説明

排水処理装置、排水処理システム、排水処理方法、及び排水リサイクル方法

【課題】 被処理排水について厳密な調整・制御を不要とし、脱塩率等の無機物の除去率を低コストで良好に実現することのできる排水処理装置、排水処理システム、排水処理方法、及び排水リサイクル方法を提供するとともに、濾過材を通過する被処理排水に推進力を付与することにより、濾過材上流の一次側から下流の二次側への水の透過を促進して排水の浄化処理効率を向上せしめた排水処理システムを提供する。
【解決手段】 無孔質膜108を挟んで、被処理排水の供給を受ける排水供給部110と、無孔質膜108を透過した水分を回収する水分回収部112とを備える無孔質膜部106を採用することとするとともに、被処理排水を所定の高圧に加圧する高圧ポンプと、高圧室内に無孔質膜を設置してなり高圧ポンプで加圧された加圧被処理排水が導入され該加圧被処理排水を、無孔質膜を透過させて透過水を抽出して水分回収部に送出する膜モジュールとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理装置、排水処理システム、排水処理方法、及び排水リサイクル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、洗濯排水リサイクル装置として、バイオリアクタに、例えば電気透析装置、逆浸透膜装置、膜分離装置を組み合わせた装置が知られている(特許文献1)。このような装置では、バイオリアクタで主として有機物除去を行い、引き続き上記電気透析装置等を脱塩装置として活用し、主として無機物除去を行っている。
【0003】
しかし、バイオリアクタで行われる処理は、生物処理のため、温度、pH、排水量(負荷)、曝気量等の諸条件を生物処理適したものに制御する必要がある。そして、管理者によって制御が好適に行われない場合、例えば処理後の水質悪化によって、活性汚泥の発泡を引き起こし、活性汚泥溢れ等を生じるおそれがあった。
【0004】
一方、無機物除去を行うための電気透析装置は、アニオン膜及びカチオン膜を組み合わせて使用している。しかし、このような膜の組み合わせに対しては、適用できる洗剤に制限がある。さらに、脱塩率としては、効率的な脱塩を行う場合、最大50%に制限されるといった難点がある。
また、逆浸透膜については、洗濯使用水や排水にシリカ成分が多く含まれる場合は採用できない。また、対応できる洗剤に制限がある。という問題点があった。
【0005】
さらには、前記洗濯排水等の被処理排水を、濾過材を通過させることにより該被処理排水中の有機物、無機物を除去して清浄な透過水つまりリサイクル水を得る際においては、該被処理排水に上記濾過材を通過させるための推進力を付与することが要求されるが、上記特許文献1には、かかる手段は示されていない。
【特許文献1】特開2003−126893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、被処理排水について厳密な調整・制御を不要とし、脱塩率等の無機物の除去率を低コストで良好に実現することのできる排水処理装置、排水処理システム、排水処理方法、及び排水リサイクル方法を提供することを目的とする。
また、本発明の第2の目的は、濾過材を通過する被処理排水に推進力を付与することにより、濾過材上流の一次側から下流の二次側への水の透過を促進して排水の浄化処理効率を向上せしめた排水処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、排水処理装置であって、無孔質膜を挟んで、被処理排水の供給を受ける排水供給部と、無孔質膜を透過した水分を回収する水分回収部とを備える無孔質膜部を備えることを特徴とする。
上記無孔質膜は、透湿性ポリウレタンであって、イソシアネート成分と、鎖延長剤と、ポリオール成分とを少なくとも原料として用い、該原料が反応させられて得られるものであることが好適である。
【0008】
本発明は、別の側面で、このような排水処理装置を含む排水処理システムである。本発明に係る排水処理システムは、その好適な形態で、上記水分回収部で回収した水分を空気中に取り込むための空気の供給手段と、該空気を加熱するための排水循環手段とをさらに備える。空気の供給手段としては、ファン、排水循環手段としては、液送ポンプで排水を循環し、その排水によって空気を加熱する構造を挙げることができる。
【0009】
また、本発明の排水処理システムは、別の好適な実施の形態で、加湿空気を冷却する手段と、加湿空気の冷却によって得られる凝縮水を回収・リサイクルする手段をさらに備える。冷却は、ヒートポンプを用いた構成で実施することができる。また、別の好適な実施の形態で、本発明の排水処理システムは、上記排水供給部に供給される排水の加圧手段、又は水分回収部の減圧手段をさらに備える。加圧手段は、上記排水供給部を耐圧構造とすることで実施することができる。また、圧力は、圧力調整バルブで調整することができる。さらに別の形態で、本発明の排水処理システムは、上記無孔質膜の表面の水分を除去するための除去手段を備える。このような除去手段としては、スクレーパを用いたものを挙げることができる。
【0010】
さらに別の側面で本発明は、排水処理方法であり、該排水処理方法は、上記いずれかの排水処理システムを用い、上記無孔質膜を透過した無孔質膜透過水を加湿空気に含めて放出することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る排水処理方法は、別の形態で上記いずれかの排水処理システムを用い、上記無孔質膜を透過した無孔質膜透過水を回収・循環することを特徴とする。
【0012】
さらに別の側面で本発明は、排水リサイクル方法であり、該排水リサイクル方法は、上記いずれかの排水処理システムを用い、上記無孔質膜を透過した無孔質膜透過水を回収・循環することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の排水処理システムは、次のような被処理排水への推進力付与手段をそなえたことを特徴としている。
【0014】
即ち、本発明に係る被処理排水への推進力付与手段は、排水タンクから被処理排水通路を通して導入される被処理排水を所定の高圧(膜の耐圧力以下。1MPa以下が望ましい)に加圧する高圧ポンプと、所定の高圧に保持された高圧室内に無孔質膜を設置してなり、上記高圧ポンプで加圧された加圧被処理排水が導入され、該加圧被処理排水を上記無孔質膜を透過させて透過水を抽出して水分回収部に送出する膜モジュールとを備えることを特徴とする。
【0015】
上記膜モジュールは、具体的には次の(1)ないし(4)のように構成する。
(1)上記膜モジュールは、中空の回転軸と、該回転軸にこれの軸方向に沿って複数個並設されるとともに、表面に上記無孔質膜が貼設された中空の円盤状体とをそなえ、上記高圧室内の加圧被処理排水が無孔質膜を透過可能にされ、かつ上記透過後の透過水を上記円盤状体の中空部及び上記回転軸の中空部を通して回転軸の軸端部から上記水分回収部に送出するように構成する。
ここで、好ましくは、上記円盤状体は、多数の通孔が形成されたスペーサの表面に上記無孔質膜が貼設されるとともに、該スペーサの内側に上記中空部が形成されてなる。
【0016】
(2)上記膜モジュールは、円筒状の外筒の内部に上記無孔質膜が取付けられた多数の内筒を並設してなり、上記外筒と多数の内筒との間に形成される通路に導入された上記被処理排水を上記内筒の無孔質膜を透過させて上記透過水を生成し、該透過水を該内筒内を通して水分回収部に送出するように構成されてなる。
【0017】
(3)上記膜モジュールは、円筒状の外筒の内部に、上記無孔質膜が取付けられたエレメントを螺旋状に巻回してなる螺旋状エレメントと該螺旋状エレメントの内周側に配置されて多数の通路孔が穿孔された内管とを配設してなり、上記外筒と螺旋状エレメントとの間に形成される通路に導入された上記被処理排水を上記螺旋状エレメントの無孔質膜を透過させて上記透過水を生成し、該透過水を上記の通路孔を介して上記内管内に導入し該内管を通して水分回収部に送出するように構成されてなる。
【0018】
(4)上記膜モジュールは、表面に上記無孔質膜が貼設された中空のエレメントを上記高圧室内に略鉛直に複数個並設するとともに、上記各エレメントの下端に上記中空部に連通される透過水集水通路を接続し、上記透過水集水通路の透過水出口を上記水分回収部に接続し、上記各エレメントの無孔質膜を透過した透過水を該エレメントの中空部から上記透過水集水通路を通して上記水分回収部に送出するように構成される。
【0019】
上記被処理排水への推進力付与手段の発明において、好ましくは次の(1)〜(5)のように構成する。
【0020】
(1)上記高圧室と排水タンクとの間に、該高圧室内の被処理排水の一部を排水タンクに循環させる循環路を設け、該循環路に被処理排水中の濃縮排水を抽出する濃縮排水通路及び該濃縮排水通路を開閉する濃縮排水排出弁を接続する。
【0021】
(2)上記排水タンクと高圧ポンプとの間の被処理排水通路の該被処理排水中の固形物を捕獲する保安フィルタを配設する。
【0022】
(3)上記被処理排水通路の高圧ポンプ入口及び上記循環路のいずれか一方または双方に、上記膜モジュールを洗浄する薬液を注入する薬液注入手段を接続する。
【0023】
(4)上記透過水の一部を上記高圧ポンプ入口の被処理排水通路に循環させる逆洗通路を設け、上記高圧ポンプにより透過水の一部を上記膜モジュールに循環させて該膜モジュールを逆洗するように構成する。
【0024】
(5)上記高圧室の圧力を調整する圧力調整弁及び上記膜モジュール出口の透過水量を検出する透過水量センサを設けるとともに、上記透過水量センサからの透過水量検出値が入力され、該透過水量検出値に基づき上記圧力調整弁の開度を調整して上記高圧室の圧力を制御する圧力制御手段及び該透過水量検出値に基づき上記高圧ポンプの回転数を調整して高圧室への被処理排水流量を制御する高圧ポンプ制御手段のいずれか一方の手段または双方の手段によって上記透過水量を所要透過水量に制御する透過水量コントローラを設ける。
【0025】
また、上記被処理排水への推進力付与手段をそなえた排水処理システムに係る他の形態の発明は、外筒の内部に設置されて回転駆動され表面に無孔質膜が貼設された内筒と、上記内筒の内部に配置されて上記無孔質膜に向けて被処理排水を噴出する排水噴出部材と、該排水噴出部材に被処理排水を送給するポンプと、上記内筒の外周と外筒の内周との間に形成され上記無孔質膜を透過した透過水が通流する透過水通路とをそなえ、上記内筒を回転させて上記排水噴出部材から上記無孔質膜に被処理排水を噴出し、該被処理排水を上記内筒の回転による遠心力により上記無孔質膜を透過させて上記透過水通路に排出し、該透過水通路から水分回収部に送出するように構成したことを特徴とする。
ここで、好ましくは、上記内筒の内周面に、該内筒の軸方向に延びる邪魔板を円周方向に沿って複数個突設する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、被処理排水について厳密な調整・制御を不要とし、脱塩率等の無機物の除去率を低コストで良好に実現することのできる排水処理装置、排水処理システム、排水処理方法、及び排水リサイクル方法を提供される。また、加湿空気を大気中に放出する形態、リサイクルする形態のいずれにおいても、排水の放出量を大きく削減でき、下水道費用の削減を図ることができる。
【0027】
また、本発明によれば、高圧ポンプにより被処理排水を膜モジュール内に押し込むことにより該膜モジュール内を高圧に保持し、被処理排水を高圧に加圧した状態で膜モジュール内に設置した無孔質膜を透過せしめることによって清浄な透過水(リサイクル水)を送出し、あるいは回転する内筒内に導入した被処理排水を該内筒の回転による遠心力により無孔質膜を透過せしめることによって清浄な透過水を送出するので、無孔質膜を透過する被処理排水に、高圧ポンプを用いた高圧加圧手段あるいは回転内筒を用いた遠心力による搬送手段によって推進力を付与することが可能となって、該無孔質膜上流の一次側から下流の二次側への水の透過を促進することができる。
これにより、排水の浄化処理効率が向上せしめられた排水処理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明に係る排水処理装置、排水処理システム、排水処理方法、及び排水リサイクル方法について、その実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0029】
図1に本発明に係る排水処理システムの一実施の形態を示す。該排水処理システム100は、排水処理装置102と、排水貯水槽104を備えている。
【0030】
排水処理装置102は、無孔質膜部106を備える。該無孔質膜部106は、図中模式的に示すように、無孔質膜108を挟んで、被処理排水の供給を受ける排水供給部110と、無孔質膜108を透過した水分を回収する水分回収部112とを備える。なお、無孔質膜108は、図中では、単一に描かれているが、あくまで、模式的に示されており、複数であってもよく、後述するように、チューブ状とし、また、他の各種形態とすることができる。また、排水処理装置102は、図示しない他の、例えば、制御盤、ポンプ、バルブ、センサ類を含む。
【0031】
透湿性ポリウレタンは、イソシアネート成分と、鎖延長剤と、ポリオール成分とが少な

くとも原料として用いられ、これら原料が反応させられて得られるものである。
【0032】
イソシアネート成分としては、特に限定されることなく従来一般的な種々のものが用いられる。例えば、4,4'−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)や、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、4,4'−シクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンイソシアネートなどが用いられるが、特に4,4'−メ
チレンビスフェニルイソシアネート(MDI)は、蒸気圧が低いために取り扱い性や作業性に優れ、また、得られるポリウレタンの機械的物性も高くなることから、好適に用いられる。
【0033】
鎖延長剤としては、1,4−ブタンジオールが用いられる。これは、従来例えば衣料用の透湿性ポリウレタン樹脂では、鎖延長剤としてエチレングリコールを用いていたが、その場合に溶媒中で重合・成形を行うことになっていたのを、このように1,4−ブタンジオールを用いることにより、溶媒レス化を図っている。なお、ポリウレタンの原料に用いられる鎖延長剤としては、これ以外にもジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等各種が利用できる。得られるポリウレタンの成形性や機械的物性を確保する観点からは、1,4−ブタンジオールが特に好ましく利用できる。
【0034】
ポリオール成分としては、分子量が600以上4000以下のポリエチレングリコール(PEG)が用いられる。ポリエチレングリコールは、例えばポリテトラメチレングリコール(PTMG)やポリプロピレングリコール(PPG)とポリエチレングリコールとの共重合体に比べ、得られるポリウレタン樹脂の透湿性がより良好になるからである。また、分子量、すなわち重量平均分子量を600以上4000以下としたのは、4000を越えると反応性が低くなってしまい、また600未満であると逆に反応性が高くなって安定したポリマーの重合が困難になってしまうとともに、透湿性も低くなって実用的でなくなるおそれがあるからである。また、この分子量については、特に2500以上3000以下の範囲にするのが好ましく、このような範囲にすることにより、ポリマーの安定した重合性と、得られたポリウレタンの良好な透湿性を確保することができる。
【0035】
このポリオール成分としては、前記のポリエチレングリコールに加えて、シリコン型ポリオールを用いることができる。このシリコン型ポリオールとしては、特に以下に示すポリシロキサンカルビノール変性体が用いられ、中でも分子量が100以上3000以下のものが好適に用いられる。
【0036】
【化1】

【0037】
このシリコン型ポリオールは、得られるポリウレタンをシリコンの分子間力(凝集力)が小さいという特性を付与するために少量添加する。シリコン型ポリオールは、成形物、特にチューブ成形時の離型性を高くし、成形物のタック性を低減するために用いる。このようなシリコン型ポリオールのポリオール成分全体に対する配合量としては、1wt%以上70wt%以下、好ましくは2wt%以上4wt%以下とされる。1wt%未満では得られるポリウレタン中のシリコン含有量が少なくなるため、離型性を高くし、タック性を低減する効果が十分に得られず、70wt%を越えると高価なシリコン型ポリオールを添加して得られる成形性や機械強度等の物性が飽和するからである。また、2wt%以上、4wt%以下の範囲では、チューブ成形時の離型性を高くし、かつ成形物のタック性を低減でき、十分な透湿性が得られる。
【0038】
また、前記鎖延長剤とポリオール成分との配合量については、その比が、好ましくはポリオール成分1モルに対して鎖延長剤が3モル以上10モル以下となる範囲内、さらに好ましくは4モル以上10モル以下となる範囲内に調製されて用いられる。ポリオール成分1モルに対して鎖延長剤が3モル未満であると、得られるポリウレタンの強度が不足し、実用性が低下してしまうからであり、10モルを越えると、得られるポリウレタンの透湿性が低下し、またポリマーの重合も困難になってしまうからである。また、4モルを越えると、得られるポリウレタンの強度が良好となり、好ましい。
【0039】
また、イソシアネート成分とポリオール成分との配合量については、その比が、好ましくはポリオール成分1モルに対してイソシアネート成分が4モル以上12モル以下、さらに好ましくは5モル以上10モル以下となる範囲内に調製されて用いられる。このような範囲にすることにより、良好なポリマー重合性を確保することができるとともに、得られるポリウレタンの良好な強度を確保することができる。
【0040】
また、透湿性ポリウレタンにおいては、抗菌剤を含有するのが好ましい。すなわち、透湿性ポリウレタンでは、前記のイソシアネート成分、鎖延長剤、及びポリオール成分からなる主原料に加え、前記抗菌剤を好ましくは全体の0.1重量%を越え、1.0重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以上1.0重量%以下、望ましくは0.5重量%以上1.0重量%以下の範囲で添加配合する。添加する抗菌剤は、一般には防カビ剤とも呼ばれ、または抗菌・防かび剤とも呼ばれる粉状あるいは顆粒状等のもので、特に限定されることなく公知のもの、すなわち無機系のもの(例えば銀系抗菌剤)や有機系のもの(例えばヨード系抗菌剤;3−ヨード−2−プロピルブチルカルバメート)、さらには無機/有機の複合系のもの(例えばヨード系複合抗菌剤)が用いられる。なお、これら三つの系の中では、特に無機/有機の複合系のものが好ましい。これは、無機系のものは低活性である反面耐久性が高く、一方有機性のものは高活性である反面耐久性に乏しいという、相反する特性を有しているため、双方の抗菌剤の特性をうまく利用するうえで、複合抗菌剤を用いるのが好ましいからである。
【0041】
また、抗菌剤の含有量(添加量)を、好ましくは全体の0.1重量%以上1.0重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以上1.0重量%以下、望ましくは0.5重量%以上1.0重量%以下の範囲としたのは、後述する実験結果より、0.1重量%以下では添加による抗菌(防カビ)効果が十分に認められず、また、1.0重量%を越えてもその効果が飽和してしまい、抗菌剤が前記の主原料に比べて高価であるためコスト的に不利になってしまうからである。また、0.2重量%以上1.0重量%以下とすれば効果がより顕著になるからであり、さらに0.5重量%以上1.0重量%以下とすれば効果が飽和した範囲となってより良好な効果が得られるからである。
【0042】
なお、本発明の透湿性ポリウレタンは、前記のイソシアネート成分と鎖延長剤とポリオール成分とを主原料としてこれらが反応させられ、その後必要に応じて前記の抗菌剤が添

加されることにより形成されるが、特に主原料の反応に際しては、公知のウレタン化触媒、安定化剤、相溶化剤、着色剤等を適宜に添加することができる。
透湿性ポリウレタンは、以上のように、イソシアネート成分と特定の鎖延長剤及びポリオール成分を主原料として用い、これら主原料をそれぞれが適宜な配合比となるようにして反応させることにより、溶剤を用いることなく重合して得られるものである。反応法としては、特に限定されることなく、プレポリマー法、ワンショット法等、公知の方法を採用することが可能である。また、抗菌剤を含有させる場合には、例えば主原料を反応させた後、得られた反応物に抗菌剤を添加混合する方法が採用される。
【0043】
このようにして得られる透湿性ポリウレタンは、特に主原料からなる場合にそれ自体で良好な高透湿性および機械的物性を有しており、さらには良好な成形性を備えることから、例えば常法の造粒法によるペレット化が可能となる。また、このようなペレット化時、すなわち造粒時に、前記の抗菌剤(防カビ剤)を造粒機に投入添加し、溶融混合することによって得られるペレット中に該抗菌剤を練り込むことができる。同様に、タルクやシリカ、炭酸カルシウム等の各種増量剤、カーボン等の導電剤、さらには触媒や酵素など、各種添加剤を練り込むこともできる。このようなペレット化時(造粒時)の温度は、例えば200℃程度とされる。さらに、このようにして得られるペレットを用いることにより、各種の成形法、例えば押出成形法等が可能になる。
【0044】
本発明で採用される無孔質膜108は、透湿性ポリウレタンが成形されてなるものである。
また、抗菌剤を含有したものにあっては、特にこれを透湿性チューブに成形し、例えばこのチューブ内に通水してこれから水蒸気のみを選択的に放出するといった形態で使用する。これによって、チューブ内にカビが発生するのを確実に防止することができ、したがって放出する水蒸気中にカビが含まれてしまうのを防止することができる。
【0045】
そして、水の処理量が多いので、透湿性チューブ114の形態で構成した無孔質膜108を、図2に示すように多数平面的に配置し、透湿膜モジュール116として採用する。そして、さらにこのような透湿膜モジュール116を多段に配置するとさらに好適である。図2に示すように、透湿モジュール2を構成する複数の透湿性チューブ114は、長さ方向から見て断面が複数の列をなし、各列間には等しい隙間pが設けられるように配置されている。
【0046】
なお、チューブを直接成形する方法以外に、押出成形によって薄いフィルム状に成形した透湿性ポリウレタンの118a,118bを2枚、図3の(a)や(b)のように重ね合わせて熱溶着(ヒートシール)したものや、図3の(c)のように一体となった複数の管状に一度に異形押出成形することができ、これらを重ね合わせて透湿モジュールとすることも可能である。
【0047】
排水貯水槽104は、その中に40〜50℃の洗濯排水を貯水することができ、液送ポンプ120を備える。なお、本実施の形態では、洗濯排水を対象としている。しかし、本発明の対象となる被処理排水は、このような洗濯排水だけでなく他の排水も対象とすることができる。
【0048】
さらに、図1の形態に係る排水処理システム100は、ファン122、熱交換器124、乾燥機126、及び必要な配管ラインを備える。配管ラインについては、図1で、実線は、液体の流れを示し、点線は気体の流れを示している。なお、これは、図4〜図6でも同じである。
【0049】
次に、以上の構成を備えた排水処理システム100の作用による排水処理方法を説明する。
排水貯水槽104は、洗濯排水を40〜50℃で貯水する。液送ポンプ120は、配管ラインによってこの排水を循環しつつ、一部を無孔質膜部106に供給する。無孔質膜部106には、洗濯排水を直接排水供給部110、すなわち、透湿膜(無孔質膜)の一次側(
供給側)に供給し、無孔質膜108を透過した水分を、水分回収部112、すなわち、膜
二次側(透過側)へ水のみを通過させることにより、排水に含まれる有機物、無機物を水から一度に除去する。水は溶解拡散理論により透過する。
【0050】
水分回収部112には、ファン122で空気を送り込む。空気は、予め熱交換器124で加熱する。この空気を加湿する。加湿された空気は、大気に放出128される。なお、空気は、実際には例えば、図2の矢印130の方向から透湿膜モジュール116に吹き込まれ、透湿膜モジュール116を構成する複数の透湿性チューブ114の内部を洗濯排水が流れ、この内部が排水供給部110を構成する。
【0051】
排水供給部110に取り残された濃縮排水中に含まれる有機物、無機物は少量ずつ排出し、乾燥機126で、洗濯工場に必須であるボイラの廃熱を用いて、乾燥させ、可燃ゴミ(固形物)として排出する。ここで、図1のように熱交換器124からの空気を一部分岐し、乾燥機126に供給するようにする場合には、ボイラからの廃熱を利用しなくても十分乾燥できる場合もある。
【0052】
従来採用されていた膜分離方法では、膜の汚染により、膜が目詰まりし、性能が低下する例が多く見受けられる。本実施の形態について説明した本発明に係る排水処理システムでは、水が溶解拡散理論により透過するため、無孔質膜108の一次側を汚染することがない。
【0053】
また、本発明に係る排水処理システムでは、無孔質膜部108を透過した水分を加湿空気として、大気に放出することにより、ほとんど環境に影響を与えることなく、かつ排水を全量なくすことができ、下水道を用いている場合には下水道費用の削減が可能となる。
【0054】
次に、図4に本発明に係る排水処理システムの別の形態を示す。この実施の形態では、加湿空気の温度を下げ、空気中の水を凝縮回収し、凝縮水をリサイクルしている。
【0055】
図4中、図1と同一の符号を付した構成要素は、図1と実質的に同様の作用・機能を果たす。図1の実施の形態の構成要素に加え、本実施の形態では、凝縮水タンク130及び
ヒートポンプ132を備えている。凝縮水ポンプ130は、液送ポンプ134を備える。また、ヒートポンプ132は、冷却部136に冷媒を送り込む。
【0056】
図4の実施の形態に係る排水処理システム100では、加湿空気128を冷却部136で冷却し、凝縮水タンク130に貯水し、液送ポンプ134によって洗濯水としてリサイクルする。すなわち、排水のリサイクルが可能となる。なお、水分を除去した空気は、ファン122に戻した図になっているが、一部を排気して、新たに外気を取り入れても良い。
本実施の形態では、洗濯排水の有効利用を図ることができると共に、下水道費用の削減が可能となる。
【0057】
次に、図5に、本発明に係る排水処理システムについて、さらに別の実施の形態を示す。
この実施の形態では、チューブ状の無孔質膜部106を図2に示すように多数平面的に配置して、その平面との接合点を接着剤で固定する。以上のように耐圧構造とした上で、排水供給部110であるチューブの内側に排水を供給することによって排水圧力を高めることができる構造としている。また、同構造はチューブの外側に排水を供給する形態でも対応可能である。
そして、排水供給部110からの戻り配管ライン140をさらに設け、途中に圧力調整バルブ142を設けている。また、液送ポンプ120を高圧ポンプとして構成している。
その他の構成は、一部省略しているが、図1又は図4の実施の形態と同様に実施することができる。すなわち、図1の大気放出の形態でも、図4の排水リサイクルの形態でも共に実施することができる。
【0058】
本実施の形態では、排水供給圧力を高めることにより水の無孔質膜108の透過水量を高めることができる。圧力調節は圧力調整バルブ142の開度により調節する。
なお、本実施の形態の他、供給圧力増加方式のほかに、膜の二次側を減圧することにより、推進力である圧力差を大きく取ることも可能である。
【0059】
図6に本発明に係る排水処理システムのさらに別の実施の形態を示す。
この実施の形態では、無孔質膜部106にスクレーパ150を設けている。この実施の形態では、図1、4、5のようにファン122により空気を送るのではなく、水分回収部112に透過した水をスクレーパ150により無孔質膜108により除去することで透過水を回収している。
この場合、無孔質膜108を平面構造として、膜表面をスクレーパ150でなぞれる構造とする。スクレーパ軸152にはネジが切ってあり、モータ154により軸152が回転することでスクレーパ150は、機械的に上下に移動可能となっている。回収された水は、膜透過水回収トレー156で回収され、膜透過水回収タンク158に回収される。
【0060】
この実施の形態では、条件が適合すれば、加湿空気を送るための構造を省略して,直接水分を回収して再利用することができる。
【0061】
図1の排水処理システムを具体化した試験装置を用いて、以下の条件で、洗濯排水を処理した。一方、比較例として同じ洗濯排水を、以下の条件で生物処理した。
本発明に係る実施例の処理条件:
密閉空間の中に、チューブ状の無孔質膜膜面積1m2に対して排水を供給し、ファンにより発生した空気を加熱後、無孔質膜透過側に供給、加湿空気とて膜透過水を得た。冷却機の代用として密閉空間の中に除湿機を設置、湿度分である水を除湿機で回収した。
比較例に係る生物処理の条件:
実際の洗濯排水を浄化処理しているプラントにて、滞留時間約4時間で処理した後、精密ろ過膜により透過させた。
比較例に係る電気透析処理の条件:
前述の生物処理を実施した後の水を、電気透析装置にて電気伝導率にて約半分の無機物を除去した。
【0062】
本発明では、上記説明したように一段有機物汚れ及び無機物汚れに対応している。したがって、本発明に係る実施例では、処理後の排水(無孔質膜透過水)について、指標(COD、電気伝導率)を測定した。比較例では、生物処理後にCODを測定し、引き続く電気透析処理後に電気伝導率を測定した。
【0063】
図7に示すように、COD133mg/Lの洗濯排水を上記条件で生物処理したところ、CODは、8mg/Lとなった。実施例の無孔質膜透過水も8mg/Lであり、本発明に係る排水処理システム又は方法によれば、通常の生物処理に比肩するCOD低減効果が得られることが確認された。
【0064】
また、図8に示すように、電気伝導率1370μS/cmの洗濯排水を上記条件で電気透析処理したところ、電気伝導率は、685μS/cmとなった。実施例の無孔質膜透過水は58μS/cmにまで低下しており、本発明に係る排水処理システム及び方法によれば、通常の電気透析処理によるよりも高い、脱塩効果があることが確認された。
なお、図8の200μS/cm前後の帯は、一般水道水の電気伝導率を示しており、本発明によれば洗濯排水を循環使用に耐えるレベルまで処理できることが了解される。
【0065】
次に、本発明に係る排水処理システムにおける被処理排水への推進力付与手段の実施の形態について説明する。
図9は本発明に係る排水処理システムについて、膜モジュールをそなえた第1実施の形態を説明する構成図、図10は図9のZ部詳細断面図、図11は図9における膜フィルタの側面図である。
【0066】
図9において、200は洗濯機、201はスクリーンフィルタ、202は排水タンクで、前記洗濯機200からの被処理排水は、排水管231を通り、スクリーンフィルタ201で大形固形物が除去された後、排水タンク202内に貯められる。
上記排水タンク202には加温装置202aが設置されて、該排水タンク202内の被処理排水を所定温度に加温するようになっている。このように構成すれば、被処理排水を所定温度に保持することによって、後述する膜フィルタ213での透過水量を増加できる。
232bは保安フィルタ、208は高圧ポンプで、上記排水タンク202内の被処理排水は、保安フィルタ232bにて上記スクリーンフィルタ201で除去できなかった糸屑等の微小固形物を除去されてから、排水管232及び233を通って上記高圧ポンプ208に吸入され、該高圧ポンプ208において所定の高圧(膜の耐圧力以下。1MPa以下が望ましい)に加圧される。
該高圧ポンプ208は、後述する透過水量コントローラ220によって吐出圧力を所定の高圧に制御されており、該高圧ポンプ208からの加圧被処理排水は、排水管234及び開閉弁235を通って、膜モジュール210のケース214内の高圧室214a内に供給される。
【0067】
図9において、上記膜モジュール210はつぎのように構成されている。
214はケースで、該ケース214内は高圧ポンプ208から供給される高圧の被処理排水が供給されることにより、所定の高圧に保持された高圧室214aとなっている。212は両端部を前記ケース214に回転自在に支持されている中空の回転軸で、該回転軸212にはこれの軸方向に沿って複数個の円盤状体からなる膜フィルタ213が並設されている。211は前記回転軸212及び膜フィルタ213を回転駆動するモータである。
【0068】
前記ケース214の回転軸支持部の詳細を示す図10において、245は前記ケース214に複数のボルト244a、ナット244bによって固定されたフランジ、243は該フランジ245に固定されて前記回転軸212を回転自在に支持する軸受である。242は前記ケース214内を流体密にシールするリップシールである。
246は透過水出口ニップルで、前記中空の回転軸212内の透過水通路と連通されて、該透過水通路を通った透過水が該透過水出口ニップル246の内部通路を通って、後述する透過水出口管239(図9参照)に送り出されるようになっている。
なお、図9におけるZ部の反対側の回転軸支持部は、上記構造から透過水出口ニップル246を除去した構造となっている。
【0069】
前記膜フィルタ213の詳細を示す図11において、247は前記回転軸212の外周にキー251を介して固定された中空の固定リング、250は前記無孔質膜からなる膜である。前記膜250は、外周部を縫い合わせて構成されている(248は縫製部)。
249は多数の通孔が形成されたスペーサで、該スペーサ249の表面に前記膜250が貼着されており、前記高圧室214a内の被処理排水が前記膜250を透過し、この透過水が該スペーサ249の通孔を通って該スペーサ249の内側空間に入り、前記固定リング247の通路を通って中空の前記回転軸212内の透過水通路に流入するようになっている。
【0070】
203は前記膜モジュール210で浄化された透過水(リサイクル水)を貯留するリサイクル水タンクで、透過水出口管239を介して前記透過水出口ニップル246に接続されている。240は該透過水出口管239の管路を開閉する開閉弁である。
【0071】
前記高圧ポンプ208によって加圧され、上記のように構成された膜モジュール210のケース214内の高圧室214a内に供給された加圧被処理排水は、該高圧室214aから図9の矢印のように流れて、回転駆動されている膜フィルタ213の膜(無孔質膜)250を透過することによって、有害物が除去され清浄化された透過水(リサイクル水)となって、上記スペーサ249の内側空間及び固定リング247の通路を通って中空の前記回転軸212内の透過水通路に流入する。
さらに、該透過水(リサイクル水)は、上記透過水出口ニップル246の内部通路を通って透過水出口管239に送り出され、開閉弁240の開弁によって上記リサイクル水タンク203内に貯留される。
【0072】
230は排水の循環路で、上記高圧室214a内の被処理排水の一部が該循環路230を通って開閉弁236を介して上記排水タンク202内に循環するようになっている。204は該循環路230に設置されて上記高圧室214a内の圧力を調整する圧力調整弁である。
上記循環路230の途中からは濃縮排水排出弁205によって開閉される濃縮排水管205aが分岐され、所定の時期に該濃縮排水排出弁205を開いて、該循環路230を通る濃縮された排水を抽出し、排水処理設備に送り込み、あるいはボイラの蒸気等によって乾燥させて可燃ごみ化する。
かかる濃縮排水の排出によって、高圧室214a内の排水が過濃縮化するのを回避できる。
【0073】
次に、図12及び図9を参照して、前記高圧室214a内の圧力制御について説明する。
207は上記透過水出口管240に取り付けられて膜モジュール210出口の透過水量を検出する透過水量センサ、220は透過水量コントローラである。
該透過水量センサ207からの透過水量の検出値は上記透過水量コントローラ220の透過水量比較部222に入力される。221は基準水量設定部で、膜モジュール210出口の透過水の所要水量と高圧ポンプ208の回転数との関係、及び上記圧力調整弁204の開度との関係、つまり上記透過水量が所要の水量になるような高圧ポンプ208の回転数、及び上記透過水量が所要の水量になるような圧力調整弁204の開度が設定されている。
【0074】
上記透過水量比較部222においては、上記透過水量の検出値と上記基準水量設定部221に設定されている透過水の所要水量とを比較し、その比較結果をポンプ回転数算出部224及び圧力調整弁開度算出部223に出力する。
ポンプ回転数算出部224においては、該透過水量の検出値が所要水量に達しない場合は不足透過水量に対応する高圧ポンプ208の回転数上昇量を算出し、あるいは該透過水量の検出値が所要水量を超えた場合は超過透過水量に対応する高圧ポンプ208の回転数低下量を算出し、高圧ポンプ208に出力する。
これにより、高圧ポンプ208は上記透過水量が所要水量になるような回転数で運転制御される。
一方、圧力調整弁開度算出部223においては、該透過水量の検出値が所要水量に達しない場合は不足透過水量に対応する圧力調整弁開度の縮小量(つまり上記循環路230への戻り量の減少量)を算出し、あるいは該透過水量の検出値が所要水量を超えた場合は超過透過水量に対応する圧力調整弁開度の増加量(つまり上記循環路230への戻り量の増加量)を算出し、圧力調整弁204をかかる開度に制御する。
これにより、圧力調整弁204は上記透過水量が所要水量になるように開度を制御される。
なお、上記高圧ポンプ208の回転数制御、あるいは上記圧力調整弁204開度制御の
のいずれか一方を用いてもよい。
【0075】
また、上記透過水量コントローラ220は、上記高圧ポンプ208の回転数を上昇させ、あるいは圧力調整弁204の開度を縮小させても、上記透過水量の検出値が所要水量
にならない場合には、警報装置225に透過水量異常の警報を出力する。
警報装置225に透過水量異常の警報が出た際には、上記高圧ポンプ208を停止し、膜モジュール210内の水位を低下させて膜フィルタ213の一部を空気中に露出させ、上記モータ211により膜フィルタ213を回転させることにより、膜フィルタ213を洗浄する。
【0076】
上記膜フィルタ213の汚れを除去する際には、上記リサイクルタンク203と高圧ポンプ208の吸入側の排水管233とを接続する逆洗通路241を、逆洗弁241aを開くことによって開通させるとともに、排水タンク202側の開閉弁232aを閉じ、さらに上記高圧ポンプ208出口から分岐された逆洗通路238aを逆洗弁238によって開いて高圧ポンプ208を運転する。
これにより、リサイクルタンク203内の透過水(リサイクル水)を、逆洗通路241、高圧ポンプ208、逆洗通路238a、上記透過水出口ニップル246、中空の前記回転軸212内の透過水通路を通って膜フィルタ213内を経て、スペーサ249の内側空間
を通って膜(無孔質膜)250を内部側から透過せしめて、膜(無孔質膜)250を洗浄することができる。
【0077】
また、206は膜洗浄薬液タンクで、酸、アルカリ、次亜塩素酸ナトリウム等の薬液が貯留されている。該薬液は、薬液供給弁237,237aを開き、排水タンク202出入口通路の開閉弁236,232aを閉じることにより、排水タンク202を通すことなく、保安フィルタ、高圧ポンプ208、膜モジュール210内を循環することにより、これらの機器及び管内を循環してこれらを洗浄することができる。
なお、リサイクルタンク203自体にも次亜塩素酸ナトリウム溶液添加装置、紫外線ランプ装置、活性炭吸着ろ過装置、オゾンガス発生装置、吹き込み装置を備えることもできる。
【0078】
次に、図13は本発明に係る排水処理システムについて、膜モジュールをそなえた第2実施の形態を説明する構成図、図14は前記膜モジュールをそなえた第2実施の形態における膜モジュールの一例の要部斜視図、図15は前記膜モジュールをそなえた第2実施の形態における膜モジュールの他の例の要部断面図である。
かかる膜モジュールをそなえた第2実施の形態においては、図9〜図12に示される第1実施の形態における膜モジュール210に代えて、図14に示される膜モジュールの一例、あるいは図15に示される膜モジュールの他の例のような膜モジュールを用いている。
【0079】
即ち、図14に示される膜モジュールの一例においては、上記膜モジュール260は、円筒状の外筒261の内部に上記無孔質膜が取付けられた多数の内筒262を並設し、上記高圧ポンプ208から、外筒261と多数の内筒262との間に形成される通路260aに導入された被処理排水を、上記内筒262の無孔質膜を透過させることによって透過水(リサイクル水)を生成している。
透過水は、上記各内筒262の内部を通して透過水出口管239に導き、該透過水出口管239からリサイクル水タンク203に送り込む。
【0080】
また、図15に示される膜モジュールの他の例においては、上記膜モジュール260は、
円筒状の外筒265の内部に、上記無孔質膜が取付けられたエレメントを螺旋状に巻回してなる螺旋状エレメント266と該螺旋状エレメント266の内周側に配置されて多数の通路孔267aが穿孔された内管267とを配設してなり、上記外筒265と螺旋状エレメント266との間に形成される通路265aに導入された被処理排水を上記螺旋状エレメント266の無孔質膜を、図の矢印のように透過させることによって透過水(リサイクル水)を生成している。
透過水は、上記内筒267の内部を通して透過水出口管239に導き、該透過水出口管239からリサイクル水タンク203に送り込む。269は濃縮水を取り出すための濃縮水出口管である。
【0081】
かかる膜モジュールをそなえた第2実施の形態において、図示を省略したが、膜モジュール260以外の構成は、図9に示される第1実施の形態と同様であり、該第1実施の形態と同一の部材は同一の符号で示す。すなわち、スクリーンフィルタ201、排水タンク202、膜洗浄薬液タンク206、高圧ポンプ208、保安フィルタ232b、図12について説明した制御システムに係る構成等は、膜モジュールをそなえた第2実施の形態においても実施することができ、同様の作用効果を奏することができる。
【0082】
また、図16は本発明に係る排水処理システムについて、膜モジュールをそなえた第3実施の形態を説明する構成図である。
かかる膜モジュールをそなえた第3実施の形態においては、図9〜図12に示される第1実施の形態における膜モジュール210に代えて、次のように構成された膜モジュール270を用いている。
即ち、この第3実施の形態における膜モジュール270は、表面に上記無孔質膜が貼設された中空のエレメント271を上記高圧室214a内に略鉛直に複数個並設するとともに、上記各エレメント271の下端に上記中空部に連通される透過水集水管272を接続し、さらに該透過水集水管272の透過水出口を上記透過水出口管239に接続している。
【0083】
上記各エレメント271の無孔質膜を透過した透過水は、該エレメント271の中空部から上記透過水集水管272を通り、上記透過水出口管239を経てリサイクル水タンク203に送り込まれる。
かかる膜モジュールをそなえた第3実施の形態において、図示を省略したが、膜モジュール270以外の構成は、図9に示される第1実施の形態と同様であり、該第1実施の形態と同一の部材は同一の符号で示す。すなわち、スクリーンフィルタ201、排水タンク202、膜洗浄薬液タンク206、高圧ポンプ208、保安フィルタ232b、図12について説明した制御システムに係る構成等は、膜モジュールをそなえた第2実施の形態においても実施することができ、同様の作用効果を奏することができる。
【0084】
以上のような、膜モジュールをそなえた第1ないし第3実施の形態によれば、
高圧ポンプ208により被処理排水を膜モジュール210,260,270内に押し込むことにより該膜モジュール210,260,270内を高圧に保持し、被処理排水を高圧に加圧した状態で膜モジュール210,260,270内に設置した無孔質膜を透過せしめることによって、清浄な透過水(リサイクル水)を生成するので、無孔質膜を透過する被処理排水に、高圧ポンプ208を用いた高圧加圧手段によって推進力を付与することが可能となって、高圧室214aにおける該無孔質膜上流の一次側から下流の二次側への水の透過を促進することができ、排水の浄化処理効率が向上する。
【0085】
また、図17は本発明に係る排水処理システムについて、遠心式排水処理装置をそなえた実施の形態を示し、(A)は装置の構成図、(B)は(A)におけるB―B矢視図、(C)は回転内筒の平面略図である。
図17(A)〜(C)において、282は有底円筒体からなる外筒、280は該外筒282の内部に設置されて軸受部291(図17(B)参照)にて該外筒282に回転自在に支持された中空の回転内筒である。該回転内筒280は内面に上記無孔質膜が貼設され、これの回転軸285がモータ283に連結されて該モータ283により回転駆動される。
該回転内筒280の内周面には、図17(B)〜(C)のように、該回転内筒280の軸方向に延びる邪魔板290を円周方向に沿って複数個突設している。
284は上記回転内筒280の上方内部に設置された排水噴出部材、202は図9の実施の形態を同様な排水タンク、288は排水循環ポンプ287を備え該排水タンク202と上記排水噴出部材284とを接続する排水管、239は透過水出口管、203は該透過水出口管239を通った透過水を貯留するリサイクル水タンクである。
【0086】
かかる遠心式排水処理装置において、前記排水循環ポンプ287により排水管288を通して排水噴出部材284に搬送された排水タンク202内の被処理排水は、該排水噴出部材284から図の矢印のように回転内筒280内の上部から該回転内筒280内に噴出される。
排水噴出部材284から噴出された該被処理排水は、上記回転内筒280の回転による遠心力により該回転内筒280に貼設された無孔質膜291を透過して、有害物が除去され清浄化された透過水(リサイクル水)となり、回転内筒280と外筒282との間の透過水通路282aに排出され、該透過水通路282aから透過水出口管239を通ってリサイクル水タンク203内に貯留される。
この場合、上記回転内筒280の内周に軸方向に延びる邪魔板290を円周方向に沿って複数個突設しているので、該被処理排水が回転内筒280の回転に連れ廻り、該回転内筒280の無孔質膜291を透過しにくくなるのを回避できる。
【0087】
以上のような、遠心式排水処理装置をそなえた実施の形態によれば、外筒282内に設置されて回転駆動される内筒280内に導入した被処理排水を、該内筒280の回転に伴う遠心力により無孔質膜を透過せしめることによって清浄な透過水を生成するので、無孔質膜を透過する被処理排水に、回転内筒280を用いた遠心力による搬送手段によって推進力を付与することが可能となって、該無孔質膜上流の排水噴出部材284側から下流の二次側への水の透過を促進することができ、排水の浄化処理効率を向上できる。
なお、図17の実施の形態でも、図9に示される第1実施の形態におけるスクリーンフィルタ201、排水タンク202、膜洗浄薬液タンク206等は、同様に実施することができ、同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る排水処理システムについて、一実施の形態を説明する概念図である。
【図2】本発明に採用する膜モジュールについて、一実施の形態を説明する斜視図である。
【図3】本発明に採用する膜モジュールについて、別の実施の形態を説明する斜視図である。
【図4】本発明に係る排水処理システムについて、別の実施の形態を説明する概念図である。
【図5】本発明に係る排水処理システムについて、別の実施の形態を説明する概念図である。
【図6】本発明に係る排水処理装置について、別の実施の形態を説明する概念図である。
【図7】本発明に係る実施例に関し、CODの変化を説明するグラフである。
【図8】本発明に係る実施例に関し、電気伝導率の変化を説明するグラフである。
【図9】本発明に係る排水処理システムについて、膜モジュールをそなえた第1実施の形態を説明する構成図である。
【図10】図9のZ部詳細断面図である。
【図11】図9における膜フィルタの側面図である。
【図12】前記膜モジュールをそなえた第1実施の形態における透過水量コントローラの制御ブロック図である。
【図13】本発明に係る排水処理システムについて、膜モジュールをそなえた第2実施の形態を説明する構成図である。
【図14】前記膜モジュールをそなえた第2実施の形態における膜モジュールの要部斜視図である。
【図15】前記膜モジュールをそなえた第2実施の形態における膜モジュールの他の例を示す要部断面図である。
【図16】本発明に係る排水処理システムについて、膜モジュールをそなえた第3実施の形態を説明する構成図である。
【図17】本発明に係る排水処理システムについて、遠心式排水処理装置を備えた実施の形態を示し、(A)は装置の構成図、(B)は(A)におけるB―B矢視図、(C)は回転内筒の平面略図である。
【符号の説明】
【0089】
100 排水処理システム
102 排水処理装置
104(202) 排水貯水槽(排水タンク)
106 無孔質膜部
108 無孔質膜
110 排水供給部
112 水分回収部
114 透湿性チューブ
116 透湿膜モジュール
120 液送ポンプ
122 ファン
124 熱交換器
126 乾燥機
130 凝縮水タンク
132 ヒートポンプ
134 液送ポンプ
136 冷却部
142 圧力調整バルブ
150 スクレーパ
152 スクレーパ軸
158(203) 膜透過水回収タンク(リサイクル水タンク)
200 洗濯機
201 スクリーンフィルタ
202a 加温装置
203 保安フィルタ
204 圧力調整弁
205a 濃縮排水管
206 膜洗浄薬液タンク
208 高圧ポンプ
210,260,270 膜モジュール
212 回転軸
213 膜フィルタ
214 ケース
214a 高圧室
220 透過水量コントローラ
230 循環路
239 透過水出口管
241 逆洗通路
246 透過水出口ニップル
249 スペーサ
250 無孔質膜からなる膜
271 エレメント
280 回転内筒
282 外筒
284 排水噴出部材
290 邪魔板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無孔質膜を挟んで、被処理排水の供給を受ける排水供給部と、無孔質膜を透過した水分を回収する水分回収部とを備える無孔質膜部を備えることを特徴とする排水処理装置。
【請求項2】
上記無孔質膜が、透湿性ポリウレタンであって、イソシアネート成分と、鎖延長剤と、ポリオール成分とを少なくとも原料として用い、該原料が反応させられて得られるものであることを特徴とする請求項1の排水処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2の排水処理装置を含む排水処理システム。
【請求項4】
上記水分回収部で回収した水分を空気中に取り込むための空気の供給手段と、該空気を加熱するための排水循環手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項3の排水処理システム。
【請求項5】
加湿空気を冷却する手段と、加湿空気の冷却によって得られる凝縮水を回収・リサイクルする手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4の排水処理システム。
【請求項6】
上記排水供給部に供給される排水の加圧手段、又は水分回収部の減圧手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかの排水処理システム。
【請求項7】
上記無孔質膜の表面の水分を除去するための除去手段を備えたことを特徴とする請求項3の排水処理システム。
【請求項8】
請求項3、4、及び6のいずれかの排水処理システムを用い、上記無孔質膜を透過した無孔質膜透過水を加湿空気に含めて放出することを特徴とする排水処理方法。
【請求項9】
請求項3、及び5〜7のいずれかの排水処理システムを用い、上記無孔質膜を透過した無孔質膜透過水を回収・循環することを特徴とする排水処理方法。
【請求項10】
請求項3、及び5〜7のいずれかの排水処理システムを用い、上記無孔質膜を透過した無孔質膜透過水を回収・循環することを特徴とする排水リサイクル方法。
【請求項11】
排水タンクから被処理排水通路を通して導入される被処理排水を所定の高圧に加圧する高圧ポンプと、所定の高圧に保持された高圧室内に無孔質膜を設置してなり、上記高圧ポンプで加圧された加圧被処理排水が導入され、該加圧被処理排水を上記無孔質膜を透過させて、透過水を抽出して水分回収部に送出する膜モジュールとを備えることを特徴とする排水処理システム。
【請求項12】
上記膜モジュールは、中空の回転軸と、該回転軸にこれの軸方向に沿って複数個並設されるとともに、表面に上記無孔質膜が貼設された中空の円盤状体とをそなえ、上記高圧室内の加圧被処理排水が無孔質膜を透過可能にされかつ上記透過後の透過水を上記円盤状体の中空部及び上記回転軸の中空部を通して回転軸の軸端部から上記水分回収部に送出するように構成したことを特徴とする請求項11の排水処理システム。
【請求項13】
上記円盤状体は、多数の通孔が形成されたスペーサの表面に上記無孔質膜が貼設されるとともに、該スペーサの内側に上記中空部が形成されてなることを特徴とする請求項12の排水処理システム。
【請求項14】
上記膜モジュールは、円筒状の外筒の内部に上記無孔質膜が取付けられた多数の内筒を並設してなり、上記外筒と多数の内筒との間に形成される通路に導入された上記被処理排水を上記内筒の無孔質膜を透過させて上記透過水を生成し、該透過水を該内筒内を通して水分回収部に送出するように構成されてなることを特徴とする請求項11の排水処理システム。
【請求項15】
上記膜モジュールは、円筒状の外筒の内部に、上記無孔質膜が取付けられたエレメントを螺旋状に巻回してなる螺旋状エレメントと該螺旋状エレメントの内周側に配置されて多数の通路孔が穿孔された内管とを配設してなり、上記外筒と螺旋状エレメントとの間に形成される通路に導入された上記被処理排水を、上記螺旋状エレメントの無孔質膜を透過させて上記透過水を生成し、該透過水を上記通路孔を介して上記内管内に導入し該内管を通して水分回収部に送出するように構成されてなることを特徴とする請求項11の排水処理システム。
【請求項16】
上記膜モジュールは、表面に上記無孔質膜が貼設された中空のエレメントを上記高圧室内に略鉛直に複数個並設するとともに、上記各エレメントの下端に上記中空部に連通される透過水集水通路を接続し、上記透過水集水通路の透過水出口を上記水分回収部に接続し、上記各エレメントの無孔質膜を透過した透過水を該エレメントの中空部から上記透過水集水通路を通して上記水分回収部に送出するように構成されたことを特徴とする請求項11の排水処理システム。
【請求項17】
上記高圧室と排水タンクとの間に、該高圧室内の被処理排水の一部を排水タンクに循環させる循環路を設け、該循環路に被処理排水中の濃縮排水を抽出する濃縮排水通路及び該濃縮排水通路を開閉する濃縮排水排出弁を接続したことを特徴とする請求項12〜16のいずれかの排水処理システム。
【請求項18】
上記排水タンクと高圧ポンプとの間の被処理排水通路の該被処理排水中の固形物を捕獲する保安フィルタを配設したことを特徴とする請求項12〜16のいずれかの排水処理システム。
【請求項19】
上記被処理排水通路の高圧ポンプ入口及び上記循環路のいずれか一方または双方に、上記膜モジュールを洗浄する薬液を注入する薬液注入手段を接続したことを特徴とする請求項12〜16のいずれかの排水処理システム。
【請求項20】
上記透過水の一部を上記高圧ポンプ入口の被処理排水通路に循環させる逆洗通路を設け、上記高圧ポンプにより透過水の一部を上記膜モジュールに循環させて該膜モジュールを逆洗するように構成したことを特徴とする請求項12〜16のいずれかの排水処理システム。
【請求項21】
上記高圧室の圧力を調整する圧力調整弁及び上記膜モジュール出口の透過水量を検出する透過水量センサを設けるとともに、上記透過水量センサからの透過水量検出値が入力され、該透過水量検出値に基づき上記圧力調整弁の開度を調整して上記高圧室の圧力を制御する圧力制御手段及び該透過水量検出値に基づき上記高圧ポンプの回転数を調整して高圧室への被処理排水流量を制御する高圧ポンプ御手段のいずれか一方の手段または双方の手段によって上記透過水量を所要透過水量に制御する透過水量コントローラを設けたことを特徴とする請求項12〜16のいずれかの排水処理システム。
【請求項22】
外筒の内部に設置されて回転駆動され表面に無孔質膜が貼設された内筒と、上記内筒の内部に配置されて上記無孔質膜に向けて被処理排水を噴出する排水噴出部材と、該排水噴出部材に被処理排水を送給するポンプと、上記内筒の外周と外筒の内周との間に形成され上記無孔質膜を透過した透過水が通流する透過水通路とをそなえ、上記内筒を回転させて上記排水噴出部材から上記無孔質膜に被処理排水を噴出し、該被処理排水を上記内筒の回転による遠心力により上記無孔質膜を透過させて上記透過水通路に排出し、該透過水通路から水分回収部に送出するように構成したことを特徴とする排水処理システム。
【請求項23】
上記内筒の内周面に、該内筒の軸方向に延びる邪魔板を円周方向に沿って複数個突設したことを特徴とする請求項22の排水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−159177(P2006−159177A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127249(P2005−127249)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】