説明

捕集面突起濾過具

【課題】 ネット又は多孔板素材で成形されたボウル又はカップ状濾過具で物品の処理後その濾過具捕集面に物品が被さると、水等からなる液体膜の介在でネット開口部を塞ぎ、物品を取り除いた後も小さい屑並びにカスが前記捕集面に吸着して剥離、除去が困難となる。
【解決手段】ネット又は多孔板素材からなる、例えばボウル又はカップ状濾過具の捕集面全体に円錐状の突起が多数個、外側から内側に向けて連立して成形されていて、しかも円錐状突起は山と谷が前後、左右、交互に並んでいるため、この円錐状突起先端の複数に物品がまたがって被さると、それぞれの先端には物品の屑並びにカスは接触面が小さいためその屑並びにカスは谷の底に届く確立が少なくなり、捕集面に被さった物品の屑やカスをその捕集面の円錐先端から容易に剥離、除去ができ、捕集面の洗浄も殆ど不要となり水等からなる洗浄液の節約も可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネット又は多孔板からなる濾過具捕集面に物品が被さり水等からなる液体の介在によってその濾過具捕集面に物品の屑並びにカス等が密着することの防止を目的とし、その屑並びにカスを容易に剥離、除去を可能とし、そのうえ前記捕集面の水等からなる液体による洗浄を殆ど不要とする濾過具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば野菜の洗浄用水切り笊、急須茶漉し用網カゴ、キッチンシンク排水用網カゴ等従来の濾過具は概ねネット状ボウル又はカップの形状をしており、その底面に補強と解釈される部分的にリブ状突起を成形した製品はあるが、これらはボウル又はカップの捕集面に加工をして物品の屑並びにカスを容易に剥離、除去をすることを目的にしたとは考えられない。
【0003】
いわゆる上記物品の屑並びにカスは細かく、薄い物が多く上記捕集面に被さると、一般
的に水等からなる液体に濡れているため、その捕集面の開口部を水等からなる液体膜が塞ぎ、物品の屑並びにカスが吸着現象を起こし強く張り付いた状態になる。つまり上記の製品では物品の屑並びにカスが前記捕集面に密着しているため水等からなる液体で洗い落とすか、あるいは手又は道具を用いて強制的に剥離、除去が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上述べたように濾過具の捕集面に物品の屑並びにカスが被さると水等からなる液体膜で開口部を塞ぎ物品の屑並びにカスが吸着するため、濾過具の開放面を下に向けて上下に強く振るだけではその物品の屑並びにカスの剥離、除去は困難である。従って捕集面に密着したその物品の屑並びにカスは水等からなる液体で洗浄して洗い落とすか、あるいは手又は道具を用いて強制的に剥離、除去をすることが必要になる。本発明はこの課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するためネット又は多孔板素材からなる、例えばボウル又はカップ状濾過具の捕集面全体に円錐状の突起が多数個、外側から内側に向けて連立して成形されていて、しかも円錐状突起は山と谷が前後、左右、交互に並んでいるため、この円錐状突起先端の複数に物品がまたがって被さると、それぞれの先端には物品の屑並びにカスは接触面が小さいため、その屑並びにカスは前記捕集面の谷の底に届く確立が少なくなり、つまり前記濾過具の処理後に前記捕集面に被さったその物品の屑並びにカスをその捕集面の円錐先端から容易に剥離、除去ができ、そのうえ前記捕集面の洗浄が殆ど不要となり水等からなる洗浄液の節約も併せ特徴とする。
【0006】
上記では突起の形状は円錐状であるが例えば濾過具がボウル又はカップの形状で円状の波形が円の中心から外側に連立して並び、その円状波形に交差する放射状直線で波形が連立して連なるものとか、濾過具の開放面が正方形又は長方形の場合はそれぞれ波形が格子状に連立するものであってもよい。
【0007】
上記では突起の形状は円錐状又は波形であるが別に角錐状並びに半球状であってもよい。
【0008】
上記の円錐状、波形、角錐状、半球状などの突起はそれぞれの先端から下方へ斜面並びに底面へ上記の突起より小さい前記の円錐状、波形、角錐状、半球状突起を成形するものであってもよい。
【0009】
上記では円錐状、波形、角錐状、半球状などの突起は濾過具捕集材の外側から内側に突起を成形しているが、前記捕集材の内側から外側に円錐状、波形、角錐状、半球状などの突起を成形するものであってもよい。
【0010】
上記では円錐状、波形、角錐状、半球状などの突起は内側、外側にそれぞれ成形しているが、外側については突起がないものでもよい。
【0011】
上記のネットあるいは多孔板からのなる濾過具の材料は例えば金属、プラスチック、竹、木、布、紙であってもよい。
【0012】
本発明を用いて濾過をする対象物は、例えば液体、固体、気体のいずれであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の捕集面突起濾過具はネット又は多孔板素材からなる、例えばボウル又はカップ状濾過具の捕集面全体に円錐状の突起が多数個、外側から内側に向けて連立して成形されていて、しかも円錐状突起は山と谷が前後、左右、交互に並んでいるため、この円錐状突起先端の複数に物品がまたがって被さると、それぞれの先端には物品の屑並びにカスは接触面が小さいため、その屑並びにカスは前記捕集面の谷の底に届く確立が少なくなり、つまり前記濾過具の処理後に前記捕集面に被さったその物品の屑並びにカスをその捕集面の円錐先端から容易に剥離、除去ができ、そのうえ前記捕集面の洗浄が殆ど不要となり水等からなる洗浄液の節約も併せ効果を発揮する。
【0014】
本発明のネット状又は多孔板からなる上記捕集面の全体に円錐状、波形、角錐状、半球状の突起を成形することによって濾過面積の拡大ができ濾過効果を増す。
【0015】
本発明のネット状、あるいは多孔板からなる上記捕集面の全体に円錐状、波形、角錐状、
半球状の突起を成形することでその捕集材の強度が増しネット材のワイヤー径を細くする
ことができ、並びに多板孔材の板厚を薄くする効果を有する。
【0016】
本発明は上記に示す使用方法以外、全ての濾過に用いる濾過具捕集面に被さった物品の屑並びにカスの剥離、除去を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例を具体的に示す平面図である。
【図2】本発明の実施例を具体的に示す側面図である。
【図3】本発明の実施例を具体的に示す平面詳細図である。
【図4】本発明の実施例を具体的に示す断面詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施例を図1〜4に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
本発明は例えば図1、図2で示すように水切り笊1は材質がステンレス鋼のネット状か
らなるボウル又はカップ状で、開放面の直径がおよそ150mm、底面の直径はおよそ100mm、開放面から底面までの高さはおよそ60mmで構成した実施例を示している。
【0020】
上記水切り笊1は図3、図4で示すようにネット材のワイヤー8直径はおよそ0.2mm、上記濾過具捕集面の開口部はおよそ2mmのネット状で編まれていて、そのネット状捕集面全体には突起2状円錐3が前記水切り笊1の上方枠部分まで成形されていて、しかもその突起2状円錐3は山6と谷7が前後、左右、交互に並んでおり、その多数個のそれぞれ円錐3先端4との間隔はおよそ6mm、円錐3の先端と谷7の底まではおよそ4mmの高さで構成した実施例を示している。
【0021】
上記の水切り笊1は、例えばレタス、キャベツ等の野菜の洗浄水切り後、その水切り笊1の開放面を下側に向けて上下に数回振るだけ野菜は小さい屑を含めて、前記水切り笊1の捕集面から容易に剥離、除去を可能とした。
【0022】
上記では水切り笊1で実施例を示したが、例えば急須で茶を出した後、その急須から茶漉し網カゴを取り外し上記同様、その茶漉しカゴを下側に向けて上下に数回振るだけで前記茶漉しカゴの茶殻はその茶漉しカゴ捕集面から容易に剥離、除去を可能とした。
【0023】
上記の水切り笊1並びに急須の茶漉しカゴの実施例とは別に、例えばキッチンシンク用排水網カゴで調理器具、食器等を洗浄した後、そのシンク用排水網カゴの捕集面に被さった細かく、薄いカス等は上記同様その排水網カゴの開放面を下側に向けて上下に数回振るだけで前記排水網カゴの捕集面から前記の細かく、薄いカス等は容易に剥離、除去を可能とした。
【0024】
上記の水切り笊1、急須の茶漉しカゴ、キッチンシンク用排水網カゴはそれぞれの開放面を下側に向けて数回振るだけで前期水切り笊1、急須の茶漉しカゴ、キッチンシンク用排水網カゴそれぞれの捕集面から物品の屑並びにカス等は容易に剥離、除去できることにより、水切り笊1、急須の茶漉しカゴ、キッチンシンク用排水網カゴそれぞれの捕集面の洗浄は殆ど不要となり水等からなる洗浄液の節約も併せ可能とした。
【符号の説明】
【0025】
1 水切り笊
2 突起
3 円錐
4 先端
5 物品
6 山
7 谷
8 ワイヤー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネット又は多孔板素材からなるボウル又はカップ状濾過具の捕集面全体に円錐状の突起が多数個、外側から内側に向けて連立して成形されていて、しかも円錐状突起は山と谷が前後、左右、交互に並んでいるため、この円錐状突起先端の複数に物品がまたがって被さると、それぞれの先端には物品の屑並びにカスは接触面が小さいため、その屑並びにカスは前記捕集面の谷の底に届く確立が少なくなり、つまり前記濾過具の処理後に前記捕集面に被さったその物品の屑並びにカスをその捕集面の円錐先端から容易に剥離、除去ができ、そのうえ前記捕集面の洗浄が殆ど不要となり水等からなる洗浄液の節約も併せ特徴とした捕集面突起濾過具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−259993(P2010−259993A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112035(P2009−112035)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(599062405)
【Fターム(参考)】