接合手段を備えた服用量注入装置
ケーシング手段(5)の空洞(4)において、第一軸(W1)に沿って可動であるピストン手段(3;103)と、前記ピストン手段(3;103)を運動させるために配置された運動手段(101)に、前記ピストン手段(3;103)の第一端部(6;106)を取外可能に連接するための接合手段(10;110)と、を含む服用量注入ユニット(2)を備え、前記第一端部(6;106)は、前記接合手段(10;110)のクラッチ部(11;111)を受容するように適合されたシート(16;116)を有しており、前記クラッチ部(11;111)は、前記第一軸(W1)に略平行な連結方向(T)に沿って前記シート(16;116)に対して連接可能であり、且つ、分離可能であることを特徴とする服用量注入装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、服用量注入装置、特に決定された精密な量の液体を服用量で入れるべく自動充填装置に結合可能なピストン−シリンダタイプの容積式服用量注入装置に関する。
【0002】
製薬(調剤)、美容及び食品分野において、ボトル、小型瓶、小型容器及びこれらの類似物のような容器内で、不定な粘度を有する流体製品を服用量で入れるべく充填装置に取付けられた容積式ピストンポンプを利用することが知られている。
【0003】
服用量注入ポンプまたは服用量注入器とも呼ばれるそのような装置において、ピストンが、いわゆるシリンダと呼ばれる中空管状体内に形成された服用量注入チャンバ(空洞)内で、往復運動しながら直線的に動く。液体製品の規定体積が吸込まれて、続いてそれらが分配されることが、ピストンストロークにより可能になる。前記体積は、服用量注入チャンバのストローク及び直径の関数である。服用量で入れられる製品は、それぞれ注入開口及び排出開口を通って服用量注入チャンバに入ったり出たりする。注入開口は、製品のタンクに接続されている供給管に接続されている。一方、排出開口は、容器内に製品を服用量で入れるべく、例えばノズルまたはカニューレに接続された配送管に接続されている。
【0004】
外部遮断バルブが、注入作業中に供給管及び配送管を選択的に閉鎖及び/または開放するべく、供給管及び配送管に設けられている。
【0005】
外部バルブに取って代わるいくつかの服用量注入器が、服用量注入チャンバ内に配置されていて、ピストンの直線を成す動きに同調して服用量注入チャンバを供給管及び配送管に選択的に接続するように指揮されている切換手段を備えている。そのような切換手段は、服用量注入チャンバ内に挿入された回転バルブからなってもよい。回転バルブは、注入開口及び排出開口を開放及び閉鎖することができる。
【0006】
代わりに、この原因に対してバルブ−ピストンと呼ばれる切換手段がピストンに形成された服用量注入器が知られている。この場合、ピストンは、軸方向に摺動することに加えて、服用量注入チャンバを供給管及び配送管に選択的に連通するように配置するというように、予め定められた角度で自身の長手方向軸を中心として回転することができる。
【0007】
服用量注入器において、特に製薬の分野では、ピストンストロークの精度が、服用量の精密さ及び正確さにとってきわめて重要である。
【0008】
同様に、バルブピストンを回転させる際における精度が、服用量で入れられる製品の正確な吸入及び配送を確実にするために必要である。
【0009】
それぞれ回転バルブ及びピストンが設けられた服用量注入器において、前記ピストン及びバルブが別個の駆動部材に接続され得るべく、シリンダが両端で開口している。前記駆動部材は、代替的に直線運動及び回転運動をそれぞれ提供する。
【0010】
バルブピストンが設けられた服用量注入器において、バルブピストンの上端部または下端部が、ピストンを回転させ、且つ、当該ピストンを直線的に移動させる駆動部材に連接されている。
【0011】
既知の充填装置が、複数の服用量注入器を支持する支持フレームを備えている。支持フレームは、充填装置より上に設けられる場合には、ピストン及び/またはバルブの各駆動部材を支持している。
【0012】
支持フレームは、典型的には、ネジで、または、トリクランプ(tri-clamp)タイプのクイック接続部で、支持フレームに螺合可能な固定ブラケットによって、自身の内部に服用量注入器が挿入でき、取外可能に係止できる所定形状のシートを含んでいる。
【0013】
既知の支持フレームは、服用量注入装置の精密で堅固な支持を確実にするが、2人の操作者の利用を要し得る、労力を要し複雑な組付及び取外作業を課す。防腐性のまたは無菌の環境下で作動する充填装置、従って、グローブ(「グローブポート」)が設けられた開口だけを通じて製品のパッケージングが行われる処理領域にアクセス可能にさせる収容室が設けられた充填装置に、服用量注入器が結合されている際であっても、これらの作業は、複雑で不便である。
【0014】
駆動部材が、服用量注入器より上に配置されている際には、清潔及び衛生の理由のために処理領域から隔離されなければならないモータ、変速機構、運動学的機構及びセンサ等を有するので、適切な収容ケーシング内に収容される。
【0015】
前記機械的部材及び構成要素の故障または破損が発生してメンテナンス業務が遂行されることを許容する場合に、前記収容ケーシングの寸法及び位置は、(それにもかかわらず)、収容ケーシングに配置された処理領域及び操作手段へのアクセシビリティにおける低下と、(与えられている場合に無菌状態を弱める)処理領域の内部へのアクセスの必要性と、を含んだいくつかの欠点を有する。加えて、無菌の及び/または防腐性の処理領域が無菌空気の流れにさらされる際には、前記収容ケーシングの寸法及び位置は、当該空気流が服用量注入領域で逸らされるあるいは変更されることと、服用量注入器のピストンの動きにより粒子が生成されて容器の内部の下方に当該空気流によって引きずり込まれ容器を汚染するリスクと、を引き起こす。
【0016】
そのような欠点を克服するべく、特に製薬製品の包装において、対応する運動部材が充填装置の基部内に配置されるように、回転させられ自身の底部から直線状に動かされる服用量注入器を備えることが近年の傾向である。
【0017】
この目的に対して、駆動軸が充填装置の基部に存在し、そして、直線運動及び回転運動の変速機構において必要不可欠な精度を提供すると共に服用量注入器が組付けられ取外されることを可能にする直進タイプの接合部を介して、駆動軸が服用量注入器のピストンの下端部に取外し可能に接続されている。
【0018】
特に、前記接合部は、典型的には、ピストンの端部に固定され、駆動軸の上端部で得られる相補的な形状を有するシート内に収容されるT字状の要素を含んでいる。T字状の要素は、シート内でピストンの運動方向に対して横方向に、典型的には垂直に、摺動可能である。このような態様において、T字状の要素は、別々に服用量注入器を運動部材に対して接続または分離するべく、シートに挿入され、シートから取外され得る。それにもかかわらず、ピストンの任意の作動位置においてT字状の要素がシートから取り外されることを可能にするべく、ピストンの軸が、当該軸の下端が常にシリンダの外側にあり続けることができるような長さを必要とする。
【0019】
ピストンの相当な長さのせいで、そのような服用量注入器は、大きすぎて、扱うこと、とりわけ組付けられること及び取外されることが困難である。前記服用量注入装置を支持するために必要不可欠である支持フレームの寸法及び空間要求が、重要であり、充填装置の処理領域への相当な到達性を制限する、というようなことになる。
【0020】
既知の服用量注入装置は、一般的にはステンレス鋼からなる。ステンレス鋼は、製薬製品及び/または食品との接触に適しており、洗浄及び殺菌作業に耐えることができる。
【0021】
更に、セラミック材料を利用することが既知である。セラミック材料のおかげで少ない寸法誤差及び削減された表面粗さの値を有する構成要素を作ることが可能である。
【0022】
セラミック材料は、摩耗及び高温に対する極めて高い抵抗係数、及び、極めて好適な熱膨張係数を有する。前記特徴のおかげで、セラミック材料は、洗浄及び定置殺菌作業のためにセットアップされた高精度のピストンポンプを製造することに特に適している。
【0023】
セラミック材料は、それにもかかわらず、機械的作業において制限を有している。つまり、セラミック材料は、比較的壊れやすく、破損、破砕及び粉々に容易になってしまう傾向がある。
【0024】
この原因に対して、セラミック材料からなるポンプのシリンダは、典型的にはステンレス鋼からなる、金属製ライナによって覆われている。前記ライナは、セラミックのシリンダで単一モノリス本体を形成するというような態様で、介入物を介して熱装着されている。
【0025】
外部金属製ケーシングは、セラミック内部シリンダを保護することに加えて、服用量注入器が支持フレームに固定され、供給管及び配送管の取付器具が支持フレームに連接されることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2797046号明細書
【特許文献2】国際公開第2004027352号パンフレット
【発明の概要】
【0027】
多くの応用、特に製薬の分野及び食品の分野では、服用量注入器のいずれの構成要素も取外される必要がなく、服用量注入器が定位置で洗浄作業及び殺菌作業にさらされ得ることが要求される。そのような作業は、CIP/SIP(定置洗浄/定置殺菌)の名称で知られているが、自動または半自動で実施可能な一連の工程から実質的になる。前記工程中は、服用量注入器の内部で、異なる温度の洗浄液及び高圧蒸気が横断する。このような態様で、時間の比較的短い間内で、製品と接触するようになる服用量注入器の全ての部品を洗浄及び殺菌することが可能である。
【0028】
洗浄及び殺菌作業の正確で正当な履行に対する本質的な状態は、製品と接触し続ける服用量注入器の各内面が洗浄及び殺菌流体により必要な流速で適切に到達されて巡回されることである。
【0029】
これに加えて、服用量注入器の構造及び形態が、洗浄及び殺菌サイクルの最後にそれらの流体を正確に排出して空にすることを保証しなければならない。すなわち、前記流体が溜って淀み得る領域をなくすことである。特に、CIP/SIP作業にセットアップされた服用量注入器が、服用量注入チャンバに同軸に連通された洗浄及び殺菌チャンバを備えている。洗浄及び殺菌チャンバには、洗浄及び殺菌流体の出口のための開口が設けられている。一例の注入器の洗浄及び殺菌形態において、製品と接触するようになる注入器の一部が服用量注入チャンバ並びに洗浄及び殺菌チャンバの内壁から間隔を空けて配置されるというように、ピストンがシリンダ内に位置決めされる。このような態様で、注入器の前記一部及び服用量注入チャンバ全体の内壁が、洗浄及び殺菌流体によってアクセスされ得る。
【0030】
仏国特許出願公開第2797046号明細書は、服用量注入チャンバを規定している中空本体と、前記服用量注入チャンバ内で直線的に可動であって回動するピストンと、を備える容積式服用量注入装置が示されている。中空本体には、服用量で入れられる製品の供給管及び配送管が設けられている。服用量注入チャンバは、二次的なチャンバ内で下方に延在している。二次的なチャンバは、ピストンの伸張を収容するべく配置されて、閉鎖要素によって底部が閉鎖されている。閉鎖要素は、中空本体に取外し可能に接続されており、洗浄及び殺菌流体を放出するための導管が設けられている。服用量注入装置は、更に、服用量注入チャンバの上部に配置された洗浄及び殺菌チャンバを備えている。そして、服用量注入装置には、洗浄及び殺菌流体のための注入管が設けられている。洗浄及び殺菌チャンバは、中空本体に取外し可能に接続された円筒状で管状の要素からなる。そして、洗浄及び殺菌チャンバには、横孔が設けられた円筒状の隔壁によって当該洗浄及び殺菌チャンバから隔離され、注入管に連通された隙間が設けられている。
【0031】
前記服用量注入装置の1つの欠点は、複雑で巨大で費用のかかる構造である。前記構造は、他の物体の間で、服用量で入れられる製品及び洗浄及び殺菌流体のそれぞれの入口及び出口用の4つの別個の導管を含んでいる。
【0032】
国際公開第2004027352号パンフレットは、服用量注入チャンバを形成している中空本体と、前記服用量注入チャンバ内で直線的に可動であって回動するピストンと、を備える容積式服用量注入装置が示されている。中空本体には、服用量で入れられる製品の供給管が側面に設けられている。服用量注入チャンバは、閉鎖要素によって上部が閉鎖されている。閉鎖要素は、第一中空本体に取外し可能に連接されており、服用量で入れられる製品の配送管が設けられている。中空本体の下端部に連接されている更なる中空本体が、洗浄及び殺菌流体の放出管の底部に設けられた洗浄及び殺菌チャンバを形成している。
【0033】
前記服用量注入器は、仏国特許出願公開第2797046号明細書に示された注入器よりもコンパクトで簡略な構造を有している。しかし、ピストンが輸送中に中空本体から誤って出てしまい、それゆえに損傷及び/または汚染され得るので、前記服用量注入器は、取扱いについて過大な労力と細心の注意を要する。
【0034】
上述された両方の服用量注入装置が、互いに取外し可能に接続されている複数の構成要素(中空本体、閉鎖要素)により構成されているが、それにもかかわらず、洗浄及び殺菌の課題を有し得る。実際に、構成要素の機械加工及び/または構成要素の間の非最適な連結における不正確さのせいで、服用量で入れられる製品の及び/または洗浄及び殺菌流体の浸透及び伝播を許容するような大きさの割れ目または裂け目が、構成要素の境界または接続領域にある。この場合、服用量注入器の正確で完全な洗浄を行うべく、服用量注入器を完全に取外す必要がある。これにより、作業時間が増加し、結果として維持費が増加する。
【0035】
上述された服用量注入装置の別の欠点は、服用量注入器を正確な態様で組付けて、続いて充填装置に服用量注入器を取付けるために必要である複雑で繊細な手作業にある。そのような作業は、特殊化を要求し、従って費用的に操作者を必要とする。
【0036】
本発明の1つの目的は、既知の容積式服用量注入装置、特に充填装置に結合可能なバルブピストンタイプの服用量注入装置を改良することである。
【0037】
他の目的は、操作者の手動介入を要求することなく、ピストンの作動位置に関わらず、充填装置に設けられたピストンの駆動手段に対して自動で接続されるまたは取外されるべく配置された服用量注入ユニットを備える服用量注入装置を作ることである。
【0038】
更なる目的は、素早く自動でピストンを対応する運動手段に対して連接可能または取外し可能であると共に、前記ピストンに直線運動及び回転運動の精密で正確な伝達を確実にする接合手段を備える服用量注入装置を作ることである。
【0039】
更に他の目的は、服用量注入ユニットが容易で素早く組付けられる及び取外されることを可能にし、充填装置に結合可能な支持及び係止手段であって、取付作業状態において、服用量注入ユニットの精密で堅固な位置決めを確実にする支持及び係止手段を提供することである。
【0040】
より更なる目的は、所望の体積できわめて精密で正確な量の液体を注入することができて、洗浄及び定置殺菌(CIP/SIP)作業のためにより整えられた(セットアップされた)服用量注入ユニットを得ることである。
【0041】
他の更なる目的は、とりわけ簡略でコンパクトな構造を有すると共に、衝撃に対して耐久性と抵抗力のある服用量注入ユニットを作ることである。
【0042】
更なる他の目的は、服用量注入ユニットを支持及び係止手段に組付け及び/または取付けるために最低限の簡略な手動作業を要求する服用量注入ユニットを作ることである。
【0043】
本発明によれば、請求項1による服用量注入装置が提供される。
【0044】
本発明の服用量注入装置によれば、ピストン手段の端部が服用量注入ユニットの外側に突出せざるをえないことに対するいかなる要求もなく、服用量注入ユニットのピストン手段を運動手段に対して連接するあるいは分離することが可能である。特に、前記端部は、いかなる作動位置に置いても、服用量注入ユニットの空洞内に常に収容され得る。
【0045】
これにより、前記ピストン手段の長さが短縮されて、コンパクトな長手方向寸法を有し、それゆえに処理領域への十分なアクセシビリティを要求する充填装置における利用に特に適した服用量注入ユニットを作ることができる。
【0046】
更に、操作者の手動介入を必要とすることなく、これゆえに短縮された不稼働時間及び取付の際に低い誤りのリスクをもって、完全に自動な態様において、ピストン手段が運動手段に対して連接可能あるいは分離可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】取付状態における本発明の服用量注入装置の部分断面正面図である。
【図2】図1における装置の支持手段の部分側面図である。
【図3】図1における線III−IIIに沿った断面である。
【図4】位置調整された作業状態における接合手段を示す、図1の拡大詳細部である。
【図5】位置調整された作業状態における接合手段の部分断面拡大図である。
【図6】位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面正面図である。
【図7】位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面側面図である。
【図8】図1における装置の他の形態の一部の部分断面正面図である。
【図9】位置調整された作業状態における接合手段を示す、図8の拡大詳細部である。
【図10】位置調整されていない作業状態において、図9における接合手段の部分断面側面図である。
【図11】位置調整されていない作業状態における接合手段を示す、図9における図と類似する正面図である。
【図12】取付状態における支持手段及び固定手段を示す、図1における装置の部分拡大図である。
【図13】洗浄及び殺菌状態において、図1における装置の服用量注入ユニットの長手方向断面である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、制限されない例として実施の形態を図示した添付の図面を参照して、よりよく理解され補われ得る。
【0049】
図1は、取付状態における本発明の服用量注入装置の部分断面正面図である。図2は、図1における装置の支持手段の部分側面図である。図3は、図1における線III−IIIに沿った断面である。図4は、位置調整された作業状態における接合手段を示す、図1の拡大詳細部である。図5は、位置調整された作業状態における接合手段の部分断面拡大図である。図6は、位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面正面図である。図7は、位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面側面図である。図8は、図1における装置の他の形態の一部の部分断面正面図である。図9は、位置調整された作業状態における接合手段を示す、図8の拡大詳細部である。図10は、位置調整されていない作業状態において、図9における接合手段の部分断面側面図である。図11は、位置調整されていない作業状態における接合手段を示す、図9における図と類似する正面図である。図12は、取付状態における支持手段及び固定手段を示す、図1における装置の部分拡大図である。図13は、洗浄及び殺菌状態において、図1における装置の服用量注入ユニットの長手方向断面である。
【0050】
図1乃至7を参照すると、充填装置に結合されていて、服用量注入ユニット2を備える服用量注入装置1が図示されている。服用量注入ユニット2は、ケーシング手段5の注入口82から所望の量の液体を引き込んで、ケーシング手段5の排出口83に当該所望の量の液体を誘導するべく、ケーシング手段5の空洞4において第一長手方向軸W1に沿って可動であるピストンを有するピストン手段3を備えている。
【0051】
装置1は、例えば充填装置の基部102の外壁102aに固定可能であり、取付状態Aにおいて服用量注入ユニット2を支持すると共に係止するべく配置された支持手段40を備えている。
【0052】
装置1は、更に、服用量注入ユニット2の前記取付状態Aにおいて、ピストン手段3の第一端部6を運動手段101に取外し可能に連接するための接合手段10を備えている。運動手段101は、ピストン手段3を直線的に移動及び回動させるべく配置されている。
【0053】
運動手段101は、既知のタイプであり、図において詳細には示されていないが、充填装置の基部102内に収容されている。
【0054】
図に示されている実施の形態を参照すると、ピストン手段3の第一端部6が下端部であり、それゆえに服用量注入ユニット2は運動手段101によって底部から駆動される。
【0055】
ピストン手段3は、バルブピストン手段であり、第二端部7を含んでいる。第二端部7は、第一端部6の反対にあり、空洞4内で摺動可能である。第二端部7には、注入口82ないし排出口83に空洞4を連接する切換(転換)手段9が設けられている。
【0056】
運動手段101によって駆動されるピストン手段3は、引込ないし内部位置と伸張ないし外部位置との間で第一軸W1に沿って往復直線運動によって移動できる。ピストン手段3は、切換手段9が空洞4を注入口82に連通する吸入位置と、切換手段9が空洞4を排出口83に連通する配送位置と、の間でも双方の回転運動で第一軸W1を中心として動くことができる。
【0057】
服用量注入ユニット2のケーシング手段5は、自身の内部に空洞4が形成され、実質的に円筒状の形状を有する内部管状要素51と、接合手段10の導管のための別個の開口56が設けられた更なる空洞53を形成するように、内部管状要素51の端部、例えば下端部、に延在し、内部管状要素51を覆っている外部カバー要素52と、を含んでいる。
【0058】
内部管状要素51は、例えばセラミック材料で作られている。一方、カバー要素52は、プラスチックで作られている。特に、カバー要素52は、内部管状要素51と単一体を形成するように、例えば射出成形によって、内部管状要素51の周囲に直接的に成型される。
【0059】
カバー要素52は、後述の発明の詳細な説明内で詳細に説明されるように、特に装着/取外し工程中に、服用量注入ユニット2が操作者によって容易に把持されて取扱われることを可能にするべく、取手状の把持部分52aを更に有している。
【0060】
空洞4は、実質的に円筒状の形状を有しており、内部管状要素51の全長に亘って長手方向に延びている。空洞4は、異なる直径及び長さを有する下部(底部)服用量注入チャンバ4aと上部服用量注入チャンバ4bとを含んでいる。特に、下部服用量注入チャンバ4aは、上部服用量注入チャンバ4bの直径より大きい直径を有している。
【0061】
上部服用量注入チャンバ4bは、注入口82を介して、服用量で入れられる製品を供給する巡回路に流動的に連接されている。注入口82は、管状要素51の側壁及びカバー要素52の側壁に形成されたそれぞれの導管を含んでいる。注入口82は、第一軸W1に対して横向きであり、とりわけ第一軸W1に対して略直交している。上部服用量注入チャンバ4bは、排出口83を介して製品の配送巡回路に更に流動的に接続されている。排出口83は、例えばカバー要素52の上部52bに形成された、例えば第一長手方向軸W1に実質的に同軸な別個の導管からなる。カバー要素52の上部52bは、空洞4を上方で閉鎖する。
【0062】
吸入口82及び排出口83には、供給巡回路及び配送巡回路にクイック接続、例えばトリクランプ(tri-clamp)でクイック接続をするための取付器具82a、83aが外側に設けられている。取付器具82a、83aは、カバー要素52に直接的に形成されている。
【0063】
本発明の服用量注入ユニット2は、定置洗浄作業及び定置殺菌作業(CIP/SIP)に対してセットアップされている。そのような作業は、服用量注入ユニット2のいかなる構成要素も取外されることを必要としないもので、自動または半自動で行われ得る一連の工程を含んでいる。前記一連の工程中において、服用量注入ユニットの内部では異なる温度の洗浄液及び高圧蒸気が横断する。
【0064】
この目的に対して、円筒状下部52cが、服用量注入ユニット2のCIP/SIP作業工程において洗浄及び殺菌チャンバとして作用する更なる空洞53を形成するように、カバー要素52は管状要素51の下方に延在している。更なる空洞53は、実質的に円筒状の形状を有しており、下部服用量注入チャンバ4aの直径より大きい直径を有している。更なる空洞53は、更なる排出口54を介して、洗浄及び殺菌液の外部排水巡回路に流動的に連通している。更なる排出口54は、クイック接続のための対応する取付器具54aが設けられた洗浄導管を含んでいる。
【0065】
ピストン手段3は、第一端部6と第二端部7との間に中間部8を含む細長い円筒状の本体を有している。第一端部6と第二端部7と中間部8とは、第一長手方向軸W1に同軸であり、それらの間で異なる直径及び長さを有している。
【0066】
中間部8は、下部服用量注入チャンバ4aの内部で密封的に摺動するように配置されている。一方、第二端部7は、上部服用量注入チャンバ4b内で密封的に摺動するように配置されている。
【0067】
第一端部6は、更なる空洞53内で間隔を空けながら摺動する。
【0068】
洗浄及び殺菌状態Lにおいて、ピストン手段3は、更なる空洞53及び更なる排出口54に空洞4を流体連通するように配置されている。特に、洗浄及び殺菌状態Lにおいて、ピストン手段3の第二端部7及び中間部8は、下部服用量注入チャンバ4a及び更なる空洞53内にそれぞれ完全に収容されている一方で、ピストン手段3の第一端部6は、更なるチャンバ53内に部分的に収容されていて、更なる空洞53の開口56を閉じている。更に正確には、第一端部6の外部側壁6aは、密封手段55に密封的に当接している。そして、密封手段55は、更なる空洞53と外部環境(図13)との間の流体連通を提供するというように、例えばO−リングタイプの環状シールを含み、更なる空洞53の別個の内壁内に設けられている。このような態様で、注入口82及び/または排出口83を通って空洞4内に送られた洗浄及び/または殺菌液が、服用量で入れられる製品と接触するようになる、服用量注入チャンバ4a、4b及びピストン手段3の全ての地点に、必要な速度で到達し重なり合うことができる。
【0069】
本発明の服用量注入ユニット2の構造及び実施の形態によれば、カバー要素52と内部管状要素51との間にある境界または連結領域において、自身の内部に服用量で入れられる製品または洗浄及び殺菌流体が滞留し、CIP/SIP作業を無効にするあるいは少なくとも受け入れられなくする、割れ目、裂け目または類似物の存在が、排除されることに留意されるべきである。
【0070】
プラスチックからなるカバー要素52は、セラミック製の内部管状要素51を被覆して、打撃や衝撃から保護するだけでなく、服用量注入ユニット2が支持手段40に固定され、服用量で入れられる製品の供給巡回路と服用量で入れられる製品の配送巡回路と洗浄及び/または殺菌液の排水巡回路とが取付器具82a、83a、54aを介して服用量注入ユニット2に連接されることも可能にする。
【0071】
ピストン手段3の第一端部6は、接合手段10のクラッチ部11を取外し可能に受容するべく構成されたシート16を含んでいる。クラッチ部11は、第一軸W1に実質的に平行な連結方向Tに沿って、シート16に対して連接可能であり、分離可能である。
【0072】
クラッチ部11とシート16とは、例えば円筒状のような相補的な形状と、残差の半径方向の隙間を最小にするような寸法と、を有している。
【0073】
接合手段10は、クラッチ部11を含む接続要素25と、自身の端部が運動手段101に接続されている更なる接続要素26と、を含んでいる。接続要素25と更なる接続要素26とは、球状要素27を介して回転可能に接続されている。
【0074】
更なる接続要素26は、第二軸W2に沿って且つ第二軸W2を中心として、運動手段101によって動かされる。利用の際には、接合手段10は、運動手段101に通常は組付けられている。
【0075】
係止手段12は、第一接続要素25のクラッチ部11をシート16内に復元可能に固定するべく設けられている。係止手段12は、クラッチ部11に結合され、各ハウジング39に対して係合または解放するように可動である1つまたは複数の係止要素13を含んでいる。係止要素13は、例えば2つである。各ハウジング39は、それぞれ第一端部6を接合手段10に係止するべく、あるいは、第一端部6を接合手段10から解放するべく、シート16内に形成されている。
【0076】
作動手段14が、係止要素13をハウジング39内に押込むべく当該係止要素13に作用する。
【0077】
図に示されている実施の形態を参照すると、係止要素13は、球状の形状を有しており、クラッチ部11の側壁19上に対向するように形成された開口18内に挿入されている。係止要素13は、クラッチ部11内に形成されたギャップ17に収容された作動手段14によって、開口18から突出するように保持されている。作動手段14は、ギャップ17内で摺動可能であり、係止要素13に作用する傾斜壁15aが設けられた押圧要素15を含んでいる。
【0078】
押圧要素15は、ギャップ17の底壁と共に密封下部チャンバ21を形成している。密封下部チャンバ21には、圧縮流体典型的には圧縮空気が供給される。下部チャンバ21の反対側には、例えばコイルバネのような弾性要素22が設けられている。弾性要素22は、ギャップ17内に挿入され、圧縮流体により与えられる作用に抵抗する弾性力を発揮するように配置されている。
【0079】
ハウジング39は、例えばシート16の内壁に設けられた環状の溝によって形成され、係止要素13の突出部を受容するように成形される。
【0080】
接合手段10の連結状態Bでは、押圧要素15がコイルバネ22によって順に押圧されて、係止要素13が当該押圧要素15によって押圧される。押圧された係止要素13は、開口18から突出して、クラッチ部11を第一端部6に堅固に係止するようにハウジング39に係合する。
【0081】
特に、第一端部6の環状端面6bが、クラッチ部11の環状冠部20の上面20aに当接する。
【0082】
解放状態では、図示されていないが、係止要素13がハウジング39を解放するように開口18内に戻ることができ、クラッチ部11が第一端部6から解放され得るような位置に、押圧要素15が下部チャンバ21に供給される圧縮流体によって移動させられる。
【0083】
クラッチ部11が回転トルクを伝達することができるように、第一端部6をクラッチ部11に連接するための伝達手段が設けられている。
【0084】
伝達手段は、クラッチ部11に固定され、第一端部6上に設けられた更なるシート24に係合するべく配置された少なくとも1つのジベル23を有している。
【0085】
特に、クラッチ部11がそれぞれシート16に挿入されあるいはシート16から取外される際に、ジベル23が、更なるシート24に対して挿入されるあるいは分離されるように、第一軸W1と実質的に平行に環状冠部20の上面20aに固定されている。
【0086】
接続要素25は、クラッチ部11の反対側にフォーク状部35を含んでいる。一方、更なる接続要素26は、運動手段101に固定された一端の反対側に更なるフォーク状部36を含んでいる。
【0087】
フォーク状部35と更なるフォーク状部36とは、球状要素27を介して回転可能に接続されている。フォーク状部35、36は、球状要素27を部分的に取囲むそれぞれの一対のアームを含んでいる。前記一対のアームは、実質的に互いに直交するそれぞれの平面上に配置されている。
【0088】
球状要素27は、第一軸W1に沿ってピストン手段3が往復運動することを確実にするべく、2つの接続要素25、26の間の対応する回転を許容すると同時に運動手段101とピストン手段3との間の引張力/圧縮力の伝達を確実にする。
【0089】
接合手段10は、フォーク状部35、36を包囲して収容するスリーブ38を含んでいる。スリーブ38は、各ピン29、30によって接続要素25、26に接続されている。
【0090】
特に、第一ピン29がスリーブ38を接続要素25に接続する一方で、第二ピン30がスリーブ38を更なる接続要素26に接続する。
【0091】
第一ピン29及び第二ピン30は、円筒状の形状を有しており、互いに実質的に平行且つ互いに対して横方向に、更に特に第一軸W1に対して実質的に垂直になるように配置されている。
【0092】
第一ピン29は、例えば介入物を介して連結することによって、両端部でスリーブ38に固定されている。一方、第一ピン29は、接続要素25の第一貫通開口31内に回転可能に収容されている。第一貫通開口31は、貫通細孔(スロット)を実質的に含んでいる。前記貫通細孔は、第一軸W1に平行な方向にのみ所定の量の半径方向隙間を第一ピン29に残すように成形された断面を有する。
【0093】
同様に、第二ピン30は、例えば介入物を介して連結することによって、両端部でスリーブ38に固定されている。一方、第二ピン30は、更なる接続要素26の第二貫通開口32内に回転可能に収容されてもいる。第二貫通開口32は、第二ピン30が略ゼロの半径方向隙間でそれぞれの長手方向軸のみを中心として回転することを可能にするべく、第二ピン30の断面に実質的に相応し調整された断面を有している。
【0094】
ピン29、30により、スリーブ38は、2つの接続要素25、26に回転可能に接続されている。すなわち、スリーブ38は、回転トルクまたはねじりモーメントを伝達することができる。
【0095】
少なくともフォーク状部35、更なるフォーク状部36、球状要素27、スリーブ38、第一ピン29及び第二ピン30を取り囲んで、これらを製品の服用量の注入が行われる外部処理環境80から隔離するべく、接合手段10は、接続要素25のクラッチ部11を充填装置の基部102の外壁102aに連接するベローズ手段33を更に含んでいる。
【0096】
このように、接合手段10は、ピストン手段3が整列されていなくとも運動手段101とピストン手段3との間の運動トルク及び軸力を高い精度で伝達可能な等速ジョイントを構成する。
【0097】
図6及び図7に示されるように、接続要素25、26は、球状要素27を介して回転可能に接続されている。そして、例えば服用量注入ユニット2及び/または支持手段40の取付及び/または製造の不正確さにより、ピストン手段3の第一軸W1が更なる接続要素26の第二軸W2に関して不整列及び/または傾斜させられている場合であっても、第一貫通開口31内で摺動可能である第一ピン29は、接合手段10を作動させることができる。
【0098】
取付工程では、取付状態Aにおいて操作者が服用量注入ユニット2を支持手段40に固定した後、クラッチ部11が第一端部6のシート16内に挿入されるまで、運動手段101が、自身に取付けられている接合手段10を第二軸W2に沿って移動させるように作動させられる。このように、連結状態Bにおいて係止手段12を作動させることによって、クラッチ部11を第一端部6に堅固に係止させる、すなわちピストン手段3を運動手段101に接続することができる。
【0099】
反対の作動を行うことによって、すなわち、最初に、シート16のハウジング39から係止要素13を解放するべく、係止手段12を作用しない状態にさせ、続いて、運動手段101を作動させることによって、シート6からクラッチ部11を解放して、接合手段10から従って運動手段101からピストン手段3を分離することができる。
【0100】
本発明の服用量注入装置1の接合手段10及びピストン手段3の構成により、クラッチ部11は、第一軸W1に略平行な連結方向Tに沿って、第一端部6のシート16に挿入可能であり、且つ、当該シート16から取外し可能であることが留意されるべきである。更に、第一端部6がケーシング手段5の外側に位置決めされることに対するいかなる要求もなく、ピストン手段3が運動手段101に対して接続されるあるいは分離されることが可能である。特に、第一端部6は、いかなる作動位置においても、ケーシング手段5の更なる空洞53内に常に有益に収容される。
【0101】
これにより、ピストン手段3の長さが短縮され、コンパクトな長手方向寸法を有し、処理領域に対して十分なアクセシビリティを要求する充填装置における利用に特に適した服用量注入ユニット2が作られることを可能にする。
【0102】
更に、操作者の手動介入を必要とすることなく、これゆえに短縮された不稼働時間及び取付の際に低い誤りのリスクをもって、完全に自動な態様において、ピストン手段3が接合手段10を介して運動手段101に対して接続可能あるいは分離可能である。
【0103】
図8乃至11が、ピストン手段103の第一端部106を運動手段101に接続する接合手段110に対して、上述した実施の形態とは異なる服用量注入装置1の他の形態を図示している。
【0104】
接合手段110は、細長い形状を有し、クラッチ部111の一端に設けられた接続要素125を有している。クラッチ部111は、第一端部106内に設けられたシート116に係合するべく配置されている。他方では、接続要素125の他端部は、第二長手方向軸W2に沿って直線的に可動であり、当該第二長手方向軸W2を中心として回動できるように、運動手段101に連接されている。
【0105】
この場合、クラッチ部111は、後の発明の詳細な説明内で詳細に説明されるように、第一軸W1に実質的に平行または第一軸W1に対して数度傾いている連結方向Tに沿って、シート116に連接可能であり、且つ、シート116から分離可能である。
【0106】
クラッチ部111とシート116とは、例えば円錐台の形状のような相補的な形状を有している。
【0107】
接合手段110は、シート116内でクラッチ部111を取外し可能に係止するべく配置された係止手段112を有している。
【0108】
係止手段112は、クラッチ部111の端部に固定されシート116の内壁に当接する密封手段113を含んでいる。密封手段113は、例えば、クラッチ部111の端部に形成された環状のくぼみ132内に収容されたエラストマー材料からなる環状シールを含んでいる。クラッチ部111の端部とシート116と密封手段113とが、係止手段112の上部チャンバを規定している。上部チャンバは、導管122を介して例えば減圧巡回路のような減圧源に連通されている。連結状態Bにおいて、上部チャンバ121内で生成される負圧または真空により、上部チャンバ121の形状及び寸法と上部チャンバ121内の減圧の大きさとに依存する大きさの接続力で、クラッチ部111がシート116を堅固に係止する。
【0109】
例えば減圧巡回路との接続部を遮断することによって、上部チャンバ121が大気圧に戻ると、クラッチ部111が、シート116から容易且つ滑らかに分離されて、ピストン手段103が運動手段101から解放され得る。
【0110】
連結状態Bにおいて、ピストン手段103の第一端部106と接続要素125のクラッチ部111との間の第一軸W1に沿った往復軸方向位置を規定するべく、当接手段が設けられている。当接手段は、シート116の底壁116aに固定された第一当接ピン114と、クラッチ部111に固定された第二当接ピン115と、を含んでいる。球状の形状を有しており、クラッチ部111に弾性的に接続された中間要素126が、2つの当接ピン114、115との間に介装されている。
【0111】
連結状態Bにおいて、当接ピン114、115は、負圧下に置かれた上部チャンバ121によって形成された接続力によって、反対側で中間要素126に接触している。連結状態Bにおいて、ピストン手段103と接続要素125との間の軸方向隙間がゼロであることに留意されるべきである。
【0112】
クラッチ部111がシート116から取外される際には、中間要素126は、上部チャンバ121または外部環境と導管122との間の連通を閉鎖するシャッターとしても作用する。
【0113】
この目的に対して、クラッチ部111は、更なるギャップ117を含んでいる。更なるギャップ117の底部には第二当接ピン115が固定され、更なるギャップ117内には中間要素126が挿入されている。例えばコイルバネのような更なる弾性要素118が、第二当接ピン115を包囲して、中間要素126を更なるギャップ117の外側に押圧するように中間要素126に作用する。クラッチ部111がシート106から取外される解放状態において、中間要素126が、更なるギャップ117の開口部に設けられた環状隆起部119と、当該環状隆起部119に隣接し前記開口部に設けられた更なる密封手段139と、に当接するように、更なるバネ118が中間要素126を押圧する。この位置では、当接する中間要素126が、導管122を介して減圧源へ連通された更なるギャップ117を密封的に閉鎖する。
【0114】
クラッチ部111が回転トルクを伝達できるように第一端部106をクラッチ部111に連接するべく、伝達手段が設けられている。
【0115】
伝達手段は、1つまたは複数の、例えば2つのジベル123を有している。ジベル123は、クラッチ要素111の側壁131に対して、例えば180°の角度の間隔を空けて固定されていて、第一端部106上にある対応する更なるシート124に係合するべく配置されている。
【0116】
ジベル123及び更なるシート124の寸法は、ピストン手段103と接続要素125との間の半径方向隙間を最小化するようになっており、これにより作動中の回転運動における必要な精度及び正確さをピストン手段3に保証している。
【0117】
クラッチ部111がそれぞれシート106内に挿入されるあるいはシート106から取外される際に、ジベル123が更なるシート124内に挿入されるあるいは更なるシート124から取外されるように、ジベル123が接続要素125の長手方向軸に実質的に垂直に固定されている。更なるシート124は、下方に開口しているそれぞれの細孔(スロット)を有している。
【0118】
接合手段110は、外壁102a内に形成された開口であって、外部処理環境80付近にある、接続要素125の導管のための開口を閉鎖するべく、接続要素125のクラッチ部11を充填装置の基部102の外壁102aに接続するベローズ手段133を含んでいる。
【0119】
接合手段110の連結状態Bにおいて、密封手段113は、上部チャンバ121内の減圧により生成された接続力によって、クラッチ部111とシート116の内壁との間に押潰されている。密封手段113の弾性及び変形性が、上部チャンバ121を外部環境から隔離することを確実にするだけでなく、服用量注入ユニットの通常作動中には接続要素125とピストン手段103の第一端部106との間の回転トルクまたはねじりモーメントを伝達することができる。
【0120】
密封手段113が、シート116の内壁に対してあるいはクラッチ部111の環状のくぼみ132に対して摺動する場合、伝達手段、特にジベル123及び更なるシート124は、ピストン手段103と接続要素125との間の正確な角度位置及び回転トルクの正確な伝達を保証する。
【0121】
図10及び図11に示すように、密封手段113の弾性及び変形性と、クラッチ部111及びシート106の円錐台形状と、クラッチ部111とシート106との間の半径方向隙間と、により、第一軸W1と第二軸W2とが整列されていない、及び/または、互いに対して傾斜している場合であっても、接合手段111は、精密で正確な態様で、直線運動及び回転運動をピストン手段103に伝達することができる。
【0122】
構造上別の本形態においても形成された接合手段110が、服用量注入ユニット2及び/または支持手段40の製造及び/または取付の不正確さの存在する場合であっても、運動手段101とピストン手段103との間の回転トルク及び軸力を高い精度で伝達可能な等速ジョイントを構成する。
【0123】
服用量注入装置1の本形態においても、いかなる作動位置であっても第一端部106が常にケーシング手段5内に配置されていると共に、操作者の手動介入を要求することなく、選択的な態様でピストン手段3を運動手段101に対して自動で接続すること及び自動で分離することが可能である。
【0124】
図1乃至図3及び図12を特に参照すると、服用量注入装置1は、ケーシング手段5に結合され、服用量注入ユニット2の取付状態Aにおいて支持手段40のガイド手段41に摺動可能に係合するべく配置された連結手段60を備えている。連結手段60は、第一長手方向軸W1に実質的に平行な第一方向Xに沿って、ガイド手段41に挿入可能あるいはガイド手段41から分離可能である。第一方向Xは、例えば、支持手段40が固定され得る充填装置の基部102の上壁102aに垂直で実質的に直交している。
【0125】
図示されていない服用量注入装置1の他の形態においては、第一方向Xは、例えば、第一軸W1に平行であり、実質的に直交し得る。
【0126】
支持手段40は、上壁102aに固定されガイド手段41を支持する支持本体46を含んでいる。ガイド手段41は、平坦な形状を有し直線溝49が設けられているガイド要素を含んでいる。直線溝49は、f字状の横断面を有し、第一方向Xに平行に延びている。
【0127】
服用量注入ユニット2が、支持手段40に対して容易に取付けられ取外されることを可能にするべく、連結手段60は、予め定められた隙間をもって直線溝49に摺動可能に係合するように、ケーシング手段5に固定されたT字状の連結要素を含んでいる。
【0128】
連結要素60は、例えば、カバー要素52の円筒状下部52cの側壁に直接的に設けられている。
【0129】
代替的には、連結要素60は、別個の要素であり、円筒状下部52cの前記横壁に固定され得る。
【0130】
支持手段40は、連結要素60をガイド手段41に取外し可能に係止するべく配置された固定手段を更に有している。固定手段は、ガイド手段41に結合された少なくとも2つの固定要素42、43を含んでいる。固定要素42、43は、連結手段60をガイド手段41に係止するべく、連結要素60の各々の連結ノッチ62、63に係合するように、あるいは、連結手段60をガイド手段41から解放するべく、連結要素60の各々の連結ノッチ62、63から解放されるように、移動可能である。
【0131】
押圧手段が固定要素42、43に作用するべく設けられている。押圧手段は、第一方向Xに実質的に直交する第二方向Yに沿った予め定められた固定力で、固定要素42、43を押圧して連結ノッチ62、63に当接させる。
【0132】
図に示されている実施の形態を参照すると、固定手段は、球状の形状を有していて、第一開口47及び第二開口48にそれぞれ挿入される第一固定要素42及び第二固定要素43を含んでいる。第一開口47及び第二開口48は、ガイド手段41内で第一方向Xに対して整列されて、第一方向Xに対して重なっている。第一固定要素42及び第二固定要素43は、取付状態Aにおいて連結要素60の第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63にそれぞれ係合するように、押圧手段により突出している状態を保持されている。
【0133】
押圧手段は、作動手段、特に第一作動部44及び第二作動部45、を有している。第一作動部44及び第二作動部45は、例えば空気圧タイプまたは機械的タイプであり、第一固定要素42及び第二固定要素43にそれぞれ接続されている。
【0134】
作動部44、45を作動させることによって、固定要素42、43を引込位置または突出位置に選択的に移動させることができる。突出位置においては、固定要素42、43によって固定力が連結ノッチ62、63に適用される。図示されていない他の実施の形態において、作動部44、45が、固定要素42、43と連結するのに適した弾性手段と置き換えられ得る。
【0135】
固定要素42、43が開口47、48から完全に抜け出すことを防止するべく、すなわち固定要素42、43が予め定められた量だけ突出することを可能とするべく、第一開口47及び第二開口48には、不図示の係止部が設けられている。
【0136】
固定要素42、43がそれぞれ実質的に環状の接触面65、66に沿って当接するように、連結ノッチ62、63は、固定要素42、43の曲率半径より小さい曲率半径を有する球状のキャップ形状を有している。
【0137】
第一開口47は、きわめて少ない半径方向隙間42で第一固定要素42を収容するような直径を有する円筒状の孔を含んでいる。
【0138】
第一固定要素42が第一連結ノッチ62に当接し、第二方向Yに沿って直線溝49に対して連結要素60を押圧する際には、服用量注入ユニット2が、第一方向X、第二方向Y、及び、第一方向X及び第二方向Yに直交する第三方向Zに移動することを妨げられながら、堅固で精密な態様で係止される。
【0139】
一方、第二固定要素43が第二連結ノッチ63の位置に適合されることを可能にし、第二連結ノッチ63と第一連結ノッチ62との間の第一方向Xに沿った距離の偏差を補償するべく、第二開口48は、第一方向Xに延びた貫通孔を有している。
【0140】
第二固定要素43が第二連結ノッチ63に当接し、直線溝49に対して連結要素60を押圧する際には、服用量注入ユニット2が、第二方向Yに平行で第一固定要素42を通過する軸を中心として回動することも係止される。
【0141】
第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63は、連結要素60内に組込まれた金属製の対応挿入部材67、68からなる。これにより、第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63は、当該連結ノッチ62、63の堅固さ及び非変形性と、固定要素42、43に当接する際の精密さ及び抵抗性と、を確実にする。
【0142】
服用量注入ユニット2は、ピストン手段3がケーシング手段5の空洞4内で第一軸W1に沿って動くことを妨げるべくまたは可能にするべく配置された係止手段を備えている。特に、係止手段は、運搬及び接合手段10の取付け/取外しのために必要不可欠である組付状態Rで服用量注入ユニット2を保持するように、ピストン手段3をケーシング手段5に関して予め定められた線形位置及び角度位置で係止する。
【0143】
特に、係止手段は、カバー要素52の円筒状下部52cの側壁に形成された第一ハウジング71内に摺動的に組付られ、シート16の開口で第一端部6の外壁6a上に設けられた第二ハウジング73に係合するべく配置された係止ピン70を有している。
【0144】
第二ハウジング73は、係止ピン70の寸法に実質的に等しい寸法を有する孔を有している。係止ピン70は、第二方向Yに平行に、すなわち第一長手方向軸W1に垂直に移動可能であり、支持手段40の駆動手段によって引込位置と伸張位置との間を移動させられる。引込位置において、係止ピン70は、第一端部6と互いに影響し合うことなくピストン手段3を移動させることができるように、第1ハウジング71内に完全に収容されている。伸張位置において、係止ピン70は、第二ハウジング73内に挿入され、ピストン手段3が第一軸W1に沿って移動すること及び当該第一長手方向軸W1を中心として回転することを妨げて、これにより服用量注入ユニット2の組付状態Rを規定している。
【0145】
係止ピン70に対して横方向に固定されている駆動ピン75が、駆動手段の駆動軸74に係合されている。駆動軸74は、係止ピン70に平行であり、駆動手段の直線作動手段76によって駆動される。例えば、直線作動手段76は、空圧式シリンダを有している。駆動軸74は、駆動ピン75を受容するのに適した半径方向溝を有している。
【0146】
服用量注入ユニット2を支持手段40に取付ける取付工程において、操作者は、組付状態Rに配置された服用量注入ユニット2を把持手段52aによって支持し、第1方向Xに沿って案内手段41内に連結要素60を挿入する。連結要素60と案内手段41の直線溝49との間の隙間のおかげで、容易で素早い挿入ができる。
【0147】
各作動部44、45によって突出位置に押される固定要素42、43が、各連結ノッチ62、63に当接し、取付状態Aで服用量注入ユニット2を係止する最終位置に、連結要素60が到達するまで、固定要素42、43が各開口47、48内で各作動部44、45によって引込位置内に保持されながら、連結要素60は案内手段41内で摺動する。
【0148】
この状態において、係止ピン70の駆動ピン75は、駆動軸74の半径方向溝内に収容される。
【0149】
逆の順序で作動を行うことによって、すなわち、固定要素42、43が各作動部44、45によって引込位置内に保持されながら、ガイド手段41から連結要素60を取除くことによって、服用量注入ユニット2を支持手段40から取外すことが可能となる。
【0150】
一旦服用量注入ユニット2が支持手段40内に挿入されると、クラッチ部11が第一端部6のシート16内に挿入されるまで、運動手段101が第二長手方向軸W2に沿って接合手段10を移動させることを可能にするべく、係止ピン70は、ケーシング手段5に固定されたピストン手段3が組付状態Rにおける所定の線形位置及び角度位置に係止されている状態をなお保持する。一旦係止手段12がクラッチ部11をシート16に相互に固定するように動かされると、係止ピン70がピストン手段3から解放される。特に、直線作動手段76は、ピストン手段3が自由に移動できるように、係止ピン70を引込位置に移動させるように作動させられる。
【0151】
図示されていない装置の他の形態においては、係止ピン70は、連結要素60が摺動すること、すなわち服用量注入ユニット2が支持手段40から抜取られることを妨げるべく、ガイド手段41内に形成された第三ハウジングに係合する。
【0152】
本発明の服用量注入装置1によれば、このように、素早く容易であると共に精密で堅固な態様で、別個の支持手段40に服用量注入ユニットを接続及び係止することが可能である。
【0153】
取付作業は、1人だけの操作者によって行われ得り、隙間が設けられたガイド手段41及び連結要素60の形状及び寸法により特に容易に行われることに、留意することが重要である。各作動部44、45によって駆動される固定要素は、服用量注入ユニット2が所望の位置に到達された際に自動で係止されることを可能にする。
【0154】
全取付作業が、係止手段と、特に組付状態Rにおいてピストン手段3をケーシング手段5に固定する係止ピン70と、のおかげで容易に行われる。この態様では、操作者は、既知の服用量注入器でたいてい生じるようなピストン手段も支持することについて懸念することなく、把持部分52aによって服用量注入ユニット2を支持することができ、連結要素60を第1方向Xに沿ってガイド手段41内に挿入することができる。
【0155】
空洞4内でピストン手段3の移動を可能にするべくピストン手段3から係止手段70を解放することも、駆動手段、特に駆動軸74及び直線作動手段76によって自動的に行われることに留意されるべきである。
【0156】
支持手段40から服用量注入ユニット2を取外すための作業は、同様に容易で素早いものであり、第1方向Xに沿ってガイド手段41から連結要素60を手動で取除くことによって行われる。
【背景技術】
【0001】
本発明は、服用量注入装置、特に決定された精密な量の液体を服用量で入れるべく自動充填装置に結合可能なピストン−シリンダタイプの容積式服用量注入装置に関する。
【0002】
製薬(調剤)、美容及び食品分野において、ボトル、小型瓶、小型容器及びこれらの類似物のような容器内で、不定な粘度を有する流体製品を服用量で入れるべく充填装置に取付けられた容積式ピストンポンプを利用することが知られている。
【0003】
服用量注入ポンプまたは服用量注入器とも呼ばれるそのような装置において、ピストンが、いわゆるシリンダと呼ばれる中空管状体内に形成された服用量注入チャンバ(空洞)内で、往復運動しながら直線的に動く。液体製品の規定体積が吸込まれて、続いてそれらが分配されることが、ピストンストロークにより可能になる。前記体積は、服用量注入チャンバのストローク及び直径の関数である。服用量で入れられる製品は、それぞれ注入開口及び排出開口を通って服用量注入チャンバに入ったり出たりする。注入開口は、製品のタンクに接続されている供給管に接続されている。一方、排出開口は、容器内に製品を服用量で入れるべく、例えばノズルまたはカニューレに接続された配送管に接続されている。
【0004】
外部遮断バルブが、注入作業中に供給管及び配送管を選択的に閉鎖及び/または開放するべく、供給管及び配送管に設けられている。
【0005】
外部バルブに取って代わるいくつかの服用量注入器が、服用量注入チャンバ内に配置されていて、ピストンの直線を成す動きに同調して服用量注入チャンバを供給管及び配送管に選択的に接続するように指揮されている切換手段を備えている。そのような切換手段は、服用量注入チャンバ内に挿入された回転バルブからなってもよい。回転バルブは、注入開口及び排出開口を開放及び閉鎖することができる。
【0006】
代わりに、この原因に対してバルブ−ピストンと呼ばれる切換手段がピストンに形成された服用量注入器が知られている。この場合、ピストンは、軸方向に摺動することに加えて、服用量注入チャンバを供給管及び配送管に選択的に連通するように配置するというように、予め定められた角度で自身の長手方向軸を中心として回転することができる。
【0007】
服用量注入器において、特に製薬の分野では、ピストンストロークの精度が、服用量の精密さ及び正確さにとってきわめて重要である。
【0008】
同様に、バルブピストンを回転させる際における精度が、服用量で入れられる製品の正確な吸入及び配送を確実にするために必要である。
【0009】
それぞれ回転バルブ及びピストンが設けられた服用量注入器において、前記ピストン及びバルブが別個の駆動部材に接続され得るべく、シリンダが両端で開口している。前記駆動部材は、代替的に直線運動及び回転運動をそれぞれ提供する。
【0010】
バルブピストンが設けられた服用量注入器において、バルブピストンの上端部または下端部が、ピストンを回転させ、且つ、当該ピストンを直線的に移動させる駆動部材に連接されている。
【0011】
既知の充填装置が、複数の服用量注入器を支持する支持フレームを備えている。支持フレームは、充填装置より上に設けられる場合には、ピストン及び/またはバルブの各駆動部材を支持している。
【0012】
支持フレームは、典型的には、ネジで、または、トリクランプ(tri-clamp)タイプのクイック接続部で、支持フレームに螺合可能な固定ブラケットによって、自身の内部に服用量注入器が挿入でき、取外可能に係止できる所定形状のシートを含んでいる。
【0013】
既知の支持フレームは、服用量注入装置の精密で堅固な支持を確実にするが、2人の操作者の利用を要し得る、労力を要し複雑な組付及び取外作業を課す。防腐性のまたは無菌の環境下で作動する充填装置、従って、グローブ(「グローブポート」)が設けられた開口だけを通じて製品のパッケージングが行われる処理領域にアクセス可能にさせる収容室が設けられた充填装置に、服用量注入器が結合されている際であっても、これらの作業は、複雑で不便である。
【0014】
駆動部材が、服用量注入器より上に配置されている際には、清潔及び衛生の理由のために処理領域から隔離されなければならないモータ、変速機構、運動学的機構及びセンサ等を有するので、適切な収容ケーシング内に収容される。
【0015】
前記機械的部材及び構成要素の故障または破損が発生してメンテナンス業務が遂行されることを許容する場合に、前記収容ケーシングの寸法及び位置は、(それにもかかわらず)、収容ケーシングに配置された処理領域及び操作手段へのアクセシビリティにおける低下と、(与えられている場合に無菌状態を弱める)処理領域の内部へのアクセスの必要性と、を含んだいくつかの欠点を有する。加えて、無菌の及び/または防腐性の処理領域が無菌空気の流れにさらされる際には、前記収容ケーシングの寸法及び位置は、当該空気流が服用量注入領域で逸らされるあるいは変更されることと、服用量注入器のピストンの動きにより粒子が生成されて容器の内部の下方に当該空気流によって引きずり込まれ容器を汚染するリスクと、を引き起こす。
【0016】
そのような欠点を克服するべく、特に製薬製品の包装において、対応する運動部材が充填装置の基部内に配置されるように、回転させられ自身の底部から直線状に動かされる服用量注入器を備えることが近年の傾向である。
【0017】
この目的に対して、駆動軸が充填装置の基部に存在し、そして、直線運動及び回転運動の変速機構において必要不可欠な精度を提供すると共に服用量注入器が組付けられ取外されることを可能にする直進タイプの接合部を介して、駆動軸が服用量注入器のピストンの下端部に取外し可能に接続されている。
【0018】
特に、前記接合部は、典型的には、ピストンの端部に固定され、駆動軸の上端部で得られる相補的な形状を有するシート内に収容されるT字状の要素を含んでいる。T字状の要素は、シート内でピストンの運動方向に対して横方向に、典型的には垂直に、摺動可能である。このような態様において、T字状の要素は、別々に服用量注入器を運動部材に対して接続または分離するべく、シートに挿入され、シートから取外され得る。それにもかかわらず、ピストンの任意の作動位置においてT字状の要素がシートから取り外されることを可能にするべく、ピストンの軸が、当該軸の下端が常にシリンダの外側にあり続けることができるような長さを必要とする。
【0019】
ピストンの相当な長さのせいで、そのような服用量注入器は、大きすぎて、扱うこと、とりわけ組付けられること及び取外されることが困難である。前記服用量注入装置を支持するために必要不可欠である支持フレームの寸法及び空間要求が、重要であり、充填装置の処理領域への相当な到達性を制限する、というようなことになる。
【0020】
既知の服用量注入装置は、一般的にはステンレス鋼からなる。ステンレス鋼は、製薬製品及び/または食品との接触に適しており、洗浄及び殺菌作業に耐えることができる。
【0021】
更に、セラミック材料を利用することが既知である。セラミック材料のおかげで少ない寸法誤差及び削減された表面粗さの値を有する構成要素を作ることが可能である。
【0022】
セラミック材料は、摩耗及び高温に対する極めて高い抵抗係数、及び、極めて好適な熱膨張係数を有する。前記特徴のおかげで、セラミック材料は、洗浄及び定置殺菌作業のためにセットアップされた高精度のピストンポンプを製造することに特に適している。
【0023】
セラミック材料は、それにもかかわらず、機械的作業において制限を有している。つまり、セラミック材料は、比較的壊れやすく、破損、破砕及び粉々に容易になってしまう傾向がある。
【0024】
この原因に対して、セラミック材料からなるポンプのシリンダは、典型的にはステンレス鋼からなる、金属製ライナによって覆われている。前記ライナは、セラミックのシリンダで単一モノリス本体を形成するというような態様で、介入物を介して熱装着されている。
【0025】
外部金属製ケーシングは、セラミック内部シリンダを保護することに加えて、服用量注入器が支持フレームに固定され、供給管及び配送管の取付器具が支持フレームに連接されることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2797046号明細書
【特許文献2】国際公開第2004027352号パンフレット
【発明の概要】
【0027】
多くの応用、特に製薬の分野及び食品の分野では、服用量注入器のいずれの構成要素も取外される必要がなく、服用量注入器が定位置で洗浄作業及び殺菌作業にさらされ得ることが要求される。そのような作業は、CIP/SIP(定置洗浄/定置殺菌)の名称で知られているが、自動または半自動で実施可能な一連の工程から実質的になる。前記工程中は、服用量注入器の内部で、異なる温度の洗浄液及び高圧蒸気が横断する。このような態様で、時間の比較的短い間内で、製品と接触するようになる服用量注入器の全ての部品を洗浄及び殺菌することが可能である。
【0028】
洗浄及び殺菌作業の正確で正当な履行に対する本質的な状態は、製品と接触し続ける服用量注入器の各内面が洗浄及び殺菌流体により必要な流速で適切に到達されて巡回されることである。
【0029】
これに加えて、服用量注入器の構造及び形態が、洗浄及び殺菌サイクルの最後にそれらの流体を正確に排出して空にすることを保証しなければならない。すなわち、前記流体が溜って淀み得る領域をなくすことである。特に、CIP/SIP作業にセットアップされた服用量注入器が、服用量注入チャンバに同軸に連通された洗浄及び殺菌チャンバを備えている。洗浄及び殺菌チャンバには、洗浄及び殺菌流体の出口のための開口が設けられている。一例の注入器の洗浄及び殺菌形態において、製品と接触するようになる注入器の一部が服用量注入チャンバ並びに洗浄及び殺菌チャンバの内壁から間隔を空けて配置されるというように、ピストンがシリンダ内に位置決めされる。このような態様で、注入器の前記一部及び服用量注入チャンバ全体の内壁が、洗浄及び殺菌流体によってアクセスされ得る。
【0030】
仏国特許出願公開第2797046号明細書は、服用量注入チャンバを規定している中空本体と、前記服用量注入チャンバ内で直線的に可動であって回動するピストンと、を備える容積式服用量注入装置が示されている。中空本体には、服用量で入れられる製品の供給管及び配送管が設けられている。服用量注入チャンバは、二次的なチャンバ内で下方に延在している。二次的なチャンバは、ピストンの伸張を収容するべく配置されて、閉鎖要素によって底部が閉鎖されている。閉鎖要素は、中空本体に取外し可能に接続されており、洗浄及び殺菌流体を放出するための導管が設けられている。服用量注入装置は、更に、服用量注入チャンバの上部に配置された洗浄及び殺菌チャンバを備えている。そして、服用量注入装置には、洗浄及び殺菌流体のための注入管が設けられている。洗浄及び殺菌チャンバは、中空本体に取外し可能に接続された円筒状で管状の要素からなる。そして、洗浄及び殺菌チャンバには、横孔が設けられた円筒状の隔壁によって当該洗浄及び殺菌チャンバから隔離され、注入管に連通された隙間が設けられている。
【0031】
前記服用量注入装置の1つの欠点は、複雑で巨大で費用のかかる構造である。前記構造は、他の物体の間で、服用量で入れられる製品及び洗浄及び殺菌流体のそれぞれの入口及び出口用の4つの別個の導管を含んでいる。
【0032】
国際公開第2004027352号パンフレットは、服用量注入チャンバを形成している中空本体と、前記服用量注入チャンバ内で直線的に可動であって回動するピストンと、を備える容積式服用量注入装置が示されている。中空本体には、服用量で入れられる製品の供給管が側面に設けられている。服用量注入チャンバは、閉鎖要素によって上部が閉鎖されている。閉鎖要素は、第一中空本体に取外し可能に連接されており、服用量で入れられる製品の配送管が設けられている。中空本体の下端部に連接されている更なる中空本体が、洗浄及び殺菌流体の放出管の底部に設けられた洗浄及び殺菌チャンバを形成している。
【0033】
前記服用量注入器は、仏国特許出願公開第2797046号明細書に示された注入器よりもコンパクトで簡略な構造を有している。しかし、ピストンが輸送中に中空本体から誤って出てしまい、それゆえに損傷及び/または汚染され得るので、前記服用量注入器は、取扱いについて過大な労力と細心の注意を要する。
【0034】
上述された両方の服用量注入装置が、互いに取外し可能に接続されている複数の構成要素(中空本体、閉鎖要素)により構成されているが、それにもかかわらず、洗浄及び殺菌の課題を有し得る。実際に、構成要素の機械加工及び/または構成要素の間の非最適な連結における不正確さのせいで、服用量で入れられる製品の及び/または洗浄及び殺菌流体の浸透及び伝播を許容するような大きさの割れ目または裂け目が、構成要素の境界または接続領域にある。この場合、服用量注入器の正確で完全な洗浄を行うべく、服用量注入器を完全に取外す必要がある。これにより、作業時間が増加し、結果として維持費が増加する。
【0035】
上述された服用量注入装置の別の欠点は、服用量注入器を正確な態様で組付けて、続いて充填装置に服用量注入器を取付けるために必要である複雑で繊細な手作業にある。そのような作業は、特殊化を要求し、従って費用的に操作者を必要とする。
【0036】
本発明の1つの目的は、既知の容積式服用量注入装置、特に充填装置に結合可能なバルブピストンタイプの服用量注入装置を改良することである。
【0037】
他の目的は、操作者の手動介入を要求することなく、ピストンの作動位置に関わらず、充填装置に設けられたピストンの駆動手段に対して自動で接続されるまたは取外されるべく配置された服用量注入ユニットを備える服用量注入装置を作ることである。
【0038】
更なる目的は、素早く自動でピストンを対応する運動手段に対して連接可能または取外し可能であると共に、前記ピストンに直線運動及び回転運動の精密で正確な伝達を確実にする接合手段を備える服用量注入装置を作ることである。
【0039】
更に他の目的は、服用量注入ユニットが容易で素早く組付けられる及び取外されることを可能にし、充填装置に結合可能な支持及び係止手段であって、取付作業状態において、服用量注入ユニットの精密で堅固な位置決めを確実にする支持及び係止手段を提供することである。
【0040】
より更なる目的は、所望の体積できわめて精密で正確な量の液体を注入することができて、洗浄及び定置殺菌(CIP/SIP)作業のためにより整えられた(セットアップされた)服用量注入ユニットを得ることである。
【0041】
他の更なる目的は、とりわけ簡略でコンパクトな構造を有すると共に、衝撃に対して耐久性と抵抗力のある服用量注入ユニットを作ることである。
【0042】
更なる他の目的は、服用量注入ユニットを支持及び係止手段に組付け及び/または取付けるために最低限の簡略な手動作業を要求する服用量注入ユニットを作ることである。
【0043】
本発明によれば、請求項1による服用量注入装置が提供される。
【0044】
本発明の服用量注入装置によれば、ピストン手段の端部が服用量注入ユニットの外側に突出せざるをえないことに対するいかなる要求もなく、服用量注入ユニットのピストン手段を運動手段に対して連接するあるいは分離することが可能である。特に、前記端部は、いかなる作動位置に置いても、服用量注入ユニットの空洞内に常に収容され得る。
【0045】
これにより、前記ピストン手段の長さが短縮されて、コンパクトな長手方向寸法を有し、それゆえに処理領域への十分なアクセシビリティを要求する充填装置における利用に特に適した服用量注入ユニットを作ることができる。
【0046】
更に、操作者の手動介入を必要とすることなく、これゆえに短縮された不稼働時間及び取付の際に低い誤りのリスクをもって、完全に自動な態様において、ピストン手段が運動手段に対して連接可能あるいは分離可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】取付状態における本発明の服用量注入装置の部分断面正面図である。
【図2】図1における装置の支持手段の部分側面図である。
【図3】図1における線III−IIIに沿った断面である。
【図4】位置調整された作業状態における接合手段を示す、図1の拡大詳細部である。
【図5】位置調整された作業状態における接合手段の部分断面拡大図である。
【図6】位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面正面図である。
【図7】位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面側面図である。
【図8】図1における装置の他の形態の一部の部分断面正面図である。
【図9】位置調整された作業状態における接合手段を示す、図8の拡大詳細部である。
【図10】位置調整されていない作業状態において、図9における接合手段の部分断面側面図である。
【図11】位置調整されていない作業状態における接合手段を示す、図9における図と類似する正面図である。
【図12】取付状態における支持手段及び固定手段を示す、図1における装置の部分拡大図である。
【図13】洗浄及び殺菌状態において、図1における装置の服用量注入ユニットの長手方向断面である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、制限されない例として実施の形態を図示した添付の図面を参照して、よりよく理解され補われ得る。
【0049】
図1は、取付状態における本発明の服用量注入装置の部分断面正面図である。図2は、図1における装置の支持手段の部分側面図である。図3は、図1における線III−IIIに沿った断面である。図4は、位置調整された作業状態における接合手段を示す、図1の拡大詳細部である。図5は、位置調整された作業状態における接合手段の部分断面拡大図である。図6は、位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面正面図である。図7は、位置調整されていない作業状態における接合手段の部分断面側面図である。図8は、図1における装置の他の形態の一部の部分断面正面図である。図9は、位置調整された作業状態における接合手段を示す、図8の拡大詳細部である。図10は、位置調整されていない作業状態において、図9における接合手段の部分断面側面図である。図11は、位置調整されていない作業状態における接合手段を示す、図9における図と類似する正面図である。図12は、取付状態における支持手段及び固定手段を示す、図1における装置の部分拡大図である。図13は、洗浄及び殺菌状態において、図1における装置の服用量注入ユニットの長手方向断面である。
【0050】
図1乃至7を参照すると、充填装置に結合されていて、服用量注入ユニット2を備える服用量注入装置1が図示されている。服用量注入ユニット2は、ケーシング手段5の注入口82から所望の量の液体を引き込んで、ケーシング手段5の排出口83に当該所望の量の液体を誘導するべく、ケーシング手段5の空洞4において第一長手方向軸W1に沿って可動であるピストンを有するピストン手段3を備えている。
【0051】
装置1は、例えば充填装置の基部102の外壁102aに固定可能であり、取付状態Aにおいて服用量注入ユニット2を支持すると共に係止するべく配置された支持手段40を備えている。
【0052】
装置1は、更に、服用量注入ユニット2の前記取付状態Aにおいて、ピストン手段3の第一端部6を運動手段101に取外し可能に連接するための接合手段10を備えている。運動手段101は、ピストン手段3を直線的に移動及び回動させるべく配置されている。
【0053】
運動手段101は、既知のタイプであり、図において詳細には示されていないが、充填装置の基部102内に収容されている。
【0054】
図に示されている実施の形態を参照すると、ピストン手段3の第一端部6が下端部であり、それゆえに服用量注入ユニット2は運動手段101によって底部から駆動される。
【0055】
ピストン手段3は、バルブピストン手段であり、第二端部7を含んでいる。第二端部7は、第一端部6の反対にあり、空洞4内で摺動可能である。第二端部7には、注入口82ないし排出口83に空洞4を連接する切換(転換)手段9が設けられている。
【0056】
運動手段101によって駆動されるピストン手段3は、引込ないし内部位置と伸張ないし外部位置との間で第一軸W1に沿って往復直線運動によって移動できる。ピストン手段3は、切換手段9が空洞4を注入口82に連通する吸入位置と、切換手段9が空洞4を排出口83に連通する配送位置と、の間でも双方の回転運動で第一軸W1を中心として動くことができる。
【0057】
服用量注入ユニット2のケーシング手段5は、自身の内部に空洞4が形成され、実質的に円筒状の形状を有する内部管状要素51と、接合手段10の導管のための別個の開口56が設けられた更なる空洞53を形成するように、内部管状要素51の端部、例えば下端部、に延在し、内部管状要素51を覆っている外部カバー要素52と、を含んでいる。
【0058】
内部管状要素51は、例えばセラミック材料で作られている。一方、カバー要素52は、プラスチックで作られている。特に、カバー要素52は、内部管状要素51と単一体を形成するように、例えば射出成形によって、内部管状要素51の周囲に直接的に成型される。
【0059】
カバー要素52は、後述の発明の詳細な説明内で詳細に説明されるように、特に装着/取外し工程中に、服用量注入ユニット2が操作者によって容易に把持されて取扱われることを可能にするべく、取手状の把持部分52aを更に有している。
【0060】
空洞4は、実質的に円筒状の形状を有しており、内部管状要素51の全長に亘って長手方向に延びている。空洞4は、異なる直径及び長さを有する下部(底部)服用量注入チャンバ4aと上部服用量注入チャンバ4bとを含んでいる。特に、下部服用量注入チャンバ4aは、上部服用量注入チャンバ4bの直径より大きい直径を有している。
【0061】
上部服用量注入チャンバ4bは、注入口82を介して、服用量で入れられる製品を供給する巡回路に流動的に連接されている。注入口82は、管状要素51の側壁及びカバー要素52の側壁に形成されたそれぞれの導管を含んでいる。注入口82は、第一軸W1に対して横向きであり、とりわけ第一軸W1に対して略直交している。上部服用量注入チャンバ4bは、排出口83を介して製品の配送巡回路に更に流動的に接続されている。排出口83は、例えばカバー要素52の上部52bに形成された、例えば第一長手方向軸W1に実質的に同軸な別個の導管からなる。カバー要素52の上部52bは、空洞4を上方で閉鎖する。
【0062】
吸入口82及び排出口83には、供給巡回路及び配送巡回路にクイック接続、例えばトリクランプ(tri-clamp)でクイック接続をするための取付器具82a、83aが外側に設けられている。取付器具82a、83aは、カバー要素52に直接的に形成されている。
【0063】
本発明の服用量注入ユニット2は、定置洗浄作業及び定置殺菌作業(CIP/SIP)に対してセットアップされている。そのような作業は、服用量注入ユニット2のいかなる構成要素も取外されることを必要としないもので、自動または半自動で行われ得る一連の工程を含んでいる。前記一連の工程中において、服用量注入ユニットの内部では異なる温度の洗浄液及び高圧蒸気が横断する。
【0064】
この目的に対して、円筒状下部52cが、服用量注入ユニット2のCIP/SIP作業工程において洗浄及び殺菌チャンバとして作用する更なる空洞53を形成するように、カバー要素52は管状要素51の下方に延在している。更なる空洞53は、実質的に円筒状の形状を有しており、下部服用量注入チャンバ4aの直径より大きい直径を有している。更なる空洞53は、更なる排出口54を介して、洗浄及び殺菌液の外部排水巡回路に流動的に連通している。更なる排出口54は、クイック接続のための対応する取付器具54aが設けられた洗浄導管を含んでいる。
【0065】
ピストン手段3は、第一端部6と第二端部7との間に中間部8を含む細長い円筒状の本体を有している。第一端部6と第二端部7と中間部8とは、第一長手方向軸W1に同軸であり、それらの間で異なる直径及び長さを有している。
【0066】
中間部8は、下部服用量注入チャンバ4aの内部で密封的に摺動するように配置されている。一方、第二端部7は、上部服用量注入チャンバ4b内で密封的に摺動するように配置されている。
【0067】
第一端部6は、更なる空洞53内で間隔を空けながら摺動する。
【0068】
洗浄及び殺菌状態Lにおいて、ピストン手段3は、更なる空洞53及び更なる排出口54に空洞4を流体連通するように配置されている。特に、洗浄及び殺菌状態Lにおいて、ピストン手段3の第二端部7及び中間部8は、下部服用量注入チャンバ4a及び更なる空洞53内にそれぞれ完全に収容されている一方で、ピストン手段3の第一端部6は、更なるチャンバ53内に部分的に収容されていて、更なる空洞53の開口56を閉じている。更に正確には、第一端部6の外部側壁6aは、密封手段55に密封的に当接している。そして、密封手段55は、更なる空洞53と外部環境(図13)との間の流体連通を提供するというように、例えばO−リングタイプの環状シールを含み、更なる空洞53の別個の内壁内に設けられている。このような態様で、注入口82及び/または排出口83を通って空洞4内に送られた洗浄及び/または殺菌液が、服用量で入れられる製品と接触するようになる、服用量注入チャンバ4a、4b及びピストン手段3の全ての地点に、必要な速度で到達し重なり合うことができる。
【0069】
本発明の服用量注入ユニット2の構造及び実施の形態によれば、カバー要素52と内部管状要素51との間にある境界または連結領域において、自身の内部に服用量で入れられる製品または洗浄及び殺菌流体が滞留し、CIP/SIP作業を無効にするあるいは少なくとも受け入れられなくする、割れ目、裂け目または類似物の存在が、排除されることに留意されるべきである。
【0070】
プラスチックからなるカバー要素52は、セラミック製の内部管状要素51を被覆して、打撃や衝撃から保護するだけでなく、服用量注入ユニット2が支持手段40に固定され、服用量で入れられる製品の供給巡回路と服用量で入れられる製品の配送巡回路と洗浄及び/または殺菌液の排水巡回路とが取付器具82a、83a、54aを介して服用量注入ユニット2に連接されることも可能にする。
【0071】
ピストン手段3の第一端部6は、接合手段10のクラッチ部11を取外し可能に受容するべく構成されたシート16を含んでいる。クラッチ部11は、第一軸W1に実質的に平行な連結方向Tに沿って、シート16に対して連接可能であり、分離可能である。
【0072】
クラッチ部11とシート16とは、例えば円筒状のような相補的な形状と、残差の半径方向の隙間を最小にするような寸法と、を有している。
【0073】
接合手段10は、クラッチ部11を含む接続要素25と、自身の端部が運動手段101に接続されている更なる接続要素26と、を含んでいる。接続要素25と更なる接続要素26とは、球状要素27を介して回転可能に接続されている。
【0074】
更なる接続要素26は、第二軸W2に沿って且つ第二軸W2を中心として、運動手段101によって動かされる。利用の際には、接合手段10は、運動手段101に通常は組付けられている。
【0075】
係止手段12は、第一接続要素25のクラッチ部11をシート16内に復元可能に固定するべく設けられている。係止手段12は、クラッチ部11に結合され、各ハウジング39に対して係合または解放するように可動である1つまたは複数の係止要素13を含んでいる。係止要素13は、例えば2つである。各ハウジング39は、それぞれ第一端部6を接合手段10に係止するべく、あるいは、第一端部6を接合手段10から解放するべく、シート16内に形成されている。
【0076】
作動手段14が、係止要素13をハウジング39内に押込むべく当該係止要素13に作用する。
【0077】
図に示されている実施の形態を参照すると、係止要素13は、球状の形状を有しており、クラッチ部11の側壁19上に対向するように形成された開口18内に挿入されている。係止要素13は、クラッチ部11内に形成されたギャップ17に収容された作動手段14によって、開口18から突出するように保持されている。作動手段14は、ギャップ17内で摺動可能であり、係止要素13に作用する傾斜壁15aが設けられた押圧要素15を含んでいる。
【0078】
押圧要素15は、ギャップ17の底壁と共に密封下部チャンバ21を形成している。密封下部チャンバ21には、圧縮流体典型的には圧縮空気が供給される。下部チャンバ21の反対側には、例えばコイルバネのような弾性要素22が設けられている。弾性要素22は、ギャップ17内に挿入され、圧縮流体により与えられる作用に抵抗する弾性力を発揮するように配置されている。
【0079】
ハウジング39は、例えばシート16の内壁に設けられた環状の溝によって形成され、係止要素13の突出部を受容するように成形される。
【0080】
接合手段10の連結状態Bでは、押圧要素15がコイルバネ22によって順に押圧されて、係止要素13が当該押圧要素15によって押圧される。押圧された係止要素13は、開口18から突出して、クラッチ部11を第一端部6に堅固に係止するようにハウジング39に係合する。
【0081】
特に、第一端部6の環状端面6bが、クラッチ部11の環状冠部20の上面20aに当接する。
【0082】
解放状態では、図示されていないが、係止要素13がハウジング39を解放するように開口18内に戻ることができ、クラッチ部11が第一端部6から解放され得るような位置に、押圧要素15が下部チャンバ21に供給される圧縮流体によって移動させられる。
【0083】
クラッチ部11が回転トルクを伝達することができるように、第一端部6をクラッチ部11に連接するための伝達手段が設けられている。
【0084】
伝達手段は、クラッチ部11に固定され、第一端部6上に設けられた更なるシート24に係合するべく配置された少なくとも1つのジベル23を有している。
【0085】
特に、クラッチ部11がそれぞれシート16に挿入されあるいはシート16から取外される際に、ジベル23が、更なるシート24に対して挿入されるあるいは分離されるように、第一軸W1と実質的に平行に環状冠部20の上面20aに固定されている。
【0086】
接続要素25は、クラッチ部11の反対側にフォーク状部35を含んでいる。一方、更なる接続要素26は、運動手段101に固定された一端の反対側に更なるフォーク状部36を含んでいる。
【0087】
フォーク状部35と更なるフォーク状部36とは、球状要素27を介して回転可能に接続されている。フォーク状部35、36は、球状要素27を部分的に取囲むそれぞれの一対のアームを含んでいる。前記一対のアームは、実質的に互いに直交するそれぞれの平面上に配置されている。
【0088】
球状要素27は、第一軸W1に沿ってピストン手段3が往復運動することを確実にするべく、2つの接続要素25、26の間の対応する回転を許容すると同時に運動手段101とピストン手段3との間の引張力/圧縮力の伝達を確実にする。
【0089】
接合手段10は、フォーク状部35、36を包囲して収容するスリーブ38を含んでいる。スリーブ38は、各ピン29、30によって接続要素25、26に接続されている。
【0090】
特に、第一ピン29がスリーブ38を接続要素25に接続する一方で、第二ピン30がスリーブ38を更なる接続要素26に接続する。
【0091】
第一ピン29及び第二ピン30は、円筒状の形状を有しており、互いに実質的に平行且つ互いに対して横方向に、更に特に第一軸W1に対して実質的に垂直になるように配置されている。
【0092】
第一ピン29は、例えば介入物を介して連結することによって、両端部でスリーブ38に固定されている。一方、第一ピン29は、接続要素25の第一貫通開口31内に回転可能に収容されている。第一貫通開口31は、貫通細孔(スロット)を実質的に含んでいる。前記貫通細孔は、第一軸W1に平行な方向にのみ所定の量の半径方向隙間を第一ピン29に残すように成形された断面を有する。
【0093】
同様に、第二ピン30は、例えば介入物を介して連結することによって、両端部でスリーブ38に固定されている。一方、第二ピン30は、更なる接続要素26の第二貫通開口32内に回転可能に収容されてもいる。第二貫通開口32は、第二ピン30が略ゼロの半径方向隙間でそれぞれの長手方向軸のみを中心として回転することを可能にするべく、第二ピン30の断面に実質的に相応し調整された断面を有している。
【0094】
ピン29、30により、スリーブ38は、2つの接続要素25、26に回転可能に接続されている。すなわち、スリーブ38は、回転トルクまたはねじりモーメントを伝達することができる。
【0095】
少なくともフォーク状部35、更なるフォーク状部36、球状要素27、スリーブ38、第一ピン29及び第二ピン30を取り囲んで、これらを製品の服用量の注入が行われる外部処理環境80から隔離するべく、接合手段10は、接続要素25のクラッチ部11を充填装置の基部102の外壁102aに連接するベローズ手段33を更に含んでいる。
【0096】
このように、接合手段10は、ピストン手段3が整列されていなくとも運動手段101とピストン手段3との間の運動トルク及び軸力を高い精度で伝達可能な等速ジョイントを構成する。
【0097】
図6及び図7に示されるように、接続要素25、26は、球状要素27を介して回転可能に接続されている。そして、例えば服用量注入ユニット2及び/または支持手段40の取付及び/または製造の不正確さにより、ピストン手段3の第一軸W1が更なる接続要素26の第二軸W2に関して不整列及び/または傾斜させられている場合であっても、第一貫通開口31内で摺動可能である第一ピン29は、接合手段10を作動させることができる。
【0098】
取付工程では、取付状態Aにおいて操作者が服用量注入ユニット2を支持手段40に固定した後、クラッチ部11が第一端部6のシート16内に挿入されるまで、運動手段101が、自身に取付けられている接合手段10を第二軸W2に沿って移動させるように作動させられる。このように、連結状態Bにおいて係止手段12を作動させることによって、クラッチ部11を第一端部6に堅固に係止させる、すなわちピストン手段3を運動手段101に接続することができる。
【0099】
反対の作動を行うことによって、すなわち、最初に、シート16のハウジング39から係止要素13を解放するべく、係止手段12を作用しない状態にさせ、続いて、運動手段101を作動させることによって、シート6からクラッチ部11を解放して、接合手段10から従って運動手段101からピストン手段3を分離することができる。
【0100】
本発明の服用量注入装置1の接合手段10及びピストン手段3の構成により、クラッチ部11は、第一軸W1に略平行な連結方向Tに沿って、第一端部6のシート16に挿入可能であり、且つ、当該シート16から取外し可能であることが留意されるべきである。更に、第一端部6がケーシング手段5の外側に位置決めされることに対するいかなる要求もなく、ピストン手段3が運動手段101に対して接続されるあるいは分離されることが可能である。特に、第一端部6は、いかなる作動位置においても、ケーシング手段5の更なる空洞53内に常に有益に収容される。
【0101】
これにより、ピストン手段3の長さが短縮され、コンパクトな長手方向寸法を有し、処理領域に対して十分なアクセシビリティを要求する充填装置における利用に特に適した服用量注入ユニット2が作られることを可能にする。
【0102】
更に、操作者の手動介入を必要とすることなく、これゆえに短縮された不稼働時間及び取付の際に低い誤りのリスクをもって、完全に自動な態様において、ピストン手段3が接合手段10を介して運動手段101に対して接続可能あるいは分離可能である。
【0103】
図8乃至11が、ピストン手段103の第一端部106を運動手段101に接続する接合手段110に対して、上述した実施の形態とは異なる服用量注入装置1の他の形態を図示している。
【0104】
接合手段110は、細長い形状を有し、クラッチ部111の一端に設けられた接続要素125を有している。クラッチ部111は、第一端部106内に設けられたシート116に係合するべく配置されている。他方では、接続要素125の他端部は、第二長手方向軸W2に沿って直線的に可動であり、当該第二長手方向軸W2を中心として回動できるように、運動手段101に連接されている。
【0105】
この場合、クラッチ部111は、後の発明の詳細な説明内で詳細に説明されるように、第一軸W1に実質的に平行または第一軸W1に対して数度傾いている連結方向Tに沿って、シート116に連接可能であり、且つ、シート116から分離可能である。
【0106】
クラッチ部111とシート116とは、例えば円錐台の形状のような相補的な形状を有している。
【0107】
接合手段110は、シート116内でクラッチ部111を取外し可能に係止するべく配置された係止手段112を有している。
【0108】
係止手段112は、クラッチ部111の端部に固定されシート116の内壁に当接する密封手段113を含んでいる。密封手段113は、例えば、クラッチ部111の端部に形成された環状のくぼみ132内に収容されたエラストマー材料からなる環状シールを含んでいる。クラッチ部111の端部とシート116と密封手段113とが、係止手段112の上部チャンバを規定している。上部チャンバは、導管122を介して例えば減圧巡回路のような減圧源に連通されている。連結状態Bにおいて、上部チャンバ121内で生成される負圧または真空により、上部チャンバ121の形状及び寸法と上部チャンバ121内の減圧の大きさとに依存する大きさの接続力で、クラッチ部111がシート116を堅固に係止する。
【0109】
例えば減圧巡回路との接続部を遮断することによって、上部チャンバ121が大気圧に戻ると、クラッチ部111が、シート116から容易且つ滑らかに分離されて、ピストン手段103が運動手段101から解放され得る。
【0110】
連結状態Bにおいて、ピストン手段103の第一端部106と接続要素125のクラッチ部111との間の第一軸W1に沿った往復軸方向位置を規定するべく、当接手段が設けられている。当接手段は、シート116の底壁116aに固定された第一当接ピン114と、クラッチ部111に固定された第二当接ピン115と、を含んでいる。球状の形状を有しており、クラッチ部111に弾性的に接続された中間要素126が、2つの当接ピン114、115との間に介装されている。
【0111】
連結状態Bにおいて、当接ピン114、115は、負圧下に置かれた上部チャンバ121によって形成された接続力によって、反対側で中間要素126に接触している。連結状態Bにおいて、ピストン手段103と接続要素125との間の軸方向隙間がゼロであることに留意されるべきである。
【0112】
クラッチ部111がシート116から取外される際には、中間要素126は、上部チャンバ121または外部環境と導管122との間の連通を閉鎖するシャッターとしても作用する。
【0113】
この目的に対して、クラッチ部111は、更なるギャップ117を含んでいる。更なるギャップ117の底部には第二当接ピン115が固定され、更なるギャップ117内には中間要素126が挿入されている。例えばコイルバネのような更なる弾性要素118が、第二当接ピン115を包囲して、中間要素126を更なるギャップ117の外側に押圧するように中間要素126に作用する。クラッチ部111がシート106から取外される解放状態において、中間要素126が、更なるギャップ117の開口部に設けられた環状隆起部119と、当該環状隆起部119に隣接し前記開口部に設けられた更なる密封手段139と、に当接するように、更なるバネ118が中間要素126を押圧する。この位置では、当接する中間要素126が、導管122を介して減圧源へ連通された更なるギャップ117を密封的に閉鎖する。
【0114】
クラッチ部111が回転トルクを伝達できるように第一端部106をクラッチ部111に連接するべく、伝達手段が設けられている。
【0115】
伝達手段は、1つまたは複数の、例えば2つのジベル123を有している。ジベル123は、クラッチ要素111の側壁131に対して、例えば180°の角度の間隔を空けて固定されていて、第一端部106上にある対応する更なるシート124に係合するべく配置されている。
【0116】
ジベル123及び更なるシート124の寸法は、ピストン手段103と接続要素125との間の半径方向隙間を最小化するようになっており、これにより作動中の回転運動における必要な精度及び正確さをピストン手段3に保証している。
【0117】
クラッチ部111がそれぞれシート106内に挿入されるあるいはシート106から取外される際に、ジベル123が更なるシート124内に挿入されるあるいは更なるシート124から取外されるように、ジベル123が接続要素125の長手方向軸に実質的に垂直に固定されている。更なるシート124は、下方に開口しているそれぞれの細孔(スロット)を有している。
【0118】
接合手段110は、外壁102a内に形成された開口であって、外部処理環境80付近にある、接続要素125の導管のための開口を閉鎖するべく、接続要素125のクラッチ部11を充填装置の基部102の外壁102aに接続するベローズ手段133を含んでいる。
【0119】
接合手段110の連結状態Bにおいて、密封手段113は、上部チャンバ121内の減圧により生成された接続力によって、クラッチ部111とシート116の内壁との間に押潰されている。密封手段113の弾性及び変形性が、上部チャンバ121を外部環境から隔離することを確実にするだけでなく、服用量注入ユニットの通常作動中には接続要素125とピストン手段103の第一端部106との間の回転トルクまたはねじりモーメントを伝達することができる。
【0120】
密封手段113が、シート116の内壁に対してあるいはクラッチ部111の環状のくぼみ132に対して摺動する場合、伝達手段、特にジベル123及び更なるシート124は、ピストン手段103と接続要素125との間の正確な角度位置及び回転トルクの正確な伝達を保証する。
【0121】
図10及び図11に示すように、密封手段113の弾性及び変形性と、クラッチ部111及びシート106の円錐台形状と、クラッチ部111とシート106との間の半径方向隙間と、により、第一軸W1と第二軸W2とが整列されていない、及び/または、互いに対して傾斜している場合であっても、接合手段111は、精密で正確な態様で、直線運動及び回転運動をピストン手段103に伝達することができる。
【0122】
構造上別の本形態においても形成された接合手段110が、服用量注入ユニット2及び/または支持手段40の製造及び/または取付の不正確さの存在する場合であっても、運動手段101とピストン手段103との間の回転トルク及び軸力を高い精度で伝達可能な等速ジョイントを構成する。
【0123】
服用量注入装置1の本形態においても、いかなる作動位置であっても第一端部106が常にケーシング手段5内に配置されていると共に、操作者の手動介入を要求することなく、選択的な態様でピストン手段3を運動手段101に対して自動で接続すること及び自動で分離することが可能である。
【0124】
図1乃至図3及び図12を特に参照すると、服用量注入装置1は、ケーシング手段5に結合され、服用量注入ユニット2の取付状態Aにおいて支持手段40のガイド手段41に摺動可能に係合するべく配置された連結手段60を備えている。連結手段60は、第一長手方向軸W1に実質的に平行な第一方向Xに沿って、ガイド手段41に挿入可能あるいはガイド手段41から分離可能である。第一方向Xは、例えば、支持手段40が固定され得る充填装置の基部102の上壁102aに垂直で実質的に直交している。
【0125】
図示されていない服用量注入装置1の他の形態においては、第一方向Xは、例えば、第一軸W1に平行であり、実質的に直交し得る。
【0126】
支持手段40は、上壁102aに固定されガイド手段41を支持する支持本体46を含んでいる。ガイド手段41は、平坦な形状を有し直線溝49が設けられているガイド要素を含んでいる。直線溝49は、f字状の横断面を有し、第一方向Xに平行に延びている。
【0127】
服用量注入ユニット2が、支持手段40に対して容易に取付けられ取外されることを可能にするべく、連結手段60は、予め定められた隙間をもって直線溝49に摺動可能に係合するように、ケーシング手段5に固定されたT字状の連結要素を含んでいる。
【0128】
連結要素60は、例えば、カバー要素52の円筒状下部52cの側壁に直接的に設けられている。
【0129】
代替的には、連結要素60は、別個の要素であり、円筒状下部52cの前記横壁に固定され得る。
【0130】
支持手段40は、連結要素60をガイド手段41に取外し可能に係止するべく配置された固定手段を更に有している。固定手段は、ガイド手段41に結合された少なくとも2つの固定要素42、43を含んでいる。固定要素42、43は、連結手段60をガイド手段41に係止するべく、連結要素60の各々の連結ノッチ62、63に係合するように、あるいは、連結手段60をガイド手段41から解放するべく、連結要素60の各々の連結ノッチ62、63から解放されるように、移動可能である。
【0131】
押圧手段が固定要素42、43に作用するべく設けられている。押圧手段は、第一方向Xに実質的に直交する第二方向Yに沿った予め定められた固定力で、固定要素42、43を押圧して連結ノッチ62、63に当接させる。
【0132】
図に示されている実施の形態を参照すると、固定手段は、球状の形状を有していて、第一開口47及び第二開口48にそれぞれ挿入される第一固定要素42及び第二固定要素43を含んでいる。第一開口47及び第二開口48は、ガイド手段41内で第一方向Xに対して整列されて、第一方向Xに対して重なっている。第一固定要素42及び第二固定要素43は、取付状態Aにおいて連結要素60の第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63にそれぞれ係合するように、押圧手段により突出している状態を保持されている。
【0133】
押圧手段は、作動手段、特に第一作動部44及び第二作動部45、を有している。第一作動部44及び第二作動部45は、例えば空気圧タイプまたは機械的タイプであり、第一固定要素42及び第二固定要素43にそれぞれ接続されている。
【0134】
作動部44、45を作動させることによって、固定要素42、43を引込位置または突出位置に選択的に移動させることができる。突出位置においては、固定要素42、43によって固定力が連結ノッチ62、63に適用される。図示されていない他の実施の形態において、作動部44、45が、固定要素42、43と連結するのに適した弾性手段と置き換えられ得る。
【0135】
固定要素42、43が開口47、48から完全に抜け出すことを防止するべく、すなわち固定要素42、43が予め定められた量だけ突出することを可能とするべく、第一開口47及び第二開口48には、不図示の係止部が設けられている。
【0136】
固定要素42、43がそれぞれ実質的に環状の接触面65、66に沿って当接するように、連結ノッチ62、63は、固定要素42、43の曲率半径より小さい曲率半径を有する球状のキャップ形状を有している。
【0137】
第一開口47は、きわめて少ない半径方向隙間42で第一固定要素42を収容するような直径を有する円筒状の孔を含んでいる。
【0138】
第一固定要素42が第一連結ノッチ62に当接し、第二方向Yに沿って直線溝49に対して連結要素60を押圧する際には、服用量注入ユニット2が、第一方向X、第二方向Y、及び、第一方向X及び第二方向Yに直交する第三方向Zに移動することを妨げられながら、堅固で精密な態様で係止される。
【0139】
一方、第二固定要素43が第二連結ノッチ63の位置に適合されることを可能にし、第二連結ノッチ63と第一連結ノッチ62との間の第一方向Xに沿った距離の偏差を補償するべく、第二開口48は、第一方向Xに延びた貫通孔を有している。
【0140】
第二固定要素43が第二連結ノッチ63に当接し、直線溝49に対して連結要素60を押圧する際には、服用量注入ユニット2が、第二方向Yに平行で第一固定要素42を通過する軸を中心として回動することも係止される。
【0141】
第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63は、連結要素60内に組込まれた金属製の対応挿入部材67、68からなる。これにより、第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63は、当該連結ノッチ62、63の堅固さ及び非変形性と、固定要素42、43に当接する際の精密さ及び抵抗性と、を確実にする。
【0142】
服用量注入ユニット2は、ピストン手段3がケーシング手段5の空洞4内で第一軸W1に沿って動くことを妨げるべくまたは可能にするべく配置された係止手段を備えている。特に、係止手段は、運搬及び接合手段10の取付け/取外しのために必要不可欠である組付状態Rで服用量注入ユニット2を保持するように、ピストン手段3をケーシング手段5に関して予め定められた線形位置及び角度位置で係止する。
【0143】
特に、係止手段は、カバー要素52の円筒状下部52cの側壁に形成された第一ハウジング71内に摺動的に組付られ、シート16の開口で第一端部6の外壁6a上に設けられた第二ハウジング73に係合するべく配置された係止ピン70を有している。
【0144】
第二ハウジング73は、係止ピン70の寸法に実質的に等しい寸法を有する孔を有している。係止ピン70は、第二方向Yに平行に、すなわち第一長手方向軸W1に垂直に移動可能であり、支持手段40の駆動手段によって引込位置と伸張位置との間を移動させられる。引込位置において、係止ピン70は、第一端部6と互いに影響し合うことなくピストン手段3を移動させることができるように、第1ハウジング71内に完全に収容されている。伸張位置において、係止ピン70は、第二ハウジング73内に挿入され、ピストン手段3が第一軸W1に沿って移動すること及び当該第一長手方向軸W1を中心として回転することを妨げて、これにより服用量注入ユニット2の組付状態Rを規定している。
【0145】
係止ピン70に対して横方向に固定されている駆動ピン75が、駆動手段の駆動軸74に係合されている。駆動軸74は、係止ピン70に平行であり、駆動手段の直線作動手段76によって駆動される。例えば、直線作動手段76は、空圧式シリンダを有している。駆動軸74は、駆動ピン75を受容するのに適した半径方向溝を有している。
【0146】
服用量注入ユニット2を支持手段40に取付ける取付工程において、操作者は、組付状態Rに配置された服用量注入ユニット2を把持手段52aによって支持し、第1方向Xに沿って案内手段41内に連結要素60を挿入する。連結要素60と案内手段41の直線溝49との間の隙間のおかげで、容易で素早い挿入ができる。
【0147】
各作動部44、45によって突出位置に押される固定要素42、43が、各連結ノッチ62、63に当接し、取付状態Aで服用量注入ユニット2を係止する最終位置に、連結要素60が到達するまで、固定要素42、43が各開口47、48内で各作動部44、45によって引込位置内に保持されながら、連結要素60は案内手段41内で摺動する。
【0148】
この状態において、係止ピン70の駆動ピン75は、駆動軸74の半径方向溝内に収容される。
【0149】
逆の順序で作動を行うことによって、すなわち、固定要素42、43が各作動部44、45によって引込位置内に保持されながら、ガイド手段41から連結要素60を取除くことによって、服用量注入ユニット2を支持手段40から取外すことが可能となる。
【0150】
一旦服用量注入ユニット2が支持手段40内に挿入されると、クラッチ部11が第一端部6のシート16内に挿入されるまで、運動手段101が第二長手方向軸W2に沿って接合手段10を移動させることを可能にするべく、係止ピン70は、ケーシング手段5に固定されたピストン手段3が組付状態Rにおける所定の線形位置及び角度位置に係止されている状態をなお保持する。一旦係止手段12がクラッチ部11をシート16に相互に固定するように動かされると、係止ピン70がピストン手段3から解放される。特に、直線作動手段76は、ピストン手段3が自由に移動できるように、係止ピン70を引込位置に移動させるように作動させられる。
【0151】
図示されていない装置の他の形態においては、係止ピン70は、連結要素60が摺動すること、すなわち服用量注入ユニット2が支持手段40から抜取られることを妨げるべく、ガイド手段41内に形成された第三ハウジングに係合する。
【0152】
本発明の服用量注入装置1によれば、このように、素早く容易であると共に精密で堅固な態様で、別個の支持手段40に服用量注入ユニットを接続及び係止することが可能である。
【0153】
取付作業は、1人だけの操作者によって行われ得り、隙間が設けられたガイド手段41及び連結要素60の形状及び寸法により特に容易に行われることに、留意することが重要である。各作動部44、45によって駆動される固定要素は、服用量注入ユニット2が所望の位置に到達された際に自動で係止されることを可能にする。
【0154】
全取付作業が、係止手段と、特に組付状態Rにおいてピストン手段3をケーシング手段5に固定する係止ピン70と、のおかげで容易に行われる。この態様では、操作者は、既知の服用量注入器でたいてい生じるようなピストン手段も支持することについて懸念することなく、把持部分52aによって服用量注入ユニット2を支持することができ、連結要素60を第1方向Xに沿ってガイド手段41内に挿入することができる。
【0155】
空洞4内でピストン手段3の移動を可能にするべくピストン手段3から係止手段70を解放することも、駆動手段、特に駆動軸74及び直線作動手段76によって自動的に行われることに留意されるべきである。
【0156】
支持手段40から服用量注入ユニット2を取外すための作業は、同様に容易で素早いものであり、第1方向Xに沿ってガイド手段41から連結要素60を手動で取除くことによって行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング手段(5)の空洞(4)において、第一軸(W1)に沿って可動であるピストン手段(3;103)と、
前記ピストン手段(3;103)を運動させるために配置された運動手段(101)に、前記ピストン手段(3;103)の第一端部(6;106)を取外可能に連接するための接合手段(10;110)と、
を含む服用量注入ユニット(2)を備え、
前記第一端部(6;106)は、前記接合手段(10;110)のクラッチ部(11;111)を受容するように適合されたシート(16;116)を有しており、
前記クラッチ部(11;111)は、前記第一軸(W1)に実質的に平行な連結方向(T)に沿って前記シート(16;116)に連接可能であり、且つ、当該シート(16;116)から分離可能である
ことを特徴とする服用量注入装置。
【請求項2】
前記接合手段(10;110)は、連結状態(B)において前記クラッチ部(11;111)を前記シート(16;116)に取外し可能に固定するための係止手段(12;112)を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記係止手段(12;112)は、前記クラッチ部(11)に結合された少なくとも1つの係止要素(13)を有しており、
前記係止要素(13)は、前記第一端部(6)を前記接合手段(10)に係止するべく、あるいは、前記接合手段(10)から解放するべく、前記シート(16)の各々のハウジング(39)を係合あるいは解放するように可動である
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも前記係止要素(13)が各々のハウジング(39)に係合されている状態を保持するべく、前記係止要素(13)に作用する作動手段(14)を備えている
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記接合手段(10)は、
前記クラッチ部(11)を含む連接要素(25)と、
自身の端部が前記運動手段(101)に連接可能な更なる連接要素(26)と、
を有し、
前記連接要素(25)及び前記更なる連接要素(26)は、前記運動手段(101)と前記ピストン手段(3)との間の引張/圧縮力を伝達するように、球状要素(27)を介して回転可能に連接されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記更なる連接要素(26)は、第2軸(W2)に沿って直線的に可動であると共に当該第二軸(W2)を中心として回転可能であるように、前記運動手段(101)に連接可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記連接要素(25)は、前記クラッチ部(11)の反対側にフォーク状部(35)を有しており、
前記更なる連接要素(26)は、前記運動手段(101)に連接可能な前記端部の反対側に更なるフォーク状部(36)を有しており、
前記フォーク状部(35)及び前記更なるフォーク状部(36)は、前記球状要素(27)を取囲んで、互いに対して実質的に直交する各平面上に配置されている対のアームを有している
ことを特徴とする請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記接合手段(10)は、少なくとも前記フォーク状部(35、36)を収容し、前記運動手段(101)と前記ピストン手段(3)との間の回転トルクを伝達するように、ピン手段(29、30)を介して前記連接要素(25、26)に連接されたスリーブ手段(38)を含んでいる
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記スリーブ手段(38)は、前記連接要素(25)及び前記更なる連接要素(26)に、それぞれ第一ピン(29)及び第二ピン(30)を介して連接されており、
前記第一ピン(29)及び前記第二ピン(30)は、互いに対して実質的に平行であり、前記第一軸(W1)に対して横向きである、特には実質的に直交している
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第一ピン(29)は、両端部で前記スリーブ手段(38)に固定され、前記連接要素(25)の第一貫通開口(31)内に回転可能に収容されており、
前記第一貫通開口(31)は、前記連結方向(T)に沿っての前記第一ピン(29)に対する軸方向変位を許容するようになっている
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記接合手段(110)は、前記クラッチ部(111)の一端に装着された連接要素(125)を有しており、
前記連接要素(125)の他端が、第2軸(W2)に沿って直線的に可動であると共に当該第2軸(W2)を中心として回転可能であるように、前記運動手段(101)に連接可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項12】
前記係止手段(112)は、前記クラッチ部(111)、前記シート(116)、及び、前記クラッチ部(111)と前記シート(116)との間に介装された密封手段(113)によって規定される上部チャンバ(121)を有し、
前記上部チャンバ(121)は、前記連結状態(B)において前記クラッチ部(111)で前記シート(116)を塞ぐことができる連接力を生成するように、減圧源、特に減圧巡回路に連接可能である
ことを特徴とする請求項4に従属する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記接合手段(110)は、前記連結状態(B)において、前記第一端部(106)と前記クラッチ部(111)との間で往復軸方向位置を規定する当接手段を有している
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記当接手段は、
前記シート(116)の底壁(116a)に固定された第一当接ピン(114)と、
前記クラッチ部(111)に固定された第二当接ピン(115)と、
前記第一当接ピン(114)と前記第二当接ピン(115)との間に介装され、前記連結状態(B)において当該第一当接ピン(114)及び当該第二当接ピン(115)に当接される、球形状の中間要素(126)と、
を有している
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記連結状態(B)において、前記運動手段(101)及び前記ピストン手段(103)からの回転トルク及び/または引張/圧縮力を伝達するように、前記密封手段(113)は、前記クラッチ部(111)と前記シート(116)の内壁との間で押し付けられる
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記第一軸(W1)及び前記第二軸(W2)が整列されない及び/または互いに対して傾けられるというように、前記クラッチ部(111)は前記連結状態(B)において前記シート(116)内に配置され得る
ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
相互の角度位置を規定するように、及び/または、協働して前記運動手段(101)と前記ピストン手段(3;103)との間の回転トルクを伝達するように、前記第一端部(6;106)を前記クラッチ部(11;111)に連接するために配置された伝達手段を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至16に記載の装置。
【請求項18】
前記伝達手段は、前記クラッチ部(11;111)に固定されると共に、前記第一端部(6;106)に設けられた更なるシート(24;124)に係合するべく配置された、少なくとも1つのジベル(23;123)を有している
ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項1】
ケーシング手段(5)の空洞(4)において、第一軸(W1)に沿って可動であるピストン手段(3;103)と、
前記ピストン手段(3;103)を運動させるために配置された運動手段(101)に、前記ピストン手段(3;103)の第一端部(6;106)を取外可能に連接するための接合手段(10;110)と、
を含む服用量注入ユニット(2)を備え、
前記第一端部(6;106)は、前記接合手段(10;110)のクラッチ部(11;111)を受容するように適合されたシート(16;116)を有しており、
前記クラッチ部(11;111)は、前記第一軸(W1)に実質的に平行な連結方向(T)に沿って前記シート(16;116)に連接可能であり、且つ、当該シート(16;116)から分離可能である
ことを特徴とする服用量注入装置。
【請求項2】
前記接合手段(10;110)は、連結状態(B)において前記クラッチ部(11;111)を前記シート(16;116)に取外し可能に固定するための係止手段(12;112)を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記係止手段(12;112)は、前記クラッチ部(11)に結合された少なくとも1つの係止要素(13)を有しており、
前記係止要素(13)は、前記第一端部(6)を前記接合手段(10)に係止するべく、あるいは、前記接合手段(10)から解放するべく、前記シート(16)の各々のハウジング(39)を係合あるいは解放するように可動である
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも前記係止要素(13)が各々のハウジング(39)に係合されている状態を保持するべく、前記係止要素(13)に作用する作動手段(14)を備えている
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記接合手段(10)は、
前記クラッチ部(11)を含む連接要素(25)と、
自身の端部が前記運動手段(101)に連接可能な更なる連接要素(26)と、
を有し、
前記連接要素(25)及び前記更なる連接要素(26)は、前記運動手段(101)と前記ピストン手段(3)との間の引張/圧縮力を伝達するように、球状要素(27)を介して回転可能に連接されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記更なる連接要素(26)は、第2軸(W2)に沿って直線的に可動であると共に当該第二軸(W2)を中心として回転可能であるように、前記運動手段(101)に連接可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記連接要素(25)は、前記クラッチ部(11)の反対側にフォーク状部(35)を有しており、
前記更なる連接要素(26)は、前記運動手段(101)に連接可能な前記端部の反対側に更なるフォーク状部(36)を有しており、
前記フォーク状部(35)及び前記更なるフォーク状部(36)は、前記球状要素(27)を取囲んで、互いに対して実質的に直交する各平面上に配置されている対のアームを有している
ことを特徴とする請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記接合手段(10)は、少なくとも前記フォーク状部(35、36)を収容し、前記運動手段(101)と前記ピストン手段(3)との間の回転トルクを伝達するように、ピン手段(29、30)を介して前記連接要素(25、26)に連接されたスリーブ手段(38)を含んでいる
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記スリーブ手段(38)は、前記連接要素(25)及び前記更なる連接要素(26)に、それぞれ第一ピン(29)及び第二ピン(30)を介して連接されており、
前記第一ピン(29)及び前記第二ピン(30)は、互いに対して実質的に平行であり、前記第一軸(W1)に対して横向きである、特には実質的に直交している
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第一ピン(29)は、両端部で前記スリーブ手段(38)に固定され、前記連接要素(25)の第一貫通開口(31)内に回転可能に収容されており、
前記第一貫通開口(31)は、前記連結方向(T)に沿っての前記第一ピン(29)に対する軸方向変位を許容するようになっている
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記接合手段(110)は、前記クラッチ部(111)の一端に装着された連接要素(125)を有しており、
前記連接要素(125)の他端が、第2軸(W2)に沿って直線的に可動であると共に当該第2軸(W2)を中心として回転可能であるように、前記運動手段(101)に連接可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項12】
前記係止手段(112)は、前記クラッチ部(111)、前記シート(116)、及び、前記クラッチ部(111)と前記シート(116)との間に介装された密封手段(113)によって規定される上部チャンバ(121)を有し、
前記上部チャンバ(121)は、前記連結状態(B)において前記クラッチ部(111)で前記シート(116)を塞ぐことができる連接力を生成するように、減圧源、特に減圧巡回路に連接可能である
ことを特徴とする請求項4に従属する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記接合手段(110)は、前記連結状態(B)において、前記第一端部(106)と前記クラッチ部(111)との間で往復軸方向位置を規定する当接手段を有している
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記当接手段は、
前記シート(116)の底壁(116a)に固定された第一当接ピン(114)と、
前記クラッチ部(111)に固定された第二当接ピン(115)と、
前記第一当接ピン(114)と前記第二当接ピン(115)との間に介装され、前記連結状態(B)において当該第一当接ピン(114)及び当該第二当接ピン(115)に当接される、球形状の中間要素(126)と、
を有している
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記連結状態(B)において、前記運動手段(101)及び前記ピストン手段(103)からの回転トルク及び/または引張/圧縮力を伝達するように、前記密封手段(113)は、前記クラッチ部(111)と前記シート(116)の内壁との間で押し付けられる
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記第一軸(W1)及び前記第二軸(W2)が整列されない及び/または互いに対して傾けられるというように、前記クラッチ部(111)は前記連結状態(B)において前記シート(116)内に配置され得る
ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
相互の角度位置を規定するように、及び/または、協働して前記運動手段(101)と前記ピストン手段(3;103)との間の回転トルクを伝達するように、前記第一端部(6;106)を前記クラッチ部(11;111)に連接するために配置された伝達手段を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至16に記載の装置。
【請求項18】
前記伝達手段は、前記クラッチ部(11;111)に固定されると共に、前記第一端部(6;106)に設けられた更なるシート(24;124)に係合するべく配置された、少なくとも1つのジベル(23;123)を有している
ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−525904(P2012−525904A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509131(P2012−509131)
【出願日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051883
【国際公開番号】WO2010/128437
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(509235383)アイエムエー、ライフ、ソシエタ、ア、レスポンサビリタ、リミタータ (3)
【氏名又は名称原語表記】IMA LIFE S.R.L.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051883
【国際公開番号】WO2010/128437
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(509235383)アイエムエー、ライフ、ソシエタ、ア、レスポンサビリタ、リミタータ (3)
【氏名又は名称原語表記】IMA LIFE S.R.L.
【Fターム(参考)】
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