説明

排ガス処理装置、燃焼炉、及び排ガス処理方法

【課題】排ガスの脱硝処理のために準備される脱硝触媒を少量化することができる排ガス処理装置、燃焼炉、及び排ガス処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ボイラ1の排ガス処理装置30は、火炉3で発生する排ガスを処理する排ガス処理装置であって、排ガス中に無触媒脱硝用のアンモニアを噴霧し排ガス中のNOxを還元させるアンモニア噴霧部31と、排ガス中に有触媒脱硝用のアンモニアを噴霧し排ガスを脱硝触媒に接触させて排ガス中のNOxを還元させるアンモニア噴霧部33及び脱硝触媒35と、アンモニア噴霧部31の噴霧量と、アンモニア噴霧部33の噴霧量と、の比率を、脱硝触媒35の性能劣化度に基づいて制御するボイラ制御部45と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス処理装置、燃焼炉、及び排ガス処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の脱硝反応器が知られている。この脱硝反応器が用いられる焼却設備では、焼却炉でゴミを燃焼させ、燃焼で発生する排ガスが、冷却器、アルカリ噴霧塔、バグフィルタを通じて脱硝反応器に導入される。脱硝反応器内には脱硝触媒が充填されており、脱硝触媒の作用により排ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度が低減される。このような脱硝触媒は、運転時間に伴い脱硝性能が劣化していくので、この脱硝性能の劣化度を求め、脱硝触媒の寿命予測等に利用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−109018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、脱硝触媒を用いる排ガス処理においては、脱硝触媒の性能劣化があり得る一方で、法令等の排ガス規制を遵守すべく、常に所望のNOx除去率を達成する必要がある。従って、特許文献1の焼却設備では、脱硝触媒の性能が多少劣化した場合にも所望のNOx除去率を達成できるように、脱硝反応器内には余裕分を含めて脱硝触媒を多めに充填しておく必要があった。この種の脱硝触媒は高価であるので、余裕分の脱硝触媒が多くなることは、設備コスト低減の妨げになる。従って、排ガスの脱硝のために準備される脱硝触媒を少量化することが望まれていた。
【0005】
本発明は、排ガスの脱硝処理のために準備される脱硝触媒を少量化することができる排ガス処理装置、燃焼炉、及び排ガス処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の排ガス処理装置は、燃焼炉の火炉で発生する排ガスを処理する排ガス処理装置であって、排ガス中に無触媒脱硝用の還元剤を噴霧し排ガス中の窒素酸化物を還元させる無触媒脱硝手段と、排ガス中に有触媒脱硝用の還元剤を噴霧し排ガスを脱硝触媒に接触させて排ガス中の窒素酸化物を還元させる有触媒脱硝手段と、無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を、脱硝触媒の性能劣化度に基づいて制御する噴霧制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の燃焼炉は、燃料を燃焼させる火炉と、火炉で発生する排ガスを搬送し排出させる排ガス流路と、排ガス中に無触媒脱硝用の還元剤を噴霧し排ガス中の窒素酸化物を還元させる無触媒脱硝手段と、排ガス流路に設けられ、無触媒脱硝手段による処理後の排ガス中に有触媒脱硝用の還元剤を噴霧し排ガスを脱硝触媒に接触させて排ガス中の窒素酸化物を還元させる有触媒脱硝手段と、無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を、脱硝触媒の性能劣化度に基づいて制御する噴霧制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この排ガス処理装置及び燃焼炉では、無触媒脱硝手段と有触媒脱硝手段とによって、排ガス中の窒素酸化物の処理が行われる。そして、噴霧制御手段が、無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を制御することができるので、無触媒脱硝手段における窒素酸化物除去率と、有触媒脱硝手段における窒素酸化物除去率と、の比率を制御することができる。例えば脱硝触媒の性能劣化が発生した場合には、有触媒脱硝手段における窒素酸化物除去率が低下するが、この場合、噴霧制御手段は、噴霧量の比率制御によって、無触媒脱硝手段における窒素酸化物除去率の比率を増加させることができる。従って、脱硝触媒の性能劣化が発生しても、無触媒脱硝用の窒素酸化物除去率で補うことで、排ガス処理装置全体の窒素酸化物除去率の低下を抑えることができる。従って、有触媒脱硝手段において予め準備される脱硝触媒の余裕分を少なくすることができ、脱硝触媒を少量化することができる。
【0009】
また、噴霧制御手段は、脱硝触媒の反応速度定数を脱硝触媒の性能劣化度として検知する反応速度定数検知手段を有することとしてもよい。この場合、反応速度定数といった指標をもって脱硝触媒の性能劣化度を表すことができ、所望の窒素酸化物除去率に対応する噴霧量の比率の制御を行うことができる。
【0010】
具体的には、反応速度定数検知手段は、火炉で発生する排ガスの量と、有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、脱硝触媒への接触後における排ガス中の有触媒脱硝用の還元剤の濃度と、脱硝触媒への接触後における排ガス中の窒素酸化物の濃度と、に基づいて反応速度定数を算出することとしてもよい。このような、比較的取得が容易な計測値に基づいて反応速度定数を比較的容易に算出することができる。
【0011】
具体的には、噴霧制御手段は、反応速度定数が小さいほど、有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量に対する無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量の比率を大きくすることとしてもよい。反応速度定数が小さくなると脱硝触媒の性能劣化が大きいと考えられる。この場合、無触媒脱硝手段における噴霧量の比率を増加させることにより、脱硝触媒の性能劣化分の窒素酸化物除去率を補って、装置全体の窒素酸化物除去率の低下を抑えることができる。
【0012】
また、噴霧制御手段は、更に、脱硝触媒への接触後における排ガス中の窒素酸化物の濃度に基づいて、無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量又は有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量を制御することとしてもよい。
【0013】
この構成によれば、外乱によって窒素酸化物除去率が変動した場合にも、無触媒脱硝手段又は有触媒脱硝手段の窒素酸化物除去率を調整することができ、装置全体としての窒素酸化物除去率を安定させることができる。
【0014】
また、本発明の排ガス処理方法は、燃焼炉の火炉で発生する排ガスを処理する排ガス処理方法であって、排ガス中に無触媒脱硝用の還元剤を噴霧し排ガス中の窒素酸化物を還元させる無触媒脱硝工程と、排ガス中に有触媒脱硝用の還元剤を噴霧し排ガスを脱硝触媒に接触させて排ガス中の窒素酸化物を還元させる有触媒脱硝工程と、無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を、脱硝触媒の性能劣化度に基づいて制御する噴霧制御工程と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この排ガス処理方法では、無触媒脱硝工程と有触媒脱硝工程とによって、排ガス中の窒素酸化物の処理が行われる。そして、噴霧制御工程が、無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を制御することができるので、無触媒脱硝工程における窒素酸化物除去率と、有触媒脱硝工程における窒素酸化物除去率と、の比率を制御することができる。例えば脱硝触媒の性能劣化が発生した場合には、有触媒脱硝工程における窒素酸化物除去率が低下するが、この場合、噴霧制御工程は、噴霧量の比率制御によって、無触媒脱硝工程における窒素酸化物除去率の比率を増加させることができる。従って、脱硝触媒の性能劣化が発生しても、無触媒脱硝用の窒素酸化物除去率で補うことで、排ガス処理装置全体の窒素酸化物除去率の低下を抑えることができる。従って、有触媒脱硝工程において予め準備される脱硝触媒の余裕分を少なくすることができ、脱硝触媒を少量化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、排ガスの脱硝処理のために準備される脱硝触媒を少量化することができる排ガス処理装置、燃焼炉、及び排ガス処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の排ガス処理装置が用いられる循環流動層ボイラの一実施形態を示す図である。
【図2】(a)は、図1の循環流動層ボイラにおけるすす払い装置を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図3】ボイラ制御部による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る排ガス処理装置、燃焼炉、及び排ガス処理方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の燃焼炉の一実施形態であるボイラ1を示している。このボイラ1は、循環流動床ボイラ、或いはCFB(Circulating Fluidized Bed)ボイラなどと呼ばれるタイプのものである。ボイラ1では、石炭などの化石燃料だけではなく、バイオマス、プラスチック、タイヤ、汚泥、RFP、RDFなどの幅広い燃料が使用可能である。
【0020】
ボイラ1は、燃料を燃焼させる流動層型の火炉3を備えている。火炉3の側面には燃料を投入する燃料投入口が設けられており、火炉3の上部には燃焼で発生する排ガスを排出するガス出口3bが設けられている。ガス出口3bには、サイクロン7が接続されている。サイクロン7は、セパレータ或いはサイクロン分離器などとも呼ばれ、固気分離装置として機能する。サイクロン7の入口7aは上記ガス出口3bに接続されており、サイクロン7の排出口7bはバックパス11を介して後段のガス処理系に接続されている。また、サイクロン7の底部出口からはダウンカマーと称されるリターンライン9が下方に延びており、リターンライン9の下端は火炉3の下部側面に接続されている。
【0021】
火炉3内では、下部の給気ラインから導入される燃焼用・流動用の空気により、上記投入口から投入された燃料を含む固形物が流動し、燃料は火炉3内で流動しながら燃焼する。サイクロン7には、火炉3で発生した排ガスが固体粒子を同伴しながら導入される。サイクロン7は、内部に排ガスの旋回流を発生させて遠心分離作用により固体粒子と気体とを分離する。そしてサイクロン7は、分離された固体粒子(循環材)をリターンライン9を通して火炉3に戻すと共に、固体粒子が除かれた排ガスを排出口7bからバックパス11に送出する。固体粒子は、火炉3、サイクロン7及びリターンライン9を循環する。
【0022】
バックパス11は、排ガスを搬送するダクトであり、上流部11a、中流部11b、及び下流部11cからなる。バックパス上流部11aは排出口7bから略水平に延在し、バックパス中流部11bはU字形をなし、バックパス下流部11cは略鉛直に延在している。そして、排ガスの熱を発電用として回収するために、バックパス上流部11aには熱回収部21aが設けられ、バックパス中流部11bには熱回収部21bが設けられ、バックパス下流部11cには熱回収部21cが設けられている。各熱回収部21a,21b,21cは、排ガスの流路を横切るボイラチューブを有しており、当該ボイラチューブ内には水又は水蒸気が通過する。サイクロン7から送られた高温の排ガスがこのボイラチューブに接触することで、排ガスの熱がチューブ内の水又は水蒸気に回収され、発生した高温の水蒸気がボイラチューブを通じて発電用のタービンに送られる。
【0023】
また、バックパス中流部11bはU字形をなしていることから、搬送される排ガスが複雑な経路で流動するので、バックパス中流部11bでは、排ガスに同伴した固体粒子が排ガスから離れて落ちやすい。そして、排ガスから離れた固体粒子はバックパス中流部11bの底部に蓄積される。この蓄積された固体粒子を排出するため、バックパス中流部11bの底部には、開閉可能な粒子排出口23が設けられている。そして、粒子排出口23とバックパス下流部11cの下部とを接続する粒子排出路25が設けられている。粒子排出口23が開けられると、バックパス中流部11bの底部に蓄積された固体粒子は、粒子排出路25を通じてバックパス下流部11cの底部に送られる。バックパス下流部11cの底部に蓄積された固体粒子は定期的にバックパス11外に排出される。このように、バックパス中流部11bをU字形とする構成により、サイクロン7で分離されなかった固体粒子を、バックパス中流部11bで除去することができる。CFBボイラ1では、固体粒子が多く発生する傾向があるので、このような固体粒子の排出手段は特に有用である。
【0024】
バックパス下流部11cの下部から排出される排ガスは、ラインL13を通じて排ガス浄化装置13に導入される。排ガス浄化装置13は、排ガスに未だ同伴している飛灰等の微粒子を除去すると共に、排ガスの脱硫を行う。排ガス浄化装置13による清浄後の排ガスはラインL15を通じて煙突15から外部に排出される。
【0025】
続いて、ボイラ1における排ガス処理について説明する。
【0026】
ボイラ1の煙突15から外部に排出される排ガスについては、法令等の排ガス規制に従って、大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)の濃度をNOx規制値以下に抑える必要がある。排ガス中のNOxを低減する一つの手法としては、アンモニア等の還元剤を排ガス中に噴霧し、この排ガスを脱硝触媒に接触させて、NOxを反応除去させる有触媒脱硝法がある。この場合、脱硝触媒は、排ガス温度200〜400℃の領域に設置される。また、排ガス中のNOx低減の他の手法としては、排ガス温度700〜1100℃の領域でアンモニア等の還元剤を排ガス中に噴霧し、脱硝触媒がない状態でNOxを反応除去させる無触媒脱硝法がある。有触媒脱硝法、無触媒脱硝法の何れによっても、NOxのN成分を窒素ガスに変化させることで、排ガス中のNOxを低減することができる。
【0027】
有触媒脱硝法は、低いNH3/NOxモル比で効率的に脱硝処理を行うことができ、また、極めて低い濃度までNOxを低減することができる。その一方、有触媒脱硝法では、触媒への初期投資コストが高く、また経年劣化に対応して触媒を定期的に交換する必要もある。これに対し、無触媒脱硝法では、触媒等の高価な設備を設ける必要がない点で優れるが、有触媒脱硝法に比べて脱硝効率が悪く、過剰に還元剤を噴霧する必要がある。また、無触媒脱硝法では、有触媒脱硝法に比べて、低い濃度までNOxを低減することができない。
【0028】
ボイラ1の排ガス処理装置30は、アンモニアを還元剤として有触媒脱硝法を行う有触媒脱硝手段と、アンモニアを還元剤として無触媒脱硝法を行う無触媒脱硝手段と、を両方備えている。有触媒脱硝手段は無触媒脱硝手段の下流に設けられており、排ガスは、無触媒脱硝手段で脱硝処理された後、有触媒脱硝手段で更に脱硝処理される。このように、直列に設けられた無触媒脱硝手段と有触媒脱硝手段とによって排ガス処理を行い、排ガス中のNOx濃度をNOx規制値以下としている。
【0029】
具体的には、排ガス処理装置30は、無触媒脱硝手段として、サイクロン7に設けられたアンモニア噴霧部31を備えている。アンモニア噴霧部31には、アンモニア供給ラインL31を通じてアンモニア供給装置41からのアンモニアが供給される。そして、アンモニア噴霧部31は、排ガス温度700〜1100℃の領域であるサイクロン7内に、噴霧ノズルからアンモニアガスを噴霧する。このようにアンモニアがサイクロン7内の排ガスに混合されることで、排ガス中のNOxがアンモニアと反応し、排ガス中のNOx濃度が低下する(無触媒脱硝工程)。この場合、アンモニア噴霧部31におけるアンモニア噴霧量が多いほど、排ガス中のNOxを低い濃度まで低減することができる。なお、サイクロン7内には排ガスの旋回流が存在しているので、噴霧されたアンモニアは排ガスと効率良く混合される。
【0030】
また、排ガス処理装置30は、有触媒脱硝手段として、アンモニア噴霧部33と脱硝触媒35とを備えている。アンモニア噴霧部33は、バックパス中流部11bにおいて熱回収部21bの下流側に設けられている。脱硝触媒35は、バックパス下流部11cにおいて熱回収部21cの上流側に設置されている。アンモニア噴霧部33には、アンモニア供給ラインL33を通じてアンモニア供給装置41からのアンモニアが供給される。そして、アンモニア噴霧部33は、噴霧ノズルからバックパス中流部11b内にアンモニアガスを噴霧する。
【0031】
脱硝触媒35は、アンモニアとNOxとの反応の触媒であり、例えば、セラミックにバナジウムを担持させたものが用いられる。バックパス下流部11cにおける排ガス温度200〜400℃の領域には、3つの脱硝触媒35が設置されており、バックパス下流部11cの排ガスは、3つのメッシュ状の脱硝触媒35を順に通過して下方に流動する。アンモニア噴霧部33により排ガスにアンモニアが混合された後、更に下流の脱硝触媒35に排ガスが接触することによって、脱硝触媒35の触媒作用でNOxがアンモニアと反応し、排ガス中のNOx濃度が低下する(有触媒脱硝工程)。この場合、脱硝触媒35の性能劣化度が同じであれば、アンモニア噴霧部33におけるアンモニア噴霧量が多いほど、排ガス中のNOxを低い濃度まで低減することができる。そして、脱硝触媒35の経年劣化が進むほど、同じアンモニア噴霧量であっても、NOx除去率が低下する。
【0032】
脱硝触媒35を通過する排ガスには、サイクロン7で除去しきれなかったすす等が含まれているので、各脱硝触媒35の上面には、すす等が蓄積し排ガスの円滑な通過が妨げられる場合がある。そこで、図2に示すように、各脱硝触媒35の上方には、脱硝触媒35上面に蓄積したすすを取り除くためのすす払い装置37がそれぞれ設けられている。すす払い装置37は、バックパス下流部11cの外壁を貫通して挿入された幹パイプ37aと、当該幹パイプ37aに連通された枝パイプ37bとを備えている。枝パイプ37bは、幹パイプ37aに直交すると共に、長方形をなす脱硝触媒35の幅に対応する長さで延在している。幹パイプ37aと枝パイプ37bとは、連通された水蒸気流路を形成しており、当該水蒸気流路には、幹パイプ37aの基端側から導入される水蒸気が流通される。
【0033】
そして、枝パイプ37bの下面には、当該枝パイプ37bの延在方向に沿って配列された複数の噴出孔37cが形成されており、当該噴出孔37cから脱硝触媒35上面に向けて水蒸気が吹きかけられる。更に、すす払い装置37が幹パイプ37aの延在方向に前後移動することで、脱硝触媒35上面全体に水蒸気が吹きかけられる。水蒸気が吹きかけられることにより、脱硝触媒35上面に蓄積したすすは、脱硝触媒35から離脱し、脱硝触媒35を通過して下方に流れていく。このようなすす払い装置37を定期的に駆動することにより、脱硝触媒35上面に蓄積したすすが除去され、排ガスを脱硝触媒35に円滑に通過させることができる。CFBボイラ1では、固体粒子が多く発生する傾向があるので、このようなすす払い手段は特に有用である。
【0034】
図1に示すように、更に、排ガス処理装置30は、供給ラインL31,L33のアンモニアの流量比率を制御する流量比制御装置43を備えている。なお、供給ラインL31,L33のアンモニアの流量は、それぞれ、アンモニア噴霧部31,33の噴霧量に相当する。この流量比制御装置43は、流量計やバルブを含んで構成され、ボイラ制御部45の制御下で動作する。ボイラ制御部45は、例えばコンピュータ等で構成される。例えばボイラ制御部45は、制御情報入力部47からユーザが入力した運転条件等の情報に基づいて、ボイラ1全体を統括制御する機能も有している。また、ボイラ制御部45には、ボイラ1の運転に関する各種データ(「運転データ」という)が集約される。運転データには、制御情報入力部47から入力されるボイラ運転負荷値と、排ガス中のO濃度と、脱硝触媒35の下流における排ガス中のNOx濃度と、脱硝触媒35の下流における排ガス中のNH濃度と、アンモニア噴霧部31,33における噴霧量と、が少なくとも含まれる。
【0035】
このような運転データの収集のため、排ガス処理装置30は、ラインL13上に設けられた濃度計51と、ラインL15上に設けられた濃度計53と、供給ラインL33上に設けられた流量計55と、アンモニア供給装置41の下流側に設けられた流量計57と、を有している。濃度計51は、ラインL13における排ガスのNH濃度と酸素濃度とを連続的に計測し、計測値を電気信号としてボイラ制御部45に送信する。濃度計53は、ラインL13における排ガスのNOx濃度を連続的に計測し、計測値を電気信号としてボイラ制御部45に送信する。流量計55は、供給ラインL33におけるアンモニアの流量(すなわち、アンモニア噴霧部33におけるアンモニアの噴霧量)を連続的に計測し、計測値を電気信号としてボイラ制御部45に送信する。流量計57は、アンモニア供給装置41から供給されるアンモニアの流量を連続的に計測し、計測値を電気信号としてボイラ制御部45に送信する。
【0036】
続いて、ボイラ制御部45によるアンモニア噴霧部31,33の噴霧量の制御について説明する。
【0037】
このボイラ1は、前述のように、石炭などの化石燃料だけではなく、バイオマス、プラスチック、タイヤ、汚泥、RFP、RDFなどの幅広い燃料が用いられる。これらの燃料は、ナトリウム、カリウム、リン、重金属類(鉛、亜鉛など)、といった触媒被毒物質を含むので、化石燃料焚きボイラに比較して、脱硝触媒35の性能劣化が速い。そこで、ボイラ制御部45は、脱硝触媒35の劣化度の指標として、脱硝触媒35の反応速度定数Kを、運転データ等に基づいて算出する。
【0038】
具体的には、反応速度定数Kは、下式(1)で表される。
K=−AV・ln(1−Eff./α) …(1)
但し、AVは、面積速度であり、
面積速度AV(Nm/h)=処理排ガス量(Nm3/h)/触媒幾何表面積(m2) で表される。
また、Eff.は脱硝効率であり、
脱硝効率Eff.=(触媒入口NOx濃度(ppm)−触媒出口NOx濃度(ppm))/触媒入口NOx濃度(ppm) で表される。
また、触媒入口NOx濃度(ppm)は、
触媒入口NOx濃度(ppm)=触媒出口NOx濃度(ppm)+触媒入口NH濃度(ppm)−触媒出口NH濃度(ppm) で表される。
また、αは、モル比であり、
モル比α=(触媒入口NH濃度(ppm))/(触媒入口NOx濃度(ppm))で表される。
【0039】
面積速度AVの算出に用いられる処理排ガス量とは、火炉3で発生しバックパス11を通過する排ガス流量であり、ユーザが制御情報入力部47から入力したボイラ運転負荷値(%)から一意に決定される。また、触媒幾何表面積は、用いられる脱硝触媒35に依存する固定の値である。触媒出口NOx濃度とは、排ガスが脱硝触媒35を通過した後の排ガス中のNOx濃度であり、濃度計53により計測される。触媒出口NH3濃度とは、排ガスが脱硝触媒35を通過した後の排ガス中のNH濃度であり、濃度計51により計測される。触媒入口NH濃度とは、排ガスが脱硝触媒35を通過する前の排ガス中のNH濃度であり、流量計55により計測されたアンモニアの噴霧量を、前述の処理排ガス量で割って算出される。触媒入口NOx濃度とは、排ガスが脱硝触媒35を通過する前の排ガス中のNOx濃度であり、前述のとおり、触媒入口NOx濃度(ppm)=触媒出口NOx濃度(ppm)+触媒入口NH濃度(ppm)−触媒出口NH濃度(ppm) で表される。
【0040】
以上から、ボイラ制御部45は、運転データ等に基づいて、上式(1)により、反応速度定数Kを算出することができる。すなわち、ボイラ制御部45は、反応速度定数Kを脱硝触媒35の性能劣化度として検知する反応速度定数検知手段として機能する。そして、ボイラ制御部45は、算出した反応速度定数Kに基づいて、流量比制御装置43を動作させ、アンモニア噴霧部31とアンモニア噴霧部33とにおける、最適の噴霧量と、噴霧量の比率と、を実現する。ここでは、予め設定した対応曲線に基づいて噴霧量の比率が制御され、反応速度定数Kが大きいほど、アンモニア噴霧部33の噴霧量の比率が大きくなり、反応速度定数Kが小さいほど、アンモニア噴霧部31の噴霧量の比率が大きくなるように制御される(噴霧制御工程)。なお、上記対応曲線は、試運転などによって予め作成される。
【0041】
具体的には、図3に示すように、ボイラ制御部45は、制御情報入力部47からボイラ運転負荷値を取得する(S101)。更に、ボイラ制御部45は、濃度計51,53から触媒出口NH濃度と、触媒出口NOx濃度とを取得し、流量計55から、アンモニア噴霧部33における噴霧量を取得する(S103)。そして、ボイラ制御部45は、取得されたこれらの運転データに基づき、数式(1)を用いて反応速度定数Kを算出する(S105)。次に、ボイラ制御部45は、反応速度定数Kに基づいて、アンモニア噴霧部31とアンモニア噴霧部33とにおける最適の噴霧量を算出する(S107)。ここでは、反応速度定数Kが小さくなるに従って、アンモニア噴霧部33の噴霧量は小さくなり、アンモニア噴霧部31の噴霧量が大きくなっていく。そして、S107で算出された最適の噴霧量を実現すべく、ボイラ制御部45は、流量比制御装置43を動作させる(S109)。ボイラ1の運転中において、ボイラ制御部45は、上記S101〜S109の処理を繰り返す。
【0042】
このような制御によれば、脱硝触媒35の性能劣化度が小さいうちは、反応速度定数Kが大きいので、アンモニア噴霧部33の噴霧量の比率が大きい。従って、無触媒脱硝法よりも効率が良い有触媒脱硝法に比重を置いて排ガスのNOx除去が行われる。一般には、性能劣化を見込んで余裕をもった量の脱硝触媒35が準備されるため、脱硝触媒35の設置直後(交換直後)は、NOx規制値に対して脱硝触媒35の触媒能力が過剰にあることになる。従って、脱硝触媒35の性能劣化度が小さいうちは、例えば、無触媒脱硝法を使用することなく、又は、無触媒脱硝法の使用を最小限として、ほぼ有触媒脱硝法のみで、NOx規制値を達成することができる。
【0043】
また、脱硝触媒35の反応速度定数Kが所定値を下回った場合、脱硝触媒35の性能劣化が大きく、有触媒脱硝法のみでは十分にNOx低減を行うことができなくなる。このような場合に、過剰なアンモニアをアンモニア噴霧部33で噴霧すれば、脱硝触媒35を通過し流出してしまうアンモニア量が増加し、アンモニアの無駄が生じる。また、流出したアンモニアは、後段の設備への析出物を増加させるなどの不具合も発生させる。例えば、流出アンモニアが多い場合、強いアンモニア臭が排ガスや飛灰に残存する不具合が発生したり、また、流出アンモニアが亜硫酸ガスと反応して生成する硫酸アンモンが、排ガス浄化装置13で結露してバグフィルタのろ布を目詰まりさせる不具合が発生したりする。
【0044】
そこで、脱硝触媒35の経年劣化に伴って反応速度定数Kが小さくなるほど、アンモニア噴霧部33の噴霧量を小さくし、アンモニア噴霧部31の噴霧量を大きくすることとしたものである。これにより、脱硝触媒35の経年劣化で有触媒脱硝法によるNOx除去率が低下した場合に、アンモニア噴霧部31の噴霧量を上げて無触媒脱硝法によるNOx除去率を向上させ補うことで、排ガス処理装置30全体としてのNOx除去率の低下を抑えることができる。また、アンモニア噴霧部33の噴霧量を低下させることにより、アンモニア噴霧部33におけるアンモニアの無駄を低減することができる。また、アンモニア噴霧部33において、脱硝触媒35の性能を超えるような過剰なアンモニア噴霧を抑え、後段に流出するアンモニアを低減させて、前述のような流出アンモニアによる不具合を抑えることができる。なお、アンモニア噴霧部31における無触媒脱硝法のNOx低減性能は、試運転などで予め確認を行っておくものとする。
【0045】
以上のように、このボイラ1の排ガス処理装置30によれば、脱硝触媒35の性能劣化が小さいときは、アンモニアを効率的に利用可能な有触媒脱硝法に比重を置いてNOx低減処理を行うことで、噴霧するアンモニアの量を低減することができ、運用コストを低減することができる。また、脱硝触媒35の性能劣化が進んできたときにも、無触媒脱硝法に比重を移しながらNOx低減処理を行うことで、有触媒脱硝法の能力低下を補ってNOx規制値を達成し、ボイラ1の操業を継続することができる。
【0046】
また、運転データから算出可能な反応速度定数Kを脱硝触媒35の性能劣化度の指標としているので、ボイラ1の運転中に脱硝触媒35の性能劣化度を連続的に検知することができる。従って、例えば脱硝触媒35の抜き取り調査を行う必要がなく、運転中の各時点の脱硝触媒35の性能に応じた最適の比率で、応答性よく有触媒脱硝法と無触媒捏硝法との比重を最適に制御することができる。
【0047】
このような運用の結果、脱硝触媒35においては、性能劣化を見込んで多めに設置される余裕分を少なくすることができ、ボイラ1内に設置される脱硝触媒35を少量化することができ、設備コストの低減を図ることができる。また、脱硝触媒35の交換周期を長くすることができ、ボイラ1の連続操業時間を長期化することができる。
【0048】
上述の制御に加えて更に、ボイラ制御部45は、ラインL15の排ガスのNOx濃度に基づいて、アンモニア噴霧部31の噴霧量又はアンモニア噴霧部33の噴霧量を制御する噴霧量制御を行う。ラインL15の排ガスのNOx濃度は濃度計53で計測される。すなわち、ボイラ制御部45は、濃度計53によるNOx濃度計測値をフィードバックとして、アンモニア噴霧部31の噴霧量又はアンモニア噴霧部33の噴霧量を操作し、ラインL15の排ガスのNOx濃度を、NOx規制値以下の所望の値で安定させる制御を行う。
【0049】
例えば、ボイラ制御部45は、濃度計53のNOx濃度計測値が上昇した場合には、アンモニア噴霧部31の噴霧量又はアンモニア噴霧部33の噴霧量を増加させ、濃度計53のNOx濃度計測値が低下した場合には、アンモニア噴霧部31の噴霧量又はアンモニア噴霧部33の噴霧量を減少させる。このような制御によれば、何らかの外乱によってNOx除去率が変動した場合にも、無触媒脱硝法又は有触媒脱硝法のNOx除去率を調整することで、装置30全体としてのNOx除去率を安定させてNOx規制値を達成することができる。この場合、ボイラ制御部45は、アンモニア噴霧部31の噴霧量又はアンモニア噴霧部33の噴霧量の何れかを操作してもよく、両方を操作してもよい。なお、ここでは、脱硝触媒35の劣化により、アンモニア噴霧部33の噴霧量を増加させても、NOx除去率の向上は少ないと考えられる。従って、ここでは、特に、アンモニア噴霧部31の噴霧量を操作することが好ましい。
【0050】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、噴霧部31,33から噴霧する還元剤は、アンモニアに限られず尿素水を用いてもよい。また、噴霧部31の還元剤と噴霧部33の還元剤とを互いに異なる還元剤としてもよい。また実施形態では、サイクロン7に噴霧部31を設けているが、火炉3内に還元剤を噴霧すべく火炉3に噴霧部31を設けてもよい。要するに、排ガス温度700〜1100℃の領域に噴霧部31を設ければよい。同様に、噴霧部33及び脱硝触媒35は、排ガス温度200〜400℃の領域を選択すれば、排ガス流路の何れの位置に設置してもよい。例えば、噴霧部33及び脱硝触媒35を、排ガス浄化装置13の後段に設置してもよい。
【0051】
また、実施形態では、運転データから反応速度定数Kを算出しているが、脱硝触媒35の抜き取り調査で触媒活性を分析することで、脱硝触媒35の反応速度定数Kや性能劣化度を直接取得してもよい。また、本発明は、循環流動層ボイラへの適用に限られず、他のタイプの燃焼炉における排ガスの脱硝処理にも適用可能である。例えば、本発明は、排ガスの熱交換による発電を行わないタイプの焼却炉にも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…循環流動層ボイラ(燃焼炉)、3…火炉、11…バックパス(排ガス流路)、30…排ガス処理装置、31…アンモニア噴霧部(無触媒脱硝手段)、33…アンモニア噴霧部(有触媒脱硝手段)、35…脱硝触媒(有触媒脱硝手段)、45…ボイラ制御部(反応速度定数検知手段、噴霧制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼炉の火炉で発生する排ガスを処理する排ガス処理装置であって、
前記排ガス中に無触媒脱硝用の還元剤を噴霧し前記排ガス中の窒素酸化物を還元させる無触媒脱硝手段と、
前記排ガス中に有触媒脱硝用の還元剤を噴霧し前記排ガスを脱硝触媒に接触させて前記排ガス中の窒素酸化物を還元させる有触媒脱硝手段と、
前記無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、前記有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を、前記脱硝触媒の性能劣化度に基づいて制御する噴霧制御手段と、
を備えたことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項2】
前記噴霧制御手段は、
前記脱硝触媒の反応速度定数を前記脱硝触媒の前記性能劣化度として検知する反応速度定数検知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項3】
前記反応速度定数検知手段は、
前記火炉で発生する前記排ガスの量と、
前記有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、
前記脱硝触媒への接触後における前記排ガス中の前記有触媒脱硝用の還元剤の濃度と、
前記脱硝触媒への接触後における前記排ガス中の窒素酸化物の濃度と、
に基づいて前記反応速度定数を算出することを特徴とする請求項2に記載の排ガス処理装置。
【請求項4】
前記噴霧制御手段は、
前記反応速度定数が小さいほど、前記有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量に対する前記無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量の比率を大きくすることを特徴とする請求項2又は3に記載の排ガス処理装置。
【請求項5】
前記噴霧制御手段は、更に、
前記脱硝触媒への接触後における前記排ガス中の窒素酸化物の濃度に基づいて、
前記無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量又は前記有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の排ガス処理装置。
【請求項6】
燃料を燃焼させる火炉と、
前記火炉で発生する排ガスを搬送し排出させる排ガス流路と、
前記排ガス中に無触媒脱硝用の還元剤を噴霧し前記排ガス中の窒素酸化物を還元させる無触媒脱硝手段と、
前記排ガス流路に設けられ、前記無触媒脱硝手段による処理後の前記排ガス中に有触媒脱硝用の還元剤を噴霧し前記排ガスを脱硝触媒に接触させて前記排ガス中の窒素酸化物を還元させる有触媒脱硝手段と、
前記無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、前記有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を、前記脱硝触媒の性能劣化度に基づいて制御する噴霧制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃焼炉。
【請求項7】
燃焼炉の火炉で発生する排ガスを処理する排ガス処理方法であって、
前記排ガス中に無触媒脱硝用の還元剤を噴霧し前記排ガス中の窒素酸化物を還元させる無触媒脱硝工程と、
前記排ガス中に有触媒脱硝用の還元剤を噴霧し前記排ガスを脱硝触媒に接触させて前記排ガス中の窒素酸化物を還元させる有触媒脱硝工程と、
前記無触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、前記有触媒脱硝用の還元剤の噴霧量と、の比率を、前記脱硝触媒の性能劣化度に基づいて制御する噴霧制御工程と、
を備えたことを特徴とする排ガス処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−115684(P2011−115684A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273640(P2009−273640)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】