説明

排気装置

【課題】種々な製作、組立て誤差を許容して、常に好適な気密性を維持できる排気装置を提供する。
【解決手段】排気管10は、エンジン1側に連結した基端排気管部11と、可動体5側に移動自在に挿通した先端排気管部12からなり、先端排気管部を、弾性体14によって基端排気管部側に移動付勢している。可動体は固定体2側に、連結具7を介して揺動自在に連結し、揺動によって先端排気管部を、基端排気管部側に対して連通、分離自在に構成している。連通は、先端排気管部と基端排気管部との間に環状シール部材15を介在し、先端排気管部を弾性体に抗して移動させて行うように構成した。可動体と固定体との間に、連通状態での係脱具20を設けた。エンジン、固定体、可動体、排気管、環状シール部材などの製作誤差や組立て誤差は、弾性体の弾性力に抗しての移動や、弾性体の弾性反発力による移動によって許容(吸収)でき、常に好適な気密性を維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば前部にバケツト装置を装備した建設車両やフォークリフトなどの産業用車両に採用される排気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとしては、次のような構成が提供されている。すなわち、エンジンカバーの一方側は、ヒンジによって開閉可能にカバーの固定側に取り付けられており、またエンジンカバーの他方側には、このエンジンカバーを固定側に掛け止めするための係止具が設けられている。そしてエンジンカバーには、マフラ吐出パイプよりも大径の尾管が、貫通孔を貫通するようにしつつブラケットを介して取り付けられており、さらにエンジンカバーの閉じ状態においてマフラ吐出パイプの上端部が尾管の下端部の内部に挿入されるように配置されている。このような位置関係により、マフラ吐出パイプから吐出される排気ガスを尾管に流入させた後、尾管を介して外気に放出している。
【0003】
また、マフラ吐出パイプの上端部よりやや下側に円盤形のプレートが固定され、このプレートはエンジンカバーが閉じ状態のときに、プレートと尾管の下端との間に若干の軸方向隙間が形成されるような位置に固定されている。そして軸方向隙間を埋めるように、プレートの上面に環状の弾性遮音材が固定され、この弾性遮音材の軸方向寸法は、軸方向隙間よりも若干大きくしている。
【0004】
かかる従来構成においては、エンジンカバーが完全に閉じられた状態になると、プレート上の弾性遮音材は尾管の下端とプレートの上面との間に挟まれ、押圧により弾性的に変形して軸方向隙間を塞ぐことになる。そして、メンテナンス時等においてエンジンカバーを開くときには、プレート及び弾性遮音材は尾管の下端から離間し、エンジンカバーが尾管を伴ってヒンジを中心として回動し、開かれる(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−73408号公報(第8頁、図10−図11)
【特許文献2】特開平11−241366号公報
【特許文献3】特開2003−97263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した従来構成においては、尾管が、ブラケットを介してエンジンカバーに固定されていることで、マフラ吐出パイプに固定されたプレートの固定位置(上面レベル)の誤差、閉じ状態でのエンジンカバーの位置(上面レベル)の誤差、エンジンカバーにブラケットを介して取り付けた尾管の位置(下端面レベル)の誤差、ならびにこれらの複合誤差によって、弾性遮音材に対する押圧が十分に行われずに気密性が低下して排気ガスが流出したり、逆に押圧力が大きく(強く)なって弾性遮音材やヒンジ、係止具などの損傷を招く恐れがある。
【0007】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、種々な製作、組立て誤差を許容して、常に好適な気密性を維持し得るとともに、エンジンの稼動中の振動を吸収して排気管への疲労蓄積を回避しつつ、好適な気密性を維持し得る排気装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の排気装置は、排気管は、エンジン側に連結された基端排気管部と、可動体側に移動自在に挿通された先端排気管部とからなるとともに、先端排気管部は、弾性体によって基端排気管部側に移動付勢されており、前記可動体は固定体側に、連結具を介して揺動自在に連結されるとともに、揺動によって先端排気管部を、基端排気管部側に対して連通、分離自在に構成し、連通は、先端排気管部と基端排気管部との間に環状シール部材を介在し、先端排気管部を弾性体に抗して移動させて行うように構成し、可動体と固定体との間には、連通状態での係脱具が設けられていることを特徴としたものである。
【0009】
したがって請求項1の発明によると、可動体を揺動させ、そして係脱具を係合させて可動体の位置を維持しているとき、先端排気管部は環状シール部材に当接し、以て環状シール部材を介して基端排気管部と先端排気管部とを連通し得る。その際に、先端排気管部の環状シール部材に対する当接は、可動体に対して先端排気管部を、弾性体の弾性力に抗して移動させて行うことになる。したがって、弾性体の弾性反発力によって、先端排気管部を環状シール部材に加圧して当接し得、これにより基端排気管部と先端排気管部との連通を、常に好適な気密性を維持して行える。さらに、エンジン、固定体、可動体、排気管、環状シール部材などの製作誤差や組立て誤差は、弾性体の弾性力に抗しての移動や、弾性体の弾性反発力による移動によって許容(吸収)し得る。また、稼動中のエンジンの振動も、排気管の圧縮スプリングの弾性力に抗しての上方への移動や、圧縮スプリングの弾性反発力による下方への移動によって吸収し得る。
【0010】
たとえば、エンジンなどの保守、点検を行うときには、係脱具を離脱させたのち、連結具を介して可動体を揺動させる。このとき先端排気管部は、弾性体の弾性力によって移動している。このように可動体を揺動させることで固定体を開放し得、以て所期の保守、点検を行える。そして、上述とは逆方向に可動体を揺動させることで、可動体を元の状態に戻し得る。
【0011】
また本発明の請求項2記載の排気装置は、上記した請求項1記載の構成において、弾性体が、可動体と先端排気管部との間に設けられたスプリングからなることを特徴としたものである。
【0012】
したがって請求項2の発明によると、弾性体としてスプリングを使用することで、構造簡単にしてコンパクトに配設し得る。
そして本発明の請求項3記載の排気装置は、上記した請求項1または2記載の構成において、基端排気管部の接続側端部には環状シール材の受け止部材が設けられるとともに、先端排気管部の接続側端部には環状シール材への当接フランジが設けられ、前記受け止部材には連通時のずれ止めガイドが設けられていることを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項3の発明によると、可動体を揺動させ、そして係脱具を係合させて可動体の位置を維持しているとき、当接フランジは環状シール部材に当接し、以て環状シール部材を介して基端排気管部と先端排気管部とを連通し得る。その際に、当接フランジの環状シール部材に対する当接は、可動体に対して先端排気管部を、弾性体の弾性力に抗して移動させて行うことになる。したがって、弾性体の弾性反発力によって、当接フランジを環状シール部材に加圧して当接し得、これにより基端排気管部と先端排気管部との連通を、常に好適な気密性を維持して行える。なお、可動体を揺動させる際に、当接フランジを環状シール部材に当接させたのち、弾性体の弾性力に抗して当接フランジを移動させるが、環状シール部材に当接させたときに当接フランジは、ずれ止めガイド内に嵌合状態であることから、押し下げ作用時に先端排気管部が横ずれなどすることを防止し得る。また、稼動中のエンジンの振動により横ずれなどすることも防止し得る。
【発明の効果】
【0014】
上記した本発明の請求項1によると、可動体を揺動させ、そして係脱具を係合させて可動体の位置を維持しているとき、先端排気管部は環状シール部材に当接し、以て環状シール部材を介して基端排気管部と先端排気管部とを連通できる。その際に、先端排気管部の環状シール部材に対する当接は、可動体に対して先端排気管部を、弾性体の弾性力に抗して移動させて行うことができる。したがって、弾性体の弾性反発力によって、先端排気管部を環状シール部材に加圧して当接でき、これにより基端排気管部と先端排気管部との連通を、常に好適な気密性を維持して行うことができ、以て排気ガスの排出を、不測に流出させることなく行うことができる。さらに、エンジン、固定体、可動体、排気管、環状シール部材などの製作誤差や組立て誤差は、弾性体の弾性力に抗しての移動や、弾性体の弾性反発力による移動によって許容(吸収)でき、以て常に好適な気密性を維持できる。また、稼動中のエンジンの振動も、排気管の圧縮スプリングの弾性力に抗しての上方への移動や、圧縮スプリングの弾性反発力による下方への移動によって吸収でき、これにより排気管への疲労蓄積を回避しつつ、好適な気密性を維持できる。
【0015】
たとえば、エンジンなどの保守、点検を行うときには、係脱具を離脱させたのち、連結具を介して可動体を揺動させる。このとき先端排気管部は、弾性体の弾性力によって移動している。このように可動体を揺動させることで固定体を開放でき、以て所期の保守、点検を行うことができる。そして、上述とは逆方向に可動体を揺動させることで、可動体を元の状態に戻すことができる。
【0016】
また上記した本発明の請求項2によると、弾性体としてスプリングを使用することで、構造簡単にしてコンパクトに配設できる。
そして上記した本発明の請求項3によると、可動体を揺動させ、そして係脱具を係合させて可動体の位置を維持しているとき、当接フランジは環状シール部材に当接し、以て環状シール部材を介して基端排気管部と先端排気管部とを連通できる。その際に、当接フランジの環状シール部材に対する当接は、可動体に対して先端排気管部を、弾性体の弾性力に抗して移動させて行うことができる。したがって、弾性体の弾性反発力によって、当接フランジを環状シール部材に加圧して当接でき、これにより基端排気管部と先端排気管部との連通を、常に好適な気密性を維持して行うことができる。なお、可動体を揺動させる際に、当接フランジを環状シール部材に当接させたのち、弾性体の弾性力に抗して当接フランジを移動させるが、環状シール部材に当接させたときに当接フランジは、ずれ止めガイド内に嵌合状態であることから、押し下げ作用時に先端排気管部が横ずれなどすることを防止でき、以て連通を、常に好適にして行うことができる。また、稼動中のエンジンの振動により横ずれなどすることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、排気装置における連通状態での一部切り欠き正面図である。
【図2】同排気装置における連通状態での係脱具部分の正面図である。
【図3】同排気装置における分離状態での一部切り欠き正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、図に基づいて説明する。
排気管10は、エンジン1側に連結された基端排気管部11と、ボンネット(可動体の一例)5側に移動自在に挿通された先端排気管部12とに分割されている。すなわち基端排気管部11は、エンジン1側に連結されて立設状の下位管部分11Aと、この下位管部分11A上に連結された蛇腹管部分11Bと、この蛇腹管部分11B上に連結された上位管部分11Cとにより、縦向き直管状に構成されている。また先端排気管部12は、前記上位管部分11Cに上方から対向自在な直管部分12Aと、この直管部分12A上に連結された曲管部分12Bとにより、縦向き曲管状に構成されている。
【0019】
前記先端排気管部12は、弾性体によって基端排気管部11側に移動付勢されている。すなわち、本体側から固定体2が立設され、この固定体2は、基端排気管部11と、この基端排気管部11に上方から対向された直管部分12Aの下半分を囲むように構成されている。そして固定体2の上方には板状のボンネット5が配設され、このボンネット5は固定体2側に、連結具(ヒンジ)7を介して揺動自在に連結されている。その際に連結具7は、ボンネット5の一端側と固定体2の対向端との間に配設され、これによりボンネット5は、水平状の閉動位置と、他端側を上方へと回動させる開動位置とに亘って揺動自在に構成されている。
【0020】
前記ボンネット5の中央部分には貫通孔6が形成され、この貫通孔6に直管部分12Aが通されることで、先端排気管部12はボンネット5側に対して上下方向(長さ方向)に移動自在に挿通されている。その際に、直管部分12Aの上端には大径のリング部12aが一体状に形成され、また直管部分12Aの下端には大径で環状の当接フランジ13が、貫通孔6に直管部分12Aを通した後に溶接などで連結され、以てリング部12aと当接フランジ13とによる抜け止め作用によって、ボンネット5に対する先端排気管部12の移動量が規制されている。そして、ボンネット5と当接フランジ13との間で、直管部分12Aに外嵌されてコイル状の圧縮スプリング(弾性体の一例)14が配設されることで、先端排気管部12は、圧縮スプリング14の弾性力によって基端排気管部11側に移動付勢されている。
【0021】
前述したように、ボンネット5を下方へ揺動させて水平状の閉動位置としたとき、先端排気管部12を基端排気管部11側に対して連通自在とし、またボンネット5を上方へと揺動させて開動位置としたとき、先端排気管部12を基端排気管部11側に対して分離自在としている。そして連通は、先端排気管部12と基端排気管部11との間に環状シール部材15を介在し、先端排気管部12を圧縮スプリング14に抗して移動させて行うように構成されている。
【0022】
すなわち、基端排気管部11の接続側端部である上位管部分11Cの上端位置には、環円板状の受け止部材16が外嵌されたのち溶接固定などで設けられるとともに、この受け止部材16上に環状シール部材15が配設されている。これにより当接フランジ13は、環状シール部材15の上面に当接自在に構成される。なお当接フランジ13は、耐熱性で気密性の材質からなる。そして受け止部材16には、その周縁から上方へのずれ止めガイド17が一体状として設けられている。ここでずれ止めガイド17は、環状シール部材15の上面に当接フランジ13が当接された連通時に、この当接フランジ13の外側に位置されるように、その高さが設定されている。
【0023】
上記した構成によって、ボンネット5を水平状の閉動位置としたとき、環状シール部材15の上面に当接フランジ13が当接されるとともに、圧縮スプリング14の弾性力に抗して先端排気管部12を上方へ移動させることになり、この圧縮スプリング14の弾性反発力によって、当接フランジ13を環状シール部材15の上面に当接し得、以て基端排気管部11と先端排気管部12とを連通し得る。
【0024】
このようなボンネット5の水平状の閉動位置を維持するために、このボンネット5と前記固定体2との間には、連通状態での係脱具20が設けられている。すなわち、固定体2の他端側には、外方へ突出される被係止部2aが設けられている。そしてボンネット5の他端側で下面には本体プレート21が設けられ、この本体プレート21に横方向軸22を介して係止片23が揺動自在に設けられている。ここで係止片23は、被係止部2aに対して下方から係合自在であり、その係合姿勢はスプリング24の弾性力によって維持されるように構成されている。以上21〜24などにより係脱具20の一例が構成される。
【0025】
以下に、上記した実施の形態1における作用を説明する。
図1、図2は、ボンネット5を下方へ揺動させて水平状の閉動位置とし、そして係脱具20を被係止部2aに係合させてボンネット5の閉動位置を維持している。このとき、当接フランジ13は環状シール部材15の上面に当接し、以て環状シール部材15を介して基端排気管部11と先端排気管部12とを連通し得る。その際に、当接フランジ13の環状シール部材15の上面に対する当接は、ボンネット5に対して先端排気管部12を、圧縮スプリング14の弾性力に抗して上方へ移動させた変位突出量L−αとして行うことになる。
【0026】
したがって、この圧縮スプリング14の弾性反発力によって、当接フランジ13を環状シール部材15の上面に加圧して当接し得、これにより基端排気管部11と先端排気管部12との連通を、常に好適な気密性を維持して行え、以て排気ガスの排出を、環状シール部材15(基端排気管部11)と当接フランジ13(先端排気管部12)との間から排気ガスを不測に流出させることなく行える。さらに、エンジン1、固定体2、ボンネット5、排気管10、環状シール部材15などの製作誤差や組立て誤差は、圧縮スプリング14の弾性力に抗しての上方への移動や、圧縮スプリング14の弾性反発力による下方への移動によって許容(吸収)し得、以て常に好適な気密性を維持し得る。また、稼動中のエンジン1の振動も、排気管10の圧縮スプリング14の弾性力に抗しての上方への移動や、圧縮スプリング14の弾性反発力による下方への移動によって吸収し得、これにより排気管10への疲労蓄積を回避しつつ、好適な気密性を維持し得る。
【0027】
なお、ボンネット5を下方へ揺動させて水平状とする際に、当接フランジ13を環状シール部材15の上面に当接させたのち、圧縮スプリング14の弾性力に抗して当接フランジ13を押し下げ作用させるが、環状シール部材15の上面に当接させたときに当接フランジ13は、ずれ止めガイド17内に嵌合状態であることから、押し下げ作用時に先端排気管部12が横ずれなどすることを防止し得、以て連通を、常に好適にして行える。また、稼動中のエンジン1の振動により横ずれなどすることも防止し得る。
【0028】
たとえば、エンジン1などの保守、点検を行うときには、係脱具20の係止片23を、スプリング24の弾性力に抗して外側に揺動させて、被係止部2aから離脱させたのち、ボンネット5の他端側を持ち上げることで、図3の実線に示すように、連結具7を介してボンネット5を上方へ揺動させる。このとき先端排気管部12は、圧縮スプリング14の弾性力によって下方側へ移動し、そのリング部12aがボンネット5の上面に当接し、以て最大突出量Lとして移動量を規制している。
【0029】
そして図3の仮想線に示すように、ボンネット5を前方へと揺動させることで、固定体2の上方を開放し得、以て所期の保守、点検を行える。なお、図3の仮想線の状態から、上述とは逆方向にボンネット5を揺動させることで、ボンネット5を水平状の閉動位置とした図1の状態に戻し得る。上述した構成において、弾性体として圧縮スプリング14を使用することで、構造簡単にしてコンパクトに配設し得る。
【0030】
上記した実施の形態1では、可動体としてボンネット5を採用した形式が示されているが、これは可動体として開閉扉体やカバー体を採用した形式などであってもよい。そして可動体の閉動姿勢は、水平状の形式のほかに、傾斜状、垂直状の形式などであってもよい。
【0031】
上記した実施の形態1では、弾性体として圧縮スプリング14を使用した形式が示されているが、これはボンネット5と当接フランジ13との間に、弾性力のあるスポンジ体やゴム体などを使用した形式であってもよい。
【0032】
上記した実施の形態1では、弾性体として、ボンネット5と当接フランジ13との間で、直管部分12Aに外嵌されたコイル状の圧縮スプリング14を配設した形式が示されているが、これは圧縮スプリング14に代えて、曲管部分12Bとボンネット5との間で周方向の複数箇所に引っ張りスプリングを配設して、先端排気管部12に押し下げ移動力を付与する形式などであってもよい。また、圧縮スプリング14と引っ張りスプリングとの両方を組み込んだ形式などであってもよい。
【0033】
上記した実施の形態1では、ボンネット5側に係脱具20が設けられた形式が示されているが、これは固定体2側に係脱具20が設けられた形式などであってもよい。
上記した実施の形態1では、当接フランジ13を環状シール部材15の上面に加圧して当接させる形式が示されているが、これは先端排気管部12における直管部分12Aの下端を環状シール部材15の上面に加圧して当接させる形式などであってもよい。
【0034】
上記した実施の形態1では、受け止部材16にずれ止めガイド17が設けられた形式が示されているが、これはずれ止めガイド17が省略された形式などであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 エンジン
2 固定体
2a 被係止部
5 ボンネット(可動体)
7 連結具
10 排気管
11 基端排気管部
12 先端排気管部
12a リング部
13 当接フランジ
14 圧縮スプリング(弾性体)
15 環状シール部材
16 受け止部材
17 ずれ止めガイド
20 係脱具
23 係止片
L 最大突出量
L−α 変位突出量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気管は、エンジン側に連結された基端排気管部と、可動体側に移動自在に挿通された先端排気管部とからなるとともに、先端排気管部は、弾性体によって基端排気管部側に移動付勢されており、前記可動体は固定体側に、連結具を介して揺動自在に連結されるとともに、揺動によって先端排気管部を、基端排気管部側に対して連通、分離自在に構成し、連通は、先端排気管部と基端排気管部との間に環状シール部材を介在し、先端排気管部を弾性体に抗して移動させて行うように構成し、可動体と固定体との間には、連通状態での係脱具が設けられていることを特徴とする排気装置。
【請求項2】
弾性体が、可動体と先端排気管部との間に設けられたスプリングからなることを特徴とする請求項1記載の排気装置。
【請求項3】
基端排気管部の接続側端部には環状シール材の受け止部材が設けられるとともに、先端排気管部の接続側端部には環状シール材への当接フランジが設けられ、前記受け止部材には連通時のずれ止めガイドが設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の排気装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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