説明

接地線引出部および電力ケーブル接続部

【課題】煩雑な手間を要することなく各種サイズの電力ケーブルに容易にかつ安定に固定することが可能で、作業性の向上、コスト低減を図ることが可能な接地線引出部およびそれを備えた電力ケーブル接続部を提供する。
【解決手段】接地線引出部140は、対向する第1面141Aおよび第2面141Bを有する平板状に形成され、一定の長さを有し、第2面側が電力ケーブルの絶縁シースの外周に沿うように配置される接地線引出金具141と、接地線引出金具141と外部の接地線を接続するための接地線接続導体142と、要被覆部を被覆する被覆層161と、有し、接地線引出金具141は、軸線に沿う方向の一端部の第1面および第2面の少なくとも一方にシールド導体112が電気的に接続され、他端部の第1面および第2面の少なくとも一方に、接地線接続導体142が電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの遮蔽層から導出されたシールド導体に外部の接地線を電気的に接続する接地線引出部およびこの接地線引出部を備えた電力ケーブル接続部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力ケーブルの接続部において電力ケーブルから接地線を引き出す接地線引出部としては、特許文献1や特許文献2に開示された構造のものが知られている。
【0003】
図12および図13は、特許文献1に開示された接地線引出部の構造を説明するための図である。
図12は、接地線引出金具を電力ケーブルに取り付けた状態を示す図であって、図中の(A),(B),(C)はそれぞれ斜視図、縦断面図および側面図である。
図13は、接地線引出部の全体の構成を示す図である。
【0004】
図12および図13において、1は電力ケーブルを、2は接地線引出部を、3は接地線を、4は被覆層を、5はシール層を、それぞれ示している。
【0005】
接地線引出部2は、接地線引出金具21、および接地線接続導体22を含んで構成されている。
接地線引出金具21は、電力ケーブル1の絶縁シース1aの外周に沿うように湾曲した凹面21aを外面の一部に有し、かつ凹面21aに対向する部分の外面が湾曲した凸面21bに形成されている。
接地線引出金具21は、凹面21aを電力ケーブル1の絶縁シース1aの外周にシール層5を介して当接させた状態で電力ケーブル1のシールド導体1bの導出部1c付近に配置されている。図の例では、電力ケーブル1から取り出されたシールド導体1bは、圧着端子23に取り付けられて、凸面21bの一端側に形成された段差部21cに固定される。
接地線引出金具21の一端側には、電力ケーブル1の遮蔽層から導出されたシールド導体1bが電気的に接続されている。具体的には、シールド導体1bには、圧着端子が取り付けられており、この圧着端子をボルトで接地線引出金具21に固定することにより、シールド導体1bは接地線引出金具21の一端側に電気的に接続されている。
接地線引出金具21の他端側には、接地線接続導体22の一端部が接続されている。具体的には、接地線接続導体22は、接地線引出金具21の他端に形成した穴に圧入したり、接地線接続導体を圧着端子に取り付けボルトで金具21に固定されている。そして、接地線接続導体22の他端部には接地線3が接続されている。
【0006】
接地線引出部2の接地線引出金具21の一端側から電力ケーブル1のシールド導体導出部1c付近の外面を含む電力ケーブルの接続部は、全周にわたり被覆層4で一括して被覆される。
この被覆層4と接地線引出金具21とにより、電力ケーブル1のシールド導体導出部1c側の領域と接地線3側の領域との間の遮水が図られている。
【0007】
他方の特許文献2に開示されている接地線引出部では、電力ケーブルの遮蔽層から導出されたシールド導体が引き出し棒の一端に圧着端子で取り付けられ、他端に接地線が接続される。この引き出し棒は、全体にわたって絶縁性を有する被覆材で被覆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−95226号公報
【特許文献2】特開2007−318945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、特許文献1に開示された接地線引出部2に用いる接地線引出金具21は山形である。
したがって、接地線引出部2の断面形状は略卵形になり、被覆層4の外側に接地線引出金具21を固定するために巻くテープの圧力をかけにくくなり、接地線引出金具21をケーブル1に安定して取り付けことが困難となっている。このため、接地線引出部2の形成作業の効率が低下したり、この部分を形成するために用いるテープ等の材料が多量になりコストアップの要因になる。
さらに、従来の接地線引出部においては、ケーブルサイズ毎に接地線引出金具21を準備しておく必要があり、多種類の部品が必要となり、煩雑である。
【0010】
そのため、接地線引出金具をケーブルの絶縁シースに安定して取り付けことが困難となっている。
【0011】
特許文献2に開示されている接地線引出部は、長尺の引き出し棒を断面が円形の電力ケーブルの絶縁シースに安定に固定することが容易ではなく、また、接地線引出部の側面の防水処理に難がある。
【0012】
本発明は、煩雑な手間を要することなく各種サイズの電力ケーブルに容易に共用でき、作業性の向上、コスト低減を図ることが可能な接地線引出部およびそれを備えた電力ケーブル接続部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点の接地線引出部は、電力ケーブルの遮蔽層から導出されたシールド導体に外部の接地線を電気的に接続する接地線引出部であって、対向する第1面および第2面を有する平板状に形成され、前記電力ケーブルの軸線に沿う方向に一定の長さを有し、当該第2面側が前記電力ケーブルの絶縁シースの外周に沿うように配置される接地線引出金具と、前記接地線引出金具と前記外部の接地線を接続するための接地線接続導体と、要被覆部を被覆する被覆層と、を有し、前記接地線引出金具は、前記軸線に沿う方向の一端部の前記第1面および前記第2面の少なくとも一方に、前記シールド導体が電気的に接続され、他端部の前記第1面および前記第2面の少なくとも一方に、前記接地線接続導体が電気的に接続され、前記被覆層は、前記接地線引出金具の外面の少なくとも一部と、前記電力ケーブルのシールド導体導出部付近の外面とを含む要被覆部を一括して被覆する。
この接地線引出部は、接地線引出金具が平板状なので、電力ケーブルの外面に合せて湾曲させることが可能であり、異なるサイズの電力ケーブルに共用可能である。
【0014】
好適には、前記接地線引出金具は、前記電力ケーブルの外周に沿うように湾曲しており、前記接地線接続導体は、導体を編み込んだ可とう性の編導体により形成され、当該編導体の一端部が前記接地線引出金具の他端部において、当該接地線引出金具の前記軸線に直交する幅方向に広げて接続されている。
【0015】
前記接地線接続導体は、前記接地線引出金具の前記第1面側に接続されても良いし、接地線引出金具の前記第2面側に接続されていても良い。
【0016】
好適には、前記接地線引出金具の前記第2面の曲率が前記電力ケーブルの絶縁シースの外周の曲率より大きく、前記接地線引出金具の前記第2面と前記絶縁シースの外周との隙間に挟まるように、前記接地線接続導体が当該第2面と接続されていても良い。
【0017】
また、好適には、前記接地線引出金具は、前記電力ケーブルの外周に沿うように湾曲しており、前記シールド導体は、前記接地線引出金具の一端部において、当該接地線引出金具の前記軸線に直交する幅方向に広げて接続されている。
【0018】
前記シールド導体は、前記接地線引出金具の前記第1面側に接続されていても良いし、前記接地線引出金具の前記第2面側に接続されていても良い。
【0019】
前記接地線引出金具は、前記シールド導体が接続される領域が前記電力ケーブルの外部半導電層を露出させた位置に配置され、残りの領域が前記電力ケーブルの絶縁シースと対向するように配置されていても良い。
【0020】
前記接地線引出金具と前記シールド導体を重ねることにより、これらを電気的に接続しても良い。
【0021】
また、前記接地線引出金具はロールスプリングが巻き回されケーブルに固定されていても良い。
【0022】
また、前記接地線引出金具の前記第2面と前記電力ケーブルの絶縁シースとの間には、シール層を配置しても良い。このシール層は、少なくとも前記シールド導体が接続されている領域と前記接地線接続導体が接続されている領域との間の領域に配置されていても良い。
【0023】
本発明の第2の観点の電力ケーブル接続部は、電力ケーブルの遮蔽層から導出されたシールド導体に外部の接地線を電気的に接続する接地線引出部と、前記ケーブル接続部本体と前記接地線引出部とを一括して覆う遮水構造の保護外装部と、を有し、前記接地線引出部は、上述した構成のいずれかの構成または組み合わせた構成を有する接地線引出部により構成され、前記保護外装部は前記被覆層を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、煩雑な手間を要することなく接地線引出金具を各種サイズの電力ケーブルに容易にかつ安定に固定することが可能で、作業性の向上、コスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電力ケーブル接続部の要部の構成例を概略的に示す斜視図である。
【図2】本第1の実施形態に係る電力ケーブル接続部の要部の構成を拡大して示す図である。
【図3】本実施形態に係るケーブル接続部本体の構成の一例を概略的に示す図である。
【図4】本第1の実施形態に係る接地線引出部を示す側面図である。
【図5】図4の接地線引出部を図中の矢印A方向に見た拡大正面図である。
【図6】図2において接地線引出部の部分を同図のX−X線に沿って断面視した拡大断面図である。
【図7】(A)および(B)は接地線引出金具の第2面の曲率半径の設定の仕方を説明するための図である。
【図8】接地線接続導体を第1面および第2面にわたって接続する例を説明するための図である。
【図9】シールド導体を、一定領域のシールド導体接続部に半田付け等により直接的に接続する構成を説明するための図である。
【図10】(A)は接地線引出金具を電力ケーブルの上に設置するに先立って電力ケーブルの上にシール層を形成した状態を示した斜視図、(B)および(C)はそれぞれ電力ケーブルの上にシール層を介して接地線引出金具を載せた状態を示す上面図および側面図である。
【図11】(A)および(B)は本発明の第2の実施形態に係る電力ケーブル接続部の要部である接地線引出部の構成を示す図である。
【図12】(A)から(C)は特許文献1に開示された接地線引出部の構造を説明するための図であって、接地線引出金具を電力ケーブルに取り付け状態を示す図である。
【図13】特許文献1に開示された接地線引出部の構造を説明するための図であって、接地線引出部の全体の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0027】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力ケーブル接続部の要部の構成例を概略的に示す斜視図である。
図2は、本第1の実施形態に係る電力ケーブル接続部の要部の構成を拡大して示す図である。
【0028】
本第1の実施形態に係る電力ケーブル接続部100は、図1に示すように、一の電力ケーブル110を他の電力ケーブル120に接続しているケーブル接続部本体130と、接地線引出部140と、接地線150と、保護外装部160とを備えている。
接地線引出部140は、ケーブル接続部本体130により接続されている電力ケーブル110,120のうちの特定の電力ケーブル110の遮蔽層から導出されたシールド導体112に接地線150を電気的に接続してケーブル内部の接地線(接地ライン)を外部に引き出す部分である。
保護外装部160は、接地線引出部140と、ケーブル接続部本体130と、ケーブル接続部本体130により接続されている電力ケーブル110,120のケーブル接続部本体130寄りの一定長さの部分とを一括して覆う部分で、遮水構造を有するように構成されている。
【0029】
なお、本実施形態において、「ケーブル接続部本体により接続されている電力ケーブルのうちの特定の電力ケーブル」とは、ケーブル接続部本体により接続されている電力ケーブルのうち、遮蔽層から引き出されたシールド導体が、外部に引き出される接地線に電気的に接続される側の電力ケーブルである。
図示の例ではケーブル接続部本体130により接続されている電力ケーブルのうち、電力ケーブル110のみに接地線が接続されるため、電力ケーブル110が特定の電力ケーブルとなる。電力ケーブル110,120の双方の遮蔽層から外部に接地線を引き出す場合には、電力ケーブル110,120の双方が特定の電力ケーブルとなる。
【0030】
[ケーブル接続部本体の構成例]
図3は、本実施形態に係るケーブル接続部本体130の構成の一例を概略的に示す図である。
【0031】
ケーブル接続部本体130においては、図3に示すように、電力ケーブル110および120は相互に接続されるに当って段剥ぎされ、それぞれを構成する各部が所定の長さずつ露出されている。
接地線が引き出される特定の電力ケーブル110においては、最外層の絶縁シース111から外部半導電層113と絶縁体114と導体115とが所定の長さずつ露出され、絶縁シース111の内側にあるシールド導体112が外部に引き出されている。
また電力ケーブル120においては、絶縁シース121から遮蔽層122と外部半導電層123と絶縁体124と導体125とが所定長さずつ露出されている。
【0032】
電力ケーブル110および120は、それぞれの導体115および125を対向させた状態で配置され、それぞれの導体115および125が圧着スリーブ等により接続されて導体接続部200が構成される。
導体接続部200の周囲にはゴムユニット210が設けられる。ゴムユニット210は電力ケーブル110,120の接続部を絶縁するものである。
【0033】
この例では、導体接続部200とゴムユニット210とにより、ケーブル接続部本体130が構成されている。
【0034】
なお、図3のケーブル接続部本体130は、その一例を示したものであり、本実施形態で用いることができるケーブル接続部本体130の構成は図3の例に限定されない。
【0035】
[接地線引出部140の構成例]
次に、本第1の実施形態に係る接地線引出部140の具体的な構成例について、図2ないし図6等に関連付けて説明する。
図4は、本第1の実施形態に係る接地線引出部140を示す側面図である。図5は、図4の接地線引出部を図中の矢印A方向に見た拡大正面図である。
図6は、図2において接地線引出部140の部分を同図のX−X線に沿って断面視した拡大断面図である。
【0036】
接地線150が引き出される電力ケーブル110側には、電力ケーブル110のシールド導体導出部(シールド導体112が導出された絶縁シース111の端部)116の近傍に位置させて、本実施形態の特徴部分である接地線引出部140が配置されている。
そして、ケーブル接続部本体130と接地線引出部140とを一括して覆うように遮水性を有する材料からなる保護外装部160が設けられる。
【0037】
図2ないし図6に詳細に示したように、本実施形態においては、接地線引出部140が、銅等の良導電性の金属からなる接地線引出金具141を備えている。
図示の接地線引出金具141は、電力ケーブル110の軸線AXに沿う方向に一定の長さL1(図2を参照)を有している。
また図5に示すように、接地線引出金具141は、対向する第1面141A(凸面側)および第2面141B(凹面側)を有する平板状に形成されている。本実施形態の接地線引出金具141は、接地線を引出す特定の電力ケーブル110の絶縁シース111の外周に沿うように湾曲した銅等の金属部材により形成されている。
接地線引出金具141は、その長手方向(電力ケーブル110の軸線に沿う方向)の一端部1411側の第1面141Aに、シールド導体112が端子を介して電気的に接続される。
接地線引出金具141は、その長手方向(電力ケーブル110の軸線に沿う方向)の他端部1412側の第1面141Aに、接地線接続導体142の一端部が半田付けや銀ろう付け等により電気的に接続される。
なお、本実施形態において、接地線引出金具141の厚さは、たとえば0.5mmから1mm程度の薄さに設定される。
【0038】
本第1の実施形態においては、図2ないし図4に示すように、接地線引出金具141の第1面141A(取り付け時に外面側となる面)にシールド導体112および接地線接続導体142が接続されている。
シールド導体112は、接地線引出金具141の一端部1411の一定領域1413に接続されている。この例では、シールド導体112は、端子金具143を介してボルト144で固定されている。端子金具143は、たとえば図5に示すように、接地線引出金具141の第1面141Aと接する側の面が、この第1面141Aの外周に沿うように湾曲するように形成されている。
接地線接続導体142は、編組線からなるもので、その一端が扁平に広げられて接地線引出金具141の他端部1412に接続されている。この例では、一定領域1414に、接地線引出金具141の幅方向全体にわたって広げられた状態で半田付されている。
なお、第2面141Bに跨るように接地線接続導体142を接続しても良い。
【0039】
この接地線引出金具141の第2面141Bはシール層170を介して電力ケーブル110の絶縁シース111の外周に当接された状態で配置される。シール層170は遮水壁として機能して、接地線引出金具141と電力ケーブル110の間から電力ケーブル接続部内へ水が浸入するのを阻止する働きをする。
【0040】
接地線引出金具141は、接地線に求められる電流を十分に通電させることができる機能を有している。
【0041】
ここで、接地線引出金具141の第2面141Bの曲率半径の設定について説明する。
図7(A)および(B)は、接地線引出金具141の第2面141Bの曲率半径の設定の仕方を説明するための図である。
接地線引出金具141の第2面141Bの曲率半径は、第2面141Bと電力ケーブル110の絶縁シース111との間に介在させるシール層170の外面(第2面141B側の面)の曲率半径に等しく設定するか、またはシール層170の外面の曲率半径より僅かに大きめに設定しておくことが好ましい。
【0042】
第2面141Bの曲率半径がシール層170の曲率半径よりも小さいと、図7(B)に示すように、第2面141Bの幅方向の中央部寄りの部分とシール層170との間に、幅方向の両端が閉じた隙間g′が形成される。
この隙間g′が形成された部分にはシール材が入らないため、この部分が接地線引出金具141と電力ケーブル110との間のシールの弱点になって、水を通過させるおそれがある。
【0043】
第2面141Bの曲率半径と、シール層170の外面の曲率半径とを等しくすることができれば、第2面141Bとシール層170との間に隙間は生じない。ただし、シール層170の厚さを正確に一定とすることは難しく、第2面141Bの曲率半径とシール層170の外面の曲率半径とを正確に等しくすることは難しい。
したがって、実際には、図7(A)に示すように、第2面141Bの幅方向の両端とシール層170との間に、外方に開口した僅かな隙間g,gが形成される程度に、第2面141Bの曲率半径をシール層170の曲率半径よりも大きく設定しておくことが好ましい。
第2面141Bの曲率半径をシール層170の曲率半径よりも大きく設定する場合、第2面141Bの曲率半径と、シール層170の外面の曲率半径との差が2.0mmを超えないように設定することが好ましい。
【0044】
図7(A)に示したように、第2面141Bとシール層170との間に形成される隙間g,gが、第2面141Bの幅方向の両端で外方に開口するようにしておくと、各隙間gをシール用テープ等により塞ぐことは容易であるので、接地線引出金具141と電力ケーブルとの間のシール性が損なわれるのを防ぐことができる。
【0045】
また、図7(A)に示したように、第2面141Bとシール層170との間に形成される隙間g,gが、第2面141Bの幅方向の両端で外方に開口するようにしておくと、図8に示すような構成をとることも可能である。
すなわち、接地線引出金具141の他端部1412側の一定領域1414において、第1面141Aから第2面141Bの隙間g,gに跨って、後述するように、編組線等により形成される接地線接続導体142を配置して接続することも可能である。
この接地線接続導体141の接地線引出金具141への接続は、半田付けや銀ろう付け等の接続方法により行うことが可能であり、接地線引出金具141の他端部1412側のシール性を保ちながら、接地線接続導体142の接続を強固にかつ確実に安定させることが可能となる。
【0046】
接地線引出金具141を電力ケーブルの上に設置した状態で、接地線引出金具141と電力ケーブルとを一括して取り囲むようにテープを巻き付けた際に、接地線引出金具141の幅方向の両端付近でこのテープと電力ケーブルの外周との間に大きな隙間を生じさせないように、この両端付近を徐々に薄くなるテーパー状に構成してもよい。
【0047】
なお、本第1の実施形態に係る接地線引出金具141は、銅板等により薄型の平板状に形成されていることから、剛性を有するものの、作業現場等において、ある程度、手あるいは工具により変形させることも可能である。
したがって、本第1の実施形態においては、接地線引出金具141の第2面141Bの曲率半径と絶縁シース111の曲率半径との間に若干の差が存在したとしても、その場で容易に調整(修正)することが可能である。
よって、本第1の実施形態の接地線引出部140においては、ケーブルサイズ毎に形状を変えた接地線引出金具141を準備する必要がなく共通化できるので、製品管理に煩雑な手間をかける必要もない。
また、接地線引出部140において、接地線引出金具141の形状が薄型の平板状のために、電力ケーブル110に取り付け時の断面、すなわち接地線接続部140の断面形状を略円形にすることができ、外側に巻くテープの圧力をかけやすくなりる。この結果、接地線引出金具141を、安定して電力ケーブル110に固定することができ、作業性が大幅に向上するという利点がある。
すなわち、本第1の実施形態の接地線引出部140の接地線引出金具141を取り付けた際の断面の形状はほぼ真円となり、テープ巻きの圧力が全体によくかかり、巻き崩れ等を防止することができる。
また、接地線引出金具本体は薄型の平板状のために、その材料が少量ですみ、低コスト化を実現することが可能である。
【0048】
電力ケーブル110から導出されたシールド導体112は、外部半導電層113に巻き付けられたロールスプリング145により電力ケーブル110の外部半導電層113の外周に固定されている(図2参照)。
接地線引出金具141の一端部1411の一定領域1413は、上述したように、シールド導体112を接続するためのシールド導体接続部とされている。
このシールド導体接続部には、電力ケーブル110の遮蔽層から導出されたシールド導体112の先端に取り付けられた端子金具143がボルト144により接続されている。
【0049】
なお、図9に示すように、シールド導体112を、半田SLDによる半田付け等により直接に接地線引出金具141に接続することも可能である。
この場合、本実施形態に係る接地線引出金具141が、薄型平板状であることから、シールド導体112の先端部を第1面141Aや(第2面141Bまたは両面)に載置しておき、半田付けや銀ろう付け等により接続することができる。
接地線引出金具141の外側にテープを巻くことを考慮すると、半田付け等の方法を採用する方が適している場合もある。
【0050】
さらに、図1ないし図4に示すように、接地線引出金具141の他端部1412側には、接地線接続導体142の一端部が半田付けや銀ろう付け等により接続されている。
接地線接続導体142としては、平編導体あるいは編組線のような可撓性を有する導体を用いることが好ましい。
接地線接続導体142の他端には、防水形の圧着端子金具146が接続され、引き出される接地線150の一端に半田付けされた端子金具147(図2参照)がボルト148およびナット149により圧着端子金具146に接続されている。
【0051】
このように、本実施形態では、接地線接続導体142の他端に圧着端子金具146を接続して、この圧着端子金具146を介して接地線接続導体142と接地線150とを接続している。
ただし、接地線接続導体142に圧着端子金具を接続することなく、接地線接続導体142を接地線や別の電力ケーブルから引き出された接地線接続導体等に圧着スリーブや半田付け等により接続するようにしても良い。
また接地線150を、直接、接地線引出金具141に接続することも可能である。
【0052】
なお、本第1の実施形態では、接地線引出金具141の第1面141Aの外周面にはディッピング等の処理を施しても良い。ディッピング等により接地線引出金具141の第1面141Aに柔軟な樹脂層を形成しておけば、後述する被覆層を形成する収縮チューブとの密着性が向上し、ケーブル接続部の水密性をより高めることができる。
【0053】
また、本第1の実施形態では、接地線接続導体142として裸導体(好ましくは平編導体)を用いているが、接地線接続導体142は、外周に絶縁被覆を有する絶縁電線(可撓性を有するものが良い)により形成することも可能である。
接地線接続導体142として絶縁電線を用いる場合には、その電気的な接続に用いられる部分、すなわち、接地線引出金具141に接続される部分および接地線150等に接続される部分の絶縁被覆を除去して、電気的な接続には用いない部分の絶縁被覆を残しておくことにより、絶縁被覆を除去した部分のみテープ巻きをし、その他の部分のテープ巻きを省略することができる。
【0054】
[シール層についての説明]
図1および図2に示されているように、接地線引出金具141は、第2面141Bを電力ケーブル110の絶縁シース111の外周にシール層170を介して当接させた状態で電力ケーブル110のシールド導体導出部116付近に設置される。
【0055】
シール層170は、図10に示すように、粘着性と柔軟性および(または)弾性とを有するシール材からなる絶縁シートにより形成するのが好ましい。絶縁シートとしては、粘着性を有する絶縁パテシートが好適である。
絶縁パテシートとしては、電力ケーブル接続部でシール等の目的で広く用いられているものを使用することができる。
【0056】
図10(A)は接地線引出金具を電力ケーブルの上に設置するに先立って電力ケーブルの上にシール層を形成した状態を示した斜視図、図10(B)および(C)はそれぞれ電力ケーブル110の上にシール層170を介して接地線引出金具141を載せた状態を示す上面図および側面図である。
電力ケーブル110の外周に接地線引出金具141を配置する際には、先ず図10(A)に示すように、電力ケーブル110の外周の接地線引出金具141を配置する箇所に、矩形状の絶縁シートであるシール層170を、その粘着性を利用して固定する。
次いで、図10(B)および(C)に示すように、シール層(絶縁シート)170の上に接地線引出金具141を、その第2面141Bをシール層170に接触させた状態で載せ、シール層170の粘着性を利用して接地線引出金具141をシール層170に固定する。
このように、接地線引出金具141を配置した状態で、シール層170の周縁部が接地線引出金具141の第2面141Bを取り囲む周縁部から外側にはみ出すように、シール層170を構成する絶縁シートの大きさを設定しておく。
【0057】
上記のようにして電力ケーブル110の上に接地線引出金具141を設置した後、接地線引出金具141を取り囲む周縁部の全体にわたって、かつ接地線引出金具141とシール層170の表面との隙間に跨って、接地線引出金具141に接着する接着性とシール層170に融着する融着性と隙間内への充填性とを有するシール用テープを貼り付けることも可能である。これにより、接地線引出金具141とシール層170の表面との間を液密にシールすることができる。
【0058】
[保護外装部(被覆層)についての説明]
図1、図3に示すように、電力ケーブル110の接地線引出金具141が配置された部分から他方の電力ケーブル120のケーブル絶縁シース121の部分にかけて保護外装部160が設けられている。
接地線引出金具141を設置した箇所は、図2に示されているように、接地線引出金具141の外面の少なくとも一部と、電力ケーブル110のシールド導体導出部116付近の外面とを含む要被覆部が、一括して保護外装部160により被覆されている。
そして、保護外装部160と接地線引出金具141とにより、電力ケーブル110のシールド導体導出部116側の領域と接地線150が引き出される側の領域との間の遮水が図られている。
【0059】
ここで「要被覆部」は、電力ケーブルの接地線が引き出される側の領域とシールド導体導出部側の領域との間を境としてシールド導体部側の領域の遮水を図るために被覆する必要がある部分であり、要被覆部の範囲は、適宜に設定される。
【0060】
この保護外装部160は、具体的には図2に示すように、ケーブル接続部本体130と、接地線引出金具141の大部分(接地線引出部140の大部分)と、ケーブル接続部本体130により接続されている電力ケーブル110,120のケーブル絶縁シース111,112にわたる一定長さの部分とを一括して覆う被覆層161を有する。
さらに、保護外装部160は、被覆層161の端部と接地線引出金具141の外周および電力ケーブル110の外周とに跨って巻き付けられた防水テープ162の層を有している。この防水テープ162により、被覆層161の端部からこの被覆層内に水が浸入するのを阻止するためである。
なお、防水テープ162は、可能であれば、接地線引出金具141の接地線接続導体142が接続されている領域1412を含むように巻き付けられることが好ましい。
防水テープ162としては、自己融着テープを用いるのが好ましい。
【0061】
被覆層161は、遮水性を有する収縮チューブにより形成され、被覆層161の遮水性と、防水テープ162による遮水機能(被覆層161の端部から覆層内に水が浸入するのを阻止する機能)とにより、保護外装部160の遮水構造(外部からの水の浸入を遮断する構造)が形成されている。
【0062】
なお、保護外装部160の内側にはケーブル接続部本体130を覆う半導電層や遮蔽層を形成するためのテーピングなどが施されるが、ここではその説明は省略する。
【0063】
図2に示した例では、収縮チューブからなる被覆層161の端部が接地線引出金具141の他端部1412の手前の位置で終端しているが、前述したように、防水テープ162の巻き付けに支障をきたさない範囲で、被覆層161の端部の位置を接地線引出金具の他端部1412に近づけることもできる。
【0064】
被覆層161を構成する収縮性チューブとしては、常温で収縮性を有するもの、または加熱されることにより収縮するもの(熱収縮性チューブ)を選択する。
「常温で収縮性を有するチューブ」は、弾性材料により形成されていて、自由な状態では要被覆部の外径よりも小さい内径を有し、要被覆部に被せられ、自らが有する弾性により常温で収縮するものであり、典型的のものは、ゴムチューブである。
【0065】
常温収縮性のチューブにより被覆層161を形成する場合には、適宜の拡径手段によりチューブの径を拡大した状態でこのチューブを要被覆部に被せ、その後、径拡手段をチューブから外して、その径を収縮させることにより、チューブを要被覆部に密着させる。
【0066】
また、本実施形態では、接地線接続導体142の導出部および電力ケーブル110の導出部の防水を効果的に図るため、たとえば分岐ユニットを設けることも可能である。ただし、分岐ユニットは、状況に応じて選択的に使用され、必須のユニットではない。
【0067】
以上のように、本第1の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の接地線引出部140は、接地線引出金具141が、銅板等により薄型の平板状に形成されていることから、剛性を有するものの、作業現場等においてある程度、手あるいは工具により変形させることも可能である。
したがって、本第1の実施形態においては、接地線引出金具141の第2面141Bの曲率半径と絶縁シース111の曲率半径との間に若干の差が存在したとしても、その場で容易に調整(修正)することが可能である。
よって、本第1の実施形態の接地線引出部140によれば、ケーブルサイズ毎に形状の異なる接地線引出金具141を提供する必要がなく、多種類の製品の準備が不要となり、煩雑な製品管理の手間もかける必要がない。
また、本第1の実施形態の接地線引出部140によれば、その形状が薄型の平板状のために、電力ケーブル取り付け時の断面は、被覆層の外側に巻くテープの圧力をかけやすい略円形となり、安定して固定することができ、作業性が大幅に向上するという利点がある。
すなわち、本第1の実施形態によれば、接地線引出部140を取り付けた際の断面の形状はほぼ円になり、全体に同じようにテープ巻きの圧力がよくかかり、巻き崩れ等を防止することができる。
また、本第1の実施形態によれば、接地線引出金具本体は薄型の平板状のために、その材料が少量ですみ、低コスト化を実現することが可能である。
【0068】
また、本第1の実施形態によれば、電力ケーブル110の軸線方向に一定の長さ(遮水を図るために十分な長さ)L1を有する接地線引出金具141の第2面141Bを電力ケーブル110の絶縁シース111の外周にシール層170を介して面接触させている。
そして、この接地線引出金具141を通して接地線150と電力ケーブル110の遮蔽層から導出されたシールド導体112とを接続する構造を採用している。
したがって、接地線引出金具141が電力ケーブル110の絶縁シース111にシール層170を介して広い面積で接触して遮水壁を構成するため、接地線引出金具141と電力ケーブル110との間を通して内部に水が浸入するのを高度に防止することができる。
また本実施形態の接地線引出部140では、要被覆部を一括して被覆する収縮性の被覆層161が、接地線に比べてはるかに大きい外表面積を有する接地線引出金具141の外面に面接触するので、被覆層161と接地線引出金具141との間を通して内部に水が浸入するのを高度に阻止することができる。
したがって、本第1の実施形態によれば、電力ケーブル110のシールド導体導出部側の領域と接地線が引き出される側の領域との間を高度に遮水でき、接地線引出部140の遮水性能を向上させることができる。
【0069】
また、上記のように構成すると、接地線150に比べて十分に広い外表面を有する接地線引出金具141が電力ケーブル110の絶縁シース111の外面と要被覆部を被覆する被覆層161とに面接触して遮水を図ることができる。
したがって、本第1の実施形態によれば、電力ケーブル110の絶縁シース111の外面と要被覆部を被覆する被覆層161との間から接地線を直接引き出す場合に比べて、遮水機能を果たす部分の面積を大幅に広くして遮水性能を向上させることができる。
【0070】
なお、上記の実施形態では、接地線引出金具141の第2面141Bと電力ケーブル110の絶縁シース111の外周との間に介在させるシール層170を、ある程度の厚みを有する絶縁パテシートにより形成するとしたが、シール層は、接着剤のような、塗布により薄く施される材料により形成されても良い。
また、上記の実施形態では、電力ケーブル同士を接続する中間接続部の接地線引出部を説明したが、電力機器や送電線と電力ケーブルとを接続する終端接続部に上記接地線引出部140を適用することもできる。
【0071】
<第2の実施形態>
図11(A)および(B)は、本発明の第2の実施形態に係る電力ケーブル接続部の要部である接地線引出部の構成を示す図である。図11(A)は本第2の実施形態に係る接地線引出部を概略的に示す側面図である。図11(B)は図11(A)において接地線引出部の部分を同図のY−Y線に沿った断面図である。
【0072】
本第2の実施形態に係る接地線引出部140Aと第1の実施形態に係る接地線引出部140とが基本的に異なる点は次の通りである。
第2の実施形態に係る接地線引出部140Aにおいては、シールド導体112および接地線接続導体142ともに、接地線引出金具141の第2面141B側に接続され、かつ、接地線引出金具141は電力ケーブル110の絶縁シース111と外部半導電層113に跨って対向するように配置されている。
【0073】
接地線引出部140Aにおいて、接地線引出金具141の第2面141Bのうち、シールド導体112が接続される一端部1411側が電力ケーブル110の外部半導電層113の外周と対向するように配置されている。
そして、接地線引出金具141の第2面141Bの残りの領域が電力ケーブル110の絶縁シース111の外周と対向するように配置されている。
【0074】
本第2の実施形態においては、電力ケーブル110のシールド導体導出部116に隣接する位置にシールド導体112を外部半導電層113の外周に接した状態に固定するロールスプリング145が取り付けられている。このロールスプリング145には銅製のものが適用される。
シールド導体112は、先端部がロールスプリング145の外周面に重なるようにシールド導体導出部116側に折り返される。この折り返されたシールド導体112の外周側に重なるように接地線引出金具141を装着し、第2面141Bとロールスプリング145との間でシールド導体112を固定する。次いで、2つ目のロールスプリング180で接地線引出金具141の一端側を締め付けて接地線引出金具141を強固に電力ケーブル110に固定する。シールド導体112は、接地線引出金具141の第2面141Bに半田付け等により接続しても良い。
【0075】
接地線接続導体142は、前述したように、導体を編み込んだ可とう性の編導体(平編導体等)により形成されている。
接地線接続導体142は、その一端部が接地線引出金具141の他端部1412の第2面141Bに接続されている。
本第2の実施形態においては、接地線接続導体142の接地線引出金具141と接続された部分の厚さは、電力ケーブル110の軸線(軸心)から接地線引出金具141の第2面141Bまでの位置(距離)が、接地線接続導体142が接続されている領域でもシールド導体112が接続されている領域でも一様となるように調整される。
換言すれば、接地線引出金具141の第2面141Bが電力ケーブル110の軸線にほぼ平行となるように、接地線接続導体142の厚さが調整される。
この厚さ調整は、柔軟性のある接地線接続導体142の編導体の使用量や重ねる量を調整することにより行うことが可能である。
【0076】
前記ロールスプリング180は、接地線引出金具141の外周に、少なくとも、シールド導体112が接続されている領域を含むように巻き回されている。
【0077】
そして、接地線引出金具141の第2面141Bの中央領域と電力ケーブル110の絶縁シース111との間には、シール層としての粘着性のあるパテシート171が配置されている。ここで中央領域とは、シールド導体112が接続されている領域と接地線接続導体142が接続されている領域との間の領域である。
【0078】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
接地線引出金具141の第2面141Bが電力ケーブル110の絶縁シース111と段剥ぎされた次段の外部半導電層113に跨るように配置することにより、電力ケーブル110の段剥ぎによる段差を利用したシールド導体112の接続処理を行うことが可能となる。
また、接地線引出金具141において、外側に位置する第1面141Aには突出物としてロールスプリング180があるだけであり、全体にほぼなめらかな外表面となる。
したがって、本第2の実施形態の接地線引出部140Aでは、要被覆部を一括して被覆する収縮性の被覆層161が、接地線引出金具141の外面により高度に面接触するので、被覆層161と接地線引出金具141との間を通して内部に水が浸入するのを防止し易い。
加えて、接地線引出部140Aの断面の形状が円に近くなるので、被覆層161の端部に防水のためにテープを巻くときでも圧力がよくかかり、巻き崩れ等を防止することができる。
なお、この実施形態では、折り返したシールド導体112を接地線引出金具141の第2面141B側に接続したが、折り返したシールド導体112は第1面141A側に接続することもできる。
また、接地線引出金具141は、その中央部でロールスプリングを用いて電力ケーブル110の絶縁シース111のある部分に固定されても良い。
【符号の説明】
【0079】
100・・・電力ケーブル接続部
110・・・接地線が引き出される特定の電力ケーブル
111・・・絶縁シース
112・・・シールド導体
113・・・外部半導電層
114・・・絶縁体
115・・・導体
116・・・シールド導体引出部
120・・・他の電力ケーブル
124・・・絶縁体
125・・・導体
130・・・ケーブル接続部本体
140・・・接地線引出部
141・・・接地線引出金具
141A・・・第1面
141B・・・第2面
1411・・・一端部
1412・・・他端部
1413・・・シールド導体を接続するための一定領域
1414・・・接地線接続導体を接続するための一定領域
142・・・接地線接続導体
145・・・ロールスプリング
150・・・接地線
160・・・保護外装部
161・・・被覆層
170・・・シール層(絶縁シート)
171・・・パテシート
180・・・ロールスプリング
200・・・導体接続部
210・・・ゴムユニット
211・・・補強絶縁層
212・・・内部半導電層
213・・・外部半導電層
214,215・・・ストレスコーン
300・・・分岐管ユニット
310・・・筒部
320・・・第1の分岐管部
330・・・第2の分岐管部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブルの遮蔽層から導出されたシールド導体に外部の接地線を電気的に接続する接地線引出部であって、
対向する第1面および第2面を有する平板状に形成され、前記電力ケーブルの軸線に沿う方向に一定の長さを有し、当該第2面側が前記電力ケーブルの絶縁シースの外周に沿うように配置される接地線引出金具と、
前記接地線引出金具と前記外部の接地線を接続するための接地線接続導体と、
要被覆部を被覆する被覆層と、を有し、
前記接地線引出金具は、
前記軸線に沿う方向の一端部の前記第1面および前記第2面の少なくとも一方に、前記シールド導体が電気的に接続され、
他端部の前記第1面および前記第2面の少なくとも一方に、前記接地線接続導体が電気的に接続され、
前記被覆層は、
前記接地線引出金具の外面の少なくとも一部と、前記電力ケーブルのシールド導体導出部付近の外面とを含む要被覆部を一括して被覆する
接地線引出部。
【請求項2】
前記接地線引出金具は、
前記電力ケーブルの外周に沿うように湾曲しており、
前記接地線接続導体は、
導体を編み込んだ可とう性の編導体により形成され、当該編導体の一端部が前記接地線引出金具の他端部において、当該接地線引出金具の前記軸線に直交する幅方向に広げて接続されている
請求項1記載の接地線引出部。
【請求項3】
前記シールド導体は、
折り返されて前記接地線引出金具に接続されている
請求項1または2記載の接地線引出部。
【請求項4】
前記接地線引出金具にロールスプリングが巻き回されている
請求項1から3のいずれか一に記載の接地線引出部。
【請求項5】
前記接地線引出金具の前記第2面と前記電力ケーブルの絶縁シースとの間の少なくとも、前記シールド導体および前記接地線接続導体が接続されている領域を除く領域に、シール層が配置されている
請求項1から4のいずれか一に記載の接地線引出部。
【請求項6】
電力ケーブルを他の電力ケーブルに接続しているケーブル接続部本体と、
電力ケーブルの遮蔽層から導出されたシールド導体に外部の接地線を電気的に接続する接地線引出部と、
前記ケーブル接続部本体と前記接地線引出部とを一括して覆う遮水構造の保護外装部と、を有し、
前記接地線引出部は、
請求項1から5のいずれか一に記載の接地線引出部により構成されている
電力ケーブル接続部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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