。参照領域A0は、第三孔部16と、第一孔部12または第二孔部14とを隔てる境界B(ただし、DPF1の外周の一部を含む)の内側(第三孔部16側)にある。
【0135】
例えば、参照領域A0は、横真中1列の第三孔部16と、横真中1列の第三孔部16を包囲する隔壁22とからなる。
【0136】
第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16の延伸方向(Z方向)とは垂直な直線と、DPF1とが交わった部分である線分PQ(図15参照)が、境界Bの内側(第三孔部16側)にある。
【0137】
第四の実施形態にかかるDPF1の作用は、第一の実施形態にかかるDPF1の作用と同様であり、説明を省略する。
【0138】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態にかかる捕集量測定装置のようにCTによるものでもよいが、他の装置でもよい。
【0139】
図15は、第四の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図である。第四の実施形態にかかる捕集量測定装置は、電磁波出力器2a、2b、電磁波検出器4a、4b、参照値導出部7、捕集量導出部8を備える。
【0140】
電磁波出力器2a、2bと、電磁波検出器4a、4bとは、第一の実施形態とほぼ同様である。
【0141】
ただし、電磁波出力器2aからDPF1に向けて出力されたテラヘルツ波が、DPF1を透過して、電磁波検出器4aにより検出される。また、電磁波出力器2bからDPF1に向けて出力されたテラヘルツ波が、DPF1を透過して、電磁波検出器4bにより検出される。
【0142】
線分PQを、参照領域A0が含む。DPF1のうち参照領域A0以外の領域が捕集領域A1である。
【0143】
電磁波出力器2aから電磁波検出器4aに向かって進行するテラヘルツ波の進行方向は、線分PQ上に固定されている。電磁波出力器2bから電磁波検出器4bに向かって進行するテラヘルツ波の進行方向は、線分PQと直交する。このように、テラヘルツ波の進行方向は二種類ある。なお、テラヘルツ波の進行方向は、DPF1に対して、固定されている。
【0144】
なお、DPF1自体は円筒形をしている。DPF1の回転中心である軸Zと、線分PQが交わる。すなわち、DPF1を直線Zと垂直な平面で断面をとったもの(円形である)の直径に、線分PQが重なる。
【0145】
参照値導出部7は、電磁波検出器4aの検出結果に基づき、参照領域A0の内(例えば、参照領域A0を直線Zと垂直な平面で断面をとったもの)におけるテラヘルツ波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。
【0146】
参照領域A0におけるテラヘルツ波の吸収率は、特に、CTによらずに求めることができる。例えば、参照領域A0におけるテラヘルツ波の吸収率は、1−(電磁波検出器4aにより検出されたテラヘルツ波の光パワー)/(電磁波出力器2aから出力されたテラヘルツ波の光パワー)として求めることができる。
【0147】
捕集量導出部8は、電磁波検出器4bの検出結果および参照値導出部7の導出結果に基づき、捕集領域A1に存在するPMの重量(単位は、例えば[g])または濃度(単位は、例えば[g/l](1リットルあたりの重量))を導出する。
【0148】
捕集領域A1に存在するPMの濃度およびテラヘルツ波の吸収率は、捕集領域A1のどの部分でも同じであると仮定すれば、第一の実施形態と同様に、捕集領域A1における粒子状物質(PM)の濃度を導出できる。
【0149】
第四の実施形態にかかる捕集量測定装置は、走査用ステージ6が不要であり、小型化を図ることができるため、自動車に載せることができる。このため、DPF1を自動車から外さなくても、捕集量測定装置による測定が可能となる。
【0150】
第五の実施形態
第五の実施形態にかかるDPF1は、通過困難隔壁34の配置が、第三の実施形態にかかるDPF1と異なる。また、第五の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置はCTでなくてもよい点が、第三の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置と異なる。
【0151】
図16は、本発明の第五の実施形態にかかるDPF1の正面図(図16(a))、側面図(図16(b))である。以下、第三の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0152】
第五の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14を備える。
【0153】
第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14は、第三の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0154】
通過容易隔壁32および通過困難隔壁34も、第三の実施形態と同じであり説明を省略する。ただし、横真中一列の第一孔部12または第二孔部14を、通過困難隔壁34が包囲する。他の部分の隔壁は、通過容易隔壁32である。
【0155】
第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16の延伸方向(Z方向)とは垂直な直線と、DPF1とが交わった部分である線分PQ(図15参照)が、第一孔部12および第二孔部14のうち、横真中一列の第一孔部12および第二孔部14を通過する。
【0156】
横真中一列の第一孔部12および第二孔部14は、通過困難隔壁34のみを介して第二孔部14に隣接する第一孔部12、および、通過困難隔壁34のみを介して第一孔部12に隣接する第二孔部14である。
【0157】
横真中一列の第一孔部12および第二孔部14は、通過容易隔壁32を介して第二孔部14に隣接する第一孔部12ではないし、通過困難隔壁32を介して第一孔部12に隣接する第二孔部14でもない。
【0158】
参照領域A0は、通過困難隔壁34により包囲された第一孔部12または第二孔部14を含む。参照領域A0は、横真中一列の第一孔部12または第二孔部14と、通過困難隔壁34からなる。
【0159】
第五の実施形態にかかるDPF1の作用は、第三の実施形態にかかるDPF1の作用と同様であり、説明を省略する。
【0160】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態にかかる捕集量測定装置のようにCTによるものでもよいが、第四の実施形態にかかる捕集量測定装置(図15参照)と同じものでもよい。
【0161】
第五の実施形態にかかる捕集量測定装置は、第四の実施形態にかかる捕集量測定装置と同様に、小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0162】
1 DPF(捕集体)
1a 第一端面
1b 第二端面
2、2a、2b 電磁波出力器
4、4a、4b 電磁波検出器
6 走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)
7 参照値導出部
8 捕集量導出部
12 第一孔部
14 第二孔部
16、16A 第三孔部
20 栓
22 隔壁
30 閉鎖部材
32 通過容易隔壁
34 通過困難隔壁
A0 参照領域
A1 捕集領域
B 境界
Z 直線(回転軸)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波(周波数が0.01[THz]以上100[THz]以下)(例えば、テラヘルツ波(例えば、周波数が0.03[THz]以上10[THz]以下))を使用した、粒子状物質の捕集体における粒子状物質(例えば、炭素微粒子からなるスート、高分子量炭化水素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子など)の濃度測定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テラヘルツ波またはマイクロ波を含む電磁波を使用して、ディーゼルエンジン用のDPF(Diesel Particulate Filter)と言われる粒子状物質捕集フィルタ(またはディーゼルエンジン用の粒子状物質捕集燃焼触媒)の中の粒子状物質の量または濃度を測定することが知られている(特許文献1、特許文献2および特許文献3を参照)。
【0003】
上記の従来技術によれば、DPF(または燃焼触媒)を透過した電磁波の強度を測定し、電磁波の吸収係数α’を導出して、粒子状物質の濃度(または量)を測定する。しかも、粒子状物質の濃度0のときの電磁波の吸収係数α0’、粒子状物質の濃度に対する電磁波の吸収係数の増加率β’を求めておく。粒子状物質の濃度=(α’−α0’)/β’となるので、粒子状物質の濃度を求めることができる。
【0004】
なお、DPF自体が電磁波を吸収するので、α0’>0である。そこで、新品の状態(当然ながら、粒子状物質を吸着していないことになる)のDPFの電磁波の吸収係数を測定し、その測定値をα0’とすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−288220号公報
【特許文献2】特開2009−2276号公報
【特許文献3】特開2009−57948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、DPFのα0には個体差があることが考えられる。すなわち、個々のDPFのα0が’等しくないということが考えられる。しかも、時間の経過に伴い、α0’が変化することがある。よって、新品の状態のDPFの電磁波の吸収係数が、粒子状物質の濃度の測定対象であるDPFのα0’とは異なる場合が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、気体中の物質を捕集する捕集体における物質の濃度が0などの所定値のときの電磁波の特性値(例えば、吸収係数)を正確に測定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる第一の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、前記第一端部が閉じている第三孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、前記第三孔部どうしが隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0009】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第一の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。第三孔部は、前記第一端部が閉じている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。前記第三孔部どうしが隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0010】
本発明にかかる第二の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、前記第二端部が閉じている第三孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、前記第三孔部どうしが隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0011】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第二の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。第三孔部は、前記第二端部が閉じている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。前記第三孔部どうしが隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0012】
本発明にかかる第三の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、前記第一端部と前記第二端部との間が閉じている第三孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、前記第三孔部どうしが隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0013】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第三の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。第三孔部は、前記第一端部と前記第二端部との間が閉じている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。前記第三孔部どうしが隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0014】
なお、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体は、前記第三孔部の内部に配置された栓により、前記第三孔部が閉じられているようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明にかかる第一および第二の捕集体は、前記第一端部の端面または前記第二端部の端面に接する閉鎖部材により、前記第三孔部が閉じられているようにしてもよい。
【0016】
本発明にかかる第四の捕集体は、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、を備え、前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁は、前記気体が通過しやすい通過容易隔壁、または、前記気体が通過しにくい通過困難隔壁であり、前記隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集されるように構成される。
【0017】
上記のように構成された、気体を受け、前記気体中の物質を捕集する第四の捕集体によれば、第一孔部は、前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている。第二孔部は、前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている。前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接する。互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁は、前記気体が通過しやすい通過容易隔壁、または、前記気体が通過しにくい通過困難隔壁である。前記隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される。
【0018】
なお、本発明にかかる第四の捕集体は、前記通過容易隔壁が、前記通過困難隔壁よりも有孔率が高いようにしてもよい。
【0019】
なお、本発明にかかる第四の捕集体は、前記通過困難隔壁が前記気体を通過させないようにしてもよい。
【0020】
なお、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体は、前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあるようにしてもよい。
【0021】
なお、本発明にかかる第四の捕集体は、前記第一孔部および前記第二孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、前記通過困難隔壁のみを介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過困難隔壁のみを介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過し、前記通過容易隔壁を介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過容易隔壁を介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過しないようにしてもよい。
【0022】
なお、本発明にかかる第一、第二、第三および第四の捕集体は、前記捕集体が円筒であり、前記直線は、前記捕集体の回転中心である軸と交わるようにしてもよい。
【0023】
本発明にかかる第一の捕集量測定装置は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるように構成される。
【0024】
上記のように構成された第一の捕集量測定装置によれば、電磁波出力器が、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する。電磁波検出器が、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する。参照値導出部が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。捕集量導出部が、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する。前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にある。前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である。
【0025】
本発明にかかる第二の捕集量測定装置は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるように構成される。
【0026】
上記のように構成された第二の捕集量測定装置によれば、電磁波出力器が、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する。電磁波検出器が、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する。参照値導出部が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。捕集量導出部が、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する。前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含む。前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である。
【0027】
なお、本発明にかかる第一または第二の捕集量測定装置は、前記測定用電磁波の進行方向と垂直な方向の直線を回転軸として、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を回転させる回転駆動部と、前記測定用電磁波の進行方向および前記回転軸と垂直な方向に、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を移動させる直線駆動部と、を備え、前記回転駆動部および前記直線駆動部を作動させながら、前記電磁波検出器による検出を行うようにしてもよい。
【0028】
なお、本発明にかかる第一または第二の捕集量測定装置は、前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分を、前記参照領域が含み、前記測定用電磁波の進行方向が複数種類あり、そのうちの一つは前記線分に沿って固定されているようにしてもよい。
【0029】
本発明は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である捕集量測定方法である。
【0030】
本発明は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である捕集量測定方法である。
【0031】
本発明は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるプログラムである。
【0032】
本発明は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域であるプログラムである。
【0033】
本発明は、本発明にかかる第一、第二および第三の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である記録媒体である。
【0034】
本発明は、本発明にかかる第四の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記捕集量測定処理は、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、を備え、前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかるDPF1の正面図(図1(a))、側面図(図1(b))である。
【図2】図1に示すDPF1のIIの部分を示す部分正面図(図2(a))、側面断面図(図2(b))である。
【図3】図1に示すDPF1のIIIの部分を示す部分正面図(図3(a))、側面断面図(図3(b))である。
【図4】参照領域A0を説明するためのDPF1の部分正面図(図4(a))、境界Bを説明するためのDPF1の部分正面図(図4(b))である。
【図5】第一の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図(図5(a))、部分正面図(図5(b))である。
【図6】第一の実施形態の第一変形例におけるDPF1のIIの部分(図1参照)を示す部分正面図(図6(a))、DPF1のIIの部分(図1参照)の側面断面図(図6(b))である。
【図7】第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の正面図(図7(a):閉鎖部材30を図示省略、図7(b):閉鎖部材30を図示)である。
【図8】第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の部分正面図(図8(a):閉鎖部材30を図示省略)、側面断面図(図8(b):閉鎖部材30を図示)である。
【図9】本発明の第二の実施形態にかかるDPF1の正面図(図9(a))、側面図(図9(b))である。
【図10】図9に示すDPF1のFの部分を示す部分正面図(図10(a))、図9に示すDPF1のFの部分の側面断面図(図10(b))である。
【図11】第二の実施形態の第一変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)を示す部分正面図(図11(a))、DPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図(図11(b))である。
【図12】第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図である。
【図13】本発明の第三の実施形態にかかるDPF1の正面図(図13(a))、DPF1のXIIIの部分(図13参照)の側面断面図(図13(b))である。
【図14】本発明の第四の実施形態にかかるDPF1の正面図(図14(a))、側面図(図14(b))である。
【図15】第四の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図である。
【図16】本発明の第五の実施形態にかかるDPF1の正面図(図16(a))、側面図(図16(b))である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0037】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるDPF1の正面図(図1(a))、側面図(図1(b))である。
【0038】
本発明の実施形態にかかるDPF(Diesel Particulate Filter)1は、ディーゼルエンジンなどの排気ガスを受け、排気ガス中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集する。例えば、DPF(捕集体)1を、ディーゼルエンジンを積載した自動車に載せる。または、DPF(捕集体)1について、粒子状物質付着試験を行う。
【0039】
第一の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b(図1(b)参照)を備える。第一端面1aおよび第二端面1bは円形(図1(a)参照)であり、DPF1自体は円筒形をしている。DPF1は、排気ガスを第一端面1aで受け、PMを捕集し、第二端面1bから排気ガスを排出する。第二端面1bから排出された排気ガスはPMが捕集されているので、第一端面1aで受けた排気ガスよりも浄化されている。
【0040】
第一の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、さらに、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。図1(a)においては、第一端面1aの中央付近のみ、これらの孔部を図示している。以後、第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16をまとめて「孔部」ということがある。
【0041】
なお、図1(a)においては、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置している。しかし、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置していなくてもよく、第一端面1aの周辺に近い部分に位置していてもよい。
【0042】
図1(a)を参照して、第一孔部12が左上の隅に位置している。第一孔部12と第二孔部14とが互いに隣接する。第一孔部12どうしは隣接しないし、第二孔部14どうしも隣接しない。また、第三孔部16どうしが隣接する。ここで、第三孔部16Aは、第三孔部16Aの上下左右にある第三孔部16にのみ隣接する。第三孔部16Aは、第一孔部12にも第二孔部14にも隣接しない。なお、第三孔部16Aの上下左右にある第三孔部16は、第三孔部16Aにも隣接するし、第一孔部12にも隣接している。なお、第三孔部16Aは、第一端面1aの中心に位置している。
【0043】
ここで、第三孔部16Aの左隣りの縦一列の部分を部分II(ただし、孔部を五個だけ含む)とする。また、第三孔部16Aを含む縦一列の部分を部分III(ただし、孔部を五個だけ含む)とする。
【0044】
図2は、図1に示すDPF1のIIの部分を示す部分正面図(図2(a))、側面断面図(図2(b))である。図3は、図1に示すDPF1のIIIの部分を示す部分正面図(図3(a))、側面断面図(図3(b))である。ただし、図2および図3において、矢印は排気ガスの流れである。
【0045】
孔部の端部のうち、第一端面1a側の端部を第一端部といい、第二端面1b側の端部を第二端部という。第一端部は、気体(排気ガス)を受ける側の端部である。第二端部は、第一端部の反対側の端部である。
【0046】
第一孔部12は、第一端部が開いており、第二端部が閉じている。第二孔部14は、第一端部が閉じ、第二端部が開いている。第三孔部16は、第一端部が閉じている。
【0047】
なお、第二孔部14および第三孔部16は、第一端部が閉じていることが共通する。しかし、第二孔部14どうしは隣接しないが、第三孔部16どうしは隣接することが、第二孔部14および第三孔部16の相違点といえる。
【0048】
隔壁22は、互いに隣接する第一孔部12と第二孔部14とを隔てる壁である。隔壁22は、例えば、コージェライトなどの多孔質のセラミックである。隔壁22を通過する排気ガス中のPMが、隔壁22に捕集される。
【0049】
栓20が、第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16の内部に配置されている。栓20により、第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16が閉じられている。
【0050】
図4は、参照領域A0を説明するためのDPF1の部分正面図(図4(a))、境界Bを説明するためのDPF1の部分正面図(図4(b))である。
【0051】
参照領域A0は、第三孔部16にのみ隣接する第三孔部16Aを含む。第一の実施形態においては、参照領域A0は、第三孔部16Aおよび第三孔部16Aを包囲する隔壁22からなる領域である。
【0052】
第三孔部16と、第一孔部12または第二孔部14とを隔てる境界線を、境界Bという。参照領域A0は、境界Bの内側(第三孔部16側)にある。
【0053】
次に、第一の実施形態の作用を説明する。
【0054】
図2を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目に位置する第一孔部12の内部に流入する。それ以外の孔部の第一端部(栓20により閉鎖されている)からは、排気ガスが流入しない。
【0055】
第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、第一孔部12の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、隔壁22が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは隔壁22を通過して、第二孔部14または第三孔部16の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが隔壁22を通過することができず、第一孔部12の内部に留まる。これを、隔壁22によるPMの捕集という。隔壁22を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化され、第二孔部14または第三孔部16の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0056】
図3を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図2(a)の縦一列の孔部の上から一番目および五番目に位置する第一孔部12の内部に流入する。それ以外の孔部の第一端部(栓20により閉鎖されている)からは、排気ガスが流入しない。
【0057】
第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、第一孔部12の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、隔壁22が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは隔壁22を通過して、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが、図2(b)の上から一番目および四番目の隔壁22を通過することができず、第一孔部12の内部に留まる。
【0058】
隔壁22を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化される。ここで、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の第二端部は、いずれも開いている。よって、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入した排気ガスは、第三孔部16Aの内部に流入するのではなく、図2(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0059】
よって、第三孔部16Aの内部および第三孔部16Aを包囲する隔壁22からなる参照領域A0には、排気ガス中のPMがほとんど付着せず、PMを捕集する重量はほぼ0とみなすことができる。
【0060】
なお、参照領域A0を第一端面1aと平行な平面で断面をとれば、その断面積は第一端面1aの面積よりも極めて小さい。よって、参照領域A0の存在によるDPF1によるPMの捕集量の低下は、無視し得る。
【0061】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、自動車または粒子状物質付着試験のための装置から取り外される。そして、DPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。
【0062】
図5は、第一の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図(図5(a))、部分正面図(図5(b))である。第一の実施形態にかかる捕集量測定装置は、電磁波出力器2、電磁波検出器4、走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)6、参照値導出部7、捕集量導出部8を備える。
【0063】
図5(a)を参照して、DPF1のうち参照領域A0以外の領域を捕集領域A1とする。なお、図5(b)においては、DPF1、電磁波出力器2、電磁波検出器4および走査用ステージ6を図示し、参照値導出部7および捕集量導出部8は図示省略する。
【0064】
電磁波出力器2は、DPF1に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の電磁波(以下、「測定用電磁波」という)を出力する。なお、DPF1に向けて出力される測定用電磁波の周波数は、テラヘルツ波帯(例えば、0.03[THz]以上10[THz]以下)を含むものである。そこで、本発明の実施形態においては、測定用電磁波の一例として、テラヘルツ波を想定している。
【0065】
DPF1に向けて出力されたテラヘルツ波はDPF1を透過する。電磁波検出器4は、DPF1を透過した測定用電磁波(例えば、テラヘルツ波)を検出する。
【0066】
走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)6は、測定用電磁波の進行方向と垂直な方向の直線Zを回転軸として、DPF1を回転させる(θ方向への移動)。なお、電磁波出力器2および電磁波検出器4を、直線Zを回転軸として、回転させてもよい(測定用電磁波の進行方向の回転に相当)。
【0067】
走査用ステージ6は、測定用電磁波の進行方向および回転軸Zと垂直なX方向に、DPF1を移動させる(X方向への移動)。なお、電磁波出力器2および電磁波検出器4を、X方向に移動させてもよい(測定用電磁波の進行方向の移動に相当)。
【0068】
走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)6を作動させながら、電磁波検出器4による検出を行う。
【0069】
参照値導出部7は、電磁波検出器4の検出結果に基づき、参照領域A0の内(例えば、参照領域A0を直線Zと垂直な平面で断面をとったもの)におけるテラヘルツ波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。参照領域A0の内のテラヘルツ波の吸収率などは、周知のCT(computer tomography)により導出できる。
【0070】
捕集量導出部8は、電磁波検出器4の検出結果および参照値導出部7の導出結果に基づき、捕集領域A1に存在するPMの重量(単位は、例えば[g])または濃度(単位は、例えば[g/l](1リットルあたりの重量))を導出する。
【0071】
参照領域A0の内のテラヘルツ波の吸収率を基に、捕集領域A1に存在するPMの濃度を、捕集量導出部8により導出する例を説明する。
【0072】
粒子状物質の濃度0のときのテラヘルツ波の吸収率をα0、粒子状物質の濃度に対するテラヘルツ波の吸収率の増加率をβとする。すると、粒子状物質の濃度=(α−α0)/βとなる。なお、βは予め求めておき、捕集量導出部8に記録しておく。
【0073】
参照領域A0の内には、PMがほとんど捕集されていないので、粒子状物質の濃度を0とみなすことができる。よって、参照値導出部7により導出された参照領域A0の内のテラヘルツ波の吸収率をα0とみなすことができる。よって、捕集量導出部8は、参照値導出部7からα0を取得することができる。
【0074】
また、捕集量導出部8は、電磁波検出器4の検出結果から、捕集領域A1におけるテラヘルツ波の吸収率αの分布を、周知のCTにより導出する。
【0075】
さらに、捕集量導出部8は、β、α0およびαを、(α−α0)/βに代入し、粒子状物質(PM)の濃度の分布を導出する。
【0076】
なお、参照値導出部7および捕集量導出部8は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、参照値導出部7および捕集量導出部8を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【0077】
第一の実施形態によれば、参照領域A0は、測定対象であるDPF1の内部に存在するものなので、時間の経過に伴う誤差およびDPF1の個体差による誤差が無視できる。よって、排気ガス中のPMを捕集するDPF1における物質の濃度が0のときのテラヘルツ波の特性値(例えば、吸収率)を正確に測定することができる。これにより、DPF1のPMの濃度の分布を正確に導出することができる。
【0078】
なお、第一の実施形態にかかるDPF1には、以下に示すように二つの変形例が考えられる。
【0079】
図6は、第一の実施形態の第一変形例におけるDPF1のIIの部分(図1参照)を示す部分正面図(図6(a))、DPF1のIIの部分(図1参照)の側面断面図(図6(b))である。ただし、図6において、矢印は排気ガスの流れである。
【0080】
第三孔部16は、第一端部と第二端部との間が閉じている。第三孔部の内部に配置された栓20により、第三孔部が閉じられている。例えば、栓20は、第三孔部16の第一端部から同じ長さだけ奥に配置され、同じ形状であるものとする。
【0081】
第三孔部16以外は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0082】
図7は、第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の正面図(図7(a):閉鎖部材30を図示省略、図7(b):閉鎖部材30を図示)である。
【0083】
図8は、第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1の部分正面図(図8(a):閉鎖部材30を図示省略)、側面断面図(図8(b):閉鎖部材30を図示)である。ただし、図8において、矢印は排気ガスの流れである。
【0084】
第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、閉鎖部材30を備える。閉鎖部材30が無い状態のDPF1は、図7(a)に示すように、第三孔部16が無く、第一孔部12および第二孔部14がある。第一の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、図7(a)に示すようなDPF1の、中央の縦3列×横3行の第一孔部12または第二孔部14の上に、閉鎖部材30をかぶせたものである。閉鎖部材30は、第一端部の端面(第一端面1a)に接する。これにより、閉鎖部材30をかぶせた第一孔部12および第二孔部14を、第三孔部16(第一端部が閉じている)とすることができる。閉鎖部材30により、第三孔部16の第一端部が閉じられているといえる。
【0085】
閉鎖部材30以外は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0086】
第二の実施形態
第二の実施形態にかかるDPF1は、第一の実施形態にかかるDPF1の第一孔部12と第二孔部14とを入れ替えたものである。さらに、第二の実施形態にかかるDPF1は、第三孔部16は、第一端部ではなく、第二端部が閉じている。
【0087】
図9は、本発明の第二の実施形態にかかるDPF1の正面図(図9(a))、側面図(図9(b))である。以下、第一の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0088】
第二の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。
【0089】
なお、図9(a)においては、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置している。しかし、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置していなくてもよく、第一端面1aの周辺に近い部分に位置していてもよい。
【0090】
第一端面1aおよび第二端面1bは、第一の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0091】
第一孔部12、第二孔部14は、互いの位置が入れ替わっていること以外は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。図9(a)においては、第二孔部14が左上の隅に位置している。
【0092】
図10は、図9に示すDPF1のFの部分を示す部分正面図(図10(a))、図9に示すDPF1のFの部分の側面断面図(図10(b))である。ただし、図10において、矢印は排気ガスの流れである。
【0093】
第三孔部16は、第二端部が閉じている(第一端部は開いていてもよい)。それ以外は、第三孔部16は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。なお、栓20、隔壁22、参照領域A0は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0094】
次に、第二の実施形態にかかるDPF1の作用を説明する。
【0095】
図10を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目、三番目および四番目に位置する第三孔部16の内部に流入する。それ以外の孔部の第一端部からは、排気ガスが流入しない。
【0096】
第三孔部16の内部に流入した排気ガスは、第三孔部16の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、隔壁22が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは隔壁22を通過して、図10(a)の縦一列の孔部の上から一番目および五番目の第二孔部14の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが、図10(b)の上から一番目および四番目の隔壁22を通過することができず、第三孔部16の内部に留まる。
【0097】
隔壁22を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化される。ここで、図10(a)の縦一列の孔部の上から一番目および五番目の第二孔部14の第二端部は、いずれも開いている。よって、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入した排気ガスは、第三孔部16の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0098】
ただし、図10(a)の縦一列の孔部の上から三番目の第三孔部16Aの内部に流入した排気ガスの圧力と、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入した排気ガスの圧力とは、ほぼ同じである。よって、第三孔部16Aの内部に流入した排気ガスが、隔壁22を通過して、図10(a)の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第三孔部16の内部に流入することは、ほとんど考えられない。
【0099】
よって、第三孔部16Aの内部および第三孔部16Aを包囲する隔壁22からなる参照領域A0には、排気ガス中のPMがほとんど付着せず、PMを捕集する重量はほぼ0とみなすことができる。
【0100】
なお、参照領域A0が極めて小さいことと、参照領域A0の存在によるDPF1によるPMの捕集量の低下が無視し得ることも、第一の実施形態と同様である。
【0101】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、自動車または粒子状物質付着試験のための装置から取り外される。そして、DPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態(図5参照)と同様であり、説明を省略する。捕集領域A1が、DPF1のうち参照領域A0以外の領域であることは、第一の実施形態と同様である。
【0102】
第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。
【0103】
なお、第二の実施形態にかかるDPF1には、以下に示すように二つの変形例が考えられる。
【0104】
図11は、第二の実施形態の第一変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)を示す部分正面図(図11(a))、DPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図(図11(b))である。ただし、図11において、矢印は排気ガスの流れである。
【0105】
第三孔部16は、第一端部と第二端部との間が閉じている。第三孔部の内部に配置された栓20により、第三孔部が閉じられている。例えば、栓20は、第三孔部16の第一端部から同じ長さだけ奥に配置され、同じ形状であるものとする。
【0106】
第三孔部16以外は、第二の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0107】
図12は、第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1のFの部分(図9参照)の側面断面図である。ただし、図12において、矢印は排気ガスの流れである。
【0108】
第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、閉鎖部材30を備える。閉鎖部材30が無い状態のDPF1の第二端面1bは、図7(a)同様に、第三孔部16が無く、第一孔部12および第二孔部14がある。第二の実施形態の第二変形例におけるDPF1は、DPF1の第二端面1bの、中央の縦3列×横3行の第一孔部12または第二孔部14の上に、閉鎖部材30をかぶせたものである(図7(b)と同様)。閉鎖部材30は、第二端部の端面(第二端面1b)に接する。これにより、閉鎖部材30をかぶせた第一孔部12および第二孔部14を、第三孔部16(第二端部が閉じている)とすることができる。閉鎖部材30により、第三孔部16の第二端部が閉じられているといえる。
【0109】
閉鎖部材30以外は、第二の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、上から三番面の孔部は、第二端部が閉鎖部材30により閉じられているのみならず、第一端部もまた栓20により閉じられているので、排気ガスが流入しないことになる。
【0110】
第三の実施形態
第三の実施形態にかかるDPF1は、第三孔部16が無いこと、および、通過容易隔壁32と通過困難隔壁34とが有ることが、第一の実施形態にかかるDPF1と異なる。
【0111】
図13は、本発明の第三の実施形態にかかるDPF1の正面図(図13(a))、DPF1のXIIIの部分(図13参照)の側面断面図(図13(b))である。以下、第一の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。ただし、図13において、矢印は排気ガスの流れである。
【0112】
第三の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。
【0113】
なお、図13(a)においては、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置している。しかし、第三孔部16が第一端面1aのほぼ中央に位置していなくてもよく、第一端面1aの周辺に近い部分に位置していてもよい。
【0114】
第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14は、第一の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0115】
互いに隣接する第一孔部12と第二孔部14とを隔てる隔壁は、排気ガスが通過しやすい通過容易隔壁32、または、排気ガスが通過しにくい通過困難隔壁34である。
【0116】
例えば、通過容易隔壁32の有孔率は、通過困難隔壁34よりも有孔率が高いようにする。例えば前者が50%、後者が5%である。
【0117】
例えば、通過困難隔壁34が排気ガスを通過させないようにする。例えば、通過困難隔壁34が多孔質である、これをふさぐようにコーティングを行う。
【0118】
なお、参照領域A0は、通過困難隔壁34により包囲された第一孔部または第二孔部を含むものとする。図13の例では、中央の第一孔部12が、参照領域A0となる。
【0119】
捕集領域A1は、DPF1のうち参照領域A0以外の領域であることは、第一の実施形態と同様である。
【0120】
次に、第三の実施形態にかかるDPF1の作用を説明する。
【0121】
図13(b)を参照して、DPF1の第一端面1aが、ディーゼルエンジンの排気ガスを受ける。排気ガスは、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から一番目および五番目に位置する第一孔部12の内部に流入する。
【0122】
第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、第一孔部12の第二端部(栓20により閉鎖されている)を通って、DPF1の外部に出て行くことはできない。ここで、通過容易隔壁32が、多孔質のセラミックなので、排気ガスは通過容易隔壁32を通過して、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第二孔部14の内部に流入する。この際、排気ガス中のPMが、図13(b)の上から一番目および四番目の通過容易隔壁32を通過することができず、第一孔部12の内部に留まる。
【0123】
通過容易隔壁32を通過した排気ガスは、PMが捕集されたことで浄化される。ここで、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第二孔部14の第二端部は、いずれも開いている。よって、図13(a)のXIIIの部分の縦一列の孔部の上から二番目および四番目の第二孔部14の内部に流入した排気ガスは、第二孔部14の第二端部から、DPF1の外部に出て行く。
【0124】
ただし、図13(a)のXIIIの部分の上から三番目の第一孔部12の内部に流入した排気ガスは、通過困難隔壁34を通過することが困難であるため、ほとんど、他の第一孔部12の内部に流入することはない。
【0125】
よって、図13(a)のXIIIの部分の上から三番目の第一孔部12からなる参照領域A0には、排気ガス中のPMがほとんど付着せず、PMを捕集する重量はほぼ0とみなすことができる。
【0126】
なお、参照領域A0が極めて小さいことと、参照領域A0の存在によるDPF1によるPMの捕集量の低下が無視し得ることも、第一の実施形態と同様である。
【0127】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、自動車または粒子状物質付着試験のための装置から取り外される。そして、DPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態(図5参照)と同様であり、説明を省略する。
【0128】
第三の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。
【0129】
第四の実施形態
第四の実施形態にかかるDPF1は、第三孔部16の配置が、第一の実施形態にかかるDPF1と異なる。また、第四の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置はCTでなくてもよい点が、第一の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置と異なる。
【0130】
図14は、本発明の第四の実施形態にかかるDPF1の正面図(図14(a))、側面図(図14(b))である。以下、第一の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0131】
第四の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12、第二孔部14、第三孔部16を備える。
【0132】
第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14は、第一の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0133】
第三孔部16は、中央に横3行に並ぶ。横3行には、第一孔部12も、第二孔部14も配置されていない。
【0134】
参照領域A0は、第三孔部16にのみ隣接する第三孔部16(横真中1列)を含む。参照領域A0は、第三孔部16と、第一孔部12または第二孔部14とを隔てる境界B(ただし、DPF1の外周の一部を含む)の内側(第三孔部16側)にある。
【0135】
例えば、参照領域A0は、横真中1列の第三孔部16と、横真中1列の第三孔部16を包囲する隔壁22とからなる。
【0136】
第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16の延伸方向(Z方向)とは垂直な直線と、DPF1とが交わった部分である線分PQ(図15参照)が、境界Bの内側(第三孔部16側)にある。
【0137】
第四の実施形態にかかるDPF1の作用は、第一の実施形態にかかるDPF1の作用と同様であり、説明を省略する。
【0138】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態にかかる捕集量測定装置のようにCTによるものでもよいが、他の装置でもよい。
【0139】
図15は、第四の実施形態にかかる捕集量測定装置の構成を示す平面図である。第四の実施形態にかかる捕集量測定装置は、電磁波出力器2a、2b、電磁波検出器4a、4b、参照値導出部7、捕集量導出部8を備える。
【0140】
電磁波出力器2a、2bと、電磁波検出器4a、4bとは、第一の実施形態とほぼ同様である。
【0141】
ただし、電磁波出力器2aからDPF1に向けて出力されたテラヘルツ波が、DPF1を透過して、電磁波検出器4aにより検出される。また、電磁波出力器2bからDPF1に向けて出力されたテラヘルツ波が、DPF1を透過して、電磁波検出器4bにより検出される。
【0142】
線分PQを、参照領域A0が含む。DPF1のうち参照領域A0以外の領域が捕集領域A1である。
【0143】
電磁波出力器2aから電磁波検出器4aに向かって進行するテラヘルツ波の進行方向は、線分PQ上に固定されている。電磁波出力器2bから電磁波検出器4bに向かって進行するテラヘルツ波の進行方向は、線分PQと直交する。このように、テラヘルツ波の進行方向は二種類ある。なお、テラヘルツ波の進行方向は、DPF1に対して、固定されている。
【0144】
なお、DPF1自体は円筒形をしている。DPF1の回転中心である軸Zと、線分PQが交わる。すなわち、DPF1を直線Zと垂直な平面で断面をとったもの(円形である)の直径に、線分PQが重なる。
【0145】
参照値導出部7は、電磁波検出器4aの検出結果に基づき、参照領域A0の内(例えば、参照領域A0を直線Zと垂直な平面で断面をとったもの)におけるテラヘルツ波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する。
【0146】
参照領域A0におけるテラヘルツ波の吸収率は、特に、CTによらずに求めることができる。例えば、参照領域A0におけるテラヘルツ波の吸収率は、1−(電磁波検出器4aにより検出されたテラヘルツ波の光パワー)/(電磁波出力器2aから出力されたテラヘルツ波の光パワー)として求めることができる。
【0147】
捕集量導出部8は、電磁波検出器4bの検出結果および参照値導出部7の導出結果に基づき、捕集領域A1に存在するPMの重量(単位は、例えば[g])または濃度(単位は、例えば[g/l](1リットルあたりの重量))を導出する。
【0148】
捕集領域A1に存在するPMの濃度およびテラヘルツ波の吸収率は、捕集領域A1のどの部分でも同じであると仮定すれば、第一の実施形態と同様に、捕集領域A1における粒子状物質(PM)の濃度を導出できる。
【0149】
第四の実施形態にかかる捕集量測定装置は、走査用ステージ6が不要であり、小型化を図ることができるため、自動車に載せることができる。このため、DPF1を自動車から外さなくても、捕集量測定装置による測定が可能となる。
【0150】
第五の実施形態
第五の実施形態にかかるDPF1は、通過困難隔壁34の配置が、第三の実施形態にかかるDPF1と異なる。また、第五の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置はCTでなくてもよい点が、第三の実施形態にかかるDPF1の捕集量測定装置と異なる。
【0151】
図16は、本発明の第五の実施形態にかかるDPF1の正面図(図16(a))、側面図(図16(b))である。以下、第三の実施形態にかかるDPF1と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0152】
第五の実施形態にかかるDPF(捕集体)1は、第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14を備える。
【0153】
第一端面1a、第二端面1b、第一孔部12および第二孔部14は、第三の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0154】
通過容易隔壁32および通過困難隔壁34も、第三の実施形態と同じであり説明を省略する。ただし、横真中一列の第一孔部12または第二孔部14を、通過困難隔壁34が包囲する。他の部分の隔壁は、通過容易隔壁32である。
【0155】
第一孔部12、第二孔部14および第三孔部16の延伸方向(Z方向)とは垂直な直線と、DPF1とが交わった部分である線分PQ(図15参照)が、第一孔部12および第二孔部14のうち、横真中一列の第一孔部12および第二孔部14を通過する。
【0156】
横真中一列の第一孔部12および第二孔部14は、通過困難隔壁34のみを介して第二孔部14に隣接する第一孔部12、および、通過困難隔壁34のみを介して第一孔部12に隣接する第二孔部14である。
【0157】
横真中一列の第一孔部12および第二孔部14は、通過容易隔壁32を介して第二孔部14に隣接する第一孔部12ではないし、通過困難隔壁32を介して第一孔部12に隣接する第二孔部14でもない。
【0158】
参照領域A0は、通過困難隔壁34により包囲された第一孔部12または第二孔部14を含む。参照領域A0は、横真中一列の第一孔部12または第二孔部14と、通過困難隔壁34からなる。
【0159】
第五の実施形態にかかるDPF1の作用は、第三の実施形態にかかるDPF1の作用と同様であり、説明を省略する。
【0160】
次に、排気ガス中のPMを捕集したDPF1は、捕集量測定装置によりPMの捕集量が測定される。捕集量測定装置は、第一の実施形態にかかる捕集量測定装置のようにCTによるものでもよいが、第四の実施形態にかかる捕集量測定装置(図15参照)と同じものでもよい。
【0161】
第五の実施形態にかかる捕集量測定装置は、第四の実施形態にかかる捕集量測定装置と同様に、小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0162】
1 DPF(捕集体)
1a 第一端面
1b 第二端面
2、2a、2b 電磁波出力器
4、4a、4b 電磁波検出器
6 走査用ステージ(回転駆動部および直線駆動部)
7 参照値導出部
8 捕集量導出部
12 第一孔部
14 第二孔部
16、16A 第三孔部
20 栓
22 隔壁
30 閉鎖部材
32 通過容易隔壁
34 通過困難隔壁
A0 参照領域
A1 捕集領域
B 境界
Z 直線(回転軸)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
前記第一端部が閉じている第三孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
前記第三孔部どうしが隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項2】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
前記第二端部が閉じている第三孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
前記第三孔部どうしが隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項3】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
前記第一端部と前記第二端部との間が閉じている第三孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
前記第三孔部どうしが隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の捕集体であって、
前記第三孔部の内部に配置された栓により、前記第三孔部が閉じられている、
捕集体。
【請求項5】
請求項1または2に記載の捕集体であって、
前記第一端部の端面または前記第二端部の端面に接する閉鎖部材により、前記第三孔部が閉じられている、
捕集体。
【請求項6】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁は、前記気体が通過しやすい通過容易隔壁、または、前記気体が通過しにくい通過困難隔壁であり、
前記隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項7】
請求項6に記載の捕集体であって、
前記通過容易隔壁は、前記通過困難隔壁よりも有孔率が高い、
捕集体。
【請求項8】
請求項6に記載の捕集体であって、
前記通過困難隔壁が前記気体を通過させない、
捕集体。
【請求項9】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体であって、
前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、
前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にある、
捕集体。
【請求項10】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体であって、
前記第一孔部および前記第二孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、
前記通過困難隔壁のみを介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過困難隔壁のみを介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過し、
前記通過容易隔壁を介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過容易隔壁を介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過しない、
捕集体。
【請求項11】
請求項9または10に記載の捕集体であって、
前記捕集体は円筒であり、
前記直線は、前記捕集体の回転中心である軸と交わる、
捕集体。
【請求項12】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、
前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定装置。
【請求項13】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、
前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の捕集量測定装置であって、
前記測定用電磁波の進行方向と垂直な方向の直線を回転軸として、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を回転させる回転駆動部と、
前記測定用電磁波の進行方向および前記回転軸と垂直な方向に、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を移動させる直線駆動部と、
を備え、
前記回転駆動部および前記直線駆動部を作動させながら、前記電磁波検出器による検出を行う、
捕集量測定装置。
【請求項15】
請求項12または13に記載の捕集量測定装置であって、
前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分を、前記参照領域が含み、
前記測定用電磁波の進行方向が複数種類あり、そのうちの一つは前記線分に沿って固定されている、
捕集量測定装置。
【請求項16】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定方法。
【請求項17】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定方法。
【請求項18】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
プログラム。
【請求項19】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
プログラム。
【請求項20】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
記録媒体。
【請求項21】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
記録媒体。
【請求項1】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
前記第一端部が閉じている第三孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
前記第三孔部どうしが隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項2】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
前記第二端部が閉じている第三孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
前記第三孔部どうしが隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項3】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
前記第一端部と前記第二端部との間が閉じている第三孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
前記第三孔部どうしが隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の捕集体であって、
前記第三孔部の内部に配置された栓により、前記第三孔部が閉じられている、
捕集体。
【請求項5】
請求項1または2に記載の捕集体であって、
前記第一端部の端面または前記第二端部の端面に接する閉鎖部材により、前記第三孔部が閉じられている、
捕集体。
【請求項6】
気体を受け、前記気体中の物質を捕集する捕集体であって、
前記気体を受ける側の第一端部が開いており、前記第一端部の反対側の第二端部が閉じている第一孔部と、
前記第一端部が閉じ、前記第二端部が開いている第二孔部と、
を備え、
前記第一孔部と前記第二孔部とが互いに隣接し、
互いに隣接する前記第一孔部と前記第二孔部とを隔てる隔壁は、前記気体が通過しやすい通過容易隔壁、または、前記気体が通過しにくい通過困難隔壁であり、
前記隔壁を通過する前記気体中の前記物質が、前記隔壁に捕集される、
捕集体。
【請求項7】
請求項6に記載の捕集体であって、
前記通過容易隔壁は、前記通過困難隔壁よりも有孔率が高い、
捕集体。
【請求項8】
請求項6に記載の捕集体であって、
前記通過困難隔壁が前記気体を通過させない、
捕集体。
【請求項9】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体であって、
前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、
前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にある、
捕集体。
【請求項10】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体であって、
前記第一孔部および前記第二孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分が、
前記通過困難隔壁のみを介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過困難隔壁のみを介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過し、
前記通過容易隔壁を介して前記第二孔部に隣接する前記第一孔部、および、前記通過容易隔壁を介して前記第一孔部に隣接する前記第二孔部を通過しない、
捕集体。
【請求項11】
請求項9または10に記載の捕集体であって、
前記捕集体は円筒であり、
前記直線は、前記捕集体の回転中心である軸と交わる、
捕集体。
【請求項12】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、
前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定装置。
【請求項13】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、
前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器と、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出部と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出部の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出部と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の捕集量測定装置であって、
前記測定用電磁波の進行方向と垂直な方向の直線を回転軸として、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を回転させる回転駆動部と、
前記測定用電磁波の進行方向および前記回転軸と垂直な方向に、前記捕集体または前記測定用電磁波の進行方向を移動させる直線駆動部と、
を備え、
前記回転駆動部および前記直線駆動部を作動させながら、前記電磁波検出器による検出を行う、
捕集量測定装置。
【請求項15】
請求項12または13に記載の捕集量測定装置であって、
前記第一孔部、前記第二孔部および前記第三孔部の延伸方向とは垂直な直線と、前記捕集体とが交わった部分である線分を、前記参照領域が含み、
前記測定用電磁波の進行方向が複数種類あり、そのうちの一つは前記線分に沿って固定されている、
捕集量測定装置。
【請求項16】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定方法。
【請求項17】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定方法であって、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
捕集量測定方法。
【請求項18】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
プログラム。
【請求項19】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
プログラム。
【請求項20】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記第三孔部にのみ隣接する前記第三孔部を含み、前記第三孔部と、前記第一孔部または前記第二孔部とを隔てる境界の前記第三孔部側にあり、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
記録媒体。
【請求項21】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の捕集体に向けて、0.01[THz]以上100[THz]以下の周波数の測定用電磁波を出力する電磁波出力器と、前記捕集体を透過した前記測定用電磁波を検出する電磁波検出器とを備えた捕集量測定装置を用いた捕集量測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記捕集量測定処理は、
前記電磁波検出器の検出結果に基づき、参照領域の内における前記測定用電磁波の吸収率、群遅延および分散のいずれかを導出する参照値導出工程と、
前記電磁波検出器の検出結果および前記参照値導出工程の導出結果に基づき、捕集領域に存在する前記物質の重量または濃度を導出する捕集量導出工程と、
を備え、
前記参照領域は、前記通過困難隔壁により包囲された前記第一孔部または前記第二孔部を含み、
前記捕集領域は、前記捕集体のうち前記参照領域以外の領域である、
記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−94512(P2011−94512A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247782(P2009−247782)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】
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