説明

捻れ修正機能付きワイヤ払い出し装置、及びワイヤ払い出し方法

【課題】ワイヤの払い出し時に自動的に捻れを修正可能なワイヤ払い出し装置及びワイヤ払い出し方法を提供する。
【解決手段】ワイヤの巻枠を回転可能に支持する第1の架台と、第2の架台とを有し、第1の架台が外周部に環状の案内部を有し、第2の架台が支持手段を有し、該支持手段が第1の架台を環状の案内部の円周方向に回転可能に支持し、第1の架台の重心が環状の案内部の中心軸上にあり、第1の架台が巻枠を支持したときに該巻枠の重心が前記環状の案内部の中心軸上に位置するワイヤ払い出し装置とし、該ワイヤ払い出し装置の第1の架台に、ワイヤが巻かれた巻枠を回転可能に支持させる巻枠支持工程と、ワイヤの捻れ戻しの力によって第1の架台を回転させながらワイヤを巻枠から払い出す払い出し工程とを有するワイヤ払い出し方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤの捻れを自動的に修正可能なワイヤ払い出し装置、及び、これを用いるワイヤ払い出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場や工場等では、クレーンによって重量物の運搬が行われている。クレーンに用いられるワイヤは、通常、撚り合わされた複数本の鋼製ストランドによって構成されており、長期間の使用によって強度低下等の劣化を生じることが知られている。よって、安全のために、ある程度使用したワイヤは回収・廃棄され、別の新しいワイヤに交換される。図1は、ワイヤ交換作業において、ワイヤの巻枠からクレーンのドラムにワイヤを直接供給する態様を模式的に説明する図である。
【0003】
新しいワイヤは、一般に巻枠(木枠又は鉄枠)に巻かれた状態で供される。この新しいワイヤをクレーンのドラムに供給するにあたっては、ワイヤに捻れが入らないように注意する必要がある。
【0004】
ワイヤの捻れを放置すると、キンクを生じてワイヤの強度が低下することがあり、低下した強度を完全に回復することは困難である。キンクはワイヤの形崩れの中でも最も避けるべきものとして知られている。
【0005】
そこで、たとえば特許文献1では、巻枠からワイヤを払い出す際に、同文献の図3(a)のような払い出し装置(木枠台)を用いて、捻れが入らないようにしている。
【0006】
しかしながら、新しいワイヤは、一般に巻枠に捻れなく巻かれていると思われているが、実際には全く捻れのないように巻かれているわけでは必ずしもない。そのため、図1のように、ワイヤの巻枠からクレーンのドラムにワイヤを直接供給すると、ワイヤが捻れたままで使用されてしまうことがある。
【0007】
そこで、実際のワイヤの交換作業では、新しいワイヤを巻枠から例えば一旦全て地上に払い出す等によってワイヤの捻れを解消した上で、クレーンのドラムに供給するという手順で行われていた。そのため、ワイヤ交換作業に時間と手間がかかって効率が悪く、さらに、交換作業の間は関連する設備や作業を停止しなければならなかった。
【0008】
一方、特許文献2には、ケーブルを巻き取る際にケーブルの捻れを修正する技術として、ケーブル巻き取りドラムをケーブル巻き取り方向に回転可能に支持するとともに、ドラムに巻き取られるケーブルを案内する案内部を備えた支持部と、該支持部を支持する架台とからなり、該架台は、支持部を、案内部を介してドラムに巻き取られるケーブルがその軸心と平行方向の回転中心まわりに回転可能に支持する機構を備えることを特徴とするケーブル巻き取り装置が開示されている。特許文献2に記載されたケーブル巻き取り装置によれば、電気ケーブルやワイヤ等の長尺ケーブルを建設現場等で回収する場合に、ドラムへのケーブルの巻き取り作業を中断することなくハンドルを操作することによってドラムの姿勢を変えることができるため、捻れのないケーブルの巻き取りを簡単に行うことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平2−25817号公報
【特許文献2】特公平8−29888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、クレーンのワイヤの交換作業にあたっては、ワイヤを巻き取るクレーンのドラムを特許文献2のように回転させて姿勢を変えるのは不可能である。従って、やはりワイヤを巻枠から払い出す際にワイヤの捻れを解消する必要がある。
【0011】
そこで本発明は、かかる事情に鑑み、ワイヤの払い出し時に自動的に捻れを修正可能なワイヤ払い出し装置及びワイヤ払い出し方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは検討の結果、ワイヤの巻枠を回転可能に支持する架台の外周部を環状に形成し、該架台の重心が該架台の回転のなす回転軸上に位置するように該架台を支持することにより、ワイヤの捻れ戻しの力のみによって上記部材が回転可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
以下、本発明について説明する。
【0014】
本発明の第1の態様は、ワイヤの巻枠を回転可能に支持する第1の架台と、第2の架台と、を有し、第1の架台が、外周部に環状の案内部を有し、第2の架台が支持手段を有し、該支持手段が、第1の架台を、環状の案内部の円周方向に回転可能に支持し、第1の架台の重心が、環状の案内部の中心軸上にあり、第1の架台が巻枠を支持したときに、該巻枠の重心が環状の案内部の中心軸上に位置することを特徴とする、ワイヤ払い出し装置である。
【0015】
ここで、本発明において、「環状の案内部の中心軸」とは、環状の案内部の環中心を通り環平面に垂直な軸、すなわち、環状の案内部が円周方向(環周方向)に回転するときの回転軸を意味する概念であって、そのような軸が質量をもつ物体として存在しなければならないという意味の概念ではない。
【0016】
本発明の第1の態様において、第1の架台において、ワイヤの巻枠を回転可能に支持する支持軸が、環状の案内部の直径に沿って位置することが好ましい。
【0017】
本発明の第1の態様において、第1の架台の重心、及び、第1の架台が巻枠を支持したときの該巻枠の重心が、環状の案内部によって囲まれる空間の内部にあることが好ましい。
【0018】
本発明において、「環状の案内部によって囲まれる空間」とは、環状の案内部によって画定される筒状の空間を意味する。すなわち、環状の案内部の中心軸に直交する平面を、当該中心軸の方向に平行移動させたときに、該平面が環状の案内部と交差する範囲の始点をなす平面と、終点をなす平面と、環状の案内部とが画定する空間を意味する。
【0019】
本発明の第1の態様において、支持手段が、環状の案内部を、外周側から3以上の箇所において接触して支持することが好ましい。
【0020】
本発明の第1の態様において、支持手段が回転部材を有し、該回転部材が案内部に接触することが好ましい。
【0021】
本発明において、「回転部材」とは、当該部材自体が回転する部材であって、当該部材に接触する部材の運動に対する抵抗を転がり抵抗にする作用を有する部材を意味し、ボールベアリングやローラー等を例示できる。
【0022】
支持手段が回転部材を有し、回転部材が案内部に接触する形態の本発明の第1の態様において、回転部材をローラーとすることができる。
【0023】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置を用いてワイヤを巻枠から払い出す方法であって、第1の架台に、ワイヤが巻かれた巻枠を回転可能に支持させる、巻枠支持工程と、ワイヤの捻れ戻しの力によって第1の架台を回転させながら、ワイヤを巻枠から払い出す、払い出し工程と、を有することを特徴とする、ワイヤ払い出し方法である。
【0024】
本発明の第2の態様において、巻枠支持工程の後、かつ、払い出し工程の前に、ワイヤが巻かれた巻枠を支持させた第1の架台を、第2の架台に支持させる、架台支持工程を有する、ワイヤ払い出し方法とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置によれば、第1の架台の重心が環状の案内部の中心軸上にあり、第1の架台が巻枠を支持したときに該巻枠の重心が環状の案内部の中心軸上に位置するので、ワイヤを払い出す際に第1の架台がワイヤの捻れ戻しの力という比較的小さい力によっても回転可能となる。したがって、ワイヤの捻れの程度に応じて自動的に第1の架台が回転することにより、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することが可能となる。
【0026】
ここで、本発明において、上述した「第1の架台の重心が、環状の案内部の中心軸上にあり」及び「第1の架台が巻枠を支持したときに、該巻枠の重心が環状の案内部の中心軸上に位置する」とは、第1の架台の重心及び巻枠の重心が完全に環状の案内部の中心軸上にあること、すなわちこれらの重心の上記中心軸からの距離が完全にゼロであることを要求する概念ではなく、これらの重心が厳密には上記中心軸上にないが上記同様の効果を奏する、すなわちワイヤを払い出す際に第1の架台がワイヤの捻れ戻しの力によって自動的に回転可能である態様をも包含する概念である。そのような態様もまた、本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0027】
本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置において、第1の架台において、ワイヤの巻枠を回転可能に支持する支持軸が、環状の案内部の直径に沿って位置することにより、第1の架台の重心を環状の案内部の中心軸上に近付けること、及び、第1の架台に巻枠を支持させたときに該巻枠の重心を環状の案内部の中心軸に近付けることが容易になる。よって、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することが容易になる。
【0028】
本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置において、第1の架台の重心、及び、第1の架台が巻枠を支持したときの該巻枠の重心が、環状の案内部によって囲まれる空間の内部にあることにより、第2の架台が有する支持手段によって第1の架台を安定して支持することが容易になる。
【0029】
本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置において、支持手段が、環状の案内部を、外周側から3以上の箇所において接触して支持することにより、第1の架台から付与される荷重が上記接触して支持する箇所の間で分散されるので、当該接触して支持する箇所のそれぞれにおける、第1の架台の回転に対する抵抗を低減することが可能となる。よって、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することが容易になる。
【0030】
本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置において、支持手段が回転部材を有し、該回転部材が案内部に接触することにより、支持手段と第1の架台の環状の案内部との接触部における、第1の架台の回転に対する抵抗が転がり抵抗になるので、第1の架台の回転をより滑らかにすることが可能となる。よって、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することが一層容易になる。
【0031】
支持手段が回転部材を有し、該回転部材が案内部に接触する形態の本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置において、回転部材をローラーとすることにより、本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置を製造することが容易になる。また、第2の架台によって第1の架台を安定して支持することが容易になる。
【0032】
本発明の第2の態様に係るワイヤ払い出し方法によれば、本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置を用いて巻枠からワイヤを払い出すことができるので、ワイヤの捻れの程度に応じて自動的に第1の架台が回転することにより、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することが可能となる。
【0033】
本発明の第2の態様に係るワイヤ払い出し方法において、巻枠支持工程の後、かつ、払い出し工程の前に、ワイヤが巻かれた巻枠を支持させた第1の架台を、第2の架台に支持させる、架台支持工程を有することにより、巻枠からワイヤを払い出す作業の安全性を高めることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】ワイヤ交換作業において、ワイヤの巻枠からクレーンのドラムにワイヤを直接供給する態様を模式的に説明する図である。
【図2】本発明のワイヤ払い出し装置を説明する斜視図である。
【図3】巻枠支持軸を通された姿勢の巻枠を説明する斜視図である。
【図4】第1の架台を説明する分解斜視図である。
【図5】第1の架台に巻枠を支持させた姿勢を説明する斜視図である。
【図6】第2の架台を説明する斜視図である。
【図7】本発明のワイヤ払い出し方法を説明するフローチャートである。
【図8】本発明のワイヤ払い出し方法について、架台支持工程を模式的に説明する斜視図である。
【図9】本発明のワイヤ払い出し方法について、払い出し工程を模式的に説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の上記した作用および利得は、以下に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図では、符号を一部省略することがある。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明がこれらの形態に限定されるものではない。また、特に断らない限り、数値範囲について「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。
【0036】
<1.ワイヤ払い出し装置>
本発明の第1の態様に係るワイヤ払い出し装置について説明する。図2は、本発明のワイヤ払い出し装置100を説明する斜視図である。ワイヤ払い出し装置100は、第1の架台10と、第2の架台20とを有する。第1の架台10は巻枠支持軸30によって、ワイヤ50が巻かれた巻枠40を回転可能に支持している。第1の架台10は環状の案内部11において、第2の架台20が有する支持手段21によって支持されている。
以下、本発明のワイヤ払い出し装置についてさらに詳述する。
【0037】
(巻枠支持軸30)
図3は、巻枠支持軸30を通された姿勢の巻枠40を説明する斜視図である。巻枠40は一組の巻枠フランジ部41、41を有し、その間にワイヤ50が巻かれている。巻枠40は、その中心部を貫く貫通孔である巻枠孔42を有する。巻枠孔42には、これを貫くように巻枠支持軸30が通される。巻枠支持軸30は、両端部に巻枠支持軸ボルト孔31、31を有する。
【0038】
巻枠支持軸30は、巻枠40及びワイヤ50の荷重に耐えることのできる強度を有していればよく、中空状のパイプ構造であってもよい。巻枠支持軸30を構成する好ましい材料としては、例えば高圧配管用炭素鋼鋼管(STS)等を挙げることができる。後述するように、巻枠40は巻枠支持軸30を中心として回転する。巻枠40の回転をより円滑にする観点から、巻枠支持軸30の巻枠40との接触面にはグリース等の潤滑剤を塗布してあってもよい。
【0039】
(第1の架台10)
図4は、第1の架台10を説明する分解斜視図である。また、図5は、第1の架台10に巻枠40を支持させた姿勢を説明する斜視図である。以下、図3〜図5を参照しつつ、第1の架台10について説明する。
【0040】
第1の架台10は、環状の案内部11と、そのウエブ部内周面12と、ウエブ部内周面12に互いに対向するように配設された一組の巻枠支持軸固定手段13、13と、ウエブ部内周面12に接合された補強枠14と、補強枠14に取り付けるための一組の巻枠支持軸固定補助手段15、15と、巻枠支持軸30と、巻枠40を補強枠14から所定の距離だけ離隔させるために巻枠支持軸30に通すための一組のスペーサ32、32と、を有する。
【0041】
(環状の案内部11)
環状の案内部11は、環状のウエブ部11aと、該ウエブ部11aによって繋がれ、ウエブ部11aより外側に突出した一組のフランジ部11b、11bとを有する。フランジ部11b、11bは、後述する第2の架台20が有するローラー22、22、22、22と接触する部位である。ウエブ部11aの外周面は円柱面状である。また、フランジ部11b、11bの外周部の輪郭は円形である。環状の案内部11をこのようにウエブ部11aと一組のフランジ部11b、11bとを有する形態とすることにより、環状の案内部11を、剛性を高めつつも軽量に構成することが容易になるので、ワイヤの捻れ戻しの力という比較的小さい力によって第1の架台10を回転させることがより容易になる。その結果、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することがより容易になる。
【0042】
(ウエブ部内周面12及び巻枠支持軸固定手段13、13)
ウエブ部内周面12は、上記環状のウエブ部11aの、環内周側の面である。ウエブ部内周面12には、上記した巻枠支持軸30の端部を固定するための、巻枠支持軸固定手段13、13が配設されている。巻枠支持軸固定手段13、13は、巻枠支持軸30を固定したときに巻枠支持軸30が環状の案内部11の直径に沿うように、互いに対向して配設されている。それぞれの巻枠支持軸固定手段13は、2枚の板状部材13a、13aが相互の距離を巻枠支持軸30の外径と略同一に保って互いに略平行となるように、溶接等によりウエブ部内周面12に立設されて構成されている。それぞれの巻枠支持軸固定手段13は、巻枠支持軸30を固定するための、一組の巻枠支持軸固定手段ボルト孔13b、13bを有し、一組の巻枠支持軸固定ボルト13c、13cと共に供される。一組の巻枠支持軸固定手段ボルト孔13b、13bは、巻枠支持軸ボルト孔31と略同一の内径を有し、巻枠支持軸ボルト孔31と連通できるように配設されている。
【0043】
巻枠支持軸30の両端部がそれぞれ巻枠支持軸固定手段13、13のそれぞれの板状部材13a、13aに挟まれるように位置関係を調整して巻枠支持軸ボルト孔31、31をそれぞれ巻枠支持軸固定手段ボルト孔13b、13bに連通させ、巻枠支持軸固定ボルト13c、13cを通すことにより、巻枠支持軸30を第1の架台10に固定することができる。巻枠支持軸固定手段13、13はウエブ部内周面12に配設されているので、巻枠40を通した巻枠支持軸30を第1の架台10に上記のように固定した際に、巻枠40の重心が、環状の案内部11によって囲まれる空間の内部に位置する。加えて、第1の架台10の重心もまた、環状の案内部11によって囲まれる空間の内部に位置する。よって、巻枠40と第1の架台10とを合わせた全体の重心が環状の案内部11によって囲まれる空間の内部に位置するので、後述する第2の架台20が有する支持手段21によって第1の架台10を安定して支持することが容易になる。
【0044】
(補強枠14)
補強枠14は略長方形状ないし略正方形状の枠であり、上記巻枠支持軸固定手段13、13を結ぶ環状の案内部11の直径に対して一組の対向する辺が略直交するように、枠外側の4隅においてウエブ部内周面12に溶接等により接合されて配設されている。補強枠14により、第1の架台10の剛性をさらに高め、荷重による歪みをより抑制することが可能となるので、第1の架台10の回転を滑らかにすることがより容易になり、その結果ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することがより容易になる。
【0045】
補強枠14は、一組の対向する辺の、巻枠支持軸固定手段13、13を結ぶ直線と交差する部分(略中央部)に、巻枠支持軸30が入ることのできる幅にU字状に切り欠かれた、一組の補強枠切り欠き部14a、14aを有する。補強枠14が補強枠切り欠き部14a、14aを有することにより、巻枠40を第1の架台10に支持させる際に巻枠支持軸30が補強枠切り欠き部14a、14aにはまり込むので、補強枠14が巻枠40の支持を阻害することがない。補強枠14における、それぞれの補強枠切り欠き部14aの近傍には、後述する巻枠支持軸固定補助手段15を固定するための、一組の補強枠切り欠き部ボルト孔14b、14bが設けられている。
【0046】
(巻枠支持軸固定補助手段15、15)
巻枠支持軸固定補助手段15、15は、補強枠14に取り付けることにより、巻枠支持軸30の固定を補助するための板状部材である。それぞれの巻枠支持軸固定補助手段15は、上記補強枠切り欠き部14a、14aと略同じ幅にU字状に切り欠かれた、巻枠支持軸固定補助手段切り欠き部15aを有する。それぞれの巻枠支持軸固定補助手段15は、上記一組の補強枠切り欠き部ボルト孔14b、14bと連通できる位置に、略同一の内径を有する一組の巻枠支持軸固定補助手段ボルト孔15b、15bを有し、一組の巻枠支持軸固定補助手段固定ボルト15c、15cとともに供される。
【0047】
それぞれの巻枠支持軸固定補助手段15は、一組の巻枠支持軸固定補助手段ボルト孔15b、15bと一組の補強枠切り欠き部ボルト孔14b、14bとが連通するように一組の巻枠支持軸固定補助手段固定ボルト15c、15cによって補強枠14に固定したときに、巻枠支持軸固定補助手段切り欠き部15aと補強枠切り欠き部14aとが組み合わされることによって、巻枠支持軸30を取り囲むことができるように構成されている。このように構成された巻枠支持軸固定補助手段15、15及び補強枠切り欠き部14a、14aを有することにより、巻枠支持軸30の固定に冗長性を持たせることができるので、ワイヤ払い出し作業の安全を確保することがより容易になる。
【0048】
(スペーサ32、32)
スペーサ32、32は、図3に示すように巻枠支持軸30に通すことにより、巻枠40を第1の架台10に支持させる際に巻枠40の中心を第1の架台10の略回転軸上に維持するための、筒状構造を有する部材である。それぞれのスペーサ32は、スペーサ筒部32aと、スペーサ筒部32aの内部に形成されているスペーサ孔32bと、スペーサ筒部32aの端部から直径方向外側に向けて突出する、巻枠フランジ部41に当接させるためのスペーサフランジ部32cとを有する。スペーサ孔32bの内径は、巻枠支持軸30を通すことができる程度の径である。
【0049】
スペーサ32、32の軸長方向の長さは、図5に示すように巻枠40の中心が第1の架台10の回転軸上に位置するように固定したときに、巻枠フランジ部41から補強枠14の内側の面までの空間を埋めることができる程度の長さである。このような長さを有するスペーサ32、32を用いることにより、巻枠40を第1の架台10の略回転軸上に維持して、第1の架台10の回転軸からの重心のずれを抑制することが容易になるので、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することがより容易になる。
【0050】
なお、軸長方向の長さが異なる、スペーサ32、32の組を複数用意しておくことにより、一組の巻枠フランジ41、41の間の距離(幅)の異なる複数種類の巻枠40に対応することが容易になる。
【0051】
上記した環状の案内部11、ウエブ部内周面12、巻枠支持軸固定手段13、補強枠14、巻枠支持軸固定補助手段15、及びスペーサ32を構成し得る好ましい材料としては、例えばSS400等の一般構造用圧延鋼材を挙げることができる。
【0052】
上記構成を有する第1の架台10によれば、第1の架台10の重心が、環状の案内部11の中心軸上にあり、かつ、第1の架台10が巻枠40を支持したときに、巻枠40の重心が環状の案内部11の中心軸上に位置する。よって、第1の架台10に巻枠40を支持させた際に、巻枠40と第1の架台10とを合わせた全体の重心が第1の架台10の回転軸(環状の案内部11の中心軸)上に位置する。そのため、後述する第2の架台20に第1の架台10を支持させた際に、第1の架台10の回転角度に依存して回転し易い回転方向と回転し難い回転方向とが生じる事態が抑制される。したがって、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することが容易になる。
【0053】
(第2の架台20)
図6は、第2の架台20を説明する斜視図である。第2の架台20は、支持手段21と、該支持手段21を支持固定している支持手段固定土台25とを有する。図6の紙面上方向が鉛直上方向に対応し、紙面下方向が鉛直下方向に対応する。
【0054】
(支持手段21)
支持手段21は、ローラー22、22、22、22がそれぞれ、ローラー支持枠24、24、24、24に保持されたローラー支持軸23、23、23、23に回転可能に支持されてなる。このように支持手段21が摩擦抵抗を転がり抵抗にする部材(回転部材)たるローラーを有することにより、支持手段21が環状の案内部11に接触した際に当該接触部における、第1の架台10の回転に対する抵抗が転がり抵抗になるので、第2の架台20に支持された第1の架台10の回転をより滑らかにすることが可能となる。よって、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することが一層容易になる。
【0055】
また、支持手段21は、第1の架台10の環状の案内部11を、円周上の4か所で外側から接触して支持する。このように環状の案内部11を外側から3か所以上の箇所で接触支持することにより、第1の架台10から付与される荷重が当該接触支持する箇所の間で分散されるので、当該接触支持する箇所のそれぞれにおける、第1の架台の回転に対する抵抗を低減することが可能となる。よって、ワイヤを払い出すと同時にワイヤの捻れを自動的に修正することがより容易になる。
【0056】
(ローラー22、22、22、22)
それぞれのローラー22は、ローラー胴部22aと、ローラー胴部22aによって繋がれた一組のローラーフランジ部22b、22bとを有する。一組のローラーフランジ部22b、22bの内側面同士の間隔は、上記第1の架台10の環状の案内部11における一組のフランジ部11b、11bの外側面同士の間隔より広い。第1の架台10の上記環状の案内部11は、一組のローラーフランジ部22b、22bの間で、ローラー胴部22aの表面に接触して支持される。かかる構成とすることにより、第1の架台10を安定に支持することがより容易になる。
なお、ローラー胴部22aの、上記環状の案内部11の一組のフランジ部11b、11bに接触する部分における外径は、特に制限されるものではない。
【0057】
(支持手段固定土台25)
支持手段固定土台25は、上記4個のローラー22、22、22、22を有する支持手段21を、第1の架台10の環状の案内部11のフランジ部11b、11b(図4参照)の外周円に沿って、これを接触支持するように配置し固定する土台である。支持手段固定土台25は、上記のように支持手段21を固定し、かつ、ワイヤを払い出す際のワイヤ張力に対しても第1の架台10を安定に支持できればよい。また、支持手段固定土台25への支持手段21の固定は、ローラー支持枠24、24、24、24を例えば溶接やボルトによる締結等により支持手段固定土台25の表面に接合することにより行うことができる。
【0058】
なお、第2の架台20を構成する好ましい材料としては、例えばSS400等を挙げることができる。
【0059】
本発明に関する上記説明では、第1の架台10が補強枠14を有する形態のワイヤ払い出し装置100を例示したが、本発明のワイヤ払い出し装置は当該形態に限定されない。軽量化等の観点から、補強枠14を有しない形態のワイヤ払い出し装置とすることも可能である。かかる場合であっても、例えば一組のスペーサの軸方向の長さを上記スペーサ32、32より長くする等の措置により、巻枠の重心を環状の案内部の中心軸上に維持することが可能である。
【0060】
本発明に関する上記説明では、巻枠40を第1の架台10に支持する際にスペーサ32、32を用いる形態のワイヤ払い出し装置100を例示したが、本発明のワイヤ払い出し装置は当該形態に限定されない。スペーサ32、32を用いない形態のワイヤ払い出し装置とすることも可能である。かかる場合であっても、上記補強枠の幅を狭める等の措置により、巻枠の重心を環状の案内部の中心軸上に維持することが可能である。ただし、幅の異なる複数種類の巻枠に容易に対応できる等の観点からは、巻枠を第1の架台に固定する際に一組のスペーサを用いることが好ましい。
【0061】
本発明に関する上記説明では、支持手段21が環状の案内部11を外周側から4か所で接触して支持する形態のワイヤ払い出し装置100を例示したが、本発明のワイヤ払い出し装置は当該形態に限定されない。第2の架台に設けられた支持手段が第1の架台の環状の案内部を支持する箇所の数は、4か所より多くてもよい。また、4か所より少なくてもよく、3か所であってもよい。2か所とすることも可能である。ただし、第1の架台の回転に対する抵抗を低減する観点及び安定性等の観点からは、支持手段が環状の案内部を支持する箇所の数は、3か所以上とすることが好ましい。
【0062】
本発明に関する上記説明では、支持手段21が回転部材であるローラー22、22、22、22を有し、これによって環状の案内部11を接触支持する形態のワイヤ払い出し装置100を例示したが、本発明のワイヤ払い出し装置は当該形態に限定されない。支持手段はローラー以外の回転部材を有していてもよく、例えばボールベアリング等を有していてもよい。また、支持手段は回転部材を有しないものであってもよい。例えば、摩擦低減効果の高い潤滑油により支持手段及び環状の案内部の表面に潤滑油膜を形成し、該油膜を形成された支持手段が環状の案内部に面接触する形態としてもよい。ただし、簡便かつ効果的に回転抵抗を低減できる観点からは、上記のように支持手段が回転部材を有することが好ましい。
【0063】
本発明に関する上記説明では、支持手段固定土台25が重力及び設置された地面等からの抗力によって装置全体の安定を確保する形態のワイヤ払い出し装置100を例示したが、本発明のワイヤ払い出し装置は当該形態に限定されない。本発明のワイヤ払い出し装置を使用する場所、例えばコンクリート床等にボルトやボルト孔といった装置固定用部材が設けられている場合には、このような装置固定用部材に支持手段固定土台を係合してさらに安定性を確保する目的で、支持手段固定土台25にこのような装置固定用部材との係合手段(例えば、ボルト孔等)を設けてもよい。かかる形態によれば、重力及び設置された地面等からの抗力に加えて、上記装置固定用部材との結合力によっても装置全体の安定を確保することができるので、作業の安全性を高めることがより容易になる。
【0064】
<2.ワイヤ払い出し方法>
図7は、本発明のワイヤ払い出し方法S10(以下、単に「S10」ということがある。)を説明するフローチャートである。S10は、上記ワイヤ払い出し装置100を用いて、巻枠40からワイヤ50を払い出す方法である。S10は、巻枠支持工程S11と、架台支持工程S12と、払い出し工程S13と、をこの順に有する。以下、順に説明する。
【0065】
(巻枠支持工程S11)
巻枠支持工程S11(以下、単に「S11」ということがある。)は、上記ワイヤ払い出し装置100の第1の架台10に、ワイヤ50が巻かれた巻枠40を回転可能に支持させる工程である。S11は、次のようにして行う。
【0066】
S11の開始前においては、第1の架台10は第2の架台20に支持されておらず、分離している。
まず、巻枠40の巻枠孔42を貫くように巻枠支持軸30を通し、一組のスペーサ32、32を、巻枠支持軸30の両端から、各スペーサ32のスペーサフランジ部32cが各巻枠フランジ部41に当接するように、それぞれ巻枠支持軸30に通す(図3参照)。
次に、上記巻枠40及びスペーサ32、32を通した巻枠支持軸30を、巻枠支持軸固定手段13、13により、第1の架台10に固定する。このとき、巻枠40及びスペーサ32、32が、補強枠14の内側に入るようにする(図4、図5参照)。
しかる後、補強枠切り欠き部14a、14aに、巻枠支持軸固定補助手段15、15を固定し、補強枠切り欠き部14a、14aと巻枠支持軸固定補助手段切り欠き部15a、15aとで巻枠支持軸30を取り囲むようにする(図4、図5参照)。
【0067】
(架台支持工程S12)
架台支持工程S12(以下、単に「S12」ということがある。)は、上記S11において巻枠40を支持させた第1の架台10を、第2の架台20に支持させる工程である。図8は、S12を模式的に説明する斜視図である。図8の紙面上方向が鉛直上方向であり、紙面下方向が鉛直下方向である。S12は、次のようにして行う。
【0068】
まず、第2の架台20を、作業を行う場所の地面や床等の上に、支持部材21が備えられている側が鉛直上側を向くように設置する。
次に、第2の架台20の上側から、上記S11で巻枠40を支持させた第1の架台10を、図8の白抜き矢印の方向に下ろし、第2の架台20の支持手段21に環状の案内部11を接触支持させる。このとき、それぞれのローラー22において、一組のローラーフランジ部22b、22bの間に環状の案内部11のフランジ部11b、11bが入るようにする。
【0069】
(払い出し工程S13)
払い出し工程S13(以下、単に「S13」ということがある。)は、ワイヤ50の捻れ戻しの力によって第1の架台10を回転させながら、ワイヤ50を巻枠40から払い出す工程である。図9は、S13を模式的に説明する斜視図である。
【0070】
上記S12が完了したときのワイヤ払い出し装置100の姿勢が図2に示されている。S13ではこの状態から、ワイヤ50を引き出す。図9を参照しつつ説明する。
【0071】
巻枠40を保持させたワイヤ払い出し装置100から、巻枠40に巻かれたワイヤ50を、図9の矢印Aの方向に引き出す。ワイヤ払い出し装置100自体はモータ等の動力装置を有しないので、引き出す動力はワイヤを必要とする側の動力を使用する。例えばクレーンドラムにワイヤを供給する場合であれば、クレームドラムの回転力によってワイヤ50を引き出すことができる。巻枠40は第1の架台10に回転可能に支持されているので、巻枠40はワイヤ50の引き出しに伴って例えば図9の矢印Bの方向に回転する。このとき、ワイヤ50には巻枠40から引き出される際の引張力によって張力が発生するので、ワイヤ50が捻れていた場合には、ワイヤ50に捻れ戻しの力が発生する。この捻れ戻しの力によって、第1の架台10は図9の矢印Cの方向に自動的に回転する。この回転の方向は、ワイヤ50が捻れていた方向に依存して決まる。
【0072】
ここで、第1の架台10は、巻枠40を支持した姿勢にあっても、全体としての重心が略回転軸(環状の案内部11の中心軸)上にあるので、どのような回転角においても、回転し易い方向と回転し難い方向とが生じる事態が抑制される。よって第1の架台10は回転角度に依存することなく、ワイヤ50の捻れ戻しの力に従って自動的に回転することができる。
【0073】
第1の架台10の回転によってワイヤ50の捻れが解消されれば、捻れ戻しの力がなくなるので、第1の架台10の回転は、回転時の抵抗により自動的に停止する。
【0074】
このように、ワイヤ払い出し方法S10によれば、ワイヤ50の捻れ戻しの力に従って第1の架台10が回転することにより、ワイヤ50を巻枠40から払い出す際にワイヤ50の捻れを自動的に修正することができる。また、ワイヤ50の捻れが解消されたときは第1の架台10の回転が上記自動的に停止するので、ワイヤの捻れを解消しようとして誤ってさらに捻れを発生させてしまう事態を抑制できる。
【0075】
本発明に関する上記説明では、上記ワイヤ払い出し装置100を用いる形態のワイヤ払い出し方法S10を例示したが、本発明のワイヤ払い出し方法は当該形態に限定されない。ワイヤ払い出し装置が本発明の技術的範囲に含まれるワイヤ払い出し装置である限り、いかなる形態のワイヤ払い出し装置であっても使用可能である。
【0076】
本発明に関する上記説明では、架台支持工程S12を有する形態のワイヤ払い出し方法S10を例示したが、本発明のワイヤ払い出し方法は当該形態に限定されない。例えば、巻枠支持工程を、予め第2の架台20に支持させてある第1の架台10に、一組のスペーサ32、32と共に巻枠40を通した巻枠支持軸30を固定する形態とすることにより、上記架台支持工程S12を省略することも可能である。ただし、作業上の安全を確保することがより容易である等の観点からは、上記のように第1の架台10と第2の架台20とが分離した状態から開始して、上記架台支持工程を有する形態とすることが好ましい。
【0077】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うワイヤ払い出し装置及びワイヤ払い出し方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明のワイヤ払い出し装置及びワイヤ払い出し方法は、クレーン等に新たなワイヤを供給する場合等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0079】
10 第1の架台
11 環状の案内部
11a ウエブ部
11b フランジ部
12 ウエブ部内周面
13 巻枠支持軸固定手段
13a 板状部材
13b 巻枠支持軸固定手段ボルト孔
13c 巻枠支持軸固定ボルト
14 補強枠
14a 補強枠切り欠き部
14b 補強枠切り欠き部ボルト孔
15 巻枠支持軸固定補助手段
15a 巻枠支持軸固定補助手段切り欠き部
15b 巻枠支持軸固定補助手段ボルト孔
15c 巻枠支持軸固定補助手段固定ボルト
20 第2の架台
21 支持手段
22 ローラー
22a ローラー胴部
22b ローラーフランジ部
23 ローラー支持軸
24 ローラー支持枠
25 支持手段固定土台
30 巻枠支持軸
31 巻枠支持軸ボルト孔
32 スペーサ
32a スペーサ筒部
32b スペーサ孔
32c スペーサフランジ部
40 巻枠
41 巻枠フランジ部
42 巻枠孔
50 ワイヤ
100 ワイヤ払い出し装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤの巻枠を回転可能に支持する第1の架台と、
第2の架台と、を有し、
前記第1の架台が、外周部に環状の案内部を有し、
前記第2の架台が、支持手段を有し、
該支持手段が、前記第1の架台を、前記環状の案内部の円周方向に回転可能に支持し、
前記第1の架台の重心が、前記環状の案内部の中心軸上にあり、
前記第1の架台が巻枠を支持したときに、該巻枠の重心が前記環状の案内部の中心軸上に位置することを特徴とする、ワイヤ払い出し装置。
【請求項2】
前記第1の架台において、前記ワイヤの巻枠を回転可能に支持する支持軸が、前記環状の案内部の直径に沿って位置することを特徴とする、請求項1に記載のワイヤ払い出し装置。
【請求項3】
前記第1の架台の重心、及び、前記第1の架台が巻枠を支持したときの該巻枠の重心が、前記環状の案内部によって囲まれる空間の内部にある、請求項1又は2に記載のワイヤ払い出し装置。
【請求項4】
前記支持手段が、前記環状の案内部を、外周側から3以上の箇所において接触して支持する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイヤ払い出し装置。
【請求項5】
前記支持手段が回転部材を有し、
前記回転部材が前記案内部に接触する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のワイヤ払い出し装置。
【請求項6】
前記回転部材がローラーである、請求項5に記載のワイヤ払い出し装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のワイヤ払い出し装置を用いてワイヤを巻枠から払い出す方法であって、
前記第1の架台に、前記ワイヤが巻かれた巻枠を回転可能に支持させる、巻枠支持工程と、
前記ワイヤの捻れ戻しの力によって前記第1の架台を回転させながら、前記ワイヤを前記巻枠から払い出す、払い出し工程と、を有することを特徴とする、ワイヤ払い出し方法。
【請求項8】
前記巻枠支持工程の後、かつ、前記払い出し工程の前に、前記ワイヤが巻かれた巻枠を支持させた前記第1の架台を、前記第2の架台に支持させる、架台支持工程を有する、請求項7に記載のワイヤ払い出し方法。

【図1】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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