説明

排ガス処理装置及び排ガス処理方法

【課題】半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時に分解処理する排ガス処理装置及び排ガス処理方法に係り、コンパクトであり、シリカの除去が簡単で省エネルギーの処理ができるようにした。
【解決手段】筒状の電気ヒータ3により予備分解部21となる外筒側と本分解部22となる内筒側とに区画した二重筒状の分解部2を形成し、シラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時に予備分解部21の一端側に導入して、予備分解部21及び本分解部22の他端側において、予備分解部21からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部に導入するとともに、添加ガスを導入して予備分解ガスに混合し、予備分解部21及び本分解部22で分解処理された処理ガスを、本分解部の一端側から放出するようにして、コンパクトでシリカの除去が簡単な省エネルギーの処理を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCs(パーフルオロコンパウンズ)を分解処理する排ガス処理装置及び排ガス処理方法に係り、特に、筒状の電気ヒータにより予備分解部となる外筒側と本分解部となる内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成し、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部の一端側に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを、前記本分解部の一端側から放出するようにして、コンパクトな処理装置でありながらシリカの除去が簡単な排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCsを含む排ガスは、有害可燃性ガス及び地球温暖化ガスを含むものであり、燃焼による酸化無害化処理を行ういろいろな装置及び方法が提案されている。
従来の排ガス処理装置及び排ガス処理方法の一例を、図4により説明する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4に示す排ガス処理装置は、第1の燃焼処理部51、第2の燃焼処理部52及び水処理部53を有し、半導体製造装置から排出されたシラン系化合物及びPFCsガスが含まれる排ガスは、まず配管54を介して第1の燃焼処理部51に導入され、第1の燃焼処理部51には排ガスのほかに、燃料ガス(例えばプロパンガス)及び支燃ガス(例えばドライエアー)が導入され、第1の燃焼処理部51において650℃以上750℃以下の温度で燃焼処理される。
これにより、排ガスに含まれるシラン系化合物は、燃焼によって粉末状の酸化シリコンになり、一部の除害成分が燃焼処理される。
【0004】
第1の燃焼処理部51の下部は、配管55を介して粉体回収部56に繋がれており、粉体回収部56には、第1の燃焼処理部51で生成した粉末状の酸化シリコンからなる粉体が、配管55を介して落下し、第1の燃焼処理部51及び配管55の内壁に付着した場合でも、エアー吹き付け又はスクレイパーにより容易に粉体回収部56に落下させることができるようにしている。
なお、配管55には開閉バルブ57が取付けられ、通常時は開いているが、粉体回収部56から粉体を搬出する場合には閉じられる。
【0005】
第1の燃焼処理部51で燃焼処理された排ガスは、配管58を介して第2の燃焼処理部52に導入され、第2の燃焼処理部52には排ガスのほかに、燃料ガス(例えばプロパンガス)及び支燃ガス(例えばドライエアー)が導入され、第2の燃焼処理部52において、650℃以上750℃以下より高い1100℃以上1500℃以下の温度で燃焼処理される。
これにより、排ガスに含まれる他の除害成分であるPFCsガスが燃焼処理され、フッ化水素、COF2等になる。
【0006】
なお、図4において、59は配管58に設けられた粉体分離機構で、第1の燃焼処理部51から排出された排ガスに含まれる粉体を第2の燃焼処理部52に導入される前に除去し、配管60を介して配管55に落下する。
また、水処理部53では、排ガスに含まれる水溶成分は水に溶け、回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−128489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された従来の技術は、第1の燃焼処理部51及び第2の燃焼処理部52でそれぞれプロパンガスなどの燃料により燃焼処理するのであり、多量の燃料を必要とし、省エネルギーに反するという課題がある。
また、上記従来の技術は、第1の燃焼処理部51と第2の燃焼処理部52とを配管58で連結しており、処理装置が大型となり、半導体、液晶などを製造する工場での設置スペースが大きいという課題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の技術が有していた課題を解決しようとするものであり、筒状の電気ヒータにより予備分解部となる外筒側と本分解部となる内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成し、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部の一端側に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを、前記本分解部の一端側から放出するようにして、コンパクトな処理装置であり、かつ省エネルギーでの処理でありながらシリカの除去が簡単な排ガス処理装置及び排ガス処理方法とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る本発明の排ガス処理装置は、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCs(パーフルオロコンパウンズ)を分解処理する排ガス処理装置であって、
筒状の電気ヒータにより外筒側と内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成して、前記外筒側を予備分解部、前記内筒側を本分解部とし、
前記予備分解部の一端側に少なくとも2つの排ガス導入口を設けて、半導体、液晶などの製造工程から排出される排ガスを導入する第一導入管及び第二導入管を接続し、
前記予備分解部及び前記本分解部の他端側に、予備分解部からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部に導入するとともに、添加ガスを導入して予備分解ガスに混合する混合反転部を形成し、
前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの温度が所定温度範囲となるように前記電気ヒータの加熱量を制御する制御手段を設け、
前記本分解部の一端側に処理ガス出口を設け、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを前記処理ガス出口から放出するようにしたものである。
【0011】
請求項2に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1に係る本発明の構成に加え、前記二重筒状の分解部は前記排ガス導入口及び処理ガス出口が共に上方又は下方に位置し、前記混合反転部が他方に位置するように縦長に立設されているものである。
【0012】
請求項3に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1又は2係る本発明の構成に加え、前記シラン系化合物はモノシランであり、前記PFCsはNF3であり、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの所定温度範囲を600℃〜700℃としたものである。
【0013】
請求項4に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1〜3のいずれかに係る本発明の構成に加え、前記添加ガスは酸素源及び水素源からなる混合ガスであり、前記所定温度範囲に加熱されているものである。
【0014】
請求項5に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1〜4のいずれかに係る本発明の構成に加え、前記内筒側内壁に付着する堆積物を掻き落とすことができるスクレイパーを有するものである。
【0015】
請求項6に係る本発明の排ガス処理方法は、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCs(パーフルオロコンパウンズ)を分解処理する排ガス処理方法であって、
筒状の電気ヒータにより予備分解部となる外筒側と本分解部となる内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成し、
シラン系化合物を含む排ガスと、PFCsを含む排ガスとを、同時又は交互に前記予備分解部の一端側に導入し、
前記予備分解部及び前記本分解部の他端側において、予備分解部からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部に導入するとともに、添加ガスを導入して予備分解ガスに混合し、
前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスが所定温度範囲となるように前記電気ヒータの加熱量を制御し、
半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを、前記本分解部の一端側から放出するようにしたものである。
【0016】
請求項7に係る本発明の排ガス処理方法は、請求項6に係る本発明の構成に加え、前記二重筒状の分解部は、前記排ガスを導入する位置及び前記処理ガスを排出する位置が共に上方又は下方に位置し、前記予備分解ガスを反転させるとともに添加ガスを導入する位置が他方に位置するように縦長に立設し、
半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスは、前記予備分解部を上方又は下方から他方に流通し、反転して添加ガスが混合され、前記本分解部を他方から上方又は下方に流通して、前記処理ガスを本分解部の上方又は下方から放出するようにしたものである。
【0017】
請求項8に係る本発明の排ガス処理方法は、請求項6又は7に係る本発明の構成に加え、前記シラン系化合物はモノシランであり、前記PFCsはNF3であり、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの所定温度範囲を600℃〜700℃としたものである。
【0018】
請求項9に係る本発明の排ガス処理方法は、請求項6〜8のいずれかに係る本発明の構成に加え、添加ガスは酸素源及び水素源からなる混合ガスであり、前記所定温度範囲に加熱されているものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る本発明の排ガス処理装置は、筒状の電気ヒータにより予備分解部となる外筒側と本分解部となる内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成し、前記予備分解部の一端側に少なくとも2つの排ガス導入口を設けて、半導体、液晶などの製造工程から排出される排ガスを導入する第一導入管及び第二導入管を接続し、予備分解部からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部に導入するとともに、添加ガスを導入して予備分解ガスに混合し、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの温度が所定温度範囲となるように前記電気ヒータの加熱量を制御する制御手段を設け、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを処理ガス出口から放出するようにしたから、コンパクトな処理装置とすることができながら、筒状の電気ヒータの外筒側を予備分解部、内筒側を本分解部として、予備分解ガスの温度が所定温度範囲となるように電気ヒータの加熱量を制御し、かつ、両分解部における分解反応は放熱反応であるから、処理装置の運転開始時を除き、電気ヒータの加熱量が小さくてよく、省エネルギーの定常運転ができるのである。
また、前記添加ガスを前記予備分解部出口より導入するようにしたから、シラン系化合物の酸化反応によるSiO2の生成・付着箇所は本分解部に特定され、予備分解部にはSiO2が発生しないため、予備分解部の内筒と外筒の間の距離を小さくすることが可能となり、排ガスの効率的な加熱と、二重筒構造による装置の小型化を実現することができるのである。
さらに、予備分解部でシラン系化合物の一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがPFCsとの反応により除去され、予備分解部での排ガス流路の閉塞を一層抑制できるとともに、PFCsの分解を促進することができるのである。
【0020】
請求項2に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1に係る本発明の効果に加え、前記二重筒状の分解部は前記排ガス導入口及び処理ガス出口が共に上方又は下方に位置するとともに、前記混合反転部が他方に位置するように縦長に立設されているから、半導体、液晶などを製造する工場での設置スペースを一層小さくできるのである。
【0021】
請求項3に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1又は2係る本発明の効果に加え、前記シラン系化合物はモノシランであり、前記PFCsはNF3であり、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの所定温度範囲を600℃〜700℃としたから、予備分解部においてモノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがNF3との反応によりSiF4ガスとN2ガスとに分解除去され、予備分解部での排ガス流路の閉塞を抑制できるとともに、NF3の分解を促進することができるのである。
【0022】
請求項4に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1〜3のいずれかに係る本発明の効果に加え、前記添加ガスはシラン系化合物をSiO2とするための酸素源及びPFCsをHFとするための水素源からなる混合ガスであり、前記所定温度範囲に加熱されているから、本分解部での分解を一層促進することができるのである。
【0023】
請求項5に係る本発明の排ガス処理装置は、請求項1〜4のいずれかに係る本発明の構成に加え、前記内筒側内壁に付着する堆積物を掻き落とすことができるスクレイパーを有するものであるから、本分解部に付着箇所を特定された堆積物(SiO2)を容易に除去でき、堆積物による閉塞を一層防止することができるのである。
【0024】
請求項6に係る本発明の排ガス処理方法は、筒状の電気ヒータにより予備分解部となる外筒側と本分解部となる内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成し、シラン系化合物を含む排ガスとPFCsを含む排ガスとを同時又は交互に前記予備分解部の一端側に導入し、予備分解部からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部に導入するとともに、添加ガスを導入して予備分解ガスに混合し、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの温度が所定温度範囲となるように前記電気ヒータの加熱量を制御し、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを本分解部から放出するようにしたから、コンパクトな処理装置を用いた処理方法とすることができながら、筒状の電気ヒータの外筒側を予備分解部、内筒側を本分解部として、予備分解ガスの温度が所定温度範囲となるように電気ヒータの加熱量を制御し、かつ、両分解部における分解反応は放熱反応であるから、処理方法の運転開始時を除き、電気ヒータの加熱量が小さくてよく、省エネルギーの定常運転ができるのである。
また、前記添加ガスを前記予備分解部出口より導入するようにしたから、シラン系化合物の酸化反応によるSiO2の生成・付着箇所は本分解部に特定され、予備分解部にはSiO2が発生しないため、予備分解部の内筒と外筒の間の距離を小さくすることが可能となり、排ガスの効率的な加熱と、二重筒構造による装置の小型化を実現することができるのである。
さらに、予備分解部でシラン系化合物の一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがPFCsとの反応により除去され、予備分解部での排ガス流路の閉塞を一層抑制できるとともに、PFCsの分解を促進することができるのである。

【0025】
請求項7に係る本発明の排ガス処理方法は、請求項6に係る本発明の効果に加え、前記二重筒状の分解部は、前記排ガスを導入する位置及び前記処理ガスを排出する位置が共に上方又は下方に位置し、前記予備分解ガスを反転させるとともに添加ガスを導入する位置が他方に位置するように縦長に立設し、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスは、前記予備分解部を上方又は下方から他方に流通し、反転して添加ガスが混合され、前記本分解部を他方から上方又は下方に流通して、前記処理ガスを本分解部の上方又は下方から放出するようにしたから、半導体、液晶などを製造する工場での設置スペースを一層小さくできるのである。
【0026】
請求項8に係る本発明の排ガス処理方法は、請求項6又は7に係る本発明の効果に加え、前記シラン系化合物はモノシランであり、前記PFCsはNF3であり、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの所定温度範囲を600℃〜700℃としたから、予備分解部においてモノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐Siが、NF3との反応によりSiF4ガスとN2ガスとに分解除去され、予備分解部での排ガス流路の閉塞を抑制できるとともに、NF3の分解を促進することができるのである。
【0027】
請求項9に係る本発明の排ガス処理方法は、請求項6〜8のいずれかに係る本発明の効果に加え、前記添加ガスはシラン系化合物をSiO2とするための酸素源及びPFCsをHFとするための水素源からなる混合ガスであり、前記所定温度範囲に加熱されているから、本分解部での分解を一層促進することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る排ガス処理装置及び排ガス処理方法の概略を示す説明図
【図2】本発明の実施の形態に係る排ガス処理装置における温度分布を示す説明図
【図3】本発明の実施の形態に係る排ガス処理装置におけるスクレイパーの説明図
【図4】従来の排ガス処理装置及び排ガス処理方法の説明図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を添付した図1〜図3を参照して詳細に説明する。
1は、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCs(パーフルオロコンパウンズ)を分解処理する排ガス処理装置であり、分解部2を備えている。
【0030】
分解部2は、高温耐食性の合金であるインコネル(INCONEL 登録商標)を用いて、内筒の機能を有する筒状の電気ヒータ3により外筒2a側と内筒側とに区画した二重筒状に形成しており、前記外筒2a側を予備分解部21とし、前記内筒側を本分解部22としている。
前記予備分解部21における一端側となる上端側の周壁に180度離して2つの排ガス導入口21a、21bを設けて、一方の第一排ガス導入口21aに第一CVD装置11aから排出される排ガスを導入する第一導入管12aを接続し、他方の第二排ガス導入口21bに第二CVD装置11bから排出される排ガスを導入する第二導入管12bを接続している。
【0031】
前記第一CVD装置11a及び第二CVD装置11bは、半導体、液晶などの製造を行なう装置であり、基板上にシリコン酸化膜やアモルファス薄膜などの製造を行なうために、成膜工程、エッチング工程及びクリーニング工程を有している。
前記第一CVD装置11a及び第二CVD装置11bには、モノシラン供給装置13a、13b及びNF3供給装置14a、14bを接続して、成膜工程でモノシラン(SiH4)を供給し、エッチング工程及びクリーニング工程でNF3を供給するようにしている。
【0032】
前記第一CVD装置11a及び第二CVD装置11bの成膜工程におけるモノシランを含む排ガスを真空ポンプ15a、15bを介して、窒素供給装置16a、16bからの希釈用窒素により希釈して、前記第一導入管12a及び前記第一排ガス導入口21aから、また前記第二導入管12b及び第二排ガス導入口21bからそれぞれ前記予備分解部21に導入するようにしている。
また、前記第一CVD装置11a及び第二CVD装置11bのエッチング工程又はクリーニング工程におけるNF3を含む排ガスを真空ポンプ15a、15bを介して、窒素供給装置16a、16bからの希釈用窒素により希釈して、前記第一導入管12a及び前記第一排ガス導入口21aから、また前記第二導入管12b及び第二排ガス導入口21bからそれぞれ前記予備分解部21に導入するようにしている。
【0033】
前記予備分解部21及び前記本分解部22における他端側となる下端に添加ガス供給口41を設けて、空気供給装置41a及び水蒸気供給装置41bから添加ガスとして空気及び水蒸気を供給する添加ガス供給管41cを接続している。
また、前記予備分解部21及び前記本分解部22における他端側となる下端側に、予備分解部21からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部22に導入するとともに、前記添加ガス供給管41cからの空気及び水蒸気を導入して予備分解ガスに混合する混合反転部4を形成している。
【0034】
前記電気ヒータ3は、前記予備分解部21の出口における前記予備分解ガスの温度が650℃となるように加熱量を制御する制御手段を設けている(図示せず)。
また、前記本分解部22における一端側となる上端側に、処理ガス出口22aを設けて、排気ファン17を介設した処理ガス排出管18を接続している。
【0035】
以下、上記排ガス処理装置1を使用して半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCsを分解処理する排ガス処理方法について説明する。
前記第一CVD装置11aにモノシラン供給装置13aからモノシランを供給して成膜工程を行っているとき、第一排ガス導入口21aにはモノシラン及び希釈用窒素を含む排ガスが導入され、前記第二CVD装置11bにNF3供給装置14bからNF3を供給してクリーニング工程又はエッチング工程を行なっているとき、第二排ガス導入口21bにはNF3及び希釈用窒素を含む排ガスが導入される。
【0036】
前記電気ヒータ3の加熱量は予備分解部21の出口における予備分解ガスが650℃となるように制御しており、予備分解部21では、下記に示すように、モノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがNF3との反応により除去される。
SiH4→a‐Si,poly‐Si+2H2
a‐Si,poly‐Si+4NF3→3SiF4
【0037】
また、予備分解部21で予備分解された予備分解ガスは混合反転部4で反転させて本分解部22に導入されるとともに、空気及び水蒸気からなる添加ガスが混合され、本分解部22では、下記に示すように、分解処理される。
SiH4+2O2→SiO2+2H2
2NF3+3H2O→6HF+NOx
4HF+SiO2→SiF4+2H2
【0038】
そして、本分解部22で分解処理された処理ガスは前記処理ガス出口22aから排気ファン17により本分解部22から外部に放出され、処理ガス中からHF、SiF4及び浮遊するSiO2は回収され、NOxは希釈されて大気に放出される。
また、本分解部22の内壁(電気ヒータ3の内筒側内壁)に付着したSiO2は定期的に手動又は自動により掻き落とされ、本分解部22の底部から排出される。
【0039】
下記実施例により、排ガス処理装置1による排ガス中のモノシラン及びNF3の分解能力、粉体(SiO2)の分解部2における堆積、電気ヒータ3の効率を確認した。
(実施例)
排ガス処理装置1は、外筒2aの内径を220mm、外筒2aの高さを750mm、電気ヒータ3の外径を200mm、電気ヒータ3の内径を150mmとし、SiH4の濃度をN2で希釈して1%として50L/minに調整した排ガスを第一排ガス導入口21aから導入し、同時に、NF3の濃度をN2で希釈して3%として50L/minに調整した排ガスを第二排ガス導入口21bから導入し、かつ、空気流量を60L/min及び水蒸気流量を9L/minとした添加ガスを添加ガス供給口41から、混合反転部4に供給し、電気ヒータ3の加熱量を予備分解部21の出口における予備分解ガスの温度が650℃となるように制御手段により制御した。
各ガスの温度を熱電対により測定し、ガス濃度をFT‐IR(フーリエ変換赤外分光光度計)により分析し分解能力を算出した。
【0040】
その結果、処理ガス出口22aにおけるSiH4濃度は0.2ppm以下で分解能力が99.998%以上、NF3濃度は0.2ppm以下で分解能力が99.999%以上であることを確認した。
また、排ガス処理装置1を1時間運転した後の開放点検において、予備分解部21及び本分解部22の筒内部に粉体の堆積は殆どなかった。
【0041】
さらに、電気ヒータ3の投入電力量と各ガスの温度などから電気ヒータ効率を算出した結果、電気ヒータ効率は90%以上であり、排ガス処理装置1の外筒2aなどからの外部への放熱は少なかった。
また、上記実施例による排ガス処理装置1の概略の温度分布を図2に示す。
【0042】
図2において、第一排ガス導入口21a及び第二排ガス導入口21bに導入された排ガスはT6では300℃以下であり、予備分解部21を下降するにしたがって、電気ヒータ3及び本分解部22のガスにより加熱されて、T5(300℃〜400℃)、T4(400℃〜500℃)、T3(500℃〜600℃)、T2(600℃〜650℃)となり、予備分解部21の出口における予備分解ガスは略650℃となる。
そして、本分解部22を上昇するガスは、添加ガスとの反応により熱を放出して電気ヒータ3と共に予備分解部21を下降する予備分解ガスを加熱する。
【0043】
本分解部22を上昇するガスの温度は、T1(650℃〜700℃)、T2(600℃〜650℃)、T3(500℃〜600℃)、T4(400℃〜500℃)と温度降下して、処理ガス出口22aから排出される。
一方、電気ヒータ3は下方からT1(650℃〜700℃)、T2(600℃〜650℃)、T3(500℃〜600℃)となる。
【0044】
なお、T5(300℃〜400℃)で示す位置には電気ヒータ3の発熱部がないために温度が低くなっている。
このような温度分布から明らかなように、排ガス処理装置1は予備分解部21及び本分解部22における分解時の発熱反応を活用して、電気ヒータ3の消費電力を小さくしており、運転開始時に温度を高くするために電力が必要であるが、定常運転時の維持電力を小さくすることができるのである。
【0045】
次に、本分解部22の内周壁(電気ヒータ3の内周壁)に付着したSiO2を自動で定期的に掻き落す場合には、図3に概略を示すスクレイパー19を設けることができる。
図3は、排ガス処理装置1の水平断面を示す説明図であり、120度の角度で上下方向に配置された3つの掻き落し部19aと、3本のアーム19bと、駆動軸19cとを備えており、駆動軸19cを電動機(図示せず)により、掻き落し部19aが180度回動して電気ヒータ3の内面に付着したSiO2を掻き落とすようにしている。
【0046】
以上の実施の形態では、モノシランを含む排ガス及びNF3を含む排ガスの処理の場合であったが、成膜工程で供給するガスをモノシランに替えて、Si26、SiH3Cl、SiH2Cl2、SiHCl3、TEOS、TMOSとすることもでき、エッチング工程及びクリーニング工程で供給するガスをNF3に替えて、C26、C38、C48、CF4又はSF6とすることもできる。
以下、モノシランとPFCsの各ガスを含む排ガス処理について、予備分解部21及び本分解部22における分解反応及び電気ヒータ3の温度制御について説明する。
【0047】
モノシランを含む排ガス及びC26を含む排ガスを同時に予備分解部21に導入したとき、電気ヒータ3は予備分解部21の出口における予備分解ガスが1000℃となるように加熱量を制御することにより、予備分解部21では、下記に示すように、モノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがC26との反応により除去されるのである。
SiH4→a‐Si,poly‐Si+2H2
a‐Si,poly‐Si+2C26→3SiF4+C
【0048】
本分解部22では、下記の分解処理がなされる。
SiH4+2O2→SiO2+2H2
26+2H2O→6HF+2CO2
4HF+SiO2→SiF4+2H2
【0049】
モノシランを含む排ガス及びC38を含む排ガスを同時に予備分解部21に導入したとき、電気ヒータ3は予備分解部21の出口における予備分解ガスが1000℃となるように加熱量を制御することにより、予備分解部21では、下記に示すように、モノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがC38との反応により除去されるのである。
SiH4→a‐Si,poly‐Si+2H2
a‐Si,poly‐Si+C38→2SiF4+C
【0050】
本分解部22では、下記の分解処理がなされる。
SiH4+2O2→SiO2+2H2
38+2H2O→8HF+3CO2
4HF+SiO2→SiF4+2H2
【0051】
モノシランを含む排ガス及びC48を含む排ガスを同時に予備分解部21に導入したとき、電気ヒータ3は予備分解部21の出口における予備分解ガスが1000℃となるように加熱量を制御することにより、予備分解部21では、下記に示すように、モノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがC38との反応により除去されるのである。
SiH4→a‐Si,poly‐Si+2H2
a‐Si,poly‐Si+C48→2SiF4+C
【0052】
本分解部22では、下記の分解処理がなされる。
SiH4+2O2→SiO2+2H2
48+2H2O→8HF+3CO2+C
4HF+SiO2→SiF4+2H2
【0053】
モノシランを含む排ガス及びCF4を含む排ガスを同時に予備分解部21に導入したとき、電気ヒータ3は予備分解部21の出口における予備分解ガスが1200℃となるように加熱量を制御することにより、予備分解部21では、下記に示すように、モノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがCF4との反応により除去されるのである。
SiH4→a‐Si,poly‐Si+2H2
a‐Si,poly‐Si+CF4→SiF4+C
【0054】
本分解部22では、下記の分解処理がなされる。
SiH4+2O2→SiO2+2H2
CF4+2H2O→4HF+CO2
4HF+SiO2→SiF4+2H2
【0055】
モノシランを含む排ガス及びSF6を含む排ガスを同時に予備分解部21に導入したとき、電気ヒータ3は予備分解部21の出口における予備分解ガスが1200℃となるように加熱量を制御することにより、予備分解部21では、下記に示すように、モノシランの一部の熱分解により析出したa‐Siやpoly‐SiがSF6との反応により除去されるのである。
SiH4→a‐Si,poly‐Si+2H2
a‐Si,poly‐Si+2SF6→3SiF4+S
【0056】
本分解部22では、下記の分解処理がなされる。
SiH4+2O2→SiO2+2H2
SF6+3H2O→6HF+SOX
4HF+SiO2→SiF4+2H2
【0057】
以上の実施の形態では、モノシランとPFCsを含む排ガス処理の場合を説明したが、モノシラン以外のシラン系化合物についても同様の分解反応となるのである。
また、以上の実施の形態では、前記二重筒状の分解部2は前記排ガス導入口21a、21b及び処理ガス出口22aがそれぞれ上方に位置するとともに、前記混合反転部4が下方に位置するように縦長に立設したが、排ガス導入口及び処理ガス出口を下方に位置するようにしてもよく、分解部を水平方向又は斜め方向に配置して排ガス導入口及び処理ガス出口を一側方に位置するようにしてもよい。
【0058】
以上の実施の形態では、シラン系化合物がモノシランでありPFCsがNF3の場合に、前記電気ヒータ3は、前記予備分解部21の出口における前記予備分解ガスの温度が650℃となるように加熱量を制御するようにしたが、600℃〜700℃の温度範囲に制御するようにしてもよい。
前記予備分解部21の出口における前記予備分解ガスの温度が600℃〜700℃の温度範囲になるように加熱量を制御することにより、前記予備分解部21における予備分解ガスの温度を、図2におけるT3(500℃〜600℃)の温度範囲にすることができ、モノシランを500℃〜600℃とすることで、a‐Si,poly‐Siの析出を促進させて、a‐Si,poly‐SiとNF3との反応を促進させることができるのである。
【0059】
また、予備分解部21における500℃〜600℃となる温度域を広くする他の例として、電気ヒータ3を分割して、それぞれの電気ヒータの発熱量を制御することもでき、予備分解部21に導入する排ガスを予熱することもでき、これらの組み合わせでもよい。
なお、電気ヒータ3の加熱量の制御は、温度検出部を予備分解部21の中間又は出口における予備分解ガスの温度を検出して行うのであり、出口における予備分解ガスの温度が所定温度範囲となるように制御するのである。
【0060】
以上の実施の形態では、電気ヒータ3の加熱方式は、多数のシーズヒータを立設した抵抗加熱方式としたが、電磁誘導加熱方式としてもよい。
また、以上の実施の形態では、前記混合反転部4において予備分解ガスに混合する添加ガスに関し、酸素源及び水素源として空気及び水蒸気を用いたが、酸素源として酸素ガスを用いてもよいし、水素源として水素ガスを用いてもよい。
【0061】
さらに、以上の実施の形態では添加ガスは加熱していないが、添加ガスを予備分解ガスと略同じ温度に加熱して予備分解ガスに混合するようにすれば、本分解部22における分解を一層促進することができる。
以上の実施の形態では、CVD装置2基からの排ガスをそれぞれ第一導入管12a及び第二導入管12bを介して第一排ガス導入口21a及び第二排ガス導入口21bに導入するようにしたが、3基以上のCVD装置からの排ガスを予備分解部に導入するようにしてもよい。
【0062】
この場合、予備分解部における排ガス導入口の位置は、3か所の場合120度の角度毎に設け、4か所の場合90度の角度毎に設けるのであり、排ガス導入口が多いほど、シラン系化合物を含む排ガスとPFCsを含む排ガスとが同時あるいは交互に予備分解部に導入される割合が増大し、予備分解部における予備分解が促進される。
以上の実施の形態では、予備分解部における予備分解をシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスが同時に予備分解部に導入される運転態様で説明したが、10sec〜20sec程度でシラン系化合物を含む排ガスとPFCsを含む排ガスとが交互に導入される運転態様であれば、以上の実施の形態で説明した予備分解部における予備分解が生ずるから、両排ガスが交互に予備分解部に導入される運転態様でもよいのである。
【0063】
シラン系化合物を含む排ガスとPFCsを含む排ガスとを同時又は交互に予備分解部に導入して、上述の予備分解が生ずる運転態様は、CVD装置の基数が多くなるほど増大する。
なお、以上の実施の形態では、モノシランとNF3とを同時に予備分解部に導入する運転態様としたが、予備分解部が環状の狭い流路であり、排ガス速度が大きく、装置に破損が生ずるような爆発的な現象は生じないのである。
【符号の説明】
【0064】
1 排ガス処理装置
2 分解部
2a 外筒
3 電気ヒータ
4 混合反転部
12a 第一導入管
12b 第二導入管
21a 第一排ガス導入口
21b 第二排ガス導入口
22 本分解部
22a 処理ガス出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCs(パーフルオロコンパウンズ)を分解処理する排ガス処理装置であって、
筒状の電気ヒータにより外筒側と内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成して、前記外筒側を予備分解部、前記内筒側を本分解部とし、
前記予備分解部の一端側に少なくとも2つの排ガス導入口を設けて、半導体、液晶などの製造工程から排出される排ガスを導入する第一導入管及び第二導入管を接続し、
前記予備分解部及び前記本分解部の他端側に、予備分解部からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部に導入するとともに、添加ガスを導入して予備分解ガスに混合する混合反転部を形成し、
前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの温度が所定温度範囲となるように前記電気ヒータの加熱量を制御する制御手段を設け、
前記本分解部の一端側に処理ガス出口を設け、半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを前記処理ガス出口から放出するようにしたことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項2】
前記二重筒状の分解部は前記排ガス導入口及び処理ガス出口が共に上方又は下方に位置し、前記混合反転部が他方に位置するように縦長に立設されていることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項3】
前記シラン系化合物はモノシランであり、前記PFCsはNF3であり、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの所定温度範囲を600℃〜700℃としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス処理装置。
【請求項4】
前記添加ガスは酸素源及び水素源からなる混合ガスであり、前記所定温度範囲に加熱されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス処理装置。
【請求項5】
前記内筒側内壁に付着する堆積物を掻き落とすことができるスクレイパーを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス処理装置。
【請求項6】
半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物及びPFCs(パーフルオロコンパウンズ)を分解処理する排ガス処理方法であって、
筒状の電気ヒータにより予備分解部となる外筒側と本分解部となる内筒側とに区画した二重筒状の分解部を形成し、
シラン系化合物を含む排ガスと、PFCsを含む排ガスとを、同時又は交互に前記予備分解部の一端側に導入し、
前記予備分解部及び前記本分解部の他端側において、予備分解部からの予備分解された予備分解ガスを反転させて本分解部に導入するとともに、添加ガスを導入して予備分解ガスに混合し、
前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスが所定温度範囲となるように前記電気ヒータの加熱量を制御し、
半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスを同時又は交互に前記予備分解部に導入して、前記予備分解部及び本分解部で分解処理された処理ガスを、前記本分解部の一端側から放出するようにしたことを特徴とする排ガス処理方法。
【請求項7】
前記二重筒状の分解部は、前記排ガスを導入する位置及び前記処理ガスを排出する位置が共に上方又は下方に位置し、前記予備分解ガスを反転させるとともに添加ガスを導入する位置が他方に位置するように縦長に立設し、
半導体、液晶などの製造工程から排出されるシラン系化合物を含む排ガス及びPFCsを含む排ガスは、前記予備分解部を上方又は下方から他方に流通し、反転して添加ガスが混合され、前記本分解部を他方から上方又は下方に流通して、前記処理ガスを本分解部の上方又は下方から放出するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の排ガス処理方法。
【請求項8】
前記シラン系化合物はモノシランであり、前記PFCsはNF3であり、前記予備分解部の出口における前記予備分解ガスの所定温度範囲を600℃〜700℃としたことを特徴とする請求項6又は7に記載の排ガス処理方法。
【請求項9】
添加ガスは酸素源及び水素源からなる混合ガスであり、前記所定温度範囲に加熱されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の排ガス処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−217910(P2012−217910A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85291(P2011−85291)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】