説明

排土機構

【課題】走行機体に支持された駆動源からの動力を左右一対の走行装置に伝達することで走行されるコンバイン等の作業車輌に適用され、走行装置から落下した土により路上を汚すことを防止することが可能な排土機構を提供する。
【解決手段】排土機構90は、前記走行機体2に上下方向揺動可能に連結された支持フレーム91と、前記支持フレーム91の自由端部に設けられた排土板92とを備えている。前記支持フレーム91は、前記排土板92を前記一対の走行装置10より後方側において接地させる排土位置91aと、前記排土板92を接地面から上方へ離間させる収納位置91bとをとり得るように構成される。前記支持フレーム91が排土位置91aに位置された際に、前記排土板92は車輌幅方向一端側が前方に位置し且つ車輌幅方向他端側が後方に位置するようにコンバイン1の進行方向に対して傾斜された状態で接地される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に支持された駆動源からの動力を左右一対の走行装置に伝達することで走行されるコンバイン等の作業車輌に適用される排土機構に関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体に支持された駆動源からの動力を左右一対の走行装置に伝達することで走行されるコンバイン等の作業車輌が公知である。
このような作業車輌においては、泥濘地等の作業場(圃場等)において刈取等の作業を行った後、別の作業場に移ったり、作業を終了して作業車輌の格納庫へ移動する際に、一般の路上を自走することが可能である。
また、左右一対の走行装置としては、泥濘地等の作業場の走破性を良好とすべく、例えば、一対のクローラ式走行装置が適用される。
【0003】
このような作業車輌が作業場での走行後、一般の路上(舗装路上)を走行すると、当該路上に作業場において走行装置に付着した泥状の土が落ちる場合がある。舗装路上に土を落とすと、当該路上を通行する人や他の自動車を汚すおそれがあり好ましくない。特に、クローラ式走行装置においては、塊状の泥土が落ちるため、路上の汚れは顕著となる。また、都市近郊を中心に景観が損われるとして、近隣住民等から苦情が寄せられる場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、走行機体に支持された駆動源からの動力を左右一対の走行装置に伝達することで走行されるコンバイン等の作業車輌に適用され、走行装置から落下した土により路上を汚すことを防止することが可能な排土機構の提供を一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明に係る排土機構は、走行機体に支持された駆動源からの動力を左右一対の走行装置に伝達することで走行される作業車輌に適用される排土機構であって、前記走行機体に上下方向揺動可能に連結された支持フレームと、前記支持フレームの自由端部に設けられた排土板とを備え、前記支持フレームは、前記排土板を前記一対の走行装置より後方側において接地させる排土位置と、前記排土板を接地面から上方へ離間させる収納位置とをとり得るように構成され、前記支持フレームが排土位置に位置された際に、前記排土板は車輌幅方向一端側が前方に位置し且つ車輌幅方向他端側が後方に位置するように前記作業車輌の進行方向に対して傾斜された状態で接地されることを特徴とするものである。
【0006】
上記構成の排土機構によれば、支持フレームが走行機体に上下方向揺動可能に連結され、当該支持フレームの自由端部に排土板が設けられ、支持フレームが排土位置をとることにより、排土板が一対の走行装置より後方側において接地され、支持フレームが収納位置をとることにより、排土板が接地面から上方へ離間される。ここで、支持フレームが排土位置に位置された際には、排土板の車輌幅方向一端側が車輌幅方向他端側より前方に位置するように作業車輌の進行方向に対して傾斜された状態で排土板が接地される。
【0007】
このように、一対の走行装置の後方において、車輌幅方向一端側が車輌幅方向他端側より前方に位置された状態で排土板が接地する排土位置をとり得る構成となっている。このため、一般の路上走行時において支持フレームを排土位置にすることで、一対の走行装置から路上に土が落下した場合であっても、一対の走行装置の後方で接地した排土板によって、落下した土を掻き取り、排土板のより後方に位置された車輌幅方向他端側(いずれかの側方)へ集めることができる。すなわち、落下した土を路肩へ集めることができる。従って、走行装置から落下した土により路上を汚すことを有効に防止することができる。
【0008】
好ましくは、前記排出機構はコンバインに適用されるように構成され、前記支持フレームを排土位置及び収納位置の間で上下方向に揺動させるアクチュエータと、人為操作可能な排土切換スイッチと、前記排土切換スイッチへの人為操作に基づき前記アクチュエータを作動させる制御装置とを備えており、前記制御装置は、前記コンバインの作業クラッチがONの場合には前記排土切換スイッチへの人為操作に拘わらず前記支持フレームが収納位置に位置するように前記アクチュエータを作動制御する。
【0009】
この場合、コンバインに搭乗するオペレータが排土切換スイッチを操作してアクチュエータを作動させることにより、支持フレームが上下方向に揺動し、排土位置または収納位置をとるように、制御装置により制御される。ここで、コンバインの作業クラッチがONの場合、すなわち、刈取、脱穀、排出等の作業中には、排土切換スイッチの人為操作に関わらず支持フレームが収納位置に位置するようにアクチュエータが制御される。
従って、路上走行時以外の排土作業が不要な場合に誤って排土機構を作動させることを防止することができる。
【0010】
好ましくは、前記アクチュエータは、前記駆動源によって作動的に駆動される油圧ポンプからの圧油を油圧源とする昇降用油圧ピストン装置と、前記昇降用油圧ピストン装置におけるシリンダの下降側油室及び上昇側油室にそれぞれ流体接続された下降側油路及び上昇側油路を含む給排回路と、前記制御装置によって作動制御される切換弁であって、前記油圧ポンプを前記下降側油路に流体接続させ且つ前記上昇側油路をドレン油路に流体接続させる下降位置、前記油圧ポンプを前記上昇側油路に流体接続させ且つ前記下降側油路をドレン油路に流体接続させる上昇位置、及び、前記下降側油路及び前記上昇側油路を閉塞する保持位置をとり得る切換弁とを含み、前記下降側油路には蓄圧部材(例えば、アキュームレータ)が介挿されている。
【0011】
この場合、アクチュエータとして、駆動源によって作動的に駆動される油圧ポンプからの圧油を用い、油圧作動により支持フレームを上下揺動させる。
従って、アクチュエータを作業車輌の駆動源によって作動的に駆動される油圧ポンプからの圧油を利用して容易に実現できる。
【0012】
好ましくは、前記制御装置は、前記一対の走行装置の少なくとも一方が後進方向に駆動される場合には前記排土切換スイッチへの人為操作に拘わらず前記支持フレームが収納位置に位置するように前記アクチュエータを作動制御する。
【0013】
この場合、前記一対の走行装置の少なくとも一方が後進方向に駆動されると、排土切換スイッチの人為操作に関わらず支持フレームが収納位置に位置するようにアクチュエータが制御される。すなわち、後進時及びスピンターン時においては排土板によって排土困難なため、排土切換スイッチの人為操作に関わらず支持フレームを収納位置に位置させる。これにより、排土作業を行わない状況において誤って排土機構を作動させることを防止することができる。
【0014】
また、好ましくは、前記排土板は、前記左右一対の走行装置の車輌幅方向外端部間の距離と略同一長さを有し、前記支持フレームは、少なくとも一方が伸縮可能とされた一対の第1及び第2支持フレームを含んでいる。
【0015】
この場合、排土板が左右一対の走行装置の車輌幅方向外端部間の距離と略同一長さを有するため、排土板が作業車輌の外部へはみ出すことがなく、収納位置及び排土位置のいずれにおいても邪魔にならない。また、支持フレームは、一対の第1及び第2支持フレームを含み、少なくとも何れか一方が伸縮することにより、車輌進行方向に対する排土板の傾斜角を変更でき、これにより、作業車輌に付着している土の量や路面状態に応じて、排土を道路の端へガイドすることができる。
【0016】
好ましくは、前記排土板は、前記支持フレームの自由端部に車輌幅方向に沿った排土板用枢支軸回り揺動可能に連結されており、前記排土機構は、さらに、前記排土板の前記排土板用枢支軸回り後方側への揺動端を画するストッパ部材と、前記排土板を前記排土板枢支軸回り後方側へ付勢する姿勢ばねとを備えている。
【0017】
この場合、排土板は、姿勢ばねの付勢力により排土板用枢支軸回りに後方側へ揺動されるが、ストッパ部材により当該揺動が規制された状態となる。従って、支持フレームが排土位置に位置された際に、排土板の排土姿勢を保持することができる。
また、例えば、支持フレームが排土位置に位置された状態で何らかの要因により誤って作業車輌が後進した場合等、接地している排土板が通常とは逆の荷重を受けると、排土姿勢にあった排土板が姿勢ばねの付勢力に抗して傾倒する(排土板用枢支軸回り前方側へ揺動する)。従って、異常な荷重がかかっても排土機構を破損から防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る排土機構によれば、一対の走行装置の後方において、車輌幅方向一端側が車輌幅方向他端側より前方に位置された状態で排土板が接地する排土位置をとり得る構成となっている。このため、一般の路上走行時において支持フレームを排土位置にすることで、一対の走行装置から路上に土が落下した場合であっても、一対の走行装置の後方で接地した排土板によって、落下した土を掻き取り、排土板のより後方に位置された車輌幅方向他端側(いずれかの側方)へ集めることができる。すなわち、落下した土を路肩へ集めることができる。従って、走行装置から落下した土により路上を汚すことを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。本実施形態においては、本発明に係る排土機構が適用される作業車輌としてコンバインを例に説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る排土機構が適用されたコンバイン1の側面図、正面図及び伝動模式図である。また、図4は、図1のコンバイン1に適用される排土機構の配置を示すための底面概略図であり、図5は、図1の排土機構90の拡大図である。
【0020】
図1〜図3に示すように、前記コンバイン1は、走行機体2と、前記走行機体2に支持された駆動源としてのエンジン9と、前記走行機体2に連結された左右一対の走行装置(本実施の形態においては、クローラ式走行装置)10と、前記エンジン9からの回転動力を変速して前記一対の走行装置10へ出力する走行系トランスミッション100と、前記走行機体2の前方において該走行機体2に昇降可能に支持された刈取装置30と、前記刈取装置30によって刈り取られた穀稈を前記走行機体2の左側方において後方へ搬送するフィードチェーン装置20と、前記フィードチェーン装置20によって搬送される穀稈に対して脱穀処理を行うように、前記走行機体2の左部分に配設された脱穀装置40と、前記脱穀装置40の下方に配設された揺動選別装置50と、前記エンジン9から作動的に定速動力を入力し且つ前記走行系トランスミッション100の下記走行側HST120から作動的に車速同調動力を入力して、前記刈取装置30、前記フィードチェーン装置20、前記脱穀装置40及び前記揺動選別装置50を含む作業機に向けて回転動力を出力する作業機系トランスミッション200と、前記走行機体2の右前方部分に配設された運転席5と、前記揺動選別装置50によって選別された穀粒を収容するグレンタンク6であって、前記運転席5の後方に配設されたグレンタンク6と、前記グレンタンク6の後部から延出され、グレンタンク6内の穀粒を外部に排出する排出オーガ7と、前記フィードチェーン装置20から脱穀済の排藁を受け継ぎ、該排藁を後方へ搬送する排藁搬送装置60と、走行装置10から落下した土を排土する排土機構90を備えている。
【0021】
本発明に係る排土機構90は、前記走行機体2に上下方向揺動可能に連結された支持フレーム91と、前記支持フレーム91の自由端部に設けられた排土板92とを備え、前記支持フレーム91は、前記排土板92を前記一対の走行装置10より後方側において接地させる排土位置91aと、前記排土板92を接地面から上方へ離間させる収納位置91bとをとり得るように構成される。そして、前記支持フレーム91が排土位置91aに位置された際に、前記排土板92は車輌幅方向一端側(ここでは車輌右側)が前方に位置し且つ車輌幅方向他端側(ここでは車輌左側)が後方に位置するように前記コンバイン1の進行方向に対して傾斜された状態で接地されている。
【0022】
上記構成の排土機構90によれば、刈取作業中等、路上以外においては、支持フレーム91が収納位置91bをとることにより、排土板92が接地面から上方へ離間された状態で保持される。一方、舗装路等の路上走行の際には、支持フレーム91を排土位置91aに位置させることにより、排土板92が一対の走行装置10より後方側において接地される。ここで、支持フレーム91が排土位置91aに位置された際には、排土板92の右側端が左側端より前方に位置するようにコンバイン1の進行方向に対して傾斜された状態で排土板92が接地される。
【0023】
このように、一般の路上走行時において支持フレーム91を排土位置91aにすることで、一対の走行装置10から路上に泥濘等の土が落下した場合であっても、一対の走行装置10の後方で接地した排土板92によって、落下した土を掻き取り、排土板92のより後方に位置された車輌幅方向他端側(ここでは左端側)へ集めることができる。すなわち、道路の左側を走行するコンバイン1から落下した土を道路左端の路肩へ集めることができる。従って、走行装置10から落下した土により路上を汚すことを有効に防止することができる。本実施形態における排土機構90の作動態様については後述する。
【0024】
本実施形態において、前記排土板92は、図4に示すように、前記左右一対の走行装置10の車輌幅方向外端部間の距離と略同一長さを有している。従って、排土板92がコンバイン1の外部へはみ出すことがなく、収納位置91b及び排土位置91aのいずれにおいても邪魔にならない。
また、前記支持フレーム91は、少なくとも一方が伸縮可能とされた一対の第1及び第2支持フレーム91L,91Rを含んでいる。本実施形態においては、左側の第1支持フレーム91Lが伸縮可能とされている。具体的には、第1支持フレーム91Lには、伸縮用油圧ピストン装置93が介挿されており、該第1支持フレーム91Lは前記伸縮用油圧ピストン装置93によって伸縮される。従って、車輌進行方向に対する前記排土板92の傾斜角を変更でき、これにより、コンバイン1に付着している土の量や路面状態に応じて、排土を道路の端へガイドすることができる。伸縮用油圧ピストン装置93は、後述するアクチュエータ545(図7参照)と同様の構成とすることができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、排土板92が単一部材として構成され、一対の走行装置10のいずれから落下した土に対しても排土可能とされているが、これに限られず、左右一対の走行装置10のそれぞれに対応した一対の排土板を備えることとしてもよい。
【0026】
次に、前記コンバイン1における排出オーガ7の構成について説明する。
排出オーガ7は、グレンタンク6の後部に略垂直に立設され、基端部がグレンタンク6の後方下部と連通した縦オーガ7aと、前記縦オーガ7aに対して略垂直(走行機体2に対して略水平)に配置され、基端部が前記縦オーガ7aの先端部と連通した状態で前記縦オーガ7aの軸線回りに回動可能且つ上下方向に揺動可能な横オーガ7bと、横オーガ7bの先端部近傍に設けられ、穀粒を下方に排出する排出ケース7cとを備えている。
【0027】
より具体的には、横オーガ7bは、基端部が縦オーガ7aに対して上下方向に揺動可能に設けられており、縦オーガ7aは、当該縦オーガ7aの軸線回りに回動可能に走行機体2に設けられている。従って、縦オーガ7aが当該縦オーガ7aの軸線回りに回動することにより、横オーガ7bも縦オーガ7aと一体的に縦オーガ7aの軸線回りに回動される。縦オーガ7aの軸線回りの回動や横オーガ7bの縦オーガ7aに対する上下揺動は、公知のアクチュエータや揺動シリンダ(ともに図示せず)を介して遠隔操作可能に構成されている。
また、横オーガ7bの先端に設けられた排出ケース7cは、その下面が開口しており、該開口部の縁に沿って筒形状のスリーブ7dが取り付けられている。スリーブ7dは可撓性の樹脂等で形成され、スリーブ7dの下端が穀粒排出口7eとなっている。
このように構成することにより、排出ケース7dの下面から落下した穀物を周囲に飛散させず、穀粒排出口7eの直下近傍に集中して排出することが可能である。
【0028】
本実施形態においては、グレンタンク6に蓄積された穀粒を排出オーガ7の穀粒排出口7eへ導くために、グレンタンク6の底部に前後方向に沿って配設されたスクリュー式の下部コンベア72と、前記下部コンベア72と作動連結された状態で縦オーガ7a内に配設された縦コンベア73と、前記縦コンベア73と作動連結された状態で横オーガ7b内に配設された横コンベア74とを有している(図3参照)。エンジン9の回転動力を利用して各コンベア72,73,74を回転させることにより、グレンタンク6内の穀粒を排出オーガ7の穀粒排出口7eから排出させる。
なお、好ましくは、グレンタンク6は、底部の左右方向略中央部が左右両端部よりも低くなるように傾斜しており、前記左右方向略中央部に前記下部コンベア73が配設されている。これにより、グレンタンク6内の穀粒を効率よく外部に排出することができる。
【0029】
運転席5の後側方には、排出オーガ7の横オーガ7bを支持するオーガレスト8が設けられている。オーガレスト8は、横オーガ7bを保持するレスト部8a及び先端部がレスト部8aを支持し、基端部が走行機体2に支持される支柱部8bを有している。レスト部8aは正面視略U字型に形成され、排出オーガ7の横オーガ7aが載置固定される。当該レスト部8aの上面(U字型に形成された内面)にはゴムや樹脂等の弾性部材が取り付けられており、横オーガ7bが載置されていても走行中に振動音を発生することが防止される。
本実施形態において、支柱部8bは正面視において上半分がコンバイン1の左側方にやや屈曲した形状をした角パイプであり、走行機体2より立設される。また、オーガレスト8が排出オーガ7と当接した状態が排出オーガ7の格納位置として規定され、排出オーガ7が格納位置(即ち、排出オーガ7を使用しないときに該排出オーガ7が配置される位置)にあることを検知するオーガ検出センサ(ここでは接触スイッチ)492(図2参照)がレスト部8aの上面に設けられている。
【0030】
運転室5内の任意位置(例えば前面パネル)には、オーガクラッチスイッチ491(後述)、オーガ手動操作レバー等のオーガ操作手段(図示せず)、オートセットスイッチ(図示せず)、及びオートリターンスイッチ(図示せず)等が配置される。
【0031】
オーガ手動操作レバー等のオーガ操作手段は、例えば、前後左右の四方向に傾倒可能に構成され、該オーガ手動操作レバーにより排出オーガ7の上下回動・左右旋回操作を行う。
オーガクラッチスイッチ491は、オーガクラッチ機構71(後述)を操作するためのスイッチであり、該オーガクラッチ機構71のON/OFF操作により、グレンタンク6から排出オーガ7の穀物排出口7eまでの穀物排出機構への駆動力の係合/遮断を行う。
オートセットスイッチは、排出オーガ7を所定の目標位置まで自動旋回するスイッチである。所定の目標位置は、別途設定ダイヤル等で設定可能である。
また、オートリターンスイッチは、排出オーガ7による穀物排出作業終了時等に使用され、該オートリターンスイッチ7を操作することにより、排出オーガ7を自動的に旋回・上下揺動させて、オーガレスト8a上に載置固定させる。即ち、排出オーガ7を格納位置に移動させる)ことができる。
なお、上記オーガ操作手段、オーガクラッチスイッチ491等は、排出オーガ7の排出ケース7c近傍にも設けられ得る。
【0032】
続いて、前記コンバイン1における伝動構造について説明する。
前記コンバイン1の伝動構造は、前記エンジン9から前記走行装置10へ至る走行系伝動経路に介挿された前記走行系トランスミッション100と、前記エンジン9から前記作業機へ至る作業機系伝動経路に介挿された前記作業機系トランスミッション200とを備えている。
【0033】
図6に、前記走行系トランスミッション100の伝動模式図を示す。
図3及び図6に示すように、前記走行系トランスミッション100は、前記エンジン9に作動連結された走行側HST120及び旋回側HST130と、前記両HST120,130の出力を合成して一対の走行系出力軸55a,55bに伝達する走行系伝動機構140と、前記走行系伝動機構140を収容すると共に、前記走行側HST120及び前記旋回側HST130を支持するミッションケース110とを備えている。
【0034】
図7に、前記コンバイン1の油圧回路図を示す。
前記走行側HST120は、図3、図6及び図7に示すように、前記エンジン9に作動連結された可変容積型の走行ポンプ120Pと、前記走行ポンプ120Pによって流体的に駆動される可変容積型の走行モータ120Mとを備えている。
【0035】
詳しくは、前記可変容積型の走行ポンプ120Pは、前記エンジン9に作動連結された走行側ポンプ軸121と、前記走行側ポンプ軸121に相対回転不能に支持された走行側油圧ポンプ本体122と、前記走行側油圧ポンプ本体122の容積量を変更させる走行ポンプ側容積調整手段123とを備えている。
本実施の形態において、前記走行ポンプ側容積調整手段123は、走行ポンプ側可動斜板と、前記走行ポンプ側可動斜板を傾転させる走行ポンプ側制御軸とを有している。
【0036】
前記可変容積型の走行モータ120Mは、前記走行側油圧ポンプ本体122と一対の第1及び第2走行側HSTライン129a,129b(図5参照)を介して流体接続された走行側油圧モータ本体127と、前記走行側油圧モータ本体127を相対回転不能に支持する走行側モータ軸126と、前記走行側油圧モータ本体127の容積量を変更させる走行モータ側容積調整手段128とを備えている。
本実施の形態において、前記走行モータ側容積調整手段128は、走行モータ側可動斜板と、前記走行モータ側可動斜板を傾転させる走行モータ側制御軸とを有している。
【0037】
前記走行側HST120は、変速操作装置によって操作される。
詳しくは、前記変速操作装置は、図7に示すように、HSTレバー等の人為操作可能な主変速レバー310と、前記走行ポンプ120Pの容積量を変更させる走行側ポンプ用作動装置320と、前記走行モータ120Mの容積量を変更させる走行側モータ用作動装置330とを備えており、前記走行側ポンプ用作動装置320及び前記走行側モータ用作動装置330は前記コンバイン1に備えられる制御装置400によって作動制御されるようになっている。
【0038】
前記走行側ポンプ用作動装置320は、走行側ポンプ用油圧ピストン装置321と、前記走行側ポンプ用油圧ピストン装置321への作動油の給排を切り換える走行側ポンプ用電磁切換弁322とを有している。
【0039】
前記制御装置400は、CPUやメモリ等を備え、前記主変速レバー310の操作位置を検出する操作位置検出センサ410(図7参照)からの信号に基づき、前記走行側ポンプ用電磁切換弁322の位置制御を行い、これにより、前記走行ポンプ側可動斜板が傾転して前記走行ポンプ120Pの容積量が変更されるようになっている。
なお、前記操作位置検出センサ410として回転角センサが用いられる場合には、前記制御装置400は前記HSTレバー310の中立位置を初期値として記憶し且つ前記初期値を基準にして前記HSTレバー310が操作される毎に操作方向及び操作角を累積的に記憶することで、その時点での前記HSTレバー310の操作位置を認識し得るようになっている。
【0040】
前記走行側モータ用作動装置330は、走行側モータ用油圧ピストン装置331と、前記走行側モータ用油圧ピストン装置331への作動油の給排を切り換える走行側モータ用電磁切換弁332とを有している。
【0041】
前記旋回側HST130は、図3、図6及び図7に示すように、前記エンジン9に作動連結された旋回ポンプ130Pと、前記旋回ポンプ130Pによって流体的に駆動される旋回モータ130Mとを備えている。
【0042】
前記旋回ポンプ130P及び前記旋回モータ130Mは少なくとも一方が可変容積型とされている。
本実施の形態においては、図7に示すように、前記旋回ポンプ130Pが可変容積型とされ、且つ、前記旋回モータ130Mは固定容積型とされている。
【0043】
詳しくは、前記可変容積型の旋回ポンプ130Pは、前記エンジン9に作動連結された旋回側ポンプ軸131と、前記旋回側ポンプ軸131に相対回転不能に支持された旋回側油圧ポンプ本体132と、前記旋回側油圧ポンプ本体132の容積量を変更させる旋回ポンプ側容積調整手段133とを備えている。
本実施の形態において、前記旋回ポンプ側容積調整手段133は、旋回ポンプ側可動斜板と、前記旋回ポンプ側可動斜板を傾転させる旋回ポンプ側制御軸とを有している。
【0044】
前記固定容積型の旋回モータ130Mは、前記旋回側油圧ポンプ本体132と一対の旋回側第1及び第2HSTライン139a,139bを介して流体接続された旋回側油圧モータ本体137と、前記旋回側油圧モータ本体137を相対回転不能に支持する旋回側モータ軸136と、前記旋回側油圧モータ本体の容積量を固定する固定斜板(図示せず)とを有している。
【0045】
前記旋回側HST130は、旋回操作装置によって操作される。
詳しくは、前記旋回操作装置は、図7に示すように、操作ハンドル350等の人為操作可能な旋回操作部材と、前記旋回ポンプ130Pの容積量を変更させる旋回側ポンプ用作動装置360とを備えており、前記旋回側ポンプ用作動装置360は前記制御装置400によって作動制御されるようになっている。
【0046】
詳しくは、前記旋回側ポンプ用作動装置360は、旋回側ポンプ用油圧ピストン装置361と、前記旋回側ポンプ用油圧ピストン装置361への作動油の給排を切り換える旋回側ポンプ用電磁切換弁362とを有しており、前記旋回側ポンプ用電磁切換弁362が前記制御装置400によって位置制御されるようになっている。
【0047】
前記制御装置400は、前記操作ハンドル350の切れ角を検出する切れ角センサ420(図7参照)からの信号に基づき、前記旋回側ポンプ用電磁切換弁362の位置制御を行い、これにより、前記旋回側ポンプ用油圧ピストン装置361が作動して前記旋回ポンプ側可動斜板が傾転されるようになっている。
なお、前記切れ角センサ420として回転角センサが用いられる場合には、前記制御装置400は前記操作ハンドル350の直進位置を初期値として記憶し且つ前記初期値を基準にして前記操作ハンドル350が操作される毎に操作方向及び操作角を累積的に記憶することで、その時点での前記操作ハンドル350の操作位置を認識し得るようになっている。
【0048】
前記走行系伝動機構140は、図6に示すように、一対の第1及び第2遊星ギヤ機構170a,170bと、前記走行側モータ軸126の回転動力を前記第1及び第2遊星ギヤ機構170a,170bに同一回転方向で伝達する走行側出力伝動機構180と、前記旋回側モータ軸136の回転動力を前記第1及び第2遊星ギヤ機構170a,170bの一方に正転方向で伝達し且つ他方に逆転方向で伝達する旋回側出力伝動機構190とを備えている。
【0049】
このようにして、操作ハンドル350の操作量に応じて旋回側HST130の出力が調整されることにより、第1及び第2遊星ギヤ機構170a,170b間の駆動配分が変化するため、一対の走行装置10における左右の駆動力変化によりコンバイン1を旋回させる。
なお、走行側HST120の出力と旋回側HST130の出力とが等しくすることにより、何れか一方の走行装置10が停止状態となり、旋回範囲を小さくすることができる。また、走行側HST120の出力に対して旋回側HST130の出力が大きくすることにより、何れか一方の走行装置10が何れか他方の走行装置10に対して逆進させて、その場旋回(スピンターン)を行うことができる。
【0050】
前記第1及び第2遊星ギヤ機構170a,170bは前記走行側出力伝動機構180及び前記旋回側出力伝動機構190からの回転動力を、それぞれ、第1及び第2走行系出力軸55a,55bに伝達するように構成されている。
詳しくは、前記第1及び第2遊星ギヤ機構170a,170bは、それぞれ、サンギヤ171と、前記サンギヤ171の回りを公転し得るように該サンギヤ171に噛合された遊星ギヤ172と、前記遊星ギヤ172を相対回転自在に支持すると共に、前記遊星ギヤ172と共に前記サンギヤ171の回りを公転するキャリア173と、前記遊星ギヤ172と噛合するインターナルギヤ174とを備えている。
本実施の形態においては、前記インターナルギヤ174に前記走行側出力伝動機構180が作動連結され且つ前記サンギヤ171に前記旋回側出力伝動機構190が作動連結されており、前記キャリア173に対応する前記走行系出力軸55a,55bが作動連結されている。
【0051】
前記走行側出力伝動機構180は、前記走行側モータ軸126に作動連結された走行側出力軸181と、前記走行側出力軸181に作動連結された分岐軸185と、前記分岐軸185の回転動力を前記第1遊星ギヤ機構170aの前記インターナルギヤ174に伝達する第1走行側出力ギヤ列186aと、前記分岐軸185の回転動力を前記第2遊星ギヤ機構170bの前記インターナルギヤ174に伝達する第2走行側出力ギヤ列186bとを有している。
前記第1及び第2走行側出力ギヤ列186a,186bは、伝動方向及び伝動比が互いに同一とされている。
【0052】
なお、本実施の形態において、前記走行側出力伝動機構180は、前記構成に加えて、前記走行側モータ軸126に作動的に制動力を付加し得る駐車用ブレーキ装置182を備えている。
本実施の形態において、前記駐車用ブレーキ装置182は、動力伝達方向に関し前記走行側出力軸181及び前記分岐軸185の間に配設されている。
具体的には、前記駐車用ブレーキ装置182は、前記走行側出力軸181から回転動力を受け且つ前記分岐軸185へ出力するブレーキ軸183と、前記ブレーキ軸183に対して選択的に制動力を付加し得るブレーキユニット184とを備えている。
【0053】
さらに、本実施の形態において、前記走行側出力伝動機構180は、前記走行側モータ軸124の回転動力を多段変速させる副変速機構187を備えている。
本実施の形態において、前記副変速機構187は、前記走行側出力軸181及び前記走行側ブレーキ軸183の間で多段変速可能に構成されている。
【0054】
前記旋回側出力伝動機構190は、前記旋回側モータ軸136に作動連結された旋回側出力軸191と、前記旋回側出力軸191に作動連結された共通軸192と、前記共通軸192の回転動力を前記第1遊星ギヤ機構170aの前記サンギヤ171に伝達する第1旋回側出力ギヤ列193aと、前記共通軸192の回転動力を前記第2遊星ギヤ機構170bの前記サンギヤ171に伝達する第2旋回側出力ギヤ列193bとを有している。
前記第1及び第2旋回側出力ギヤ列193a,193bは、伝動比は同一であるが、伝動方向は互いに対して反対となるように構成されている。
【0055】
なお、図6中の符号194は、前記旋回側モータ軸134に作動的に制動力を付加し得る旋回側ブレーキ装置であり、符号195は、前記旋回側出力軸134から前記共通軸192への動力伝達を係合又は遮断させるクラッチ装置である。
又、図6中の符号155は、前記入力軸140からの動力によって回転駆動される冷却ファンであり、符号501は後述するチャージポンプである。
【0056】
前記作業機系トランスミッション200は、前記エンジン9からの定速回転動力及び前記走行系HST120からの車速同調回転動力を入力し、前記脱穀装置40及び前記揺動選別装置50に対しては定速回転動力を出力し、且つ、前記刈取装置30及び前記フィードチェーン装置20に対しては定速回転動力又は車速同調回転動力を選択的に出力し得るように構成されている。
【0057】
図8に、前記作業機系トランスミッション200の伝動模式図を示す。
詳しくは、図3及び図8に示すように、前記作業機系トランスミッション200は、カウンターケース210と、脱穀クラッチ機構45を介して前記エンジン9に作動連結される定速入力軸220と、前記定速入力軸220に作動連結され、前記脱穀装置40の扱胴駆動軸41へ向けて回転動力を出力する脱穀出力軸221と、前記定速入力軸220に作動連結された定速伝動軸223と、前記走行側モータ軸126に作動連結される車速同調入力軸224と、変速伝動軸225と、前記車速同調入力軸224及び前記変速伝動軸225の間で変速を行う車速同調側変速機構240と、前記定速伝動軸223及び前記変速伝動軸225の間で変速を行う定速側変速機構250と、前記変速伝動軸225に作動連結され、前記刈取部30へ向けて出力する刈取出力軸226と、前記定速伝動軸223の回転動力及び前記変速伝動軸225の回転動力を合成するFC変速機構280と、前記FC変速機構280の出力部に作動連結され、前記フィードチェーン部20へ向けて回転動力を出力するフィードチェーン出力軸227とを備えている。
【0058】
本実施の形態において、前記定速入力軸220及び前記脱穀出力軸221は、図8に示すように、単一軸によって一体形成されている。
即ち、前記単一軸は、一端部が前記カウンターケース210から後方へ突出し且つ他端部が前記カウンターケース210から前方へ突出するように、車輌前後方向に沿って前記カウンターケース210に支持されており、前記一端部が前記エンジン9に作動連結される入力端部を形成し且つ前記他端部が前記脱穀装置40へ向けて回転動力を出力する出力端部を形成している。
【0059】
前記定速入力軸220(前記単一軸の前記一端部)には定速入力プーリー201,701が装着されており、該定速入力プーリー201,701にそれぞれ巻き回された定速入力ベルト202,702を介して前記エンジン9から前記定速入力軸220,720へ定速回転動力が入力されるようになっている。
前記脱穀用出力軸221(前記単一軸の前記他端部)には脱穀出力プーリー203が装着されており、該脱穀出力プーリー203に巻き回された脱穀出力ベルト204を介して前記脱穀部40へ前記エンジン9からの定速回転動力を伝達するようになっている。
【0060】
本実施の形態において、前記脱穀クラッチ機構45は、前記定速入力ベルト202に対してテンションを付加/解除させることで、前記エンジン9から前記定速入力軸220への動力伝達を係合又は遮断させ得るように構成されている。
【0061】
なお、前記脱穀クラッチ機構45は、前記制御装置400によって制御される脱穀クラッチ作動装置510によって作動される。
前記脱穀クラッチ作動装置510は、図7に示すように、脱穀クラッチ用油圧ピストン機構511と、前記脱穀クラッチ用油圧ピストン機構511に対する作動油の給排制御を行う脱穀クラッチ用電磁切換弁512とを有しており、前記脱穀クラッチ用電磁切換弁512が脱穀スイッチ390の入り切り操作に基づいて前記制御装置400によって位置制御されるようになっている。
【0062】
また、前記エンジン9から脱穀装置40への動力伝達状態を検出する脱穀センサを備えている。本実施形態においては、脱穀スイッチ390の操作状態(ON/OFF)を検知する脱穀センサ490を有している。この脱穀センサ490により、前記脱穀スイッチ390の操作状態から前記脱穀装置40の動力伝達状態を間接的に検知して、当該脱穀検知手段で検知した信号に基づき前記制御装置400により前記脱穀装置40への動力伝達が係合状態である又は遮断状態であると判断される。
なお、脱穀クラッチ機構45の近傍に脱穀クラッチ機構45の動きを検知する脱穀センサを設けて、脱穀装置40への動力伝達の係合/遮断状態を直接的に検知することとしてもよい。
【0063】
前記定速伝動軸223は、図8に示すように、一端部が前記定速入力軸220に作動連結し且つ他端部が前記カウンターケース210から外方へ突出するように、車輌幅方向に沿って前記カウンターケース210に支持されている。
前記定速伝動軸220の前記他端部は、前記揺動選別装置50へ向けて定速回転動力を出力する揺動選別用出力軸228を形成している。
前記揺動選別用出力軸228(前記定速伝動軸223の前記他端部)には揺動出力プーリー205が装着されている。
【0064】
前記車速同調入力軸224は、一端部が前記カウンターケース210から外方へ突出した状態で、車輌幅方向に沿うように前記カウンターケース210に支持されている。
前記車速同調入力軸224の前記一端部には、車速同調入力プーリー206が装着されている。
前記変速伝動軸225は、前記定速伝動軸223及び前記車速同調入力軸224と略平行となるように前記カウンターケース210に支持されている。
さらに、前記作業機系トランスミッション200には、図8に示すように、前記車速同調入力軸224及び前記車速同調変速機構240の間に介挿された一方向クラッチ35が備えられている。
【0065】
ここで、車速同調側変速機構240は、前記制御装置400によって制御される刈取クラッチ/変速作動装置520によって作動される。
詳しくは、前記刈取クラッチ/変速作動装置520は、図7に示すように、刈取クラッチ/変速用油圧ピストン機構521と、前記刈取クラッチ/変速用油圧ピストン機構521に対する作動油の給排制御を行う刈取クラッチ/変速用電磁切換弁522とを有している。
一方、前記運転席5近傍には、刈取スイッチ430(図7参照)及び刈取変速レバー(図示せず)が備えられている。
【0066】
前記制御装置400は、前記刈取スイッチ430のOFF操作に基づき、前記車速同調用シフター243が中立位置に位置するように前記刈取クラッチ/変速用電磁切換弁522の位置制御を行い、前記刈取スイッチ430のON操作に基づき、前記車速同調用シフター243が前記刈取変速レバーの操作位置に対応した高速位置又は低速位置に位置するように前記刈取クラッチ/変速用電磁切換弁522の位置制御を行う。
【0067】
また、定速側変速機構250は、前記制御装置400によって制御される流し込み/高速カット用作動装置530によって作動される。
詳しくは、前記流し込み/高速カット用作動装置530は、図7に示すように、流し込み/高速カット用油圧ピストン機構531と、前記流し込み/高速カット用油圧ピストン機構531に対する作動油の給排制御を行う流し込み/高速カット用電磁切換弁532とを有している。
【0068】
前記制御装置400は、運転席5近傍に備えられる操作部材(図示せず)の操作に基づき、前記流し込み/高速カット用電磁切換弁532の位置制御を行い、これにより、前記定速用シフター253が流し込み位置、高速カット位置又は中立位置のうち前記操作部材の操作に対応した位置に位置するようになっている。
【0069】
前記刈取出力軸226は、一端部が外方へ延在された状態で前記カウンターケース210に支持されている。
前記刈取出力軸226の前記一端部には、刈取出力プーリー207が装着されている。
なお、本実施の形態において、前記刈取出力軸226は、トルクリミッター229を介して前記変速伝動軸225に作動連結されている。
【0070】
また、本実施の形態において、前記オーガクラッチ機構71は、前記定速入力ベルト702に対してテンションを付加/解除させることで、前記エンジン9から前記定速入力軸703への動力伝達を係合又は遮断させ得るように構成されている。
【0071】
なお、前記オーガクラッチ機構71は、前記制御装置400によって制御されるオーガクラッチ作動装置540によって作動される。
前記オーガクラッチ作動装置540は、図7に示すように、オーガクラッチ用油圧ピストン機構541と、前記オーガクラッチ用油圧ピストン機構541に対する作動油の給排制御を行うオーガクラッチ用電磁切換弁542とを有しており、前記オーガクラッチ用電磁切換弁542がオーガクラッチスイッチ491の入り切り操作に基づいて前記制御装置400によって位置制御されるようになっている。
【0072】
次に、前記コンバイン1の油圧回路について説明する。
図7に示すように、前記コンバイン1は、前記脱穀クラッチ作動装置510、前記刈取クラッチ/変速作動装置520、前記流し込み/高速カット用作動装置530、前記オーガクラッチ作動装置540及び前記排土機構90の前記支持フレーム91を排土位置及び収納位置の間で上下方向に揺動させるアクチュエータ545に対して作動油給排を司る脱穀・刈取用油圧回路550と、刈取昇降用油圧機構561、左右一対の車体昇降用油圧機構562a,562b及びオーガ作動用油圧機構563に対する作動油給排を司る昇降用油圧回路560と、前記走行側HST120及び前記旋回側HST130を含む走行系油圧機構の油圧制御を司る走行系油圧回路570とを備えている。
【0073】
前記走行系油圧回路570は、図7に示すように、前記走行側油圧ポンプ本体122及び前記走行側油圧モータ本体127が閉回路を形成するように両者を流体接続させる前記第1及び第2走行側HSTライン129a,129bと、前記旋回側油圧ポンプ本体132及び前記旋回側油圧モータ本体137が閉回路を形成するように両者を流体接続させる前記旋回側第1及び第2HSTライン139a,139bと、前記一対の走行側HSTライン129a,129bのそれぞれ及び前記一対の旋回側HSTライン139a,139bのそれぞれに作動油を補給する為のチャージライン575であって、チャージ圧設定用リリーフ弁576によって所定圧に調圧されたチャージライン575と、前記走行側ポンプ用電磁切換弁322に向けて作動油を供給する走行側ポンプ用作動油ライン581と、前記走行側モータ用電磁切換弁332に向けて作動油を供給する走行側モータ用作動油ライン582と、前記旋回側ポンプ用電磁切換弁362に向けて作動油を供給する旋回側ポンプ用作動油ライン583とを備えている。
なお、前記走行側ポンプ用作動油ライン581、前記走行側モータ用作動油ライン582及び前記旋回側ポンプ用作動油ライン583へは、前記チャージライン576を介して作動油が供給されている。
【0074】
本実施の形態に係るコンバイン1は、図7に示すように、前記構成に加えて、前記チャージポンプ501及び補助ポンプ502を備えており、前記昇降用油圧回路へは前記補助ポンプ502から圧油が供給され、且つ、前記チャージライン575及び前記脱穀・刈取用油圧回路550へは前記チャージポンプ501から圧油が供給され、昇降用油圧回路560へは前記補助ポンプ502から圧油が供給されるように構成されている。
【0075】
前記左右一対の車体昇降用油圧機構562a,562bは、前記制御装置400によって制御され、左右の昇降制御用油圧シリンダ15a,15bを作動させる。
前記左右一対の車体昇降用油圧機構562a,562bは、図7に示すように、昇降制御用油圧シリンダ15a,15bと、前記昇降制御用油圧シリンダ15a,15bに対する作動油の給排制御を行う車体昇降用電磁切換弁564a,564bとを有しており、前記車体昇降用電磁切換弁564a,564bが前記制御装置400によって位置制御されるようになっている。
【0076】
また、前記排土機構90は、人為操作可能な排土切換スイッチ440を備えており、前記排土切換スイッチ440への人為操作に基づき前記制御装置400により前記アクチュエータ545が作動される。
前記アクチュエータ545は、前記エンジン9によって作動的に駆動される油圧ポンプ(チャージポンプ)501からの圧油を油圧源とする昇降用油圧ピストン装置546を具備する。前記昇降用油圧ピストン装置546は、シリンダ546cと、前記シリンダ546cの内部空間を下降側油室546d及び上昇側油室546uに液密に画した状態で該シリンダ546c内に軸線方向摺動可能に収容されたピストン本体546p及び前記ピストン本体546pに連結されたピストンロッド546rとを有する。
さらに、前記アクチュエータ545は、前記昇降用油圧ピストン装置546におけるシリンダ546cの下降側油室546d及び上昇側油室546uにそれぞれ流体接続された下降側油路549d及び上昇側油路549uを含む給排回路549と、前記制御装置400によって作動制御される切換弁547であって、前記チャージポンプ501を前記下降側油路549dに流体接続させ且つ前記上昇側油路549uをドレン油路に流体接続させる下降位置、前記チャージポンプ501を前記上昇側油路549uに流体接続させ且つ前記下降側油路549dをドレン油路503に流体接続させる上昇位置、及び、前記下降側油路549d及び前記上昇側油路549uを閉塞する保持位置をとり得る切換弁547とを含み、前記下降側油路549dには蓄圧部材(例えば、アキュームレータ548)が介挿されている。
【0077】
そして、前記昇降用油圧ピストン装置546は、下降側油室546dに圧油が供給される下降作動状態においては前記ピストンロッド546rが伸長方向へ移動し、且つ、上昇側油室546uに圧油が供給される上昇作動状態においては前記ピストンロッド546rが格納方向へ移動するように構成されている。
また、本実施形態において、前記排土板92は、図5に示すように、前記支持フレーム91の自由端部に車輌幅方向に沿った排土板用枢支軸92s回り揺動可能に連結されている。前記支持フレーム91は、前記走行機体2に車輌幅方向に沿った支持フレーム用枢支軸91s回り揺動自在に支持された軸受部911と、基端部が前記軸受部911に連結され且つ自由端部に前記排土板92が連結される支持アーム部912と、基端部が前記軸受部911に連結され且つ後述するピストンロッド546rの自由端部が作動連結された作動アーム部913とを有している。
【0078】
このように、アクチュエータ545として、コンバイン1の駆動源であるエンジン1によって作動的に駆動されるチャージポンプ501からの圧油を利用して、油圧作動により支持フレーム91を収納位置と排土位置との間で上下揺動させる。
即ち、排土切換スイッチ440を操作して切換弁547を下降位置とすることにより、下降側油路549dを通じてシリンダ546の下降側油室546dに圧油が供給される。下降側油室546dに圧油が供給されると、当該圧油がピストン本体546pを押してピストンロッド546rが伸長方向へ移動する。ピストンロッド546rが伸長方向へ移動することにより、当該ピストンロッド546rに連結された作動アーム部913が連動し、支持アーム部912が支持フレーム用枢支軸91s回り下降側へ揺動される。排土板92が接地した状態(支持フレーム91が排土位置に位置した状態)で自動的に又は手動により切換弁547を保持位置とすることにより、下降側油路549d及び上昇側油路549uが閉塞され、排土板92の接地状態が保持される。
なお、前記切換弁547が下降位置に位置されて前記支持フレーム91が排土位置に到達した時点で、前記切換弁547が保持位置に移行されると、前記排土板92は前記アキュムレータ548の作用によって一定圧力で接地面に押圧されることになる。従って、前記排土板92を接地面の起伏に追従させることができる。
一方、排土切換スイッチ440を操作して切換弁547を上昇位置とすることにより、上昇側油路549uを通じてシリンダ546の上昇側油室546uに圧油が供給される。上昇側油室546uに圧油が供給されると、当該圧油がピストン本体546pを押してピストンロッド546rが格納方向へ移動する。ピストンロッド546rが格納方向へ移動することにより、当該ピストンロッド546rに連結された作動アーム部913が連動し、支持アーム部912が支持フレーム用枢支軸91s回り上昇側へ揺動される。排土板92が収納された状態(支持フレーム91が収納位置に位置した状態)で自動的に又は手動により切換弁547を保持位置とすることにより、下降側油路549d及び上昇側油路549uが閉塞され、排土板92の収納状態が保持される。
【0079】
本実施形態において、前記排土機構90は、前記排土板92の前記排土板用枢支軸92s回り後方側への揺動端を画するストッパ部材94と、前記排土板92を前記排土板枢支軸92s回り後方側へ付勢する姿勢ばね95とを備えている。本実施形態において、前記ストッパ部材94は、前記支持フレーム91の自由端部に設けられる。前記姿勢ばね95は、一端部95aが前記支持フレーム91に連結され且つ他端部95bが前記排土板92に連結される。
【0080】
また、前記排土板92は、前記排土板用枢支軸92s回り揺動自在に支持された軸受部921と、基端部92aが前記姿勢ばね95の前記他端部に連結され且つ前記ストッパ部材94に当接され、先端部92bが接地される排土部922であって、前記先端部92bと基端部92aとの間で前記軸受部921に連結された排土部922とを有している。前記排土部922は、例えば、弾性を有する樹脂製の板材(ゴム板等)から形成される。
本実施形態において、軸受部921は、前記排土板用枢支軸92s回り揺動可能且つ進行方向に対して傾斜可能とすべく少なくとも2方向に揺動可能な連結部材(例えば、ボールジョイント等)が好ましい。
【0081】
そして、前記排土板92は、前記姿勢ばね95によって前記基端部92aが前記ストッパ部材94に当接された状態において、前記支持アーム部912に対して起立姿勢をとる(ここでは、支持アーム部912に対して略直角となる)ように構成されている。
【0082】
この場合、排土板92は、姿勢ばね95の付勢力により排土板用枢支軸92s回りに後方側へ揺動されるが、ストッパ部材94により当該揺動が規制された状態となる。従って、支持フレーム91が排土位置に位置された際に、排土板92の排土姿勢を保持することができる。
また、例えば、支持フレーム91が排土位置に位置された状態で何らかの要因により誤ってコンバイン1が後進した場合等、接地している排土板92が通常とは逆の荷重を受けると、排土姿勢にあった排土板92が姿勢ばね95の付勢力に抗して傾倒する(排土板用枢支軸92s回り前方側へ揺動する)。従って、異常な荷重がかかっても排土機構90を破損から防止することができる。
【0083】
ここで、前記作動アーム部913は、前記昇降用油圧ピストン装置546が下降作動状態の際には前記シリンダ546cから離間する方向へ揺動し、且つ、前記昇降用油圧ピストン装置546が上昇作動状態の際には前記シリンダ546cに近接する方向へ揺動するように構成されている。
また、前記支持アーム部912は、前記作動アーム部913が前記シリンダ546cから離間する方向へ揺動する際に、自由端部が接地面に近接する方向へ揺動し、且つ、前記作動アーム部913が前記シリンダ546cに近接する方向へ揺動する際に、自由端部が接地面から離間する方向へ揺動するように構成されている。
【0084】
さらに本実施形態においては、一端部が前記作動アーム部913に連結され且つ他端部が前記排土部922(先端部92bと軸受部92sとの間)に連結された収納用ワイヤ96を有している。
この場合、前述のように作動アーム部913が前記シリンダ546cから離間する方向(支持フレーム91が排土位置となる方向)へ揺動すると、収納用ワイヤ96のテンションが弱まるため、姿勢ばね95の付勢力により、排土部922が支持アーム部912に対して起立姿勢をとる。一方、作動アーム部913が前記シリンダ546cに近接する方向(支持フレーム91が収納位置となる方向)へ揺動すると、収納用ワイヤ96のテンションにより、姿勢ばね95の付勢力に抗して、排土部922が支持アーム部912に略沿った収納姿勢をとる。
このように、支持フレーム91が収納位置にあるときには(排土を行わないときには)、排土部922を折り畳むことができるため、刈り取り等の作業の邪魔となることを防止することができる。
【0085】
本実施形態において、前記制御装置400は、前記コンバイン1の作業クラッチがONの場合には前記排土切換スイッチ440への人為操作に拘わらず前記支持フレーム91が収納位置に位置するように前記アクチュエータ545を作動制御する。
ここで、前記作業クラッチは、刈取クラッチ(図示せず)、脱穀クラッチ45及びオーガクラッチ機構71を含む。また、作業クラッチのON/OFFは、対応する操作スイッチのON/OFF操作、又は、対応する伝動機構(刈取クラッチ/変速作動装置520、脱穀クラッチ作動装置510及びオーガクラッチ作動装置540)の作動状態を検出するセンサに基づいて、検出される。なお、前記オーガ検出センサ492等により、間接的に検出してもよい。
【0086】
この場合、コンバイン1の作業クラッチがONの場合、すなわち、刈取、脱穀、排出等の作業中には、排土切換スイッチ440の人為操作に関わらず支持フレーム91が収納位置に位置するようにアクチュエータ545が制御される。
従って、路上走行時以外の排土作業が不要な場合に誤って排土機構90を作動させることを防止することができる。
【0087】
また、前記制御装置400は、前記一対の走行装置10の少なくとも一方が後進方向に駆動される場合には前記排土切換スイッチ440の人為操作に拘わらず前記支持フレーム91が収納位置91bに位置するように前記アクチュエータ545を作動制御する。
【0088】
この場合、前記一対の走行装置10の少なくとも一方が後進方向に駆動されると、排土切換スイッチ440の人為操作に関わらず支持フレーム91が収納位置91bに位置するようにアクチュエータ545が制御される。即ち、後進時及びスピンターン時においては排土板92によって排土困難なため、排土切換スイッチ440の人為操作に関わらず支持フレーム91を収納位置91bに位置させる。これにより、排土作業を行わない状況において誤って排土機構90を作動させることを防止することができる。
【0089】
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、本実施形態においては、排土機構90が排土切換スイッチ440の人為操作に基づいて制御装置400により自動制御されるが、手動によって前記支持フレーム91を排土位置91a又は収納位置91bに位置させることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係るコンバインの側面図である。
【図2】図2は、図1に示すコンバインの正面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示すコンバインの伝動模式図である。
【図4】図4は、図1のコンバインに適用される排土機構の配置を示すための底面概略図である。
【図5】図5は、図1の排土機構の拡大図である。
【図6】図6は、図1〜図3に示すコンバインにおける走行系トランスミッションの伝動模式図である。
【図7】図7は、図1〜図3に示すコンバインにおける油圧回路図である。
【図8】図8は、図1〜図3及び図7に示すコンバインにおける作業機系トランスミッションの伝動模式図である。
【符号の説明】
【0091】
1 コンバイン(作業車輌)
2 走行機体
9 エンジン(駆動源)
10 走行装置
90 排土機構
91 支持フレーム
91a 排土位置
91b 収納位置
92 排土板
92s 排土板用枢支軸
94 ストッパ部材
95 姿勢ばね
45 脱穀クラッチ(作業クラッチ)
71 オーガクラッチ機構(作業クラッチ)
400 制御装置
440 排土切換スイッチ
501 チャージポンプ(油圧ポンプ)
503 ドレン油路
545 アクチュエータ
546 昇降用油圧ピストン装置
546c シリンダ
546d 下降側油室
546u 上昇側油室
547 切換弁
548 蓄圧部材(アキュムレータ)
549d 下降側油路
549u 上昇側油路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に支持された駆動源からの動力を左右一対の走行装置に伝達することで走行される作業車輌に適用される排土機構であって、
前記走行機体に上下方向揺動可能に連結された支持フレームと、前記支持フレームの自由端部に設けられた排土板とを備え、
前記支持フレームは、前記排土板を前記一対の走行装置より後方側において接地させる排土位置と、前記排土板を接地面から上方へ離間させる収納位置とをとり得るように構成され、
前記支持フレームが排土位置に位置された際に、前記排土板は車輌幅方向一端側が前方に位置し且つ車輌幅方向他端側が後方に位置するように前記作業車輌の進行方向に対して傾斜された状態で接地されることを特徴とする排土機構。
【請求項2】
前記排出機構はコンバインに適用されるように構成され、
前記支持フレームを排土位置及び収納位置の間で上下方向に揺動させるアクチュエータと、人為操作可能な排土切換スイッチと、前記排土切換スイッチへの人為操作に基づき前記アクチュエータを作動させる制御装置とを備えており、
前記制御装置は、前記コンバインの作業クラッチがONの場合には前記排土切換スイッチへの人為操作に拘わらず前記支持フレームが収納位置に位置するように前記アクチュエータを作動制御することを特徴とする請求項1に記載の排土機構。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記駆動源によって作動的に駆動される油圧ポンプからの圧油を油圧源とする昇降用油圧ピストン装置と、前記昇降用油圧ピストン装置におけるシリンダの下降側油室及び上昇側油室にそれぞれ流体接続された下降側油路及び上昇側油路を含む給排回路と、前記制御装置によって作動制御される切換弁であって、前記油圧ポンプを前記下降側油路に流体接続させ且つ前記上昇側油路をドレン油路に流体接続させる下降位置、前記油圧ポンプを前記上昇側油路に流体接続させ且つ前記下降側油路をドレン油路に流体接続させる上昇位置、及び、前記下降側油路及び前記上昇側油路を閉塞する保持位置をとり得る切換弁とを含み、
前記下降側油路には蓄圧部材が介挿されていることを特徴とする請求項2に記載の排土機構。
【請求項4】
前記制御装置は、前記一対の走行装置の少なくとも一方が後進方向に駆動される場合には前記排土切換スイッチへの人為操作に拘わらず前記支持フレームが収納位置に位置するように前記アクチュエータを作動制御することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の排土機構。
【請求項5】
前記排土板は、前記左右一対の走行装置の車輌幅方向外端部間の距離と略同一長さを有し、
前記支持フレームは、少なくとも一方が伸縮可能とされた一対の第1及び第2支持フレームを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の排土機構。
【請求項6】
前記排土板は前記支持フレームの自由端部に車輌幅方向に沿った排土板用枢支軸回り揺動可能に連結されており、
前記排土機構は、さらに、前記排土板の前記排土板用枢支軸回り後方側への揺動端を画するストッパ部材と、前記排土板を前記排土板枢支軸回り後方側へ付勢する姿勢ばねとを備えていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の排土機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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