排水溝の改修方法
【課題】本発明は、従来にない作用効果を発揮する画期的な排水溝の改修方法を提供することを目的とする。
【解決手段】開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、前記開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法である。
【解決手段】開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、前記開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば道路脇に設けられたり道路を横断する状態で設けられる排水溝の改修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば道路脇に設けられたり道路を横断する状態で設けられる排水溝ブロック(この排水溝ブロックが連設されて排水溝が形成される。)は、経年変化によっては勿論、人や車両が上部を通過する際に受ける振動などの原因から欠損が生じる。
【0003】
具体的には、この排水溝ブロックとしては、底壁の左右に側壁部が立設され、夫々の側壁部の内面上部には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられ、側壁部上部間にして蓋体載置段部間に蓋体を設けて使用する断面U字状のものの他、開口窓を有する天壁部の左右に側壁部が垂設され、開口窓の対向左右内面には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられ、蓋体載置段部上にして開口窓に蓋体を設けて使用する断面逆U字状のものがあり、例えば物が当たったりして天壁部の頂面左右角縁が欠けたり削れたりし、また、人や車両が上部を通過した際に蓋体がバタつくことで蓋体載置段部が欠けたり削れたりしてしまう。
【0004】
そこで、この排水溝ブロックに生じた欠損箇所の改修方法として、例えば特開2006−29015号に開示されるような切断装置を利用して排水溝ブロックの天壁部を所定部位(蓋体載置段部よりも下方位置にして側壁部との境界位置)で切断し、この切断して除去した部分に、予め工場で成形されたコンクリート成形品を配設したり、或いは、型枠を配設してコンクリートを打設して現場で成形したりするなど、天壁部のみを新品に取り換える(或いは成形し直す)改修する方法が提案されている。
【0005】
この改修方法は、それ以前に行われていた排水溝ブロックを全て取り替える方法に比べれば、廃材の排出量が低減されてコスト面及び環境面に秀れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−29015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人は、前述した排水溝の改修方法について更なる研究開発を進め、その結果、極めて画期的な排水溝の改修方法を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、前記開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロック1の前記天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを下記の覆体2で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
記
前記覆体2は、前記天壁部1dの左側部1d’のみを覆うものである。
【0010】
また、請求項1記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕するとともに、前記天壁部1dにおける前記開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを前記覆体2で覆うとともに、この覆体2の一部を前記溝8に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0011】
また、請求項2記載の排水溝の改修方法において、前記溝8は、前記排水溝ブロック1の長さ方向前後側縁から前記開口窓1eまでの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体2は、前記天壁部1dの上部左外面,左側頂面,前記開口窓1eの左側蓋体載置段部1cまでの内面,前記左側蓋体載置段部1c及び前記左側蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面のみを覆う形状であることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0013】
また、開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、前記開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロック1の前記天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを下記の覆体2で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
記
前記覆体2は、前記天壁部1dの左側部1d’及び右側部1d''のみを覆うものである。
【0014】
また、請求項5記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕するとともに、前記天壁部1dにおける前記開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを前記覆体2で覆うとともに、この覆体2の一部を前記溝8に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0015】
また、請求項6記載の排水溝の改修方法において、前記溝8は、前記排水溝ブロック1の長さ方向前後側縁から前記開口窓1eまでの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0016】
また、請求項5〜7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体2は、前記天壁部1dの上部左外面,左側頂面,前記開口窓1eの左側蓋体載置段部1cまでの内面,前記左側蓋体載置段部1c及び前記左側蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体2と、前記天壁部1dの上部右外面,右側頂面,前記開口窓1eの右側蓋体載置段部1cまでの内面,前記右側蓋体載置段部1c及び前記右側蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体2の双方を用いることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0017】
また、請求項2,3,6,7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、ガイド体26と、このガイド体26のガイド部26aに沿ってスライドするスライド部28cを有する切断構造体27とから成る切断装置25によって前記溝8を形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0018】
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記欠損箇所Dは前記蓋体載置段部1c若しくはその近傍または前記天壁部1dの頂面若しくはその近傍における欠損箇所Dであることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0019】
また、請求項1〜10いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体2にして前記蓋体載置段部1cを覆う部分には、前記蓋体4のガタつきを防止する緩衝部材17が設けられていることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0020】
また、請求項1〜11いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部に所定深さの溝20aを形成した後、前記覆体2をこの溝20aに一部嵌入して覆うことを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0021】
また、請求項12記載の排水溝の改修方法において、ガイド体26と、このガイド体26のガイド部26aに沿ってスライドするスライド部28cを有する切断構造体27とから成る切断装置25によって前記溝20aを形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述のように構成したから、従来から提案される改修方法に比し、簡易且つ迅速に排水溝を改修でき、より一層コスト面及び環境面に秀れるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な排水溝の改修方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1に係る覆体2を示す斜視図である。
【図2】実施例1に係る覆体2の一部を示す背面斜視図である。
【図3】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図4】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図5】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図6】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図7】実施例1に係る排水溝の改修方法で改修した箇所の部分拡大説明断面図である。
【図8】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図9】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図10】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図11】実施例2に係る切断装置25を示す斜視図である。
【図12】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【図13】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【図14】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【図15】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0025】
改修対象となる排水溝ブロック1の天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、修繕箇所を含む天壁部1dを覆体2で覆う。この覆体2は天壁部1dの保護機能を発揮し、しかも、既存の排水溝の体裁を良好にする機能も発揮する。
【0026】
また、従来から行われている改修方法のように、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除するような作業は必要なく、単にコンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で欠損箇所Dを修繕した修繕箇所を含む部位を覆体2で覆うだけであり、簡易且つ迅速に排水溝の改修が行われることになる。
【0027】
また、本発明は、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除してコンクリート成形品を配設したり、或いは、型枠を配設してコンクリートを打設したりする場合に必要となる強度計算や、この強度計算に基づく施工が不要であり、排水溝ブロック1が持つ強度をそのまま利用して改修が行われることになり、しかも、欠損箇所Dの修繕作業の後に覆体2で覆うことになるから、覆体2の表面に修繕用部材3が付着してしまうようなことがなく仕上がり状態が良好となる。
【0028】
また、本発明に係る覆体2は、天壁部1dの左側部1d’のみを覆うものである。
【0029】
従って、欠損箇所Dが天壁部1dの左側部1d’のみである場合は、この片側の左側部1d’のみを覆体2で覆えば良いだけとなり、しかも、覆体2は、天壁部1dの全てを覆うだけの大きさにする必要が無いから非常にコスト安となる。
【0030】
また、この覆体2により天壁部1dを全て覆うことはないから、滑りにくい天壁部1bを可及的に露出させることで、天壁部1dを全て覆った場合に比して滑りにくい状態が得られることになる。
【0031】
また、請求項2記載の発明のように、欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕するとともに、天壁部1dにおける開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成し、続いて、修繕箇所を含む天壁部1dを覆体2で覆うとともに、この覆体2の一部を溝8に嵌入する場合には、前述した簡易構造でありながら排水溝ブロック1に対して外れにくい堅固な覆い状態が得られることになる。
【0032】
即ち、例えば修繕後に覆体2上を人や車が通過するなどして荷重がかかった際、覆体2には外れさせようとする力が加わるが、天壁部1dに形成した溝8に一部を嵌入させることで、例えば天壁部1dへ接触する表面が増える分、天壁部1dへの付設状態がより堅固となり、天壁部1dに対して外れにくい堅固な覆い状態が得られることになる。
【実施例1】
【0033】
本発明の具体的な実施例1について図1〜10に基づいて説明する。
【0034】
本実施例は、開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる排水溝ブロック1の天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、修繕箇所を含む天壁部1dを覆体2で覆う排水溝の改修方法である。
【0035】
本実施例に係る排水溝ブロック1としては、図2〜7に図示したように断面逆U字状の排水溝ブロック1が採用されており、この蓋体載置段部1cに蓋体4が載置されて開口窓1eが閉塞される構成である。
【0036】
本明細書で言う排水溝ブロック1の天壁部1dとは、蓋体載置段部1cよりも下方位置にして左右の側壁部1a夫々との境界位置までを指す。符号1fは敷設部位20に形成される掘削凹溝の底に形成される底部材であり、この底部材1f上に排水溝ブロック1が載置される。
【0037】
また、本実施例に係る覆体2は、図1に図示したように適宜な金属製の長尺の細長薄板材を折曲して形成されており、長さは排水溝ブロック1の長さと同一の長さに設定され、天壁部1dの左右の側部(左側部1d’及び右側部1d’のいずれか一方のみ)を覆うものである。つまり、覆体2は、天壁部1dの左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆うもので、この左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆う覆体2同士は分離された別体のもの(天壁部1dの左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆う覆体2は共通パーツ)である。
【0038】
尚、覆体2は型による成形品でも良い。
【0039】
覆体2は、排水溝ブロック1の天壁部1dの頂面を覆う上側覆い部2a、敷設部位20の端部に形成する溝20aに挿入され天壁部1dの側部外面を覆う外側覆い部2b及び天壁部1d(開口窓1e)の内面を覆う内側覆い部2cを有する構成である。
【0040】
外側覆い部2bは、上側覆い部2aの外側縁に設けられ、この外側覆い部2bの前後位置には孔2b’が形成されており、この孔2b’は、堅固な固定状態が要求される場面において、天壁部1dの外面とボルト13で止めたり杭止めする際に使用する。
【0041】
外側覆い部2bは基板部2aの全縁に設けなくても良く、断続的に設けるようにしても良い。また、敷設部位20の端部に形成する溝20aを、排水溝ブロック1に係る天壁部1aの上部外面との境界でなく、この上部外面から離れた位置(これも敷設部位20の端部)に設けた場合には、この溝20aに外側覆い部2bを挿入するようにすれば良い(つまり、必ずしも外側覆い部2bは天壁部1aの側部外面に当接する必要はない。)。
【0042】
内側覆い部2cは、上側覆い部2aの内側縁に設けられ、開口窓1e内にして蓋体載置段部1cまでの天壁部1dの内面を覆う第一覆い部2c’、蓋体載置段部1cを覆う第二覆い部2c''及び蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面を覆う第三覆い部2c'''で構成されている。
【0043】
また、内側覆い部2cにして第一覆い部2c’の両側には垂下片2dが一体形成されている。
【0044】
この垂下片2dは、天壁部1dを覆体2で覆った際、天壁部1dに形成する溝8に嵌入する嵌入部2dとして構成されている。
【0045】
また、覆体2の第二覆い部2c''の上面には緩衝部材17を設けている。
【0046】
具体的には、この緩衝部材17は、適度な可撓性を有する合成樹脂製の部材(ゴム部材)で形成した帯板状体であり、断面山形状の凸条部17aが複数並設されて所定巾を有するとともに、第二覆い部2c''の長さ方向の長さと同じ長さを有する。
【0047】
また、緩衝部材17は両面テープを介して第二覆い部2c''の上面に設けられる。
【0048】
従って、この緩衝部材17により、蓋体4を載置した際に蓋体4の破損や騒音の原因となるガタつきを防止することができ、しかも、成形表面に凹凸の生じ易いコンクリート製の蓋体4の成形精度を保証することができる。
【0049】
尚、緩衝部材17はゴムに限らずスポンジでも良いなど本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0050】
また、本実施例では、排水溝の改修作業の際、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部(天壁部1dの上部外面との境界部)に溝20aを形成し、且つ、天壁部1dに溝8を形成するための切断装置5を設けている。尚、この溝20aは、覆体2で覆う際に該覆体2の一部(外側覆い部2b)嵌入する部位である。
【0051】
具体的には、この切断装置5は、適宜な駆動源(図示省略の電動モーター)を内装した本体6の先端部(側面)に円形の切断刃7を設けたカッター装置である。
【0052】
また、本体6は、切断刃7の角度を可変する角度可変機構を具備している。
【0053】
この角度可変機構は、本体6の下部6aを傾動自在に設けて構成されており、天壁部1dに形成する溝8を垂直状でなく傾斜状に形成することができる。
【0054】
これは開口窓1eの内面(開口窓1e内にして蓋体載置段部1cまでの天壁部1dの内面)は傾斜しており、溝8は垂直状でなくこの傾斜面に合わせて傾斜状に形成される。
【0055】
従って、本体を天壁部1dの上面を摺動させることで所定の角度に傾斜した溝8を形成することができる(図4参照)。尚、必要に応じて車輪と動力を設けて自動走行するように構成しても良い。
【0056】
また、本実施例では、修繕用部材3として硬化性部材であるモルタルが採用される。尚、修繕用部材3としてはコンクリートでも良いなど、本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0057】
以上の構成から成る覆体2と切断装置5を使用した排水溝の改修方法(図3,8に図示した欠損箇所Dが生じた排水溝ブロック1に係る天壁部1dの改修方法)について説明する。尚、本実施例では、天壁部1dの修繕した左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆体2で覆う改修を行っているが、左側部1d’及び右側部1d’のいずれか一方のみに改修を行っても良い。
【0058】
先ず、図3,8に図示したように改修対象となる排水溝ブロック1から蓋体4を外して、切断装置5で溝20aを形成する。具体的には、切断装置5に係る切断刃7を回転させ、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20にして天壁部1dの側部外面の近傍部位(舗装部位)に所定深さ(約2cm)の溝20aを形成する。この溝20aは天壁部1dの外側面に沿って形成される。
【0059】
続いて、図4に図示したように天壁部1dに溝8を形成する。尚、前述した溝20aを形成する前にこの溝8を形成するようにしても良い。
【0060】
続いて、図5,9に図示したように欠損箇所Dを修繕用部材3で修繕する。蓋体載置段部1cを修繕する際には、ジャッキ装置10(回動螺子棒10Aの回動により左右に突没移動する左右のリンク部材10B)に設けられた型枠10a,10bを用いて行う。尚、欠損箇所Dを修繕した後に切断装置5で溝20aを形成するようにしても良い。
【0061】
続いて、図6,7に図示したように修繕済みの天壁部1dに接着剤11を介して覆体2で覆う。この際、覆体2の上側覆い部2aは天壁部1dの頂面を覆い、外側覆い部2bは溝20aに挿入されて天壁部1dの上部外面を覆い、内側覆い部2cに係る第一覆い部2c’は開口窓1e内にして天壁部1dの蓋体載置段部1cまでの内面、第二覆い部2c''は天壁部1dの蓋体載置段部1c、第三覆い部2c'''は天壁部1dの蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面を覆う(覆体2を構成する各部位を軽く叩くなどして天壁部1dの形状に合致させる。)。この際、内側覆い部2cにして第一覆い部2c’の両側に設けた嵌入部2dを天壁部1dに形成した溝8に嵌入する。
【0062】
その後、アスファルト等の特殊合材を外側覆い部2bと溝20aとの隙間を埋めたり、敷設部位20との段差を無くしたり、嵌入部2dと溝8との隙間を埋めたりするように打設するなど仕上げ処理を行い、新しい蓋体4を蓋体載置段部1c(覆体2に係る第二覆い部2c''の上面)に載置して作業は終了となる(図10参照)。
【0063】
本実施例は上述のように構成したから、従来から行われている改修方法のように、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除するような作業は必要なく、単にコンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で欠損箇所Dを修繕した天壁部1dの側部を覆体2で覆うだけであり、簡易且つ迅速に排水溝の改修が行われ、しかも、コスト安である。
【0064】
また、本実施例は、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除してコンクリート成形品を配設したり、或いは、型枠を配設してコンクリートを打設したりする場合に必要となる強度計算や、この強度計算に基づく施工が不要であり、排水溝ブロック1が持つ強度をそのまま利用して改修が行われることになり、しかも、欠損箇所Dの修繕作業の後に覆体2で覆うことになるから、修繕用部材3が覆体2の表面に付着してしまうようなことがなく仕上がり状態が良好となる。
【0065】
また、本実施例は、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除したりしないから産業廃棄物の排出を抑制することができ、しかも、建設機械をほとんど使用しない為、二酸化炭素の排出量も抑制し得ることになるなど、環境にやさしい工法となる。
【0066】
また、本実施例は、覆体2が天壁部1dの表面形状と同形状の為、蓋体4の載置に支障を来さない。
【0067】
また、本実施例は、覆体2にして蓋体載置段部1cを覆う部分(第二覆い部2c''の上面)には、蓋体4のガタつきを防止する緩衝部材17が設けられているから、蓋体4を載置した際に蓋体4の破損や騒音の原因となるガタつきを防止することができ、しかも、成形表面に凹凸の生じ易いコンクリート製の蓋体4の成形精度を保証することができる。
【0068】
また、本実施例は、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部に所定深さの溝20aを形成した後、覆体2をこの溝20aに一部嵌入して覆うから、覆体2での覆い作業が極めて簡易且つ良好に行えることになる。具体的には、この溝20aにより排水溝ブロック1の側壁部1aの上部外面を覆う外側覆い部2bを良好に配設し得ることになる。また、覆体2は排水溝ブロック1に対して掛け止め状態となり、単に天壁部1dの上面に載置されるだけの場合に比し、覆体2はそれだけ堅固に覆われることになる。
【0069】
また、本実施例は、覆体2は金属板を折曲形成して構成されているから、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0070】
また、本実施例は、既存の排水溝の流れを止めることなく施工することができる。
【実施例2】
【0071】
本発明の具体的な実施例2について図11〜15に基づいて説明する。
【0072】
本実施例は、排水溝の改修作業の際、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部(天壁部1dの上部外面との境界部)に形成される溝20aと、天壁部1dに形成される溝8を形成するための切断装置として、ガイド体26と、このガイド体26のガイド部26aに沿ってスライドするスライド部28cを有する切断構造体27とから成る切断装置25を採用した場合である。
【0073】
具体的には、ガイド体26は、図11に図示したように適宜な金属製(ステンレス)の板材で形成した断面L字状の長尺体であり、長尺基体26'の長尺方向の一側縁にはガイド部26aが上方へ向けて折曲形成されており、このガイド部26aはガイド体26の全長にわたって直線状に形成されている。
【0074】
このガイド部26aは、後述する切断構造体27のスライド部28cをガイドするものである。
【0075】
また、ガイド体26は、長尺基体26'におけるガイド部26aと反対側の側縁にして前後複数個所(二箇所)に下方へ向けて凸部26bが折曲形成されている。
【0076】
この凸部26bは、切断装置25で溝8,20を形成する際、ガイド体26を設置箇所に位置決め係止するためのものである。
【0077】
即ち、溝20aを形成する際は、図12に図示したように敷設部位20に予め凹部20bを形成し、この凹部20bに凸部26bを挿入して位置決め係止させ、溝8を形成する場合は、図14に図示したように天壁部1dの開口窓1e(隣接する排水溝ブロック1における天壁部1dの開口窓1e夫々)の開口縁に凸部26bを係止して位置決め係止させることになる。
【0078】
切断構造体27は、図11に図示したように走行本体部28と、この走行本体部28に連設される切断部29とで構成されている。
【0079】
走行本体部28は、適宜な金属製の部材で形成したものであり、基体28'の下面前後位置に車輪28aが設けられ、基体28'の上面後方位置には走行ハンドル28bが設けられている。
【0080】
従って、走行本体部28は走行ハンドル28bを握持して押引操作することで前後方向に人力で移動することになる。尚、走行本体部28は動力を具備して自走式にしても良い。
【0081】
また、走行本体部28には、ガイド体26のガイド部26aをスライドするスライド部28cが設けられている。
【0082】
このスライド部28cは、基体28'の一側縁部に該走行本体部28の前後方向に長さを有し下方に向けて開口する凹溝を設けて構成されており、板状のガイド部28aに上方から被嵌してスライド自在に係止連結するように構成されている。
【0083】
また、走行本体部28は、上面前方位置に立設部28dが設けられており、この立設部28dには上下方向に長さを有する長窓孔28d'が形成され、この長窓孔28a'は後述する切断部29を連結する部位である。
【0084】
切断部29は、図11に図示したように適宜な駆動源30(電動モーター)を備えた本体29aの一側部に円形の切断刃29bを設けたカッター装置である。
【0085】
また、本体29aは、切断刃29bの角度を可変する角度可変機構を具備している。
【0086】
この角度可変機構は、図11に図示したように本体29aの後方部に連結軸部29cを設け、この連結軸部29cを長窓孔28d'に回動自在にして上下方向にスライド自在に連結して構成されている。
【0087】
従って、走行本体部28に対して切断部29は左右方向(図15中矢印a方向)に揺動回動自在となり、切断刃29bを垂直状態としたり、傾斜状態としたりその角度を可変することができる。
【0088】
また、本体29aには角度可変ハンドル29dが設けられており、この角度可変ハンドル29dを操作して切断刃29bの角度を可変することができる。
【0089】
従って、天壁部1dに形成する溝8を垂直状でなく傾斜状に形成することができる。
【0090】
以上の構成から成る切断装置25を用いた溝の形成方法について説明する。
【0091】
先ず、溝20aを形成する場合、図12に図示したように予め敷設部位20に設けた凹部20bに凸部26bを係止させてガイド体26を位置決め状態に設置し、ガイド体26のガイド部26aに切断構造体27のスライド部28cを被嵌連結し、走行ハンドル28bを握って押し込みながらスライド部28cをスライドさせて車輪28aを基体28'の上面を走行させるとともに、切断刃29bを回転させ、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20にして天壁部1dの側部外面の近傍部位(舗装部位)に所定深さ(約2cm)の溝20aを形成する(図13参照)。この溝20aは天壁部1dの外側面に沿って形成される。この溝20aを形成する際、走行ハンドル28bを握る手と反対の手で握っている角度可変ハンドル29dを操作して切断刃29bを垂直状態に保持する。
【0092】
一方、天壁部1dに溝8を形成する場合、図14に図示したように天壁部1dの開口窓1eの開口縁に凸部26bを係止させてガイド体26を位置決め状態に設置し、ガイド体26のガイド部26aに切断構造体27のスライド部28cを被嵌連結し、走行ハンドル28bを握って押し込みながらスライド部28cをスライドさせて車輪28aを基体28'の上面を走行させるとともに、切断刃29bを回転させ、天壁部1dにおける前記開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成する(図15参照)。この溝8を形成する際、走行ハンドル28bを握る手と反対の手で握っている角度可変ハンドル29dを操作して切断刃29bを傾斜状態に保持する。
【0093】
尚、前述した溝20aを形成する前にこの溝8を形成するようにしても良い。
【0094】
本実施例は上述のように構成したから、簡易且つ確実に真っ直ぐな溝8,20aを形成することができる。
【0095】
その余は実施例1と同様のものである。
【0096】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0097】
D 欠損箇所
1 排水溝ブロック
1a 側壁部
1c 蓋体載置段部
1d 天壁部
1d’ 左側部
1d'' 右側部
1e 開口窓
2 覆体
3 修繕用部材
4 蓋体
8 溝
17 緩衝部材
20 敷設部位
20a 溝
25 切断装置
26 ガイド体
26a ガイド部
27 切断構造体
28c スライド部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば道路脇に設けられたり道路を横断する状態で設けられる排水溝の改修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば道路脇に設けられたり道路を横断する状態で設けられる排水溝ブロック(この排水溝ブロックが連設されて排水溝が形成される。)は、経年変化によっては勿論、人や車両が上部を通過する際に受ける振動などの原因から欠損が生じる。
【0003】
具体的には、この排水溝ブロックとしては、底壁の左右に側壁部が立設され、夫々の側壁部の内面上部には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられ、側壁部上部間にして蓋体載置段部間に蓋体を設けて使用する断面U字状のものの他、開口窓を有する天壁部の左右に側壁部が垂設され、開口窓の対向左右内面には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられ、蓋体載置段部上にして開口窓に蓋体を設けて使用する断面逆U字状のものがあり、例えば物が当たったりして天壁部の頂面左右角縁が欠けたり削れたりし、また、人や車両が上部を通過した際に蓋体がバタつくことで蓋体載置段部が欠けたり削れたりしてしまう。
【0004】
そこで、この排水溝ブロックに生じた欠損箇所の改修方法として、例えば特開2006−29015号に開示されるような切断装置を利用して排水溝ブロックの天壁部を所定部位(蓋体載置段部よりも下方位置にして側壁部との境界位置)で切断し、この切断して除去した部分に、予め工場で成形されたコンクリート成形品を配設したり、或いは、型枠を配設してコンクリートを打設して現場で成形したりするなど、天壁部のみを新品に取り換える(或いは成形し直す)改修する方法が提案されている。
【0005】
この改修方法は、それ以前に行われていた排水溝ブロックを全て取り替える方法に比べれば、廃材の排出量が低減されてコスト面及び環境面に秀れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−29015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人は、前述した排水溝の改修方法について更なる研究開発を進め、その結果、極めて画期的な排水溝の改修方法を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、前記開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロック1の前記天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを下記の覆体2で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
記
前記覆体2は、前記天壁部1dの左側部1d’のみを覆うものである。
【0010】
また、請求項1記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕するとともに、前記天壁部1dにおける前記開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを前記覆体2で覆うとともに、この覆体2の一部を前記溝8に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0011】
また、請求項2記載の排水溝の改修方法において、前記溝8は、前記排水溝ブロック1の長さ方向前後側縁から前記開口窓1eまでの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体2は、前記天壁部1dの上部左外面,左側頂面,前記開口窓1eの左側蓋体載置段部1cまでの内面,前記左側蓋体載置段部1c及び前記左側蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面のみを覆う形状であることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0013】
また、開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、前記開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロック1の前記天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを下記の覆体2で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
記
前記覆体2は、前記天壁部1dの左側部1d’及び右側部1d''のみを覆うものである。
【0014】
また、請求項5記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕するとともに、前記天壁部1dにおける前記開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部1dを前記覆体2で覆うとともに、この覆体2の一部を前記溝8に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0015】
また、請求項6記載の排水溝の改修方法において、前記溝8は、前記排水溝ブロック1の長さ方向前後側縁から前記開口窓1eまでの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0016】
また、請求項5〜7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体2は、前記天壁部1dの上部左外面,左側頂面,前記開口窓1eの左側蓋体載置段部1cまでの内面,前記左側蓋体載置段部1c及び前記左側蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体2と、前記天壁部1dの上部右外面,右側頂面,前記開口窓1eの右側蓋体載置段部1cまでの内面,前記右側蓋体載置段部1c及び前記右側蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体2の双方を用いることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0017】
また、請求項2,3,6,7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、ガイド体26と、このガイド体26のガイド部26aに沿ってスライドするスライド部28cを有する切断構造体27とから成る切断装置25によって前記溝8を形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0018】
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記欠損箇所Dは前記蓋体載置段部1c若しくはその近傍または前記天壁部1dの頂面若しくはその近傍における欠損箇所Dであることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0019】
また、請求項1〜10いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体2にして前記蓋体載置段部1cを覆う部分には、前記蓋体4のガタつきを防止する緩衝部材17が設けられていることを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0020】
また、請求項1〜11いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部に所定深さの溝20aを形成した後、前記覆体2をこの溝20aに一部嵌入して覆うことを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【0021】
また、請求項12記載の排水溝の改修方法において、ガイド体26と、このガイド体26のガイド部26aに沿ってスライドするスライド部28cを有する切断構造体27とから成る切断装置25によって前記溝20aを形成することを特徴とする排水溝の改修方法に係るものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述のように構成したから、従来から提案される改修方法に比し、簡易且つ迅速に排水溝を改修でき、より一層コスト面及び環境面に秀れるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な排水溝の改修方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1に係る覆体2を示す斜視図である。
【図2】実施例1に係る覆体2の一部を示す背面斜視図である。
【図3】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図4】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図5】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図6】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図7】実施例1に係る排水溝の改修方法で改修した箇所の部分拡大説明断面図である。
【図8】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図9】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図10】実施例1に係る排水溝の改修方法の説明図である。
【図11】実施例2に係る切断装置25を示す斜視図である。
【図12】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【図13】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【図14】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【図15】実施例2に係る切断装置25の使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0025】
改修対象となる排水溝ブロック1の天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、修繕箇所を含む天壁部1dを覆体2で覆う。この覆体2は天壁部1dの保護機能を発揮し、しかも、既存の排水溝の体裁を良好にする機能も発揮する。
【0026】
また、従来から行われている改修方法のように、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除するような作業は必要なく、単にコンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で欠損箇所Dを修繕した修繕箇所を含む部位を覆体2で覆うだけであり、簡易且つ迅速に排水溝の改修が行われることになる。
【0027】
また、本発明は、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除してコンクリート成形品を配設したり、或いは、型枠を配設してコンクリートを打設したりする場合に必要となる強度計算や、この強度計算に基づく施工が不要であり、排水溝ブロック1が持つ強度をそのまま利用して改修が行われることになり、しかも、欠損箇所Dの修繕作業の後に覆体2で覆うことになるから、覆体2の表面に修繕用部材3が付着してしまうようなことがなく仕上がり状態が良好となる。
【0028】
また、本発明に係る覆体2は、天壁部1dの左側部1d’のみを覆うものである。
【0029】
従って、欠損箇所Dが天壁部1dの左側部1d’のみである場合は、この片側の左側部1d’のみを覆体2で覆えば良いだけとなり、しかも、覆体2は、天壁部1dの全てを覆うだけの大きさにする必要が無いから非常にコスト安となる。
【0030】
また、この覆体2により天壁部1dを全て覆うことはないから、滑りにくい天壁部1bを可及的に露出させることで、天壁部1dを全て覆った場合に比して滑りにくい状態が得られることになる。
【0031】
また、請求項2記載の発明のように、欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕するとともに、天壁部1dにおける開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成し、続いて、修繕箇所を含む天壁部1dを覆体2で覆うとともに、この覆体2の一部を溝8に嵌入する場合には、前述した簡易構造でありながら排水溝ブロック1に対して外れにくい堅固な覆い状態が得られることになる。
【0032】
即ち、例えば修繕後に覆体2上を人や車が通過するなどして荷重がかかった際、覆体2には外れさせようとする力が加わるが、天壁部1dに形成した溝8に一部を嵌入させることで、例えば天壁部1dへ接触する表面が増える分、天壁部1dへの付設状態がより堅固となり、天壁部1dに対して外れにくい堅固な覆い状態が得られることになる。
【実施例1】
【0033】
本発明の具体的な実施例1について図1〜10に基づいて説明する。
【0034】
本実施例は、開口窓1eを有する天壁部1dの左右に側壁部1aが垂設され、開口窓1eの対向左右内面には蓋体4を載置する蓋体載置段部1cが設けられた断面逆U字状の排水溝ブロック1を敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる排水溝ブロック1の天壁部1dに生じた欠損箇所Dを、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で修繕し、続いて、修繕箇所を含む天壁部1dを覆体2で覆う排水溝の改修方法である。
【0035】
本実施例に係る排水溝ブロック1としては、図2〜7に図示したように断面逆U字状の排水溝ブロック1が採用されており、この蓋体載置段部1cに蓋体4が載置されて開口窓1eが閉塞される構成である。
【0036】
本明細書で言う排水溝ブロック1の天壁部1dとは、蓋体載置段部1cよりも下方位置にして左右の側壁部1a夫々との境界位置までを指す。符号1fは敷設部位20に形成される掘削凹溝の底に形成される底部材であり、この底部材1f上に排水溝ブロック1が載置される。
【0037】
また、本実施例に係る覆体2は、図1に図示したように適宜な金属製の長尺の細長薄板材を折曲して形成されており、長さは排水溝ブロック1の長さと同一の長さに設定され、天壁部1dの左右の側部(左側部1d’及び右側部1d’のいずれか一方のみ)を覆うものである。つまり、覆体2は、天壁部1dの左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆うもので、この左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆う覆体2同士は分離された別体のもの(天壁部1dの左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆う覆体2は共通パーツ)である。
【0038】
尚、覆体2は型による成形品でも良い。
【0039】
覆体2は、排水溝ブロック1の天壁部1dの頂面を覆う上側覆い部2a、敷設部位20の端部に形成する溝20aに挿入され天壁部1dの側部外面を覆う外側覆い部2b及び天壁部1d(開口窓1e)の内面を覆う内側覆い部2cを有する構成である。
【0040】
外側覆い部2bは、上側覆い部2aの外側縁に設けられ、この外側覆い部2bの前後位置には孔2b’が形成されており、この孔2b’は、堅固な固定状態が要求される場面において、天壁部1dの外面とボルト13で止めたり杭止めする際に使用する。
【0041】
外側覆い部2bは基板部2aの全縁に設けなくても良く、断続的に設けるようにしても良い。また、敷設部位20の端部に形成する溝20aを、排水溝ブロック1に係る天壁部1aの上部外面との境界でなく、この上部外面から離れた位置(これも敷設部位20の端部)に設けた場合には、この溝20aに外側覆い部2bを挿入するようにすれば良い(つまり、必ずしも外側覆い部2bは天壁部1aの側部外面に当接する必要はない。)。
【0042】
内側覆い部2cは、上側覆い部2aの内側縁に設けられ、開口窓1e内にして蓋体載置段部1cまでの天壁部1dの内面を覆う第一覆い部2c’、蓋体載置段部1cを覆う第二覆い部2c''及び蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面を覆う第三覆い部2c'''で構成されている。
【0043】
また、内側覆い部2cにして第一覆い部2c’の両側には垂下片2dが一体形成されている。
【0044】
この垂下片2dは、天壁部1dを覆体2で覆った際、天壁部1dに形成する溝8に嵌入する嵌入部2dとして構成されている。
【0045】
また、覆体2の第二覆い部2c''の上面には緩衝部材17を設けている。
【0046】
具体的には、この緩衝部材17は、適度な可撓性を有する合成樹脂製の部材(ゴム部材)で形成した帯板状体であり、断面山形状の凸条部17aが複数並設されて所定巾を有するとともに、第二覆い部2c''の長さ方向の長さと同じ長さを有する。
【0047】
また、緩衝部材17は両面テープを介して第二覆い部2c''の上面に設けられる。
【0048】
従って、この緩衝部材17により、蓋体4を載置した際に蓋体4の破損や騒音の原因となるガタつきを防止することができ、しかも、成形表面に凹凸の生じ易いコンクリート製の蓋体4の成形精度を保証することができる。
【0049】
尚、緩衝部材17はゴムに限らずスポンジでも良いなど本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0050】
また、本実施例では、排水溝の改修作業の際、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部(天壁部1dの上部外面との境界部)に溝20aを形成し、且つ、天壁部1dに溝8を形成するための切断装置5を設けている。尚、この溝20aは、覆体2で覆う際に該覆体2の一部(外側覆い部2b)嵌入する部位である。
【0051】
具体的には、この切断装置5は、適宜な駆動源(図示省略の電動モーター)を内装した本体6の先端部(側面)に円形の切断刃7を設けたカッター装置である。
【0052】
また、本体6は、切断刃7の角度を可変する角度可変機構を具備している。
【0053】
この角度可変機構は、本体6の下部6aを傾動自在に設けて構成されており、天壁部1dに形成する溝8を垂直状でなく傾斜状に形成することができる。
【0054】
これは開口窓1eの内面(開口窓1e内にして蓋体載置段部1cまでの天壁部1dの内面)は傾斜しており、溝8は垂直状でなくこの傾斜面に合わせて傾斜状に形成される。
【0055】
従って、本体を天壁部1dの上面を摺動させることで所定の角度に傾斜した溝8を形成することができる(図4参照)。尚、必要に応じて車輪と動力を設けて自動走行するように構成しても良い。
【0056】
また、本実施例では、修繕用部材3として硬化性部材であるモルタルが採用される。尚、修繕用部材3としてはコンクリートでも良いなど、本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0057】
以上の構成から成る覆体2と切断装置5を使用した排水溝の改修方法(図3,8に図示した欠損箇所Dが生じた排水溝ブロック1に係る天壁部1dの改修方法)について説明する。尚、本実施例では、天壁部1dの修繕した左側部1d’及び右側部1d’夫々を覆体2で覆う改修を行っているが、左側部1d’及び右側部1d’のいずれか一方のみに改修を行っても良い。
【0058】
先ず、図3,8に図示したように改修対象となる排水溝ブロック1から蓋体4を外して、切断装置5で溝20aを形成する。具体的には、切断装置5に係る切断刃7を回転させ、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20にして天壁部1dの側部外面の近傍部位(舗装部位)に所定深さ(約2cm)の溝20aを形成する。この溝20aは天壁部1dの外側面に沿って形成される。
【0059】
続いて、図4に図示したように天壁部1dに溝8を形成する。尚、前述した溝20aを形成する前にこの溝8を形成するようにしても良い。
【0060】
続いて、図5,9に図示したように欠損箇所Dを修繕用部材3で修繕する。蓋体載置段部1cを修繕する際には、ジャッキ装置10(回動螺子棒10Aの回動により左右に突没移動する左右のリンク部材10B)に設けられた型枠10a,10bを用いて行う。尚、欠損箇所Dを修繕した後に切断装置5で溝20aを形成するようにしても良い。
【0061】
続いて、図6,7に図示したように修繕済みの天壁部1dに接着剤11を介して覆体2で覆う。この際、覆体2の上側覆い部2aは天壁部1dの頂面を覆い、外側覆い部2bは溝20aに挿入されて天壁部1dの上部外面を覆い、内側覆い部2cに係る第一覆い部2c’は開口窓1e内にして天壁部1dの蓋体載置段部1cまでの内面、第二覆い部2c''は天壁部1dの蓋体載置段部1c、第三覆い部2c'''は天壁部1dの蓋体載置段部1cから下方所定位置までの内面を覆う(覆体2を構成する各部位を軽く叩くなどして天壁部1dの形状に合致させる。)。この際、内側覆い部2cにして第一覆い部2c’の両側に設けた嵌入部2dを天壁部1dに形成した溝8に嵌入する。
【0062】
その後、アスファルト等の特殊合材を外側覆い部2bと溝20aとの隙間を埋めたり、敷設部位20との段差を無くしたり、嵌入部2dと溝8との隙間を埋めたりするように打設するなど仕上げ処理を行い、新しい蓋体4を蓋体載置段部1c(覆体2に係る第二覆い部2c''の上面)に載置して作業は終了となる(図10参照)。
【0063】
本実施例は上述のように構成したから、従来から行われている改修方法のように、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除するような作業は必要なく、単にコンクリートやモルタルなどの修繕用部材3で欠損箇所Dを修繕した天壁部1dの側部を覆体2で覆うだけであり、簡易且つ迅速に排水溝の改修が行われ、しかも、コスト安である。
【0064】
また、本実施例は、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除してコンクリート成形品を配設したり、或いは、型枠を配設してコンクリートを打設したりする場合に必要となる強度計算や、この強度計算に基づく施工が不要であり、排水溝ブロック1が持つ強度をそのまま利用して改修が行われることになり、しかも、欠損箇所Dの修繕作業の後に覆体2で覆うことになるから、修繕用部材3が覆体2の表面に付着してしまうようなことがなく仕上がり状態が良好となる。
【0065】
また、本実施例は、排水溝ブロック1の天壁部1dを切除したりしないから産業廃棄物の排出を抑制することができ、しかも、建設機械をほとんど使用しない為、二酸化炭素の排出量も抑制し得ることになるなど、環境にやさしい工法となる。
【0066】
また、本実施例は、覆体2が天壁部1dの表面形状と同形状の為、蓋体4の載置に支障を来さない。
【0067】
また、本実施例は、覆体2にして蓋体載置段部1cを覆う部分(第二覆い部2c''の上面)には、蓋体4のガタつきを防止する緩衝部材17が設けられているから、蓋体4を載置した際に蓋体4の破損や騒音の原因となるガタつきを防止することができ、しかも、成形表面に凹凸の生じ易いコンクリート製の蓋体4の成形精度を保証することができる。
【0068】
また、本実施例は、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部に所定深さの溝20aを形成した後、覆体2をこの溝20aに一部嵌入して覆うから、覆体2での覆い作業が極めて簡易且つ良好に行えることになる。具体的には、この溝20aにより排水溝ブロック1の側壁部1aの上部外面を覆う外側覆い部2bを良好に配設し得ることになる。また、覆体2は排水溝ブロック1に対して掛け止め状態となり、単に天壁部1dの上面に載置されるだけの場合に比し、覆体2はそれだけ堅固に覆われることになる。
【0069】
また、本実施例は、覆体2は金属板を折曲形成して構成されているから、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0070】
また、本実施例は、既存の排水溝の流れを止めることなく施工することができる。
【実施例2】
【0071】
本発明の具体的な実施例2について図11〜15に基づいて説明する。
【0072】
本実施例は、排水溝の改修作業の際、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20の端部(天壁部1dの上部外面との境界部)に形成される溝20aと、天壁部1dに形成される溝8を形成するための切断装置として、ガイド体26と、このガイド体26のガイド部26aに沿ってスライドするスライド部28cを有する切断構造体27とから成る切断装置25を採用した場合である。
【0073】
具体的には、ガイド体26は、図11に図示したように適宜な金属製(ステンレス)の板材で形成した断面L字状の長尺体であり、長尺基体26'の長尺方向の一側縁にはガイド部26aが上方へ向けて折曲形成されており、このガイド部26aはガイド体26の全長にわたって直線状に形成されている。
【0074】
このガイド部26aは、後述する切断構造体27のスライド部28cをガイドするものである。
【0075】
また、ガイド体26は、長尺基体26'におけるガイド部26aと反対側の側縁にして前後複数個所(二箇所)に下方へ向けて凸部26bが折曲形成されている。
【0076】
この凸部26bは、切断装置25で溝8,20を形成する際、ガイド体26を設置箇所に位置決め係止するためのものである。
【0077】
即ち、溝20aを形成する際は、図12に図示したように敷設部位20に予め凹部20bを形成し、この凹部20bに凸部26bを挿入して位置決め係止させ、溝8を形成する場合は、図14に図示したように天壁部1dの開口窓1e(隣接する排水溝ブロック1における天壁部1dの開口窓1e夫々)の開口縁に凸部26bを係止して位置決め係止させることになる。
【0078】
切断構造体27は、図11に図示したように走行本体部28と、この走行本体部28に連設される切断部29とで構成されている。
【0079】
走行本体部28は、適宜な金属製の部材で形成したものであり、基体28'の下面前後位置に車輪28aが設けられ、基体28'の上面後方位置には走行ハンドル28bが設けられている。
【0080】
従って、走行本体部28は走行ハンドル28bを握持して押引操作することで前後方向に人力で移動することになる。尚、走行本体部28は動力を具備して自走式にしても良い。
【0081】
また、走行本体部28には、ガイド体26のガイド部26aをスライドするスライド部28cが設けられている。
【0082】
このスライド部28cは、基体28'の一側縁部に該走行本体部28の前後方向に長さを有し下方に向けて開口する凹溝を設けて構成されており、板状のガイド部28aに上方から被嵌してスライド自在に係止連結するように構成されている。
【0083】
また、走行本体部28は、上面前方位置に立設部28dが設けられており、この立設部28dには上下方向に長さを有する長窓孔28d'が形成され、この長窓孔28a'は後述する切断部29を連結する部位である。
【0084】
切断部29は、図11に図示したように適宜な駆動源30(電動モーター)を備えた本体29aの一側部に円形の切断刃29bを設けたカッター装置である。
【0085】
また、本体29aは、切断刃29bの角度を可変する角度可変機構を具備している。
【0086】
この角度可変機構は、図11に図示したように本体29aの後方部に連結軸部29cを設け、この連結軸部29cを長窓孔28d'に回動自在にして上下方向にスライド自在に連結して構成されている。
【0087】
従って、走行本体部28に対して切断部29は左右方向(図15中矢印a方向)に揺動回動自在となり、切断刃29bを垂直状態としたり、傾斜状態としたりその角度を可変することができる。
【0088】
また、本体29aには角度可変ハンドル29dが設けられており、この角度可変ハンドル29dを操作して切断刃29bの角度を可変することができる。
【0089】
従って、天壁部1dに形成する溝8を垂直状でなく傾斜状に形成することができる。
【0090】
以上の構成から成る切断装置25を用いた溝の形成方法について説明する。
【0091】
先ず、溝20aを形成する場合、図12に図示したように予め敷設部位20に設けた凹部20bに凸部26bを係止させてガイド体26を位置決め状態に設置し、ガイド体26のガイド部26aに切断構造体27のスライド部28cを被嵌連結し、走行ハンドル28bを握って押し込みながらスライド部28cをスライドさせて車輪28aを基体28'の上面を走行させるとともに、切断刃29bを回転させ、排水溝ブロック1が敷設される敷設部位20にして天壁部1dの側部外面の近傍部位(舗装部位)に所定深さ(約2cm)の溝20aを形成する(図13参照)。この溝20aは天壁部1dの外側面に沿って形成される。この溝20aを形成する際、走行ハンドル28bを握る手と反対の手で握っている角度可変ハンドル29dを操作して切断刃29bを垂直状態に保持する。
【0092】
一方、天壁部1dに溝8を形成する場合、図14に図示したように天壁部1dの開口窓1eの開口縁に凸部26bを係止させてガイド体26を位置決め状態に設置し、ガイド体26のガイド部26aに切断構造体27のスライド部28cを被嵌連結し、走行ハンドル28bを握って押し込みながらスライド部28cをスライドさせて車輪28aを基体28'の上面を走行させるとともに、切断刃29bを回転させ、天壁部1dにおける前記開口窓1eのブロック長さ方向前後に、所定深さにして天壁部1dの長さ方向に延設される溝8を形成する(図15参照)。この溝8を形成する際、走行ハンドル28bを握る手と反対の手で握っている角度可変ハンドル29dを操作して切断刃29bを傾斜状態に保持する。
【0093】
尚、前述した溝20aを形成する前にこの溝8を形成するようにしても良い。
【0094】
本実施例は上述のように構成したから、簡易且つ確実に真っ直ぐな溝8,20aを形成することができる。
【0095】
その余は実施例1と同様のものである。
【0096】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0097】
D 欠損箇所
1 排水溝ブロック
1a 側壁部
1c 蓋体載置段部
1d 天壁部
1d’ 左側部
1d'' 右側部
1e 開口窓
2 覆体
3 修繕用部材
4 蓋体
8 溝
17 緩衝部材
20 敷設部位
20a 溝
25 切断装置
26 ガイド体
26a ガイド部
27 切断構造体
28c スライド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口窓を有する天壁部の左右に側壁部が垂設され、前記開口窓の対向左右内面には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられた断面逆U字状の排水溝ブロックを敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロックの前記天壁部に生じた欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を下記の覆体で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法。
記
前記覆体は、前記天壁部の左側部のみを覆うものである。
【請求項2】
請求項1記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕するとともに、前記天壁部における前記開口窓のブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部の長さ方向に延設される溝を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を前記覆体で覆うとともに、この覆体の一部を前記溝に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項3】
請求項2記載の排水溝の改修方法において、前記溝は、前記排水溝ブロックの長さ方向前後側縁から前記開口窓までの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体は、前記天壁部の上部左外面,左側頂面,前記開口窓の左側蓋体載置段部までの内面,前記左側蓋体載置段部及び前記左側蓋体載置段部から下方所定位置までの内面のみを覆う形状であることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項5】
開口窓を有する天壁部の左右に側壁部が垂設され、前記開口窓の対向左右内面には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられた断面逆U字状の排水溝ブロックを敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロックの前記天壁部に生じた欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を下記の覆体で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法。
記
前記覆体は、前記天壁部の左側部及び右側部のみを覆うものである。
【請求項6】
請求項5記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕するとともに、前記天壁部における前記開口窓のブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部の長さ方向に延設される溝を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を前記覆体で覆うとともに、この覆体の一部を前記溝に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項7】
請求項6記載の排水溝の改修方法において、前記溝は、前記排水溝ブロックの長さ方向前後側縁から前記開口窓までの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項8】
請求項5〜7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体は、前記天壁部の上部左外面,左側頂面,前記開口窓の左側蓋体載置段部までの内面,前記左側蓋体載置段部及び前記左側蓋体載置段部から下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体と、前記天壁部の上部右外面,右側頂面,前記開口窓の右側蓋体載置段部までの内面,前記右側蓋体載置段部及び前記右側蓋体載置段部から下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体の双方を用いることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項9】
請求項2,3,6,7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、ガイド体と、このガイド体のガイド部に沿ってスライドするスライド部を有する切断構造体とから成る切断装置によって前記溝を形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項10】
請求項1〜9いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記欠損箇所は前記蓋体載置段部若しくはその近傍または前記天壁部の頂面若しくはその近傍における欠損箇所であることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体にして前記蓋体載置段部を覆う部分には、前記蓋体のガタつきを防止する緩衝部材が設けられていることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項12】
請求項1〜11いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記排水溝ブロックが敷設される敷設部位の端部に所定深さの溝を形成した後、前記覆体をこの溝に一部嵌入して覆うことを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項13】
請求項12記載の排水溝の改修方法において、ガイド体と、このガイド体のガイド部に沿ってスライドするスライド部を有する切断構造体とから成る切断装置によって前記溝を形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項1】
開口窓を有する天壁部の左右に側壁部が垂設され、前記開口窓の対向左右内面には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられた断面逆U字状の排水溝ブロックを敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロックの前記天壁部に生じた欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を下記の覆体で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法。
記
前記覆体は、前記天壁部の左側部のみを覆うものである。
【請求項2】
請求項1記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕するとともに、前記天壁部における前記開口窓のブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部の長さ方向に延設される溝を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を前記覆体で覆うとともに、この覆体の一部を前記溝に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項3】
請求項2記載の排水溝の改修方法において、前記溝は、前記排水溝ブロックの長さ方向前後側縁から前記開口窓までの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体は、前記天壁部の上部左外面,左側頂面,前記開口窓の左側蓋体載置段部までの内面,前記左側蓋体載置段部及び前記左側蓋体載置段部から下方所定位置までの内面のみを覆う形状であることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項5】
開口窓を有する天壁部の左右に側壁部が垂設され、前記開口窓の対向左右内面には蓋体を載置する蓋体載置段部が設けられた断面逆U字状の排水溝ブロックを敷設して形成される排水溝の改修方法であって、改修対象となる前記排水溝ブロックの前記天壁部に生じた欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を下記の覆体で覆うことを特徴とする排水溝の改修方法。
記
前記覆体は、前記天壁部の左側部及び右側部のみを覆うものである。
【請求項6】
請求項5記載の排水溝に改修方法において、前記欠損箇所を、コンクリートやモルタルなどの修繕用部材で修繕するとともに、前記天壁部における前記開口窓のブロック長さ方向前後に、所定深さにして前記天壁部の長さ方向に延設される溝を形成し、続いて、前記修繕箇所を含む前記天壁部を前記覆体で覆うとともに、この覆体の一部を前記溝に嵌入することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項7】
請求項6記載の排水溝の改修方法において、前記溝は、前記排水溝ブロックの長さ方向前後側縁から前記開口窓までの間に形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項8】
請求項5〜7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体は、前記天壁部の上部左外面,左側頂面,前記開口窓の左側蓋体載置段部までの内面,前記左側蓋体載置段部及び前記左側蓋体載置段部から下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体と、前記天壁部の上部右外面,右側頂面,前記開口窓の右側蓋体載置段部までの内面,前記右側蓋体載置段部及び前記右側蓋体載置段部から下方所定位置までの内面のみを覆う形状の覆体の双方を用いることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項9】
請求項2,3,6,7いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、ガイド体と、このガイド体のガイド部に沿ってスライドするスライド部を有する切断構造体とから成る切断装置によって前記溝を形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項10】
請求項1〜9いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記欠損箇所は前記蓋体載置段部若しくはその近傍または前記天壁部の頂面若しくはその近傍における欠損箇所であることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記覆体にして前記蓋体載置段部を覆う部分には、前記蓋体のガタつきを防止する緩衝部材が設けられていることを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項12】
請求項1〜11いずれか1項に記載の排水溝の改修方法において、前記排水溝ブロックが敷設される敷設部位の端部に所定深さの溝を形成した後、前記覆体をこの溝に一部嵌入して覆うことを特徴とする排水溝の改修方法。
【請求項13】
請求項12記載の排水溝の改修方法において、ガイド体と、このガイド体のガイド部に沿ってスライドするスライド部を有する切断構造体とから成る切断装置によって前記溝を形成することを特徴とする排水溝の改修方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−32685(P2013−32685A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−50164(P2012−50164)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(510003807)株式会社 北澤工業 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(510003807)株式会社 北澤工業 (2)
【Fターム(参考)】
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