説明

採点装置

【課題】業務用カラオケと個人用カラオケとの両方を利用する利用者の利便性を向上させることのできる技術を提供する。
【解決手段】ユーザ管理データベース10には、エンドユーザによる業務用カラオケ装置12の利用状況を示す業務利用状況データや、エンドユーザによる個人用カラオケ装置22の利用状況を示す個人利用状況データが、エンドユーザを識別するユーザID毎に記憶されている。業務用カラオケ装置12の制御部は、マイクロホンによって収音されたエンドユーザの歌唱音声とカラオケコンテンツに含まれるガイドメロディデータとを比較し、比較結果に応じて歌唱の巧拙を採点する。このとき、制御部は、ユーザ管理データベース10からそのエンドユーザに対応する個人利用状況データを取得し、取得した個人利用状況データに応じた採点態様で採点する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採点処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケボックスや飲食店等の店舗においては、店舗の管理者は、店舗に設置されたカラオケボックスによって事業としてのカラオケサービスを提供する。そのようなカラオケ装置(以下「業務用カラオケ装置」という)を利用する利用者は、その店舗の管理者に対してカラオケ装置の利用料金を支払うことによってカラオケを楽しむことができる。また、近年では、家庭でカラオケを楽しむための個人向けのカラオケ装置が提案されている。このようなカラオケ装置(以下「個人用カラオケ装置」という)は家庭に設置され、利用者に対して、所定の課金体系に従った課金処理が行われる。利用者は、カラオケシステムの提供者に対して利用料金を支払うことによってカラオケを楽しむことができる。また、カラオケ装置においては、カラオケ歌唱の採点機能を有するものが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−009292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、家庭でカラオケを楽しんでいる個人用カラオケ装置の利用者が、外出先において業務用カラオケ装置を用いてカラオケを楽しむ場合がある。このような場合に、利用者に対して、利用状況に応じたサービスを提供することができれば好適である。
【0004】
本発明は上述した背景の下になされたものであり、業務用カラオケ装置と個人用カラオケ装置との両方を利用する利用者に対して、利用状況に応じたサービスを提供することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、利用者を識別する利用者識別データを取得する利用者識別データ取得手段と、前記利用者識別データ取得手段により取得された利用者識別データの示す利用者による第1の端末の利用状況を示す第1の利用状況データを取得する第1の利用状況データ取得手段と、第2の端末の収音手段により収音された音声を表す音声データを取得する音声データ取得手段と、前記音声データ取得手段により取得された音声データを解析し、解析結果に応じて該音声データの採点を行う採点手段であって、前記第1の利用状況データ取得手段により取得された第1の利用状況データに応じた採点態様で該音声データを採点する採点手段と、前記採点手段による採点結果を示すデータを出力する採点結果データ出力手段とを具備することを特徴とする採点装置を提供する。
【0006】
本発明の好ましい態様において、前記利用者識別データ取得手段により取得された利用者識別データの示す利用者による前記第2の端末の利用状況を示す第2の利用状況データを取得する第2の利用状況データ取得手段と、第1の端末の収音手段により収音された音声を表す第1の音声データを取得する第1の音声データ取得手段と、前記第1の音声データ取得手段により取得された第1の音声データを解析し、解析結果に応じて採点を行う採点手段であって、前記第2の利用状況データ取得手段により取得された第2の利用状況データに応じた採点態様で該音声データを採点する第2の採点手段と、前記第2の採点手段による採点結果を示すデータを出力する第2の採点結果データ出力手段とを具備してもよい。
【0007】
また、本発明の更に好ましい態様において、前記第1の利用状況データは、楽曲の再生回数、再生時間及び前記第2の端末の使用頻度のうちの少なくともいずれか一つを含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、業務用カラオケ装置と個人用カラオケ装置との両方を利用する利用者に対して、利用状況に応じたサービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<A:構成>
まず、図1を参照して、本発明に係る採点システムをカラオケサービスのために用いた形態について説明する。図において、複数の店舗1,1,…は、全国各地に開設されたカラオケボックスや飲食店等の店舗である。複数の店舗1,1,…には、それぞれルータ11と複数の業務用カラオケ装置12,12,…とがLAN13で接続されて設置されている。ルータ11はVPN(Virtual Private Network)3上を流れるデータをLAN13に中継する機器である。業務用カラオケ装置12,12,…は、楽曲データベース5から配信されるカラオケコンテンツを用いて利用者にカラオケサービスを提供する装置である。業務用カラオケ装置12,12,…は、それぞれLAN13に接続され、楽曲データベース5から配信されるカラオケコンテンツを用いてカラオケ伴奏や歌詞テロップの表示を行うことによって、カラオケサービスを利用者に提供する。なお、図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、ひとつの店舗1についてのみルータ11と業務用カラオケ装置12,12,…とが図示されているが、他の店舗1にも同様にルータ11と業務用カラオケ装置12,12,…が設置されている。
【0010】
業務用カラオケ装置12,12,…は、LAN13、ルータ11及びVPN3を介して店舗管理データベース4,楽曲データベース5,採点データベース6,課金管理装置7と接続されている。店舗管理データベース4は、各業務用カラオケ装置12への配信状況や、コンテンツの再生回数等のログ管理を行うためのデータベースである。
【0011】
楽曲データベース5は、楽曲の伴奏音や歌詞を表すカラオケコンテンツを複数記憶したデータベースである。このカラオケコンテンツは、業務用カラオケ装置12及び個人用カラオケ装置22においてカラオケ伴奏を行う際に用いられるコンテンツであり、業務用カラオケ装置12及び個人用カラオケ装置22に配信される。楽曲データベース5は、VPN3等を介して接続された業務用カラオケ装置12及び個人用カラオケ装置22にカラオケコンテンツを配信する。
【0012】
採点データベース6は、業務用カラオケ装置12によるカラオケの採点結果を示す採点結果データを利用者毎に蓄積するデータベースである。この採点データベース6に蓄積された内容を用いて採点のランキング付け等が行われる。
【0013】
課金管理装置7は、業務用カラオケ装置12に配信されるカラオケコンテンツに基づいて、業務用の課金体系に従って、各店舗1の管理者に対して課金処理を行う装置である。以下の説明では、説明の便宜上、業務用カラオケ装置12を利用する利用者を「エンドユーザ」と称して説明する。また、業務用カラオケ装置12の管理者(店舗1の管理者)を「非エンドユーザ」と称して説明する。課金管理装置7は、業務用カラオケ装置12と非エンドユーザとの対応関係を記憶しており、この対応関係に基づいて、業務用の課金体系に従って非エンドユーザに対して課金処理を行う。
【0014】
家屋2,2,…は、エンドユーザが個人的にカラオケを楽しむ施設である。家屋2,2,…にはそれぞれ、家庭用ルータ21と個人用カラオケ装置22とがLAN23で接続されて設置されている。家庭用ルータ21はインターネット8上を流れるデータをLAN23に中継する機器である。個人用カラオケ装置22は、エンドユーザによって個人的に使用されるカラオケ装置である。個人用カラオケ装置22は、家庭内LAN23に接続され、楽曲データベース5から配信されるカラオケコンテンツを用いてカラオケ伴奏や歌詞テロップの表示を行うことによって、エンドユーザにカラオケサービスを提供する。なお、図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、ひとつの家屋2についてのみ家庭用ルータ21と個人用カラオケ装置22とが図示されているが、他の家屋2にも同様に家庭用ルータ21と個人用カラオケ装置22とが設置されている。個人用カラオケ装置22は、家庭用ルータ21とインターネット8を介して課金管理装置9,ユーザ管理データベース10と接続されている。
【0015】
課金管理装置9は、個人用カラオケ装置22に配信されるカラオケコンテンツに基づいて、エンドユーザに対して課金処理を行う装置である。課金管理装置9は、個人用カラオケ装置22とエンドユーザとの対応関係を記憶しており、この対応関係に基づいて、個人用の課金体系に従ってエンドユーザに対して課金処理を行う。
【0016】
ユーザ管理データベース10には、エンドユーザのカラオケコンテンツの購入履歴、装置の利用状況等を示すエンドユーザに係る各種のデータが、エンドユーザ毎に記憶されている。エンドユーザのそれぞれにはそのエンドユーザを識別するユーザID(識別情報)が割り当てられており、エンドユーザに係る各種のデータは、ユーザIDに対応付けられて記憶されている。このデータベースに登録されるデータの具体的な一例としては、例えば、エンドユーザによる業務用カラオケ装置12の利用状況(利用した楽曲、装置を利用した時間、各楽曲の再生回数、装置の使用頻度、等)を示すデータ(以下「業務用利用状況データ」という)や、エンドユーザによる個人用カラオケ装置22の利用状況を示すデータ(以下「個人用利用状況データ」)が用いられる。
【0017】
次に、図2は、各店舗1に設置された業務用カラオケ装置12の構成を示すブロック図である。図において、制御部121は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROM又は記憶部122に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、バスBUSを介して業務用カラオケ装置12の各部を制御する。記憶部122は、制御部121によって実行されるコンピュータプログラムやその実行時に使用されるデータを記憶するための記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。表示部123は、液晶パネルを備え、制御部121による制御の下に各種の画像を表示する。操作部124は、業務用カラオケ装置12の利用者による操作に応じた信号を出力する。マイクロホン125は、収音し、収音した音声を表す音声信号(アナログ信号)を出力する。音声処理部126は、マイクロホン125が出力する音声信号(アナログ信号)をA/D変換によりデジタルデータに変換する。また、音声処理部126は、供給されるデジタルデータをD/A変換によりアナログ信号に変換してスピーカ127に供給する。スピーカ127は、音声処理部126から出力されるアナログ信号に応じた強度で放音する。通信部128は、他の装置との間でVPN3等を介して通信を行うための通信手段である。
【0018】
なお、この実施形態では、マイクロホン125とスピーカ127とが業務用カラオケ装置12に含まれている場合について説明するが、音声処理部126に入力端子及び出力端子を設け、オーディオケーブルを介してその入力端子に外部マイクロホンを接続する構成としても良い。同様に、オーディオケーブルを介してその出力端子に外部スピーカを接続する構成としても良い。また、この実施形態では、マイクロホン125から音声処理部126へ入力されるオーディオ信号及び音声処理部126からスピーカ127へ出力されるオーディオ信号がアナログオーディオ信号である場合について説明するが、デジタルオーディオデータを入出力するようにしても良い。このような場合には、音声処理部126にてA/D変換やD/A変換を行う必要はない。表示部123についても同様であり、外部出力端子を設け、外部モニタを接続する構成としても良い。
【0019】
記憶部122は、図示のように、カラオケコンテンツ記憶領域1221を有している。カラオケコンテンツ記憶領域1221には、楽曲の伴奏音や歌詞を表すカラオケコンテンツが記憶されている。これらのカラオケコンテンツは、楽曲データベース5から配信されたものである。このカラオケコンテンツには、楽曲の歌唱すべき旋律を示すガイドメロディを表すガイドメロディデータを含む。このガイドメロディデータは、業務用カラオケ装置12が歌唱の採点を行う際に用いられるデータである。
【0020】
次に、個人用カラオケ装置22の構成について図面を参照しつつ説明する。図3は、個人用カラオケ装置22の構成を示すブロック図である。図において、制御部221、記憶部222、表示部223、操作部224、マイクロホン225、音声処理部226、スピーカ227、通信部228、の機能はそれぞれ、業務用カラオケ装置12の制御部121、記憶部122、表示部123、操作部124、マイクロホン125、音声処理部126、スピーカ127、通信部128の機能とほぼ同様であり、説明を省略する。
【0021】
<B:動作>
次に、本システムの動作について説明する。
<B−1:個人用カラオケコンテンツ配信動作>
楽曲データベース5は、所定のタイミングで、カラオケコンテンツを個人用カラオケ装置22に対して配信する。この配信タイミングは、例えば、1ヶ月毎、1週間毎等の、予め定められた時間間隔で配信するようにしてもよく、また、例えば、配信要求を示す配信要求データを個人用カラオケ装置22から受信したタイミングで該配信要求データに対応するカラオケコンテンツを配信するようにしてもよい。楽曲データベース5から配信されたカラオケコンテンツは、個人用カラオケ装置22のカラオケコンテンツ記憶領域2221に記憶される。
【0022】
<B−2:個人用カラオケ装置22の採点動作>
次に、個人用カラオケ装置22の採点動作について説明する。利用者が個人用カラオケ装置22の操作部224を用いて楽曲指定操作を行うと、制御部221は、操作部224から供給される信号に基づいてカラオケコンテンツ記憶領域2221に記憶されたカラオケコンテンツのいずれかを選択する。選択された楽曲のカラオケコンテンツがカラオケコンテンツ記憶領域2221から読み出され、音声処理部226がコンテンツをアナログの楽音信号に変換し、スピーカ227に供給する。これにより、スピーカ227からはカラオケコンテンツに応じた楽曲が放音される。エンドユーザは、スピーカ227から放音されるカラオケ伴奏に合わせて歌唱を行うことで、カラオケを楽しむことができる。
【0023】
個人用カラオケ装置22は、エンドユーザの利用状況を示す利用状況データを、ユーザ管理データベース10に対して送信する。制御部221は、ユーザIDと、そのユーザIDに対応する個人用カラオケ装置22の利用状況(利用した楽曲、装置を利用した時間、各楽曲の再生回数、装置の使用頻度、等)を示す個人利用状況データに対応付けて、ユーザ管理データベース10に送信する。ユーザ管理データベース10は、個人用カラオケ装置22から受信するユーザIDと個人利用状況データとを対応付けて、データベースに登録する。これにより、ユーザ管理データベース10には、エンドユーザによる個人用カラオケ装置22の利用状況を示すデータが、エンドユーザ毎に蓄積される。
【0024】
また、制御部221は、マイクロホン225によって収音された歌唱者の歌唱音声とカラオケコンテンツに含まれるガイドメロディデータとを比較し、比較結果に応じて歌唱の巧拙を採点する。なお、この採点処理は、従来のカラオケ装置で行われる採点処理と同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。制御部221は、採点結果を示す採点結果データとユーザIDとを、採点データベース6に送信する。採点データベース6は、採点結果データとユーザIDとを対応付けて記憶する。
【0025】
<B−3:業務用カラオケコンテンツ配信動作>
楽曲データベース5は、所定のタイミングで、カラオケコンテンツを業務用カラオケ装置12に対して配信する。この配信タイミングは、例えば、1ヶ月毎、1週間毎等の、予め定められた時間間隔で配信するようにしてもよく、また、例えば、配信要求を示す配信要求データを業務用カラオケ装置12から受信したタイミングで該配信要求データに対応するカラオケコンテンツを配信するようにしてもよい。楽曲データベース5から配信されたカラオケコンテンツは、業務用カラオケ装置12のカラオケコンテンツ記憶領域1221に記憶される。このとき、課金管理装置7は、楽曲データベース5からの配信状況を示す配信状況データを、店舗を識別する店舗識別データに対応付けて、店舗管理データベース4に記憶する。
【0026】
<B−4:業務用カラオケ装置12の採点動作>
次に、業務用カラオケ装置12の採点動作について説明する。利用者が業務用カラオケ装置12の操作部124を用いて楽曲指定操作を行うと、制御部121は、操作部124から供給される信号に基づいてカラオケコンテンツ記憶領域1221に記憶されたカラオケコンテンツのいずれかを選択する。選択された楽曲のカラオケコンテンツがカラオケコンテンツ記憶領域1221から読み出され、音声処理部126がコンテンツをアナログの楽音信号に変換し、スピーカ127に供給する。これにより、スピーカ127からはカラオケコンテンツに応じた楽音が放音される。エンドユーザは、スピーカ127から放音されるカラオケ伴奏に合わせて歌唱を行うことで、カラオケを楽しむことができる。
【0027】
業務用カラオケ装置12を利用するにあたって、自身に割り当てられたユーザIDを、操作部124を用いて業務用カラオケ装置12に入力することができる。操作部124は、操作された内容に応じた信号を出力し、制御部121は、入力されたユーザIDを、そのユーザIDに対応する業務用カラオケ装置12の利用状況(利用した楽曲、装置を利用した時間、各楽曲の再生回数、装置の使用頻度、等)を示す業務利用状況データに対応付けて、ユーザ管理データベース10に送信する。ユーザ管理データベース10は、業務用カラオケ装置12から受信するユーザIDと業務利用状況データとを対応付けて、データベースに登録する。これにより、ユーザ管理データベース10には、エンドユーザによる業務用カラオケ装置12の利用状況を示すデータが、エンドユーザ毎に蓄積される。
【0028】
また、制御部121は、マイクロホン125によって収音されたエンドユーザの歌唱音声とカラオケコンテンツに含まれるガイドメロディデータとを比較し、比較結果に応じて歌唱の巧拙を採点する。このとき、制御部121は、ユーザ管理データベース10からそのエンドユーザに対応する個人利用状況データを取得し、取得した個人利用状況データに応じた採点態様で採点する。より具体的には、例えば、制御部121は、まず、入力されたユーザIDを問い合わせ要求として、ユーザ管理データベース10に送信する。ユーザ管理データベース10は、受信したユーザIDに対応する個人利用状況データを読み出し、読み出した個人利用状況データを応答として業務用カラオケ装置12に送信する。業務用カラオケ装置12の制御部121は、ユーザ管理データベース10から個人利用状況データを受信し、受信した個人利用状況データに応じて採点結果を修正する。採点態様としては、例えば、制御部121が、個人利用状況データの示す利用時間が長いほど採点結果が厳しくなるように採点するようにしてもよく、また、例えば、その楽曲の再生回数が多いほど採点結果が厳しくなるように採点するようにしてもよい。このように、制御部121が、予め定められたアルゴリズムに従って個人利用状況データを用いて採点するようにしてもよい。要は、制御部121が、個人利用状況データに応じた採点態様で採点するようにすればよい。
【0029】
制御部121は、採点結果を示す採点結果データを表示部123に出力し、表示部123は、制御部121から供給される採点結果データに応じて採点結果を示す画像を表示する。また、制御部121は、採点結果データとユーザIDとを採点データベース6に送信する。採点データベース6は、業務用カラオケ装置12から受信される採点結果データとユーザIDとをデータベースに登録する。
【0030】
例えば、家庭でたくさん練習している人は、採点結果が高くなると考えられるため、不公平となる場合がある。そのため、本実施形態では、個人用カラオケ装置22の使用頻度(個人利用状況データ)を業務用カラオケ装置12の採点結果に反映させる。このようにすることで、個人用カラオケ装置22の使用頻度が高いほど、業務用カラオケ装置12での採点のレベルを上げることにより、より上達できるように、誘導することができる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、店舗用カラオケの採点システムと家庭用カラオケの採点システムを関連させ、家庭用カラオケの採点システムの採点結果を店舗用カラオケシステムの採点結果に反映させることができる。
【0032】
<C:変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上述の実施形態では、業務用カラオケ装置12が、個人利用状況データに応じた採点態様で音声の採点を行うようにしたが、これに限らず、個人用カラオケ装置22が、業務利用状況データに応じた採点態様で音声の採点を行うようにしてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様に、例えば、個人用カラオケ装置12が、ユーザ管理データベース10から業務利用状況データを取得し、取得した業務利用状況データの示す利用時間が長いほど採点結果が厳しくなるように採点するようにしてもよく、また、例えば、その楽曲の再生回数が多いほど採点結果が厳しくなるように採点するようにしてもよい。このように、制御部121が、予め定められたアルゴリズムに従って業務利用状況データを用いて採点するようにしてもよい。要は、個人用カラオケ装置22が、業務利用状況データに応じた採点態様で採点するようにすればよい。
【0033】
(2)上述の実施形態では、業務用カラオケ装置12と個人用カラオケ装置22がエンドユーザのカラオケ歌唱について採点を行ったが、採点機能を各装置に設ける構成とせず、例えば、通信ネットワークを介して接続されたサーバ装置に採点手段を設ける構成としてもよい。この場合は、業務用カラオケ装置12と個人用カラオケ装置22は、自身の装置のマイクロホンで収音された音声を表す音声データをサーバ装置に送信し、サーバ装置は、受信される音声データを解析して採点を行うようにすればよい。
【0034】
(3)上述の実施形態では、本発明に係る採点システムをカラオケサービスのために用いた形態について説明したが、本発明に係る採点システムはカラオケサービスに限らず、例えば、コンピュータゲーム等の提供サービス等、種々のサービスのために用いることが可能である。例えば、本発明に係る採点システムをコンピュータゲームの提供サービスのために用いる場合には、例えば、家庭で用いるパーソナルコンピュータでの利用状況に応じて、店舗に設置されたゲーム端末での採点結果を修正するようにしてもよい。
【0035】
(4)上述の実施形態では、業務利用状況データや個人利用状況データが記憶されたユーザ管理データベース10が、業務用カラオケ装置12及び個人用カラオケ装置22と通信ネットワークで接続されたシステムについて説明したが、これに限らず、業務利用状況データが業務用カラオケ装置12の所定の記憶領域に記憶される構成であってもよい。この場合は、例えば、業務用カラオケ装置12が個人利用状況データを取得する場合には、業務用カラオケ装置12が、ユーザ管理データベース10ではなく個人用カラオケ装置22に対して問い合わせるようにすればよい。同様に、また、個人用カラオケ装置22の所定の記憶領域に個人利用状況データが記憶される構成であってもよく、この場合は、個人用カラオケ装置22が業務利用状況データを取得する場合には、個人用カラオケ装置22が、ユーザ管理データベース10ではなく業務用カラオケ装置12に対して問い合わせるようにすればよい。
【0036】
(5)上述した実施形態における業務用カラオケ装置12、個人用カラオケ装置22の各制御部によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由で各装置にダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】業務用カラオケ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】個人用カラオケ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0038】
1…店舗、2…家屋、3…VPN、4…店舗管理データベース、5…楽曲データベース、6…採点データベース、7…課金管理装置、8…インターネット、9…課金管理装置、10…ユーザ管理データベース、11…ルータ、12…業務用カラオケ装置、13…LAN、21…家庭用ルータ、22…個人用カラオケ装置、23…家庭内LAN、121,221…制御部、122,222…記憶部、123,223…表示部、124,224…操作部、128,228…通信部、125,225…マイクロホン、126,226…音声処理部、127,227…スピーカ、1221,2221…カラオケコンテンツ記憶領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を識別する利用者識別データを取得する利用者識別データ取得手段と、
前記利用者識別データ取得手段により取得された利用者識別データの示す利用者による第1の端末の利用状況を示す第1の利用状況データを取得する第1の利用状況データ取得手段と、
第2の端末の収音手段により収音された音声を表す音声データを取得する音声データ取得手段と、
前記音声データ取得手段により取得された音声データを解析し、解析結果に応じて該音声データの採点を行う採点手段であって、前記第1の利用状況データ取得手段により取得された第1の利用状況データに応じた採点態様で該音声データを採点する採点手段と、
前記採点手段による採点結果を示すデータを出力する採点結果データ出力手段と
を具備することを特徴とする採点装置。
【請求項2】
前記利用者識別データ取得手段により取得された利用者識別データの示す利用者による前記第2の端末の利用状況を示す第2の利用状況データを取得する第2の利用状況データ取得手段と、
第1の端末の収音手段により収音された音声を表す第1の音声データを取得する第1の音声データ取得手段と、
前記第1の音声データ取得手段により取得された第1の音声データを解析し、解析結果に応じて採点を行う採点手段であって、前記第2の利用状況データ取得手段により取得された第2の利用状況データに応じた採点態様で該音声データを採点する第2の採点手段と、
前記第2の採点手段による採点結果を示すデータを出力する第2の採点結果データ出力手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の採点装置。
【請求項3】
前記第1の利用状況データは、楽曲の再生回数、再生時間及び前記第2の端末の使用頻度のうちの少なくともいずれか一つを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の採点装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−229712(P2009−229712A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73819(P2008−73819)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】