掌に作用する力の測定システム
本発明は、産業現場で勤労者が作業する際、手に加えられる力を測定する装置に関するものであって、手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋と、バンドを備えるケースと、前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号を受信して記録する貯蔵器とを含んで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の手が物体に加える力を測定する装置と、この装置を通じて収集された情報を分析する装置及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業現場では、作業関連事故を予防する次元として、筋骨格系疾患に関する関心が高まっている。現場の勤労者は、作業環境によって多様な有害因子に露出されているため、筋骨格系疾患が発生し易い傾向がある。この筋骨格系疾患を発生させる職業的要因は非常に多様であり、大抵の場合、一つ以上の有害因子が複合的に作用して発生する。不便な作業姿勢、過度な力の使用、静的状態の維持、不充分な休息、過度な反復的作業、制限された作業空間、不適切な作業環境(温度、湿度、騒音、照明など)等が複合的に作用して、筋骨格系部位に疲労が累積し、身体部位が損傷して、痛みと感覚異常を訴える筋骨格系の慢性的な健康障害が筋骨格系疾患である。
【0003】
このような筋骨格系疾患の発病は、賃金補償費用及び医療費支出の増加、生産性と生活の質の低下などの多くの社会的問題点を誘発している。したがって、労働部では、労働者の筋骨格系疾患を予防するために、事業主が3年ごとに筋骨格系負担作業に対して有害要因を調査する内容を骨子として“産業保健基準に関する規則”改正案を2003年7月12日から発表、施行している。
【0004】
このように、筋骨格系疾患に関する関心が高まりながら、勤労者が作業をする際、身体に加えられる力を測定する多様な形態の装置が開発されている。例えば、特許文献1では、ジョイスティックにセンサーを付着することによって、手が伝達する力を測定する装置について開示しており、特許文献2では、2個の棒で形成されたハンドルの間にセンサーを設置して、このハンドルを手で握る時に作用する力を測定するようにした装置について開示している。
【特許文献1】大韓民国公開公報第10−2001−3939号
【特許文献2】米国公開公報第5,317,916号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような先行技術で提供する測定装置は、勤労者が手に着用した状態で作業をしながら検査を受けることはできないため、単純に手の握力だけを測定することが限界である。そのため、勤労者が多様な作業環境に処した場合、その毎に身体が加える物理力を測定できないという問題がある。
【0006】
本発明が目的とする技術的課題は、多様な作業環境で、勤労者が手で加える力を容易に測定できるようにし、測定されたデータを多様な形態に分析できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような技術的課題を達成するための本発明の測定装置は、手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋と、バンドを備えるケースと、前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号を受信して記録する貯蔵器とを含んで構成される。
【0008】
ここで、前記センシング部は、手のひら(掌)側部分と、指の各関節の間を連結する節の部分と、指と掌を連結する関節の部分と、指と掌を連結する関節の部分とに相応する少なくとも1ケ所以上で、前記手袋の手のひら面に備えることができる。
【0009】
そして、前記センシング部は、加えられる力に応じて抵抗値が変わりながら、互いに異なる大きさの電圧を出力するFSR(force sensing resistor)センサーで構成することができる。この時、このFSRセンサーの表面はエポキシ樹脂で塗布され、凹凸形成処理された被覆材で被覆されるのが望ましい。
【0010】
また、前記手袋の手の甲面には、前記センシング部と貯蔵器を連結する信号線を整理する収集部材をさらに備えることもできる。
【0011】
そして、前記手袋の手のひら面は、穴明き外皮と内皮とで構成されてその間に空間を成しており、前記センシング部が前記穴に相応して設置され、前記穴を通して、信号線が内皮と外皮の間の空間に位置するのが好ましい。
【0012】
また、前記貯蔵器は、前記センシング部から信号を受信する入力部と、前記信号をデジタル信号に変換する変換部と、前記デジタル信号をバイナリ形態のファイルであるメモリに貯蔵する制御部とを含む。この時、前記メモリは、MMC(multi media card)のような小型メモリカードで形成するのが望ましい。
【0013】
そして、本発明の演算装置は、プロセスユニットとメモリを含み、前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法により、時間、チャンネル、測定値が互いに関係づけられて、記録された元のデータ元のデータから前記測定値を、ニュートン(N)を単位とする力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータに生成する。
【0014】
前記プロセスユニットは、Y=α×X(X:測定値、α:知っている力の大きさとその力の測定値との間の比率として定義された比例常数)と定義された数式により、前記元のデータの測定値を変換させる。
【0015】
また、前記プロセスユニットは、左手及び右手とこの手の上に表示された横棒を表示する窓を構成して出力させる。
【0016】
この時、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを時間の順に構文解析して、前記ニュートンデータのチャンネルで前記横棒を識別して、前記力の値をバー形態にハイライトし、前記力の値の大きさによって、前記バー形態のハイライトの大きさに差を与えることもできる。
【0017】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、力の大きさ別区間を表示するx軸と、比率(%)を表示するy軸とからなるヒストグラムを構成して出力させる。
【0018】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間のx軸と、力のy軸とからなる波形図を構成して出力させる。
【0019】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータから、2個のチャンネル別力の値を各々、波形図で構成し、これを重ね書き(overlay)させて出力する。
【0020】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間に伴った力の値を各チャンネル別波形図で構成して出力させる。
【0021】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、各チャンネル別に前記力の値の平均、標準偏差、最小値、最大値を算出する。
【0022】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、前記力の値の時間別変化を各チャンネル別波形図で構成して、窓に出力し、前記窓に出力された波形図の範囲指定された領域を、前記ニュートンデータから削除したり、範囲指定された領域のみのニュートンデータに更新する。
【0023】
また、前記プロセスユニットは、Y(n)={f(n)+f(n+1)+f(n+2)}/3(f(n):n番目に変換された測定値、n:自然数)と定義された数式により前記力の値を平滑化する。
【0024】
そして、本発明の分析システムは、手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋、バンドを備えるケース、前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号(を受信して時間及び前記各センシング部を識別するチャンネルを互いに関係づけて元のデータとして記録する貯蔵器を含む測定装置;及び、プロセスユニット及びメモリ;を含み、前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法により、前記元のデータから前記測定値を、ニュートン(N)を単位とした力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータとして生成する演算装置;を含んで構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施例について当業者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な相違した形態で実現でき、ここで説明する実施例に限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明の一実施例により構成される測定装置の概略的図である。この図面を参照して本実施例を説明する。
【0027】
本実施例において、測定装置は、センシング部11を備える手袋10と、前記センシング部11で測定した結果を記録する貯蔵器20とを含んで構成される。
手袋10は、その手のひら面10aに複数のセンシング部11を備えている。このセンシング部11は、手で物品を握る時、掌と物品が接触する部位に沿って備えられる。図2で人の掌を例示したが、これをもって、これについてより具体的に説明する。
【0028】
通常、人の手の手の甲は弛緩した状態であり、掌は収縮されている。この状態で、掌を中心に指を動かして、物品を握るようになる。したがって、物品は、手の側の部分101と、指の各関節の間を連結している節の部分103と、指と掌を連結する関節の部分107と接触する。また、親指側には、親指と手首を連結する部分105も物品と接触する。
【0029】
本実施例ではこのような点を考慮して、手袋10の手のひら面10a中の上述した接触の部分に対応する地点に沿って複数のセンシング部11を備える。これにより、手袋10には、手のひら面10a中の親指から薬指までの各節の部分と手の側の部分、そして親指と手首を連結する部分に複数のセンシング部11が備えられる(図3参照)。
【0030】
一方、本実施例でセンシング部11は、物品と接触した時に手が加える力を測定するようになるが、望ましい一つの形態としてFSRセンサーが用いられることができる。以下の説明は、このセンシング部11がFSRセンサーで構成される例を説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0031】
センシング部11は、その表面に作用する力によって抵抗値が変わりながら、互いに異なる大きさの電圧を発生させて、手の各部位別に加えられる力を測定する。このセンシング部11は、測定の正確性を高めるためにエポキシ樹脂に塗布され、摩耗及び破損を防止するために被覆材に被覆されるのが望ましい。この被覆材は、その表面で滑り防止のために凹凸形成処理される。
【0032】
一方、図4で示しているように、手袋10の手のひら面10aに備えられる複数のセンシング部11は、信号線13を通じて貯蔵器20に連結されるが、この信号線13によって手の動きが邪魔されないように、信号線13を整理する収集部材15がさらに備えられることもある。
【0033】
この収集部材15は、一例において、プレートに設置される複数のガイド溝で構成されることができるが、各センシング部11から引き出された信号線13はこの収集部材15に集められ、この収集部材15のガイド溝に安着されて整理される。これにより、複数の信号線13は一つに整理されて、貯蔵器20に連結される。このように、信号線13を整理する収集部材15は前述のことに限定されず、多様な形態にも可能であるのはもちろんである。そして、この収集部材15は、手の動きに邪魔にならないように、手袋10中の手の甲面10bに備えられるのが望ましい。
【0034】
一方、図5は、図3のA−A線に沿って切開して示す手のひら面の概略的な断面図であるが、これを参照して手袋の手のひら面の構成を説明する。
【0035】
手袋10の手のひら面10aは、内皮(A2)と外皮(A1)の二重構造を有し、この内皮(A2)と外皮(A1)との間の空間(S)に信号線13が配置された構造を成す。より詳しく、外皮(A1)には穴(h)が形成されており、この穴(h)に対向して、外皮(A1)の外側でFSRセンサー11が設置される。そして、このFSRセンサー11に連結されている信号線13は、この穴(h)を通して外皮(A1)の内面、つまり、外皮(A1)と内皮(A2)が成す空間(S)に配置される。これにより、信号線13が外皮(A1)により被覆された形態を有して、外力から保護を受けることができ、また、手袋の外部に信号線が出ないので、デザインを美しくしながらも、作業者が手袋を着用して作業する過程で、信号線による干渉を防止することができる。
【0036】
一方、本実施例の貯蔵器20は、センシング部11で測定した信号を信号線13を通して受信して、バイナリ(binary)形態のファイルでメモリ25に貯蔵する。図6は、貯蔵器20の構成を概略的に示したブロック図である。これを参照して、貯蔵器20について説明すれば次の通りである。
【0037】
貯蔵器20は、信号を受信する入力部21と、この信号をデジタル信号に変換する変換部22と、動作状態を表示する表示部23と、各部の動作状態を制御する制御部24と、データを貯蔵するメモリ25とを含んで構成される。そして、各構成要素は、高速シリアル通信(serial peripheral interface、SPI)を通して互いに連結されている。
【0038】
メモリ25は、MMC(multi media card)またはSDC(secure digital card)のように、脱着可能な小型メモリカードで構成され、制御部24は、ATmega128のようなマイクロ・プロセッサで構成されて、各構成要素を制御する。
【0039】
このように構成された貯蔵器20は、センシング部11が測定した信号を入力部21を通して受信して、アンプ(図示せず)で所定の大きさの信号に増幅し、増幅された信号を変換部22に伝達する。変換部22は、受信した信号をデジタル信号に変換し、制御部24の制御により、メモリ25にバイナリ形態のファイルに保存する。
【0040】
このように構成される貯蔵器20は、実質的に複数の回路素子が印刷回路基板に設置されて、実現される。この印刷回路基板は、その内部に収納空間を備えるケース30に設置される。
【0041】
一方、このケース30には一対の環が設置されており、この環に、弾性バンドまたはベルクロテープが備えられているバンド31が設置されている。
【0042】
これにより、作業者は手に手袋10を着用し、手首にはバンド31を使用して貯蔵器20を固定する。したがって、現場の作業者は、手袋10を手に着用した状態で手首には貯蔵器20を固定することができるので、測定装置を作業時間中ずっと携帯することができる。その後、作業者は、本実施例の測定装置を体に付着した状態で作業を行い、この過程で手袋10のセンシング部11によって掌の各部分を通して収集された情報は、信号線13を通して貯蔵器20に伝達され、ここで信号処理されてメモリ25に保存される(図7参照)。
【0043】
以下では、このように収集された情報の分析方法について詳しく説明する。本発明で説明する分析方法は、プログラミング技術を利用して演算装置にプログラムとして設置される。ここで、演算装置とは、論理演算を行うプロセスユニット及びメモリを含む装置であって、望ましくはコンピュータであり得る。
【0044】
図8は、本実施例による演算方法を全体的に示すフローチャートである。
【0045】
本実施例の演算方法は、測定段階(S10)、偏差補正段階(S20)、信号処理段階(S30)、出力段階(S40)を含む。
【0046】
まず、測定段階(S10)は、前述のように構成される手袋10及び貯蔵器20を利用して、作業者の力使用を測定して情報を獲得する段階である。この段階(S10)で、作業者は、手袋及び貯蔵器を各々、手と腕目に着用して作業する。この過程で、作業者が手に加える力の情報が貯蔵器10のメモリ25に記録保管される。貯蔵器20は、メモリ25に時間と測定値をバイナリ形態のファイルに記録し、記録されたファイルは、標準USBコネクタを通して、コンピュータに転送される。
【0047】
偏差補正段階(S20)では、センシング部11が測定した値を偏差補正関数に適用して変換する。この過程を通じて、測定値はニュートン(N)単位の値に変換されるが、私たちが知っている力を、センシング部11によって検出される値から、比例式を求めて、変換する。この過程を通じてセンシング部11が検出した信号は、私たちが知っている力の大きさに比例して変換されるので、作業者が作業する間のどれ程の力を使うか簡単に把握できるようにする利点がある。
【0048】
信号処理段階(S30)では、細部分析に先立ち、より正確な情報を得るために、データ事前処理を行うようになる。この段階(S30)は、情報にノイズがあったり、分析関心対象以外の情報が存在する場合に選択的に行われる。
【0049】
測定された情報において、分析に必要ない部分は、編集機能を使用して選択的に除去し、情報にノイズがある場合、フィルタリングと平滑化(smoothing)機能を使用して、ノイズを情報から選択的に除去する。
【0050】
そして、出力段階(S40)では、グラフ及び統計的分析を通じて、測定値を視覚的に画面に出力する。この段階(S40)で提供する視覚的分析には、重ね書き波形図(overlay waveform)、ハンドマップメータ(hand map meter)、ヒストグラム(histogram)などを含む。
【0051】
図9は、手袋10のセンシング部11が検出した測定値を力の値に変換する過程を説明する模式図である。
【0052】
この変換過程に先立ち、貯蔵器20のメモリ25をコンピュータに連結して、メモリ25に記録された情報をローディングする過程が先行するが、このような情報の読み出し過程はよく知られた従来技術と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0053】
コンピュータは、メモリ25に記録された情報(時間別に手に作用した力に関する情報であって、FSRセンサーの電圧変化の大きさを単純にデジタル信号に変換して記録する。以下、‘元のデータ’という)を読み出して、RAMのような揮発性メモリに貯蔵する。
【0054】
ここで、元のデータは、次の通り貯蔵器20のメモリ25に記録される。FSRセンサーからなるセンシング部11に3.2ボルト(v)の電圧を印加すれば、このセンシング部11に作用する力が抵抗として作用して、力の大きさによって逆順の0〜3.2ボルト(V)の電圧が出力される。この出力電圧は、変換部22でデジタル信号に変換が行われて、メモリ25にファイル形式を有する元のデータとして記録される。
【0055】
コンピュータは、プログラムに記録された偏差補正関数を元のデータに適用して、力の値に変換させる。ここで、偏差補正関数は次の通り定義される。例えば、人為的に私たちが知っている0と5ニュートン(N)の力を手袋10のセンシング部11に順に加えて、各々、出力信号0と1,000を得たとすれば、偏差補正関数は、力と出力信号との間の関係から、Y=0.005×Xと定義される。したがって、出力信号が500であれば、偏差補正結果で得られる結果は2.5(N)となる。
【0056】
コンピュータは、このように知られた力の大きさとセンシング部11の出力信号との間の比例関係と定義された偏差補正関数を元のデータに適用してデータ変換をした後、変換されたデータ(以下、‘ニュートンデータ’)を揮発性メモリに記録する。
【0057】
このように、コンピュータは、元のデータの読み出しと同時に行われる偏差補正過程を通じてニュートンデータを生成した後、要請によってニュートンデータを加工して、各々の要請に合う結果をモニターの画面に出力する。
【0058】
図10は、コンピュータに記録されたプログラムを実行させた時に出力されるメイン窓を示す。
【0059】
図9を参照して説明した元のデータの偏差補正過程は、メイン窓100のファイルタップ101を選択して、メモリ25にファイル形態に記録された元のデータを読み出す過程で行われる。
【0060】
前述のようなニュートンデータの変換過程を通じて揮発性メモリにニュートンデータがローディングされ、以降、メイン窓に表示された多様なボタン103の選択によって、演算された結果がモニターの画面に出力される。
【0061】
図11は、ハンドマップメータの出力窓を例示している。
【0062】
出力窓110は例示されたように、左手111及び右手113とこの手の上に表示された横棒115を含む。ここで、横棒115は、手袋10に設置されたセンシング部11と同一な位置に沿って位置している。また、出力窓110の下側には進行バー117が表示される。
【0063】
この出力窓11は、手の各部位別に加えられた力の大きさを、時間の流れに伴って表示するが、下の進行バー117は時間の流れを示し、横棒115には、その時間の間その位置に加えられた力の大きさをバー(bar)で表示する。
【0064】
コンピュータは、時間と関係づけられて、記録されたニュートンデータを参照して横棒115をハイライトするが、コンピュータは、ニュートンデータを時間及びチャンネルに応じて構文解析する。ここで、チャンネルは、複数に構成されたセンシング部11を識別できるようにするコードである。
【0065】
これにより、コンピュータは、時間の順序に伴って、各々の横棒115をバー形態にハイライトするが、この時、チャンネルが参照されて、表示しようとする横棒115が選択される。また、横棒115に表示されるハイライトバーの大きさは、規則によって大きさが決められるが、例えば、1(N)は1mm、2(N)2mmのような定められた規則により、力の大きさの差の分だけハイライトされるバーの大きさが決定される。
【0066】
したがって、運営者は、出力窓110にハイライトされる横棒115を注目することを見て、時間に伴った作業者の力使用パターンを眺望することができる。
【0067】
図12は、ヒストグラムの出力窓を例示している。
【0068】
この出力窓120は、力のx軸と頻度(%)のy軸からなるヒストグラム121を含む。ここで、x軸は、力を任意的な区間に分けて表示し、y軸は区間別頻度を示す。
【0069】
コンピュータは、選択したセンシング部11の記録を、選択的に、図12で例示したようなヒストグラムに出力する。運営者は、メイン窓100のボタン103よりこのヒストグラムを実行させるボタンを選択すると、複数のセンシング部11の中でいずれか一つを選択する。また、運営者は、x軸を成す力の区間の幅を選択することもできる。図12では、幅が80に設定されたことを例示した。
【0070】
それでは、コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータを構文解析する時、運営者が選択したセンシング部11の情報のみを選択的に抽出して、ヒストグラム121を構成する。この時、コンピュータはヒストグラムを構成するが、統計的な計算方法により、各区間別ヒストグラムをy軸の頻度の大きさに合うように構成する。つまり、コンピュータは、全体の中から、各区間に属する力の大きさをニュートンデータから抽出して、比率を求め、ヒストグラムの大きさをy軸に基準して決定する。
【0071】
また、運営者がx軸の頻度区間を変更した場合には、変更された頻度区間をもってx軸を表示すると共に、この頻度区間に合うヒストグラムを、統計的な計算方法により構成する。
【0072】
このようなヒストグラムの出力は、運営者にとって、各センシング部別に、区間別力がどれ程の頻度で分布されているかを簡単に分かるようにする。
【0073】
また、図13は、2個のセンシング部に対して時間別力の大きさを比較できるようにする重ね書き波形図を表示する出力窓を示す。
【0074】
この出力窓130は、時間のx軸と力のy軸からなる波形図131を含む。コンピュータは、運営者が選択した第1及び第2センシング部の記録を、図13で例示したような波形図で出力して、選択した2個の記録を互いに比較できるようにする。したがって、運営者は、所望の手の位置によって、各々に加えられた力の分布を時間に伴って比較することができる。
【0075】
運営者は、メイン窓100のボタン103より、この重ね書き波形図を実行させるボタンを選択し、複数のセンシング部11の中から2つを選択する。
【0076】
そうすると、コンピュータは、揮発性メモリに記録されたニュートンデータの中で運営者が選択したデータをチャンネルを参照して、選択的に抽出し、抽出されたデータに関係づけられた時間及びチャンネルをもって各々のセンシング部に応じた波形図を構成して、波形図131を出力窓130に表示する。
【0077】
そして、図14は、各々のセンシング部の動作状態を表示するタイル波形図の画面を例示した出力窓である。
【0078】
この出力窓140は、すべてのセンシング部の記録を一つの画面に示すことにより、センシング部が正常に動作するかを運営者が確認できるようにする。
【0079】
コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータをチャンネルに応じて構文解析して、時間に伴って波形図を構成する。この時、各々のチャンネルによって分類された波形図を各々のチャンネルに合うように出力することにより、図14で例示する出力窓140を構成する。
【0080】
図14において、出力窓140は、チャンネルのy軸を基準に、左、右に各々、左手及び右手に設置されたセンシング部の記録が波形図として出力されるように構成している。また、図14の例では、センシング部11が左、右各々、23個に構成された例を示した。
【0081】
図15は、力の変化を統計的に示す出力窓150を例示した図である。この出力窓150は、一つの画面に、左、右に設置されたセンシング部別時間に伴った力の大きさを、最小及び最大、そして、平均及び標準偏差に区分して運営者に表示するので、統計的分析をするのに非常に有用である。
【0082】
コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータをチャンネルに応じて構文解析して、各チャンネルを基準に、各チャンネル別力の平均値、標準偏差、最高値、及び最低値を、伝統的な統計計算法により求めて、図15のような出力窓150を構成する。図15において、‘MEAN’は力の平均値であり、‘STD’は標準偏差、‘max’は最高値、‘min’は最低値である。
【0083】
以下、ニュートンデータを編集する方法について説明する。この編集方法は、運営者の各々の目的によって選択的に適用され、各々のセンシング部別に個別的に行われる。以下で説明される編集が行われると、図11乃至図15の出力窓を構成するニュートンデータは編集されたものに更新されて、出力窓が構成される。
【0084】
図16は、各々のセンシング部別記録を編集する窓を例示している。この編集窓160は、時間のx軸と力のy軸からなるグラフを含む。このグラフには、時間の流れに伴った各センシング部別力の変化が波形図形態に表示される。
【0085】
編集窓160は、複数のセンシング部からいずれか一つを選択する選択画面161と、記録を編集するカットボタン163、及びコピーボタン165を含む。
【0086】
選択画面161は、手袋10に設置された複数のセンシング部11のうちのいずれか一つを選択するようにし、カットボタン163とコピーボタン165は、グラフに出力された記録の一部を選択的に切断したりコピーできるようにする。
【0087】
運営者は、選択画面161を操作して、編集しようとするセンシング部11(図面ではチャンネルに表示される)を選択すると、コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータを読み出して、時間の順序に伴ってニュートンデータを構文解析して波形図を構成し、編集窓160に出力する。
【0088】
運営者は、ポイント(P)を範囲指定して、編集しようとする区間(図面の点線の部分)167を選択し、カットボタン163またはコピーボタン165を選択して、グラフに記録された部分のうちの一部を除去したりコピーすることができる。
【0089】
コンピュータは、ポイント(P)によって範囲指定された領域を確認し、選択されたボタンの命令に従って、ニュートンデータのうちでチャンネルによって識別されたデータの一部(ポイントによって範囲指定された部分のデータ)を削除したり、コピーして、他の名前で、選択した部分のデータを揮発性メモリに記録する。
【0090】
図17は、各々のセンシング部別記録の一部にノイズが含まれている場合、これを平滑化する窓を例示したものである。
【0091】
この平滑化窓170は、時間のx軸と力のy軸からなるグラフを含む。このグラフには、時間の流れに伴った各センシング部別力の変化が波形図形態に表示される。
【0092】
コンピュータは、ノイズによるデータのわい曲を緩和させるために、移動平均を適用して、データに含まれているノイズを平滑化させる。この移動平均は、図18で例示しているように、最初連続した3個の原本データ(f1、f2、f3)の平均で平滑されたデータ(m1)一つを求め、次に、その後の2番目のデータ(f2)から連続した3個のデータ(f2、f3、f4)の平均で平滑された2番目データ(m2)を求める。このような過程を繰り返して、最後の原本データ(f10)を平滑化する。
【0093】
以上、本発明は、たとえ限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されるわけではなく、本発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想と本発明の特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能することはもちろんである。
【0094】
本発明によれば、上述した問題点を解決して、現場で作業する勤労者が本発明の測定装置を着用した状態で作業することができる。したがって、多様な環境で勤労者が手を使用して加える力を容易に収集できるという効果がある。また、手袋に備えられるセンシング部は、物品が人体の手と直接当たる部分に沿って設置されるので、より正確なデータを収集することもできる。
【0095】
そして、測定されたデータは、メモリにバイナリ形態のファイルに保存されるので、リーダー機を備える凡庸コンピュータで容易に読み出すことができ、利便性を提供する。このように測定されたデータは凡庸コンピュータに移されて、プログラムにより容易に分析されるので、作業者がいかなる環境でどれ程のストレスを受けるかを容易に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、本発明の一実施例により構成される測定装置の概略的な図である。
【図2】図2は、人体の手を概略的に示した図である。
【図3】図3は、本実施例の手袋中の底面に設置されるセンシング部の位置を示す図である。
【図4】図4は、本実施例の手袋に設置されたセンシング部を連結する信号線の配線関係を説明する図である。
【図5】図5は、図3のA−A線に沿って切断して示す断面図である。
【図6】図6は、本実施例の貯蔵器の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本実施例の測定装置を作業者が着用した状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例による分析方法を全体的に示すフローチャートである。
【図9】図9は、手袋のセンシング部が検出した測定値を力の値に変換する過程を説明する模式図である。
【図10】図10は、本実施例の分析方法でプログラムを実現した場合に出力されるメイン窓を例示した図である。
【図11】図11は、ハンドマップメータの画面を例示する図である。
【図12】図12は、ヒストグラムの画面を例示する図である。
【図13】図13は、重ね書き波形図の画面を例示する図である。
【図14】図14は、タイル波形図の画面を例示する図である。
【図15】図15は、各部位別力の変化を統計的に示す画面を例示する図である。
【図16】図16は、各々のセンシング部別記録を編集する画面を例示する図である。
【図17】図17は、記録で、ノイズを平滑化させる画面を例示する図である。
【図18】図18は、本実施例による平滑化過程を説明する模式図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の手が物体に加える力を測定する装置と、この装置を通じて収集された情報を分析する装置及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業現場では、作業関連事故を予防する次元として、筋骨格系疾患に関する関心が高まっている。現場の勤労者は、作業環境によって多様な有害因子に露出されているため、筋骨格系疾患が発生し易い傾向がある。この筋骨格系疾患を発生させる職業的要因は非常に多様であり、大抵の場合、一つ以上の有害因子が複合的に作用して発生する。不便な作業姿勢、過度な力の使用、静的状態の維持、不充分な休息、過度な反復的作業、制限された作業空間、不適切な作業環境(温度、湿度、騒音、照明など)等が複合的に作用して、筋骨格系部位に疲労が累積し、身体部位が損傷して、痛みと感覚異常を訴える筋骨格系の慢性的な健康障害が筋骨格系疾患である。
【0003】
このような筋骨格系疾患の発病は、賃金補償費用及び医療費支出の増加、生産性と生活の質の低下などの多くの社会的問題点を誘発している。したがって、労働部では、労働者の筋骨格系疾患を予防するために、事業主が3年ごとに筋骨格系負担作業に対して有害要因を調査する内容を骨子として“産業保健基準に関する規則”改正案を2003年7月12日から発表、施行している。
【0004】
このように、筋骨格系疾患に関する関心が高まりながら、勤労者が作業をする際、身体に加えられる力を測定する多様な形態の装置が開発されている。例えば、特許文献1では、ジョイスティックにセンサーを付着することによって、手が伝達する力を測定する装置について開示しており、特許文献2では、2個の棒で形成されたハンドルの間にセンサーを設置して、このハンドルを手で握る時に作用する力を測定するようにした装置について開示している。
【特許文献1】大韓民国公開公報第10−2001−3939号
【特許文献2】米国公開公報第5,317,916号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような先行技術で提供する測定装置は、勤労者が手に着用した状態で作業をしながら検査を受けることはできないため、単純に手の握力だけを測定することが限界である。そのため、勤労者が多様な作業環境に処した場合、その毎に身体が加える物理力を測定できないという問題がある。
【0006】
本発明が目的とする技術的課題は、多様な作業環境で、勤労者が手で加える力を容易に測定できるようにし、測定されたデータを多様な形態に分析できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような技術的課題を達成するための本発明の測定装置は、手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋と、バンドを備えるケースと、前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号を受信して記録する貯蔵器とを含んで構成される。
【0008】
ここで、前記センシング部は、手のひら(掌)側部分と、指の各関節の間を連結する節の部分と、指と掌を連結する関節の部分と、指と掌を連結する関節の部分とに相応する少なくとも1ケ所以上で、前記手袋の手のひら面に備えることができる。
【0009】
そして、前記センシング部は、加えられる力に応じて抵抗値が変わりながら、互いに異なる大きさの電圧を出力するFSR(force sensing resistor)センサーで構成することができる。この時、このFSRセンサーの表面はエポキシ樹脂で塗布され、凹凸形成処理された被覆材で被覆されるのが望ましい。
【0010】
また、前記手袋の手の甲面には、前記センシング部と貯蔵器を連結する信号線を整理する収集部材をさらに備えることもできる。
【0011】
そして、前記手袋の手のひら面は、穴明き外皮と内皮とで構成されてその間に空間を成しており、前記センシング部が前記穴に相応して設置され、前記穴を通して、信号線が内皮と外皮の間の空間に位置するのが好ましい。
【0012】
また、前記貯蔵器は、前記センシング部から信号を受信する入力部と、前記信号をデジタル信号に変換する変換部と、前記デジタル信号をバイナリ形態のファイルであるメモリに貯蔵する制御部とを含む。この時、前記メモリは、MMC(multi media card)のような小型メモリカードで形成するのが望ましい。
【0013】
そして、本発明の演算装置は、プロセスユニットとメモリを含み、前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法により、時間、チャンネル、測定値が互いに関係づけられて、記録された元のデータ元のデータから前記測定値を、ニュートン(N)を単位とする力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータに生成する。
【0014】
前記プロセスユニットは、Y=α×X(X:測定値、α:知っている力の大きさとその力の測定値との間の比率として定義された比例常数)と定義された数式により、前記元のデータの測定値を変換させる。
【0015】
また、前記プロセスユニットは、左手及び右手とこの手の上に表示された横棒を表示する窓を構成して出力させる。
【0016】
この時、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを時間の順に構文解析して、前記ニュートンデータのチャンネルで前記横棒を識別して、前記力の値をバー形態にハイライトし、前記力の値の大きさによって、前記バー形態のハイライトの大きさに差を与えることもできる。
【0017】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、力の大きさ別区間を表示するx軸と、比率(%)を表示するy軸とからなるヒストグラムを構成して出力させる。
【0018】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間のx軸と、力のy軸とからなる波形図を構成して出力させる。
【0019】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータから、2個のチャンネル別力の値を各々、波形図で構成し、これを重ね書き(overlay)させて出力する。
【0020】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間に伴った力の値を各チャンネル別波形図で構成して出力させる。
【0021】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、各チャンネル別に前記力の値の平均、標準偏差、最小値、最大値を算出する。
【0022】
また、前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、前記力の値の時間別変化を各チャンネル別波形図で構成して、窓に出力し、前記窓に出力された波形図の範囲指定された領域を、前記ニュートンデータから削除したり、範囲指定された領域のみのニュートンデータに更新する。
【0023】
また、前記プロセスユニットは、Y(n)={f(n)+f(n+1)+f(n+2)}/3(f(n):n番目に変換された測定値、n:自然数)と定義された数式により前記力の値を平滑化する。
【0024】
そして、本発明の分析システムは、手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋、バンドを備えるケース、前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号(を受信して時間及び前記各センシング部を識別するチャンネルを互いに関係づけて元のデータとして記録する貯蔵器を含む測定装置;及び、プロセスユニット及びメモリ;を含み、前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法により、前記元のデータから前記測定値を、ニュートン(N)を単位とした力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータとして生成する演算装置;を含んで構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施例について当業者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な相違した形態で実現でき、ここで説明する実施例に限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明の一実施例により構成される測定装置の概略的図である。この図面を参照して本実施例を説明する。
【0027】
本実施例において、測定装置は、センシング部11を備える手袋10と、前記センシング部11で測定した結果を記録する貯蔵器20とを含んで構成される。
手袋10は、その手のひら面10aに複数のセンシング部11を備えている。このセンシング部11は、手で物品を握る時、掌と物品が接触する部位に沿って備えられる。図2で人の掌を例示したが、これをもって、これについてより具体的に説明する。
【0028】
通常、人の手の手の甲は弛緩した状態であり、掌は収縮されている。この状態で、掌を中心に指を動かして、物品を握るようになる。したがって、物品は、手の側の部分101と、指の各関節の間を連結している節の部分103と、指と掌を連結する関節の部分107と接触する。また、親指側には、親指と手首を連結する部分105も物品と接触する。
【0029】
本実施例ではこのような点を考慮して、手袋10の手のひら面10a中の上述した接触の部分に対応する地点に沿って複数のセンシング部11を備える。これにより、手袋10には、手のひら面10a中の親指から薬指までの各節の部分と手の側の部分、そして親指と手首を連結する部分に複数のセンシング部11が備えられる(図3参照)。
【0030】
一方、本実施例でセンシング部11は、物品と接触した時に手が加える力を測定するようになるが、望ましい一つの形態としてFSRセンサーが用いられることができる。以下の説明は、このセンシング部11がFSRセンサーで構成される例を説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0031】
センシング部11は、その表面に作用する力によって抵抗値が変わりながら、互いに異なる大きさの電圧を発生させて、手の各部位別に加えられる力を測定する。このセンシング部11は、測定の正確性を高めるためにエポキシ樹脂に塗布され、摩耗及び破損を防止するために被覆材に被覆されるのが望ましい。この被覆材は、その表面で滑り防止のために凹凸形成処理される。
【0032】
一方、図4で示しているように、手袋10の手のひら面10aに備えられる複数のセンシング部11は、信号線13を通じて貯蔵器20に連結されるが、この信号線13によって手の動きが邪魔されないように、信号線13を整理する収集部材15がさらに備えられることもある。
【0033】
この収集部材15は、一例において、プレートに設置される複数のガイド溝で構成されることができるが、各センシング部11から引き出された信号線13はこの収集部材15に集められ、この収集部材15のガイド溝に安着されて整理される。これにより、複数の信号線13は一つに整理されて、貯蔵器20に連結される。このように、信号線13を整理する収集部材15は前述のことに限定されず、多様な形態にも可能であるのはもちろんである。そして、この収集部材15は、手の動きに邪魔にならないように、手袋10中の手の甲面10bに備えられるのが望ましい。
【0034】
一方、図5は、図3のA−A線に沿って切開して示す手のひら面の概略的な断面図であるが、これを参照して手袋の手のひら面の構成を説明する。
【0035】
手袋10の手のひら面10aは、内皮(A2)と外皮(A1)の二重構造を有し、この内皮(A2)と外皮(A1)との間の空間(S)に信号線13が配置された構造を成す。より詳しく、外皮(A1)には穴(h)が形成されており、この穴(h)に対向して、外皮(A1)の外側でFSRセンサー11が設置される。そして、このFSRセンサー11に連結されている信号線13は、この穴(h)を通して外皮(A1)の内面、つまり、外皮(A1)と内皮(A2)が成す空間(S)に配置される。これにより、信号線13が外皮(A1)により被覆された形態を有して、外力から保護を受けることができ、また、手袋の外部に信号線が出ないので、デザインを美しくしながらも、作業者が手袋を着用して作業する過程で、信号線による干渉を防止することができる。
【0036】
一方、本実施例の貯蔵器20は、センシング部11で測定した信号を信号線13を通して受信して、バイナリ(binary)形態のファイルでメモリ25に貯蔵する。図6は、貯蔵器20の構成を概略的に示したブロック図である。これを参照して、貯蔵器20について説明すれば次の通りである。
【0037】
貯蔵器20は、信号を受信する入力部21と、この信号をデジタル信号に変換する変換部22と、動作状態を表示する表示部23と、各部の動作状態を制御する制御部24と、データを貯蔵するメモリ25とを含んで構成される。そして、各構成要素は、高速シリアル通信(serial peripheral interface、SPI)を通して互いに連結されている。
【0038】
メモリ25は、MMC(multi media card)またはSDC(secure digital card)のように、脱着可能な小型メモリカードで構成され、制御部24は、ATmega128のようなマイクロ・プロセッサで構成されて、各構成要素を制御する。
【0039】
このように構成された貯蔵器20は、センシング部11が測定した信号を入力部21を通して受信して、アンプ(図示せず)で所定の大きさの信号に増幅し、増幅された信号を変換部22に伝達する。変換部22は、受信した信号をデジタル信号に変換し、制御部24の制御により、メモリ25にバイナリ形態のファイルに保存する。
【0040】
このように構成される貯蔵器20は、実質的に複数の回路素子が印刷回路基板に設置されて、実現される。この印刷回路基板は、その内部に収納空間を備えるケース30に設置される。
【0041】
一方、このケース30には一対の環が設置されており、この環に、弾性バンドまたはベルクロテープが備えられているバンド31が設置されている。
【0042】
これにより、作業者は手に手袋10を着用し、手首にはバンド31を使用して貯蔵器20を固定する。したがって、現場の作業者は、手袋10を手に着用した状態で手首には貯蔵器20を固定することができるので、測定装置を作業時間中ずっと携帯することができる。その後、作業者は、本実施例の測定装置を体に付着した状態で作業を行い、この過程で手袋10のセンシング部11によって掌の各部分を通して収集された情報は、信号線13を通して貯蔵器20に伝達され、ここで信号処理されてメモリ25に保存される(図7参照)。
【0043】
以下では、このように収集された情報の分析方法について詳しく説明する。本発明で説明する分析方法は、プログラミング技術を利用して演算装置にプログラムとして設置される。ここで、演算装置とは、論理演算を行うプロセスユニット及びメモリを含む装置であって、望ましくはコンピュータであり得る。
【0044】
図8は、本実施例による演算方法を全体的に示すフローチャートである。
【0045】
本実施例の演算方法は、測定段階(S10)、偏差補正段階(S20)、信号処理段階(S30)、出力段階(S40)を含む。
【0046】
まず、測定段階(S10)は、前述のように構成される手袋10及び貯蔵器20を利用して、作業者の力使用を測定して情報を獲得する段階である。この段階(S10)で、作業者は、手袋及び貯蔵器を各々、手と腕目に着用して作業する。この過程で、作業者が手に加える力の情報が貯蔵器10のメモリ25に記録保管される。貯蔵器20は、メモリ25に時間と測定値をバイナリ形態のファイルに記録し、記録されたファイルは、標準USBコネクタを通して、コンピュータに転送される。
【0047】
偏差補正段階(S20)では、センシング部11が測定した値を偏差補正関数に適用して変換する。この過程を通じて、測定値はニュートン(N)単位の値に変換されるが、私たちが知っている力を、センシング部11によって検出される値から、比例式を求めて、変換する。この過程を通じてセンシング部11が検出した信号は、私たちが知っている力の大きさに比例して変換されるので、作業者が作業する間のどれ程の力を使うか簡単に把握できるようにする利点がある。
【0048】
信号処理段階(S30)では、細部分析に先立ち、より正確な情報を得るために、データ事前処理を行うようになる。この段階(S30)は、情報にノイズがあったり、分析関心対象以外の情報が存在する場合に選択的に行われる。
【0049】
測定された情報において、分析に必要ない部分は、編集機能を使用して選択的に除去し、情報にノイズがある場合、フィルタリングと平滑化(smoothing)機能を使用して、ノイズを情報から選択的に除去する。
【0050】
そして、出力段階(S40)では、グラフ及び統計的分析を通じて、測定値を視覚的に画面に出力する。この段階(S40)で提供する視覚的分析には、重ね書き波形図(overlay waveform)、ハンドマップメータ(hand map meter)、ヒストグラム(histogram)などを含む。
【0051】
図9は、手袋10のセンシング部11が検出した測定値を力の値に変換する過程を説明する模式図である。
【0052】
この変換過程に先立ち、貯蔵器20のメモリ25をコンピュータに連結して、メモリ25に記録された情報をローディングする過程が先行するが、このような情報の読み出し過程はよく知られた従来技術と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0053】
コンピュータは、メモリ25に記録された情報(時間別に手に作用した力に関する情報であって、FSRセンサーの電圧変化の大きさを単純にデジタル信号に変換して記録する。以下、‘元のデータ’という)を読み出して、RAMのような揮発性メモリに貯蔵する。
【0054】
ここで、元のデータは、次の通り貯蔵器20のメモリ25に記録される。FSRセンサーからなるセンシング部11に3.2ボルト(v)の電圧を印加すれば、このセンシング部11に作用する力が抵抗として作用して、力の大きさによって逆順の0〜3.2ボルト(V)の電圧が出力される。この出力電圧は、変換部22でデジタル信号に変換が行われて、メモリ25にファイル形式を有する元のデータとして記録される。
【0055】
コンピュータは、プログラムに記録された偏差補正関数を元のデータに適用して、力の値に変換させる。ここで、偏差補正関数は次の通り定義される。例えば、人為的に私たちが知っている0と5ニュートン(N)の力を手袋10のセンシング部11に順に加えて、各々、出力信号0と1,000を得たとすれば、偏差補正関数は、力と出力信号との間の関係から、Y=0.005×Xと定義される。したがって、出力信号が500であれば、偏差補正結果で得られる結果は2.5(N)となる。
【0056】
コンピュータは、このように知られた力の大きさとセンシング部11の出力信号との間の比例関係と定義された偏差補正関数を元のデータに適用してデータ変換をした後、変換されたデータ(以下、‘ニュートンデータ’)を揮発性メモリに記録する。
【0057】
このように、コンピュータは、元のデータの読み出しと同時に行われる偏差補正過程を通じてニュートンデータを生成した後、要請によってニュートンデータを加工して、各々の要請に合う結果をモニターの画面に出力する。
【0058】
図10は、コンピュータに記録されたプログラムを実行させた時に出力されるメイン窓を示す。
【0059】
図9を参照して説明した元のデータの偏差補正過程は、メイン窓100のファイルタップ101を選択して、メモリ25にファイル形態に記録された元のデータを読み出す過程で行われる。
【0060】
前述のようなニュートンデータの変換過程を通じて揮発性メモリにニュートンデータがローディングされ、以降、メイン窓に表示された多様なボタン103の選択によって、演算された結果がモニターの画面に出力される。
【0061】
図11は、ハンドマップメータの出力窓を例示している。
【0062】
出力窓110は例示されたように、左手111及び右手113とこの手の上に表示された横棒115を含む。ここで、横棒115は、手袋10に設置されたセンシング部11と同一な位置に沿って位置している。また、出力窓110の下側には進行バー117が表示される。
【0063】
この出力窓11は、手の各部位別に加えられた力の大きさを、時間の流れに伴って表示するが、下の進行バー117は時間の流れを示し、横棒115には、その時間の間その位置に加えられた力の大きさをバー(bar)で表示する。
【0064】
コンピュータは、時間と関係づけられて、記録されたニュートンデータを参照して横棒115をハイライトするが、コンピュータは、ニュートンデータを時間及びチャンネルに応じて構文解析する。ここで、チャンネルは、複数に構成されたセンシング部11を識別できるようにするコードである。
【0065】
これにより、コンピュータは、時間の順序に伴って、各々の横棒115をバー形態にハイライトするが、この時、チャンネルが参照されて、表示しようとする横棒115が選択される。また、横棒115に表示されるハイライトバーの大きさは、規則によって大きさが決められるが、例えば、1(N)は1mm、2(N)2mmのような定められた規則により、力の大きさの差の分だけハイライトされるバーの大きさが決定される。
【0066】
したがって、運営者は、出力窓110にハイライトされる横棒115を注目することを見て、時間に伴った作業者の力使用パターンを眺望することができる。
【0067】
図12は、ヒストグラムの出力窓を例示している。
【0068】
この出力窓120は、力のx軸と頻度(%)のy軸からなるヒストグラム121を含む。ここで、x軸は、力を任意的な区間に分けて表示し、y軸は区間別頻度を示す。
【0069】
コンピュータは、選択したセンシング部11の記録を、選択的に、図12で例示したようなヒストグラムに出力する。運営者は、メイン窓100のボタン103よりこのヒストグラムを実行させるボタンを選択すると、複数のセンシング部11の中でいずれか一つを選択する。また、運営者は、x軸を成す力の区間の幅を選択することもできる。図12では、幅が80に設定されたことを例示した。
【0070】
それでは、コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータを構文解析する時、運営者が選択したセンシング部11の情報のみを選択的に抽出して、ヒストグラム121を構成する。この時、コンピュータはヒストグラムを構成するが、統計的な計算方法により、各区間別ヒストグラムをy軸の頻度の大きさに合うように構成する。つまり、コンピュータは、全体の中から、各区間に属する力の大きさをニュートンデータから抽出して、比率を求め、ヒストグラムの大きさをy軸に基準して決定する。
【0071】
また、運営者がx軸の頻度区間を変更した場合には、変更された頻度区間をもってx軸を表示すると共に、この頻度区間に合うヒストグラムを、統計的な計算方法により構成する。
【0072】
このようなヒストグラムの出力は、運営者にとって、各センシング部別に、区間別力がどれ程の頻度で分布されているかを簡単に分かるようにする。
【0073】
また、図13は、2個のセンシング部に対して時間別力の大きさを比較できるようにする重ね書き波形図を表示する出力窓を示す。
【0074】
この出力窓130は、時間のx軸と力のy軸からなる波形図131を含む。コンピュータは、運営者が選択した第1及び第2センシング部の記録を、図13で例示したような波形図で出力して、選択した2個の記録を互いに比較できるようにする。したがって、運営者は、所望の手の位置によって、各々に加えられた力の分布を時間に伴って比較することができる。
【0075】
運営者は、メイン窓100のボタン103より、この重ね書き波形図を実行させるボタンを選択し、複数のセンシング部11の中から2つを選択する。
【0076】
そうすると、コンピュータは、揮発性メモリに記録されたニュートンデータの中で運営者が選択したデータをチャンネルを参照して、選択的に抽出し、抽出されたデータに関係づけられた時間及びチャンネルをもって各々のセンシング部に応じた波形図を構成して、波形図131を出力窓130に表示する。
【0077】
そして、図14は、各々のセンシング部の動作状態を表示するタイル波形図の画面を例示した出力窓である。
【0078】
この出力窓140は、すべてのセンシング部の記録を一つの画面に示すことにより、センシング部が正常に動作するかを運営者が確認できるようにする。
【0079】
コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータをチャンネルに応じて構文解析して、時間に伴って波形図を構成する。この時、各々のチャンネルによって分類された波形図を各々のチャンネルに合うように出力することにより、図14で例示する出力窓140を構成する。
【0080】
図14において、出力窓140は、チャンネルのy軸を基準に、左、右に各々、左手及び右手に設置されたセンシング部の記録が波形図として出力されるように構成している。また、図14の例では、センシング部11が左、右各々、23個に構成された例を示した。
【0081】
図15は、力の変化を統計的に示す出力窓150を例示した図である。この出力窓150は、一つの画面に、左、右に設置されたセンシング部別時間に伴った力の大きさを、最小及び最大、そして、平均及び標準偏差に区分して運営者に表示するので、統計的分析をするのに非常に有用である。
【0082】
コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータをチャンネルに応じて構文解析して、各チャンネルを基準に、各チャンネル別力の平均値、標準偏差、最高値、及び最低値を、伝統的な統計計算法により求めて、図15のような出力窓150を構成する。図15において、‘MEAN’は力の平均値であり、‘STD’は標準偏差、‘max’は最高値、‘min’は最低値である。
【0083】
以下、ニュートンデータを編集する方法について説明する。この編集方法は、運営者の各々の目的によって選択的に適用され、各々のセンシング部別に個別的に行われる。以下で説明される編集が行われると、図11乃至図15の出力窓を構成するニュートンデータは編集されたものに更新されて、出力窓が構成される。
【0084】
図16は、各々のセンシング部別記録を編集する窓を例示している。この編集窓160は、時間のx軸と力のy軸からなるグラフを含む。このグラフには、時間の流れに伴った各センシング部別力の変化が波形図形態に表示される。
【0085】
編集窓160は、複数のセンシング部からいずれか一つを選択する選択画面161と、記録を編集するカットボタン163、及びコピーボタン165を含む。
【0086】
選択画面161は、手袋10に設置された複数のセンシング部11のうちのいずれか一つを選択するようにし、カットボタン163とコピーボタン165は、グラフに出力された記録の一部を選択的に切断したりコピーできるようにする。
【0087】
運営者は、選択画面161を操作して、編集しようとするセンシング部11(図面ではチャンネルに表示される)を選択すると、コンピュータは、揮発性メモリにローディングされたニュートンデータを読み出して、時間の順序に伴ってニュートンデータを構文解析して波形図を構成し、編集窓160に出力する。
【0088】
運営者は、ポイント(P)を範囲指定して、編集しようとする区間(図面の点線の部分)167を選択し、カットボタン163またはコピーボタン165を選択して、グラフに記録された部分のうちの一部を除去したりコピーすることができる。
【0089】
コンピュータは、ポイント(P)によって範囲指定された領域を確認し、選択されたボタンの命令に従って、ニュートンデータのうちでチャンネルによって識別されたデータの一部(ポイントによって範囲指定された部分のデータ)を削除したり、コピーして、他の名前で、選択した部分のデータを揮発性メモリに記録する。
【0090】
図17は、各々のセンシング部別記録の一部にノイズが含まれている場合、これを平滑化する窓を例示したものである。
【0091】
この平滑化窓170は、時間のx軸と力のy軸からなるグラフを含む。このグラフには、時間の流れに伴った各センシング部別力の変化が波形図形態に表示される。
【0092】
コンピュータは、ノイズによるデータのわい曲を緩和させるために、移動平均を適用して、データに含まれているノイズを平滑化させる。この移動平均は、図18で例示しているように、最初連続した3個の原本データ(f1、f2、f3)の平均で平滑されたデータ(m1)一つを求め、次に、その後の2番目のデータ(f2)から連続した3個のデータ(f2、f3、f4)の平均で平滑された2番目データ(m2)を求める。このような過程を繰り返して、最後の原本データ(f10)を平滑化する。
【0093】
以上、本発明は、たとえ限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されるわけではなく、本発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想と本発明の特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能することはもちろんである。
【0094】
本発明によれば、上述した問題点を解決して、現場で作業する勤労者が本発明の測定装置を着用した状態で作業することができる。したがって、多様な環境で勤労者が手を使用して加える力を容易に収集できるという効果がある。また、手袋に備えられるセンシング部は、物品が人体の手と直接当たる部分に沿って設置されるので、より正確なデータを収集することもできる。
【0095】
そして、測定されたデータは、メモリにバイナリ形態のファイルに保存されるので、リーダー機を備える凡庸コンピュータで容易に読み出すことができ、利便性を提供する。このように測定されたデータは凡庸コンピュータに移されて、プログラムにより容易に分析されるので、作業者がいかなる環境でどれ程のストレスを受けるかを容易に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、本発明の一実施例により構成される測定装置の概略的な図である。
【図2】図2は、人体の手を概略的に示した図である。
【図3】図3は、本実施例の手袋中の底面に設置されるセンシング部の位置を示す図である。
【図4】図4は、本実施例の手袋に設置されたセンシング部を連結する信号線の配線関係を説明する図である。
【図5】図5は、図3のA−A線に沿って切断して示す断面図である。
【図6】図6は、本実施例の貯蔵器の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本実施例の測定装置を作業者が着用した状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例による分析方法を全体的に示すフローチャートである。
【図9】図9は、手袋のセンシング部が検出した測定値を力の値に変換する過程を説明する模式図である。
【図10】図10は、本実施例の分析方法でプログラムを実現した場合に出力されるメイン窓を例示した図である。
【図11】図11は、ハンドマップメータの画面を例示する図である。
【図12】図12は、ヒストグラムの画面を例示する図である。
【図13】図13は、重ね書き波形図の画面を例示する図である。
【図14】図14は、タイル波形図の画面を例示する図である。
【図15】図15は、各部位別力の変化を統計的に示す画面を例示する図である。
【図16】図16は、各々のセンシング部別記録を編集する画面を例示する図である。
【図17】図17は、記録で、ノイズを平滑化させる画面を例示する図である。
【図18】図18は、本実施例による平滑化過程を説明する模式図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋と、
バンドを備えるケースと、
前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号を受信して記録する貯蔵器を含む、測定装置。
【請求項2】
前記センシング部は、手のひら側の部分と、指の各関節の間を連結する節の部分と、指と掌を連結する関節の部分と、指と掌を連結する関節の部分に相応する少なくとも1ケ所以上が、前記手袋の手のひら面に備えられる、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記センシング部が加えられる力に応じて抵抗値が変わり、互いに異なる大きさの電圧を出力するFSR(force sensing resistor)センサーで構成される、請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記FSRセンサーの表面がエポキシ樹脂で塗布される、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記FSRセンサーが被覆材で被覆される、請求項3に記載の測定装置。
【請求項6】
前記被覆材の表面が凹凸形成処理された、請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記手袋の手の甲面には、前記センシング部と貯蔵器を連結する信号線を整理する複数のガイド溝を備えた収集部材を含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項8】
前記手袋の手のひら面は、穴を備える外皮と内皮とからなって、その間に空間を成し、前記センシング部が前記穴に相応して設置され、前記穴を通して、信号線が、内皮と外皮の間の空間として位置する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項9】
前記貯蔵器が、前記センシング部から信号を受信する入力部と、前記信号をデジタル信号に変換する変換部と、前記デジタル信号をメモリに貯蔵する制御部とを含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項10】
前記メモリがMMC(multi media card)のような小型メモリカードである、請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
プロセスユニットとメモリを含み、
前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法に従って、時間、チャンネル、測定値が互いに関係づけられて記録された元のデータから、前記測定値をニュートン(N)を単位とする力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータに生成する、演算装置。
【請求項12】
前記プロセスユニットは、下記の数式によって前記元のデータの測定値を変換させて、ニュートンデータに生成する、請求項11に記載の演算装置。
Y=α×X
(X:測定値、α:知っている力の大きさとその力の測定値との間の比率として定義された比例常数)
【請求項13】
前記プロセスユニットは、左手、右手、及びこの手の上に表示された横棒を表示する窓を構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項14】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを時間の順で構文解析(PARSING)し、前記ニュートンデータのチャンネルで前記横棒を識別して、前記力の値をバー形態にハイライトする、請求項13に記載の演算装置。
【請求項15】
前記プロセスユニットは、前記力の値の大きさによって前記バー形態のハイライトの大きさに差を与える、請求項14に記載の演算装置。
【請求項16】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、力の大きさ別区間を表示するx軸と、比率(%)を表示するy軸とからなるヒストグラムを構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項17】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間のx軸と、力のy軸とからなる波形図を構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項18】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータから、2個のチャンネル別力の値を各々、波形図に構成して、これを重ね書き(overlay)させて出力する、請求項17に記載の演算装置。
【請求項19】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間に伴った力の値を各チャンネル別波形図に構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項20】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、各チャンネル別に、前記力の値の平均、標準偏差、最小値、最大値を算出する、請求項11に記載の演算装置。
【請求項21】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、前記力の値の時間別変化を各チャンネル別波形図に構成して、窓に出力し、
前記窓に出力された波形図の範囲指定された領域を、前記ニュートンデータから削除したり、範囲指定された領域のみのニュートンデータに更新する、請求項11に記載の演算装置。
【請求項22】
前記プロセスユニットは、下記の数式によって前記力の値を平滑化する、請求項11に記載の演算装置。
Y(n)={f(n)+f(n+1)+f(n+2}/3
(f(n):n番目に変換された測定値、n:自然数)
【請求項23】
手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋、バンドを備えるケース、前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号(以下、測定値)を受信して、時間及び前記各センシング部を識別するチャンネルを互いに関係づけて元のデータとして記録する貯蔵器を含む測定装置;
及びプロセスユニット及びメモリを含み、前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法により、前記元のデータから、前記測定値をニュートン(N)を単位とする力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータに生成する演算装置;
を含む分析システム。
【請求項24】
前記プロセスユニットは、下記の数式により前記元のデータの測定値を変換させて、ニュートンデータに生成する、請求項23に記載の分析システム。
Y=α×X
(X:測定値、α:知っている力の大きさとその力の測定値との間の比率で定義された比例常数)
【請求項25】
前記プロセスユニットは、左手及び右手とこの手の上に表示された横棒を表示する窓を構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項26】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを時間の順に構文解析して、前記ニュートンデータのチャンネルで前記横棒を識別して、前記力の値をバー形態にハイライトする、請求項25に記載の分析システム。
【請求項27】
前記プロセスユニットは、前記力の値の大きさによって前記バー形態のハイライトの大きさに差を与える、請求項26に記載の分析システム。
【請求項28】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、力の大きさ別区間を表示するx軸と、比率(%)を表示するy軸とからなるヒストグラムで構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項29】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間のx軸と、力のy軸とからなる波形図に構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項30】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータから、2個のチャンネル別力の値を各々、波形図に構成し、これを重ね書き(overlay)させて出力する、請求項29に記載の分析システム。
【請求項31】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間に伴った力の値を各チャンネル別波形図に構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項32】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、各チャンネル別に前記力の値の平均、標準偏差、最小値、最大値を算出する、請求項11に記載の分析システム。
【請求項33】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、前記力の値の時間別変化を各チャンネル別波形図に構成して、窓に出力し、
前記窓に出力された波形図の範囲指定された領域を、前記ニュートンデータから削除したり、範囲指定された領域のみのニュートンデータとして更新する、請求項23に記載の分析システム。
【請求項34】
前記プロセスユニットは、下記の数式により前記力の値を平滑化する、請求項23に記載の分析システム。
Y(n)={f(n)+f(n+1)+f(n+2)}/3
(f(n):n番目に変換された測定値、n:自然数)
【請求項1】
手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋と、
バンドを備えるケースと、
前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号を受信して記録する貯蔵器を含む、測定装置。
【請求項2】
前記センシング部は、手のひら側の部分と、指の各関節の間を連結する節の部分と、指と掌を連結する関節の部分と、指と掌を連結する関節の部分に相応する少なくとも1ケ所以上が、前記手袋の手のひら面に備えられる、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記センシング部が加えられる力に応じて抵抗値が変わり、互いに異なる大きさの電圧を出力するFSR(force sensing resistor)センサーで構成される、請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記FSRセンサーの表面がエポキシ樹脂で塗布される、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記FSRセンサーが被覆材で被覆される、請求項3に記載の測定装置。
【請求項6】
前記被覆材の表面が凹凸形成処理された、請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記手袋の手の甲面には、前記センシング部と貯蔵器を連結する信号線を整理する複数のガイド溝を備えた収集部材を含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項8】
前記手袋の手のひら面は、穴を備える外皮と内皮とからなって、その間に空間を成し、前記センシング部が前記穴に相応して設置され、前記穴を通して、信号線が、内皮と外皮の間の空間として位置する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項9】
前記貯蔵器が、前記センシング部から信号を受信する入力部と、前記信号をデジタル信号に変換する変換部と、前記デジタル信号をメモリに貯蔵する制御部とを含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項10】
前記メモリがMMC(multi media card)のような小型メモリカードである、請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
プロセスユニットとメモリを含み、
前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法に従って、時間、チャンネル、測定値が互いに関係づけられて記録された元のデータから、前記測定値をニュートン(N)を単位とする力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータに生成する、演算装置。
【請求項12】
前記プロセスユニットは、下記の数式によって前記元のデータの測定値を変換させて、ニュートンデータに生成する、請求項11に記載の演算装置。
Y=α×X
(X:測定値、α:知っている力の大きさとその力の測定値との間の比率として定義された比例常数)
【請求項13】
前記プロセスユニットは、左手、右手、及びこの手の上に表示された横棒を表示する窓を構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項14】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを時間の順で構文解析(PARSING)し、前記ニュートンデータのチャンネルで前記横棒を識別して、前記力の値をバー形態にハイライトする、請求項13に記載の演算装置。
【請求項15】
前記プロセスユニットは、前記力の値の大きさによって前記バー形態のハイライトの大きさに差を与える、請求項14に記載の演算装置。
【請求項16】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、力の大きさ別区間を表示するx軸と、比率(%)を表示するy軸とからなるヒストグラムを構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項17】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間のx軸と、力のy軸とからなる波形図を構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項18】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータから、2個のチャンネル別力の値を各々、波形図に構成して、これを重ね書き(overlay)させて出力する、請求項17に記載の演算装置。
【請求項19】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間に伴った力の値を各チャンネル別波形図に構成して出力させる、請求項11に記載の演算装置。
【請求項20】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、各チャンネル別に、前記力の値の平均、標準偏差、最小値、最大値を算出する、請求項11に記載の演算装置。
【請求項21】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、前記力の値の時間別変化を各チャンネル別波形図に構成して、窓に出力し、
前記窓に出力された波形図の範囲指定された領域を、前記ニュートンデータから削除したり、範囲指定された領域のみのニュートンデータに更新する、請求項11に記載の演算装置。
【請求項22】
前記プロセスユニットは、下記の数式によって前記力の値を平滑化する、請求項11に記載の演算装置。
Y(n)={f(n)+f(n+1)+f(n+2}/3
(f(n):n番目に変換された測定値、n:自然数)
【請求項23】
手のひら面に複数のセンシング部を備える手袋、バンドを備えるケース、前記ケースに設置され、前記センシング部が測定した信号(以下、測定値)を受信して、時間及び前記各センシング部を識別するチャンネルを互いに関係づけて元のデータとして記録する貯蔵器を含む測定装置;
及びプロセスユニット及びメモリを含み、前記プロセスユニットは、前記メモリに記録されたプログラムの演算方法により、前記元のデータから、前記測定値をニュートン(N)を単位とする力の値に変換して、前記元のデータをニュートンデータに生成する演算装置;
を含む分析システム。
【請求項24】
前記プロセスユニットは、下記の数式により前記元のデータの測定値を変換させて、ニュートンデータに生成する、請求項23に記載の分析システム。
Y=α×X
(X:測定値、α:知っている力の大きさとその力の測定値との間の比率で定義された比例常数)
【請求項25】
前記プロセスユニットは、左手及び右手とこの手の上に表示された横棒を表示する窓を構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項26】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを時間の順に構文解析して、前記ニュートンデータのチャンネルで前記横棒を識別して、前記力の値をバー形態にハイライトする、請求項25に記載の分析システム。
【請求項27】
前記プロセスユニットは、前記力の値の大きさによって前記バー形態のハイライトの大きさに差を与える、請求項26に記載の分析システム。
【請求項28】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、力の大きさ別区間を表示するx軸と、比率(%)を表示するy軸とからなるヒストグラムで構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項29】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間のx軸と、力のy軸とからなる波形図に構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項30】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータから、2個のチャンネル別力の値を各々、波形図に構成し、これを重ね書き(overlay)させて出力する、請求項29に記載の分析システム。
【請求項31】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、時間に伴った力の値を各チャンネル別波形図に構成して出力させる、請求項23に記載の分析システム。
【請求項32】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、各チャンネル別に前記力の値の平均、標準偏差、最小値、最大値を算出する、請求項11に記載の分析システム。
【請求項33】
前記プロセスユニットは、前記ニュートンデータを構文解析して、前記力の値の時間別変化を各チャンネル別波形図に構成して、窓に出力し、
前記窓に出力された波形図の範囲指定された領域を、前記ニュートンデータから削除したり、範囲指定された領域のみのニュートンデータとして更新する、請求項23に記載の分析システム。
【請求項34】
前記プロセスユニットは、下記の数式により前記力の値を平滑化する、請求項23に記載の分析システム。
Y(n)={f(n)+f(n+1)+f(n+2)}/3
(f(n):n番目に変換された測定値、n:自然数)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2008−523387(P2008−523387A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545389(P2007−545389)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004562
【国際公開番号】WO2006/071043
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(503367099)ポステック ファンデーション (15)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004562
【国際公開番号】WO2006/071043
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(503367099)ポステック ファンデーション (15)
【Fターム(参考)】
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