説明

排気マニホールド及び排気マニホールドの製造方法

【課題】気筒毎のブランチパイプにおける上流側端部を溶接を用いないで好適に固定でき、上流側端部の取り付け部分からの排気漏れを防止できる排気マニホールドを提供する。
【解決手段】各ブランチパイプ3の上流側端部には、ヘッドフランジ2の開口11の内径よりも大きいフランジ部17が屈曲形成され、ヘッドフランジ2には、ボルト挿通孔14を有する取付部13が複数設けられる。そして、取付部13のボルト挿通孔14にボルト6を挿通させてヘッドフランジ2をガスケット7を介してエンジン5に固定する際、ブランチパイプ3のフランジ部17がヘッドフランジ2とガスケット7とで挟持され、ブランチパイプ3が固定される。この場合、各取付部13がヘッドフランジ2におけるエンジン5側の対向面2bからブランチパイプ3のフランジ部17の厚さDと同等の突出高さHに設定されるので、フランジ部17のガスケット7に対する面圧が十分に確保される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気筒毎のブランチパイプの上流側端部を好適に固定可能な構造を有する排気マニホールド及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンの排気系において、例えば4気筒エンジンである場合、各気筒に対応する4つのブランチパイプを1つにまとめる排気マニホールドが備えられている。排気マニホールドは、ヘッドフランジ、4つのブランチパイプ、及び、集合部を備えている。ヘッドフランジには、各気筒の排気ポートに対応する4つの開口が設けられている。各ブランチパイプは、その下流側端部が集合部に固定され、上流側端部がヘッドフランジの各開口部分に固定される。従来、このヘッドフランジと各ブランチパイプの上流側端部とは溶接により接合されていた(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしながら、溶接する作業は大変煩雑な作業であるため、ヘッドフランジに各ブランチパイプを取り付ける作業に手間がかかり、製造コストが高くなっていた。また、溶接を用いない固定構造とした場合、この各ブランチパイプの上流側端部の取り付け部分から排気ガスが漏れ出ることを防止することが要求される。
【特許文献1】実開平2−19545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、気筒毎のブランチパイプにおける上流側端部を溶接を用いないで好適に固定でき、該上流側端部の取り付け部分からの排気漏れを防止することができる排気マニホールド及びその製造方法を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、多気筒内燃機関の各気筒の排気ポートに対応する開口を有し、該内燃機関に対しガスケットを介在して固定されるヘッドフランジと、前記ヘッドフランジの各開口部分に対して上流側端部がそれぞれ装着されるブランチパイプとを備え、前記各ブランチパイプの下流側を集合させて構成される排気マニホールドであって、
前記各ブランチパイプの上流側端部には、前記ヘッドフランジの開口の内径よりも大きくなるように径方向外側に屈曲され、前記ヘッドフランジを内燃機関に固定する際、該ヘッドフランジと前記ガスケットとで挟持されるフランジ部が形成されると共に、
前記ヘッドフランジには、内燃機関に締め付け固定する締付部材を挿通するための挿通孔を有する取付部が複数設けられ、各取付部は、該ヘッドフランジにおける内燃機関側の対向面から前記ブランチパイプのフランジ部の厚さと同等、若しくは該フランジ部の厚さより小さい高さで突出していることを特徴とする排気マニホールド。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、各ブランチパイプの上流側端部には、ヘッドフランジの開口の内径よりも大きくなるように径方向外側にフランジ部が屈曲形成される。これに対し、ヘッドフランジには、内燃機関に締め付け固定する締付部材を挿通するための挿通孔を有する取付部が複数設けられる。そして、取付部の挿通孔に締付部材を挿通させてヘッドフランジをガスケットを介して内燃機関に固定する際、ブランチパイプのフランジ部がヘッドフランジとガスケットとで挟持され、該ブランチパイプが固定される。この場合、各取付部がヘッドフランジにおける内燃機関側の対向面からブランチパイプのフランジ部の厚さと同等、若しくは該フランジ部の厚さより小さい高さで突出するように設けられるので、フランジ部のガスケットに対する面圧が十分に確保される。因みに、取付部の突出高さとフランジ部の厚さとが同等であれば、フランジ部の全周に亘って均一な面圧が得られ、取付部の突出高さがフランジ部の厚さよりも小さければ、フランジ部がガスケットに加圧した状態となるため、フランジ部のガスケットに対する面圧がより十分に確保される。これにより、この固定構造を用いることで、ブランチパイプの上流側端部が溶接を用いないで好適に固定され、該上流側端部の取り付け部分からの排気漏れが防止される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記各取付部は、少なくとも2つの取付部間に前記開口が位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気マニホールド。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、その周縁にてブランチパイプのフランジ部を挟持する開口を少なくとも2つの取付部間に位置するように各取付部が設けられているので、取付部において締め付け固定を行うと、フランジ部の全体にバランス良く締め付け力(挟持力)が作用する。これにより、ブランチパイプの固定がより確実に行われる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記ヘッドフランジの前記開口周縁には、前記ブランチパイプにフランジ部を形成した際に該ブランチパイプの外周面と該フランジ部との間に形成されるR部を収容するための凹設部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気マニホールド。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、ヘッドフランジの開口周縁に形成した凹設部内に、ブランチパイプの外周面とフランジ部との間に形成されるR部が収容されるので、このR部が開口周縁に干渉することが防止される。これにより、ヘッドフランジの内燃機関側の対向面からフランジ部が浮き上がることが防止され、内燃機関に対してヘッドフランジが安定して固定される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記取付部は、前記ヘッドフランジに一体形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気マニホールド。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、取付部はヘッドフランジに一体形成されるので、取付部を別途用意する必要がなく、部品点数が増加しない。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記ヘッドフランジは、プレス加工により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の排気マニホールド。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、ヘッドフランジはプレス加工により容易に形成される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の排気マニホールドの製造方法であって、
前記各ブランチパイプの上流側端部に前記フランジ部を屈曲形成する工程と、
前記ヘッドフランジに設けた前記各開口に前記各ブランチパイプを反フランジ部側から挿入する工程と、
前記各ブランチパイプを前記ヘッドフランジに挿入した後に、該ブランチパイプの下流側端部を集合させる集合部を組み立てる工程と
を備えたことを特徴とする排気マニホールドの製造方法。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、各ブランチパイプの上流側端部にフランジ部が屈曲形成され、次いでヘッドフランジに設けた各開口に各ブランチパイプが反フランジ部側から挿入され、その挿入後、ブランチパイプの下流側端部を集合させる集合部が組み立てられて、排気マニホールドが製造される。つまり、ブランチパイプのフランジ部をヘッドフランジに装着する前に屈曲形成することから、フランジ部をヘッドフランジに装着後に屈曲形成する場合と比べて、フランジ部が容易に形成される。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、気筒毎のブランチパイプにおける上流側端部を溶接を用いないで好適に固定でき、該上流側端部の取り付け部分からの排気漏れを防止することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、ブランチパイプの固定をより確実に行うことができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、ヘッドフランジを安定して固定することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、部品点数の増加を防止することができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、ヘッドフランジを容易に形成することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、フランジ部を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、4気筒エンジンに適用される排気マニホールドである。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態の排気マニホールド1は、ヘッドフランジ2、4つのブランチパイプ3及び集合部4を備えている。
【0025】
ヘッドフランジ2は、図1及び図4に示すように横長板状をなしており、各気筒の排気ポートに対応する4つの開口11を有している。各開口11は、それぞれ円形状をなしており、ヘッドフランジ2の短手方向の略中央部でかつ長手方向に沿って等間隔に設けられている。各開口11には、各ブランチパイプ3が挿入され、該パイプ3の上流側端部が装着される。また、図3及び図4に示すように、各開口11のエンジン5側の周縁には、該エンジン5側に向かうほど拡径するテーパ部12が環状に形成されている。
【0026】
ヘッドフランジ2には、エンジン5に対してボルト6により取り付けるための5つの取付部13が形成されている。各取付部13は、円形状にエンジン5側に突出させてなり、中央部にボルト6を挿通するための円形状のボルト挿通孔14が形成されている。また、各取付部13は、各開口11が配置される直線を挟んで千鳥状に配置され、各取付部13間に各開口11が位置するように設けられている。また、ヘッドフランジ2の反エンジン側の面2aの外周部には、補強リブ15が全周に形成されている。
【0027】
また、ヘッドフランジ2のエンジン5側の対向面2bは各取付部13以外が平坦面であり、その平坦面からの取付部13の突出高さHがブランチパイプ3の上流側端部に設けられるフランジ部17の厚さDと同等に設定されている。つまり、取付部13の上面とフランジ部17の上面とがほぼ同一平面となるようにしている。取付部13の上面は、コイニングにより平坦とされる。
【0028】
このような構成のヘッドフランジ2は、鉄製板材にプレス加工を施して形成される。具体的には、ヘッドフランジ2には、先ず補強リブ15がプレス加工により形成されると同時に、各取付部13もコイニング(プレス加工)によりエンジン5側に突出形成され、該取付部13の上面が平坦化される。次いで、ヘッドフランジ2に各開口11がプレス加工により形成されると同時に、各取付部13にボルト挿通孔14が形成される。そして、各開口11の周縁にテーパ部12がプレス加工により形成され、ヘッドフランジ2が完成する。
【0029】
ブランチパイプ3は、ステンレス製の円筒パイプを所定形状に屈曲(各気筒の排気ポートから集合部4までの管長がそれぞれ同等となるように屈曲)して形成されている。ブランチパイプ3の上流側端部は内径を若干拡大させた拡径部16を有しており、この拡径部16の外径は前記ヘッドフランジ2の開口11の内径とほぼ同等に設定されている。ブランチパイプ3(拡径部16)の上流側端部には、径方向外側に直角に屈曲された環状のフランジ部17が形成されている。つまり、フランジ部17は、その外径が前記ヘッドフランジ2の開口11の内径よりも大きい。
【0030】
そして、各ブランチパイプ3は、前記ヘッドフランジ2のエンジン側から、対応する開口11にそれぞれ挿入され、該パイプ3のフランジ部17がヘッドフランジ2の開口11の周縁部に当接するまで挿入される。この場合、フランジ部17を形成した際、拡径部16の外周面とフランジ部17との間に形成されるR部(曲面部)18が若干径方向外側に突出するが、このR部18が開口11の周縁に設けたテーパ部12内に収容されるようになっている。換言すれば、R部18は、環状のテーパ部12に対向するように拡径部16の外周面とフランジ部17とが交わる部分に環状に形成されており、前記テーパ部12は、このR部18を十分に収容可能な寸法に設定されている。これにより、このR部18が開口11の周縁に干渉することで発生するフランジ部17のエンジン5側の対向面2bからの浮き上がりが防止されている。なお、図3及び図4に示すように、ヘッドフランジ2の開口11にブランチパイプ3が装着された状態では、そのフランジ部17が開口11の周縁部に接触すると共に、ヘッドフランジ2の対向面2bから厚さD分だけ突出している。
【0031】
集合部4は、ステンレスにて形成されており、図1に示すように円筒状の排気通路19を有している。集合部4の外側面には、排気ガス浄化のための触媒(図示略)と連結するための取付片20が形成されている。集合部4には、前記ヘッドフランジ2に装着された各ブランチパイプ3の下流側端部が溶接により接合され、該パイプ3と排気通路19とを連通させる。集合部4は、各気筒からのびる排気通路を1つの排気通路に集合させている。
【0032】
そして、このように組み立てられた排気マニホールド1は、図3に示すように、ヘッドフランジ2がガスケット7を挟んでエンジン5にボルト6を用いて締め付け固定される。この場合、各ブランチパイプ3のフランジ部17がヘッドフランジ2とガスケット7とに挟持され固定される。またこの場合、ヘッドフランジ2の取付部13の上面とブランチパイプ3のフランジ部17の上面とがほぼ同一平面としていることから、該フランジ部17の上面のガスケット7に対する面圧が十分かつ全周に亘って均一に確保される。これにより、フランジ部17とガスケット7との間や、ガスケット7とエンジン5の取付面との間から排気ガスが漏れ出すことが防止される。
【0033】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0034】
本実施の形態では、各ブランチパイプ3の上流側端部には、ヘッドフランジ2の開口11の内径よりも大きくなるように径方向外側にフランジ部17が屈曲形成されている。これに対し、ヘッドフランジ2には、エンジン5に締め付け固定するボルト6を挿通するためのボルト挿通孔14を有する取付部13が複数(5箇所)設けられる。そして、取付部13のボルト挿通孔14にボルト6を挿通させてヘッドフランジ2をガスケット7を介してエンジン5に固定する際、ブランチパイプ3のフランジ部17がヘッドフランジ2とガスケット7とで挟持され、該ブランチパイプ3が固定される。この場合、各取付部13がヘッドフランジ2におけるエンジン5側の対向面2bからブランチパイプ3のフランジ部17の厚さDと同等の突出高さHに設定されるので、フランジ部17のガスケット7に対する面圧が十分に確保される。因みに、取付部13の突出高さHとフランジ部17の厚さDとが同等であれば、フランジ部17の全周に亘って均一な面圧が得られる。これにより、この固定構造を用いることで、ブランチパイプ3の上流側端部を溶接を用いないで好適に固定することができ、該上流側端部の取り付け部分からの排気漏れを防止することができる。
【0035】
本実施の形態では、その周縁にてブランチパイプ3のフランジ部17を挟持する開口11を2つの取付部13間に位置するように各取付部13が設けられているので、取付部13において締め付け固定を行うと、フランジ部17の全体にバランス良く締め付け力(挟持力)が作用する。これにより、ブランチパイプ3の固定をより確実に行うことができる。
【0036】
本実施の形態では、ヘッドフランジ2の開口11の周縁に形成したテーパ部12内に、ブランチパイプ3(拡径部16)の外周面とフランジ部17との間に形成されるR部18が収容されるので、このR部18が開口11の周縁に干渉することが防止される。これにより、ヘッドフランジ2のエンジン5側の対向面2bからフランジ部17が浮き上がることが防止され、エンジン5に対してヘッドフランジ2を安定して固定することができる。
【0037】
本実施の形態では、取付部13はヘッドフランジ2に一体形成されており、取付部13を別途用意する必要がないため、部品点数の増加を防止できる。また、ヘッドフランジ2はプレス加工により容易に形成することができる。
【0038】
本実施の形態では、各ブランチパイプ3の上流側端部にフランジ部17が屈曲形成され、次いでヘッドフランジ2に設けた各開口11に各ブランチパイプ3が反フランジ部側から挿入され、その挿入後、ブランチパイプ3の下流側端部を集合させる集合部4が組み立てられて、排気マニホールド1が製造されている。つまり、ブランチパイプ3のフランジ部17をヘッドフランジ2に装着する前に屈曲形成することから、フランジ部17をヘッドフランジ2に装着後に屈曲形成する場合と比べて、フランジ部17を容易に形成することができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
【0040】
上記実施の形態では、取付部13の突出高さHをブランチパイプ3のフランジ部17の厚さDと同等に設定したが、取付部13の突出高さHをフランジ部17の厚さDよりも若干小さくしても良い。このようにすれば、取付部13の上面よりもフランジ部17の上面が若干突出するため、フランジ部17がガスケット7に加圧した状態となる。そのため、フランジ部17のガスケット7に対する面圧がより十分に確保される。なお、取付部13の上面に対するフランジ部17の上面の突出量を0.5[mm]内に設定すれば、フランジ部17がガスケット7に対し適度に加圧しながらも、取付部13の締め付けに悪影響を与えない。
【0041】
上記実施の形態では、取付部13をヘッドフランジ2にプレス加工により一体に形成したが、これに限らず、例えば取付部13の突出部分に相当する部材を別途固定するようにしても良い。
【0042】
上記実施の形態では、4つの開口11に対して取付部13を5つとし、図1のような千鳥配置としたが、開口11に対する取付部13の数を増減させても良い。この場合、少なくとも2つの取付部13間に開口11が位置するように取付部13を設ければ、フランジ部17の全体にバランス良く締め付け力(挟持力)が作用するため望ましい。
【0043】
上記実施の形態では、拡径部16の外周面とフランジ部17との間のR部18を開口11の周縁のテーパ部12内に収容するようにしたが、テーパ形状に凹設するものに限らず、例えば断面矩形状に凹設させても良い。
【0044】
上記実施の形態では、4気筒エンジンに実施したが、4気筒以外の多気筒エンジンに実施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】発明の実施の形態における排気マニホールドの正面図である。
【図2】ヘッドフランジの背面図である。
【図3】(a)は図1のA−A断面図であり、(b)はブランチパイプをヘッドフランジに挿入する状態を示す断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0046】
2…ヘッドフランジ、3…ブランチパイプ、4…集合部、5…エンジン(内燃機関)、6…ボルト(締付部材)、7…ガスケット、11…開口、12…テーパ部(凹設部)、13…取付部、14…ボルト挿通孔(挿通孔)、17…フランジ部、18…R部、D…厚さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多気筒内燃機関の各気筒の排気ポートに対応する開口を有し、該内燃機関に対しガスケットを介在して固定されるヘッドフランジと、前記ヘッドフランジの各開口部分に対して上流側端部がそれぞれ装着されるブランチパイプとを備え、前記各ブランチパイプの下流側を集合させて構成される排気マニホールドであって、
前記各ブランチパイプの上流側端部には、前記ヘッドフランジの開口の内径よりも大きくなるように径方向外側に屈曲され、前記ヘッドフランジを内燃機関に固定する際、該ヘッドフランジと前記ガスケットとで挟持されるフランジ部が形成されると共に、
前記ヘッドフランジには、内燃機関に締め付け固定する締付部材を挿通するための挿通孔を有する取付部が複数設けられ、各取付部は、該ヘッドフランジにおける内燃機関側の対向面から前記ブランチパイプのフランジ部の厚さと同等、若しくは該フランジ部の厚さより小さい高さで突出していることを特徴とする排気マニホールド。
【請求項2】
前記各取付部は、少なくとも2つの取付部間に前記開口が位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気マニホールド。
【請求項3】
前記ヘッドフランジの前記開口周縁には、前記ブランチパイプにフランジ部を形成した際に該ブランチパイプの外周面と該フランジ部との間に形成されるR部を収容するための凹設部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気マニホールド。
【請求項4】
前記取付部は、前記ヘッドフランジに一体形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気マニホールド。
【請求項5】
前記ヘッドフランジは、プレス加工により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の排気マニホールド。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の排気マニホールドの製造方法であって、
前記各ブランチパイプの上流側端部に前記フランジ部を屈曲形成する工程と、
前記ヘッドフランジに設けた前記各開口に前記各ブランチパイプを反フランジ部側から挿入する工程と、
前記各ブランチパイプを前記ヘッドフランジに挿入した後に、該ブランチパイプの下流側端部を集合させる集合部を組み立てる工程と
を備えたことを特徴とする排気マニホールドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−226176(P2006−226176A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40173(P2005−40173)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】