説明

授業管理装置および授業管理方法

【課題】授業や教師の質的向上のために、効率的に授業内容を評価する。
【解決手段】生徒の学習状況を管理することによって授業を支援するための授業管理装置に関する。この装置は、生徒から送信された電子メールにレポートファイルが添付されているときには、レポートファイルの名前を所定の命名規則にしたがって設定し、設定後のファイル名にて、レポートファイルを自動的に保存する。また、レポートファイルが取得されたときには、レポートファイルの取得状況を示すデータが更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生徒の学習状況を管理するための教育支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本はいよいよ人口減少社会に突入しつつある。大学全入時代の到来も予想されるなか、各大学は生き残りをかけた厳しい競争にさらされている。魅力ある大学としての地位を築いてこのような競争に打ち勝つために、授業内容・方法を改善し、質的向上を図るための組織的な取り組み、いわゆるFD(Faculty Development)の必要性が高まってきている。
【特許文献1】特開2004−252632号公報
【特許文献2】特開2003−18324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常の大学教育では、教師から生徒に一方通行的に知識を伝授するだけでなく、教師が生徒に課題を与えることも多い。生徒は課題に対する解答をレポートとして教師に提出する。教師は、このレポートの出来に応じて各生徒の理解度を把握し、場合によってはレポートの再提出を要求する。レポート提出は、生徒を能動的に授業に参加させる上でも有効な方法である。
しかし、多数の生徒から提出されるレポートの管理は教師にとっても負担が大きく、かえって、教師が本業としての教育に専念できなくなる可能性がある。
【0004】
本発明の主たる目的は、授業評価のために生徒の学習状況を効率的に管理するための教育支援技術、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、生徒の学習状況を管理することによって授業を支援するための授業管理装置に関する。
この装置は、生徒から送信された電子メールにレポートファイルが添付されているときには、レポートファイルの名前を所定の命名規則にしたがって設定し、設定後のファイル名にて、レポートファイルを自動的に保存する。また、レポートファイルが取得されたときには、レポートファイルの取得状況を示すレポート管理データが更新される。
【0006】
生徒は、授業への出席を示す電子メールや授業についての感想を記述した電子メール等、さまざまな種類の電子メールを送信してもよい。そして、これらの電子メールから得られるさまざまなデータが、生徒の学習状況を管理するためのカルテデータとして統合されてもよい。同様に、生徒は、レポートが記述されたファイル(以下、「レポートファイル」とよぶ)を電子メールに添付して、授業管理装置に送信してもよい。
生徒は、普段使い慣れているノートパソコン等の通信端末から電子メールを送信するだけなので、授業管理装置の運用に対して生徒の協力を得やすいというメリットがある。
【0007】
この装置は、生徒からレポートファイルを取得すると、所定の命名規則に基づいてレポートファイルの名前を変更してもよい。これにより、多数の生徒から送信される多数のレポートファイルを、統一的な命名規則によって一元的に管理しやすくなる。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、授業評価のために生徒の学習状況を効率的に管理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施例においては、まず、授業評価システムの概要を述べつつ、本発明の主たる特徴である「レポート管理」を中心として説明してゆく。
【0011】
図1は、授業評価システム10のハードウェア構成図である。
授業評価システム10は、大学のような教育機関への導入を想定した、授業内容を評価・検証するためのシステムである。授業評価システム10は、教師と生徒によって利用されるシステムであり、授業に対する生徒の反応を授業内容にフィードバックさせるための仕組みを提供する。
【0012】
授業評価システム10は、授業管理装置100、メールサーバ202および複数のクライアント端末204を含む。これらは、インターネット200を介して互いに接続されている。授業管理装置100は、教師によって使用される(以下、授業管理装置100のユーザであることを明示する意味で、「教師」のことを「ユーザ」ともよぶことにする)。各クライアント端末204は、生徒によって使用される携帯電話やノートパソコンなど、メール送受信機能を搭載した一般的な通信端末である。
【0013】
まず、教師は講座の開設に際して、講座専用のメールアドレスを設定する(以下、「講座アドレス」とよぶ)。たとえば、「フランス語A」という計15回の授業からなる講座には、「fraA@xxx.co.jp」のように講座アドレスが設定される。フランス語Aの授業を受ける生徒は、その講座アドレスを介して授業管理装置100と電子メールを送受する。たとえば、生徒は授業に出席したときに、講座アドレスに対して出席を通知するための「出席メール」を送信する。メールサーバ202は、クライアント端末204から受信した出席メールを授業管理装置100に転送する。このメールサーバ202は、一般的な既知の装置でよい。授業管理装置100では、出席メールによって、どの講座にどの生徒が出席したかを自動的に集計する。
【0014】
このほかにも、生徒は、授業に対する感想を記述した感想メールを講座アドレスに送信する。授業管理装置100は、感想メールを自然言語解析して、生徒の授業に対する理解度や意欲を定量的に評価する。たとえば、「やった」、「できた」、「してみたい」というあらかじめ定義された「意欲的な単語」を感想メールが多く含んでいる場合、生徒の理解度や学習意欲が高いと判定できる。このように、本実施例に示す授業管理装置100は、感想メールに含まれる用語を分析することにより、生徒の授業に対する反応を定量化することもできる。
【0015】
あるいは、生徒は、レポートファイルを添付した電子メールである「レポートメール」を講座アドレスに送信してもよい。生徒から送信された電子メールが出席メールや感想メール、レポートメールなどのいずれのタイプに該当するかは、後述のメール分類処理によって判定される。
生徒の電子メールから得られるさまざまな情報は、授業内容の改善するための有用な情報として利用される。
【0016】
図2は、授業管理装置100の機能ブロック図である。
ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
授業管理装置100は、ユーザインタフェース処理部110、通信部120、データ処理部130およびデータ保持部150を含む。
ユーザインタフェース処理部110は、教師であるユーザからの入力処理やユーザに対する情報表示のようなユーザインタフェース全般に関する処理を担当する。通信部120は、メールサーバ202を介してクライアント端末204との通信処理を担当する。データ保持部150は、あらかじめ用意された設定データや、データ処理部130から受け取った電子メールなど、さまざまなデータを格納する。データ処理部130は、ユーザインタフェース処理部110や通信部120から取得されたデータを元にして各種のデータ処理を実行する。データ処理部130は、ユーザインタフェース処理部110、通信部120およびデータ保持部150の間のインタフェースの役割も果たす。
【0018】
ユーザインタフェース処理部110は、表示部112と入力部118を含む。入力部118は、ユーザからの入力操作を受け付ける。表示部112は、ユーザに対して各種情報を表示する。
【0019】
通信部120は、メールの送受信を処理するためのメール送受信部122を含んでいる。メール送受信部122は、更に、通常メール送受信部124と自動メール送信部126を含む。通常メール送受信部124は、クライアント端末204に対して各種通知のための電子メールを送信したり、クライアント端末204から出席メールや感想メール、レポートメール等の各種電子メールを受信する。自動メール送信部126は、授業管理装置100において設定される所定条件が成立したときに、自動的に所定の電子メールを送信する。たとえば、レポートファイルに含まれる誤字・脱字の個数が所定個数以上であるときには、レポート再提出を生徒に要求するメッセージが記述された電子メールを送信する。以下、このような所定メッセージが記述された電子メールであって授業管理装置100により自動的に送信される電子メールのことを「自動メール」とよび、それ以外の通常の電子メールを「通常メール」として区別する。
【0020】
データ保持部150は、メールデータ保持部152、レポート保持部160、カルテデータ保持部172およびフォーム保持部170を含む。
メールデータ保持部152は、生徒から受信した電子メールを保持する。レポート保持部160は、レポートメールに添付されたレポートファイルを保持する。レポート保持部160は、レポートファイルを複数のディレクトリ(フォルダ)に分類して保持するが、そのディレクトリ構造については、図10に関連して後に詳述する。
【0021】
カルテデータ保持部172は、ユーザが生徒の学習状況を判断するための元になるカルテデータを保持する。カルテデータには、たとえば、生徒の氏名やメールアドレス、出席状況、感想メールに記述された内容、レポートファイルの提出状況などの各種所定項目に対応したデータが含まれる。カルテデータ保持部172の具体的なデータ構造については、図3に関連して後述する。
【0022】
フォーム保持部170は、カルテ表示処理部114がカルテデータを画面表示するときの表示レイアウトが定義されたフォームデータを保持する。フォームデータによって、カルテデータのうちの表示対象となるべきデータ、および、その表示方法が定義される。フォームデータは、カルテデータに基づく所定演算の結果を表示させるためのロジックを含めることもできる。具体的には、図12に関連して詳述する。
【0023】
データ処理部130は、メール処理部132、レポート処理部148、前置処理部162および授業データ管理部138を含む。
メール処理部132は、電子メールを内容を解析する。メール処理部132は、メール分類部134および整合判定部136を含む。メール分類部134は、電子メールの内容に応じて分類する。すでに述べたように、生徒から受信する電子メールは、出席メールや感想メール、レポートメールなどさまざまである。メール分類部134は、電子メールを所定の分類条件にしたがって分類する。たとえば、電子メールの本文に「出席」というコマンドが記述されている電子メールは出席メールとして分類し、「レポート」というコマンドが記述されている電子メールはレポートメールとして分類する。生徒は、このような各種コマンドを記述して電子メールを送信することになる。
【0024】
整合判定部136は、受信された電子メールが処理対象として有効なメールであるかを判定する。たとえば、授業の開始前に受信された出席メールは有効ではないといえる。整合判定部136は、受信された電子メールの有効性を所定の整合条件にしたがって判定する。有効でない電子メールは解析対象外とされる。
【0025】
レポート処理部148は、レポートメールからレポートファイルを取得し、レポート保持部160に保存する。レポート処理部148は、校正判定部164、レポート分類部154、命名部156および保存処理部158を含む。
レポート分類部154は、レポート保持部160においてレポートファイルを保存すべきディレクトリを選択する。レポートファイルの保存先を決定する方法については、図10に関連して後述する。
【0026】
命名部156は、レポートファイルの名前を設定する。たとえば、「新井真由美」という名前の生徒から「フランス語Aレポート」という名前のレポートファイルを受け取ると、命名部156は、レポートファイルの名前を「新井真由美‐フランス語A‐レポート」という名前に設定変更してもよい。この場合、「[生徒名]‐[講座名]‐レポート」という命名規則があらかじめ設定されており、命名部156はこの命名規則にしたがってレポートファイルの名前を設定する。命名規則については、図9に関連して後に詳述する。
【0027】
保存処理部158は、レポート保持部160のディレクトリのうち、レポート分類部154により選択されたディレクトリにレポートファイルを保存する。校正判定部164の処理については、前置処理部162に関連して説明する。
【0028】
前置処理部162は、取得されたレポートファイルに対して所定の前置処理を実行する。前置処理部162は、レポートファイルに含まれる誤字・脱字を検出する。そのほかにも、前置処理として、レポートファイルに英単語や英文が含まれているときに、当該単語を翻訳して、その日本語訳をレポートファイルに付記してもよい。あるいは、前置処理は、レポートファイルに含まれる文字数の計数、「しゃべり言葉」のようなレポートには不適切なタイプの用語が含まれているかの判定、平均文長の計算等、その処理内容はさまざまであってよい。
【0029】
なお、前置処理部162は、授業管理装置100の機能の一部として実装されてもよいが、授業管理装置100の外部装置の機能として実現されてもよい。また、授業管理装置100に対してプラグイン(plug-in)としてその機能が提供されてもよい。本実施例における前置処理部162は、レポートファイルの誤字・脱字を検出する処理を前置処理として実行する。レポート処理部148は、メール処理部132から受け取ったレポートファイルを、まず、前置処理部162に転送する。前置処理部162は、このレポートファイルの誤字・脱字を検出する。誤字脱字検出のアルゴリズムは、一般的な文書作成支援ソフトウェアに搭載されているような既知のアルゴリズムを応用すればよい。
【0030】
前置処理部162は、処理結果を校正判定部164に通知する。校正判定部164は、この誤字・脱字の個数が所定個数以上あるときには、自動メール送信部126に指示して、レポートファイルの再提出を要求する旨のメッセージが記載された電子メールを送信させる。一方、所定個数以内であれば、このような自動メールは送信されない。このように、校正判定部164はレポートファイルにおける誤字・脱字の数に基づいて、再提出要求可否を決定する。このための判定条件のことを、本実施例では「許可条件」とよぶ。
許可条件判定と自動的なレポートの再提出要求処理により、文章の誤記等、レポートの内容に関わらない非本質的部分のチェックに要するユーザの労力を抑制できる。ユーザは、許可条件をクリアしたレポートファイルだけをチェックすればよい。なお、再提出を要求する自動メールには、誤字・脱字箇所を指摘するメッセージが付記されてもよい。
もちろん、教師は、文章としての質がよいレポートファイルであっても、その内容が不出来であれば、生徒に対して再提出を要求してもよい。この場合には、教師は、通常メールによりレポートの再提出を要求すればよい。
【0031】
授業データ管理部138は、講座に関するデータを授業ごとに授業データとして管理する。講座は1回以上の授業によって構成される。たとえば、試験の平均点や、感想メールから解析される生徒の理解度、授業計画のようなさまざまなデータが授業データとして管理対象となる。
【0032】
授業データ管理部138は、生徒管理部140および設定部142を含む。
生徒管理部140は、出席率や試験結果など生徒の学習状況に関連するデータを管理する。生徒管理部140は、更に、カルテ管理部168を含む。カルテ管理部168は、生徒に関するデータのうち、カルテデータ保持部172のカルテデータを適宜更新する。
【0033】
設定部142は、整合判定部136やメール分類部134、校正判定部164における各種条件のように授業管理装置100における各種処理のための条件を設定する。設定部142は、命名規則設定部146と受付期間設定部144を含む。
命名規則設定部146は、後に示す命名規則設定画面276を介して、レポートファイルの命名規則を設定する。受付期間設定部144は、後に示す締切設定画面274を介して、レポートファイルの受付期間を設定する。たとえば、受付期間が「8月31日まで」と設定された場合、整合判定部136は、9月1日以降に取得されたレポートファイルを自動的に無効扱いとする。
【0034】
受付期間については、レポートメールの送信日時と受信日時のいずれに基づいて判定してもよいし、また、その双方に基づいて判定してもよいが、本実施例においては送信日時に基づいて判定するとして説明する。受信日時は、インターネット200のトラフィックやメールサーバ202の不具合等の各種外的要因によって影響されやすい情報と考えられるためである。なお、整合判定部136は、レポートメールのヘッダ情報から送信日時を検出して判定を行う。
【0035】
図3は、カルテデータ保持部172におけるカルテデータのデータ構造図である。
同図に示すのは「フランス語A2005」という講座について、各生徒のカルテデータである。ここでは、カルテデータに含まれるさまざまなデータのうち、その一部のみを示している。
【0036】
ID欄282は、生徒を識別するためにあらかじめ付与されているID(以下、「生徒ID」とよぶ)を示す。氏名欄284は生徒名を示す。出席履歴欄286は「フランス語A2005」の15回分の授業についての生徒の出席状況を示す。同図丸印は出席を示し、バツ印は欠席を示す。カルテ管理部168は、出席メールを受信したとき、その送信アドレス等に基づいて生徒を特定した上で、出席履歴欄286の該当データを更新する。
【0037】
未提出物欄288はレポートファイルの提出状況を示す。カルテ管理部168は、レポートファイル付きのレポートメールが有効に受信されると、未提出物欄288の該当データを更新する。未送信感想欄290は感想メールの到着状況を示す。カルテ管理部168は、感想メールが受け付けられると、未送信感想欄290の該当データを更新する。
特記事項欄292は、教師が入力部118を介して入力したデータである。生徒についてのコメント等、自由に書き込むことができる。このように、カルテデータは、電子メールの受信を契機としてカルテ管理部168によって自動的に記述されるデータと、ユーザによって入力されるデータによって構成されている。
【0038】
図4は、授業管理装置のメニュー画面の画面図である。
教師であるユーザが授業管理装置100にログインしたときには、まず、このメニュー画面210が表示される。講座選択領域212は、現在開設されている講座を一覧表示する。ここでは、「フランス語A2005」、「フランス語B2005」および「フランス語C2005」という3つの講座が開設されている。同図においては、「フランス語A2005」が選択されている。
【0039】
メニューボタン群214に含まれるいずれかのボタンが選択されると、講座選択領域212で選択された講座についての各種授業データにアクセスする画面が表示される。出席簿ボタン216は、生徒の出席状況を表示させるためのボタンである。感想受付ボタン218は、生徒から受信された感想メールの内容を一覧表示させるためのボタンである。提出物管理ボタン220は、レポートファイルの提出状況を表示させるためのボタンである。試験結果ボタン222は、試験結果を一覧表示させるためのボタンである。整合性チェックボタン224は、整合条件を設定するための画面を表示させるボタンである。カルテボタン226は、生徒の授業態度や成績に関する情報を「カルテ」として表示させるためのボタンである。通知ボタン228は、休講通知などのように授業に関する連絡事項を通知するための画面を表示させるボタンである。投票ボタン230は、生徒の意見を募るための画面を表示させるためのボタンである。
【0040】
ここでは、授業管理装置100の基本的な機能として、メニューボタン群214のボタン群のうちの出席簿ボタン216および感想受付ボタン218が選択されたときにそれぞれ表示される出席簿画面240および感想受付画面250について説明する。その後、提出物管理ボタン220が選択されたときに表示される提出物管理画面260に関して、レポート管理を中心として説明する。
【0041】
図5は、出席簿画面240の画面図である。
出席簿画面240は、図4のメニュー画面210において、出席簿ボタン216がクリックされたときに表示される。教師は、授業開始時に、その授業の合い言葉を生徒に示す。合い言葉は、教室で口頭で示されてもよい。授業に出席した生徒はこの合い言葉を入力して出席メールを講座アドレスに送信する。メール分類部134が出席メールを分類し、整合判定部136がその出席メールに正しい合い言葉が記述されているかを判定する。有効な出席メールであれば、授業データ管理部138は出席メールの送信元である生徒を正規の出席者として認定する。表示部112は、授業に出席している生徒名を出席簿画面240に表示する。
【0042】
授業選択領域242は、「フランス語A2005」講座の各授業に関する出席状況を表示する。同図によれば、この講座の授業は4回目であり、4回分の授業の出席率が一覧表示されている。授業選択領域242では、4回目の「Rの発音」というテーマの授業が選択されている。出欠状況表示領域244は、授業選択領域242で選択された4回目の授業に出席している生徒名を一覧表示させている。ここでは、講座に登録されている6人の生徒のうち、「竹治義克」を除く5名が授業に出席している。授業管理装置100が出席メールを受け付けると、表示部112は自動的に出席簿画面240の内容を更新するため、出席簿画面240によって、教師は各生徒の出席状況をリアルタイムかつ正確に把握できる。
カルテ管理部168は、有効に出席メールが受け付けられたときには、カルテデータ保持部172が保持するカルテデータを更新する。たとえば、「竹治義克」から新たに出席メールを受信すると、カルテ管理部168は、「フランス語A2005」の「竹治義克」のカルテデータにおける出席状況に関するデータを更新する。
【0043】
図6は、感想受付画面250の画面図である。
感想受付画面250は、図4のメニュー画面210において、感想受付ボタン218がクリックされたときに表示される。生徒は、授業が終わると、講座アドレス宛に感想メールを送信する。この感想メールによって、教師は、授業に対する生徒の反応を即座に知ることができる。授業選択領域252は、「フランス語A2005」講座の各授業に関する感想メールの受け付け状態を表示する。授業選択領域252では、4回目の授業が選択されている。感想一覧領域256は、授業選択領域252で選択された4回目の授業に対する生徒の感想を一覧表示させている。更に、感想表示領域254は、感想一覧領域256で選択された生徒「新井真由美」の感想が表示されている。
【0044】
ここで、教師が「質問」というキーワードを設定すると、感想メールの中に「質問」という単語が含まれている生徒には星印が付記されている。この機能によって、教師は、質問事項が含まれている感想メールを簡単に見つけることができる。
カルテ管理部168は、感想メールが受け付けられると、カルテデータ保持部172のカルテデータを更新する。
【0045】
図7は、提出物管理画面260の画面図である。
提出物管理画面260は、図4のメニュー画面210において、提出物管理ボタン220がクリックされたときに表示される。生徒は、教師から授業中に提示された課題について解答し、レポートファイルとしてまとめる。そして、講座アドレス宛にレポートファイルを添付した電子メール、すなわち、レポートメール送信する。授業管理装置100は、レポートメールを受信すると、カルテデータの未提出物欄288等に示したレポート提出状況に関連するデータを更新する。ただし、レポートメールであってもレポートファイルが添付されていなければ、レポート提出は有効とは扱われない。
【0046】
授業選択領域262は、「フランス語A2005」講座の各授業についてのレポート提出状況を示す。授業選択領域262は、レポートの締切日や締切までの残り日数、レポートファイルの提出率等を示す。授業選択領域262では、4回目の授業が選択されている。提出状況一覧領域264は、授業選択領域262で選択された4回目の授業について各生徒のレポート提出状況を一覧表示する。
【0047】
生徒から提出されたレポートファイルは、前置処理部162によって誤字・脱字がチェックされる。提出状況一覧領域264には、各生徒のレポートファイルの誤字・脱字の個数も表示される。また、生徒が複数回レポートファイルを提出するときには、前回のレポートファイルと比較した誤字・脱字の数が増減が示される。たとえば、提出状況一覧領域264によると、第4回目の授業「Rの発音」において、生徒「石田英行」は、2回レポートファイルを提出している。これは、「石田英行」がレポートファイルを再提出していることを意味する。2回目のレポートファイルに対する前置処理の結果、検出された誤字・脱字箇所は2箇所であり、1回目のレポートに比べてその数が増加している旨が上向きの矢印によって示されている。
【0048】
図8は、締切設定画面274の画面図である。
ユーザは、締切設定画面274を介してレポートファイルの受付期間を設定する。ユーザの指示に応じて、表示部112は、締切設定画面274を表示する。
【0049】
レポート名設定領域270は、レポート名を指定する。同図においては、授業のテーマと同じく「Rの発音」というレポート名が設定されている。このレポート名は、授業中に教師から生徒に口頭で通知されてもよいし、締切設定画面274の設定を契機として、自動メールにより生徒に通知されてもよい。
生徒は、レポートファイルを提出するときには、レポートメールの本文に「生徒ID レポート レポート名」というフォーマットのテキストを記述する。ここで、生徒IDの次に記載されている「レポート」は、当該電子メールがレポートメールである旨を示すコマンドである。たとえば、生徒ID「20051001」の新井真由美の場合、メール本文に「20051001 レポート Rの発音」と記述してレポートメールを送信することになる。
【0050】
メール分類部134は、「レポート」というコマンドによって、当該電子メールがレポートメールであると判定する。レポート分類部154は、「レポート」コマンドの後に指定されたレポート名により、そのレポートメールがどの課題に対するレポートメールであるかを判定する。
ユーザが、レポート名設定領域270にてレポート名「Rの発音」を設定すると、設定部142はレポート保持部160に「Rの発音」という同名のディレクトリを自動生成することになるが、これについては図10に関連して説明する。
【0051】
締切日設定領域272は、レポートファイルの提出締切日を設定するための領域である。同図においては、2005年8月31日が提出締切日として設定されている。整合判定部136は、ここで設定された締切日に基づいて、レポートファイルが受付期間内に送信されたか否かを判定する。この締切日についての設定は、レポートメールについての整合条件を定めるものであるといえる。
【0052】
図9は、命名規則設定画面276の画面図である。
ユーザは、命名規則設定画面276を介してレポートファイルの命名規則を設定する。ユーザの指示に応じて、表示部112は命名規則設定画面276を表示する。
【0053】
第1要素設定領域340、第2要素設定領域342および第3要素設定領域344に設定される各要素名が、接続要素設定領域346に示される記号によって接続されることにより、保存時のレポートファイル名が決定される。同図においては、第1要素設定領域340には「生徒ID」という要素、第2要素設定領域342には「生徒名」という要素、第3要素設定領域344には「レポート」という文言が指定されている。そして、接続要素設定領域346には「−(ハイフン)」が指定されている。したがって、生徒ID「20051001」の生徒「新井真由美」からのレポートファイルは、命名部156により「20051001−新井真由美‐レポート.txt」という名前に設定される。保存処理部158は、このファイル名にて、新井真由美のレポートファイルをレポート保持部160に保存する。
【0054】
このように、第1要素設定領域340、第2要素設定領域342、第3要素設定領域344および接続要素設定領域346の各領域における指定値が、命名部156がレポートファイルの名前を設定するための命名規則となる。以下、命名部156により命名規則にしたがって設定された名前のことを「保存用レポート名」とよび、もともと生徒が送信したレポートファイルの名前を「送信時レポート名」とよぶことにする。このほかにも、レポートファイルの送信日時や、送信時レポート名などが、保存用レポート名の構成要素となってもよい。
例示領域348は、第1要素設定領域340、第2要素設定領域342、第3要素設定領域344および接続要素設定領域346に指定された各データに基づいて、保存用レポート名を例示する。
【0055】
図10は、レポート保持部160におけるディレクトリ構造を示す模式図である。
新たに講座が開設され講座アドレスが設定されると、設定部142は講座名と同名のディレクトリを生成する。同図においては、「フランス語A2005」や「ドイツ語A2005」、「線形代数I2006」などの複数の講座に対応して複数のディレクトリが生成されている。以下、このような講座に対応したディレクトリのことを「講座ディレクトリ」とよぶ。
【0056】
ユーザが、締切設定画面274を介してレポートの提出締切日を設定すると、レポート名設定領域270において指定されたレポート名と同名のディレクトリが生成される。同図において、講座ディレクトリ「フランス語A2005」は、「フランス語の防衛に関する考察」や「フランス語の歴史的変化」等のレポート名に対応したディレクトリを含んでいる。以下、このようなレポート名に対応したディレクトリのことを「レポートディレクトリ」とよぶ。
【0057】
レポートディレクトリが生成されると、レポートディレクトリの下に、講座に登録している生徒に対応したディレクトリが自動生成される。たとえば、「フランス語の防衛に関する考察」というレポートディレクトリは、「フランス語A2005」という講座ディレクトリに属しているので、「フランス語A2005」という講座に登録している「新井真由美」や「石田英行」等の生徒名に対応したディレクトリが生成されることになる。以下、このような生徒名に対応したディレクトリを「生徒ディレクトリ」とよぶ。
【0058】
このようなディレクトリが設定されている状態で、生徒ID「20051032」の「石田英行」から「フランス語A2005」の講座アドレス宛に、「20051032 レポート フランス語の防衛に関する考察」というコマンドが記述されたレポートメールが送信されたとする。このとき、メール分類部134は、電子メール本文において、生徒IDの次に記述されている「レポート」というコマンド名から、その電子メールがレポートメールであると判定する。レポート分類部154は、「フランス語の防衛に関する考察」という用語と生徒IDから、そのレポートファイルの保存先を「フランス語A2005>フランス語の防衛に関する考察>石田英行」のディレクトリと判定する。命名部156は、命名規則にしたがって保存用レポート名を決定する。図9に示した命名規則によれば、保存用レポート名は「20051032−石田英行−レポート」となる。
保存処理部158は、保存用レポート名にて、レポートファイルをレポート保持部160の該当ディレクトリに保存する。このように、生徒から受信されるさまざまなレポートファイルが、自動的に仕分けされて各ディレクトリに保存されることになる。
【0059】
また、教師が出した課題に対して、ある生徒がレポートファイルを提出した後、その生徒が同じ課題についてレポートファイルを再提出したとする。たとえば、「石田英行」が「フランス語の防衛に関する考察」という課題に対し、「20051032 レポート フランス語の防衛に関する考察」というコマンドが記述されたレポートメールを送信し、再度、「20051032 レポート フランス語の防衛に関する考察」というコマンドが記述されたレポートメールを送信したとする。このようなときには、命名部156は、1回目のレポートファイルと2回目のレポートファイルを別名に設定する。
【0060】
2回目のレポートファイルが受信されると、命名部156はすでに保存されている1回目のレポートファイルの保存用レポート名を「20051032−石田英行‐レポート1」に変更し、2回目のレポートファイルの保存用レポート名を「20051032−石田英行‐レポート2」に設定する。このような処理により、生徒から、レポートファイルが再提出されたときにも、それらを識別できるような保存用レポート名に適宜設定される。結果として、新たなレポートファイルによって、先に取得されていたレポートファイルが上書きされないので、レポート保持部160は生徒が提出したレポートファイルをすべて保存できる。
【0061】
たとえば、1回目のレポートファイルには「かもしれない」「おもしろかった」という用語が多く含まれ、2回目のレポートファイルに「わかった」「だと思った」という用語が多く含まれていたとする。この場合には、レポートの再提出によって生徒の課題に対する考察が深くなっていることが推測できる。このように複数回のレポートファイルに含まれる用語を比較することによって、生徒の学習状況をより深く認識しやすくなる。
【0062】
ユーザは、レポートファイルをチェックし、再提出を要求するか否かを入力してもよい。再提出を要求しないとき、命名部156は、そのレポートファイルの名前を更に変更してもよい。たとえば、「20051032−石田英行‐レポート2」というレポートファイルが再提出不要であれば、教師は「再提出不要」の旨を入力する。このとき、命名部156はこのレポートファイルの名前を「20051032−石田英行‐レポート2(最終版)」という名前に変更してもよい。このような命名処理によれば、ユーザはファイル名を参照するだけでも、各生徒のレポート提出状況を把握できる。
カルテ管理部168は、受付期間内にレポートファイルが受信されると、カルテデータの未提出物欄288を「有」から「無」に変更するとしてもよいし、教師が「再提出不要」の旨を入力したことを条件としてカルテデータの未提出物欄288を「有」から「無」に変更するとしてもよい。
【0063】
図11は、レポートメールの受付処理過程を示すフローチャートである。
まず、通常メール送受信部124は、生徒から電子メールを受信する(S10)。メール分類部134は、この電子メールがレポートメールにあたるかを判定する(S12)。レポートメールでなければ(S12のN)、感想メールや出席メールなど、それぞれに対応する各種処理が実行されることになる(S32)。
【0064】
レポートメールであれば(S12のY)、整合判定部136はこのレポートメールの送信日時が受付期間設定部144により設定された受付期間内にあるかを判定する(S14)。受付期間内になければ(S14のN)、整合判定部136は自動メール送信部126に指示して、レポートの提出が遅れたことを注意する自動メールを送信させる(S16)。本実施例においては、締切に遅れたレポートファイルは、評価の対象とはならず、レポート保持部160にも保存されない。変形例として、レポートファイルが締切日に遅れたときには、自動メールによって注意した上で(S16)、S18以降の通常の処理の対象とされてもよい。
【0065】
受付期間内のレポートファイルであれば(S14のY)、レポート処理部148は添付されているレポートファイルを前置処理部162に渡し、前置処理部162は前置処理を実行する(S18)。前置処理部162は、レポートファイル中の誤字・脱字の個数を計数し、受け取ったレポートファイルに誤字・脱字箇所を付記して校正判定部164に渡す。校正判定部164は、前置処理結果についての許可条件、たとえば、誤字・脱字の個数が20箇所以内であるかについて判定する(S20)。許可条件が満たされない場合には(S20のN)、校正判定部164は自動メール送信部126に指示して、再提出を要求する旨が記述された自動メールを送信させる(S22)。許可条件が成立するときには(S20のY)、S22の処理はスキップされる。
【0066】
命名部156は、レポートファイルの保存用レポート名を決定する(S24)。レポート分類部154は、レポートファイルの送信先となっていた講座アドレスや、本文中の生徒ID等から、レポートファイルの保存先となるディレクトリを選択する(S26)。保存処理部158は、選択されたディレクトリにレポートファイルを保存する(S28)。カルテ管理部168は、カルテデータの未提出物欄288等、レポートファイルの取得状況を示すデータを更新する(S30)。
【0067】
図12は、カルテ画面300の画面図である。
ここでは、カルテ画面300において表示対象となるさまざまなデータのうち、その一部のみを示している。ユーザが図4のメニュー画面210において講座を指定した上でカルテボタン226をクリックすると、表示部112は、フォームデータに定義されている表示レイアウトにて、カルテデータを表示させる。ID表示領域302は、図3のID欄282における生徒IDを示す。生徒IDを変更すると別の生徒についてのカルテデータが表示される。このようにカルテ画面300は、講座ごと、かつ、生徒ごとにそれぞれ別画面にて表示される。ここでは、「フランス語A2005」の受講生である「新井真由美」のカルテデータが表示対象となっている。
【0068】
氏名表示領域304は、図3の氏名欄284における生徒名を表示する。出席状況表示領域306は、図3の出席履歴欄286における生徒の出席状況を示す。フォームデータには、あらかじめ「フランス語A2005」講座の授業が15回あるものとして出席状況表示領域306の欄がデザインされている。ユーザはフォームデータを自由にデザインできる。出欠率表示領域307は、「新井真由美」の「フランス語A2005」に対する出席率と欠席率(まとめて、「出欠率」とよぶ)を示す。フォームデータには、出席状況表示領域306に示される出席データに基づいて、出欠率を算出するための式が記述されている。表示部112は、カルテデータを表示させるときに、フォームデータにこのような計算式が記述されているときには、カルテ管理部168に計算実行を指示する。カルテ管理部168は、カルテデータとフォームデータを参照して、出席率と欠席率をそれぞれ計算し、その計算結果を表示部112に渡す。表示部112は、この計算結果を出欠率表示領域307に出欠率として表示させる。
【0069】
整合性表示領域308は、レポートファイルの提出状況や出席メールの有効性など、各種条件判定の結果を示す。フォームデータには、授業に出席していないのに感想メールを送ったり、レポートファイルを提出していないなど、整合性表示領域308に表示すべき状況についてさまざまな条件設定を記述できる。たとえば、未提出レポートがあるか否かは、カルテデータの未提出物欄288のデータによって判定できる。また、出席率が50%以下なのに、試験の平均点が70点以上の生徒は印をつけてもよい。フォームデータに記述された各種判定条件は、カルテ管理部168によって判定される。
【0070】
文長推移表示領域310は、授業終了後に生徒が送信する感想メールの本文の感想文字数の変化をグラフとして示す。感想メールが受信されると、文字計数部166は、感想文字数を計数する。この感想文字数もカルテデータの一部としてカルテデータ保持部172に保持される。意欲的に授業に参加している生徒は、一般的には感想文字数も多くなると考えられる。そのため、生徒の意欲の変化を推し量る上で、文長推移表示領域310のグラフは有益な判断材料となる。このように、電子メールの内容だけではなく、感想文字数のように生徒の無意識心理を反映したデータもカルテとして活用することにより、より多面的に生徒の学習状況を探ることができる。
【0071】
カルテ管理部168は、全生徒において感想文字数の平均値を計算する。そして、カルテ表示処理部114は、文長推移表示領域310に全生徒の感想文字数の平均値と生徒「新井真由美」の感想文字数とを比較したかたちで表示させている。このため、教師であるユーザは、全体傾向と個人傾向をあわせて把握できる。
【0072】
以上、実施例に基づいて本発明を説明した。
本実施例に示した授業管理装置100によれば、授業評価システム10を運用する上で得られるさまざまなデータをカルテデータとしてまとめることができる。カルテ画面300によって、ユーザは、生徒ごとの学習状況をきめこまやかに、かつ、一目で把握しやすくなる。生徒の電子メールをベースとしてカルテデータを生成するので、カルテデータを作成するための教師の負荷を軽減できる。
【0073】
授業管理装置100は、ユーザが設定可能な命名規則により、さまざまな生徒から取得されるレポートファイルの名前を自動的に設定できる。また、ユーザは簡単なユーザインタフェースにて自由に命名規則を設定できるので、自分なりのネーミングポリシに基づいて、各生徒のレポートを管理できる。また、レポートメールに含まれる簡単なコマンドで、レポート保持部160におけるレポートファイルの保存先を決定できる。そのため、多数の生徒から多数のレポートファイルが取得される場合において、教師がレポートファイルを管理するための負担を軽減できる。
【0074】
また、受付期間の設定により、レポートファイルの締切を授業管理装置100によって自動的に管理できる。更に、レポートファイルが教師による評価対象となる前に、前置処理としてレポートファイルの検査や加工が可能となっている。たとえば、本実施例で示したように、自動的に誤字・脱字チェックを行い、必要に応じて生徒に再提出を要求すれば、教師がレポートファイルを評価するための負担を軽減できる。
【0075】
なお、請求項に記載の学習管理部の機能は、本実施例においては主として生徒管理部140によって実現される。また、請求項に記載の受付期間判定部の機能は、本実施例においては主として整合判定部136によって実現される。請求項に記載の再提出要求部の機能は、本実施例においては校正判定部164や自動メール送信部126によって実現される。請求項に記載のレポート管理データは、本実施例においてはカルテデータの一部として実現される。
これら請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、本実施例において示された各機能ブロックの単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0076】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】授業評価システムのハードウェア構成図である。
【図2】授業管理装置の機能ブロック図である。
【図3】カルテデータ保持部におけるカルテデータのデータ構造図である。
【図4】授業管理装置のメニュー画面の画面図である。
【図5】出席簿画面の画面図である。
【図6】感想受付画面の画面図である。
【図7】提出物管理画面の画面図である。
【図8】締切設定画面の画面図である。
【図9】命名規則設定画面の画面図である。
【図10】レポート保持部におけるディレクトリ構造を示す模式図である。
【図11】レポートメールの受付処理過程を示すフローチャートである。
【図12】カルテ画面の画面図である。
【符号の説明】
【0078】
10 授業評価システム、 100 授業管理装置、 110 ユーザインタフェース処理部、 112 表示部、 118 入力部、 120 通信部、 122 メール送受信部、 124 通常メール送受信部、 126 自動メール送信部、 130 データ処理部、 132 メール処理部、 134 メール分類部、 136 整合判定部、 138 授業データ管理部、 140 生徒管理部、 142 設定部、 144 受付期間設定部、 146 命名規則設定部、 148 レポート処理部、 150 データ保持部、 152 メールデータ保持部、 154 レポート分類部、 156 命名部、 158 保存処理部、 160 レポート保持部、 162 前置処理部、 164 校正判定部、 168 カルテ管理部、 170 フォーム保持部、 172 カルテデータ保持部、 200 インターネット、 202 メールサーバ、 204 クライアント端末、 210 メニュー画面、 240 出席簿画面、 250 感想受付画面、 260 提出物管理画面、 274 締切設定画面、 276 命名規則設定画面、 300 カルテ画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生徒の学習状況を管理することによって授業を支援するための装置であって、
生徒から電子メールを受信する電子メール受信部と、
前記電子メールにレポートファイルが添付されているときには、前記レポートファイルの名前を所定の命名規則にしたがって設定する命名部と、
設定後のファイル名にて、前記レポートファイルを自動的に保存する保存処理部と、
レポートファイルが取得されたとき、レポートファイルの取得状況を示すレポート管理データを更新する学習管理部と、
を備えることを特徴とする授業管理装置。
【請求項2】
自装置のユーザによる入力にしたがって、レポートファイルの名前を設定するための命名規則を設定する命名規則設定部、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の授業管理装置。
【請求項3】
所定の分類条件にしたがって、前記レポートファイルの保存先をあらかじめ設定された複数の保存領域の中から選択するレポート分類部、を更に備え、
前記保存処理部は、選択された保存領域に前記レポートファイルを保存することを特徴とする請求項1または2に記載の授業管理装置。
【請求項4】
前記命名部は、所定の課題に対するレポートファイルが前記生徒から取得された後に前記所定の課題に対するレポートファイルが更に前記生徒から取得されたときには、新たに取得されたレポートファイルの名前を先に取得されたレポートファイルとは異なる名前に設定し、
前記保存処理部は、前記先に取得されたレポートファイルを保存したままで、更に前記新たに取得されたレポートファイルを保存することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の授業管理装置。
【請求項5】
自装置のユーザによる入力にしたがって、所定の課題に対するレポートファイルの受付期間を設定する受付期間設定部と、
レポートファイルが添付された電子メールの送信日時または受信日時が前記受付期間内にあるかを判定する受付期間判定部と、を更に備え、
前記学習管理部は、前記レポート管理データに前記受付期間判定部による判定結果を反映させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の授業管理装置。
【請求項6】
レポートファイルの本文として含まれるテキストデータに対して所定の前置処理を実行する前置処理部、を更に備え、
前記学習管理部は、前記前置処理の結果を前記レポート管理データに反映させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の授業管理装置。
【請求項7】
前記レポートファイルに対する前置処理の結果が所定の許可条件を満たすかを判定し、前記所定の許可条件が成立しないときには、前記レポートファイルを送信した生徒に対して、レポートファイルの再提出を指示する再提出要求情報を送信する再提出要求部、
を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の授業管理装置。
【請求項8】
生徒の学習状況を管理することによって授業を支援するための方法であって、
生徒から電子メールを受信するステップと、
前記電子メールにレポートファイルが添付されているときには、前記レポートファイルの名前を所定の命名規則にしたがって設定するステップと、
設定後のファイル名にて、前記レポートファイルを自動的に保存するステップと、
前記レポートファイルが取得されたときに、レポートファイルの取得状況を示すレポート管理データを更新するステップと、
を備えることを特徴とする授業管理方法。
【請求項9】
生徒の学習状況を管理することによって授業を支援するためのコンピュータプログラムであって、
生徒から電子メールを受信する機能と、
前記電子メールにレポートファイルが添付されているとき、前記レポートファイルの名前を所定の命名規則にしたがって設定する機能と、
設定後のファイル名にて、前記レポートファイルを自動的に保存する機能と、
レポートファイルの取得に応じて、レポートファイルの取得状況を示すレポート管理データを更新する機能と、
をコンピュータに発揮させることを特徴とする授業管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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