説明

接着装置及び接着方法

【課題】 表面に凹凸形状を有するワークに軟質部材からなる接着物を接着するものにあって、生産性を高めると共に、接着品質の向上を図る。
【解決手段】 昇降機構により上下動される下プレート8に、ドアトリム基材2の表面を凹凸反転した上面形状を有する接着物セット治具9を設ける。接着物セット治具9上の所定位置にセットされたフェルト材にホットメルト剤を塗布するロボットを設ける。上プレート13に、ドアトリム基材2が表面を下向きにしてセットされるワークセット治具14を設ける。上部フレーム6bと上プレート13との間に、電磁弁17を介して圧縮空気の供給源18に接続された袋体16を設ける。接着物セット治具9が上昇されることにより、ドアトリム基材2の表面にフェルト材が位置合せ状態で接着され、その状態で、袋体16に圧縮空気が供給されて膨らみ、ドアトリム基材2を下方に押圧する力を付与し、もって、フェルト材をドアトリム基材2に圧着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に凹凸形状を有するワークに対し、その表面の所定位置に軟質部材からなる接着物を接着するための接着装置及び接着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車の内装材としてのドアトリム(リアピラートリム)は、プラスチック成型品からなるドアトリム基材の裏面側に、所定形状に裁断された複数枚(例えば5枚)のフェルト材を貼付けて構成されている。この場合、前記各フェルト材は、一般に、ホットメルト接着剤によりドアトリム基材の所定位置に接着されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、まず、フェルト材の片面にホットメルト接着剤を塗布し、剥離紙を貼付ける工程が実行される。次に、そのフェルト材をプレス機にて所定形状(ドアトリム基材の表面形状に倣った形状)に加工する工程が実行される。そして、フェルト材に貼付けられていた剥離紙を剥がし、フェルト材をドアトリム基材の所定位置に接着する工程が実行される。尚、上記工程はそのほとんどが作業者の手作業によって行われる。
【特許文献1】特開2001−158232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したドアトリム基材の所定位置に複数枚のフェルト材を貼付けるような場合、ワーク(ドアトリム基材)の表面に凹凸形状が設けられており、また、接着物(フェルト材)が軟質な部材である事情から、その接着作業の自動化が難しいと考えられており、その作業を手作業で行わざるを得なかった。ところが、手作業にて上記接着作業を行うものでは、剥離紙を1枚1枚剥がしながらフェルト材を位置決めして貼付ける作業を行わなければならず、フェルト材の貼り直しがきかない事情もあって、作業が面倒で生産性に劣るものとなっていた。また、フェルト材に塗布される接着剤量が多めになりがちで、接着剤の使用量が多くなると共に、貼付け時に接着剤がはみ出してドアトリム基材の表面を汚してしまうといった不具合もあった。更には、剥離紙を用いるため、廃棄物が出るといった問題もあった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、表面に凹凸形状を有するワークに軟質部材からなる接着物を接着するものにあって、生産性を高めることができると共に、接着品質の向上を図ることができる接着装置及び接着方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、表面に凹凸形状を有するワークに軟質部材からなる接着物を接着するものにあって、接着作業の自動化を図るべく、試作、研究を重ね、上面がワークの表面形状を反転した形状とされた接着物セット治具を用いること、及び、その接着物セット治具に対してワークの全面を相対的に均一に押付けることができる加圧手段を設けることによって、作業の自動化が可能となることを確認し、本発明を成し遂げたのである。
【0007】
即ち、本発明の接着装置は、上面がワークの表面形状を反転した形状とされた接着物セット治具と、この接着物セット治具の上方に配置されワークがその表面を下向きとし且つ該接着物セット治具に対する位置合せ状態でセットされるワークセット治具と、前記接着物セット治具の上面の所定位置にセットされた接着物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、前記接着物セット治具を前記ワークセット治具に対して相対的に上昇させて前記接着物を前記ワークに接着させる昇降手段と、前記接着物セット治具に対して前記ワークの全面を相対的に均一に押付ける加圧手段とを具備するところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0008】
これによれば、接着物セット治具の上面の所定位置に接着物がセットされ、その状態で、接着剤塗布手段により、接着物の表面に接着剤が塗布された後、接着物セット治具が、昇降手段により相対的に上昇され、ワークセット治具にセットされたワークに対して接着物が接着される。更に、加圧手段により、ワークの全面が接着物セット治具に対して均一に押付けられるようになる。このとき、接着物セット治具は上面がワークの表面形状を反転した形状とされているので、軟質部材からなる接着物を、ワークとの間で挟んだ状態で該ワークの表面に接着させることができ、しかもその際、加圧手段により均一に加圧されることにより、接着物がワークの表面に倣った形態にいわばプレスされるようになる。
【0009】
これにて、ワークの表面に凹凸形状が設けられており、また、接着物が軟質な部材である事情があっても、接着物の接着作業の自動化を図ることができる。この場合、接着物が複数あっても一度に接着作業を行うことができる。セットされた接着物に対する着剤の塗布も自動で行なうことが可能となるので、接着剤の使用量も必要最小限で済ませることができ、接着剤のはみ出しによる汚れ等も防止することができる。剥離紙を使用しないので、剥離紙がごみとなって出ることがないことは勿論である。
【0010】
このとき、上記加圧手段を、内部に流体が導入される弾性を有する袋体を設け、この袋体を介して押付力を付与するように構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、内部に流体が導入される袋体がいわばクッションとなり、そのクッションを介した状態で加圧する形態となって均等な加圧力を付与することができる。また、均一加圧のための構成を簡単に済ませることができる。
【0011】
本発明の接着方法は、上面がワークの表面形状を反転した形状とされた接着物セット治具の上面の所定位置に接着物をセットする接着物セット工程と、接着物セット治具の上面にセットされた接着物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、接着物セット治具の上方に表面を下向きとし且つ位置合せ状態で配置されたワークに対し接着物セット治具を相対的に上昇させて接着物をワークに接着させる接着工程と、接着物セット治具に対してワークの全面を相対的に均一に押付ける加圧工程とを含むところに特徴を有する(請求項3の発明)。
【0012】
これによれば、やはり、ワークの表面に凹凸形状が設けられており、また、接着物が軟質な部材である事情があっても、接着物の接着作業の自動化を図ることができる。この場合、接着物が複数あっても一度に接着作業を行うことができる。セットされた接着物に対する着剤の塗布も自動で行なうことが可能となるので、接着剤の使用量も必要最小限で済ませることができ、接着剤のはみ出しによる汚れ等も防止することができる。剥離紙を使用しないので、剥離紙がごみとなって出ることがないことは勿論である。
【0013】
このとき、上記加圧工程を、内部に流体が導入される弾性を有する袋体を介してワークに対して押付力を付与することによりなされるように構成することができる(請求項4の発明)。これにより、内部に流体が導入される袋体がいわばクッションとなり、そのクッションを介した状態で加圧する形態となって均等な加圧力を付与することができる。また、均一加圧のための構成を簡単に済ませることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の接着装置及び接着方法によれば、表面に凹凸形状を有するワークに軟質部材からなる接着物を接着するものにあって、上面がワークの表面形状を反転した形状とされた接着物セット治具を用いるようにすると共に、その接着物セット治具に対してワークの全面を相対的に均一に押付けるように構成したので、接着物の接着作業の自動化を図ることができ、生産性を高めることができると共に、接着品質の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を自動車の内装材としてのドアトリム(リアピラートリム)におけるフェルト材の貼付けに適用した一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図5は、ドアトリム1の完成状態(接着後の状態)を示しており、このドアトリム1は、ワークとしてのドアトリム基材2の表面(内面側)に、軟質部材からなる接着物としての複数枚のフェルト材3を、接着剤としての例えばホットメルト剤4(図3参照)により接着して構成される。
【0016】
このとき、前記ドアトリム基材2は、例えばプラスチック成型品からなり、その表面に凹凸を有した比較的複雑な形状をなしている。また、前記フェルト材3は、この場合、形状や大きさの相違する所定形状に裁断された5枚(5種類)が設けられるようになっており、それらは、前記ドアトリム基材2の表面形状に倣うようにして、その所定位置にそれぞれ貼付けられるようになっている。尚、このドアトリム1には、車両に組付けるための複数個の取付具が設けられるようになっていると共に、ドアトリム基材2には予め必要な開口部が形成されている。
【0017】
次に、前記ドアトリム基材2にフェルト3を貼付けるための接着装置について述べる。図1は、本実施例に係る接着装置5の全体構成を概略的に示している。ここで、この接着装置5の外枠を構成するフレーム6の左右の側部には、上下方向に延びる4本(2本のみ図示)のスライドバー7が設けられている。フレーム6のベースを構成する下部フレーム6aの上部には、下プレート8が、前記スライドバー7に沿って上下動可能に設けられており、通常時には、図示のような下降位置に位置されている。そして、図示は省略しているが、この下プレート8は、エアシリンダあるいはモータ等を駆動源とした昇降手段としての昇降機構により、自在に上下動されるようになっている。
【0018】
このとき、前記下プレート8の上面部には、接着物セット治具9が、複数本の支柱部10によってやや上方に持上げられた形態で設けられている。この接着物セット治具9は、図2にも示すように、上面(表面)形状が、前記ドアトリム基材2の表面の凹凸形状を反転したものとされている。後述するように、この接着物セット治具9の上面には、前記複数枚(5枚)のフェルト材3が、その所定位置に接着面を上面として載置状にセットされるようになっている。
【0019】
また、図3に示すように、前記フレーム6の外部には、接着物セット治具9の上面にセットされたフェルト材3に対して接着剤(ホットメルト剤4)を塗布するための接着剤塗布手段としてのロボット11が設けられている。このロボット11は、例えば多関節(6軸)型ロボットからなり、そのアームの先端に接着剤塗布ガン12を取付けて構成されている。このロボット11は、プログラムにより、所定の塗布位置(各フェルト材3の上面)に対して、接着剤塗布ガン12を自在に移動させながら、その先端からホットメルト剤4を吐出させ、いわゆるスパイラル状に塗布を行うようになっている。
【0020】
一方、図1に示すように、前記フレーム6内の上部には、上プレート13が、前記スライドバー7に沿って上下動可能に設けられており、この上プレート13の下面側に、ワークセット治具14が設けられている。また、前記上プレート13と前記フレーム6の上部を構成する上部フレーム6bとの間には、スプリング15が前記スライドバー7の外周に嵌挿された状態で設けられている。これにて、上プレート13は、通常時にはスプリング15のばね力と釣合う高さ位置に位置され、外部からの力によりスプリング15に抗して若干の上下動が可能とされている。
【0021】
そして、前記ドアトリム基材2は、その表面(フェルト材3が接着される面)を下向きにして、前記ワークセット治具14の下面側にセット(保持)されるようになっている。このとき、ドアトリム基材2は、前記接着物セット治具9に対する位置合せ状態、つまり接着物セット治具9が上昇した場合に面同士がぴったりと重なる位置にセットされるようになっている。
【0022】
これにて、詳しくは後の作用説明(工程説明)にて述べるように、接着物セット治具9の上面の所定位置に複数枚のフェルト材3がセットされ、それらフェルト材3にホットメルト剤4が塗布された後、接着物セット治具9(下プレート8)が昇降機構により上昇されることにより、ワークセット治具14の下面側にセットされたドアトリム基材2の表面に、接着物セット治具9にセットされているフェルト材3が位置合せ状態で接着されるようになっているのである。
【0023】
さて、本実施例では、前記上部フレーム6bと上プレート13との間には、加圧手段を構成する袋体16が設けられる。この袋体16は、ゴムや合成樹脂などの弾性を有した軟質な材料から薄形の袋状に構成されており、その一端部(図で左側)には空気出入口16aが設けられている。前記空気出入口16aは、電磁弁17を介して圧縮空気の供給源(コンプレッサ)18に接続されており、前記電磁弁17を制御することによって、流体としての空気を袋体16の内部に供給したり、袋体16内の空気を排出したりすることができるようになっている。
【0024】
これにより、袋体16は通常時においてしぼんだ状態にあり、上プレート13に何ら外力を作用させないが、袋体16の内部に圧縮空気が供給されることにより、袋体16が膨らんで、上プレート13ひいてはワークセット治具14を下方に押圧する力を付与するようになっている。これにて、加圧手段が構成されている。尚、図示はしないが、上記接着装置5を構成する各機構(ロボット11を含む)は、マイコンなどから構成される制御装置により、予め設定されたプログラムに従って制御されるようになっている。この場合、フレーム6の近傍に設けられた操作盤のスイッチを作業者が操作することにより、接着装置5が後述する一連の動作(接着の各工程)を自動で実行するのである。
【0025】
次に、上記構成の作用について、図4も参照しながら述べる。図4は、上記した接着装置5を用いて、ドアトリム基材2にフェルト材3を接着する作業を実行するにあたっての工程を順に示している。即ち、まず、ワークセット治具14に対しドアトリム基材2をセットするワークセット工程P1が実行される。これと共に、接着物セット治具9上の所定位置に複数枚のフェルト材3をセットする接着物セット工程P2が実行される。本実施例では、これら工程P1、P2は、作業者の手作業により実行されるようになっている。
【0026】
次いで、作業者のスイッチ操作に基づいて、接着物セット治具9上にセットされたフェルト材3の表面にホットメルト剤4を塗布する接着剤塗布工程P3が実行される。この工程P3は、上述のように、ロボット11により自動で実行され、各フェルト材3の上面には、ホットメルト剤4がスパイラル状に塗布されるようになっている。この場合、ホットメルト剤4の塗布を自動で行なうことに伴い、ホットメルト剤4の使用量を必要最小限で済ませることが可能となり、ホットメルト剤4のはみ出しによる汚れ等も防止することができる。高温のホットメルト剤4を作業者が直接的に扱うこともないので、作業者に不快感を与えたりすることもなく、安全性を高めることができる。さらに、剥離紙を使用しないので、剥離紙がごみとなって出ることがないことは勿論である。
【0027】
この接着剤塗布工程P3が終了すると、ロボット11(接着剤塗布ガン12)は、接着物セット治具9上から退避され、引続き、接着工程P4が実行される。この接着工程P4では、昇降機構により、下プレート8ひいては接着物セット治具9が上昇され、各フェルト材3の上面即ちホットメルト剤4が塗布された面が、ワークセット治具14にセットされているドアトリム基材2の表面に接触され、接着されるようになる。この場合、ドアトリム基材2の表面が凹凸形状を有していても、接着物セット治具9がドアトリム基材2の表面の反転形状を備えることにより、各フェルト材3がドアトリム基材2の表面に倣うように接着されるのである。
【0028】
このように接着工程P4が行われると、次いで、加圧工程P5が実行される。この加圧工程P5では、電磁弁17の制御により、袋体16内に圧縮空気が供給されて該袋体16が膨らむようになり、スプリング15のばね力に抗して上プレート13ひいてはワークセット治具14に下方への押圧力が付与されるようになる。これにより、接着物セット治具9に対して、間にフェルト材3を挟んだ状態でドアトリム基材2の全面が均一な力で押付けられるようになり、各フェルト材3がプレスされるようにしてドアトリム基材2への接着(圧着)が確実に行われるのである。この加圧状態は、一定時間維持される。
【0029】
そして、この加圧工程P5が終了すると、接着装置5から製品(ドアトリム1)を取出す取出工程P6が実行される。この取出工程P6では、袋体16内から圧縮空気が排出されると共に、昇降機構により、下プレート8ひいては接着物セット治具9が下降される。この状態で、作業者により、ワークセット治具14からドアトリム1(ドアトリム基材2にフェルト材3が接着されたもの)が取外され、これにて、1回の接着作業が終了するのである。
【0030】
このように本実施例では、接着作業を面倒な手作業で行っていた従来と異なり、ワーク(ドアトリム基材2)の表面に凹凸形状が設けられており、また、接着物が軟質なフェルト材3である事情があっても、接着作業の自動化を図ることができた。この場合、複数枚のフェルト材3でも一度に接着作業を行うことができ、更に、セットされたフェルト材3に対するホットメルト剤4の塗布も自動で行なうことが可能となった。この結果、本実施例の接着装置5及び接着方法によれば、生産性を高めることができると共に、接着品質の向上を図ることができるという優れた効果を得ることができる。
【0031】
また、特に本実施例では、加圧手段を、内部に流体が導入される弾性を有する袋体16を設け、この袋体16を介して押付力を付与するように構成したので、袋体16がいわばクッションとなってそのクッションを介した状態で加圧する形態となり、ドアトリム基材2に均等な加圧力を付与することができ、しかも、均一加圧のための構成を簡単に済ませることができるものである。
【0032】
尚、上記した実施例では、昇降機構により、接着物セット治具9側を上昇させることにより、接着工程を行うようにしたが、ワークセット治具14(ワーク)側を下降させることにより、同様の工程を行うようにしても良い。この場合、加圧手段を、ワーク側あるいは接着物セット治具9側のいずれに設けても良い。また、上記実施例では、ワークや接着物のセット、及び、製品の取出しについては作業者が行うようにしたが、それらの工程についても、ロボット等を用いて自動化するようにしても良い。
【0033】
その他、本発明は、ドアトリム基材2にフェルト材3を貼けるものに限らず、各種のワークに対して軟質な接着物を接着するもの全般に適用することができる。この場合、接着剤としても、ホットメルト剤に限らず各種のものを使用することができる。接着剤塗布手段としても、ロボットに限定されるものではない。更には、袋体16に導入する流体としても、空気以外の気体や、水等の液体を用いるようにしても良く、加圧手段の構成自体も袋体を用いたものに限らず、種々の変更が可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、接着装置の構成を概略的に示す正面図
【図2】接着物セット治具部分の斜視図
【図3】ロボットにより接着剤を塗布する様子を示す図
【図4】接着の工程を示す図
【図5】ドアトリムの外観を示す図
【符号の説明】
【0035】
図面中、2はドアトリム基材(ワーク)、3はフェルト材(接着物)、4はホットメルト剤(接着剤)、5は接着装置、9は接着物セット治具、11はロボット(接着剤塗布手段)、14はワークセット治具、16は袋体を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸形状を有するワークに対し、その表面の所定位置に軟質部材からなる接着物を接着するための装置であって、
上面が前記ワークの表面形状を反転した形状とされた接着物セット治具と、
この接着物セット治具の上方に配置され、前記ワークがその表面を下向きとし且つ該接着物セット治具に対する位置合せ状態でセットされるワークセット治具と、
前記接着物セット治具の上面の所定位置にセットされた接着物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、
前記接着物セット治具を前記ワークセット治具に対して相対的に上昇させて前記接着物を前記ワークに接着させる昇降手段と、
前記接着物セット治具に対して前記ワークの全面を相対的に均一に押付ける加圧手段とを具備することを特徴とする接着装置。
【請求項2】
前記加圧手段は、内部に流体が導入される弾性を有する袋体を有し、この袋体を介して押付力を付与するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の接着装置。
【請求項3】
表面に凹凸形状を有するワークに対し、その表面の所定位置に軟質部材からなる接着物を接着するための方法であって、
上面が前記ワークの表面形状を反転した形状とされた接着物セット治具の上面の所定位置に前記接着物をセットする接着物セット工程と、
前記接着物セット治具の上面にセットされた接着物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記接着物セット治具の上方に、表面を下向きとし且つ位置合せ状態で配置された前記ワークに対し、該接着物セット治具を相対的に上昇させて前記接着物を該ワークに接着させる接着工程と、
前記接着物セット治具に対して前記ワークの全面を相対的に均一に押付ける加圧工程とを含むことを特徴とする接着方法。
【請求項4】
前記加圧工程は、内部に流体が導入される弾性を有する袋体を介して前記ワークに対して押付力を付与することによりなされることを特徴とする請求項3記載の接着方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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