説明

排尿記録装置

【技術課題】病院や介護施設等において、多数の患者が共有できる排尿記録装置を提供する。
【解決手段】複数の患者が排出した尿の量及び患者の生理情報及び症状等を集中的に管理する排尿情報管理システムの端末機である排尿記録装置において、この排尿記録装置1には、指定された排尿用容器21に排尿した排尿量を計測する計量部(電子天秤)2と、患者の生理情報を入力する生理情報、前記排尿量計量手段により得た計量データ、計量時刻及び患者の生理情報が入力された時刻を記録するための記録手段6、前記記録手段6に記録されている患者情報を集中管理装置20に伝達するための情報出力手段が具えられていて、この排尿記録装置1から複数の患者の情報を集中管理装置20に例えば無線で送出する。医師は、この集中管理装置20から患者のデータを自己のコンピュータにとり込んで診断等を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院、介護施設、老人ホーム等であって、多数の泌尿器患者が共用することができるようにするために具えられていて、多くの患者(看護者を含む)が排出した個々の尿の量や生理情報を集中的に管理する排尿情報管理システムにおいて、患者の排尿や生理情報を記録するとともに、その情報を例えば病院内の集中管理装置へ伝達することが可能な排尿記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院及び老人介護施設、あるいは老人ホーム等には、泌尿器障害を持つ患者及び利用者(以下「患者」と称する)が多く入院又は入所している。
泌尿器障害の診断と治療を行う場合には、患者の排尿の状態、つまり、排尿の回数、時刻、排尿の量、尿意の状態などを正確に医師が把握することが重要であり、その排尿状態に関するデータを医師が分析することにより適正な診断と治療が可能となる。
そのため、現在、入院及び老人介護施設等における患者に対しては、図9に示す排尿記録用紙を渡し、患者は、毎日、排尿記録をこの用紙に記入し、医師は、この排尿記録を見て病状の診断あるいは治療に役立て、更に、この用紙の記載内容をその都度管理コンピュータに入力して記録・保存等している。
【0003】
しかし、前記した排尿記録用紙への記入は、個人差もあって記入忘れや誤記する例も多く、診断や治療を誤る要因になることがある。特に、高齢患者の場合は、正確な記入が困難な人が多い。
このようなことから、患者にかかる負担を軽減し、正確な排尿情報の入手手段が求められている。
【0004】
現在、排尿量測定装置及び排尿量管理システムについては、特開2002−238879号に掲載されている装置やシステムが公知である。
その構成は、患者が排出する尿を収容袋等の収容手段にそれぞれ収容し、そして患者の尿量を測定して管理するためのシステムで、収容手段の重量を計測可能な重量計測手段を有する重量測定装置と、前記重量測定装置の重量測定手段によって測定された重量に基づいた患者の尿量を記憶するコンピュータとを備えていることを特徴とするものである。
【0005】
しかし、この公知例の場合、排尿量のみを計測していて、排尿にいたった経過が不明であるため、治療方法を検討するときに、的確な判断が行われないことが考えられる。
また、患者自身が当日の排尿回数などを確認するとき、回数が表示されないため不便である。また、多数の患者が入院あるいは入所している施設の場合、患者が個人個人で排尿記録をつけたりするのには負担が多く、特に高齢者の場合あるいは身体に障害を持つ患者の場合には人の手を借りなければ記録することができない場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、多くの患者が、自らの手で簡単かつ正確に排尿や生理状態を記録でき、その記録を排尿情報管理システムの集中管理装置へ伝達することにより、排尿情報を医師側においていちいちコンピュータに手入力する手間を省くことができ、また、その情報を医師が診断・治療に供することができる排尿記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目標を達成するために、請求項1に記載の発明においては、排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置において、複数の患者が排出した尿の量及び患者の生理情報及び症状等を個別に、集中的に管理する排尿情報管理システムの端末機である排尿記録装置において、この排尿記録装置には、指定された排尿用容器に排尿した排尿量を計測する排尿量計量手段と、患者の識別子及び生理情報を入力する患者情報入力手段と、前記排尿量計量手段により得た計量データと計量時刻及び患者情報を記録する情報記録手段と、前記情報記録手段に記録されている患者情報を集中管理装置に伝達するための情報出力手段と、を具えさせたことを特徴とするものである。
【0008】
排尿情報は、基本的な排尿量情報と共に、患者の症状や病気に併せて特化した情報を含む。時刻を記録する時計手段等には、電波時計を含む。
時間と共に、排尿情報が記録され、そして、集中管理装置へ伝達される。医師は集中管理装置から医師のコンピュータへ接続することにより識別番号等を用いて患者個々の1日の排尿回数やそのときの生理状態が時刻をおって把握できる。その結果、患者の健康状態をくわしく知ることでき、その結果、的確な治療ができる。
また、老人介護施設においては常時医師が滞在していない場合が多い。したがって、医療処置に遅れを発生する場合があるが、排尿管理を通して患者の健康状態を把握できる。例えば集中管理装置に通常と異なる異常値が発生した場合、集中管理装置は介護師センターへ警告を発生することにより迅速な対応ができる。
【0009】
更に、請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の排尿記録装置において、前記排尿記録装置には、患者が入力するときの手助けとなる入力支援手段が具えられていることを特徴とするものである。
【0010】
更に、請求項3に記載の発明においては、請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の排尿記録装置において、前記患者情報には、患者の識別子及び属性を含み、排尿記録装置には、入力された患者の属性に基づいて前記患者情報入力手段あるいは入力支援手段から出力される入力ガイドを変更することを特徴とするものである。
この発明により、患者の入力がしやすくなる。
【0011】
更に、請求項4に記載の発明においては、請求項1に記載の排尿記録装置において、前記排尿記録装置には、情報入力キー又はタッチパネル又は音声入力手段が具えられていることを特徴とするものである。
【0012】
更に、請求項5に記載の発明においては、請求項2に記載の排尿記録装置において、前記入力支援手段には、入力キー又はタッチパネルを操作手順に従って発光する発光ガイド回路が具えられていることを特徴とするものである。
【0013】
更に、請求項6に記載の発明においては、請求項2に記載の排尿記録装置において、前記入力支援手段には、入力キー又はタッチパネルを操作手順に従って操作するためのガイド音声発生回路が具えられていることを特徴とするものである。
【0014】
更に、請求項7に記載の発明においては、請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置において、前記識別子には、ID番号やパスワードを含み、患者の個人情報には、患者の身体上の障害等の属性を含むことを特徴とするものである。
【0015】
多くの患者が排尿記録装置を利用するため、その識別化が必要である。そのため、予め患者ごとにID番号やパスワードを付与しておく。そして、患者が排尿記録装置へID番号やパスワードを入力し次に排尿に関するデータを入力することにより識別化が可能になる。
集中管理装置では、ID番号やパスワードに基づいて排尿情報データの表示を可能にしている。
【0016】
更に、請求項8に記載の発明においては、請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置において、前記患者の情報入力手段として、磁気カード又はICカードが用いられることを特徴とするものである。
【0017】
病院等から患者へ予め識別データを記録させた磁気カードやICカードを患者ごとに渡し、患者は排尿記録装置へ磁気カードやICカードをセットするのみで識別化が可能である。
【0018】
更に、請求項9に記載の発明においては、請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置において、前記識別子として、患者の指あるいは手を排尿記録装置の識別センサーへ接触させて患者を特定する患者識別手段が具えられていることを特徴とするものである。
【0019】
患者は指の指紋や手の平の掌紋を病院側へ登録しておく。そして、排尿記録装置を利用する時、排尿記録装置の識別センサーに指や手の平を当てることにより容易に識別を行える。
【0020】
更に、請求項10に記載の発明においては、請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置において、患者固有のバーコードラベルやQRコードラベル等のコードラベルを計量用容器に貼り付け、排尿記録装置に設けられた読み取り装置によりコードを読み取り、自動的に尿を持ち込んだ患者を識別し、これを記録手段に入力して患者ごとの情報を記録することを特徴とするものである。
【0021】
病院側から患者識別用のバーコードラベルやQRコードラベルを患者へ配布しておく。患者は配布されたバーコードラベルやQRコードラベルを排尿用容器の底に貼り付けた後、計量部に置くと、計量部に設置されたバーコードリーダーが記録内容を読み込むことにより識別が可能である。
当然、患者へバーコードが印刷された患者個人専用の排尿用容器を配布しても同様に行うことができる。
【0022】
更に、請求項11に記載の発明においては、請求項1に記載の排尿記録装置において、電子天秤の受け台には、透明な容器を挟んで発光素子と受光素子が配置されていて、発光素子から発光された光量を受光素子で受光し、この受光した光量から排尿中に含まれている各種成分を検出し、これを記録手段に記録することを特徴とするものである。
この発明によると、排尿を容れた容器を受け台におくだけで、患者では知り得ない排尿中の各種データを自動的に取得し、記録できる。
【0023】
更に、請求項12に記載の発明においては、請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置において、前記排尿記録装置には、記録された情報を送出する送出手段を具え、集中管理装置には、前記送出手段から送信された情報を受信する受信手段を具えることにより、複数の排尿記録装置を集中的に管理することを可能にしたことを特徴とするものである。
【0024】
更に、請求項13に記載の発明においては、請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置において、前記排尿記録装置と前記集中管理装置との排尿データ送信手段に無線送信を用い、複数の排尿記録装置を集中的に管理することを可能としたことを特徴とするものである。
病院等の場合には、排尿記録装置と集中管理装置とは、有線で排尿データを伝達することが可能であるが、そのためには配線が必要であり、煩雑な工事を行わなければならないので設置には時間と経費を要する。しかし、伝達手段を無線送信にすることにより、配線の工事を必要とせず容易に設置できる。特に、病院以外からの送信の場合にはこの無線方式は有用である。なお、無線には、インターネット回線、携帯電話回線を含む。
【0025】
[作用]
本発明の排尿記録装置は、患者の排尿から泌尿障害と健康状態を監視するために用いる排尿情報管理システムの端末機である。病院等でトイレに置き、患者が簡単な操作で排尿量を記録することができると共に、その時の生理状態(例えば、急に尿意をもようした、我慢できないくらいであった、等)も同時に記録できる。
医師は識別機能(識別子)により院内又は他の施設の患者のデータを院内の集中管理装置から取り込み、そして診断または薬の効果の確認などにそのデータを効果的に用いることができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1〜請求項13に記載された発明の効果は次の通りである。
1.排尿情報管理システムを構成する排尿記録装置は、計量部と患者の生理状態を入力 する入力部とが一体になっているため、排尿に関するデータ入力を簡単、かつ正確に 行うことができる。さらに、医師は、患者の情報を手入力から開放されると共に、医 師のコンピュータにデータが容易にとり込まれる。これを見て、即時に患者の状態を 把握することが可能となる。
2.排尿記録装置には識別手段を備えているので、1台で多数の患者が使用することが でき、また、複数の排尿記録装置を接続することによりナースセンターや医局に設置 した集中管理装置で管理が可能になる。
3.排尿記録装置には、予め生理状態を設定したキー等を備えたことにより、患者は適 応するキー等を操作するだけで排尿に関するデータを携帯情報端末に簡単に入力する ことができる。
4.排尿時刻とともに、排尿量を自動的に排尿記録装置に記録することができるので、 採尿及びこの入力に手間がかからず、排尿量をデータとしてとり込むことにより、精 度の高い診断を行うことができる。
5.高齢者や身体の不自由な人のために入力手段に工夫がなされていると共に、入力の 手順をガイドする支援機能が具えられているため、患者には大変便利であり、入力ミ ス防止を図ることができる。
【実施例1】
【0027】
次に、本発明に係る実施例を各図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
図1は、排尿記録装置の説明図、図2は入力キーの説明図、図3は排尿記録装置の電気回路ブロック図、図4は排尿記録装置を用いた排尿情報管理システムの概念図である。
排尿記録装置1は計量部2と情報入力部3(外部との入出力部も含む)とが一体になった装置である。
【0028】
更に詳細に説明する。図1において、計量部2は排尿量を計測する計量手段であり、ここでは公知の電子天秤の機能とまったく同一である。
情報入力部3について説明する。情報入力部3は、患者の生理状態を入力する入力パネル4(入力手段)と各データを記録する記録手段6(図3参照)とからなる本体ブロック5と、識別手段としてID番号を入力するテンキーブロック7とから成る。
図2に基づいて入力パネル4におけるキーの使用方法について説明する。
【0029】
例えば、次の様にキーを押すことにより、排尿の状況や時刻が記録手段へ記録される。
・「0」キー ‥‥尿がたまった感じがしないのに排尿した場合、つまり、外出する前 、食事のあと、通常の生活サイクル的(休憩時間など)行動、など が該当する。
・「1」キー ‥‥尿がたまった感じがし始めたが、後1時間以上我慢できた場合。 ・「2」キー ‥‥排尿したくなったが、後30分我慢ができた場合。
・「3」キー ‥‥すごく排尿したくなった。15分以上我慢ができた場合。
「0」キー、「1」キー、「2」キー、「3」キーから選んで押した後、「トイレ」キーをおす。以上のキーの選択により、排尿する前の状態が年月日と共に記録手段 に記録される。
これらの入力キーは、排尿状況を知る上で最小限のものであり、更に、病状に応じて特化された入力キーを具える場合もある。
例えば、尿の色を入力するキーとか、排尿時の痛みを入力するキー等である。
・「計量」キー ‥‥排尿用容器を計量部に載せた後「計量」キーを押すと計量を始
め、そのデータが記録手段へ送られる。
・「表示切換」キー ‥‥表示画面を切り替えるときに押す。
例えば、「ノーマル(押したキーを表示)」→「排尿量」→「1日の排尿回数」→「前 回排尿した時刻」→戻る
と、表示が切り替わる。
なお、識別確認終了後医局からのメッセージを表示することも可能である。
また、図2において、29は計量中を示すランプで、「計量」キーを押すと点灯し、計量を完了すると消灯する。
【0030】
本実施例では、識別手段としてID番号を用いている。したがって、テンキーブロック7によりID番号を入力し、記憶手段6へ送られ排尿データの識別化を図る。
図3は排尿記録装置1の電気回路を示すブロック図であって、10は入力部(入力手段)、11は表示部、12は計量部(計量手段:電子天秤)である。また、記録手段6(演算部)において、13は記録手段6を構成する発信部、14は電波時計、15は処理部、16は電源部、17は集中管理装置との接続が何らかの事情で通信不可能になった場合一次的に記録する記録部である。さらに18は集中管理装置と結ぶ入出力部、19は識別部である。
なお、図3の電気回路には、後述する入力支援手段(回路)及び音声発生回路が組み込まれることもある。
【0031】
図4は複数の排尿記録装置1が有線で集中管理装置20と接続されている様子を示している。
次に、上記した排尿記録装置1の使用例を説明する。
先ず、排尿用容器21に排尿後、排尿記録装置1における計量部2の受け皿2aへ排尿用容器21を置く。次に患者のID番号をテンキーブロック7により入力する。
次に、通常の生活習慣による自分で決めた定期的な排尿の時は、「0」キーを押し排尿を行った時「トイレ」キーを押す。
また、尿意を感じたが直ぐトイレに行かなくても30分ぐらい持ちそうだったという場合は、「2」キーを押し、そして「トイレ」キーを押す。
また、かなり切迫した状態であった場合は「3」キーを押してから「トイレ」キーを押す。
【0032】
この様に、各キーを押す順序の組合せにより、排尿の状態及び時刻等を携帯情報端末の記録部17に記憶することができる。
「トイレ」キーを押すことにより、「計量中」のランプ29が点灯すると共に計量部2が排尿量を計測し、計測が終了すると「計量中」のランプ29が消灯する。排尿量のデータは記録手段6へ入力しそして生理状態のデータと共に集中管理装置20へ入出力部を経由して送信される。
この様に記録された集中管理装置20内の情報を医師のコンピュータにデータとしてとり込む時は、患者のID番号を入力することにより容易に取り出すことができる。この点、従来は、患者が記入した図9に示す排尿記録用紙の記録を医師が読みとりながらコンピュータに手入力していたため、多くの時間を要していたが、本発明の排尿記録装置1を用いる事により短時間でデータを入手できた。
【0033】
コンピュータ30によるデータの表示の例を表1に示す。
医師は、表1のデータをコンピュータの画面又はハードコピーで確認することにより、患者の排尿の間隔、量、排尿する時の体調、など排尿状態等も知ることができる。
さらに、薬の投与による影響、薬の種類による傾向、年齢による傾向、などを把握でき、治療方法を検討する場合の参考資料として活用できる。
なお、排尿記録装置1における各キーの設定、キーを押す手順などについては、本実施例にとらわれることなく、目的により自由に設定することができる。
さらに、他の生理情報や環境情報などを入力するキーを追加しても良い。
また、排尿記録装置1においては、時計機能として、内部の発振部を用いているが、さらに正確さを求める場合は、電波時計14を組み込むことにより時間のズレもなく記録することができる。
【0034】
上記実施例1は、患者自身が各種の情報をテンキーブロックを用いて入力する場合であるが、患者によっては、身体上の障害等により適切に入力できないことも考えられる。特に介護施設等においては、目が行きとどかないことがある。そこで、この入力を例えばテンキーブロック7において、操作する順序に従って照明(明り)でガイドしたり、音声でガイドしたりする入力支援手段を組み込むと、入力に間違いがなくなり、患者にとって便利なばかりでなく、誤診等を防ぐことにもなる(請求項2、3、5、6)。
この音声ガイドは、図1において、音声出力部30で行う。
また、患者の場合、指先が不自由な人、目が不自由な人等が居る場合もあり、このような患者の情報はID等と共にカードに入力されており、このカードを後述する図5においてカード入力部23に差し込むと、前記患者の個人情報に基づいて、前記ガイドの仕方が変わる。例えば、目の不自由な人には音声でガイドを行ったり、テンキーの形状を変えたり、点字を添えたり、一つのテンキーを押す回数で入力する情報が変わるようにする。
同様に、指先の不自由な人について形状の大きなキーを用意したりする。
なお、テンキーブロック7は、タッチパネル式としても良い。また、入力パネル4の各キーは、テンキーブロック7で代用しても良い。
【表1】

【実施例2】
【0035】
次に、請求項8に係る発明の実施例を図5を基に説明する。
実施例1では、識別方法としてID番号を用いていたが実施例2では、磁気カードを用いて患者の識別を行うようにした。
患者は、事前に病院側から識別情報が入力された磁気カードを渡される。最近の診察券は磁気記録機能を備えているので診察券を応用してもよい。
排尿記録装置1には、磁気カード読み取り装置22が具備されており、その差込口23に磁気カードを差し込んで識別情報を入力させる。後は実施例1と同様に行う。
磁気カードの他にICカードを用いてもよい。
【実施例3】
【0036】
次に、請求項9に係る発明の実施例を図6を基に説明する。
実施例3では、識別手段として生体認証を用いる識別を行った。本実施例では生体認証法として指紋によるものである。
患者は、事前に指紋を病院へ登録しておくだけでよい。
排尿記録装置1には、指紋を判別する指紋センサー24が具備されている。患者は指先を指紋センサー24に押し当てることにより表示部へ患者の氏名が表示され識別機能が正常に機能していることを確認できる。後は実施例1と同様に行う。
指紋以外にも手の平を押し当てて行うセンサーもあり、本排尿記録装置1に用いることができる。
【実施例4】
【0037】
次に、請求項10に係る発明の実施例を図7を基に説明する。
実施例4では、識別手段をバーコードラベルによる識別を行った。
患者は予め識別用のバーコードが印刷されたバーコードラベル25を受け取っておく。そのバーコードラベル25を図7(a)に示す様に排尿用容器21の底面に貼り付ける。そして、排尿時には先の排尿用容器21に排尿を収納したのち、図7(b)に示す様に計量部2の受け皿2aに置く。受け皿2aには、バーコードリーダー26が具備されているので、「計量」キーを押すと先にバーコードを読み込んでから排尿量を計量する。
なお、排尿用容器21に直接患者のバーコードが印刷されていてもよい。
また、3次元バーコードと呼ばれているQRコードを用いると更に多くの患者情報が排尿記録装置1へ送ることができる。
【実施例5】
【0038】
次に、請求項11に係る発明の実施例を図1を基に説明する。この実施例は計量部2のところにおいて、容器21を透明体となし、この容器21を挟んで発光素子27と受光素子28を配し、この受光量から、例えば血尿等を検出し、これを記録するようにしたものである。
なお、上記した実施例5にはないが、排尿に要した時間をタイマー等を利用して計測し、この排尿時間を手動又は自動で排尿記録装置1に記録できるようにしても良い。
【実施例6】
【0039】
次に、請求項13に係る発明の実施例を図8を基に説明する。
実施例1では排尿記録装置1の出力手段として有線により接続し相互にデータを交信していたが、本実施例では無線を用いて集中管理装置20と交信することにした。
配線のわずらわしさが無く容易に排尿記録装置1を設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】排尿記録装置の説明図。
【図2】入力パネルの説明図。
【図3】記録手段のブロック図
【図4】排尿記録装置と集中管理装置間の情報伝達手段の説明図
【図5】排尿記録装置にカードデータの読み取り手段を設けた例の説明図
【図6】排尿記録装置に指紋センサを設けた例の説明図。
【図7】バーコードで患者を識別する例の説明図
【図8】排尿記録装置と集中管理装置間を無線で結ぶ例の説明図
【図9】従来の排尿記録記入用紙と記入例の説明図
【符号の説明】
【0041】
1 排尿記録装置
2 電子天秤
3 入力パネル
6 記録手段
7 テンキーブロック
20 集中管理装置
21 容器
22 読み取り装置
23 カード差込口
24 指紋センサー
25 バーコードラベル
26 バーコードリーダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者が排出した尿の量及び患者の生理情報及び症状等を個別に、集中的に管理する排尿情報管理システムの端末機である排尿記録装置において、この排尿記録装置には、指定された排尿用容器に排尿した排尿量を計測する排尿量計量手段と、患者の識別子及び生理情報を入力する患者情報入力手段と、前記排尿量計量手段により得た計量データと計量時刻及び患者情報を記録する情報記録手段と、前記情報記録手段に記録されている患者情報を集中管理装置に伝達するための情報出力手段と、を具えさせたことを特徴とする排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置。
【請求項2】
前記排尿記録装置には、患者が入力するときの手助けとなる入力支援手段が具えられていることを特徴とする請求項1に記載の排尿記録装置。
【請求項3】
前記患者情報には、患者の識別子及び属性を含み、排尿記録装置には、入力された患者の属性に基づいて前記患者情報入力手段あるいは入力支援手段から出力される入力ガイドを変更することを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の排尿記録装置。
【請求項4】
前記排尿記録装置には、情報入力キー又はタッチパネル又は音声入力手段が具えられていることを特徴とする請求項1に記載の排尿記録装置。
【請求項5】
前記入力支援手段には、入力キー又はタッチパネルを操作手順に従って発光する発光ガイド回路が具えられていることを特徴とする請求項2に記載の排尿記録装置。
【請求項6】
前記入力支援手段には、入力キー又はタッチパネルを操作手順に従って操作するためのガイド音声発生回路が具えられていることを特徴とする請求項2に記載の排尿記録装置。
【請求項7】
前記識別子には、ID番号やパスワードを含み、患者の個人情報には、患者の身体上の障害等の属性を含むことを特徴とする請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置。
【請求項8】
前記患者の情報入力手段として、磁気カード又はICカードが用いられることを特徴とする請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置。
【請求項9】
前記識別子として、患者の指あるいは手を排尿記録装置の識別センサーへ接触させて患者を特定する患者識別手段が具えられていることを特徴とする請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置。
【請求項10】
患者固有のバーコードラベルやQRコードラベル等のコードラベルを計量用容器に貼り付け、排尿記録装置に設けられた読み取り装置によりコードを読み取り、自動的に尿を持ち込んだ患者を識別し、これを記録手段に入力して患者ごとの情報を記録することを特徴とする請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置。
【請求項11】
電子天秤の受け台には、透明な容器を挟んで発光素子と受光素子が配置されていて、発光素子から発光された光量を受光素子で受光し、この受光した光量から排尿中に含まれている各種成分を検出し、これを記録手段に記録することを特徴とする請求項1に記載の排尿記録装置。
【請求項12】
前記排尿記録装置には、記録された情報を送出する送出手段を具え、集中管理装置には、前記送出手段から送信された情報を受信する受信手段を具えることにより、複数の排尿記録装置を集中的に管理することを可能にした請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置。
【請求項13】
前記排尿記録装置と前記集中管理装置との排尿データ送信手段に無線送信を用い、複数の排尿記録装置を集中的に管理することを可能とした請求項1記載の排尿情報管理システムに用いる排尿記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−97794(P2007−97794A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−290636(P2005−290636)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(591061769)ムネカタ株式会社 (40)
【Fターム(参考)】